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特許7605413バッテリーモジュールおよびそれを含むバッテリーパック
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】バッテリーモジュールおよびそれを含むバッテリーパック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/358 20210101AFI20241217BHJP
   H01M 50/548 20210101ALI20241217BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20241217BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20241217BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20241217BHJP
   H01M 50/30 20210101ALI20241217BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20241217BHJP
   H01M 10/658 20140101ALI20241217BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20241217BHJP
【FI】
H01M50/358
H01M50/548 301
H01M50/211
H01M50/35 101
H01M50/50 201Z
H01M50/30
H01M50/296
H01M10/658
H01M10/647
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023568565
(86)(22)【出願日】2022-11-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 KR2022017450
(87)【国際公開番号】W WO2023085729
(87)【国際公開日】2023-05-19
【審査請求日】2023-11-07
(31)【優先権主張番号】10-2021-0155941
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】スン・ファン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・ヨブ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・スク・イ
【審査官】渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/212795(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第112582756(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0129024(US,A1)
【文献】特開2008-053019(JP,A)
【文献】中国実用新案第214123964(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/30-50/392
H01M 50/50-50/598
H01M 50/20-50/298
H01M 10/658
H01M 10/647
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
池セルが長手方向に2個以上一列に配列されて長手方向単位セルを形成し、前記長手方向単位セルが前記電池セルの厚さ方向に2列以上積層されてからなる電池セル組立体と、
前記電池セル組立体に含まれた電池セルに結合されるターミナルバスバーと、
前記長手方向単位セルの列の間に設置され、内部にガスベンティングチャネルが形成されたベンティングプレートと、
前記電池セル組立体および前記ベンティングプレートが収容されるモジュールケースと、
を含み、
前記電池セル組立体の電池セルのうち、前記ターミナルバスバーと結合される電池セルを除いた隣接する電池セルは、電極リード同士が直接連結され、
前記モジュールケースに前記ガスベンティングチャネルと連通するベンティングホールが形成される、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記ターミナルバスバーは、前記電池セル組立体の長手方向前端または後端に位置した電池セルの電極リードに結合される、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記長手方向単位セルの長手方向に互いに対向する電池セルの電極リード同士が溶接されて連結され、
前記電池セル組立体のうち、前記ターミナルバスバーが結合されない長手方向前端または後端の隣接する列の長手方向単位セルに含まれた電池セルの電極リードは、前記電池セルの厚さ方向に折曲されて互いに溶接結合される、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記モジュールケースは、前記電池セル組立体の前端および後端を覆う前端板および後端板を含み、
前記ターミナルバスバーは、前記前端板または前記後端板に結合される、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記電池セルの長手方向を基準にして前記ベンティングプレートの両側にそれぞれ同じ個数の列の長手方向単位セルが配置され、
前記ベンティングプレートは、前記モジュールケースの前端と後端にわたって前記電池セルの長手方向に延長設置される、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
前記ガスベンティングチャネルは、
前記ベンティングプレートの長手方向に延長される長手方向チャネルと、
前記長手方向チャネルと連通され、前記ベンティングプレートの外部に開口される幅方向チャネルと、
を含み、
前記幅方向チャネルは、前記長手方向単位セルに含まれた電池セルの両端の電極リードと電極リードとの間の中間地点に対応される位置に形成される、請求項5に記載のバッテリーモジュール。
【請求項7】
前記ベンティングプレートは、前記長手方向単位セルに含まれた電池セルの電極リードとつながるガスポケット部に対応される位置に前記長手方向チャネルと連通するベンティング用貫通孔を備えた、請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記ベンティングプレートは、前記電池セルの長手方向に延長される本体部と、前記長手方向単位セルの長手方向に対向する電池セルの電極リードとの間に対応する位置で前記本体部に垂直に設置される熱伝播防止板を含む、請求項5に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記ベンティングプレートの本体部の前端および後端と、前記熱伝播防止板に前記電池セルの電極リードが通過および支持されるリード結合用貫通孔が形成される、請求項8に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
前記ターミナルバスバーは、前記長手方向単位セルの長手方向に対向する電池セルの電極リードに結合される、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項11】
前記ターミナルバスバーと結合されない列の長手方向単位セルの長手方向に互いに対向する電池セルは、電極リード同士が溶接されて連結され、
長手方向前端および後端の隣接する列の長手方向単位セルに含まれた電池セルの電極リードは、電池セルの厚さ方向に折曲されて互いに溶接結合される、請求項5に記載のバッテリーモジュール。
【請求項12】
前記電池セルの長手方向を基準にして前記ベンティングプレートの両側にそれぞれ同じ個数の列の長手方向単位セルが配置され、
前記ベンティングプレートは、前記モジュールケースの前端と後端とにわたって前記電池セルの長手方向に延長設置される、請求項10に記載のバッテリーモジュール。
【請求項13】
前記ガスベンティングチャネルは、
前記ベンティングプレートの長手方向に延長される長手方向チャネルと、
前記長手方向チャネルと連通され、前記ベンティングプレートの外部に開口される幅方向チャネルと、
を含み、
前記幅方向チャネルは、前記長手方向単位セルに含まれた電池セルの両端の電極リードと電極リードとの間の中間地点に対応される位置に形成される、請求項12に記載のバッテリーモジュール。
【請求項14】
前記ベンティングプレートは、前記長手方向単位セルに含まれた電池セルの電極リードとつながるガスポケット部に対応される位置に前記長手方向チャネルと連通するベンティング用貫通孔を備えた、請求項13に記載のバッテリーモジュール。
【請求項15】
前記ベンティングプレートは、前記電池セルの長手方向に延長される本体部と、前記長手方向単位セルの長手方向に対向する電池セルの電極リードとの間に対応する位置で前記本体部に垂直に設置される熱伝播防止板を含む、請求項12に記載のバッテリーモジュール。
【請求項16】
前記ベンティングプレートの本体部の前端および後端と、前記熱伝播防止板に前記電池セルの電極リードが通過および支持されるリード結合用貫通孔が形成される、請求項15に記載のバッテリーモジュール。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを、前記電池セルの長手方向および厚さ方向のうち少なくとも1つの方向に複数個を積層して形成されるバッテリーモジュール積層体を含むバッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバッテリーモジュールに関するものである。
【0002】
より詳細には、拡張性があるように構成したバッテリーモジュールにおいて、バッテリーモジュール内に含まれた電池セル組立体の電気連結構造を簡素化し、モジュール内のガスを排出し得るバッテリーモジュールに関するものである。
【0003】
また、本発明は、上記バッテリーモジュールを含むバッテリーパックに関するものである。
【0004】
本出願は、2021年11月12日付の韓国特許出願第10-2021-0155941号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【背景技術】
【0005】
近年、充放電が可能な二次電池は、ワイヤレスモバイル機器のエネルギー源として広く使用されている。また、二次電池は、化石燃料を使用する既存のガソリン車、ディーゼル車などに起因する大気汚染などを解決するための対策として提示されている電気自動車、ハイブリッド電気自動車などのエネルギー源としても注目されている。したがって、二次電池を使用するアプリケーションの種類は二次電池の長所により非常に多様化しており、今後は今より多くの分野と製品に二次電池が適用されると予想される。
【0006】
また、エネルギー貯蔵装置(ESS)および電気自動車などの動力源として、電気的に直列または並列に連結された多数の二次電池を内部に収容したバッテリーモジュールおよび上記バッテリーモジュールで構成されたバッテリーパックに対する需要が増加している。
【0007】
このようなバッテリーモジュールやバッテリーパックは、複数の二次電池を外部衝撃から保護したり収納保管したりするために、金属材質の外部ハウジングを備えている。
【0008】
図1は従来の一般的なバッテリーモジュール1の部分斜視図である。図示されたように、上記バッテリーモジュール1は内部に数十個の電池セルが積層されてからなる電池セル組立体が1つのモジュールケース2内に収容されている。また、電池セル組立体の電池セルを電気的に連結するために複数個のインターバスバー3をモジュールの前端に設置している。
【0009】
このような従来のバッテリーモジュールは次のような問題点を有している。
【0010】
第1に、単一の電池セルをその厚さ方向にのみ積層しているので、電池セル配置の空間活用度および設計自由度が低い。そのため、このような形態のモジュールを束ねてバッテリーパックを構成することには限界があった。すなわち、自動車などの制限された空間または多様な形態の空間に符合するように、バッテリーモジュールまたはバッテリーパックを構成することが容易ではなかった。また、1つのモジュールに数十個程度の多数の電池セルを積層しているので、1つの電池セルに発火が発生したときに、他の電池セルに火炎が伝播されやすく、モジュールが短時間で全焼する危険性がある。
【0011】
第2に、モジュールケース2の前端にバスバーフレームを設置し、上記バスバーフレームに各電池セルと連結されるインターバスバー3を設置する構造であるので、上記バスバーを設置する空間を提供するために上記バスバーフレームの形状を複雑に成形するしかなかった。また、電池セルの数に応じて必要なインターバスバー3の数も増加し、原価上昇の要因となった。
【0012】
第3に、モジュール単位でガスを安全に外部へ排出するための経路が存在しないので、内部ベンティング現象が発生した場合には、モジュール内部の温度上昇をもたらし、火災および爆発の危険性が大きい。
【0013】
したがって、バッテリーモジュールおよびバッテリーパックの設計自由度を高めることができるのみならず、電池セルの結合構造を簡素化しながらもモジュール内部のガスを効率的に排出して火炎伝播を阻止し得るバッテリーモジュール関連技術の開発が要望される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】韓国登録特許第10-2259416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記のような問題点を解決するために作られたものであって、電池セルを厚さ方向の他にも長手方向に連結してバッテリーモジュールおよびバッテリーパックの空間活用を向上させた拡張性バッテリーモジュールを提供することを目的とする。
【0016】
また、電池セルの電気的連結時にインターバスバーがなくても簡易に電池セルを連結して組立工程および製造コストを低減し得る構造のバッテリーモジュールを提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は、拡張性バッテリーモジュールにおいて、内部発生ガスを効率的に排出し得るガスベンティング構造を有するバッテリーモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するための本発明に係るバッテリーモジュールは、長手方向両端に電極リードが形成された電池セルが長手方向に2個以上一列に配列されて長手方向単位セルを形成し、上記長手方向単位セルが上記電池セルの厚さ方向に2列以上積層されてからなる電池セル組立体と、上記電池セル組立体に含まれた電池セルに結合されるターミナルバスバーと、上記長手方向単位セルの列の間に設置され、内部にガスベンティングチャネルが形成されたベンティングプレートと、上記電池セル組立体および上記ベンティングプレートが収容されるモジュールケースと、を含む。そして、上記電池セル組立体の電池セルのうち、ターミナルバスバーと結合される電池セルを除いた隣接する電池セルは、電極リード同士が直接連結され、上記モジュールケースに上記ガスベンティングチャネルと連通するベンティングホールが形成されることを特徴とする。
【0019】
一例として、上記ターミナルバスバーは、上記電池セル組立体の長手方向前端または後端に位置した電池セルの電極リードに結合され得る。
【0020】
具体的には、上記長手方向単位セルの長手方向に互いに対向する電池セルの電極リード同士が溶接されて連結され、上記電池セル組立体のうち、ターミナルバスバーが結合されない長手方向前端または後端の隣接する列の長手方向単位セルに含まれた電池セルの電極リードは、電池セルの厚さ方向に折曲されて互いに溶接結合され得る。
【0021】
具体例として、上記モジュールケースは、上記電池セル組立体の前端および後端を覆う前端板および後端板を含み、上記ターミナルバスバーは、上記前端板または後端板に結合され得る。
【0022】
他の例として、上記ターミナルバスバーは、上記長手方向単位セルの長手方向に対向する電池セルの電極リードに結合され得る。
【0023】
具体的には、上記ターミナルバスバーと結合されない列の長手方向単位セルの長手方向に互いに対向する電池セルは、電極リード同士が溶接されて連結され、長手方向前端および後端の隣接する列の長手方向単位セルに含まれた電池セルの電極リードは、電池セルの厚さ方向に折曲されて互いに溶接結合され得る。
【0024】
一例として、上記電池セルの長手方向を基準にして上記ベンティングプレートの両側にそれぞれ同じ個数の列の長手方向単位セルが配置され、上記ベンティングプレートは、上記モジュールケースの前端と後端にわたって上記電池セルの長手方向に延長設置され得る。
【0025】
具体例として、上記ガスベンティングチャネルは、上記ベンティングプレートの長手方向に延長される長手方向チャネルと、上記長手方向チャネルと連通され、ベンティングプレートの外部に開口される幅方向チャネルと、を含み、上記幅方向チャネルは、上記長手方向単位セルに含まれた電池セルの両端の電極リードと電極リードとの間の中間地点に対応される位置に形成され得る。
【0026】
また、上記ベンティングプレートは、上記長手方向単位セルに含まれた電池セルの電極リードとつながるガスポケット部に対応される位置に上記長手方向チャネルと連通するベンティング用貫通孔を備え得る。
【0027】
一例として、上記ベンティングプレートは、電池セルの長手方向に延長される本体部と、上記長手方向単位セルの長手方向に対向する電池セルの電極リードとの間に対応する位置で上記本体部に垂直に設置される熱伝播防止板を含み得る。
【0028】
具体的には、上記ベンティングプレートの本体部の前端および後端と、上記熱伝播防止板に上記電池セルの電極リードが通過および支持されるリード結合用貫通孔が形成され得る。
【0029】
本発明の他の側面としてのバッテリーパックは、上記バッテリーモジュールを、上記電池セルの長手方向および厚さ方向のうち少なくとも1つの方向に複数個を積層して形成されるバッテリーモジュール積層体を含み得る。
【発明の効果】
【0030】
本発明によると、電池セルを厚さ方向の他にも長手方向に連結してバッテリーモジュールおよびバッテリーパックの空間活用を向上させた拡張性バッテリーモジュールを得ることができる。
【0031】
また、本発明は、このような拡張性バッテリーモジュールに好適な簡易な電池セルの電気連結構造を実現することができる。
【0032】
また、本発明は、拡張性バッテリーモジュールにおいて、内部発生ガスを効率的に排出し得るガスベンティング構造を具現してバッテリーモジュールの安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】従来の一般的なバッテリーモジュールの部分斜視図である。
図2】本発明の一実施形態のバッテリーモジュールの分解斜視図である。
図3図2のバッテリーモジュールの構成要素である電池セル組立体の結合関係を示した斜視図および平面図である。
図4図2のバッテリーモジュールに含まれるベンティングプレートの構造を示す斜視図および正面図である。
図5図2の実施形態のバッテリーモジュールの電池セル組立体の具体的な結合関係を示す斜視図である。
図6図2のバッテリーモジュールが組み立てられた外観を示す斜視図である。
図7】本発明の他の実施形態のバッテリーモジュールの分解斜視図である。
図8図7のバッテリーモジュールの構成要素である電池セル組立体の結合関係を示した平面図である。
図9図7のバッテリーモジュールに含まれるベンティングプレートの構造を示す斜視図および正面図である。
図10図7の実施形態の長手方向単位セルの長手方向に対向する電池セル間の具体的な結合関係を示す斜視図である。
図11図7の実施形態の長手方向単位セルの端部に位置した電池セル間の具体的な結合関係を示す斜視図である。
図12図7のバッテリーモジュールが組み立てられた外観を示す斜視図である。
図13】本発明のバッテリーモジュールで構成されたバッテリー積層体を含むバッテリーパックの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
〔符号の説明〕
10:電池セル
11、12:電極リード
100:電池セル組立体
110:長手方向単位セル
200、200’:ターミナルバスバー(第1実施形態)
210、210’:ターミナルバスバー(第2実施形態)
220、220’:ターミナルバスバー支持ブロック
300:ベンティングプレート
310:本体部
311:ガスベンティングチャネル
311a:長手方向チャネル
311b:幅方向チャネル
W:隔壁
O:チャネル出口
E:チャネル入口
312:ベンティング用貫通孔
313:リード結合用貫通孔
320:熱伝播防止板
321:リード結合用貫通孔
400:モジュールケース
410:C字型ウォール
411:ベンティングホール
420:I字型ウォール
430、430’:前端板
440、440’:後端板
1000、1000’:バッテリーモジュール
1100:バッテリーモジュール積層体
2000:バッテリーパック
2100:バッテリーパックケース
【0035】
以下、本発明について詳細に説明する。その前に、本明細書および特許請求の範囲に使用される用語や単語は、通常的または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者が彼自身の発明を最善の方法により説明するために用語の概念を適切に定義し得るという原則に基づいて、本発明の技術的な思想に合致する意味と概念として解釈されるべきである。
【0036】
本発明の明細書全体で使用される「含む」や「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものとして理解されるべきである。
【0037】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする場合、これは他の部分の「真上に」ある場合のみならず、その中間に別の部分がある場合も含む。逆に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下に」あるとする場合、それは他の部分の「真下に」ある場合のみならず、その中間に別の部分がある場合も含む。また、本発明の明細書において「上に」配置されるということは、上部のみならず下部に配置される場合も含むものであり得る。
【0038】
本発明に係るバッテリーモジュールは、長手方向両端に電極リードが形成された電池セルが長手方向に2個以上一列に配列されて長手方向単位セルを形成し、上記長手方向単位セルが上記電池セルの厚さ方向に2列以上積層されてからなる電池セル組立体と、上記電池セル組立体に含まれた電池セルに結合されるターミナルバスバーと、上記長手方向単位セルの列の間に設置され、内部にガスベンティングチャネルが形成されたベンティングプレートと、上記電池セル組立体および上記ベンティングプレートが収容されるモジュールケースと、を含む。そして、上記電池セル組立体の電池セルのうち、ターミナルバスバーと結合される電池セルを除いた隣接する電池セルは、電極リード同士が直接連結され、上記モジュールケースに上記ガスベンティングチャネルと連通するベンティングホールが形成されることを特徴とする。
【0039】
本発明のバッテリーモジュールに含まれるターミナルバスバーの設置位置に応じて、次の実施形態に区分することができる。
【0040】
(第1実施形態)
図2は、本発明の一実施形態のバッテリーモジュールの分解斜視図であり、図3は、図2のバッテリーモジュールの構成要素である電池セル組立体の結合関係を示した斜視図および平面図であり、図4は、図2のバッテリーモジュールに含まれるベンティングプレートの構造を示す斜視図および正面図である。
【0041】
図2に図示されたように、本発明は、長手方向単位セル110を含む電池セル組立体100と、上記電池セル組立体100が収容されるモジュールケース400と、を含む。図2では、両端に電極リード11、12が形成され、長手方向に長く延長された通常のパウチ型電池セル10を基準にして、X方向が電池セル10またはモジュールケース400の長手方向、Y方向が電池セル10またはモジュールケース400の厚さ方向(電池セルの積層方向)、Z方向を上下方向とする。
【0042】
本発明の電池セル10は、長手方向両端に電極リード11、12が形成された電池セル(いわゆる両方向電池セル(両方向パウチセル))を対象とする。このような構成によると、1つの電池セル10において両端に正極リード11と負極リード12がそれぞれ導出形成されるため、電極リード間の干渉がなくなって電極リードの面積を広げることができ、電極リードとバスバーの結合作業などをより容易に行い得る。
【0043】
本発明の電池セル組立体100は、このような両方向電池セル10を長手方向に2個以上一列に配列し、長手方向に対向する電池セル10の電極リード11、12同士を電気的に連結した電池セルの束を長手方向単位セル110として含む。図2および図3では、長手方向に電池セル10を2個連結して長手方向単位セル110としたが、2個以上で電池セルを長手方向に連結することもできる。バッテリーモジュールケース400あるいはバッテリーモジュール1000が設置されるバッテリーパックの空間が許容される限り、上記長手方向に連結される電池セル10の個数は、原則的に限定されない。ただし、実際的に自動車などに設置し得るバッテリーモジュール1000やバッテリーパックの空間には限界があるため、約2~4個程度の電池セル10を長手方向に連結することが好ましい。また、連結される電池セル10のサイズ(長さ)に応じて、長手方向に連結される電池セル10の個数は変動され得る。上述したように、本明細書において、長手方向両端に電極リード11、12が形成された2個以上の電池セル10が一列に配列されて形成する電池セル10の結合体を長手方向単位セル110と称する。
【0044】
本発明のバッテリーモジュール1000に含まれる電池セル組立体100は、上記長手方向単位セル110を電池セル10の厚さ方向(Y方向)に再び2列以上積層してからなる。長手方向単位セル110が積層される列の個数も、バッテリーモジュール1000およびバッテリーパックの許容空間、電池セル10のサイズなどに左右される。また、上記電池セル10の長手方向の個数、列の個数は、必要とする電気デバイスの所要容量などを考慮して決定され得る。このように、本発明は、モジュールケース400内に収容される電池セル組立体100の電池セルの長手方向の個数および列の個数を調整し得るため、設計自由度が向上される。また、上記電池セル組立体100を従来のように、数十個で積層せずに例えば長手方向に2~4個程度、電池セルの厚さ方向に2~6列程度積層すると、電池セル組立体100をよりコンパクトに構成し得る。また、このような少数の電池セル10で構成された電池セル組立体100をそれぞれ別個のモジュールケース400に収容し、このようなモジュールケース400を含むバッテリーモジュール1000を電池セル10の長手方向または厚さ方向に、まるでレゴブロックのように積層すれば、バッテリーモジュール1000が設置される空間あるいはバッテリーパックの設置空間を考慮して自由にバッテリーパックを構成し得る。例えば、上記バッテリーモジュール1000を長手方向に積層すると、上記長手方向単位セル110の電池セルを長手方向にさらに長く連結しなくても同一の効果を達成し得る。これにより、個別のバッテリーモジュール(単位モジュール)をよりコンパクトに構成し得る。また、バッテリーモジュール1000を電池セルの厚さ方向に必要な個数ほど積層することにより、設計自由度を向上させ得る。図1のように、1つのモジュールケース2に数十個の電池セルが積層される構造では、望む通りにバッテリーパックを構成することが困難である。すなわち、バッテリーパックを構成するバッテリーモジュールに含まれた電池セルの最小単位が異なるため、従来のバッテリーモジュール1はその分の設計自由度が低下するしかない。
【0045】
また、例えばバッテリーモジュール内に含まれた一部の電池セルに発火が発生した場合に、図1のバッテリーモジュール1は隣接する電池セルに火炎が伝播されやすい。しかしながら、図2のバッテリーモジュール1000または後述する図13に開示されたバッテリーパック2000の構造は、少ない個数の電池セル組立体100がそれぞれ別個にバッテリーモジュール1000に収容されているため、1つのバッテリーモジュール1000内の電池セル10で発火が発生しても、他のバッテリーモジュール1000に発火が伝播されにくい。
【0046】
以上から、本発明の電池セル組立体100は、長手方向および電池セルの厚さ方向に連結され、特定個数の電池セル10からなる電池セル組立体100がそれぞれのモジュールケース400に収容される形態である。したがって、このような電池セル組立体100を含むバッテリーモジュール1000の積層(設計)方式に応じて、いくらでも多様な形態のバッテリーパックを製造し得るため、本発明のバッテリーモジュール1000は拡張性モジュールと称し得る。
【0047】
図2および図3に図示された本発明の電池セル組立体100は、電池セル10が長手方向に2個連結され、上記長手方向単位セル110が2列に積層され、いわゆる1P4Sの連結構造として合計4個の電池セル10で電池セル組立体100が構成されている。
【0048】
しかしながら、長手方向に2個連結される長手方向単位セルの列の個数を異なるようにして、偶数列の4列積層(2P4S)、6列積層(3P4S)、8列積層(4P4S)などの電池セル組立体も可能である。また、長手方向に2個ではなく3個を連結する構造(1P6S、2P6S、3P6S、、、、)、4個連結する構造(1P8S、2P8S、3P8S、、、、)の他それ以上連結する構造も可能である。要するに、上述したバッテリーモジュールおよびバッテリーパックの設計要請に応じて、長手方向単位セルと電池セル組立体の積層構造を多様かつ拡張性があるように変更させ得るということが本発明の長所である。
【0049】
図示されないが、上記長手方向単位セル110の列の間には断熱板や絶縁シートなどを設置し得る。本発明の一実施形態では、上記長手方向単位セル110の列の間に断熱板の代わりにベンティングプレート300を設置している。
【0050】
本発明のバッテリーモジュール1000は、上記電池セル組立体100に含まれた電池セル10に結合されるターミナルバスバー200、200’を含む。ターミナルバスバー200、200’は、隣接する他のバッテリーモジュール1000または外部デバイスと接続し得る端子である。本実施形態は、上記ターミナルバスバー200、200’が電池セル組立体100の長手方向前端または後端に位置した電池セル100の電極リード11、12に結合される。
【0051】
図2を参照すると、本実施形態において、上記ターミナルバスバー200、200’は、電池セル組立体100の前端を覆う前端板430に結合されている。選択的に上記ターミナルバスバー200、200’を電池セル組立体100の後端側にも設置し得、この場合には、上記電池セル組立体100の後端を覆う後端板440に上記ターミナルバスバー200、200’が結合され得る。図2では、上記前端板430のターミナルバスバー200、200’は極性に応じて2つが備えられ、上記前端板430の裏面側で、長手方向単位セル110の前端に位置した電池セル10の電極リード11、12と結合される。
【0052】
本発明の電池セル組立体100の電池セル10のうち、ターミナルバスバー200、200’と結合される電池セルを除いた隣接する電池セルは、電極リード同士が直接連結されることを特徴とする。すなわち、従来の電池セルの電極リードを連結するときに使用されるインターバスバーなしで直接電極リード同士を連結することにより、電池セルの電気接続構造を大幅に簡素化している。電極リード11、12の連結は、例えばレーザー溶接、スポット溶接などの溶接によって行い得る。
【0053】
図3は、図示の便宜のために、後述するベンティングプレート300の図示を省略し、本実施形態の電池セル組立体100の電池セル10の電気的接続関係を概略的に示した図面である。
【0054】
図3の斜視図および平面図に示されたように、長手方向単位セル110の互いに対向する電池セル10の電極リード同士11、12が直接溶接されて結合される。また、上記電池セル組立体100のうち、ターミナルバスバー200、200’が結合されない長手方向前端または後端の隣接する列の長手方向単位セル110に含まれた電池セルの電極リード11、12は、電池セルの厚さ方向に折曲されて互いに溶接結合され得る。図3では、ターミナルバスバー200、200’が長手方向単位セル110の前端に結合されるため、長手方向単位セル110の後端の隣接する電池セルの電極リード11、12が互いに向かって折曲されて結合されたことが図示されている。ターミナルバスバー200、200’に結合される電池セルの電極リード11、12が互いに電気的に連結されるとショートが発生するため、ターミナルバスバー200、200’には隣接する長手方向単位セル110の電極リードが、それぞれ前端板430に設置された2つのターミナルバスバー200、200’に結合される。ターミナルバスバー200、200’は極性に応じて2つが備えられる。
【0055】
本発明のバッテリーモジュール1000はまた、上記長手方向単位セル110の列の間に配置され、内部にガスベンティングチャネルが形成されたベンティングプレート300を含む。
【0056】
図2および図4、特に図4には、そのようなベンティングプレート300の一実施形態が図示されている。
【0057】
上記ベンティングプレート300は、長手方向単位セル110の列の間に配置され、電池セルの内部に過熱などによる火炎発生時に電池セルの厚さ方向への熱および火炎の伝播を防止し得る。好ましくは、電池セル10の長手方向を基準にして上記ベンティングプレート300の両側にそれぞれ同じ個数の長手方向単位セル110が配置されることが良い。本実施形態では、ベンティングプレート300を基準として左右に1個ずつの長手方向単位セル110が配置されている。上記ベンティングプレート300は、できるだけ電池セルの面積をすべて覆い得るように、電池セル10より大きいサイズを有することが良い。すなわち、ベンティングプレート300の幅は、電池セルの幅をすべて覆い得る程度であることが良い。ベンティングプレート300の長さは長手方向単位セル110をすべて覆い得る程度で、モジュールケース400の前端と後端にわたって電池セルの長手方向に長く延長され得る。
【0058】
特に、上記ベンティングプレート300は、内部にガスおよび火炎を排出し得るガスベンティングチャネル311が形成された中空型構造を有する。
【0059】
バッテリーモジュール1000内部のガスは、ほとんどが電池セル10の電極リード付近、パウチセルを基準にしたときに、電極リード11と電池セル本体部との間のテラス部であるガスポケット付近で発生する。したがって、上記ベンティングチャネル311は、上記ガスポケット部に該当するベンティングプレート300の位置にバッテリーモジュール1000の内部と連通するガス流入口E(ベンティング用貫通孔312またはそれと連通する開口)を備えることが好ましい。図4を参照すると、上記ベンティングプレート300には、電池セル組立体100に含まれた電池セルのガスポケット部に対応される位置に合計4つのベンティング用貫通孔312を備えており、このベンチャング用貫通孔312と上記ガスベンティングチャネル311とが連通される。
【0060】
また、上記ガスベンティングチャネル311は、上記ガスおよび火炎を排出し得る出口Oを有する。上記ガスポケット部に該当するガス流入口Eから流入されるガスおよび火炎は高温であるため、ベンティングチャネルの出口Oはそこから遠く離れてガスなどの温度を下げて外部へ排出する必要がある。このために、本発明のガスベンティングチャネル311は、上記ガス流入口Eから出口Oまで長く延長される流路を有する。
【0061】
具体的には、上記ガスベンティングチャネル311は、ベンティングプレート300の長手方向に延長される長手方向チャネル311aと、上記長手方向チャネル311aと連通され、ベンティングプレート300の外部に開口される幅方向チャネル311bとを含み得る。このとき、上記幅方向チャネル311bは、ベンティングプレート300に電池セル組立体が結合されるときに、長手方向単位セル110に含まれた電池セルの両端の電極リードと電極リードとの間の中間地点に対応される位置に形成されることが好ましい。これにより、図4に図示されたように、電池セル端部の電極リード11、12付近のガスポケット部からのガスが長手方向チャネル311aを介して上記中間地点に対応される位置に移動し、その位置から幅方向チャネル311bを介してガスおよび火炎を容易に排出し得る。
【0062】
上記ガスベンティングチャネル、特に長手方向チャネル311aは、ベンティングプレート300の長手方向に沿って複数個が形成され得る。図4の正面図を参照すると、ベンティングプレート300の長手方向チャネル311aは隔壁Wによって区分されて5つが形成されている。このような複数個の長手方向チャネル311aを通過したガスは、幅方向チャネル311bで合流してベンティングプレート300の幅方向上部および下部のうち少なくとも1つに向かって外部へ排出され得る。
【0063】
一方、本実施形態の上記ベンティングプレート300は、電池セルの長手方向に延長される本体部310の他に、上記本体部310に垂直に設置される熱伝播防止板320を備える。上記熱伝播防止板320は、長手方向単位セル110の長手方向に対向する電池セル10の電極リード11、12の間に対応する位置に設置される。したがって、上記熱伝播防止板320により、長手方向単位セル110の長手方向に配列された電池セル10間の熱伝播を遮断し得る。
【0064】
図3に図示されたように、上記電池セル組立体100の電池セルのうち、ターミナルバスバーと結合されない隣接する電池セルは、電極リード同士11、12が直接連結される。ベンティングプレート300は、そのような電極リードと結合されるか、または上記結合される電極リード部を支持するための別途の貫通孔を含む。本実施形態では、上記ベンティングプレート300を中心に2個の列の長手方向単位セル110が備えられるため、長手方向に互いに対向する電池セルの電極リード11、12が通過して溶接結合されるように、上記熱伝播防止板320の左右にリード結合用貫通孔321が形成されている。また、長手方向単位セル110の前端または後端の電池セル10の電極リード11、12が折曲されて溶接結合される空間を設けるために、ベンティングプレート300の前端および後端に、上記電池セルの電極リードが通過し得るリード結合用貫通孔313が形成されている。上記リード結合用貫通孔313のサイズは、電極リード間の結合が容易なサイズまたは結合された電極リードを支持し得る程度のサイズなど、目的に応じて多様に変更し得る。
【0065】
本発明はまた、上記電池セル組立体100およびベンティングプレート300が収容されるモジュールケース400を含む。
【0066】
すなわち、図2に図示されたように、本発明は、上記電池セル組立体100を包んで収容するモジュールケース400を含む。モジュールケース400は、本発明特有の電池セル組立体を収容し得るように長手方向に長く延長された直六面体の構造を有する。図2では、上記モジュールケース400が、C字型ウォール(wall)410とI字型ウォール(wall)420との結合からなるが、これに限定されるものではない。例えば、左右または上下に配置される2つのC字型ウォールが結合される形態も可能であり、上下左右のケースがそれぞれ分離されて溶接、フッキング結合、締結部材で結合される形態も可能である。
【0067】
また、本発明のモジュールケース400は、前端板430と後端板440とを備える。上記前端板430、後端板440は、C字型ウォール410-I字型ウォール420の結合体にそれぞれ結合され、モジュールの前方と後方を閉鎖する。上述したように、上記前端板430または後端板440にターミナルバスバー200、200’を結合し、このターミナルバスバー200、200’に長手方向単位セル110の前端または後端に位置した電池セルの電極リード11、12を接続させ得る。
【0068】
上記モジュールケース400は、上記ベンティングプレート300のガスベンティングチャネル311と連通する位置にベンティングホール411を備える点が特徴である。例えば、図4のベンティングプレート300がガスベンティングチャネル311の部分である幅方向チャネル311bの出口Oとつながる位置のモジュールケース400の上部面または下部面に上記ベンティングホール411を形成し得る。上記ガスベンティングチャネル311およびモジュールケース400のベンティングホール411を介してバッテリーモジュール内のガスおよび火炎を迅速に排出させ得るため、拡張性があるバッテリーモジュールの安全性を一層向上させることができる。
【0069】
図5は、図2の実施形態のバッテリーモジュールの電池セル組立体の具体的な結合関係を示す斜視図であり、図6は、図2のバッテリーモジュールが組み立てられた外観を示す斜視図である。
【0070】
具体的には、図5は、モジュールケース400が組み立てられない状態でベンティングプレート300と関連された電池セル組立体100の電気接続構造を具体的に示した斜視図である。
【0071】
図5の(a)は、長手方向単位セル110の中間に該当する長手方向に対向する電池セル10の電極リード間結合を図示したものであって、ベンティングプレート300の熱伝播防止板320に形成されたリード結合用貫通孔321を介して両側の電池セルの電極リード11、12が溶接結合されることが図示されている。
【0072】
図5の(b)は、隣接する列の長手方向単位セル110の端部に位置した電池セルの電極リード間結合を図示したものであって、ベンティングプレート300の前端に位置したリード結合用貫通孔313を介して電池セルの電極リードが溶接結合されることを示している。特に、図5の(b)では、上記リード結合用貫通孔313の後方のベンティングプレート300にベンティング用貫通孔312(長孔)が示されており、このベンティング用貫通孔312とガスベンティングチャネル、具体的には長手方向チャネル311aが流入口Eを介して連通されることも示されている。
【0073】
図6は、上記電池セル組立体100、ベンティングプレート300がモジュールケース400内に収容されて組み立てられた状態を示し、モジュールケース400の前端にターミナルバスバー200、200’が付着された前端板430が結合されたことが示されている。図示されたように、上記モジュールケース400の上部面の所定の位置に、モジュール内のベンティングプレート300のガスベンティングチャネル311と連通されるベンティングホール411が形成されている。
【0074】
(第2実施形態)
図7は、本発明の他の実施形態のバッテリーモジュール1000’の分解斜視図であり、図8は、図7のバッテリーモジュールの構成要素である電池セル組立体100の結合関係を示した平面図であり、図9は、図7のバッテリーモジュール1000’に含まれるベンティングプレート300の構造を示す斜視図および正面図である。
【0075】
本実施形態は、第1実施形態と異なり、ターミナルバスバーが電池セル組立体100の長手方向端部に位置するのではなく、長手方向単位セル110の長手方向に対向する電池セルの電極リード11、12に結合される点が異なる。
【0076】
また、第1実施形態と異なり、電池セル組立体100の構造も、4個の長手方向単位セル110列が積層された2P4Sの構造である。ただし、第2実施形態においてもターミナルバスバーの位置が異なることを除いては、第1実施形態と同一の1P4Sの電池セル組立体を適用し得る。同様に、上記第1実施形態において、2P4S構造の電池セル組立体を適用し得る。その他に、上記第1、2実施形態において、電池セルの長手方向、厚さ方向に延長される多様な異なる構造の電池セル組立体を適用し得ることは上述した通りである。
【0077】
本実施形態のバッテリーモジュール1000’は、上記電池セル組立体100に含まれた電池セルに結合されるターミナルバスバー210、210’を含む。本実施形態では、上記ターミナルバスバー210、210’は、電池セル組立体において長手方向単位セル110の長手方向に対向する電池セルの電極リード11、12に結合される。
【0078】
図8は、図示の便宜のためにベンティングプレート300を図示せず、電池セル組立体100の電気接続構造のみを図示したものである。
【0079】
図8では、4列の長手方向単位セル110において、上部2列の長手方向に対向する電池セルの電極リード11、12は互いに結合されず、それぞれ異なる極性のターミナルバスバー210、210’に結合される(図10参照)。ただし、上部2列の電池セルの厚さ方向に隣接する電池セルの電極リード11、11、12、12は互いに結合され得、この結合された電極リードがターミナルバスバー210、210’に共に結合されることができる。一方、ターミナルバスバー210、210’と結合されない下部2列の長手方向単位セル110において、長手方向に互いに対向する電池セルの電極リード11、12は互いに結合される。具体的には、下部2列の長手方向単位セル110において、電池セルの厚さ方向に隣接する電池セルの電極リード同士11、11、12、12がそれぞれ結合された後に、長手方向に互いに対向する下部2列の他の電池セルの電極リード12、12、11、11に結合され得る。
【0080】
一方、長手方向前端および後端の隣接する列の長手方向単位セル110に含まれた電池セルの電極リード11、12は、電池セルの厚さ方向に折曲されて互いに溶接結合される。
【0081】
本実施形態のバッテリーモジュール1000’も、上記長手方向単位セル110の列の間に配置され、内部にガスベンティングチャネル311が形成されたベンティングプレート300を含む。
【0082】
図7を参照すると、上記ベンティングプレート300の両側にそれぞれ同じ個数の列(2列)の長手方向単位セル110が配置されている。
【0083】
図9には、上記ベンティングプレート300の一実施形態が図示されている。本実施形態のベンティングプレート300の構造は、第1実施形態のベンティングプレート300の構造とほぼ同じである。すなわち、長手方向チャネル311aと幅方向チャネル311bとからなるガスベンティングチャネル311が上記ベンティングプレート300の内部に形成される。
【0084】
また、電池セルのガスポケット部に対応される位置にガスベンティングチャネル311(長手方向チャネル)と連通されるベンティング用貫通孔312が形成され、その前方部分に電極リード結合用貫通孔313が形成される点も同じである。そして、電池セルの長手方向に延長される本体部310の他に、上記本体部に垂直に設置される熱伝播防止板320を備える点も同じである。第1実施形態では、ターミナルバスバーが長手方向単位セル110の端部に設置され、長手方向単位セル110の長手方向に対向する電池セルの間には設置されなかった。したがって、上記熱伝播防止板320の左側と右側のいずれにも、上記長手方向に対向する電池セルの電極リードが結合され得るリード結合用貫通孔321を備えた(図4参照)。しかしながら、本実施形態では、ベンティングプレート300を中心に一側にはターミナルバスバー210、210’が設置され、このターミナルバスバー210、210’に長手方向に対向する電池セルの電極リード11、12がそれぞれ結合されるが、上記長手方向に対向する電池セルの電極リード11、12同士は互いに結合されない。したがって、熱伝播防止板320の一側部にはリード結合用貫通孔321が形成されず、他側部にのみ1つのリード結合用貫通孔321が形成される。このリード結合用貫通孔321を介してベンティングプレート300の他側部に位置した長手方向に対向する電池セルの電極リード11、12が互いに結合され得る。
【0085】
図7に図示されたように、本実施形態もまた、上記電池セル組立体100およびベンティングプレート300が収容されるモジュールケース400を含む。本発明のモジュールケース400は、前端板430’と後端板440’とを備える。上記前端板430’、後端板440’は、C字型ウォール410-I字型ウォール420の結合体にそれぞれ結合され、モジュールの前方と後方を閉鎖する。本実施形態の前端板430’または後端板440’にはターミナルバスバーが結合されない。
【0086】
上記モジュールケース400は、上記ベンティングプレート300のガスベンティングチャネル311と連通する位置にベンティングホール411を備える。例えば、図9のベンティングプレート300において、ガスベンティングチャネル311の部分である幅方向チャネル311bの出口Oとつながる位置のモジュールケース400の上部面または下部面に上記ベンティングホール411を形成し得る。本実施形態のバッテリーモジュール1000’も、上記ガスベンティングチャネル311およびモジュールケース400のベンティングホール411を介してバッテリーモジュール内のガスおよび火炎を迅速に排出させ得るため、拡張性があるバッテリーモジュールの安全性を一層向上させることができる。
【0087】
図10は、図7の実施形態の長手方向単位セル110の長手方向に対向する電池セル間の具体的な結合関係を示す斜視図であり、図11は、図7の実施形態の長手方向単位セル110の端部に位置した電池セル間の具体的な結合関係を示す斜視図である。
【0088】
具体的には、図10および図11は、モジュールケース400が組み立てられない状態でベンティングプレート300と関連された電池セル組立体100の電気接続構造を具体的に示した斜視図である。
【0089】
図10の(a)は、長手方向単位セル110の中間に該当する長手方向に対向する電池セル10の電極リード間結合を図示したものである。上記ベンティングプレート300の一側(前方側)には、熱伝播防止板320の左右部分に位置したベンティングプレート300の本体部310に上記ターミナルバスバー210、210’が結合され、上記ターミナルバスバー210、210’には、前方2列の電池セルの電極リード11、12がそれぞれ結合される。ターミナルバスバー210、210’を上記ベンティングプレート300に結合しやすくするように、上記ベンティングプレートにターミナルバスバー支持ブロック220、220’を設置し、上記支持ブロック220、220’にターミナルバスバーを嵌めて結合し得る(図10の(a)参照)。
【0090】
しかしながら、上記前方2列の電池セルにおいて、長手方向に対向する電池セルの電極リード11、12同士は互いに結合されない。
【0091】
図10の(b)は、上記ベンティングプレート300の他側(後方側)を示したものであって、ベンティングプレート300の熱伝播防止板320に形成されたリード結合用貫通孔321を介して長手方向に対向する両側の電池セルの電極リードが11、12溶接結合されることが示されている。
【0092】
図11は、長手方向単位セル110の端部に位置した電池セルの電極リード結合関係を図示したものであり、図11の(a)は結合前、図11の(b)は結合後の状態をそれぞれ示している。
【0093】
図11の(a)では、ベンティングプレート300の一側(前方側)の2列の長手方向単位セル110の電極リード12、12が電池セルの厚さ方向にベンティングプレート300側に折曲され、他側(後方側)の2列の長手方向単位セル110の電池セルの電極リード11、11もベンティングプレート300側に折曲されている。
【0094】
図11の(b)では、上記折曲された電池セルの電極リード11、12が、上記ベンティングプレート300に形成されたリード結合用貫通孔313を介して互いに溶接結合されたことが示されている。
【0095】
図12は、図7のバッテリーモジュールが組み立てられた外観を示す斜視図である。上記電池セル組立体100、ベンティングプレート300がモジュールケース400内に収容されて組み立てられた状態を示し、モジュールケース400の前端および後端にターミナルバスバーが付着されない単純な端部板(前端板430’、後端板440’)が結合されたことが示されている。図示されたように、上記モジュールケース400の上部面の所定の位置に、モジュール内のベンティングプレート300のガスベンティングチャネルと連通されるベンティングホール411が形成されている。
【0096】
図13は、本発明のバッテリーモジュール1000、1000’で構成されたバッテリーモジュール積層体1100を含むバッテリーパック2000の概略図である。
【0097】
上述したように、本発明のバッテリーモジュール1000、1000’は、電池セル10を長手方向単位セル110とし、その単位セルを所定の個数ほど電池セルの厚さ方向に積層した電池セル組立体100を備え、これに対応する長手方向に長く延長されたモジュールケース400を有する。したがって、レゴブロックのように、上記バッテリーモジュール1000、1000’を長手方向または厚さ方向に連結するに容易な形態となっている。図13に図示されたように、1つのバッテリーパックケース2100内で、電池セル10の長手方向および/または厚さ方向に複数個の拡張性バッテリーモジュール1000、1000’を積層して、バッテリーモジュール積層体1100を構成し得る。図13に図示されたものの他にも、適用されるバッテリーパックケース2100の形態に符合するように、上記拡張性バッテリーモジュール1000、1000’の積層方向(形態)を変更し得る。このような面から見た本発明の拡張性バッテリーモジュール1000、1000’は設計自由度が非常に高いと言える。特に、上述したように、本発明のバッテリーモジュール1000、1000’は、モジュールケース400の上部面または下部面に所定のベンティングホール411を備える。したがって、例えば、バッテリーパックケース2100に上記ベンティング経路と連通されるベンティング通路を形成すると、バッテリーパック2000内部のガスも容易に除去し得るという効果がある。
【0098】
以上、本発明に開示された図面は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような図面によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は本発明の範囲に含まれるものとして解釈されるべきである。
【0099】
なお、本明細書では上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が用いられているが、これらの用語は説明の便宜のためのものであり、対象となる物体の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは自明である。
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図6
図7
図8
図9
図10(a)】
図10(b)】
図11(a)】
図11(b)】
図12
図13