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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】包装関連装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 59/00 20060101AFI20241217BHJP
   B65B 57/00 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
B65B59/00
B65B57/00 H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020185374
(22)【出願日】2020-11-05
(65)【公開番号】P2022074934
(43)【公開日】2022-05-18
【審査請求日】2023-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 浩之
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-147353(JP,A)
【文献】特開2020-111339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 59/00
B65B 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装関連装置本体と、該包装関連装置本体を制御する演算制御部を有する包装関連装置制御部と備えた包装関連装置であって、
前記包装関連装置が生産する製品毎に前記包装関連装置本体の調整機器の設定値を記憶する設定値記憶手段と、
前記設定値記憶手段に記憶された設定値を表示する設定値表示手段と、
前記包装関連装置の作業者が前記調整機器の調整を行う際の前記調整機器の位置を検出する調整機器位置検出手段と、
前記調整機器位置検出手段が検出した位置情報と前記設定値記憶手段に記憶された設定値を比較し、前記作業者に前記調整機器の調整状態を知らせる調整状態情報を生成する調整状態情報生成手段と、
前記調整状態情報生成手段が生成した調整状態情報を出力する調整状態情報出力手段とを備え、
前記調整状態情報生成手段は、前記調整機器位置検出手段が検出した位置情報が前記設定値記憶手段に記憶された設定値から離れるように変化する場合、前記調整状態情報として調整不可情報を生成することを特徴とする包装関連装置。
【請求項2】
前記調整状態情報生成手段は、前記調整機器位置検出手段が検出した位置情報が前記設定値記憶手段に記憶された設定値の許容範囲内にあるとき、前記調整状態情報として調整完了情報を生成することを特徴とする請求項1記載の包装関連装置。
【請求項3】
前記調整状態情報生成手段は、前記調整機器位置検出手段が検出した位置情報が前記設定値記憶手段に記憶された設定値に近づくように変化する場合、前記調整状態情報として調整可情報を生成することを特徴とする請求項2記載の包装関連装置。
【請求項4】
前記調整状態情報出力手段は、断続音を発生する音響発生器であり、前記調整状態情報が前記調整完了情報である場合は、前記音響発生器が発生する断続音が停止し、前記調整状態情報が前記調整可情報である場合と前記調整状態情報が前記調整不可情報である場合で、前記音響発生器が発生する断続音の断続の周期が異なることを特徴とする請求項3記載の包装関連装置。
【請求項5】
前記調整状態情報出力手段は、点滅する発光装置であり、前記調整状態情報が前記調整完了情報である場合は、前記発光装置の点滅が停止し、前記調整状態情報が前記調整可情報である場合と前記調整状態情報が前記調整不可情報である場合で、前記発光装置の点滅の周期が異なることを特徴とする請求項3記載の包装関連装置。
【請求項6】
前記調整機器は、横ピロー包装機のテンションローラであり、
前記テンションローラは、アーム支持軸に支持されたテンションアームに回転自在にかつ該テンションアームの長手方向に直線移動可能に保持され、
前記調整機器位置検出手段は、前記テンションアームの回転角を検出するロータリーエンコーダと、前記テンションローラの前記テンションアーム上の長手方向の位置を検出するリニアエンコーダからなる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載した包装関連装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロー包装機、ラッピング包装機、上包み包装機、箱詰め装置等の包装関連装置における各種調整機器の調整に関するものである。
【背景技術】
【0002】
包装関連装置には、筒状に成形された包材の中に被包装品を順次充填し、シールや切断等を施して包装体を製造するピロー包装機、被包装品を裁断された包装材で包むようにして包装するラッピング包装機、包装材料で1個または複数個の被包装品をおおう上包み包装機、製品を箱詰め等する箱詰め装置等があり、ピロー包装機には、包材を上下方向(縦方向)に送って被包装品を充填する縦ピロー包装機と、包材を左右方向(横方向)に送って被包装品を充填する横ピロー包装機等がある。
このような包装関連装置において、生産する製品を切り換える際には、これから生産しようとする製品について、各種調整機器の位置等を設置値に合わせる設定・調整作業を行う必要がある。
この各種調整機器の設定・調整作業としては、例えば、縦ピロー包装機では、巻取り包材の左右位置設定・調整作業、日付印字送り方向位置・日付印字左右位置設定・調整作業、製筒器の手前にあるスライドローラの位置設定・調整作業、縦シールブロックの位置設定・調整作業、包材の切断位置設定・調整作業が挙げられ、横ピロー包装機では、テンションローラの角度・距離設定・調整作業が挙げられる。
そして、各調整機器には、その位置を示す目盛り等が設けられ、作業者は、手作業で各調整機器の位置の設定・調整を行っている。
このため、各種調整機器の設定・調整作業には時間がかかり、作業者にとって大きな作業負荷となり、生産効率を低下させるという問題も生じ、その改善が望まれていた。
【0003】
この点、特許文献1(特開2019-34772号公報)には、商品の包装または箱詰めを行う装置であって、前記商品の包装または箱詰めに関する設定を記憶する記憶部と、前記設定の変更時に、前記装置において調整が必要な要調整部とその設定値を表示する表示部を備えた商品処理装置が開示され、商品処理装置として製袋包装機が挙げられ、要調整部として、フォーマローラの位置、印字左右位置、印字上下位置およびフィルム位置センサ位置が挙げられている。
しかしながら、特許文献1の商品処理装置では、表示部に要調整部の設定値を表示するに止まり、要調整部の調整作業自体は作業者が行わなければならず、依然として作業者に大きな作業負荷がかかり、生産効率の低下もそれほど改善されない問題がある。
特に、横ピロー包装機のテンションローラの角度・距離調整作業等、手作業で調整機器(テンションローラ)の位置等を変えて調整を行う作業においては、作業者の作業負荷や生産効率の低下はほとんど改善されない。
【0004】
また、特許文献2(特開2019-85152号公報)には、帯状包装材に縦シールを施して成形された筒状包装材に更に横シールを施して製品が収容された袋包装体を製造するため、縦シール装置、横シール装置及び包装材送り装置の作動を制御する制御装置が、制御装置への設定入力に基づいて得られた帯状包装材の帯幅又は折り径についての設定情報に応答して、包装材ロール支持装置における包装材ロールの支持位置、帯状包装材案内装置のフォーマに対する接近後退位置、縦シール装置の充填筒に対する接近後退位置及び包装材送り装置の充填筒に対する接近後退位置のうち少なくとも一つの位置を、帯状包装材の帯幅又は折り径に対応した位置に調整することから成る縦型製袋充填包装機が開示されている。
しかしながら、特許文献2の縦型製袋充填包装機においては、制御装置が、包装材ロールの支持位置、帯状包装材案内装置のフォーマに対する接近後退位置、縦シール装置の充填筒に対する接近後退位置及び包装材送り装置の充填筒に対する接近後退位置のうち少なくとも一つの位置を調整することから、作業者の手作業による調整作業はなくなるが、各調整装置に調整を行うための駆動機器を新たに設置し、制御装置が新たに設置された各駆動機器を制御することから、縦型製袋充填包装機が過剰の自動化機器を備え、縦型製袋充填包装機が高価となるばかりか、各調整装置の保守・メンテナンス等に過大の負荷がかかるという別の問題が生ずる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-34772号公報
【文献】特開2019-85152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、包装関連装置において、各種調整機器の位置等を設定値に合わせるという手作業による調整作業の効率を、自動化することなく改善し、作業者の作業負荷を大幅に軽減し、包装関連装置の生産効率を低下させないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、包装関連装置本体と、該包装関連装置本体を制御する演算制御部を有する包装関連装置制御部と備えた包装関連装置であって、前記包装関連装置が生産する製品毎に前記包装関連装置本体の調整機器の設定値を記憶する設定値記憶手段と、前記設定値記憶手段に記憶された設定値を表示する設定値表示手段と、前記包装関連装置の作業者が前記調整機器の調整を行う際の前記調整機器の位置を検出する調整機器位置検出手段と、前記調整機器位置検出手段が検出した位置情報と前記設定値記憶手段に記憶された設定値を比較し、前記作業者に前記調整機器の調整状態を知らせる調整状態情報を生成する調整状態情報生成手段と、前記調整状態情報生成手段が生成した調整状態情報を出力する調整状態情報出力手段とを備え、前記調整状態情報生成手段は、前記調整機器位置検出手段が検出した位置情報が前記設定値記憶手段に記憶された設定値から離れるように変化する場合、前記調整状態情報として調整不可情報を生成する包装関連装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0008】
請求項2の発明は、前記調整状態情報生成手段は、前記調整機器位置検出手段が検出した位置情報が前記設定値記憶手段に記憶された設定値の許容範囲内にあるとき、前記調整状態情報として調整完了情報を生成する包装関連装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0009】
請求項3の発明は、前記調整状態情報生成手段は、前記調整機器位置検出手段が検出した位置情報が前記設定値記憶手段に記憶された設定値に近づくように変化する場合、前記調整状態情報として調整可情報を生成する包装関連装置の調整補助装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0010】
請求項4の発明は、前記調整状態情報出力手段は、断続音を発生する音響発生器であり、前記調整状態情報が前記調整完了情報である場合は、前記音響発生器が発生する断続音が停止し、前記調整状態情報が前記調整可情報である場合と前記調整状態情報が前記調整不可情報である場合で、前記音響発生器が発生する断続音の断続の周期が異なる包装関連装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0011】
請求項5の発明は、前記調整状態情報出力手段は、点滅する発光装置であり、前記調整状態情報が前記調整完了情報である場合は、前記発光装置の点滅が停止し、前記調整状態情報が前記調整可情報である場合と前記調整状態情報が前記調整不可情報である場合で、前記発光装置の点滅の周期が異なる包装関連装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【0012】
請求項6の発明は、前記調整機器は、横ピロー包装機のテンションローラであり、前記テンションローラは、アーム支持軸に支持されたテンションアームに回転自在にかつ該テンションアームの長手方向に直線移動可能に保持され、前記調整機器位置検出手段は、前記テンションアームの回転角を検出するロータリーエンコーダと、前記テンションローラの前記テンションアーム上の長手方向の位置を検出するリニアエンコーダからなる包装関連装置を提供して、上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明の包装関連装置においては、各種調整機器の位置等を設定値に合わせるという手作業による調整作業の効率を、自動化することなく改善し、作業者の作業負荷を大幅に軽減し、包装関連装置の生産効率を低下させないようにするという効果を奏し、作業者に調整機器の調整の仕方(方向)が誤っているかを知らせ、調整作業を効率よく行えるという効果を奏する。
【0014】
請求項2に記載の発明の包装関連装置においては、さらに、作業者に調整機器の調整が完了したことを知らせ、調整作業を終了できるという効果を奏する。
【0015】
請求項3に記載の発明の包装関連装置においては、さらに、作業者に調整機器の調整の仕方(方向)が正しいかを知らせ、調整作業を効率よく行えるという効果を奏する。
【0016】
請求項4に記載の発明の包装関連装置においては、さらに、作業者に調整機器の調整の仕方(方向)が正しいか誤っているかを音声で知らせ、調整作業を効率よく行えるという効果を奏する。
【0017】
請求項5に記載の発明の包装関連装置においては、さらに、作業者に調整機器の調整の仕方(方向)が正しいか誤っているかを光で知らせ、調整作業を効率よく行えるという効果を奏する。
【0018】
請求項6に記載の発明の包装関連装置においては、さらに、横ピロー包装機のテンションローラの位置の調整作業を効率よく短時間で確実に完了させることができる。という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の包装関連装置が横ピロー包装機である場合の概略構成を表した正面図と平面図である。
図2図1に示すフォーマテンション部30の平面図である。
図3図1に示すフォーマテンション部30の正面図である。
図4図1に示すフォーマテンション部30の分解斜視図である。
図5】テンションアーム角度とテンションローラ距離を説明するためのテンションアーム32の正面図である。
図6図1に示す横ピロー包装機1の制御部分の構成を示すブロック図である。
図7】入テンションローラの位置調整作業における横ピロー包装機1の動作を示したフローチャートである。
図8】テンションローラの位置調整作業における横ピロー包装機1の動作を示したフローチャートある。
図9】テンションアーム32とテンションローラ31の動きを説明する説明図である。
図10】補助操作パネル80の入力表示部84に表示される画面の画面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[包装関連装置(横ピロー包装機)の構成]
図1は、本発明の包装関連装置が横ピロー包装機である場合の概略構成を表した図であり、同図(a)は正面図、同図(b)は平面図である。
図1において、1は横ピロー包装機、2は横ピロー包装機本体、10は包材(包装材料)供給・送り部、11はガイドローラ、12は駆動ローラ、13は押えローラ、20は被包装品供給部、21は供給コンベア、30はフォーマテンション部、31はテンションローラ、32はテンションアーム、40はフォーマ部、41はフォーマ(製筒器)、50はシール・切断・排出部、51a、51bは紙引きローラ、52a、52bはセンターシールブロック、53a、53bは目付けローラ、54a、54bはエンドシールブロック、55は排出コンベア、60は枠体、61はブザー、62は表示灯、70は主操作パネル、80は補助操作パネル、CPは被包装品、Fiは包材(フィルム)、MRは巻取り包材、Pcは包装体、TFは筒状包材、csはセンターシール部分、esはエンドシール部分である。
図1に示すように、横ピロー包装機1は、横ピロー包装機本体2、横ピロー包装機制御部(後述する)、枠体60、主操作パネル60、ブザー61、表示灯62、補助操作パネル70等から構成され、横ピロー包装機本体2の大部分が枠体60に覆われ、枠体の外側に主操作パネル70、ブザー61、表示灯62、補助操作パネル80が取り付けられている。
なお、図1において、枠体60は、外形を二点鎖線で表し、正面にある開閉パネル等は省略してある。
【0021】
図1に示すように、横ピロー包装機本体2は、包材(包装材料)供給・送り部10、被包装品供給部20、フォーマテンション部30、フォーマ部40、シール・切断・排出部50等から構成される。
包材供給・送り部10は、巻取り包材MRを繰り出す巻取り包材供給装置(図示せず)等を備え、巻取り包材MRから包材Fiを繰り出し、駆動ローラ12と押えローラ13で包材Fiを挟み込み、モータ(図示せず)により駆動ローラ12を回転させて、包材Fiを一定長さだけ送り出す。
被包装品供給部20は、供給コンベア(ベルトコンベア)21上に被包装品CPを載せ、筒状包材TFの中に被包装品CPを充填する。
フォーマテンション部30は、テンションアーム32に取り付けられたテンションローラ31により、包材供給・送り部10から送られる包材Fiをフォーマ41に案内する。
フォーマ部40は、フォーマ41により包材Fiを筒状包材TFに成形(製筒)する。
シール・切断・排出部50は、紙引き部、センターシール部、目付け部、エンドシール・切断部、包材排出部を備えている。
紙引き部は、紙引きローラ51a、51bで筒状包材TFの重ね合せされた端部を挟み込み、モータ(図示せず)により一方の紙引きローラ51aを回転させて、筒状包材TFを一定長さだけ送り出す。
センターシール部は、ヒータ(図示せず)で加熱したセンターシールブロック52a、52bで重ね合せされた筒状包材TFの端部を挟み込み、筒状包材TFにセンターシールcsを施す。
目付け部は、目付けローラ53a、53bで筒状包材TFのセンターシールcsを挟み込み、モータ(図示せず)により一方の目付けローラ53aを回転させてセンターシールcsに目付けを施す。
エンドシール・切断部は、ヒータ(図示せず)で加熱したエンドシールブロック54a、54bで筒状包材TFの先端部を挟み込んでエンドシールを施してエンドシール部分esを形成し、エンドシール部分esの中央部を切断して、被包装品CPが袋詰めされた包装体Pcを生成する。
包装体排出部は、包装体Pcを排出コンベア55により排出する。
【0022】
[フォーマテンション部]
図2は、図1に示すフォーマテンション部30の平面図、図3は、図1に示すフォーマテンション部30の正面図、図4は、図1に示すフォーマテンション部30の分解斜視図である。
図中、31はテンションローラ、31a、31bはローラ軸、32、33はテンションアーム、32m、33mは溝、34はアーム支持軸、34aは端部、35はアーム固定部、35aは挟持ブロック、35a1は上ブロック、35a2は下ブロック、35a3は挟持穴、35a4は孔、35bは固定レバー部、35b1は円筒部、35b2はレバー、35b3はネジ棒、36a、36bはピニオン、36c、36dはラック、37はローラ固定部、37aはノブ、37bは固定レバー部、37b1は円筒部、37b2はレバー、37b3はネジ棒、37cは移動板、37c1、37c2は孔、37dはスライドブロック、37d1はネジ孔、38はロータリーエンコーダ、38aは軸孔、39はリニアエンコーダ、39aはセンサヘッドであり、図において、ロータリーエンコーダ38とリニアエンコーダ39を灰色で示す。
図に示すように、フォーマテンション部30は、テンションローラ31、テンションアーム32、33、アーム支持軸34、アーム固定部35、ピニオン36a、36b、ラック36c、36d、ローラ固定部37等から構成される。
テンションローラ31は、ローラ軸31a、31bに回転自在に保持され、ローラ軸31a、31bには、ピニオン36a、36bが取り付けられている。
テンションアーム32、33は、アーム支持軸34に支持され、アーム支持軸34の背面側の端部は、横ピロー包装機本体2の背面フレーム(図示せず)に回転可能に保持されている。
このテンションアーム32、33には、長手方向に溝32m、33mが設けられ、テンションアーム32、33の対向する面には、溝32m、33mに沿ってラック36c、36dが取り付けられている。
アーム固定部35は、上ブロック35a1と下ブロック35a2からなる挟持ブロック35aと、円筒部35b1、レバー35b2、ネジ棒35b3からなる固定レバー部35bから構成され、上ブロック35a1の端部は、横ピロー包装機本体2の背面フレーム(図示せず)に固定されている。
また、ローラ固定部37は、ノブ37aと、円筒部37b1、レバー37b2、ネジ棒37b3からなる固定レバー部37bと、押付板37cと、スライドブロック37dから構成されている。
【0023】
アーム固定部35においては、テンションアーム32から突出するアーム支持軸34の端部34aが、上ブロック35a1と下ブロック35a2で形成される挟持穴35a3にはめ込まれ、固定レバー部35bのネジ棒35b3が、上ブロック35a1側の孔35a4を貫通して下ブロック35a2側の孔35a4にねじ込まれ、レバー37b2を時計回りに回転させることにより、円筒部35b1が上ブロック35a1を介して下ブロック35a2を押し付け、これにより挟持穴35a3の内面がアーム支持軸34の端部34aを押し付け、テンションアーム32、33が回転不能となり、テンションアーム32、33の角度が固定される。
また、テンションローラ31は、ローラ軸31a、31bがテンションアーム32、33の溝32m、33mにはめ込まれ、ピニオン36a、36bがラック36c、36dと噛み合うようにして、テンションアーム32、33に取り付けられる。
そして、ローラ固定部37において、テンションローラ31のローラ軸31aが、押付板37cの孔37c1を貫通してノブ37aに固定され、これにより、ノブ37aを回転させてローラ軸31aを回転させると、ピニオン36aが回転してラック36c上を移動し、これに伴って、ピニオン36bも回転してラック36d上を移動し、テンションローラ31が、テンションアーム32、33の溝32m、33mに沿って移動する。
一方、ローラ固定部37のスライドブロック37dの凸部は、テンションアーム32の溝32mにはめ込まれて、固定レバー部37bのネジ棒37b3が、移動板37cの孔37c2を貫通してスライドブロック37dのネジ孔37d1がねじ込まれており、ノブ37aの回転によるテンションローラ31の移動と共にローラ固定部37(固定レバー部37b、移動板37c、スライドブロック37d)が移動する。
そして、レバー37b2を時計回りに回転させることにより、円筒部37b1が移動板37cをテンションアーム32の正面側に押し付けると共に、スライドブロック37dがテンションアーム32の背面側を押し付け、これにより、移動板37cが移動不能となり、テンションローラ31も移動不能となり、テンションローラ31のテンションアーム32、33上の位置が固定される。
【0024】
ここで、テンションローラ31の位置調整について説明する。
横ピロー包装機1においては、被包装品CPの大きさ等に対応してフォーマ41の開口部の大きさ(横幅、高さ)が変えられるようになっている。
そのため、フォーマ41に案内される包材Fiの案内角度が一定となるように、フォーマ41の開口部の大きさに応じてテンションローラ31の位置を変更する必要がある。
また、包材供給・送り部10に設けられるレジマーク検出機が検出する包材Fiのレジマーク(レジスターマーク)の位置からエンドシール・切断位置までの包材Fiのパス長さを包装体Pcの長さの整数倍となるように調整する必要もある。
このため、テンションローラ31の位置は変更できるようになっており、横ピロー包装機1が生産する製品毎にテンションローラ31の位置が設定され、その設定された位置にテンションローラ31を移動させる位置調整が行われる。
テンションローラ31の位置は、テンションアーム32(33)の水平面に対する角度(テンションアーム角度)とテンションアーム32(33)上における基準位置からテンションローラ31までの距離(テンションローラ距離)により特定される。
よって、テンションローラ31の位置調整においては、設定されたテンションアーム角度になるように、テンションアーム32(33)をアーム支持軸34の回りに回転させてその角度が調整され、設定されたテンションローラ距離になるように、ノブ37aを回してテンションローラ31を移動させて基準位置からの距離が調整される。
【0025】
[ロータリーエンコーダ、リニアエンコーダ]
アーム支持軸34の端部34aの先端部は、挟持ブロック35a挟持穴35a3から突出し、この突出した端部34aの先端部に、軸孔38aがはめ込まれてロータリーエンコーダ38が取り付けられている。
また、テンションアーム32の正面側には、溝32mに沿う長手方向にリニアエンコーダ39が取り付けられ、センサヘッド39aが移動板37cに接続されている。
図5は、ロータリーエンコーダ38が検出するテンションアーム角度と、リニアエンコーダ39が検出するテンションローラ距離を説明するためのテンションアーム32の正面図であり、図において、Cpは端部34aの中心点、Hpは基準面(水平面)、Rpはテンションローラ31がテンションアーム32の最も先端側に移動した位置(基準位置)である。
ロータリーエンコーダ38は、テンションアーム32が中心点Cpの回りに回転したときに、テンションアーム32の基準面Hpからの角変位θを検出し、検出した角変位θをテンションアーム32の基準面Hpに対するテンションアーム角度θとして出力する。
リニアエンコーダ39は、テンションローラ31がテンションアーム32の溝32mに沿って移動したとき、位置(基準位置)Rpからテンションローラ31までの距離Lを検出し、それをテンションローラ距離Lとして出力する。
そして、ロータリーエンコーダ38が出力するテンションアーム角度θとリニアエンコーダ39が出力するテンションローラ距離Lにより、テンションローラ31の横ピロー包装機本体2における位置が検出される。
【0026】
[包装関連装置(横ピロー包装機)の制御部分の構成]
図6は、図1に示す横ピロー包装機1の制御部分の構成を示すブロック図である。
図において、71、81はコンピュータ、73、83は送受信部、74、84は入力表示部、90は横ピロー包装機制御部、91は演算制御部、91aは駆動機器動作制御部、91bは調整状態情報生成部、91b1はテンションアーム角度情報生成部、91b2はテンションローラ距離情報生成部、92は記憶部、100は駆動機器、CL1、CL2は通信回線である。
横ピロー包装機1の制御部分は、横ピロー包装機本体2の駆動機器100等に接続された横ピロー包装機制御部90と、横ピロー包装機制御部90に通信回線CL1を介して接続された主操作パネル70と、横ピロー包装機制御部90に通信回線CL2を介して接続された補助操作パネル80とから構成されている。
そして、横ピロー包装機制御部90は、演算制御部91、記憶部92及び送受信部93を備え、主操作パネル70は、コンピュータ31、送受信部73及び入力表示部74を備え、補助操作パネル80は、コンピュータ81、送受信部83及び入力表示部84を備えている。
【0027】
横ピロー包装機制御部90は、演算制御部91、記憶部92及び送受信部93を備え、演算制御部91は、駆動機器100やロータリーエンコーダ38・リニアエンコーダ39と接続され、駆動機器動作制御部91aと調整状態情報生成部91bを備えている。
駆動機器動作制御部91aは、主操作パネル70で設定された製品について、記憶部92の製品パラメータテーブルに登録されたパラメータ、または、送受信部93から送られてくるパラメータに基づいて、横ピロー包装機本体2の駆動機器100、例えば、包材供給・送り部10の駆動ローラ12を回転させるモータ、紙引きローラ51aを回転させるモータ、目付けローラ53aを回転させるモータ、エンドシールブロック54a、54bを動作させるモータ、センターシール部やエンドシール・切断部の各種ヒータの動作を制御する。
調整状態情報生成部91bは、テンションアーム角度情報生成部91b1とテンションローラ距離情報生成部91b2を備え、作業者にテンションローラ31の調整状態を知らせるテンションローラ調整状態情報を生成する(詳細は後述する)。
記憶部92は、本発明の設定値記憶手段となるもので、製品パラメータテーブル(図示せず)を備え、この製品パラメータテーブルには、横ピロー包装機1が生産する製品を特定するNo.(登録番号)、製品名、生産能力、袋長さ、製品長さ、ヒータ温度等の横ピロー包装機1による生産に必要なパラメータの他、No.(登録番号)により特定される製品毎に、テンションローラ31の設定値となるテンションアーム角度θs、テンションローラ距離Ls等が登録されている。
【0028】
主操作パネル70は、横ピロー包装機本体2の目付け部の上方で外枠60の外側に取り付けられ(図1参照)、コンピュータ71、送受信部73及び入力表示部74を備えている。
コンピュータ71は、演算処理部と記憶部を備え、演算処理部は、専用操作プログラムにより、横ピロー包装機本体2を操作するために、横ピロー包装機制御部90に与える各種情報(登録番号、パラメータ等)の処理、テンションローラ31等の調整機器の設定値の入力の処理等を行い、記憶部は、演算処理部を動作させるための専用操作プログラム、バックアップデータ等を記憶する。
送受信部73は、コンピュータ71から送られてくる各種データを通信回線CL1を介して横ピロー包装機制御部90の送受信部93に送信し、横ピロー包装機制御部90の送受信部93から通信回線CL1を介して送信される各種データを受信してコンピュータ71に送る。
入力表示部74は、タッチパネル式の表示画面を有し、横ピロー包装機本体2を操作し、テンションローラ31等の調整機器の設定値を入力するための各種画面を表示する。
【0029】
補助操作パネル80は、横ピロー包装機本体2の駆動ローラ12・押えローラ13の上方で外枠60の外側に取り付けられ(図1参照)、コンピュータ81、送受信部83及び入力表示部84を備えている。
コンピュータ81は、演算処理部と記憶部を備え、演算処理部は、専用補助操作プログラムにより、テンションローラ31等の調整機器の設定値を表示するための処理、主操作パネル70が故障した場合、横ピロー包装機本体2を操作するための処理等を行い、記憶部は、演算処理部を動作させるための専用補助操作プログラム、バックアップデータ等を記憶する。
送受信部83は、コンピュータ81から送られてくるデータを通信回線CL2を介して横ピロー包装機制御部90の送受信部93に送信し、横ピロー包装機制御部90の送受信部93から通信回線CL2を介して送信されるテンションローラ31等の調整機器の設定値等を受信してコンピュータ81に送る。
入力表示部84は、本発明の設定値表示手段となるもので、タッチパネル式の表示画面を有し、テンションローラ31等の調整機器の設定値を表示し、横ピロー包装機本体2を操作等するための各種画面を表示する。
なお、本実施形態では、テンションローラ31等の調整機器の設定値は、補助操作パネル80の入力表示部84に表示されるが、主操作パネル70の入力表示部74に表示するようにしてもよい。
【0030】
ブザー61は、本発明の音響発生器となるもので、断続の周期の異なる断続音を発する。
このブザー61は、フォーマテンション部30の近くで補助操作パネル70の横の外枠60の外側に取り付けられ(図1参照)、テンションローラ31の位置調整を行う作業者がブザー61の断続音を聞き取りやすいようになっている。
表示灯62は、本発明の発光装置となるもので、周期の異なる点滅を行う。
この表示灯62は、フォーマテンション部30の近くでブザー61の横の外枠60の外側に取り付けられ(図1参照)、テンションローラ31の位置調整を行う作業者が表示灯62の点滅を見やすいようになっている。
なお、表示灯62に代えて補助操作パネル80の入力表示部84に点滅発光機能をもたせ、本発明の発光装置としてもよい。
【0031】
[調整状態情報生成部]
上述のように横ピロー包装機制御部90においては、演算制御部91の調整状態情報生成部91bは、テンションアーム角度情報生成部91b1とテンションローラ距離情報生成部91b2を備えている。
テンションアーム角度情報生成部91b1は、作業者によるテンションローラ31の位置調整において、ロータリーエンコーダ38が検出して横ピロー包装機制御部90に送られるテンションアーム角度θと、記憶部92の製品パラメータテーブルに記憶されているテンションアーム角度θsを比較し、θがθsに近づくように変化する場合、調整可能であることを示す調整可情報(データ)、例えば「01」を生成し、θがθsから離れるように変化する場合、調整できないことを示す調整不可情報(データ)、例えば「00」を生成し、θとθsとの差が許容範囲内になった場合、調整完了情報(データ)、例えば「11」を生成する。
また、テンションローラ距離情報生成部91b2は、作業者によるテンションローラ31の位置調整において、リニアエンコーダ39が検出して横ピロー包装機制御部90に送られるテンションローラ距離Lと、記憶部92の製品パラメータテーブルに記憶されているテンションローラ距離Lsを比較し、LがLsに近づくように変化する場合、調整可能であることを示す調整可情報(データ)、例えば「01」を生成し、LがLsから離れるように変化する場合、調整できないことを示す調整不可情報(データ)、例えば「00」を生成し、LとLsとの差が許容範囲内になった場合、調整完了情報(データ)、例えば「11」を生成する。
【0032】
調整状態情報生成部91b(テンションアーム角度情報生成部91b1とテンションローラ距離情報生成部91b2)が生成する調整可情報(データ)「01」、調整不可情報(データ)「00」、調整完了情報(データ)「11」は、ブザー61と表示灯62に送られる。
そして、ブザー61は、演算制御部91(調整状態情報生成部91b)から調整可情報(データ)「01」が送られてくると断続音Aを発し、調整不可情報(データ)「00」が送られてくると、断続音Aより断続の周期の異なる(例えば断続の周期の長い)断続音Bを発し、調整完了情報(データ)「11」が送られてくると断続音Aを停止する。
表示灯62では、演算制御部91(調整状態情報生成部91b)から調整可情報(データ)「01」が送られてくると周期T1で点滅し、調整不可情報(データ)「00」が送られてくると、周期T1とは異なる周期T0(例えばT0はT1より大きい)で点滅し、調整完了情報(データ)「11」が送られてくると点滅を停止する。
また、表示灯62は、演算制御部91から送られる調整可情報(データ)等に基づいて点滅するのではなく、異なる色を点灯するようにしてもよい。例えば、調整可情報(データ)「01」が送られてくると表示灯62が青色に点灯し、調整不可情報(データ)「00」が送られてくると黄色に点灯し、調整完了情報(データ)「11」が送られてくると緑色に点灯するようにしてもよい。
さらに、表示灯62に代えて補助操作パネル80の入力表示部84に点滅発光機能をもたせた場合は、調整状態情報生成部91bが生成する調整可情報(データ)「01」、調整不可情報(データ)「00」、調整完了情報(データ)「11」が、通信回線CL2を介して補助操作パネル80に送られ、入力表示部84に表示される指示マークが点滅し、あるいは、点滅が停止する(詳細は後述する)。
なお、横ピロー包装機1は、ブザー61と表示灯62の両方を備えているが、いずれか一方を備えているものであってもよい。
【0033】
[テンションローラ位置調整作業における横ピロー包装機1の動作]
図7図8は、テンションローラの位置調整作業における横ピロー包装機1の動作を示したフローチャートであり、図9は、テンションアーム32とテンションローラ31の動きを説明する説明図であり、図10は、補助操作パネル80の入力表示部84に表示される画面の画面構成図である。
以下、図に基づいて横ピロー包装機1の動作を説明する。
今、図9(a)に示すように、テンションアーム32はテンションアーム角度θ(=40度)の位置にあり、テンションローラ31はテンションローラ距離L(=90mm)の位置にあり、記憶部92の製品パラメータテーブルにはテンションアーム角度θs(=20度)、テンションローラ距離Ls(=150mm)が設定(記憶)されているとする。図9(a)において、P1は現在のテンションローラ31の位置、Psは設定されたテンションローラ31の位置であり、現在の位置にあるテンションアーム32、テンションローラ31を実線で表し、設定された位置にあるテンションアーム32、テンションローラ31を点線で表す。
まず、作業者の操作により、横ピロー包装機制御部90の記憶部92の製品パラメータテーブルに記憶されているテンションアーム角度θs(=20度)とテンションローラ距離Ls(=150mm)が、補助操作パネル80の入力表示部84に表示される(S1)。
図10(a)は、ステップS1において、補助操作パネル80の入力表示部84に表示される画面であり、図において、110はメモ画面、BX1~BX4は表示ボックスで、M1、M2は指示マークである。
メモ画面110には、「メモ画面」、「項目名」、「設定値」、「現在位置」、「テンションアーム角度」、「テンションローラ距離」の文字が図に示す位置に表示されている。
このメモ画面110において、表示ボックスBX1には、設定されたテンションアーム角度θs(=20度)示す数値「20」が表示され、表示ボックスBX2には、設定されたテンションローラ距離Ls(=150mm)を示す数値「150」が表示され、表示ボックスBX3には、テンションアーム32の現在の角度θ(=40度)を示す数値「40」が表示され、表示ボックスBX4には、テンションローラ31の現在の距離L(=90mm)示す数値「90」が表示され、数値「40」の右側には、テンションアーム32の現在の角度θ(=40度)が、設定値θs(=20度)より大きいことを示す指示マークM1が表示され、数値「90」の右側には、テンションローラ31の現在の距離L(=90mm)が、設定値Ls(=150mm)より小さいことを示す指示マークM2が表示されている。
なお、表示灯62に代えて補助操作パネル80の入力表示部84に点滅発光機能をもたせた場合は、メモ画面110に表示される指示マークM1、M2が点滅することとなる。
【0034】
ここで、作業者が、テンションアーム角度の調整作業を開始し、テンションアーム32(33)がアーム支持軸34(中心点Cp)の回りに回転されると、ロータリーエンコーダ38がテンションアーム角度θを検出し(S2)、検出した角度θは横ピロー包装機制御部90の演算制御部91に送られ、テンションアーム角度情報生成部91b1が、角度θは設定された角度θs(=20度)に近づくように変化しているか否かを判断する(S3)。
そして、テンションアーム角度情報生成部91b1は、角度θは設定された角度θs(=20度)に近づくように変化していると判断すると、調整可能であることを示す調整可情報(データ)「01」を生成し出力する(S4)。
この調整可情報(データ)「01」は、ブザー61と表示灯62に送られ、ブザー61は断続音Aを発し、表示灯62は周期T1で点滅し(S5)、作業者に、テンションアーム32(33)を回転させる方向が正しいことを知らせる。
次いで、テンションアーム角度情報生成部91b1は、ロータリーエンコーダ38が検出する角度θと設定された角度θs(=20度)との差が許容範囲内、例えば、θs(=20度)の5%以内(19~21度)にあるか否かを判断し(S6)、許容範囲内でないと判断すると、ステップS5に戻り、ブザー61は断続音Aを発し、表示灯62は周期T1で点滅することを継続する。
そして、テンションアーム角度情報生成部91b1が、ロータリーエンコーダ38が検出する角度θと設定された角度θs(=20度)との差が許容範囲内であると判断すると、調整完了情報(データ)「11」を生成して出力する(S7)。
この調整完了情報(データ)「11」は、ブザー61と表示灯62に送られ、ブザー61は断続音Aを停止し、表示灯62は点滅を停止し(S8)、作業者に、テンションアーム角度の調整が完了したことを知らせる。
【0035】
図9(b)は、上記ステップS7の状態、すなわち、テンションアーム32(33)がアーム支持軸34(中心点Cp)の回りに回転し、テンションアーム角度が設定値θs(=20度)となった状態を示している。
図において、P2はテンションローラ31の位置であり、テンションアーム32が回転する前の位置にあるテンションアーム32を二点鎖線で、テンションローラ31を破線で表し、テンションアーム32が回転してテンションアーム角度θs(=20度)となった位置にあるテンションアーム32、テンションローラ31を実線で表す。
図9(b)に示すように、テンションアーム32が矢印Y1の方向に回転し、テンションローラ31が位置P1から位置P2に移動し、テンションアーム角度はθs(=20度)となり、テンションローラ距離はL(=90mm)となっている。
図10(b)は、上記ステップS7の状態において補助操作パネル80の入力表示部84に表示されるメモ画面110を示している。
メモ画面110において、テンションアーム32の現在位置(角度)を示す表示ボックスBX3には、調整が完了したテンションアーム角度θs(=20度)を示す数値「20」が表示され、その右側には、テンションアーム32の角度調整が完了したことを示す指示マークM0が表示されている。
【0036】
一方、上記ステップS3で、テンションアーム角度情報生成部91b1が、ロータリーエンコーダ38が検出する角度θは設定された角度θs(=20度)に近づくように変化していない、すなわち、θはθsから離れるように変化していると判断すると、調整不可情報(データ)「00」を生成し出力する(S9)。
この調整不可情報(データ)「00」は、ブザー61と表示灯62に送られ、ブザー61は、断続音Aより断続の周期の長い断続音Bを発し、表示灯62は、周期T1より長い周期T0で点滅し(S10)、作業者に、テンションアーム32(33)を回転させる方向が誤っていることを知らせる。
そして、ステップS2に戻り、ロータリーエンコーダ38によるテンションアーム角度θの検出を継続する。
【0037】
次に、作業者が、テンションアーム角度の調整作業を終了し、テンションローラ距離調整作業を開始し、ノブ37aが回されテンションローラ31が移動すると、リニアエンコーダ39がテンションローラ距離Lを検出し(S11)、検出した距離Lは横ピロー包装機制御部90の演算制御部91に送られ、テンションローラ距離情報生成部91b2が、距離Lは設定された距離Ls(=150mm)に近づくように変化しているか否かを判断する(S12)。
そして、テンションローラ距離情報生成部91b2は、距離Lは設定された距離Ls(=150mm)に近づくように変化していると判断すると、調整可能であることを示す調整可情報(データ)「01」を生成し出力する(S13)。
この調整可情報(データ)「01」は、ブザー61と表示灯62に送られ、ブザー61は断続音Aを発し、表示灯62は周期T1で点滅し(S14)、作業者に、テンションローラ31を移動させる方向が正しいことを知らせる。
次いで、テンションローラ距離情報生成部91b2は、リニアエンコーダ39が検出する距離Lと設定された距離Ls(=150mm)との差が許容範囲内、例えば、Ls(=150mm)の3%以内(145~155mm)にあるか否かを判断し(S15)、許容範囲内でないと判断すると、ステップS14に戻り、ブザー61は断続音Aを発し、表示灯62は周期T1で点滅することを継続する。
そして、テンションローラ距離情報生成部91b2が、リニアエンコーダ39が検出する距離Lと設定された距離Ls(=150mm)との差が許容範囲内であると判断すると、調整完了情報(データ)「11」を生成して出力する(S16)。
この調整完了情報(データ)「11」は、ブザー61と表示灯62に送られ、ブザー61は断続音Aを停止し、表示灯62は点滅を停止し(S17)、作業者に、テンションローラ距離の調整が完了したことを知らせる。
【0038】
図9(c)は、上記ステップS16の状態、すなわち、テンションローラ31がテンションアーム32の溝32に沿って長手方向に移動し、テンションアーム距離が設定値Ls(=150mm)となった状態を示している。
図において、テンションローラ31が移動する前の位置P2にあるときのテンションローラ31を破線で表し、移動して位置Psにあるテンションローラ31を実線で表す。
図9(c)に示すように、テンションローラ31が矢印Y2の方向に位置P2から位置Psに移動し、テンションローラ距離はLs(=150mm)となっている。
図10(c)は、上記ステップS16の状態において補助操作パネル80の入力表示部84に表示されるメモ画面110を示している。
メモ画面110において、テンションローラ31の現在位置(距離)を示す表示ボックスBX4には、調整が完了したテンションローラ距離はLs(=150mm)を示す数値「150」が表示され、その右側には、テンションローラ31の距離調整が完了したことを示す指示マークM0が表示されている。
【0039】
一方、上記ステップS12で、テンションローラ距離情報生成部91b2が、リニアエンコーダ39が検出する距離Lは設定された距離Ls(=150mm)に近づくように変化していない、すなわち、LはLsから離れるように変化していると判断すると、調整不可情報(データ)「00」を生成し出力する(S18)。
この調整不可情報(データ)「00」は、ブザー61と表示灯62に送られ、ブザー61は、断続音Aより断続の周期の長い断続音Bを発し、表示灯62は、周期T1より長い周期T0で点滅し(S19)、作業者に、テンションローラ31を移動させる方向が誤っていることを知らせる。
そして、ステップS11に戻り、リニアエンコーダ39によるテンションローラ距離Lの検出を継続する。
なお、表示灯62に代えて補助操作パネル80の入力表示部84に点滅発光機能をもたせた場合、ステップS5においてメモ画面110に表示される指示マークM1が周期T1で点滅し、ステップS10において指示マークM1の点滅が停止して指示マークM0が表示され、ステップS10において指示マークM1が周期T0で点滅し、また、ステップS14においてメモ画面110に表示される指示マークM2が周期T1で点滅し、ステップS17において指示マークM2の点滅が停止して指示マークM0が表示され、ステップS19において指示マークM2が周期T0で点滅することとなる。
【0040】
以上のように作業者によるテンションアーム角度の調整作業において、ロータリーエンコーダ38がテンションアーム角度θを検出し、テンションアーム角度情報生成部91b1が、角度θが設定角度θsに近づくように変化しているか否かを判断し、角度θが設定角度θsに近づくように変化している場合は、ブザー61が断続音Aを発し、表示灯62が周期T1で点滅して、作業者に、テンションアーム32を回転させる方向が正しいことを知らせ、角度θが設定角度θsから離れるように変化している場合は、ブザー61が断続音Bを発し、表示灯62が周期T0で点滅して、作業者に、テンションアーム32を回転させる方向が誤っていることを知らせ、また、テンションアーム角度情報生成部91b1が、角度θと設定角度θsとの差が許容範囲内であるか判断し、許容範囲内であると、ブザー61は断続音Aを停止し、表示灯62は点滅を停止し、作業者に、テンションアーム角度の調整が完了したことを知らせる。
また、作業者によるテンションローラ距離の調整作業において、リニアエンコーダ39がテンションローラ距離Lを検出し、テンションローラ距離情報生成部91b2が、距離Lが設定距離Lsに近づくように変化しているか否かを判断し、距離Lが設定距離Lsに近づくように変化している場合は、ブザー61が断続音Aを発し、表示灯62が周期T1で点滅して、作業者に、テンションローラ31を移動させる方向が正しいことを知らせ、距離Lが設定距離Lsから離れるように変化している場合は、ブザー61が断続音Bを発し、表示灯62が周期T0で点滅して、作業者に、テンションローラ31を移動させる方向が誤っていることを知らせ、また、テンションローラ距離情報生成部91b2が、距離Lと設定距離Lsとの差が許容範囲内であるか判断し、許容範囲内であると、ブザー61は断続音Aを停止し、表示灯62は点滅を停止し、作業者に、テンションローラ距離の調整が完了したことを知らせる。
したがって、作業者は、横ピロー包装機におけるテンションローラ位置(テンションアーム角度、テンションローラ距離)の調整作業を、効率よく短時間で確実に完了させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の包装関連装置は、各種調整機器の位置等を設定値に合わせるという手作業による設定・調整作業の効率を、自動化することなく改善し、作業者の作業負荷を大幅に軽減し、包装関連装置の生産効率を低下させないようにでき、横ピロー包装機、縦ピロー包装機、ラッピング包装機、上包み包装機、箱詰め装置等に利用できる。
【符号の説明】
【0042】
1 横ピロー包装機
2 横ピロー包装機本体
10 包材(包装材料)供給・送り部
11 ガイドローラ
12 駆動ローラ
13 押えローラ
20 被包装品供給部
21 供給コンベア
30 フォーマテンション部
31 テンションローラ
31a、31b ローラ軸
32 テンションアーム
32m、33m 溝
34 アーム支持軸
34a 端部
35 アーム固定部
35a 挟持ブロック
35a1 上ブロック
35a2 下ブロック
35a3 挟持穴
35a4 孔
35b 固定レバー部
35b1 円筒部
35b2 レバー
35b3 ネジ棒
36a、36b ピニオン
36c、36d ラック
37 ローラ固定部
37a ノブ
37b 固定レバー部
37b1 円筒部
37b2 レバー
37b3 ネジ棒
37c 移動板
37c1、37c2 孔
37d スライドブロック
37d1 ネジ孔
38 ロータリーエンコーダ
38a 軸孔
39 リニアエンコーダ
39a センサヘッド
40 フォーマ部
41 フォーマ(製筒器)
50 シール・切断・排出部
51a、51b 紙引きローラ
52a、52b センターシールブロック
53a、53b 目付けローラ
54a、54b エンドシールブロック
55 排出コンベア
60 枠体
61 ブザー
62 表示灯
70 主操作パネル
71 コンピュータ
73 送受信部
74 入力表示部
80 補助操作パネル
81 コンピュータ
83 送受信部
84 入力表示部
90 横ピロー包装機制御部
91 演算制御部
91a 駆動機器動作制御部
91b 調整状態情報生成部
91b1 テンションアーム角度情報生成部
91b2 テンションローラ距離情報生成部
92 記憶部
100 駆動機器
110 メモ画面
BX1~BX4 表示ボックス
CL1、CL2 通信回線
CP 被包装品
Fi 包材(フィルム)
MR 巻取り包材
M0、M1、M2 指示マーク
Pc 包装体
TF 筒状包材
cs センターシール
es エンドシール部分

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10