(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】近位方向に残留空気を通気するバルーンカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61M 25/10 20130101AFI20241217BHJP
A61M 25/06 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
A61M25/10 510
A61M25/06 550
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020083087
(22)【出願日】2020-05-11
【審査請求日】2023-03-22
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515248931
【氏名又は名称】ニューラヴィ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ブレンダン・ケーシー
(72)【発明者】
【氏名】カール・キーティング
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・ケリー
(72)【発明者】
【氏名】バリー・オコンネル
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-166163(JP,A)
【文献】特開昭64-017659(JP,A)
【文献】特開昭59-177064(JP,A)
【文献】特開昭63-158064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/10
A61M 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルーンガイドカテーテルシステムであって、
バルーンガイドカテーテルであって、
近位端及び反対側の遠位端を有するカテーテルシャフトであって、前記カテーテルシャフトが、(i)前記カテーテルシャフトを通して軸方向に画定された主ルーメンと、(ii)前記カテーテルシャフトに沿って軸方向に延在する膨張ルーメンであって、近位端及び反対側の終端遠位端を有する、膨張ルーメンと、(iii)前記カテーテルシャフトに沿って軸方向に延在し、近位端及び反対側の終端遠位端を有する、排気ルーメンと、を含む、カテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの外側表面の遠位領域の周りに配置されているバルーンと、を備える、バルーンガイドカテーテルを備え、
前記カテーテルシャフトの前記外側表面は、前記バルーンの下に位置する前記外側表面内に画定された第1の局所的流体連通チャネルを有し、
前記第1の局所的流体連通チャネルが、前記外側表面に形成された窪み、又は凹部であり、前記第1の局所的流体連通チャネルを介して、前記膨張ルーメンの前記終端遠位端及び前記排気ルーメンの前記終端遠位端が、前記バルーンが非膨張状態にある間に、前記バルーンの下で互いに局所的に流体連通しており、
前記排気ルーメンが、近位方向において、かつ前記バルーンガイドカテーテルの近位領域から外に、残留空気をパージするように構成されている、バルーンガイドカテーテルシステム。
【請求項2】
前記膨張ルーメン及び前記排気ルーメンが、互いから所定の距離で半径方向に分離されている、請求項1に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
【請求項3】
前記排気ルーメンが、前記膨張ルーメン内に配置されている、請求項1に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
【請求項4】
前記排気ルーメンが、前記主ルーメンに対して偏心的に配設されている、請求項1に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
【請求項5】
前記排気ルーメンが、前記膨張ルーメンの半径方向内側、前記膨張ルーメンの半径方向外側、又は前記膨張ルーメン内に配置されている、請求項
4に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
【請求項6】
外周を有するポリマージャケットを更に備え、前記ポリマージャケットの前記外周が、前記カテーテルシャフトの前記外側表面に取り付けられ、前記ポリマージャケットと前記カテーテルシャフトの前記外側表面との間の容積を画定し、前記排気ルーメンの前記終端遠位端が、前記容積と流体連通している、請求項
5に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
【請求項7】
前記排気ルーメンが、前記膨張ルーメンを越える、請求項
5に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
【請求項8】
前記カテーテルシャフトの前記近位端に接続されたハブを更に備え、前記ハブが、
前記膨張ルーメンと流体連通している膨張ポートと、
前記排気ルーメンと流体連通している排気ポートと、
前記膨張ポート及び前記排気ポートを接続するブリッジ流体連通チャネルと、
前記排気ポート内に配置された膜であって、そこを通る空気のみの通過を可能にするようにサイズ決定された、その中に画定された開口部を有する、膜と、
前記排気ポート内に前記膜の遠位に配置された弁であって、(i)空気が、前記膜を通って、かつ前記排気ポートから外へ通過することが可能となる開放状態と、(ii)前記排気ルーメンからの膨張媒体が、前記ブリッジ流体連通チャネルを通して、かつ前記膨張ルーメン内へと方向転換される閉鎖状態との間で移行可能である、弁と、を備える、請求項1に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
【請求項9】
前記第1の局所的流体連通チャネルの遠位端は、前記カテーテルシャフトの前記遠位端から近位側に離間している、請求項1に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
【請求項10】
前記バルーンは、前記非膨張状態にある間、前記カテーテルシャフトの前記外側表面の周りに密着する、請求項
1に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
【請求項11】
前記膨張ルーメンの前記終端遠位端及び前記排気ルーメンの前記終端遠位端が、前記第1の局所的流体連通チャネルの近位端と遠位端との間に位置付けられている、請求項1に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
【請求項12】
前記膨張ルーメン及び前記排気ルーメンはそれぞれ、前記カテーテルシャフトとは別個の管状構造体である、請求項1に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
【請求項13】
前記残留空気及び膨張媒体が前記膨張ルーメンの前記終端遠位端から出て前記排気ルーメンの前記終端遠位端内へと流れる、請求項1に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、以下:2019年5月9日に出願された米国特許仮出願第62/845,683号、2019年5月9日に出願された米国仮特許出願第62/845,699号、2019年5月9日に出願された米国仮特許出願第62/845,711号、及び2019年5月9日に出願された米国仮特許出願第62/845,747号の利益を主張するものであり、これら仮特許出願のそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、血管内医療システムに関する。特に、本発明は、近位方向に残留空気を通気する、改善されたバルーンカテーテルを対象とする。
【背景技術】
【0003】
バルーンカテーテルは、様々な血管内医療手技又は治療に関連して、広く使用されている。典型的には、圧力下の流体又は液体は、バルーンを膨張させるためにカテーテルの膨張ルーメン内に注入される。身体内に導入される前に、バルーンカテーテルは、膨張ルーメン及びバルーンから残留空気を適切にパージするために、正確に多段階プロセスに従って医師又は介入医によって準備処置される。具体的には、膨張ルーメンからの空気のパージは、バルーンの漏出又は破裂の場合に、空気塞栓が血管系に入ることを防止する。更に、残留空気はまた、バルーン内の圧縮された未知の容積の残留空気に起因して、そうでなければ不正確であり得る所望の容積の膨張媒体を使用してバルーンの膨張を確実にするために、バルーン自体からパージされる。
【0004】
身体内への導入前にバルーンカテーテルから残留空気をパージするための1つの一般的な技術は、注射器又は真空を使用して、膨張ルーメンの近位端に真空又は負圧を適用し、膨張ルーメンを通して可能な限り近位に可能な限り多くの空気を引き出すことによってである。次いで、弁(例えば、三方向ルアー弁)を介して、注射器真空を閉鎖し、膨張ルーメンを真空下で開放して、弁を通して、膨張媒体をバルーン内に分配することを可能にする。膨張媒体の注入中、バルーンは、好ましくは、下向きの傾きで垂直に保持されて、空気が排気することを促進し、カテーテル内の残留空気が膨張媒体を通して膨張ポートに向かって上昇することを可能にする。膨張媒体及びいくつかの気泡がカテーテルから抜去され、追加の膨張媒体が再び注入される。これらの工程が、残留空気のカテーテルを適切にパージするために複数回繰り返されなければならず、相当量の調製時間を必要とすることは珍しいことではない。各繰り返しでは、これらの工程は、正確に従われなければならない。
【0005】
血管造影バルーンカテーテルシステムでは、デバイスは、膨張ルーメン及びバルーンからの残留空気が近位ではなく遠位通気孔を介して排気されるように構成されている。
【0006】
準備処置工程は多数であり、時間がかかるため、医師及び介入医は、デバイスを完全に使用することから抑制され得る。デバイスを使用する医師又は介入医は、適切な準備処置工程の後に意図せずに省略するか、又は潜在的な健康リスクを患者にもたらすバルーンカテーテルを身体内に導入した後に不適切に省略し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、改善されたバルーンカテーテル、及びそのような改善されたバルーンカテーテルを使用して、近位方向に残留空気を通気すると共に、それと関連付けられた工程を最小限に抑え、それによってデバイスの使用を促進する方法を設計することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、近位方向に残留空気を通気する、改善されたバルーンカテーテルに関する。
【0009】
本発明の別の態様は、バルーンガイドカテーテルを含むバルーンガイドカテーテルシステムを対象とする。バルーンガイドカテーテルは、近位端及び反対側の遠位端を有するカテーテルシャフトを有し、カテーテルシャフトは、(i)カテーテルシャフトを通して軸方向に画定された主ルーメンと、(ii)カテーテルシャフトに沿って軸方向に延在する膨張ルーメンであって、近位端及び反対側の終端遠位端を有する膨張ルーメンと、(iii)カテーテルシャフトに沿って軸方向に延在し、近位端及び反対側の終端遠位端を有する排気ルーメンと、を含む。膨張ルーメンの終端遠位端及び排気ルーメンの終端遠位端は、非膨張状態にある間に、バルーンの下で互いに局所的に流体連通している。加えて、バルーンガイドカテーテルは、カテーテルシャフトの外側表面の遠位領域の周りに配置されたバルーンであって、排気ルーメンが、残留空気を近位方向にパージし、バルーンガイドカテーテルの近位領域から外にパージするように構成されている、バルーン、を更に含む。
【0010】
本発明の更に別の態様は、前段落で記載されたバルーンガイドカテーテルを使用するための方法を対象とする。本方法は、カテーテルシャフトの近位端に接続されたハブの膨張ポートを通して、膨張ルーメン内に膨張媒体を分配する工程を含む。膨張媒体は、分配された膨張媒体によって押された膨張ルーメンを通して遠位に前進され、排気ルーメンを通して、残留空気を近位に排気させ、膨張ルーメンの終端遠位端から吐出する。残留空気は、膜を通して排出され、膜を通して残留空気のみを通過させ、バルーンガイドカテーテルの近位領域から外に通過させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の上記及びその他の特徴は、本発明を例示する以下の発明を実施するための形態及び図面からより容易に明らかになるものであり、幾つかの図面全体にわたり類似の参照番号は類似の要素を示す。
【
図1A】本発明によるバルーンカテーテルの斜視図である。
【
図1B】膨張ルーメンと排気ルーメンとの間の流体連通を促進する、バルーンの下方のメッシュ表面プロファイルを描写する、
図1Aのバルーンカテーテルのバルーン部分の破線正方形領域1Bの拡大図である。
【
図2A】ハブの排気ポートに取設された一方向弁を有する、
図1Aのバルーンカテーテルの代替的なハブ部分構成(破線正方形領域II)である。
【
図2B】ハブの排気ポートとして機能するパージ肺を有する、
図1Aのバルーンカテーテルの更に別のハブ部分構成(破線正方形領域II)である。
【
図3A】
図1Bの線III-IIIに沿った本発明のバルーンカテーテルにおける排気ルーメン及び膨張ルーメンの異なる例示的な構成の半径方向断面図を描写する。
【
図3B】
図1Bの線III-IIIに沿った本発明のバルーンカテーテルにおける排気ルーメン及び膨張ルーメンの異なる例示的な構成の半径方向断面図を描写する。
【
図3C】
図1Bの線III-IIIに沿った本発明のバルーンカテーテルにおける排気ルーメン及び膨張ルーメンの異なる例示的な構成の半径方向断面図を描写する。
【
図3D】
図1Bの線III-IIIに沿った本発明のバルーンカテーテルにおける排気ルーメン及び膨張ルーメンの異なる例示的な構成の半径方向断面図を描写する。
【
図4A】カテーテルシャフトの外側表面に対してぴんと張って収縮状態にあるバルーンを有する本発明のカテーテルの遠位端の部分軸方向断面図であり、それぞれの膨張ルーメン及び排気ルーメンの終端遠位端は、カテーテルシャフトの外壁内で画定された単一のD字形状の局所的流体連通チャネル内で一致している。
【
図4C】線IV(C)-IV(C)に沿った
図4Aの局所的流体連通チャネルを通る半径方向断面図である。
【
図4D】局所的流体連通チャネルを通る代替的な例示的な半径方向断面図であり、カテーテルシャフトの外壁内で画定された単一の局所的流体連通チャネル内で一致するそれぞれの膨張ルーメン及び排気ルーメンの終端遠位端の異なる配設を示す。
【
図4E】局所的流体連通チャネルを通る代替的な例示的な半径方向断面図であり、カテーテルシャフトの外壁内で画定された単一の局所的流体連通チャネル内で一致するそれぞれの膨張ルーメン及び排気ルーメンの終端遠位端の異なる配設を示す。
【
図4F】局所的流体連通チャネルを通る代替的な例示的な半径方向断面図であり、カテーテルシャフトの外壁内で画定された単一の局所的流体連通チャネル内で一致するそれぞれの膨張ルーメン及び排気ルーメンの終端遠位端の異なる配設を示す。
【
図4G】バルーンが収縮(非膨張)状態にある、本発明のカテーテルの遠位端の上面図であり、それぞれの膨張ルーメン及び排気ルーメンの終端遠位端は、カテーテルシャフトの外壁、及びカテーテルシャフトの外側表面の一部分の周りに配置された表面プロファイル内で画定された、単一の局所的流体連通チャネル内で一致している。
【
図4H】バルーンが収縮(非膨張)状態にある、本発明のカテーテルの遠位端の上面図であり、それぞれの膨張ルーメン及び排気ルーメンの終端遠位端は、膨張ルーメンの終端遠位端が第1の局所的流体連通チャネルと一致する一方で、排気ルーメンの終端遠位端が、第1の局所的流体連通チャネルから軸方向に離間した第2の局所的流体連通チャネルと一致するように、互いに対して千鳥に配列されている。
【
図4I】バルーンを有しないカテーテルシャフトの軸区分の部分上面図であり、局所的流体連通チャネルは、穿穴(例えば、楕円形、円形など)であり、膨張ルーメンは、穿穴の中に軸方向に部分的に延在する。
【
図4J】バルーンを有しないカテーテルシャフトの軸区分の部分上面図であり、局所的流体連通チャネルは、穿穴(例えば、楕円形、円形など)であり、膨張ルーメンは、穿穴との境界面で終端している。
【
図4K】線IV(K)-IV(K)に沿った
図4Iの局所的流体連通チャネルを通る半径方向断面図であり、カテーテルシャフトの外壁内で画定された単一の局所的流体連通チャネル内に一致する膨張ルーメンを示す。
【
図4L】バルーンを有しないカテーテルシャフトの軸区分の部分上面図であり、局所的流体連通チャネルは、穿穴(例えば、楕円形、円形など)であり、膨張ルーメン及び排気ルーメンのそれぞれの終端は、穿穴との境界面で終端している。
【
図5】身体の血管内の標的部位に前進した本発明のバルーンカテーテルの斜視図である。
【
図6A】収縮状態(非膨張状態)における本発明のバルーンカテーテルの例示的な構成の遠位端の部分軸方向断面図であり、膨張ルーメンは、同心円状に配設され、排気ルーメンは、主/ガイドワイヤルーメンのそれに対して偏心して配設される。
【
図6B】線VI(B)-VI(B)に沿った
図6Aのバルーンカテーテルの半径方向断面図である。
【
図6C】バルーンが膨張状態にある間の、
図6Aのバルーンカテーテルの遠位端の部分軸方向断面図である。
【
図6D】バルーンが除去された、
図6Aのバルーンカテーテルの一部分の上面図であり、カテーテルシャフト内の入口ポート及び出口ポートの配設を描写する。
【
図7A】バルーンが収縮(非膨張)状態にある、本発明のバルーンカテーテルの別の例示的な構成の遠位端の部分軸方向断面図であり、膨張ルーメンは、同心円状に配設され、排気ルーメンは、主/ガイドワイヤルーメンのそれに対して偏心して配設される。
【
図7B】線VIIB-VIIBに沿った
図7Aのバルーンカテーテルの半径方向断面図である。
【
図7C】バルーンが膨張状態にある間の、
図7Aのバルーンカテーテルの遠位端の部分軸方向断面図である。
【
図8A】バルーンが収縮(非膨張)状態にある、本発明のバルーンカテーテルの更に別の例示的な構成の遠位端の部分軸方向断面図であり、膨張ルーメンは、同心円状に配設され、排気ルーメンは、主/ガイドワイヤルーメンのそれに対して偏心して配設され、排気ルーメンは、膨張ルーメン内に配設され、膨張ルーメンの一部分を通して軸方向に延在する。
【
図8B】線VIII(B)-VIII(B)に沿った
図8Aのバルーンカテーテルの半径方向断面図である。
【
図8C】バルーンが膨張状態にある間の、
図8Aのバルーンカテーテルの遠位端の部分軸方向断面図である。
【
図9A】バルーンが収縮(非膨張)状態にある、本発明のバルーンカテーテルのまた別の例示的な構成の遠位端の部分軸方向断面図であり、膨張ルーメンは、同心円状に配設され、2つの排気ルーメンは、主/ガイドルーメンのそれに対して偏心して配設され、排気ルーメンは、排気ルーメンの半径方向内側にあるものと交差する。
【
図9B】線IX(B)-IX(B)に沿った
図9Aのバルーンカテーテルの半径方向断面図である。
【
図9C】バルーンが膨張状態にある間の、
図9Aのバルーンカテーテルの遠位端の部分軸方向断面図である。
【
図10A】バルーンを有しない本発明のバルーンガイドカテーテルの更に別の態様の斜視図である。
【
図10B】線X(B)-X(B)に沿った
図10Aのバルーンガイドカテーテルの半径方向断面図である。
【
図11A】弁がカテーテルからの残留空気のパージ中、及びバルーンの膨張中に開放状態に位置付けられているときの、
図10Aのハブの軸方向断面図である。
【
図11B】弁がバルーンの収縮中に閉鎖状態に位置付けられているときの、
図10Aのハブの軸方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
「遠位」又は「近位」という用語は、以下の説明において、治療医師若しくは医療介入医に対する位置又は方向に関して使用される。「遠位」又は「遠位に」とは、医師若しくは介入医から離れた位置又は離れる方向である。「近位」又は「近位に」又は「近接した」とは、医師若しくは医療介入医に近い位置又は向かう方向である。「閉塞」、「凝塊」、又は「閉鎖」という用語は、区別なく使用される。
【0013】
本発明のバルーンカテーテルは、そこを通してガイドワイヤを受容する主ルーメンに対して半径方向外側にカテーテルの外壁に配設された複数のルーメンを有する。具体的には、少なくとも1つの膨張ルーメン及び少なくとも1つの排気/通気ルーメンが存在し、それぞれは、ハブからバルーンまでカテーテルの外壁内で軸方向に延在する。膨張ルーメン及び排気/通気ルーメンのそれぞれの遠位端は、互いに局所的に流体連通している。デバイスの主ルーメンの直径寸法は、ガイドワイヤ(複数可)(例えば、0.014インチ、0.018インチ、0.035インチ、及び0.038インチのガイドワイヤ)のための導管、並びに、例えば、手技中に、マイクロカテーテル、機械的血栓切除デバイス、診断カテーテル、及び中間カテーテル/吸引カテーテルなどの補助デバイスとして機能するのに十分である。好ましくは、主ルーメンは、およそ0.088インチの直径を有する。
【0014】
特定の構成にかかわらず、本発明のバルーンカテーテルは、バルーンカテーテルから近位方向に残留空気をパージ、排気、又は通気する。
【0015】
図1Aに描写される本発明のバルーンカテーテル100の斜視図を参照すると、カテーテルは、近位端105及び反対側の遠位端110を有する。ハブ130は、バルーンカテーテル100の近位端105に近接して固定されている。
図1Aに示される第1の構成では、ハブ130は、ガイドワイヤ90又は補助デバイスをその中に受容するための主/ガイドワイヤポート140を含む。注射器又は他の分配機構(注射器536が
図5に示されている)からバルーンカテーテル100内に導入される膨張媒体(例えば、好ましくは、50%対照生理食塩水溶液)をその中で受容するために、離れた膨張媒体ポート135もまたハブ130内に提供される。
図1Aに示す構成では、ハブ130は排気ポート又は通気ポートを有しない。むしろ、残留空気は、カテーテルシャフトの近位端に近接する、しかし、ハブ130の遠位にある、排気ルーメンの外側表面に画定されたアパーチャを介して通気又は排気される。収縮(非膨張)状態にある間、バルーン115は、カテーテルシャフトの周りに緊密に嵌合して、収縮したバルーンとカテーテルシャフトとの間に残留空気が存在することを妨げる。膨張ルーメン125及び排気ルーメン120の両方の遠位終端は、バルーン115の下方に一致し、膨張ルーメン内の比較的低い容積の残留空気が排気ルーメンに効果的に連通するように、互いに近接して配設される。進行中の膨張媒体は、排気ルーメンを後方に前進するのではなく、バルーン領域内に流れる最小の抵抗の経路に従う。
【0016】
近位端105から開始してバルーンカテーテル100を通して軸方向又は長手方向に配設されるのは、少なくとも3つの離れた、別個の、独立したルーメン、すなわち、主/ガイドワイヤルーメン123、排気ルーメン120、及び膨張ルーメン125である。排気ルーメン120及び膨張ルーメン125は、主/ガイドワイヤルーメン123に対して半径方向外側に配設される。加えて、主/ガイドワイヤルーメン123は、近位端105から反対側の遠位端110まで延在する一方で、排気ルーメン120及び膨張ルーメン125のそれぞれの終端遠位端は、
図1Bのカテーテルの遠位端の拡大部分図から明らかに見えるように、バルーン115の下方で終端している(バルーンと一致する)。
【0017】
好ましくは、微多孔膜又はフィルタ121は、排気ルーメン120の終端遠位端に近接している。微多孔膜の孔は、そこを通るガス(例えば、残留空気)の通過のみを可能にするようにサイズ決めされ、膨張ルーメンを通して分配される液体(膨張媒体)は、微多孔膜を通って浸透することが防止され、バルーン内の容積が膨張媒体を充填したときに、膨張ルーメン内の圧力が、バルーンを増大及び膨張させることを可能にする。好ましくは、微多孔膜は、焼結ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)の特定の等級(多孔性及び厚さに基づく)であり、例えば、膨張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)は、そこを通る空気分子の通過を可能にするが、水及び造影剤などのより高い凝集性分子に対する障壁として作用する。このような微多孔膜はまた、排気ルーメンの空気閉塞及びカテーテルの不適切な動作を防止し得る。
【0018】
図2Aは、排気ポート137(近位方向にパージされた残留空気がバルーンカテーテル100から吐出する)、並びに前述の膨張ポート135及び主/ガイドワイヤポート140を含むハブ130’の代替的な構成である。異なる補助デバイスは、排気ポート137に接続可能である。
図2Aに描写される例示的な一実施形態では、一方向弁145は、排気ポート137に接続されて、バルーンカテーテルからの残留空気の排出を制御し得る。代替的な構成が
図2Bに示されており、排気ポート137は、膨張可能な肺、容器、又は嚢150によって置き換えられて、バルーンカテーテルから近位にパージされた残留空気をその中に貯蔵する。
【0019】
本発明のバルーンカテーテルの操作において、膨張媒体(好ましくは、50%対照生理食塩水溶液)は、ハブの膨張ポートに取設された注射器又は他の分配デバイスを使用してカテーテル内に導入される。膨張媒体は、膨張ルーメンを通して、収縮したバルーン内へと移動する。バルーンと排気ルーメンとの境界面に位置する微多孔膜は、そこを通る膨張媒体の通過を禁止するようにサイズ決めされた孔を有し、残留空気のみがバルーンから排気ルーメンを通過することを可能にする。バルーンが膨張媒体で充填すると、バルーンは膨張する。バルーンの膨張と一致すると、バルーン内部の圧力が増加して、バルーン内の残留空気が排気ルーメンを通して近位方向に自動的に排気又は通気される。ハブでは、バルーンカテーテルから吐出する残留空気は、封止可能な一方向排気弁を使用して制御され得、及び/又はパージされた残留空気は、膨張可能な(inflatable)又は膨張可能な(expandable)パージ肺内に貯蔵され、それによってシステムから残留空気を除去し、それをハブ内の本体の外側に貯蔵する(それが圧縮可能であることを利用することによって)ことができる。
【0020】
非限定的な例として、それぞれがバルーンカテーテル100内の主ルーメンから半径方向外側に配設された1つ以上の排気ルーメン及び1つ以上の膨張ルーメンの多数の構成が示され、記載される。残留空気が、カテーテルから遠位方向ではなく、近位方向に排気ルーメンを通して排気される異なる構成の中で、追加の構成が可能であり、共通の特徴を有する本発明の意図される範囲内である。バルーンカテーテル内の排気ルーメン及び膨張ルーメンのいくつかの例示的な設計、並びに互いに対するそれらの配設が、
図3A~3Dに示されている。
図3Aでは、膨張ルーメン125Aは、曲率半径が主/ガイドワイヤルーメン123Aと共通の中心(同軸状、同心円状)を共有する湾曲セグメント半径方向断面を有する。円形の半径方向断面を有する2つの排気ルーメン120Aは、膨張ルーメン125A内で可能な限り互いに半径方向に変位して図示されているが、任意の数の1つ以上の排気ルーメンが、所望に応じて提供され得、膨張ルーメン125A内の排気ルーメン(複数可)120Aの位置又は間隔が提供され得る。
図3Bは、代替的な構成であり、排気ルーメン120B及び膨張ルーメン125Bのそれぞれは、曲率半径が主/ガイドワイヤルーメン123Bと共通の中心(同軸状、同心円状)を共有する湾曲セグメント半径方向断面を有する。更に別の構成が
図3Cに描写されている。
図3Aと同様に、
図3Cの膨張ルーメン125Cは、曲率半径が主/ガイドワイヤルーメン123Cと共通の中心(同軸状、同心円状)を共有する湾曲セグメント半径方向断面を有する。しかしながら、この特定の設計では、単一の排気ルーメン120Cは、膨張ルーメン125C(
図3Aのように膨張ルーメン内に配置されていない)とは離れており、別個であり、かつ独立している。一方、更に別の可能な構成が
図3Dに示されている。
図3Bのものと同様に、
図3Dの排気ルーメン120D及び膨張ルーメン125Dのそれぞれは、それぞれ、曲率半径が主/ガイドワイヤルーメン123Aと共通の中心(同軸状、同心円状)を共有する湾曲セグメント半径方向断面を有する。
図3Dは、排気ルーメン120D及び膨張ルーメン125Dがそれぞれ、互いからおよそ180度半径方向に分離された(互いの鏡像)に配設されている点で、
図3Bとは異なる。別の実施形態では、湾曲した膨張ルーメン及び排気ルーメンは、「D」字形状であり得、又は主/ガイドワイヤルーメンのものよりも小さい/大きい半径若しくは曲率を有し得る。これらは、カテーテル内の主、排気、及び膨張ルーメンの異なる配設の非限定的な例示的な例に過ぎない。
【0021】
図4Aは、バルーン415と一致する排気ルーメン420及び膨張ルーメン425のそれぞれの遠位端の例示的な部分軸方向断面図であり、バルーンは、収縮(非膨張)状態で示されている。局所的流体連通チャネル、窪み、又は凹部475は、チャネルがバルーン415の下方/下にある(と一致する)限り、バルーン(例えば、バルーンの近位領域、バルーンの中間領域、バルーンの遠位領域)と一致する軸方向の任意の場所の位置において、カテーテルシャフトの外壁内に画定されている。
図4Bの上面図から明らかに見えるように、局所的流体連通チャネル475は、D字形状であり得るが、しかしながら、他の幾何学的形状(例えば、円形、楕円形など)が想到される。それぞれの膨張ルーメン425及び排気/通気ルーメン420の終端遠位端の間の流体連通は、この局所的流体連通チャネル475内で生じる。
図4Bでは、それぞれの排気ルーメン及び膨張ルーメンの終端遠位端は、局所的流体連通チャネル475内に部分的に延在する。あるいは、それぞれの排気ルーメン及び膨張ルーメンの終端遠位端は、局所的連通チャネル475の外周又は境界面と一致し得る。
図4Cは、
図4Aの線IV(C)-IV(C)に沿った局所的流体連通チャネル475を通る半径方向断面図であり、それぞれの膨張ルーメン425及び排気ルーメン420の終端遠位端の並列構成を描写する。収縮(非膨張)状態にある間、バルーン415は、
図4Aに示されるように、カテーテルシャフトの外側表面の周りにぴんと張っている。結果として、最小の抵抗の経路に続いて、加圧された注入膨張媒体によって膨張ルーメン425を通して前進した残留空気は、バルーン415を膨張させることなく、排気ルーメン420を通してカテーテルから近位に排出される。
【0022】
主/ガイドワイヤルーメン423から半径方向外側にある局所的流体連通チャネル475内の、それぞれの排気ルーメン及び膨張ルーメンの終端遠位端の代替的な配設又は構成が、
図4D~
図4Fの異なる半径方向断面図に描写されている。それぞれ別々に焦点を当てると、
図4Dでは、膨張ルーメン425及び排気ルーメン420は、互いに並んで物理的に接触し、内径及び外径の両方において等しい。
図4Eはまた、局所的流体連通チャネル475内で互いに物理的に接触している2つのルーメンを有する並列配設を示しているが、しかしながら、ルーメンは内径及び外径の両方で異なる。具体的には、膨張ルーメン425の外径は、排気ルーメン420の外径よりも小さいが、膨張ルーメン425の内径は、排気ルーメン420の内径よりも大きい。好ましくは、排気ルーメンは、残留空気を排気するようにだけ機能するので、膨張ルーメンの内径は、排気ルーメンの内径よりも大きい。
図4Fの配設では、膨張ルーメン425及び排気ルーメン420は、局所的流体連通チャネル475内で互いに物理的に接触して並列に配置される。膨張ルーメン及び排気ルーメンの外径は、直径が等しいが、膨張ルーメン425の内径は、排気ルーメン420の内径よりも大きい。チャネル内の排気ルーメン及び膨張ルーメンのこれらの配設の任意の組み合わせ又は順列、並びに各ルーメンの内径及び外径のサイズは、本発明の範囲内である。
【0023】
図4Gは、それぞれの排気ルーメン及び膨張ルーメンの遠位終端が単一の局所的流体連通チャネル内に一致する、シャフト内に画定された単一の局所的流体連通チャネルを有する、本発明のバルーンカテーテルの更に別の構成の部分遠位区分の上面図である。カテーテルシャフトの外周の一部分の周りに配置されるのは、局所的流体連通チャネル475と一致する表面プロファイル480であり、膨張ルーメン425から排気ルーメン420への流体の流れを促進する。好ましくは、表面プロファイル480は、カテーテルシャフトの外側表面の周りに巻き付けられたポリマー、金属、及び/又は他の材料で作製されたメッシュである。バルーンは、表面プロファイル480を完全に覆うか又は包囲するように軸方向に延在する。単一の局所的流体連通チャネル475を通る半径方向断面プロファイルは、
図4Cに示されるものと同様であろうが、所望に応じて、
図4D~4Fに示されるものなどの異なる配設が可能である。
【0024】
図4Hは、更に別の構成の上面図であり、膨張ルーメン425の終端遠位端が、第1の局所的流体連通チャネル475’と一致する一方で、排気ルーメン420の終端遠位端は、第1の局所的流体連通チャネル475’から軸方向に離れて変位した第2の局所的流体連通チャネル475”と一致する。この配設では、表面プロファイル480は、第1及び第2の局所的流体連通チャネル475’、475”の両方と一致する。再び、表面プロファイル480は、膨張ルーメンと排気ルーメンとの間の流体連通を促進し、これは、第1及び第2の局所的流体連通チャネル475’、475”が、カテーテルシャフトに沿って互いから軸方向に変位されるこの配設で、特に適用可能である。
【0025】
図4I及び4Jに示されるカテーテルシャフトの区分(バルーンを有しない)の上面図は、カテーテルシャフトの外側表面に画定された穿穴(例えば、楕円形、円形など)としての第1の局所的流体連通チャネルを示す。膨張ルーメン425の終端遠位端は、
図4Iの穿穴475内に部分的に延在するが、
図4Jでは、膨張ルーメン425の終端遠位端は、穿穴475の境界面と位置合わせされ、すなわち、膨張ルーメンの終端遠位端は、穿穴の中に延在しない。線IV(K)-IV(K)に沿った
図4Iの第1の局所的流体連通チャネル475を通る半径方向断面図が、
図4Kに示されている。
図4Kの第1の局所的流体連通チャネル475内の膨張ルーメン425の位置は、左側にあるが、しかしながら、その位置は、所望に応じて、第1の局所的流体連通チャネル475内の任意の場所(例えば、チャネル内の途中、チャネル内の右側など)に選択され得る。前述したように、それぞれの膨張ルーメン及び排気ルーメンの終端遠位端は、
図4Lに示されるように、単一の局所的流体連通チャネルとして機能するカテーテルシャフトの外側表面に画定された単一の穿孔の境界面と位置合わせされ(一致し)得る。
【0026】
図5は、バルーン515が動脈550内の標的部位で膨張状態にある、本発明のバルーンカテーテル500を示す。注射器536又は他の注入デバイスは、膨張ルーメン内に膨張媒体(例えば、50/50対照/生理食塩水溶液)を導入するために、
図5の膨張ポート535に接続される。一方向弁又は手動弁545は、カテーテルからの残留空気のパージを制御するために、排気ポート537に接続されている。主/ガイドワイヤポート又は開口部540はまた、その中にガイドワイヤ90を受容するためにハブ530内に提供される。
【0027】
図6Aは、バルーン615が収縮(非膨張)状態にある、本発明によるバルーンカテーテル600の別の例示的な構成の遠位端の部分軸方向断面図である。膨張ルーメン625及び排気ルーメン620はそれぞれ、カテーテルシャフト又は本体内で軸方向に並んで延在する2つの離れたチャネル又は通路である。膨張ルーメン625は、カテーテルシャフトに沿った任意の場所で外側表面に画定され、膨張媒体が通過するバルーン615と流体連通している、少なくとも1つの入口ポート、開口部、又はチャネル630(
図6Aに示される2つ)で終端している。一方、残留空気は、出口ポート、開口部、又はチャネル635を通して、カテーテルシャフト内に画定された排気ルーメン620内に排気される。補強部材、好ましくは金属ワイヤ、好ましくはSS304等級などの0.001インチ~0.003インチのステンレス鋼ワイヤ(コイル、編組、又はその両方に作製されたもの)は、カテーテルシャフトの一部分に沿って、主ルーメン623と膨張ルーメン625との間に提供されて、血管のナビゲーション中に補助するためにカテーテルの遠位領域の剛性を増強し得る。補強部材は、好ましくは、軟質の可撓性ポリマー材料中に埋め込まれて、カテーテルルーメンの楕円化、脱出、及びよじれを防止する。
【0028】
図6Aでは、補強部材は、カテーテルシャフトの近位領域の周りに配置された編組640であり、その後、カテーテルシャフトの遠位領域に沿って配置されたコイル640’によって遠位に配置される。あるいは、編組又はコイルのみのどちらかが補強部材として機能し得る。補助デバイスが主ルーメンを通して挿入されるときの摩擦を最小限に抑えるために、好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で作製されたインナーライナーが提供され得る。更に、脈管構造を通して前進する間にカテーテルの軸方向への捻れを最小限に抑えるために、補強内側シース又はスリーブ645は、補強部材の半径方向内側の主ルーメン623と膨張ルーメン625との間に提供され得る。好ましくは、入口開口部630は、軸方向に遠位に、出口開口部635のそれに対して配置される。
図6Bの半径方向断面図に示されるように、膨張ルーメン625は、同心円状に(同軸状に)配設されている一方で、排気ルーメン620は、主ルーメン623に対して偏心的に配設されている。
図6Cは、入口開口部630及び出口開口部635がそれぞれバルーン615と流体連通している状態で、バルーン615が膨張状態にある、カテーテル600を描写する。バルーンを有しないカテーテルシャフトの上面図(
図6D)は、入口開口部630及び出口開口部635の配設を示す。再び、任意の数の1つ以上の入口ポート及び1つ以上の出口ポートは、カテーテルシャフトに沿ったそれらのポートの配設と共に、所望に応じて変動され得る。
【0029】
図7Aは、本発明によるバルーンカテーテル700の更に別の例示的な構成の遠位端の部分縦断面図である。再び、膨張ルーメン725は、同心円状シャフト間の主ルーメン723の半径方向外側に配置される(
図7B参照)。排気ルーメン720は、カテーテルシャフトの外側表面の周りに薄いポリマージャケット716を接合、溶接、取り付け、又は取設することによって生成され、排気ルーメン720として機能する通路又は空間をそれらの間に生成する。膨張媒体は、膨張ルーメン725を通して、入口開口部730からバルーン715内へと移動する。残留空気は、カテーテルシャフトの外側表面に沿って移動し、出口開口部735に入り、カテーテルシャフトの外側表面に取り付けられたポリマージャケット716によって生成された排気ルーメン720を通して入る。入口ポート730と出口ポート735との間の軸方向距離Dは、好ましくは、膨張ルーメンと排気ルーメンとの間の排出された残留空気の連通を補助するために最小化される。外側シャフトの外側表面に取り付けられた比較的薄いポリマージャケットによって生成された比較的大きな排気ルーメンは、排気ルーメンが開放されたときに、準備処置時間の短縮及び優れた収縮時間の利点を提供する。前述の構成と同様に、補強構造体、例えば、編組740、コイル740’及び/又は内側シース745を用いて、増強した剛性をカテーテルに提供し得る。
【0030】
図8Aは、本発明によるバルーンカテーテル800の更に別の例示的な構成の遠位端の部分軸方向断面図である。この設計は、膨張ルーメン825が主ルーメン823に対して同心円状に配設されているという点で、
図6Aの設計と同様である。しかしながら、軸方向に延在する排気ルーメン820は、
図8Bに示されるように、カテーテル本体の内側シャフトと外側シャフトとの間の膨張ルーメン825内に完全に配置された独立した隔離ルーメンである。再び、入口開口部830は、バルーン815と流体連通している一方で、出口開口部835は、外側シャフト内に画定され、バルーン815と排気ルーメン820との間の直接連通を提供する。拡大された内径は、より大きな外径を有する広範囲の補助デバイスを収容することができるこのバルーンカテーテル設計の利点である。全ての異なる構成と同様に、補強構造体、例えば、編組840、コイル840’、及び/又は内側シース845を用いて、増強した剛性をカテーテルに提供し得る。
【0031】
本発明によるバルーンカテーテル900の更に別の例示的な構成は、
図9Aのカテーテルの遠位端の部分軸方向断面図によって表される。膨張ルーメン925は、主ルーメン923に対して同心円状に配設されている一方で、2つの排気ルーメン920のそれぞれは、主ルーメン923に対して偏心的に配設されている。前の実施形態(
図6A、6B、7A、及び7B)では、膨張ルーメンは、カテーテル本体を備える内側シャフトと外側シャフトとの間に配置された。
図9Aの設計では、排気ルーメン920は、主ルーメン923と膨張ルーメン925との間で半径方向に内側カテーテルシャフト内に配置される。
図9Bの縦断面図から明らかなように、排気ルーメン920は、膨張ルーメン925を横断する(流体連通することなく交差する)。
図9Bは、内側シャフト内に配置され、膨張ルーメン925の半径方向内側に配置された2つの排気ルーメン920が明確に示されている、線IX(B)-IX(B)に沿ったカテーテルの半径方向断面図である。
図9Cは、膨張状態にある間の、
図9Aのカテーテルを描写する。
【0032】
図6B、
図7B、8B、及び9Bに示される異なる例示的な構成のそれぞれにおいて、膨張ルーメンは、同心円状(同軸状)である一方で、排気ルーメンは、主/ガイドワイヤルーメンに対して偏心している。
【0033】
図10Aは、主ルーメン1023とは別に、カテーテルシャフトの外壁に画定された二重ルーメン(1つの膨張ルーメン1025及び1つの排気ルーメン1020)を有する本発明のバルーンガイドカテーテルの更に別の構成の斜視図である。それぞれの膨張ルーメン1025及び排気ルーメン1023の遠位端は、局所的流体連通チャネル、凹部、又は窪み1075と一致する。局所的流体連通チャネル1075は、それぞれの膨張ルーメン及び排気ルーメンの終端遠位端が互いに流体連通している場所である。
図10Aに示されていないバルーンは、局所的流体連通チャネル1075を覆うカテーテルシャフトの遠位領域の外側表面の周りにぴんと張っているか、又はぴったり合っている。主ルーメン1023から半径方向外側に外側シャフトの外壁内に配置された半径方向区分膨張ルーメン1025及び排気ルーメン1020の並列軸方向配設が、
図10Bに示されている。1つ以上の膨張ルーメン及び1つ以上の排気ルーメンの異なる配設は、例えば、
図3A~3Dに描写されるものであるが、これらに限定されないものなどが可能である。近位ハブ1030は、バルーンガイドカテーテルの近位端に接続される。ハブ1030は、主/ガイドワイヤポート1040、膨張ポート1035、及び排気/通気ポート1045を含む。弁1095は、排気ポート1045に配置される。
【0034】
図11Aは、三方向弁1095が、膨張ポート1040(
図5に示されるものと同様の注射器536を介して)内に注入された膨張媒体(例えば、50/50対照/生理食塩水溶液)を用いてバルーンの膨張のために配向又は配置されている、
図10Aのハブ1030の断面軸方向図である。膨張ポート1040内に注入された膨張媒体は、カテーテルシャフトの外壁内の膨張開口部1026に入り、膨張ルーメン1025を充填する。膨張媒体が局所的流体連通チャネルに到達すると、それは排気ルーメン1020に入り、それを通して近位に移動して、通気開口部1027からハブ1030内へと吐出する。膨張媒体が注射器から圧力下で分配され、カテーテル残留空気を通して膨張ルーメン内から移動し、バルーンは、カテーテルから近位に通気、パージ、又は排気される。排気ポート1045の遠位に配置された弁1095は、開放状態で
図11Aにおいて配向されているか、又は位置付けられており、これにより、弁を通る残留空気の流れを可能にし、次いで、これは、微多孔膜又はフィルタ1021を介して排気ポート1045から出る。微多孔膜又はフィルタ1021の孔又は開口部は、そこを通して残留空気を通過させる一方で、そこを通して膨張媒体を通過させることを禁止又は防止するようにサイズ決めされる。残留空気がカテーテルから完全にパージされると、膨張媒体の任意の追加の流れ、又は注射器によって適用される圧力の増加により、バルーンが膨張する。バルーンの膨張を開始するためにカテーテル内で増大又は生成された十分な圧力を伴わずに、残留空気の完全な通気が生じるように、膨張媒体の流量は維持される。
【0035】
バルーンの下の局所的流体連通チャネル1075は、両方のルーメン(排気ルーメン1020及び膨張ルーメン1025)が、残留空気及び膨張媒体が膨張ルーメンの終端遠位端から排気ルーメンの終端遠位端内へ流れることを可能にするように設計されている。
【0036】
バルーンの収縮は、カテーテル内に負圧を生成する膨張ポート1040に真空(例えば、注射器)を取設することによって達成される。バルーンを収縮させるための時間であるとき、弁1095は、排気ポート1045への流れを閉鎖するように配向される。カテーテル内に負圧を生成する膨張ポート1040に取設された真空又は吸引(例えば、注射器)を適用すると、排気ルーメンから排気された膨張媒体は、ブリッジ流体連通チャネル1090内に再方向付けされ、膨張ルーメンを通して通気され膨張ポート1040から出る膨張媒体と組み合わされる。この固有のハブ構成、特に、膨張ポートへの真空の適用時に排気ポート1045を閉鎖するための収縮中の弁の配向又は位置付けは、膨張ルーメン及び排気ルーメンの両方を通して同時の膨張媒体の除去を提供し、それによってバルーンの収縮を最適化する。
【0037】
好ましくは、製造コストを最小限に抑え、かつ他のカテーテルが通過するハブの使用不可能な長さを最小限に抑えるために、ハブ1030の構成は、その全体的な軸方向長さを最小限に抑えることによって最適化される。また、膨張ポート1040に適用された吸引又は真空の導入時に自動的に作動されるバネ荷重又はボール弁と三方法手動弁1095を置き換えることも企図される。
【0038】
本発明のバルーンカテーテルからの残留空気の排気は、従来のデバイスよりも複雑ではなく、達成するのにより少ない時間を要する。本発明によれば、空気は、バルーンカテーテルから近位方向に自動的にパージされる。具体的には、本発明のバルーンカテーテルの調製は、排気ルーメンを介してシステムから近位方向にパージ、排出、又は排気されている残留空気と一致する膨張ルーメンを通して膨張媒体が通過して開始し、調製時間を短縮する。更に、残留空気は、近位方向に通気されるので、カテーテルが身体内に導入された後に、パージ空気に関連付けられた安全性の懸念が解消されている。
【0039】
本発明の閉鎖ループ近位通気システムは、いくつかの利点を有する。残留空気は、デバイスが患者内にある間に、介入医によってデバイスの近位方向の調製に通気されるため、発生し得る。本発明の閉鎖ループ近位設計の別の利点は、膨張媒体が、微多孔膜を通して排気ルーメン外から外へ残留空気/ガスを自動的に排出する一方で、膨張媒体が微多孔膜を通過し、それによってバルーンが膨張(inflateおよびexpand)することを防止することである。したがって、本発明によれば、残留空気がパージされた後にバルーンを膨張させるための弁又は他の機械的デバイスの必要性が排除されている。
【0040】
以上、本発明の好ましい実施形態に適用されるような本発明の基本的な新規特徴を示し、記載し、かつ指摘してきたが、当業者であれば、例示されたシステム/デバイスの形態及び詳細、並びにそれらの操作における様々な省略、置換、及び変更を、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく実施し得ることが理解されよう。例えば、同じ結果を達成するために、実質的に同じ機能を実質的に同じやり方で実行して同じ結果を達成する構成要素及び/又は工程の組み合わせは全て、本発明の範囲内に包含されるように明らかに意図される。また、上述のある実施形態から別の実施形態への構成要素の置き換えも、完全に意図及び想定の範囲内である。また、図面は必ずしも一定の比例尺で描かれておらず、あくまでも概念的なものに過ぎない点も理解されるべきである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲に示される内容によってのみ限定されるものとする。
【0041】
本明細書に引用された全ての発行済み特許、係属中の特許出願、刊行物、論文、書籍、又は他の参照文献はいずれも、その全体が本明細書に援用によって組み込まれる。
【0042】
〔実施の態様〕
(1) バルーンガイドカテーテルシステムであって、
バルーンガイドカテーテルであって、
近位端及び反対側の遠位端を有するカテーテルシャフトであって、前記カテーテルシャフトが、(i)前記カテーテルシャフトを通して軸方向に画定された主ルーメンと、(ii)前記カテーテルシャフトに沿って軸方向に延在する膨張ルーメンであって、近位端及び反対側の終端遠位端を有する、膨張ルーメンと、(iii)前記カテーテルシャフトに沿って軸方向に延在し、近位端及び反対側の終端遠位端を有する、排気ルーメンと、を含み、前記膨張ルーメンの前記終端遠位端及び前記排気ルーメンの前記終端遠位端が、非膨張状態にある間に、前記バルーンの下で互いに局所的に流体連通している、カテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの外側表面の遠位領域の周りに配置されているバルーンと、を備える、バルーンガイドカテーテルを備え、
前記排気ルーメンが、近位方向において、かつ前記バルーンガイドカテーテルの近位領域から外に、残留空気をパージするように構成されている、バルーンガイドカテーテルシステム。
(2) 前記カテーテルシャフトが、前記バルーンの下に位置する、中に画定された第1の局所的流体連通チャネルを有する外側表面を有し、前記第1の局所的流体連通チャネルを介して、それぞれの前記膨張ルーメン及び排気ルーメンの前記終端遠位端が、互いに局所的に流体連通している、実施態様1に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
(3) 前記カテーテルシャフトが、前記外側表面に画定された第2の局所的流体連通チャネルを有し、前記第1及び第2の局所的流体連通チャネルが、互いから分離されており、前記膨張ルーメンの前記終端遠位端が、前記第1の局所的流体連通チャネルと一致し、前記排気ルーメンの前記終端遠位端が、前記第2の局所的流体連通チャネルと一致する、実施態様2に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
(4) 前記膨張ルーメン及び排気ルーメンが、互いから所定の距離で半径方向に分離されている、実施態様1に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
(5) 前記排気ルーメンが、前記膨張ルーメン内に配置されている、実施態様1に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
【0043】
(6) 前記第1及び第2の局所的流体連通チャネルと一致する前記カテーテルシャフトの外側表面の領域が、前記膨張ルーメンと前記排気ルーメンとの間の流体の流れを促進するための表面プロファイルを有する、実施態様3に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
(7) 前記バルーンが、前記表面プロファイルを有する前記カテーテルシャフトの前記外側表面の領域を完全に封入する、実施態様6に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
(8) 前記表面プロファイルが、前記カテーテルシャフトの前記外側表面に取設されたメッシュのエンボス加工である、実施態様7に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
(9) 前記排気ルーメンが、前記主ルーメンに対して偏心的に配設されている、実施態様1に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
(10) 前記排気ルーメンが、前記膨張ルーメンの半径方向内側、前記膨張ルーメンの半径方向外側、又は前記膨張ルーメン内に配置されている、実施態様9に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
【0044】
(11) 外周を有するポリマージャケットを更に備え、前記ポリマージャケットの前記外周が、前記カテーテルシャフトの外側表面に取り付けられ、前記ポリマージャケットと前記カテーテル本体の前記外側表面との間の容積を画定し、前記排気ルーメンの前記終端遠位端が、前記容積と流体連通している、実施態様10に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
(12) 前記排気ルーメンが、前記膨張ルーメンを越える、実施態様10に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
(13) 前記カテーテルシャフトの前記近位端に接続されたハブを更に備え、前記ハブが、
前記膨張ルーメンと流体連通している膨張ポートと、
前記排気ルーメンと流体連通している排気ポートと、
前記膨張ポート及び前記排気ポートを接続するブリッジ流体連通チャネルと、
前記排気ポート内に配置された膜であって、そこを通る空気のみの通過を可能にするようにサイズ決定された、その中に画定された開口部を有する、膜と、
前記排気ポート内に前記膜の遠位に配置された弁であって、(i)空気が、前記膜を通って、かつ前記排気ポートから外へ通過することが可能となる開放状態と、(ii)前記排気ルーメンからの膨張媒体が、前記ブリッジ流体連通チャネルを通して、かつ前記膨張ルーメン内へと方向転換される閉鎖状態との間で移行可能である、弁と、を備える、実施態様1に記載のバルーンガイドカテーテルシステム。
(14) 近位端及び反対側の遠位端を有するカテーテルシャフトを有する、バルーンガイドカテーテルを含む、バルーンガイドカテーテルシステムを使用するための方法であって、前記カテーテルシャフトが、(i)前記カテーテルシャフトを通して軸方向に画定された主ルーメンと、(ii)前記カテーテルシャフトに沿って軸方向に延在する膨張ルーメンであって、近位端、反対側の終端遠位端を有し、前記主ルーメンに対して半径方向外向きかつ同心円状に配置されている、膨張ルーメンと、(iii)前記カテーテルシャフトに沿って軸方向に延在する排気ルーメンであって、近位端及び反対側の終端遠位端を有する、排気ルーメンと、を含み、前記膨張ルーメンの前記終端遠位端及び前記排気ルーメンの前記終端遠位端が、非膨張状態にある間に、前記バルーンの下で互いに流体連通しており、前記バルーンガイドカテーテルが、前記カテーテルシャフトの外側表面の遠位領域の周りに配置されたバルーンを更に含み、前記排気ルーメンが、近位方向に、かつ前記バルーンガイドカテーテルの近位領域から外へ、残留空気をパージするように構成されており、前記方法が、
前記カテーテルシャフトの前記近位端に接続されたハブの膨張ポートを通して、前記膨張ルーメン内に膨張媒体を分配する工程と、
前記膨張ルーメンを通して、分配された前記膨張媒体によって押された前記残留空気を遠位に前進させる工程と、
前記膨張ルーメンの前記終端遠位端から吐出する前記残留空気を、前記排気ルーメンを通して近位に排気する工程と、
前記残留空気のみが、内部を通って、かつ前記バルーンガイドカテーテルの近位領域から外へ通過することを可能にする膜を通して、前記残留空気を排出する工程と、を含む、方法。
(15) 前記排気する工程が、
前記膨張ルーメンの前記終端遠位端から吐出する前記残留空気が、非膨張状態にある間は前記カテーテルシャフトの前記外側表面に対してぴんと張って保持される前記バルーンによって被覆された局所的流体連通チャネル内に受容される工程であって、それぞれの前記膨張ルーメン及び排気ルーメンの前記終端遠位端が、前記局所的流体連通チャネルにおいて流体連通している、工程と、
吐出する前記残留空気を前記排気ルーメンの前記終端遠位端内へ受容する工程と、を含む、実施態様14に記載の方法。
【0045】
(16) 前記排出する工程が、前記弁を開放状態に位置付けて、前記弁を通して、かつ排気ポートを介して前記ハブから、前記残留空気を通過させることを含む、実施態様14に記載の方法。
(17) 前記バルーンガイドカテーテルからの前記残留空気を完全にパージした後、前記膨張ルーメン内への前記膨張媒体の連続的な分配によって、前記バルーンを膨張状態に膨張させる工程を更に含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記ハブの前記排気ポートを閉鎖する閉鎖状態に前記弁を位置付ける工程と、
前記ハブの前記入口ポートに真空を適用する工程と、をさらに含み、
分配された前記膨張媒体が、前記膨張ルーメン及び排気ルーメンを通して同時に近位に排出され、前記排気ルーメンを通して排出された前記膨張媒体が、前記閉鎖状態の前記弁によって方向転換されて、前記排気ルーメンを前記膨張ルーメンに接続するブリッジ流体連通チャネルを通して、かつ前記ハブの前記膨張ポートから外へ移動する、実施態様16に記載の方法。