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特許7605469遭遇度算出装置、遭遇度算出方法、プログラム及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】遭遇度算出装置、遭遇度算出方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241217BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021038941
(22)【出願日】2021-03-11
(65)【公開番号】P2022138835
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2024-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】日室 聡仁
(72)【発明者】
【氏名】笹鹿 祐司
(72)【発明者】
【氏名】江島 直也
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-086763(JP,A)
【文献】特開2017-045342(JP,A)
【文献】特開2009-277005(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取得部、特定部、遭遇回数算出部、係数設定部、来場回数算出部、及び遭遇度算出部を含み、
前記取得部は、来場情報及び遭遇情報を取得し、
前記来場情報は、個々の来場者を示す識別情報と、前記来場者が任意の場所に来場した時刻を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記遭遇情報は、前記任意の場所で遭遇したそれぞれの前記来場者の前記識別情報と、前記遭遇した時間を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記特定部は、前記来場情報に基づいて、複数の前記来場者の中から継続者を特定し、
前記遭遇回数算出部は、前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、一方の継続者における他方の継続者との遭遇回数を前記他方の継続者毎に算出し、
前記係数設定部は、前記遭遇回数に基づいて、前記遭遇回数に対する係数を前記他方の継続者毎に設定し、
前記来場回数算出部は、前記来場情報に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記任意の場所への来場回数を時間帯別に算出し、
前記遭遇度算出部は、前記来場回数及び前記係数を用いて、複数の時間帯毎に、前記一方の継続者との遭遇回数が少ない前記他方の継続者との会いやすさを示す遭遇度を算出する、遭遇度算出装置。
【請求項2】
前記係数設定部は、前記遭遇回数を標準化して、前記遭遇回数の標準化変量を算出し、下記条件(1)及び(2)に基づき、前記遭遇回数に対する係数を設定する、請求項1記載の遭遇度算出装置。
(1)前記標準化変量の符号を逆転した数値を前記係数とする。
(2)前記標準化変量の符号を逆転した数値が0以下の場合、前記係数を0とする。
【請求項3】
前記遭遇度算出部は、前記他方の継続者間で同じ時間帯の前記来場回数にそれぞれの前記係数を乗じて算出した前記他方の継続者毎の各数値A~A1+nを合計し、合計して得られた数値A を一定期間以内における前記時間帯の出現回数にて割り、割って得られた数値Aを前記遭遇度とする、請求項1又は2記載の遭遇度算出装置。
【請求項4】
さらに、重要度算出部を含み、
前記重要度算出部は、前記遭遇回数に基づいて、前記一方の継続者を中心点として、前記一方の継続者と前記他方の継続者とのネットワークを作成し、且つ、任意のアルゴリズムを用いて前記他方の継続者の前記ネットワーク上の重要性を示す重要度を算出し、
前記係数設定部は、前記遭遇回数及び前記重要度に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記遭遇回数に対する係数を設定する、請求項1からのいずれか一項に記載の遭遇度算出装置。
【請求項5】
さらに、フィルタリング部を含み、
前記取得部は、来場可能時間帯情報及び属性情報の少なくとも一方を取得し、
前記来場可能時間帯情報は、前記来場者が前記任意の場所に来場可能な時間帯を示す情報であり、
前記属性情報は、前記来場者の属性を示す情報であり、
前記フィルタリング部は、前記来場情報及び前記遭遇情報に対し、取得した前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報の少なくとも一方を用いてフィルタリングを行い、
前記遭遇回数算出部は、フィルタリングされた前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記遭遇回数を算出し、
前記来場回数算出部は、フィルタリングされた前記来場情報に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記任意の場所への来場回数を時間帯別に算出する、請求項1からのいずれか一項に記載の遭遇度算出装置。
【請求項6】
さらに、記録部を含み、
前記記録部は、前記来場情報及び前記遭遇情報の少なくとも一方を記録する、請求項1からのいずれか一項に記載の遭遇度算出装置。
【請求項7】
さらに、抽出部及び通知部を含み、
前記抽出部は、複数の時間帯のなかから、前記遭遇度に関する任意の条件と適合する時間帯を抽出し、
前記通知部は、前記抽出された時間帯を前記一方の継続者に対して通知する、請求項1からのいずれか一項に記載の遭遇度算出装置。
【請求項8】
取得工程、特定工程、遭遇回数算出工程、係数設定工程、来場回数算出工程、及び遭遇度算出工程を含み、
前記取得工程は、来場情報及び遭遇情報を取得し、
前記来場情報は、個々の来場者を示す識別情報と、前記来場者が任意の場所に来場した時刻を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記遭遇情報は、前記任意の場所で遭遇したそれぞれの前記来場者の前記識別情報と、前記遭遇した時間を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記特定工程は、前記来場情報に基づいて、複数の前記来場者の中から継続者を特定し、
前記遭遇回数算出工程は、前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、一方の継続者における他方の継続者との遭遇回数を前記他方の継続者毎に算出し、
前記係数設定工程は、前記遭遇回数に基づいて、前記遭遇回数に対する係数を前記他方の継続者毎に設定し、
前記来場回数算出工程は、前記来場情報に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記任意の場所への来場回数を時間帯別に算出し、
前記遭遇度算出工程は、前記来場回数及び前記係数を用いて、複数の時間帯毎に、前記一方の継続者との遭遇回数が少ない前記他方の継続者との会いやすさを示す遭遇度を算出する、遭遇度算出方法。
【請求項9】
コンピュータに、取得手順、特定手順、遭遇回数算出手順、係数設定手順、来場回数算出手順、及び遭遇度算出手順を含む手順を実行させるためのプログラム:
前記取得手順は、来場情報及び遭遇情報を取得し、
前記来場情報は、個々の来場者を示す識別情報と、前記来場者が任意の場所に来場した時刻を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記遭遇情報は、前記任意の場所で遭遇したそれぞれの前記来場者の前記識別情報と、前記遭遇した時間を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記特定手順は、前記来場情報に基づいて、複数の前記来場者の中から継続者を特定し、
前記遭遇回数算出手順は、前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、一方の継続者における他方の継続者との遭遇回数を前記他方の継続者毎に算出し、
前記係数設定手順は、前記遭遇回数に基づいて、前記遭遇回数に対する係数を前記他方の継続者毎に設定し、
前記来場回数算出手順は、前記来場情報に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記任意の場所への来場回数を時間帯別に算出し、
前記遭遇度算出手順は、前記来場回数及び前記係数を用いて、複数の時間帯毎に、前記一方の継続者との遭遇回数が少ない前記他方の継続者との会いやすさを示す遭遇度を算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遭遇度算出装置、遭遇度算出方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ同士の出会いを支援する技術として、例えば、特許文献1には、双方の要求情報と身辺情報とを比較して一致するか否かを判定し、一致した場合に、双方に相手方の連絡先を通知する技術が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-242657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術は、双方の要求情報と身辺情報とが一致する必要があるため、ユーザに提示できる相手が限られるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、他のユーザとの会いやすさを示す遭遇度を算出可能な遭遇度算出装置、遭遇度算出方法、プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の遭遇度算出装置は、
取得部、特定部、遭遇回数算出部、係数設定部、来場回数算出部、及び遭遇度算出部を含み、
前記取得部は、来場情報及び遭遇情報を取得し、
前記来場情報は、個々の来場者を示す識別情報と、前記来場者が任意の場所に来場した時刻を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記遭遇情報は、前記任意の場所で遭遇したそれぞれの前記来場者の前記識別情報と、前記遭遇した時間を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記特定部は、前記来場情報に基づいて、複数の前記来場者の中から継続者を特定し、
前記遭遇回数算出部は、前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、一方の継続者における前記他方の継続者との遭遇回数を他方の継続者毎に算出し、
前記係数設定部は、前記遭遇回数に基づいて、前記遭遇回数に対する係数を前記他方の継続者毎に設定し、
前記来場回数算出部は、前記来場情報に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記任意の場所への来場回数を時間帯別に算出し、
前記遭遇度算出部は、前記来場回数及び前記係数を用いて、複数の時間帯毎に、前記一方の継続者との遭遇回数が少ない前記他方の継続者との会いやすさを示す遭遇度を算出する、装置である。
【0007】
本発明の遭遇度算出方法は、
取得工程、特定工程、遭遇回数算出工程、係数設定工程、来場回数算出工程、及び遭遇度算出工程を含み、
前記取得工程は、来場情報及び遭遇情報を取得し、
前記来場情報は、個々の来場者を示す識別情報と、前記来場者が任意の場所に来場した時刻を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記遭遇情報は、前記任意の場所で遭遇したそれぞれの前記来場者の前記識別情報と、前記遭遇した時間を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記特定工程は、前記来場情報に基づいて、複数の前記来場者の中から継続者を特定し、
前記遭遇回数算出工程は、前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、一方の継続者における前記他方の継続者との遭遇回数を他方の継続者毎に算出し、
前記係数設定工程は、前記遭遇回数に基づいて、前記遭遇回数に対する係数を前記他方の継続者毎に設定し、
前記来場回数算出工程は、前記来場情報に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記任意の場所への来場回数を時間帯別に算出し、
前記遭遇度算出工程は、前記来場回数及び前記係数を用いて、複数の時間帯毎に、前記一方の継続者との遭遇回数が少ない前記他方の継続者との会いやすさを示す遭遇度を算出する、方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、他のユーザとの会いやすさを数値化することができる。また、本発明によれば、ユーザ同士の出会いを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態1の遭遇度算出装置の一例の構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態1の遭遇度算出装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態1の遭遇度算出装置における処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、継続者の特定に関する処理の一例を示す模式図である。
図5図5は、遭遇回数の算出に関する処理の一例を示す模式図である。
図6図6は、係数の設定に関する処理の一例を示す模式図である。
図7図7は、遭遇度の算出に関する処理の一例を示す模式図である。
図8図8は、重要度の算出に関する処理の一例を示す模式図である。
図9図9は、重要度を算出した場合における係数の設定に関する処理の一例を示す模式図である。
図10図10は、集計データの生成に関する処理の一例を示す模式図である。
図11図11は、予測式及び標準誤差の設定に関する処理の一例を示す模式図である。
図12図12は、予測値の算出に関する処理の一例を示す模式図である。
図13図13は、集計データにおける遭遇回数と予測値との誤差の算出に関する処理の一例を示す模式図である。
図14図14は、来場回数と遭遇回数との相関関係を分析した結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の遭遇度算出装置において、例えば、
前記係数設定部は、前記遭遇回数を標準化して、前記遭遇回数の標準化変量を算出し、下記条件(1)及び(2)に基づき、前記遭遇回数に対する係数を設定する、という態様であってもよい。
(1)前記標準化変量の符号を逆転した数値を前記係数とする。
(2)前記標準化変量の符号を逆転した数値が0以下の場合、前記係数を0とする。
【0011】
本発明の遭遇度算出装置において、例えば、
前記係数設定部は、前記遭遇回数が予め設定した回数以下である場合に、前記係数を1として設定し、且つ、前記予め設定した回数以上である場合に、前記係数を0に設定する、という態様であってもよい。
【0012】
本発明の遭遇度算出装置において、例えば、
前記遭遇度算出部は、前記他方の継続者間で同じ時間帯の前記来場回数にそれぞれの前記係数を乗じて算出した前記他方の継続者毎の各数値A~A1+nを合計し、合計して得られた数値Aを前記一定期間以内における前記時間帯の出現回数にて割り、割って得られた数値Aを前記遭遇度とする、という態様であってもよい。
【0013】
本発明の遭遇度算出装置は、例えば、
さらに、重要度算出部を含み、
前記重要度算出部は、前記遭遇回数に基づいて、前記一方の継続者を中心点として、前記一方の継続者と前記他方の継続者とのネットワークを作成し、且つ、任意のアルゴリズムを用いて前記他方の継続者の前記ネットワーク上の重要性を示す重要度を算出し、
前記係数設定部は、前記遭遇回数及び前記重要度に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記遭遇回数に対する係数を設定する、という態様であってもよい。
【0014】
本発明の遭遇度算出装置は、例えば、
さらに、フィルタリング部を含み、
前記取得部は、来場可能時間帯情報及び属性情報の少なくとも一方を取得し、
前記来場可能時間帯情報は、前記来場者が前記任意の場所に来場可能な時間帯を示す情報であり、
前記属性情報は、前記来場者の属性を示す情報であり、
前記フィルタリング部は、前記来場情報及び前記遭遇情報に対し、取得した前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報の少なくとも一方を用いてフィルタリングを行い、
前記遭遇回数算出部は、フィルタリングされた前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記遭遇回数を算出し、
前記来場回数算出部は、フィルタリングされた前記来場情報に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記任意の場所への来場回数を時間帯別に算出する、という態様であってもよい。
【0015】
本発明の遭遇度算出装置は、例えば、
さらに、記録部を含み、
前記記録部は、前記来場情報及び前記遭遇情報の少なくとも一方を記録する、という態様であってもよい。
【0016】
本発明の遭遇度算出装置は、例えば、
さらに、抽出部及び通知部を含み、
前記抽出部は、複数の時間帯のなかから、前記遭遇度に関する任意の条件と適合する時間帯を抽出し、
前記通知部は、前記時間帯を前記一方の継続者に対して通知する、という態様であってもよい。
【0017】
本発明の遭遇度算出方法において、例えば、
前記係数設定工程は、前記遭遇回数を標準化して、前記遭遇回数の標準化変量を算出し、下記条件(1)及び(2)に基づき、前記遭遇回数に対する係数を設定する、という態様であってもよい。
(1)前記標準化変量の符号を逆転した数値を前記係数とする。
(2)前記標準化変量の符号を逆転した数値が0以下の場合、前記係数を0とする。
【0018】
本発明の遭遇度算出方法において、例えば、
前記係数設定工程は、前記遭遇回数が予め設定した回数以下である場合に、前記係数を1として設定し、且つ、前記予め設定した回数以上である場合に、前記係数を0に設定する、という態様であってもよい。
【0019】
本発明の遭遇度算出方法において、例えば、
前記遭遇度算出工程は、前記他方の継続者間で同じ時間帯の前記来場回数にそれぞれの前記係数を乗じて算出した前記他方の継続者毎の各数値A~A1+nを合計し、合計して得られた数値Aを前記一定期間以内における前記時間帯の出現回数にて割り、割って得られた数値Aを前記遭遇度とする、という態様であってもよい。
【0020】
本発明の遭遇度算出方法は、例えば、
さらに、重要度算出工程を含み、
前記重要度算出工程は、前記遭遇回数に基づいて、前記一方の継続者を中心点として、前記一方の継続者と前記他方の継続者とのネットワークを作成し、且つ、任意のアルゴリズムを用いて前記他方の継続者の前記ネットワーク上の重要性を示す重要度を算出し、
前記係数設定工程は、前記遭遇回数及び前記重要度に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記遭遇回数に対する係数を設定する、という態様であってもよい。
【0021】
本発明の遭遇度算出方法は、例えば、
さらに、フィルタリング工程を含み、
前記取得工程は、来場可能時間帯情報及び属性情報の少なくとも一方を取得し、
前記来場可能時間帯情報は、前記来場者が前記任意の場所に来場可能な時間帯を示す情報であり、
前記属性情報は、前記来場者の属性を示す情報であり、
前記フィルタリング工程は、前記来場情報及び前記遭遇情報に対し、取得した前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報の少なくとも一方を用いてフィルタリングを行い、
前記遭遇回数算出工程は、フィルタリングされた前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記遭遇回数を算出し、
前記来場回数算出工程は、フィルタリングされた前記来場情報に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記任意の場所への来場回数を時間帯別に算出する、という態様であってもよい。
【0022】
本発明の遭遇度算出方法は、例えば、
さらに、記録工程を含み、
前記記録工程は、前記来場情報及び前記遭遇情報の少なくとも一方を記録する、という態様であってもよい。
【0023】
本発明の遭遇度算出方法は、例えば、
さらに、抽出工程及び通知工程を含み、
前記抽出工程は、複数の時間帯のなかから、前記遭遇度に関する任意の条件と適合する時間帯を抽出し、
前記通知工程は、前記時間帯を前記一方の継続者に対して通知する、という態様であってもよい。
【0024】
本発明のプログラムは、本発明の方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0025】
本発明の記録媒体は、本発明のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0026】
本発明において、「遭遇」とは、2人以上の来場者が同じ時間且つ同一の場所に存在しているという事実があればよく、例えば、すれ違い、追い越し、交差等を含めて、最も広義に解釈されるべきであり、如何なる意味においても限定されない。また、「遭遇」とは、各来場者が挨拶する、会話を交わす等の相互に認知することに限定されるものではない。
【0027】
次に、本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0028】
[実施形態1]
図1は、本実施形態の遭遇度算出装置10の一例の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本装置10は、取得部11、特定部12、遭遇回数算出部13、係数設定部14、来場回数算出部15、及び遭遇度算出部16を含む。また、本装置10は、任意の構成として、さらに、重要度算出部17、フィルタリング部18、記録部19、抽出部20、及び通知部21を含んでもよい。
【0029】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等があげられる。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。さらに、本装置10は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0030】
図2に、本装置10のハードウエア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、表示装置106、通信デバイス107等を含む。本装置10の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0031】
中央処理装置101は、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央処理装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置101が、取得部11、特定部12、遭遇回数算出部13、係数設定部14、来場回数算出部15、及び遭遇度算出部16として機能する。また、中央処理装置101は、例えば、重要度算出部17、フィルタリング部18、記録部19、抽出部20、及び通知部21としても機能する。
【0032】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部記憶装置(外部データベース等)、プリンター、外部入力装置、外部表示装置、外部撮像装置等があげられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス107により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。
【0033】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央処理装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央処理装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0034】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。
【0035】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置10によって生成した情報、本装置10が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ102及び記憶装置104以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。また、メモリ102及び記憶装置104は、例えば、記録部19が記録した各種情報を記憶してもよい。
【0036】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、及び表示装置106を含んでもよい。入力装置105は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス等である。表示装置106は、例えば、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等が挙げられる。
【0037】
つぎに、本実施形態の遭遇度算出方法の一例を、図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の遭遇度算出方法は、例えば、図1の遭遇度算出装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の遭遇度算出方法は、図1の遭遇度算出装置10の使用には限定されない。また、図3においてかっこで示した工程は、任意の工程である。
【0038】
まず、取得部11により、来場情報及び遭遇情報を取得する(S11a、取得工程)。前記来場情報は、個々の来場者を示す識別情報と、前記来場者が任意の場所に来場した時刻を示す時刻情報と、を紐づけた情報である。前記遭遇情報は、前記任意の場所で遭遇したそれぞれの前記来場者の前記識別情報と、遭遇した時間を示す時刻情報と、を紐づけた情報である。取得部11は、例えば、前記通信回線網を介して外部サーバや外部データベース等から前記来場情報及び前記遭遇情報を取得してもよいし、メモリ102及び記憶装置104に記憶している前記来場情報及び前記遭遇情報を読み出すことで取得してもよい。前記識別情報は、例えば、前記来場者が前記任意の場所に来場した際に携帯している携行品の識別情報であってもよい。前記携行品としては、例えば、入場券、IC(integrated circuit)カード、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイス等である。前記識別情報は、例えば、ID(identification)、メールアドレス、生体情報(顔、指紋、声、等)等である。なお、前記任意の場所は、特に制限されず、屋内であってもよいし、屋外であってもよいし、電車等の移動体内であってもよい。具体的に、前記任意の場所としては、例えば、ゴミステーション、公園、スーパー等がある。前記来場者は、例えば、ユーザともいう。
【0039】
次に、特定部12により、前記来場情報に基づいて、複数の前記来場者の中から継続者を特定する(S12、特定工程)。前記継続者は、前記任意の場所に継続的に来場している来場者を意味する。特定部12は、例えば、前記来場情報に基づいて、基準日から遡って一定期間以内に前記任意の場所に来場している前記来場者を継続者として特定してもよい。前記基準日は、例えば、前記工程(S12)を実行した日である。前記一定期間は、特に制限されず、例えば、2週間、1か月、3か月等であり、任意に設定できる。また、特定部12は、例えば、特開2020-149240に記載の技術を用いて、前記来場者毎の来場傾向から前記継続者を特定してもよい。
【0040】
次に、遭遇回数算出部13により、前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、一方の継続者における前記他方の継続者との遭遇回数を他方の継続者毎に算出する(S13、遭遇回数算出工程)。なお、前記遭遇回数は、例えば、0以上の数である。なお、前記工程(S13)は、例えば、前記工程(S12)と並行して実行されてもよいし、前記工程(S12)の前に実行されてもよい。
【0041】
次に、係数設定部14により、前記遭遇回数に基づいて、前記遭遇回数に対する係数を前記他方の継続者毎に設定する(S14、係数設定工程)。後述するが、係数設定部14は、例えば、前記遭遇回数の標準化変量を算出することで、前記遭遇回数に対する係数を設定してもよい。
【0042】
また、係数設定部14は、例えば、前記遭遇回数が予め設定した回数以下である場合に、前記係数を1として設定し、且つ、前記予め設定した回数以上である場合に、前記係数を0に設定してもよい。前記予め設定した回数は、特に制限されず、任意に設定できる。
【0043】
次に、来場回数算出部15により、前記来場情報に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記任意の場所への来場回数を時間帯別に算出する(S15、来場回数算出工程)。来場回数算出部15は、例えば、前記他方の継続者毎に、特定部12の処理における「前記基準日から遡って一定期間以内」と同じ期間内の来場回数を時間帯別に算出してもよいし、前記任意の場所への来場回数の総計であってもよい。
【0044】
そして、遭遇度算出部16により、前記来場回数及び前記係数を用いて、複数の時間帯毎に、前記一方の継続者との遭遇回数が少ない前記他方の継続者との会いやすさを示す遭遇度を算出し(S16、遭遇度算出工程)、終了する(END)。具体的に、遭遇度算出部16は、例えば、前記他方の継続者間で同じ時間帯の前記来場回数にそれぞれの前記係数を乗じて算出した前記他方の継続者毎の各数値A~A1+nを合計し、合計して得られた数値Aを前記一定期間以内における前記時間帯の出現回数にて割り、割って得られた数値Aを前記遭遇度としてもよい。本装置10は、例えば、前記通信回線網を介して、前記遭遇度を他の装置に出力してもよい。
【0045】
前述のように、本装置10は、例えば、さらに、重要度算出部17を含んでもよい。重要度算出部17は、前記遭遇回数に基づいて、前記一方の継続者を中心点として、前記一方の継続者と前記他方の継続者とのネットワークを作成し、且つ、任意のアルゴリズムを用いて前記他方の継続者の前記ネットワーク上の重要性を示す重要度を算出する(S17、重要度算出工程)。前記アルゴリズムは、特に制限されず、例えば、ベージランクアルゴリズム、固有ベクトル中心性アルゴリズム、次数中心性アルゴリズム等である。「前記ネットワーク上の重要性」は、例えば、遭遇した継続者の数、及び前記遭遇した継続者との遭遇回数が多いほど、高くなる。前記工程(S17)は、例えば、図3に示すように、前記工程(S13)の後、且つ前記工程(S14)の前に実行してもよい。
【0046】
重要度算出部17は、例えば、前記遭遇回数と予測値とを用いて前記重要度を算出してもよい。具体的に、重要度算出部17は、例えば、集計データ生成部、設定部、予測値算出部、及び誤差算出部を含んでもよい。この場合、まず、前記集計データ生成部により、前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成する。前記来場回数が多くなると、前記遭遇回数も増えると考えられるため、後述のように、前記来場回数と前記遭遇回数とには、正の相関があるといえる。次に、前記設定部により、前記集計データを分析して、遭遇回数の予測値を算出する予測式及び標準誤差を設定する。次に、前記予測値算出部により、前記予測式を用いて、前記来場者毎に、前記遭遇回数の予測値を算出する。次に、前記誤差算出部により、前記集計データにおける遭遇回数と、前記遭遇回数の予測値と、前記標準誤差とに基づいて、前記来場者毎に、前記集計データにおける遭遇回数と前記予測値との誤差を算出する。そして、重要度算出部17は、前記誤差を前記重要度する。具体的には、実施形態3にて説明する。
【0047】
前記工程(S17)を実行した後、前記工程(S14)において、係数設定部14は、前記遭遇回数及び前記重要度に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記遭遇回数に対する係数を設定する。具体的に、係数設定部14は、例えば、前記遭遇回数の標準化変量に、-1を乗じた数値が0よりも大きい場合に、前記数値に前記重要度を乗じて算出した数値を前記係数として設定してもよい。一方で、例えば、前記遭遇回数の標準化変量に、-1を乗じた数値が0よりも小さい場合は、前記係数を0として設定してもよい。このように、重要度を考慮した係数を設定することで、例えば、前記遭遇回数が少なく、且つ知り合いが多い他方の継続者(遭遇した継続者の数、及び前記遭遇した継続者との遭遇回数が多い他方の継続者)と遭遇しやすい時間帯の遭遇度を高くすることができる。
【0048】
前述のように、本装置10は、例えば、さらに、フィルタリング部18を含んでもよい。この場合、取得部11により、来場可能時間帯情報及び属性情報の少なくとも一方を取得する(S11b、取得工程)。前記来場可能時間帯情報は、前記来場者が前記任意の場所に来場可能な時間帯を示す情報である。前記時間帯は、例えば、30分毎の時間帯であってもよいし、1時間毎の時間帯であってもよい。また、前記時間帯は、例えば、曜日別の時間帯であってもよい。前記属性情報は、前記来場者の属性を示す情報であり、前記属性としては、例えば、性別、年齢、趣味、職業等の属性がある。前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報は、例えば、前記来場者の識別情報と紐づけられている。取得部11は、例えば、前記通信回線網を介して外部サーバや外部データベース等から前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報を取得してもよいし、メモリ102及び記憶装置104に記憶している前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報を読み出すことで取得してもよい。前記工程(S11b)は、図3に示すように、前記工程(S11a)と並行して実行してもよいし、順番に実行してもよい。前記順番は、特に制限されない。
【0049】
前記工程(S11a)及び前記工程(S11b)を実行した後、フィルタリング部18により、前記来場情報及び前記遭遇情報に対し、取得した前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報の少なくとも一方を用いてフィルタリングを行う(S18、フィルタリング工程)。つまり、来場者Xにおける前記来場可能時間帯情報が示す時間帯が、「月曜日~金曜日の14時から17時」であるとすると、フィルタリング部18は、前記来場情報及び前記遭遇情報の中から、「月曜日~金曜日の14時から17時」の時間帯内の時刻情報を有する来場情報及び遭遇情報を取り出す(フィルターする)。また、来場者Yにおける前記属性情報が示す属性が、「40代、女性」であるとすると、フィルタリング部18は、前記来場情報及び前記遭遇情報の中から、「40代、女性」の属性情報を有する来場者の来場情報及び遭遇情報を取り出す(フィルターする)。
【0050】
前記工程(S18)を実行した後、前記工程(S13)において、遭遇回数算出部13により、フィルタリングされた前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記遭遇回数を算出する。また、前記工程(S15)において、来場回数算出部15により、フィルタリングされた前記来場情報に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記任意の場所への来場回数を時間帯別に算出する。
【0051】
このように、前記来場可能時間帯情報を用いて、前記来場情報及び前記遭遇情報をフィルタリングすることで、例えば、来場者Xが前記任意の場所に来場可能な時間帯内で、前記遭遇度の高い時間帯を特定することができる。また、前記属性情報を用いて、前記来場情報及び前記遭遇情報をフィルタリングすることで、例えば、来場者Xと、同じ趣味を持っている人や同世代の人と知り合いやすい(遭遇しやすい)時間帯を特定することができる。
【0052】
前述のように、本装置10は、例えば、さらに、記録部19を含んでもよい。記録部19は、例えば、前記来場情報、前記遭遇情報、前記来場可能時間帯情報、前記属性情報等の情報を記録する(S19、記録工程)。前記工程(S19)は、例えば、図3に示すように、前記工程(S11a)及び前記工程(S11b)の前に実行されればよい。前記各情報を記録する手法は、特に制限されない。
【0053】
前記来場情報を記録する場合、記録部19は、例えば、前記携行品を携帯する来場者が前記任意の場所に来場する際に、前記携行品の識別情報を読み取ることで、前記来場情報を記録してもよい。また、前記来場情報を記録する場合、記録部19は、例えば、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等を用いて、前記携行品を携帯する来場者が前記任意の場所に入ったことを検知することで、前記来場情報を記録してもよい。さらに、前記来場情報を記録する場合、記録部19は、センサやカメラ等を用いて、前記来場者が前記任意の場所に入ったことを検知することで、前記来場情報を記録してもよい。
【0054】
前記遭遇情報を記録する場合、記録部19は、例えば、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等を用いて、前記携行品を携帯する複数の来場者が前記任意の場所に入ったことを検知することで、前記遭遇情報を記録してもよい。また、前記遭遇情報を記録する場合、記録部19は、例えば、前記任意の場所において、一方の来場者が来場した前後であって一定時間以内(例えば、5分以内等)に、他方の来場者の来場があったときは、前記一方の来場者と前記他方の来場者とが遭遇したと推定して前記遭遇情報を記録してもよい。
【0055】
前記来場可能時間帯情報や前記属性情報を記録する場合、記録部19は、例えば、前記来場者の端末(例えば、携帯電話、スマートフォン、PC、ウェアラブルデバイス等)から前記来場可能時間帯情報や前記属性情報の入力を受付けることで、前記来場可能時間帯情報や前記属性情報を記録してもよい。
【0056】
前述のように、本装置10は、例えば、さらに、抽出部20及び通知部21を含んでもよい。抽出部20は、例えば、図3に示すように、前記工程(S16)の後に続けて、複数の時間帯のなかから、前記遭遇度に関する任意の条件と適合する時間帯を、前記一方の継続者に推奨する時間帯として抽出する(S20、抽出工程)。前記任意の条件は、前記遭遇度に関する条件であれば特に制限されず、任意に設定できる。具体的には、例えば、前記遭遇度が高い順若しくは低い順に、予め設定した数の時間帯を抽出してもよい。
【0057】
前記工程(S20)を実行した後、通知部21により、前記時間帯を前記一方の継続者に対して通知し(S21、通知工程)、終了する(END)。前記通知の手法は、特に制限されず、例えば、前記来場者の端末に対して、抽出部20により抽出した前記時間帯を通知してもよいし、表示装置106上に前記時間帯を表示してもよい。前記時間帯を通知することで、前記来場者は、遭遇回数の少ない他の来場者と会いやすい時間を把握することができる。
【0058】
本実施形態によれば、例えば、他のユーザとの会いやすさを示す遭遇度を算出することができ、前記遭遇度を利用することで、ユーザ同士の出会いを支援することができる。特許文献1に関連する技術は、事前に、要求情報及び身辺情報等の情報を登録する手間があり、これらの情報に変更があった場合、その都度更新する必要があった。また、特許文献1に関連する技術は、これらの情報に基づいて、ユーザに推奨する他のユーザを抽出して通知するため、抽出されるユーザに多様性が生まれない。しかしながら、本実施形態は、「他のユーザ」を抽出するのではなく、遭遇回数が少ない他のユーザと会いやすい「時間帯」を抽出して通知することができ、前記ユーザに対して、様々な他のユーザとの出会いを促すことができる。そして、前記ユーザは、例えば、前記遭遇度が高い時間帯に前記任意の場所に行くことで、新たな知り合いを増やすことができる。また、インフルエンサーと呼ばれるユーザが他のユーザに口コミで何かを伝えたい時に、前記遭遇度が高い時間帯に前記任意の場所に行くことで、効率的に伝達することが可能となる。
【0059】
[実施形態2]
本発明における、継続者の特定、遭遇回数の算出、係数の設定、遭遇度の算出、及び重要度の算出に関する処理の一例を、図1の遭遇度算出装置10を用いて説明する。なお、これらの処理は、図1の遭遇度算出装置10の使用には限定されない。
【0060】
図4は、継続者の特定に関する処理の一例を示す図である。図4上部に、前記来場情報の一例を示す。図中において、「user」は、前記来場者の識別情報を意味し、「date」は、前記各時刻情報を意味する(他の図中においても同様)。特定部12は、例えば、図4中部に示すように、前記来場情報に基づいて、各来場者A~C及びZが最後に来場した日を抽出する。そして、特定部12は、例えば、基準日(11月24日)から直近2週間以内に来場していない来場者Zを離脱者として判断し、基準日(11月24日)から直近2週間以内に来場している来場者A~Cを継続者として判断する。の中から、継続者として、来場者A~Cを特定する。なお、これは、一例であって、これに限定されない。前述したように、特定部12は、複数の前記来場者の中から継続者を特定できればよく、例えば、特開2020-149240に記載の技術を用いて、前記来場者毎の来場傾向から前記継続者を特定してもよい。
【0061】
図5は、遭遇回数の算出に関する処理の一例を示す図である。図5上部に、前記遭遇情報の一例を示す。例えば、図中において、「user_1」の項目に「A」、「user_2」の項目に「B」、「date」の項目に「2020-11-20 10:00」を記録している前記遭遇情報は、来場者Aと来場者Bとが2020年11月20日10時に遭遇したことを示す。以下、図5以降の図面及び各部の処理について、来場者Aに着目して説明するが、他の来場者B~Dに対しても同様の処理を実行する。遭遇回数算出部13は、例えば、図5下部に示すように、前記遭遇情報に基づいて、来場者Aにおいて、前記遭遇回数を他の来場者B~D毎に算出する。また、遭遇回数算出部13は、例えば、前記遭遇回数に「0」を含めるために、前記来場情報にも基づいて前記遭遇回数を算出してもよい。
【0062】
図6は、係数の設定に関する処理の一例を示す図である。図6に示すデータテーブル内の「user」と「遭遇回数」は、図5下段に示すデータテーブルと同じである。係数設定部14は、例えば、来場者B~Dのうち前記遭遇回数が少ない来場者(例えば、来場者D)の来場傾向を、前記遭遇回数が多い来場者(例えば、来場者B及びC)よりも強く反映させるために、前記遭遇回数に基づいて、前記遭遇回数に対する係数を来場者B~D毎に設定する。なお、「遭遇回数が少ない」もしくは「遭遇回数が多い」とは、例えば、予め設定した遭遇回数と比較した場合の大小関係を意味するものであってもよいし、後述の遭遇回数の標準化変量が0未満になる場合を「遭遇回数が少ない」といい、後述の遭遇回数の標準化変量が0又は0を超える場合を「遭遇回数が多い」と言ってもよい。具体的に、係数設定部14は、例えば、前記遭遇回数を標準化して、前記遭遇回数の標準化変量を算出し、下記条件(1)及び(2)に基づき、前記遭遇回数に対する係数を設定してもよい。下記条件(1)及び(2)における「符号を逆転」するとは、例えば、-1を乗じることを意味する。
(1)前記標準化変量の符号を逆転した数値を前記係数とする。
(2)前記標準化変量の符号を逆転した数値が0以下の場合、前記係数を0とする。
【0063】
前記遭遇回数の標準化変量(Z)は、例えば、図6に式(2)として示すように、前記遭遇回数(X)を前記遭遇回数の平均値(Xのオーバーライン)で引いた後に前記遭遇回数の標準偏差(S)で割ることで算出される。
【0064】
なお、図6及び図6に基づく係数設定部14の処理の説明は、一例であって、これに限定されない。前述したように、係数設定部14は、前記遭遇回数に基づいて前記係数を設定できればよく、例えば、遭遇回数がn回以下の場合に前記係数を1と設定したり、遭遇回数がn回以上の場合に前記係数を0と設定したりしてもよい(n=1以上の整数)。また、係数設定部14は、例えば、前記係数を0以上に設定する。
【0065】
図7は、遭遇度の算出に関する処理の一例を示す図である。図7に示す来場情報のテーブルデータは、図4上部にて示した来場情報と同じであり、図7に示す来場者毎の係数のテーブルデータは、図6にて示したテーブルデータと同じである。遭遇度算出部16は、来場回数算出部15により算出した前記来場回数、及び、係数設定部14により設定した前記係数を用いて、複数の時間帯毎に、継続者Aとの遭遇回数が少ない他方の継続者との会いやすさを示す遭遇度を算出する。図7下部に、来場者Aに対する時間帯毎の前記遭遇度を表す表の一例を示す。この表において、色の濃淡が濃いほど、前記遭遇度が高いことを意味する。具体的に、前記遭遇度は、例えば、図示するように、時間帯別の来場者数の平均を求める式において、各継続者B~Cの来場回数の総計に対し、各継続者B~Cの係数を乗じることで算出される。
【0066】
来場回数算出部15は、例えば、図7に示すように、前記継続者以外の来場者を含む来場情報を用いてもよいし、前記継続者以外の来場者を含む来場情報の中から、特定部12により特定した継続者(来場者)の来場情報を抽出して、抽出した前記来場情報のみを用いてもよい。
【0067】
図8は、重要度の算出に関する処理の一例を示す図である。図8上部に示す遭遇情報は、図5上部に示す遭遇情報と同じである。重要度算出部17は、例えば、図8中部に示すように、前記遭遇回数に基づいて、一方の継続者Aを中心点として、一方の継続者Aと他方の継続者B~Dとのネットワークを作成する。図示するネットワークにおいて、点は各来場者、線の太さは遭遇回数の多さを意味する。また、重要度算出部17は、例えば、ベージランクアルゴリズム等のアルゴリズムを用いて、他方の継続者B~Dの前記ネットワーク上の重要性を示す重要度をそれぞれ算出する。図8下部のデータテーブルに、他方の継続者B~D毎の前記遭遇回数及び前記重要度の一例を示す。
【0068】
前記重要度を算出した場合における係数の設定に関する処理の一例を図9に示す。係数設定部14は、例えば、前記遭遇回数及び前記重要度に基づいて、前記遭遇回数に対する係数を来場者B~D毎に設定する。具体的に、係数設定部14は、例えば、図示するように、前述と同様に、前記遭遇回数の標準化変量を算出し、前記遭遇回数の標準化変量に-1を乗じた数値が0を超える場合に前記数値に前記重要度を乗じて算出された数値を前記係数とする。一方で、係数設定部は、例えば、図示するように、前述と同様に、前記遭遇回数の標準化変量を算出し、前記遭遇回数の標準化変量に-1を乗じた数値が0又は0以下の場合に、前記係数を0と設定する。
【0069】
[実施形態3]
重要度算出部17が、前記遭遇回数と予測値とを用いるアルゴリズムによって前記重要度を算出する一例について説明する。なお、前述のように、重要度算出部17による処理は、これに限定されない。
【0070】
図10は、集計データの生成に関する処理の一例を示す図である。図10上部に、前記来場情報及び前記遭遇情報の一例を示す。図中において、「user」は、前記来場者の識別情報を意味し、「date」は、前記各時刻情報を意味する。前記集計データ生成部は、前記来場情報及び前記遭遇情報から、図10中部に示すように、前記来場者毎に来場回数及び遭遇回数を集計した集計データを生成する。前述したように、前記来場回数と前記遭遇回数とには、正の相関があるため、前記集計データからは、例えば、図10下部に示すような散布図が生成される。
【0071】
図11は、予測式及び標準誤差の設定に関する処理の一例を示す図である。図11上部に、図10にて示した集計データを示す。前記設定部は、例えば、前記集計データにおける前記遭遇回数を目的変数とし、前記来場回数を説明変数として、線形回帰分析を行うことで、予測式及び前記予測式に対する標準誤差を設定することができる。図11中部に、図11上部にて示した集計データを用いて線形回帰分析を行い、その分析結果に基づいて設定した前記予測式及び標準誤差の一例を示す。言い換えれば、前記設定部は、例えば、図11下部に示す散布図において、点線にて示した線形近似を求める処理を行うともいえる。なお、本例では、前述のように線形近似を求めるアプローチにて前記予測式を設定しているが、これは例示であって、前記設定部による前記予測式の設定は、これに限定されない。前記設定部は、例えば、曲線近似を求めるアプローチ等の別の手法で前記予測式を設定しても良い。以降は、前記設定部が、線形近似を求めるアプローチにて前記予測式を設定したものとして説明する。
【0072】
図12は、予測値の算出に関する処理の一例を示す図である。図12に示す集計データは、図10にて示した集計データに前記遭遇回数の予測値を加えたデータである。前記遭遇回数の予測値は、前記予測値算出部によって、図11下部に示した前記予測式を用いて算出される。
【0073】
図13は、前記集計データにおける遭遇回数と前記予測値との誤差の算出に関する処理の一例を示す図である。図13に示す集計データは、図12にて示した集計データに前記遭遇回数と前記予測値との誤差を加えたデータである。前記誤差は、前記誤差算出部によって、図11下部に示した前記標準誤差を用いて算出される。具体的に、前記誤差は、例えば、図13にも示すように、下記式(1)によって算出される。言い換えれば、前記誤差算出部は、例えば、図13下部に示す散布図において、各プロットと前記線形近似との差を求める処理を行うともいえる。

誤差=(遭遇回数-遭遇回数の予測値)/標準誤差 ・・・(1)
【0074】
そして、重要度算出部17は、上記式(1)によって算出された誤差を、前記重要度とする。
【0075】
[実施形態4]
本発明者らが実施した検証結果に基づき、前記来場回数と前記遭遇回数との相関関係について説明する。
【0076】
本検証において、実験現場の入口に、前記来場情報を記録する記録装置を設置した。前記記録情報は、来場者の端末(スマートフォン)がかざされると、前記端末の識別情報を記録する装置である。また、本検証において、来場間隔が5分未満である各来場者同士を「遭遇した」と判断し、前記来場者毎に前記来場回数及び前記遭遇回数を算出した。そして、前記来場回数と前記遭遇回数との相関係数を求め、相関関係を分析した。図14に、前記来場回数と前記遭遇回数との相関関係を分析した結果を示す。図14に示すように、前記来場回数と前記遭遇回数とに強い正の相関があることが分かった。
【0077】
[実施形態5]
本実施形態のプログラムは、本発明の方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。本発明において、「手順」は、「処理」と読み替えてもよい。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク等が挙げられる。
【0078】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0079】
<付記>
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
取得部、特定部、遭遇回数算出部、係数設定部、来場回数算出部、及び遭遇度算出部を含み、
前記取得部は、来場情報及び遭遇情報を取得し、
前記来場情報は、個々の来場者を示す識別情報と、前記来場者が任意の場所に来場した時刻を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記遭遇情報は、前記任意の場所で遭遇したそれぞれの前記来場者の前記識別情報と、前記遭遇した時間を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記特定部は、前記来場情報に基づいて、複数の前記来場者の中から継続者を特定し、
前記遭遇回数算出部は、前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、一方の継続者における前記他方の継続者との遭遇回数を他方の継続者毎に算出し、
前記係数設定部は、前記遭遇回数に基づいて、前記遭遇回数に対する係数を前記他方の継続者毎に設定し、
前記来場回数算出部は、前記来場情報に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記任意の場所への来場回数を時間帯別に算出し、
前記遭遇度算出部は、前記来場回数及び前記係数を用いて、複数の時間帯毎に、前記一方の継続者との遭遇回数が少ない前記他方の継続者との会いやすさを示す遭遇度を算出する、遭遇度算出装置。
(付記2)
前記係数設定部は、前記遭遇回数を標準化して、前記遭遇回数の標準化変量を算出し、下記条件(1)及び(2)に基づき、前記遭遇回数に対する係数を設定する、付記1記載の遭遇度算出装置。
(1)前記標準化変量の符号を逆転した数値を前記係数とする。
(2)前記標準化変量の符号を逆転した数値が0以下の場合、前記係数を0とする。
(付記3)
前記係数設定部は、前記遭遇回数が予め設定した回数以下である場合に、前記係数を1として設定し、且つ、前記予め設定した回数以上である場合に、前記係数を0に設定する、付記1記載の遭遇度算出装置。
(付記4)
前記遭遇度算出部は、前記他方の継続者間で同じ時間帯の前記来場回数にそれぞれの前記係数を乗じて算出した前記他方の継続者毎の各数値A~A1+nを合計し、合計して得られた数値Aを前記一定期間以内における前記時間帯の出現回数にて割り、割って得られた数値Aを前記遭遇度とする、付記1から3のいずれかに記載の遭遇度算出装置。
(付記5)
さらに、重要度算出部を含み、
前記重要度算出部は、前記遭遇回数に基づいて、前記一方の継続者を中心点として、前記一方の継続者と前記他方の継続者とのネットワークを作成し、且つ、任意のアルゴリズムを用いて前記他方の継続者の前記ネットワーク上の重要性を示す重要度を算出し、
前記係数設定部は、前記遭遇回数及び前記重要度に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記遭遇回数に対する係数を設定する、付記1から4のいずれかに記載の遭遇度算出装置。
(付記6)
さらに、フィルタリング部を含み、
前記取得部は、来場可能時間帯情報及び属性情報の少なくとも一方を取得し、
前記来場可能時間帯情報は、前記来場者が前記任意の場所に来場可能な時間帯を示す情報であり、
前記属性情報は、前記来場者の属性を示す情報であり、
前記フィルタリング部は、前記来場情報及び前記遭遇情報に対し、取得した前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報の少なくとも一方を用いてフィルタリングを行い、
前記遭遇回数算出部は、フィルタリングされた前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記遭遇回数を算出し、
前記来場回数算出部は、フィルタリングされた前記来場情報に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記任意の場所への来場回数を時間帯別に算出する、付記1から5のいずれかに記載の遭遇度算出装置。
(付記7)
さらに、記録部を含み、
前記記録部は、前記来場情報及び前記遭遇情報の少なくとも一方を記録する、付記1から6のいずれかに記載の遭遇度算出装置。
(付記8)
さらに、抽出部及び通知部を含み、
前記抽出部は、複数の時間帯のなかから、前記遭遇度に関する任意の条件と適合する時間帯を抽出し、
前記通知部は、前記時間帯を前記一方の継続者に対して通知する、付記1から7のいずれかに記載の遭遇度算出装置。
(付記9)
取得工程、特定工程、遭遇回数算出工程、係数設定工程、来場回数算出工程、及び遭遇度算出工程を含み、
前記取得工程は、来場情報及び遭遇情報を取得し、
前記来場情報は、個々の来場者を示す識別情報と、前記来場者が任意の場所に来場した時刻を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記遭遇情報は、前記任意の場所で遭遇したそれぞれの前記来場者の前記識別情報と、前記遭遇した時間を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記特定工程は、前記来場情報に基づいて、複数の前記来場者の中から継続者を特定し、
前記遭遇回数算出工程は、前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、一方の継続者における前記他方の継続者との遭遇回数を他方の継続者毎に算出し、
前記係数設定工程は、前記遭遇回数に基づいて、前記遭遇回数に対する係数を前記他方の継続者毎に設定し、
前記来場回数算出工程は、前記来場情報に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記任意の場所への来場回数を時間帯別に算出し、
前記遭遇度算出工程は、前記来場回数及び前記係数を用いて、複数の時間帯毎に、前記一方の継続者との遭遇回数が少ない前記他方の継続者との会いやすさを示す遭遇度を算出する、遭遇度算出方法。
(付記10)
前記係数設定工程は、前記遭遇回数を標準化して、前記遭遇回数の標準化変量を算出し、下記条件(1)及び(2)に基づき、前記遭遇回数に対する係数を設定する、付記9記載の遭遇度算出方法。
(1)前記標準化変量の符号を逆転した数値を前記係数とする。
(2)前記標準化変量の符号を逆転した数値が0以下の場合、前記係数を0とする。
(付記11)
前記係数設定工程は、前記遭遇回数が予め設定した回数以下である場合に、前記係数を1として設定し、且つ、前記予め設定した回数以上である場合に、前記係数を0に設定する、付記9記載の遭遇度算出方法。
(付記12)
前記遭遇度算出工程は、前記他方の継続者間で同じ時間帯の前記来場回数にそれぞれの前記係数を乗じて算出した前記他方の継続者毎の各数値A~A1+nを合計し、合計して得られた数値Aを前記一定期間以内における前記時間帯の出現回数にて割り、割って得られた数値Aを前記遭遇度とする、付記9から11のいずれかに記載の遭遇度算出方法。
(付記13)
さらに、重要度算出工程を含み、
前記重要度算出工程は、前記遭遇回数に基づいて、前記一方の継続者を中心点として、前記一方の継続者と前記他方の継続者とのネットワークを作成し、且つ、任意のアルゴリズムを用いて前記他方の継続者の前記ネットワーク上の重要性を示す重要度を算出し、
前記係数設定工程は、前記遭遇回数及び前記重要度に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記遭遇回数に対する係数を設定する、付記9から12のいずれかに記載の遭遇度算出方法。
(付記14)
さらに、フィルタリング工程を含み、
前記取得工程は、来場可能時間帯情報及び属性情報の少なくとも一方を取得し、
前記来場可能時間帯情報は、前記来場者が前記任意の場所に来場可能な時間帯を示す情報であり、
前記属性情報は、前記来場者の属性を示す情報であり、
前記フィルタリング工程は、前記来場情報及び前記遭遇情報に対し、取得した前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報の少なくとも一方を用いてフィルタリングを行い、
前記遭遇回数算出工程は、フィルタリングされた前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記遭遇回数を算出し、
前記来場回数算出工程は、フィルタリングされた前記来場情報に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記任意の場所への来場回数を時間帯別に算出する、付記9から13のいずれかに記載の遭遇度算出方法。
(付記15)
さらに、記録工程を含み、
前記記録工程は、前記来場情報及び前記遭遇情報の少なくとも一方を記録する、付記9から14のいずれかに記載の遭遇度算出方法。
(付記16)
さらに、抽出工程及び通知工程を含み、
前記抽出工程は、複数の時間帯のなかから、前記遭遇度に関する任意の条件と適合する時間帯を抽出し、
前記通知工程は、前記時間帯を前記一方の継続者に対して通知する、付記9から15のいずれかに記載の遭遇度算出方法。
(付記17)
コンピュータに、取得手順、特定手順、遭遇回数算出手順、係数設定手順、来場回数算出手順、及び遭遇度算出手順を含む手順を実行させるためのプログラム:
前記取得手順は、来場情報及び遭遇情報を取得し、
前記来場情報は、個々の来場者を示す識別情報と、前記来場者が任意の場所に来場した時刻を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記遭遇情報は、前記任意の場所で遭遇したそれぞれの前記来場者の前記識別情報と、前記遭遇した時間を示す時刻情報と、を紐づけた情報であり、
前記特定手順は、前記来場情報に基づいて、複数の前記来場者の中から継続者を特定し、
前記遭遇回数算出手順は、前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、一方の継続者における前記他方の継続者との遭遇回数を他方の継続者毎に算出し、
前記係数設定手順は、前記遭遇回数に基づいて、前記遭遇回数に対する係数を前記他方の継続者毎に設定し、
前記来場回数算出手順は、前記来場情報に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記任意の場所への来場回数を時間帯別に算出し、
前記遭遇度算出手順は、前記来場回数及び前記係数を用いて、複数の時間帯毎に、前記一方の継続者との遭遇回数が少ない前記他方の継続者との会いやすさを示す遭遇度を算出する。
(付記18)
前記係数設定手順は、前記遭遇回数を標準化して、前記遭遇回数の標準化変量を算出し、下記条件(1)及び(2)に基づき、前記遭遇回数に対する係数を設定する、付記17記載のプログラム。
(1)前記標準化変量の符号を逆転した数値を前記係数とする。
(2)前記標準化変量の符号を逆転した数値が0以下の場合、前記係数を0とする。
(付記19)
前記係数設定手順は、前記遭遇回数が予め設定した回数以下である場合に、前記係数を1として設定し、且つ、前記予め設定した回数以上である場合に、前記係数を0に設定する、付記17記載のプログラム。
(付記20)
前記遭遇度算出手順は、前記他方の継続者間で同じ時間帯の前記来場回数にそれぞれの前記係数を乗じて算出した前記他方の継続者毎の各数値A~A1+nを合計し、合計して得られた数値Aを前記一定期間以内における前記時間帯の出現回数にて割り、割って得られた数値Aを前記遭遇度とする、付記17から19のいずれかに記載のプログラム。
(付記21)
さらに、重要度算出手順を含み、
前記重要度算出手順は、前記遭遇回数に基づいて、前記一方の継続者を中心点として、前記一方の継続者と前記他方の継続者とのネットワークを作成し、且つ、任意のアルゴリズムを用いて前記他方の継続者の前記ネットワーク上の重要性を示す重要度を算出し、
前記係数設定手順は、前記遭遇回数及び前記重要度に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記遭遇回数に対する係数を設定する、付記17から20のいずれかに記載のプログラム。
(付記22)
さらに、フィルタリング手順を含み、
前記取得手順は、来場可能時間帯情報及び属性情報の少なくとも一方を取得し、
前記来場可能時間帯情報は、前記来場者が前記任意の場所に来場可能な時間帯を示す情報であり、
前記属性情報は、前記来場者の属性を示す情報であり、
前記フィルタリング手順は、前記来場情報及び前記遭遇情報に対し、取得した前記来場可能時間帯情報及び前記属性情報の少なくとも一方を用いてフィルタリングを行い、
前記遭遇回数算出手順は、フィルタリングされた前記来場情報及び前記遭遇情報に基づいて、前記遭遇回数を算出し、
前記来場回数算出手順は、フィルタリングされた前記来場情報に基づいて、前記他方の継続者毎に、前記任意の場所への来場回数を時間帯別に算出する、付記17から21のいずれかに記載のプログラム。
(付記23)
さらに、記録手順を含み、
前記記録手順は、前記来場情報及び前記遭遇情報の少なくとも一方を記録する、付記17から22のいずれかに記載のプログラム。
(付記24)
さらに、抽出手順及び通知手順を含み、
前記抽出手順は、複数の時間帯のなかから、前記遭遇度に関する任意の条件と適合する時間帯を抽出し、
前記通知手順は、前記時間帯を前記一方の継続者に対して通知する、付記17から23のいずれかに記載のプログラム。
(付記25)
付記17から24のいずれかに記載のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明によれば、遭遇度を算出することができる。このため、本発明は、例えば、ユーザ同士の出会いを支援する場合において有用である。
【符号の説明】
【0081】
10 遭遇度算出装置
11 取得部
12 特定部
13 遭遇回数算出部
14 係数設定部
15 来場回数部
16 遭遇度算出部
17 重要度算出部
18 フィルタリング部
19 記録部
20 抽出部
21 通知部
101 中央処理装置
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 入力装置
106 表示装置
107 通信デバイス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14