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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】分散方法およびその分散ユニット
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/088 20230101AFI20241217BHJP
   H04W 92/14 20090101ALI20241217BHJP
【FI】
H04W28/088
H04W92/14
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023175561
(22)【出願日】2023-10-10
(65)【公開番号】P2024159421
(43)【公開日】2024-11-08
【審査請求日】2023-10-10
(31)【優先権主張番号】112115574
(32)【優先日】2023-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504429600
【氏名又は名称】緯創資通股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】WISTRON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 志明
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0357081(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0169871(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークエンティティクラスタに結合された分散クラスタのための分散方法であって、
第1のパケットを受信するステップと、
前記ネットワークエンティティクラスタの複数のネットワークエンティティから第1のネットワークエンティティを選択するステップと、
前記第1のパケットのターゲット媒体アクセス制御(MAC)アドレスを前記第1のネットワークエンティティのMACアドレスに書き換えるステップと、
前記第1のパケットを前記第1のネットワークエンティティに送信するステップと
を含む分散方法。
【請求項2】
前記分散クラスタまたは前記ネットワークエンティティクラスタは、プライベートインターネットプロトコル(IP)アドレスを有する仮想ユーザプレーン機能としてセッション管理機能に登録し、前記プライベートIPアドレスは、前記分散クラスタの複数のノードによって共有されるか、または前記ネットワークエンティティクラスタの前記複数のネットワークエンティティによって共有される、請求項1に記載の分散方法。
【請求項3】
前記第1のネットワークエンティティは、前記ネットワークエンティティクラスタの前記複数のネットワークエンティティから前記分散クラスタによって選択されて、第1のエンティティから前記分散クラスタに送信された前記第1のパケットを、前記第1のネットワークエンティティを介して第2のエンティティに送信し、前記複数のネットワークエンティティからの第2のネットワークエンティティは、前記ネットワークエンティティクラスタの管理ネットワークによって選択されて、前記第2のエンティティから第2のパケットを受信し、前記第2のパケットを前記第1のエンティティに送信し、前記第1のネットワークエンティティおよび前記第2のネットワークエンティティは、同じネットワークエンティティまたは異なるネットワークエンティティである、請求項1に記載の分散方法。
【請求項4】
前記分散クラスタの複数のノードは、共有プライベートIPアドレスを有し、前記ネットワークエンティティクラスタの前記複数のネットワークエンティティは、共有パブリックIPアドレスを有するか、または
前記分散クラスタの前記複数のノードは、共有パブリックIPアドレスを有し、前記ネットワークエンティティクラスタの前記複数のネットワークエンティティは、共有プライベートIPアドレスを有する、
請求項1に記載の分散方法。
【請求項5】
ネットワークエンティティクラスタに結合された分散クラスタであって、
プログラムコードを実行するように構成された処理回路と、
前記処理回路に結合され、前記プログラムコードを記憶するように構成された記憶回路と
を備え、前記プログラムコードは、前記処理回路に、
第1のパケットを受信するステップと、
前記ネットワークエンティティクラスタの複数のネットワークエンティティから第1のネットワークエンティティを選択するステップと、
前記第1のパケットのターゲット媒体アクセス制御(MAC)アドレスを前記第1のネットワークエンティティのMACアドレスに書き換えるステップと、
前記第1のパケットを前記第1のネットワークエンティティに送信するステップと
を実行するように命令する、分散クラスタ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散方法およびその分散ユニットに関し、より詳細には、ネットワークエンティティを迅速に切り替えることができる分散方法およびその分散ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル事業者は、結果として生じるコスト上の利点および運用上の簡素化のために、N:M冗長モデルでユーザプレーン機能(UPF)を展開することを好む。しかしながら、N:M展開されたUPFは、非常に長いフェイルオーバ時間を招く可能性がある(その結果、サービス中断が長くなる)。そのため、事業者は、異なるタイプのサービスによって必要とされるサービスレベルアグリーメント(SLA)に応じて異なる冗長モデルを使用してUPFを展開しており、最適なコスト上の利点および運用の簡素化を達成することができない。加えて、セッション管理機能(SMF)は、UPF(複数可)の正常性/ステータスを知る方法がなく、UPFに障害が発生した場合に実行中のUPF(複数可)に切り替えることができない。UPF選択のためにSMFによって使用される既存の基準では、適切な負荷バランシングを確保することができない。実際には、各プロトコルデータユニット(PDU)セッションのトラフィックは広い範囲で変化するが、PDUセッションをビジー/障害が発生した(failed)UPFからアイドルUPFに移動させるPDUセッション移行はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2015/0326478号明細書
【文献】中国特許出願公開第112073503号明細書
【文献】米国特許出願公開第2021/0112049号明細書
【発明の概要】
【0004】
したがって、本発明の目的は、ネットワークエンティティを迅速に切り替え、それによってサービス中断を回避し、可用性を向上させるために、分散方法およびその分散ユニットを提供することである。
【0005】
本発明の一実施形態は、ネットワークエンティティクラスタに結合された分散ユニットのための分散方法であって、第1のパケットを受信するステップと、ネットワークエンティティクラスタの複数のネットワークエンティティから第1のネットワークエンティティを選択するステップと、第1のパケットのターゲット媒体アクセス制御(MAC)アドレスを第1のネットワークエンティティのMACアドレスに書き換えるステップと、第1のパケットを第1のネットワークエンティティに送信するステップとを含む分散方法を開示する。
【0006】
本発明の一実施形態は、ネットワークエンティティクラスタに結合され、処理回路と記憶回路とを備える分散ユニットを開示する。処理回路は、プログラムコードを実行するように構成される。記憶回路は、処理回路に結合され、プログラムコードを記憶するように構成される。プログラムコードは、処理回路に、第1のパケットを受信するステップと、ネットワークエンティティクラスタの複数のネットワークエンティティから第1のネットワークエンティティを選択するステップと、第1のパケットのターゲット媒体アクセス制御(MAC)アドレスを第1のネットワークエンティティのMACアドレスに書き換えるステップと、第1のパケットを第1のネットワークエンティティに送信するステップとを実行するように命令する。
【0007】
一実施形態では、分散ユニットは、複数のネットワークエンティティのトラフィックにしたがって第1のネットワークエンティティを選択するように構成される。
【0008】
一実施形態では、分散ユニットはクラスタであり、複数のノードを含み、複数のノードのうちの第1のノードは、ターゲットMACアドレスを書き換えるためにハッシュアルゴリズムにしたがって複数のノードから選択され、複数のノードの各々はロードバランサある。
【0009】
一実施形態では、分散ユニットまたはネットワークエンティティクラスタは、管理ネットワークを含み、ハッシュアルゴリズムにしたがって分散ユニットの複数のノードから管理ネットワークによって1つのノードが選択されるか、または複数のネットワークエンティティのトラフィックまたはステータスにしたがってネットワークエンティティクラスタの複数のネットワークエンティティから管理ネットワークによって1つのネットワークエンティティが選択される。
【0010】
一実施形態では、第1のネットワークエンティティは、プライベートIPアドレスをネットワークエンティティクラスタの共有パブリックIPアドレスに変換するように構成されるか、または分散ユニットの共有パブリックIPアドレスをプライベートIPアドレスに変換するように構成される。
【0011】
一実施形態では、分散ユニットの複数のノードは、それぞれ、複数のユーザプレーン機能、複数の無線ユニット、複数の分散ユニット、または複数の中央ユニット内に配置される。代替的に、分散ユニットは、複数のユーザプレーン機能、複数の無線ユニット、複数の分散ユニット、または複数の中央ユニットの外側に独立して配置される。
【0012】
本発明のこれらおよび他の目的は、様々な図および図面に示される好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読めば、当業者には疑いなく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本出願の一実施形態によるクラスタの概略図である。
図2】本出願の一実施形態による分散システムの概略図である。
図3】本出願の実施形態による通信システムおよび対応する通信方法の概略図である。
図4】本出願の実施形態による通信システムおよび対応する通信方法の概略図である。
図5】本出願の実施形態による通信システムおよび対応する通信方法の概略図である。
図6】本出願の実施形態による通信システムおよび対応する通信方法の概略図である。
図7】本出願の一実施形態による通信システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本出願の一実施形態によるクラスタ14の概略図である。クラスタ14は、複数の(クラスタ)ノード(例えば、140N1、140N2)および管理ネットワーク140Mを含み得る。
【0015】
すべてのノード(例えば、140N1および140N2)の外部インタフェース(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)インタフェース)は、仮想クラスタインタフェースを作成するために結合される。すべてのノードは、管理ネットワーク140Mを使用して、互いに通信、会話、制御、またはデータ交換を行い得る。クラスタ14は、アクティブ-アクティブクラスタであり得る。すべてのノードは、データを受信、送信、または処理することができる。管理ネットワーク140Mは、すべてのノードから、データを受信、送信、または処理するための1つを選択するために(例えば、ClusterIPによって使用されるハッシュアルゴリズムにしたがって)調停し得る。
【0016】
一実施形態では、クラスタ14は、(共有)インターネットプロトコル(IP)アドレスを有し得、それは、プライベートIPアドレスまたはパブリックIPアドレスであり得る。例えば、クラスタ14の(共有)IPアドレスIP1は、192.168.10.3であり得、クラスタ14の媒体アクセス制御(MAC)アドレスMAC1は、01:02:03:04:05:06であり得る。一実施形態では、管理ネットワーク140Mのネットワークセグメントは、例えば、192.168.20.0/24であり得る。ノード140N1のIPアドレスIP11およびIP12は、それぞれ、例えば、192.168.10.1および192.168.20.1である。ノード140N2のIPアドレスIP21およびIP22は、それぞれ、例えば、192.168.10.2および192.168.20.2である。ノード140N1または140N2に接続されたデバイスのネットワークセグメントは、例えば、192.168.10.0/24であり得る。ノード140N1および140N2は、異なるMACアドレスを有し得る。
【0017】
一実施形態では、クラスタ14、ノード(例えば、140N1または140N2)、または管理ネットワーク140Mは、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはハードウェア(例えば、回路(複数可)またはプロセッサ(複数可))の異なる組み合わせを使用して実装され得る。一実施形態では、Netfilterコードの一部であり得るClusterIPを使用して、クラスタ14(または、サイズmもしくはnのアクティブ-アクティブクラスタ)を実装し得る。一実施形態では、管理ネットワーク140Mは、例えば、ワークグループスイッチなどのスイッチであり得る。一実施形態では、クラスタ14は、分散クラスタ(例えば、341、441、541、または641)であり得、ノード(例えば、140N1または140N2)は、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはハードウェア(例えば、ロードバランサ(複数可))の異なる組み合わせを使用して、負荷分散または負荷バランシングを実行し得る。一実施形態では、クラスタ14は、ネットワークエンティティクラスタ(例えば、242、342、442、542、または642)であり得、ノード(例えば、140N1または140N2)は、ユーザプレーン機能(UPF)、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)、ネットワークリポジトリ機能(NRF)、セッション管理機能(SMF)、無線ユニット(RU)、分散ユニット(DU)、または中央ユニット(CU)などのネットワークエンティティであり得る。
【0018】
図2は、本出願の一実施形態による分散システム20の概略図である。分散システム20は、分散ユニット241およびネットワークエンティティクラスタ242を含み得る。ネットワークエンティティクラスタ242は、複数のネットワークエンティティ242TT1~242TTnを含み得る。分散ユニット241またはネットワークエンティティ(例えば、242TT1または242TTn)は、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはハードウェアの異なる組み合わせを使用して実装され得る。一実施形態では、分散ユニット241は、分散クラスタであり得、したがって複数のノードを含む。
【0019】
分散ユニット241は、パケットを受信し、ネットワークエンティティ242TT1~242TTnからネットワークエンティティ(例えば、242TT1)を選択し得る。分散ユニット241は、パケットのターゲットMACアドレスを選択されたネットワークエンティティ(例えば、242TT1)のMACアドレスに書き換え、選択されたネットワークエンティティ(例えば、242TT1)にパケットを送信し得る。言い換えると、分散ユニット241は、すべてのネットワークエンティティ242TT1~242TTnの負荷/状態にしたがって負荷分散または負荷バランシングを実行し得、ネットワークエンティティ242TT1~242TTnのうちの1つにわたってタスクを割り振る/割り当てる/分散し得る。これにより、他のネットワークエンティティ(例えば、242TT2~242TTn)がアイドルのままである間に任意の特定のネットワークエンティティ(例えば、242TT1)に不均一に過負荷がかかることを回避する。それはまた、ネットワークエンティティ242TT1~242TTnのうちのいずれかが応答しなかったり障害が発生したりした場合に、別のネットワークエンティティ(例えば、242TT1)を選択することによってサービス提供の継続を保証する。
【0020】
図3は、本出願の一実施形態による通信システム30およびその通信方法の概略図である。通信システム30は、ユーザ機器(UE)310UEと、RU 320RUと、DU 320DU1および320DU2と、CU 320CU1および320CU2と、ルータ330ARと、AMF 340AMFと、SMF 340SMFと、NRF 340NRFと、仮想UPF 340UPFと、サーバ350SVRとを含み得、これらは、互いに通信可能に結合または相互接続され得る。ルータ330AR(例えば、アグリゲーションルータ)は、CU 320CU1および320CU2と仮想UPF 340UPFとの間に位置する。
【0021】
図3において、仮想UPF 340UPFは、分散クラスタ341とネットワークエンティティクラスタ342とを含み得る。分散クラスタ341は、m個のロードバランサ341LB1~341LBmを含み得る(そして、ダイレクトサーバリターン(direct server return)の負荷分散方法を有するサイズmのアクティブ-アクティブクラスタであり得る。)(クラスタ)ノードとして使用され得るロードバランサ341LB1~341LBmは、(クラスタノード間の)分散クラスタ341の管理ネットワークを介して互いに制御、ネゴシエート、またはデータ交換を行い得る。分散クラスタ341(または分散クラスタ341)のロードバランサ341LB1~341LBmは、同じ(共有)プライベートIPアドレスまたはポート(例えば、ポート番号)を有し得る。起動時に、分散クラスタ341(例えば、ロードバランサのアクティブ-アクティブクラスタ)は、プライベートIPアドレス/ポートであり得る(共有)IPアドレス/ポートを有する/もつ仮想UPF 340UPFとしてSMF 340SMFに(プライベートIPアドレスおよび/またはポートを用いて/使用して)登録し得る。
【0022】
ネットワークエンティティクラスタ342は、n個のUPF 342UPF1~342UPFnを含み得る。ノードとして使用され得るUPF 342UPF1~342UPFnは、ネットワークエンティティクラスタ342の管理ネットワークを介して互いに制御、ネゴシエート、またはデータ交換を行い得る。ネットワークエンティティクラスタ342のUPF 342UPF1~342UPFnは、それぞれ異なるプライベートIPアドレスを有し得るが、(ネットワークエンティティクラスタ342または)UPF 342UPF1~342UPFnは、同じ(共有)パブリックIPアドレスまたはポートを有する。
【0023】
図3において、UE 310UEは、サーバ350SVRにデータを送信することを意図している。UE 310UEがAMF 340AMFを通してSMF 340SMFに登録した後、SMF 340SMFは、ローカルリポジトリまたはNRF 340NRFから/を使用してUPF(例えば、仮想UPF 340UPF)を選択し、選択されたUPFをUE 310UEのプロトコルデータユニット(PDU)セッションに割り振り得る/割り当て得る。一実施形態では、選択されたUPF(例えば、仮想UPF 340UPF)のプライベートIPアドレスおよび/またはポートは、分散クラスタ341(すなわち、ロードバランサのアクティブ-アクティブクラスタ)の(共有)プライベートIPアドレスおよび/またはポートである。
【0024】
図3のステップS301~S305に示すように、UE 310UEによって送信され、サーバ350SVRに向けられたパケットは、RU 320RU、DU 320DU1、CU 320CU1、およびルータ330AR(例えば、アグリゲーションルータ)を通過し、次いで、分散クラスタ341(すなわち、ロードバランサのアクティブ-アクティブクラスタ)の(共有)プライベートIPアドレスおよび/またはポートに送信される。一実施形態では、ソースIPアドレスは、UE 310UEのプライベートIPアドレスであり得、ターゲットIPアドレスは、分散クラスタ341の(共有)プライベートIPアドレスであり得る。
【0025】
ロードバランサ341LB1~341LBmのプライベートIPアドレスは同じであるので、分散クラスタ341の管理ネットワークは、ロードバランサ341LB1~341LBmのうちの1つ(例えば、341LB1)を(例えば、ClusterIPによって使用されるハッシュアルゴリズムにしたがって)選択して、選択されたロードバランサ(例えば、341LB1)がパケットをピックアップするようにし得る。選択されたロードバランサ(例えば、341LB1)は、パケットのターゲットMACアドレスを、(選択された)ロードバランサ(例えば、341LB1)によって選択された1つのUPF(例えば、342UPF1)のMACアドレスに書き換え得る。
【0026】
一実施形態では、(選択された)ロードバランサ(例えば、341LB1)が、バックエンドUPF 342UPF1~342UPFn上のPDUセッションのトラフィックに基づいて、ネットワークエンティティクラスタ342内の1つのUPF(例えば、342UPF1)を選択し得るように、すべてのPDUセッションの状態情報がメモリ343(例えば、分散キャッシュメモリシステム、memcached、またはRedis)に記憶される。このようにして、UE 310UEのサービス中断を回避するために、ビジー/障害が発生したUPF(例えば、342UPFn)からアイドルUPF(例えば、342UPF1)へのPDUセッション移行は、極めて短い時間(例えば、3秒)内とすることができる。
【0027】
図3のステップS306に示すように、選択されたロードバランサ(例えば、341LB1)は、選択されたUPF(例えば、342UPF1)にパケットを送信する。一実施形態では、ソースIPアドレスは、UE 310UEのプライベートIPアドレスであり得、ターゲットIPアドレスは、選択されたUPF(例えば、342UPF1)のプライベートIPアドレスであり得る。
【0028】
その後、パケットは、ソースネットワークアドレス変換(SNAT)に基づいてプライベートIPアドレスをパブリックIPアドレスに変換する、選択されたUPF(例えば、342UPF1)に送信される。言い換えると、パケットがコアネットワーク内を移動するとき、使用されるのは、SMF 340SMFによってUE 310UEに割り当てられたプライベートIPアドレスである。パケットがインターネットに入るか、またはインターネットを介して送信されるとき/前に、パケットは、(UE 310UEの)プライベートIPアドレスから(トラフィックがグローバルにルーティング可能となるための)パブリックIPアドレスに変換される。一実施形態では、パブリックIPアドレスは、UPF 342UPF1~342UPFnにより共有される(共有)パブリックIPアドレスであり、プライベートIPアドレスは、SMF 340 SMFによってUE 310UEに割り当てられた(コアネットワーク内のパケット転送のための、またはローカルルーティング可能性を与えるための)プライベートIPアドレスである。図3のステップS316に示すように、選択されたUPF(例えば、342UPF1)は、次に、(パブリックIPアドレスおよび/またはポートならびにマルチキャストMACアドレスを有する)パケットをサーバ350SVRに送信し得る。一実施形態では、ソースIPアドレスは、UPF 342UPF1~342UPFnによって共有される(共有)パブリックIPアドレスであり得、ターゲットIPアドレスは、サーバ350SVRのパブリックIPアドレスであり得る。
【0029】
パケットのヘッダのソースIPアドレスがネットワークエンティティクラスタ342の(共有)パブリックIPアドレスであるので、図3のステップS317では、サーバ350SVRは、(応答された)パケットをネットワークエンティティクラスタ342(例えば、UPFクラスタ)に送り返し得る。一実施形態では、ソースIPアドレスは、サーバ350SVRのパブリックIPアドレスであり得、ターゲットIPアドレスは、UPF 342UPF1~342UPFnによって共有される(共有)パブリックIPアドレスであり得る。すなわち、ダイレクトサーバリターンによる負荷分散が実現され得る。
【0030】
ネットワークエンティティクラスタ342がサーバ350SVRから(応答された)パケットを受信した後、ネットワークエンティティクラスタ342の1つのUPFが(応答された)パケットを処理し得る。一実施形態では、以前に選択されたUPF(例えば、342UPF1)は、(ネットワークエンティティクラスタ342の管理ネットワークの命令(複数可)にしたがって)(応答された)パケットを処理し得る。一実施形態では、以前に選択されたUPF(例えば、342UPF1)が、反応がなかったり誤動作していたりする場合、ネットワークエンティティクラスタ342の管理ネットワークは、調停を行い、ネットワークエンティティクラスタ342から(アイドル)UPF(例えば、342UPFn)を選択し得る。選択されたUPF(例えば、342UPFn)は、メモリ343に記憶された関連情報を利用して、(応答された)パケットを処理し得る。このようにして、PDUセッション(複数可)は、UE 310UEのサービス中断を回避するために、極めて短い時間内にビジー/障害が発生したUPF(例えば、342UPF1)からアイドルUPF(例えば、342UPFn)に移行され得る。
【0031】
図3のステップS319~S323に示すように、選択されたUPF(例えば、342UPF1)またはUPFクラスタは、次に、(応答された)パケットを(元の)UE 310UEにルーティングし得る。一実施形態では、ソースIPアドレスは、選択されたUPF(例えば、342UPF1または342UPFn)のプライベートIPアドレスであり得、ターゲットIPアドレスは、UE 310UEのプライベートIPアドレスであり得る。
【0032】
一実施形態では、UE 310UEは、例えば、モバイル電話であり得、サーバ450SVRは、例えば、アプリケーション(APP)サーバ、ウェブサーバ、またはIPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバであり得る。UE 310UEは、サーバ450SVRに要求を送信し得、サーバ450SVRは、実行後に要求にしたがって応答を送り返し得る。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
【0033】
図4は、本出願の一実施形態による通信システム40およびその通信方法の概略図である。通信システム40は、UE 410UEと、RU 420RUと、DU 420DU1および420DU2と、CU 420CU1および420CU2と、ルータ430ARと、AMF 440AMFと、SMF 440SMFと、NRF 440NRFと、分散クラスタ441と、ネットワークエンティティクラスタ442と、サーバ450SVRとを含み得る。
【0034】
一実施形態(図7に示されるような)では、UE 410UEは、例えば、カメラであり得、サーバ450SVRは、例えば、人工知能(AI)サーバまたはIMSサーバであり得る。サーバ450SVRは、UE 410UEに通信可能に結合/接続されるか、またはUE 410UEに要求(複数可)を送信し得、UE 410UEは、画像(複数可)またはマルチメディア/ビデオ/オーディオデータをサーバ450SVRに送信することによって応答し得る。UE 410UEおよびサーバ450SVRは、リアルタイムストリーミングプロトコル(RTSP)ストリーミングをサポートし得る。しかしながら、本発明はこれに限定されない。
【0035】
図4において、分散クラスタ441は、m個のロードバランサ441LB1~441LBmを含み得る(また、ダイレクトサーバリターンの負荷分散方法を有するサイズmのアクティブ-アクティブクラスタであり得る)。(クラスタ)ノードとして使用され得るロードバランサ441LB1~441LBmは、(クラスタノード間の)分散クラスタ441の管理ネットワークを介して互いに制御、ネゴシエート、またはデータ交換を行い得る。分散クラスタ441(または分散クラスタ441)のロードバランサ441LB1~441LBmは、同じ(共有)パブリックIPアドレスまたはポートを有し得る。
【0036】
ネットワークエンティティクラスタ442は、n個のUPF 442UPF1~442UPFnを含み得る。ノードとして使用され得るUPF 442UPF1~442UPFnは、ネットワークエンティティクラスタ442の管理ネットワークを介して互いに制御、ネゴシエート、またはデータ交換を行い得る。ネットワークエンティティクラスタ442のUPF 442UPF1~442UPFnは、それぞれ異なるパブリックIPアドレスを有し得るが、(ネットワークエンティティクラスタ442または)UPF 442UPF1~442UPFnは、同じ(共有)プライベートIPアドレスまたはポートを有する。起動時に、ネットワークエンティティクラスタ442(例えば、UPFのアクティブ-アクティブクラスタ)は、プライベートIPアドレス/ポートであり得る(共有)IPアドレス/ポートを有する/もつ仮想UPF 440UPFとしてSMF 440SMFに(プライベートIPアドレスおよび/またはポートを用いて/使用して)登録し得る。
【0037】
図4において、サーバ450SVRは、データをUE 410UEに送信することを意図している。UE 410UEがAMF 440AMFを通してSMF 440SMFに登録した後、SMF 440SMFは、ローカルリポジトリまたはNRF 440NRFから/を使用してUPF(例えば、仮想UPF 440UPF)を選択し、選択されたUPFをUE 410UEのPDUセッションに割り振り得る/割り当て得る。一実施形態では、選択されたUPF(例えば、仮想UPF 440UPF)のプライベートIPアドレスおよび/またはポートは、ネットワークエンティティクラスタ442の(共有)プライベートIPアドレスおよび/またはポートである。
【0038】
図4のステップS401に示すように、サーバ450SVRによって送信され、UE 410UEに向けられたパケットは、分散クラスタ441(すなわち、ロードバランサのアクティブ-アクティブクラスタ)の(共有)パブリックIPアドレスおよび/またはポートに送信される。一実施形態では、パケットは、サーバ450SVRのパブリックIPアドレスから分散クラスタ441の(共有)パブリックIPアドレスに送信され得る。
【0039】
ロードバランサ441LB1~441LBmのパブリックIPアドレスは同じであるので、分散クラスタ441の管理ネットワークは、ロードバランサ441LB1~441LBmのうちの1つ(例えば、441LB1)を(例えば、ClusterIPによって使用されるハッシュアルゴリズムにしたがって)選択して、選択されたロードバランサ(例えば、441LB1)がパケットをピックアップするようにし得る。選択されたロードバランサ(例えば、441LB1)は、パケットのターゲットMACアドレスを、(選択された)ロードバランサ(例えば、441LB1)によって選択された1つのUPF(例えば、442UPF1)のMACアドレスに書き換え得る。
【0040】
一実施形態では、(選択された)ロードバランサ(例えば、441LB1)が、バックエンドUPF 442UPF1~442UPFn上のPDUセッションのトラフィックに基づいて、ネットワークエンティティクラスタ442内の1つのUPF(例えば、442UPF1)を選択し得るように、すべてのPDUセッションの状態情報がメモリ443に記憶される。これにより、UE 410UEのサービス中断を回避するために、極めて短い時間(例えば、3秒)内にビジー/障害が発生したUPF(例えば、442UPFn)からアイドルUPF(例えば、442UPF1)へのPDUセッション(複数可)の転送が可能になる。
【0041】
図4のステップS405に示すように、選択されたロードバランサ(例えば、441LB1)が、選択されたUPF(例えば、442UPF1)のパブリックIPアドレスにパケットを送信した後、選択されたUPF(例えば、442UPF1)は、宛先ネットワークアドレス変換(DNAT)にしたがってパブリックIPアドレスをプライベートIPアドレスに変換し得る。一実施形態では、パブリックIPアドレスは、分散クラスタ441によって共有される(共有)パブリックIPアドレスであり、プライベートIPアドレスは、SMF 440SMFによってUE 410UEに割り振られたプライベートIPアドレスである。図4のステップS407~S417に示すように、選択されたUPF(例えば、442UPF1)は、次に、(プライベートIPアドレスおよび/またはポートならびにマルチキャストMACアドレスを有する)パケットをUE 410UEに送信し得る。一実施形態では、パケットは、ネットワークエンティティクラスタ442によって共有される(共有)プライベートIPアドレスから、ルータ440AR(例えば、アグリゲーションルータ)、CU 420CU1、DU 420DU1、およびRU 420RUを介して、UE 410UEのプライベートIPアドレスに送信され得る。
【0042】
図4のステップS418~S430において、UE 410UEは、(応答された)パケットをネットワークエンティティクラスタ442に送り返し得る。一実施形態では、(応答された)パケットは、UE 410UEのプライベートIPアドレスから、ネットワークエンティティクラスタ442によって共有される(共有)プライベートIPアドレスに送信され得る。
【0043】
ネットワークエンティティクラスタ442が、(応答された)パケットをUE 410UEから受信した後、ネットワークエンティティクラスタ442の1つのUPFが(応答された)パケットを処理し得る。一実施形態では、以前に選択されたUPF(例えば、442UPF1)は、(ネットワークエンティティクラスタ442の管理ネットワークの命令(複数可)にしたがって)(応答された)パケットを処理し得る。一実施形態では、以前に選択されたUPF(例えば、442UPF1)が応答しなかったり障害が発生したりした場合、ネットワークエンティティクラスタ442の管理ネットワークは、調停を行い、ネットワークエンティティクラスタ442から(アイドル)UPF(例えば、442UPFn)を選択し得る。選択されたUPF(例えば、442UPFn)は、メモリ444に記憶された関連情報を利用して、(応答された)パケットを処理し得る。これにより、UE 410UEのサービス中断を回避するために、極めて短い時間内でのビジー/障害が発生したUPF(例えば、442UPF1)からアイドルUPF(例えば、442UPFn)へのPDUセッション(複数可)の移行が可能になる。
【0044】
図4のステップS433に示すように、選択されたUPF(例えば、442UPFn)またはUPFクラスタは、次に、(応答された)パケットを(元の)サーバ450SVRにルーティングし得る。一実施形態では、(応答された)パケットは、選択されたUPF(例えば、442UPF1)のパブリックIPアドレスからサーバ450SVRのパブリックIPアドレスに送信され得る。すなわち、ダイレクトサーバリターンによる負荷分散が達成され得る。
【0045】
図5は、本出願の一実施形態による通信システム50およびその通信方法の概略図である。通信システム50は、UE 510UEと、RU 520RUと、DU 520DU1と、CU 520CU1~520CUmと、ルータ530ARと、ネットワークエンティティクラスタ542と、メモリ543と、スイッチ560SW(例えば、レイヤ3(L3)スイッチ)と、サーバ550SVRとを含み得る。
【0046】
図5において、CU 520CU1~520CUmは、それぞれネットワークコントローラ520NIC1~520NICmを含み得る。各々がシステムオンチップ(SoC)によって実装され得るネットワークコントローラ520NIC1~520NICmは、それぞれ、ロードバランサ541LB1~541LBmを含み得る。ロードバランサ541LB1~541LBmは、分散クラスタ541を形成/構成し、分散クラスタ541のノードとして機能し得、分散クラスタ541の管理ネットワーク541mgmtnetLを介して互いに制御、ネゴシエート、またはデータ交換を行い得る。分散クラスタ541(または分散クラスタ541)のロードバランサ541LB1~541LBmは、同じ(共有)プライベートIPアドレスまたはポートを有し得る。言い換えると、ロードバランサ541LB1~541LBmは、CU 520CU1~520CUmのコンピューティングリソースを活用することによって実現/実装し得る。
【0047】
図5において、ネットワークエンティティクラスタ542は、n個のUPF 542UPF1~542UPFnを含み得る。ノードとして使用され得るUPF 542UPF1~542UPFnは、ネットワークエンティティクラスタ542の管理ネットワーク542mgmtnetUを介して互いに制御、ネゴシエート、またはデータ交換を行い得る。ネットワークエンティティクラスタ542のUPF 542UPF1~542UPFnは、それぞれ異なるプライベートIPアドレスを有し得るが、(ネットワークエンティティクラスタ542または)UPF 542UPF1~542UPFnは、同じ(共有)パブリックIPアドレスまたはポートを有する。
【0048】
図5のステップS501~S504およびS512に示すように、UE 510UEによって送信され、サーバ550SVRに向けられたパケットは、分散クラスタ541に送信される。図5のステップS512に示すように、ロードバランサ541LB1~541LBmによって共有されるプライベートIPアドレスが同じであるので、分散クラスタ541の管理ネットワーク541mgmtnetLは、ロードバランサ541LB1~541LBmのうちの1つ(例えば、541LB1)を選択して、パケットをピックアップし得る。選択されたロードバランサ(例えば、541LB1)は、パケットのターゲットMACアドレスを、ロードバランサ(例えば、541LB1)によって選択された1つのUPF(例えば、542UPF1)のMACアドレスに書き換え得る。一実施形態では、(選択された)ロードバランサ(例えば、541LB1)が、バックエンドUPF 542UPF1~542UPFn上のPDUセッションのトラフィックに基づいて、ネットワークエンティティクラスタ542内の1つのUPF(例えば、542UPF1)を選択し得るように、すべてのPDUセッションの状態情報がメモリ543に記憶される。
【0049】
図5のステップS513~S514に示すように、選択されたロードバランサ(例えば、541LB1)がパケットを選択されたUPF(例えば、542UPF1)のプライベートIPアドレスに送信した後、選択されたUPF(例えば、542UPF1)は、ソースネットワークアドレス変換に基づいて、プライベートIPアドレスをパブリックIPアドレスに変換し得る。一実施形態では、パブリックIPアドレスは、UPF 542UPF1~542UPFnによって共有される(共有)パブリックIPアドレスである。図5のステップS515~S516に示すように、選択されたUPF(例えば、542UPF1)は、(パブリックIPアドレスおよび/またはポートならびにマルチキャストMACアドレスをもつ)パケットをサーバ550SVRに送信し得る。
【0050】
パケットのヘッダのソースIPアドレスはネットワークエンティティクラスタ542の(共有)パブリックIPアドレスであるので、図5のステップS517~S518において、サーバ550SVRは、(応答された)パケットをネットワークエンティティクラスタ542に送り返し得る。すなわち、ダイレクトサーバリターンによる負荷分散が達成され得る。一実施形態では、図5のステップS518において、以前に選択されたUPF(例えば、542UPF1)は、(ネットワークエンティティクラスタ542の管理ネットワーク542mgmtnetUの命令(複数可)にしたがって)(応答された)パケットを処理し得る。一実施形態では、図5のステップS518において、以前に選択されたUPF(例えば、542UPF1)が応答しなかったり障害が発生したりした場合、ネットワークエンティティクラスタ542の管理ネットワーク542mgmtnetUは、調停を行い、ネットワークエンティティクラスタ542から(アイドル)UPF(例えば、542UPFn)を選択し得る。選択されたUPF(例えば、542UPFn)は、メモリ543に記憶された関連情報を利用して、(応答された)パケットを処理し得る。
【0051】
図5のステップS519~S523に示すように、選択されたUPF(例えば、542UPFn)またはUPFクラスタは、次に、(応答された)パケットを(元の)UE 510UEにルーティングし得る。
【0052】
図6は、本出願の一実施形態による通信システム60およびその通信方法の概略図である。通信システム60は、UE 610UE、RU 620RU、DU 620DU1、CU 620CU1~620CUm、ルータ630AR、分散クラスタ641、ネットワークエンティティクラスタ642、メモリ643、スイッチ660SW(例えば、L3スイッチ)、およびサーバ650SVRを含み得る。言い換えると、分散クラスタ641(例えば、ロードバランサクラスタ)が、ネットワークエンティティクラスタ642(例えば、UPFクラスタ)とサーバ650SVRとの間に追加される。
【0053】
分散クラスタ641は、m個のロードバランサ641LB1~641LBmを含み得る。ノードとして使用され得るロードバランサ641LB1~641LBmは、分散クラスタ641の管理ネットワーク641mgmtnetLを介して互いに制御、ネゴシエート、またはデータ交換を行い得る。分散クラスタ641(または分散クラスタ641)のロードバランサ641LB1~641LBmは、同じ(共有)パブリックIPアドレスまたはポートを有し得る。
【0054】
ネットワークエンティティクラスタ642は、n個のUPF 642UPF1~642UPFnを含み得る。ノードとして使用され得るUPF 642UPF1~642UPFnは、ネットワークエンティティクラスタ642の管理ネットワーク642mgmtnetUを介して互いに制御、ネゴシエート、またはデータ交換を行い得る。ネットワークエンティティクラスタ642のUPF 642UPF1~642UPFnは、それぞれ異なるパブリックIPアドレスを有し得るが、(ネットワークエンティティクラスタ642または)UPF 642UPF1~642UPFnは、同じ(共有)プライベートIPアドレスまたはポートを有する。
【0055】
一実施形態では、UPF 642UPF1~642UPFnは、コンピューティング回路642NIC1~642NICmを含み得、その各々は、それぞれSoCによって実装され得る。コンピューティング回路642NIC1~642NICmは、それぞれロードバランサ641LB1~641LBmを含み得る。言い換えると、ロードバランサ641LB1~641LBmは、UPF 642UPF1~642UPFnのコンピューティングリソースを活用することによって実現/実装され得る。しかしながら、ロードバランサ641LB1~641LBmはまた、図6に示すように、UPF 642UPF1~642UPFnの外側に独立して構成/配置され得る。
【0056】
図6のステップS601~S602に示すように、サーバ650SVRによって送信され、UE 610UEに向けられたパケットは、分散クラスタ641に送信される。図6のステップS603に示すように、ロードバランサ641LB1~641LBmによって共有される(共有)パブリックIPアドレスが同じであるので、分散クラスタ641の管理ネットワーク641mgmtnetLは、ロードバランサ641LB1~641LBmのうちの1つ(例えば、641LB1)を選択して、パケットをピックアップし得る。選択されたロードバランサ(例えば、641LB1)は、パケットのターゲットMACアドレスを、ロードバランサ(例えば、641LB1)によって選択された1つのUPF(例えば、642UPF1)のMACアドレスに書き換え得る。一実施形態では、(選択された)ロードバランサ(例えば、641LB1)が、バックエンドUPF 642UPF1~642UPFn上のPDUセッションのトラフィックに基づいて、ネットワークエンティティクラスタ642内の1つのUPF(例えば、642UPF1)を選択し得るように、すべてのPDUセッションの状態情報がメモリ643に記憶される。
【0057】
図6のステップS604~S605に示すように、選択されたロードバランサ(例えば、641LB1)がパケットを選択されたUPF(例えば、642UPF1)のパブリックIPアドレスに送信した後、選択されたUPF(例えば、642UPF1)は、宛先ネットワークアドレス変換にしたがってパブリックIPアドレスをプライベートIPアドレスに変換し得る。図6のステップS607~S617に示すように、選択されたUPF(例えば、642UPF1)は、次に、(プライベートIPアドレスおよび/またはポートとマルチキャストMACアドレスとを有する)パケットをUE 610UEに送信し得る。
【0058】
図6のステップS618~S630において、UE 610UEは、(応答された)パケットをネットワークエンティティクラスタ642に送り返し得る。一実施形態では、図6のステップS631において、以前に選択されたUPF(例えば、642UPF1)は、(ネットワークエンティティクラスタ642の管理ネットワーク642mgmtnetUの命令(複数可)にしたがって)(応答された)パケットを処理し得る。一実施形態では、図6のステップS631において、以前に選択されたUPF(例えば、642UPF1)が応答しなかったり誤動作したりした場合、ネットワークエンティティクラスタ642の管理ネットワーク642mgmtnetUは、調停を行い、ネットワークエンティティクラスタ642から(アイドル)UPF(例えば、642UPFn)を選択し得る。選択されたUPF(例えば、642UPFn)は、メモリ643に記憶された関連情報を利用して、(応答された)パケットを処理し得る。
【0059】
図6のステップS632~S633に示すように、選択されたUPF(例えば、642UPFn)は、次に、(応答された)パケットを(元の)サーバ650SVRにルーティングし得る。すなわち、ダイレクトサーバリターンによる負荷分散が達成され得る。
【0060】
一実施形態では、ステップS501~S504、S516、S517、およびS519~S523は、ステップS301~S304、S316、S317、およびS319~S323にほぼ対応する。ステップS601、S605、S607、S608、S615~S620、S629~S630、およびS633は、ステップS401、S405、S407、S408、S415~S420、S429~S430、およびS433にほぼ対応する。
【0061】
要約すると、PDUセッションがネットワークエンティティ(例えば、UPF)へ送信されるとき、本発明は、分散ユニット(または、ネットワークエンティティクラスタの管理ネットワーク)を使用してビジー/誤動作しているネットワークエンティティとアイドルネットワークエンティティとの間の迅速な切り換えを可能にし、これは、アイドルネットワークエンティティへのPDUの送信を可能にして、サービス中断を回避し、可用性を向上させる。本発明は、ネットワークエンティティ(例えば、UPF)に障害が発生しているときに、1:1冗長モデルで見られるのと同じエンドユーザエクスペリエンスを、より低い資本支出で達成する。さらに、基本的に、すべてのネットワークエンティティ(例えば、UPF)は、アイドルになることなく使用されるが、N:M冗長モデルの場合であっても、M/(N+M)個のネットワークエンティティ(例えば、UPF)はアイドル状態にする。加えて、ネットワークエンティティ(例えば、UPF)のスケールアウト、ひいてはコアネットワークの(高)スループットが可能になるように、ネットワークエンティティ(例えば、UPF)の負荷バランシングが強化される。さらに、あるパケットは分散ユニットを通して転送されるが、このパケットに応答する別のパケットは分散ユニットを通過せず、それによってダイレクトサーバリターンが可能になる。
【0062】
当業者は、本発明の教示を保持しながら、デバイスおよび方法の多数の修正および変更が行われ得ることを容易に認識するであろう。したがって、上記の開示は、添付の特許請求の範囲の境界によってのみ限定されると解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7