(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】施設管理システム
(51)【国際特許分類】
G06K 13/06 20060101AFI20241217BHJP
G06Q 50/12 20120101ALI20241217BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
G06K13/06 C
G06Q50/12
G07G1/12 361A
(21)【出願番号】P 2024038942
(22)【出願日】2024-03-13
(62)【分割の表示】P 2024010017の分割
【原出願日】2023-02-13
【審査請求日】2024-03-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】佐野 文美
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-068353(JP,A)
【文献】特開平04-096890(JP,A)
【文献】特開平04-195275(JP,A)
【文献】国際公開第2017/073463(WO,A1)
【文献】特開2002-367027(JP,A)
【文献】特開2021-056684(JP,A)
【文献】国際公開第2020/157823(WO,A1)
【文献】特開2023-105876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 13/06
G06Q 50/12
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作端末において利用者から利用対象のチェックイン手続きを受け付ける
施設管理システムであって、
前記利用対象の利用キーを収容可能な収容部と、
前記利用者のチェックイン手続きに基づいて、前記利用キーに前記利用者に対応するキー情報を書き込む書込部と、
前記利用キーを排出可能な排出口と、
前記利用者のチェックイン手続きに基づいて、前記キー情報が書き込まれた前記利用キーを前記排出口から排出させる排出処理部と、
前記収容部と前記排出口とを連結する通路における前記利用キーの通行を許可又は禁止するように駆動される規制部と、
を備え、
前記規制部は、前記利用者のチェックイン手続きを受け付けることが可能になった場合において、前記収容部から前記書込部に搬送された前記利用キーへの前記キー情報の書き込みが完了するまでは前記通路における前記利用キーの通行を禁止し、前記利用キーへの前記キー情報の書き込みが完了した場合に、前記通路における前記利用キーの通行を許可する、施設管理システム。
【請求項2】
前記書込部は、前記通路における、前記排出口に近接する領域に対向する位置に設けられている、
請求項1に記載の施設管理システム。
【請求項3】
前記利用者からチェックイン手続きを受け付ける前に、前記利用キーを前記収容部から前記領域に搬送する、
請求項2に記載の施設管理システム。
【請求項4】
前記規制部は、予め設定された時刻が到来した場合に、前記通路における前記利用キーの通行を禁止する、
請求項1に記載の
施設管理システム。
【請求項5】
前記規制部は、前記排出口から排出された前記利用キーが抜き取られた場合に、再度駆動されて前記通路における前記利用キーの通行を禁止する、
請求項
1に記載の
施設管理システム。
【請求項6】
前記規制部は、前記通路における前記利用キーの通行を不可能にする第1位置と、前記通路における前記利用キーの通行を可能にする第2位置との間で移動可能に構成されている、
請求項1~
5のいずれかに記載の
施設管理システム。
【請求項7】
前記規制部は、上下方向に昇降可能に構成されており、
前記規制部が前記第1位置に上昇した場合に前記通路が閉鎖され、
前記規制部が前記第2位置に下降した場合に前記通路が開放される、
請求項6に記載の
施設管理システム。
【請求項8】
操作端末において利用者から利用対象のチェックイン手続き及びチェックアウト手続きを受け付ける
施設管理システムであって、
前記利用対象の利用キーを収容可能な収容部と、
前記利用者のチェックイン手続きに基づいて、前記利用キーに前記利用者に対応するキー情報を書き込む書込部と、
前記利用キーを排出及び挿入可能な挿抜部と、
前記利用者のチェックイン手続きに基づいて、前記キー情報が書き込まれた前記利用キーを前記挿抜部から排出させる排出処理部と、
前記利用者のチェックアウト手続きに基づいて、前記利用者から前記挿抜部に挿入された前記利用キーを回収する回収処理部と、
前記収容部と前記挿抜部とを連結する通路における前記利用キーの通行を許可又は禁止するように駆動される規制部と、
を備え
、
前記規制部は、前記利用者のチェックイン手続きを受け付けることが可能になった場合において、前記収容部から前記書込部に搬送された前記利用キーへの前記キー情報の書き込みが完了するまでは前記通路における前記利用キーの通行を禁止し、前記利用キーへの前記キー情報の書き込みが完了した場合に、前記通路における前記利用キーの通行を許可する、施設管理システム。
【請求項9】
前記規制部は、前記利用者のチェックイン手続きを受け付けることが可能になった場合に、前記通路における前記利用キーの通行を禁止し、前記利用者のチェックアウト手続きを受け付けることが可能になった場合に、前記通路における前記利用キーの通行を許可する、
請求項8に記載の
施設管理システム。
【請求項10】
前記規制部は、チェックイン手続きに対応する予め設定された時刻が到来した場合に、前記通路における前記利用キーの通行を禁止し、チェックアウト手続きに対応する予め設定された時刻が到来した場合に、前記通路における前記利用キーの通行を許可する、
請求項8に記載の
施設管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宿泊施設などの施設を管理する施設管理システム、施設管理方法、操作端末、及び施設管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ホテル、旅館などの宿泊施設において、フロントの省人化及びチェックイン/チェックアウト手続きの効率化を図るために、利用者がフロント付近に設置された操作端末を自ら操作してチェックイン/チェックアウト手続きを行うシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
利用者が宿泊施設をチェックアウトする場合には、利用者はカードキーを回収箱に投入し、必要に応じて操作端末又はフロントにおいて精算などを行う。このような運用の場合、宿泊施設はカードキーを確実に回収することが困難であり、また利用者が適切な時間にチェックアウトを完了したかどうかを判断することが困難である。このように、従来の技術では、施設におけるチェックアウト処理の効率が低下する問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、利用対象のチェックアウト処理の効率を向上させることが可能な施設管理システム、施設管理方法、操作端末、及び施設管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る施設管理システムは、待機処理部と排出処理部と回収処理部とを備える。前記待機処理部は、利用対象の利用キーを収容可能な収容部と、前記利用キーを排出及び挿入可能な挿抜部と、前記収容部及び前記挿抜部の間に設けられた待機領域とを備える操作端末において、前記収容部に収容された前記利用キーを前記待機領域に待機させる。前記排出処理部は、前記利用対象に対する利用者のチェックイン手続きに基づいて、前記待機領域に待機された前記利用キーを前記挿抜部から排出させる。前記回収処理部は、前記利用対象に対する利用者のチェックアウト手続きが可能な状態になった場合に、前記待機領域に待機された前記利用キーを前記操作端末内の退避領域に退避させて、前記利用者から前記挿抜部に挿入される前記利用キーの回収を可能にする。
【0007】
本発明の他の局面に係る施設管理方法は、利用対象の解錠を行う利用キーを収容可能な収容部と、前記利用キーを排出及び挿入可能な挿抜部と、前記収容部及び前記挿抜部の間に設けられた待機領域とを備える操作端末において、前記収容部に収容された前記利用キーを前記待機領域に待機させることと、前記利用対象に対する利用者のチェックイン手続きに基づいて、前記待機領域に待機された前記利用キーを前記挿抜部から排出させることと、前記利用対象に対する利用者のチェックアウト手続きが可能な状態になった場合に、前記待機領域に待機された前記利用キーを前記操作端末内の退避領域に退避させて、前記利用者から前記挿抜部に挿入される前記利用キーの回収を可能にすることと、を一又は複数のプロセッサーが実行する方法である。
【0008】
本発明の他の局面に係る操作端末は、利用対象の利用キーを収容可能な収容部と、前記利用キーを排出及び挿入可能な挿抜部と、前記収容部及び前記挿抜部の間に設けられ、チェックインが可能な状態の場合に、前記収容部に収容された第1利用キーを前記挿抜部から排出可能に待機させる待機領域と、チェックアウトが可能な状態の場合に、前記待機領域に待機された前記第1利用キーを退避させ、利用者から前記挿抜部に挿入される第2利用キーの回収を可能にする退避領域と、を備える。
【0009】
本発明の他の局面に係る施設管理プログラムは、利用対象の解錠を行う利用キーを収容可能な収容部と、前記利用キーを排出及び挿入可能な挿抜部と、前記収容部及び前記挿抜部の間に設けられた待機領域とを備える操作端末において、前記収容部に収容された前記利用キーを前記待機領域に待機させることと、前記利用対象に対する利用者のチェックイン手続きに基づいて、前記待機領域に待機された前記利用キーを前記挿抜部から排出させることと、前記利用対象に対する利用者のチェックアウト手続きが可能な状態になった場合に、前記待機領域に待機された前記利用キーを前記操作端末内の退避領域に退避させて、前記利用者から前記挿抜部に挿入される前記利用キーの回収を可能にすることと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、利用対象のチェックアウト処理の効率を向上させることが可能な施設管理システム、施設管理方法、操作端末、及び施設管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る施設管理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る施設管理システムの構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る施設管理システムで利用される予約情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る施設管理システムで利用されるチェックイン情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る施設管理システムで利用されるチェックアウト情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る操作端末の一例を示す外観図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る操作端末を側方から見た断面図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る操作端末のルームキー発行回収部の斜視図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る操作端末のルームキー発行回収部を側方から見た断面図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係るルームキー発行回収部においてルームキーが待機領域にセットされる様子を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示されるチェックイン画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態に係るルームキー発行回収部においてルームキーが挿抜部から排出される様子を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施形態に係るルームキー発行回収部において待機領域にセットされたルームキーが回収部に収容される様子を示す図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示されるチェックアウト画面の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、本発明の実施形態に係るルームキー発行回収部において挿抜部に挿入されたルームキーが回収部に収容される様子を示す図である。
【
図17】
図17は、本発明の実施形態に係るルームキー発行回収部においてルームキーが待機領域にセットされる様子を示す図である。
【
図18】
図18は、本発明の実施形態に係る施設管理システムにおいて実行されるチェックイン/チェックアウト処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0013】
[施設管理システム100]
図1に示すように、本発明の実施形態に係る施設管理システム100は、本発明の施設管理システムの一例であり、管理装置10と、複数の操作端末20とを含む。施設管理システム100は、例えばホテル、旅館などの宿泊施設に導入される。管理装置10は、例えば宿泊施設のフロント、事務室などに配置され、予約などを管理する。宿泊施設の管理者、従業員などのスタッフは、管理装置10を操作することが可能である。操作端末20は、本発明の操作端末の一例であり、例えば宿泊施設のフロント付近に設置され、宿泊客である利用者によるチェックイン手続き及びチェックアウト手続きなどの操作を受け付ける。管理装置10と複数の操作端末20とは、宿泊施設に設置される有線LAN又は無線LANなどの通信網N1を介して通信可能である。操作端末20は、1台設置されてもよいし複数台設置されてもよい。
図1では、一例として、3台の操作端末20を示している。利用者は、所望の操作端末20を操作することが可能である。なお、管理装置10は、宿泊施設の外部に配置され、通信網N1を介して複数の操作端末20と通信可能に構成されてもよい。
【0014】
ここで、宿泊施設の利用者は、自身の利用者端末(不図示)を使用して、例えば、宿泊施設が運営するWEBサイトの宿泊予約ページにアクセスして宿泊予約を行う。管理装置10は、宿泊予約された予約情報を取得して予約を管理する。なお、予約処理は、管理装置10で実行されてもよいし、管理装置10に通信網N1を介して接続された予約サーバ(不図示)で実行されてもよい。例えば予約サーバーは、利用者から予約要求を受け付けて予約処理を実行し、予約が完了した場合に予約情報を管理装置10に通知する。利用者端末及び管理装置10(又は予約サーバー)は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網を介して通信可能である。宿泊予約した利用者は、宿泊日に宿泊施設を訪れ、操作端末20を操作してチェックイン手続きを行う。また利用者は、宿泊施設をチェックアウトする際に操作端末20を操作してチェックアウト手続きを行う。また利用者は、チェックイン手続き又はチェックアウト手続きにおいて、利用代金(宿泊代金など)の精算(決済手続き)を行う。
【0015】
[管理装置10]
図2に示すように、管理装置10は、制御部11、記憶部12、操作表示部13、通信インターフェース14などを備える。管理装置10は、例えばパーソナルコンピュータ又はタブレット端末のような情報処理装置であってもよい。また、管理装置10は、ホテル管理システム(PMS)を構築する情報処理装置又はクラウドサーバであってもよい。管理装置10は、予約管理、客室管理、会計管理、及び顧客管理などの機能を備えている。また、管理装置10は、各客室(部屋)の入り口に設置される解錠装置と通信して解錠処理を行う機能(モバイルキーシステム)を備えてもよい。なお、前記モバイルキーシステムは、管理装置10の外部に配置され、通信網(インターネットなど)を介して管理装置10と通信してもよい。
【0016】
通信インターフェース14は、管理装置10を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して操作端末20との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行する。また、通信インターフェース14は、管理装置10を有線又は無線で通信網(インターネットなど)に接続し、通信網を介して利用者端末などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0017】
操作表示部13は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0018】
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部12には、制御部11に所定の処理を実行させるための制御プログラムが記憶されている。例えば、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、管理装置10に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。
【0019】
また、記憶部12には、利用者端末から受け付けた宿泊予約の情報を表す予約情報121(予約情報データベース)と、利用者のチェックイン状況を表すチェックイン情報122(チェックイン情報データベース)と、利用者のチェックアウト状況を表すチェックアウト情報123(チェックアウト情報データベース)とが記憶される。予約情報121、チェックイン情報122、及びチェックアウト情報123は、管理装置10に通信網(インターネットなど)を介して接続されるデータサーバ(不図示)に含まれてもよい。
【0020】
図3は、予約情報121の一例を示す図である。
図3に示す例では、2023年1月10日に宿泊施設を利用する利用者(宿泊者)の予約情報121を示している。予約情報121には、宿泊情報及び宿泊者情報が登録される。また予約情報121には、利用者の属性を表す情報が含まれる。
図3では、説明の便宜上、一部の情報、具体的には、宿泊日、予約者名、宿泊者名、利用人数、チェックイン予定時刻を示している。また予約情報121に、利用者が宿泊日に宿泊施設に到着する予定の時刻(チェックイン予定時刻)、利用者が宿泊施設に持参する利用者端末(スマートフォンなど)に設定されるメールアドレスなどの情報が含まれてもよい。
【0021】
図3に示す例では、例えば利用者P1,P2,P3は、3人で1つの客室を利用するグループ(同泊者グループ)であり、宿泊施設に到着する予定の時刻(チェックイン予定時刻)が「17:00」であることを示し、利用者P6,P7は、2人で1つの客室を利用するグループ(同泊者グループ)であり、宿泊施設に到着する予定の時刻(チェックイン予定時刻)が「20:30」であることを示している。なお、チェックイン予定時刻は、予約者が予約時に登録する情報であり、予約者が予約時に登録しなかった場合には、予約情報121のチェックイン予定時刻に「未定」が登録される。
【0022】
図4は、チェックイン情報122の一例を示す図である。チェックイン情報122には、利用者の宿泊日当日のチェックイン状況が登録される。
図4に示す例では、2023年1月10日(チェックイン日)の現在時刻におけるチェックイン状況を示している。チェックイン情報122には、客室の利用者名(宿泊者名)、客室番号、チェックイン状況などが含まれる。なお、宿泊施設では、チェックイン手続受付開始時刻(例えば、15:00)が予め設定されており、各利用者はチェックイン手続受付開始時刻以降からチェックイン手続きを行うことが可能になる。前記チェックイン状況は、客室(利用者)のチェックイン手続きを完了したか否かを示す情報である。
図4に示す例では、客室番号「201」、「402」、「203」の客室は現時点でチェックイン手続きが完了し(「チェックイン完了」)、客室番号「301」、「204」の客室は現時点でチェックイン手続きが完了していない(チェックイン手続きが未完了である)ことを示している(「チェックイン未完了」)。制御部11は、操作端末20から取得する情報に基づいて、各客室のチェックイン状況を更新する。
【0023】
図5は、チェックアウト情報123の一例を示す図である。チェックアウト情報123には、利用者のチェックアウト状況が登録される。
図5に示す例では、2023年1月11日(チェックアウト日)の現在時刻におけるチェックアウト状況を示している。チェックアウト情報123には、客室の利用者名(宿泊者名)、客室番号、チェックアウト日時、チェックアウト状況などが含まれる。チェックアウト日時は、宿泊施設において予め設定された上限時刻(例えば、チェックアウト日の10:00)であり、利用者は上限時刻まで客室を利用することが可能である。なお、チェックアウト日時は、利用者の要望(延長要求など)に応じて前記上限時刻よりも遅い時刻(例えば、チェックアウト日の12:00)に設定されてもよい。よって、チェックアウト日時は、利用者ごとに個別に設定可能である。前記チェックアウト状況は、客室(利用者)のチェックアウト手続きが完了したか否かを示す情報である。
図5に示す例では、客室番号「301」、「402」、「204」の客室は現時点でチェックアウト手続きが完了し(「チェックアウト完了」)、客室番号「201」、「203」の客室は現時点でチェックアウト手続きが完了していない(チェックアウト手続きが未完了である)ことを示している(「チェックアウト未完了」)。ここで、前記チェックアウト状況の「チェックアウト完了」は、客室の利用者全員がチェックアウト手続きを完了し、当該客室が空室になり、清掃可能な状態又は予約可能な状態であることを表している。また、前記チェックアウト状況の「チェックアウト未完了」は、客室の利用者の少なくとも1名がチェックアウト手続きを完了しておらず、当該客室の清掃又は予約ができない状態であることを表している。制御部11は、操作端末20から取得する情報に基づいて、各客室のチェックアウト状況を更新する。
【0024】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより管理装置10を制御する。
【0025】
具体的に、制御部11は、
図2に示すように、予約処理部111、管理処理部112などの各種の処理部を含む。尚、制御部11は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。尚、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0026】
予約処理部111は、利用者端末において宿泊予約の操作が行われた場合に、予約可能であるか否かを判定し、予約可能である場合に予約処理を行う。予約処理が完了した場合、予約処理部111は、利用者端末に予約完了通知を送信し、前記宿泊情報及び前記宿泊者情報を含む予約情報を予約情報121(
図3参照)に登録する。
【0027】
なお、本実施形態では、管理装置10において予約処理が行われる例について説明するが、例えば、管理装置10と利用者端末との間に、利用者からの予約要求に応じて予約処理を実行する予約処理システムが介在してもよい。この場合、管理装置10は、前記予約処理システムから送られてきた予約情報を予約情報121に登録して管理する。
【0028】
管理処理部112は、各客室のチェックイン状況及びチェックアウト状況を管理する。管理処理部112は、客室(利用者)のチェックイン手続きが完了した場合に、チェックイン情報122(
図4参照)を更新する。また、管理処理部112は、客室(利用者)のチェックアウト手続きが完了した場合に、チェックアウト情報123(
図5参照)を更新する。管理処理部112は、操作端末20から取得する情報に基づいてチェックイン情報122及びチェックアウト情報123を更新する。
【0029】
例えば、「2023年1月10日」のチェックイン手続受付開始時刻(例えば、15:00)以降に客室番号「201」の客室の利用者P1(代表者)がチェックイン手続きを完了すると、管理処理部112は、チェックイン情報122の客室番号「201」のチェックイン状況に「チェックイン完了」を登録する(図4参照)。また、例えば、「2023年1月11日」のチェックアウト日に客室番号「301」の客室の利用者P4がチェックアウト手続きを完了すると、管理処理部112は、チェックアウト情報123の客室番号「301」のチェックアウト状況に「チェックアウト完了」を登録する(図5参照)。
【0030】
[操作端末20]
図2に示すように、操作端末20は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、ルームキー発行回収部24、読取部25、通信インターフェース26、カメラ27(
図6参照)、人感センサー28(
図6参照)などを備える。操作端末20は、例えば、パーソナルコンピュータのような情報処理装置と、当該情報処理装置に接続され、ルームキー発行回収部24を備える周辺機器とにより構成されてもよい。
【0031】
図6は、操作端末20の一例を示す外観図である。
図6に示すように、操作端末20において、利用者は操作表示部23をタッチ操作することが可能となっている。利用者は、操作表示部23に表示される操作画面を操作しながらチェックイン手続き及びチェックアウト手続きを行う。カメラ27は、操作表示部23の上部に設けられており、例えば利用者の顔画像を撮像する。人感センサー28は、操作端末20の前面に設けられており、操作端末20の前に利用者が接近した場合に利用者を検知する。操作端末20には、クレジットカードなどのカード類を挿入するカード挿入部、硬貨及び紙幣を投入する金銭投入部などが設けられてもよい。
【0032】
通信インターフェース26は、操作端末20を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理装置10との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0033】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0034】
読取部25は、二次元コードなどの情報コードを読み取る。例えば、チェックイン手続きにおいて、利用者が利用者端末(スマートフォンなど)に表示された二次元コード(宿泊者情報を含む二次元コード)を読取部25に翳した場合に、読取部25は二次元コードを読み取る(
図12参照)。また、読取部25は、利用者のパスポート(旅券)、身分証明書などの本人情報をスキャンする機能を備えてもよい。読取部25は、二次元コードから取得した情報を制御部21に出力する。
【0035】
ルームキー発行回収部24は、客室のルームキー(例えばカードキー)を発行(排出)及び回収する。ルームキー発行回収部24は、制御部21の指示に基づいてルームキーを発行する。例えば、ルームキー発行回収部24は、チェックイン手続きにおいて利用者の認証が行われると、当該利用者に対応する情報(客室番号、宿泊日情報など)を記憶させたICカード型のカードキーをルームキー発行回収部24の排出口から排出する。ルームキーは、解錠装置(通信装置)との間の通信処理を介して前記客室の解錠を行うICカードキーである。前記通信処理は、例えば非接触ICカードを利用した近距離無線通信手段が利用可能である。例えば、利用者はルームキーを前記解錠装置に近接させると、前記解錠装置が前記通信処理を介してルームキーの識別情報(客室番号など)の照合を行い、照合に成功すると前記客室を解錠する。
【0036】
ルームキーは、ICカードに限定されず、磁気カードであってもよい。ルームキーは、本発明の利用キーの一例である。なお、本発明の利用キーは、カードキーに限定されず、鍵穴に挿入して施錠及び解錠を行うキーであってもよいし、二次元コードなどの情報コードが紙媒体などに印刷された情報コードキーであってもよい。
【0037】
ルームキー発行回収部24は、さらに、ルームキーを回収する機能を備えている。例えば、チェックアウト手続きにおいて、利用者がルームキー発行回収部24の挿入口(投入口)にルームキーを挿入すると、ルームキー発行回収部24は、当該ルームキーを回収する。なお、ルームキー発行回収部24において、ルームキーを発行(排出)する排出口とルームキーを挿入(投入)する挿入口とは一体に形成されており、例えばルームキーの排出及び挿入が可能な一つの挿抜部241(
図6等参照)として構成されている。
【0038】
ここで、ルームキー発行回収部24の具体的構成について説明する。
図7には、操作端末20をA0方向(
図6参照)から見た断面図を示し、
図8には、ルームキー発行回収部24をA0方向から見た斜視図(透視図)を示し、
図9には、ルームキー発行回収部24をA0方向から見た断面図を示している。なお、以下では、未使用のルームキー、すなわちルームキー発行回収部24が発行(排出)する前のルームキーを「ルームキーC1」と称し、使用済のルームキー、すなわちルームキー発行回収部24が発行(排出)した後のルームキーを「ルームキーC2」と称す。
【0039】
ルームキー発行回収部24は、操作端末20内部の一側面側(例えば正面に向かって右側)に配置されている(
図6参照)。
図8及び
図9に示すように、ルームキー発行回収部24は、ルームキーC1を収容可能な収容部242と、ルームキーC1の排出及びルームキーC2の挿入が可能な挿抜部241と、収容部242及び挿抜部241の間に設けられた待機領域244と、ルームキーC1及びルームキーC2を回収可能な回収部243(本発明の退避領域の一例)と、ルームキーC1に情報を書き込んだりルームキーC2の情報を読み取ったりするリーダライター245と、挿抜部241におけるルームキーC2の挿入を規制する規制部246とを備えている。
【0040】
収容部242は、複数のルームキーC1(カードキー)を収容可能である。例えば、スタッフは、収容部242のルームキーC1の数量が減少すると収容部242にルームキーC1を補充する。
【0041】
待機領域244は、収容部242と挿抜部241との間の通路における挿抜部241に近接した位置に配置されている。ルームキー発行回収部24の駆動部(不図示)は、制御部21の指示に従って、収容部242からルームキーC1を1枚抜き取って待機領域244まで搬送する(
図10の矢印A1参照)。待機領域244には、1枚のルームキーC1がセットされる。
【0042】
リーダライター245は、周知のリーダライター(例えばICカードリーダライター)で構成されており、待機領域244に対向する位置(上方)に配置されている。なお、リーダライター245が配置される位置は限定されず、待機領域244にセットされるルームキーに対して読書可能な位置であればよい。例えば、リーダライター245は、制御部21の指示に従って、待機領域244にセットされたルームキーC1に客室番号、宿泊日情報などを含むキー情報を書き込む。例えば、制御部21は、チェックイン手続きにおいて利用者の予約情報を取得すると予約情報に基づいて、リーダライター245に、ルームキーC1へのキー情報の書き込みを指示する。
【0043】
挿抜部241は、チェックイン手続きにおいて、チェックイン処理が完了すると、キー情報が書き込まれたルームキーC1を排出する(
図13参照)。なお、ルームキーC1を排出する際に規制部246が駆動部により移動することにより、挿抜部241からルームキーC1の排出が可能となる。例えば、規制部246は、上下方向に昇降可能に構成されており、挿抜部241と待機領域244とを連結する通路の通行を許可又は禁止する。例えば、規制部246が上昇すると(
図10参照)、前記通路が閉鎖されて、ルームキーC1の排出及びルームキーC2の挿入が不可能となる。また例えば、規制部246が下降すると(
図9参照)、前記通路が解放されて、ルームキーC1の排出及びルームキーC2の挿入が可能となる。規制部246は、制御部21の指示に従って昇降する。
【0044】
回収部243は、未使用のルームキーC1及び使用済みのルームキーC2を回収する。例えば、利用者がチェックアウトする際にルームキーC2を挿抜部241に挿入すると、駆動部は、挿入されたルームキーC2を待機領域244を通過して回収部243に搬送する(
図16参照)。なお、ルームキーC2が挿抜部241に挿入された場合、リーダライター245は、挿入されたルームキーC2のキー情報を読み取って制御部21に出力する。
【0045】
また、例えば、チェックアウト手続きが可能な状態のときに待機領域244にルームキーC1がセット(待機)されている場合には、駆動部は、待機領域244にセットされているルームキーC1を回収部243に搬送するととも規制部246を下降させて、ルームキーC2の挿入を可能にする(
図14参照)。このように、回収部243には、チェックアウトが完了して使用済みの(キー情報が書き込まれた)ルームキーC2と、未使用の(キー情報が書き込まれていない)ルームキーC1とが収容される。例えば、スタッフは、回収部243に多数のルームキー(ルームキーC1及びルームキーC2)が溜まると回収部243からルームキーを回収する。
【0046】
このように、ルームキー発行回収部24は、チェックイン手続き及びチェックアウト手続きにおいて、制御部21の指示(詳細は後述する)に従って、ルームキーの発行処理及び回収処理を実行する。なお、リーダライター245は、利用者から返却されたルームキーC2のキー情報を読み取った後、当該キー情報を消去してもよい。この場合、キー情報が消去されたルームキーC2は、駆動部により収容部242に搬送されて新たなルームキーC1として使用されてもよい。
【0047】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD、SSD、又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部22には、制御部21に後述のチェックイン/チェックアウト処理(
図18参照)を実行させるためのチェックイン/チェックアウト処理プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記チェックイン/チェックアウト処理プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、操作端末20に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。尚、前記チェックイン/チェックアウト処理プログラムは、通信網N1を介して操作端末20の記憶部22にダウンロードされてもよい。
【0048】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより操作端末20を制御する。
【0049】
具体的に、制御部21は、
図2に示すように、受付処理部211、表示処理部212、チェックイン処理部213、待機処理部214、発行処理部215、回収処理部216、チェックアウト処理部217などの各種の処理部を含む。尚、制御部21は、前記CPUで前記チェックイン/チェックアウト処理プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。尚、前記チェックイン/チェックアウト処理プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0050】
受付処理部211は、宿泊施設の利用者によるチェックイン手続き及びチェックアウト手続きに関する操作を受け付ける。受付処理部211は、利用者が操作端末20の操作表示部23において操作した操作情報を取得する。
【0051】
例えば、利用者が
図11に示すメニュー画面において「チェックイン」ボタンを押下してチェックイン手続きを開始する操作を行うと、受付処理部211は、当該操作情報を取得する。前記チェックイン手続きには、予約番号、氏名、電話番号、住所など宿泊者情報を入力する操作、決済操作、ルームキーの枚数を選択する操作、利用者が外国人の場合にパスポートをスキャンする操作などが含まれる。尚、利用者が、前記チェックイン手続きにおいて、利用者端末(スマートフォンなど)に表示された二次元コードを読取部25(
図6参照)に翳した場合に(
図12参照)、受付処理部211が、読み取った前記二次元コードに含まれる前記宿泊者情報を取得してもよい。この構成によれば、利用者は操作画面において前記宿泊者情報を手入力する操作が不要になる。
【0052】
また例えば、利用者が
図11に示すメニュー画面D1において「チェックアウト」ボタンを押下してチェックアウト手続きを開始する操作を行うと、受付処理部211は、当該操作情報を取得する。前記チェックアウト手続きには、ルームキーC2を返却する操作、決済操作(例えば追加精算)、返金操作、パスポートをスキャンする操作などが含まれる。例えば、受付処理部211は、利用者から、操作端末20において客室のルームキーC2の返却操作を受け付ける。なお、決済及び返金の処理は、フロントにおいて対応してもよい。例えば追加精算が必要な場合、制御部21は、利用者をフロントに案内するメッセージを表示させてもよい。
【0053】
表示処理部212は、各種の情報を操作表示部23に表示させる。例えば、表示処理部212は、チェックイン手続き及びチェックアウト手続きに関する操作画面、案内画面などを順次、操作表示部23に表示させる。また、表示処理部212は、その他の各種メッセージを操作表示部23に表示させることが可能である。
【0054】
チェックイン処理部213は、前記チェックイン手続きにおいて入力された情報に基づいて利用者の認証を行う。例えば、チェックイン処理部213は、管理装置10に記憶されている予約情報121(
図3参照)を参照して、利用者が入力した情報が予約情報121に一致する場合に当該利用者を認証して宿泊を許可する。また、チェックイン処理部213は、読取部25においてスキャンしたパスポート画像と、カメラ27により撮像された利用者の顔画像とが一致する場合に当該利用者を認証して宿泊を許可してもよい。
【0055】
また、チェックイン処理部213は、利用者によるチェックインに必要な情報(宿泊者情報、個人情報など)の取得が完了し、利用者の認証に成功した場合に、宿泊料金の支払い関する決済を行う。例えば、利用者がクレジットカードを操作端末20のカード挿入部に挿入すると、チェックイン処理部213は、利用者が利用する決済事業者の決済サーバーに決済要求を送信して決済処理を行う。なお、前記決済処理は、チェックアウト手続きに含まれてもよい。また、操作端末20は、決済機能を備えていなくてもよい。例えば、利用者は利用者端末により決済が可能な場合には、決済機能を有しない操作端末20を利用してチェックイン手続き及びチェックアウト手続きを行うことができる。
【0056】
待機処理部214は、ルームキー発行回収部24の収容部242に収容されたルームキーC1を待機領域244に待機させる。具体的には、待機処理部214は、操作端末20が利用者のチェックイン手続きを受け付けることが可能な状態になった場合に、収容部242に収容されたルームキーC1を待機領域244に搬送して待機させる。例えば、待機処理部214は、予め設定された設定時刻(チェックイン手続受付開始時刻)が到来した場合に、収容部242に収容されたルームキーC1を待機領域244に待機させる。例えば、宿泊施設においてチェックイン手続きの受け付けを開始する時刻が予め設定(例えば、15:00に設定)されている場合に、待機処理部214は、現在時刻が設定時刻(15:00)になると、ルームキー発行回収部24の駆動部に対して、収容部242から1枚のルームキーC1を取り出して待機領域244に搬送する指示を出力する。これにより、
図10に示すように、1枚のルームキーC1が待機領域244にセットされる。
【0057】
また、待機処理部214は、操作端末20が利用者のチェックイン手続きを受け付けることが可能な状態になった場合(例えば、予め設定された設定時刻(15:00)が到来した場合)に、規制部246を上昇させて、挿抜部241と待機領域244との間の通路の通行を規制する(
図10参照)。これにより、外部から挿抜部241(操作端末20内)にルームキーC2を挿入することが不可能な状態になる。
【0058】
また、チェックイン処理部213は、待機領域244にルームキーC1がセットされ、かつ規制部246が上昇すると、メニュー画面D1(
図11参照)の「チェックイン」ボタンを選択可能、かつ「チェックアウト」ボタンを選択不可能に表示させてもよい。
【0059】
発行処理部215は、利用者のチェックイン手続きに基づいて、待機領域244に待機されたルームキーC1を挿抜部241から排出(発行)させる。具体的には、発行処理部215は、利用者のチェックイン手続きが完了(宿泊を許可)した場合に、待機領域244に待機されたルームキーC1に客室番号、宿泊日情報などを含むキー情報を書き込む書き込み指示をリーダライター245に出力し、ルームキーC1にキー情報を書き込ませる。そして、キー情報のルームキーC1への書き込みが完了すると、発行処理部215は、規制部246を下降させて挿抜部241と待機領域244との間の通路を開放し、キー情報が書き込まれたルームキーC1を挿抜部241から排出させる。発行処理部215は、本発明の排出処理部の一例である。
【0060】
例えば、利用者P1がチェックイン手続受付開始時刻(15:00)以降に宿泊施設に来訪して操作端末20においてチェックイン手続きを行い(
図12参照)、チェックイン処理部213が利用者P1を認証して宿泊を許可すると、発行処理部215は、待機領域244に待機中のルームキーC1に、利用者P1に対応するキー情報(客室番号「201」、チェックイン日「2023年1月10日」、チェックアウト日「2023年1月11日」など)を書き込ませ、規制部246を下降させて、キー情報が書き込まれたルームキーC1を待機領域244から挿抜部241に搬送して挿抜部241から外部に排出させる(
図13参照)。利用者P1は、挿抜部241から排出されたルームキーC1を受け取ってチェックイン手続きを完了する。チェックイン処理部213は、利用者P1のチェックイン手続きが完了すると、チェックイン情報122(
図4参照)において、客室番号「201」のチェックイン状況に「チェックイン完了」を登録する。
【0061】
挿抜部241から排出されたルームキーC1が利用者に抜き取られると、待機処理部214は、操作端末20が利用者のチェックイン手続きを受け付けることが可能な状態である場合に、再度、規制部246を上昇させて挿抜部241と待機領域244との間の通路の通行を規制し、収容部242から1枚のルームキーC1を取り出して待機領域244にセットする。そして、制御部21は、次の利用者のチェックイン手続きを受け付けるまで待機する。
【0062】
このように、制御部21は、利用者がチェックイン手続きを開始する前に予め待機領域244にルームキーC1をセットしておくことにより、利用者がチェックイン手続きを開始してから迅速にルームキーC1を発行することができる。これにより、利用者のチェックイン手続きの操作時間を短縮することができるため、利便性を向上させることができる。なお、制御部21は、メニュー画面D1(
図11参照)の表示を省略し、トップ画面としてチェックイン画面D2(
図12参照)を表示させてもよい。例えば、制御部21は、操作端末20の前の利用者を検知した場合にチェックイン画面D2を表示させてもよい。この構成によれば、利用者は、メニュー画面D1において「チェックイン」ボタンを押下する操作を行うことなくチェックイン手続きを開始することが可能になるため、利用者のチェックイン手続きの操作時間をさらに短縮することができる。
【0063】
なお、チェックイン手続きにおいて、ルームキーを発行するタイミングは限定されず、チェックイン手続きのうちいずれのタイミングで発行されてもよい。また、制御部21は、一つの客室を複数人で利用するグループの場合に、利用者の選択操作に応じて複数のルームキーを発行してもよい。
【0064】
ところで、待機領域244にルームキーC1がセットされている場合(
図10参照)、チェックアウトしようとする利用者が挿抜部241にルームキーC2を挿入することができなくなる。例えば、利用者がチェックアウトする際にルームキーC2を操作端末20に返却しようとしたときに待機領域244にルームキーC1がセットされていると、利用者はルームキーC2を挿抜部241に挿入することができず、チェックアウト手続き行うことができなくなる。
【0065】
この点、本実施形態に係る操作端末20は、以下の構成を備えることにより、ルームキーC2の回収及びチェックアウト手続きを可能とする。
【0066】
具体的には、回収処理部216は、利用者のチェックアウト手続きが可能な状態になった場合に、待機領域244に待機されたルームキーC1を回収部243に退避させて、利用者から挿抜部241に挿入されるルームキーC2の回収を可能にする。具体的には、回収処理部216は、予め設定された設定時刻が到来した場合に、待機領域244に待機されているルームキーC1を回収部243に退避させて、利用者から挿抜部241に挿入されるルームキーC2の回収を可能にする。
【0067】
例えば、宿泊施設においてチェックアウト手続きの受け付けを開始する時刻が予め設定(例えば、5:00に設定)されている場合に、回収処理部216は、現在時刻が設定時刻(チェックアウト手続受付開始時刻)になると、ルームキー発行回収部24の駆動部に対して、待機領域244にセットされているルームキーC1を回収部243に搬送する指示を出力する(
図14参照の矢印A2参照)。また、回収処理部216は、ルームキーC1を回収部243に移動させると、規制部246を下降させて挿抜部241と待機領域244との間の通路を開放する(
図14参照)。これにより、利用者は、ルームキーC2を挿抜部241に挿入することが可能になる。
【0068】
また、チェックアウト処理部217は、現在時刻が設定時刻(5:00)になると、メニュー画面D1(
図11参照)の「チェックアウト」ボタンを選択可能、かつ「チェックイン」ボタンを選択不可能に表示させる。なお、チェックアウト処理部217は、待機領域244のルームキーC1が回収部243に移動し、かつ規制部246が下降した場合に、メニュー画面D1の「チェックアウト」ボタンを選択可能、かつ「チェックイン」ボタンを選択不可能に表示させてもよい。
【0069】
チェックアウト処理部217は、利用者のチェックアウト手続きの操作を受け付けてチェックアウト処理を実行する。例えば、利用者P4がチェックアウト手続受付開始時刻(5:00)以降に操作端末20のメニュー画面D1の「チェックアウト」ボタンを押下すると、表示処理部212は、チェックアウト画面D3を表示させる(
図15参照)。利用者P4は、チェックアウト画面D3に従って、ルームキーC2を挿抜部241に挿入する(
図16参照)。
【0070】
挿抜部241に挿入されたルームキーC2は待機領域244に搬送されてリーダライター245によりキー情報(客室番号、宿泊日情報など)が読み取られる。回収処理部216は、挿抜部241に挿入され待機領域244に搬送されたルームキーC2を回収部243に搬送する(
図16の矢印A2参照)。このように、回収処理部216は、利用者によりルームキーC2が挿抜部241に挿入された場合に、ルームキーC2を、待機領域244を通過して回収部243に搬送する。
【0071】
チェックアウト処理部217は、リーダライター245により読み取られたルームキーC2のキー情報に基づいて決済の要否を確認する。チェックアウト処理部217は、決済が必要である場合に決済処理を行い(又はフロントに誘導し)、チェックアウト処理を完了する。チェックアウト処理部217は、利用者P4のチェックアウト処理を完了すると、チェックアウト情報123(
図5参照)において、客室番号「301」のチェックアウト状況に「チェックアウト完了」を登録する。
【0072】
制御部21は、客室番号「301」に「チェックアウト完了」を登録すると、客室番号「301」の客室について、清掃指示を行ってもよい。これにより、チェックアウトが完了した客室を迅速に清掃作業することができる。
【0073】
利用者P4のチェックアウト手続きが完了して利用者P4が操作端末20から離れると、制御部21は、メニュー画面D1(
図11参照)を表示させて、次の利用者のチェックアウト手続きを受け付けまで待機する。
【0074】
このように、制御部21は、予め設定された設定時刻(チェックアウト手続受付開始時刻)が到来してチェックアウト手続きが可能な状態になると、待機領域244にセットされているルームキーC1を待機領域244から回収部243に退避させて、挿抜部241へのルームキーC2の挿入を可能にする。また、制御部21は、チェックアウト手続きが可能な状態からチェックイン手続きが可能な状態に変化すると、収容部242からルームキーC1を取り出して待機領域244に再度セットする(
図17参照)。
【0075】
なお、ルームキーC2から読み取られたキー情報にルームキーC2の発行情報として複数のルームキーC2が登録されている場合には、制御部21は、全てのルームキーC2の返却を促すメッセージを表示させてもよい。例えば、同泊者グループに複数枚のルームキーC2を発行した場合に、全てのルームキーC2を挿抜部241に挿入させることにより確実にルームキーC2を回収することが可能になる。
【0076】
他の実施形態として、制御部21は、当日のチェックイン手続きの状況が所定の条件を満たす場合に、チェックアウト手続きが可能な状態になったと判断して、待機領域244にセットされているルームキーC1を待機領域244から回収部243に退避させて、挿抜部241へのルームキーC2の挿入を可能にしてもよい。具体的には、回収処理部216は、当日のチェックイン手続きが全て完了した場合、例えば「2023年1月10日」の宿泊者全員がチェックイン手続きを完了した場合に、待機領域244にセットされているルームキーC1を待機領域244から回収部243に退避させて、挿抜部241へのルームキーC2の挿入を可能にする。このように、チェックイン手続きの予定がなくなった時点でチェックアウト手続きを可能にすることにより、チェックアウト手続きが可能になるタイミングを早めることができる。
【0077】
また他の実施形態として、回収処理部216は、利用者からチェックアウト手続きの指示を受け付けた場合に、待機領域244にセットされているルームキーC1を待機領域244から回収部243に退避させて、挿抜部241へのルームキーC2の挿入を可能にしてもよい。例えば、利用者がメニュー画面D1(
図11参照)の「チェックアウト」ボタンを押下してチェックアウト手続きを開始する操作を行った場合に、回収処理部216は、待機領域244にセットされているルームキーC1を待機領域244から回収部243に退避させて、挿抜部241へのルームキーC2の挿入を可能にしてもよい。このように、通常は待機領域244にルームキーC1をセットして常時チェックイン手続きの受け付けを可能にしつつ、利用者からチェックアウト手続きの開始操作を受け付けた時点で待機領域244のルームキーC1を退避させてチェックアウト手続きの受け付けを可能にしてもよい。これにより、チェックイン手続きの利便性を向上させることができる。なお、この場合、制御部21は、一つのチェックアウト手続きが完了するごとに、収容部242からルームキーC1を取り出して待機領域244にセットして、チェックイン手続きの受け付けを可能な状態を維持する。
【0078】
また他の実施形態として、回収処理部216は、利用者によりルームキーC2が挿抜部241に挿入された場合に、待機領域244にセットされているルームキーC1を待機領域244から回収部243に退避させて、挿抜部241へのルームキーC2の挿入を可能にしてもよい。例えば、利用者がルームキーC2を挿抜部241に挿入した場合に、回収処理部216は、待機領域244にセットされているルームキーC1を待機領域244から回収部243に退避させて、待機領域244へのルームキーC2の搬送を可能にしてもよい。例えば、回収処理部216は、挿抜部241にルームキーC2が挿入されたこと検知した場合、又は、挿抜部241に挿入されたルームキーC2が規制部246に接触したことを検知した場合に、待機領域244にセットされているルームキーC1を待機領域244から回収部243に退避させて、ルームキーC2の回収(チェックアウト手続き)を可能にする。この構成では、利用者は「チェックアウト」ボタンを押下することなく、ルームキーC
2を挿入するだけでチェックアウト手続きを開始することができるため、操作端末20はメニュー画面D1を表示しなくてもよい。例えば、制御部21は、操作端末20の前の利用者を検知した場合にチェックイン画面D2(
図12参照)を表示させ、利用者がルームキーC2を挿抜部241に挿入した場合に上記回収処理を実行してもよい。
【0079】
また、他の実施形態として、制御部21は、当日のチェックアウト手続きが全て完了した場合、例えば「2023年1月11日」の宿泊者全員のチェックアウト手続きが完了した場合に、チェックイン手続きが可能な状態になったと判断して、収容部242からルームキーC1を取り出して待機領域244にセットして、「2023年1月11日」に宿泊予定の利用者のチェックイン手続きの受け付けを可能な状態にしてもよい。
【0080】
以上のように、制御部21は、ルームキー発行回収部24の動作を制御して、前記チェックイン処理及び前記チェックアウト処理を実行する。また、複数の操作端末20は、並行して、管理装置10と通信しながら前記チェックイン処理及び前記チェックアウト処理を実行することが可能である。
【0081】
本発明に係る操作端末20は、上述した各実施形態を適宜組み合わせた構成であってもよい。
【0082】
[チェックイン/チェックアウト処理]
以下、
図18を参照しつつ、施設管理システム100において実行されるチェックイン/チェックアウト処理の一例について説明する。前記チェックイン/チェックアウト処理は、操作端末20の制御部21により実行される。例えば、制御部21は、利用者が操作端末20において前記チェックイン手続き又は前記チェックアウト手続きを開始する操作を行う度に前記チェックイン/チェックアウト処理プログラムの実行を開始することによって、前記チェックイン/チェックアウト処理の実行を開始する。尚、前記チェックイン/チェックイン処理は、操作端末20における所定の操作に応じて途中で終了されることがある。尚、本発明は、前記チェックイン/チェックアウト処理に含まれる一又は複数のステップを実行するチェックイン/チェックアウト方法(本発明の施設管理方法の一例)の発明として捉えることができる。
【0083】
また、ここで説明する前記チェックイン/チェックアウト処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記チェックイン/チェックアウト処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部21に対応する一つのプロセッサーが前記チェックイン/チェックアウト処理における各ステップを実行する場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態として、複数のプロセッサーが前記チェックイン/チェックアウト処理における各ステップを分散して実行してもよい。
【0084】
先ずステップS1において、制御部21は、チェックイン手続きが可能な状態であるか否かを判定する。例えば、宿泊施設においてチェックイン手続きの受け付けを開始する時刻が予め設定(例えば、15:00に設定)されている場合に、制御部21は、現在時刻が設定時刻(チェックイン手続受付開始時刻)を経過しているか否かを判定する。制御部21は、現在時刻が設定時刻を経過している場合に、チェックイン手続きが可能な状態であると判定して(S1:Yes)、処理をステップS2に移行させる。一方、制御部21は、現在時刻が設定時刻を経過していない場合に、チェックイン手続きが可能な状態ではないと判定して(S1:No)、処理をステップS11に移行させる。
【0085】
他の実施形態として、制御部21は、当日の全てのチェックイン手続きが完了していない場合に、チェックイン手続きが可能な状態であると判定してもよい。また、他の実施形態として、制御部21は、利用者からチェックアウト手続きの指示を受け付けない場合に、チェックイン手続きが可能な状態であると判定してもよい。また、他の実施形態として、制御部21は、利用者によりルームキーC2が挿抜部241に挿入されていない場合に、チェックイン手続きが可能な状態であると判定してもよい。
【0086】
また、他の実施形態として、前記設定時刻(チェックイン手続受付開始時刻)は、予約情報121(
図3参照)に基づいて設定されてもよい。例えば、各宿泊者(予約者)のチェックアウト予定時刻が登録されている場合に、制御部21は、各チェックアウト予定時刻に基づいて、チェックイン手続受付開始時刻(例えば、最も遅いチェックアウト予定時刻以降の時刻)に設定する。
【0087】
ステップS2において、制御部21は、ルームキーC1が待機領域244に待機中であるか(セットされているか)否かを判定する。制御部21は、ルームキーC1が待機領域244にセットされている場合(S2:Yes)、処理をステップS4に移行させ、ルームキーC1が待機領域244にセットされていない場合(S2:No)、処理をステップS3に移行させる。
【0088】
ステップS3において、制御部21は、ルームキーC1を待機領域244にセットする。例えば、制御部21は、ルームキー発行回収部24の駆動部に対して、収容部242から1枚のルームキーC1を取り出して待機領域244に搬送する指示を出力して、待機領域244に1枚のルームキーC1をセットさせる(
図10参照)。また、制御部21は、規制部246を上昇させて、挿抜部241と待機領域244との間の通路の通行を規制する(
図10参照)。待機領域244にルームキーC1がセットされると、制御部21は、利用者からのチェックイン手続きの受け付けを許可する。
【0089】
次にステップS4において、制御部21は、利用者からチェックイン手続きを開始する操作を受け付けたか否かを判定する。例えば、操作端末20のメニュー画面D1(
図11参照)において利用者が「チェックイン」ボタンを押下すると、制御部21は、チェックイン手続きを開始する操作を受け付けたと判定して(S4:Yes)、処理をステップS5に移行させる。制御部21は、利用者からチェックイン手続きを開始する操作を受け付けない場合(S4:No)、処理をステップS1に移行させる。
【0090】
ステップS5において、制御部21は、チェックイン処理を実行する。例えば、制御部21は、チェックイン画面D2(
図12参照)を表示させて、利用者に利用者端末に表示された二次元コード(宿泊者情報を含む二次元コード)を読取部25に翳すように促す(
図12参照)。利用者が利用者端末の二次元コードを読取部25に翳すと、制御部21は、二次元コードから読み取られた宿泊者情報を取得し、管理装置10に記憶されている予約情報121(
図3参照)に登録された予約情報と照合する。制御部21は、予約情報が一致すると利用者を認証して宿泊(チェックイン)を許可する。なお、制御部21は、予約情報が一致しない場合に利用者をフロントに誘導してもよい。
【0091】
次にステップS6において、制御部21は、ルームキーC1を発行する。例えば、制御部21は、待機領域244にセットされているルームキーC1にチェックインが許可された利用者の客室番号、宿泊日情報などを含むキー情報を書き込む。そして、制御部21は、上昇位置にある規制部246を下降させて挿抜部241と待機領域244との間の通路を開放し、キー情報が書き込まれたルームキーC1を挿抜部241から排出させる(
図13参照)。ステップS6の後、制御部21は、処理をステップS1に移行させる。
【0092】
ステップS1において、制御部21は、チェックイン手続きの受け付けが可能な状態ではないと判定した場合(S1:No)、ステップS11において、チェックアウト手続きの受け付けが可能な状態であるか否かを判定する。例えば、宿泊施設においてチェックアウト手続きの受け付けを開始する時刻が予め設定(例えば、5:00に設定)されている場合に、制御部21は、現在時刻が設定時刻(チェックアウト手続受付開始時刻)を経過しているか否かを判定する。制御部21は、現在時刻が設定時刻を経過している場合に、チェックアウト手続きが可能な状態であると判定して(S11:Yes)、処理をステップS12に移行させる。一方、制御部21は、現在時刻が設定時刻を経過していない場合には、チェックアウト手続きが可能な状態ではないと判定して(S11:No)、処理をステップS1に移行させる。
【0093】
他の実施形態として、制御部21は、当日の全てのチェックイン手続きが完了している場合に、チェックアウト手続きが可能な状態であると判定してもよい。また、他の実施形態として、制御部21は、利用者からチェックアウト手続きの指示を受け付けた場合に、チェックアウト手続きが可能な状態であると判定してもよい。また、他の実施形態として、制御部21は、利用者によりルームキーC2が挿抜部241に挿入された場合に、チェックアウト手続きが可能な状態であると判定してもよい。
【0094】
また、他の実施形態として、前記設定時刻(チェックアウト手続受付開始時刻)は、予約情報121(
図3参照)に基づいて設定されてもよい。例えば、各宿泊者(予約者)のチェックイン予定時刻が登録されている場合に、制御部21は、各チェックイン予定時刻に基づいて、チェックアウト手続受付開始時刻(例えば、最も遅いチェックイン予定時刻以降の時刻)に設定する。
【0095】
このように、制御部21は、チェックイン状況、チェックアウト状況、予約情報などに基づいて、前記設定時刻(チェックイン手続受付開始時刻、チェックアウト手続受付開始時刻)を設定及び変更してもよい。他の実施形態として、制御部21は、カレンダー情報(季節、シーズン、月など)、イベント情報(宿泊施設周辺のイベントの開催情報など)、環境情報(天候など)などに基づいて、前記設定時刻を設定及び変更してもよい。
【0096】
ステップS12において、制御部21は、ルームキーC1が待機領域244に待機中であるか(セットされているか)否かを判定する。制御部21は、ルームキーC1が待機領域244にセットされている場合(S12:Yes)、処理をステップS13に移行させ、ルームキーC1が待機領域244にセットされていない場合(S12:No)、処理をステップS14に移行させる。
【0097】
ステップS13において、制御部21は、待機領域244にセットされているルームキーC1を待機領域244から回収部243に搬送する(
図14参照)。このように、制御部21は、チェックアウト手続きの受け付けが可能な状態になると、待機領域244のルームキーC1を移動させて待機領域244を空の状態にする。また、制御部21は、上昇位置にある規制部246を下降させて挿抜部241と待機領域244との間の通路を開放する(
図14参照)。
【0098】
次にステップS14において、制御部21は、利用者からチェックアウト手続きを開始する操作を受け付けたか否かを判定する。例えば、操作端末20のメニュー画面D1(
図11参照)において利用者が「チェックアウト」ボタンを押下すると、制御部21は、チェックアウト手続きを開始する操作を受け付けたと判定して(S14:Yes)、処理をステップS15に移行させる。制御部21は、利用者からチェックアウト手続きを開始する操作を受け付けない場合(S14:No)、処理をステップS1に移行させる。
【0099】
ステップS15において、制御部21は、利用者からルームキーC2を取得したか否かを判定する。例えば、利用者がルームキーC2を挿抜部241に挿入してリーダライター245がルームキーC2を検知すると、制御部21は、ルームキーC2を取得したと判定する。制御部21は、利用者からルームキーC2を取得したと判定すると(S15:Yes)、処理をステップS16に移行させる。一方、制御部21は、利用者からルームキーC2を取得しない場合(S15:No)、処理をステップS14に移行させる。
【0100】
ステップS16において、制御部21は、チェックアウト処理を実行する。例えば、制御部21は、リーダライター245により読み取られたキー情報に基づいて決済の要否を確認する。制御部21は、決済が必要である場合に決済処理を行い(又はフロントに誘導し)、チェックアウト処理を完了する。
【0101】
次にステップS17において、制御部21は、挿抜部241に挿入され待機領域244に搬送されたルームキーC2を回収部243に搬送する(
図16の矢印A2参照)。なお、制御部21は、ステップS16の処理において、ルームキーC2がチェックアウトの対象ではないと判定した場合に、挿抜部241に挿入されたルームキーC2を排出してもよい。
【0102】
制御部21は、チェックアウト処理が完了してルームキーC2の回収が完了すると、チェックアウト情報123(
図5参照)において、対象の客室番号のチェックアウト状況に「チェックアウト完了」を登録する。ステップS17の後、制御部21は、処理をステップS1に移行させる。
【0103】
なお、チェックイン手続きが可能な状態において利用者からチェックイン手続きを受け付けず(S4:No)、その後にチェックアウト手続きが可能な状態になった場合(S11:Yes)には、制御部21は、待機領域244にセットされているルームキーC1を待機領域244から回収部243に搬送する(S13)。また、チェックアウト手続きが可能な状態において利用者からチェックアウト手続きを受け付けず(S14:No)、その後にチェックイン手続きが可能な状態になった場合(S1:Yes)には、制御部21は、待機領域244にルームキーC1をセットする(S3)(
図17参照)。制御部21は、チェックイン手続受付開始時刻及びチェックアウト手続受付開始時刻に基づいて、チェックイン処理及びチェックアウト処理を相互に切り替える。以上のようにして、制御部21は、前記チェックイン/チェックアウト処理を実行する。
【0104】
以上説明したように、本実施形態に係る施設管理システム100は、利用対象(例えば客室、部屋)の利用キー(ルームキー)を収容可能な収容部242と、ルームキーを排出及び挿入可能な挿抜部241と、収容部242及び挿抜部241の間に設けられた待機領域244とを備える操作端末20において、収容部242に収容されたルームキーを待機領域244に待機させ、前記利用対象に対する利用者のチェックイン手続きに基づいて、待機領域244に待機されたルームキーを挿抜部241から排出させる。また、施設管理システム100は、利用者のチェックアウト手続きが可能な状態になった場合に、待機領域244に待機されたルームキーを操作端末20内の回収部243(退避領域)に退避させて、利用者から挿抜部241に挿入されるルームキーの回収を可能にする。
【0105】
また、操作端末20は、ルームキーを収容可能な収容部242と、ルームキーを排出及び挿入可能な挿抜部241と、収容部242及び挿抜部241の間に設けられ、チェックインが可能な状態の場合に、収容部242に収容された第1ルームキーを挿抜部241から排出可能に待機させる待機領域244と、チェックアウトが可能な状態の場合に、待機領域244に待機された第1利用キーを退避させ、利用者から挿抜部241に挿入される第2利用キーの回収を可能にする回収部243と、を備える。なお、操作端末20は、制御部21の上記処理部の一部又は全部を備えていなくてもよい。例えば、操作端末20は、待機処理部214、発行処理部215、回収処理部216、チェックアウト処理部217を備える管理装置10から出力される命令に従って前記チェックイン/チェックアウト処理を実行してもよい。
【0106】
上記構成によれば、待機領域244にルームキーC1がセットされた状態になるため、例えばチェックイン手続きにおいて、迅速にルームキーC1を発行することができる。また、チェックアウト手続きが可能な状態になった場合には、待機領域244にセットされているルームキーC1が回収部243に退避されるため、チェックアウト手続きに対応するルームキーC2を挿抜部241に挿入することが可能になる。これにより、ルームキーC2を回収しつつ、チェックアウト手続きが可能になる。
【0107】
また、施設管理システム100は、操作端末20が利用者のチェックイン手続きを受け付けることが可能な状態になった場合に、収容部242に収容されたルームキーC1を待機領域244に待機させてもよい。
【0108】
また、施設管理システム100は、予め設定された設定時刻(例えば、チェックイン手続受付開始時刻)が到来した場合に、収容部242に収容されたルームキーC1を待機領域244に待機させてもよい。これにより、迅速にチェックイン手続きの受け付けを可能な状態にすることができる。
【0109】
また、施設管理システム100は、利用者のチェックイン手続きが完了した場合に、待機領域244に待機されたルームキーC1を挿抜部241から排出させてもよい。これにより、利用者はチェックイン手続きが完了した時点で迅速にルームキーC1を受け取ることができる。
【0110】
また、施設管理システム100は、回収されるルームキーC2の情報に基づいて、客室の管理情報を更新してもよい。例えば、施設管理システム100は、チェックアウト手続きにおいて挿入されたルームキーC2のキー情報に基づいて、対象の客室の清掃情報を清掃可能状態に更新したり、対象の客室の予約情報を空室に更新したりする。これにより、各客室の管理が容易になる。
【0111】
また、施設管理システム100は、予め設定された設定時刻(チェックアウト手続受付開始時刻)が到来した場合に、待機領域244に待機されたルームキーC1を回収部243に退避させて、利用者から挿抜部241に挿入されるルームキーC2の回収を可能にしてもよい。これにより、迅速にチェックアウト手続きの受け付けを可能な状態にすることができる。
【0112】
また、施設管理システム100は、当日のチェックイン手続きの状況が所定の条件を満たす場合に、待機領域244に待機されたルームキーC1を回収部243に退避させて、利用者から挿抜部241に挿入されるルームキーC2の回収を可能にしてもよい。例えば、施設管理システム100は、当日のチェックイン手続きが全て完了した場合に、待機領域244にセットされているルームキーC1を待機領域244から回収部243に退避させて、挿抜部241へのルームキーC2の挿入を可能にする。これにより、チェックアウト手続きが可能になる時刻を早めることができる。
【0113】
また、施設管理システム100は、利用者からチェックアウト手続きの指示を受け付けた場合に、待機領域244に待機されたルームキーC1を回収部243に退避させて、利用者から挿抜部241に挿入されるルームキーC2の回収を可能にしてもよい。これにより、チェックイン手続きの利便性を向上させることができる。
【0114】
また、施設管理システム100は、利用者によりルームキーC2が挿抜部241に挿入された場合に、待機領域244に待機されたルームキーC1を回収部243に退避させて、ルームキーC2の回収を可能にしてもよい。
【0115】
また、施設管理システム100は、利用者によりルームキーC2が挿抜部241に挿入された場合に、ルームキーC2を、待機領域244を通過して回収部243に搬送してもよい。すなわち、本実施形態では、待機領域244は、ルームキーC1を発行(排出)する際の排出通路と、ルームキーC2を回収する際の回収通路とを兼用しており、ルームキーC1を排出する際はルームキーC1が排出方向に待機領域244を通過し、ルームキーC2を回収する際はルームキーC2が排出方向とは反対方向に待機領域244を通過する。また、挿抜部241は、ルームキーC1を排出する排出口とルームキーC2を挿入する挿入口とが共通の1つの開口部で構成されている。これように、ルームキーC1の排出構造とルームキーC2の回収構造とを共通化することにより、操作端末20を小型化することができる。
【0116】
なお、他の実施形態として、挿抜部241が、ルームキーC1を排出する排出口とルームキーC2を挿入する挿入口とに分離され、それぞれに対応する2つの開口部で構成されてもよい。この場合、ルームキーC1は待機領域244を通過して排出口(第1開口部)から排出され、第2開口部に挿入されたルームキーC2は待機領域244を通過して回収部243に搬送されてもよい。
【0117】
上述の実施形態では、制御部21は、待機領域244にセットされたルームキーC1を回収部243に退避(搬送)しているが、他の実施形態として、制御部21は、待機領域244にセットされたルームキーC1を収容部242に退避してもよい。すなわち、制御部21は、待機領域244にセットされたルームキーC1を収容部242の元の位置に戻してもよい。また、他の実施形態として、制御部21は、待機領域244にセットされたルームキーC1を待機領域244周辺に設けられた一時退避部に退避してもよい。この場合、制御部21は、チェックイン可能な状態になった場合に、一時退避部に退避されたルームキーC1を待機領域244に再度セットしてもよい。
【0118】
なお、本実施形態に係る宿泊施設の客室(部屋)は、本発明の利用対象の一例である。本発明の利用対象は、これに限定されない。例えば、本発明の利用対象は、飲食店の個室、テーブルであってもよいし、娯楽施設の設備などであってもよい。また、本実施形態に係るルームキー(カードキー)は、本発明の利用キーの一例である。
【0119】
また、本発明の他の実施形態として、操作端末20の制御部21に含まれる処理部(受付処理部211、表示処理部212、チェックイン処理部213、待機処理部214、発行処理部215、回収処理部216、チェックアウト処理部217)の一又は複数が管理装置10の制御部11に含まれてもよい。
【0120】
また、本発明に係る施設管理システムは、上述した各実施形態を組み合わせた構成であってもよい。
【0121】
また、本発明の施設管理システムは、管理装置10及び操作端末20で構成されてもよいし、管理装置10及び操作端末20のいずれか一方の単体で構成されてもよい。
【0122】
[発明の付記]
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0123】
<付記1>
利用対象の利用キーを収容可能な収容部と、前記利用キーを排出及び挿入可能な挿抜部と、前記収容部及び前記挿抜部の間に設けられた待機領域とを備える操作端末において、前記収容部に収容された前記利用キーを前記待機領域に待機させる待機処理部と、
前記利用対象に対する利用者のチェックイン手続きに基づいて、前記待機領域に待機された前記利用キーを前記挿抜部から排出させる排出処理部と、
前記利用対象に対する利用者のチェックアウト手続きが可能な状態になった場合に、前記待機領域に待機された前記利用キーを前記操作端末内の退避領域に退避させて、前記利用者から前記挿抜部に挿入される前記利用キーの回収を可能にする回収処理部と、
を備える施設管理システム。
【0124】
<付記2>
前記待機処理部は、前記操作端末が前記利用対象に対する利用者のチェックイン手続きを受け付けることが可能な状態になった場合に、前記収容部に収容された前記利用キーを前記待機領域に待機させる、
付記1に記載の施設管理システム。
【0125】
<付記3>
前記待機処理部は、予め設定された設定時刻が到来した場合に、前記収容部に収容された前記利用キーを前記待機領域に待機させる、
付記2に記載の施設管理システム。
【0126】
<付記4>
前記排出処理部は、前記利用者の前記チェックイン手続きが完了した場合に、前記待機領域に待機された前記利用キーを前記挿抜部から排出させる、
付記1~3のいずれかに記載の施設管理システム。
【0127】
<付記5>
前記回収処理部により回収される前記利用キーの情報に基づいて、前記利用対象の管理情報を更新する、
付記1~4のいずれかに記載の施設管理システム。
【0128】
<付記6>
前記回収処理部は、予め設定された設定時刻が到来した場合に、前記待機領域に待機された前記利用キーを前記退避領域に退避させて、前記利用者から前記挿抜部に挿入される前記利用キーの回収を可能にする、
付記1~5のいずれかに記載の施設管理システム。
【0129】
<付記7>
前記回収処理部は、当日のチェックイン手続きの状況が所定の条件を満たす場合に、前記待機領域に待機された前記利用キーを前記退避領域に退避させて、前記利用者から前記挿抜部に挿入される前記利用キーの回収を可能にする、
付記1~6のいずれかに記載の施設管理システム。
【0130】
<付記8>
前記回収処理部は、前記利用者からチェックアウト手続きの指示を受け付けた場合に、前記待機領域に待機された前記利用キーを前記退避領域に退避させて、前記利用者から前記挿抜部に挿入される前記利用キーの回収を可能にする、
付記1~7のいずれかに記載の施設管理システム。
【0131】
<付記9>
前記回収処理部は、前記利用者により前記利用キーが前記挿抜部に挿入された場合に、前記待機領域に待機された前記利用キーを前記退避領域に退避させて、前記利用キーの回収を可能にする、
付記1~8のいずれかに記載の施設管理システム。
【0132】
<付記10>
前記回収処理部は、前記利用者により前記利用キーが前記挿抜部に挿入された場合に、当該利用キーを、前記待機領域を通過して前記退避領域に搬送する、
付記1~9のいずれかに記載の施設管理システム。
【0133】
<付記11>
前記利用対象は、宿泊施設の客室であり、
前記利用キーは、前記客室のルームキーである、
付記1~10のいずれかに記載の施設管理システム。
【符号の説明】
【0134】
100 :施設管理システム
10 :管理装置
11 :制御部
12 :記憶部
13 :操作表示部
111 :予約処理部
112 :管理処理部
121 :予約情報
122 :チェックイン情報
123 :チェックアウト情報
20 :操作端末
21 :制御部
22 :記憶部
23 :操作表示部
24 :ルームキー発行回収部
25 :読取部
211 :受付処理部
212 :表示処理部
213 :チェックイン処理部
214 :待機処理部
215 :発行処理部
216 :回収処理部
217 :チェックアウト処理部
241 :挿抜部
242 :収容部
243 :回収部
244 :待機領域
245 :リーダライター
246 :規制部
C1 :ルームキー
C2 :ルームキー
D1 :メニュー画面
D2 :チェックイン画面
D3 :チェックアウト画面