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特許7605486キナーゼ阻害剤としての置換された縮合複素芳香族二環式化合物およびその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】キナーゼ阻害剤としての置換された縮合複素芳香族二環式化合物およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20241217BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20241217BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
C07D487/04 144
C07D487/04 CSP
C07D519/00 311
A61K31/5377
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 111
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021577638
(86)(22)【出願日】2020-06-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 CN2020098159
(87)【国際公開番号】W WO2020259601
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-06-12
(31)【優先権主張番号】201910587419.4
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911386062.X
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519175824
【氏名又は名称】上海瑛派▲薬▼▲業▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】IMPACT THERAPEUTICS (SHANGHAI), INC.
【住所又は居所原語表記】Room 603, No.3 Building 111 Xiangke Road, China (Shanghai) Pilot Free Trade Zone Shanghai 201210 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】弁理士法人エスエス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ, スイシィオン
(72)【発明者】
【氏名】ティエン, ヤー エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ワン, シアオチュー
【審査官】神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】特開昭50-058092(JP,A)
【文献】国際公開第2011/013729(WO,A1)
【文献】特表2007-501801(JP,A)
【文献】国際公開第2010/118207(WO,A1)
【文献】特表2018-529725(JP,A)
【文献】国際公開第2016/044650(WO,A1)
【文献】特開2000-186090(JP,A)
【文献】特表2015-537008(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107304203(CN,A)
【文献】国際公開第2017/181974(WO,A1)
【文献】特表2013-529212(JP,A)
【文献】特表2017-523987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
IVの化合物:
【化1】
又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物であり、ただし、
4、A5とA6を含有する5員-6員縮合ヘテロアリール基は:
【化2】
であり;
1 はC 6 -C 14 アリール基、飽和若しくは部分飽和の3-7員単環式基若しくは7-10員二環式基、C3-C8シクロアルキル基又は5~14個の環原子を有するヘテロアリール基であり、 1 は、C 1 -C 4 アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C 1 -C 4 アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選ばれる1-3の置換基で任意に置換され
2 はC 3 -C6シクロアルキル基、C6-C14アリール基、飽和若しくは部分飽和の3-7員単環式基若しくは7-10員二環式基、又は5~14個の環原子を有するヘテロアリール基であり、 2 は1-4のハロゲンで任意に置換されたC 1 -C 6 アルキル基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、ハロゲン、C 1 -C 4 アルキルスルフィニル基およびC 1 -C 4 アルキルスルホニル基からなる群から選ばれる1-3の置換基で任意に置換され
4水素又は1-C4アルキル基である。
【請求項2】
1 はC 1 -C 4 アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C 1 -C 4 アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選ばれる1-3の置換基で任意に置換された、少なくとも1つの窒素原子を含有する5員又は6員ヘテロアリール基である、
請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物。
【請求項3】
1 はC 1-C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-C4アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選ばれる1つ又は2つの置換基によって任意に置換されたピラゾリル基、ピロリル基又はイミダゾリル基又
1 は無置換のピラゾリル基、無置換のピロリル基又は無置換のイミダゾリル基である、
請求項2に記載の化合物、又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物。
【請求項4】
2 は1-4のハロゲンで任意に置換されたC 1 -C 6 アルキル基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、ハロゲン、C 1 -C 4 アルキルスルフィニル基およびC 1 -C 4 アルキルスルホニル基からなる群から選ばれる1-3の置換基で任意に置換された、少なくとも1つの窒素原子を含有する5員又は6員ヘテロアリール基である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物、又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物。
【請求項5】
2 は、1-4のハロゲンで任意に置換されたC 1 -C 6 アルキル基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、ハロゲン、C 1 -C 4 アルキルスルフィニル基およびC 1 -C 4 アルキルスルホニル基からなる群から選ばれる1-3の置換基で任意に置換された、シクロプロピル基、フェニル基、ピラゾリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、フラニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、モルホリニル基、ジヒドロピラニル基、テトラヒドロピラニル基又はピロロピリジル基であ
請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物、又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物。
【請求項6】
2 は1-4のハロゲンで任意に置換されたC 1 -C 6 アルキル基で任意に置換されたピラゾリル基、又は
2 は未置換のC 1 -C 4 アルキル基および1-3のハロゲンで置換されたC 1 -C 4 アルキル基からなる群から選ばれる1または2の置換基で任意に置換されたピラゾリル基である、
請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物、又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物。
【請求項7】
前記ピラゾリル基の1つ又は2つの環N原子が置換された、請求項6に記載の化合物、又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物。
【請求項8】
1 は1~2つのC1-C4アルキル基によって任意に置換された、ピラゾリル基、ピロリル基又はイミダゾリル基であり;
2は、ハロゲン、C1-C4アルキルスルホニル基、C1-C4アルキルスルフィニル基、1~3つのハロゲン原子によって任意に置換されたC1-C4アルキル基からなる群から選ばれる1つ又は2つの置換基によって任意に置換されたピラゾリル基、ピロリル基、ピリジニル基、ピロロピリジニル基、ピリミジニル基、トリアゾリル基またはイミダゾリル基)、C1-C4アルキル基、-CN、C1-C4アルキルスルホニル基およびハロゲンからなる群から選ばれる1~2つの置換基によって任意に置換されたフェニル基、或いは1つ又は2つのC1-C4アルキル基によって任意に置換されたモルホリニル基、ジヒドロピラニル基又はテトラヒドロピラニル基であり;
4 は水素又はC1-C4アルキル基である、
請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物
【請求項9】
1はC1-C3アルキル基によって任意に置換されたピラゾリル基であり;
2は無置換のC1-C4アルキル基および1~3つのハロゲン原子によって置換されたC1-C4アルキル基からなる群から選ばれる1つ又は2つの置換基によって任意に置換されたピラゾリル基であり
4 はC 1 -C4アルキル基である、
請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物
【請求項10】
4 はメチル基である
請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物
【請求項11】
前記化合物は、下記の群から選ばれるものである、請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物。
-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン
R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン
R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピロール-3-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン;
(R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピロール-2-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン;
(R)-4-(7-(1H-イミダゾール-4-イル)-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン;
(R)-3-メチル-4-(4-(6-メチルピリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン;
(R)-4-(4-(2-フルオロフェニル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン;
(R)-4-(4-(1-イソプロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン;
(R)-4-(4,7-ジ(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン
R)-4-(4-シクロプロピル-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン;
(S)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン
R)-3-メチル-4-(4-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン;
(R)-4-(4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン;
(R)-4-(4-(1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン;
(R)-3-メチル-4-(4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン;
(R)-3-メチル-4-(7-(3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(6-メチルピリジン-3-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン;
(R)-4-(7-(1H-ピラゾール-5-イル)-4-(o-トリル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン;
(R)-4-(4-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン;
(R)-3-メチル-4-(4-(2-メチルピリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン;
(R)-4-(4-(3-フルオロピリジン-4-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン;
(R)-3-メチル-4-(4-(4-メチル-6-(メチルスルホニル)ピリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン;
(R)-3-メチル-4-(4-(4-メチルピリミジン-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン;
(R)-3-メチル-4-(4-モルホリノ-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン;
(R)-4-(7-(1H-ピラゾール-5-イル)-4-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン;
(R)-3-メチル-4-(4-(2-メチル-6-(メチルスルホニル)ピリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン;
(R)-3-メチル-4-(4-(2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン;
(3R)-3-メチル-4-(4-(2-メチル-6-(メチルスルフィニル)ピリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン;
(R)-3-メチル-4-(4-(3-メチルピリジン-4-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン;
(R)-3-(2-(3-メチルモルホリノ)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-4-イル)ベンゾニトリル;
(R)-4-(4-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン;
(R)-4-(7-(1H-ピラゾール-5-イル)-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン;
(R)-4-(7-(1H-ピラゾール-5-イル)-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン;
(R)-4-(4-(1,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン;
(R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン;
(R)-4-(4-(1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン;
(R)-4-(4-(1,5-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン;
(R)-4-(4-(1-(2-フルオロエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン;
(R)-4-(4-(1-(2-フルオロエチル)-1H-ピラゾール-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン;
(R)-4-(4-(1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン;
(R)-4-(4-(1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物の、ATRキナーゼ媒介疾患を治療又は予防するための医薬の調製における使用。
【請求項13】
前記疾患が癌である、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記癌は、肝臓癌、メラノーマ、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、乳癌、卵巣癌、肺癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣癌、軟部組織肉腫、原発性マクログロブリン血症、膀胱癌、慢性骨髄性白血病、原発性脳腫瘍、悪性黒色腫、小細胞肺癌、胃癌、大腸癌、悪性膵島腫瘍、悪性カルチノイド癌、絨毛癌、菌状息肉症、頭頚部癌、骨原性肉腫、膵臓癌、急性骨髄性白血病、毛状細胞白血病、横紋筋肉腫、カポジ肉腫、泌尿器系腫瘍、甲状腺癌、食道癌、悪性高カルシウム血症、子宮頸部過形成、腎細胞癌、子宮内膜癌、真性多血症、特発性血小板血症、副腎皮質癌、皮膚癌又は前立腺癌からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記医薬はさらに、少なくとも一種の既知の抗癌薬又はその薬学的に許容される塩を含有する、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記抗癌薬は、ブスルファン、メルファラン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、テモゾロミド、ベンダムスチン、シスプラチン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、カルボプラチン、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、ドキソルビシン、エピルビシン、アクラシノマイシン、ミトキサントロン、メチルハイドロキシエリプチシン、エトポシド、5-アザシチジン、ゲムシタビン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、メトトレキサート、5-フルオロ-2'-デオキシ-ウリジン、フルダラビン、ネララビン、ara-C、プララトレキサート、ペメトレキセド、ヒドロキシウレア、チオグアニン、コルヒチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル、イクサベピロン、カバジタキセル、ドセタキセル、mAb、パニツムマブ、ネシツムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ラムシルマブ、ベバシズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、セツキシマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、イブリツモマブ、トシツモマブ、ブレンツキシマブ、ダラツムマブ、エロツズマブ、T-DM1、オファツムマブ、ディナツキシマブ、ブリナツモマブ、イピリムマブ、アバスチン、ハーセプチン、マブセラ、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ、アファチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、クリゾチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、パゾパニブ、トーリセル、エベロリムス、ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、ベリノスタット、タモキシフェン、レトロゾール、フルベストラント、ミトグアゾン、オクトレオチド、レチノイン酸、三酸化ヒ素、ゾレドロン酸、ボルテゾミブ、カーフィルゾミブ、イクサゾミブ、ビスモデギブ、ソニデギブ、デノスマブ、サリドマイド、レナリドマイド、ベネトクラクス、アルデスロイキン(組換えヒトインターロイキン2)、シプユーセルT(前立腺癌治療ワクチン)、パルボシクリブ、オラパリブ、ニラパリブ、ルカパリブ、タラゾパリブおよびセナパリブからなる群から選ばれる、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
前記医薬は放射線療法と併用される、請求項12に記載の使用。
【請求項18】
請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に許容される担体と、を含む医薬組成物。
【請求項19】
前記組成物はさらに、少なくとも一種の既知の抗癌薬又はその薬学的に許容される塩を含有する、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記少なくとも一種の既知の抗癌薬は、ブスルファン、メルファラン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、テモゾロミド、ベンダムスチン、シスプラチン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、カルボプラチン、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、ドキソルビシン、エピルビシン、アクラシノマイシン、ミトキサントロン、メチルハイドロキシエリプチシン、エトポシド、5-アザシチジン、ゲムシタビン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、メトトレキサート、5-フルオロ-2'-デオキシ-ウリジン、フルダラビン、ネララビン、ara-C、プララトレキサート、ペメトレキセド、ヒドロキシウレア、チオグアニン、コルヒチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル、イクサベピロン、カバジタキセル、ドセタキセル、mAb、パニツムマブ、ネシツムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ラムシルマブ、ベバシズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、セツキシマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、イブリツモマブ、トシツモマブ、ブレンツキシマブ、ダラツムマブ、エロツズマブ、T-DM1、オファツムマブ、ディナツキシマブ、ブリナツモマブ、イピリムマブ、アバスチン、ハーセプチン、マブセラ、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ、アファチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、クリゾチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、パゾパニブ、トーリセル、エベロリムス、ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、ベリノスタット、タモキシフェン、レトロゾール、フルベストラント、ミトグアゾン、オクトレオチド、レチノイン酸、三酸化ヒ素、ゾレドロン酸、ボルテゾミブ、カーフィルゾミブ、イクサゾミブ、ビスモデギブ、ソニデギブ、デノスマブ、サリドマイド、レナリドマイド、ベネトクラクス、アルデスロイキン(組換えヒトインターロイキン2)、シプユーセルT(前立腺癌治療ワクチン)、パルボシクリブ、オラパリブ、ニラパリブ、ルカパリブ、タラゾパリブおよびセナパリブからなる群から選ばれる、請求項19の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は医薬品化学の分野に属する。具体的には、本開示は、置換された縮合複素芳
香族二環式化合物、およびそれらの化合物の治療的に有効なキナーゼ阻害剤と抗癌薬と
しての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
毛細血管拡張性運動失調症(Ataxia telangiectasia)およびRad3関連キナーゼ
(ATR)は、DNA損傷に関与する細胞に応答するプロテインキナーゼである。活性
化されたATRは、細胞周期の中断、複製起点の阻害、複製フォークの開始、DNA二
本鎖の修復などのさまざまなシグナルを介して、細胞の生命過程を調節できる(Enriq
uez-Rios Vら, 2017)。ATRキナーゼは、ATM(毛細血管拡張性運動失調症突然変
異、ataxia telangiectasia mutated)キナーゼや他の多くのタンパク質と共に作用す
ることにより、通常DNA損傷応答(DDR)と呼ばれるDNA損傷に対する細胞応答
を調節する。細胞がDDRを介してDNA損傷を認識すると、直ちにDNA修復プロセ
スを開始し、細胞周期チェックポイントを活性化し、通常の細胞周期のプロセスを妨害
し、それによってDNA修復のための時間を提供する。DDRがなければ、細胞は、癌
を治療するための化学療法や放射線療法によって引き起こされる内因性の細胞損傷やD
NA損傷に対してより敏感になり、死ぬ可能性が高くなる。
【0003】
健康な細胞は、DDRにおけるATM、ATRキナーゼなどを含むDNA修復用の異なるタンパク質に依存することができる。通常の状況下では、これらのタンパク質は、下流の調節因子を調節することによってDNAを修復することができる。しかし、多くの癌細胞は、DNA修復経路に欠陥があるため、ATRを含む残りの無傷のDNA修復タンパク質により一層依存する。ATRは、損傷したDNA複製に応答するDDRの重要なメンバーであり、ゲノムの安定性と完全性の維持および細胞の生存の改善にとって極めて重要である。細胞内DNA損傷が発生すると、ATRはDNA損傷部位にリクルートされ、それによりさまざまなタンパク質はATR活性化の調節に関与する。活性化されたATRは、いくつかの重要な細胞プロセスを調節する。多くの癌細胞は重要な腫瘍抑制遺伝子を欠いており、それにより、癌細胞はDNA損傷修復を調節して細胞の生存を改善するために、正常細胞よりもATR経路に依存することから、ATRは癌治療の有望な標的になる。
【0004】
ATR阻害剤は、多くの癌細胞の細胞生存にとって健康な正常細胞よりも重要なDNA複製メカニズムをブロックするため、単独で又は癌治療用のDNA損傷剤と組み合わせて使用できる。実際、ATR阻害剤が癌細胞の単一の活性剤として有効であり、且つ放射線療法や化学療法の増感剤として有効であることは既に証明された。同時に、ATR阻害剤は、PARP阻害剤などの他のDDR関連標的薬と組み合わせて使用することもできる。
【0005】
様々なATRキナーゼ阻害剤は開示されている。例えば、WO2011154737はATRキナーゼ阻害剤としてのモルホリノピリミジン化合物を;WO2016020320はATRキナーゼ阻害剤としての2-(モルホリン-4-イル)-1,7-ナフチリジン化合物を;WO2018153968は過剰増殖性疾患の治療方法に使用するためのATRキナーゼ阻害剤を;WO2020049017はATRキナーゼ阻害剤としての5-モルホリン-4-イル-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン誘導体を;WO2020087170はATRキナーゼ阻害剤としてのモルホリノ5員複素環式縮合ピリジン化合物を開示した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、式I、II、IIIa、IIIbおよびIVで表される置換された縮合複
素芳香族二環式化合物を提供し、該化合物はキナーゼ阻害剤として使用できる。
本開示はさらに、有効量の式I、II、IIIa、IIIb又はIVの化合物を含む
癌治療用の医薬組成物を提供する。
【0007】
具体的な実施形態において、癌治療用の医薬組成物はさらに、一種又は複数種の薬学
的に許容される担体又は希釈剤を含有してもよい。
具体的な実施形態において、癌治療用の医薬組成物はさらに、少なくとも一種の既知
の抗癌薬又はその薬学的に許容される塩を含有してもよい。
【0008】
本開示はさらに、式I、II、IIIa、IIIbおよびIVの新規化合物の調製方
法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に記載の実施形態の特徴は、本開示の技術的方案を形成するために任意に組
み合わせることができることは、理解すべきである。本明細書の各基の定義は、本明細
書に記載のいずれかの実施形態にも適用できる。例えば、アルキル置換基が実施形態に
おいて明確に定義されていない限り、本明細書におけるアルキル置換基の定義は、本明
細書に記載のいずれかの実施形態にも適用される。
【0010】
具体的には、本開示は式Iで表される化合物、
【0011】
【化1】
【0012】
又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物、又はそれらのプロドラッグを提供し、ただし:
1とA4~A6は独立にCR5又はNであり;
2とA3は独立にC又はNであり;好ましくは、A2とA3の一方はCで、他方はN又はCであり;より好ましくは、A2とA3の一方はNで、他方はCであり;
1は任意に置換されたアリール基、任意に置換された複素環式基、任意に置換されたシクロアルキル基、任意に置換されたヘテロアリール基、
【0013】
【化2】
【0014】
であり;ここで、*は、前記基が化合物の残りの部分に結合する位置を示し;
2はハロゲン、C1-C6アルキル基、C1-C6アルコキシ基、C3-C6シクロアルキル基、C2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、炭素環式基、複素環式基、アリール基、ヘテロアリール基、-NR89、-(CO)R8、-(CO)OR8、-(CO)NR89、-(SO)R6、-(SO2)R6、-SR6、-(SO2)NR89、-NR8(SO2)R6、-((SO)=NR7)R10、-N=(SO)R610、-SiR71011、-(PO)(OR82、-(PO)(OR8)R10又は-(PO)(R102であり、ただし、前記C1-C6アルキル基、C1-C6アルコキシ基、C3-C6シクロアルキル基、C2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、炭素環式基、複素環式基、アリール基およびヘテロアリール基はそれぞれ任意に置換されており;ただし、-N=(SO)R610におけるR6とR10は共に5~8員ヘテロシクロアルキル基を形成してもよく;
3とR4は独立に水素又はC1-C6アルキル基であり;
5は水素、ハロゲン、C1-C6アルキル基、C1-C6アルコキシ基、C2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、ヒドロキシ基、チオール基、アルキルチオール基、アジド基又はカルボキシ基であり;ただし、前記C1-C6アルキル基、C2-C6アルコキシ基、C2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、アミノ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、ヒドロキシ基、チオール基、アルキルチオール基およびカルボキシ基はそれぞれ任意に置換されており;
6は任意に置換されたアルキル基又は任意に置換されたアルキル基アリール基であり、好ましくは、アリール基はフェニル基であり;
7は水素、任意に置換されたアルキル基、-(CO)OR8又は-(CO)NR89であり;
8とR9は独立に水素、任意に置換されたC1-C10アルキル基、任意に置換されたシクロアルキル基、任意に置換された複素環式基、任意に置換されたアリール基又は任意に置換されたヘテロアリール基であり;或いは、R8とR9はそれらが結合するNおよびCと共に、O、NおよびSから選ばれる1つ又は複数の追加のヘテロ原子を任意に含む且つ任意に置換された4~7員環式アミノ基を形成し;
10はC1-C4アルキル基であり、或いは-N=(SO)R610の場合、R6とR10はそれらが結合するSと共に、5~8員ヘテロシクロアルキル基を形成し;
11は水素又はC1-C4アルキル基である。
【0015】
一つ又は複数の実施形態において、式Iの化合物におけるA1はN又はCHである。好ましくは、A1はNである。
式Iの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、A1~A6のうちの少なくとも2つ又は3つはNである。
【0016】
式Iの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、A2とA3の一方はNで、他方
はCである。好ましくは、一部の実施形態において、式Iの化合物において、A2はN
で、A3はCである。
【0017】
式Iの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、A5はN又はCHである。好
ましくは、A5はNである。
式Iの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、少なくともA1、A2およびA
5はNである。
【0018】
式Iの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、R5は水素である。
式Iの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、A2とA3を含有する5員-6
員縮合ヘテロアリール基は:
【0019】
【化3】
【0020】
であり;好ましくは、A2とA3を含有する5員-6員縮合ヘテロアリール基は:
【0021】
【化4】
【0022】
であり;より好ましくは、A2とA3を含有する5員-6員縮合ヘテロアリール基は:
【0023】
【化5】
【0024】
であり;ここで、*1、*2および*3はそれぞれ、前記基が式Iの化合物のモルホリニル基、R1およびR2に結合する位置を示す。
【0025】
式Iの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、R2はC3-C6シクロアルキ
ル基、炭素環式基、複素環式基、アリール基、ヘテロアリール基、-NR89、-NR
8(SO2)R6又は-N=(SO)R610であり、ただし、前記C3-C6シクロアルキ
ル基、炭素環式基、複素環式基、アリール基およびヘテロアリール基はそれぞれ任意に
置換されており;ただし、R8およびR9は独立に水素、C1-C6アルキル基、C3-C
6シクロアルキル基又は任意に置換されたフェニル基であり;R10はC1-C4アルキル
基であり、或いは、-N=(SO)R610におけるR6とR10はそれらが結合するSと
共に、5~8員ヘテロシクロアルキル基を形成する。好ましくは、R2は任意に置換さ
れたC3-C6シクロアルキル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換された複素
環式基又は任意に置換されたヘテロアリール基である。より好ましくは、ヘテロアリー
ル基は少なくとも1つの窒素原子を含有する5員又は6員ヘテロアリール基であり、好
ましくは2つの窒素原子を含有する5員ヘテロアリール基である。好ましくは、R2
任意に置換されたシクロプロピル基、任意に置換されたフェニル基、任意に置換された
ピラゾリル基、任意に置換されたピロリル基、任意に置換されたイミダゾリル基、任意
に置換されたトリアゾリル基、任意に置換されたフラニル基、任意に置換されたモルホ
リニル基、任意に置換されたジヒドロピラニル基、任意に置換されたテトラヒドロピラ
ニル基、任意に置換されたピリジル基、任意に置換されたピリミジニル基又は任意に置
換されたピロロピリジル基である。好ましくは、R2における置換基は、任意に置換さ
れたC1-C6アルキル基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、ハロゲ
ン、任意に置換されたアルキルスルフィニル基および任意に置換されたアルキルスルホ
ニル基からなる群から選ばれるものであり;好ましくは、C1-C6アルキル基はハロゲ
ンからなる群から選ばれる1つ又は複数の置換基によって任意に置換された。R2にお
ける置換基の数は1~3であってもよい。
【0026】
式Iの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、R3は水素であり;R4はメチル基などのC1-C4アルキル基である。好ましくは、R3はR-立体配置にある。
式Iの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、R1は任意に置換されたアルキルスルホニル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換された複素環式基、任意に置換されたシクロアルキル基又は任意に置換されたヘテロアリール基である。好ましくは、ヘテロアリール基は少なくとも1つの窒素原子を含有する5員又は6員ヘテロアリール基であり、好ましくは2つの窒素原子を含有する5員ヘテロアリール基である。好ましくは、アルキルスルホニル基、複素環式基、シクロアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基の置換基は、C1-C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-C4アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選ばれるものであってもよい。好ましくは、R1における置換基の数は1~3であってもよい。より好ましくは、R1はC1-C4アルキル基によって置換されたスルホニル基;或いはC1-C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-C4アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選ばれる1つ又は2つの置換基によって任意に置換されたピラゾリル基、ピロリル基又はイミダゾリル基である。一部の実施形態において、R1は無置換のピラゾリル基、無置換のピロリル基又は無置換のイミダゾリル基である。
【0027】
式Iの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、式Iの化合物の同位体置換された誘導体は、1つ又は複数の水素原子が1つ又は複数のD原子によって置換された化合物である。
【0028】
本開示の好ましい化合物の1つの群は、式IIで表されるもの、
【0029】
【化6】
【0030】
又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物、又はそれらのプロドラッグであり、ただし:
1~A6、R1およびR4は式Iにおいて定義した通りであり;
CyはC3-C6シクロアルキル基、炭素環式基、複素環式基、アリール基、ヘテロアリール基、-NR89、-NR8(SO2)R6又は-N=(SO)R610であり、ただし、前記C3-C6シクロアルキル基、炭素環式基、複素環式基、アリール基およびヘテロアリール基はそれぞれ任意に置換されており;ただし、R8とR9はそれぞれ独立に水素、任意に置換されたC1-C10アルキル基、任意に置換されたシクロアルキル基、任意に置換されたアリール基又は任意に置換されたヘテロアリール基であり;或いは、R8とR9は共に、O、NおよびSから選ばれる1つの追加のヘテロ原子を任意にを含む且つ任意に置換された4~7員環式アミノ基であり;R10はC1-C4アルキル基、或いは-N=(SO)R610の場合、R6とR10は共に5~8員ヘテロシクロアルキル基を形成する。
【0031】
式IIの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、A1はN又はCHである。好ましくは、A1はNである。
式IIの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、A2とA3の一方はNで、他方はCである。好ましくは、一部の実施形態において、式IIの化合物において、A2はNで、A3はCである。
【0032】
式IIの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、A5はN又はCHである。好ましくは、A5はNである。
式IIの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、R5は水素である。
【0033】
式IIの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、A2とA3を含有する5員-6員縮合ヘテロアリール基は:
【0034】
【化7】
【0035】
であり;好ましくは、A2とA3を含有する5員-6員縮合ヘテロアリール基は:
【0036】
【化8】
【0037】
であり;より好ましくは、A2とA3を含有する5員-6員縮合ヘテロアリール基は:
【0038】
【化9】
【0039】
であり;ここで、*1、*2および*3はそれぞれ、前記基が式IIの化合物のモルホリニル基、R1およびR2に結合する位置を示す。
【0040】
式IIの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、CyはC3-C6シクロアルキル基、炭素環式基、複素環式基、アリール基、ヘテロアリール基、-NR89、-NR8(SO2)R6又は-N=(SO)R610であり、ただし、前記C3-C6シクロアルキル基、炭素環式基、複素環式基、アリール基およびヘテロアリール基はそれぞれ任意に置換されており;ただし、R8およびR9はそれぞれ独立に水素、任意に置換されたC1-C6アルキル基、任意に置換されたC3-C6シクロアルキル基又は任意に置換されたフェニル基であり;R10はC1-C4アルキル基であり、或いは、-N=(SO)R610におけるR6とR10はそれらが結合するSと共に、5~8員ヘテロシクロアルキル基を形成する。好ましくは、Cyは任意に置換されたC3-C6シクロアルキル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換された複素環式基又は任意に置換されたヘテロアリール基である。好ましくは、ヘテロアリール基は少なくとも1つの窒素原子を含有する5員又は6員ヘテロアリール基であり、好ましくは2つの窒素原子を含有する5員ヘテロアリール基である。より好ましくは、Cyは任意に置換されたシクロプロピル基、任意に置換されたフェニル基、任意に置換されたピラゾリル基、任意に置換されたピロリル基、任意に置換されたイミダゾリル基、任意に置換されたトリアゾリル基、任意に置換されたフラニル基、任意に置換されたピリジル基、任意に置換されたピリミジニル基、任意に置換されたモルホリニル基、任意に置換されたジヒドロピラニル基、任意に置換されたテトラヒドロピラニル基又は任意に置換されたピロロピリジル基である。好ましくは、Cyにおける置換基は、任意に置換されたC1-C6アルキル基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、ハロゲン、任意に置換されたアルキルスルフィニル基および任意に置換されたアルキルスルホニル基からなる群から選ばれるものである。Cyにおける置換基の数は1~3であってもよい。一部の実施形態において、Cyは1つ又は複数、好ましくは1つ、2つ又は3つのC1-C6アルキル基によって任意に置換されたピラゾリル基であり;好ましくは、ピラゾリル基における1つ又は2つのN原子はC1-C6アルキル基によって置換されており;好ましくは、C1-C6アルキル基はさらに1つ又は複数、例えば1~5つのハロゲンによって置換されてもよい。一部の実施形態において、Cyは、無置換のC1-C4アルキル基および1~3つのハロゲンに置換されたC1-C4アルキル基からなる群から選ばれる1つ又は2つの置換基によって任意に置換されたピラゾリル基である。
【0041】
式IIの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、R4はメチル基などのC1-C4アルキル基である。好ましくは、R4はR-立体配置にある。
式IIの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、R1は任意に置換されたアルキルスルホニル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換された複素環式基、任意に置換されたシクロアルキル基又は任意に置換されたヘテロアリール基である。好ましくは、ヘテロアリール基は少なくとも1つの窒素原子を含有する5員又は6員ヘテロアリール基であり、好ましくは2つの窒素原子を含有する5員ヘテロアリール基である。好ましくは、アルキルスルホニル基、アリール基、複素環式基、シクロアルキル基およびヘテロアリール基の置換基は、C1-C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-C4アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選ばれるものであってもよい。好ましくは、置換基の数は1~3であってもよい。より好ましくは、R1はC1-C4アルキル基によって置換されたスルホニル基;或いはC1-C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-C4アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選ばれる1つ又は2つの置換基によって任意に置換されたピラゾリル基、ピロリル基又はイミダゾリル基である。一部の実施形態において、R1は無置換のピラゾリル基、無置換のピロリル基又は無置換のイミダゾリル基である。
【0042】
本開示の好ましい化合物の1つの群は、式IIIaおよびIIIbで表されるもの、
【0043】
【化10】
【0044】
又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物、又はそれらのプロドラッグであり、ただし、A1、A4、A5、A6、R1、R2およびR4は式I又はIIにおいて定義した通りである。
【0045】
式IIIaおよびIIIbの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、A1はN又はCHである。好ましくは、A1はNである。
式IIIaおよびIIIbの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、A4はN又はCHである。好ましくは、A4はCHである。
【0046】
式IIIaおよびIIIbの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、A5はN又はCHである。好ましくは、A5はNである。
式IIIaおよびIIIbの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、A6はN又はCHである。好ましくは、A6はCHである。
【0047】
式IIIaおよびIIIbの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、A1、A4、A5とA6を含有する5員-6員縮合ヘテロアリール基は:
【0048】
【化11】
【0049】
であり;好ましくは、A1、A4、A5とA6を含有する5員-6員縮合ヘテロアリール基は:
【0050】
【化12】
【0051】
であり;より好ましくは、A1、A4、A5とA6を含有する5員-6員縮合ヘテロアリール基は:
【0052】
【化13】
【0053】
であり;ここで、*1、*2および*3はそれぞれ、前記基が式IIIaおよびIIIbの化合物のモルホリニル基、R1およびR2に結合する位置を示す。
【0054】
式IIIaおよびIIIbの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、R1は任意に置換されたアルキルスルホニル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換された複素環式基、任意に置換されたシクロアルキル基又は任意に置換されたヘテロアリール基である。好ましくは、ヘテロアリール基は少なくとも1つの窒素原子を含有する5員又は6員ヘテロアリール基であり、好ましくは2つの窒素原子を含有する5員ヘテロアリール基である。好ましくは、複素環式基、シクロアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基の置換基は、C1-C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-C4アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選ばれるものであってもよい。好ましくは、R1における置換基の数は1~3であってもよい。より好ましくは、R1はC1-C4アルキル基によって置換されたスルホニル基;或いはC1-C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-C4アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選ばれる1つ又は2つの置換基によって任意に置換されたピロリル基、イミダゾリル基又はピラゾリル基である。一部の実施形態において、R1は無置換のピラゾリル基、無置換のピロリル基又は無置換のイミダゾリル基である。
【0055】
式IIIaおよびIIIbの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、R2はC3-C6シクロアルキル基、炭素環式基、複素環式基、アリール基、ヘテロアリール基、-NR89、-NR8(SO2)R6又は-N=(SO)R610であり、ただし、前記C3-C6シクロアルキル基、炭素環式基、複素環式基、アリール基およびヘテロアリール基はそれぞれ任意に置換されており;ただし、R8およびR9はそれぞれ独立に水素、任意に置換されたC1-C6アルキル基、任意に置換されたC3-C6シクロアルキル基又は任意に置換されたフェニル基であり;R10はC1-C4アルキル基であり、或いは、-N=(SO)R610の場合、R6とR10はそれらが結合するSと共に、5~8員ヘテロシクロアルキル基を形成する。好ましくは、ヘテロアリール基は少なくとも1つの窒素原子を含有する5員又は6員ヘテロアリール基であり、好ましくは2つの窒素原子を含有する5員ヘテロアリール基である。好ましくは、R2は任意に置換されたC3-C6シクロアルキル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換された複素環式基又は任意に置換された複素環式基であり;より好ましくは、R2は任意に置換されたシクロプロピル基、任意に置換されたフェニル基、任意に置換されたピラゾリル基、任意に置換されたピロリル基、任意に置換されたイミダゾリル基、任意に置換されたトリアゾリル基、任意に置換されたフラニル基、任意に置換されたピリジル基、任意に置換されたピリミジニル基、任意に置換されたモルホリニル基、任意に置換されたジヒドロピラニル基、任意に置換されたテトラヒドロピラニル基又は任意に置換されたピロロピリジル基である。好ましくは、R2における置換基は、任意に置換されたC1-C6アルキル基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、ハロゲン、任意に置換されたアルキルスルフィニル基および任意に置換されたアルキルスルホニル基からなる群から選ばれるものである。R2における置換基の数は1~3であってもよい。一部の実施形態において、R2は任意に置換されたC1-C6アルキル基によって任意に置換されたピラゾリル基であり、好ましくは、前記ピラゾリル基の1つ又は2つの環N原子は置換されており;好ましくは、前記C1-C6アルキル基はさらに1つ又は複数の、例えば1~5つのハロゲンによって置換されてもよい。一部の実施形態において、R2は、無置換のC1-C4アルキル基および1~3つのハロゲンに置換されたC1-C4アルキル基からなる群から選ばれる1つ又は2つの置換基によって任意に置換されたピラゾリル基である。
【0056】
式IIIaおよびIIIbの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、R4はメチル基などのC1-C4アルキル基である。
本開示の好ましい化合物の1つの群は、式IVで表されるもの、
【0057】
【化14】
【0058】
又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物、又はそれらのプロドラッグであり、ただし:
4、A5、A6、R1、R2およびR4は式I、II、IIIa又はIIIbにおいて定義した通りであり;
式IVの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、A4はN又はCHである。好ましくは、A4はCHである。
【0059】
式IVの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、A5はN又はCHである。好ましくは、A5はNである。
式IVの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、A6はN又はCHである。好ましくは、A6はCHである。
【0060】
式IVの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、A4、A5とA6を含有する5員-6員縮合ヘテロアリール基は、下記の基からなる群から選ばれるものであり:
【0061】
【化15】
【0062】
;好ましくは、
【0063】
【化16】
【0064】
であり;ここで、*1、*2および*3はそれぞれ、前記基が式IVの化合物のモルホリニル基、R1およびR2に結合する位置を示す。
【0065】
式IVの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、R1は任意に置換されたアルキルスルホニル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換された複素環式基、任意に置換されたシクロアルキル基又は任意に置換されたヘテロアリール基である。好ましくは、ヘテロアリール基は少なくとも1つの窒素原子を含有する5員又は6員ヘテロアリール基であり、好ましくは2つの窒素原子を含有する5員ヘテロアリール基である。好ましくは、アルキルスルホニル基、複素環式基、アリール基およびヘテロアリール基の置換基は、C1-C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-C4アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選ばれるものであってもよい。好ましくは、R1における置換基の数は1~3であってもよい。より好ましくは、R1はC1-C4アルキル基によって置換されたスルホニル基;或いはC1-C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-C4アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選ばれる1つ又は2つの置換基によって任意に置換されたピラゾリル基、ピロリル基又はイミダゾリル基である。一部の実施形態において、R1は無置換のピラゾリル基、無置換のピロリル基又は無置換のイミダゾリル基である。
【0066】
式IVの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、R2はC3-C6シクロアルキル基、炭素環式基、複素環式基、アリール基、ヘテロアリール基、-NR89、-NR8(SO2)R6又は-N=(SO)R610であり、ただし、前記C3-C6シクロアルキル基、炭素環式基、複素環式基、アリール基およびヘテロアリール基はそれぞれ任意に置換されており;ただし、R8およびR9はそれぞれ独立に水素、任意に置換されたC1-C6アルキル基、任意に置換されたC3-C6シクロアルキル基又は任意に置換されたフェニル基であり;R10はC1-C4アルキル基であり、或いは、-N=(SO)R610の場合、R6とR10はそれらが結合するSと共に、5~8員ヘテロシクロアルキル基を形成する。好ましくは、ヘテロアリール基は少なくとも1つの窒素原子を含有する5員又は6員ヘテロアリール基であり、好ましくは2つの窒素原子を含有する5員ヘテロアリール基である。好ましくは、R2は任意に置換されたC3-C6シクロアルキル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換された複素環式基又は任意に置換された複素環式基であり;より好ましくは、R2は任意に置換されたシクロプロピル基、任意に置換されたフェニル基、任意に置換されたピラゾリル基、任意に置換されたピロリル基、任意に置換されたイミダゾリル基、任意に置換されたトリアゾリル基、任意に置換されたフラニル基、任意に置換されたピリジル基、任意に置換されたピリミジニル基、任意に置換されたモルホリニル基、任意に置換されたジヒドロピラニル基、任意に置換されたテトラヒドロピラニル基又は任意に置換されたピロロピリジル基である。好ましくは、R2における置換基は、任意に置換されたC1-C6アルキル基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、ハロゲン、任意に置換されたアルキルスルフィニル基および任意に置換されたアルキルスルホニル基からなる群から選ばれるものである。置換基の数は1~3であってもよい。一部の実施形態において、R2は任意に置換されたC1-C6アルキル基によって任意に置換されたピラゾリル基であり、好ましくは、前記ピラゾリル基の1つ又は2つの環N原子は置換されており;好ましくは、前記C1-C6アルキル基はさらに1つ又は複数の、例えば1~5つのハロゲンによって置換されてもよい。一部の実施形態において、R2は、無置換のC1-C4アルキル基および1~3つのハロゲンに置換されたC1-C4アルキル基からなる群から選ばれる1つ又は2つの置換基によって任意に置換されたピラゾリル基である。
【0067】
式IVの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、R4はメチル基などのC1-C4アルキル基である。
式I、II、IIIa、IIIbおよびIVの化合物の一つ又は複数の前記実施形態において、前記5員-6員縮合ヘテロアリール基は:
【0068】
【化17】
【0069】
であり;好ましくは、
【0070】
【化18】
【0071】
であり;
1は、アルキルスルホニル基;C1-C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-C4アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選ばれる1~3つの置換基によって任意に置換されたヘテロアリール基(好ましくはピラゾリル基、ピロリル基およびイミダゾリル基);C1-C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-C4アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選ばれる1~3つの置換基によって任意に置換されたアリール基;C1-C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-C4アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選ばれる1~3つの置換基によって任意に置換された複素環式基;並びにC1-C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-C4アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選ばれる1~3つの置換基によって任意に置換されたシクロアルキル基;からなる群から選ばれるものであり;好ましくは、R1はC1-C4アルキル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、C1-C4アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選ばれる1~3つの置換基によって任意に置換されたヘテロアリール基(好ましくはピラゾリル基、ピロリル基およびイミダゾリル基)、又はアルキルスルホニル基からなる群から選ばれるものであり;
2又はCyは、任意に置換されたC3-C6シクロアルキル基、任意に置換されたアリール基、任意に置換された複素環式基又は任意に置換されたヘテロアリール基であり;より好ましくは、R2又はCyは、任意に置換されたシクロプロピル基、任意に置換されたフェニル基、任意に置換されたピラゾリル基、任意に置換されたピロリル基、任意に置換されたイミダゾリル基、任意に置換されたトリアゾリル基、任意に置換されたフラニル基、任意に置換されたモルホリニル基、任意に置換されたジヒドロピラニル基、任意に置換されたテトラヒドロピラニル基、任意に置換されたピリジル基、任意に置換されたピリミジニル基又は任意に置換されたピロロピリジル基であり;好ましくは、R2又はCyにおける置換基は、C1-C6アルキル基、シアノ基、アルキルスルフィニル基、ハロゲン、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基およびアルキルスルホニル基からなる群から選ばれるものであり;好ましくは、置換基の数は1~3であってもよく;より好ましくは、R2又はCyは無置換のC1-C6アルキル基又は1~3つのハロゲンによって置換されたC1-C6アルキル基によって任意に置換されたピラゾリル基であり;好ましくは、前記ピラゾリル基の1つ又は2つの環N原子は置換されており;
3はHであり;
4はC1-C4アルキル基、好ましくはメチル基である。
【0072】
式Iの一つ又は複数の好ましい実施形態において、A1はNであり、A2はNであり、A3はCであり、A4はCR5であり、A5はCR5であり、A6はNであり;R1は1~2つのC1-C4アルキル基によって任意に置換されたヘテロアリール基(好ましくはピラゾリル基、ピロリル基およびイミダゾリル基)で、例えばC1-C3アルキル基によって任意に置換されたピラゾリル基であり;R2は、1つ又は2つのC1-C4アルキル基によって任意に置換されたヘテロアリール基(好ましくはピラゾリル基、ピリジニル基、ピロロピリジニル基およびイミダゾリル基)、C1-C4アルキルスルホニル基およびハロゲンからなる群から選ばれる1~2つの置換基によって任意に置換されたアリール基(好ましくはフェニル基)、或いは1つ又は2つのC1-C4アルキル基、例えば2,6-ジC1-C4アルキル基-モルホリニル基によって任意に置換された複素環式基(好ましくはモルホリニル基)であり;R3とR4の一方はHで、他方はC1-C4アルキル基であり;各R5はそれぞれ独立にH又はC1-C4アルキル基であり、好ましくはHである。
【0073】
式Iの一つ又は複数の好ましい実施形態において、A1はNであり、A2はNであり、A3はCであり、A4はCR5であり、A5はNであり、A6はCR5であり;R1は1~2つのC1-C4アルキル基によって任意に置換されたヘテロアリール基(好ましくはピラゾリル基、ピロリル基およびイミダゾリル基、より好ましくはピラゾリル基)で、例えばC1-C3アルキル基によって任意に置換されたピラゾリル基であり;R2は、ハロゲン、C1-C4アルキルスルホニル基、C1-C4アルキルスルフィニル基、1~3つのハロゲン原子によって任意に置換されたC1-C4アルキル基からなる群から選ばれる1つ又は2つの置換基によって任意に置換されたヘテロアリール基(好ましくはピラゾリル基、ピロリル基、ピリジニル基、ピロロピリジニル基、ピリミジニル基、トリアゾリル基およびイミダゾリル基)、C1-C4アルキル基、-CN、C1-C4アルキルスルホニル基およびハロゲンからなる群から選ばれる1~2つの置換基によって任意に置換されたアリール基(好ましくはフェニル基)、或いは1つ又は2つのC1-C4アルキル基によって任意に置換された複素環式基(好ましくはモルホリニル基、ジヒドロピラニル基およびテトラヒドロピラニル基)であり;R3とR4は独立にH又はC1-C4アルキル基からなる群から選ばれるものであり;各R5はそれぞれ独立にH又はC1-C4アルキル基であり、好ましくはHである。
【0074】
式Iの一つ又は複数の好ましい実施形態において、A1はNであり、A2はNであり、A3はCであり、A4はCR5であり、A5はNであり、A6はCR5であり;R1はC1-C3アルキル基によって任意に置換されたピラゾリル基であり;R2は無置換のC1-C4アルキル基および1~3つのハロゲン原子によって置換されたC1-C4アルキル基からなる群から選ばれる1つ又は2つの置換基によって任意に置換されたピラゾリル基であり;R3とR4は独立にHおよびC1-C4アルキル基からなる群から選ばれるものであり;各R5はそれぞれ独立にH又はC1-C4アルキル基であり、好ましくはHである。さらに好ましい実施形態において、R2は無置換のC1-C4アルキル基および1~3つのハロゲン原子によって置換されたC1-C4アルキル基からなる群から選ばれる1つ又は2つの置換基によって置換されたピラゾリル基であり、前記ピラゾリル基の最大で1つの窒素原子は前記置換基によって置換されており、好ましくは、前記ピラゾリル基の1つの窒素原子は置換された。さらなる実施形態又は他の実施形態において、R3とR4の一方はHで、他方はメチル基である。
【0075】
式Iの一つ又は複数の好ましい実施形態において、A1とA4-A6は独立にN又はCR5であり;A2とA3は独立にC又はNであり;R1はC1-C3アルキル基によって任意に置換されたピラゾリル基であり;R2は無置換のC1-C4アルキル基および1~3つのハロゲン原子によって置換されたC1-C4アルキル基からなる群から選ばれる1つ又は2つの置換基によって任意に置換されたピラゾリル基であり;R3とR4は独立にHおよびC1-C4アルキル基からなる群から選ばれるものであり;各R5はそれぞれ独立にH又はC1-C4アルキル基であり、好ましくはHである。
【0076】
一つ又は複数の前記実施形態において、式Iの好ましい化合物は、下記のものを含むが、それらに限定されない:
(R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)モルホリン(実施例1);
(R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリン(実施例2);
(R)-3-メチル-4-(8-(1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリン(実施例3);
(R)-3-メチル-4-(8-(1-イソプロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリン(実施例4);
(R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリン(実施例5);
【0077】
(R)-3-メチル-4-(8-(6-メチルピリジン-3-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリン(実施例6);
(R)-3-メチル-4-(8-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリン(実施例7);
(R)-3-メチル-4-(8-(2-フルオロフェニル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリン(実施例8);
(R)-3-メチル-4-(8-モルホリニル-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリン(実施例9);
(2S,6R)-2,6-ジメチル-4-(6-((R)-3-メチルモルホリノ)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-イル)モルホリン(実施例10);
【0078】
4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例11);
4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン-6-イル)モルホリン(実施例12);
(R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例13);
(R)-3-メチル-4-(3-(1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリン(実施例14);
(R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン-6-イル)モルホリン(実施例15);
【0079】
(R)-3-メチル-4-(7-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)モルホリン(実施例16);
(R)-3-メチル-4-(5-(メチルスルホニル)-1-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)ピロロ[1,2-c]ピリミジン-3-イル)モルホリン(実施例17);
(R)-3-メチル-4-(1-(メチルスルホニル)-5-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)イミダゾ[1,5-c]ピリミジン-7-イル)モルホリン(実施例18);
(R)-3-メチル-4-(6-(メチルスルホニル)-1-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)ピロロ[1,2-a]ピラジン-3-イル)モルホリン(実施例19);
(R)-3-メチル-4-(3-(メチルスルホニル)-8-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-6-イル)モルホリン(実施例20);
【0080】
(R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピロール-3-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例21);
(R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピロール-2-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例22);
(R)-4-(7-(1H-イミダゾール-4-イル)-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例23);
(R)-3-メチル-4-(4-(6-メチルピリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例24);
(R)-4-(4-(2-フルオロフェニル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例25);
【0081】
(R)-4-(4-(1-イソプロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例26);
(R)-4-(4,7-ジ(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例27);
(R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリミジン-2-イル)モルホリン(実施例28);
(R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)イミダゾ[5,1-f][1,2,4]トリアジン-2-イル)モルホリン(実施例29);
(R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[3,4-f][1,2,4]トリアジン-6-イル)モルホリン(実施例30);
【0082】
(R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-a][1,3,5]トリアジン-2-イル)モルホリン(実施例31);
(R)-4-(4-シクロプロピル-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例32);
(S)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例33);
(3R,5R)-3,5-ジメチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例34);
(R)-3-メチル-4-(4-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例35);
【0083】
(R)-4-(4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例36);
(R)-4-(4-(1-エチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例37);
(R)-3-メチル-4-(4-(3-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例38);
(R)-3-メチル-4-(7-(3-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-4-(6-メチルピリジン-3-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例39);
(R)-4-(7-(1H-ピラゾール-5-イル)-4-(o-トリル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例40);
【0084】
(R)-4-(4-(1,4-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例41);
(R)-3-メチル-4-(4-(2-メチルピリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例42);
(R)-4-(4-(3-フルオロピリジン-4-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例43);
(R)-3-メチル-4-(4-(4-メチル-6-(メチルスルホニル)ピリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例44);
(R)-3-メチル-4-(4-(4-メチルピリミジン-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例45);
【0085】
(R)-3-メチル-4-(4-モルホリノ-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例46);
(R)-4-(7-(1H-ピラゾール-5-イル)-4-(2-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例47);
(R)-3-メチル-4-(4-(2-メチル-6-(メチルスルホニル)ピリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例48);
(R)-3-メチル-4-(4-(2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例49);
(3R)-3-メチル-4-(4-(2-メチル-6-(メチルスルフィニル)ピリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例50);
【0086】
(R)-3-メチル-4-(4-(3-メチルピリジン-4-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例51);
(R)-3-(2-(3-メチルモルホリノ)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-4-イル)ベンゾニトリル(実施例52);
(R)-4-(4-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例53);
(R)-4-(7-(1H-ピラゾール-5-イル)-4-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例54);
(R)-4-(7-(1H-ピラゾール-5-イル)-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例55);
【0087】
(R)-4-(4-(1,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例56);
(R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例57);
(R)-4-(4-(1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例58);
(R)-4-(4-(1,5-ジメチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例59);
(R)-4-(4-(1-(2-フルオロエチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例60);
【0088】
(R)-4-(4-(1-(2-フルオロエチル)-1H-ピラゾール-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例61);
(R)-4-(4-(1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例62);
(R)-4-(4-(1-(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(実施例63);
【0089】
又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物。
【0090】
本開示において、得られる環が結合価理論を満たすように、A1-A6を選択すべきであることは、理解すべきである。
本文に用いられる用語の「水素(H)」とは、その同位体のDとTを含む。
【0091】
本文に用いられる用語の「アルキル基」とは、アルキル基そのもの、或いは炭素数が最大で10の直鎖又は分岐鎖のラジカルを指す。有用なアルキル基は、直鎖又は分岐鎖のC1-C10アルキル基、好ましくはC1-C6アルキル基を含む。一部の実施形態において,アルキル基はC1-C4アルキル基である。典型的なC1-C10アルキル基は、メ任意に置換されてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、3-ペンチル基、ヘキシル基およびオクチル基を含む。
【0092】
本文に用いられる用語の「アルケニル基」とは、鎖の長さが特に限定されない限り、炭素原子数が2~10個の直鎖又は分岐鎖のラジカルであって、鎖中の2つの炭素原子の間に少なくとも1つの二重結合があるものを指し、好ましくは、C2-C6アルケニル基である。典型的なアルケニル基は、エテニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、2-メチル-1-プロペニル基、1-ブテニル基および2-ブテニル基を含む。
【0093】
本文に用いられる用語の「アルキニル基」とは、鎖の長さが特に限定されない限り、炭素原子数が2~10個の直鎖又は分岐鎖のラジカルであって、鎖中の2つの炭素原子の間に少なくとも1つの三重結合があるものを指し、好ましくは、C2-C6アルキニル基である。典型的なアルキニル基は、エチニル基、1-プロピニル基、1-メチル-2-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基および2-ブチニル基を含む。
【0094】
有用なアルコキシ基は、前記C1-C10アルキル基、好ましくはC1-C6アルキル基又はC1-C4アルキル基によって置換された酸素を含み、例えばメトキシ基やエトキシ基などを含む。アルコキシ基におけるアルキル基は任意に置換されてもよい。アルコキシ基の置換基は、ハロゲン、モルホリノ基、アミノ基(アルキルアミノ基とジアルキルアミノ基を含む)およびカルボキシ基(そのエステルを含む)を含むが、それらに限定されない。
【0095】
有用なアルキルチオ基は、前記C1-C10アルキル基、好ましくはC1-C6アルキル基によって置換された硫黄を含む。アルキルチオ基におけるアルキル基は任意に置換されてもよい。それらのアルキルチオ基のスルホキシドおよびスルホンも含まれる。
【0096】
有用なアミノ基および任意に置換されたアミノ基は-NH2、-NHR8および-NR89を含み、ただし、R8とR9はそれぞれ独立に水素、任意に置換されたC1-C10アルキル基、任意に置換されたシクロアルキル基、任意に置換されたアリール基又は任意に置換されたヘテロアリール基であり;或いは、R8とR9はそれらが結合するNと共に、O、NおよびSから選ばれる1つ又は複数(例えば2つ、3つ)の追加のヘテロ原子を任意に含む且つ任意に置換された4~7員環式アミノ基を形成する。
【0097】
単独で又は他の基の一部として本文に用いられる用語の「アリール基」とは、6~14個の炭素原子を含有する単環式、二環式又は三環式の芳香族基を指す。アリール基は本明細書に記載の1つ又は複数の置換基に置換されてもよい。
【0098】
有用なアリール基は、C6-C14アリール基、好ましくはC6-C10アリール基を含む。典型的なC6-C14アリール基は、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントラシル基、インデニル基、アズリル基、ビフェニル基、ビフェニレン基およびフルオレニル基を含む。
【0099】
本文に用いられる用語の「炭素環(炭素環式基)」は、シクロアルキル基および部分飽和炭素環式基を含む。有用なシクロアルキル基はC3-C8シクロアルキル基である。典型的なシクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基およびシクロヘプチル基を含む。炭素環式基は本明細書に記載の1つ又は複数の置換基に置換されてもよい。
【0100】
有用な部分飽和炭素環式基は、シクロアルケニル基、例えばシクロペンテニル基、シクロヘプテニル基およびシクロオクテニル基のようなC3-C8シクロアルケニル基を含む。
有用なハロ又はハロゲン基は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含む。
【0101】
有用なアシルアミノ基(アシルアミド基)は、例えばアセトアミノ基、プロピオンアミド基、ブタノイルアミド基、ペンタノイルアミド基およびヘキサノイルアミド基のような、アミノ基の窒素に結合される任意のC1-C6アシル基(アルカノイル基)、並びに、例えばベンゾイルアミド基のような、アリール基によって置換されたC1-C6アシルアミノ基である。有用なアシル基は、C1-C6アシル基、例えばアセチル基を含む。アシル基はアリール基およびハロからなる群から選ばれる基によって任意に置換されてもよく、ただし、アリール基は任意に置換されてもよい。アシル基がハロによって置換された場合、ハロゲン置換基の数は1~5であってもよい。置換されたアシル基の例は、クロロアセチル基およびペンタフルオロベンゾイル基を含む。
【0102】
有用なアシルオキシ基は、例えば、ホルミロキシ基、アセトキシ基、プロピオノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基のような、酸素(-O-)に結合される任意のC1-C6アシル基(アルカノイル基)である。
【0103】
本文に用いられる用語の「複素環(複素環式基)」とは、飽和又は部分飽和の3~7員単環式環系又は7~10員二環式環系を指し、それは炭素原子と、O、NおよびSから独立に選択された1~4つのヘテロ原子から構成され、ただし、窒素及び/又は硫黄のヘテロ原子は任意に酸化されてもよく、窒素は任意に4級化されてもよく、且つ該用語はさらに、上記のように定義されたいずれかの複素環がベンゼン環と縮合された任意の二環式環系も含む。得られる化合物が安定であれば、複素環は炭素原子又は窒素原子の箇所で置換されてもよい。複素環式基は本明細書に記載の1つ又は複数の置換基に置換されてもよい。
【0104】
有用な飽和又は部分飽和の複素環式基は、テトラヒドロフラニル基、ピラニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、1,4-ジアゼパニル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、テトラヒドロイソキノリニル基、テトロノイル基およびテトラモイル基を含み、それらは本明細書に記載の1つ又は複数の置換基によって任意に置換されてもよい。
【0105】
本文に用いられる用語の「ヘテロアリール基(複素芳香族環)」とは、5~14個の環原子を有し、且つ6、10又は14個のπ電子が環状に共有されている基を指す。環原子は、炭素原子と、酸素、窒素および硫黄から選択された1~3つのヘテロ原子とである。ヘテロアリール基は本明細書に記載の1つ又は複数の置換基によって任意に置換されてもよい。
【0106】
有用なヘテロアリール基は、チエニル基(チオフェニル基)、ベンゾ[d]イソチアゾール-3-イル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3-b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基(フラニル基)、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサンチイニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基(ピリジニル基、それは2-ピリジル基、3-ピリジル基および4-ピリジル基を含むが、それらに限定されない)、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H-インドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、4H-キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタルジニル基、ナフチリジニル基、キノザリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、カルバゾリル基、β-カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソオキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、1,4-ジヒドロキノキサリン-2,3-ジオン、7-アミノ-イソクマリン、ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、テトラヒドロシクロpペンタ[c]ピラゾール-3-イル基、1,2-ベンゾイソオキサゾリル-3-イル基のようなベンゾイソオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、2-オキシンドリル基、チアジアゾリル基、2-オキソベンズイミダゾリル基、イミダゾピリダジニル基、イミダゾピリジル基、トリアゾロピリダジニル基、ピラゾロピリミジニル基、ピロロピリミジニル基、ピロロピリジル基、ピロロピラジニル基又はトリアゾロピラジニル基を含む。前記ヘテロアリール基が環に窒素原子を含有する場合、該窒素原子はN-オキシドの形に、例えばピリジルN-オキシド、ピラジニルN-オキシドおよびピリミジニルN-オキシドになってもよい。
【0107】
本開示において、特に記載がない限り、本文のいずれかの実施形態に記載の置換されたC1-C10アルキル基、シクロアルキル基、複素環式アルキル基、アルコキシ基、複素環式アルコキシ基、アルケニル基、複素環式アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、アシルアミノ基、アシルオキシ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、チオール基、アルキルチオ基、スルホニル基、スルフィニル基、シリル基、ホスホカルボキシ基、ホスホニル基、炭素環式基、複素環式基、アリール基又はヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C1-C6アシルアミノ基、C1-C6アシルオキシ基、C1-C6アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、C1-C6アルキル基、C1-C6アシル基、C6-C10アリール基、C3-C8シクロアルキル基、C2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、複素環式基、ヘテロアリール基、メチレンジオキシ基、ウレイド基、チオール基、アジド基、カルボニル基、アルキルスルホニル基、アミノスルホニル基、ジアルキルアミノスルホニル基およびアルキルスルフィニル基などからなる群から選ばれる1つ又は複数(例えば1つ、2つ、3つ又は4つ)の置換基によって置換されてもよい。置換基自身も任意に置換されてもよい。好ましい置換基は、ハロ、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、C1-C6アシルアミノ基、C1-C6アシルオキシ基、C1-C6アルコキシ基、C1-C6アルキル基、C1-C6アシル基およびアルキルスルホニル基を含むが、それらに限定されない。
【0108】
各実施形態において、置換基が複素環式基、アリール基又はヘテロアリール基である場合、その数は通常1であることは、理解すべきである。
本開示の化合物の一部は、光学異性体を含む立体異性体として存在する可能性がある。本開示は、すべての立体異性体およびそれらの立体異性体のラセミ体の混合物に加え、当業者に周知の方法で分離できる単独のエナンチオマーも含む。
【0109】
薬学的に許容される塩の例は、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩およびシュウ酸塩などの無機および有機酸塩;並びに水酸化ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS、トロメタミン)およびN-メチルグルカミンなどの塩基で形成される無機および有機塩基塩を含む。
【0110】
本開示の化合物のプロドラッグの例は、カルボン酸含有化合物の単純エステル(例えば本分野で周知の方法に従ってC1-C4アルコールと縮合して得られるもの);ヒドロキシ含有化合物のエステル(例えば本分野で周知の方法に従ってC1-C4カルボン酸、C3-C6二塩基酸又はそれらの無水物、例えば無水コハク酸や無水フマル酸などと縮合して得られるもの);アミノ含有化合物のイミン(例えば本分野で周知の方法に従ってC1-C4アルデヒド又はケトンと縮合して得られるもの);アミノ含有化合物のカルバメート、例えばLeuら,(J. Med. Chem. 42:3623-3628 (1999))およびGreenwaldら,(J. Med. Chem. 42:3657-3667 (1999))に記載のもの;並びにアルコール含有化合物のアセタールおよびケタール(例えば本分野で周知の方法に従ってクロロメチルメチルエーテル又はクロロメチルエチルエーテルと縮合して得られるもの);を含む。
【0111】
本開示はさらに、本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩のすべての適切な同位体バリエーションを含む。本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩の同位体バリエーションは、少なくとも1つの原子が、原子番号が同じであるが、原子質量が自然界でよく見られるものと異なる原子によって置換されたものとして定義される。本開示の化合物およびその薬学的に許容される塩に組み込むことができる同位体は、H、C、NおよびO、例えば2H、3H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、35S、18F、36Clおよび125Iを含むが、それらに限定されない。本開示の化合物又はその薬学的に許容される塩の適切な同位体バリエーションは、適切な試薬の適切な同位体バリエーションを使用して、従来の技術によって調製することができる。
【0112】
本開示の化合物は、当業者に周知の方法、或いは本開示にかかる新規方法を用いて調製することができる。本開示はさらに、スキーム1~7に例示されるような、これらの式I、II、IIIa、IIIb又はIVの新規化合物を調製するための新規方法に関する。具体的には、式Iを有する本開示の化合物は、スキーム1の例示的な反応に示されるように調製することができる。6-クロロ-8-ブロモイミダゾ[1,2-b]ピリダジン、N-ヨードスクシンイミドおよびトリフルオロ酢酸をクロロホルムにおいて室温で反応させて、8-ブロモ-6-クロロ-3-ヨードイミダゾ[1,2-b]ピリダジンを調製した。リン酸カリウム三水和物とテトラトリフェニルホスフィン・パラジウムの触媒作用下で、8-ブロモ-6-クロロ-3-ヨードイミダゾ[1,2-b]ピリダジンと1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステルを、ジオキサンと水の混合溶媒中で加熱しながら反応させて、8-ブロモ-6-クロロ-3-(1-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジンを調製した。リン酸カリウム三水和物と[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムの触媒作用により、8-ブロモ-6-クロロ-3-(1-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジンと1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステルを、ジオキサンと水の混合溶媒中で加熱しながら反応させて、6-クロロ-8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジンを調製した。ナトリウムtert-ブトキシドとトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムの触媒作用により、6-クロロ-8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジンと(R)-3-メチルモルホリンを、トルエン中で加熱しながら反応させて、(3R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリンを調製した。(3R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリンと濃塩酸を、エタノール中で室温で反応させて、標的化合物である(R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリンを調製した。
【0113】
【化19】
【0114】
他の関連化合物も同様に調製できる。例えば、1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステルを1-メチル-1H-イミダゾール-5-ボロン酸ピナコールエステルに置換したことで、標的化合物である(R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリンを調製した;6-クロロ-8-ブロモイミダゾ[1,2-b]ピリダジンを8-ブロモ-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジンに置換したことで、標的化合物である(R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)モルホリンを調製した;1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステルを6-メチルピリジン-3-ボロン酸ピナコールエステルに置換したことで、標的化合物である(R)-3-メチル-4-(8-(6-メチルピリジン-3-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリンを調製した;1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステルを4-(メチルスルホニル)フェニルボロン酸ピナコールエステルに置換したことで、標的化合物である(R)-3-メチル-4-(8-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリンを調製した。
【0115】
本開示の化合物は、スキーム2の例示的な反応に示されるように調製することができる。8-ブロモ-6-クロロ-3-ヨードイミダゾ[1,2-b]ピリダジン、モルホリンおよびDIEAをTHF中で加熱しながら反応させて、4-(6-クロロ-3-ヨードイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-イル)モルホリンを調製した。4-(6-クロロ-3-ヨードイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-イル)モルホリン、1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル、Pd(PPh34およびK3PO4水溶液を、ジオキサン中で加熱しながら反応させて、4-(6-クロロ-3-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-イル)モルホリンを調製した。4-(6-クロロ-3-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-イル)モルホリン、(R)-3-メチルモルホリン、t-BuONa、Pd(dba)2およびビナフチルジフェニルホスフェートを、トルエン中で加熱しながら反応させて、(3R)-3-メチル-4-(8-モルホリン-3-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリンを調製した。(3R)-3-メチル-4-(8-モルホリン-3-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリンとHCl/メタノール溶液を、メタノール中で室温で反応させて、標的化合物である(R)-3-メチル-4-(8-モルホリニル-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリンを調製した。
【0116】
【化20】
【0117】
他の関連化合物も同様な方法で調製できる。例えば、モルホリンを(2S,6R)-2,6-ジメチルモルホリンに置換したことで、標的化合物である(2S,6R)-2,6-ジメチル-4-(6-((R)-3-メチルモルホリノ)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-イル)モルホリンを調製した。
【0118】
本開示の化合物は、スキーム3の例示的な反応に示されるように調製することができる。4-ブロモ-1,2-ジヒドロピリダジン-3,6-ジオン、(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ボロン酸、リン酸カリウム水溶液および[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(Pd(dppf)Cl2)を、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)中で加熱しながら反応させて、4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,2-ジヒドロピリダジン-3,6-ジオンを調製した。4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,2-ジヒドロピリダジン-3,6-ジオンとオキシ塩化リンを、加熱しながら反応させて、、3,6-ジクロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピリダジンを調製した。3,6-ジクロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピリダジンと(R)-3-メチルモルホリンを、N-メチルピロリドン中でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)とCuBrの存在下で加熱しながら反応させて、(R)-4-(6-クロロ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピリダジン-3-イル)-3-メチルモルホリンを調製した。(R)-4-(6-クロロ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピリダジン-3-イル)-3-メチルモルホリンとZn(CN)2を、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(DPPF)とPd2(dba)3の触媒作用により、DMFと少量の水の中で加熱しながら反応させて、(R)-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-(3-メチルモルホリニル)ピリダジン-3-カルボニトリルを調製した。(R)-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-(3-メチルモルホリニル)ピリダジン-3-カルボニトリルを、水素雰囲気下でラネーニッケル(Raney Ni)の触媒作用により室温で反応させて、(R)-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-(3-メチルモルホリニル)ピリダジン-3-イル)メチルアミンを調製した。(R)-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-(3-メチルモルホリニル)ピリダジン-3-イル)メチルアミンと1H-ピラゾール-5-カルボン酸を、DMF中で2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロりん酸塩(HATU)とDIEAの存在下で室温で反応させて、N-((4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-((R)-3-メチルモルホリニル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-イル)メチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドを調製した。N-((4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-((R)-3-メチルモルホリニル)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-イル)メチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドを、POCl3中で加熱しながら反応させて、標的化合物である(R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリンを調製した。
【0119】
【化21】
【0120】
他の関連化合物も同様な方法で調製できる。例えば、モルホリンを(R)-3-メチルモルホリンに置換したことで、標的化合物である4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン-6-イル)モルホリンを調製した;1H-ピラゾール-5-カルボン酸を1H-ピロール-3-カルボン酸に置換したことで、標的化合物である(R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピロール-3-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリンを調製した;1H-ピラゾール-5-カルボン酸を1H-イミダゾール-4-カルボン酸に置換したことで、標的化合物である(R)-4-(7-(1H-イミダゾール-4-イル)-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリンを調製した;(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ボロン酸を(6-メチルピリジン-3-イル)ボロン酸に置換したことで、標的化合物である(R)-3-メチル-4-(4-(6-メチルピリジン-3-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリンを調製した;(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ボロン酸を(2-フルオロフェニル)ボロン酸に置換したことで、標的化合物である(R)-4-(4-(2-フルオロフェニル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリンを調製した。
【0121】
本開示の化合物は、スキーム4の例示的な反応に示されるように調製することができる。3,6-ジクロロピリダジン-4-アミン、ヘキサン-2,5-ジオンおよびTsOH・H2Oを、トルエン中で加熱しながら反応させて、3,6-ジクロロ-4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)ピリダジンを調製した。3,6-ジクロロ-4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)ピリダジン、(R)-3-メチルモルホリンおよびDIEAを、NMP中で加熱しながら反応させて、(R)-4-(6-クロロ-5-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)ピリダジン-3-イル)-3-メチルモルホリンを調製した。(R)-4-(6-クロロ-5-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)ピリダジン-3-イル)-3-メチルモルホリン、Zn(CN)2、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(DPPF)、Pd2(dba)3および水を、DMF中で加熱しながら反応させて、(R)-4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-カルボニトリルを調製した。(R)-4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-カルボニトリル、H2およびラネーニッケルを、MeOH中で室温で反応させて、(R)-(4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-イル)メタンアミンを調製した。(R)-(4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-イル)メタンアミン、1H-ピラゾール-5-カルボン酸、HATUおよびDIEAを、DMF中で室温で反応させてから、K2CO3を加え、混合物を室温で反応させて、(R)-N-((4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-イル)メチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドを調製した。(R)-N-((4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-イル)メチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドを、POCl3中で加熱しながら反応させて、(R)-4-(4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリンを調製した。(R)-4-(4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリンを、TFA/H2O中で加熱しながら反応させて、(R)-2-(3-メチルモルホリノ)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-4-オールを調製した。(R)-2-(3-メチルモルホリノ)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-4-オールとTEAを、乾燥DCM中で0℃で反応させてから、Tf2Oを加え、混合物を0℃~rtで反応させて、(R)-2-(3-メチルモルホリノ)-7-(1-((トリフルオロメチル)スルホニル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-4-イルトリフルオロメタンスルホナートを調製した。(R)-2-(3-メチルモルホリノ)-7-(1-((トリフルオロメチル)スルホニル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-4-イルトリフルオロメタンスルホナート、1-イソプロピル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール、K2CO3およびPd(dppf)Cl2を、ジオキサン中で加熱しながら反応させてから、LiOH水溶液を加え、混合物を室温で反応させて、標的化合物である(R)-4-(4-(1-イソプロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリンを調製した。
【0122】
【化22】
【0123】
他の関連化合物も同様な方法で調製できる。例えば、1-イソプロピル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールを4,4,5,5-テトラメチル-2-(o-トリル)-1,3,2-ジオキサボロランに置換したことで、標的化合物である(R)-4-(7-(1H-ピラゾール-5-イル)-4-(o-トリル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリンを調製した;1-イソプロピル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールを3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジンに置換したことで、標的化合物である(R)-4-(4-(3-フルオロピリジン-4-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリンを調製した;1-イソプロピル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールを4-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリミジンに置換したことで、標的化合物である(R)-3-メチル-4-(4-(4-メチルピリミジン-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリンを調製した;1-イソプロピル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾールを4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンに置換したことで、標的化合物である(R)-4-(7-(1H-ピラゾール-5-イル)-4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリンを調製した。
【0124】
本開示の化合物は、スキーム5の例示的な反応に示されるように調製することができる。4,6-ジクロロ-3-メチルピリダジン、(R)-3-メチルモルホリンおよびDIEAを、メチル-2-ピロリドン(NMP)中で加熱しながら反応させて、(R)-4-(5-クロロ-6-メチルピリダジン-3-イル)-3-メチルモルホリンを調製した。(R)-4-(5-クロロ-6-メチルピリダジン-3-イル)-3-メチルモルホリンとSeO2を、1,4-ジオキサン中で加熱しながら反応させて、(R)-4-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-カルバルデヒドを調製した。(R)-4-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-カルバルデヒド、(2,4-ジメトキシフェニル)メタンアミンおよびAcOHを、1,1-ジクロロエタン(DCE)中で室温で反応させてから、NaBH(OAc)3を加え、混合物を室温で反応させて、(R)-1-(4-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-イル)-N-(2,4-ジメトキシベンジル)メタンアミンを調製した。(R)-1-(4-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-イル)-N-(2,4-ジメトキシベンジル)メタンアミンを、TFA中で加熱しながら反応させて、(R)-(4-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-イル)メタンアミンを調製した。(R)-(4-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-イル)メタンアミンと1H-ピラゾール-5-カルボン酸を、HATUとDIEAの存在下でDMF中で室温で反応させて、N-((4-クロロ-6-((R)-3-メチルモルホリノ)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-イル)メチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドを調製した。N-((4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-((R)-3-メチルモルホリノ)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-イル)メチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドを、POCl3中で加熱しながら反応させて、(R)-4-(4-クロロ-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリンを調製した。(R)-4-(4-クロロ-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン、シクロプロピルボロン酸、K3PO4・3H2Oを、Pd(OAc)2とトリシクロヘキシルホスフィンの触媒作用により、1,4-ジオキサンとトルエンの混合溶媒中で加熱しながら反応させて、標的化合物である(R)-4-(4-シクロプロピル-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリンを調製した。
【0125】
【化23】
【0126】
本開示の化合物は、スキーム6の例示的な反応に示されるように調製することができる。1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-3-カルバルデヒド、6-クロロ-3-ヒドラジノ-ピリダジン-4-アミンおよびPhI(OAc)2を、DCM中で室温で反応させて、6-クロロ-3-(1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-3-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン-8-アミンを調製した。6-クロロ-3-(1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-3-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン-8-アミン、HBrおよびt-BuONOを、CH3CN中で0℃で反応させてから、CuBrを加え、混合物を室温で反応させて、8-ブロモ-6-クロロ-3-(1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-3-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジンを調製した。8-ブロモ-6-クロロ-3-(1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-3-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン、(2-メチルピラゾール-3-イル)ボロン酸、Pd(PPh34およびK3PO4水溶液を、ジオキサン中で窒素の保護下で加熱反応させて、6-クロロ-8-(2-メチルピラゾール-3-イル)-3-(1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-3-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジンを調製した。6-クロロ-8-(2-メチルピラゾール-3-イル)-3-(1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-3-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジンとモルホリンを、スルホラン中で窒素の保護下で加熱反応させて、4-[8-(2-メチルピラゾール-3-イル)-3-(1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-3-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン-6-イル]モルホリンを調製した。4-[8-(2-メチルピラゾール-3-イル)-3-(1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-3-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン-6-イル]モルホリンとHCl/MeOHを、MeOH中で室温で反応させて、標的化合物である4-[8-(2-メチルピラゾール-3-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン-6-イル]モルホリンを調製した。
【0127】
【化24】
【0128】
他の関連化合物も同様な方法で調製できる。例えば、モルホリンを(R)-3-メチルモルホリンに置換したことで、標的化合物である(R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン-6-イル)モルホリンを調製した。
【0129】
本開示の化合物は、スキーム7の例示的な反応に示されるように調製することができる。5,7-ジクロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、Pd(dppf)Cl2およびK3PO4水溶液を、ジオキサン中で加熱しながら反応させて、5-クロロ-7-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンを調製した。5-クロロ-7-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、ナトリウムtert-ブトキシド、(±)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレン(BINAP)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを、トルエン中で室温で加熱反応させて、(R)-3-メチル-4-(7-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)モルホリンを調製した。(R)-3-メチル-4-(7-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)モルホリン、N-ヨードスクシンイミド(NIS)およびトリフルオロ酢酸(TFA)を、CHCl3中で室温で反応させて、(R)-4-(3-ヨード-7-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-3-メチルモルホリンを調製した。(R)-4-(3-ヨード-7-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-3-メチルモルホリン、1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール、リン酸カリウム三水和物およびPd(dppf)Cl2を、ジオキサンと水の混合溶媒中で加熱しながら反応させて、(3R)-3-メチル-4-(7-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)モルホリンを調製した。(3R)-3-メチル-4-(7-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)モルホリン、HCl/ジオキサンおよび水を、室温で反応させて、標的化合物である(R)-3-メチル-4-(7-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)モルホリンを調製した。
【0130】
【化25】
【0131】
本開示の一つの要点は、式Iの化合物(本明細書に記載の式II、IIIa、IIIbおよびIVの化合物も含む)又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物、又はそれらのプロドラッグがキナーゼ阻害剤、特にATRキナーゼ阻害剤であることの発見にある。従って、式Iの化合物(本明細書に記載の式II、IIIa、IIIbおよびIVの化合物も含む)は、癌などのATRキナーゼ媒介関連疾患の治療に使用することができ、或いは、癌などのATRキナーゼ媒介関連疾患を治療するための医薬の調製に使用することができる。
【0132】
本開示はさらに、必要な対象(特に哺乳動物、より具体的にはヒト)に、有効量の式Iの化合物(本明細書に記載の式II、IIIa、IIIbおよびIVの化合物も含む)又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物、又はそれらのプロドラッグ、或いは有効量の式Iの化合物(本明細書に記載の式II、IIIa、IIIbおよびIVの化合物も含む)又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物、又はそれらのプロドラッグを含む医薬組成物を投与することを含む、キナーゼ媒介疾患、特にATRキナーゼ媒介関連疾患を治療又は予防する方法を提供する。本開示において、キナーゼ媒介疾患は癌、特にATRキナーゼ媒介癌を含む。本開示の方法又は医薬組成物によって治療又は予防することができるATRキナーゼ媒介疾患は、肝臓癌、メラノーマ、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、乳癌、卵巣癌、肺癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、精巣癌、軟部組織肉腫、原発性マクログロブリン血症、膀胱癌、慢性骨髄性白血病、原発性脳腫瘍、悪性黒色腫、小細胞肺癌、胃癌、大腸癌、悪性膵島腫瘍、悪性カルチノイド癌、絨毛癌、菌状息肉症、頭頚部癌、骨原性肉腫、膵臓癌、急性骨髄性白血病、毛状細胞白血病、横紋筋肉腫、カポジ肉腫、泌尿器系腫瘍、甲状腺癌、食道癌、悪性高カルシウム血症、子宮頸部過形成、腎細胞癌、子宮内膜癌、真性多血症、特発性血小板血症、副腎皮質癌、皮膚癌、前立腺癌を含むが、それらに限定されない。
【0133】
本開示はさらに、骨髄増殖性疾患などの増殖性疾患又は過増殖性疾患、特にATRキナーゼによって媒介される過剰又は異常な細胞増殖によって引き起こされる増殖性疾患又は過増殖性疾患を含む、過剰又は異常な細胞増殖によって引き起こされる他の疾患を治療又は予防するための使用も含む。従って、本開示はさらに、式Iの化合物(本明細書に記載の式II、IIIa、IIIbおよびIVの化合物も含む)又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物、又はそれらのプロドラッグを用いる、過剰又は異常な細胞増殖によって引き起こされる他の疾患、特にATRキナーゼによって媒介される過剰又は異常な細胞増殖によって引き起こされる増殖性疾患又は過増殖性疾患を治療又は予防するための医薬品の調製も含む。
【0134】
治療方法を実施する際に、有効量の医薬製剤を、これらの障害の1つ又は複数の症状を示している個体に投与する。医薬製剤は、癌やその他の疾患の治療を目的として、経口、静脈内、局所又は外用の投与を目的として製剤化された治療有効濃度の式I、II、IIIa、IIIb又はIVの化合物又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物、又はそれらのプロドラッグを含む。その量は、障害の1つ又は複数の症状を改善又は解消するのに有効である。特定の疾患を治療するための化合物の有効量とは、その疾患に関連する症状を改善したり、何らかの手段で軽減したりするのに十分な量である。そのような量は、単回投与でもよく、有効なレジメンに従って投与してもよい。その量は、疾患を治すこともできるが、典型的には、疾患の症状を改善するために投与される。典型的には、症状の所望の改善を達成するために、繰り返して投与する必要がある。
【0135】
もう一つの実施形態において、ATRキナーゼ阻害剤としての式I、II、IIIa、IIIb又はIVの化合物又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物、又はそれらのプロドラッグと、薬学的に許容される担体と、を含む医薬組成物を提供する。
【0136】
本開示のもう一つの実施形態は、キナーゼ阻害剤として機能する式I、II、IIIa、IIIb又はIVの化合物又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物、又はそれらのプロドラッグと、少なくとも1つの既知の抗癌剤又はその薬学的に許容される塩と、を組み合わせて含む、癌の治療に有効な医薬組成物に関する。具体的には、本開示の化合物は、オラパリブ(Olaparib)、ニラプリブ(Niraprib)、ルカパリブ(Rucaparib)、タラゾパリブ(Talazoparib)やセナパリブ(Senaparib)などのPARP阻害剤;ボリノータ(Volinota)、ロミディデシン(Romididesin)、パピセタ(Papiseta)やバイレスタ(Bailesta)などのHDAC阻害剤などを含む、DNAの損傷と修復のメカニズムに関連する他の抗癌薬と併用することができる。また、本開示の化合物は、Chk1/2阻害剤、パポシニブ(Paposinib)などのCDK4/6阻害剤、ATM阻害剤、Wee1阻害剤、DNA-PK阻害剤などを含む、細胞分裂検出部位に関連する他の抗癌薬と併用することができる。抗癌剤併用療法に使用できる他の既知の抗癌剤は、ブスルファン、メルファラン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、テモゾロミド、ベンダムスチン、シスプラチン、マイトマイシンC、ブレオマイシンやカルボプラチンなどのアルキル化剤;カンプトテシン、イリノテカンやトポテカンなどのトポイソメラーゼI阻害剤;ドキソルビシン、エピルビシン、アカシノマイシン、ミトキサントロン、エリプティニウムやエトポシドなどのトポイソメラーゼII阻害剤;5-アザシチジン、ゲムシタビン、5-フルオロウラシル、カペシタビンやメトトレキサートなどのRNA/DNA代謝拮抗剤;5-フルオロ-2’-デオキシ-ウリジン、フルダラビン、ネララビン、ara-C、プララトレキサート、ペメトレキセド、ヒドロキシウレアやチオグアニンなどのDNA代謝拮抗剤;コルヒチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、パクリタキセル、イクサベピロン、カバジタキセルやドセタキセルなどの抗ミトコンドリア剤;mAb、パニツムマブ、ネシツムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ラムシルマブ、ベバシズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ、セツキシマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、イブリツモマブ、トシツモマブ、ブレンツキシマブ、ダラツムマブ、エロツズマブ、T-DM1、オファツムマブ、ディナツキシマブ、ブリナツモマブ、イピリムマブ、アバスチン、ハーセプチンやマブセラなどの抗体;イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ、アファチニブ、セリチニブ、アレクチニブ、クリゾチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、ソラフェニブ、レゴラフェニブ、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、アフリベルセプト、スニチニブ、ニロチニブ、ダサチニブ、ボスチニブ、ポナチニブ、イブルチニブ、カボザンチニブ、レンバチニブ、バンデタニブ、トラメチニブ、コビメチニブ、アキシチニブ、テムシロリムス、イデラリシブ、パゾパニブ、トーリセルやエベロリムスなどのキナーゼ阻害剤を含むが、それらに限定されない。抗癌剤併用療法に使用できる他の既知の抗癌剤は、タモキシフェン、レトロゾール、フルベストラント、ミトグアゾン、オクトレオチド、レチノイン酸、ヒ素、ゾレドロン酸、ボルテゾミブ、カーフィルゾミブ、イクサゾミブ、ビスモデギブ、ソニデギブ、デノスマブ、サリドマイド、レナリドマイド、ベネトクラクス、アルデスロイキン(組換えヒトインターロイキン2)やシプユーセルT(前立腺癌治療ワクチン)などを含む。
【0137】
本開示の方法を実施する際に、本開示の化合物を、少なくとも1つの既知の抗癌剤と共に、単一の医薬組成物で投与してもよい。或いは、本開示の化合物を、少なくとも1つの既知の抗癌剤とは別に投与してもよい。一つの実施形態において、本開示の化合物と少なくとも1つの既知の抗癌剤は実質的に同時に投与され、即ち、化合物が同時に血中で治療レベルに到達することができる限り、すべての薬剤は同時に、若しくは順次に投与される。もう一つの実施形態において、本開示の化合物と少なくとも1つの既知の抗癌剤は、血中で治療レベルに到達することができる限り、個別の投与スケジュールに従って投与される。
【0138】
本開示のもう一つの実施形態は、キナーゼ阻害剤として機能し、本明細書に記載の化合物を含み、腫瘍の阻害に有効なバイオコンジュゲートに関する。腫瘍を阻害するバイオコンジュゲートは、本明細書に記載の化合物と、トラスツズマブ(trastuzumab)やリツキシマブ(rituximab)などの治療に有用な少なくとも1つの既知の抗体、EGFやFGFなどの成長因子、IL-2やIL-4などのサイトカイン、若しくは細胞表面に結合できる任意の分子と、で構成されている。抗体や他の分子は、本明細書に記載の化合物をその標的に送達し、効果的な抗癌剤とすることができる。また、バイオコンジュゲートには、トラスツズマブ(trastuzumab)やリツキシマブ(rituximab)などの治療に有用な抗体の抗癌効果を高める可能性もある。
【0139】
本開示のもう一つの実施形態は、式Iのキナーゼ阻害剤(本明細書に記載の式II、IIIa、IIIbおよびIVの化合物も含む)又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物、又はそれらのプロドラッグを含み、放射線治療と併用して腫瘍を阻害するのに有効な医薬組成物に関する。本実施形態において、本開示の化合物は、放射線治療と同時に投与してもよく、異なる時間に投与してもよい。
【0140】
本開示のさらに一つの実施形態は、式I、II、IIIa、IIIb又はIVのキナーゼ阻害剤又はその立体異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、同位体置換された誘導体、溶媒和物若しくは薬学的に許容される塩、又はそれらの混合物、又はそれらのプロドラッグを含み、癌の術後治療に有効な医薬組成物に関する。本開示はさらに、外科的に腫瘍を除去した後、本明細書に記載の医薬組成物で哺乳動物を治療することによる、癌の治療方法に関する。
【0141】
本開示の医薬組成物は、意図された目的を達成するのに有効な量で本開示の化合物を含むすべての医薬製剤を含む。個人のニーズは様々であるが、当業者であれば、医薬製剤中の各成分の最適な量を決定できる。典型的には、本化合物又はその薬学的に許容される塩は、1日あたり体重1kgあたり約0.0025~50mgの投与量で、哺乳動物に経口投与することができる。好ましくは、約0.01mg/kg~約10mg/kg体重で経口投与する。既知の抗癌剤も投与する場合は、その意図された目的を達成するのに有効な量で投与する。このような既知の抗癌剤の最適量は、当業者によく知られている。
【0142】
単位経口投与量は、約0.01~約50mg、好ましくは約0.1~約10mgの本開示の化合物を含んでいてもよい。単位投与量は、1日あたりに1錠又は複数錠を1回又は複数回投与してもよく、それぞれが約0.1~約50mg、好都合には約0.25~10mgの本開示の化合物又はその溶媒和物を含む。
【0143】
外用製剤において、本開示の化合物は、担体1グラムあたり約0.01~100mgの濃度で存在してもよい。
本開示の化合物は、未加工の化学物質として投与してもよい。また、本開示の化合物は、薬学的に許容される担体(賦形剤および補助剤を含む)を含む適切な医薬製剤の一部として投与してもよく、これにより、化合物の薬学的に許容される製剤への加工が容易になる。好ましくは、医薬製剤、特に経口製剤、および錠剤、ドラジェやカプセルなどの好ましい投与に使用されるもの、並びに注射または経口投与に適した溶液は、賦形剤とともに、約0.01%~99%、好ましくは約0.25%~75%の活性化合物を含む。
【0144】
本開示の化合物の非毒性の薬学的に許容される塩も、本開示の範囲内に含まれる。酸付加塩は、本開示の化合物の溶液を、塩酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、リン酸、シュウ酸などの薬学的に許容される非毒性の酸の溶液と混合することによって形成される。塩基付加塩は、本開示の化合物の溶液を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化コリン、炭酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N-メチルグルカミンなどの薬学的に許容される非毒性の塩基の溶液と混合することによって形成される。
【0145】
本開示の医薬製剤は、本開示の化合物の治療効果を経験することができる限り、あらゆる哺乳動物に投与することができる。このような哺乳動物の中で最も重要なのは、人間と獣医学的動物であるが、本開示はそれらに限定されることを意図していない。
【0146】
本開示の医薬製剤は、意図された目的を達成する任意の手段で投与することができる。例えば、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮、頬側、髄腔内、頭蓋内、鼻腔内、外用などの経路によって投与することができる。或いは若しくは同時に、経口経路によって投与することができる。投与量は、被投与者の年齢、健康状態、体重、同時治療の種類、治療の頻度、および求める効果の性質によるものである。
【0147】
本開示の医薬製剤は、公知の方法で製造され、例えば、従来の混合、造粒、ドラジェ調製、溶解、又は凍結乾燥プロセスによって製造される。活性化合物を固体賦形剤と組み合わせ、得られた混合物を任意に粉砕し、必要に応じて適切な補助剤を加えた後で顆粒の混合物を加工し、錠剤又はドラジェコアを獲得することにより、経口用の医薬製剤を得ることができる。
【0148】
具体的には、適切な賦形剤は、ラクトース、スクロース、マンニトールやソルビトールなどの糖類や、セルロース製剤及び/又はリン酸三カルシウムやリン酸水素カルシウムなどのリン酸カルシウム類などの充填剤;並びにトウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプンを含むデンプンペーストや、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び/又はポリビニルピロリドンなどの結合剤である。必要に応じて、上記のデンプンの他、カルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸又はその塩(アルギン酸ナトリウムなど)などの崩壊剤を加えてもよい。具体的には、補助剤は、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウムやステアリン酸カルシウムなどのステアリン酸又はその塩、及び/又はポリエチレングリコールなどの流動性調整剤や潤滑剤である。ドラジェコアには、必要に応じて胃液に耐性のある適切なコーティングが施されている。この目的で、濃縮された糖類溶液を使用することができ、この溶液は、アラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、並びに適切な有機溶媒又は溶媒混合物を任意に含んでもよい。胃液に耐性のあるコーティングを作るために、アセチルセルロースフタレートやヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの適切なセルロース製剤の溶液を使用する。染料や顔料は、例えば識別のために、或いは活性化合物の投与量の組み合わせを特徴づけるために、錠剤やドラジェコーティングに添加することができる。
【0149】
経口的に使用できるその他の医薬製剤は、ゼラチンで作製したプッシュフィットカプセル、並びにゼラチンとグリセロールやソルビトールなどの可塑剤とで作製したソフトシールカプセルを含む。プッシュフィットカプセルは、活性化合物を顆粒の形で含んでもよく、これにラクトースなどの充填剤、スターチなどの結合剤、及び/又はタルクやステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、および安定化剤を混合してもよい。ソフトカプセルでは、活性化合物を脂肪油や流動パラフィンなどの適切な液体に溶解又は懸濁させることが好ましい。また、安定化剤を添加してもよい。
【0150】
非経口投与に適した製剤は、活性化合物の水溶液、例えば、水溶性塩の水溶液やアルカリ性溶液などを含む。さらに、適切な油性注射用懸濁液としての活性化合物の懸濁液を投与してもよい。適切な親油性の溶媒又はビヒクルは、ゴマ油などの脂肪油、又はオレイン酸エチル、トリグリセリドやポリエチレングリコール-400などの合成脂肪酸エステル、又はクレモフォール、又はシクロデキストリンを含む。水性注射用懸濁液は、懸濁液の粘度を高める物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、及び/又はデキストランを含んでもよい。また、懸濁液安定化剤を任意に含んでもよい。
【0151】
本開示の一つの態様によれば、本開示の化合物は、外用の非経口製剤に採用され、皮膚癌の治療に使用される。
本開示の外用製剤は、適切な担体の選択により、好ましくはオイル、クリーム、ローション、軟膏などとして製剤化される。適切な担体は、植物油や鉱物油、白色ワセリン(白色軟質パラフィン)、分岐鎖油脂、動物性油脂および高分子量アルコール(C12超え)を含む。好ましい担体は、活性成分が溶解できるものです。乳化剤、安定化剤、保湿剤、酸化防止剤、および必要に応じて色や香りを付与する薬剤を配合してもよい。さらに、これらの外用製剤に経皮吸収促進剤を適用してもよい。このような促進剤の例は、米国特許第3,989,816号および第4,444,762号に記載されている。
【0152】
クリームは、ミネラルオイルと自己乳化性ミツロウと水の混合物に、少量のアーモンドオイルなどのオイルに溶解した活性成分を混ぜることで調製するのが好ましい。このようなクリームの典型的な例は、約40部の水、約20部のミツロウ、約40部のミネラルオイル、約1部のアーモンドオイルを含むものである。
【0153】
軟膏は、アーモンドオイルなどの植物油に活性成分を溶解した溶液と、温めたソフトパラフィンとを混合し、混合物を冷却させることで調製することができる。このような軟膏の典型的な例は、約30重量%のアーモンドオイルと約70重量%の白色軟質パラフィンを含むものである。
【0154】
本開示はさらに、キナーゼ(特にATRキナーゼ)の活性を阻害する効果に応じて、臨床症状を治療するための医薬品を調製するための、本開示の化合物の使用を含む。これらの医薬品は、上記の医薬組成物を含んでもよい。
【0155】
以下の実施例は、本開示の方法および組成物を例示するためのものであり、限定するためのものではない。臨床治療でよく遭遇する様々な条件やパラメータの他の適切な変更や最適化は、当業者にとって明らかなものであり、本開示の主旨と範囲内に入る。
【実施例
【0156】
一般的な説明
すべての試薬は市販品の品質を有した。溶媒は標準的な方法で乾燥して精製した。マススペクトル分析は、エレクトロスプレーインターフェースを備えたPlatform II(Agilent 6110)四重極型質量分析計で記録した。1H NMRスペクトルは、Brucker Ascend 400装置を用いて、400MHzで記録した。化学シフトはTMS(0.00ppm)からのダウンフィールドでパーツ・パー・ミリオン(ppm)単位で記録し、J結合定数はヘルツ(Hz)単位で報告した。
【0157】
実施例1
(R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)モルホリン
【0158】
【化26】
【0159】
a) 8-ブロモ-6-クロロ-3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピリジンの調製:N-ヨードスクシンイミド(3.94g,17.28mmol)およびトリフルオロ酢酸(2.68mL,34.6mmol)を、室温で8-ブロモ-6-クロロイミダゾ[1,2-a]ピリジン(4.0g,17.28mmol)のクロロホルム溶液(50mL)に加えた。反応溶液を室温で2時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(80mL)で反応をクエンチした。反応液をジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。抽出液を塩水溶液(50mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮し、粗生成物を獲得し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:酢酸エチル=1:0-7:3)により精製し、標的生成物(5.5g,89%収率,黄色い固体)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 356.62。
【0160】
b) 8-ブロモ-6-クロロ-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジンの調製:テトラトリフェニルホスフィン・パラジウム(1.28g,1.11mmol)を、8-ブロモ-6-クロロ-3-ヨードイミダゾ[1,2-a]ピリジン(3g,8.4mmol)、1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(2.57g,9.24mmol)およびリン酸カリウム三水和物(4.41g,16.8mmol)のジオキサン(50mL)と水(5mL)の混合溶液に加えた。窒素の保護下で80℃で18時間攪拌した。水(100mL)を加え、混合物をジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。抽出液を塩水溶液(50mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮し、粗生成物を獲得し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:酢酸エチル=4:0-7:3)により精製し、標的生成物(1.05g,40.1%収率,黄色い固体)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 380.8。
【0161】
c) 6-クロロ-8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジンの調製:[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(0.38g,0.52mmol)を、8-ブロモ-6-クロロ-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン(1g,2.62mmol)、1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(0.71g,3.40mmol)およびリン酸カリウム三水和物(1.4g,5.24mmol)のジオキサン(30mL)と水(3mL)の混合溶液に加えた。反応液を窒素の保護下で100℃で16時間攪拌した。水(50mL)を加え、混合物をジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮し、粗生成物を獲得し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:酢酸エチル=4:1-0:1)により精製し、標的生成物(0.8g,80.0%収率,黄色い固体)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 383.0。
【0162】
d) (3R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)モルホリンの調製:窒素の保護下で、6-クロロ-8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン(400mg,668.68mmol)を、(R)-3-メチルモルホリン(405.81mg,4.01mmol)、ナトリウムtert-ブトキシド(257.05mg,2.67mmol)およびメタンスルホナート(2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリ-iso-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(53.12mg,66.87mmol)のtert-アミルアルコール溶液(8.00mL)にゆっくり加えた。反応系の雰囲気を窒素に置き換えてから、反応溶液を110℃で0.5時間攪拌し、且つLCMSにより反応の終了を示した。反応溶液を濾過した後、減圧で濃縮することで有機溶媒を除去し、粗生成物を獲得し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:メタノール=10:1)により精製し、標的生成物(200mg,粗生成物,黄色いオイル)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 448.2。
【0163】
e) (R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)モルホリンの調製:(3R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)モルホリン(200mg,粗生成物)を、室温でメタノール(2mL)に溶解させてから、塩酸の4Mジオキサン溶液(5mL)を滴下した。反応液を10℃で0.5時間攪拌した。原料が完全に消費されたことおよび製品が生成されたことを、LCMSによりモニターした。反応溶液を減圧で濃縮することで有機溶媒を除去し、粗生成物を獲得し、分取クロマトグラフィー(C18シリカゲルカラム,150×25mm,5μm,13-38%アセトニトリル/0.05%アンモニアを移動相とした)により精製し、標的生成物(9mg,5.6%収率,白色固体)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 364.2. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 13.15 (s, 1H), 9.03 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.92 (s, 2H), 7.54 (s, 1H), 7.40 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 3.95 - 3.88 (m, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.80 - 3.70 (m, 2H), 3.68 - 3.60 (m, 2H), 3.22 - 2.95 (m, 2H), 0.99 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0164】
実施例2
(R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリン
a) 8-ブロモ-6-クロロ-3-ヨードイミダゾ[1,2-b]ピリダジンの調製:N-ヨードスクシンイミド(7.25g,32.25mmol)およびトリフルオロ酢酸(3.35mL,43mmol)を、室温で6-クロロ-8-ブロモイミダゾ[1,2-b]ピリダジン(5g,21.5mmol)のクロロホルム溶液(90mL)に加えた。反応液を室温で2時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)で反応をクエンチし、ジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。抽出液を塩水溶液(50mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮し、粗生成物を獲得し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:酢酸エチル=1:0-49:1)により精製し、標的生成物(5.2g,67.7%収率,黄色い固体)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 357.57。
【0165】
b) 8-ブロモ-6-クロロ-3-(1-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジンの調製:テトラキストリフェニルホスフィン・パラジウム(1.67g,1.45mmol)を、8-ブロモ-6-クロロ-3-ヨードイミダゾ[1,2-b]ピリダジン(4g,14.51mmol)、1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(4.03g,14.51mmol)およびリン酸カリウム三水和物(5.94g,22.32mmol)のジオキサン(50mL)と水(5mL)の混合溶液に加えた。反応溶液を窒素の保護下で90℃で16時間攪拌してから、水(50mL)を加え、混合物をジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。抽出液を塩水溶液(50mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮し、粗生成物を獲得し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:酢酸エチル=1:0-4:1)により精製し、標的生成物(0.93g,16.7%収率,黄色い固体)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 381.80。
【0166】
c) 6-クロロ-8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジンの調製:[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(0.36g,0.47mmol)を、8-ブロモ-6-クロロ-3-(1-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン(0.93g,2.43mmol)、1-メチル-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(0.66g,3.16mmol)およびリン酸カリウム三水和物(1.29g,4.86mmol)のジオキサン(20mL)と水(2mL)の混合溶媒中の溶液に加えた。反応液を窒素の保護下で100℃で16時間攪拌してから、水(30mL)を加え、混合物をジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮し、粗生成物を獲得し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=10:1-1:1)により精製し、標的生成物(0.5g,53.8%収率,黄色い固体)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 383.80。
【0167】
d) (3R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリンの調製:6-クロロ-8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン(500mg,1.3mmol)および(R)-3-メチルモルホリン(657.48mg,6.5mmol)を、室温でトルエン(10mL)に溶解させてから、ナトリウムtert-ブトキシド(249.86mg,2.6mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(119.04mg,0.3mmol)および2,2’-ビス-(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチレン(161.89mg,0.26mmol)を加えた。窒素の保護下で、反応溶液を還流で16時間攪拌した。反応液をトルエン(50mL)で希釈してから、濾過した。濾過液を減圧で濃縮し、粗生成物を獲得し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=5:1-0:1)により精製し、標的生成物(0.12g,20.6%収率,黄色い固体)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 449.15。
【0168】
e) (R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリンの調製:濃塩酸(1mL)を、室温で(3R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1-テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリン(120mg,0.27mmol)のエタノール溶液(10mL)に加えた。反応液を室温で2時間攪拌した。反応液を濃縮して残留物を獲得し、メタノール(2mL)に溶解させ、1滴のアンモニア液を加えた。混合物を分取液体クロマトグラフィー(C18カラム,0-100%アセトニトリル/水を移動相とした)により精製し、標的生成物(5.5mg,5.6%収率,黄色い固体)を得た。
【0169】
下記の実施例3~8の化合物は、実施例2に記載のものと似ている合成プロセスによって、6-クロロ-8-ブロモイミダゾ[1,2-b]ピリダジン、N-ヨードスクシンイミド、1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル、相応のアリール若しくはヘテロアリールボロン酸ピナコールエステルおよび(R)-3-メチルモルホリンを出発原料として調製された。
【0170】
【化27】
【0171】
【表A】
【0172】
【表B】
【0173】
実施例9
(R)-3-メチル-4-(8-モルホリノ-3-(1H-ピラゾール-5-イル)
イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリン
【0174】
【化28】
【0175】
a) 4-(6-クロロ-3-ヨードイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-イル)モルホリンの調製:反応系の雰囲気を窒素に3回置き換えてから、8-ブロモ-6-クロロ-3-ヨードイミダゾ[1,2-b]ピリダジン(2.5g,6.98mmol)、モルホリン(729.32mg,8.37mmol,736.69uL)およびDIEA(1.98g,15.35mmol,2.67mL)の混合物のTHF溶液(50mL)を、80℃で窒素雰囲気で12時間攪拌した。反応混合物をEA(100mL)で希釈し、飽和食塩水溶液(100mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮し、粗生成物を獲得し、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE,30mL)で洗浄し、標的化合物(2.5g,黄色い固体,収率98.30%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 364.9。
【0176】
b) 4-(6-クロロ-3-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-イル)モルホリンの調製:反応系の雰囲気を窒素に3回置き換えてから、4-(6-クロロ-3-ヨードイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-イル)モルホリン(2.5g,6.86mmol)、1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-ボロン酸ピナコールエステル(2.10g,7.54mmol)、Pd(PPh34(792.41mg,685.74umol)およびK3PO4水溶液(3M,6.86mL)の混合物のジオキサン溶液(35mL)を、90℃で窒素雰囲気で8時間攪拌した。反応混合物をEA(50mL)で希釈し、飽和食塩水溶液(35mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮し、粗生成物を獲得し、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCOR;40gのSepa FlashRシリカフラッシュカラム,溶離勾配0~10%EA/PE,@50mL/min)により精製し、標的生成物(0.94g,白色固体、収率35.25%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z (M+H)+ 389.2。
【0177】
c) (3R)-3-メチル-4-(8-モルホリン-3-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリンの調製:反応系の雰囲気を窒素に3回置き換えてから、4-(6-クロロ-3-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-イル)モルホリン(0.94g,2.42mmol)、(R)-3-メチルモルホリン(1.22g,12.09mmol)、t-BuONa(464.64mg,4.83mmol)、Pd(dba)2(278.00mg,483.48umol)および1.1’-ビナフチル-2.2’-ジフェニルホスフィン(BINAP,301.05mg,483.48μmol)の混合物のトルエン溶液(30mL)を、100℃で窒素雰囲気で18時間攪拌した。反応混合物をEA(50mL)で希釈し、飽和食塩水溶液(40mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮し、粗生成物を獲得し、フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCOR;20gのSepa FlashRシリカフラッシュカラム,溶離勾配0~20%EA/PE,@50mL/min)により精製し、標的生成物(0.18g,黄色い固体、収率16.42%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z (M+H)+ 454.2。
【0178】
d) (R)-3-メチル-4-(8-モルホリノ-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリンの調製:HCl/メタノール溶液(4M,4.41mL)を、(3R)-3-メチル-4-(8-モルホリン-3-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリン(0.16g,352.78umol)のメタノール溶液(4.5mL)に加えた。得られた混合物を25℃で12時間攪拌した。反応混合物を減圧で濃縮し、残留物を獲得した。残留物をメタノール(20mL)に溶解させた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で混合物のpHを7に調節してから、混合物を減圧で濃縮し、粗生成物を獲得し、分取高速液体クロマトグラフィーカラム(カラム:Waters Xbridge 150*25mm*5um;移動相:[水(10mM NH4HCO3)-ACN];B%:17%-47%,10min)により精製し、標的化合物(25mg,オフホワイトの固体,収率19.03%,純度99.19%) LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 370.1. 1H NMR (400MHz, CD3OD): δ 7.85 (s, 1H), 7.74 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 7.12 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.22 (s, 1H), 4.27 (m, 1H), 4.03 (dd, J= 3.2, 11.6 Hz, 1H), 3.92 - 3.90 (m, 4H), 3.82 - 3.64 (m, 9H), 3.38 - 3.35 (m, 1H), 1.29 (d, J= 2.0 Hz, 3H). SFC: ee%, 100%。
【0179】
実施例10
(2S,6R)-2,6-ジメチル-4-(6-((R)-3-メチルモルホリノ)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-8-イル)モルホリン
【0180】
【化29】
【0181】
実施例10の化合物は、実施例9に記載のものと似ている合成プロセスによって調製された。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 398.4. 1H NMR (400MHz, CD3OD): δ 7.82 (s, 1H), 7.80 - 7.59 (m, 1H), 7.21 - 7.01 (m, 1H), 6.13 (s, 1H), 4.60 (s, 1H), 4.49 - 4.39 (m, 2H), 4.27 - 4.24 (m, 1H), 4.02 (dd, J= 3.2, 11.6 Hz, 1H), 3.94 - 3.85 (m, 2H), 3.83 - 3.74 (m, 3H), 3.70 - 3.64 (m, 1H), 3.36 (dd, J= 4.0, 12.8 Hz, 1H), 2.63 - 2.55 (m, 2H), 1.30 - 1.25 (m, 9H)。
【0182】
実施例11
4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン
【0183】
【化30】
【0184】
実施例11の化合物は、実施例13に記載のものと似ている合成プロセスによって調製された。黄色い固体。 LC-MS (ESI): m/z (M+H)+ 351.30. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.73 (s, 1H), 7.65 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.14 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.01 (s, 1H), 6.81 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 3.97 (s, 3H), 3.83 - 3.74 (m, 4H), 3.63 - 3.57 (m, 4H)。
【0185】
実施例12
4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール
-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン-6-イル)モル
ホリン
【0186】
【化31】
【0187】
a) 6-クロロ-3-(1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-3-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン-8-アミンの調製:1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-3-カルバルデヒド(10.16g,56.40mmol)および6-クロロ-3-ヒドラジノ-ピリダジン-4-アミン(9g,56.40mmol)のDCM溶液(120mL)を、10~20℃で1時間攪拌した。次に、混合物にPhI(OAc)2(30.88g,95.88mmol)を0℃で加え、10~20℃で12時間攪拌した。反応混合物を食塩水(800mL)で希釈し、DCM(400mL×3)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(400mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、濾過して減圧で濃縮し、残留物を獲得した。残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCOR;XgのSepaFlashRシリカフラッシュカラム,0~100%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離,PE:EA=1:3)により精製し、標的生成物(8.7g,黄色い固体,16.08%収率)を得た。 LC-MS (ESI): m/z (M+H)+ 319.9。
【0188】
b) 8-ブロモ-6-クロロ-3-(1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-3-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジンの調製:6-クロロ-3-(1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-3-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン-8-アミン(0.9g,2.81mmol)の混合物のCH3CN溶液(15mL)に、HBr(69.01mg,281.47umol,46.32uL,33%純度)、t-BuONO(493.43mg,4.79mmol,569.12uL)を加え、混合物を0℃で0.5時間攪拌した。次に、CuBr(605.65mg,4.22mmol,128.59uL)を加えた。混合物を10~20℃で12時間攪拌した。反応混合物をH2O(80mL)で希釈し、EtOAc(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(150mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して減圧で濃縮し、残留物を獲得した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2,石油エーテル/酢酸エチル=5/1~1/1)により精製し、標的生成物(380mg,黒色固体,7.04%収率)を得た。 LC-MS (ESI): m/z (M+H)+ 382.8. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ 7.82 (d, J= 2.4 Hz, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.44 (d, J= 3.2 Hz, 1H), 5.63 - 5.60 (m, 1H), 4.12 - 4.09 (m, 1H), 3.78 - 3.72 (m, 1H), 2.21 - 2.10 (m, 3H), 1.76 - 1.61 (m, 3H)。
【0189】
c) 6-クロロ-8-(2-メチルピラゾール-3-イル)-3-(1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-3-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジンの調製:8-ブロモ-6-クロロ-3-(1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-3-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン(120mg,312.80umol)および(2-メチルピラゾール-3-イル)ボロン酸(39.39mg,312.80umol)のジオキサン溶液(6mL)に、Pd(PPh34(36.15mg,31.28umol)およびK3PO4水溶液(2M,469.20uL)を10~20℃で加えてから、懸濁液を真空下で脱ガスし、N2で数回パージし、100~110℃で1.5時間攪拌した。反応混合物をH2O(30mL)で希釈し、EtOAc(40mL×3)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(40mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して減圧で濃縮し、残留物を獲得した。残留物をprep-TLC(SiO2,PE:EA=1:3)により精製し、標的生成物(90mg,黄色い固体)を得た。 LC-MS (ESI): m/z (M+H)+ 384.9。
【0190】
d) 4-[8-(2-メチルピラゾール-3-イル)-3-(1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-3-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン-6-イル]モルホリンの調製:6-クロロ-8-(2-メチルピラゾール-3-イル)-3-(1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-3-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン(20mg,51.97umol)およびモルホリン(22.64mg,259.86umol,22.87uL)のスルホラン溶液(0.5mL)を脱ガスし、N2で3回パージしてから、混合物をN2雰囲気で120~130℃で3時間攪拌した。反応混合物をpre-HPLC(カラム:3_Phenomenex Luna C18 75*30mm*3um;移動相:[水(0.05%HCl)-ACN];B%:24%-44%,7min)により精製し、標的生成物(97mg,黄色い固体)を得た。 LC-MS (ESI): m/z (M+H)+ 436.0。
【0191】
e) 4-[8-(2-メチルピラゾール-3-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)- [1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン-6-イル]モルホリンの調製:4-[8-(2-メチルピラゾール-3-イル)-3-(1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-3-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン-6-イル]モルホリン(40mg,91.85umol)のMeOH溶液(1.2mL)に、HCl/MeOH(4M,229.63uL)を0℃で加えてから、混合物を25℃で15時間攪拌した。反応混合物を濾過し、ケーキをEtOAc(0.5mL×2)で洗浄し、標的化合物(57.42mg,黄色い固体,86.91%収率)を得た。 LC-MS (ESI): m/z (M+H)+ 352.1. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ 7.94 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 7.60 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.21 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.94 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 4.03 (s, 3H), 3.80 - 3.77 (m, 4H), 3.66 - 3.64 (m, 4H)。
【0192】
実施例13
(R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7
-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モ
ルホリン
【0193】
【化32】
【0194】
a) 4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,2-ジヒドロピリダジン-3,6-ジオンの調製:4-ブロモ-1,2-ジヒドロピリダジン-3,6-ジオン(4.0g,20.94mmol)、(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ボロン酸(5.23g,41.90mmol)およびリン酸カリウム水溶液(aq.K3PO4,63mL,1M)をN,N-ジメチルホルムアミド(DMF,60mL)に溶解させた。反応バルブにおける空気を窒素に置き換え、窒素の保護下で、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(Pd(dppf)Cl2,1.67g,2.09mmol)を加えた。得られた混合物を100℃で16時間反応させてから、反応混合物を濃縮することで溶媒を除去し、粗生成物を獲得し、ジクロロメタン(DCM,100mL)で洗浄し、標的生成物の粗生成物(15.0g,黒色固体)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 193.25。
【0195】
b) 3,6-ジクロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピリダジンの調製:4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-1,2-ジヒドロピリダジン-3,6-ジオン(15.0g,粗生成物,20.94mmol)をオキシ塩化リン(POCl3,150mL)に溶解させ、混合物を100℃に加熱して16時間攪拌した。オキシ塩化リンを除去し、粗生成物を獲得し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE,10~30%)により精製し、標的生成物(2.63g,白色固体,2ステップの収率55%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 229.15. 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.61 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 7.51 (s, 1H), 6.49 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 3.83 (s, 3H)。
【0196】
c) (R)-4-(6-クロロ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピリダジン-3-イル)-3-メチルモルホリンの調製:(R)-3-メチルモルホリン(1.58g,11.53mmol)、CuBr(3.63g,25.37mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA,2.15g,15.5mmol)を、3,6-ジクロロ-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピリダジン(2.63g,11.53mmol)のN-メチルピロリドン溶液(NMP,50mL)に加えた。得られた混合物を150℃で16時間攪拌した。水(50mL)で反応をクエンチし、混合物をジクロロメタン(DCM,100mL)で希釈した。有機相を水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾過液を減圧で濃縮し、粗生成物を獲得し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE,5-20%)により精製し、標的生成物(1.65g,薄赤色固体,収率49%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 294.25. 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.60 (s, 1H), 6.79 (s, 1H), 6.40 (s, 1H), 4.36 - 4.27 (m, 1H), 4.06 (dd, J = 11.4, 3.3 Hz, 1H), 3.97 (dd, J = 13.3, 2.0 Hz, 1H), 3.86 - 3.82 (m, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.65 (td, J = 12.0, 3.0 Hz, 1H), 3.36 (td, J = 12.5, 3.7 Hz, 1H), 1.33 (d, J = 6.7 Hz, 3H)。
【0197】
d) (R)-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-カルボニトリルの調製:Zn(CN)2(0.4g,3.4mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(DPPF,0.2g,0.36mmol)、Pd2(dba)3(160mg,0.17mmol)および3滴の水を、(R)-4-(6-クロロ-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピリダジン-3-イル)-3-メチルモルホリン(0.5g,1.7mmol)とDMFの溶液(10mL)に加えた。得られた混合物を150℃で6時間攪拌した。反応混合物を減圧で濃縮することで溶媒を除去し、粗生成物を獲得し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE,10~40%)により精製し、標的生成物(0.4g,薄赤色オイル,収率82%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 285.30. 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.59 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 6.66 (s, 1H), 6.53 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 4.54 - 4.43 (m, 1H), 4.23 - 4.13 (m, 1H), 4.08 (dd, J = 14.8, 5.7 Hz, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.84 (brs, 1H), 3.78 (dd, J = 12.0, 2.8 Hz, 1H), 3.64 (td, J = 12.4, 2.8 Hz, 1H), 3.49 - 3.38 (m, 1H), 1.38 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0198】
e) (R)-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-イル)カルボニトリルの調製:ラネーニッケル(~0.3g)を、(R)-4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-カルボニトリル(0.22g,0.77mmol)のMeOH溶液(7mL)に加えた。得られた混合物を室温で水素で16時間攪拌した。反応終了後、得られた混合物を珪藻土で濾過し、濾過液を濃縮し、粗生成物を獲得し、分取高速液体クロマトグラフィーカラム(C18,CH3CN/H2O,5~30%,0.1%TFA添加)により精製し、標的生成物(0.1g,無色油状物,収率45%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 289.30. 1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 7.61 (s, 1H), 7.32 (s, 1H), 6.51 (s, 1H), 4.47 - 4.38 (m, 1H), 4.14 (s, 2H), 4.00 (dt, J = 16.5, 9.0 Hz, 2H), 3.85 - 3.72 (m, 4H), 3.63 (dd, J = 16.4, 7.3 Hz, 1H), 3.33 (brs, 2H), 1.28 (d, J = 6.4 Hz, 3H)。
【0199】
f) N-((4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-((R)-3-メチルモルホリノ)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-イル)メチル)-1H-ピラゾール-5-ホルムアミドの調製:1H-ピラゾール-5-カルボン酸(0.05g,0.35mmol)、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウレアヘキサフルオロホスフェート(HATU,200mg,0.75mmol)およびDIEA(0.12g,0.87mmol)を、(R)-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-イル)メチルアミン(0.1g,0.35mmol)のDMF溶液(5mL)に加えた。得られた混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を減圧で蒸留することで溶媒を除去し、粗生成物を獲得し、分取薄層クロマトグラフィー板(DCM:MeOH=20:1)により精製し、標的生成物(0.085g,白色固体,収率64%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 383.35. 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.40 (s, 1H), 8.73 (s, 1H), 7.62 - 7.52 (m, 2H), 6.82 - 6.72 (m, 2H), 6.45 (s, 1H), 4.58 (d, J = 5.5 Hz, 2H), 4.36 - 4.25 (m, 1H), 4.02 (ddd, J = 22.3, 12.2, 2.6 Hz, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.64 (ddd, J = 15.7, 12.1, 5.0 Hz, 2H), 3.40 - 3.30 (m, 1H), 3.16 - 3.05 (m, 2H), 1.31 (d, J = 6.9 Hz, 3H)。
【0200】
g) (R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリンの調製:N-((4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-((R)-3-メチルモルホリノ)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-イル)メチル)-1H-ピラゾール-5-ホルムアミド(0.085g,0.22mmol)のPOCl3溶液(5mL)を150℃で3時間攪拌した。反応混合物を減圧で蒸留することで溶媒を除去し、粗生成物を獲得し、分取高速液体クロマトグラフィーカラム(C18,CH3CN/H2O,15~45%,0.1%TFA添加)により精製し、標的化合物(0.02g,黄色い固体,収率25%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 365.25. 1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 7.93 (s, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.67 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 7.27 (s, 1H), 6.80 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 4.46 (d, J = 6.3 Hz, 1H), 4.11 - 4.02 (m, 2H), 4.00 (s, 3H), 3.87 - 3.80 (m, 2H), 3.68 (td, J = 11.6, 3.0 Hz, 1H), 3.56 - 3.44 (m, 1H), 1.41 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0201】
実施例14
(R)-3-メチル-4-(3-(1H-ピラゾール-5-イル)-8-(1H-ピ
ロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イ
ル)モルホリン
【0202】
【化33】
【0203】
実施例14の化合物は、実施例2に記載のものと似ている合成プロセスによって調製された。
【0204】
実施例15
(R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3
-(1H-ピラゾール-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダ
ジン-6-イル)モルホリン
【0205】
【化34】
【0206】
実施例15の化合物は、実施例12に記載のものと似ている合成プロセスによって調製された。オフホワイトの固体。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 366.1. 1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 7.88 (br, s, 1H), 7.66 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 6.88 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 4.42 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 4.08 - 4.05 (m, 1H), 4.03 (s, 3H), 4.00 - 3.97 (m, 1H), 3.85 (s, 2H), 3.72 - 3.72 (m, 1H), 3.46 - 3.41 (m, 1H), 1.39 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0207】
実施例16
(R)-3-メチル-4-(7-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3
-(1H-ピラゾール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)モ
ルホリン
【0208】
【化35】
【0209】
a) 5-クロロ-7-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジンの調製:5,7-ジクロロピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(5g,26,59mmol)のジオキサン溶液(100mL)に、室温でPd(dppf)Cl2およびK3PO4水溶液(14.16g,53.19mmol,10mL)を加えた。混合物を窒素の保護下で80℃で16時間攪拌した。反応完了後、反応液を室温まで冷却し、水(100mL)を加えた。混合物をEtOAc(100Ml×2)で抽出し、有機層を合わせ、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮し、粗生成物を獲得し、カラムクロマトグラフィー(SiO2,PE/EtOAc=50/1~3/1)により精製し、標的生成物(3.35g,黄色い固体,53.91%収率)を得た。 LC-MS (ESI): m/z (M+H)+ 234.30。
【0210】
b) (R)-3-メチル-4-(7-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)モルホリンの調製:5-クロロ-7-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン(500mg,2.14mmol)のトルエン溶液(30mL)に、室温でナトリウムtert-ブトキシド(514.11mg,5.35mmol)、(±)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレン(BINAP,133.24mg,213.99mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(195.95mg,213.99mmol)を加えた。反応液を還流で、窒素の保護下で16時間攪拌した。混合物を室温まで冷却し、EtOAc(100mL×3)で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮し、粗生成物を獲得し、カラムクロマトグラフィー(SiO2,PE/EtOAc=20/1~3/1)により精製し、標的生成物(69mg,黄色い固体,10.9%収率)を得た。 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.92 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.62 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 6.33 (s, 1H), 6.22 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 4.34 (d, J = 6.3Hz, 1H), 4.06 (s, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.81 (s, 2H), 3.65 - 3.58 (m, 1H), 3.39 - 3.32 (m, 1H), 1.36 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0211】
c) (R)-4-(3-ヨード-7-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-3-メチルモルホリンの調製:(R)-3-メチル-4-(7-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)モルホリン(59mg,197.76μmol)のCHCl3溶液(5mL)に、室温でN-ヨードスクシンイミド(NIS,40mg,177.98μmol)およびトリフルオ酢酸(TFA,22,55mg,197.76μmol)を加えた。得られた液体を室温で2時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム(5mL)でクエンチした。反応液を濃縮し、粗生成物を獲得し、カラムクロマトグラフィー(SiO2,PE/EtOAc=20/1~3/1)により精製し、標的生成物(59mg,黄色い固体,70.3%収率)を得た。 LC-MS (ESI): (M+H) +: 425.4. 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.90 (s, 1H), 7.62 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.33 (s, 1H), 4.38 (s, 1H), 4.22 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 4.07 (dd, J =11.5, 3.8 Hz, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.83 (s, 2H), 3.62 (td, J = 11.9, 3.0 Hz, 1H), 3.42 - 3.34 (m, 1H), 1.25 (d, J = 3.7 Hz, 3H)。
【0212】
d) (3R)-3-メチル-4-(7-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)モルホリンの調製:(R)-4-(3-ヨード-7-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)-3-メチルモルホリン(33mg,77.79μmol)、1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(64.91mg,233.36μmol)、リン酸カリウム三水和物(41.43mg,155.57μmol)のジオキサン(8mL)と水(1.5mL)の混合溶媒中の溶液に、Pd(dppf)Cl2(5.69mg,7.78μmol)を加えた。混合物を82℃で2時間攪拌した。反応完了後、反応液を濃縮し、粗生成物を獲得し、カラムクロマトグラフィー(SiO2,PE/EtOAc=20/1~3/1)により精製し、標的生成物(30mg,黄色い固体,86.0%収率)を得た。 LC-MS (ESI): m/z (M+H) +: 449.47。
【0213】
e) (R)-3-メチル-4-(7-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)モルホリンの調製:(3R)-3-メチル-4-(7-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-イル)モルホリン(30mg,66.89μmol)、4MHCl/ジオキサン(1mL)および水(1mL)の混合物を室温で2時間攪拌してから、混合物を減圧で濃縮した。pH値を1滴の水酸化アンモニウムで8に調節した。混合した液体をpre-HPLC(C18カラム,0-100%アセトニトリル/水を移動相とした)により精製し、標題化合物(6.5mg,黄色い固体,26.67%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 365.1. 1H NMR (400MHz, MeOD): δ 8.28 (s, 1H), 7.64 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.63 (br d, J = 1.2 Hz, 1H), 6.90 - 6.83 (m, 1H), 6.80 (s, 1H), 6.76 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.65 - 4.57 (m, 1H), 4.25 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 4.05 (dd, J = 3.6, 11.6 Hz, 1H), 3.86 (s, 4H), 3.81 - 3.75 (m, 1H), 3.64 (dt, J = 2.8, 12.0 Hz, 1H), 3.42 (dt, J = 3.6, 12.8 Hz, 1H), 1.39 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0214】
実施例17
(R)-3-メチル-4-(5-(メチルスルホニル)-1-(1H-ピロロ[2,
3-b]ピリジン-4-イル)ピロロ[1,2-c]ピリミジン-3-イル)モルホリ
【0215】
【化36】
【0216】
実施例18
(R)-3-メチル-4-(1-(メチルスルホニル)-5-(1H-ピロロ[2,
3-b]ピリジン-4-イル)イミダゾ[1,5-c]ピリミジン-7-イル)モルホ
リン
【0217】
【化37】
【0218】
実施例19
(R)-3-メチル-4-(6-(メチルスルホニル)-1-(1H-ピロロ[2,
3-b]ピリジン-4-イル)ピロロ[1,2-a]ピラジン-3-イル)モルホリン
【0219】
【化38】
【0220】
実施例20
(R)-3-メチル-4-(3-(メチルスルホニル)-8-(1H-ピロロ[2,
3-b]ピリジン-4-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジン-
6-イル)モルホリン
【0221】
【化39】
【0222】
下記の実施例21~25の化合物は、実施例13に記載のものと似ている合成プロセスによって調製された。
【0223】
【化40】
【0224】
【表C】
【0225】
【表D】
【0226】
実施例26
(R)-4-(4-(1-イソプロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1
H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メ
チルモルホリン
【0227】
【化41】
【0228】
a) 3,6-ジクロロ-4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)ピリダジンの調製:3,6-ジクロロピリダジン-4-アミン(20.0g,121.9mmol),ヘキサン-2,5-ジオン(16.7g,146.3mmol)およびTsOH・H2O(9.26g,48.76mmol)のトルエン溶液(300mL)を、140℃でディーンスターク装置によって16時間攪拌した。混合物を室温まで冷却し、トルエン層をデカントした。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(EtOAc/PE,10~20%)により精製し、標題化合物(10.2g,褐色固体,収率:35%)を得た。 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.47 (s, 1H), 5.96 (s, 2H), 1.99 (s, 6H)。
【0229】
b) (R)-4-(6-クロロ-5-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)ピリダジン-3-イル)-3-メチルモルホリンの調製:3,6-ジクロロ-4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)ピリダジン(10.2g,42.3mmol)のNMP溶液(100mL)に、(R)-3-メチルモルホリン(5.1g,50.8mmol)およびDIEA(16.4g,126.9mmol)を得た。混合物を190℃で6時間攪拌した。完了後、混合物に水(200mL)を加え、混合物をEtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた有機相を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(EtOAc/PE,10~30%)により精製し、標題化合物(9.25g,褐色固体,収率:71%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 307.10. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) : δ 6.77 (d, J = 4.6 Hz, 1H), 5.94 (d, J = 4.6 Hz, 2H), 4.16 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 4.02 (dd, J = 17.8, 13.0 Hz, 2H), 3.80 (d, J = 4.5 Hz, 2H), 3.62 (d, J = 12.1 Hz, 1H), 3.35 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 1.99 (s, 6H), 1.28 (d, J = 6.2 Hz, 3H)。
【0230】
c) (R)-4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-カルボニトリルの調製:(R)-4-(6-クロロ-5-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)ピリダジン-3-イル)-3-メチルモルホリン(9.25g,30.2mmol)のDMF溶液(100mL)に、Zn(CN)2(7.09g,136.0mmol)、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(DPPF,7.54g,13.6mmol)、Pd2(dba)3(0.85g,0.93mmol)および水(2mL)を加えた。混合物を150℃で6時間攪拌した。完了後、混合物に水(200mL)を加えて濾過した。濾過液をEtOAc(200mL×3)で抽出した。合わせた有機相を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(EtOAc/PE,20~50%)により精製し、標題化合物(8.4g,褐色固体,収率:93%)を得た。 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 6.58 (s, 1H), 5.97 (s, 2H), 4.35 (s, 1H), 4.20 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 4.13 - 4.05 (m, 1H), 3.89 - 3.75 (m, 2H), 3.70 - 3.61 (m, 1H), 3.51 - 3.37 (m, 1H), 2.07 (d, J = 5.0 Hz, 6H), 1.36 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0231】
d) (R)-(4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-イル)メタンアミンの調製:(R)-4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-カルボニトリル(8.4g,28.3mmol)のMeOH溶液(100mL)にラネーニッケル(~40g,W/W)を加えた。系の排気とH2の埋め戻しを3回行い、混合物をrtで16時間攪拌した。完了後、混合物をセライトで濾過し、ケーキをMeOH(90mL×10)で洗浄した。濾過液を合わせて濃縮し、標題化合物(5.6g,黒色固体)を得た。 1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 7.43 (s, 1H), 5.95 (s, 2H), 4.36 (s, 1H), 4.03 (d, J = 12.2 Hz, 2H), 3.74-3.83 (m, 3H), 3.60 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 3.35 (s, 2H), 1.96 (s, 6H), 1.27 (d, J = 7.0 Hz, 3H)。
【0232】
e) (R)-N-((4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-イル)メチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドの調製:(R)-(4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-イル)メタンアミン(5.6g,18.6mmol)のDCM溶液(60mL)に、1H-ピラゾール-5-カルボン酸(2.5g,22.3mmol)、HATU(4.3g,11.2mmol)およびDIEA(7.2g,55.8mmol)を加えた。混合物をrtで一晩攪拌した。次に、K2CO3(5.1g,37.2mmol)を加え、混合物をrtで1時間攪拌した。完了後、混合物に水(100mL)を加え、混合物をDCM(100mL×3)で抽出した。合わせた有機相を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(MeOH/DCM,1~3%)により精製し、標題化合物(4.3g,黄色い固体,収率:38%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 396.20. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.34 (s, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.29 (s, 1H), 6.61 (s, 1H), 5.89 (s, 2H), 4.38 (s, 1H), 4.14 - 4.00 (m, 3H), 3.99 - 3.92 (m, 1H), 3.75-3.66 (m, 2H), 3.55 - 3.48 (m, 1H), 3.20 - 3.15 (m, 2H), 1.94 (s, 6H), 1.16 (d, J = 6.6 Hz, 3H)。
【0233】
f) (R)-4-(4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリンの調製:(R)-N-((4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-イル)メチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(4.3g,10.9mmol)のPOCl3溶液(40mL)を、120℃で4時間攪拌した。完了後、溶媒を除去した。混合物に水(5mL)を加え、pHを水酸化アンモニウム水溶液(25%w/w)で8に調節し、混合物をDCM(40mL×2)で抽出した。合わせた有機相を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(EtOAc/PE,20~100%)により精製し、標題化合物(2.7g,黄色い固体,収率:66%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 378.11. 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.71 (s, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.24 (s, 1H), 7.11 (s, 1H), 6.37 (s, 1H), 5.98 (s, 2H), 4.16 - 4.03 (m, 2H), 3.95 - 3.75 (m, 3H), 3.72-3.66 (m, 1H), 3.52 - 3.41 (m, 1H), 2.11 (s, 6H), 1.37 (d, J = 6.7 Hz, 3H)。
【0234】
g) (R)-2-(3-メチルモルホリノ)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-4-オールの調製:(R)-4-(4-(2,5-ジメチル-1H-ピロール-1-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(2.7g,7.16mmol)のTFA/H2O溶液(20mL/2.0mL)を、85℃で16時間攪拌した。完了後、溶媒を除去した。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(MeOH/DCM,1~10%)により精製し、標題化合物(1.5g,黄色い固体,収率:71%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 301.40. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 13.33 (s, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.03 (s, 1H), 5.93 (s, 1H), 4.06 (s, 1H), 3.92 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.67 (s, 3H), 3.48 (s, 1H), 3.18 - 3.12 (m, 1H),1.15 (s, 3H)。
【0235】
h) (R)-2-(3-メチルモルホリノ)-7-(1-((トリフルオロメチル)スルホニル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-4-イル トリフルオロメタンスルホナートの調製:(R)-2-(3-メチルモルホリノ)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-4-オール(1.5g,5mmol)の乾燥DCM溶液(40mL)に、0℃で窒素雰囲気でTEA(1.5g,15.0mmol)を加え、0℃で10分間攪拌した。Tf2O(4.2g,15.0mmol)をゆっくり加え、混合物を0℃で30分間攪拌してから、rtまで暖めた。1.5時間攪拌した後、混合物を水、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(DCM/PE,10~30%)により精製し、標題化合物(1.2g,黄色い固体,収率:38%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 565.05. 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.16 (s, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.42 (s, 1H), 6.54 (s, 1H), 4.16 - 4.03 (m, 2H), 3.83 (m, 3H), 3.73 - 3.62 (m, 1H), 3.44 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 1.38 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0236】
i) (R)-4-(4-(1-イソプロピル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリンの調製:(R)-2-(3-メチルモルホリノ)-7-(1-((トリフルオロメチル)スルホニル)-1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-4-イル トリフルオロメタンスルホナート(0.3g,0.53mmol)、1-イソプロピル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(150.2mg,0.64mmol)およびK2CO3(219.4mg,1.59mmol)のジオキサン溶液(2mL)に、Pd(dppf)Cl2(77.6mg,0.11mmol)を加えた。系の排気とArの埋め戻しを3回行い、90℃で16時間攪拌した。完了後、混合物を室温まで冷却し、2N LiOH(1mL)を加えた。rtで0.5時間攪拌した後、混合物を濾過し、濾過液を濃縮した。残留物をPrep-TLC(MeOH/DCM=10:1)により二回精製し、標的化合物(17mg,黄色い固体,収率:8%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 393.15. 1H NMR (400 MHz, MeOD): δ 7.73 (s, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.19 (s, 1H), 6.77 (s, 1H), 6.59 (s, 1H), 4.61 (dd, J = 12.9, 6.2 Hz, 1H), 4.33 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 4.07 - 3.99 (m, 1H), 3.91 (d, J = 13.3 Hz, 1H), 3.86-3.75 (m, 2H), 3.67 (t, J = 11.9 Hz, 1H), 3.41 (t, J = 12.8 Hz, 1H), 1.46 (d, J = 6.5 Hz, 6H), 1.35 (d, J = 6.7 Hz, 3H)。
【0237】
実施例27
(R)-4-(4,7-ジ(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]
ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン
【0238】
【化42】
【0239】
実施例27の化合物は、実施例26に記載のものと似ている合成プロセスによって調製された。実施例27の化合物は黄色い固体であった。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 351.35. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 13.43 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.22 (t, J = 3.2 Hz, 2H), 7.12 (s, 1H), 4.43 (s, 1H), 4.01 (d, J = 11.3 Hz, 1H), 3.92 (d, J = 13.3 Hz, 1H), 3.78 (t, J = 10.1 Hz, 2H), 3.61 - 3.58 (m, 1H), 3.29 - 3.26 (m, 1H), 1.24 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
【0240】
実施例28
(R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8
-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-a]ピリミジン-2-イル)モ
ルホリン
【0241】
【化43】
【0242】
実施例29 (R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5
-イル)-7-(1H-ピラゾール-3-イル)イミダゾ[5,1-f][1,2,4
]トリアジン-2-イル)モルホリン
【0243】
【化44】
【0244】
実施例30
(R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3
-(1H-ピラゾール-5-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[3,4-f][1,
2,4]トリアジン-6-イル)モルホリン
【0245】
【化45】
【0246】
実施例31
(R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-8
-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-a ][1,3,5]トリアジ
ン-2-イル)モルホリン
【0247】
【化46】
【0248】
実施例32
(R)-4-(4-シクロプロピル-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ
[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン
【0249】
【化47】
【0250】
a) (R)-4-(5-クロロ-6-メチルピリダジン-3-イル)-3-メチルモルホリンの調製:4,6-ジクロロ-3-メチルピリダジン(3.0g,18.4mmol)、(R)-3-メチルモルホリン(2.8g,27.6mmol)およびDIEA(4.8g,36.8mmol)のNMP溶液(30mL)を、150℃で8時間攪拌した。反応完了後、混合物に水(50mL)を加え、混合物をEtOAc(40mL×3)で抽出した。合わせた有機相を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧で濃縮した。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(EtOAc/PE,10%~30%)により精製し、標題化合物(0.55g,黄色い固体,収率:13%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 228.45. 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 6.81 (s, 1H), 4.29 - 4.15 (m, 1H), 4.04 - 3.95 (m, 1H), 3.87 - 3.73 (m, 3H), 3.60 (t, J = 11.8 Hz, 1H), 3.27 (m, 1H), 2.58 (s, 3H), 1.24 (d, J = 6.8 Hz, 4H)。
【0251】
b) (R)-4-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-カルバルデヒドの調製:(R)-4-(5-クロロ-6-メチルピリダジン-3-イル)-3-メチルモルホリン(510mg,2.24mmol)およびSeO2(298mg,2.68mmol)の1,4-ジオキサン(10mL)における混合物を、95℃で16時間攪拌した。室温まで冷却した後、混合物を減圧で濃縮した。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィー(EtOAc/PE,10~30%)により精製し、標題化合物(370mg,黄色い固体,収率:68%)を得た。 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 10.18 (s, 1H), 6.78 (s, 1H), 4.51 (s, 1H), 4.17 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.08 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 3.87-3.76 (m, 2H), 3.64 (t, J = 11.8 Hz, 1H), 3.54 - 3.33 (m, 1H), 1.38 (d, J = 6.4 Hz, 3H)。
【0252】
c) (R)-1-(4-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-イル)-N-(2,4-ジメトキシベンジル)メタンアミンの調製:メチル(R)-4-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-カルバルデヒド(470mg,1.94mmol)および(2,4-ジメトキシフェニル)メタンアミン(390mg,2.33mmol)のDCE溶液(8ml)に、AcOH(349mg,5.82mmol)を加えた。反応溶液を室温で1時間攪拌した。NaBH(OAc)3(822mg,3.88mmol,2.0当量)を複数の部分にして加え、得られた混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物を氷水(10mL)でクエンチし、EtOAc(15mL×3)で抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,100/1~50/1)により精製し、標題化合物(420mg,黄色い固体,収率:55%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 393.30。
【0253】
d) (R)-(4-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-イル)メタンアミンの調製:(R)-1-(4-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-イル)-N-(2,4-ジメトキシベンジル)メタンアミン(420mg,1.07mmol)のTFA溶液(3mL)を、80℃で3時間攪拌した。溶媒を除去した後、残留物にDCM(5mL)と水酸化アンモニウム水溶液(~25%w/w,0.5mL)を加えた。溶液をrtで5分間攪拌してから、濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,100/1~15/1)により精製し、標題化合物(210mg,黄色い固体,収率:81%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 243.15。
【0254】
e) N-((4-クロロ-6-((R)-3-メチルモルホリノ)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-イル)メチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドの調製:(R)-(4-クロロ-6-(3-メチルモルホリノ)ピリダジン-3-イル)メタンアミン(190mg,0.78mmol)のDMF溶液(4mL)に、1H-ピラゾール-5-カルボン酸(88mg,0.78mmol)、HATU(593mg,1.56mmol)およびDIEA(202mg,1.56mmol)を加えた。混合物をrtで一晩攪拌した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、EtOAc(10mL×3)で抽出した。すべての有機層を合わせ、塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,100/1~10/1)により精製し、標題化合物(181mg,黄色い固体,収率:69%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 337.20。
【0255】
f) (R)-4-(4-クロロ-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリンの調製:N-((4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-6-((R)-3-メチルモルホリノ)-2,3-ジヒドロピリダジン-3-イル)メチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(181mg,0.54mmol)のPOCl3溶液(3mL)を、120℃で3時間攪拌した。溶媒を除去した後、残留物をDCM(15mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧で濃縮した。残留物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH,100/1~10/1)により精製し、標題化合物(88mg,黄色い固体,収率:51%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 319.20. 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.72 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.09 (s, 1H), 6.57 (s, 1H), 4.16 - 4.00 (m, 2H), 3.86 - 3.78 (m, 2H), 3.78 - 3.60 (m, 2H), 3.48 - 3.36 (m, 1H), 1.36 (d, J = 6.4 Hz, 3H)。
【0256】
g) (R)-4-(4-シクロプロピル-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリンの調製:(R)-4-(4-クロロ-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)-3-メチルモルホリン(70mg,0.22mmol)、シクロプロピルボロン酸(11,38mg,0.44mmol)、K3PO4・3H2O(176mg,0.22mmol)の1,4-ジオキサン(1mL)とトルエン(1mL)における混合物に、N2の保護したでPd(OAc)2(5mg,0.02mmol)およびトリシクロヘキシルホスフィン(11mg,0.04mmol)を加えた。系の排気とN2の埋め戻しを3回行った。混合物を100℃で16時間攪拌した。完了後、混合物を濾過し、減圧で濃縮した。残留物をPrep-TLC(DCM/MeOH=10/1)により精製し、標的化合物(15mg,薄黄色い固体,収率:21%)を得た。 LC-MS (ESI): m/z(M+H)+ 325.25. 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.70 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.08 (s, 1H), 6.07 (s, 1H), 4.16 - 4.05 (m, 2H), 3.87 - 3.81 (m, 2H), 3.75 - 3.63 (m, 2H), 3.46 - 3.36 (m, 1H), 2.15 - 2.07 (m, 1H), 1.33 (d, J = 5.6 Hz, 3H), 1.20 - 1.15 (m, 2H), 1.03 - 0.97 (m, 2H)。
【0257】
下記の実施例33~63の化合物は、実施例13、実施例26若しくは実施例32に記載のものと似ている合成プロセスによって調製された。
【0258】
【化48】
【0259】
【表E】
【0260】
【表F】
【0261】
【表G】
【0262】
【表H】
【0263】
【表I】
【0264】
【表J】
【0265】
【表K】
【0266】
【表L】
【0267】
【表M】
【0268】
実施例64
ATR酵素活性実験を用いた(R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-
ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b
]ピリダジン-6-イル)モルホリンおよびその類似物のATR酵素活性に対する阻害
効果の確定
ATR酵素活性は、HTRF試薬(Cisbio)を用いて384ウェルプレート(Greiner,#784075)で測定した。被験化合物を反応緩衝液(25mM HEPES(pH8.0),10mM MnCl2,1%グリセロール,0.01% Brij-35,5mM DTTおよび0.1% BSA)で4×最終濃度に希釈した。2.5μLの希釈した化合物を対応のウェルに加えてから、2.5μLの80nM p53基質(Eurofins,#14-952)および2.5μLの2ng/μL ATR/ATRIP酵素(Eurofins,14-953)溶液を順次に加え、最後に2.5μLの40μM ATP溶液を加えた。混合物を1000rpmで1分間遠心し、遮光して室温で30分間反応させた。次に、5μLのEDTA停止溶液(250mM)を加えて反応を停止させた。最後に各ウェルに5μLの検出用混合物(Anti-phospho-p53(ser15)-K(Cisbio,#61P08KAE,0.084ng/μL)およびAnti-GST-d2(Cisbio,#61GSTDLA,5.00ng/μL))を加えた後、Envision 2104装置で665nmと615nmでの蛍光値を測定した。相対蛍光比:比665nm615nm-比背景を算出し、阻害率%=(1-(被験化合物ウェルの相対蛍光比-陽性対照ウェルの相対蛍光比)/(空白対照ウェルの相対蛍光比-陽性対照ウェルの相対蛍光比))×100を算出した。データはGraphPad Prism6.0を用いて解析し、曲線方程式を用いてフィッティングした:Y=下+(上-下)/(1+10^((LogIC50-X)*HillSlope))およびIC50値を算出した。
【0269】
化合物のATRキナーゼ活性に対する阻害効果(IC50)を表1にまとめた。
50nMの化合物のATRキナーゼ活性に対する阻害効果(Inh%)を表2にまとめた。
【0270】
【表1】
【0271】
*: 当該IC50値は、実施例13の化合物との比較により得られた。
【0272】
【表2】
【0273】
従って、ATR酵素活性実験によって確定されたように、(R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリン(実施例13)およびその類似物は、ATR酵素活性に対して優れた阻害効果を有する。
【0274】
実施例65
MTTアッセイを用いた(R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラ
ゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピ
リダジン-6-イル)モルホリンおよびその類似物のヒト前立腺癌細胞DU145の増
殖に対する阻害効果の確定
解凍したヒト前立腺癌細胞DU145を、よく成長してコンフルエンスが約90%になるまで培養・継代し、実験に使用した。細胞をトリプシナーゼで消化し、800rpmで5分間遠心し、上澄を捨て、残留物を新鮮な培地(DMEM培地+10%FBS+非必須アミノ酸)で再懸濁し、カウントした。細胞を96ウェル細胞培養プレートに2000個細胞/ウェルの密度で播種し、37℃で5%CO2インキュベーターで一晩インキュベートした。被験物質(被験化合物と参照化合物BAY-1895344を含む)のストック溶液を、DMSOによりそれぞれ1:3および1:10の比率で8つの濃度に段階的に希釈した。各濃度のもの5μLを120μLの培地に加え(25倍希釈)、振盪して混合した。一晩経ったセルプレートを採取し、培地を除去し、各ウェルに新鮮な培地を195μL加え、対応の濃度の被験物質を含む希釈培地をそれぞれ5μL加え(化合物の最終濃度は表3に示し、DMSOの最終濃度は1‰であった)、その後培養プレートを37℃で4日間5%CO2インキュベーター内に置いた。元の溶液を除去した後、MTT(0.5mg/mL)を含む新鮮な無血清DMEM培地100μLを各ウェルに加え、培養を継続した。4時間後、元の溶液を除去し、各ウェルにDMSOを100μL加え、96ウェルプレートを暗所で10分間振盪し、多機能リーダーに入れ、波長552/690nmでの吸光度を読み取った。GraphPad Prism 6.0を用いてデータを解析した。化合物の細胞増殖に対する阻害活性は、細胞生存率と化合物濃度の対数を基にプロットした。細胞生存率%=(OD化合物-OD背景)/(ODDMSO-OD背景)×100。IC50値は、化合物の濃度をCとすると、Y=100/(1+10^(LogC-LogIC50))というシグモイド型用量反応曲線方程式で当てはめられた。
【0275】
化合物のヒト前立腺癌細胞DU145の増殖に対する阻害効果を表2にまとめた。
【0276】
【表3】
【0277】
*: 当該IC50値は、実施例13の化合物との比較により得られた。
【0278】
従って、MTTアッセイによって確定されたように、(R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリン(実施例2)は、DU145細胞の増殖に対して阻害効果を有する。(R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例13)は、DU145細胞の増殖に対して優れた阻害効果を有する。
【0279】
実施例66
MTTアッセイを用いた(R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリンおよびその類似物のヒト肺癌細胞NCI-H
460の増殖に対する阻害効果の確定
解凍したヒト肺癌細胞NCI-H460を、よく成長してコンフルエンスが約90%
になるまで培養・継代し、実験に使用した。細胞をトリプシナーゼで消化し、800r
pmで5分間遠心し、上澄を捨て、残留物を新鮮な培地(1640培地+10%FBS
)で再懸濁し、カウントした。細胞を96ウェル細胞培養プレートに2000/400
0個細胞/ウェルの密度で播種し、37℃で5%CO2インキュベーターで一晩インキ
ュベートした。被験物質(被験化合物と参照化合物BAY-1895344を含む)の
ストック溶液を、DMSOによりそれぞれ1:3および1:10の比率で8つの濃度に
段階的に希釈した。各濃度の希釈液5μLを120μLの培地に加え(25倍希釈)、
振盪して混合した。一晩経ったセルプレートを採取し、培地を除去し、各ウェルに新鮮
な培地を195μL加え、対応の濃度の被験物質を含む希釈培地をそれぞれ5μL加え
(DMSOの最終濃度は1‰であった)、その後培養プレートを37℃で4日間5%C
2インキュベーター内に置いた。元の溶液を除去した後、MTT(0.5mg/mL
)を含む新鮮な無血清DMEM培地100μLを各ウェルに加え、培養を継続した。4
時間後、元の溶液を除去し、各ウェルにDMSOを100μL加え、96ウェルプレー
トを暗所で10分間振盪し、多機能リーダーに入れ、波長552/690nmでの吸光
度を読み取った。細胞生存率(%)=(OD化合物-OD背景)/(ODDMSO-OD背景)×100。GraphPad Prism 6.0を用いてデータを解析した。化合物の細胞増殖に対する阻害活性は、細胞生存率と化合物濃度の対数を基にプロットした。IC50値は、化合物の濃度をCとすると、Y=100/(1+10^(LogC-Log
IC50))というシグモイド型用量反応曲線方程式で当てはめられた。
【0280】
化合物のヒト肺癌細胞NCI-H460の増殖に対する阻害効果を表3にまとめた。
【0281】
【表4】
【0282】
*: 当該IC50値は、実施例13の化合物との比較により得られた。
【0283】
従って、MTTアッセイによって確定されたように、(R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリン(実施例2)は、NCI-H460細胞の増殖に対して阻害効果を有する。(R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例13)およびその類似物は、NCI-H460細胞の増殖に対して優れた阻害効果を有する。
【0284】
実施例67
MTTアッセイを用いた(R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラ
ゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピ
リダジン-6-イル)モルホリンおよびその類似物のヒト大腸癌細胞LoVoの増殖に
対する阻害効果の確定
解凍したヒト大腸癌細胞LoVoを、よく成長してコンフルエンスが約90%になるまで培養・継代し、実験に使用した。細胞をトリプシナーゼで消化し、800rpmで5分間遠心し、上澄を捨て、残留物を新鮮な培地(1640培地+10%FBS)で再懸濁し、カウントした。細胞を96ウェル細胞培養プレートに2000/4000個細胞/ウェルの密度で播種し、37℃で5%CO2インキュベーターで一晩インキュベートした。被験物質(被験化合物と参照化合物BAY-1895344を含む)のストック溶液を、DMSOによりそれぞれ1:3および1:10の比率で8つの濃度に段階的に希釈した。各濃度の希釈液5μLを120μLの培地に加え(25倍希釈)、振盪して混合した。一晩経ったセルプレートを採取し、培地を除去し、各ウェルに新鮮な培地を195μL加え、対応の濃度の被験物質を含む希釈培地をそれぞれ5μL加え(DMSOの最終濃度は1‰であった)、その後培養プレートを37℃で4日間5%CO2インキュベーター内に置いた。元の溶液を除去した後、MTT(0.5mg/mL)を含む新鮮な無血清DMEM培地100μLを各ウェルに加え、培養を継続した。4時間後、元の溶液を除去し、各ウェルにDMSOを100μL加え、96ウェルプレートを暗所で10分間振盪し、多機能リーダーに入れ、波長552/690nmでの吸光度を読み取った。細胞生存率(%)=(OD化合物-OD背景)/(ODDMSO-OD背景)×100。GraphPad Prism 6.0を用いてデータを解析した。化合物の細胞増殖に対する阻害活性は、細胞生存率と化合物濃度の対数を基にプロットした。IC50値は、化合物の濃度をCとすると、Y=100/(1+10^(LogC-LogIC50))というシグモイド型用量反応曲線方程式で当てはめられた。
【0285】
化合物のヒト大腸癌細胞LoVoの増殖に対する阻害効果を表5にまとめた。
【0286】
【表5】
【0287】
*: 当該IC50値は、実施例13の化合物との比較により得られた。
【0288】
従って、MTTアッセイによって確定されたように、(R)-3-メチル-4-(8-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-3-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)モルホリン(実施例2)は、LoVo細胞の増殖に対して阻害効果を有する。(R)-3-メチル-4-(4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-7-(1H-ピラゾール-5-イル)イミダゾ[1,5-b]ピリダジン-2-イル)モルホリン(実施例13)およびその類似物は、LoVo細胞の増殖に対して優れた阻害効果を有する。
【0289】
本開示を十分に説明したが、当業者にとって、本開示の範囲又はその任意の実施形態に影響を与えることなく、条件、処方および他のパラメータの広い範囲および同等範囲内で同じように行うことができることは、理解すべきである。本文で引用されたすべての特許、特許出願、および刊行物は、それらの全体が参照により本文に完全に組み込まれる。