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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】認証システム及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/19 20220101AFI20241217BHJP
   A61B 5/1171 20160101ALI20241217BHJP
【FI】
G06V40/19
A61B5/1171 300
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023538175
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(86)【国際出願番号】 JP2021028404
(87)【国際公開番号】W WO2023007714
(87)【国際公開日】2023-02-02
【審査請求日】2024-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】大峯 正寛
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 大祐
(72)【発明者】
【氏名】岡本 大介
(72)【発明者】
【氏名】加山 勝巳
(72)【発明者】
【氏名】權田 周也
【審査官】山田 辰美
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-219698(JP,A)
【文献】特開2017-062756(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0012279(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 40/19
A61B 5/1171
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の虹彩を撮像することで虹彩画像を生成可能な虹彩撮像手段と、
前記虹彩画像を用いた対象の認証に関する情報を表示可能な表示手段と
前記虹彩からの光を前記虹彩撮像手段に向けて反射可能な反射面を備える反射手段と、
前記反射手段を回転させる回転駆動手段と、
前記対象の顔を撮像することで顔画像を生成可能な顔撮像手段と、
前記顔画像に基づいて、前記対象の目の位置を特定し、特定した前記目の位置に基づいて、前記反射面の向きが変わるように前記回転駆動手段を制御する回転制御手段と、
前記反射手段が基準位置から許容上限角度回転した場合に前記反射手段に接触することで、前記反射手段の回転を制限する回転制限手段と
を備えており、
前記虹彩撮像手段の少なくとも一部は、前記情報を表示する表示面とは反対側である前記表示手段の裏面に隣接する空間に配置され、
前記虹彩撮像手段は、前記対象が存在する方向とは異なる方向を向いており、
前記回転制御手段は、(i)前記反射手段が前記回転制限手段に接触するまで前記反射手段が回転するように前記回転駆動手段を制御し、(ii)前記反射手段が前記回転制限手段に接触するまで前記反射手段が回転するように前記回転駆動手段を制御するために用いた実際の指令信号と、前記許容上限角度だけ前記反射手段が回転するように前記回転駆動手段を制御する理想的な指令信号との差分に基づいて、前記回転駆動手段を較正する
認証システム。
【請求項2】
前記虹彩撮像手段の位置を調整可能な第1位置調整手段と、前記反射手段の位置を調整可能な第2位置調整手段との少なくとも一方を更に備える
請求項に記載の認証システム。
【請求項3】
前記回転制御手段は、前記虹彩画像に写り込んでいる前記虹彩の状態に基づいて、回転している前記反射手段が停止する場合の前記反射手段の減速度を制御する
請求項1又は2に記載の認証システム。
【請求項4】
前記虹彩撮像手段は、回転している前記反射手段を前記回転駆動手段が停止させた後に前記目を複数回撮像することで複数の前記虹彩画像を夫々生成し、
前記複数の虹彩画像のうち前記虹彩が所望位置に写り込んでいる少なくとも一つの虹彩画像を選択し、前記選択した少なくとも一つの虹彩画像を用いて前記対象を認証する認証手段を更に備える
請求項からのいずれか一項に記載の認証システム。
【請求項5】
前記反射手段は、第1反射手段であり、
第1位置に位置する前記虹彩からの光を前記第1反射手段に向けて反射する第2反射手段と、
前記第1位置とは異なる第2位置に位置する前記虹彩からの光を前記第1反射手段に向けて反射する第3反射手段と
を更に備え、
前記回転制御手段は、(i)特定した前記目の位置が所定の第1位置条件を満たす場合には、前記第1反射手段が、前記第2反射手段からの光を前記虹彩撮像手段に向けて反射するように、前記第2反射手段を制御し、(ii)特定した前記目の位置が所定の第2位置条件を満たす場合には、前記第1反射手段が、前記第3反射手段からの光を前記虹彩撮像手段に向けて反射するように、前記第3反射手段を制御する
請求項からのいずれか一項に記載の認証システム。
【請求項6】
前記第2反射手段は、前記第1位置に位置する前記虹彩からの光を、第4反射手段を介して前記第1反射手段に向けて反射し、
前記第3反射手段は、前記第2位置に位置する前記虹彩からの光を、前記第4反射手段を介して前記第1反射手段に向けて反射する
を更に備える請求項に記載の認証システム。
【請求項7】
前記虹彩撮像手段は、第1位置に位置する前記虹彩を撮像可能な第1虹彩撮像手段であり、
前記反射手段は、前記第1位置に位置する前記虹彩からの光を前記第1虹彩撮像手段に向けて反射可能な第1反射手段であり、
前記第1位置とは異なる第2位置に位置する前記虹彩を撮像することで前記虹彩画像を生成可能な第2虹彩撮像手段と、
前記第2位置に位置する前記虹彩からの光を前記第2虹彩撮像手段に向けて反射可能な第2反射手段と
を更に備え、
前記回転制御手段は、(i)前記顔画像に基づいて、前記対象の位置を特定し、(ii)前記対象が前記第1位置に位置する場合には、前記第1位置に位置する前記対象の前記虹彩からの光を前記第1虹彩撮像手段に向けて反射するように前記第1反射手段を制御し、(iii)前記対象が前記第2位置に位置する場合には、前記第2位置に位置する前記対象の前記虹彩からの光を前記第2虹彩撮像手段に向けて反射するように前記第2反射手段を制御する
請求項1からのいずれか一項に記載の認証システム。
【請求項8】
対象の虹彩を撮像することで虹彩画像を生成可能な虹彩撮像手段と、
前記虹彩画像を用いた対象の認証に関する情報を表示可能な表示手段と
前記虹彩からの光を前記虹彩撮像手段に向けて反射可能な反射面を備える反射手段と、
前記反射手段を回転させる回転駆動手段と、
前記対象の顔を撮像することで顔画像を生成可能な顔撮像手段と、
前記顔画像に基づいて、前記対象の目の位置を特定し、特定した前記目の位置に基づいて、前記反射面の向きが変わるように前記回転駆動手段を制御する回転制御手段と、
前記反射手段が基準位置から許容上限角度回転した場合に前記反射手段に接触することで、前記反射手段の回転を制限する回転制限手段と
を備えており、
前記虹彩撮像手段の少なくとも一部は、前記情報を表示する表示面とは反対側である前記表示手段の裏面に隣接する空間に配置され、
前記虹彩撮像手段は、前記対象が存在する方向とは異なる方向を向いている
おり、
前記回転制御手段は、(i)前記反射手段が前記回転制限手段に接触するまで前記反射手段が回転するように前記回転駆動手段を制御し、(ii)前記反射手段が前記回転制限手段に接触するまで前記反射手段が回転するように前記回転駆動手段を制御するために用いた実際の指令信号と、前記許容上限角度だけ前記反射手段が回転するように前記回転駆動手段を制御する理想的な指令信号との差分に基づいて、前記回転駆動手段を較正する
撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、例えば、対象の虹彩を撮像することで生成される虹彩画像を用いて対象を認証可能な認証システム、及び、認証システムにおいて利用可能な撮像装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
対象の虹彩を撮像することで生成される虹彩画像を用いて対象を認証可能な認証システムの一例が、特許文献1に記載されている。その他、この開示に関連する先行技術文献として、特許文献2から特許文献6があげられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2018/038158号パンフレット
【文献】特開2000-237169公報
【文献】特開2000-220333公報
【文献】国際公開第2021/059526号パンフレット
【文献】国際公開第2020/170914号パンフレット
【文献】特開2020-194599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この開示は、先行技術文献に記載された技術の改良を目的とする認証システム及び撮像装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
認証システムの一の態様は、対象の虹彩を撮像することで虹彩画像を生成可能な撮像手段と、前記虹彩画像を用いた対象の認証に関する情報を表示可能な表示手段とを備えており、前記撮像手段の少なくとも一部は、前記情報を表示する表示面とは反対側である前記表示手段の裏面に隣接する空間に配置され、前記撮像手段は、前記対象が存在する方向とは異なる方向を向いている。
【0006】
撮像装置の一の態様は、対象の虹彩を撮像することで虹彩画像を生成可能な撮像手段と、前記虹彩画像を用いた対象の認証に関する情報を表示可能な表示手段とを備えており、前記撮像手段の少なくとも一部は、前記情報を表示する表示面とは反対側である前記表示手段の裏面に隣接する空間に配置され、前記撮像手段は、前記対象が存在する方向とは異なる方向を向いている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態における認証システムの構成を示す断面図である。
図2図2は、第2実施形態における認証システムの構成を示すブロック図である。
図3図3(a)は、第2実施形態におけるゲートユニットの構成の一例を示す上面図であり、図3(b)は、第2実施形態におけるゲートユニットの構成の一例を示す斜視図である。
図4図4は、第2実施形態における撮像ユニットの構成を示すブロック図である。
図5図5は、第2実施形態における撮像ユニットの外観を示す斜視図である。
図6図6は、第2実施形態における撮像ユニットの断面(特に、顔カメラ、ディスプレイ及び筐体を含む断面)を示す断面図である。
図7図7は、第2実施形態における撮像ユニットの断面(特に、虹彩カメラ、ミラー、ディスプレイ及び筐体を含む断面)を示す断面図である。
図8図8は、顔カメラの撮像範囲と虹彩カメラの撮像範囲とを示す断面図である。
図9図9は、顔カメラの撮像範囲と虹彩カメラの撮像範囲とを示す断面図である。
図10図10は、第2実施形態における撮像ユニットの断面(特に、回転モータを含む断面)を示す断面図である。
図11図11は、第2実施形態における制御ユニットの構成を示すブロック図である。
図12図12は、第2実施形態における制御ユニットが行う認証動作の流れを示すフローチャートである。
図13図13は、第1フラッパーゲートの状態が開状態となったゲートユニットを示す平面図である。
図14図14は、顔カメラが対象人物の顔を撮像するばあいにディスプレイに表示されるUI画面の一例を示す。
図15図15は、虹彩カメラの撮像範囲と対象人物の目との位置関係を示す断面図である。
図16図16は、第2フラッパーゲートの状態が開状態となったゲートユニットを示す平面図である。
図17図17は、対象人物の認証が成功した場合にディスプレイに表示されるUI画面の一例を示す。
図18図18は、第1及び第2フラッパーゲートの状態が閉状態となったゲートユニットを示す平面図である。
図19図19は、対象人物の認証が失敗した場合にディスプレイに表示されるUI画面の一例を示す。
図20図20は、第3実施形態における撮像ユニットの構成を示すブロック図である。
図21図21は、位置が調整される虹彩カメラ及び回転ミラーを示す断面図である。
図22図22は、第3実施形態において虹彩カメラ及び回転ミラーの位置を調整する動作の流れを示すフローチャートである。
図23図23(a)は、第4実施形態におけるストッパと回転ミラーとを示す斜視図であり、図23(b)は、第4実施形態におけるストッパと回転ミラーとを示す側面図である。
図24図24は、ストッパを用いて回転モータのキャリブレーションを行う動作の流れを示すフローチャートである。
図25図25は、第5実施形態における制御ユニットの構成を示すブロック図である。
図26図26は、回転ミラーが停止する場合の減速度を制御する動作の流れを示すフローチャートである。
図27図27は、第5実施形態における回転ミラーの回転速度を示すグラフである。
図28図28は、回転ミラーが振動している場合に生成される複数の虹彩画像を示す。
図29図29は、第6実施形態における撮像ユニットの構成を示すブロック図である。
図30図30(a)及び図27(b)は、リレーミラーを介して対象人物を撮像する虹彩カメラを示す。
図31図31は、対象人物の虹彩からの光を回転ミラーに向けて反射するリレーミラーを切り替える動作の流れを示すフローチャートである。
図32図32(a)及び図32(b)は、リレーミラーを介して対象人物を撮像する虹彩カメラを示す。
図33図33は、対象人物の虹彩からの光を回転ミラーに向けて反射するリレーミラーを切り替える動作の流れを示すフローチャートである。
図34図34(a)及び図34(b)は、リレーミラーを介して対象人物を撮像する虹彩カメラを示す。
図35図35(a)及び図35(b)は、リレーミラーを介して対象人物を撮像する虹彩カメラを示す。
図36図36は、第7実施形態における撮像ユニットの構成を示すブロック図である。
図37図37は、第7実施形態における撮像ユニットの構成を示す断面図である。
図38図38は、第7実施形態における撮像ユニットの配置位置を示す上面図である。
図39図39は、第7実施形態における撮像ユニットの他の例を示す斜視図である。
図40図40は、第7実施形態における撮像ユニットの他の例を示す透視上面図である。
図41図41は、第7実施形態における撮像ユニットの他の例の配置位置を示す上面図である。
図42図42は、複数の回転ミラーを制御する動作の流れを示すフローチャートである。
図43図43は、第8実施形態における撮像ユニットが備える回転ミラーを示す断面図である。
図44図44は、第9実施形態における撮像ユニットの構成を示すブロック図である。
図45図45(a)は、虹彩カメラが対象人物を撮像する期間における撮像ユニットを示す上面図であり、図45(b)は、対象人物が認証された後の期間における撮像ユニットを示す上面図である。
図46図46は、撮像ユニットを移動する動作の流れを示すフローチャートである。
図47図47(a)は、虹彩カメラが対象人物を撮像する期間における撮像ユニットを示す上面図であり、図47(b)は、対象人物が認証された後の期間における撮像ユニットを示す上面図である。
図48図48は、折れ曲がったレーンを示す上面図である。
図49図49は、回転ミラーを放熱ファンとして駆動させる動作の流れを示すフローチャートである。
図50図50は、第11実施形態における制御ユニットの構成を示すブロック図である。
図51図51は、第11実施形態における制御ユニットが行う認証動作の流れを示すフローチャートである。
図52図52は、第12実施形態における照明装置の構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、認証システムの実施形態について説明する。
【0009】
(1)第1実施形態
初めに、認証システム及び撮像装置の第1実施形態について説明する。以下では、図1を参照しながら、認証システム及び撮像装置の第1実施形態が適用された認証システム1000について説明する。図1は、第1実施形態における認証システム1000の構成を示す断面図である。尚、図1では、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸から構成される3次元座標系を用いて、認証システム1000を構成する構成要素の位置関係について説明する。X軸及びY軸の夫々は、水平面に沿った軸(つまり、水平方向に延びる軸)であり、Z軸は、水平面に直交する軸(つまり、鉛直方向に延びる軸)である。
【0010】
図1に示すように、認証システム1000は、後述する付記における「撮像手段」の一具体例である撮像装置1010と、後述する付記における「表示手段」の一具体例である表示装置1020とを備えている。撮像装置1010は、対象2000の虹彩を撮像することで虹彩画像を生成可能である。表示装置1020は、虹彩画像を用いた対象2000の認証に関する情報(例えば、認証結果に関する情報)を表示可能である。尚、第1実施形態では、認証システム1000は、虹彩画像を用いて対象2000を認証するための認証装置を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。認証システム1000が認証装置を備えていない場合には、認証システム1000は、撮像システム若しくは撮像装置又は表示システム若しくは表示装置と称されてもよい。
【0011】
撮像装置1010の少なくとも一部は、表示装置1020に隣接する空間1030に配置される。具体的には、表示装置1020は、虹彩画像を用いた対象2000の認証に関する情報を表示するための表示面1021を備えている。撮像装置1010の少なくとも一部は、表示面1021とは反対側に位置する表示装置1020の裏面1022に隣接する空間1030に配置される。
【0012】
空間1030において、撮像装置1010は、対象2000が存在する方向とは異なる方向を向いている。図1に示す例では、対象2000は、撮像装置1010から見て横方向(例えば、Y軸方向であり、一例として水平方向)に位置している。つまり、対象2000は、撮像装置1010から見て横方向に沿って離れた位置に位置している。この場合、撮像装置1010は、横方向とは異なる方向を向いている。例えば、撮像装置1010は、横方向に交差する方向(例えば、縦方向)を向いていてもよい。一例として、撮像装置1010は、横方向に直交する方向(例えば、Z軸方向であり、鉛直方向)を向いていてもよい。
【0013】
尚、「撮像装置1010が向いている方向」は、例えば、撮像装置1010が撮像する方向を意味していてもよい。「撮像装置1010が向いている方向」は、例えば、撮像装置1010から見て撮像装置1010の撮像範囲が広がる方向を意味していてもよい。「撮像装置1010が向いている方向」は、例えば、撮像装置1010の光学系(例えば、レンズ等を含む光学系)が向いている方向を意味していてもよい。「撮像装置1010が向いている方向」は、例えば、撮像装置1010の光学系の光軸が延びる方向を意味していてもよい。
【0014】
このような第1実施形態の認証システム1000は、認証システム1000のサイズを小さくすることができるという効果を享受することができる。つまり、第1実施形態における認証システム1000は、認証システムのサイズが過度に大きくなってしまうという技術的課題を適切に解決することができる。
【0015】
(2)第2実施形態
続いて、認証システム及び撮像装置の第2実施形態について説明する。以下では、図2を参照しながら、認証システム及び撮像装置の第2実施形態が適用された認証システムSYSについて説明する。尚、以下の説明では、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸から構成される3次元座標系を用いて、認証システムSYSを構成する構成要素の位置関係について説明する。X軸及びY軸の夫々は、水平面に沿った軸(つまり、水平方向に延びる軸)であり、Z軸は、水平面に直交する軸(つまり、鉛直方向に延びる軸)である。
【0016】
(2-1)認証システムSYSの全体構成
初めに、図2を参照しながら、第2実施形態における認証システムSYSの全体構成について説明する。図2は、第2実施形態における認証システムSYSの全体構成を示すブロック図である。
【0017】
図2に示すように、認証システムSYSは、撮像ユニット1と、制御ユニット2と、ゲートユニット3とを備える。尚、撮像ユニット1、制御ユニット2及びゲートユニット3は、夫々、撮像装置、制御装置及びゲート装置と称されてもよい。
【0018】
撮像ユニット1は、対象(図3(a)参照)の少なくとも一部を撮像可能である。対象は、例えば、人物を含んでいてもよい。対象は、人物とは異なる動物(例えば、犬及び猫等の哺乳類、スズメ等の鳥類、ヘビ等の爬虫類、カエル等の両生類及び金魚等の魚類の少なくとも一つ)を含んでいてもよい。対象は、無生物たる物体を含んでいてもよい。無生物たる物体は、人物又は動物を模したロボットを含んでいてもよい。以下の説明では、対象が人物(以下、“対象人物P”と称する)となる例について説明する。
【0019】
撮像ユニット1は、対象人物Pの少なくとも一部を撮像することで、対象人物Pの少なくとも一部が写り込んだ人物画像IMGを生成可能である。具体的には、後に詳述するように、撮像ユニット1は、対象人物Pの虹彩を撮像することで、対象人物Pの虹彩が写り込んだ虹彩画像IMG_Iを、人物画像IMGとして生成可能である。更に、撮像ユニット1は、対象人物Pの顔を撮像することで、対象人物Pの顔が写り込んだ顔画像IMG_Fを、人物画像IMGとして生成可能であってもよい。
【0020】
尚、虹彩画像IMG_Iには、虹彩とは異なる対象人物Pの部位が写り込んでいてもよい。この場合であっても、後に詳述するように、虹彩画像IMG_Iに写り込んだ対象人物Pの虹彩を用いて対象人物Pが認証されるため、虹彩とは異なる対象人物Pの部位が虹彩画像IMG_Iに写り込んでいたとしても問題が生ずることはない。或いは、虹彩画像IMG_Iに虹彩とは異なる対象人物Pの部位が写り込んでいる一方で対象人物Pの虹彩が写り込んでいない場合には、後に詳述するように、撮像ユニット1は、回転ミラー13を回転させることで及び/又は虹彩カメラ12の位置を調整することで、対象人物Pの虹彩が写り込んだ虹彩画像IMG_Iを生成してもよい。同様に、顔画像IMG_Fには、顔とは異なる対象人物Pの部位が写り込んでいてもよい。この場合であっても、後に詳述するように、顔画像IMG_Fに写り込んだ対象人物Pの顔を用いて対象人物Pの目の位置が特定されるため、顔とは異なる対象人物Pの部位が顔画像IMG_Fに写り込んでいたとしても問題が生ずることはない。或いは、顔画像IMG_Fに顔とは異なる対象人物Pの部位が写り込んでいる一方で対象人物Pの顔が写り込んでいない場合には、後に詳述するように、撮像ユニット1は、顔カメラ11の位置を調整することで、対象人物Pの顔が写り込んだ顔画像IMG_Fを生成してもよい。
【0021】
制御ユニット2は、撮像ユニット1から人物画像IMGを取得し、人物画像IMGを用いて、対象人物Pを認証するための認証動作を行う。第2実施形態では、制御ユニット2は、撮像ユニット1から虹彩画像IMG_Iを取得し、虹彩画像IMG_Iを用いて、対象人物Pを認証するための認証動作を行う。つまり、制御ユニット2は、虹彩認証に関する認証動作を行う。具体的には、制御ユニット2は、取得した虹彩画像IMG_Iに写り込んでいる対象人物Pの虹彩のパターンに基づいて、取得した虹彩画像IMG_Iに写り込んでいる対象人物Pが、予め登録された人物(以降、“登録人物”と称する)と同一であるか否かを判定する。虹彩画像IMG_Iに写り込んでいる対象人物Pが登録人物と同一であると判定された場合には、対象人物Pの認証が成功したと判定される。一方で、虹彩画像IMG_Iに写り込んでいる対象人物Pが登録人物と同一でないと判定された場合には、対象人物Pの認証が失敗したと判定される。
【0022】
制御ユニット2は、認証動作の少なくとも一部として、対象人物Pの少なくとも一部を撮像するように撮像ユニット1を制御する動作を行ってもよい。例えば、制御ユニット2は、対象人物Pの少なくとも一部を撮像するように撮像ユニット1を制御するための撮像制御信号を撮像ユニット1に出力することで、撮像ユニット1を制御してもよい。
【0023】
ゲートユニット3は、対象人物Pの通過を制御可能な装置である。ゲートユニット3の構成の一例が図3(a)及び図3(b)に示されている。図3(a)は、ゲートユニット3の構成の一例を示す上面図であり、図3(b)は、ゲートユニット3の構成の一例を示す斜視図である。図3(a)及び図3(b)に示すように、ゲートユニット3は、一対のガイド壁31と、第1フラッパーゲート32と、第2フラッパーゲート33と、近接センサ34と、少なくとも一つの照明装置36とを備えている。但し、ゲートユニット3の構成が図3(a)及び図3(b)に示す構成に限定されることはない。或いは、そもそも、認証システムSYSは、ゲートユニット3を備えていなくてもよい。
【0024】
一対のガイド壁31は、一対のガイド壁31の間に、対象人物Pが通過するためのレーン35を形成する。このため、一対のガイド壁31の夫々は、レーン35が延びる方向(図3(a)及び図3(b)に示す例では、Y軸方向)に沿って延びる。
【0025】
第1フラッパーゲート32は、対象人物Pの通過を制御可能な板状の部材である。尚、第1フラッパーゲート32に加えて又は代えて、対象人物Pの通過を制御可能な棒状の部材であるゲートバーが用いられてもよい。第1フラッパーゲート32の状態は、近接センサ34による対象人物Pの検出結果に基づいて、制御ユニット2によって制御される。具体的には、近接センサ34が対象人物Pを検出した場合には、第1フラッパーゲート32の状態は、対象人物Pが第1フラッパーゲート32を通過可能な開状態となるように、制御ユニット2によって制御される。一方で、近接センサ34が対象人物Pを検出していない場合には、第1フラッパーゲート32の状態は、対象人物Pが第1フラッパーゲート32を通過不可能な閉状態となるように、制御ユニット2によって制御される。但し、第1フラッパーゲート32の状態は、近接センサ34による対象人物Pの検出結果に基づいて、制御ユニット2による制御とは無関係に制御されてもよい。
【0026】
第2フラッパーゲート33は、対象人物Pの通過を制御可能な板状の部材である。尚、第2フラッパーゲート33に加えて又は代えて、対象人物Pの通過を制御可能な棒状の部材であるゲートバーが用いられてもよい。第2フラッパーゲート33の状態は、制御ユニット2による対象人物Pの認証結果に基づいて、制御ユニット2によって制御される。具体的には、制御ユニット2による対象人物Pの認証が成功した(つまり、対象人物Pが登録人物に一致したと判定された)場合には、第2フラッパーゲート33の状態は、対象人物Pが第2フラッパーゲート33を通過可能な開状態となるように、制御ユニット2によって制御される。一方で、制御ユニット2による対象人物Pの認証が失敗した(つまり、対象人物Pが登録人物に一致しないと判定された)場合には、第2フラッパーゲート33の状態は、対象人物Pが第2フラッパーゲート33を通過不可能な閉状態となるように、制御ユニット2によって制御される。但し、第1フラッパーゲート32の状態は、制御ユニット2による対象人物Pの認証結果に基づいて、制御ユニット2による制御とは無関係に制御されてもよい。
【0027】
近接センサ34は、対象人物Pを検出可能な検出装置である。近接センサ34は、ゲートユニット3に近づいた対象人物Pを検出可能であってもよい。近接センサ34は、ゲートユニット3が形成するレーン35に進入した対象人物Pを検出可能であってもよい。近接センサ34は、ゲートユニット3が形成するレーン35に進入しようとしている対象人物Pを検出可能であってもよい。
【0028】
図3(a)及び図3(b)に示す例では、近接センサ34は、光学的に対象人物Pを検出可能である。具体的には、近接センサ34は、一対のガイド壁31に夫々配置される光射出装置341及び受光装置342を含む。光射出装置341は、レーン35を横切る方向に伝搬する検出光DLを射出可能である。受光装置342は、光射出装置341が射出した検出光DLを受光可能である。対象人物Pがレーン35に進入していない場合には、光射出装置341が射出した検出光DLが対象人物Pによって遮られることがないがゆえに、受光装置342は、光射出装置341が射出した検出光DLを受光する。一方で、対象人物Pがレーン35に進入した(特に、検出光DLの光路上に進入し)場合には、光射出装置341が射出した検出光DLが対象人物Pによって遮られるがゆえに、受光装置342は、光射出装置341が射出した検出光DLを受光しない。従って、受光装置342による受光結果は、対象人物Pの検出結果を示している。
【0029】
上述した撮像ユニット1は、ゲートユニット3が形成するレーン35に位置する対象人物Pを撮像する。このため、撮像ユニット1は、ゲートユニット3に配置されていてもよい。例えば、図3(a)及び図3(b)に示すように、撮像ユニット1は、ガイド壁31に配置されていてもよい。但し、撮像ユニット1の配置位置が図3(a)及び図3(b)に示す位置に限定されることはない。撮像ユニット1は、ゲートユニット3に配置されていなくてもよい。撮像ユニット1は、ゲートユニット3とは異なる部材に配置されていなくてもよい。例えば、撮像ユニット1は、ゲートユニット3の近傍に配置された支持部材(例えば、壁部材又はポール部材等)に取り付けられていてもよい。
【0030】
照明装置36は、例えば、ガイド壁31に配置されていてもよい。照明装置36は、撮像ユニット1(特に、後述する虹彩カメラ12)がレーン35に位置する対象人物Pを撮像する際に、対象人物P(特に、その目)を照明光ILで照明する。後に詳述するように、虹彩カメラ12は、第1フラッパーゲート32と第2フラッパーゲート33との間に位置する対象人物Pの虹彩を撮像する。このため、照明装置36は、第1フラッパーゲート32と第2フラッパーゲート33との間に位置する対象人物Pの虹彩を照明光ILで照明可能な位置に配置されていてもよい。尚、図3(b)は、照明装置36が縦長の形状を有する例を示しているが、照明装置36の形状が図3(b)に示す形状に限定されることはない。
【0031】
撮像ユニット1は、レーン35に沿って移動している対象人物P(例えば、撮像ユニット1の前で静止することなく移動する対象人物P)を撮像してもよい。或いは、撮像ユニット1は、レーン35内で静止している対象人物P(例えば、撮像ユニット1の前で静止している対象人物P)を撮像してもよい。
【0032】
再び図2において、制御ユニット2は、認証動作の少なくとも一部として、認証結果に基づいてゲートユニット3を制御する動作を行ってもよい。例えば、制御ユニット2は、第1フラッパーゲート32の状態を開状態と閉状態との間で切り替えるためのゲート制御信号をゲートユニット3に出力することで、ゲートユニット3を制御してもよい。例えば、制御ユニット2は、第2フラッパーゲート33の状態を開状態と閉状態との間で切り替えるためのゲート制御信号をゲートユニット3に出力することで、ゲートユニット3を制御してもよい。
【0033】
(2-2)撮像ユニット1の構成
続いて、図4から図5を参照しながら、撮像ユニット1の構成について説明する。図4は、撮像ユニット1の構成を示すブロック図である。図5は、撮像ユニット1の外観を示す斜視図である。
【0034】
図4及び図5に示すように、撮像ユニット1は、顔カメラ11と、後述する付記における「撮像手段」の一具体例である虹彩カメラ12と、後述する付記における「反射手段」及び「第1反射手段」の夫々の一具体例である回転ミラー13と、後述する付記における「回転駆動手段」の一具体例である回転モータ14と、後述する付記における「表示手段」の一具体例であるディスプレイ15と、距離センサ16とを備えている。
【0035】
顔カメラ11は、対象人物Pの顔を撮像可能な撮像装置である。顔カメラ11は、典型的には、対象人物Pの顔を含む対象人物Pの少なくとも一部を撮像可能である。顔カメラ11は、対象人物Pの顔を撮像することで、対象人物Pの顔が写り込んだ顔画像IMG_Fを生成可能である。
【0036】
虹彩カメラ12は、対象人物Pの虹彩を少なくとも撮像可能な撮像装置である。虹彩カメラ12は、典型的には、対象人物Pの虹彩を含む対象人物Pの少なくとも一部を撮像可能である。虹彩カメラ12は、対象人物Pの虹彩を撮像することで、対象人物Pの虹彩が写り込んだ虹彩画像IMG_Iを生成可能である。
【0037】
回転ミラー13は、対象人物Pからの光を虹彩カメラ12に向けて反射する光学素子である。このため、虹彩カメラ12は、回転ミラー13を介して、対象人物Pの虹彩を撮像する。具体的には、上述したように、虹彩カメラ12が対象人物Pの虹彩を撮像する場合には、対象人物Pの虹彩は、照明装置36からの照明光ILで照明されている。照明光ILは、例えば、近赤外光(つまり、波長が近赤外線の波長帯域に含まれる光)を含んでいてもよい。照明光で照明されている虹彩からは、照明光の反射光(或いは、反射光に加えて又は代えて散乱光)が射出される。従って、回転ミラー13が虹彩カメラ12に向けて反射する対象人物Pからの光は、虹彩から射出される照明光の反射光及び散乱光の少なくとも一つを含んでいてもよい。虹彩カメラ12は、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semconductor)等の撮像素子122(後述する図7参照)を用いて対象人物Pからの光を受光することで、対象人物Pの虹彩を撮像する。尚、虹彩カメラ12が回転ミラー13を介して対象人物Pの虹彩を撮像する技術的理由については、後に虹彩カメラ12の配置について説明する際に合わせて説明する。
【0038】
回転モータ14は、制御ユニット2の制御下で、所定の回転軸周りに回転ミラー13を回転させるための駆動装置である。尚、回転モータ14が回転ミラー13を回転させる技術的理由については、後に虹彩カメラ12の配置について説明する際に合わせて説明する。
【0039】
ディスプレイ15は、所望の情報を表示可能な表示装置である。例えば、ディスプレイ15は、虹彩画像IMG_Iを用いた対象人物Pの認証に関する情報を表示可能であってもよい。対象人物Pの認証に関する情報は、対象人物Pの認証結果に関する情報を含んでいてもよい。対象人物Pの認証に関する情報は、認証に成功した対象人物Pに対して通知するべき情報(例えば、第2フラッパーゲート33の通過が許可されたことを通知する情報)を含んでいてもよい。対象人物Pの認証に関する情報は、認証に失敗した対象人物Pに対して通知するべき情報(例えば、認証に失敗したがゆえに、次に対象人物Pが行うべき動作を通知する情報)を含んでいてもよい。
【0040】
尚、撮像ユニット1は、ディスプレイ15に加えて又は代えて、所望の情報を出力可能な任意の出力装置を備えていてもよい。例えば、撮像ユニット1は、所望の情報を音声として出力可能な音声出力装置(例えば、スピーカ)を備えていてもよい。例えば、撮像ユニット1は、所望の情報が記載された紙を出力可能な紙出力装置(例えば、プリンタ)を備えていてもよい。
【0041】
距離センサ16は、撮像ユニット1から対象人物Pまでの距離を計測可能な計測装置である。距離センサ16は、撮像ユニット1から対象人物Pまでの距離を光学的に計測可能であってもよい。距離を光学的に計測可能な距離センサ16の一例として、TOF(Time Of Flight)方式のセンサ、三角測量方式のセンサ、LiDAR(Light Detection and Ranging)及びステレオカメラの少なくとも一つがあげられる。但し、撮像ユニット1は、距離センサ16を備えていなくてもよい。
【0042】
顔カメラ11、虹彩カメラ12、回転ミラー13、回転モータ14、ディスプレイ15及び距離センサ16は、筐体19内に配置されている。つまり、顔カメラ11、虹彩カメラ12、回転ミラー13、回転モータ14、ディスプレイ15及び距離センサ16は、筐体19内の収容空間SP1(後述する図6及び図7参照)に配置されている。筐体19は、図5に示すように、前筐体191と、後筐体192とを備えている。前筐体191と後筐体192とが組み合わせられることで、前筐体191と後筐体192との間に収容空間SP1が形成され、この収容空間SP1に顔カメラ11、虹彩カメラ12、回転ミラー13、回転モータ14、ディスプレイ15及び距離センサ16が配置される。
【0043】
ここで、図6及び図7を参照しながら、筐体19内における顔カメラ11、虹彩カメラ12、回転ミラー13及びディスプレイ15の配置方法について説明する。図6は、撮像ユニット1の断面(特に、顔カメラ11、ディスプレイ15及び筐体19を含む断面)を示す断面図である。図7は、撮像ユニット1の断面(特に、虹彩カメラ12、回転ミラー13、ディスプレイ15及び筐体19を含む断面)を示す断面図である。
【0044】
図6及び図7に示すように、筐体19内において、顔カメラ11、虹彩カメラ12及びディスプレイ15は、支持板18によって支持されていてもよい。つまり、顔カメラ11、虹彩カメラ12及びディスプレイ15は、顔カメラ11、虹彩カメラ12及びディスプレイ15が支持板18に取り付けられた状態で、筐体19に収容されていてもよい。図6及び図7に示す例では、支持板18は、XZ平面に沿った板状の部材であるが、その形状が図6及び図7に示す形状に限定されることはない。但し、顔カメラ11、虹彩カメラ12及びディスプレイ15の少なくとも一つは、支持板18によって支持されていなくてもよい。顔カメラ11、虹彩カメラ12及びディスプレイ15の少なくとも一つに加えて又は代えて、回転ミラー13、回転モータ14及び距離センサ16の少なくとも一つが、支持板18によって支持されていてもよい。
【0045】
支持板18の少なくとも一部は、筐体19の外部に露出していてもよい。例えば、図6及び図7(更には、図5)に示す例では、支持板18は、前筐体191及び後筐体192によって挟み込まれるように、筐体19内に収容されている。この場合、図6及び図7(更には、図5)に示すように、支持板18の外縁の少なくとも一部が筐体19の外部に露出していてもよい。その結果、顔カメラ11、虹彩カメラ12及びディスプレイ15が発する熱が、支持板18を介して、筐体19の外部に放出可能となる。従って、顔カメラ11、虹彩カメラ12及びディスプレイ15の動作に対して熱が与える影響が低減される。尚、顔カメラ11、虹彩カメラ12及びディスプレイ15が発する熱が支持板18を介して筐体19の外部に放出される場合には、支持板18は、放熱を促進可能な部材(例えば、金属性の部材)であってもよい。但し、支持板18は、筐体19の外部に露出していなくてもよい。
【0046】
支持板18とは異なる部材が、筐体19内に生ずる熱を筐体19の外部に放出するための部材として用いられてもよい。例えば、図5に示すように、撮像ユニット1が連結部材198を介してゲートユニット3に取り付けられる場合には、連結部材198が、筐体19内に生ずる熱を筐体19の外部に放出するための部材として用いられてもよい。また、放熱をより一層促進するために、撮像ユニット1は、放熱ファンを備えていてもよい。放熱ファンは、筐体19内に生ずる熱を筐体19の外部に放出するように駆動してもよい。例えば、放熱ファンは、筐体19に形成された開口(例えば、後述する開口194、195及び197のうちの少なくとも一つ)を介して、筐体19内に生ずる熱を筐体19の外部に放出するように駆動してもよい。
【0047】
図6に示すように、顔カメラ11は、対象人物Pが存在する方向を向くように配置されていてもよい。ここで、「顔カメラ11が向いている方向」は、例えば、顔カメラ11が撮像する方向を意味していてもよい。この場合、筐体19内において、顔カメラ11は、対象人物Pが存在する方向に存在する空間を撮像するように配置されていてもよい。「顔カメラ11が向いている方向」は、例えば、顔カメラ11から見て顔カメラ11の撮像範囲が広がる方向を意味していてもよい。この場合、筐体19内において、顔カメラ11は、対象人物Pが存在する方向に撮像範囲が広がるように配置されていてもよい。「顔カメラ11が向いている方向」は、例えば、顔カメラ11の光学系111(例えば、レンズ等を含む光学系)が向いている方向を意味していてもよい。この場合、筐体19内において、顔カメラ11は、対象人物Pが存在する方向を光学系111が向くように配置されていてもよい。「顔カメラ11が向いている方向」は、例えば、顔カメラ11の光学系111の光軸AX1が延びる方向を意味していてもよい。この場合、筐体19内において、顔カメラ11は、対象人物Pが存在する方向に向かって光軸AX1が延びるように配置されていてもよい。
【0048】
図6に示す例では、対象人物Pは、顔カメラ11から見て横方向(例えば、Y軸方向であり、一例として水平方向)に位置している。つまり、対象人物Pは、顔カメラ11から見て横方向に沿って離れた位置に位置している。この場合、顔カメラ11は、横方向を向くように配置されてもよい。例えば、顔カメラ11は、顔カメラ11から見て顔カメラ11の撮像範囲が顔カメラ11の横方向に広がるように、配置されていてもよい。例えば、顔カメラ11は、顔カメラ11の光学系111の光軸AX1が横方向(例えば、XY平面に沿った方向であり、一例として水平方向)に沿って延びるように、配置されていてもよい。
【0049】
顔カメラ11は、対象人物Pからの光(例えば、対象人物Pの顔からの光)L1を、光学系111を介して撮像素子112で受光することで、対象人物Pを撮像する。光L1は、筐体19(特に、前筐体191)に形成された開口194(図5及び図6参照)を介して、顔カメラ11(特に、光学系111)に入射する。更に、顔カメラ11が支持板18に支持されている場合には、光L1は、支持板18に形成された開口184を介して、顔カメラ11(特に、光学系111)に入射してもよい。或いは、顔カメラ11は、支持板18に形成された開口184内に顔カメラ11の少なくとも一部が配置されるように、配置されていてもよい。その結果、筐体19に収容されている顔カメラ11は、筐体19の外部に位置する対象人物Pを撮像することで、顔画像IMG_Fを生成することができる。
【0050】
一方で、図7に示すように、虹彩カメラ12は、対象人物Pが存在する方向とは異なる方向を向くように配置されていてもよい。ここで、「虹彩カメラ12が向いている方向」は、例えば、虹彩カメラ12が撮像する方向を意味していてもよい。この場合、筐体19内において、虹彩カメラ12は、対象人物Pが存在する方向とは異なる方向に存在する空間を撮像するように配置されていてもよい。「虹彩カメラ12が向いている方向」は、例えば、虹彩カメラ12から見て虹彩カメラ12の撮像範囲が広がる方向を意味していてもよい。この場合、筐体19内において、虹彩カメラ12は、対象人物Pが存在する方向とは異なる方向に撮像範囲が広がるように配置されていてもよい。「虹彩カメラ12が向いている方向」は、例えば、虹彩カメラ12の光学系121(例えば、レンズ等を含む光学系)が向いている方向を意味していてもよい。この場合、筐体19内において、虹彩カメラ12は、対象人物Pが存在する方向とは異なる方向を光学系121が向くように配置されていてもよい。「虹彩カメラ12が向いている方向」は、例えば、虹彩カメラ12の光学系121の光軸AX2が延びる方向を意味していてもよい。この場合、筐体19内において、虹彩カメラ12は、対象人物Pが存在する方向とは異なる方向に向かって光軸AX2が延びるように配置されていてもよい。
【0051】
図7に示す例では、対象人物Pは、虹彩カメラ12から見て横方向(例えば、Y軸方向であり、一例として水平方向)に位置している。つまり、対象人物Pは、虹彩カメラ12から見て横方向に沿って離れた位置に位置している。この場合、虹彩カメラ12は、横方向とは異なる方向を向くように配置されていてもよい。一例として、虹彩カメラ12は、横方向とは異なる縦方向(例えば、Z軸方向であり、一例として鉛直方向)を向くように配置されていてもよい。例えば、虹彩カメラ12は、虹彩カメラ12から見て虹彩カメラ12の撮像範囲が虹彩カメラ12の縦方向に広がるように、配置されていてもよい。例えば、虹彩カメラ12は、虹彩カメラ12の光学系121の光軸AX2が縦方向に沿って延びるように配置されていてもよい。一例として、虹彩カメラ12は、光軸AX2がXY平面に交差する方向であり、一例として鉛直方向又はZ軸方向)に沿って延びるように、配置されていてもよい。
【0052】
虹彩カメラ12は、対象人物Pからの光(例えば、対象人物Pの虹彩からの光)L2を、光学系121を介して撮像素子122で受光することで、対象人物Pを撮像する。但し、対象人物Pからの光L2は、対象人物Pが存在する方向とは異なる方向を向いている虹彩カメラ12の光学系121に直接的に入射することは難しい。このため、第2実施形態では、虹彩カメラ12は、回転ミラー13を介して、光L2を受光する。つまり、光L2は、回転ミラー13を介して、虹彩カメラ12の光学系121に入射する。具体的には、回転ミラー13は、光L2の光路上に配置される。光L2は、回転ミラーの反射面131に入射する。反射面131に入射した光L2は、反射面131によって反射される。反射面131は、光L2を、虹彩カメラ12に向けて(特に、光学系121に向けて)反射する。その結果、対象人物Pが存在する方向とは異なる方向を虹彩カメラ12が向いている場合であっても、虹彩カメラ12は、対象人物Pを撮像することができる。
【0053】
光L2は、筐体19(特に、前筐体191)に形成された開口195(図5及び図7参照)を介して、虹彩カメラ12(特に、光学系121)に入射する。更に、虹彩カメラ12が支持板18に支持されている場合には、対象人物Pからの光は、支持板18に形成された開口185を介して、虹彩カメラ12(特に、光学系121)に入射してもよい。その結果、筐体19に収容されている虹彩カメラ12は、筐体19の外部に位置する対象人物Pを撮像することで、虹彩画像IMG_Iを生成することができる。
【0054】
回転ミラー13が虹彩カメラ12に向けて反射する光L2は、虹彩から射出される照明光の反射光及び散乱光の少なくとも一つ(例えば、近赤外光)を含んでいてもよいことは、上述したとおりである。この場合、開口195は、近赤外光が通過可能である一方で可視光の一部を吸収する又は反射する部材で埋められていてもよい。開口195は、近赤外光が通過可能である一方で可視光に対して所望の色を呈する部材で埋められていてもよい。その結果、筐体19の外観のデザイン性(つまり、撮像ユニット1の外観のデザイン性)が向上する。更には、開口195を介して対象人物Pが撮像ユニット1の内部構造を視認しにくくなるため、対象人物Pの視線を、撮像ユニット1の外部に露出しているディスプレイに誘導しやすくなる。
【0055】
顔カメラ11の撮像範囲の大きさは、虹彩カメラ12の撮像範囲の大きさと異なっていてもよい。具体的には、図8に示すように、顔カメラ11の撮像範囲は、虹彩カメラ12よりも広くてもよい。つまり、顔カメラ11の画角θ1は、虹彩カメラ12の画角θ2よりも大きくもよい。この場合、対象人物Pの身長の違い等に起因して、顔カメラ11の撮像範囲内の特定の位置に対象人物Pの目が位置するとは限らない。例えば、第1の身長を有する第1の対象人物Pの目が顔カメラ11の撮像範囲内の第1の位置に位置する一方で、第1の身長よりも低い第2の身長を有する第2の対象人物Pの目が顔カメラ11の撮像範囲内の第1の位置よりも低い第2の位置に位置する可能性がある。しかしながら、虹彩カメラ12の画角θ2が相対的に小さいがゆえに、虹彩カメラ12の撮像範囲に、第1の対象人物Pの目と第2の対象人物Pの目との双方が含まれるとは限らない。そこで、第2実施形態では、撮像ユニット1は、回転モータ14を用いて回転ミラー13を回転させることで、虹彩カメラ12の撮像範囲を移動させてもよい。つまり、撮像ユニット1は、回転モータ14を用いて回転ミラー13の向きを変えることで、虹彩カメラ12の撮像範囲を移動させてもよい。例えば、撮像ユニット1は、図9に示すように、回転ミラー13を回転させることで、虹彩カメラ12の撮像範囲を縦方向(言い換えれば、上下方向であり、例えば、Z軸方向)に沿って移動させてもよい。具体的には、撮像ユニット1は、虹彩カメラ12の撮像範囲を移動させる方向に交差する回転軸(例えば、水平方向に沿った回転軸)周りに回転ミラー13を回転させることで、虹彩カメラ12の撮像範囲を縦方向に沿って移動させてもよい。一例として、撮像ユニット1は、虹彩カメラ12の撮像範囲を移動させる方向(例えば、Z軸方向)及び対象人物Pが存在する方向(例えば、Y軸方向)の双方に交差する回転軸(例えば、X軸に沿った回転軸)周りに回転ミラー13を回転させることで、虹彩カメラ12の撮像範囲を縦方向に沿って移動させてもよい。
【0056】
水平方向に沿った回転軸周りに回転ミラー13が回転する場合には、図10に示すように、回転ミラー13を回転させる回転モータ14は、回転モータ14のモータ軸140が水平方向に沿って延びるように、筐体19内に配置されていてもよい。この場合、回転モータ14の水平方向のサイズ(つまり、モータ軸140が延びる方向におけるサイズ)が、撮像ユニット1の水平方向のサイズを決定づける一つの要素となる。具体的には、撮像ユニット1の水平方向のサイズは、回転モータ14の水平方向のサイズよりも大きくなる。但し、回転モータ14の水平方向のサイズが過度に大きくなることはないがゆえに、撮像ユニット1の水平方向のサイズが過度に大きくなることはない。
【0057】
再び図6及び図7において、ディスプレイ15は、情報を表示可能な表示面151が筐体19の外部に露出するように、筐体19に収容される。具体的には、ディスプレイ15は、筐体19(特に、前筐体191)に形成された開口196(図5から図7参照)を介して表示面151が筐体19の外部に露出するように、筐体19に収容される。つまり、ディスプレイ15は、開口196を介して表示面151が筐体19の外部から視認可能となるように、筐体19に収容される。
【0058】
収容空間SP1のうちのディスプレイ15に隣接する空間SP2(図7参照)は、虹彩カメラ12の少なくとも一部を収容するための空間として用いられてもよい。つまり、虹彩カメラ12の少なくとも一部は、ディスプレイ15に隣接する空間SP2に配置されていてもよい。具体的には、虹彩カメラ12の少なくとも一部は、表示面151とは反対側に位置するディスプレイ15の裏面152に隣接する空間SP2に配置されてもよい。
【0059】
距離センサ16は、筐体19(特に、前筐体191)に形成された開口197(図5参照)を介して撮像ユニット1から対象人物Pまでの距離を計測するように、筐体19に収容される。例えば、撮像ユニット1から対象人物Pまでの距離を光学的に計測可能な距離センサ16が筐体19に収容される場合は、距離センサ16は、開口197を介して計測光を射出する(例えば、計測光を対象人物Pに照射する)ように、筐体19に収容されていてもよい。
【0060】
(2-3)制御ユニット2の構成
続いて、図11を参照しながら、制御ユニット2の構成について説明する。図11は、制御ユニット2の構成を示すブロック図である。
【0061】
図11に示すように、制御ユニット2は、演算装置21と、記憶装置22と、通信装置23とを備えている。更に、制御ユニット2は、入力装置24と、出力装置25とを備えていてもよい。但し、制御ユニット2は、入力装置24及び出力装置25のうちの少なくとも一つを備えていなくてもよい。演算装置21と、記憶装置22と、通信装置23と、入力装置24と、出力装置25とは、データバス26を介して接続されていてもよい。
【0062】
演算装置21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Proecssing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Demand-Side Platform)及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)のうちの少なくとも一つを含む。演算装置21は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、演算装置21は、記憶装置22が記憶しているコンピュータプログラムを読み込んでもよい。例えば、演算装置21は、コンピュータで読み取り可能であって且つ一時的でない記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、制御ユニット2が備える図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。演算装置21は、通信装置23(或いは、その他の通信装置)を介して、制御ユニット2の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、ダウンロードしてもよい又は読み込んでもよい)。演算装置21は、読み込んだコンピュータプログラムを実行する。その結果、演算装置21内には、制御ユニット2が行うべき動作(例えば、上述した認証動作)を実行するための論理的な機能ブロックが実現される。つまり、演算装置21は、制御ユニット2が行うべき動作(言い換えれば、処理)を実行するための論理的な機能ブロックを実現するためのコントローラとして機能可能である。
【0063】
図11には、認証動作を実行するために演算装置21内に実現される論理的な機能ブロックの一例が示されている。図11に示すように、演算装置21内には、後述する付記における「認証手段」の一具体例である虹彩認証部211と、後述する付記における「回転制御手段」の一具体例であるミラー制御部212と、ゲート制御部213とが実現される。尚、虹彩認証部211、ミラー制御部212及びゲート制御部213の夫々の動作については、後に図12等を参照しながら詳述するため、ここでの説明を省略する。
【0064】
記憶装置22は、所望のデータを記憶可能である。例えば、記憶装置22は、演算装置21が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶していてもよい。記憶装置22は、演算装置21がコンピュータプログラムを実行している場合に演算装置21が一時的に使用するデータを一時的に記憶してもよい。記憶装置22は、制御ユニット2が長期的に保存するデータを記憶してもよい。尚、記憶装置22は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。つまり、記憶装置22は、一時的でない記録媒体を含んでいてもよい。
【0065】
通信装置23は、不図示の通信ネットワークを介して、撮像ユニット1及びゲートユニット3の夫々と通信可能である。第2実施形態では、通信装置23は、撮像ユニット1から人物画像IMG(具体的には、顔画像IMG_F及び虹彩画像IMG_I)を受信(つまり、取得)する。更に、対象人物Pの少なくとも一部を撮像するように撮像ユニット1を制御するための撮像制御信号を撮像ユニット1に送信する。通信装置23は、第1フラッパーゲート32及び第2フラッパーゲート33の夫々の状態を開状態と閉状態との間で切り替えるためのゲート制御信号をゲートユニット3に送信する。
【0066】
入力装置24は、制御ユニット2の外部からの制御ユニット2に対する情報の入力を受け付ける装置である。例えば、入力装置24は、制御ユニット2のオペレータが操作可能な操作装置(例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルのうちの少なくとも一つ)を含んでいてもよい。例えば、入力装置24は、制御ユニット2に対して外付け可能な記録媒体にデータとして記録されている情報を読み取り可能な読取装置を含んでいてもよい。
【0067】
出力装置25は、制御ユニット2の外部に対して情報を出力する装置である。例えば、出力装置25は、情報を画像として出力してもよい。つまり、出力装置25は、出力したい情報を示す画像を表示可能な表示装置(いわゆる、ディスプレイ)を含んでいてもよい。例えば、出力装置25は、情報を音声として出力してもよい。つまり、出力装置25は、音声を出力可能な音声装置(いわゆる、スピーカ)を含んでいてもよい。例えば、出力装置25は、紙面に情報を出力してもよい。つまり、出力装置25は、紙面に所望の情報を印刷可能な印刷装置(いわゆる、プリンタ)を含んでいてもよい。
【0068】
(2-4)制御ユニット2の認証動作
続いて、図12を参照しながら、制御ユニット2が行う認証動作について説明する。図12は、制御ユニット2が行う認証動作の流れを示すフローチャートである。
【0069】
図12に示すように、ゲート制御部213は、ゲートユニット3の近接センサ34が対象人物Pを検出したか否かを判定する(ステップS101)。
【0070】
ステップS101における判定の結果、近接センサ34が対象人物Pを検出していないと判定された場合には(ステップS101:No)、ゲート制御部213は、近接センサ34が対象人物Pを検出したか否かを判定し続ける。この場合、ゲート制御部213は、通信装置23を介して、第1フラッパーゲート32の状態を閉状態に設定するためのゲート制御信号を、ゲートユニット3に送信してもよい。その結果、第1フラッパーゲート32の状態が閉状態のまま維持される。
【0071】
他方で、ステップS101における判定の結果、近接センサ34が対象人物Pを検出したと判定された場合には(ステップS101:Yes)、ゲート制御部213は、通信装置23を介して、第1フラッパーゲート32の状態を開状態に設定するためのゲート制御信号を、ゲートユニット3に送信する(ステップS102)。その結果、図13に示すように、第1フラッパーゲート32の状態が開状態に切り替わり、対象人物Pがレーン35に進入可能となる。但し、上述したように、ゲート制御部213による制御とは無関係に、近接センサ34が対象人物Pを検出した場合に、ゲートユニット3は、第1フラッパーゲート32の状態を開状態に切り替えてもよい。
【0072】
尚、顔カメラ11が第1フラッパーゲート32を通過していない対象人物Pの顔を撮像可能である場合には、ステップS101において、ゲート制御部213は、顔カメラ11が生成した顔画像IMG_Fに基づいて対象人物Pを認証してもよい。この場合、認証が成功した場合に、ステップS102において、ゲート制御部213は、第1フラッパーゲート32の状態を開状態に設定するためのゲート制御信号を、ゲートユニット3に送信してもよい。
【0073】
再び図12において、その後、虹彩認証部211は、距離センサ16による検出結果に基づいて、撮像ユニット1から対象人物Pまでの距離が、所定のトリガ距離以下になったか否かを判定する(ステップS103)。トリガ距離は、撮像ユニット1から顔カメラ11のピントが合う位置までの距離であってもよい。この場合、撮像ユニット1から対象人物Pまでの距離がトリガ距離以下になったか否かを判定する動作は、レーン35に進入してきた対象人物Pが、顔カメラ11のピントが合う位置まで進んだか否かを判定する動作と等価である。
【0074】
ステップS103における判定の結果、撮像ユニット1から対象人物Pまでの距離がトリガ距離以下になっていないと判定された場合には(ステップS103:No)、レーン35に進入してきた対象人物Pが、顔カメラ11のピントが合う位置までまだ進んでないと推定される。この場合、虹彩認証部211は、撮像ユニット1から対象人物Pまでの距離がトリガ距離以下になったか否かを判定し続ける。
【0075】
他方で、ステップS103における判定の結果、撮像ユニット1から対象人物Pまでの距離がトリガ距離以下になったと判定された場合には(ステップS103:Yes)、レーン35に進入してきた対象人物Pが、顔カメラ11のピントが合う位置まで既に進んだと推定される。この場合、虹彩認証部211は、通信装置23を介して、対象人物Pの顔を撮像するように顔カメラ11を制御するための撮像制御信号を、撮像ユニット1に送信する(ステップS104)。その結果、顔カメラ11は、対象人物Pの顔を撮像する。但し、上述したように、虹彩認証部211による制御とは無関係に、撮像ユニット1から対象人物Pまでの距離がトリガ距離以下になった場合に、顔カメラ11は、対象人物Pの顔を撮像してもよい。
【0076】
顔カメラ11が対象人物Pの顔を撮像する場合には、虹彩認証部211は、通信装置23を介して、所定のUI(User Interface)画面を表示するようにディスプレイ15を制御するための撮像制御信号を、撮像ユニット1に送信してもよい。所定のUI画面は、例えば、顔カメラ11に顔を向けるように対象人物Pを促す画面を含んでいてもよい。顔カメラ11を向くように対象人物Pを促すUI画面の一例が、図14に示されている。図14は、UI画面の一例として、対象人物Pの顔の位置を指定する丸い枠と共に、ディスプレイ15に顔を向ける(つまり、ディスプレイ15と共に配置されている顔カメラ11に顔を向ける)ように対象人物Pに促すメッセージを含むUI画面を示している。
【0077】
再び図12において、その後、虹彩認証部211は、通信装置23を介して、顔カメラ11から顔画像IMG_Fを取得し、取得した顔画像IMG_Fに基づいて、対象人物Pの目の位置(特に、縦方向における位置であり、例えば、Z軸方向における位置)を特定する(ステップS105)。その後、虹彩認証部211は、通信装置23を介して、ステップS105において特定した位置に位置する目を虹彩カメラ12が撮像可能となるように回転ミラー13を回転させるための撮像制御信号を、撮像ユニット1に送信する(ステップS106)。つまり、虹彩認証部211は、通信装置23を介して、ステップS105において特定した位置に位置する目が虹彩カメラ12の撮像範囲に含まれるように回転ミラー13を回転させるための撮像制御信号を、撮像ユニット1に送信する(ステップS106)。その結果、図15に示すように、撮像制御信号に基づいて回転モータ14が回転ミラー13を回転させ、虹彩カメラ12が対象人物Pの目を撮像可能となる。
【0078】
虹彩カメラ12が対象人物Pの目を撮像する場合には、照明装置36は、対象人物Pの目を照明光ILで照明する。例えば、ステップS106において回転ミラー13が回転した後に虹彩カメラ12が対象人物Pの目を撮像するがゆえに、照明装置36は、ステップS106において回転ミラー13が回転する前に、対象人物Pの目を照明光ILで照明し始めてもよい。例えば、ステップS104において顔カメラ11が対象人物Pの顔を撮像した後に虹彩カメラ12が対象人物Pの目を撮像するがゆえに、照明装置36は、ステップS104において顔カメラ11が対象人物Pの顔を撮像した後に、対象人物Pの目を照明光ILで照明し始めてもよい。例えば、ステップS102において第1フラッパーゲート32が開いた後に虹彩カメラ12が対象人物Pの目を撮像するがゆえに、照明装置36は、ステップS102において第1フラッパーゲート32が開いた後に、対象人物Pの目を照明光ILで照明し始めてもよい。
【0079】
再び図12において、その後、虹彩認証部211は、距離センサ16による検出結果に基づいて、撮像ユニット1から対象人物Pまでの距離が、所定のピント距離以下になったか否かを判定する(ステップS107)。ピント距離は、撮像ユニット1から虹彩カメラ12のピントが合う位置までの距離であってもよい。この場合、撮像ユニット1から対象人物Pまでの距離がピント距離以下になったか否かを判定する動作は、レーン35に進入してきた対象人物Pが、虹彩カメラ12のピントが合う位置まで進んだか否かを判定する動作と等価である。尚、ピント距離は、典型的には、上述したトリガ距離未満である。
【0080】
ステップS107における判定の結果、撮像ユニット1から対象人物Pまでの距離がピント距離以下になっていないと判定された場合には(ステップS107:No)、レーン35に進入してきた対象人物Pが、虹彩カメラ12のピントが合う位置までまだ進んでないと推定される。この場合、虹彩認証部211は、撮像ユニット1から対象人物Pまでの距離がピント距離以下になったか否かを判定し続ける。
【0081】
他方で、ステップS107における判定の結果、撮像ユニット1から対象人物Pまでの距離がピント距離以下になったと判定された場合には(ステップS107:Yes)、レーン35に進入してきた対象人物Pが、虹彩カメラ12のピントが合う位置まで既に進んだと推定される。この場合、虹彩認証部211は、通信装置23を介して、対象人物Pの目を撮像するように虹彩カメラ12を制御するための撮像制御信号を、撮像ユニット1に送信する(ステップS108)。その結果、虹彩カメラ12は、対象人物Pの顔を撮像する。但し、上述したように、虹彩認証部211による制御とは無関係に、撮像ユニット1から対象人物Pまでの距離がピント距離以下になった場合に、虹彩カメラ12は、対象人物Pの目を撮像してもよい。
【0082】
虹彩カメラ12が対象人物Pの目を撮像する場合においても、顔カメラ11が対象人物Pの顔を撮像する場合と同様に、虹彩認証部211は、通信装置23を介して所定のUI画面を表示するようにディスプレイ15を制御するための撮像制御信号を、撮像ユニット1に送信してもよい。
【0083】
その後、虹彩認証部211は、通信装置23を介して、虹彩カメラ12から虹彩画像IMG_Iを取得し、取得した虹彩画像IMG_Iに基づいて、対象人物Pを認証する(ステップS109)。
【0084】
ステップS109における認証の結果、対象人物Pの認証が成功した場合には(ステップS110:Yes)、ゲート制御部213は、通信装置23を介して、第2フラッパーゲート33の状態を開状態に設定するためのゲート制御信号を、ゲートユニット3に送信する(ステップS111)。その結果、図16に示すように、第2フラッパーゲート33の状態が開状態に切り替わり、対象人物Pがレーン35を通り抜けることが可能となる。更に、対象人物Pの認証が成功した場合には、図17に示すように、虹彩認証部211は、通信装置23を介して、認証が成功したことを対象人物Pに伝えるためのUI画面を表示するようにディスプレイ15を制御するための撮像制御信号を、撮像ユニット1に送信してもよい。
【0085】
再び図12において、他方で、ステップS109における認証の結果、対象人物Pの認証が成功しなかった(つまり、失敗した)場合には(ステップS110:No)、ゲート制御部213は、通信装置23を介して、第2フラッパーゲート33の状態を閉状態に設定するためのゲート制御信号を、ゲートユニット3に送信する(ステップS112)。その結果、図18に示すように、第2フラッパーゲート33の状態が閉状態のまま維持され、対象人物Pがレーン35を通り抜けることができなくなる。この際、ゲート制御部213は、通信装置23を介して、第1フラッパーゲート32の状態を閉状態に設定するためのゲート制御信号を、ゲートユニット3に送信してもよい。その結果、図18に示すように、対象人物Pは、第1フラッパーゲート32と第2フラッパーゲート33との間に閉じ込められる。この場合、対象人物Pは、ゲートユニット3を運用する係員等の指示に従った行動をとってもよい。更に、対象人物Pの認証が成功しなかった場合には、図19に示すように、虹彩認証部211は、通信装置23を介して、認証が成功しなかったことを対象人物Pに伝えるためのUI画面を表示するようにディスプレイ15を制御するための撮像制御信号を、撮像ユニット1に送信してもよい。更に、対象人物Pの認証が成功しなかった場合には、図19に示すように、虹彩認証部211は、通信装置23を介して、対象人物Pの虹彩のパターンを認証システムSYSに再登録する(つまり、対象人物Pを登録人物として登録する)ことを対象人物Pに促すためのUI画面を表示するようにディスプレイ15を制御するための撮像制御信号を、撮像ユニット1に送信してもよい。更に、対象人物Pの認証が成功しなかった場合には、虹彩認証部211は、通信装置23を介して、再度の虹彩認証を行う(つまり、虹彩カメラ12によって対象人物Pの虹彩を再度撮影させる)ことを対象人物Pに促すためのUI画面を表示するようにディスプレイ15を制御するための撮像制御信号を、撮像ユニット1に送信してもよい。
【0086】
(2-5)認証システムSYSの技術的効果
以上説明したように、第2実施形態の認証システムSYSでは、虹彩カメラ12が、対象人物Pが存在する方向とは異なる方向を向くように配置される。その結果、対象人物Pが存在する方向を向くように虹彩カメラ12が配置される場合と比較して、認証システムSYSの小サイズ化(特に、虹彩カメラ12を備える撮像ユニット1の小サイズ化)が可能となる。
【0087】
具体的には、対象人物Pの虹彩を撮像する虹彩カメラ12は、一般的には、顔カメラ11が備える光学系111と比較して、画角が狭い及び/又は焦点距離が長い光学系121(例えば、いわゆる望遠レンズと称される光学系)を備えている。この場合、光学系111と比較して、光軸方向に沿った光学系121のサイズが大きくなる。その結果、対象人物Pが存在する方向(例えば、横方向)を虹彩カメラ12が向いていると仮定すると、横方向における撮像ユニット1のサイズ(いわゆる幅又は奥行き)が過度に大きくなってしまう可能性がある。しかるに、第2実施形態では、対象人物Pが存在する方向とは異なる方向(例えば、縦方向、言い換えれば、上下方向)を虹彩カメラ12が向いている。このため、横方向における撮像ユニット1のサイズが過度に大きくなってしまう可能性は相対的に低くなる。従って、撮像ユニット1の小サイズ化が可能となる。
【0088】
また、対象人物Pが存在する方向とは異なる方向(例えば、横方向とは異なる方向であり、一例として縦方向)を向いている虹彩カメラ12を配置するための空間として、横方向とは異なる方向(例えば、縦方向)に広がる表示面151を備えるディスプレイ15に隣接する空間SP2を利用可能である。横方向とは異なる方向(例えば、縦方向)に広がる表示面151を備えるディスプレイ15に隣接する空間SP2は、一般的には、横方向とは異なる方向(例えば、縦方向)に広がる空間となる。第2実施形態では、このような横方向とは異なる方向(例えば、縦方向)に広がる空間SP2を利用して、横方向とは異なる方向(例えば、縦方向)を向いている虹彩カメラ12を適切に配置することができる。つまり、ディスプレイ15を配置することで必然的に生ずる空間SP2を、虹彩カメラ12を配置するための空間として有効活用することができる。従って、虹彩カメラ12を配置するための空間を専用に確保する必要がある場合と比較して、撮像ユニット1の小サイズ化が可能となる。
【0089】
このように、第2実施形態における認証システムSYSは、撮像ユニット1のサイズを小さくしたいという技術的課題を適切に解決することができる。
【0090】
また、第2実施形態では、撮像ユニット1は、顔画像IMG_Fに基づいて特定される位置に存在する対象人物Pの目を虹彩カメラ12が撮像可能となるように、回転ミラー13を回転させる。つまり、撮像ユニット1は、顔画像IMG_Fに基づいて特定される位置に存在する対象人物Pの目が虹彩カメラ12の撮像範囲に含まれるように、回転ミラー13を用いて虹彩カメラ12の撮像範囲を移動させることができる。その結果、撮像ユニット1は、様々な位置(典型的には、高さ)にある対象人物Pの目を、単一の虹彩カメラ12を用いて撮像することができる。このため、様々な位置(典型的には、高さ)にある対象人物Pの目を夫々撮像する複数の虹彩カメラ12を備える比較例の撮像ユニットと比較して、撮像ユニット1の小サイズ化が可能となる。
【0091】
また、支持板18の少なくとも一部が筐体19に外部に露出している場合には、支持板18が支持している顔カメラ11、虹彩カメラ12及びディスプレイ15が発する熱が、支持板18を介して、筐体19の外部に放出可能となる。このため、顔カメラ11、虹彩カメラ12及びディスプレイ15の動作に対して熱が与える影響が低減される。
【0092】
(3)第3実施形態
続いて、認証システム及び撮像装置の第3実施形態について説明する。以下では、認証システム及び撮像装置の第3実施形態が適用された認証システムSYSaについて説明する。認証システムSYSaは、上述した認証システムSYSと比較して、撮像ユニット1に代えて、撮像ユニット1aを備えているという点で異なる。認証システムSYSaのその他の特徴は、認証システムSYSのその他の特徴と同一であってもよい。
【0093】
以下、図20を参照しながら、第3実施形態における撮像ユニット1aについて説明する。図20は、第3実施形態における撮像ユニット1aの構成を示すブロック図である。尚、以下の説明では、既に説明済みの構成要素については、同一の参照符号を付することでその詳細な説明を省略する。
【0094】
図20に示すように、撮像ユニット1aは、上述した撮像ユニット1と比較して、後述する付記における「第1位置調整手段」の一具体例であるカメラ位置調整機構171aと後述する付記における「第2位置調整手段」の一具体例であるミラー位置調整機構172aとの少なくとも一方を備えているという点で異なる。撮像ユニット1aのその他の特徴は、撮像ユニット1のその他の特徴と同一であってもよい。
【0095】
カメラ位置調整機構171aは、虹彩カメラ12の位置を調整可能な装置である。例えば、位置が調整される虹彩カメラ12を示す図21に示すように、カメラ位置調整機構171aは、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の少なくとも一つに沿った虹彩カメラ12の位置を調整可能であってもよい。この場合、カメラ位置調整機構171aは、所定方向に移動可能であって且つ虹彩カメラ12が取り付け可能なスライダを備えるガイド部材を用いて、虹彩カメラ12の位置を調整してもよい。
【0096】
カメラ位置調整機構171aは、虹彩カメラ12を移動させることで、虹彩カメラ12の位置を調整してもよい。例えば、カメラ位置調整機構171aは、モータ等の駆動源が発生する動力を用いて虹彩カメラ12を移動させることで、虹彩カメラ12の位置を調整してもよい。この場合、認証システムSYSaのオペレータは、手動で虹彩カメラ12を移動させなくてもよい。或いは、認証システムSYSaのオペレータが、手動で虹彩カメラ12を移動させもよい。この場合、カメラ位置調整機構171aは、オペレータが虹彩カメラ12を移動させるために虹彩カメラ12に加える力を用いて、虹彩カメラ12を移動させてもよい。
【0097】
カメラ位置調整機構171aは、虹彩カメラ12の光学系121の光学特性に基づいて、虹彩カメラ12の位置を調整してもよい。例えば、カメラ位置調整機構171aは、光学系121の焦点距離に基づいて、虹彩カメラ12の位置を調整してもよい。一例として、カメラ位置調整機構171aは、光学系121の焦点距離に基づいて、撮像ユニット1から、焦点距離に基づいて定まるピント距離だけ離れた対象人物Pを虹彩カメラ12が撮像することができるように、虹彩カメラ12の位置を調整してもよい。
【0098】
カメラ位置調整機構171aは、虹彩カメラ12と対象人物Pとの間の距離に基づいて、虹彩カメラ12の位置を調整してもよい。例えば、虹彩カメラ12と対象人物Pとの間の距離が上述したピント距離よりも長い場合には、カメラ位置調整機構171aは、虹彩カメラ12が回転ミラー13に近づくように虹彩カメラ12を移動させることで、虹彩カメラ12と対象人物Pとの間の距離がピント距離に近づくように虹彩カメラ12と対象人物Pとの間の距離を短くしてもよい。例えば、虹彩カメラ12と対象人物Pとの間の距離が上述したピント距離よりも短い場合には、カメラ位置調整機構171aは、虹彩カメラ12が回転ミラー13から遠ざかるように虹彩カメラ12を移動させることで、虹彩カメラ12と対象人物Pとの間の距離がピント距離に近づくように虹彩カメラ12と対象人物Pとの間の距離を長くしてもよい。この場合、特に、カメラ位置調整機構171aは、モータ等の駆動源が発生する動力を用いて虹彩カメラ12を自動的に移動させれば、オペレータの手を煩わせることなく、虹彩カメラ12が対象人物Pの目を適切に撮像可能な状態を維持することができる。
【0099】
尚、カメラ位置調整機構171aは、虹彩カメラ12の位置に加えて又は代えて、顔カメラ11の位置を調整可能であってもよい。
【0100】
ミラー位置調整機構172aは、回転ミラー13の位置を調整可能な装置である。例えば、位置が調整される回転ミラー13を示す図21に示すように、ミラー位置調整機構172aは、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の少なくとも一つに沿った回転ミラー13の位置を調整可能であってもよい。この場合、ミラー位置調整機構172aは、所定方向に移動可能であって且つミラー13が取り付け可能なスライダを備えるガイド部材を用いて、回転ミラー13の位置を調整してもよい。
【0101】
ミラー位置調整機構172aは、回転ミラー13を移動させることで、回転ミラー13の位置を調整してもよい。例えば、ミラー位置調整機構172aは、モータ等の駆動源が発生する動力を用いて回転ミラー13を移動させることで、回転ミラー13の位置を調整してもよい。この場合、認証システムSYSaのオペレータは、手動で回転ミラー13を移動させなくてもよい。或いは、認証システムSYSaのオペレータが、手動で回転ミラー13を移動させもよい。この場合、ミラー位置調整機構172aは、オペレータが回転ミラー13を移動させるために回転ミラー13に加える力を用いて、回転ミラー13を移動させてもよい。
【0102】
ミラー位置調整機構172aは、対象人物Pからの光が虹彩カメラ12の光学系121に適切に入射するように、回転ミラー13の位置を調整してもよい。例えば、上述したように顔画像IMG_Fに基づいて対象人物Pの目の位置が特定可能であるため、ミラー位置調整機構172aは、特定された目の位置に基づいて、回転ミラー13を移動させてもよい。一例として、ミラー位置調整機構172aは、特定された目の位置の高さに応じた高さに回転ミラー13が位置するように、回転ミラー13を移動させてもよい。より具体的には、ミラー位置調整機構172aは、特定された高さに位置する目からの光L2が回転ミラー13を介して虹彩カメラ12に適切に入射するように、回転ミラー13の高さを調整してもよい。この場合、特に、ミラー位置調整機構172aは、モータ等の駆動源が発生する動力を用いて回転ミラー13を自動的に移動させれば、オペレータの手を煩わせることなく、虹彩カメラ12が対象人物Pの目を適切に撮像可能な状態を維持することができる。
【0103】
第3実施形態では、撮像ユニット1aは、図22に示すフローチャートに従って、虹彩カメラ12及び回転ミラー13の少なくとも一方の位置を調整してもよい。尚、図22に示す動作は、図12に示す動作と並行して又は相前後して行われてもよい。具体的には、図22に示すように、カメラ位置調整機構171aは、虹彩カメラ12の位置を調整する必要があると判定された場合に(ステップS21a:Yes)、虹彩カメラ12の位置を調整してもよい(ステップS22a)。例えば、虹彩カメラ12の光学系121の光学特性が変化した場合に、虹彩カメラ12の位置を調整する必要があると判定されてもよい。更に、ミラー位置調整機構172aは、回転ミラー13の位置を調整する必要があると判定された場合に(ステップS23a:Yes)、回転ミラー13の位置を調整してもよい(ステップS24a)。例えば、虹彩カメラ12の位置の調整量が所定の調整閾値を超えた場合に、回転ミラー13の位置を調整する必要があると判定されてもよい。例えば、対象人物Pの目の位置(例えば、高さ)が所定量以上変化した場合に、回転ミラー13の位置を調整する必要があると判定されてもよい。
【0104】
このように、第3実施形態では、虹彩カメラ12及び回転ミラー13の少なくとも一方の位置が調整可能となる。このため、虹彩カメラ12は、回転ミラー13を介して、対象人物Pの目をより適切に撮像可能となる。
【0105】
(4)第4実施形態
続いて、認証システム及び撮像装置の第4実施形態について説明する。以下では、認証システム及び撮像装置の第4実施形態が適用された認証システムSYSbについて説明する。認証システムSYSbは、上述した認証システムSYSと比較して、撮像ユニット1に代えて、撮像ユニット1bを備えているという点で異なる。認証システムSYSbのその他の特徴は、認証システムSYSのその他の特徴と同一であってもよい。撮像ユニット1bは、上述した撮像ユニットと比較して、回転ミラー13の回転を制限するストッパ141bを備えているという点で異なる。尚、ストッパ141bは、後述する付記における「回転制限手段」の一具体例である。撮像ユニット1bのその他の特徴は、撮像ユニット1のその他の特徴と同一であってもよい。
【0106】
以下、図23(a)及び図23(b)を参照しながら、第4実施形態におけるストッパ141bについて説明する。図23(a)は、ストッパ141bと回転ミラー13とを示す斜視図であり、図23b(a)は、ストッパ141bと回転ミラー13とを示す側面図である。
【0107】
図23(a)及び図23(b)に示すように、ストッパ141bは、回転ミラー13に接触することで回転ミラー13の回転を物理的に制限可能である。具体的には、ストッパ141bは、回転ミラー13が回転する場合に回転ミラー13が通過する領域に突き出すように配置されている。ストッパ141bは、回転ミラー13が基準位置から許容上限角度θlimitだけ回転した場合に回転ミラー13に接触可能な位置に配置されている。その結果、ストッパ141bは、回転ミラー13が許容上限角度θlimit以上回転することを防止することができる。
【0108】
回転ミラー13は、時計回り及び反時計回りの夫々に沿って回転可能であってもよい。この場合、図23(b)に示すように、時計回りに沿った回転ミラー13の回転を制限可能なストッパ141bと、反時計回りに沿った回転ミラー13の回転を制限可能なストッパ141bとが配置されていてもよい。
【0109】
ストッパ141bが回転ミラー13の反射面131(具体的には、反射面131を備えるミラー本体132b)に接触する場合、ストッパ141bが回転ミラー13に接触する衝撃の大きさによっては、ミラー本体132bが破損してしまう可能性がある。そこで、ストッパ141bは、ミラー本体132bそのものに接触することに代えて、ミラー本体132bを保持するミラーホルダ133bに接触することで、回転ミラー13の回転を制限してもよい。
【0110】
制御ユニット2(特に、ミラー制御部212)は、ストッパ141bを用いて、回転モータ14を較正してもよい。つまり、制御ユニット2(特に、ミラー制御部212)は、ストッパ141bを用いて、回転モータ14のキャリブレーションを行ってもよい。以下、図24を参照しながら、ストッパ141bを用いて回転モータ14のキャリブレーションを行う動作について説明する。図24は、ストッパ141bを用いて回転モータ14のキャリブレーションを行う動作の流れを示すフローチャートである。尚、図24に示す動作は、図12に示す動作と並行して又は相前後して行われてもよい。
【0111】
図24に示すように、ミラー制御部212は、回転ミラー13がストッパ141bに接触するまで回転ミラー13が基準位置から回転するように回転モータ14を駆動してもよい(ステップS31b)。その後、回転ミラー13がストッパ141bに接触したと判定された場合(ステップS32b:Yes)、ミラー制御部212は、回転ミラー13がストッパ141bに接触するまで回転ミラー13が基準位置から回転するように回転モータ14を制御するために用いた実際の指令信号と、回転ミラー13が基準位置から許容上限角度θlimitだけ回転するように回転モータ14を制御するための理想的な指令信号とを比較する(ステップS33b)。実際の指令信号と理想的な指令信号とが一致する場合には(ステップS34b:Yes)、ミラー制御部212は、回転モータ14の動作は正常であると推定する(ステップS35b)。なぜならば、理想的な指令信号が回転モータ14に入力された場合に回転ミラー13が許容上限角度θlimitだけ回転するべき状況下において、理想的な指令信号と同じ実際の指令信号が回転モータ14に入力された場合に回転ミラー13が許容上限角度θlimitだけ実際に回転したからである。一方で、実際の指令信号と理想的な指令信号とが一致しない場合には(ステップS34b:No)、ミラー制御部212は、回転モータ14の動作が異常であると推定する(ステップS36b)。なぜならば、理想的な指令信号が回転モータ14に入力された場合に回転ミラー13が許容上限角度θlimitだけ回転するべき状況であるにも関わらず、理想的な指令信号とは異なる実際の指令信号が回転モータ14に入力された場合に回転ミラー13が許容上限角度θlimitだけ実際に回転したからである。このため、ミラー制御部212は、実際の指令信号と理想的な指令信号との差分に基づいて、回転モータ14が正常に動作するように、回転モータ14を較正してもよい(ステップS37b)。その結果、回転モータ14が較正されない場合と比較して、回転ミラー13の回転精度が向上する。
【0112】
尚、上述した第3実施形態における認証システムSYSaが、第4実施形態に特有の構成要素を採用してもよい。第4実施形態に特有の構成要素は、ストッパ141bに関する構成要素を含んでいてもよい。
【0113】
(5)第5実施形態
続いて、認証システム及び撮像装置の第5実施形態について説明する。以下では、認証システム及び撮像装置の第5実施形態が適用された認証システムSYScについて説明する。認証システムSYScは、上述した認証システムSYSと比較して、制御ユニット2に代えて、制御ユニット2cを備えているという点で異なる。認証システムSYScのその他の特徴は、認証システムSYSのその他の特徴と同一であってもよい。以下、図25を参照しながら、第5実施形態における制御ユニット2cについて説明する。図25は、第5実施形態における制御ユニット2cの構成を示すブロック図である。
【0114】
図25に示すように、制御ユニット2cは、上述した制御ユニット2と比較して、ミラー制御部212に代えて、ミラー制御部212cを備えているという点で異なる。制御ユニット2cのその他の特徴は、制御ユニット2のその他の特徴と同一であってもよい。
【0115】
ミラー制御部212cは、上述したミラー制御部212と比較して、虹彩画像IMG_Iに写り込んでいる対象人物Pの虹彩の状態に基づいて、回転ミラー13が停止する場合の回転ミラー13の減速度を制御可能であるという点で異なる。ミラー制御部212cのその他の特徴は、ミラー制御部212のその他の特徴と同一であってもよい。
【0116】
回転ミラー13が停止する場合の減速度によっては、回転モータ14が回転ミラー13に力を加えていない状況下において回転ミラー13が反動で振動してしまう可能性がある。このような反動に起因した回転ミラー13の振動が発生する可能性は、回転ミラー13が停止する場合の減速度が大きくなるほど高くなる。この場合、回転ミラー13が振動している状況下で虹彩カメラ12が対象人物Pの目を撮像してしまう可能性がある。その結果、虹彩画像IMG_Iに写り込んでいる虹彩の状態が良好でない可能性がある。例えば、虹彩がぼけた又はぶれた状態で虹彩画像IMG_Iに写り込んでいる可能性がある。その結果、虹彩認証部211による認証精度が悪化してしまう可能性がある。
【0117】
そこで、ミラー制御部212は、虹彩画像IMG_Iに写り込んでいる虹彩の状態が良好でない場合には、回転ミラー13が停止する場合に回転ミラー13が反動で振動していると推定し、反動に起因した回転ミラー13の振動を抑制するように、回転ミラー13が停止する場合の減速度を制御する。
【0118】
具体的には、ミラー制御部212は、図26に示すフローチャートに従って、回転ミラー13が停止する場合の減速度を制御する動作を行ってもよい。尚、図26に示す動作は、図12に示す動作と並行して又は相前後して行われてもよい。或いは、図26に示す動作は、図12のステップS108において虹彩カメラ12が対象人物Pの虹彩を撮像するたびに(つまり、虹彩画像IMG_Iが生成されるたびに)行われてもよい。
【0119】
具体的には、図26に示すように、ミラー制御部212は、虹彩画像IMG_Iに写り込んでいる虹彩の状態が良好であるか否かを判定する(ステップS41c)。虹彩画像IMG_Iに写り込んでいる虹彩の状態が良好でないと判定された場合には(ステップS41c:No)、回転ミラー13が停止する場合に回転ミラー13が反動で振動していると推定し、反動に起因した回転ミラー13の振動を抑制するように、回転ミラー13が停止する場合の減速度を制御する(ステップS42c)。以下、減速度の制御の一例について説明する。
【0120】
例えば、図27の1段目のグラフに示すように、v1という回転速度で回転している回転ミラー13を時間t1だけかけて停止させた場合に、虹彩画像IMG_Iに写り込んでいる虹彩の状態が良好な状態でなくなる例について検討する。この場合、ミラー制御部212は、図27の2段目のグラフに示すように、時間t1よりも長い時間t2をかけて回転ミラー13が停止するように、回転モータ14を制御してもよい。つまり、ミラー制御部212は、回転ミラー13を停止させるために回転ミラー13を減速させる時間が長くなるように、回転モータ14を制御してもよい。或いは、ミラー制御部212は、図27の3段目のグラフに示すように、回転ミラー13を減速させる時間が長くなる回転モータ14を制御することに加えて又は代えて、v1よりも遅いv2という回転速度で回転している回転ミラー13が停止するように、回転モータ14を制御してもよい。つまり、ミラー制御部212は、回転ミラー13の回転速度の上限が小さくなるように、回転モータ14を制御してもよい。いずれの場合においても、回転ミラー13が停止する場合の回転ミラー13の減速度が小さくなるがゆえに、反動に起因して回転ミラー13が振動する可能性が低くなる。
【0121】
或いは、回転モータ14の応答性を制御するために、所定のフィルタ(例えば、速度フィルタとして利用可能なローパスフィルタ又は移動平均フィルタ)が利用可能である場合がある。この場合には、ミラー制御部212は、回転ミラー13を減速させる時間が長くなるように及び/又は回転ミラー13の回転速度の上限が小さくなるように回転モータ14を制御することに加えて又は代えて、フィルタの時定数を調整することで、回転ミラー13の減速度を制御してもよい。例えば、ミラー制御部212は、フィルタの時定数を調整することで、反動に起因した回転ミラー13の振動が小さくなる又はなくなるように回転ミラー13の減速度を制御してもよい。
【0122】
このように、第5実施形態における制御ユニット2は、虹彩画像IMG_Iに写り込んでいる虹彩の状態が良好でない場合には、反動に起因した回転ミラー13の振動を抑制する(例えば、小さくする又はなくす)ように、回転ミラー13が停止する場合の減速度を制御することができる。その結果、回転ミラー13の減速度が制御されない場合と比較して、虹彩画像IMG_Iに写り込んでいる虹彩の状態が良好になる可能性が高くなる。例えば、虹彩画像IMG_Iに、虹彩パターンを適切に取得可能な虹彩(例えば、明瞭な、ぶれていない又はぼけていない虹彩)が写り込んでいる可能性が高くなる。このため、回転ミラー13の減速度が制御されない場合と比較して、虹彩認証部211は、虹彩画像IMG_Iを用いて対象人物Pをより高精度に認証することができる。
【0123】
尚、反動に起因した回転ミラー13の振動が周期的な振動になる可能性が高いことを考慮すれば、回転ミラー13が振動している期間中に虹彩カメラ12が対象人物Pの目を複数回撮像することで夫々生成される複数の虹彩画像IMG_Iは、図28に示すように、対象人物Pの目が回転ミラー13の振動の方向に対応する方向(例えば、図28に示すように、上下方向)に沿って周期的に移動する複数の虹彩画像IMG_Iとなる可能性がある。この場合、虹彩認証部211は、図12のステップS109において、複数の虹彩画像IMG_Iのうちの虹彩が所望位置に写り込んでいる少なくとも一つの虹彩画像IMG_Iを選択し、選択した少なくとも一つの虹彩画像IMG_Iを用いて対象人物Pを認証してもよい。例えば、虹彩画像IMG_Iの中間位置(例えば、上下方向の中間位置)に写り込んでいる虹彩は、虹彩画像IMG_Iの上端位置又は下端位置に写り込んでいる虹彩と比較して、ぶれ又はぼけが少ない可能性がある。この場合、虹彩認証部211は、複数の虹彩画像IMG_Iのうちの虹彩が中間位置(例えば、上下方向の中間位置)に写り込んでいる少なくとも一つの虹彩画像IMG_Iを選択し、選択した少なくとも一つの虹彩画像IMG_Iを用いて対象人物Pを認証してもよい。その結果、回転ミラー13の振動が周期的な振動である可能性に着目して虹彩画像IMG_Iが選択されない場合と比較して、虹彩認証部211は、虹彩画像IMG_Iを用いて対象人物Pをより高精度に認証することができる。
【0124】
尚、上述した第3実施形態における認証システムSYSaから第4実施形態における認証システムSYSbの少なくとも一つが、第5実施形態に特有の構成要素を採用してもよい。第5実施形態に特有の構成要素は、ミラー制御部212cに関する構成要素を含んでいてもよい。
【0125】
(6)第6実施形態
続いて、認証システム及び撮像装置の第6実施形態について説明する。以下では、認証システム及び撮像装置の第6実施形態が適用された認証システムSYSdについて説明する。認証システムSYSdは、上述した認証システムSYSと比較して、撮像ユニット1に代えて、撮像ユニット1dを備えているという点で異なる。認証システムSYSdのその他の特徴は、認証システムSYSのその他の特徴と同一であってもよい。以下、図29を参照しながら、第6実施形態における撮像ユニット1dについて説明する。図29は、第6実施形態における撮像ユニット1dの構成を示すブロック図である。
【0126】
図29に示すように、撮像ユニット1dは、上述した撮像ユニット1と比較して、後述する付記における「第2反射手段」、「第3反射手段」及び「第4反射手段」夫々の一具体例である少なくとも一つのリレーミラー13dを備えているという点で異なる。撮像ユニット1dのその他の特徴は、撮像ユニット1のその他の特徴と同一であってもよい。
【0127】
リレーミラー13dは、対象人物Pの虹彩からの光L2を回転ミラー13に向けて反射する光学素子である。特に、リレーミラー13dは、対象人物Pの虹彩からの光L2であって且つ対象人物Pの正面に向かって伝搬する光L2を回転ミラー13に向けて反射する光学素子である。
【0128】
このようなリレーミラー13dは、異なる複数の位置から夫々伝搬してくる複数の光L2が、同じ回転ミラー13に入射するように配置されてもよい。一例として、撮像ユニット1dは、第1位置に位置する対象人物Pの虹彩からの光L2を回転ミラー13に向けて反射するリレーミラー13dと、第1位置とは異なる第2位置に位置する対象人物Pの虹彩からの光L2を回転ミラー13に向けて反射するリレーミラー13dとを備えていてもよい。その結果、撮像ユニット1dは、様々な位置にある対象人物Pの目を、単一の虹彩カメラ12を用いて撮像することができる。
【0129】
一例として、撮像ユニット1dは、図30(a)及び図30(b)に示すように、リレーミラー13d#1と、リレーミラー13d#2とを備えていてもよい。リレーミラー13d#1は、図30(a)に示すように、第1位置P1に位置する対象人物Pの虹彩からの光L2を回転ミラー13に向けて反射可能である。この場合、リレーミラー13d#1は、虹彩カメラ12が第1位置P1に位置している対象人物Pの目を実質的に当該目の正面から撮像する状態を実現可能な所望位置に配置されていてもよい。例えば、リレーミラー13d#1は、第1位置P1に位置する対象人物Pの虹彩と正対可能な位置に配置されていてもよい。一例として、リレーミラー13d#1は、第1位置P1に位置する対象人物Pの虹彩と同じ高さ又は第1位置P1に位置する対象人物Pの虹彩との高さの差が許容範囲に収まる高さに配置されていてもよい。一方で、リレーミラー13d#2は、図30(b)に示すように、Z軸方向(つまり、鉛直方向)において第1位置P1とは異なる第2位置P2に位置する対象人物Pの虹彩からの光L2を回転ミラー13に向けて反射可能である。この場合、リレーミラー13d#2は、虹彩カメラ12が第2位置P2に位置している対象人物Pの目を実質的に当該目の正面から撮像する状態を実現可能な所望位置に配置されていてもよい。例えば、リレーミラー13d#2は、第2位置P2に位置する対象人物Pの虹彩と正対可能な位置に配置されていてもよい。一例として、リレーミラー13d#2は、第2位置P2に位置する対象人物Pの虹彩と同じ高さ又は第2位置P2に位置する対象人物Pの虹彩との高さの差が許容範囲に収まる高さに配置されていてもよい。
【0130】
この場合、ミラー制御部212は、図31に示すフローチャートに従って、対象人物Pの虹彩からの光L2を回転ミラー13に向けて反射するリレーミラー13dを切り替えてもよい。図31は、対象人物Pの虹彩からの光L2を回転ミラー13に向けて反射するリレーミラー13dを切り替える動作の流れを示すフローチャートである。尚、図31に示す動作は、図12のステップS108において虹彩カメラ12が対象人物Pの虹彩を撮像する前に行われてもよい。尚、図31は、図30(a)及び図30(b)において、第1位置P1が第2位置P2よりも高い(つまり、Z軸方向に沿って、第1位置P1が第2位置P2よりも+Z側に位置する)場合に行われる動作の一例である。
【0131】
具体的には、図31に示すように、ミラー制御部212は、顔画像IMG_Fに基づいて、対象人物Pの目の位置(特に、Z軸方向の位置であり、高さ)を特定する(ステップS511d)。尚、ステップS511dの動作は、図12のステップS105の動作と同一であってもよい。
【0132】
その後、ミラー制御部212は、ステップS511dで特定した目の位置が、所定の第1位置条件を満たすか否かを判定する(ステップS512d)。第1位置条件は、目が第1位置P1に位置するという条件を含んでいてもよい。第1位置条件は、目の位置(特に、高さ)が、所定の第1高さ閾値を超えるという条件を含んでいてもよい。
【0133】
ステップS512dにおける判定の結果、目の位置が所定の第1位置条件を満たすと判定された場合には(ステップS512d:Yes)、ミラー制御部212は、第2位置P2よりも高い第1位置P1に位置する対象人物Pの虹彩からの光L2を回転ミラー13に向けて反射可能なリレーミラー13d#1が、光L2を回転ミラー13に向けて反射するように、リレーミラー13d#1を制御する(ステップS513d)。一方で、ミラー制御部212は、第1位置P1よりも低い第2位置P2に位置する対象人物Pの虹彩からの光L2を回転ミラー13に向けて反射可能なリレーミラー13d#2が、光L2を回転ミラー13に向けて反射しないように、リレーミラー13d#2を制御してもよい(ステップS513d)。その結果、撮像ユニット1dの状態は、図30(a)に示す状態となる。
【0134】
他方で、ステップS512dにおける判定の結果、目の位置が所定の第1位置条件を満たさないと判定された場合には(ステップS512d:No)、ミラー制御部212は、ステップS511dで特定した目の位置が、第1位置条件とは異なる所定の第2位置条件を満たすか否かを判定する(ステップS514d)。第2位置条件は、目が第2位置P2に位置するという条件を含んでいてもよい。第2位置条件は、目の位置(特に、高さ)が、所定の第2高さ閾値(尚、第2高さ閾値は、第1高さ閾値以下である)を下回るという条件を含んでいてもよい。
【0135】
ステップS514dにおける判定の結果、目の位置が所定の第2位置条件を満たすと判定された場合には(ステップS514d:Yes)、ミラー制御部212は、第1位置P1よりも低い第2位置P2に位置する対象人物Pの虹彩からの光L2を回転ミラー13に向けて反射可能なリレーミラー13d#2が、光L2を回転ミラー13に向けて反射するように、リレーミラー13d#2を制御する(ステップS515d)。一方で、ミラー制御部212は、第2位置P2よりも高い第1位置P1に位置する対象人物Pの虹彩からの光L2を回転ミラー13に向けて反射可能なリレーミラー13d#1が、光L2を回転ミラー13に向けて反射しないように、リレーミラー13d#1を制御してもよい(ステップS515d)。その結果、撮像ユニット1dの状態は、図30(b)に示す状態となる。
【0136】
その結果、撮像ユニット1dは、様々な位置(典型的には、高さ)にある対象人物Pの目を、単一の虹彩カメラ12を用いて撮像することができる。特に、様々な位置(典型的には、高さ)にある対象人物Pの目を、当該目の正面から単一の虹彩カメラ12を用いて撮像することができる機会が増える。その結果、対象人物Pの目を対象人物Pの正面から撮像した状態で虹彩が写り込んだ虹彩画像IMG_Iが生成される機会が増える。ここで、対象人物Pの目を斜め上方又は斜め下方の方向から撮像することで生成される虹彩画像IMG_Iを用いた認証の精度は、対象人物Pの目を正面の方向から撮像することで生成される虹彩画像IMG_Iを用いた認証の精度よりも悪くなる傾向が強い。なぜならば、対象人物Pの目を斜め上方又は斜め下方の方向から撮像することで生成される虹彩画像IMG_Iでは、対象人物Pの目を正面から撮像することで生成される虹彩画像IMG_Iと比較して、まつげ及び瞼等の少なくとも一つによって虹彩が隠される可能性が高くなるからである。その結果、図30(a)及び図30(b)に示す例では、対象人物Pの目の高さが変わる場合であっても、認証システムSYSdは、対象人物Pを高精度に認証することができる。
【0137】
他の一例として、撮像ユニット1dは、図32(a)及び図32(b)に示すように、リレーミラー13d#3と、リレーミラー13d#4とを備えていてもよい。リレーミラー13d#3は、図32(a)に示すように、第3位置P3に位置する対象人物Pの虹彩からの光L2を回転ミラー13に向けて反射可能である。一方で、リレーミラー13d#4は、図32(b)に示すように、水平方向(例えば、X軸方向及びY軸方向の少なくとも一方)において第3位置P3とは異なる第4位置P4に位置する対象人物Pの虹彩からの光L2を回転ミラー13に向けて反射可能である。
【0138】
第3位置P3及び第4位置P4は、異なる二つのレーン35に夫々含まれていてもよい。例えば、図32(a)及び図32(b)に示すように、第3位置P3は、第1のレーン35#1に含まれ、第4位置P4は、第1のレーン35#1に隣接する第2のレーン35#2に含まれていてもよい。その結果、撮像ユニット1dは、第1のレーン35#1を通過する対象人物Pの目と、第2のレーン35#2を通過する対象人物Pの目との双方を、単一の虹彩カメラ12を用いて撮像することができる。このため、第1のレーン35#1を通過する対象人物Pの目を撮像するための撮像ユニット1と、第2のレーン35#2を通過する対象人物Pの目を撮像するための撮像ユニット1との双方を配置しなくてもよくなる。このため、認証システムSYSdの構成が簡略化されると共に、認証システムSYSdのコストも低減可能となる。
【0139】
この場合、ミラー制御部212は、図33に示すフローチャートに従って、対象人物Pの虹彩からの光L2を回転ミラー13に向けて反射するリレーミラー13dを切り替えてもよい。図33は、対象人物Pの虹彩からの光L2を回転ミラー13に向けて反射するリレーミラー13dを切り替える動作の流れを示すフローチャートである。尚、図33に示す動作は、図12のステップS108において虹彩カメラ12が対象人物Pの虹彩を撮像する前に行われてもよい。
【0140】
具体的には、図33に示すように、ミラー制御部212は、顔画像IMG_Fに基づいて、対象人物Pの位置(特に、水平方向における位置)を特定する(ステップS521d)。
【0141】
その後、ミラー制御部212は、ステップS521dで特定した対象人物Pの位置が、所定の第3位置条件を満たすか否かを判定する(ステップS522d)。第3位置条件は、対象人物Pが第3位置P3に位置するという条件を含んでいてもよい。第3位置条件は、対象人物Pが第1のレーン35#1に位置するという条件を含んでいてもよい。
【0142】
ステップS522dにおける判定の結果、対象人物Pの位置が所定の第3位置条件を満たすと判定された場合には(ステップS522d:Yes)、ミラー制御部212は、第3位置P3に位置する対象人物Pの虹彩からの光L2を回転ミラー13に向けて反射可能なリレーミラー13d#3が、光L2を回転ミラー13に向けて反射するように、リレーミラー13d#3を制御する(ステップS523d)。一方で、ミラー制御部212は、第4位置P4に位置する対象人物Pの虹彩からの光L2を回転ミラー13に向けて反射可能なリレーミラー13d#4が、光L2を回転ミラー13に向けて反射しないように、リレーミラー13d#4を制御してもよい(ステップS523d)。その結果、撮像ユニット1dの状態は、図32(a)に示す状態となる。
【0143】
他方で、ステップS522dにおける判定の結果、対象人物Pの位置が所定の第3位置条件を満たさないと判定された場合には(ステップS522d:No)、ミラー制御部212は、ステップS521dで特定した対象人物Pの位置が、第3位置条件とは異なる所定の第4位置条件を満たすか否かを判定する(ステップS524d)。第4位置条件は、対象人物Pが第4位置P4に位置するという条件を含んでいてもよい。第4位置条件は、対象人物Pが第2のレーン35#2に位置するという条件を含んでいてもよい。
【0144】
ステップS524dにおける判定の結果、対象人物Pの位置が所定の第4位置条件を満たすと判定された場合には(ステップS524d:Yes)、ミラー制御部212は、第4位置P4に位置する対象人物Pの虹彩からの光L2を回転ミラー13に向けて反射可能なリレーミラー13d#4が、光L2を回転ミラー13に向けて反射するように、リレーミラー13d#4を制御する(ステップS525d)。一方で、ミラー制御部212は、第3位置P3に位置する対象人物Pの虹彩からの光L2を回転ミラー13に向けて反射可能なリレーミラー13d#3が、光L2を回転ミラー13に向けて反射しないように、リレーミラー13d#3を制御してもよい(ステップS525d)。その結果、撮像ユニット1dの状態は、図32(b)に示す状態となる。
【0145】
尚、図30(a)から図30(b)及び図32(a)から図32(b)は、二つのリレーミラー13dを備える撮像ユニット1dの例を示している。しかしながら、撮像ユニット1dは、単一のリレーミラー13dを備えていてもよいし、三つ以上のリレーミラー13dを備えていてもよい。例えば、図34(a)及び図34(b)に示すように、撮像ユニット1dは、第5位置P5に位置する対象人物Pの虹彩からの光L2を回転ミラー13に向けて反射するリレーミラー13d#5を備えていてもよい。この場合、第5位置P5とは異なる第6位置P6に位置する対象人物Pの虹彩からの光L2は、リレーミラー13dを介することなく回転ミラー13に入射してもよい。例えば、図35(a)及び図35(b)に示すように、撮像ユニット1dは、図30(a)に示すリレーミラー13d#1からの光L2を回転ミラー13に向けて反射し且つ図30(b)に示すリレーミラー13d#2からの光L2を回転ミラー13に向けて反射するリレーミラー13d#6を備えていてもよい。このように、リレーミラー13dの数が制限されることがないため、リレーミラー13dの設計の自由度は比較的高くなる。
【0146】
尚、上述した第3実施形態における認証システムSYSaから第5実施形態における認証システムSYScの少なくとも一つが、第6実施形態に特有の構成要素を採用してもよい。第6実施形態に特有の構成要素は、リレーミラー13dに関する構成要素を含んでいてもよい。
【0147】
(7)第7実施形態
続いて、認証システム及び撮像装置の第7実施形態について説明する。以下では、認証システム及び撮像装置の第7実施形態が適用された認証システムSYSeについて説明する。認証システムSYSeは、上述した認証システムSYSと比較して、撮像ユニット1に代えて、撮像ユニット1eを備えているという点で異なる。認証システムSYSeのその他の特徴は、認証システムSYSのその他の特徴と同一であってもよい。以下、図36及び図37を参照しながら、第7実施形態における撮像ユニット1eについて説明する。図36は、第7実施形態における撮像ユニット1eの構成を示すブロック図である。図37は、第7実施形態における撮像ユニット1eの構成を示す断面図である。
【0148】
図36及び図37に示すように、撮像ユニット1eは、上述した撮像ユニット1と比較して、複数の虹彩カメラ12と、複数の回転ミラー13と、複数の回転モータ14とを備えているという点で異なる。図36及び図37に示す例では、撮像ユニット1eは、二つの虹彩カメラ12(具体的には、虹彩カメラ12#1及び12#2)と、二つの回転ミラー13(具体的には、回転ミラー13#1及び13#2)と、二つの回転モータ14(具体的には、回転モータ14#1及び14#2)を備えている。つまり、一つの筐体19内に、二つの虹彩カメラ12(具体的には、虹彩カメラ12#1及び12#2)と、二つの回転ミラー13(具体的には、回転ミラー13#1及び13#2)と、二つの回転モータ14(具体的には、回転モータ14#1及び14#2)とが収容されている。撮像ユニット1eのその他の特徴は、撮像ユニット1のその他の特徴と同一であってもよい。
【0149】
複数の虹彩カメラ12は、複数の回転ミラー13を介して、複数のレーン35を夫々通過する複数の対象人物Pの目を夫々撮像する。例えば、図38に示すように、虹彩カメラ12#1は、回転モータ14#1が回転させる回転ミラー13#1を介して、第1のレーン35#1を通過する対象人物Pの目を撮像してもよい。一方で、例えば、虹彩カメラ12#2は、回転モータ14#2が回転させる回転ミラー13#2を介して、第1のレーン35#1とは異なる第2のレーン35#2を通過する対象人物Pの目を撮像してもよい。この場合、図38に示すように、回転ミラー13#1は、第1のレーン35#1の方向に向けられている一方で、回転ミラー13#2は、第2のレーン35#2の方向に向けられていてもよい。つまり、回転ミラー13#1及び13#2は、互いに異なる方向を向いていてもよい。
【0150】
回転ミラー13#1及び13#2が互いに異なる方向を向いている場合には、図39から図41に示すように、第1のレーン35#1の方向に向けられている側面199#1と、第2のレーン35#2の方向に向けられている側面199e#2とを備えるという点で巨体19とは異なる筐体19eに、虹彩カメラ12#1及び12#2と、回転ミラー13#1及び13#2と、回転モータ14#1及び14#2とが収容されていてもよい。この場合、筐体19eの水平面に沿った断面形状は、五角形等の多角形になっていてもよい。第1のレーン35#1の方向に向けられている回転ミラー13#1には、側面199#1に形成された開口195(195#1)を介して、第1のレーン35#1に位置する対象人物Pからの光L2が入射してもよい。一方で、第2のレーン35#2の方向に向けられている回転ミラー13#2には、側面199#2に形成された開口195(195#2)を介して、第2のレーン35#2に位置する対象人物Pからの光L2が入射してもよい。
【0151】
更に、この場合には、図39及び図40に示すように、撮像ユニット1eは、第1のレーン35#1の方向に向けられているディスプレイ15#1と、第2のレーン35#2の方向に向けられているディスプレイ15#2とを備えていてもよい。その結果、第1のレーン35#1に位置する対象人物Pは、ディスプレイ15#1を視認しやすくなり、且つ、第2のレーン35#2に位置する対象人物Pは、ディスプレイ15#2を視認しやすくなる。
【0152】
第7実施形態では、ミラー制御部212は、図42に示すフローチャートに従って、複数の回転ミラー13(例えば、回転ミラー13#1及び13#2)を制御してもよい。図42は、複数の回転ミラー13を制御する動作の流れを示すフローチャートである。尚、図42に示す動作は、図12のステップS108において虹彩カメラ12が対象人物Pの虹彩を撮像する前に行われてもよい。
【0153】
具体的には、図42に示すように、ミラー制御部212は、顔画像IMG_Fに基づいて、対象人物Pの位置(特に、水平方向における位置)を特定する(ステップS611e)。
【0154】
その後、ミラー制御部212は、ステップS611eで特定した対象人物Pの位置が、所定の第5位置条件を満たすか否かを判定する(ステップS612e)。第5位置条件は、対象人物Pが第1のレーン35#1に位置するという条件を含んでいてもよい。第5位置条件は、対象人物Pが、回転ミラー13#1が向けられている方向に位置するという条件を含んでいてもよい。
【0155】
ステップS612eにおける判定の結果、対象人物Pの位置が所定の第5位置条件を満たすと判定された場合には(ステップS612e:Yes)、ミラー制御部212は、第1のレーン35#1に向けられている回転ミラー13#1が、第1のレーン35#1に位置する対象人物Pからの光L2を虹彩カメラ12#1に向けて反射するように、回転ミラー13#1を制御する(ステップS613e)。
【0156】
ステップS612eからステップS613eの動作と並行して又は相前後して、ミラー制御部212は、ステップS611eで特定した対象人物Pの位置が、第5位置条件とは異なる所定の第6位置条件を満たすか否かを判定する(ステップS614e)。第6位置条件は、対象人物Pが第2のレーン35#2に位置するという条件を含んでいてもよい。第6位置条件は、対象人物Pが、回転ミラー13#2が向けられている方向に位置するという条件を含んでいてもよい。
【0157】
ステップS614eにおける判定の結果、対象人物Pの位置が所定の第6位置条件を満たすと判定された場合には(ステップS614e:Yes)、ミラー制御部212は、第2のレーン35#2に向けられている回転ミラー13#2が、第2のレーン35#2に位置する対象人物Pからの光L2を虹彩カメラ12#2に向けて反射するように、回転ミラー13#2を制御する(ステップS615e)。
【0158】
以上説明したように、認証システムSYSeは、単一の撮像ユニット1dを用いて、複数のレーン35を夫々通過する複数の対象人物Pを撮像することができる。このため、複数のレーン35を夫々通過する複数の対象人物Pを夫々撮像するための複数の撮像ユニット1を配置しなくてもよくなる。このため、認証システムSYSeの構成が簡略化されると共に、認証システムSYSeのコストも低減可能となる。
【0159】
尚、上述した第3実施形態における認証システムSYSaから第6実施形態における認証システムSYSdの少なくとも一つが、第7実施形態に特有の構成要素を採用してもよい。第7実施形態に特有の構成要素は、複数の虹彩カメラ12及び複数の回転ミラー13に関する構成要素を含んでいてもよい。
【0160】
(8)第8実施形態
続いて、認証システム及び撮像装置の第8実施形態について説明する。以下では、認証システム及び撮像装置の第8実施形態が適用された認証システムSYSfについて説明する。認証システムSYSfは、上述した認証システムSYSと比較して、撮像ユニット1に代えて、撮像ユニット1fを備えているという点で異なる。認証システムSYSfのその他の特徴は、認証システムSYSのその他の特徴と同一であってもよい。以下、図43を参照しながら、第8実施形態における撮像ユニット1fについて説明する。図43は、第8実施形態における撮像ユニット1fが備える回転ミラー13を示す断面図である。
【0161】
図43に示すように、撮像ユニット1fは、上述した撮像ユニット1と比較して、回転ミラー13の反射面131に保護膜133fが形成されているという点で異なる。撮像ユニット1fのその他の特徴は、撮像ユニット1のその他の特徴と同一であってもよい。
【0162】
保護膜133fは、反射面131の破損を防ぐように反射面131を保護可能であってもよい。保護膜133fは、反射面131への汚れの付着を防ぐように反射面131を保護可能であってもよい。保護膜133fは、反射面131への水分の付着を防ぐ(つまり、湿気を防ぐ)ように反射面131を保護可能であってもよい。その結果、反射面131が適切に保護される。
【0163】
保護膜133fは、対象人物Pからの光L2が保護膜133fを通過可能であるという光学特性を有していてもよい。その結果、虹彩カメラ12は、対象人物Pからの光L2(つまり、虹彩からの光L2)を受光することで対象人物Pを撮像可能である。
【0164】
更に、保護膜133fは、対象人物Pからの光L2の波長帯域とは異なる波長帯域の光L3(例えば、可視光)が保護膜133fによって減衰されるという光学特性を有していてもよい。例えば、保護膜133fは、対象人物Pからの光L2の波長帯域とは異なる波長帯域の光L3が保護膜133fによって吸収されるという光学特性を有していてもよい。この際、保護膜133fは、対象人物Pからの光L2の波長帯域とは異なる波長帯域の光L3が保護膜133fを通過することができないという光学特性を有していてもよい。この場合、光L2の波長帯域とは異なる波長帯域の光L2が保護膜133fによって減衰されるがゆえに、保護膜133fが形成されない場合と比較して、光L2の波長帯域とは異なる波長帯域の光L3に起因したノイズ成分が虹彩画像IMG_Iに含まれる可能性が低くなる。その結果、ノイズ成分が含まれる虹彩画像IMG_Iを用いて対象人物Pが認証される場合と比較して、虹彩認証部211は、虹彩画像IMG_Iを用いて対象人物Pをより高精度に認証することができる。
【0165】
このように第8実施形態では、保護膜133fは、反射面131を保護しつつ、虹彩画像IMG_Iに含まれるノイズ成分を低減することができる。
【0166】
尚、上述した第3実施形態における認証システムSYSaから第7実施形態における認証システムSYSeの少なくとも一つが、第8実施形態に特有の構成要素を採用してもよい。第8実施形態に特有の構成要素は、保護膜133fに関する構成要素を含んでいてもよい。
【0167】
(9)第9実施形態
続いて、認証システム及び撮像装置の第9実施形態について説明する。以下では、認証システム及び撮像装置の第9実施形態が適用された認証システムSYSgについて説明する。認証システムSYSgは、上述した認証システムSYSと比較して、撮像ユニット1に代えて、撮像ユニット1gを備えているという点で異なる。認証システムSYSgのその他の特徴は、認証システムSYSのその他の特徴と同一であってもよい。以下、図44を参照しながら、第9実施形態における撮像ユニット1gについて説明する。図44は、第9実施形態における撮像ユニット1gの構成を示すブロック図である。
【0168】
図44に示すように、撮像ユニット1gは、上述した撮像ユニット1と比較して、移動装置17gを備えているという点で異なる。撮像ユニット1gのその他の特徴は、撮像ユニット1のその他の特徴と同一であってもよい。
【0169】
移動装置17gは、撮像ユニット1g(特に、顔カメラ11、虹彩カメラ12、回転ミラー13、回転モータ14及びディスプレイ15が収容された筐体19)を移動させることが可能である。例えば、移動装置17gは、ロボットアームを備えており、ロボットアームを用いて撮像ユニット1gを移動させてもよい。例えば、移動装置17gは、所定方向に移動可能なスライダを備えるガイド部材(例えば、レールガイド)を備えており、レールガイドを用いて撮像ユニット1gを移動させてもよい。例えば、移動装置17gは、自走可能な自走装置を備えており、自走装置を用いて撮像ユニット1gを移動させてもよい。例えば、移動装置17gは、飛行可能な飛行体(例えば、ドローン)を備えており、飛行体を用いて撮像ユニット1gを移動させてもよい。
【0170】
移動装置17gは、図45(a)に示すように、虹彩カメラ12が対象人物Pを撮像する期間において、対象人物Pが通過するレーン35上に撮像ユニット1gが配置されるように、撮像ユニット1gを移動させてもよい。この場合、虹彩カメラ12は、対象人物Pを正面から撮像することができる。つまり、虹彩カメラ12は、対象人物Pを斜めの方向から撮像しなくてもよくなる。その結果、上述したように、虹彩画像IMG_I内においてまつげ及び瞼等の少なくとも一つによって虹彩が隠される可能性が低くなる。その結果、虹彩認証部211は、対象人物Pを高精度に認証することができる。
【0171】
一方で、撮像ユニット1gがレーン35上に配置されたままでは、レーン35を通過する対象人物Pの移動が撮像ユニット1gによって妨げられる可能性がある。そこで、移動装置17gは、図45(b)に示すように、対象人物Pが認証された後の期間において、対象人物Pが通過するレーン35から撮像ユニット1gが退避するように、撮像ユニット1gを移動させてもよい。つまり、移動装置17gは、対象人物Pが認証された後の期間において、レーン35を通過する対象人物Pの移動を撮像ユニット1gが妨げることがない位置に撮像ユニット1gが位置するように、撮像ユニット1gを移動させてもよい。その結果、対象人物Pの移動が、撮像ユニット1gによって妨げられることはなくなる。
【0172】
第9実施形態では、移動装置17gは、図46に示すフローチャートに従って、撮像ユニット1gを移動する動作を行ってもよい。尚、図46に示す動作は、図12に示す動作と並行して又は相前後して行われてもよい。
【0173】
具体的には、図46に示すように、移動装置17gは、ゲートユニット3の近接センサ34が対象人物Pを検出したか否かを判定する(ステップS711g)。ステップS711gの判定の結果、近接センサ34が対象人物Pを検出したと判定された場合には(ステップS711g:Yes)、対象人物Pがレーン35に進入するがゆえに撮像ユニット1が対象人物Pを撮像すると推定される。このため、この場合には、移動装置17gは、対象人物Pが通過するレーン35上に撮像ユニット1gが配置されるように、撮像ユニット1gを移動させる(ステップS712g)。
【0174】
その後、移動装置17gは、図12のステップS109において対象人物Pの認証が成功したか否かを判定する(ステップS713g)。ステップS713gの判定の結果、対象人物Pの認証が成功したと判定された場合には(ステップS713g:Yes)、対象人物Pがレーン35を通過すると推定される。このため、この場合には、移動装置17gは、対象人物Pが通過するレーン35から撮像ユニット1gが退避するように、撮像ユニット1gを移動させる(ステップS714g)。
【0175】
このように、第9実施形態では、移動装置17gが撮像ユニット1gを移動可能であるがゆえに、撮像ユニット1gは、対象人物Pの移動を妨げることなく、対象人物Pの正面から対象人物Pの目を撮像することができる。
【0176】
尚、撮像ユニット1gが移動装置17gを備えることに加えて又は代えて、撮像ユニット1以外の装置が、撮像ユニット1を移動させてもよい。一例として、図47(a)及び図47(b)に示すように、ゲートユニット3の第2フラッパーゲート33に、撮像ユニット1が配置されてもよい。この場合、虹彩カメラ12が対象人物Pを撮像する期間中は、図47(a)に示すように、第2フラッパーゲート33の状態が閉状態にあるがゆえに、虹彩カメラ12は、対象人物Pを正面から撮像することができる。一方で、対象人物Pが認証された後の期間において、対象人物Pの認証が成功していれば、図47(b)に示すように、第2フラッパーゲート33の状態が開状態にあるがゆえに、対象人物Pの移動が撮像ユニット1によって妨げられることはなくなる。
【0177】
また、撮像ユニット1が対象人物Pの移動を妨げることなく対象人物Pの正面から対象人物Pの目を撮像する状態を実現するためには、図48に示すように、折れ曲がったレーン35が形成されてもよい。つまり、撮像ユニット1が対象人物Pの正面から対象人物Pの目を撮像可能となる位置に撮像ユニット1が配置可能となり且つ当該撮像ユニット1が対象人物Pの移動を妨げないように設計された所定形状(例えば、直線形状とは異なる形状)のレーン35が形成されてもよい
尚、上述した第3実施形態における認証システムSYSaから第8実施形態における認証システムSYSfの少なくとも一つが、第9実施形態に特有の構成要素を採用してもよい。第9実施形態に特有の構成要素は、移動装置17gに関する構成要素を含んでいてもよい。
【0178】
(10)第10実施形態
続いて、認証システム及び撮像装置の第10実施形態について説明する。以下では、認証システム及び撮像装置の第10実施形態が適用された認証システムSYShについて説明する。認証システムSYShは、上述した認証システムSYSと比較して、回転ミラー13を放熱ファンとして利用可能であるという点で異なる。具体的には、認証システムSYShは、回転ミラー13が同一回転方向に連続して回転することで放熱ファンとして機能するように、回転モータ14を制御してもよい。その結果、顔カメラ11、虹彩カメラ12及びディスプレイ15の動作に対して熱が与える影響が低減される。
【0179】
第10実施形態では、ミラー制御部212は、図49に示すフローチャートに従って、回転ミラー13を放熱ファンとして駆動させる動作を行ってもよい。尚、図49に示す動作は、図12に示す動作と並行して又は相前後して行われてもよい。図49に示すように、ミラー制御部212は、筐体19の収容空間SP1の温度が所定の温度閾値以上になったか否かを判定する(ステップS811h)。収容空間SP1の温度が所定の温度閾値以上になったと判定された場合には(ステップS811h:Yes)、ミラー制御部212は、回転ミラー13を放熱ファンとして駆動させる(ステップS812h)。他方で、収容空間SP1の温度が所定の温度閾値以上になっていないと判定された場合には(ステップS811h:No)、ミラー制御部212は、回転ミラー13を放熱ファンとして駆動させなくてもよい。
【0180】
尚、上述した第3実施形態における認証システムSYSaから第9実施形態における認証システムSYSgの少なくとも一つが、第10実施形態に特有の構成要素を採用してもよい。第9実施形態に特有の構成要素は、放熱ファンとして機能する回転ミラー13に関する構成要素を含んでいてもよい。但し、第4実施形態における認証システムSYSbは、上述したように、回転ミラー13の回転を制限するストッパ141bを備えている。この場合、回転ミラー13が放熱ファンとして機能する期間中は、ストッパ141bは、回転ミラー13の回転を制限しないことが好ましい。例えば、ストッパ141bは、回転ミラー13の回転を制限しない位置に退避されてもよい(例えば、収納されてもよい)。
【0181】
(11)第11実施形態
続いて、認証システム及び撮像装置の第11実施形態について説明する。以下では、認証システム及び撮像装置の第11実施形態が適用された認証システムSYSiについて説明する。認証システムSYSiは、上述した認証システムSYSと比較して、制御ユニット2に代えて、制御ユニット2iを備えているという点で異なる。認証システムSYSiのその他の特徴は、認証システムSYSのその他の特徴と同一であってもよい。以下、図50を参照しながら、第11実施形態における制御ユニット2iについて説明する。図50は、第11実施形態における制御ユニット2iの構成を示すブロック図である。
【0182】
図50に示すように、制御ユニット2iは、上述した制御ユニット2と比較して、顔認証部214iを更に備えているという点で異なる。制御ユニット2iのその他の特徴は、制御ユニット2のその他の特徴と同一であってもよい。
【0183】
続いて、図51を参照しながら、顔認証部214iを備える制御ユニット2iが行う認証動作について説明する。図51は、制御ユニット2iが行う認証動作の流れを示すフローチャートである。
【0184】
図51に示すように、第11実施形態においても、上述した第2実施形態と同様に(図12参照)、制御ユニット2iは、ステップS101からステップS109までの動作を行う。但し、第11実施形態では、ステップS104において顔カメラ11が対象人物Pの顔を撮像した後に、顔認証部214iは、通信装置23を介して、顔カメラ11から顔画像IMG_Fを取得し、取得した顔画像IMG_Fに基づいて、対象人物Pを認証する(ステップS109i)。つまり、顔認証部214iは、顔認証に関する認証動作を行う。具体的には、顔認証部214iは、取得した顔画像IMG_Fに写り込んでいる対象人物Pの顔の特徴量に基づいて、取得した顔画像IMG_Fに写り込んでいる対象人物Pが、予め登録された人物(以降、“登録人物”と称する)と同一であるか否かを判定する。顔画像IMG_Fに写り込んでいる対象人物Pが登録人物と同一であると判定された場合には、対象人物Pの認証が成功したと判定される。一方で、顔画像IMG_Fに写り込んでいる対象人物Pが登録人物と同一でないと判定された場合には、対象人物Pの認証が失敗したと判定される。
【0185】
その後、ステップS109において対象人物Pの認証が成功し且つステップS109iにおいて対象人物Pの認証が成功した場合には(ステップS110i:Yes)、ゲート制御部213は、通信装置23を介して、第2フラッパーゲート33の状態を開状態に設定するためのゲート制御信号を、ゲートユニット3に送信する(ステップS111)。他方で、ステップS109において対象人物Pの認証が失敗した及び/又はステップS109iにおいて対象人物Pの認証が失敗した場合には(ステップS110i:No)、ゲート制御部213は、通信装置23を介して、第2フラッパーゲート33の状態を閉状態に設定するためのゲート制御信号を、ゲートユニット3に送信する(ステップS112)。
【0186】
このように、認証システムSYSiは、いわゆるマルチモーダル認証を行うことで、対象人物Pをより厳密に認証することができる。
【0187】
(12)第12実施形態
続いて、認証システム及び撮像装置の第12実施形態について説明する。以下では、認証システム及び撮像装置の第12実施形態が適用された認証システムSYSjについて説明する。認証システムSYSjは、上述した認証システムSYSと比較して、ゲートユニット3に代えて、ゲートユニット3jを備えているという点で異なる。認証システムSYSjのその他の特徴は、認証システムSYSのその他の特徴と同一であってもよい。ゲートユニット3jは、ゲートユニット3と比較して、照明装置3に代えて、照明装置36jを備えているという点で異なる。ゲートユニット3jのその他の特徴は、ゲートユニット3のその他の特徴と同一であってもよい。以下、図52を参照しながら、第12実施形態における照明装置36jについて説明する。図52は、第12実施形態における照明装置3jの構成を示す正面図である。
【0188】
図52に示すように、照明装置36jは、複数の発光素子361jを備えている。図52に示す例では、照明装置36jは、24個の発光素子361jを備えているが、照明装置36jは、23個以下の発光素子361jを備えていてもよいし、25個以上の発光素子361jを備えていてもよい。
【0189】
複数の発光素子361jは、Z軸方向に沿って並んでいる。照明装置361jは、対象人物Pの身長に合わせて、複数の発光素子361jのうちの少なくとも一部が照明光ILを射出するように、複数の発光素子361jを制御してもよい。例えば、24個の発光素子361jは、所定数個の発光素子361jを含む発光素子群362jに区分されてもよい。この場合、照明装置361jは、対象人物Pの身長に合わせて、照明光ILを射出する発光素子群362jを選択し、選択された発光素子群362jに含まれる所定数個の発光素子361jが照明光ILを射出してもよい。
【0190】
図52に示す例では、24個の発光素子361jは、上から1個目から6個目までの発光素子361jを含む発光素子群362j#1と、上から7個目から12個目までの発光素子361jを含む発光素子群362j#2と、上から13個目から18個目までの発光素子361jを含む発光素子群362j#3と、上から19個目から24個目までの発光素子361jを含む発光素子群362j#4とに区分されている。例えば、対象人物Pの身長が第1閾値(例えば、190cm)以上である場合には、発光素子群362j#1に含まれる6個の発光素子361jが照明光ILを射出する一方で、発光素子群362j#2から362j#4に含まれる18個の発光素子361jが照明光ILを射出しなくてもよい。例えば、対象人物Pの身長が第2閾値(例えば、130cm)未満である場合には、発光素子群362j#3及び362j#4に含まれる12個の発光素子361jが照明光ILを射出する一方で、発光素子群362j#1から362j#2に含まれる12個の発光素子361jが照明光ILを射出しなくてもよい。
【0191】
このように、認証システムSYSjの照明装置36jは、対象人物Pの身長に合わせて、適切な高さに位置する発光素子361jが射出する照明光ILを用いて対象人物Pを照明することができる。
【0192】
(13)付記
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
[付記1]
対象の虹彩を撮像することで虹彩画像を生成可能な撮像手段と、
前記虹彩画像を用いた対象の認証に関する情報を表示可能な表示手段と
を備えており、
前記撮像手段の少なくとも一部は、前記情報を表示する表示面とは反対側である前記表示手段の裏面に隣接する空間に配置され、
前記撮像手段は、前記対象が存在する方向とは異なる方向を向いている
認証システム。
[付記2]
前記撮像手段は、虹彩撮像手段であり、
前記虹彩からの光を前記虹彩撮像手段に向けて反射可能な反射面を備える反射手段と、
前記反射手段を回転させる回転駆動手段と、
前記対象の顔を撮像することで顔画像を生成可能な顔撮像手段と
前記顔画像に基づいて、前記対象の目の位置を特定し、特定した前記目の位置に基づいて、前記反射面の向きが変わるように前記回転駆動手段を制御する回転制御手段と
を更に備える付記1に記載の認証システム。
[付記3]
前記虹彩撮像手段の位置を調整可能な第1位置調整手段と、前記反射手段の位置を調整可能な第2位置調整手段との少なくとも一方を更に備える
付記2に記載の認証システム。
[付記4]
前記反射手段が基準位置から許容上限角度回転した場合に前記反射手段に接触することで、前記反射手段の回転を制限する回転制限手段を更に備え、
前記回転制御手段は、(i)前記反射手段が前記回転制限手段に接触するまで前記反射手段が回転するように前記回転駆動手段を制御し、(ii)前記反射手段が前記回転制限手段に接触するまで前記反射手段が回転するように前記回転駆動手段を制御するために用いた実際の指令信号と、前記許容上限角度だけ前記反射手段が回転するように前記回転駆動手段を制御する理想的な指令信号との差分に基づいて、前記回転駆動手段を較正する
付記2又は3に記載の認証システム。
[付記5]
前記回転制御手段は、前記虹彩画像に写り込んでいる前記虹彩の状態に基づいて、回転している前記反射手段が停止する場合の前記反射手段の減速度を制御する
付記2から4のいずれか一項に記載の認証システム。
[付記6]
前記虹彩撮像手段は、回転している前記反射手段を前記回転駆動手段が停止させた後に前記目を複数回撮像することで複数の前記虹彩画像を夫々生成し、
前記複数の虹彩画像のうち前記虹彩が所望位置に写り込んでいる少なくとも一つの虹彩画像を選択し、前記選択した少なくとも一つの虹彩画像を用いて前記対象を認証する認証手段を更に備える
付記2から5のいずれか一項に記載の認証システム。
[付記7]
前記反射手段は、第1反射手段であり、
第1位置に位置する前記虹彩からの光を前記第1反射手段に向けて反射する第2反射手段と、
前記第1位置とは異なる第2位置に位置する前記虹彩からの光を前記第1反射手段に向けて反射する第3反射手段と
を更に備え、
前記回転制御手段は、(i)特定した前記目の位置が所定の位置条件を満たす場合には、前記第1反射手段が、前記第2反射手段からの光を前記虹彩撮像手段に向けて反射するように、前記第1から第3反射手段を制御し、(ii)特定した前記目の位置が前記位置条件を満たさない場合には、前記第1反射手段が、前記第3反射手段からの光を前記虹彩撮像手段に向けて反射するように、前記第1から第3反射手段を制御する
付記2から6のいずれか一項に記載の認証システム。
[付記8]
前記第2反射手段は、前記第1位置に位置する前記虹彩からの光を、第4反射手段を介して前記第1反射手段に向けて反射し、
前記第3反射手段は、前記第2位置に位置する前記虹彩からの光を、前記第4反射手段を介して前記第1反射手段に向けて反射する
を更に備える付記7に記載の認証システム。
[付記9]
前記虹彩撮像手段は、第1位置に位置する前記虹彩を撮像可能な第1虹彩撮像手段であり、
前記反射手段は、前記第1位置に位置する前記虹彩からの光を前記第1虹彩撮像手段に向けて反射可能な第1反射手段であり、
前記第1位置とは異なる第2位置に位置する前記虹彩を撮像することで前記虹彩画像を生成可能な第2虹彩撮像手段と、
前記第2位置に位置する前記虹彩からの光を前記第2虹彩撮像手段に向けて反射可能な第2反射手段と
を更に備え、
前記回転制御手段は、(i)前記顔画像に基づいて、前記対象の位置を特定し、(ii)前記対象が前記第1位置に位置する場合には、前記第1位置に位置する前記対象の前記虹彩からの光を前記第1虹彩撮像手段に向けて反射するように前記第1反射手段を制御し、(iii)前記対象が前記第2位置に位置する場合には、前記第2位置に位置する前記対象の前記虹彩からの光を前記第2虹彩撮像手段に向けて反射するように前記第2反射手段を制御する付記2から8のいずれか一項に記載の認証システム。
[付記10]
前記第2位置は、鉛直方向及び水平方向の少なくとも一方に沿って前記第1位置とは異なる
付記7から9のいずれか一項に記載の認証システム。
[付記11]
前記虹彩撮像手段は、第1波長帯域の照明光で照明された前記虹彩を撮像し、
前記反射面には、前記第1波長帯域の光が通過可能であり、前記第1波長帯域とは異なる第2波長帯域の光を減衰し、且つ、前記反射面を保護可能な保護膜が形成されている
付記2から10のいずれか一項に記載の認証システム。
[付記12]
前記回転制御手段は、前記反射手段が同一回転方向に連続して回転することで放熱ファンとして機能するように、前記回転駆動手段を制御する
付記2から11のいずれか一項に記載の認証システム。
[付記13]
前記虹彩画像を用いて前記対象を認証する認証手段を更に備え、
前記撮像手段は、前記撮像手段が前記対象を撮像する第1期間において、前記対象が通過する通路上に配置され、
前記撮像手段は、前記対象が認証された後の第2期間において、前記通路から退避する
付記1から12のいずれか一項に記載の認証システム。
[付記14]
前記撮像手段を支持する支持手段と、
前記支持手段によって支持された前記撮像手段を内部に収容する収容手段と
を更に備え、
前記支持手段の一部が前記収容手段の外部に露出している
付記1から13のいずれか一項に記載の認証システム。
[付記15]
対象の虹彩を撮像することで虹彩画像を生成可能な撮像手段と、
前記虹彩画像を用いた対象の認証に関する情報を表示可能な表示手段と
を備えており、
前記撮像手段の少なくとも一部は、前記情報を表示する表示面とは反対側である前記表示手段の裏面に隣接する空間に配置され、
前記撮像手段は、前記対象が存在する方向とは異なる方向を向いている
撮像装置。
【0193】
上述の各実施形態の構成要素の少なくとも一部は、上述の各実施形態の構成要素の少なくとも他の一部と適宜組み合わせることができる。上述の各実施形態の構成要素のうちの一部が用いられなくてもよい。また、法令で許容される限りにおいて、上述のこの開示で引用した全ての文献(例えば、公開公報)の開示を援用してこの開示の記載の一部とする。
【0194】
この開示は、請求の範囲及び明細書全体から読み取るこのできる技術的思想に反しない範囲で適宜変更可能である。そのような変更を伴う認証システム及び撮像装置もまた、この開示の技術的思想に含まれる。
【符号の説明】
【0195】
1 撮像ユニット
11 顔カメラ
12 虹彩カメラ
121 光学系
122 撮像素子
13 回転ミラー
13d リレーミラー
131 反射面
132b ミラー本体
133b ミラーホルダ
14 回転モータ
141b ストッパ
15 ディスプレイ
16 距離センサ
171a カメラ位置調整機構
172a ミラー位置調整機構
17g 移動装置
18 支持板
19 筐体
2 制御ユニット
21 演算装置
211 虹彩認証部
212、212c ミラー制御部
213 ゲート制御部
3 ゲートユニット
31 ガイド壁
32 第1フラッパーゲート
33 第2フラッパーゲート
34 近接センサ
35 レーン
1000 認証システム
1010 撮像装置
1020 表示装置
2000 対象
SYS 認証システム
P 対象人物
IMG_F 顔画像
IMG_I 虹彩画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52