(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】心内心電図の提示
(51)【国際特許分類】
A61B 5/367 20210101AFI20241217BHJP
A61B 5/339 20210101ALI20241217BHJP
【FI】
A61B5/367
A61B5/339
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020148835
(22)【出願日】2020-09-04
【審査請求日】2023-09-04
(32)【優先日】2019-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シュムエル・アウアーバッハ
(72)【発明者】
【氏名】スタニスラフ・ゴールドバーグ
(72)【発明者】
【氏名】オーデッド・バロン
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-130311(JP,A)
【文献】特表2017-529917(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0246925(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0021936(US,A1)
【文献】特開2017-217487(JP,A)
【文献】特開2015-139708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/24-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療システムであって、
生体の心臓の心腔内に挿入されるように構成されており、かつ前記心臓の前記心腔内のそれぞれの位置で組織に接触するように構成されたカテーテル電極を備えたカテーテルと、
ディスプレイと、
処理回路であって、
前記カテーテルから信号を受信することと、
前記信号に応答して、
それぞれのタイミング値において前記信号のそれぞれの電圧値をサンプリングすることと、
前記それぞれの位置において前記カテーテル電極によって感知された前記組織内の電気活動を表すそれぞれの心内電位図(IEGM)提示ストリップを前記ディスプレイにレンダリングすることであって、前記IEGM提示ストリップのそれぞれは、前記タイミング値のそれぞれの1つに関連付けられ、かつ前記タイミング値のそれぞれの1つの時間的順序で配置された、それぞれの形状の線形アレイを含み、前記それぞれの形状の充填物は、前記タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた前記信号のそれぞれの1つのサンプリングされた前記電圧値のそれぞれの1つに応じてフォーマットされている、レンダリングすることと、
を行うように構成されている、処理回路と、を備え
、
前記処理回路が、
前記サンプリングされた電圧値のそれぞれの1つ及び前記タイミング値のそれぞれの1つに応じて、前記信号のそれぞれの1つの属性に関する値を導出することと、
それぞれのIEGM提示ストリップを前記ディスプレイにレンダリングすることであって、
前記それぞれの形状の前記充填物が、前記タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた前記信号の前記それぞれの1つの前記サンプリングされた電圧値の前記それぞれの1つに応じて第1のフォーマット設定に従ってフォーマットされており、また、導出された前記属性に関する値に応じて第2のフォーマット設定に従ってフォーマットされている、レンダリングすることと、
を行うように構成されている、医療システム。
【請求項2】
前記処理回路が、前記それぞれのIEGM提示ストリップを前記ディスプレイにレンダリングするように構成されており、前記それぞれの形状の充填物が、前記タイミング値の前記それぞれの1つにおいてサンプリングされた前記信号の前記それぞれの1つの前記サンプリングされた電圧値の前記それぞれの1つに応じて少なくとも部分的に着色されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記処理回路が、前記それぞれのIEGM提示ストリップを前記ディスプレイにレンダリングするように構成されており、前記それぞれの形状の前記充填物の透明度が、前記タイミング値の前記それぞれの1つにおいてサンプリングされた前記信号の前記それぞれの1つの前記サンプリングされた電圧値の前記それぞれの1つに応じて調整されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記属性が、前記サンプリングされた電圧値の変化率である、請求項
1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のフォーマット設定が、色フォーマット設定を含み、前記第2のフォーマット設定が、透明度フォーマット設定を含む、請求項
1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のフォーマット設定が、透明度フォーマット設定を含み、前記第2のフォーマット設定が、色フォーマット設定を含む、請求項
1に記載のシステム。
【請求項7】
前記処理回路が、英数記号、別の記号、線、ドット、時間注釈、電流データの最大値、ペーシングスパイクのうちのいずれか1つから選択される少なくとも1つの追加的マーカーを有する前記それぞれのIEGM提示ストリップを前記ディスプレイにレンダリングするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
医療システムの作動方法であって、
前記医療システムの処理回路が、
生体の心臓の心腔内に挿入されるように構成されており、かつ前記心臓の前記心腔内のそれぞれの位置で組織に接触するように構成されたカテーテル電極を備えたカテーテルから、信号を受信することと、
前記信号に応答して、それぞれのタイミング値において前記信号のそれぞれの電圧値をサンプリングすることと、
前記それぞれの位置において前記カテーテル電極によって感知された前記組織内の電気活動を表すそれぞれの心内電位図(IEGM)提示ストリップをディスプレイにレンダリングすることであって、前記IEGM提示ストリップのそれぞれは、前記タイミング値のそれぞれの1つに関連付けられ、かつ前記タイミング値のそれぞれの1つの時間的順序で配置された、それぞれの形状の線形アレイを含み、前記それぞれの形状の充填物は、前記タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた前記信号のそれぞれの1つのサンプリングされた前記電圧値のそれぞれの1つに応じてフォーマットされている、レンダリングすることと、を
行い、
前記処理回路が、前記サンプリングされた電圧値のそれぞれの1つ及び前記タイミング値のそれぞれの1つに応じて、前記信号のそれぞれの1つの属性に関する値を導出することを更に含み、前記レンダリングすることが、前記処理回路がそれぞれのIEGM提示ストリップを前記ディスプレイにレンダリングすることを含み、前記それぞれの形状の前記充填物が、前記タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた前記信号の前記それぞれの1つの前記サンプリングされた電圧値の前記それぞれの1つに応じて第1のフォーマット設定に従ってフォーマットされており、また、導出された前記属性に関する値に応じて第2のフォーマット設定に従ってフォーマットされている、医療システムの作動方法。
【請求項9】
前記レンダリングすることが、
前記処理回路が前記それぞれのIEGM提示ストリップを前記ディスプレイにレンダリングすることを含み、前記それぞれの形状の充填物が、前記タイミング値の前記それぞれの1つにおいてサンプリングされた前記信号の前記それぞれの1つの前記サンプリングされた電圧値の前記それぞれの1つに応じて少なくとも部分的に着色されている、請求項
8に記載の
医療システムの作動方法。
【請求項10】
前記レンダリングすることが、
前記処理回路が前記それぞれのIEGM提示ストリップを前記ディスプレイにレンダリングすることを含み、前記それぞれの形状の前記充填物の透明度が、前記タイミング値の前記それぞれの1つにおいてサンプリングされた前記信号の前記それぞれの1つの前記サンプリングされた電圧値の前記それぞれの1つに応じて調整されている、請求項
8に記載の
医療システムの作動方法。
【請求項11】
前記属性が、前記サンプリングされた電圧値の変化率である、請求項
8に記載の
医療システムの作動方法。
【請求項12】
前記第1のフォーマット設定が、色フォーマット設定を含み、前記第2のフォーマット設定が、透明度フォーマット設定を含む、請求項
8に記載の
医療システムの作動方法。
【請求項13】
前記第1のフォーマット設定が、透明度フォーマット設定を含み、前記第2のフォーマット設定が、色フォーマット設定を含む、請求項
8に記載の
医療システムの作動方法。
【請求項14】
前記レンダリングすることが、英数字記号、別の記号、線、ドット、時間注釈、電流データの最大値、ペーシングスパイクのうちのいずれか1つから選択される少なくとも1つの追加マーカーを有する前記それぞれのIEGM提示ストリップを前記ディスプレイにレンダリングすることを含む、請求項
8に記載の
医療システムの作動方法。
【請求項15】
プログラム命令が格納される非一時的なコンピュータ可読媒体
であって、前記命令が、中央処理装置(CPU)によって読み取られると、前記CPUに、
生体の心臓の心腔内に挿入されるように構成されており、かつ前記心臓の前記心腔内のそれぞれの位置で組織に接触するように構成されたカテーテル電極を備えたカテーテルから、信号を受信することと、
前記信号に応答して、それぞれのタイミング値において前記信号のそれぞれの電圧値をサンプリングすることと、
前記それぞれの位置において前記カテーテル電極によって感知された前記組織内の電気活動を表すそれぞれの心内電位図(IEGM)提示ストリップをディスプレイにレンダリングすることであって、前記IEGM提示ストリップのそれぞれは、前記タイミング値のそれぞれの1つに関連付けられ、かつ前記タイミング値のそれぞれの1つの時間的順序で配置された、それぞれの形状の線形アレイを含み、前記それぞれの形状の充填物は、前記タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた前記信号のそれぞれの1つのサンプリングされた前記電圧値のそれぞれの1つに応じてフォーマットされている、レンダリングすることと、
前記サンプリングされた電圧値のそれぞれの1つ及び前記タイミング値のそれぞれの1つに応じて、前記信号のそれぞれの1つの属性に関する値を導出することと、を行わせ
、前記レンダリングすることが、それぞれのIEGM提示ストリップを前記ディスプレイにレンダリングすることを含み、前記それぞれの形状の前記充填物が、前記タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた前記信号の前記それぞれの1つの前記サンプリングされた電圧値の前記それぞれの1つに応じて第1のフォーマット設定に従ってフォーマットされており、また、導出された前記属性に関する値に応じて第2のフォーマット設定に従ってフォーマットされている、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療システムに関し、排他的にではないが具体的には、カテーテルベースのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
広範囲にわたる医療処置が、カテーテルなどのプローブを患者の身体内に配置することを伴う。このようなプローブを追跡するために、位置検知システムが開発されている。磁気的位置検知は、当該技術分野において既知の方法の1つである。磁気的位置検知においては、一般的に、磁場発生器が患者の体外の既知の位置に配置される。プローブの遠位端内の磁界センサがこれらの磁界に応じて電気信号を生成し、この信号が処理されてプローブの遠位端の位置座標が決定される。これらの方法及びシステムは、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号及び同第6,332,089号、国際公開第1996/005768号、並びに米国特許出願公開第2002/006455号、同第2003/0120150号及び同第2004/0068178号に記述されている。位置が、インピーダンスベースのシステム又は電流ベースのシステムを使用して追跡されてもよい。
【0003】
これらタイプのプローブ又はカテーテルが極めて有用であると証明されている医療処置の1つは、心不整脈の治療におけるものである。心不整脈及び特に心房細動は、特に高齢者集団では、一般的かつ危険な病状として存続する。
【0004】
心不整脈の診断及び治療には、心臓組織、特に心内膜及び心臓容積の電気的特性をマッピングすること、並びにエネルギーの適用によって心臓組織を選択的にアブレーションすることが含まれる。そのようなアブレーションにより、望ましくない電気信号が心臓のある部分から別の部分へと伝播するのを停止させるか又は修正させることができる。アブレーション法は、非伝導性の損傷部を形成することによって望ましくない電気経路を破壊するものである。様々なエネルギー送達の様式が、損傷部を形成する目的でこれまでに開示されており、心臓組織壁に沿って伝導ブロック部分を形成するためのマイクロ波、レーザー、及びより一般的には高周波エネルギーの使用が挙げられる。マッピングの後にアブレーションを行う2工程の手技において、通常、1つ又は2つ以上の電気センサを備えるカテーテルを心臓の中に前進させ、多数の点でデータを取得することによって、心臓内の各点における電気的活動を感知し、測定している。次いで、これらのデータを利用して、このアブレーションを行うべき心臓内の標的領域を選択する。
【0005】
電極カテーテルは、長年にわたり医療現場で一般的に使用されている。電極カテーテルは心臓内の電気的活動を刺激及びマッピングし、異常な電気的活動が見られる部位をアブレーションするために用いられる。使用時には、電極カテーテルは、主要な静脈、又は大腿動脈などの動脈に挿入された後、対象とされる心室内に導かれる。典型的なアブレーション処置は、その遠位端に1つ又は2つ以上の電極を有するカテーテルを心腔内に挿入することを伴う。参照電極が、一般的には患者の皮膚にテープで貼り付けられるか、あるいは心臓内又は心臓付近に配置されている第2のカテーテルによって提供されてもよい。RF(radio frequency:高周波)電流をアブレーションカテーテルの先端電極に通電すると、参照電極に向かって先端電極の周囲の媒質、すなわち、血液及び組織に電流が流れる。電流の分布は、組織よりも導電率の高い血液と比べると、組織と接触する電極表面の量に依存する。組織の加熱は、組織の電気抵抗に起因して生じる。組織が十分に加熱されると心組織の細胞が破壊され、心組織内に非導電性の損傷部位が形成される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態によれば、医療システムであって、生体の心腔内に挿入されるように構成されており、かつ心臓の心腔内のそれぞれの位置で組織に接触するように構成されたカテーテル電極を備えたカテーテルと、ディスプレイと、処理回路であって、カテーテルから信号を受信することと、信号に応答して、それぞれのタイミング値において信号のそれぞれの電圧値をサンプリングすることと、それぞれの位置においてカテーテル電極によって感知された組織内の電気活動を表すそれぞれの心内電位図(intracardiac electrogram、IEGM)提示ストリップをディスプレイにレンダリングすることであって、IEGM提示ストリップのそれぞれは、タイミング値のそれぞれの1つに関連付けられ、かつタイミング値のそれぞれの1つの時間的順序で配置された、それぞれの形状の線形アレイを含み、それぞれの形状の充填物(filler)は、タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた信号のそれぞれの1つのサンプリングされた電圧値のそれぞれの1つに応じてフォーマットされている、レンダリングすることと、を行うように構成されている、処理回路と、を備える、医療システム、が提供される。
【0007】
更に、本開示の実施形態によれば、処理回路は、それぞれのIEGM提示ストリップをディスプレイにレンダリングするように構成されており、それぞれの形状の充填物が、タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた信号のそれぞれの1つのサンプリングされた電圧値のそれぞれの1つに応じて少なくとも部分的に着色されている。
【0008】
また更に、本開示の実施形態によれば、処理回路は、それぞれのIEGM提示ストリップをディスプレイにレンダリングするように構成されており、それぞれの形状の充填物の透明度が、タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた信号のそれぞれの1つのサンプリングされた電圧値のそれぞれの1つに応じて調整されている。
【0009】
加えて、本開示の実施形態によれば、処理回路は、サンプリングされた電圧値のそれぞれの1つ及びタイミング値のそれぞれの1つに応じて、信号のそれぞれの1つの属性に関する値を導出することと、それぞれのIEGM提示ストリップをディスプレイにレンダリングすることであって、それぞれの形状の充填物が、タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた信号のそれぞれの1つのサンプリングされた電圧値のそれぞれの1つに応じて第1のフォーマット設定に従ってフォーマットされており、形状のそれぞれの1つの充填物がまた、導出された値に応じて第2のフォーマット設定に従ってフォーマットされている、レンダリングすることと、を行うように構成されている。
【0010】
更に、本開示の実施形態によれば、属性は、サンプリングされた電圧値の変化率である。
【0011】
更に、本開示の実施形態によれば、属性は、信号のそれぞれの1つの分別である。
【0012】
また更に、本開示の実施形態によれば、第1のフォーマット設定は、色フォーマット設定を含み、第2のフォーマット設定は、透明度フォーマット設定を含む。
【0013】
加えて、本開示の実施形態によれば、第1のフォーマット設定は、透明度フォーマット設定を含み、第2のフォーマット設定は、色フォーマット設定を含む。
【0014】
更に、本開示の実施形態によれば、処理回路は、英数記号、別の記号、線、ドット、時間注釈、電流データの最大値、ペーシングスパイクのうちのいずれか1つから選択される少なくとも1つの追加的マーカーを有するそれぞれのIEGM提示ストリップをディスプレイにレンダリングするように構成されている。
【0015】
本開示の別の実施形態によれば、医療方法であって、生体の心臓の心腔内に挿入されるように構成されており、かつ心臓の心腔内のそれぞれの位置で組織に接触するように構成されたカテーテル電極を備えたカテーテルから、信号を受信することと、信号に応答して、それぞれのタイミング値において信号のそれぞれの電圧値をサンプリングすることと、それぞれの位置においてカテーテル電極によって感知された組織内の電気活動を表すそれぞれの心内電位図(IEGM)提示ストリップをディスプレイにレンダリングすることであって、IEGM提示ストリップのそれぞれは、タイミング値のそれぞれの1つに関連付けられ、かつタイミング値のそれぞれの1つの時間的順序で配置された、それぞれの形状の線形アレイを含み、それぞれの形状の充填物は、タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた信号のそれぞれの1つのサンプリングされた電圧値のそれぞれの1つに応じてフォーマットされている、レンダリングすることと、を含む、医療方法、が提供される。
【0016】
更に、本開示の実施形態によれば、レンダリングすることは、それぞれのIEGM提示ストリップをディスプレイにレンダリングすることを含み、それぞれの形状の充填物が、タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた信号のそれぞれの1つのサンプリングされた電圧値のそれぞれの1つに応じて少なくとも部分的に着色されている。
【0017】
また更に、本開示の実施形態によれば、レンダリングすることは、それぞれのIEGM提示ストリップをディスプレイにレンダリングすることを含み、それぞれの形状の充填物の透明度が、タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた信号のそれぞれの1つのサンプリングされた電圧値のそれぞれの1つに応じて調整されている。
【0018】
加えて、本開示の実施形態によれば、当該方法は、サンプリングされた電圧値のそれぞれの1つ及びタイミング値のそれぞれの1つに応じて、信号のそれぞれの1つの属性に関する値を導出することを含み、レンダリングすることは、それぞれのIEGM提示ストリップをディスプレイにレンダリングすることを含み、それぞれの形状の充填物が、タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた信号のそれぞれの1つのサンプリングされた電圧値のそれぞれの1つに応じて第1のフォーマット設定に従ってフォーマットされており、形状のそれぞれの1つの充填物がまた、導出された値に応じて第2のフォーマット設定に従ってフォーマットされている。
【0019】
更に、本開示の実施形態によれば、属性は、サンプリングされた電圧値の変化率である。
【0020】
更に、本開示の実施形態によれば、属性は、信号のそれぞれの1つの分別である。
【0021】
また更に、本開示の実施形態によれば、第1のフォーマット設定は、色フォーマット設定を含み、第2のフォーマット設定は、透明度フォーマット設定を含む。
【0022】
加えて、本開示の実施形態によれば、第1のフォーマット設定は、透明度フォーマット設定を含み、第2のフォーマット設定は、色フォーマット設定を含む。
【0023】
更に、本開示の実施形態によれば、レンダリングすることは、英数記号、別の記号、線、ドット、時間注釈、電流データの最大値、ペーシングスパイクのうちのいずれか1つから選択される少なくとも1つの追加的マーカーを有するそれぞれのIEGM提示ストリップをディスプレイにレンダリングすることを含む。
【0024】
本開示の更に別の一実施形態によれば、プログラム命令が格納される非一時的なコンピュータ可読媒体を含むソフトウェア製品であって、命令が、中央処理装置(CPU)によって読み取られると、CPUに、生体の心臓の心腔内に挿入されるように構成されており、かつ心臓の心腔内のそれぞれの位置で組織に接触するように構成されたカテーテル電極を備えたカテーテルから、信号を受信することと、信号に応答して、それぞれのタイミング値で信号のそれぞれの電圧値をサンプリングすることと、それぞれの位置においてカテーテル電極によって感知された組織内の電気活動を表すそれぞれの心内電位図(IEGM)提示ストリップをディスプレイにレンダリングすることであって、IEGM提示ストリップのそれぞれは、タイミング値のそれぞれの1つに関連付けられ、かつタイミング値のそれぞれの1つの時間的順序で配置された、それぞれの形状の線形アレイを含み、それぞれの形状の充填物は、タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた信号のそれぞれの1つのサンプリングされた電圧値のそれぞれの1つに応じてフォーマットされている、レンダリングすることと、を行わせる、ソフトウェア製品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から理解されよう。
【
図1】本発明の一実施形態に従って構築され動作する医療処置システムの概略図である。
【
図2】
図1のシステムで使用するためのカテーテルの概略図である。
【
図3】
図1のシステムによって生成されるIEGM波形(trace)及びIEGM提示ストリップの概略図である。
【
図4】複数のIEGM提示ストリップの概略図である。
【
図5】
図1のシステムの動作方法における工程を含むフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
概論
前述のように、マッピングの後にアブレーションを行う2工程の手技において、通常、1つ又は2つ以上の電極を備えるカテーテルを心臓の中に前進させ、多数の点でデータを取得することによって、心臓内の各点における電気的活動を感知し、測定している。次いで、これらのデータを利用して、アブレーションが実施される標的領域が選択される。
【0027】
詳細には、電気的活動は通常、不整脈の原因を見出すために医師により分析される心内電位図(IEGM)トレースとして表示される。心臓内の組織と接触していないカテーテル電極は、一般に心臓組織からの何らかの電気信号及び遠距離場信号を測定する。カテーテル電極が心臓組織と接触している場合には、信号の電圧値は主に組織の導電率に基づき、遠距離場は小さい。したがって、医師は一般に、組織と接触している電極のIEGMトレースを分析することに注力する。
【0028】
1つ又は2つ以上の電極を有するフォーカルカテーテルの場合、典型的には、医師による分析のために表示されるIEGMトレースは1本である。医師は、信号を供給しているカテーテル電極が組織と接触しているか否かを信号の形態に基づいて迅速に判定することができる。しかしながら、様々な組織位置から電気的活動を同時に捕捉する多電極カテーテルは、単一のディスプレイ上に複数のIEGMトレースのデータを同時に表示する場合がある。場合によっては、IEGMトレースの数が多すぎて、どのIEGMトレースが組織と接触している電極によって供給されており、どのIEGMトレースがそうでないのかを医師が簡単に判断できないことがある。
【0029】
多電極カテーテルの一例に、米国カリフォルニア州アーバインのBiosense Webster Inc.製の48以上の電極を備えるOctaray(登録商標)カテーテルがある。Octarayは、シャフトの遠位端に配置された8本の偏向可能なアームを含み、偏向可能なアームのそれぞれが6つの電極を含む。一部のカテーテルは、例えば120電極であるがこれらに限定されない、より多くの電極を含んでもよい。
【0030】
上述のマッピング中に電極の接触を判断する必要性に加えて、効果的なアブレーションは一般にアブレーション電極と組織との間の十分な接触を必要とするため、アブレーション処置を実行する医師は、電極と組織との接触を監視する。電極の数が少ない場合には、接触の監視は、電極で観察されるインピーダンスや電極に加えられる力などの接触の程度を数値又はグラフで表示することによって行うことができる。しかしながら、アブレーション処置で使用される活性電極の数が増加するのに伴い、医師が個々の電極の任意のパラメータを監視することが次第に困難になる。電極接触の場合、この問題は、ほとんどの場合に接触の変化に伴って接触を測定するパラメータも変化するという事実によって悪化する。
【0031】
本発明の実施形態は、IEGM波形(trace)(時間に対する電圧値のグラフ)を示す代わりに、マルチチャネルのカラーフォーマットされたIEGM提示ストリップ(presentation strip)を医師に提示することによって、マッピング又はアブレーション処置などの医療処置中の上記の問題を解決する。各IEGM提示ストリップは、ストリップ内に線形アレイに配置された着色された形状(例えば、矩形、楕円形、長円形、又は任意の好適な形状)を使用して、信号(それぞれのカテーテル電極によって検出される)のIEGM電圧値のサンプリングを表す。形状は、サンプリングされた電圧値に従って着色され、着色された形状に分けられたサンプリングされた電圧値に関連付けられたそれぞれのタイミング値の時間的順序に従って、提示ストリップ内に配置される。例えば、ストリップ内の各連続的な形状は、サンプルが取られた次のタイミング値に対応してもよく、各形状は、その形状に関連付けられたタイミング値でサンプリングされたサンプリングされた電圧値に従って色分けされる。
【0032】
このようにして、提示ストリップ内の線形アレイの色分けは、それぞれのカテーテル電極によって検出された信号の電圧値を表す。
【0033】
提示ストリップは、ディスプレイ上で上下に示されてもよく、それによって、多数のカテーテル電極に関連付けられた多くのIEGM提示ストリップの提示を単一の画面上に提示することができる。最大電圧値及び最小電圧値、ピークの間隔、並びに電圧値の変化率などの心臓電気活動の顕著な及び他の特徴は、ストリップから収集されてもよい。例えば、電圧の変化率は、ストリップ内のカラーバンドの幅によって示される。例えば、単一の形状にわたる色の変化は、幾つかの隣接する形状にわたる色変化よりも速い変化率を表す。
【0034】
いくつかの実施形態では、形状は、別のフォーマット設定方法を使用して、例えば、異なる透明度レベルを形状の充填物に使用して、フォーマットされてもよい。
【0035】
追加的に、又は代替的に、IEGM提示ストリップの形状は、それぞれの信号の変化率、又はそれぞれの信号の分別などの信号の別の属性を示すようにフォーマットされてもよい。信号の異なる属性が単一のIEGM提示ストリップに示される場合、1つの属性は、1つのフォーマット設定タイプを使用して(例えば、異なる着色を使用して)表され、別の属性は、異なるフォーマット設定タイプを使用して(例えば、異なる透明度レベルを使用して)表されてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では。IEGM提示ストリップに加えてIEGM波形が任意選択的に表示されてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態は、生体の心臓の心腔に挿入されるカテーテルを含む医療システムを含む。カテーテルは、心臓の心腔内のそれぞれの場所で組織と接触する電極を備える。医療システムは、カテーテルから信号を受信し、その信号に応答して、それぞれのタイミング値において信号のそれぞれの電圧値をサンプリングする処理回路を備えていてもよい。
【0038】
処理回路は、任意選択的に、サンプリングされた電圧値のそれぞれの1つ及びタイミング値のそれぞれの1つに応じて、信号のそれぞれの1つの属性に関する値を導出する。属性は、サンプリングされた電圧値の変化率、又は信号のそれぞれの1つの分別であってもよい。
【0039】
処理回路は、信号に応答して、それぞれの位置においてカテーテル電極によって感知された組織内の電気活動を表すそれぞれの心内電位図(IEGM)提示ストリップをディスプレイにレンダリングする。各IEGM提示ストリップは、タイミング値のそれぞれの1つに関連付けられ、かつタイミング値のそれぞれの1つの時間的順序で配置された、それぞれの形状の線形アレイを含む。それぞれの形状の充填物は、タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた信号のそれぞれの1つのサンプリングされた電圧値のそれぞれの1つに応じてフォーマットされる。いくつかの実施形態では、充填物は、サンプリングされた電圧値に基づいて、又はサンプリングされた電圧値及びタイミング値に基づく別の属性(例えば、電圧値の変化率又は分別)に基づいて、フォーマットされる。したがって、IEGM提示ストリップのフォーマット設定は、サンプリングされた振幅、サンプリングされた電圧値の変化率、及び/又は分別を表し得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、処理回路は、それぞれの形状の充填物が、タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた信号のそれぞれの1のサンプリングされた電圧値のそれぞれの1つに応じて少なくとも部分的に着色されている、それぞれのIEGM提示ストリップを、ディスプレイにレンダリングする。他の実施形態では、処理回路は、それぞれの形状の充填物の透明度が、タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた信号のそれぞれの1つのサンプリングされた電圧値のそれぞれの1つに応じて調整されている、それぞれのIEGM提示ストリップを、ディスプレイにレンダリングする。
【0041】
いくつかの実施形態では、処理回路は、それぞれのIEGM提示ストリップをディスプレイにレンダリングし、その場合、それぞれの形状の充填物は、タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた信号のそれぞれの1つのサンプリングされた電圧値のそれぞれの1つに応じて第1のフォーマット設定に従ってフォーマットされ、形状のそれぞれの1つの充填物はまた、導出された値(例えば、電圧値の変化率又は分別などの信号の別の属性を表す)に応じて第2のフォーマット設定に従ってフォーマットされる。したがって、形状の少なくとも一部は、第1のフォーマット設定及び第2のフォーマット設定の両方でフォーマットされてもよい。例えば、形状の少なくとも一部は、色及び透明度の両方でフォーマットされてもよい。第1のフォーマット設定及び第2のフォーマット設定は、例えば、色フォーマット設定又は透明度フォーマット設定などであるが、これらに限定されない、任意の好適なフォーマット設定スキームから選択されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のフォーマット設定は色フォーマット設定を含み、第2のフォーマット設定は透明度フォーマット設定を含む。他の実施形態では、第1のフォーマット設定は、透明度フォーマット設定を含み、第2のフォーマット設定は、色フォーマット設定を含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、処理回路は、単なる例として、英数記号、別の記号、線、ドット、時間注釈、電流データの最大値、及び/又はペーシングスパイクのうちのいずれか1つから選択される少なくとも1つの追加的マーカーを有するそれぞれのIEGM提示ストリップを、ディスプレイにレンダリングする。
【0043】
システムの説明
ここで
図1を参照すると、
図1は、本発明の一実施形態に従って構築され動作する医療処置システム20の概略図である。
図2も参照されたい。
図2は、
図1のシステム20で使用するためのカテーテル40の概略図である。
【0044】
医療処置システム20は、
図1の挿入
図25に示され、
図2により詳細に示されているカテーテル40の位置を判定するために使用される。カテーテル40は、シャフト22と、生体の身体部分(例えば、心臓26の心腔)に挿入するための複数の偏向可能なアーム54(簡略化のために一部のみに参照符号が付されている)とを備える。偏向可能なアーム54は、シャフト22の遠位端に接続されたそれぞれの近位端を有する。
【0045】
カテーテル40は、偏向可能なアーム54の近位端に対して所定の空間関係でシャフト22上に配置された位置センサ53を含む。位置センサ53が、磁気センサ50及び/又は少なくとも1つのシャフト電極52を含んでもよい。磁気センサ50が、回転を含む位置及び向きの位置データを提供するための、限定はしないが例えば二軸又は三軸コイル配列などの少なくとも1つのコイルを含んでもよい。カテーテル40は、偏向可能なアーム54のそれぞれに沿った異なるそれぞれの位置に配設された複数の電極55(簡略化のために
図2では一部のみに参照符号が付されている)を含む。典型的には、カテーテル40は、電極55を使用して生存被験者の心臓内の電気的活動をマッピングするため、又は生存被験者の身体部分内で任意の他の適切な機能を実行するために使用され得る。電極55は、身体部分内(with)(例えば、心臓の心腔内)のそれぞれの位置で身体部分の組織に接触するように構成されている。
【0046】
医療処置システム20が、カテーテル40のシャフト22の位置及び向きを、シャフト22に取り付けられた磁気センサ50及び/又は磁気センサ50の両側のシャフト電極52(近位電極52a及び遠位電極52b)によって供給される信号に基づいて判定してもよい。近位電極52a、遠位電極52b、磁気センサ50及び、少なくともいくつかの電極55は、シャフト22を通って延びるワイヤにより、カテーテルコネクタ35を介して、コンソール24内の様々なドライバ回路に接続されている。いくつかの実施形態では、偏向可能なアーム54のそれぞれの少なくとも2つの電極55、シャフト電極52及び磁気センサ50は、カテーテルコネクタ35を介してコンソール24のドライバ回路に接続されている。いくつかの実施形態では、遠位電極52b及び/又は近位電極52aは省略されてもよい。
【0047】
図2に示されている図は、単に概念を明確化する目的のために選択されている。シャフト電極52及び電極55の他の構成も可能である。位置センサ53に更なる機能が含まれてもよい。明確にするために、灌漑ポートなど、本発明の開示された実施形態に関連しない要素は省略されている。
【0048】
医師30は、カテーテル40の近位端の近傍のマニピュレータ32を使用してシャフト22を操作すること及び/又はシース23からの偏向によって、カテーテル40を患者28の身体部分(例えば心臓26)内の標的位置に誘導する。カテーテル40は、偏向可能なアーム54が集まった状態で、シース23を通して挿入され、カテーテル40がシース23から引き出された後にのみ、偏向可能なアーム54が広がり、それらの意図された機能的形状を回復することができる。偏向可能なアーム54をまとめて収容することにより、シース23は、標的位置へ向かう間の血管外傷を最小限に抑える役割も果たす。
【0049】
コンソール24は、処理回路41、典型的には汎用コンピュータと、ケーブル39を通って患者28の胸部及び背部又は任意のその他の好適な皮膚表面に延びるワイヤによって取り付けられた身体表面電極49において信号を生成する、及び/又は身体表面電極49から信号を受信する好適なフロントエンド及びインタフェース回路44と、を含む。
【0050】
コンソール24は、磁気感知サブシステムを更に備える。患者28は、少なくとも1つの磁場発生体42を含むパッドによって生成された磁場内に置かれ、この磁場発生体は、コンソール24に配設されたユニット43によって駆動される。磁場発生体42は、身体の一部(例えば心臓26)が配置されている領域に交番磁界を送信するように構成されている。磁場発生体42によって生成された磁場は、磁気センサ50において方向信号を生成する。磁気センサ50は、送信された交番磁界の少なくとも一部を検出し、対応する電気入力として方向信号を処理回路41に供給するように構成されている。
【0051】
いくつかの実施形態では、処理回路41は、シャフト電極52、磁気センサ50及び電極55から受信した位置信号を使用して、心腔内などの器官内のカテーテル40の位置を推定する。いくつかの実施形態では、処理回路41は、電極52及び電極55から受信した位置信号を以前に取得した磁気位置較正位置信号と相関させて、心腔内のカテーテル40の位置を推定する。シャフト電極52及び電極55の位置座標は、他の入力の中でも特に、電極52、電極55と身体表面電極49との間で測定されるインピーダンス又は電流分布の割合に基づいて、処理回路41によって判定され得る。コンソール24は、心臓26内のカテーテル40の遠位端を示すディスプレイ27を駆動する。
【0052】
電流分布測定値及び/又は外部磁場を使用する位置感知方法は、様々な医療用途で、例えば、Biosense Webster Inc.(Irvine,California)により製造されるCarto(登録商標)システムに実装されており、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号、同第6,332,089号、同第7,756,576号、同第7,869,865号、及び同第7,848,787号、国際公開第96/05768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455(A1)号、同第2003/0120150(A1)号、及び同第2004/0068178(A1)号に詳述されている。
【0053】
Carto(登録商標)3システムは、有効電流位置(ACL)のインピーダンスベースの位置追跡方法を適用する。いくつかの実施形態では、処理回路41は、ACL法を使用して、電気インピーダンスの表示と磁場発生体42の磁気座標フレーム内の位置との間のマッピング(例えば、現在位置マトリックス(current-position matrix:CPM))を作成するように構成されている。処理回路41は、CPM内でルックアップを実行することにより、シャフト電極52及び電極55の位置を推定する。
【0054】
処理回路41は、本明細書に記載される機能を実行するために、典型的にはソフトウェアでプログラムされる。ソフトウェアは、例えば、ネットワーク上で、コンピュータに電子形態でダウンロードすることができるか、又は代替的に若しくは付加的に、磁気メモリ、光学メモリ若しくは電子メモリなどの、非一時的な有形媒体上に提供及び/若しくは記憶されてもよい。
【0055】
図1は、簡潔性かつ明瞭性のため、開示技法に関連する要素のみを示す。システム20は、典型的には、開示される技術には直接関連しないために
図1及び対応する説明から意図的に省略されている、追加のモジュール及び要素を備える。
【0056】
上述のカテーテル40は、アーム54ごとに6つの電極を備えた8つの偏向可能なアーム54を含む。例えば、カテーテル40の代わりに、単なる例として、様々な数の可撓性アーム及び/又はアームごとの複数の電極を備えたカテーテル、あるいは、バルーンカテーテル、バスケットカテーテル、又はラッソカテーテルなどの異なるプローブ形状を有するカテーテルなど、任意の好適なカテーテルが使用されてもよい。
【0057】
医療処置システム20はまた、例えば、カテーテル40又はこれとは異なるカテーテルなどの任意の適切なカテーテル及び任意の適切なアブレーション方法を使用して、心臓組織のアブレーションを実行してもよい。コンソール24は、心臓26の心筋を切除するためにコンソール24に接続されたカテーテルの1つ又は2つ以上の電極と、1つ又は2つ以上の身体表面電極49とによって印加されるRF電力を生成するように構成されたRF信号発生器34を含んでもよい。コンソール24は、アブレーションを実施しているカテーテルの遠位端への灌注チャネルに灌注流体を送り込むポンプ(図示せず)を含んでもよい。アブレーションを実施しているカテーテルが、アブレーション中に心筋の温度を測定し、測定された温度に従ってアブレーション電力及び/又は灌注流体のポンピングの灌注速度を調節するために使用される温度センサ(図示せず)を更に含んでもよい。
【0058】
ここで
図3を参照すると、同図は、IEGM波形60、及び
図1のシステム20によって生成されるIEGM提示ストリップ62の概略図である。IEGM波形60は、カテーテル40の電極55(
図2)のうちの1つから受信した信号に関する線グラフを使用した、時間に対する電圧値の変化を示す。
【0059】
IEGM提示ストリップ62を生成するために、受信信号の電圧値は、好適な時間間隔でサンプリングされる。サンプリングされた時間における電圧値は、正又は負の値であり得る。サンプル間の時間間隔は、例えば、1~50ミリ秒の範囲内であるがこれに限定されない任意の好適な値であってもよい。次いで、それぞれのタイミング値においてサンプリングされた電圧値は、色値に変換される。色値は、電圧値範囲を色値にマッピングするテーブル内の色値を検索することに基づいて導出されることができる。あるいは、色値は、入力として電圧値を受け取り、色値を出力する関数を使用して計算されてもよい。色値は、RGBなどの既知のカラーモデルを使用して、又はカスタムカラーモデルに基づいて、定義されてもよい。IEGM提示ストリップ62のそれぞれの形状64には、信号がサンプリングされたそれぞれのタイミング値が割り当てられる。次いで、それぞれの形状64は、それぞれのタイミング値においてサンプリングされたそれぞれのサンプリングされた電圧値から導出されたそれぞれの色値に従って着色される。
【0060】
例えば、挿入
図66に示される形状64-1~64-7には、それぞれ、3900、3910、3920、3930、3940、3950、及び3960ミリ秒のタイミング値が割り当てられる。3900、3910、3920、3930、3940、3950、及び3960ミリ秒においてサンプリングされた信号からの電圧は、それぞれ、1.2、1.24、1.3、1.33、1.31、1.15及び1.1と等しい。赤色、赤色、暗赤色、暗赤色、暗赤色、橙色、及び橙色に対応する色値は、それぞれ電圧1.2、1.24、1.3、1.33、1.31、1.15及び1.1から導出される。次いで、形状64-1~64-7は、それぞれ、赤色、赤色、暗赤色、暗赤色、暗赤色、橙色、及び橙色で着色される。2つ又はそれ以上の異なる電圧が同じ色にマッピングされてもよいことに留意されたい。例えば、1.2及び1.24の電圧は両方とも赤色にマッピングされる。
【0061】
形状64は、矩形又は長円形などの任意の好適な形状から選択されてもよい。形状64は、ディスプレイ27(
図1)のサイズ、及び同時に表示されるIEGM提示ストリップ62の数に応じて、例えば、1~100mm、又は更にはより高い任意の好適な高さを有してもよい。形状64は、ディスプレイ27のサイズ及び医師30(
図1)からのディスプレイの距離、並びにサンプル間のタイミング間隔に応じて、例えば、単一の画素から5mmまでの任意の好適な幅を有してもよい。
【0062】
図3に示されるIEGM提示ストリップ62は、特許図の制限によりグレースケールで示されているが、IEGM提示ストリップ62は、色を使用してディスプレイ上に表示されてもよく、その場合、例として、ピークは赤色(矢印68)及び暗赤色(矢印69)を使用して示され、底値は暗青色(矢印70)を使用して示される。任意の好適な色分けを使用して、任意の好適な色で電圧値を表すことができる。
【0063】
最大電圧値及び最小電圧値、ピークの間隔、並びに電圧値の変化率などの心臓電気活動の顕著な及び他の特徴は、IEGM提示ストリップ62から収集されてもよい。例えば、電圧の変化率は、ストリップ内のカラーバンドの幅によって示される。例えば、単一の形状64にわたる色変化は、いくつかの隣接する形状64にわたる色変化よりも速い変化率を表す。
【0064】
いくつかの実施形態では、形状64は、別のフォーマット方法を使用して(異なる色を使用する代わりに)、例えば、形状64を充填するために異なる透明度レベルを使用して、フォーマットされてもよい。形状64の充填物は、形状と関連している電圧値に従って調整された透明度レベルを有する、塗りつぶし又はパターン化充填物であってもよい。
【0065】
ここで、複数のIEGM提示ストリップ62の概略図である
図4を参照する。IEGM提示ストリップ62は、それぞれ、カテーテル40の19個の電極55(
図1)から受信した信号を表す。チャネル8、11、17、及び18のIEGM提示ストリップ62は、他のチャネルのIEGM提示ストリップ62よりも負電圧範囲でより多くの活性を示す。
【0066】
図4はまた、IEGM提示ストリップ62内の様々な色と対応する電圧値との間の凡例72を示し、これは医師30(
図1)にルックアップを提供する。単なる例として、凡例の上部は暗赤色で着色されてもよく、凡例の底部は、暗青色で着色されてもよい。
【0067】
IEGM提示ストリップ62は、ディスプレイ上で上下に示されてもよく、それによって、単一の画面上に多くのIEGM提示ストリップ62を提示することが可能になる。
【0068】
いくつかの実施形態では、IEGM提示ストリップ62は、他の属性(複数可)の値に従って形状64をフォーマット設定することによって、電圧値を経時的に示す代わりに、それぞれの信号の変化率又はそれぞれの信号の分別などの信号の他の属性を示してもよい。
【0069】
他の実施形態では、IEGM提示ストリップ62は、1つのフォーマットタイプを使用して(例えば、異なる透明度レベルを使用して)他の属性(複数可)の値に従って形状64をフォーマット設定することによって、又は、異なるフォーマットタイプを使用して(例えば、異なる色を使用して)電圧値に従って形状64をフォーマット設定することによって、電圧値を経時的に示すことに加えて、それぞれの信号の変化率又はそれぞれの信号の分別などの信号の他の属性を示してもよい。
【0070】
ここで、
図1のシステム20の動作方法における工程を含むフローチャート74である
図5を参照する。
【0071】
カテーテル40(
図1)は、生体の心臓26(
図1)の心腔に挿入(ブロック76)されるように構成されており、かつ、心臓26の心腔内のそれぞれの位置で組織に接触するように構成されたカテーテル電極55(
図2)を備えている。
【0072】
処理回路41(
図1)は、カテーテル40から信号を受信し、当該信号に応じて、それぞれのタイミング値において信号のそれぞれの電圧値をサンプリングする(ブロック78)ように構成されている。
【0073】
処理回路41(
図1)は、任意選択的に、サンプリングされた電圧値のそれぞれの1つ及びタイミング値のそれぞれの1つに応じて、信号のそれぞれの1つの属性に関する値を導出する(ブロック80)ように構成されている。属性は、例えば、サンプリングされた電圧値の変化率、又は信号のそれぞれの1つの分別であってもよい。
【0074】
処理回路41(
図1)は、信号に応答して、それぞれの位置においてカテーテル電極55によって感知された組織内の電気活動を表すそれぞれの心内電位図(IEGM)提示ストリップ62(
図3)をディスプレイ27(
図1)にレンダリングする(ブロック82)ように構成されている。各IEGM提示ストリップ62は、タイミング値のそれぞれの1つに関連付けられ、タイミング値のそれぞれの1つの時間的順序で配置された、それぞれの形状64(
図3)の線形アレイを含む。それぞれの形状64の充填物は、タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた信号のそれぞれの1つのサンプリングされた電圧値のそれぞれの1つに応じてフォーマットされる。
【0075】
フォーマット設定は、サンプリングされた電圧値に従ってもよく、又はサンプリングされた値の少なくともいくつかに基づいた値に従ってもよい。例えば、フォーマット設定は、サンプリングされた電圧値の変化率、又は信号のそれぞれの1つの分別に基づいてもよい。したがって、IEGM提示ストリップ62は、サンプリングされた電圧値の変化率又は分別を表すことができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、処理回路41(
図1)は、それぞれの形状64の充填物が、タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた信号のそれぞれの1つのサンプリングされた電圧値のそれぞれの1つに応じて少なくとも部分的に着色されている、それぞれのIEGM提示ストリップ62を、ディスプレイ27(
図1)にレンダリングするように構成されている。他の実施形態では、処理回路41(
図1)は、それぞれの形状64の充填物の透明度が、タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた信号のそれぞれの1つのサンプリングされた電圧値のそれぞれの1つに応じて調整されている、それぞれのIEGM提示ストリップ62を、ディスプレイ27(
図1)にレンダリングするように構成されている。
【0077】
いくつかの実施形態では、処理回路41(
図1)は、それぞれの形状64の充填物が、タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた信号のそれぞれの1つのサンプリングされた電圧値のそれぞれの1つに応じて第1のフォーマット設定に従ってフォーマットされており、形状64のそれぞれの1つの充填物もまた、導出された値(ブロック80の工程において導出された)に応じて第2のフォーマット設定に従ってフォーマットされている、それぞれのIEGM提示ストリップ62を、ディスプレイ27(
図1)にレンダリングするように構成されている。第1のフォーマット設定及び第2のフォーマット設定は、例えば、色フォーマット設定又は透明度フォーマット設定などであるが、これらに限定されない、任意の好適なフォーマット設定スキームから選択されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のフォーマット設定は色フォーマット設定を含み、第2のフォーマット設定は透明度フォーマット設定を含む。他の実施形態では、第1のフォーマット設定は、透明度フォーマット設定を含み、第2のフォーマット設定は、色フォーマット設定を含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、処理回路41(
図1)は、英数記号(例えば、
図4のチャネル数)、別の記号(例えば、
図4の凡例72)、線(図示せず)、ドット(図示せず)、時間注釈(
図4のタイミング値)、電流データの最大値(図示せず)、ペーシングスパイク(図示せず)のうちのいずれか1つから選択される少なくとも1つの追加的マーカーを有するそれぞれのIEGM提示ストリップを、ディスプレイ27(
図1)にレンダリングするように構成されている。
【0079】
本明細書で任意の数値又は数値の範囲について用いる「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書で述べるその意図された目的に沿って機能することを可能とする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば、「約90%」は、71%~99%の値の範囲を指し得る。
【0080】
本発明の様々に異なる特徴が、明確性のために別個の実施形態の文脈において記載されているが、これらが単一の実施形態中に組み合わせて提供されてもよい。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において記載されている本発明の様々な特徴が、別々に又は任意の好適な部分的組み合わせとして提供されてもよい。
【0081】
上に記載される実施形態は、例として引用されており、本発明は、上記の明細書に特に図示及び記載されたものによって限定されない。むしろ、本発明の範囲は、上記の明細書に記載される様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の記載を読むと当業者が思い付くであろう先行技術に開示されていないその変形及び修正を含む。
【0082】
〔実施の態様〕
(1) 医療システムであって、
生体の心臓の心腔内に挿入されるように構成されており、かつ前記心臓の前記心腔内のそれぞれの位置で組織に接触するように構成されたカテーテル電極を備えたカテーテルと、
ディスプレイと、
処理回路であって、
前記カテーテルから信号を受信することと、
前記信号に応答して、
それぞれのタイミング値において前記信号のそれぞれの電圧値をサンプリングすることと、
前記それぞれの位置において前記カテーテル電極によって感知された前記組織内の電気活動を表すそれぞれの心内電位図(IEGM)提示ストリップを前記ディスプレイにレンダリングすることであって、前記IEGM提示ストリップのそれぞれは、前記タイミング値のそれぞれの1つに関連付けられ、かつ前記タイミング値のそれぞれの1つの時間的順序で配置された、それぞれの形状の線形アレイを含み、前記それぞれの形状の充填物は、前記タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた前記信号のそれぞれの1つのサンプリングされた前記電圧値のそれぞれの1つに応じてフォーマットされている、レンダリングすることと、
を行うように構成されている、処理回路と、を備える、医療システム。
(2) 前記処理回路が、前記それぞれのIEGM提示ストリップを前記ディスプレイにレンダリングするように構成されており、前記それぞれの形状の充填物が、前記タイミング値の前記それぞれの1つにおいてサンプリングされた前記信号の前記それぞれの1つの前記サンプリングされた電圧値の前記それぞれの1つに応じて少なくとも部分的に着色されている、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記処理回路が、前記それぞれのIEGM提示ストリップを前記ディスプレイにレンダリングするように構成されており、前記それぞれの形状の前記充填物の透明度が、前記タイミング値の前記それぞれの1つにおいてサンプリングされた前記信号の前記それぞれの1つの前記サンプリングされた電圧値の前記それぞれの1つに応じて調整されている、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記処理回路が、
前記サンプリングされた電圧値のそれぞれの1つ及び前記タイミング値のそれぞれの1つに応じて、前記信号のそれぞれの1つの属性に関する値を導出することと、
それぞれのIEGM提示ストリップを前記ディスプレイにレンダリングすることであって、
前記それぞれの形状の前記充填物が、前記タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた前記信号の前記それぞれの1つの前記サンプリングされた電圧値の前記それぞれの1つに応じて第1のフォーマット設定に従ってフォーマットされており、
前記形状のそれぞれの1つの前記充填物がまた、導出された前記値に応じて第2のフォーマット設定に従ってフォーマットされている、レンダリングすることと、
を行うように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記属性が、前記サンプリングされた電圧値の変化率である、実施態様4に記載のシステム。
【0083】
(6) 前記属性が、前記信号のそれぞれの1つの分別(fractionation)である、実施態様4に記載のシステム。
(7) 前記第1のフォーマット設定が、色フォーマット設定を含み、前記第2のフォーマット設定が、透明度フォーマット設定を含む、実施態様4に記載のシステム。
(8) 前記第1のフォーマット設定が、透明度フォーマット設定を含み、前記第2のフォーマット設定が、色フォーマット設定を含む、実施態様4に記載のシステム。
(9) 前記処理回路が、英数記号、別の記号、線、ドット、時間注釈、電流データの最大値、ペーシングスパイクのうちのいずれか1つから選択される少なくとも1つの追加的マーカーを有する前記それぞれのIEGM提示ストリップを前記ディスプレイにレンダリングするように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(10) 医療方法であって、
生体の心臓の心腔内に挿入されるように構成されており、かつ前記心臓の前記心腔内のそれぞれの位置で組織に接触するように構成されたカテーテル電極を備えたカテーテルから、信号を受信することと、
前記信号に応答して、それぞれのタイミング値において前記信号のそれぞれの電圧値をサンプリングすることと、
前記それぞれの位置において前記カテーテル電極によって感知された前記組織内の電気活動を表すそれぞれの心内電位図(IEGM)提示ストリップをディスプレイにレンダリングすることであって、前記IEGM提示ストリップのそれぞれは、前記タイミング値のそれぞれの1つに関連付けられ、かつ前記タイミング値のそれぞれの1つの時間的順序で配置された、それぞれの形状の線形アレイを含み、前記それぞれの形状の充填物は、前記タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた前記信号のそれぞれの1つのサンプリングされた前記電圧値のそれぞれの1つに応じてフォーマットされている、レンダリングすることと、を含む、医療方法。
【0084】
(11) 前記レンダリングすることが、前記それぞれのIEGM提示ストリップを前記ディスプレイにレンダリングすることを含み、前記それぞれの形状の充填物が、前記タイミング値の前記それぞれの1つにおいてサンプリングされた前記信号の前記それぞれの1つの前記サンプリングされた電圧値の前記それぞれの1つに応じて少なくとも部分的に着色されている、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記レンダリングすることが、前記それぞれのIEGM提示ストリップを前記ディスプレイにレンダリングすることを含み、前記それぞれの形状の前記充填物の透明度が、前記タイミング値の前記それぞれの1つにおいてサンプリングされた前記信号の前記それぞれの1つの前記サンプリングされた電圧値の前記それぞれの1つに応じて調整されている、実施態様10に記載の方法。
(13) 前記サンプリングされた電圧値のそれぞれの1つ及び前記タイミング値のそれぞれの1つに応じて、前記信号のそれぞれの1つの属性に関する値を導出することを更に含み、前記レンダリングすることが、それぞれのIEGM提示ストリップを前記ディスプレイにレンダリングすることを含み、前記それぞれの形状の前記充填物が、前記タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた前記信号の前記それぞれの1つの前記サンプリングされた電圧値の前記それぞれの1つに応じて第1のフォーマット設定に従ってフォーマットされており、前記形状のそれぞれの1つの前記充填物がまた、導出された前記値に応じて第2のフォーマット設定に従ってフォーマットされている、実施態様10に記載の方法。
(14) 前記属性が、前記サンプリングされた電圧値の変化率である、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記属性が、前記信号のそれぞれの1つの分別である、実施態様13に記載の方法。
【0085】
(16) 前記第1のフォーマット設定が、色フォーマット設定を含み、前記第2のフォーマット設定が、透明度フォーマット設定を含む、実施態様13に記載の方法。
(17) 前記第1のフォーマット設定が、透明度フォーマット設定を含み、前記第2のフォーマット設定が、色フォーマット設定を含む、実施態様13に記載の方法。
(18) 前記レンダリングすることが、英数字記号、別の記号、線、ドット、時間注釈、電流データの最大値、ペーシングスパイクのうちのいずれか1つから選択される少なくとも1つの追加マーカーを有する前記それぞれのIEGM提示ストリップを前記ディスプレイにレンダリングすることを含む、実施態様10に記載の方法。
(19) プログラム命令が格納される非一時的なコンピュータ可読媒体を含むソフトウェア製品であって、前記命令が、中央処理装置(CPU)によって読み取られると、前記CPUに、
生体の心臓の心腔内に挿入されるように構成されており、かつ前記心臓の前記心腔内のそれぞれの位置で組織に接触するように構成されたカテーテル電極を備えたカテーテルから、信号を受信することと、
前記信号に応答して、それぞれのタイミング値において前記信号のそれぞれの電圧値をサンプリングすることと、
前記それぞれの位置において前記カテーテル電極によって感知された前記組織内の電気活動を表すそれぞれの心内電位図(IEGM)提示ストリップをディスプレイにレンダリングすることであって、前記IEGM提示ストリップのそれぞれは、前記タイミング値のそれぞれの1つに関連付けられ、かつ前記タイミング値のそれぞれの1つの時間的順序で配置された、それぞれの形状の線形アレイを含み、前記それぞれの形状の充填物は、前記タイミング値のそれぞれの1つにおいてサンプリングされた前記信号のそれぞれの1つのサンプリングされた前記電圧値のそれぞれの1つに応じてフォーマットされている、レンダリングすることと、を行わせる、ソフトウェア製品。