(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 19/08 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
H01Q19/08
(21)【出願番号】P 2024505909
(86)(22)【出願日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 JP2022046600
(87)【国際公開番号】W WO2023171076
(87)【国際公開日】2023-09-14
【審査請求日】2024-03-08
(31)【優先権主張番号】P 2022035533
(32)【優先日】2022-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】竇 元珠
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-304624(JP,A)
【文献】特開2008-283552(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0328529(US,A1)
【文献】特開2004-088423(JP,A)
【文献】特開2003-318644(JP,A)
【文献】特開2001-085936(JP,A)
【文献】国際公開第2018/116258(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 19/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導波管と、
前記導波管の第1開口部側に設けられ、前記導波管を介して電波を送信する送信アンテナと、
前記導波管の第1開口部側に設けられ、前記導波管を介して電波を受信する受信アンテナと、
前記導波管の第2開口部側に設けられ、前記送信アンテナから送信される電波、又は、前記受信アンテナによって受信される電波を透過するレンズと、
を含み、
前記第1開口部の開口面積は、前記第2開口部の開口面積よりも大きく、
前記送信アンテナ及び前記受信アンテナは、前記レンズの光軸からずらして配置される、アンテナ装置。
【請求項2】
前記光軸を含む平面で前記導波管を切断して得る切断面において、前記光軸と前記導波管の内壁面とがなす角度は、前記送信アンテナから前記レンズに直接的に入射する電波の伝搬経路における放射電界と、前記送信アンテナから前記内壁面で反射されて前記レンズに入射する電波の伝搬経路における放射電界とが逆位相になる関係をもたらす所定角度に設定される、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記光軸の延在方向における前記送信アンテナ及び前記受信アンテナの位置は等しく、
前記受信アンテナは、前記第1開口部の開口面視において、前記光軸に対して前記送信アンテナと点対称な位置に配置される、請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記送信アンテナ及び前記受信アンテナの前記光軸の延在方向における位置は、前記レンズの焦点位置と等しい、請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記所定角度は、0度より大きく、45度以下である、
請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記導波管の導波路は中空である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記導波管は、誘電体導波路である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記導波管は、円錐台形状又は角錐台形状を有する、
請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
前記レンズは、凸レンズである、
請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項10】
前記レンズは、フレネルゾーンを有する平板レンズ、又は、メタマテリアルを有する平板レンズである、
請求項1に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、アンテナを有するセンサであって、前記アンテナは、基板と、前記基板上に形成された放射部と、前記放射部から放射される電磁波を内部で伝搬させてビームとして放射する導波管と、を有し、前記導波管は、放射側開口の形状が、互いに直交する第1の方向よりも第2の方向の方が長く、前記放射側開口と反対側の開口よりも、前記放射側開口の方が大きく、前記放射側開口と反対側の開口の縁部が、前記放射部が形成された前記基板面側で前記放射部を内包するように配置されており、前記放射側開口に誘電体レンズ(レンズ)を備え、前記放射部の電界面方向は前記第2の方向であることを特徴とするセンサがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のセンサのアンテナ(アンテナ装置)では、導波管は、放射側開口と反対側の開口よりも放射側開口の方が大きく、放射側開口の形状が互いに直交する第1の方向よりも第2の方向の方が長いため、ビーム幅は第1の方向において狭く、第2の方向においては広い偏平ビームになる。
【0005】
ところで、ビーム幅を第1の方向と第2の方向との両方で全体的に狭く絞るには、導波管の口径を大きくする必要があり、そのために導波管を長くする必要がある。また、導波管の口径を大きくするとレンズも大きくなる。この結果、アンテナ装置が大型化する。
【0006】
そこで、小型でビーム幅の狭いアンテナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施形態のアンテナ装置は、導波管と、前記導波管の第1開口部側に設けられ、前記導波管を介して電波を送信する送信アンテナと、前記導波管の第1開口部側に設けられ、前記導波管を介して電波を受信する受信アンテナと、前記導波管の第2開口部側に設けられ、前記送信アンテナから送信される電波、又は、前記受信アンテナによって受信される電波を透過するレンズと、を含み、前記第1開口部の開口面積は、前記第2開口部の開口面積よりも大きく、前記送信アンテナ及び前記受信アンテナは、前記レンズの光軸からずらして配置される。
【発明の効果】
【0008】
小型でビーム幅の狭いアンテナ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】実施形態のアンテナ装置100を示す図である。
【
図1B】実施形態のアンテナ装置100を示す図である。
【
図3】導波管110の内壁面110Aの詳細を説明する図である。
【
図4A】放射電界V1と放射電界V2とが逆位相になる条件を説明する図である。
【
図4B】比較用の導波管50における伝送経路を説明する図である。
【
図4C】比較用の導波管50を含む比較用のアンテナ装置10において最も電波の強度が高くなる方向を説明する図である。
【
図5A】比較用の導波管50を含むアンテナ装置10における往復のビームのビーム幅のシミュレーション結果を示す図である。
【
図5B】実施形態のアンテナ装置100における往復のビームのビーム幅のシミュレーション結果を示す図である。
【
図6A】比較用のアンテナ装置10における放射パターンのシミュレーション結果を示す図である。
【
図6B】比較用のアンテナ装置10における放射パターンのシミュレーション結果を示す図である。
【
図7A】比較用のアンテナ装置10における放射パターンのシミュレーション結果を示す図である。
【
図7B】実施形態のアンテナ装置100における放射パターンのシミュレーション結果を示す図である。
【
図8A】実施形態の変形例のアンテナ装置100Mを示す図である。
【
図8B】実施形態の変形例のアンテナ装置100Mを示す図である。
【
図10】フレネルゾーン235Aを有する平板レンズ230Aを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示のアンテナ装置を適用した実施形態について説明する。
【0011】
<実施形態>
<アンテナ装置100の構成>
図1A及び
図1Bは、実施形態のアンテナ装置100を示す図である。
図1Aは、斜視図、
図1Bは、一部を半断面で示す図である。
図2Aは、
図1AにおけるA-A矢視断面を示す図であり、レンズ130の光軸を含むYZ平面で導波管110を切断して得る切断面を示す図である。
図2Bは、
図2Aに示す断面構造の変形例を示す図である。ここでは、特に断らない限り、
図1A、
図1B、及び
図2Aを用いてアンテナ装置100の構成について説明する。
【0012】
以下では、XYZ座標系を定義して説明する。また、説明の便宜上、-Z方向側を下側又は下、+Z方向側を上側又は上と称すが、普遍的な上下関係を表すものではない。また、XZ面視することを平面視と称す。
【0013】
アンテナ装置100は、基板101、導波管110、送受信部120、及びレンズ130を含む。アンテナ装置100は、電波を送受信する装置であり、レンズ130で送信波をビームに集束させるとともに、受信するビームをレンズで集束させる。
【0014】
アンテナ装置100が送受信する電波は、一例としてミリ波帯の電波である。ミリ波は、30GHz~300GHzの周波数帯の電波であり、光と略同等に振る舞う。なお、アンテナ装置100が送受信する電波は、ミリ波帯以外の帯域に属する周波数の電波であってもよい。
【0015】
基板101は、送受信部120を実装する基板であり、一例としてFR-4(Flame Retardant type4)規格の配線基板を用いることができる。基板101は、導波管110の-Y方向側に固定される。
【0016】
導波管110は、一例として円筒状で中空の円形導波管である。導波管110は、内壁面110A、開口部111、開口部112、及び取付部115を有する。導波管110の内部は、電波が伝搬する導波路である。開口部111は、第1開口部の一例であり、開口部112は第2開口部の一例である。導波管110の-Y方向側は、第1開口部側の一例であり、+Y方向側は、第2開口部側の一例である。
【0017】
図1A、
図1B、及び
図2Aでは、XYZ座標の原点は開口部111の中心と一致しており、導波管110の中心軸Cは、Y軸と一致している。また、中心軸Cは、レンズ130の光軸と一致する。
【0018】
内壁面110Aは、円筒状で中空の導波管110の内壁である。導波管110は、開口部111の開口径の方が開口部112の開口径よりも大きいため、導波管110は、開口部111から開口部112に向かって開口径が小さくなる円錐台形状の円筒である。このため、内壁面110Aは、円錐台形状を有する。開口部111の開口径の方が開口部112の開口径よりも大きいことは、開口部111の開口面積の方が開口部112の開口面積よりも大きいことである。なお、内壁面110Aの角度等の詳細については、
図3を用いて後述する。
【0019】
開口部111は、導波管110の-Y方向側の端に位置する開口である。開口部111は、平面視で円形である。上述のように、開口部111の開口径は、開口部112の開口径よりも大きく、一例として、15mm(φ15mm)である。
【0020】
開口部112は、導波管110の+Y方向側の端に位置する開口である。開口部112は、厳密には、導波管110の+Y方向側の端から段差部112A(
図2A参照)の分だけ-Y方向にオフセットしているが、電波が伝搬する導波管110として機能する区間は、開口部111と開口部112との間の区間であるため、ここでは開口部112が導波管110の+Y方向側の端に位置するものとして説明する。この意味では、段差部112Aが導波管110の+Y方向側の端から、さらに+Y方向側に突出しているものとして取り扱ってもよい。
【0021】
開口部112は、平面視で円形である。開口部112の開口径は、開口部111の開口径よりも小さく、一例として、14.3mm(φ14.3mm)である。開口部112には、
図2Aに示すように、段差部112Aが設けられている。段差部112Aは、開口部112にレンズ130を取り付けるための段差である。レンズ130は、導波管110に対して+Y方向側から取り付けられる。
【0022】
なお、
図2Bに示すように、段差部112Aは、開口部112よりも-Y方向側に設けられていてもよい。このような構造の場合には、レンズ130は、導波管110の開口部111側から内部を通して取り付けることになる。
【0023】
取付部115は、導波管110の-Y方向側の端において、平面視で外側に向かって延在する部分であり、一例として平面視で正方形の外縁を有する。取付部115は、基板101を導波管110に取り付けるために設けられている。
【0024】
以上のような導波管110にレンズ130を取り付けた状態で、レンズ130の焦点は、開口部111の平面視における中心に位置する。すなわち、導波管110の中心軸Cの延在方向の長さは、レンズ130の焦点が開口部111の開口面上に位置するように設定されている。
【0025】
送受信部120は、基板101の+Y方向側の表面に実装されている。送受信部120は、基板121、送信アンテナ120Tx、及び受信アンテナ120Rxを有する。基板121は、平面視で基板101よりも小さく、一例として正方形である。基板121は、平面視で開口部111の中央部に位置するように設けられており、より具体的には、基板121の平面視における中心が中心軸C上に位置するように配置されている。
【0026】
送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxは、基板121の+Y方向側の表面において、Z方向に間隔を空けて設けられている。送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxは、一例として同一形状で同一サイズのアンテナである。送信アンテナ120Txは、導波管110を介して電波を送信し、受信アンテナ120Rxは、導波管110を介して電波を受信する。
【0027】
送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxは、平面視で中心軸Cに対して点対称になるように配置されている。送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxを平面視で視ることは、開口部111の開口面視で送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxを視ることと同義である。
【0028】
送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxが平面視で中心軸Cに対して点対称になるとは、平面視における送信アンテナ120Txの中心と、平面視における受信アンテナ120Rxの中心とが、平面視で中心軸Cに対して点対称な配置になることである。平面視における送信アンテナ120Txの中心と、平面視における受信アンテナ120Rxの中心とは、ともにZ軸上に位置する。中心軸Cは、レンズ130の光軸と一致するため、送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxは、レンズ130の光軸からずらして配置されている。
【0029】
また、平面視における送信アンテナ120Txの中心と、平面視における受信アンテナ120Rxの中心とは、ともにZ軸上に位置し、且つ、平面視で中心軸Cに対して点対称になるように配置されているため、レンズ130の光軸を含むYZ平面で導波管110を切断して得る切断面において、送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxは、中心軸Cに対して点対称になるように配置されていることになる。
【0030】
送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxをともに中心軸C上(レンズ130の光軸)に配置することはできないため、送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxの送受信特性を揃えるために、このように配置している。なお、送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxは、例えば、ループアンテナ、パッチアンテナ、モノポールアンテナ、又はダイポールアンテナ等で実現可能である。
【0031】
導波管110の中心軸Cの延在方向の長さは、レンズ130の焦点が開口部111の開口面上に位置するように設定されているため、送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxのレンズ130の光軸(導波管110の中心軸C)の延在方向における位置は、レンズ130の焦点位置と等しい。
【0032】
ここで、レンズ130の光軸を含むYZ平面に平行な断面(
図2Aに示す断面)において、送信アンテナ120Txの中心とレンズ130の中心130Cとを結ぶ直線を一点鎖線で示し、受信アンテナ120Rxの中心とレンズ130の中心130Cとを結ぶ直線を二点鎖線で示す。送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxは、レンズ130の光軸からずらして配置されているため、中心同士を結ぶ直線は一致しない。送信アンテナ120Txから放射される電波の強度は、送信アンテナ120Txの中心とレンズ130の中心130Cとを結ぶ方向において最も強くなり、受信アンテナ120Rxで受信される電波の強度は、受信アンテナ120Rxの中心とレンズ130の中心130Cとを結ぶ方向において最も強くなる。
【0033】
レンズ130は、送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxで送受信する電波を双方向に集束させることができるレンズであればよく、一例として平面視で円形の両凸レンズである。ただし、レンズ130は、片凸レンズであってもよい。両凸レンズ及び片凸レンズは凸レンズの一例である。また、レンズ130は、フレネルゾーンを有する平板レンズ、又は、メタマテリアルを有する平板レンズ等の平板レンズであってもよいが、ここでは両凸レンズである形態について説明する。
【0034】
<導波管110の内壁面110Aの詳細>
図3は、導波管110の内壁面110Aの詳細を説明する図である。
図3は、
図2A及び
図2Bと同様に、レンズ130の光軸を含むYZ平面で導波管110を切断して得る切断面を示す図である。
【0035】
ここで、
図3に示すレンズ130の光軸を含むYZ平面で導波管110を切断して得る切断面において、レンズ130の光軸(導波管110の中心軸C)と導波管110の内壁面110Aとがなす角度αについて説明する。角度αは、
図3に示す切断面において、内壁面110Aがレンズ130の光軸(導波管110の中心軸C)となす角度であり、一例としてYZ平面に平行な切断面を+X方向側から-X方向側を見たときに、時計回りの角度を正の値として示す。
図3には、角度αを示すために、レンズ130の光軸(導波管110の中心軸C)と平行な軸Caを記す。
【0036】
角度αは、内壁面110Aの導波管110の中心軸Cに対する傾斜角である。開口部111の開口面積が開口部112の開口面積よりも大きく、内壁面110Aの傾斜角は開口部111と開口部112との間で一定であるため、内壁面110Aは、中心軸Cに対して、開口部111側を向くように傾斜している。このため、送信アンテナ120Txから放射されて内壁面110Aで反射された電波は、中心軸Cの方向に向かって反射されることになる。
【0037】
すなわち、送信アンテナ120Txから放射される電波は、レンズ130に直接的に入射する電波の伝搬経路Path1(破線)と、内壁面110Aで中心軸Cの方向に向かって反射されて、レンズ130に入射する電波の伝搬経路Path2(一点鎖線)との2つの伝搬経路で伝搬する。
【0038】
また、レンズ130から受信アンテナ120Rxに向かって伝搬する電波も同様に、レンズ130から直接的に受信アンテナ120Rxに入射する電波の伝搬経路と、内壁面110Aで中心軸Cの方向に向かって反射されて、受信アンテナ120Rxに入射する伝搬経路との2つの伝搬経路で伝搬する。
【0039】
角度αは、送信アンテナ120Txからレンズ130に直接的に入射する電波のうち、
図3に示すようにビーム角βが比較的大きく、レンズ130の中央部よりも外側の部分に入射する伝搬経路Path1(破線)における放射電界V1と、送信アンテナ120Txから内壁面110Aで反射されてレンズ130に入射する電波の伝搬経路Path2(一点鎖線)における放射電界V2とが逆位相になる関係をもたらす所定角度に設定されている。放射電界V1と、放射電界V2とは、角度αが所定角度になる範囲において、伝搬経路Path1と伝搬経路Path2とに対して垂直な平面P0上で逆位相になる。なお、送信アンテナ120Txから放射される電波のビーム角βは、送信アンテナ120Txの中心を通り、中心軸Cに平行な軸CTxに対する角度である。
【0040】
伝搬経路Path1のレンズ130の光軸(導波管110の中心軸C)に対する角度(放射角度)が大きいと、レンズ130を通じて+Y方向に放射されるビームのビーム幅が広くなるため、放射電界V1と放射電界V2とを逆位相にすることで、放射角度が大きい経路Path1の直接波と、伝搬経路Path2の反射波とを相殺させて(弱め合わせて)、ビーム幅を狭くする。次に、放射電界V1と放射電界V2とが逆位相になる条件について詳しく説明する。
【0041】
<放射電界V1と放射電界V2とが逆位相になる条件>
図4Aは、放射電界V1と放射電界V2とが逆位相になる条件を説明する図である。
図4Aには、
図2A、
図2B、及び
図3と同様に、レンズ130の光軸を含むYZ平面で導波管110を切断して得る切断面での構成を概略的に示す。
【0042】
また、送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxは、レンズ130の光軸を含むYZ平面で導波管110を切断して得る切断面において、中心軸Cに対して点対称になるように配置されているため、ここでは送信アンテナ120Txについて説明するが受信アンテナ120Rxにおいても同様である。
図4Aには、角度αの基準になる軸Caに加えて、送信アンテナ120Txの中心を通り、中心軸Cに平行な軸CTxを示す。
【0043】
送信アンテナ120Txからレンズ130に直接的に入射する電波の伝搬経路Path1(破線)と軸CTxとがなす角度をβ1、送信アンテナ120Txから内壁面110Aで反射されてレンズ130に入射する電波の伝搬経路Path2と軸CTxとがなす角度をβ2とすると、次式(1)が成り立つ。なお、角度β1は、軸CTxに対する反時計回りの値を正とし、角度β2は、軸CTxに対する時計回りの値を正とする。
β1=β2+2α (1)
【0044】
伝搬経路Path1は、角度β1が小さいと、レンズ130を通じて+Y方向に放射されるビームのビーム幅を狭くすることに貢献するが、角度β1が大きいと、ビーム幅を広くする原因になる。このため、角度β1が比較的大きい電波については、放射電界V1と放射電界V2とが平面P0上において逆位相になる条件を満たすようにすれば、角度β1が比較的大きい電波を反射波と相殺させる(弱め合わせる)ことができる。この結果、角度β1が比較的狭い電波の強度を相対的に大きくすることができ、角度β1が比較的狭い電波でビームを形成することができる。
【0045】
ここで、L11を伝搬経路Path1のうちの送信アンテナ120Txからレンズ130の表面までの区間の長さ、L12を伝搬経路Path1のレンズ130中における区間の長さ、L13を伝搬経路Path1のレンズ130の表面から平面P0までの区間の長さとする。
【0046】
また、L21を伝搬経路Path2のうちの送信アンテナ120Txから内壁面110Aまでの区間の長さ、L22を伝搬経路Path2のうちの内壁面110Aからレンズ130の表面までの区間の長さとする。また、L23を伝搬経路Path2のうちのレンズ130の内部の区間の長さ、L24を伝搬経路Path2のうちのレンズ130の表面から平面P0までの区間の長さとする。長さL11、L12、L13、L21、L22、L23、L24には、次式(2)が成り立つ。なお、λは、送信アンテナ120Txが送信する電波の波長であり、εrは、レンズ130の材料の誘電率である。
L11+L12×√εr+λ/2+L13=L21+L22+L23×√εr+L24 (2)
【0047】
したがって、式(2)を満たすように、レンズ130の光軸(導波管110の中心軸C)と導波管110の内壁面110Aとがなす角度αを設定すればよい。このような角度αは、一例として0度より大きく、45度以下(0°<α≦45°)である。
【0048】
<比較用の導波管における伝送経路>
図4Bは、比較用の導波管50における伝送経路を説明する図である。
図4Bに示す比較用の導波管50は、送信アンテナ120Txが設けられる側の開口部51の開口面積よりも、レンズ130側の開口部52の開口面積の方が大きい。このため、送信アンテナ120Txから放射され、内壁50Aで反射されてレンズ130に入射する反射波(一点鎖線)の伝搬経路は、送信アンテナTxから放射されて直接的にレンズ130に入射する直接波(破線)の伝搬経路とは交わらない。
【0049】
すなわち、比較用の導波管50のように、送信アンテナ120Txが設けられる側の開口部51の開口面積よりも、レンズ130側の開口部52の開口面積の方が大きい場合には、直接波と反射波とが相殺し合うことはなく、レンズ130から放射されるビームのビーム角は大きくなる。
【0050】
図4Cは、比較用の導波管50を含む比較用のアンテナ装置10において最も電波の強度が高くなる方向を説明する図である。実施形態のアンテナ装置100について
図2Aを用いて説明したのと同様に、比較用のアンテナ装置10では、送信アンテナ120Txから放射される電波の強度は、送信アンテナ120Txの中心とレンズ130の中心130Cとを結ぶ方向(一点鎖線の方向)において最も強くなり、受信アンテナ120Rxで受信される電波の強度は、受信アンテナ120Rxの中心とレンズ130の中心130Cとを結ぶ方向(二点鎖線の方向)において最も強くなる。送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxは、レンズ130の光軸からずらして配置されているため、中心同士を結ぶ直線は一致しない。
【0051】
<ビーム幅のシミュレーション結果>
図5Aは、比較用の導波管50を含むアンテナ装置10(
図4C参照)における往復のビームのビーム幅のシミュレーション結果を示す図である。
図5Aにおいて、横軸は、レンズ130の光軸を含むYZ平面におけるビーム角(度(degree))を表し、ビーム角が90度の方向は、XYZ座標の原点に対する+Y方向であり、0度は+Z方向であり、180度は-Z方向である。また、縦軸はアンテナゲイン(dBi)を表す。ここでは、アンテナゲインの最大値から-3dBまでのビーム角の範囲で得られるビーム幅(3dBビーム幅)で検討を行う。
【0052】
図5Aには、比較用のアンテナ装置10の送信アンテナ120Txから送信される送信ビームTxのアンテナゲインと、比較用のアンテナ装置10の受信アンテナ120Rxで受信される受信ビームRxのアンテナゲインとの合計の往復のアンテナゲインを示す。
【0053】
往復のアンテナゲインの3dBビーム幅は、約65度から約115度の範囲であり、90度の正面方向に対して約±25度の範囲であった。このように、比較用の導波管50を含むアンテナ装置10(
図4C参照)では、ビーム角は大きくなり、ビーム幅が広いことが分かった。
【0054】
図5Bは、実施形態のアンテナ装置100における往復のビーム幅のシミュレーション結果を示す図である。
図5Bにおける横軸及び縦軸は、
図5Aにおける横軸及び縦軸と同様である。ここでは、
図5Aと同様に、ビーム幅については、3dBビーム幅で検討を行う。
【0055】
図5Bには、実施形態のアンテナ装置100の送信アンテナ120Txから送信される送信ビームTxのアンテナゲインと、実施形態のアンテナ装置100の受信アンテナ120Rxで受信される受信ビームRxのアンテナゲインとの合計の往復のアンテナゲインを示す。
【0056】
往復のアンテナゲインの3dBビーム幅は、約76.5度から約103.5度の範囲であり、90度の正面方向に対して約±13.5度の範囲であった。このように、実施形態のアンテナ装置100では、比較用の導波管50を含むアンテナ装置10(
図4C参照)に比べて、3dBビーム幅の両端のビーム角は約半分程度に小さくなり、ビーム幅が半分程度に狭くなることが分かった。ビーム角の大きい成分が相殺された効果であると考えられる。
【0057】
<放射パターン(YZ平面)のシミュレーション結果>
図6Aは、比較用のアンテナ装置10(
図4C参照)における放射パターン(放射特性)のシミュレーション結果を示す図である。
図6Bは、実施形態のアンテナ装置100における放射パターンのシミュレーション結果を示す図である。
図6A及び
図6Bには、レンズ130の光軸(導波管110の中心軸C)を含むYZ平面での放射パターンとして指向性を示す。+90度の方向が+Y方向であり、正面方向である。0度の方向が+Z方向である。
【0058】
図6Aに示す比較用のアンテナ装置10の放射パターンでは、正面方向の利得が10.5dBiであり、最大利得が得られた方向は103度であった。103度の方向は、
図4Cに一点鎖線で示す方向と符合する。これに対して、
図6Bに示す実施形態のアンテナ装置100の放射パターンでは、正面方向の利得が15.3dBiであり、最大利得が得られた方向は92度であった。
【0059】
このように、実施形態のアンテナ装置100の放射パターンは、比較用のアンテナ装置10の放射パターンに比べて、最大利得方向が103度から92度に改善され、略正面方向で最大利得が得られる状態になった。また、正面方向の利得は、10.5dBiから15.3dBiに4.8dBi改善された。最大利得方向が+Y方向(正面方向)に近づいたのは、ビーム角の大きい成分が相殺された効果であると考えられる。
【0060】
<放射パターン(XY平面)のシミュレーション結果>
図7Aは、比較用のアンテナ装置10(
図4C参照)における放射パターンのシミュレーション結果を示す図である。
図7Bは、実施形態のアンテナ装置100における放射パターンのシミュレーション結果を示す図である。
図7A及び
図7Bには、レンズ130の光軸(導波管110の中心軸C)を含むXY平面での放射パターン(指向性)を示す。±90度の方向が+Y方向であり、正面方向である。-180度の方向が+X方向である。
【0061】
図7Aに示す比較用のアンテナ装置10の放射パターンでは、正面方向の利得が10.5dBi(m1の点)であり、3dBビーム幅は24度(m2とm3の間の範囲)であった。これに対して、
図7Bに示す実施形態のアンテナ装置100の放射パターンでは、正面方向の利得が15.3dBiであり、3dBビーム幅は17.5度(m2とm3の間の範囲)であった。
【0062】
このように、実施形態のアンテナ装置100の放射パターンは、比較用のアンテナ装置10の放射パターンに比べて、正面方向の利得は、10.5dBiから15.3dBiに4.8dBi改善され、ビーム幅(3dBビーム幅)は、24度から17.5度に狭めることができることを確認できた。
【0063】
以上のように、開口部111の開口面積は、開口部112の開口面積よりも大きいので、内壁面110Aで反射される電波は、中心軸Cの方向に向かって反射され、ビーム角β(
図3参照)の大きい直接波と打ち消し合う。このため、送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxをレンズ130の光軸からずらして配置した構成において、レンズ130の中央部を通る電波が相殺されずに伝搬されることで、ビーム幅の狭いビームが得られる。また、このようなビーム幅の狭いビームは、開口部111の開口面積を開口部112の開口面積よりも大きく設定した導波管110で実現することができる。従来、ビーム幅を絞るには、導波管の口径の大型化、導波管の長大化、及びレンズの大型化が必要であったが、実施形態のアンテナ装置100は、開口部111の開口面積を開口部112の開口面積よりも大きく設定した導波管110でビーム幅を絞ることができ、このような導波管110は小型化が可能である。また、導波管110を小型化できるため、レンズ130の小型化が可能である。このため、実施形態のアンテナ装置100は、従来のアンテナ装置に比べて大幅に小型化が可能である。
【0064】
したがって、小型でビーム幅の狭いアンテナ装置100を提供することができる。送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxをレンズ130の光軸からずらして配置した構成においても、ビーム幅を狭めることができる。
【0065】
また、レンズ130の光軸(導波管110の中心軸C)を含むYZ平面で導波管110を切断して得る切断面において、レンズ130の光軸(導波管110の中心軸C)と導波管110の内壁面110Aとがなす角度αは、送信アンテナ120Txからレンズ130に直接的に入射する電波の伝搬経路Path1における放射電界V1と、送信アンテナ120Txから内壁面110Aで反射されてレンズ130に入射する電波の伝搬経路Path2における放射電界V2とが逆位相になる関係をもたらす所定角度に設定される。このため、送信アンテナ120Txからレンズ130に直接的に入射する電波のうちのビーム角β(
図3参照)が比較的大きい成分を反射波と相殺させることで、レンズ130から放射されるビームのビーム幅を効果的に狭めることができる。なお、これは、受信アンテナ120Rxで受信する場合も同様である。
【0066】
レンズ130の光軸(導波管110の中心軸C)の延在方向における送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxの位置は等しく、受信アンテナ120Rxは、開口部111の開口面視において、光軸に対して送信アンテナ120Txと点対称な位置に配置される。このため、送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxをレンズ130の光軸からずらして配置した構成において、送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxの放射特性を揃えることができ、往復のアンテナゲインの分布をビーム角に対して均等にすることができる。
【0067】
送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxのレンズ130の光軸(導波管110の中心軸C)の延在方向における位置は、レンズ130の焦点位置と等しい。このため、送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxをレンズ130の光軸からずらして配置した構成において、送信アンテナ120Tx及び受信アンテナ120Rxの送受信特性を最良にすることができる。
【0068】
また、レンズ130の光軸を含むYZ平面で導波管110を切断して得る切断面において、レンズ130の光軸(導波管110の中心軸C)と導波管110の内壁面110Aとがなす角度αは、15度から45度である。このため、レンズ130の中央部よりも外側を通る直接波の成分を相殺することができ、レンズ130の中央部を通る電波が相殺されずに伝搬されることで、ビーム幅の狭いビームが得られる。
【0069】
また、導波管110の導波路は中空であるので、中空な導波管110を用いた簡易な構成で、小型でビーム幅の狭いアンテナ装置100を提供することができる。
【0070】
また、導波管110は、円錐台形状であるので、円錐台形状の導波管110を用いた簡易な構成で、小型でビーム幅の狭いアンテナ装置100を提供することができる。
【0071】
レンズ130は、凸レンズであるので、凸レンズで構成されるレンズ130を用いた簡易な構成で、小型でビーム幅の狭いアンテナ装置100を提供することができる。
【0072】
<実施形態の変形例のアンテナ装置100M>
図8A及び
図8Bは、実施形態の変形例のアンテナ装置100Mを示す図である。
図8Bには、
図8Aに示すアンテナ装置100Mからレンズ130Mを取り除いた状態を示す。
図1A及び
図1Bに示すアンテナ装置100の構成要素と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0073】
アンテナ装置100Mは、基板101、導波管110M、送受信部120、及びレンズ130Mを含む。導波管110Mは、方形導波管であり、-Y方向の開口部111Mと、+Y方向側の開口部112Mと、内壁面110AMとを有する。開口部111Mは第1開口部の一例であり、開口部112Mは第2開口部の一例である。
【0074】
開口部111Mと開口部112Mとは、平面視で正方形である。開口部111Mの開口面積は、開口部112Mの開口面積よりも大きい。導波管110Mは、角錐台形状を有する方形導波管である。内壁面110AMは、角錐台形状の外表面と同様の形状を有する。
【0075】
レンズ130Mは、
図1A及び
図1Bに示すレンズ130の平面視における四隅を伸ばして平面視で正方形にした両凸レンズであり、レンズ130と同様に電波を集束させる。
【0076】
このような方形導波管で構成される導波管110Mを含むアンテナ装置100Mにおいても、アンテナ装置100と同様に、内壁面110AMで反射される電波は、中心軸Cの方向に向かって反射され、ビーム角の大きい直接波と打ち消し合う。このため、レンズ130Mの中央部を通る電波が相殺されずに伝搬されることで、ビーム幅の狭いビームが得られる。また、このようなビーム幅の狭いビームは、開口部111Mの開口面積を開口部112Mの開口面積よりも大きく設定した導波管110Mで実現することができ、大がかりな装置は不要である。
【0077】
したがって、小型でビーム幅の狭いアンテナ装置100Mを提供することができる。導波管110Mは、角錐台形状であるので、角錐台形状の導波管110Mを用いた簡易な構成で、小型でビーム幅の狭いアンテナ装置100Mを提供することができる。
【0078】
<誘電体導波路>
図9は、誘電体導波路210を示す図である。誘電体導波路210は、端面211及び212を有する円錐台形状の誘電体で構成される。誘電体は、一例として樹脂等である。端面211及び212は、平面視で円形である。誘電体導波路210は、アンテナ装置100の導波管110の代わりに利用可能である。
【0079】
端面211は平坦面であり、端面212は、レンズ130の-Y方向側の曲面に合わせた凹面である。端面211の面積は、端面212の平面視での面積よりも大きい。このような誘電体導波路210の端面212にレンズ130を設ければ、導波管110を用いた場合と同様に電波を伝搬させることができる。なお、誘電体導波路210は角錐台形状であってもよい。
【0080】
<レンズの変形例>
図10は、フレネルゾーン235Aを有する平板レンズ230Aを示す図である。平板レンズ230Aは、円盤状のレンズであり、板状の誘電体基板の両側に平坦な端面231A及び232Aを有する。誘電体基板で構成される平板レンズ230Aの+Y方向側の端面232Aには、フレネルゾーン235Aが形成されている。フレネルゾーン235Aは、銅箔等のパターンによって形成され電波を遮蔽する複数の輪の部分(黒く示す輪の部分)と、銅箔等のパターンが配置されず電波を透過する複数の輪の部分(黒く示す輪の間の部分)とを有し、電波を集束させるフレネルレンズとして機能する。このような平板レンズ230Aをレンズ130の代わりに利用することで、レンズ130を用いた場合と同様に電波を集束させることができる。なお、フレネルゾーン235Aは-Y方向側の端面231Aに設けられていてもよい。
【0081】
したがって、フレネルゾーン235Aを有する平板レンズ230Aを用いた簡易な構成で、小型でビーム幅の狭いアンテナ装置を提供することができる。なお、フレネルゾーン235Aを有する平板レンズ230Aを設ける代わりに、
図9に示す誘電体導波路210の端面211又は212にフレネルゾーン235Aを設けてもよい。
【0082】
以上、本開示の例示的な実施形態のアンテナ装置について説明したが、本開示は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【0083】
なお、本国際出願は、2022年3月8日に出願した日本国特許出願2022-035533に基づく優先権を主張するものであり、その全内容は本国際出願にここでの参照により援用されるものとする。
【符号の説明】
【0084】
100、100M アンテナ装置
110、110M 導波管
110A、110AM 内壁面
111、111M 開口部(第1開口部の一例)
112、112M 開口部(第2開口部の一例)
120 送受信部
120Tx 送信アンテナ
120Rx 受信アンテナ
130、130M レンズ
210 誘電体導波路
230A 平板レンズ
235A フレネルゾーン