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特許7605525レンズモジュール、カメラモジュール、及び端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】レンズモジュール、カメラモジュール、及び端末
(51)【国際特許分類】
   G02B 17/08 20060101AFI20241217BHJP
   G02B 7/04 20210101ALI20241217BHJP
   G02B 13/00 20060101ALI20241217BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20241217BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20241217BHJP
   G03B 17/17 20210101ALI20241217BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20241217BHJP
   H04N 23/55 20230101ALI20241217BHJP
   H04N 23/57 20230101ALI20241217BHJP
【FI】
G02B17/08
G02B7/04 D
G02B7/04 E
G02B13/00
G03B5/00 J
G03B17/02
G03B17/17
H04N23/50
H04N23/55
H04N23/57
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2023513586
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-13
(86)【国際出願番号】 CN2021109802
(87)【国際公開番号】W WO2022042209
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-04-04
(31)【優先権主張番号】202010901470.0
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シー
(72)【発明者】
【氏名】リー,クゥニー
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-157241(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3249439(EP,A1)
【文献】特開平11-316343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02 - 7/16
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
G03B 5/00 - 5/08
G03B 17/02 - 17/17
H04N 5/222 - 5/257
H04N 23/00
H04N 23/40 - 23/76
H04N 23/90 - 23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸に沿って配置された第1のレンズモジュール及び第2のレンズモジュールを含むレンズモジュールであって、前記第1のレンズモジュールは物体側に近く、前記第2のレンズモジュールは像側に近く、
前記第1のレンズモジュールは、第1のレンズを含み、前記第1のレンズの光入射側面は、光透過領域及び第1の反射領域を含み、前記第1のレンズの光出射側面は、第2の反射領域及び光出射領域を含み、前記第1の反射領域及び前記第2の反射領域は、前記光透過領域から前記第1のレンズに入射する光を反射させて、前記光が前記光出射領域を通って前記第2のレンズモジュールに光軸方向に入射するように構成され、
前記第2のレンズモジュールは、複数の第2のレンズを含み、少なくとも1つの前記第2のレンズ及び前記第1のレンズは、前記光軸に沿って配置され、前記少なくとも1つの前記第2のレンズは、集束レンズであり、
前記レンズモジュールは、ブラケットを更に含み、前記ブラケットは、前記第1のレンズモジュール及び前記第2のレンズモジュールを支持し、前記第1のレンズモジュール及び/又は前記第2のレンズモジュールは、前記光軸方向に前記ブラケットに対して摺動することが可能であり、
前記レンズモジュールは、前記第1のレンズモジュール及び/又は前記第2のレンズモジュールを駆動して前記光軸方向に移動させるように構成された駆動機構を更に含む、
レンズモジュール。
【請求項2】
前記第1の反射領域は、前記光入射側面の中心位置に位置し、前記光透過領域は、前記第1の反射領域を取り囲み、
前記光出射領域は、前記光出射側面の中心位置に位置し、前記第2の反射領域は、前記光出射領域の周囲に配置される、
請求項1に記載のレンズモジュール。
【請求項3】
前記光透過領域は平面であり、前記第1の反射領域は、凹球状領域である、
請求項2に記載のレンズモジュール。
【請求項4】
前記光出射側面は凸球面である、
請求項2又は3に記載のレンズモジュール。
【請求項5】
反射膜層が前記第1の反射領域及び前記第2の反射領域に別々に貼り付けられ、前記反射膜層の反射面は、前記第1のレンズの内部に面している、
請求項1から4のいずれか一項に記載のレンズモジュール。
【請求項6】
前記第1のレンズモジュールは、第1のレンズバレルを更に含み、前記第1のレンズは、前記第1のレンズバレルに固定され、
前記第2のレンズモジュールは、第2のレンズバレルを更に含み、前記第2のレンズバレルに固定される、
請求項1から5のいずれか一項に記載のレンズモジュール。
【請求項7】
前記第1のレンズモジュールは、前記第1のレンズバレルに固定された少なくとも1つの第3のレンズを更に含み、前記少なくとも1つの第3のレンズ及び前記第1のレンズは、前記光軸に沿って配置され、前記少なくとも1つの第3のレンズは、前記第1のレンズの像側に位置し、前記少なくとも1つの第3のレンズは、集束レンズである、
請求項6に記載のレンズモジュール。
【請求項8】
3つの第3のレンズがある、
請求項7に記載のレンズモジュール。
【請求項9】
前記第1のレンズモジュールは、ガスケットを更に含み、前記ガスケットは、2つの隣接する第3のレンズの間に位置する、
請求項8に記載のレンズモジュール。
【請求項10】
前記第1のレンズモジュールは、カバープレートを更に含み、
前記第1のレンズバレルの2つの端部の各々には開口部が配置され、前記カバープレートは、前記第1のレンズバレルの一端の前記開口部に被せられ、前記カバープレートは、前記第1のレンズバレルの前記端部に固定して接続される、
請求項6に記載のレンズモジュール。
【請求項11】
前記第1のレンズバレルの内壁は、第1の端部から第2の端部の方向にサイズが徐々に減少する段差状であり、前記第1の端部は、前記第1のレンズバレルの、前記物体側に近い一端であり、前記第2の端部は、前記第1のレンズバレルの、前記像側に近い一端であり、
前記第1のレンズは、前記第1のレンズバレル内の、前記第1の端部に近い位置に固定され、前記カバープレートは、前記第1のレンズバレルの前記第1の端部に被せられる、
請求項10に記載のレンズモジュール。
【請求項12】
前記第2のレンズモジュールは、前記第2のレンズバレルに固定された複数の第2のレンズを含む、
請求項6に記載のレンズモジュール。
【請求項13】
4つの第2のレンズがある、
請求項12に記載のレンズモジュール。
【請求項14】
前記第2のレンズモジュールは、ガスケットを更に含み、前記ガスケットは、2つの隣接する第2のレンズの間に位置する、
請求項12又は13に記載のレンズモジュール。
【請求項15】
前記第2のレンズバレルの内壁は、第3の端部から第4の端部の方向にサイズが徐々に増加する段差状であり、前記第3の端部は、前記第2のレンズバレルの、前記物体側に近い一端であり、前記第4の端部は、前記第2のレンズバレルの、前記像側に近い一端である、
請求項6に記載のレンズモジュール。
【請求項16】
前記第2のレンズモジュールは、前記ブラケットに固定して接続され、前記第1のレンズモジュールは、第1の弾性部材を使用することによって前記ブラケットに接続される、
請求項に記載のレンズモジュール。
【請求項17】
前記第1のレンズモジュールは、第1の弾性部材を使用することによって前記ブラケットに接続され、
前記第2のレンズモジュールは、第2の弾性部材を使用することによって前記ブラケットに接続される、
請求項に記載のレンズモジュール。
【請求項18】
前記光軸方向に延在するシャフトが前記ブラケットに配置され、前記第1のレンズモジュール及び前記第2のレンズモジュールは、前記シャフト上に別々に摺動可能に組み付けられる、
請求項に記載のレンズモジュール。
【請求項19】
前記レンズモジュールは、ボールモータを更に含み、前記ボールモータは、前記ブラケット上に配置され、前記光軸に平行であるシュートと、前記シュート内で転動することができるボールとを含み、
前記第1のレンズモジュール及び前記第2のレンズモジュールは、前記ボールモータを使用することによって、前記ブラケットに別々に接続され、前記第1のレンズモジュール及び前記第2のレンズモジュールは、転動するように前記ボールに別々に組み付けられる、
請求項に記載のレンズモジュール。
【請求項20】
前記ブラケットには電磁石が配置され、前記第1のレンズモジュール及び前記第2のレンズモジュールには、永久磁石が別々に配置され、
前記永久磁石は、前記ブラケット内の前記電磁石と相互作用し、前記第1のレンズモジュール及び前記第2のレンズモジュールを駆動して前記光軸方向に移動させるように構成される、
請求項19に記載のレンズモジュール。
【請求項21】
カメラモジュールであって、
ベースと、
前記ベースに接続された、請求項1から20のいずれか一項に記載のレンズモジュールと
前記レンズモジュールのジッタを補償する画像安定化モータと、を含み、
前記カメラモジュールは、第3の弾性部材を更に含み、前記ベースは、前記第3の弾性部材を使用することによって前記ブラケットに接続され、前記第3の弾性部材により、前記レンズモジュールは、つり下げ弾性構造を形成している、
カメラモジュール。
【請求項22】
ハウジングと、
前記ハウジングに配置された、請求項21に記載のカメラモジュールと
を含む端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年8月31日に中国国家知識産権局に出願された「LENS MODULE, CAMERA MODULE, AND TERMINAL」と題する中国特許出願第202010901470.0号の優先権を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本出願は、カメラ技術の分野に関し、特に、レンズモジュール、カメラモジュール、及び端末に関する。
【背景技術】
【0003】
長焦点レンズモジュールは、例えば、コンサート及び風景の写真の撮影など、遠距離シナリオを撮影するのに非常に便利である。遠距離シナリオは、機械的な動きを伴うことなくセンサ上の長焦点レンズモジュールを通して撮影することができる。同じ撮影距離内では、通常のレンズモジュールと比べて、長焦点レンズモジュールは、同じ風景の特定の局所部分をより大きくより鮮明に撮影することができる。長焦点レンズモジュールは、携帯電話の画像機能を充実させ、画質を向上させ、ユーザの使用シナリオ及び創作空間を大幅に拡大し、ユーザが空間及び物理的な制限を打ち破って世界に近づくのを助け、より興味深い操作をもたらし、生活により多くの利便性及び楽しみをもたらす。
【0004】
従来技術では、長焦点レンズモジュールは光学ズームを使用し、光学ズームは光学レンズモジュールにより実施される。光学ズームのズーム方式は、主にレンズモジュールの焦点距離に依存し、カメラレンズを移動させることによって風景にズームインしたり風景からズームアウトしたりする。これは光学ズームと呼ばれる。超距離ズーム撮像は、実際には、ある程度の撮影難易度を有する。長焦点レンズモジュールを携帯電話に使用する場合、カメラには、携帯電話の本体設計に起因して複数の小型レンズが含まれる。加えて、携帯電話の薄型化の発展に伴い、携帯電話の内部空間の厚さは非常に薄くなり、長焦点レンズモジュールを積み重ねるための物理的空間がない。その結果、従来技術では、携帯電話に使用される長焦点レンズモジュールは、携帯電話の要件に適合することができない。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、レンズモジュールのサイズを低減し、レンズモジュールの適合性を改善するために、レンズモジュール、カメラモジュール、及び端末を提供する。
【0006】
第1の態様によれば、レンズモジュールが提供される。レンズモジュールは、第1のレンズモジュールと第2のレンズモジュールとを含み、第1のレンズモジュール及び第2のレンズモジュールは、光軸に沿って配置され、第1のレンズモジュールは物体側に近く、第2のレンズモジュールは像側に近い。第1のレンズモジュールは、長い焦点距離を実施するように構成され、第2のレンズモジュールは、フォーカシングを実施するように構成される。特定の配置の間、第1のレンズモジュールは、第1のレンズを含み、第1のレンズの光入射側面は、光透過領域及び第1の反射領域を含み、第1のレンズの光出射側面は、第2の反射領域及び光出射領域を含み、第1の反射領域及び第2の反射領域は、光透過領域から第1のレンズに入射する光を屈折させるように構成される。第2のレンズモジュールは、少なくとも1つの第2のレンズを含み、少なくとも1つの第2のレンズは、集束レンズである。配置中、少なくとも1つの第2のレンズ及び第1のレンズは、光軸に沿って配置される。上記の技術的解決策では、第1のレンズを通して光路を折り返して、長焦点レンズモジュールの効果を実現する。加えて、光路が折り返されるので、小さいサイズの直立レンズモジュールが使用され得、カメラモジュールのサイズが低減され、その結果、カメラモジュールは、端末の薄型化の発展に適合することができる。
【0007】
特定の実施可能な解決策では、第1の反射領域は、光入射側面の中心位置に位置し、光透過領域は、第1の反射領域を取り囲み、光出射領域は、光出射側面の中心位置に位置し、第2の反射領域は、光出射領域の周囲に配置される。第1のレンズで光を屈折することができるように、第1の反射領域は光出射領域に対向して配置され、光透過領域は第2の反射領域に対向して配置される。
【0008】
特定の実施可能な解決策では、光透過領域は平面であり、第1の反射領域は、凹球状領域である。凹球状領域を使用することで、光出射領域に光を都合良く屈折させる。
【0009】
特定の実施可能な解決策では、光出射側面は凸球面である。球面を使用することで、第2の反射領域によって光を第1の反射領域に都合良く反射させ、光出射側に都合良く収束させることができる。
【0010】
特定の実施可能な解決策では、反射膜層が第1の反射領域及び第2の反射領域に別々に貼り付けられる。反射膜層を使用することにより、反射効果が向上する。
【0011】
特定の実施可能な解決策では、第1のレンズモジュールは、第1のレンズバレルを更に含み、第1のレンズは、第1のレンズバレルに固定され、第2のレンズモジュールは、第2のレンズバレルを更に含み、複数の第2のレンズがあり、複数の第2のレンズは、光軸に沿って配置され、第2のレンズバレルに固定される。レンズは、別々に配置されたレンズバレルによって支持される。加えて、必要に応じて、レンズは、異なるレンズバレルに別々に配置され得る。
【0012】
特定の実施可能な解決策では、第1のレンズモジュールは、第1のレンズバレルを更に含み、第1のレンズは、第1のレンズバレルに固定され、第1のレンズモジュールは、第1のレンズバレルに固定された少なくとも1つの第3のレンズを更に含み、少なくとも1つの第3のレンズは、集束レンズであり、第2のレンズモジュールは、第2のレンズバレルを更に含み、1つの第2のレンズがあり、第2のレンズは、第2のレンズバレルに固定される。レンズは、別々に配置されたレンズバレルによって支持される。加えて、必要に応じて、レンズは、異なるレンズバレルに別々に配置され得る。
【0013】
特定の実施可能な解決策では、レンズモジュールは、ブラケットを更に含み、第1のレンズモジュール及び第2のレンズモジュールのうちの少なくとも1つは、光軸方向にブラケットに対して摺動することが可能である。第1のレンズモジュール及び第2のレンズモジュールは、ブラケットによって支持される。
【0014】
特定の実施可能な解決策では、第2のレンズモジュールは、ブラケットに固定して接続され、第1のレンズモジュールは、第1の弾性部材を使用することによってブラケットに接続される。フォーカシングは、一方のレンズモジュールが固定され、他方のレンズモジュールが摺動する方式で実施される。
【0015】
特定の実施可能な解決策では、第1のレンズモジュールは、第1の弾性部材を使用することによってブラケットに接続され、第2のレンズモジュールは、第2の弾性部材を使用することによってブラケットに接続される。フォーカシングは、2つのレンズがブラケットに別々に摺動可能に接続され得る方式で実施される。
【0016】
特定の実施可能な解決策では、光軸方向に延在するシャフトがブラケットに配置され、第1のレンズモジュール及び第2のレンズモジュールは、シャフト上に別々に摺動可能に組み付けられる。フォーカシングは、2つのレンズがブラケットに別々に摺動可能に接続され得る方式で実施される。
【0017】
特定の実施可能な解決策では、レンズモジュールは駆動機構を更に含み、駆動機構は、第1のレンズモジュール又は第2のレンズモジュールを駆動して移動させて、フォーカシングを実施するように構成される。
【0018】
特定の実施可能な解決策では、駆動機構は、フォーカシングAF(Auto Focus、オートフォーカス)駆動モータであり得、異なる駆動機構を使用して、フォーカシングのためにレンズモジュールを駆動する。
【0019】
第2の態様によれば、カメラモジュールが提供される。カメラモジュールは、ベースと、ベースに接続された、前述の項目のいずれか1つにあるレンズモジュールとを含む。上記の技術的解決策では、第1のレンズを通して光路を折り返して、長焦点レンズモジュールの効果を実現する。加えて、光路が折り返されるので、小さいサイズの直立レンズモジュールが使用され得、カメラモジュールのサイズが低減され、その結果、カメラモジュールは、端末の薄型化の発展に適合することができる。
【0020】
特定の実施可能な解決策では、ベースは、第3の弾性部材を使用することによってブラケットに接続され、カメラモジュールは、レンズモジュールのジッタを補償する画像安定化モータを更に含む。第3の弾性部材と画像安定化モータとの間の協働により、カメラモジュールの画像安定化効果が向上する。
【0021】
特定の実施可能な解決策では、第3の弾性部材は、バネ又はサスペンションワイヤである。バネ又はサスペンションワイヤは、ブラケットを支持することができる。
【0022】
第3の態様によれば、端末が提供される。端末は、ハウジングと、ハウジングに配置された、前述の項目のいずれか1つにあるカメラモジュールとを含む。上記の技術的解決策では、第1のレンズを通して光路を折り返して、長焦点レンズモジュールの効果を実現する。加えて、光路が折り返されるので、小さいサイズの直立レンズモジュールが使用され得、カメラモジュールのサイズが低減され、その結果、カメラモジュールは、端末の薄型化の発展に適合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】カメラモジュールの適用シナリオの概略図である。
図2】本出願の一実施形態によるレンズモジュールの分解の概略図である。
図3】本出願の一実施形態による第1のレンズモジュールの構造の概略図である。
図4図3のA-A位置の断面図である。
図5】第1のレンズの構造の概略図である。
図6】本出願の一実施形態による第2のレンズの構造の概略図である。
図7図6のB-B位置の断面図である。
図8】第1のレンズモジュールと第2のレンズモジュールとの間の協働の概略図である。
図9】本出願の一実施形態によるレンズモジュールの構造アプリケーションの概略図である。
図10】本出願の一実施形態による別のレンズモジュールの構造の概略図である。
図11】本出願の一実施形態による別の第1のレンズモジュールの断面図である。
図12】本出願の一実施形態による別の第2のレンズモジュールの断面図である。
図13】本出願の一実施形態によるレンズモジュールの構造アプリケーションの概略図である。
図14】本出願の一実施形態によるカメラモジュールの構造の概略図である。
図15】本出願の一実施形態によるカメラモジュールのシミュレーション結果の概略図である。
図16】本出願の一実施形態による別のカメラモジュールの構造の概略図である。
図17】本出願の一実施形態による別のカメラモジュールの構造の概略図である。
図18】本出願の一実施形態による別のカメラモジュールの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、添付の図面を参照して本出願の実施形態を詳細に更に説明する。
【0025】
本出願の実施形態において提供されるレンズモジュールの理解を容易にするために、レンズモジュールの適用シナリオを最初に説明する。本出願の実施形態において提供されるレンズモジュールは、カメラモジュールに使用され、レンズモジュールは、カメラモジュールの画像信号プロセッサに光を収束させて、物体を撮影するように構成される。カメラモジュールは、端末、例えば、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、又は携帯電話などの一般的な端末に使用される。図1は、カメラモジュール2が携帯電話に固定される構造の概略図であり、カメラモジュール2は、携帯電話のハウジング1に固定され、カメラモジュール2のレンズモジュールは、ハウジング1の外側に露出している。使用時、カメラモジュール2は、携帯電話のビデオ記録又は撮影機能を実施するように構成され得る。しかしながら、端末の薄型化の漸進的な発展により、カメラモジュール2のサイズが制限され、従来技術の長焦点レンズモジュールでは、携帯電話の薄型化の発展に適合することができない。従って、本出願の実施形態は、カメラモジュール2のサイズを低減するためのレンズモジュールを提供する。以下では、特定の添付図面を参照してレンズモジュールの構造を詳細に説明する。
【0026】
図2は、本出願の一実施形態によるレンズモジュール100の分解の概略図である。本出願のこの実施形態において提供されるレンズモジュール100は、直立カメラモジュールに使用される。
【0027】
レンズモジュール100は、主に、第1のレンズモジュール10と、第2のレンズモジュール20と、第1のレンズモジュール10及び第2のレンズモジュール20を支持するように構成されたブラケット30とを含む。第1のレンズモジュール10及び第2のレンズモジュール20は、光軸に沿って配置され、第1のレンズモジュール10は物体側に近く、第2のレンズモジュール20は像側に近い。ブラケット30は、第1のレンズモジュール10及び第2のレンズモジュール20を支持するための特定の実装形態であることを理解されたい。本出願のこの実施形態において提供されるレンズモジュール100では、第1のレンズモジュール10及び第2のレンズモジュール20を支持するために、別の構造、例えばハウジング又は別の同様の構造が代替的に使用されてもよい。詳細については、本明細書では改めて説明されない。
【0028】
撮影時、光は、第1のレンズモジュール10及び第2のレンズモジュール20を連続して通過し、光は、第1のレンズモジュール10を通して屈折されて、レンズモジュールの長焦点効果を実現し得、光は、第2のレンズモジュール20を通して集束されて、レンズモジュール100の集束効果を実現する。
【0029】
図3は、第1のレンズモジュール10の構造の概略図である。第1のレンズモジュール10は、第1のレンズ12と、第1のレンズバレル11と、カバープレート13とを含む。第1のレンズバレル11は、第1のレンズ12の支持構造として機能し、第1のレンズ12は、第1のレンズバレル11に固定され得る。加えて、光が第1のレンズバレル11を通過することができるように、第1のレンズバレル11の両端は開口している。カバープレート13は、第1のレンズバレル11の一端の開口部に被せられ、第1のレンズバレル11の端部に固定して接続され、第1のレンズバレル11と協働して第1のレンズ12を第1のレンズバレル11内に制限する。
【0030】
オプションの解決策では、第1のレンズバレル11は、プラスチック材料又は別の成形材料で作られた構造デバイスであり得る。第1のレンズバレル11は、第1のレンズ12を支持及び固定し、第1のレンズ12の応力を低減し、第1のレンズ12の位置精度及び位置決め精度を確保し得る。
【0031】
オプションの解決策では、第1のレンズバレル11は、第1のレンズモジュール10によって占有される空間を低減するために、円筒構造を使用する。図3の例における第1のレンズバレル11は一例にすぎないことを理解されたい。第1のレンズバレル11が具体的に配置される場合には、別の形状、例えば、円筒状又は角筒状の構造が代替的に使用されてもよい。
【0032】
図4は、図3のA-A位置の断面図である。第1のレンズバレル11内のキャビティは、段付きキャビティである。説明を容易にするために、第1のレンズバレル11の2つの端部は、それぞれ第1の端部及び第2の端部として定義され、第1の端部は、第1のレンズバレル11の、物体側に近い一端であり、第2の端部は、第1のレンズバレル11の、像側に近い一端(すなわち、第2のレンズモジュールに近い一端)である。第1のレンズバレル11内の内壁は、第1の端部から第2の端部の方向に段差状に変化し、内壁のサイズが徐々に減少して、段差状に変化するキャビティを形成する。
【0033】
組み立ての際、第1のレンズ12は、キャビティ内の、第1の端部に近い位置で固定される。第1のレンズ12の側壁は、第1のレンズバレル11の側壁に固定して接続される。カバープレート13は、第1のレンズバレル11の第1の端部に被せられ、第1のレンズバレル11の内壁の段差面と協働して第1のレンズ12を制限する。第1のレンズ12に光を照射することができるように、カバープレート13には、第1のレンズ12の光入射面と協働する貫通孔が配置されることを理解されたい。加えて、第1のレンズ12の、カバープレート13によって遮蔽される領域は、第1のレンズ12の非機能領域であり、第1のレンズ12の機能に影響を与えない。
【0034】
オプションの解決策では、第1のレンズ12は、締まり嵌めによって第1のレンズバレル11に固定して接続され得る。代替的に、第1のレンズ12は、接着剤、樹脂、又は別の接着材料を使用することによって、第1のレンズバレル11に固定して接合されてもよいし、第1のレンズ12は、射出成形用金型キャビティ内で二次成形を実行する方式で直接成形され、固定されてもよい。
【0035】
オプションの解決策では、第1のレンズバレル11の外壁も段差状に変化し、段差状変化の傾向は、第1のレンズバレル11の内壁の傾向と同じである。
【0036】
図5は、第1のレンズ12の構成を示す概略図である。第1のレンズ12は、円形レンズを使用する。しかしながら、本出願のこの実施形態において提供される第1のレンズ12は、図5に示される円形レンズに限定されるのではなく、代替的に、楕円形レンズ、矩形レンズ、又は別の形状のレンズであってもよい。
【0037】
第1のレンズ12は、それぞれ光入射側面121及び光出射側面122である2つの対向する面を有する。光入射側面121は、第1のレンズ12の、物体側に近い面であり、光出射側面122は、第1のレンズ12の、像側に近い面である。第1のレンズ12が使用される場合、光は、光入射側面121を通って第1のレンズ12に入射し、光出射側面122を通って第1のレンズ12から出射し得る。
【0038】
光入射側面121及び光出射側面122は、機能に基づいて別々に異なる領域に分割される。例えば、光入射側面121は、光透過領域1211及び第1の反射領域1212に分割され、光出射側面122は、光出射領域1221及び第2の反射領域1222に分割される。光透過領域1211及び光出射領域1221は、それぞれ、第1のレンズ12に光が入射する領域及び第1のレンズ12から光が出射する領域である。第1の反射領域1212及び第2の反射領域1222は、第1のレンズ12内を伝播する光の経路を折り返すように構成された領域である。
【0039】
光入射側面121及び光出射側面122の異なる領域が具体的に配置される場合、オプションの解決策では、第1の反射領域1212は、光入射側面121の中心位置に位置し、光透過領域1211は、第1の反射領域1212を取り囲む。光出射領域1221は、光出射側面122の中心位置に位置し、第2の反射領域1222は、光出射領域1221の周囲に配置される。従って、光軸方向において、光透過領域1211は、第2の反射領域1222に対向して配置され、光出射領域1221は、第1の反射領域1212に対向して配置される。加えて、光路の中央には反射面(第1の反射領域1212)が配置される。この場合、第1のレンズ12に入射する光はリング状であるため、撮影時にレンズモジュールによってデフォーカシング(defocusing)が行われるとき、錯乱円盤(disc of confusion)はリング状となる。このようにして、最終的な画質が良好となる。加えて、色収差が形成されず、優れた画質を実現することができる。
【0040】
図5中の矢印付きの直線は光路を表す。光入射側面121に光が照射されると、光は光透過領域1211のみから第1のレンズ12に入射し、第1の反射領域1212は、光が通過できない非透過領域である。第1のレンズ12に入射した光は、第2の反射領域1222によって第1の反射領域1212に反射された後、第1の反射領域1212によって光出射領域1221に反射され、最終的に、光出射領域1221から出射する。透過光は、屈折により空気層に入り、光軸方向に第2のレンズモジュールに入る。図5に示される光路から分かるように、光が第1のレンズ12内を伝播するとき、光は、光屈折の原理により、第1のレンズ12を通過する場合は、画像信号プロセッサに直接到達するのではなく、2回反射された後に画像信号プロセッサに到達する。従って、第1のレンズモジュールの長さを短くすることができ、体積及び重量が最小化され、コストも低減される。
【0041】
第1の反射領域1212及び第2の反射領域1222が具体的に形成される場合、第1の反射領域1212及び第2の反射領域1222に別々に反射膜層を貼り付け得る。反射膜層の反射面は、レンズの内部に面しており、第1のレンズ12内の光を反射する。反射膜層の貼り付けは、第1の反射領域1212及び第2の反射領域1222を形成する具体例にすぎないことを理解されたい。本出願のこの実施形態では、反射領域は、代替的に、別の方式で形成されてもよく、例えば、反射材料を噴霧して、第1の反射領域1212及び第2の反射領域1222を形成する。加えて、第1のレンズ12について、分散屈折面を非分散反射面(第1の反射領域1212及び第2の反射領域1222)に置き換えて、分散をより良好に制御する。
【0042】
オプションの解決策では、光透過領域1211は、光入射のための平面である。光透過領域1211は、代替的に、別の表面を使用してもよいことを理解されたい。例えば、光透過領域1211は、代替的に、光透過領域1211から第1のレンズ12に入射した光を第2の反射領域1222に伝播させることができれば、凸弧状の面、凹弧状の面、又は別のタイプの面を使用してもよい。
【0043】
オプションの解決策では、第1の反射領域1212は、光入射側面121の凹球状領域である。図5に示すように、第1の反射領域1212は、第1のレンズ12に凹設された球状領域である。球状領域が使用される場合、第2の反射領域1222から第1の反射領域1212に反射された光は、異なる入射角を有し得、第1の反射領域1212の球状領域を使用することによって光を光出射領域1221に収束させ得る。第1の反射領域1212は、図5に示される球状領域に限定されるのではなく、代替的に、光を収束させることができる別のタイプの表面を使用してもよいことを理解されたい。例えば、第1の反射領域1212は、代替的に、円錐面、楕円面、又は放物面などの異なるタイプの面であってもよい。同様に、光に対する収束効果を実現することができる。
【0044】
オプションの解決策では、光出射側面122は凸球面である。光出射側面122に凸球面が使用される場合、第2の反射領域1222の、光を反射するように構成された面は凹面であり、凹面は、第1の反射領域1212に面しており、光透過領域1211から第2の反射領域1222に照射された光を第1の反射領域1212に反射する。加えて、光出射領域1221は球面であるので、第1の反射領域1212によって反射された光は再収束される。光出射側面122の球面は、本出願の具体例であり、光出射側面122は、代替的に、別のタイプの表面を使用してもよいことを理解されたい。例えば、光出射側面122は、代替的に、テーパ面を使用してもよく、第2の反射領域1222及び光出射領域1221は両方とも平面構造である。代替的に、光出射側面122は、代替的に、複合面を使用してもよく、例えば、第2の反射領域1222は、リング形状の平面であり、平面は、光軸に対して傾斜され、光を第1の反射領域1212に反射し、光出射領域1221は、球面を使用する。
【0045】
光透過領域1211に対する第1の反射領域1212の比及び光出射領域1221に対する第2の反射領域1222の比は、本出願のこの実施形態では特に限定されないことを理解されたい。前述の領域が具体的に配置される場合、図5に示される光路が実現可能であれば、前述の領域の比率関係が使用され得る。
【0046】
図6は、本出願の一実施形態による第2のレンズ22の構造の概略図である。第2のレンズモジュール20の機能は、第1のレンズモジュールから収束された撮像光を更に収束し、撮像焦点距離を調整し、色収差、歪み、及び収差を低減し、画質を調整及び改善し、各視野下の視野湾曲(field of view curvature)を低減し、画像信号プロセッサでの画質を確保することである。以下では、図6を参照して、第2のレンズモジュール20の構造を詳細に説明する。
【0047】
第2のレンズモジュール20は、第2のレンズ22及び第2のレンズバレル21を含む。第2のレンズバレル21は、第2のレンズ22の支持構造として用いられる。第2のレンズ22は、組み立て時に第2のレンズバレル21に固定され得る。加えて、光が第2のレンズバレル21内のキャビティを通過することができるように、第2のレンズバレル21の両端は開口している。
【0048】
第2のレンズバレル21の材料は、プラスチック材料又は別の容易に成形される材料であり得る。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。
【0049】
第2のレンズ22の材料は、一般的なレンズ材料、例えば、光学白色プラスチック材料又は光学ガラス材料である。これは、本出願のこの実施形態では特に限定されない。
【0050】
図7は、図6のB-B位置の断面図である。第2のレンズバレル21内のキャビティは、段付きキャビティである。説明を容易にするために、第2のレンズバレル21の2つの端部は、それぞれ第3の端部及び第4の端部として定義され、第3の端部は、第2のレンズバレル21の、物体側に近い一端であり、第4の端部は、第2のレンズバレル21の、像側に近い一端(すなわち、画像信号プロセッサに近い一端)である。第2のレンズバレル21内の内壁は、第3の端部から第4の端部の方向に段差状に変化し、内壁のサイズが徐々に増加して、段差状に変化するキャビティを形成する。
【0051】
オプションの解決策では、第2のレンズ22は、締まり嵌めによって第2のレンズバレル21の側壁に固定して接続され得、又は、第2のレンズ22の側壁は、接着剤を使用することによって第2のレンズバレル21の側壁に接合される。
【0052】
オプションの解決策では、4つの第2のレンズ22があり、4つの第2のレンズ22は、光軸に沿って第2のレンズバレル21に配置され、4つのレンズはそれぞれ、必要に応じて、球面レンズ又は非球面レンズであり得る。特定の配置の間、各レンズの特定の構造及びサイズは、4つのレンズがフォーカシングを実施することができる限り、本出願のこの実施形態では特に限定されない。図7に示される4つの第2のレンズ22は、具体例にすぎないことを理解されたい。本出願のこの実施形態において提供される第2のレンズ22の数は、図7に示される4つのレンズに限定されず、第2のレンズ22が組み合わされた後に、撮像焦点距離を調整することができ、色収差、歪み、及び収差を低減することができ、画質を調整及び改善することができ、各視野の下での視野湾曲を低減することができれば、任意の数の第2のレンズ22、例えば、2つ、3つ、5つ、又は6つの第2のレンズ22が代替的に選択されてもよい。
【0053】
オプションの解決策では、第2のレンズモジュール20は、ガスケット23を更に含み、ガスケット23は、第2のレンズ22間の間隔を調整するように構成される。ガスケット23は、実際の要求に基づいてガスケット23の厚さを調整することができるように、異なる第2のレンズ22の間に配置され得る。これは、本明細書では特に限定されない。
【0054】
オプションの解決策では、第2のレンズバレル21は、円筒構造を使用して、第2のレンズモジュール20によって占有される空間を低減する。図7の例におけるレンズバレルは一例にすぎないことを理解されたい。第2のレンズバレル21が具体的に配置される場合には、別の形状、例えば、円筒状又は角筒状の構造が代替的に使用されてもよい。
【0055】
図8は、第1のレンズモジュールと第2のレンズモジュールとの間の協働の概略図である。図8は、第1のレンズP1、第2のレンズP2、第2のレンズP3、第2のレンズP4、第2のレンズP5、フィルタ(参照番号なし)、及び画像信号プロセッサ(参照番号なし)のみを示す。伝播中、光は、第1のレンズP1の光入射側面から入射し、第2の反射領域及び第1の反射領域によって反射され、第1のレンズP1の光出射側面から出射する。出射光は、第2のレンズP2、第2のレンズP3、第2のレンズP4、第2のレンズP5を連続して通過する。このようにして、第2のレンズを通して、撮像焦点距離が調整され、色収差、歪み、及び収差が低減され、画質が調整及び改善され、各視野下の視野湾曲が低減される。その後、光はフィルタを通過した後に画像信号プロセッサで撮像される。図8から分かるように、第1のレンズモジュールが光路を折り返すことができる第1のレンズを使用する場合、レンズモジュールの長さを短くすることができる。加えて、体積及び重量が最小化され、コストも低減される。
【0056】
図9は、本出願の一実施形態によるレンズモジュール100の構造アプリケーションの概略図である。図9のいくつかの部分の参照番号については、図2の同じ部分の参照番号を参照されたい。レンズモジュール100がカメラモジュールに使用される場合、レンズモジュール100はカメラモジュールに固定される。図9に示すように、レンズモジュール100のブラケット30は、カメラモジュールのハウジング200に位置する。カメラモジュールは、回路基板300と、回路基板300上に配置された画像信号プロセッサ400とを更に含む。画像信号プロセッサ400、第2のレンズモジュール20、及び第1のレンズモジュール10は、光軸に沿って配置される。撮影時、光は、第1のレンズ及び第2のレンズを連続的に通過した後、画像信号プロセッサ400に照射され得、画像信号プロセッサ400は、光信号を電気信号に変換する。
【0057】
図9から分かるように、本出願のこの実施形態において提供されるレンズモジュール100が第1のレンズを使用して光を屈折させた後に光路が折り返される。従って、直立レンズモジュール100をカメラモジュールにも使用することができ、カメラモジュールのサイズを大幅に低減することができる。
【0058】
図10は、本出願の一実施形態による別のレンズモジュール100の構造の概略図である。図10のいくつかの部分の参照番号については、図2の同じ部分の参照番号を参照されたい。
【0059】
図10に示されるレンズモジュール100は、ブラケット30と、第1のレンズモジュール10と、第2のレンズモジュール20とを含む。図10のいくつかの部分については、図2の同じ参照番号を参照されたい。図10に示されるレンズモジュール100と、図2に示される第1のレンズモジュール10及び第2のレンズモジュール20の両方との間の違いは、レンズ配置方式にある。
【0060】
図11は、第1のレンズモジュール10の断面図である。第1のレンズモジュール10は、第1のレンズバレル11と第1のレンズ12とを含む。第1のレンズバレル11及び第1のレンズ12については、上記の対応する説明を参照されたい。第1のレンズモジュール10は、第1のレンズバレル11を更に含み、第1のレンズ12は、第1のレンズバレル11に固定される。第1のレンズモジュール10は、少なくとも1つの第3のレンズ14を更に含み、第1のレンズ12及び少なくとも1つの第3のレンズ14は、光軸に沿って配置され、少なくとも1つの第3のレンズ14は、第1のレンズ12の像側に位置する。少なくとも1つの第3のレンズ14は、集束レンズである。図10には、例として3つの第3のレンズ14が示されている。しかしながら、本出願のこの実施形態における第3のレンズ14の数は、本明細書では特に限定されない。
【0061】
オプションの解決策では、第1のレンズモジュール10は、ガスケットを更に含む。第3のレンズ14の間の間隔は、ガスケットを使用することによって調整され得、ガスケットの厚さは、実際の要件に基づいて設定され得る。
【0062】
図12は、第2のレンズモジュール20の断面図である。第2のレンズモジュール20は、第2のレンズバレル21と第2のレンズ22とを含む。1つの第2のレンズ22があり、第2のレンズ22は第2のレンズバレル21に固定される。第3のレンズ及び第2のレンズ22は、一緒に動作して、撮像焦点距離を調整し、色収差、歪み、及び収差を低減し、画質を調整及び改善し、各視野下の視野湾曲を低減し、画像信号プロセッサでの画質を保証するレンズ群を形成する。4つのレンズはそれぞれ、必要に応じて、球面レンズであってもよいし、非球面レンズであってもよい。特定の配置の間、各レンズの特定の構造及びサイズは、4つのレンズがフォーカシングを実施することができる限り、本出願のこの実施形態では特に限定されない。
【0063】
図13は、本出願の一実施形態によるレンズモジュール100の構造アプリケーションの概略図である。図13のいくつかの部分の参照番号については、図2の同じ部分の参照番号を参照されたい。レンズモジュール100がカメラモジュールに使用される場合、レンズモジュール100はカメラモジュールに固定される。図13に示すように、レンズモジュール100のブラケット30は、カメラモジュールのハウジング200に位置する。カメラモジュールは、回路基板300と、回路基板300上に配置された画像信号プロセッサ400とを更に含む。画像信号プロセッサ400、第2のレンズモジュール20、及び第1のレンズモジュール10は、光軸に沿って配置される。撮影時、光は、第1のレンズ及び第2のレンズを連続的に通過した後、画像信号プロセッサ400に照射され得、画像信号プロセッサ400は、光信号を電気信号に変換する。
【0064】
図13から分かるように、本出願のこの実施形態において提供されるレンズモジュールは、第1のレンズを使用して光を屈折させるので、レンズモジュールの長さを短くすることができる。加えて、体積及び重量が最小化され、コストも低減される。
【0065】
図14は、本出願の一実施形態によるカメラモジュールの構造の概略図である。図14のいくつかの参照番号については、図13の同じ参照番号を参照されたい。カメラモジュールは、ベース800と、ベース800に接続され、前述の項目のうちのいずれか1つにあるレンズモジュール100とを含む。
【0066】
第2のレンズモジュール20は、ブラケット30に固定して接続され、第1のレンズモジュール10は、第1の弾性部材600を使用することによってブラケット30に接続される。第1のレンズモジュール10及び第2のレンズモジュール20は、ブラケット30内にスリーブされ、第1のレンズモジュール10は、2つ以上の第1の弾性部材600を使用することによってブラケット30に接続され、第2のレンズモジュール20は、ブラケット30に固定して接続される。前述の構造では、第1の弾性部材600によって生じる弾性変形により、第1のレンズが光軸に沿って移動して、第1のレンズモジュール10と第2のレンズモジュール20との間の相対位置を調整し、それによってフォーカシングを実施することができる。
【0067】
第1のレンズモジュール10を具体的に駆動して移動させるために、異なる駆動機構が選択され得る。駆動機構は、第1のレンズモジュール10を駆動して移動させ、フォーカシングを実施するように構成される。例えば、駆動機構は、AF駆動モータであり得る。
【0068】
説明を容易にするために、第1のレンズモジュール10をレンズモジュールG1と呼び、第2のレンズモジュール20をレンズモジュールG2と呼ぶ。AF駆動モータの機能は、モータが通電された後にレンズモジュールG1又はレンズモジュールG2を移動させることによってフォーカシングを実施して、画像信号プロセッサ上で鮮明な撮像を実施することである。図14において、可動式のレンズモジュールG1は、例として使用されているにすぎない。本出願のこの実施形態において提供されるカメラモジュールは、代替的に、固定されたレンズモジュールG1を使用してもよく、レンズモジュールG2は、弾性部材を使用することによってブラケット30に接続される。すなわち、レンズモジュールG1及びレンズモジュールG2の少なくとも一方が可動であれば、フォーカシングを実施することができる。
【0069】
駆動時、AF駆動モータは、ホールセンサ信号、ドライバチップ、又はジャイロスコープ信号に基づいてレンズ移動距離を計算する。ドライバチップは、特定のアルゴリズムに基づいてレンズモジュールG1とレンズモジュールG2との間の相対位置を計算し、鮮明な撮像を実施する。オプションの解決策では、AF駆動モータは、ボイスコイルモータ、圧電モータ、又は形状記憶合金ワイヤを使用することによって実装され得る。ホールセンサ信号、駆動IC、又はジャイロスコープ信号に基づいて第1のレンズモジュール10を駆動する方式は、比較的一般的な駆動方式であることを理解されたい。詳細については、本明細書では改めて説明されない。
【0070】
本出願のこの実施形態において提供されるレンズモジュール100は、画像安定化機能を更に有する。図14に示すように、ベース800は、第3の弾性部材500を使用することによってブラケット30に接続され、カメラモジュールは、レンズモジュール100のジッタを補償する画像安定化モータ700を更に含む。第3の弾性部材500と画像安定化モータ700との間の協働により、カメラモジュールの画像安定化効果が向上する。第3の弾性部材500は、バネ又はサスペンションワイヤであり得、第3の弾性部材500により、レンズモジュール100は、吊下げ弾性構造を形成することができる。図14には2つの第3の弾性部材500が示されているが、本出願のこの実施形態では、ブラケット30を支持することができれば、複数の第3の弾性部材500が配置されてもよく、例えば、2つ、3つ、又は4つの第3の弾性部材500が配置されてもよいことを理解されたい。
【0071】
画像安定化モータ700は、OIS(Optical image stabilization、光学画像安定化)モータを使用し得る。OISモータは、ブラケット30の底部にある磁石(図示せず)によって生じる磁界と、ベース800上の電磁石に通電することによって生じるローレンツ力とを使用することによって、第3の弾性部材500を駆動して変位させ、移動中のレンズモジュール群全体の画像安定化を実施する。カメラモジュール内のジャイロスコープがわずかなレンズ移動を検出した後、ジャイロスコープは、信号をマイクロプロセッサに送信し、マイクロプロセッサは、ジッタ方向及び変位に基づいて、補償される必要がある変位量を直ちに計算し、次いで、OISモータは、レンズモジュールG1及びレンズモジュールG2を駆動して移動させて変位量を補償し、それによって、カメラ振動によって生じる画像ブレを効果的に克服する。OISモータは、画像安定化変位補償を実施するために、ボイスコイルモータ、圧電モータ、又は形状記憶合金の形態であり得る。画像安定化モータ700の構造及び動作原理は、比較的一般的な駆動方式で実施される。詳細については、本明細書では改めて説明されない。
【0072】
長焦点撮影用のカメラモジュールは、フォーカシング位置の精度に対する要求が高い。閉ループ制御を実施するためには、レンズモジュールG1の駆動モータは、ホールセンサを使用することによってレンズモジュールの位置を感知する必要がある。加えて、OIS画像安定化を実施するためには、モジュール上のジャイロスコープ信号を使用することによって動き状態を感知する必要があり、ソフトウェアアルゴリズム計算を通じてジッタ量が補償される。
【0073】
前述の説明から分かるように、カメラモジュールは、レンズモジュールG1を軸方向に移動させることによってAF(Auto Focus、オートフォーカス)フォーカシングを実行して、近接物体距離の良好な撮像効果を実現する(例えば、1.0メートルから無限遠までの撮像を実施する)。レンズモジュールG2は、ブラケット30に固定され、光軸方向に移動する必要がない。撮影時、レンズモジュールG1は、AFモータによって駆動され、フォーカシング及び撮像を実施する。カメラモジュールの構造は比較的単純であり、制御方式は実施が容易であり、コストが有利である。
【0074】
レンズモジュールは、2つのレンズモジュールを組み合わせてマッチングさせる(matching)ことによってフォーカシングを実施し、携帯電話モジュール上で5倍を超える長焦点撮影効果を実現する。本出願のこの実施形態において提供されるカメラモジュールの効果の理解を容易にするために、カメラモジュールがシミュレートされる。シミュレーション結果を図15に示す。図15から分かるように、図14に示されるカメラモジュールをシミュレーションに使用した場合、0.8視野での撮像効果のMTF値が55に達し、視野湾曲が大幅に改善される。
【0075】
加えて、OISモータとAF駆動モータとを別々に制御することができ、それによって、制御性を向上させることができる。
【0076】
図16は、別のカメラモジュールの構造の概略図である。図16のいくつかの部分については、図14の同じ参照番号を参照されたい。図16に示されるカメラモジュールでは、第1のレンズモジュール10及び第2のレンズモジュール20の両方が、吊り下げ方式でブラケット30に接続される。具体的には、第1のレンズモジュール10は、第1の弾性部材600を使用することによってブラケット30に接続され、第2のレンズモジュール20は、第2の弾性部材900を使用することによってブラケット30に接続される。
【0077】
説明を容易にするために、第1のレンズモジュール10をレンズモジュールG1と呼び、第2のレンズモジュール20をレンズモジュールG2と呼ぶ。この実施形態では、レンズモジュールG1及びレンズモジュールG2は、弾性部材を使用することによってブラケット30上に別々に吊り下げられており、レンズモジュールG1及びレンズモジュールG2の両方が移動することができる。遠くの景色を撮影するとき、レンズモジュールG1とレンズモジュールG2との間の最適なマッチング距離が、アルゴリズムに基づいて計算され、撮像及びフォーカシングを実施し、それによって、より高い品質の撮像効果を達成する。同様に、異なる視野下での像面湾曲を低減することができ、画質のためのフォーカシング方式が改善される。このアーキテクチャでは、レンズモジュールG1及びレンズモジュールG2は、別個のボイスコイルモータ又は別のモータ(形状記憶合金ワイヤ又は圧電モータ)によって駆動されて、光軸に沿って移動する。
【0078】
OISモータは、ブラケット30の底部にある磁石によって生じる磁界と、ベース上のコイルに通電することによって生じるローレンツ力とを使用することによって、4つ以上のバネ又はサスペンションワイヤを駆動して変位させ、移動中のレンズモジュール群全体の画像安定化を実施する。
【0079】
レンズモジュールG2とレンズモジュールG1はいずれもモータによって駆動されて変位し、2つの独立した制御モータを使用することによってレンズモジュールG1とレンズモジュールG2に対して閉ループ制御が実施される。レンズモジュールG1及びレンズモジュールG2はそれぞれ、撮影時、光軸に沿ってフォーカシングアルゴリズムに基づいてフォーカシング距離を調整し、一緒に動作し、互いにマッチング及び組み合わされて、AF機能を実施する。例えば、レンズモジュールG1は、AFを実行して粗いフォーカシングを実施し、レンズモジュールG2は、軸方向のAF移動を実行して細かいフォーカシングを実施する。これは、モータの位置の正確さのための光学素子の要件を低減し、近接物体距離の良好な撮像効果をより容易に実施する(1.0メートルから無限遠までの撮像を実施する)ことができる。
【0080】
加えて、2つの弾性部材を使用して、複雑な組み立てプロセスの組み立て難易度を下げ、大量生産を容易に実施する。加えて、レンズモジュールG1及びレンズモジュールG2は、弾性部材を使用することによってブラケット30に接続され、応答速度の速い変位をより容易に実施する。
【0081】
図17は、ブラケット30と第1のレンズモジュール10及び第2のレンズモジュール20の両方との間の別のタイプの特定の協働の概略図である。図17のいくつかの部分については、図14の同じ参照番号を参照されたい。図17に示されるカメラモジュールでは、第1のレンズモジュール10及び第2のレンズモジュール20の両方が、吊り下げ方式でブラケット30に接続される。図17に示されるカメラモジュールと図14に示されるカメラモジュールとの間の違いは、第1のレンズモジュール10及び第2のレンズモジュール20がブラケット30に接続されるとき、光軸1000の方向に延在するシャフト1000がブラケット30に配置され、第1のレンズモジュール10及び第2のレンズモジュール20がシャフト1000上に別々に摺動可能に組み付けられることにある。遠くの景色を撮影するとき、レンズモジュールG1とレンズモジュールG2との間の最適なマッチング距離が、アルゴリズムに基づいて計算され、撮像及びフォーカシングを実施し、それによって、より高い品質の撮像効果を達成する。従って、異なる視野下での像面湾曲を低減することができ、画質のためのフォーカシング方式が改善される。このアーキテクチャでは、レンズモジュールG1及びレンズモジュールG2は、別個のボイスコイルモータ又は別のモータ(SMA又は圧電モータ)によって駆動されて、光軸1000に沿って移動する。
【0082】
画像安定化モータ700は、図14及び図16に示されるカメラモジュール内のものと同じであり、ブラケット30の底部にある磁石によって生じる磁界と、ベース800上の電磁石に通電することによって生じるローレンツ力とを使用することによって、4つ以上のバネ又はサスペンションワイヤを駆動して変位させ、移動中のレンズモジュール群全体の画像安定化を実施する。
【0083】
この実施形態は、2つの独立した制御モータを使用することによってレンズモジュールG1及びレンズモジュールG2に対して閉ループ制御が実施されるように、直立屈折アーキテクチャに基づいて更に最適化される。レンズモジュールG1及びレンズモジュールG2はそれぞれ、撮影時、光軸に沿ってフォーカシングアルゴリズムに基づいてフォーカシング距離を調整し、一緒に動作し、互いにマッチング及び組み合わされて、AF機能を実施する。例えば、レンズモジュールG1は、AFを実行して粗いフォーカシングを実施し、レンズモジュールG2は、軸方向のAF移動を実行して細かいフォーカシングを実施する。これは、モータの位置の正確さのための光学素子の要件を低減し、近接物体距離の良好な撮像効果をより容易に実施することができる。
【0084】
加えて、レンズモジュールG1とレンズモジュールG2の両方がフォーカシングに関与する。従って、レンズ位置ハードウェア検出の再現性精度に対する要求が低減され、位置制御精度は、より高い難易度を有する高精度位置検出素子、例えば、TMRを使用することなく、既存のホールセンサハードウェア検出回路を使用することによって容易に実施される。
【0085】
レンズモジュールG1及びレンズモジュールG2の両方がフォーカシングに関与する場合、各視野下の撮像効果が大幅に改善され、特に、視野湾曲が大幅に改善される。
【0086】
レンズモジュールG1及びレンズモジュールG2は、フォーカシングのために摺動シャフト上を移動し、偏心を効果的に解消し、光軸ずれを効果的に解消する。
【0087】
図18は、ブラケット30と第1のレンズモジュール10及び第2のレンズモジュール20の両方との間の別のタイプの特定の協働の概略図である。図18のいくつかの部分については、図14の同じ参照番号を参照されたい。図18に示されるカメラモジュールでは、第1のレンズモジュール10及び第2のレンズモジュール20はそれぞれ、ボールモータを使用することによってブラケット30に接続される。ボールモータは、ブラケット上に配置されたシュートを含み、シュートの長さ方向は、光軸と平行である。第1のレンズモジュール10及び第2のレンズモジュール20のそれぞれに転動するように組み付けられたボール2000は、シュート内で転動することができ、ブラケットには電磁石が更に配置され、第1のレンズモジュール及び第2のレンズモジュールのそれぞれには永久磁石が配置される。電磁石及び永久磁石は、第1のレンズモジュール10及び第2のレンズモジュール20のそれぞれを駆動して光軸に沿って移動させるように動作し、ボール2000は、シュートとマッチングして、第1のレンズモジュール及び第2のレンズモジュールのそれぞれの運動方向を制限する。
【0088】
遠くの景色を撮影するとき、レンズモジュールG1とレンズモジュールG2との間の最適なマッチング距離が、アルゴリズムに基づいて計算され、撮像及びフォーカシングを実施し、それによって、より高い品質の撮像効果を達成する。従って、異なる視野下での像面湾曲を低減することができ、画質のためのフォーカシング方式が改善される。
【0089】
画像安定化モータ700は、図14及び図16に示されるカメラモジュール内のものと同じであり、ブラケット30の底部にある磁石によって生じる磁界と、ベース800上の電磁石に通電することによって生じるローレンツ力とを使用することによって、4つ以上のバネ又はサスペンションワイヤを駆動して変位させ、移動中のレンズモジュール群全体の画像安定化を実施する。
【0090】
この実施形態は、2つの独立した制御モータを使用することによってレンズモジュールG1及びレンズモジュールG2に対して閉ループ制御が実施されるように、直立屈折アーキテクチャに基づいて更に最適化される。レンズモジュールG1及びレンズモジュールG2はそれぞれ、撮影時、シュートに沿ってフォーカシングアルゴリズムに基づいてフォーカシング距離を調整し、一緒に動作し、互いにマッチング及び組み合わされて、AF機能を実施する。例えば、レンズモジュールG1は、AFを実行して粗いフォーカシングを実施し、レンズモジュールG2は、軸方向のAF移動を実行して細かいフォーカシングを実施する。これは、モータの位置の正確さのための光学素子の要件を低減し、近接物体距離の良好な撮像効果をより容易に実施することができる。
【0091】
加えて、レンズモジュールG1とレンズモジュールG2の両方がフォーカシングに関与する。従って、レンズ位置ハードウェア検出の再現性精度に対する要求が低減され、位置制御精度は、より高い難易度を有する高精度位置検出素子、例えば、TMRを使用することなく、既存のホールセンサハードウェア検出回路を使用することによって容易に実施される。
【0092】
レンズモジュールG1及びレンズモジュールG2の両方がフォーカシングに関与する場合、各視野下の撮像効果が大幅に改善され、特に、視野湾曲が大幅に改善される。
【0093】
レンズモジュールG1及びレンズモジュールG2は、フォーカシングのために摺動シャフト上を移動し、偏心を効果的に解消し、光軸ずれを効果的に解消する。
【0094】
前述の説明から分かるように、本出願のこの実施形態では、レンズモジュールのフォーカシングを実施するために異なるフォーカシング構造が使用され得る。加えて、第3の弾性部材は、レンズモジュールをカメラモジュールに接続し、次いで、画像安定化モータと協働して、画像安定化効果を実現する。
【0095】
本出願の一実施形態は、端末を更に提供する。端末は、一般的な端末、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、又はノートブックコンピュータであり得る。しかしながら、どの端末が使用されるかにかかわらず、端末は、ハウジングと、前述の項目のいずれか1つにあり、ハウジングに配置されたカメラモジュールとを含む。上記の技術的解決策では、第1のレンズを通して光路を折り返して、長焦点レンズモジュールの効果を実現する。加えて、光路が折り返されるので、小さいサイズの直立レンズモジュールが使用され得、カメラモジュールのサイズが低減され、その結果、カメラモジュールは、端末の薄型化の発展に適合することができる。
【0096】
当業者が、本出願の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本出願に対して様々な修正及び変形を行うことができることは明らかである。本出願は、以下の特許請求の範囲及びそれらの同等の技術によって定義される保護範囲内に入るという条件で、本出願のこれらの修正及び変形を包含することが意図される。
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