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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】カテーテル動作トレースの可視化
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20241217BHJP
   A61B 18/12 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B18/12
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020066470
(22)【出願日】2020-04-02
(65)【公開番号】P2020168365
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2023-03-31
(31)【優先権主張番号】62/828,925
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/809,654
(32)【優先日】2020-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アミラム・シャイナー
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・コーエン
(72)【発明者】
【氏名】イリヤ・シュティルバーグ
(72)【発明者】
【氏名】マキシム・ガルキン
【審査官】鈴木 敏史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-094066(JP,A)
【文献】特開2015-226777(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0120080(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0360342(US,A1)
【文献】米国特許第07263397(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2014/0364848(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0070855(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0027398(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/20
A61B 18/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療手技をモニタリングする医療装置であって、
プローブと、
生存対象の体腔内の組織をアブレーションするよう、前記組織と接触している前記プローブにエネルギーを印加するよう構成されているアブレーションモジュールと、
ディスプレイと、
プロセッサであって、
前記体腔の三次元(3D)表示を受信するよう、
前記アブレーションモジュールが前記エネルギーを印加した、前記体腔中の前記プローブの位置を示す、前記プローブ中の位置トランスデューサからの信号を受信するよう
記プローブの前記位置にそれぞれ対応する複数のD位置座標点を導き出すように前記信号を処理するよう
記体腔の前記3D表示を前記ディスプレイに表示し、前複数の3D位置座標点をつなぐ線形トレースと一緒に前複数の3D位置座標点に対応する視覚インジケータを前記3D表示上に重ね合わせるよう、並びに
前記視覚インジケータを取り囲む表面を有する境界球面を表示するよう、
構成された、プロセッサと
を含
前記プロセッサが、
(i)前記複数の3D位置座標点の加重平均を算出するよう更に構成されており、前記プロセッサが、前記複数の3D位置座標点の前記加重平均に対応する前記3D表示における位置を、前記境界球面の中央に据えることにより、前記境界球面を表示するよう構成されている、又は、
(ii)前記複数の3D位置座標点の各々において前記エネルギーを印可した回数を計数するよう更に構成されており、前記プロセッサが、前記回数の最高数を有する3D位置座標点に対応する前記3D表示における位置を、前記境界球面の中央に据えることにより前記境界球面を表示するよう構成されている、
医療装置。
【請求項2】
前記境界球面が、全ての前記視覚インジケータを取り囲むために必要な最小半径有する、請求項に記載の医療装置。
【請求項3】
前記視覚インジケータ及び前記線形トレースが、前記複数の3D位置座標点に対応する前記3D表示上の位置を横断する実線を含む、請求項1に記載の医療装置。
【請求項4】
前記線形トレースが、前記視覚インジケータの各連続対をつなげた線分を含む、請求項1に記載の医療装置。
【請求項5】
前記プロセッサが、前記プローブの前記位置において、前記アブレーションモジュールが前記エネルギーを印可している時間の量を計測するよう更に構成されており、前記プロセッサが、前記時間の量に基づいた色を使用して、前記所与の視覚インジケータを表示することにより、前記所与の視覚インジケータの各々を重ね合わせるよう構成されている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項6】
前記プロセッサが、前記視覚インジケータの表示数の値を特定するよう更に構成されており、前視覚インジケータの前記表示数が前記閾値を超えたことを検出すると、前記プロセッサが、表示されている前記視覚インジケータのうち最初に表示した前記視覚インジケータを取り除き、直近の3D位置座標点に対応する前記視覚インジケータを前記ディスプレイに表示することにより、前記視覚インジケータを重ね合わせるよう構成されている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項7】
前記プロセッサが、前記視覚インジケータの表示時間の値を特定するよう更に構成されており、前記視覚インジケータの前記表示時間が前記閾値を超えると、前記プロセッサが、前記表示時間が前記閾値を超えた前記視覚インジケータを取り除くよう構成されている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項8】
生存対象の体腔内の組織をアブレーションするよう、前記組織と接触しているプローブにエネルギーを印加するように構成されているアブレーションモジュールに連動して動作される、コンピュータソフトウェア製品であって、前記製品は、プログラム命令が格納されている非一時的なコンピュータ可読式媒体を備え、命令が、コンピュータにより読み取られると、前記コンピュータが、
前記体腔の三次元(3D)表示を受信し、
前記アブレーションモジュールが前記エネルギーを印加した、前記プローブ中の位置トランスデューサから、前記体腔内の前記プローブの位置を示す信号を受信し、
記プローブの前記位置にそれぞれ対応する複数のD位置座標点を導き出すよう、前記信号を処理し
記体腔の前記3D表示をディスプレイに表示し、前記複数の3D位置座標点をつなぐ線形トレースと一緒に前記複数の3D位置座標点に対応する視覚インジケータを前記3D表示上に重ね合わせ、かつ
前記視覚インジケータを取り囲む表面を有する境界球面を表示し、
前記コンピュータが、さらに
(i)前記複数の3D位置座標点の加重平均を算出し、前記複数の3D位置座標点の前記加重平均に対応する前記3D表示における位置を、前記境界球面の中央に据えることにより、前記境界球面を表示する、又は、
(ii)前記複数の3D位置座標点の各々において前記エネルギーを印可した回数を計数し、前記回数の最高数を有する3D位置座標点に対応する前記3D表示における位置を、前記境界球面の中央に据えることにより前記境界球面を表示する、
コンピュータソフトウェア製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2019年4月3日出願の米国仮特許出願第62/828,925号の利益を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、医療用イメージング、詳細には、アブレーション手技の間の処置用カテーテルの位置を追跡する体腔の三次元表示を生成及び表すことに関する。
【背景技術】
【0003】
身体器官(例えば、心臓)における組織のアブレーションなどのいくつかの医療手技は、この器官に医療用プローブを挿入することにより行われる。医療用プローブは、治療結果を得るため、電極と接触する組織をアブレーションするために、高周波(RF)エネルギーを送達することができる、アブレーション電極を備える。代替的な構成において、医療用プローブは、治療結果を提供するために、レーザ、超音波、又は極低温冷却などの異なるエネルギー源を送達することができる。
【0004】
Lambertらへの米国特許出願第2012/0209260号は、RFアブレーションの間に測定される接触力に基づいて、心房壁の電気的再接続を予測するための方法を記載している。この方法は、病変がアブレーションの間に形成される順序を示す、トレース線を表示することを含む。
【0005】
Yanらへの米国特許出願第2013/0281839号は、三次元超音波手技の間に、カテーテルを可視化するための方法を記載している。この方法は、6つの自由度(「DOF」)のあるカテーテルの追跡課題[x、y、z、a、b、c](xyzは、平行移動であり、a、b及びcは、回転である)を4つのDOF課題[r、a、b、c](rは、カテーテル先端部に連携しているトレースラインに沿う平行移動である)に低減する、例示された幾何制約を使用することを含む。
【0006】
Olsonらへの米国特許出願第2010/0256558号は、カテーテルを操作のためのロボット工学的システムを記載している。このシステムは、意図する又は完了した治療法を送達する病変点、半自動化された段階的カテーテル移動の中間点、完全自動化移動の終着点を特定するため、又は相対的移動に及ぼす影響を有し得ない相対マーカー若しくは仮想電気生理学センサとして使用され得る目標点を、ユーザが選択することを可能にする、ユーザインターフェースを含む。
【0007】
Carlsonらへの米国特許出願第2008/0255505号は、ロボット工学カテーテルシステムを制御するためのユーザインターフェースを記載している。このユーザインターフェースは、体腔又は器官、例えば、患者の心臓の心室などの、三次元(3D)空間内にある又はこれに対するカテーテルを操作者に表示する。操作者は、マウスを使用して、体腔内の点をクリックすることができ、ユーザインターフェースは、3D空間に、ロボット工学カテーテルを案内するために使用され得るトレースラインを投影する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態によれば、医療手技をモニタリングする方法であって、生存対象の体腔内の組織をアブレーションするよう、組織と接触しているプローブにエネルギーを印加すること、エネルギーを印加している間に、プロセッサによって、体腔内のプローブの位置を表示する、プローブ中の位置トランスデューサからの信号を受信すること、エネルギーが印加される時間系列における、プローブの位置に対応する三次元(3D)位置座標点を導き出すよう、信号を処理すること、及びエネルギーを印加している間、体腔の3D表示をディスプレイに表示して、系列に応じて、座標点をつなぐ線形トレースと一緒に時間系列における3D位置座標点に対応する視覚インジケータを3D表示上に重ね合わせることを含む、方法が提供される。
【0009】
一実施形態では、体腔は、心臓の心室を含む。
【0010】
一部の実施形態では、本方法また、視覚インジケータを取り囲む表面を有する境界球面を表示することを含む。
【0011】
第1の実施形態では、境界球面は、最小境界球面を含む。
【0012】
第2の実施形態では、本方法は、3D位置座標点の加重平均を算出することを更に含み、境界球面を表示することは、3D位置座標点の加重平均に対応する3D表示におけるグラフ位置において、境界球面を中央に据えることを含む。
【0013】
第3の実施形態では、本方法は、時間系列の間に、3D位置座標点の各々の事例の個々の数を計数することを更に含み、境界球面を表示することが、これらの事例の最高数を有する3D位置点に対応する3D表示におけるグラフ位置において、境界球面を中央に据えることを含む。
【0014】
別の実施形態では、視覚インジケータ及び視覚トレースは、座標点の系列に対応する3D表示上のグラフ位置を横断する実線を含む。
【0015】
追加的な実施形態では、視覚トレースは、視覚インジケータの各連続対をつなげる線分を含む。
【0016】
更なる実施形態では、本方法はまた、時間系列の間に、3D位置座標点の各々の事例の個々の数を計数することを含み、所与の視覚インジケータの各々を重ね合わせることは、所与の視覚インジケータの事例の個々の数に基づいた色を使用して、所与の視覚インジケータを表示することを含む。
【0017】
補足の実施形態では、本方法は、閾値数を特定することであって、いくつかの3D位置座標点が閾値数を超えたことを検出すると、視覚インジケータを重ね合わせることが、直近の3D座標点の閾値数に対応する視覚インジケータをディスプレイに表示することを含む、ことを更に含む。
【0018】
別の実施形態では、本方法は、閾値期間を特定することであって、時間系列が閾値期間を超えると、視覚インジケータを重ね合わせることが、直近の閾値期間の間に、3D座標点に対応する視覚インジケータをディスプレイに表示することを更に含む。
【0019】
本発明の実施形態によれば、医療手技をモニタリングする医療装置であって、プローブ、生存対象の体腔内の組織をアブレーションするよう、組織と接触しているプローブにエネルギーを印加するよう構成されているアブレーションモジュール、ディスプレイ、及びプロセッサであって、アブレーションモジュールがエネルギーを印加している間、体腔中のプローブの位置を示す、プローブ中の位置トランスデューサからの信号を受信するよう、エネルギーが印加されている時間系列における、プローブの位置に対応する三次元(3D)位置座標点を導き出すように信号を処理するよう、並びにアブレーションモジュールがエネルギーを印加している間、体腔の3D表示をディスプレイに表示し、系列に応じて、座標点をつなぐ線形トレースと一緒に時間系列における3D位置座標点に対応する視覚インジケータを3D表示上に重ね合わせるよう、構成された、プロセッサを含む、医療装置が提供される。
【0020】
本発明の実施形態によれば、生存対象の体腔内の組織をアブレーションするよう、組織と接触しているプローブにエネルギーを印加するように構成されているアブレーションモジュールに連動して動作される、コンピュータソフトウェア製品であって、該製品は、プログラム命令が格納されている非一時的なコンピュータ可読式媒体を備え、命令が、コンピュータにより読み取られると、コンピュータが、アブレーションモジュールがエネルギーを印加している間、プローブ中の位置トランスデューサから、体腔内のプローブの位置を表示する信号を受信し、エネルギーが印加されている時間系列における、プローブの位置に対応する三次元(3D)位置座標点を導き出すよう、信号を処理し、かつアブレーションモジュールがエネルギーを印加している間、体腔の3D表示をディスプレイに表示し、系列に応じて、座標点をつなぐ線形トレースと一緒に時間系列における3D位置座標点に対応する視覚インジケータを3D表示上に重ね合わせる、コンピュータソフトウェア製品が更に提供される。
【0021】
本発明の実施形態によれば、医療手技をモニタリングする方法であって、生存対象の体腔内の組織と接触しているプローブにおける位置トランスデューサから、体腔内のプローブの位置を示す信号をプロセッサによって受信すること、時間系列における、プローブの位置に対応する三次元(3D)位置座標点を導き出すよう、信号を処理すること、並びにプローブが、組織に接触している間、ディスプレイに、体腔の3D表示を表示し、系列に応じて、座標点をつなぐ線形トレースと一緒に時間系列における3D位置座標点に対応する視覚インジケータを3D表示上に重ね合わせ、複数の視覚インジケータを取り囲む表面を有する境界球面をディスプレイに表示することを含む、方法が更に提供される。
【0022】
一部の実施形態では、境界球面は、最小境界球面を含む。
【0023】
一実施形態では、本方法はまた、3D位置座標点の加重平均を算出することを更に含み、境界球面を表示することは、3D位置座標点の加重平均に対応する3D表示におけるグラフ位置において、境界球面を中央に据えることを含む。
【0024】
別の実施形態では、本方法は、時間系列の間に、3D位置座標点の各々の事例の個々の数を計数することを更に含み、境界球面を表示することは、事例の最高数を有する3D位置点に対応する3D表示におけるグラフ位置において、境界球面を中央に据えることを含む。
【0025】
本発明の実施形態によれば、医療手技をモニタリングする医療装置であって、プローブ、ディスプレイ、及びプロセッサであって、生存対象の体腔において組織に接触しているプローブにおける位置トランスデューサから、体腔内のプローブの位置を示す信号を受信するよう、時間系列における、プローブの位置に対応する三次元(3D)位置座標点を導き出すよう信号を処理するよう、かつプローブが、組織に接触している間、ディスプレイに、体腔の3D表示を表示し、系列に応じて、座標点をつなぐ線形トレースと一緒に時間系列における3D位置座標点に対応する視覚インジケータを3D表示上に重ね合わせ、複数の視覚インジケータを取り囲む表面を有する境界球面をディスプレイに表示するよう、構成された、プロセッサを含む、医療装置も提供される。
【0026】
本発明の実施形態によれば、生存対象の体腔内の組織と接触しているプローブに連動して動作するコンピュータソフトウェア製品であって、該製品は、プログラム命令が格納されている非一時的なコンピュータ可読式媒体を備え、命令が、コンピュータにより読み取られると、コンピュータが、体腔中のプローブの位置を示す、プローブ中の位置トランスデューサからの信号を受信し、時間系列において、プローブの位置に対応する三次元(3D)位置座標点を導き出すように信号を処理し、かつプローブが、組織に接触している間、ディスプレイに、体腔の3D表示を表示し、系列に応じて、座標点をつなぐ線形トレースと一緒に時間系列における3D位置座標点に対応する視覚インジケータを3D表示上に重ね合わせ、複数の視覚インジケータを取り囲む表面を有する境界球面をディスプレイに表示する、コンピュータソフトウェア製品が更に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本開示は、添付の図面を参照しながら、単なる例として、本明細書において記載されている。
図1】本発明の例示的な実施形態による、制御コンソール、及び遠位端部に固定された処置用電極を有する医療用プローブを備える医療システムの概略模式図である。
図2】本発明の例示的な実施形態による、医療手技の間に、処置用電極の動きをトレースする三次元(3D)表示を表示する方法を模式的に例示するフロー図である。
図3】本発明の例示的な実施形態による、心室内部の医療用プローブの遠位端部の模式図である。
図4A】本発明の例示的な実施形態による、3D表示の模式図である。
図4B】本発明の例示的な実施形態による、3D表示の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
体腔内の組織を処置するための処置用電極を備える医療用プローブを使用する場合、処置用電極の安全性を維持することが難しいことがある。例えば、心臓のアブレーション手技を行っている間、心臓内組織の特定の領域をアブレーションするためにアブレーションカテーテルを使用する場合、心臓の動きのために、心臓が動いている間(例えば、心周期)、アブレーションカテーテルを安定して維持することが困難になるおそれがある。このことは、短い期間を有する高出力アブレーションの間には、とりわけ当てはまることになり得る。更に又は代替的に、アブレーションカテーテルの遠位端部によって心臓内組織表面に印加される圧力が不十分であると、手技中の遠位端部の滑りが生じるおそれがある。
【0029】
例示的な本発明の実施形態は、手技中に、医療用プローブ(例えば、アブレーションカテーテル)の動きをトレースすることによる、医療手技(例えば、心臓アブレーション)をモニタリングするためのシステム及び方法を提供する。本明細書のこれ以降に記載されているとおり、組織をアブレーションするよう、生存対象の体腔内の組織に接触しているプローブにエネルギーを印加し、このエネルギーが印加されている間に、プロセッサが、プローブにおける位置トランスデューサから、体腔内のプローブの位置を表示する信号を受信する。この信号は、エネルギーが印加されている時間系列における、プローブの位置に対応する三次元(3D)位置座標点を導き出すように処理される。最後に、エネルギーを印加している間、体腔の3D表示がディスプレイに表示され、視覚インジケータが、系列に応じて、座標点をつなぐ線形トレースと一緒に時間系列における3D位置座標点に対応する3D表示上に重ね合わせられる。
【0030】
手技中に線形トレースを供給することによって、線形トレースの長さは、手技中のプローブの移動量に直接、比例するので、本発明の例示的な実施形態を実施するシステムは、行われた医療手技の有効性に関して、医療専門家に貴重なリアルタイムフィードバックを提供することができる。
【0031】
システムの説明
図1は、本発明の例示的な実施形態による、医療用プローブ22及び制御コンソール24を備える医療システム20の模式図である。医療システム20は、例えば、33 Technology Drive,Irvine,CA 92618 USAのBiosense Webster Inc.によって製造されるCARTO(登録商標)システムに基づき得る。本明細書のこれ以降に記載されている例示的な実施形態では、医療用プローブ22は、患者28の心臓26中の組織をアブレーションするためなどの、診断的処置又は治療的処置のために使用することができる、心膜内カテーテルを備える。代替的に、医療用プローブ22を、心臓又は他の体の器官における他の治療及び/又は診断目的のために、必要な変更を加えて使用してもよい。
【0032】
プローブ22は、挿入管30、及び挿入管の近位端部に連結されたハンドル32を備える。ハンドル32を操作することによって、医療専門家34は、患者28の体腔内にプローブ22を挿入することができる。例えば、医療専門家34は、プローブ22の遠位端部36が心臓26の心室に進入し、所望の場所(単数又は複数)において心臓内組織に係合するように、プローブ22を患者28の血管系を通して挿入することができる。
【0033】
制御コンソール24は、ケーブル38によって身体表面電極に接続され、身体表面電極は、典型的には患者28に貼り付けられた接着性皮膚パッチ40を備える。図1に示される構成では、システム20は、インピーダンスに基づく位置探知を使用して、遠位端部36の位置を判定する。
【0034】
インピーダンスに基づく位置探知を実施するため、制御コンソール24は、プロセッサ42を備え、このプロセッサ42は、電流追跡モジュール44に連動して、接着性皮膚パッチ40と遠位端部36に貼り付けられている電極を備える位置電極46との間で測定されたインピーダンス及び/又は電流に基づいて、心臓26の内側の遠位端部36の位置座標を判定する。
【0035】
上に明記されているとおり、プロセッサ42は、電流追跡モジュール44に連動して、接着性皮膚パッチ40と電極46との間で測定されるインピーダンス及び/又は電流に基づいて、心臓26の内側の遠位端部36の位置座標を判定することができる。このような判定は、通常、インピーダンス又は電流を遠位端部の既知の位置に関連付ける較正プロセスが行われた後である。
【0036】
プロセッサ42は、通常、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)として構成されたリアルタイムノイズ低減回路48、続いてアナログ-デジタル(analog-to-digital、A/D)信号変換集積回路50を備えてもよい。プロセッサは、本明細書において開示されている1つ又は複数のアルゴリズムを実行するようにプログラム化され得、1つ又は複数のアルゴリズムはそれぞれ、本明細書の以下に記載されているステップを含む。このプロセッサは、1つ又は複数のアルゴリズムを実行するために、本明細書に記載されている図1中の回路48及び回路50、並びにモジュールの機構を使用する。
【0037】
図1に示される医療システムは、遠位端36の位置を測定するために、接着性皮膚パッチ40及び電極46を備えるインピーダンスに基づく位置トランスデューサを使用するが、他の位置追跡技術を使用してもよい(例えば、磁気に基づくセンサを用いる技術)。インピーダンスに基づく位置追跡技術は、例えば、それらの開示内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,983,126号、同第6,456,864号、同第5,944,022号に記載されている。磁場センサを備える位置トランスデューサを使用する、磁気に基づく位置追跡技術は、例えば、それらの開示が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、同第6,788,967号、同第6,690,963号、同第5,558,091号、同第6,172,499号及び同第6,177,792号に記載されている。本明細書の上に記載されている位置探知方法は、上述のCARTO(登録商標)システムに実装されており、上で引用した特許に詳細に説明されている。
【0038】
制御コンソール24はまた、入力/出力(I/O)通信インターフェース52を備え、これにより、制御コンソールが、位置電極46及び接着性皮膚パッチ40から信号を送信する、かつ/又はこれらに信号を送信することが可能になる。位置電極46及び接着性皮膚パッチ40から受信された信号に基づいて、プロセッサ42は、患者の身体内の遠位端部36の位置を示すマップ54を生成することができる。手技中、プロセッサ42は、医療専門家34に対してディスプレイ56上にマップ54を提示し、メモリ58にこのマップを表すデータを記憶することができる。メモリ58は、ランダムアクセスメモリ、ソリッドステートディスク又はハードディスクドライブなどの任意の好適な揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを備えてもよい。
【0039】
一部の実施形態では、医療専門家34は、1つ又は複数の入力デバイス60を使用して、マップ54を操作することができる。代替的な実施形態では、ディスプレイ56は、マップ54を提示することに加えて、医療専門家34からの入力を受け取るように構成され得るタッチスクリーンを備えてもよい。
【0040】
図1に示される構成では、プローブ22は、アブレーション電極を備えることができる処置用電極62を備え、制御コンソール24は、アブレーションモジュール64を備える。一部の例示的な実施形態では、処置用電極62は、プローブ22の遠位先端部66に固定されており、遠位先端部を覆う金を備えてもよい。アブレーションモジュール64はまた、処置用電極62に伝達されるアブレーション出力(例えば、高周波エネルギー)のレベル及び期間などのアブレーションパラメータをモニタリングして制御するよう構成され得る。いくつかの例示的な実施形態では、処置用電極62は、心臓26内の組織に信号を印加するように、かつ/又は心膜内の場所における特定の生理学的特性(例えば、局所表面電位)を測定するように構成することができる。
【0041】
図1の構成は、位置電極46及び処置用電極62を備えるプローブ22を示しているが、単一電極(例えば、電極62)が、位置探知及びアブレーションの両方に使用される構成は、本発明の主旨及び範囲内にあると見なされる。
【0042】
医療専門家34は、プローブ22を使用して、患者28の体腔(例えば、心臓26)内で医療手技を行っている間、プロセッサ42は、メモリ58内に、データ68をグラフにする処置用電極62の位置を記憶することができる。本発明の例示的な実施形態では、プロセッサ42は、グラフデータ68を使用して、3D表示70を生成し、本明細書のこれ以降の図2及び図4を参照する説明に記載されているとおり、医療手技の間、ディスプレイ56上に3D表示を表示する。
【0043】
上記のとおり、図1は、インピーダンスに基づく位置探知を使用して、遠位端部36の位置及び向きを判定する。一部の例示的な実施形態にでは、位置及び向きは、X軸74、Y軸76及びZ軸78を含む三次元座標系72内の位置座標を含むことができる。
【0044】
位置追跡及びトレースの可視化
図2は、医療手技の間、処置用電極62の動きをトレースする3D表示70を生成して表示するための方法を模式的に例示しているアルゴリズムのフロー図であり、図3は、本発明の例示的な実施形態による、医療手技の間の、心臓26の心室内部の遠位端部36の模式図である。
【0045】
図4としてまとめて参照される、図4A及び図4Bは、本発明の例示的な実施形態による、3D表示70の模式図である。一部の例示的な実施形態では、図4Aに示されているとおり、3D表示70は、医療手技の間、処置用電極62の個々のプローブ位置112に対応する複数の視覚インジケータ120を含む。
【0046】
規格ステップ80では、プロセッサ42は、ディスプレイ閾値を選択する。本明細書の以下に記載されているとおり、プロセッサ42は、医療手技の間、ディスプレイ56に、処置用電極62の位置を表示する、3D表示70を表示する。ディスプレイ閾値を選択するため、プロセッサ42は、メモリ58からディスプレイ閾値を読み出すことができるか、又はディスプレイ閾値を示す1つ又は複数の入力デバイス60からの信号を受信することができる。
【0047】
例示的な一実施形態では、ディスプレイ閾値は、位置の指定数(例えば、8、10又は12)を含むことができる。この例示的な実施形態では、プロセッサ42は、医療手技の間、処置用電極62の直近位置の指定数を含む、3D表示70を示すことができる。別の例示的な実施形態では、ディスプレイ閾値は、指定期間(例えば、4秒、6秒又は8秒)を含むことができる。この例示的な実施形態では、プロセッサ42は、直近の指定期間の間の医療手技の間に、処置用電極62の位置を表す3D表示70を表示することができる。
【0048】
第1の表示ステップ82では、プロセッサ42は、ディスプレイ56に3D表示70を表示し、特定ステップ84では、医療専門家34が、処置のための心臓内組織110の領域をマップ上に特定する(図3)。一部の例示的な実施形態では、3D表示70は、患者28において、所与の体腔(例えば、心臓26)の3D表示を含み、所与の体腔の以前に必要とした3D画像に基づくことができる。
【0049】
位置決めステップ86では、医療専門家34は、遠位端部を位置決めするために、ハンドル32を操作して、その結果、処置用電極62は、心臓内組織110の特定領域と係合(すなわち、この領域と接触する)し、処置ステップ88において、医療専門家34は、医療手技を始める。上記のとおり、本発明の例示的な実施形態を使用して行うことができる医療手技の例は、以下に限定されないが、心臓内組織110にアブレーションエネルギーを送達すること、又は心臓内組織において、特定の生理学的特性(例えば、局所表面電位)を測定することを含む。心臓内組織110にアブレーションエネルギーを送達するため、アブレーションモジュール64が、心臓内組織と接触している処置用電極62にエネルギーを印加する。
【0050】
フロー図におけるステップは、心臓26において、心臓内組織110の処置を記載しているが、患者28におけるいかなる体腔内のいずれの組織の処置も、本発明の主旨及び範囲内にあると見なされる。
【0051】
受信ステップ90では、プロセッサ42は、心臓26内の電極46の所与のプローブ位置112を表示する位置信号を接着性皮膚パッチ40から受信し、ステップ92において、プロセッサは、処置用電極62が表示位置に対応する3D位置座標点(すなわち、3D座標系72中に)を導き出すよう、受信信号を処理する。
【0052】
第1の比較ステップ94では、ディスプレイ閾値に到達しない場合、重ね合わせステップ96では、プロセッサ42は、3D表示70上に、所与の体腔中の処置用電極のプローブ位置に対応する視覚インジケータ120を重ね合わせる。上記のとおり、ディスプレイ閾値は、位置又は特定の期間の指定数を含むことができる。
【0053】
第2の判定ステップ98では、ステップ92において導き出された3D位置座標は、医療手技の間に導き出された第1の3D位置座標となる場合(すなわち、ステップ90で開始した)、この方法は、工程90を継続する。しかし、導き出された3D位置座標が、第1の導き出された位置座標ではない場合、第2の表示ステップ100では、プロセッサ42は、重ね合わせた視覚インジケータ120と、プロセッサ42が3D表示70上に重ね合わせた直近の視覚インジケータとをつなげる線形トレースをディスプレイ56に表示する。
【0054】
図4Aに表示されている例では、線形トレースは、手技の間に、処置用電極62のプローブ位置112に対応する3D表示70上で、個々の3D表示位置122における連続対の視覚インジケータ120をつなげる一連の線分124を含む。例えば、一連の3D表示70が、第1、第2、第3及び第4の視覚インジケータ120を含む場合、連続対となる視覚インジケータは、第1及び第2の視覚インジケータ、第2及び第3の視覚インジケータ、並びに第3及び第4の視覚インジケータを含む。
【0055】
図4Bに示されている例では、線形トレースは、手技の間に、処置用電極62のプローブ位置112に対応する3D表示70のグラフ位置122を横断する単一の実線140を含む。
【0056】
第3の表示ステップ102では、プロセッサ42は、現時点で表示されている視覚インジケータ120を取り囲む表面128を含む境界球面126を、ディスプレイ56に表示する。例示的な一実施形態では、境界球面126は、可能なすべての境界球面126の中で、最小半径を有する境界球面として定義され得る、最小境界球面を含むことができる。
【0057】
例示的な一実施形態では、プロセッサ42は、手技の間に、処置用電極62の最も多く訪れたプローブ位置112に対応する3D表示70上に、所与のグラフ位置122として球面126の中心130を算出することができる。例示的な一実施形態では、プロセッサは、内側(medial)手技の間に、3D位置座標点の各々の事例の個々の数を計数し、事例の最高数を有する所与のプローブ位置112を特定することにより、手技の間に、処置用電極62の最も訪れたプローブ位置112を特定することができる。
【0058】
別の例示的な実施形態では、プロセッサ42は、手技の間、処置用電極62のプローブ位置112の加重平均を算出(すなわち位置及び時間に基づく)し、算出した加重平均に対応するグラフ位置における球面を中心に据えることによって、所与の位置に対応する3D表示70上に、所与のグラフ位置122として、球面126の中心130を算出することができる。
【0059】
追加の例示的な実施形態では、プロセッサ42は、医療手技の間に、プローブ位置の各々の事例の個々の数を算出し、処置用電極が、所与の視覚インジケータに対応するプローブ位置に位置決めされた時間の量に対応する色で所与の視覚インジケータ120のそれぞれを表すことができる。例えば:
・1秒未満の間に電極が所与の位置に位置決めされる場合、プロセッサ42は、所与のインジケータ120を黄色で表示することができる。
・1秒~2秒の間に電極が所与の位置に位置決めされる場合、プロセッサ42は、所与のインジケータ120を緑色で表示することができる。
・2秒超えて、電極が所与の位置に位置決めされる場合、プロセッサ42は、所与のインジケータ120を赤色で表示することができる。
【0060】
第3の比較ステップ104では、医療専門家34が、医療手技を完了した場合(すなわち、処置用電極62を使用して)、この方法を終える。しかし、医療手技が完了しない場合、この方法は、ステップ90を継続する。
【0061】
ステップ94に戻り、ディスプレイ閾値が到達された場合、除去ステップ106において、プロセッサ42は、ディスプレイ56上の3D表示70から最も古い視覚インジケータを取り除き、この方法は、ステップ96を継続する。
【0062】
第1の例において、ディスプレイ閾値が、手技の間に、9番目の3D位置座標点をプロセッサ42が導き出す際に、8つの位置を含む場合、このプロセッサは、ディスプレイ閾値に到達されたことを検出して、3D表示70から、手技の間に導かれた第1の位置座標点に対応する視覚インジケータを取り除き、手技の間に導き出された第9の位置座標点に対応する新しい視覚インジケータ120を3D表示に追加する。
【0063】
第2の例において、ディスプレイ閾値が、手技の11秒目の間に、位置座標点をプロセッサ42が導き出す際に、10秒を含む場合、プロセッサは、ディスプレイ閾値に到達されたことを検出して、3D表示70から、手技の1秒目の間に導かれた位置座標点に対応する新しい視覚インジケータを取り除き、手技の11秒目の間に導き出された位置座標点に対応する新しい視覚インジケータ120を3D表示に追加する。
【0064】
医療手技の間のステップ90~106を繰り返すと、プロセッサ42は、手技の間の時間系列における位置信号を受信し、3D表示70におけるプロセッサ42により表示される線分は、系列に従い、プローブ位置112に対応する線形トレースを表す。上記のとおり、線形トレースは、線分124又は実線140を含んでもよい。
【0065】
本明細書のこれまでに提示されているステップは、医療手技の間、リアルタイムで、位置データをキャプチャして、3D表示70を表すことを記載しているが、グラフデータ68を使用して、3D表示70を生成して後に表示することが、本発明の主旨及び範囲内にあると見なされる。例えば、医療手技を完了する前に、医療専門家34は、5秒「ウインド」(すなわち、期間)の系列で、制御コンソールに3D表示70を表示させることにより、手技を吟味することができる。したがって、医療手技が、30秒のアブレーションを含む場合、プロセッサ42は、5秒ごとの期間の間に、電極62の位置をトレースする一連の6つの3D表示70を表示することができる。
【0066】
上に述べた実施形態は例として挙げたものであり、本発明は上記に具体的に示し説明したものに限定されない点が理解されよう。むしろ本発明の範囲は、上述のさまざまな特徴の組み合わせ及びその一部の組み合わせの両方、並びに上述の説明を読むことで当業者により想到されるであろう、また従来技術において開示されていないそれらの変形及び修正を含むものである。
【0067】
〔実施の態様〕
(1) 医療手技をモニタリングする方法であって、
生存対象の体腔内の組織をアブレーションするよう、前記組織と接触しているプローブにエネルギーを印加することと、
前記エネルギーを印加している間に、プロセッサによって、前記体腔内の前記プローブの位置を表示する、前記プローブ中の位置トランスデューサからの信号を受信することと、
前記エネルギーが印加される時間系列における、前記プローブの前記位置に対応する三次元(3D)位置座標点を導き出すよう、前記信号を処理することと、
前記エネルギーを印加している間、前記体腔の3D表示をディスプレイに表示して、前記系列に応じて、前記座標点をつなぐ線形トレースと一緒に前記時間系列における前記3D位置座標点に対応する視覚インジケータを前記3D表示上に重ね合わせることと
を含む、方法。
(2) 前記体腔が心臓の心室を含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記視覚インジケータを取り囲む表面を有する境界球面を表示することを含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記境界球面が、最小境界球面を含む、実施態様3に記載の方法。
(5) 前記3D位置座標点の加重平均を算出することを含み、前記境界球面を表示することが、前記3D位置座標点の前記加重平均に対応する前記3D表示におけるグラフ位置において、前記境界球面を中央に据えることを含む、実施態様3に記載の方法。
【0068】
(6) 前記時間系列の間に、前記3D位置座標点の各々の事例の個々の数を計数することを含み、前記境界球面を表示することが、前記事例の最高数を有する3D位置点に対応する前記3D表示におけるグラフ位置において、前記境界球面を中央に据えることを含む、実施態様3に記載の方法。
(7) 前記視覚インジケータ及び視覚トレースが、座標点の前記系列に対応する前記3D表示上のグラフ位置を横断する実線を含む、実施態様1に記載の方法。
(8) 前記視覚トレースが、前記視覚インジケータの各連続対をつなげた線分を含む、実施態様1に記載の方法。
(9) 前記時間系列の間に、前記3D位置座標点の各々の事例の個々の数を計数することを含み、所与の視覚インジケータの各々を重ね合わせることが、所与の視覚インジケータの事例の前記個々の数に基づいた色を使用して、前記所与の視覚インジケータを表示することを含む、実施態様1に記載の方法。
(10) 閾値数を特定することを含み、いくつかの前記3D位置座標点が前記閾値数を超えたことを検出すると、前記視覚インジケータを重ね合わせることが、直近の3D座標点の前記閾値数に対応する前記視覚インジケータを前記ディスプレイに表示することを含む、実施態様1に記載の方法。
【0069】
(11) 閾値期間を特定することを含み、前記時間系列が前記閾値期間を超えると、前記視覚インジケータを重ね合わせることが、前記直近の閾値期間の間に、前記3D座標点に対応する前記視覚インジケータを前記ディスプレイに表示することを含む、実施態様1に記載の方法。
(12) 医療手技をモニタリングする医療装置であって、
プローブと、
生存対象の体腔内の組織をアブレーションするよう、前記組織と接触している前記プローブにエネルギーを印加するよう構成されているアブレーションモジュールと、
ディスプレイと、
プロセッサであって、
前記アブレーションモジュールが前記エネルギーを印加している間、前記体腔中の前記プローブの位置を示す、前記プローブ中の位置トランスデューサからの信号を受信するよう、
前記エネルギーが印加されている時間系列における、前記プローブの前記位置に対応する三次元(3D)位置座標点を導き出すように前記信号を処理するよう、並びに
前記アブレーションモジュールが前記エネルギーを印加している間、前記体腔の3D表示を前記ディスプレイに表示し、前記系列に応じて、前記座標点をつなぐ線形トレースと一緒に前記時間系列における前記3D位置座標点に対応する視覚インジケータを前記3D表示上に重ね合わせるよう、
構成された、プロセッサと
を含む、医療装置。
(13) 前記体腔が心臓の心室を含む、実施態様12に記載の医療装置。
(14) 前記プロセッサが、前記視覚インジケータを取り囲む表面を有する境界球面を表示するよう更に構成されている、実施態様12に記載の医療装置。
(15) 前記境界球面が最小境界球面を含む、実施態様14に記載の医療装置。
【0070】
(16) 前記プロセッサが、前記3D位置座標点の加重平均を算出するよう更に構成されており、前記プロセッサが、前記3D位置座標点の前記加重平均に対応する前記3D表示におけるグラフ位置において、前記境界球面を中央に据えることにより、前記境界球面を表示するよう構成されている、実施態様14に記載の医療装置。
(17) 前記プロセッサが、前記時間系列の間に、前記3D位置座標点の各々の事例の個々の数を計数するよう更に構成されており、前記プロセッサが、前記事例の最高数を有する3D位置点に対応する前記3D表示におけるグラフ位置において、前記境界球面を中央に据えることにより前記境界球面を表示するよう構成されている、実施態様14に記載の医療装置。
(18) 前記視覚インジケータ及び視覚トレースが、座標点の前記系列に対応する前記3D表示上のグラフ位置を横断する実線を含む、実施態様12に記載の医療装置。
(19) 前記視覚トレースが、前記視覚インジケータの各連続対をつなげた線分を含む、実施態様12に記載の医療装置。
(20) 前記プロセッサが、前記時間系列の間に、前記3D位置座標点の各々の事例の個々の数を計数するよう更に構成されており、前記プロセッサが、所与の視覚インジケータの事例の前記個々の数に基づいた色を使用して、前記所与の視覚インジケータを表示することにより、前記所与の視覚インジケータの各々を重ね合わせるよう構成されている、実施態様12に記載の医療装置。
【0071】
(21) 前記プロセッサが、閾値数を特定するよう更に構成されており、いくつかの前記3D位置座標点が前記閾値数を超えたことを検出すると、前記プロセッサが、直近の3D座標点の前記閾値数に対応する前記視覚インジケータを前記ディスプレイに表示することにより、前記視覚インジケータを重ね合わせるよう構成されている、実施態様12に記載の医療装置。
(22) 前記プロセッサが、閾値期間を特定するよう更に構成されており、前記時間系列が前記閾値期間を超えると、前記プロセッサが、前記直近の閾値期間の間に、前記3D座標点に対応する前記視覚インジケータを前記ディスプレイに表示することにより、前記視覚インジケータを重ね合わせるよう構成されている、実施態様12に記載の医療装置。
(23) 生存対象の体腔内の組織をアブレーションするよう、前記組織と接触しているプローブにエネルギーを印加するように構成されているアブレーションモジュールに連動して動作される、コンピュータソフトウェア製品であって、前記製品は、プログラム命令が格納されている非一時的なコンピュータ可読式媒体を備え、命令が、コンピュータにより読み取られると、前記コンピュータが、
前記アブレーションモジュールが前記エネルギーを印加している間、前記プローブ中の位置トランスデューサから、前記体腔内の前記プローブの位置を示す信号を受信し、
前記エネルギーが印加されている時間系列における、前記プローブの前記位置に対応する三次元(3D)位置座標点を導き出すよう、前記信号を処理し、かつ
前記アブレーションモジュールが前記エネルギーを印加している間、前記体腔の3D表示をディスプレイに表示し、前記系列に応じて、前記座標点をつなぐ線形トレースと一緒に前記時間系列における前記3D位置座標点に対応する視覚インジケータを前記3D表示上に重ね合わせる、
コンピュータソフトウェア製品。
(24) 医療手技をモニタリングする方法であって、
生存対象の体腔内の組織に接触しているプローブにおける位置トランスデューサから、前記体腔内の前記プローブの位置を示す信号をプロセッサによって受信することと、
時間系列における、前記プローブの前記位置に対応する三次元(3D)位置座標点を導き出すよう、前記信号を処理することと、
前記プローブが、前記組織に接触している間、
ディスプレイに、前記体腔の3D表示を表示し、
前記系列に応じて、前記座標点をつなぐ線形トレースと一緒に前記時間系列における前記3D位置座標点に対応する視覚インジケータを前記3D表示上に重ね合わせ、
前記複数の視覚インジケータを取り囲む表面を有する境界球面を前記ディスプレイに表示することと、
を含む、方法。
(25) 前記境界球面が、最小境界球面を含む、実施態様24に記載の方法。
【0072】
(26) 前記3D位置座標点の加重平均を算出することを含み、前記境界球面を表示することが、前記3D位置座標点の前記加重平均に対応する前記3D表示におけるグラフ位置において、前記境界球面を中央に据えることを含む、実施態様24に記載の方法。
(27) 前記時間系列の間に、前記3D位置座標点の各々の事例の個々の数を計数することを含み、前記境界球面を表示することが、前記事例の最高数を有する3D位置点に対応する前記3D表示におけるグラフ位置において、前記境界球面を中央に据えることを含む、実施態様24に記載の方法。
(28) 医療手技をモニタリングする医療装置であって、
プローブと、
ディスプレイと、
プロセッサであって、
生存対象の体腔において組織に接触しているプローブにおける位置トランスデューサから、前記体腔内の前記プローブの位置を示す信号を受信するよう、
時間系列における、前記プローブの前記位置に対応する三次元(3D)位置座標点を導き出すよう前記信号を処理するよう、かつ
前記プローブが、前記組織に接触している間、
前記ディスプレイに、前記体腔の3D表示を表示し、
前記系列に応じて、前記座標点をつなぐ線形トレースと一緒に前記時間系列における前記3D位置座標点に対応する視覚インジケータを前記3D表示上に重ね合わせ、
前記複数の視覚インジケータを取り囲む表面を有する境界球面を前記ディスプレイに表示するよう、
構成された、プロセッサと
を含む、医療装置。
(29) 前記境界球面が、最小境界球面を含む、実施態様28に記載の医療装置。
(30) 前記プロセッサが、前記3D位置座標点の加重平均を算出するよう更に構成されており、前記プロセッサが、前記3D位置座標点の前記加重平均に対応する前記3D表示におけるグラフ位置において、前記境界球面を中央に据えることにより、前記境界球面を表示するよう構成されている、実施態様28に記載の医療装置。
【0073】
(31) 前記プロセッサが、前記時間系列の間に、前記3D位置座標点の各々の事例の個々の数を計数するよう更に構成されており、前記プロセッサが、前記事例の最高数を有する3D位置点に対応する前記3D表示におけるグラフ位置において、前記境界球面を中央に据えることにより前記境界球面を表示するよう構成されている、実施態様28に記載の医療装置。
(32) 生存対象の体腔内の組織と接触しているプローブに連動して動作するコンピュータソフトウェア製品であって、前記製品は、プログラム命令が格納されている非一時的なコンピュータ可読式媒体を備え、命令が、コンピュータにより読み取られると、前記コンピュータが、
前記体腔中の前記プローブの位置を示す、前記プローブ中の位置トランスデューサからの信号を受信し、
時間系列において、前記プローブの前記位置に対応する三次元(3D)位置座標点を導き出すように前記信号を処理し、かつ
前記プローブが、前記組織に接触している間、
ディスプレイに、前記体腔の3D表示を表示し、
前記系列に応じて、前記座標点をつなぐ線形トレースと一緒に前記時間系列における前記3D位置座標点に対応する視覚インジケータを前記3D表示上に重ね合わせ、
前記複数の視覚インジケータを取り囲む表面を有する境界球面を前記ディスプレイに表示する、
コンピュータソフトウェア製品。
図1
図2
図3
図4A
図4B