(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】リードフレーム及び絶縁材料を含む発光デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 33/60 20100101AFI20241217BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20241217BHJP
【FI】
H01L33/60
H01L33/62
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023077765
(22)【出願日】2023-05-10
(62)【分割の表示】P 2020502262の分割
【原出願日】2018-07-12
【審査請求日】2023-05-10
(32)【優先日】2017-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リー,シュー
(72)【発明者】
【氏名】ヴゥ,トゥイ
【審査官】高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-058695(JP,A)
【文献】特開2014-031436(JP,A)
【文献】特開2012-033724(JP,A)
【文献】特開2008-182242(JP,A)
【文献】特開2015-177151(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0349225(US,A1)
【文献】特開2006-165542(JP,A)
【文献】特開2015-119011(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104124237(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0175472(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0126020(US,A1)
【文献】国際公開第2012/117974(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リードフレームの第1の部分であり、当該リードフレームの当該第1の部分の下面より上方に隆起した第1の表面を持つ第1のピラーを有した、リードフレームの第1の部分と、
前記リードフレームの前記第1の部分から電気的に絶縁された前記リードフレームの第2の部分であり、前記リードフレームの当該第2の部分の下面より上方に隆起した第2の表面を持つ第2のピラーを有した、前記リードフレームの第2の部分と、
前記リードフレームの前記第1の部分及び前記リードフレームの前記第2の部分上の、光反射性且つ電気絶縁性の材料を有する成形物であり、当該成形物は、前記第1のピラーの側壁及び前記第2のピラーの側壁に隣接し、当該成形物は、ウェルを形成するように整形された側壁を有する、成形物と、
前記第1の表面上のLEDデバイスと、
前記リードフレームと前記成形物との間及び前記リードフレームと前記LEDデバイスとの間のめっき金属層と、
前記成形物から露出された前記第1の表面及び前記第2の表面上に堆積された更なる金属層と、
を有し、
前記第1のピラー及び前記第2のピラーは、前記ウェルの底に露出される表面のうち50%以上が前記成形物の表面を有するように構成されている、
発光ダイオード(LED)パッケージ。
【請求項2】
前記LEDデバイスを前記第1の表面に電気的に結合する第1のワイヤボンド、
を更に有する請求項1に記載のLEDパッケージ。
【請求項3】
前記LEDデバイスを前記第2の表面に電気的に結合する第2のワイヤボンド、
を更に有する請求項1に記載のLEDパッケージ。
【請求項4】
前記ウェル内の封入材であり、前記LEDデバイスを物理的に保護するように構成された封入材、
を更に有する請求項1に記載のLEDパッケージ。
【請求項5】
前記第1のピラーは、前記LEDデバイスの幅よりも大きい幅を持つ、請求項1に記載のLEDパッケージ。
【請求項6】
前記成形物はシリコーン材料を有する、請求項1に記載のLEDパッケージ。
【請求項7】
発光ダイオード(LED)パッケージを形成する方法であって、
リードフレームの第1の部分を形成し、当該リードフレームの当該第1の部分は、当該リードフレームの当該第1の部分の下面より上方に隆起した第1の表面を持つ第1のピラーを有し、
前記リードフレームの第2の部分を形成し、前記リードフレームの当該第2の部分は、前記リードフレームの前記第1の部分から電気的に絶縁され、前記リードフレームの当該第2の部分は、前記リードフレームの当該第2の部分の下面より上方に隆起した第2の表面を持つ第2のピラーを有し、
前記第1の表面上及び前記第2の表面上を含めて、前記リードフレーム上にめっき金属層を形成し、
前記リードフレームの前記第1の部分及び前記リードフレームの前記第2の部分上に成形物を形成し、当該成形物は、前記第1のピラーの側壁及び前記第2のピラーの側壁に隣接し、当該成形物は、ウェルを形成するように整形された側壁を有し、
前記成形物から露出される前記第1の表面及び前記第2の表面を洗浄し、
前記洗浄の後に、前記第1の表面及び前記第2の表面上に更なる金属層を堆積させ、
前記第1の表面上にLEDデバイスを形成
する、
ことを有し、
前記第1のピラー及び前記第2のピラーは、前記ウェルの底に露出される表面のうち50%以上が前記成形物の表面を有するように構成される、
方法。
【請求項8】
第1のワイヤボンドを介して前記LEDデバイスを前記第1の表面に電気的に結合する、
ことを更に有する請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
第2のワイヤボンドを介して前記LEDデバイスを前記第2の表面に電気的に結合する、
ことを更に有する請求項
7に記載の方法。
【請求項10】
前記ウェル内に封入材を形成する、
ことを更に有する請求項
7に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の表面は、前記LEDデバイスの幅よりも大きい幅を持つ、請求項
7に記載の方法。
【請求項12】
前記成形物はシリコーン材料を有する、請求項
7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年7月18日に出願された米国特許出願第15/652,603号及び2017年8月2日に出願された欧州特許出願第17184498.8号の利益を主張するものであり、それらの内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(“LED”)は、電流を供給されるときに光を発するソリッドステートデバイスである。LEDは、様々な機能をLEDに提供するために、異なる材料を組み込んだ比較的複雑な筐体にパッケージングされている。パッケージにおいて典型的に使用される1つのコンポーネントは、銀の層である。銀は、良好な導電性をLED半導体デバイスに提供しながら、例えば適切な波長にある光の高反射及び反射などの良好な光学特性をも提供する。しかしながら、銀は、封入材料によって覆われているときであっても、変色を被る。
【発明の概要】
【0003】
発光ダイオード(LED)パッケージは、第2のリードフレーム部から電気的に絶縁された第1のリードフレーム部を有するリードフレームを含み得る。第1のリードフレーム部は、第1のリードフレーム部の下面より上方に隆起した第1のピラーを含み得る。第2のリードフレーム部は、第2のリードフレーム部の下面より上方に隆起した第2のピラーを含み得る。リードフレーム部の下面を成形物が覆い得る。第1のピラー及び第2のピラーの少なくとも一部は、露出されたままとし得る。成形物は、高度に光反射性且つ電気絶縁性の材料を有し得る。第2のピラーのみの上にLEDデバイスが配置され得る。LEDデバイス上に第1のコンタクトが形成され得る。第1のコンタクトは、第1のワイヤボンドを介して第1のピラーに電気的に結合され得る。LEDデバイス上に第2のコンタクトが形成され得る。第2のコンタクトは、第2のワイヤボンドを介して第2のピラーに電気的に結合され得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図中の似通った参照符号が同様の要素を指し示す添付の図面とともに例として与えられる以下の説明から、より詳細な理解が得られよう。
【
図1】
図1は、一例に従ったLEDパッケージの断面図である。
【
図2】
図2及び3は、例に従ったLEDパッケージの他の構成を示している。
【
図3】
図2及び3は、例に従ったLEDパッケージの他の構成を示している。
【
図4】
図4-8は、一例に従ったLEDパッケージの分解図、及びそれを製造する方法を示している。
【
図5】
図4-8は、一例に従ったLEDパッケージの分解図、及びそれを製造する方法を示している。
【
図6】
図4-8は、一例に従ったLEDパッケージの分解図、及びそれを製造する方法を示している。
【
図7】
図4-8は、一例に従ったLEDパッケージの分解図、及びそれを製造する方法を示している。
【
図8】
図4-8は、一例に従ったLEDパッケージの分解図、及びそれを製造する方法を示している。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下、添付の図面を参照して、複数の異なる発光ダイオード(“LED”)実装の例がいっそう十分に説明される。これらの例は、相互に排他的なものではなく、更なる実装を達成するために、1つの例に見られる特徴を、1つ以上の他の例に見られる特徴と組み合わせることができる。従って、理解されることには、添付の図面に示される例は、単に例示の目的で提供されており、それらは決して本開示を限定することを意図していない。全体を通して、同様の要素は似通った符号で参照する。
【0006】
理解されることには、様々な要素を記述するために、ここでは第1、第2などの用語が使用されることがあるが、それらの要素はこれらの用語によって限定されるべきでない。これらの用語は、単に、1つの要素を別の要素から区別するために使用される。例えば、本明細書の範囲から逸脱することなく、第1の要素が第2の要素と称されてもよく、同様に、第2の要素が第1の要素と称されてもよい。ここで使用されるとき、用語“及び/又は”は、関連して列挙されるアイテムのうちの1つ以上のアイテムの任意の及び全ての組み合わせを含む。
【0007】
理解されることには、例えば層、領域、又は基板などの要素が他の要素の“上に”ある又は“上へと”延在するとして言及されるとき、それが直に他の要素の上にある又は直にその上へと延在してもよいし、あるいは、介在する要素も存在してもよい。対照的に、或る要素が他の要素の“直上に”ある又は“直に上へと”延在するとして言及されるときには、介在する要素は存在しない。これまた理解されることには、或る要素が他の要素に“接続される”又は“結合される”として言及されるとき、それは直に他の要素に接続又は結合されてもよいし、あるいは、介在する要素が存在してもよい。対照的に、或る要素が他の要素に“直に接続される”又は“直に結合される”として言及されるときには、介在する要素は存在しない。理解されることには、これらの用語は、図に描かれる向きに加えて、異なる向きの要素を包含することが意図される。
【0008】
ここでは、図に示されるときの、1つの要素、層又は領域と別の要素、層又は領域との関係を記述するために、例えば“下方”又は“上方”又は“上側”又は“下側”又は“水平”又は“鉛直”などの相対的な用語が使用されることがある。理解されることには、これらの用語は、図に描かれる向きに加えて、異なる向きのデバイスを包含することが意図される。
【0009】
銀は、例えば反射率などの良好な光学品質を持ちながらも、環境因子によって変色されやすいものであり、ここに、銀の使用の必要性を減らす物理特性を備えたパッケージが提供される。より具体的には、銀は、特に中心市街地又は工業地帯における汚染された大気中に見出され得るものである例えば硫化水素、ハロゲン、酸素、水蒸気、亜酸化窒素、二酸化硫黄、及びオゾンなどの物質に対して高い親和性を持つ。これらの物質は、黒色の硫化銀又は暗黄色の酸化銀の形成(銀変色として知られる)をもたらし得るものであり、それが、銀の反射率を有意且つ急速に低下させてしまい得る。
【0010】
このパッケージは、金属リードフレームと、少なくとも部分的に該リードフレームの上に配置されて、発光ダイオード(“LED”)コンポーネントが配置されるウェルを形成する成形材料と、ウェル内に配置される封入材料とを含む。金属リードフレームはピラーを含み、ピラーの上にLED又は他のコンポーネントが配置され、且つ/或いは、ピラーは、リードフレームとウェル内のコンポーネントとを含む電気回路を形成するための電気接点として機能する。ピラー以外のリードフレームの領域は、光反射性である成形物によって覆われる。ウェル内の成形材料の頂面が、ピラーの頂面(又は、ピラーの上に形成された例えばめっき金属層などの追加の層の頂面)と同一平面(又は、ほぼ同一平面)にされて、単一の面一の、ウェルの底面を形成する。成形材料は、LEDからの光を反射する高反射性の材料であり、良好な光学特性をLEDパッケージに提供する。隆起したピラーを有するリードフレーム構成は、より従来的な銀のような材料がLEDパッケージに使用されないこと、又はより少ししかLEDパッケージに使用されないことを可能にし、それが銀変色問題を軽減する。より具体的には、従来の設計では、銀がウェルの底面の大部分を覆うことになり、それ故に変色を被ってLEDパッケージの光学特性を低下させることになるが、本開示のパッケージでは、露出された表面が実質的に銀を欠いており、銀変色を被ることのない反射成形材料によって反射性が提供される。
【0011】
図1は、一例に従ったパッケージ100(1)の断面図である。パッケージ100は、第1のリードフレーム部104(a)と第2のリードフレーム部104(b)とを含むリードフレーム102を含んでおり、第1のリードフレーム部104(a)は、第2のリードフレーム部104(b)から電気的に絶縁されている。リードフレーム102のこれら異なるリードフレーム部104が、パッケージ100内のコンポーネントとパッケージの外部のコンポーネントとの間の電気結合を提供する。例えば、LEDデバイス112が回路に統合されるように、1つのリードフレーム部104が、LEDデバイス112の1つの端子と1つの外部ワイヤとに結合され、別の1つのリードフレーム部104が、LEDデバイス112の別の端子と別の外部ワイヤとに結合される。例えばLED112などの様々なコンポーネントをリードフレーム102に電気的に結合するために、第1のリードフレーム部104(a)及び第2のリードフレーム部104(b)の上に金属めっき層106が配置される。従来の設計では、めっき層が導電体及び光反射器の双方としての二重の責務を果たし得るように、めっき層は銀からなるが、本開示においては、LEDパッケージ100の反射性が成形材料120によって提供されるので、金属めっき層106は銀である必要はない。金属めっき層106は、銀以外の技術的に実現可能な材料であってもよいし、銀であってもよい。
【0012】
リードフレーム102は、リードフレーム102の下面110の上方に延びる2つの隆起部分すなわち“ピラー”108を有している。ピラー108は、ウェル114内の電気コンポーネント(例えばLED112など)のための電気接点を提供する働きをする。ウェル114は、成形コンパウンドからなる成形物120の側壁118によって形成される。LED112は、ピラー108のうちの一方上に配置され、ワイヤボンド116を介して、第2のリードフレーム部104(b)のピラー108に電気的に結合される。LED112はまた、導電コンタクト113を介して、第1のリードフレーム部104(a)のピラー108に電気的に結合される。これらのピラー108は、例えばリードフレーム102上に置かれる露出金属の量を最小化しながら、ウェル114内のコンポーネントとリードフレーム102との間に電気接続が形成されることを可能にする。封入材122が、ウェル114内のコンポーネントを覆って配置され、ウェル114の空間を充填している。
【0013】
従来のリードフレーム設計では、リードフレームの2つ(又はそれより多く)の電気的に絶縁された部分が、リードフレームへの電気結合と、良好な色特性の反射光を有する高い光反射率との双方を提供する例えば銀などの金属材料でめっきされる。従来の設計では、特に良好な導電性且つ光反射性の材料として、銀が使用されることが非常に多い。しかしながら、上述したように、銀は、封入材料によって覆われていても変色を被る。本開示のピラー108を有するリードフレーム102は、リードフレーム102へのウェル114内のコンポーネントの電気接続を可能にしながら、ウェル114の最底面(この最底面を“盆地124”とも呼ぶ)の大部分が、銀を有するのではなく、代わりに、高度に光反射性の非導電性の材料を有することを可能にする機能を提供する。なお、盆地124は、金属層106の最頂面と、ウェル114の底にある成形物120の最頂面とで構成される。面一の表面であるとして図示されているが、盆地124の様々な部分が僅かに又はかなり起伏していてもよい。
【0014】
図2及び3は、例に従ったパッケージ100の他の構成を示している。より具体的には、
図2は、LED112が2つのワイヤボンド116を介してリードフレーム102に結合されるパッケージ100(2)を示しており、
図3は、LED112の底面の2つのコンタクト119がLED112をリードフレーム102に結合するパッケージ100(3)を示している。
図2は、他の一例に従ったパッケージ100(2)の断面図である。パッケージ100(2)は、以下を除いてパッケージ100(1)と同様であり、すなわち、パッケージ100(2)では、LED112の底面のコンタクト113と単一のワイヤボンド116とを介しての代わりに、2つのワイヤボンド116(これらはコンタクト117を介してLED112に結合される)を介してLED112がリードフレーム102に結合されることを除いて同様である。LED112は、ピラー108上にマウントされているが、LED112の底面を介したピラーへの電気結合を有しない。
図3は、更なる他の一例に従ったパッケージ100(3)の断面図である。パッケージ100(3)では、LED112が、ワイヤボンド116なしで、2つのコンタクト119を介してリードフレーム102に結合されている。LED112が2つのリードフレーム部104の真上にあるときに2つのコンタクト119が2つのリードフレーム部104に結合されることを可能にするように、LED112は、図示の両方のリードフレーム部104の上にマウントされている。
【0015】
ウェル114内のコンポーネントの特定の構成が示されているが、理解されるべきことには、図示されていない様々な構成が本開示の教示の範囲内にある。盆地124の構成は、ピラー108の形状、サイズ、及び数に依存して変化する。様々な実施形態において、盆地124は、例えば成形材料120の材料など、ほとんどが非導電性材料である。このような実施態様において、盆地124は、50%が非導電性材料であり、85%が非導電性材料であり、又は95%が非導電性材料である。非導電性材料ではない盆地124の部分は、リードフレーム102及び/又は金属層106の導電性材料を有する。
【0016】
上で示した例のパッケージ100において、成形物120は高反射性の材料を有する。例えば、成形物120は、以下に限定されないが例えば熱硬化性ポリシロキサン及びその誘導体化合物などの、熱的、機械的、電気的、及び光化学的に高い安定性を持つシリコーン成形コンパウンドを有する。様々な実施形態において、成形物120は、例えばプラスチック、熱硬化性材料、熱可塑性材料、ポリマー、エポキシポリマー樹脂、シリコーンベースの複合材料、複合成形コンパウンドシリコーン、ポリシクロヘキシレン、ポリシクロヘキシレンテレフタレート、エポキシ成形コンパウンド、液晶ポリマー、これらの混合物、又は他の好適材料などの、電気絶縁材料から形成される。成形物120を形成する材料は、例えば有機材料又は無機材料などのフィラーを含んでもよい。フィラーは、LEDデバイスの適用条件下での材料の完全性及び信頼性を改善するために、及び成形物120の所望の光反射率を達成するために、成形物120の材料の物理特性を調節し得る。成形物120に使用される材料は、耐久性があり、実質的に黄変せず、機械的に好適であり、適切な製造プロセスと適合性があり、且つ高反射性である。好ましくは、成形物120は、リードフレーム102と同等の熱膨張係数を有し、ここで、“同等”とは、熱膨張係数が互いの10%以内にあることを意味する。成形物120のための特定の可能な材料が上で列挙されているが、如何なる好適材料が使用されてもよい。
【0017】
リードフレーム102の頂面を覆って配置された金属めっき層106が示されているが、様々な例において、金属めっき層106は、例えばピラー108の上など、リードフレーム102の頂面の一部のみの上に配置される。さらに、金属めっき層106は、任意の導電材料とし得る。一部の実施形態において、盆地124を形成する金属めっき106及び成形物120はどちらも、高温で安定であり、高ドーズの短波長(青色及びUV)光で安定であり、且つ、例えば硫黄及び/又はその化合物、塩素及び/又はその化合物、窒素酸化物、オゾン、水蒸気、酸素、及びLED112の意図した用途の環境内の他の汚染物質などの腐食性ガスに対して不活性である材料である。パッケージ例100におけるリードフレーム102は、
図1及び
図2のワイヤボンド116又は
図3のコンタクト119に対する適合性、並びにリードフレーム102の母材への保護を提供するために、頂面を覆って配置された金属層106を有するとして示されている。一部の実施形態において、例えば、そのような適合性及び/又は保護が必要とされないときには、このような金属層106は存在しない。
【0018】
リードフレームは、ピラー108を含めて、導電材料を有する。導電材料は、例えば、銅、銀、金、ニッケル、パラジウムなどの金属、これらの組み合わせ、これらの合金、同じ若しくは異なる金属の多層スタック、又は他の好適材料とし得る。
【0019】
一部の実施形態ではワイヤボンドが示されているが、LED112をリードフレーム102に電気的に接続するための如何なる好適構成が使用されてもよい。例えば、図示されたパッケージ100のいずれかにおいて、ワイヤボンドの代わりに、(1つ以上の)金属ブリッジ、はんだ、導電性エポキシ、又は他の好適な接続が使用されてもよい。
【0020】
上述のように、
図1-3において、成形物120は、様々なコンポーネントが配置されるウェル114を形成している。他の実施形態では、ウェル114を形成することなく、リードフレーム部104の相対位置を構造的に固定するのに十分なだけの、成形物120を形成する材料が使用される。他の実施形態では、成形物120は、例えば、LED112、(1つ以上の)ワイヤボンド116(存在する場合)、又はウェル114内の他のコンポーネントを収容するのに十分な深さだけの、浅い側壁118を持つウェル114を形成する。
【0021】
ウェル114内に配置された封入材122が示されている。一部の実施形態において、封入材122は、LED112及び例えば存在する場合のワイヤボンドなどのウェル144内の他のコンポーネントを保護する透明材料を有する。一部の実施形態において、封入材122は、例えば、波長変換材料、封入材122の熱性能を向上させる材料、光散乱を発生又は低減させる材料、フィルタとして作用する材料、又は他の好適材料などの材料を含む。
【0022】
LED112が記載されているが、様々な実施形態において、LED112は、例えばレーザダイオードなどの他のタイプの発光デバイスで置き換えられてもよく、また、例えば他のIII-V族材料、III族リン化物、III族ヒ化物、II-VI族材料、ZnO、又はSi系材料などの、他の材料系からなる半導体発光デバイスが使用されてもよい。発光デバイス及び波長変換材料からの組み合わされた光が、白色又は所与の用途に必要な他の色に見えるように、青色又はUVを発する発光デバイスが、異なる色の光を生成するように1つ以上の波長変換材料と組み合わされることが多い。
【0023】
図4-8は、
図1のパッケージ100(1)を形成する方法を示しており、また、それとともに、
図1のパッケージ100(1)の分解図を示している。理解されるべきことには、明瞭さのために、一部のコンポーネントが
図4-8に示される眺めから省かれている。例えば、金属層106は示されていない。
【0024】
図4にて、リードフレーム102が形成される。成形物120を形成した後に露出されるものであるリードフレーム102のポスト108が、成形物120が形成されたときに成形物120によって覆われるものであるリードフレーム102の他の部分よりも高い高さにある。リードフレームは、例えば、成形、折り畳み、型抜き、打ち抜き、エッチング、又は他の好適技術によって金属シートを整形することによって形成され得る。リードフレーム102を形成した後に、例えば、リードフレーム102の表面全体に、又は成形物120を形成した後に露出されるリードフレームの部分などの特定の位置のみに、金属層106(図示せず)が形成され得る。金属層106は、めっき、スパッタリング、蒸着、又は他の好適技術によって形成され得る。
【0025】
図5にて、リードフレーム102上及びその周りに成形物120が形成される。成形物120は、例えば、成形、射出成形、トランスファー成形、又は他の好適技術によって形成され得る。成形物120は、後述の
図8にて形成される封入材122を包囲するのに適したウェル114を形成する側壁118を形成するように整形され得る。絶縁体120を形成した後には、例えばピラー108などのリードフレーム102の一部のみが露出されている。リードフレーム102の他の部分は、成形物120によって覆われている。ピラー108ではない、ウェル114の底面(“盆地”)124の大部分が、成形物120によって覆われている。成形物120を形成した後、最終的なデバイスにおいて成形物120によって覆われるべきでない領域(例えばピラー108など)を露出させるために、他の処理工程が行われてもよい。好適な処理工程は、ウェット又はドライビーズブラスト、化学エッチング、電気分解、又はピラー108の表面を洗浄するための他の好適技術を含む。このような洗浄の後に、ピラー108上に、例えば銀、金、ニッケル、パラジウム、又は他の好適材料などの他の金属層が堆積されてもよい。
【0026】
図6にて、露出されたリードフレームのピラー108に、LED112、及び例えば静電放電保護チップ若しくは他の好適コンポーネントなどの他のコンポーネントが取り付けられる。LED112及び他のコンポーネントは、例えば、はんだ付け又は他の好適技術によって取り付けられ得る。
【0027】
図7にて、使用される場合に、1つ以上のワイヤボンド116が形成される。LED112とピラー108との間の電気接続を提供するために、ワイヤボンド116に加えて、あるいは代えて、他の電気接続が形成されてもよい。
【0028】
図8にて、ウェル114内に、LED112を覆って封入材122が配置される。封入材122は、例えば、成形、ディスペンス、又は他の好適技術によって形成され得る。一部の実施形態において、封入材122は、液体又はゲルの形態でウェル114内に配置され、次いで固体へと硬化される。封入材122は、LEDチップによって発せられた光を他の色の光に変換する波長変換材料を含んでもよい。LEDチップからの光と波長変換材料から発せられた光との組み合わせが、LEDデバイスの最終的な色の光を形成する。
【0029】
図1-8に示したデバイスは、又は上述のデバイスのいずれも、例えば一般照明、ディスプレイ用のバックライト、又は特殊照明用途などの好適な用途で使用されることができる。一部の実施形態において、上述のデバイスは携帯電話に組み込まれ得る。
【0030】
実施形態を詳細に説明してきたが、当業者が理解することには、本開示を所与として、ここに記載された発明概念の精神から逸脱することなく変更が為され得る。特に、ここに記載された異なるデバイスの異なる機構及びコンポーネントが他のデバイスのいずれかで使用されてもよいし、あるいは、デバイスのいずれから機構及びコンポーネントが省略されてもよい。1つの実施形態の文脈で記述された構造の特徴がいずれの実施形態にも適用可能であることがある。従って、説明の範囲が、図示して記述した特定の実施形態に限定されるという意図はない。
【0031】
機構及び要素が特定の組み合わせで上述されているが、当業者が理解することには、各々の機構又は要素が、単独で、あるいは他の機構及び要素との組み合わせで使用されることができる。また、ここに記載された方法は、コンピュータ又はプロセッサによる実行のためにコンピュータ読み取り可能媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、又はファームウェアにて実装され得る。コンピュータ読み取り可能媒体の例は、電子信号(有線又は無線の接続上で伝送される)及びコンピュータ読み取り可能記憶媒体を含む。コンピュータ読み取り可能記憶媒体の例は、以下に限られないが、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、例えば内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、並びに、例えばCD-ROMディスク及びデジタル多用途ディスク(DVD)などの光媒体を含む。