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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】消音装置
(51)【国際特許分類】
   F16L 55/04 20060101AFI20241217BHJP
   F01N 1/02 20060101ALI20241217BHJP
   G10K 11/16 20060101ALI20241217BHJP
   G10K 11/172 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
F16L55/04
F01N1/02 S
G10K11/16 100
G10K11/16 110
G10K11/172
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021031282
(22)【出願日】2021-02-27
(65)【公開番号】P2022054383
(43)【公開日】2022-04-06
【審査請求日】2024-01-15
(31)【優先権主張番号】P 2020161487
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000233619
【氏名又は名称】株式会社ニチリン
(74)【代理人】
【識別番号】100100170
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 厚司
(72)【発明者】
【氏名】奥山 信輔
(72)【発明者】
【氏名】井上 真吾
【審査官】広瀬 雅治
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2014-0054857(KR,A)
【文献】特開平07-248090(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0049667(KR,A)
【文献】特開2021-139295(JP,A)
【文献】特表2013-507592(JP,A)
【文献】実開平03-017399(JP,U)
【文献】実開平05-025096(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0097315(US,A1)
【文献】中国実用新案第204476510(CN,U)
【文献】特表2000-512369(JP,A)
【文献】特開2020-112063(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0201530(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 55/04
F01N 1/02
G10K 11/16
G10K 11/172
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流れる主管に挿入される消音装置であって、内管と、前記主管と前記内管との間に形成されるサイドブランチチャンバとを備えた消音装置において、
前記内管の内面に、前記サイドブランチチャンバと連通する出入口が設けられ
前記サイドブランチチャンバは、前記主管と、前記内管と、前記内管の外面に形成された上流側と下流側との仕切り板と、前記内管の外面に形成された軸方向に延びるリブ板とで囲まれ、
前記サイドブランチチャンバを密封し、前記仕切り板と前記リブ板との外面に密着する外筒が設けられていことを特徴とする消音装置。
【請求項2】
前記内管の上流側端部の内面は、下流側に向かって縮径するテーパー面で形成されていることを特徴とする請求項に記載の消音装置。
【請求項3】
前記内管の下流側端部の内面は、下流側に向かって拡径するテーパー面で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の消音装置。
【請求項4】
前記主管と前記内管との間に共鳴チャンバを備え、
前記内管の内面に、前記共鳴チャンバと連通するように開口が設けられていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の消音装置。
【請求項5】
前記消音装置は、周方向に分割された複数のモジュールで構成されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の消音装置。
【請求項6】
前記消音装置は、軸方向に分割された複数のモジュールで構成されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の消音装置。
【請求項7】
前記消音装置は、周方向及び軸方向に分割された複数のモジュールで構成されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の消音装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空調装置の冷媒配管、排気管等に挿入される消音装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用空調装置において、コンプレッサの機械騒音や冷媒のキャビテーションによる騒音が配管を介してエバポレータに伝わり、吹出口からドライバに伝わるか、あるいは、配管の途中でエンジンルームの空間を介して車体経由でドライバに伝わる。このため、車両用空調装置の配管には、マフラー型のサイレンサが介設されたり、内挿型のサイレンサが挿入されている。マフラー型のサイレンサは、大型で重く、ろう付けによるコストアップが生じるため、近年では、内挿型のサイレンサが多く採用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、内管の外面に、らせん状のフィンを設けたものが記載されている。これは、内外の流路の差により位相差が生じて、音の干渉を引き起こし、消音効果が生じるが、成形や、流路長の調整が困難である。
【0004】
特許文献2には、管状の本体に挿入される消音器であって、該消音器と本体との間に共鳴器チャンバが設けられ、本体の流路が接続チャンネルを介して共鳴器チャンバに接続された消音器が記載されている。また、特許文献3には、内側部材を包囲する外側部材をベローズとし、内側部材と外側部材との間にキャビティが形成され、内側部材の開口がキャビティに開放している吸音装置が記載されている。これらは、いずれも共鳴型で、共鳴周波数が共鳴器の形状で決まるので、消音効果のある周波数が狭い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】欧州特許公開公報EP2138750A1
【文献】特許第5785173号公報明細書
【文献】特開2005-84693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたもので、透過損失が大きく、成形や周波数に応じた調整が容易で、消音効果を生じる周波数の範囲が広い消音装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、
(1)流体が流れる主管に挿入される消音装置であって、内管と、前記主管と前記内管との間に形成されるサイドブランチチャンバとを備えた消音装置において、
前記内管の内面に、前記サイドブランチチャンバと連通する出入口が設けられている。
【0008】
(2)前記サイドブランチチャンバは、
前記主管と、
前記内管と、
前記内管の外面に形成された上流側と下流側との仕切り板と、
前記内管の外面に形成された軸方向に延びるリブ板と、
で囲まれていることが好ましい。
【0009】
(3)前記内管の上流側端部の内面は、下流側に向かって縮径するテーパー面で形成されていることが好ましい。
(4)また、前記内管の下流側端部の内面は、下流側に向かって拡径するテーパー面で形成されていることが好ましい。
【0010】
(5)前記主管と前記内管との間に共鳴チャンバを備え、
前記内管の内面に、前記共鳴チャンバと連通するように開口が設けられていることが好ましい。
【0011】
(6)前記内管は、前記サイドブランチチャンバを密封する外筒が設けられていることが好ましい。
【0012】
(7)前記消音装置は、周方向に分割された複数のモジュールで構成されていることが好ましい。
(8)また、前記消音装置は、軸方向に分割された複数のモジュールで構成されていてもよい。
(9)あるいは、前記消音装置は、周方向及び軸方向に分割された複数のモジュールで構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、内管の内面に設けられた出入口からサイドブランチに進入し反射して戻る音波が、内管の音波と逆位相になって干渉し、消音される。また、内管の内面にサイドブランチチャンバと連通する出入口が設けられ、サイドブランチチャンバが主管より断面積の小さい内管から分岐している。このため、サイドブランチチャンバが主管から分岐するのに比べて、分岐の前後の断面積比を大きくとることができ、透過損失が大きくなり、消音効果を高めることができる。
【0014】
本発明の消音装置のサイドブランチチャンバは、主管に挿入される前は外気に開放されているので、成形が容易である。
【0015】
また、サイドブランチチャンバの長さを内管の軸方向に沿って変更することで、消音効果を生じる周波数を調整することができる。
【0016】
さらに、主管と内管との間に、長さの異なる複数のサイドブランチチャンバを形成することで、消音効果を生じる周波数の範囲を広くすることができる。
【0017】
請求項2の発明によれば、サイドブランチチャンバが、主管の内面と仕切り板とリブ板とで囲まれることで、サイドブランチチャンバの出入口から奥端までの長さと断面積とが単純化され、狙いの周波数に近い周波数で消音効果を得ることができる。
【0018】
請求項3、4の発明によれば、内管の上流側又は下流側端部がテーパー面で形成されることで、流体が内管に流入し、また内管から流出するときの圧力損失(以下、圧損という)を低減することができる。
【0019】
請求項5の発明によれば、内管の内面に設けられた開口から共鳴チャンバに進入した音波のエネルギーが共鳴チャンバで吸収され、消音される。このため、サイドブランチチャンバによる広範囲の周波数域での消音効果と、共鳴チャンバによる特定周波数域での消音効果とが複合した消音効果が得られる。特に、サイドブランチチャンバによる消音効果が得にくい周波数領域を共鳴チャンバによる消音効果で補うことで、より広範囲の周波数領域で消音効果を得ることができる。
【0020】
請求項6の発明によれば、外筒がサイドブランチチャンバを密封しているので、主管の曲がりや振動によるサイドブランチチャンバの漏れが防止され、消音効果を維持することができる。
【0021】
請求項7から9の発明によれば、音源の周波数に応じて、各モジュールを組み合わせて、最適な消音効果を奏するようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施形態に係る消音装置の主管の一部を破断した斜視図。
図2図1の主管に挿入される消音装置の斜視図。
図3図2の消音装置の正面図(a)及び左側面図(b)。
図4図3(a)のIVa-IVa線断面図(a)及びIVb-IVb線断面図(b)。
図5図3(b)のV-V線断面図。
図6】従来のサイドブランチ型の消音装置の斜視図。
図7図2の消音装置の第1変形例を示す断面図。
図8図2の消音装置の第2変形例を示す断面図。
図9図2の消音装置の第3変形例を示す断面図。
図10図2の消音装置の第4変形例を示す断面図。
図11図2の消音装置の第5変形例を示す断面図。
図12】消音効果の解析に用いた発明例と比較例とを示す断面図。
図13】比較例(base)、発明例(A)、発明例(B)、発明例(Z)の透過損失の解析結果を示すグラフ。
図14図13の比較例(base)、発明例(A)、発明例(B)、発明例(Z)の透過損失の解析結果を低周波数域、高周波数域、全周波数域の平均値で示したグラフ。
図15】本発明の第2実施形態に係る消音装置の斜視図。
図16】本発明の第3実施形態に係る消音装置の斜視図。
図17図16の消音装置の断面図。
図18図16の消音装置の変形例を示す断面図。
図19】本発明の第4実施形態に係る消音装置の斜視図。
図20】消音効果の解析に用いた発明例と比較例とを示す断面図。
図21】比較例(base)、発明例(refine 1)、発明例(refine 2)の透過損失の解析結果を示すグラフ。
図22図21の比較例(base)、発明例(refine 1)、発明例(refine 2)の透過損失の解析結果を重ね合わせたグラフ。
図23図21の比較例(base)、発明例(refine 1)、発明例(refine 2)の透過損失の解析結果を低周波数域、高周波数域、全周波数域の平均値で示したグラフ。
図24】本発明の第5実施形態に係る消音装置の主管の一部を破断した斜視図。
図25】周方向分割型の消音装置の第6実施形態に係る組立状態及び分割状態を示す斜視図。
図26】軸方向分割型の消音装置の第7実施形態に係る組立状態及び分割状態を示す斜視図。
図27】周方向及び軸方向に分割したミックス型の第8実施形態に係る消音装置の1モジュールを分離した状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を添付図面に従って説明する。
【0024】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る消音装置1を示す。消音装置1は、車両用空調装置の冷媒が流れる配管に設けられる。具体的には、消音装置は、図示しないコンプレッサ、コンデンサ、膨張弁及びエバポレータからなる車両用空調装置におけるエバポレータ又はコンプレッサの出口側の配管(以下、「主管」という)2に挿入される。主管2は、ゴムや合成樹脂等の弾性と可撓性とを有する素材で形成されているが、これに限らず、アルミニウム等の可撓性を有さない素材を使用してもよい。主管2には、図1において左側の上流から右側の下流に流体(以下「冷媒」という)が流れるものとする。
【0025】
図2図3に示すように、消音装置1は、内管3と、該内管3の上流側端部及び下流側端部に形成された端部仕切り板4と、内管3の軸方向中間部で上流側端部寄りの外面に形成された複数の中間仕切り板5と、内管3の周方向に所定間隔で形成された複数のリブ板6とを備え、合成樹脂により一体に形成されている。
【0026】
消音装置1は、図示しない固定部材により、主管2の外側から上流側又は下流側のいずれかの端部仕切り板4が締め付けられることにより、主管2の内部に固定されている。固定部材による固定を確実にするために、固定部材との接触面積が大きくなるように、端部仕切り板4の厚さを厚くしてもよい。
【0027】
内管3は、主管2の内径より小さい外径を有する。端部仕切り板4は、主管2の内径とほぼ同じ外径を有する円環形である。中間仕切り板5は、主管2の内径とほぼ同じ外径を有する扇形であり、4つの中間仕切り板5が軸方向の同じ位置に形成されることで、全体的に円環形である。リブ板6は、周方向に4つ設けられ、内管3の外周面の周4等配位置に放射状に突出されるとともに、軸方向に延びている。リブ板6の数は任意であり、1つ以上あればよい。また、リブ板6は周方向に等間隔でなくてもよい。端部仕切り板4の外周面、中間仕切り板5の外周面、及びリブ板6の外端面は、消音装置1が主管2に挿入されたときに主管2の内面と密着することで、後述するサイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7d及び7e、7f、7g、7hが、主管2によって密封されるようになっている。固定部材の代用として、消音装置1を主管2に挿入するとき、圧入したり、シール材を用いてもよい。
【0028】
図4(a)に示すように、主管2と内管3との間で、かつ、中間仕切り板5の上流側には、4つのサイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7dが形成されている。また、図4(b)に示すように、主管2と内管3との間で、かつ、中間仕切り板5の下流側には、4つのサイドブランチチャンバ7e、7f、7g、7hが形成されている。内管3の内面には、サイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7dに連通する4つの出入口8a、8b、8c、8dと、サイドブランチチャンバ7e、7f、7g、7hに連通する4つの出入口8e、8f、8g、8hとが形成されている。
【0029】
図3及び図4(a)に示すように、サイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7dは、主管2の内面と、内管3の外面と、上流側の端部仕切り板4と、中間仕切り板5と、1対のリブ板6とで囲まれた空間で形成されている。サイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7dに連通する出入口8a、8b、8c、8dは、中間仕切り板5の上流側で、中間仕切り板5に近接する位置に、内管3の壁を貫通するように形成されている。
【0030】
図3及び図4(b)に示すように、サイドブランチチャンバ7e、7f、7g、7hは、主管2の内面と、内管3の外面と、下流側の端部仕切り板4と、中間仕切り板5と、1対のリブ板6とで囲まれた空間で形成されている。サイドブランチチャンバ7e、7f、7g、7hに連通する出入口8e、8f、8g、8hは、中間仕切り板5の下流側で、中間仕切り板5に近接する位置に、内管3の壁を貫通するように形成されている。
【0031】
次に、本実施形態の消音装置1の作用について説明する。
【0032】
図5に示すように、主管2内を流れる冷媒は、消音装置1の上流側端部で内管3内に流入し、下流側端部で内管3内より流出する。消音装置1の上流側の図示しない音源から発生する音(コンプレッサの機械騒音や、冷媒のキャビテーションによる騒音)は、冷媒とともに下流側に伝搬し、消音装置1の内管3内に進入する。なお、音源は、下流側にあってもよく、その場合は、上流側で消音効果が生じることになる。
【0033】
内管3内を伝搬してきた音波は、内管3の内面に設けられた出入口8a、8b、8c、8dから4つのサイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7dに進入し、また、出入口8e、8f、8g、8hから4つのサイドブランチチャンバ7e、7f、7g、7hに進入し、各サイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7d及び7e、7f、7g、7hの奥端で反射して出入口8a、8b、8c、8d及び8e、8f、8g、8hに戻り、ここで、内管3の音波と逆位相になって干渉し、消音される。
【0034】
ここで、内管の断面積をS、サイドブランチチャンバの断面積をSs、サイドブランチチャンバの長さをl、音波の周波数をf、音速をcとすると、消音装置1での透過損失TLは数1で表される。なお、サイドブランチチャンバの長さlは、図5に示すように、中間仕切り板5から端部仕切り板4までの軸方向距離である。
【数1】
【0035】
本実施形態の消音装置1は、内管3の内面にサイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7d及び7e、7f、7g、7hと連通する出入口8a、8b、8c、8d及び8e、8f、8g、8hが設けられ、サイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7d及び7e、7f、7g、7hが、主管2より断面積の小さい内管3から分岐している。
【0036】
図6は、本発明と対比するための従来の構造の消音装置10を示す。図6の従来の消音装置10は、内管3の中間部に中間仕切り板5を設け、主管2と内管3との間に管状のサイドブランチチャンバ17a、17bを形成し、各サイドブランチチャンバ17a、17bの出入口18a、18bを内管3の上流側端部と下流側端部とに設けたものである。消音装置10の透過損失TLは、内管3の断面積の代わりに主管2の断面積をSとして、数1を適用することにより求めることができる。
【0037】

図5の本実施形態の消音装置1は、各サイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7d及び7e、7f、7g、7hが内管3から分岐している。このため、図6に示す従来の消音装置10のように、サイドブランチチャンバ17a、17bが主管2から分岐するのに比べて、分岐の前後の断面積比Ss/Sを大きくとることができ、透過損失TLが大きくなり、消音効果を高めることができる。
【0038】
本実施形態の消音装置1の第1から第4の各サイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7d及び7e、7f、7g、7hは、主管2に挿入される前は外気に開放されているので、成形が容易である。
【0039】
また、各サイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7d及び7e、7f、7g、7hの長さを内管3の軸方向に沿って変更することで、音源の周波数に応じて調整することができる。
【0040】
さらに、主管2と内管3との間に、長さの異なる複数のサイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7d及び7e、7f、7g、7hを形成することで、消音効果を生じる周波数の範囲を広くすることができる。
【0041】
第1実施形態の消音装置1は、サイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7d及び7e、7f、7g、7hの出入口8a、8b、8c、8d及び8e、8f、8g、8hを中間仕切り板5の上流側と下流側とに近接するように設けたが、図7に示すように、サイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7dの出入口8a、8b、8c、8dを上流側の端部仕切り板4に近接するように設けてもよいし、図8に示すように、サイドブランチチャンバ7e、7f、7g、7hの出入口8e、8f、8g、8hを下流側の端部仕切り板4に近接するように設けてもよい。また、図9に示すように、7a、7b、7c、7dの出入口8a、8b、8c、8dを上流側の端部仕切り板4に近接するように設け、7e、7f、7g、7hの出入口8e、8f、8g、8hを下流側の端部仕切り板4に近接するように設けてもよい。出入口の大きさは、すべてのサイドブランチチャンバで同じであってもよく、各サイドブランチチャンバで異なっていてもよい。
【0042】
第1実施形態の消音装置1において、図10に示すように、内管3の上流側端部の内面は、下流側に向かって縮径するテーパー面9aで形成されていてもよい。同様に、内管3の下流側端部の内面は、下流側に向かって拡径するテーパー面9bで形成されていてもよい。これにより、主管2から内管3を経て主管2に流出する冷媒の圧力損失を低減することができる。
【0043】
第1実施形態の消音装置1は、サイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7d及び7e、7f、7g、7hを中間仕切り板5の上流側と下流側とに設けたが、図11に示すように、内管3の外面に第1と第2との2つの中間仕切り板5a、5bを設けて、第1中間仕切り板5aと第2中間仕切り板5bとの間に、サイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7dを設けてもよい。この場合、第1中間仕切り板5aの上流側と第2中間仕切り板5bの下流側とは、従来のサイドブランチチャンバ17a、17bを形成している。
【0044】
本発明者らは、第1実施形態の消音装置1の消音効果を確認するため、図12に示す4つの解析モデルについて、コンピュータシミュレーションによる音響解析を行った。
【0045】
図12において、比較例(base)は、図6に示す従来の構造の消音装置10で、サイドブランチチャンバ17a、17bが、主管から分岐する構造である。これに対し、発明例(A)、発明例(B)及び発明例(Z)は、図2に示す第1実施形態の消音装置1と同様であって、このうち発明例(A)は、出入口8a、8b、8c、8d及び8e、8f、8g、8hを4mm(内管の厚さに近づける)、発明例(B)は、出入口8a、8b、8c、8d及び8e、8f、8g、8hを10mm(サイドブランチチャンバの断面積に近づける)、発明例(Z)は、発明例(A)の上流側端部と下流側端部とに勾配20°のテーパー面9a、9bを設けたものである。各解析モデルは、いずれも外径20mm、全長100mmとした。各解析モデルについて、内管3の内径を変更するとともに、音源の周波数を変化させて透過損失を求めた。
【0046】
図13は、内管3の内径pを8mmとした各解析モデルにおいて、周波数を0から8000Hzまで変化させたときの透過損失を示す。図13より、発明例の解析モデル(A)、(B)、(Z)は、3500~7000Hzで、比較例(base)よりも、透過損失が大きく、消音効果が大きいことが確認された。特に、解析モデル(B)は4000Hz以上で他の解析モデルより透過損失が大きく、消音効果が大きいことが確認された。
【0047】
図14は、内管3の内径pが6mm、8mm、10mmの各解析モデルにおいて、0~4000Hzの低周波数における透過損失の平均、4000~8000Hzの高周波数における透過損失の平均、全周波数における透過損失の平均を示す。図14より、内管3の内径が同一(p=8)の解析モデルでは、比較例(base)に比べて、発明例(A)、(B)、(Z)とも、透過損失が大きく、消音効果が大きいことが確認された。また、内管3の内径pが小さいほど、透過損失が大きく、消音効果が大きいことが確認された。
【0048】
なお、各解析モデルについて、流体の圧力損失は、比較例(base)が11.0kPaであったのに対し、発明例(A)11.4kPa、(B)11.8kPa、(Z)6.9kPaであり、テーパー面9a、9bを設けて圧損対策をした発明例(Z)の圧損低減効果が高いことが確認された。
【0049】
<第2実施形態>
図15は、本発明の第2実施形態に係る消音装置20を示す。
【0050】
第2実施形態の消音装置20は、2つのリブ板6が内管3の外周面の周2等配位置に突出されることにより、中間仕切り板5の上流側に2つのサイドブランチチャンバ7a、7bが形成され、中間仕切り板5の下流側に2つのサイドブランチチャンバ7c、7dが形成されている。また、サイドブランチチャンバ7aとサイドブランチチャンバ7cとを仕切る中間仕切り板5の厚さを、サイドブランチチャンバ7bとサイドブランチチャンバ7dとを仕切る中間仕切り板5の厚さより厚くすることで、4つのサイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7dの長さが異なるように形成されている。このように、4つのサイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7dの長さを音源の周波数に応じて調整することで、消音効果を生じる周波数の範囲を広くすることができる。
【0051】
<第3実施形態>
図16図17は、本発明の第3実施形態に係る消音装置30を示す。
【0052】
第3実施形態の消音装置30は、内管3の外面に2つの中間仕切り板5a、5bが設けられ、上流側の端部仕切り板4と第1中間仕切り板5aとの間に4つのサイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7dが形成され、下流側の端部仕切り板4と第2中間仕切り板5bとの間に4つのサイドブランチチャンバ7e、7f、7g、7hが形成され、さらに、第1中間仕切り板5aと第2中間仕切り板5bとの間に4つの共鳴チャンバ31a、31b、31c、31dが形成されている。サイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7d及び7e、7f、7g、7hの構成は、長さ寸法以外は、前記第1実施形態のものと同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0053】
共鳴チャンバ31a、31b、31c、31dは、主管2の内面と、内管3の外面と、第1中間仕切り板5aと、第2中間仕切り板5bと、1対のリブ板6とで囲まれた空間で形成されている。共鳴チャンバ31a、31b、31c、31dに連通する開口32a、32b、32c、32dは、第1中間仕切り板5aと第2中間仕切り板5bの中間で、内管3の壁を貫通するように形成されている。
【0054】
第3実施形態の消音装置30では、サイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7d及び7e、7f、7g、7hの消音効果に加えて、共鳴チャンバ31a、31b、31c、31dによる消音効果を奏する。すなわち、内管3に進入した音波のエネルギーが、共鳴チャンバ31a、31b、31c、31dで吸収され、消音される。
【0055】
ここで、共鳴チャンバ31a、31b、31c、31dの容積をV,開口32a、32b、32c、32dの断面積をSr、開口32a、32b、32c、32dの長さをl、音速をcとすると、共鳴周波数ωrは、数2で表される。
【数2】
【0056】
したがって、共鳴チャンバ31a、31b、31c、31dの共鳴周波数を入射音の周波数と一致させることで、特定域の周波数の消音効果を奏することができ、サイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7d及び7e、7f、7g、7hの消音効果と合わせて、消音効果を生じる周波数の範囲を広くすることができる。
【0057】
第3実施形態の消音装置は、第1中間仕切り板5aと第2中間仕切り板5bとの間に共鳴チャンバ31a、31b、31c、31dを設け、端部仕切り板4と第1中間仕切り板5aとの間にサイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7dを設け、第2中間仕切り板5bと端部仕切り板4との間にサイドブランチチャンバ7e、7f、7g、7hを設けたが、図18に示すように、第1中間仕切り板5aと第2中間仕切り板5bとの間にサイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7dを設け、端部仕切り板4と第1中間仕切り板5aとの間に共鳴チャンバ31a、31b、31c、31dを設け、第2中間仕切り板5bと端部仕切り板4との間に共鳴チャンバ31e、31f、31g、31hを設けてもよい。
【0058】
<第4実施形態>
図19は、本発明の第4実施形態に係る消音装置40を示す。
【0059】
図16の第3実施形態の消音装置30では、扇形の4つの中間仕切り板5を軸方向の同じ位置にすることで、円環状の第1中間仕切り板5aと第2中間仕切り板5bとが形成されているが、図19の第4実施形態の消音装置40では、扇形の中間仕切り板5が、軸方向にずらして形成され、これにより、共鳴チャンバ31a、31b、31c、31dの大きさと位置とがすべて異なり、サイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7d及び7e、7f、7hの長さも異なるように形成されている。
【0060】
具体的に説明すると、共鳴チャンバ31aは、内管3の軸方向中央に形成されている。共鳴チャンバ31bは、内管3の軸方向中央に共鳴チャンバ31aよりも大きく形成されている。共鳴チャンバ31cは、内管3の下流側の端部仕切り板4寄りに共鳴チャンバ31aより小さく形成されている。共鳴チャンバ31cの下流側の中間仕切り板は無く、下流側の端部仕切り板4が兼用されている。このため、共鳴チャンバ31cの下流側に隣接するサイドブランチチャンバ7gは存在しない。これにより、7つのサイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7d及び7e、7f、7hが形成されている。共鳴チャンバ31dは、内管3の軸方向中央に共鳴チャンバ31aよりも小さく形成されている。
【0061】
共鳴チャンバ31a、31b、31c、31dの共鳴周波数を入射音の周波数と一致させることで、特定域の周波数の消音効果を奏することができ、サイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7d及び7e、7f、7hの消音効果と合わせて、消音効果を生じる周波数の範囲を広くすることができる。
【0062】
本発明者らは、第2実施形態の消音装置20と、第4実施形態の消音装置40の消音効果を確認するため、図20に示す3つの解析モデルについて、コンピュータシミュレーションによる音響解析を行った。
【0063】
この音響解析では、媒質は、温度25℃、圧力0.101325MPa(標準気圧)、密度1.184kg/m、音速346.25m/sの空気とした。消音効果が得られる狙いの周波数を0~4000Hzとした。サイドブランチの長さをl、音速をcとすると、狙いの周波数fの理論値は、数3で求めた。
【数3】
【0064】
図20において、比較例(base)は、図6に示す従来の構造の消音装置10で、サイドブランチチャンバ17a、17bが、主管2から分岐する構造である。サイドブランチチャンバ17a、17bの長さはそれぞれ、22mm、72mmであり、消音効果を得る狙いの周波数の理論値は、3935Hz、1202Hzと、それらの奇数倍である。
【0065】
発明例(refine 1)は、図15に示す第2実施形態の消音装置20と同じであって、4つのサイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7dが、内管3から分岐する構造である。サイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7dの長さはそれぞれ、26mm、32mm、48mm、62mmであり、消音効果を得る狙いの周波数の理論値は、3329Hz、2705Hz、1803Hz、1396Hzと、それらの奇数倍である。
【0066】
発明例(refine 2)は、図19に示す第4実施形態の消音装置40と同じであって、7つのサイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7d及び7e、7f、7hが内管3から分岐し、4つの共鳴チャンバ31a、31b、31c、31dを有する構造である。サイドブランチチャンバ7a、7b、7c、7d及び7e、7f、7hの長さは、大きいものから順に、87mm×1、43mm×2、29mm×2、22mm×2であり、消音効果を得る周波数の理論値は、995Hz、2013Hz、2985Hz、3935Hzと、それらの奇数倍である。共鳴チャンバ31a、31b、31c、31dの共鳴体積は、大きいものから順に、2027.7mm、1436.3mm、295.7mm、253.5mm、であり、消音効果を得る狙いの周波数の理論値は、1159Hz、1378Hz、3036Hz、3279Hzである。
【0067】
各解析モデルは、いずれも外径20mm、全長100mm、出入口4mmとした。各解析モデルについて、音源の周波数を変化させて透過損失を求めた。
【0068】
図21(a)、(b)、(c)は、比較例(base)、発明例(refine 1)、発明例(refine 2)において、周波数を0~10000Hzまで変化させたときの透過損失の変化を示す。比較例(base)、発明例(refine 1)、発明例(refine 2)のいずれにおいても、狙いの周波数に近い周波数で透過損失が大きく、消音効果が得られることが確認された。
【0069】
発明例(refine 1)は、比較例(base)よりもサイドブランチの数が多く、しかも、各サイドブランチの長さが異なるので、多くの周波数に対して消音効果が得られている。また、発明例(refine 1)は、各サイドブランチが、主管から分岐する比較例(base)に比べて周波数全域にわたって透過損失が大きく、全体的に消音効果が高い。
【0070】
発明例(refine 2)は、7つのサイドブランチチャンバの消音効果に加えて、4つの共鳴チャンバによる消音効果が現れており、幾つか特定の周波数において、発明例(refine 1)よりも透過損失が大きく、消音効果が高い。
【0071】
図22は、図21の比較例(base)、発明例(refine 1)、発明例(refine 2)の各グラフを重ね合わせたものである。このグラフによると、発明例(refine 1)、発明例(refine 2)は、比較例(base)よりも全体的に透過損失が大きく、消音効果が高いことが分かる。
【0072】
図23は、比較例(base)、発明例(refine 1)、発明例(refine 2)のそれぞれにおいて、0~4000Hzの低周波数域における透過損失の平均値と、4000~8000Hzの高周波数域における透過損失の平均値と、0~8000Hzの全周波数域における透過損失の平均値を示す。これによると、発明例(refine 1)は、低周波数域も高周波数域も消音効果は同じであり、発明例(refine 2)は、低周波数域の方が高周波数域よりも消音効果が高く、また、周波数全域では、発明例(refine 1)よりも消音効果が高いことが分かる。
【0073】
<第5実施形態>
図24は、本発明の第5実施形態に係る消音装置50を示す。
【0074】
第5実施形態に係る消音装置50は、図19の第4実施形態の消音装置40を両端の端部仕切り板4又は中間仕切り板5の間隔以上の長さの外筒51に圧入して、外筒51が、各サイドブランチチャンバと共鳴チャンバとを密封するように形成されている。
【0075】
外筒51は、ナイロン等の合成樹脂で形成されている。外筒51は、アルミニウム等の金属でもよいが、消音装置40を外筒51に挿入したとき、消音装置40の端部仕切り板4、中間仕切り板5、リブ板6の外面と、外筒51の内面とが密着するように、シール材又は接着剤を用いることが好ましい。
【0076】
第5実施形態に係る消音装置50は、外筒51を装着した状態で、冷媒の流路を形成する主管2に挿入される。第5実施形態に係る消音装置50では、主管2がエンジンルーム内で配管される際に曲げられることがあっても、外筒51が各サイドブランチチャンバを密封しているので、主管2の曲がりや振動によるサイドブランチチャンバの漏れが防止され、消音効果を維持することができる。
【0077】
<分割型の消音装置の実施形態>
以上の実施形態の消音装置1、20、30,40、50は一体型であるが、以下に説明するように、分割型とすることができる。
【0078】
図25は、図19に示す第4実施形態の消音装置40を周方向に等分割した第6実施形態に係る消音装置60である。すなわち、消音装置60は、軸芯Cを含む分割面S1、S2で、内管3とリブ板6とが、周方向に等分割された4つのモジュールM1、M2、M3、M4で構成されている。第1モジュールM1は、サイドブランチチャンバ7a、共鳴チャンバ31a、サイドブランチチャンバ7eを有している。第2モジュールM2は、サイドブランチチャンバ7b、共鳴チャンバ31b、サイドブランチチャンバ7fを有している。第3モジュールM3は、サイドブランチチャンバ7c、共鳴チャンバ31cを有している。第4モジュールは、サイドブランチチャンバ7d、共鳴チャンバ31d、サイドブランチチャンバ7hを有している。各モジュールM1、M2、M3、M4は、リブ板6が重なるように組み合わせられて、主管2(図1参照)に挿入される。各モジュールM1、M2、M3、M4は、互いに接着されてもよいが、分割面S1、S2に凹部と凸部とを設けて互いに嵌合するようにしてもよい。また、分割面S1、S2は、リブ板6を含めていてもよく、リブ板6を含めていなくてもよい。
【0079】
図26は、軸方向に分割した第7実施形態に係る消音装置70である。すなわち、消音装置70は、軸芯Cに直交する分割面S11、S12で、内管3と中間仕切り板5とが、軸方向に分割された3つのモジュールM11、M12、M13で構成されている。第1モジュールM11は、周方向に4つのサイドブランチチャンバ7a~7d、第2モジュールM12は、周方向に4つのサイドブランチチャンバ7e~7h、第3モジュールM13は、周方向に4つのサイドブランチチャンバ7i~7lを有している。各モジュールM11、M12、M13は、中間仕切り板5が重なるように組み合わせられて、主管2(図1参照)に挿入される。各モジュールM11、M12、M13は、互いに接着されてもよいが、分割面Sに凹部と凸部とを設けて互いに嵌合するようにしてもよい。なお、図26では、各モジュールM11~M13は、サイドブランチチャンバ7a~7lを有するが、共鳴チャンバを有するものと、サイドブランチチャンバを有するものとで構成してもよい。また、分割面S11、S12は、中間仕切り板5を含めていてもよく、中間仕切り板5を含めていなくてもよい。
【0080】
図27は、周方向及び軸方向に分割した第8実施形態に係る消音装置80である。すなわち、消音装置80は、軸芯Cを含む分割面S21、S22で、内管3とリブ板6とが周方向に等分割されるとともに、軸芯Cに直交する分割面S23で、内管3と中間仕切り板5とが軸方向に分割されて、合計8つのモジュールM21~M28で構成されている。各モジュールM21~M28は、共鳴チャンバ31a~31hを有する。各モジュールM21~M28は、互いに接着されてもよいが、分割面S21、S22、S23に凹部と凸部とを設けて互いに嵌合するようにしてもよい。なお、図27では、各モジュールM21~M28は、共鳴チャンバ31a~31hを有するが、共鳴チャンバを有するものと、サイドブランチチャンバを有するものとで構成してもよい。また、分割面S21、S22は、リブ板6を含めていてもよく、リブ板6を含めていなくてもよい。また、分割面S23は、中間仕切り板5を含めていてもよく、中間仕切り板5を含めていなくてもよい。
【0081】
このように、外径を統一し、消音効果の異なるサイドブランチ型モジュールと、共鳴型モジュールと、あるいは、サイドブランチ型と共鳴型とを組み合わせたミックス型モジュールとを複数用意しておいて、音源の周波数に応じて、各モジュールを組み合わせることにより、最適な消音効果を奏するようにすることができる。
【0082】
本発明は、前記実施形態に限るものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨の範囲内で修正し変更することができる。
例えば、サイドブランチチャンバの数は、前記実施形態のように4つに限らないし、サイドブランチチャンバの長さも適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0083】
1…消音装置(第1実施形態)
2…主管
3…内管
4…端部仕切り板
5、5a、5b…中間仕切り板
6…リブ板
7a、7b、7c、7d、7e、7f、7g、7h…サイドブランチチャンバ
8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g、8h…サイドブランチチャンバの出入口
9a、9b…テーパー面
10…消音装置(対比用の従来構造)
17a、17b…サイドブランチチャンバ(対比用の従来構造)
18a、18b…サイドブランチチャンバの出入口(対比用の従来構造)
20…消音装置(第2実施形態)
30…消音装置(第3実施形態)
31a、31b、31c、31d…共鳴チャンバ
32a、32b、32c、32d…共鳴チャンバの開口
40…消音装置(第4実施形態)
50…消音装置(第5実施形態)
51…外筒
52…小径部
60… 消音装置(第6実施形態)
70… 消音装置(第7実施形態)
80… 消音装置(第8実施形態)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27