(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】デバイス制御方法及び端末デバイス
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0488 20220101AFI20241217BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20241217BHJP
H04M 1/72415 20210101ALI20241217BHJP
【FI】
G06F3/0488
H04M1/00 Q
H04M1/72415
(21)【出願番号】P 2023538943
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(86)【国際出願番号】 CN2021137200
(87)【国際公開番号】W WO2022135186
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-08-02
(31)【優先権主張番号】202011548741.5
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ボ
(72)【発明者】
【氏名】ホァン,デツァイ
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,ペイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,グアンジュン
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-508203(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110673782(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
H04M 1/00
H04M 1/24 - 1/82
H04M 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
宛先投影デバイス及び送信元投影デバイスを含むシステムに適用されるデバイス制御方法であって、
前記宛先投影デバイスによって、前記送信元投影デバイスの投影ウィンドウを表示することと、
前記宛先投影デバイスによって、前記投影ウィンドウの外側から前記投影ウィンドウの内側にスライドすることによってユーザによって実行される第1のタッチ・スライド動作に応答して、第1のタッチ・スライド・イベントを生成することと、
前記第1のタッチ・スライド動作の開始タッチ点がターゲット領域内に位置するときに、前記宛先投影デバイスによって、前記第1のタッチ・スライド・イベントを前記送信元投影デバイスのエッジ・スライド・イベントに変換し、前記エッジ・スライド・イベントを前記送信元投影デバイスに送信することであって、前記ターゲット領域は、前記投影ウィンドウのエッジから外向きに予め設定された距離だけ延ばすことによって形成された領域である、ことと、
前記送信元投影デバイスによって、前記エッジ・スライド・イベントに基づいて画面表示内容を更新することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のタッチ・スライド・イベントは、前記第1のタッチ・スライド動作によって生成された一連のタッチ・イベントを含み、前記第1のタッチ・スライド・イベントを前記送信元投影デバイスのエッジ・スライド・イベントに変換することは、
前記ターゲット領域内に座標が位置し、かつ前記第1のタッチ・スライド・イベント内にあるタッチ・イベントを、前記送信元投影デバイスの画面エッジ・イベントに変換することと、
前記画面エッジ・イベントと、前記投影ウィンドウ内に座標が位置し、かつ前記第1のタッチ・スライド・イベント内にあるタッチ・イベントとに基づいて、前記エッジ・スライド・イベントを生成することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のタッチ・スライド・イベントは、前記第1のタッチ・スライド動作によって生成された一連のタッチ・イベントを含み、前記第1のタッチ・スライド・イベントを前記送信元投影デバイスのエッジ・スライド・イベントに変換することは、
ターゲット・イベントに基づいてタッチ・ダウン・イベントを生成することであって、前記ターゲット・イベントは、前記投影ウィンドウにおける前記第1のタッチ・スライド動作によって生成された最初のタッチ・イベントであり、前記タッチ・ダウン・イベントは、前記送信元投影デバイスの画面エッジ・イベントである、ことと、
前記タッチ・ダウン・イベントと、前記投影ウィンドウ内に位置し、かつ前記第1のタッチ・スライド・イベント内にあるタッチ・イベントとに基づいて、前記エッジ・スライド・イベントを生成することと、を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ターゲット・イベントに基づいてタッチ・ダウン・イベントを生成することは、
前記ターゲット・イベントの前に前記タッチ・ダウン・イベントを挿入することであって、前記タッチ・ダウン・イベントの座標は、前記ターゲット・イベントの座標と同じである、ことか、又は、
前記ターゲット・イベントを前記タッチ・ダウン・イベントに変換することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のタッチ・スライド動作の前記開始タッチ点が前記ターゲット領域の外側に位置しているときに、前記宛先投影デバイスによって、前記第1のタッチ・スライド・イベントに応答して、前記宛先投影デバイスの画面表示内容を更新することをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記送信元投影デバイス上で前記ユーザによって実行される第2のタッチ・スライド動作に応答して、前記送信元投影デバイスによって、第1の領域を画面エッジ領域として使用し、前記第2のタッチ・スライド動作によって生成された第2のタッチ・スライド・イベントに対するエッジ・スライド・ジェスチャを検出することと、
前記ユーザが前記投影ウィンドウから内側にスライドすることによって実行される第3のタッチ・スライド動作に応答して、前記宛先投影デバイスによって、前記送信元投影デバイスに対応する第3のタッチ・スライド・イベントを生成し、前記第3のタッチ・スライド・イベントを前記送信元投影デバイスに送信することと、
前記第3のタッチ・スライド・イベントを受信した後、前記送信元投影デバイスによって、第2の領域を画面エッジ領域として使用し、前記第3のタッチ・スライド・イベントに対するエッジ・スライド・ジェスチャを検出することであって、前記第1の領域及び前記第2の領域は両方とも、前記送信元投影デバイスの画面エッジから内向きに延ばすことによって形成された領域であり、前記第2の領域のカバレッジは、前記第1の領域のカバレッジよりも大きい、ことと、
前記送信元投影デバイスによって、前記エッジ・スライド・ジェスチャに応答して、前記エッジ・スライド・ジェスチャに対応する制御機能を実行し、前記画面表示内容を更新することと、をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、
前記送信元投影デバイスによって、前記画面表示内容を前記宛先投影デバイスに送信することと、
前記宛先投影デバイスによって、前記画面表示内容を受信した後に、前記投影ウィンドウ内の前記画面表示内容を表示することと、をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
宛先投影デバイスに適用されるデバイス制御方法であって、
送信元投影デバイスの投影ウィンドウを表示することと、
前記投影ウィンドウの外側から前記投影ウィンドウの内側にスライドすることによってユーザによって実行されるタッチ・スライド動作に応答して、
タッチ・スライド・イベントを生成することと、
前記タッチ・スライド動作の開始タッチ点がターゲット領域内に位置するときに、前記タッチ・スライド・イベントを前記送信元投影デバイスのエッジ・スライド・イベントに変換し、前記エッジ・スライド・イベントを前記送信元投影デバイスに送信することであって、前記ターゲット領域は、前記投影ウィンドウのエッジから外向きに予め設定された距離だけ延ばすことによって形成された領域である、ことと、を含む、方法。
【請求項9】
前記タッチ・スライド・イベントは、前記タッチ・スライド動作によって生成された一連のタッチ・イベントを含み、前記タッチ・スライド・イベントを前記送信元投影デバイスのエッジ・スライド・イベントに変換することは、
前記ターゲット領域内に座標が位置し、かつ前記タッチ・スライド・イベント内にあるタッチ・イベントを、前記送信元投影デバイスの画面エッジ・イベントに変換することと、
前記画面エッジ・イベントと、前記投影ウィンドウ内に座標が位置し、かつ前記タッチ・スライド・イベント内にあるタッチ・イベントとに基づいて、前記エッジ・スライド・イベントを生成することと、を含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記タッチ・スライド・イベントは、前記タッチ・スライド動作によって生成された一連のタッチ・イベントを含み、前記タッチ・スライド・イベントを前記送信元投影デバイスのエッジ・スライド・イベントに変換することは、
ターゲット・イベントに基づいてタッチ・ダウン・イベントを生成することであって、前記ターゲット・イベントは、前記投影ウィンドウにおける前記タッチ・スライド動作によって生成された最初のタッチ・イベントであり、前記タッチ・ダウン・イベントは、前記送信元投影デバイスの画面エッジ・イベントである、ことと、
前記タッチ・ダウン・イベントと、前記投影ウィンドウ内に位置し、かつ前記タッチ・スライド・イベント内にあるタッチ・イベントとに基づいて、前記エッジ・スライド・イベントを生成することと、を含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
ターゲット・イベントに基づいてタッチ・ダウン・イベントを生成することは、
前記ターゲット・イベントの前に前記タッチ・ダウン・イベントを挿入することであって、前記タッチ・ダウン・イベントの座標は、前記ターゲット・イベントの座標と同じである、ことか、又は
前記ターゲット・イベントを前記タッチ・ダウン・イベントに変換することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記
タッチ・スライド動作の前記開始タッチ点が前記ターゲット領域の外側に位置しているときに、前記
タッチ・スライド・イベントに応答して、前記宛先投影デバイスの画面表示内容を更新することか、又は
前記タッチ・スライド・イベントに対応し、かつ前記送信元投影デバイスによって送信された画面表示内容を受信し、前記画面表示内容を前記投影ウィンドウ内に表示することをさらに含む、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
送信元投影デバイスに適用されるデバイス制御方法であって、
前記送信元投影デバイス上でユーザによって実行されるタッチ・スライド動作が受信されるときに、第1の領域を画面エッジ領域として使用し、前記タッチ・スライド動作によって生成されたタッチ・スライド・イベントに対するエッジ・スライド・ジェスチャを検出することと、
宛先投影デバイスによって送信されたタッチ・スライド・イベントが受信されるときに、第2の領域を画面エッジ領域として使用し、前記タッチ・スライド・イベントに対するエッジ・スライド・ジェスチャを検出することであって、前記第1の領域及び前記第2の領域は両方とも、前記送信元投影デバイスの画面エッジから内向きに延ばすことによって形成された領域であり、前記第2の領域のカバレッジは、前記第1の領域のカバレッジよりも大きい、ことと、
前記エッジ・スライド・ジェスチャに対応する制御機能を実行し、画面表示内容を更新することと、を含む、方法。
【請求項14】
メモリと、プロセッサと、を含む端末デバイスであって、前記メモリは、コンピュータ・プログラムを記憶するように構成されており、前記プロセッサは、前記コンピュータ・プログラムを呼び出すときに、請求項8~13のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されている、端末デバイス。
【請求項15】
コンピュータ・プログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ・プログラムがプロセッサによって実行されるときに、請求項8~13のいずれか一項に記載の方法が実装される、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2020年12月24日に中国国家知識産権局に出願され、「DEVICE CONTROL METHOD AND TERMINAL DEVICE」と題された、中国特許出願第202011548741.5号に対する優先権を主張し、その全体が参照によりこの明細書に組み込まれる。
【0002】
この出願は、端末技術の分野に関係し、特に、デバイス制御方法及び端末デバイスに関係する。
【背景技術】
【0003】
端末技術の急速な発展に伴い,デバイス相互接続技術が広く使用されている。デバイス相互接続技術を通して、ユーザは、1つの端末デバイス(具体的には、送信元投影デバイス)上のコンテンツを別の端末デバイス(具体的には、宛先投影デバイス)に便利に転送することができる。例えば、投影機能を使用して、携帯電話の投影ウィンドウ(具体的には、携帯電話の画面内容の鏡像)がタブレット上に表示され得、ユーザは、その投影ウィンドウにおいてジェスチャ動作を行って、逆に携帯電話を制御してもよい。
【0004】
現在、端末デバイスのボディに対する画面比は増加しており、ベゼルレス画面が主流となっている。ユーザの利便性のために、主要な製造業者は関連するベゼルレス画面ジェスチャを開発している。例えば、関連する制御機能(例えば、ナビゲーション・バー機能)は、画面のエッジから内向きにスライドするエッジ・スライド・ジェスチャを使用して実現され得る。しかしながら、送信元投影デバイスが、宛先投影デバイス上のベゼルレス画面ジェスチャによって制御されるときに、動作が不便であるという問題がある。
【発明の概要】
【0005】
これを考慮して、この出願は、投影シナリオにおいてベゼルレス画面ジェスチャを使用して逆方向制御動作を実行する利便性を向上させ、それにより、ユーザ体験を向上させるデバイス制御方法及び端末デバイスを提供する。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様によれば、この出願の一実施形態は、宛先投影デバイスと、送信元投影デバイスと、を含むシステムに適用されるデバイス制御方法を提供する。本方法は、以下を含む。
【0007】
宛先投影デバイスは、送信元投影デバイスの投影ウィンドウを表示する。
【0008】
宛先投影デバイスは、投影ウィンドウの外側から投影ウィンドウの内側にスライドすることによってユーザによって実行される第1のタッチ・スライド動作に応答して、第1のタッチ・スライド・イベントを生成する。
【0009】
第1のタッチ・スライド動作の開始タッチ点がターゲット領域内に位置するときに、宛先投影デバイスは、第1のタッチ・スライド・イベントを送信元投影デバイスのエッジ・スライド・イベントに変換し、エッジ・スライド・イベントを送信元投影デバイスに送信し、ターゲット領域は、投影ウィンドウのエッジから外向きに予め設定された距離だけ延ばすことによって形成された領域である。
【0010】
送信元投影デバイスは、エッジ・スライド・イベントを受信した後、エッジ・スライド・イベントに基づいて画面表示内容を更新する。
【0011】
この実施形態で提供されるデバイス制御方法によれば、宛先投影デバイスは、投影ウィンドウの外側から投影ウィンドウの内側にスライドすることによってユーザによって実行されるタッチ・スライド動作によって生成されたタッチ・スライド・イベントを、送信元投影ウィンドウのエッジ・スライド・イベントに変換してもよい。このようにして、送信元投影デバイスは、完全なエッジ・スライド・イベントに基づいてエッジ・スライド・ジェスチャを検出してもよく、送信元投影デバイスのエッジ・スライド・ジェスチャを宛先投影デバイス上でユーザによってトリガする成功率を向上させ、それにより、逆方向制御動作及びユーザ体験の利便性を向上させることができる。
【0012】
第1の態様の可能な実装では、第1のタッチ・スライド・イベントは、第1のタッチ・スライド動作によって生成された一連のタッチ・イベントを含み、第1のタッチ・スライド・イベントを投影ウィンドウのエッジ・スライド・イベントに変換することは、ターゲット領域内に座標が位置し、かつ第1のタッチ・スライド・イベント内にあるタッチ・イベントを、送信元投影デバイスの画面エッジ・イベントに変換することと、画面エッジ・イベントと、投影ウィンドウ内に座標が位置し、かつ第1のタッチ・スライド・イベント内にあるタッチ・イベントと、に基づいて、エッジ・スライド・イベントを生成することと、を含む。
【0013】
上述の実装では、ターゲット領域におけるタッチ・イベントは、送信元投影デバイスの画面エッジ・イベントに変換される。ターゲット領域は、タッチ・ダウン・イベントを含むため、変換を通して取得された画面エッジ・イベントと、投影ウィンドウにおけるタッチ・スライド動作に対応するタッチ・イベントとに基づいて完全なエッジ・スライド・イベントが取得されてもよく、その結果、ユーザは、送信元投影デバイスのエッジ・スライド・ジェスチャのトリガに成功することができる。
【0014】
第1の態様の可能な実装では、第1のタッチ・スライド・イベントは、第1のタッチ・スライド動作によって生成された一連のタッチ・イベントを含み、第1のタッチ・スライド・イベントを投影ウィンドウのエッジ・スライド・イベントに変換することは、ターゲット・イベントに基づいてタッチ・ダウン・イベントを生成することであって、ターゲット・イベントは、投影ウィンドウにおけるタッチ・スライド動作によって生成された最初のタッチ・イベントであり、タッチ・ダウン・イベントは、送信元投影デバイスの画面エッジ・イベントである、ことと、タッチ・ダウン・イベントと、投影ウィンドウ内に位置し、かつ第1のタッチ・スライド・イベント内にあるタッチ・イベントとに基づいて、エッジ・スライド・イベントを生成することと、を含む。
【0015】
上述の実装では、投影ウィンドウ内の最初のタッチ・イベントに基づいて、送信元投影デバイスの画面エッジ・イベントに属するタッチ・ダウン・イベントが生成され、その結果、タッチ・ダウン・イベントと、投影ウィンドウにおけるタッチ・イベントとに基づいて、完全なエッジ・スライド・イベントを取得することができる。このようにして、ユーザは、送信元投影デバイスのエッジ・スライド・ジェスチャのトリガに成功することができる。
【0016】
第1の態様の可能な実装では、ターゲット・イベントに基づいてタッチ・ダウン・イベントを生成することは、ターゲット・イベントの前にタッチ・ダウン・イベントを挿入することを含み、タッチ・ダウン・イベントの座標は、ターゲット・イベントの座標と同じである。
【0017】
第1の態様の可能な実装では、ターゲット・イベントに基づいてタッチ・ダウン・イベントを生成することは、ターゲット・イベントをタッチ・ダウン・イベントに変換することを含む。
【0018】
第1の態様の可能な実装では、方法は、以下をさらに含む。
【0019】
第1のタッチ・スライド動作の開始タッチ点がターゲット領域の外側に位置しているときに、宛先投影デバイスは、第1のタッチ・スライド・イベントに応答して、宛先投影デバイスの画面表示内容を更新する。
【0020】
上述の実装では、第1のタッチ・スライド動作の開始タッチ点がターゲット領域の外側に位置するときに、宛先投影デバイスは、その操作を宛先投影デバイスの画面表示内容に対する動作として使用し、その動作に応答する。このようにして、イベント応答結果の精度を向上させ、それによってユーザ体験を向上させることができる。
【0021】
第1の態様の可能な実装では、方法は、以下をさらに含む。
【0022】
送信元投影デバイス上でユーザによって実行される第2のタッチ・スライド動作に応答して、送信元投影デバイスによって、第1の領域を画面エッジ領域として使用し、第2のタッチ・スライド動作によって生成された第2のタッチ・スライド・イベントに対するエッジ・スライド・ジェスチャを検出する。
【0023】
投影ウィンドウから内向きにスライドすることによってユーザによって実行される第3のタッチ・スライド動作に応答して、宛先投影デバイスは、送信元投影デバイスに対応する第3のタッチ・スライド・イベントを生成し、第3のタッチ・スライド・イベントを送信元投影デバイスに送信する。
【0024】
送信元投影デバイスは、第2の領域を画面エッジ領域として使用し、第3のタッチ・スライド・イベントを受信した後、第3のタッチ・スライド・イベントに対するエッジ・スライド・ジェスチャを検出し、第1の領域及び第2の領域は両方とも、送信元投影デバイスの画面エッジから内向きに延ばすことによって形成された領域であり、第2の領域の範囲は、第1の領域の範囲よりも大きい。
【0025】
エッジ・スライド・ジェスチャが検出される場合、送信元投影デバイスは、検出されたエッジ・スライド・ジェスチャに対応する制御機能を実行し、画面表示内容を更新する。
【0026】
上述の実装では、送信元投影デバイスは、第1の領域を画面エッジ領域として使用し、送信元投影デバイス上でユーザによってトリガされたタッチ・スライド・イベントに対するエッジ・スライド・ジェスチャを検出し、第1の領域よりも大きい第2の領域を画面エッジ領域として使用し、受信されたタッチ・スライド・イベントに対するエッジ・スライド・ジェスチャを検出する。このようにして、送信元投影デバイスのエッジ・スライド・ジェスチャを宛先投影デバイス上でユーザによってトリガする成功率を向上させ、それにより、逆方向制御動作の信頼性及びユーザ体験を向上させることができる。
【0027】
第1の態様の可能な実装では、エッジ・スライド・ジェスチャは、前のレベルに戻るジェスチャ、ホーム画面に戻るジェスチャ、又は最近のタスクリストに対するジェスチャである。
【0028】
第1の態様の可能な実装では、方法は、以下をさらに含む。
【0029】
送信元投影デバイスは、画面表示内容を宛先投影デバイスに送信する。
【0030】
宛先投影デバイスは、画面表示内容を受信した後、投影ウィンドウ内の画面表示内容を表示する。
【0031】
上述の実装では、画面表示内容を更新した後、送信元投影デバイスは、画面表示内容を宛先投影デバイスに送信する。このようにして、宛先投影デバイスは、投影ウィンドウの内容を時間的に更新することができる。
【0032】
第2の観点によれば、この出願の一実施形態は、宛先投影デバイスに適用されるデバイス制御方法を提供する。方法は、送信元投影デバイスの投影ウィンドウを表示することと、投影ウィンドウの外側から投影ウィンドウの内側にスライドすることによってユーザによって実行されるタッチ・スライド動作に応答して、第1のタッチ・スライド・イベントを生成することと、タッチ・スライド動作の開始タッチ点がターゲット領域内に位置するときに、タッチ・スライド・イベントを送信元投影デバイスのエッジ・スライド・イベントに変換し、エッジ・スライド・イベントを送信元投影デバイスに送信することであって、ターゲット領域は、投影ウィンドウのエッジから外向きに予め設定された距離だけ延ばすことによって形成された領域である、ことと、を含む。
【0033】
第2の態様の可能な実装では、タッチ・スライド・イベントは、タッチ・スライド動作によって生成された一連のタッチ・イベントを含み、タッチ・スライド・イベントを投影ウィンドウのエッジ・スライド・イベントに変換することは、ターゲット領域内に座標が位置し、かつタッチ・スライド・イベント内にあるタッチ・イベントを、送信元投影デバイスの画面エッジ・イベントに変換することと、画面エッジ・イベントと、投影ウィンドウ内に座標が位置し、かつタッチ・スライド・イベント内にあるタッチ・イベントとに基づいて、エッジ・スライド・イベントを生成することと、を含む。
【0034】
第2の態様の可能な実装では、タッチ・スライド・イベントは、タッチ・スライド動作によって生成された一連のタッチ・イベントを含み、タッチ・スライド・イベントを投影ウィンドウのエッジ・スライド・イベントに変換することは、ターゲット・イベントに基づいてタッチ・ダウン・イベントを生成することであって、ターゲット・イベントは、投影ウィンドウにおけるタッチ・スライド動作によって生成された最初のタッチ・イベントであり、タッチ・ダウン・イベントは、送信元投影デバイスの画面エッジ・イベントである、ことと、タッチ・ダウン・イベントと、投影ウィンドウ内に位置し、かつタッチ・スライド・イベント内にあるタッチ・イベントとに基づいて、エッジ・スライド・イベントを生成することと、を含む。
【0035】
第2の態様の可能な実装では、ターゲット・イベントに基づいてタッチ・ダウン・イベントを生成することは、ターゲット・イベントの前にタッチ・ダウン・イベントを挿入することを含み、タッチ・ダウン・イベントの座標は、ターゲット・イベントの座標と同じである。
【0036】
第2の態様の可能な実装では、ターゲット・イベントに基づいてタッチ・ダウン・イベントを生成することは、ターゲット・イベントをタッチ・ダウン・イベントに変換することを含む。
【0037】
第2の態様のさらに別の可能な実装では、方法は、タッチ・スライド動作の開始タッチ点がターゲット領域の外側に位置しているときに、タッチ・スライド・イベントに応答して、宛先投影デバイスの画面表示内容を更新することをさらに含む。
【0038】
第2の態様のさらに別の可能な実装では、方法は、タッチ・スライド・イベントに対応し、かつ送信元投影デバイスによって送信された画面表示内容を受信し、画面表示内容を投影ウィンドウ内に表示することをさらに含む。
【0039】
第3の観点によれば、この出願の実施形態は、送信元投影デバイスに適用されるデバイス制御方法を提供する。方法は、送信元投影デバイス上でユーザによって実行されるタッチ・スライド動作が受信される場合、第1の領域を画面エッジ領域として使用し、タッチ・スライド動作によって生成されたタッチ・スライド・イベントに対するエッジ・スライド・ジェスチャを検出することと、宛先投影デバイスによって送信されたタッチ・スライド・イベントが受信される場合、第2の領域を画面エッジ領域として使用し、受信されたタッチ・スライド・イベントに対するエッジ・スライド・ジェスチャを検出することであって、第1の領域及び第2の領域は両方とも、送信元投影デバイスの画面エッジから内向きに延ばすことによって形成された領域であり、第2の領域のカバレッジは、第1の領域のカバレッジよりも大きい、ことと、検出されたエッジ・スライド・ジェスチャに対応する制御機能を実行し、画面表示内容を更新することと、を含む。
【0040】
第4の観点によれば、この出願の一実施形態は、宛先投影デバイスに適用されるデバイス制御方法を提供する。装置は、送信元投影デバイスの投影ウィンドウを表示するように構成された表示モジュールと、投影ウィンドウの外側から投影ウィンドウの内側にスライドすることによってユーザによって実行されるタッチ・スライド動作に応答して、第1のタッチ・スライド・イベントを受信するように構成された入力モジュールと、タッチ・スライド動作に応答して、タッチ・スライド・イベントを生成し、タッチ・スライド動作の開始タッチ点がターゲット領域内に位置するときに、タッチ・スライド・イベントを送信元投影デバイスのエッジ・スライド・イベントに変換するように構成された処理モジュールであって、ターゲット領域は、投影ウィンドウのエッジから外向きに予め設定された距離だけ延ばすことによって形成された領域である、処理モジュールと、エッジ・スライド・イベントを送信元投影デバイスに送信するように構成された通信モジュールと、を含む。
【0041】
第4の態様の可能な実装では、タッチ・スライド・イベントは、タッチ・スライド動作によって生成される一連のタッチ・イベントを含む。処理モジュールは、具体的には、ターゲット領域内に座標が位置し、かつタッチ・スライド・イベント内にあるタッチ・イベントを、送信元投影デバイスの画面エッジ・イベントに変換することと、画面エッジ・イベントと、投影ウィンドウ内に座標が位置し、かつタッチ・スライド・イベント内にあるタッチ・イベントとに基づいて、エッジ・スライド・イベントを生成することと、を行うように構成されている。
【0042】
第4の態様の可能な実装では、タッチ・スライド・イベントは、タッチ・スライド動作によって生成される一連のタッチ・イベントを含む。処理モジュールは、具体的には、ターゲット・イベントに基づいてタッチ・ダウン・イベントを生成することであって、ターゲット・イベントは、投影ウィンドウにおけるタッチ・スライド動作によって生成された最初のタッチ・イベントであり、タッチ・ダウン・イベントは、送信元投影デバイスの画面エッジ・イベントである、ことと、タッチ・ダウン・イベントと、投影ウィンドウ内に位置し、かつタッチ・スライド・イベント内にあるタッチ・イベントとに基づいて、エッジ・スライド・イベントを生成することと、を行うように構成されている。
【0043】
第4の態様の可能な実装では、処理ユニットは、具体的には、ターゲット・イベントの前にタッチ・ダウン・イベントを挿入することであって、タッチ・ダウン・イベントの座標は、ターゲット・イベントの座標と同じである、ことを行うように構成されている。
【0044】
第4の態様の可能な実装では、処理ユニットは、具体的には、ターゲット・イベントをタッチ・ダウン・イベントに変換することを行うように構成されている。
【0045】
第4の態様の可能な実装では、処理ユニットは、具体的には、タッチ・スライド動作の開始タッチ点がターゲット領域の外側に位置しているときに、タッチ・スライド・イベントに応答して、表示モジュールを使用して宛先投影デバイスの画面表示内容を更新することを行うようにさらに構成されている。
【0046】
第4の態様の可能な実装では、通信モジュールは、タッチ・スライド・イベントに対応し、かつ送信元投影デバイスによって送信された画面表示内容を受信するようにさらに構成されている。
【0047】
表示モジュールは、画面表示内容を投影ウィンドウ内に表示するようにさらに構成されている。
【0048】
第5の態様によれば、この出願の一実施形態は、送信元投影デバイスに適用されるデバイス制御装置を提供する。装置は、入力モジュールと、処理モジュールと、通信モジュールと、表示モジュールと、を含む。
【0049】
処理モジュールは、入力モジュールが、送信元投影デバイス上でユーザによって実行されるタッチ・スライド動作を受信するときに、第1の領域を画面エッジ領域として使用し、タッチ・スライド動作によって生成されたタッチ・スライド・イベントに対するエッジ・スライド・ジェスチャを検出するように構成されている。
【0050】
処理モジュールは、通信モジュールが、宛先投影デバイスによって送信されたタッチ・スライド・イベントが受信するときに、第2の領域を画面エッジ領域として使用し、受信されたタッチ・スライド・イベントに対するエッジ・スライド・ジェスチャを検出するようにさらに構成されており、第1の領域及び第2の領域は両方とも、送信元投影デバイスの画面エッジから内向きに延ばすことによって形成された領域であり、第2の領域のカバレッジは、第1の領域のカバレッジよりも大きい。
【0051】
処理モジュールは、さらに、検出されたエッジ・スライド・ジェスチャに対応する制御機能を実行し、表示モジュールを用いて画面表示内容を更新するように構成される。
【0052】
第6の観点によれば、この出願の実施形態は、メモリ及びプロセッサを含む端末デバイスを提供する。メモリは、コンピュータ・プログラムを記憶するように構成されている。プロセッサは、コンピュータ・プログラムを呼び出すときに、第2の態様又は第3の態様による方法を実行するように構成されている。
【0053】
第7の態様によれば、この出願の実施形態は、コンピュータ・プログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ・プログラムがプロセッサによって実行されるときに、第2の態様又は第3の態様による方法が実装される。
【0054】
第8の態様によれば、この出願の一実施形態は、コンピュータ・プログラム製品を提供する。コンピュータ・プログラム製品が端末デバイス上で実行されるときに、端末デバイスは、第2の態様又は第3の態様による方法を実行することが可能となる。
【0055】
第9の態様によれば、この出願の一実施形態は、プロセッサを含むチップ・システムを提供する。プロセッサは、メモリに結合されており、プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータ・プログラムを実行して、第2の態様又は第3の態様による方法を実装する。チップ・システムは、単一チップでも、複数のチップを含むチップ・モジュールでもよい。
【0056】
第2の態様~第9の態様の有益な効果については、第1の態様における関連説明を参照すると理解されたい。詳細は、ここでは再度説明されない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】この出願の一実施形態による、投影シナリオの概略図である。
【0058】
【
図2】この出願の一実施形態による、タッチ・スライド動作の概略図である。
【0059】
【
図3】この出願の一実施形態による、端末デバイスの構造の概略図である。
【0060】
【
図4】この出願の一実施形態による、端末デバイスのソフトウェア・アーキテクチャの概略図である。
【0061】
【
図5】この出願の一実施形態による、ターゲット領域の概略図である。
【0062】
【
図6】この出願の一実施形態による、イベント処理プロセスの概略図である。
【0063】
【
図7】この出願の一実施形態による、イベント座標変換の概略図である。
【0064】
【
図8】この出願の一実施形態による、イベント処理結果の概略図である。
【0065】
【
図9】この出願の一実施形態による、別のイベント処理結果の概略図である。
【0066】
【
図10A】この出願の一実施形態による、デバイス制御結果の概略図である。
【
図10B】この出願の一実施形態による、デバイス制御結果の概略図である。
【0067】
【
図11】この出願の実施形態による、いくつかのユーザ・インターフェースの概略図である。
【
図12】この出願の実施形態による、いくつかのユーザ・インターフェースの概略図である。
【
図13】この出願の実施形態による、いくつかのユーザ・インターフェースの概略図である。
【0068】
【
図14】この出願の一実施形態による、画面エッジ領域の概略図である。
【0069】
【
図15】この出願の一実施形態による、別のイベント処理プロセスの概略図である。
【0070】
【
図16A】この出願の一実施形態による、別のデバイス制御結果の概略図である。
【
図16B】この出願の一実施形態による、別のデバイス制御結果の概略図である。
【0071】
【
図17】この出願の実施形態による、他のいくつかのユーザ・インターフェースの概略図である。
【
図18】この出願の実施形態による、他のいくつかのユーザ・インターフェースの概略図である。
【0072】
【
図19】この出願の一実施形態による、デバイス制御装置の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
以下、この出願の実施形態における添付図面を参照して、この出願の実施形態を説明する。この出願の実施形態の実装において使用される用語は、この出願の特定の実施形態を説明するために使用されるにすぎず、この出願を限定することを意図していない。
【0074】
図1は、この出願の一実施形態による、通信シナリオの概略図である。
図1に示すように、投影シナリオは、送信元投影デバイス100と、宛先投影デバイス200と、を含む。
【0075】
送信元投影デバイス100及び宛先投影デバイス200は、携帯電話、タブレット・コンピュータ、ノートブック・コンピュータ、デスクトップ・コンピュータ、ウェアラブル・デバイス、スマートTVなどの端末デバイスであってもよい。同じ端末デバイスが送信元投影デバイス100として使用されてもよいし、宛先投影デバイス200として使用されてもよい。1つ以上の送信元投影デバイス100及び1つ以上の宛先投影デバイス200があってもよい。具体的には、1つの送信元投影デバイス100が、表示のために複数の宛先投影デバイス200に対して画面表示内容を投影してもよいし、また、1つの宛先投影デバイス200が、複数の送信元投影デバイス100の画面表示内容を同時に表示してもよい。
図1では、投影シナリオが2つの端末デバイスを含む一例が説明のために使用されており、送信元投影デバイス100が携帯電話であり、宛先投影デバイス200がタブレット・コンピュータである。
【0076】
送信元投影デバイス100及び宛先投影デバイス200は、無線通信方式、例えば、無線フェデリティ(Wireless Fidelity、Wi-Fi)、ブルートゥース(Bluetooth、BT)、近距離無線通信(near field communication、NFC)などの無線通信方式で接続されてもよい。代替的には、送信元投影デバイス100及び宛先投影デバイス200が有線で接続されてもよく、例えば、データ線を通して接続されてもよい。
【0077】
送信元投影デバイス100及び宛先投影デバイス200が接続を確立した後、送信元投影デバイス100は、画面表示内容を宛先投影デバイス200に送信し、宛先投影デバイス200は、送信元投影デバイス100の画面表示内容を投影ウィンドウに表示してもよい。投影ウィンドウは、フローティング・ウィンドウとして表示されてもよい。宛先投影デバイス200はまた、投影ウィンドウにおいてユーザによってトリガされた動作イベント(例えば、タップ・イベント、又はタッチ・スライド・イベント)を送信元投影デバイス100にフィードバックしてもよい。送信元投影デバイス100は、受信した動作イベントに基づいて画面表示内容を更新してもよい。宛先投影デバイス200における投影ウィンドウにおける表示内容が、これに応じて更新される。すなわち、ユーザは、送信元投影デバイス100を宛先投影デバイス200上で逆に制御してもよい。例えば、ユーザは、送信元投影デバイス100のエッジ・スライド・ジェスチャ(エッジ・スライド・ジェスチャは、画面ジェスチャ、ベゼルレス画面ジェスチャ、画面ジェスチャ・ナビゲーション、画面ナビゲーション・ジェスチャなどとも呼ばれることがある)を、宛先投影デバイス200の投影ウィンドウにおいてシミュレートし、投影ウィンドウのウィンドウ・エッジから内向きにスライドして、対応する機能を実行するように送信元投影デバイス100を制御してもよい。
【0078】
以下、端末デバイスがエッジ・スライド・ジェスチャを検出するプロセスについて説明する。
【0079】
エッジ・スライド・ジェスチャを検出するために、端末デバイスは、エッジ・スライド・ジェスチャを検出するためのホット・ゾーン(すなわち、画面エッジ領域)を予め決定(例えば、電源投入されたときに決定)し、この画面エッジ領域は、ユーザに対して不可視である。ユーザのタッチ・スライド動作が検出されるときに、端末デバイスは、画面エッジ領域に基づいてエッジ・スライド・ジェスチャを検出する。エッジ・スライド・ジェスチャのスライド開始位置は、画面エッジ領域内に位置する必要がある。
【0080】
図2は、この出願の一実施形態による、タッチ・スライド動作の概略図である。
図2に示すように、画面エッジ領域Aは、画面エッジから内向きに延ばすことによって形成された領域であり、左エッジ領域、右エッジ領域、上エッジ領域及び/又は下エッジ領域を含んでもよい。エッジ領域の幅(具体的には、内側エッジと外側エッジ(画面エッジ)との間の距離)は同じであってもよく、具体的な大きさは、例えば、2mm又は別の値であってもよい。
【0081】
エッジ・スライド・ジェスチャは、ナビゲーション・バー機能を実装するために左内向きスライドする、右内向きスライドする、又は上内向きスライドすることによってトリガされるナビゲーション・バー機能ジェスチャと、前のアプリケーション又は次のアプリケーションに迅速に切り替えるために下エッジ領域に沿って左右にスライドするか、又は下エッジ領域から弧を描いて上側にスライドすることによってトリガされるクイック切り替えアプリケーション・ジェスチャと、スプリット画面アプリケーションリストを可能にするために画面の左又は右エッジから内向きにスライドし一時停止することによってトリガされるスプリット画面ウィンドウ有効ジェスチャと、他の機能を実装するためのエッジ・スライド・ジェスチャと、を含んでもよい。
【0082】
ユーザは、システム・ナビゲーション・モード設定機能からジェスチャ・ナビゲーション・モードを選択して、端末デバイスのナビゲーション・バー機能ジェスチャ認識機能及びクイック切り替えアプリケーション・ジェスチャ認識機能を有効にしてもよいし、システム・ナビゲーション・モード設定機能から別のナビゲーション・モード、例えば3キー・ナビゲーション・モードを選択して、端末デバイスのナビゲーション・バー機能ジェスチャ認識機能及びクイック切り替えアプリケーション・ジェスチャ認識機能を無効にしてもよい。この出願の実施形態における技術的ソリューションを説明するのを容易にするために、以下で特に指定しない限り、端末デバイスは、ジェスチャ・ナビゲーション・モードでシステム・ナビゲーションを実行する、すなわち、ジェスチャ・ナビゲーション・モードは有効状態にある。
【0083】
具体的には、ナビゲーション・バー・ジェスチャは、前のレベルに戻るジェスチャ、ホーム画面に戻るジェスチャ、及び最近のタスクリストに対するジェスチャを具体的に含んでもよい。前のレベルに戻るジェスチャは、左エッジ領域又は右エッジ領域から特定の距離にわたって内向きにスライドすることによってトリガされてもよい。前のレベルに戻るジェスチャは、下エッジ領域から特定の距離にわたって上側にスライドすることによってトリガされてもよい。最近のタスクリストに対するジェスチャは、下エッジ領域から特定の距離わたって上側にスライドし、一時停止することによってトリガされてもよいし、さらなる距離にわたって上側にスライドすることによってトリガされてもよい。
【0084】
説明を容易にするために、この出願のこの実施形態では、ナビゲーション・バー機能ジェスチャが、説明のための一例として使用される。以下で特に指定しない限り、エッジ・スライド・ジェスチャは、ナビゲーション・バー機能ジェスチャを表す。
【0085】
図2に示すように、矢印はタッチ・スライド動作を示している。端末デバイスは、エッジ・スライド・ジェスチャを検出するときに、タッチ・スライド動作の開始位置(すなわち、開始タッチ点)が画面エッジ領域A内に位置しているかどうかを決定する。開始位置が画面エッジ領域A内に位置するタッチ・スライド動作のみが、エッジ・スライド・ジェスチャと考えられてもよい。同図に示すように、矢印1によって示されるタッチ・スライド動作の開始位置は、画面エッジ領域A内に位置しており、エッジ・スライド・ジェスチャが、トリガされてもよい。矢印2によって示されるタッチ・スライド動作の開始位置は、画面エッジ領域Aの外側に位置している。したがって、タッチ・スライド動作が画面エッジから実行されておらず、エッジ・スライド・ジェスチャがトリガされないと考えられる。
【0086】
端末デバイスが送信元投影デバイス100として使用されるときに、ユーザは、宛先投影デバイス200上の投影ウィンドウのウィンドウ・エッジ領域において内向きにスライドを開始して、送信元投影デバイス100のエッジ・スライド・ジェスチャをトリガしてもよい。
図2に示すように、投影ウィンドウのウィンドウ・エッジ領域Bは、送信元投影デバイス100の画面エッジ領域Aに対応する。例えば、送信元投影デバイス100の画面表示内容は、1:1モードで投影ウィンドウに表示される。ウィンドウ・エッジ領域Bのサイズは、画面エッジ領域Aのサイズと同じである。
【0087】
実際の動作では、ウィンドウ・エッジ領域Bが小さいため、ユーザが宛先投影デバイス200上で動作を実行するときに、タッチ・スライド動作の開始位置をウィンドウ・エッジ領域B内とすることが困難であり、矢印3及び矢印4で示すような場合が多く発生する。したがって、送信元投影デバイス100のエッジ・スライド・ジェスチャがトリガされない場合が発生しやすい。上記の問題に基づいて、この出願の一実施形態は、ユーザが送信元投影デバイス100のエッジ・スライド・ジェスチャを宛先投影デバイス200上でトリガする成功率を向上させ、それにより、逆方向制御動作の信頼性及びユーザ体験を向上させるデバイス制御方法を提供する。デバイス制御方法は、上記の端末デバイスに適用されてもよい。以下、まず、携帯電話を一例として使用して端末デバイスの構造を説明する。
【0088】
図3は、この出願の一実施形態による、端末デバイスの構造の概略図である。
【0089】
端末100は、プロセッサ110、外部メモリ・インターフェース120、内部メモリ121、ユニバーサル・シリアル・バス(universal serial bus、USB)インターフェース130、充電管理モジュール140、電力管理モジュール141、バッテリ142、アンテナ1、アンテナ2、移動通信モジュール150、無線通信モジュール160、オーディオ・モジュール170、スピーカ170A、受信機170B、マイクロホン170C、ヘッドセット・ジャック170D、センサ・モジュール180、ボタン190、モータ191、インジケータ192、カメラ193、ディスプレイ194、加入者アイデンティティ・モジュール(subscriber identification module、SIM)カード・インターフェース195などを含んでもよい。センサ・モジュール180は、圧力センサ180A、ジャイロ・センサ180B、気圧センサ180C、磁気センサ180D、加速度センサ180E、距離センサ180F、光学近接センサ180G、指紋センサ180H、温度センサ180J、タッチ・センサ180K、周辺光センサ180L、骨伝導センサ180Mなどを含んでもよい。
【0090】
この出願のこの実施形態に示す構造は、端末に対する特定の限定を構成しないことが理解されよう。この出願の他のいくつかの実施形態では、端末デバイスは、図に示すものよりも多く又は少ないコンポーネントを含んでもよく、いくつかのコンポーネントを組み合わせてもよく、いくつかのコンポーネントを分裂させてもよく、異なるコンポーネント配置を有してもよい。図に示すコンポーネントは、ハードウェア、ソフトウェア、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせを使用して実装されてもよい。
【0091】
プロセッサ110は、1つ以上の処理ユニットを含んでもよい。例えば、プロセッサ110は、アプリケーション・プロセッサ(application processor、AP)、モデム・プロセッサ、グラフィック処理ユニット(graphics processing unit、GPU)、画像信号プロセッサ(image signal processor、ISP)、コントローラ、メモリ、ビデオ・コーデック、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、ベースバンド・プロセッサ、ニューラルネットワーク処理ユニット(neural-network processing unit、NPU)などを含んでもよい。異なる処理ユニットは、独立したコンポーネントであってもよいし、1つ以上のプロセッサに一体化されてもよい。
【0092】
コントローラは、端末デバイスの神経センタ及び指令センタであってもよい。コントローラは、命令動作コード及び時間シーケンス信号に基づいて動作制御信号を生成して、命令フェッチ及び命令実行の完全な制御を完了してもよい。
【0093】
メモリは、プロセッサ110内に配設されてもよく、命令及びデータを記憶するように構成されている。いくつかの実施形態では、プロセッサ110内のメモリはキャッシュである。メモリは、プロセッサ110によって使用されるか、又は周期的に使用される命令又はデータを記憶してもよい。プロセッサ110が命令又はデータを再度使用する必要がある場合、プロセッサは、メモリから命令又はデータを直接呼び出してもよい。これは、繰り返されるアクセスを避け、プロセッサ110の待ち時間を短縮し、システムの効率を改善する。
【0094】
いくつかの実施形態では、プロセッサ110は、1つ以上のインターフェースを含んでもよい。このインターフェースは、集積回路(inter-integrated circuit、I2C)インターフェース、集積回路サウンド(inter-integrated circuit sound、I2S)インターフェース、パルス・コード変調(pulse code modulation、PCM)インターフェース、ユニバーサル非同期受信機/送信機(universal asynchronous receiver/transmitter、UART)インターフェース、モバイル産業用プロセッサ・インターフェース(mobile industry processor interface、MIPI)、汎用入力/出力(general-purpose input/output、GPIO)インターフェース、加入者アイデンティティ・モジュール(subscriber identity module、SIM)、ユニバーサル・シリアル・バス(universal serial bus、USB)インターフェースなどを含んでもよい。
【0095】
充電管理モジュール140は、充電器からの充電入力を受信するように構成されている。充電器は、無線充電器又は有線充電器であってもよい。有線充電のいくつかの実施形態では、充電管理モジュール140は、USBポート130を介して有線充電器の充電入力を受信し得る。無線充電のいくつかの実施形態では、充電管理モジュール140は、端末デバイスの無線充電コイルを通して無線充電入力を受信してもよい。充電管理モジュール140は、バッテリ142を充電しながら、電力管理モジュール141を使用することによって、電力を端末デバイスにさらに供給してもよい。
【0096】
電力管理モジュール141は、バッテリ142、充電管理モジュール140、及びプロセッサ110を接続するように構成されている。電力管理モジュール141は、バッテリ142及び/又は充電管理モジュール140の入力を受信し、プロセッサ110、内部メモリ121、外部メモリ、ディスプレイ194、カメラ193、無線通信モジュール160などに電力を供給する。電力管理モジュール141は、バッテリ容量、バッテリ・サイクル数、バッテリ健康状態(漏電及びインピーダンス)などのパラメータを監視するようにさらに構成されてもよい。いくつかの他の実装では、電力管理モジュール141は、代替的にプロセッサ110に配設されてもよい。いくつかの他の実施形態では、電力管理モジュール141及び充電管理モジュール140は、代替的に、同じデバイスに配設されてもよい。
【0097】
端末デバイスの無線通信機能は、アンテナ1、アンテナ2、移動通信モジュール150、無線通信モジュール160、モデム・プロセッサ、ベースバンド・プロセッサなどを使用して実装されてもよい。
【0098】
アンテナ1及びアンテナ2は、電磁波信号を送信及び受信するように構成されている。端末デバイス内の各アンテナは、1つ以上の通信周波数帯域をカバーするように構成されてもよい。アンテナの利用を改善するために、異なるアンテナがさらに多重化されてもよい。例えば、アンテナ1は、無線ローカル・エリア・ネットワークにおけるダイバーシチ・アンテナとして多重化されてもよい。いくつかの他の実施形態では、アンテナは、チューニング・スイッチと組み合わせて使用されてもよい。
【0099】
移動通信モジュール150は、端末デバイスに適用され、かつ2G/3G/4G/5Gなどを含む無線通信ソリューションを提供してもよい。移動通信モジュール150は、少なくとも1つのフィルタ、スイッチ、電力増幅器、低ノイズ増幅器(low noise amplifier、LNA)などを含んでもよい。移動通信モジュール150は、アンテナ1を介して電磁波を受信し、受信した電磁波に対してフィルタリング、増幅などの処理を行い、その電磁波を復調のためにモデム・プロセッサに伝送してもよい。移動通信モジュール150は、モデム・プロセッサによって変調された信号をさらに増幅し、アンテナ1を介して放射のためにその信号を電磁波に変換してもよい。いくつかの実施形態では、移動通信モジュール150の少なくともいくつかの機能モジュールが、プロセッサ110に配設されてもよい。いくつかの実施形態では、移動通信モジュール150の少なくともいくつかの機能モジュールは、プロセッサ110の少なくともいくつかのモジュールと同じデバイスに配設されてもよい。
【0100】
無線通信モジュール160は、端末デバイスに適用され、かつ無線ローカル・エリア・ネットワーク(wireless local area networks、WLAN) (例えば、無線フェデリティ(wireless fidelity、Wi-Fi)ネットワーク)、ブルートゥース(Bluetooth、BT)、グローバル・ナビゲーション衛星システム(global navigation satellite system、GNSS)、周波数変調(frequency modulation、FM)、近接場通信(near field communication、NFC)技術、赤外線(infrared、IR)技術などを含む無線通信ソリューションを提供してもよい。無線通信モジュール160は、少なくとも1つの通信プロセッサ・モジュールを統合する1つ以上のデバイスであってもよい。無線通信モジュール160は、アンテナ2を介して電磁波を受信し、電磁波信号に対して周波数変調及びフィルタ処理を行い、処理した信号をプロセッサ110に送信する。無線通信モジュール160は、さらに、プロセッサ110から送信対象の信号を受信し、その信号に対して周波数変調及び増幅を行い、その信号をアンテナ2に介した放射のために電磁波に変換する。
【0101】
いくつかの実施形態では、端末デバイス内のアンテナ1及び移動通信モジュール150は結合され、端末デバイス内のアンテナ2及び無線通信モジュール160は結合され、その結果、端末デバイスが、無線通信技術を使用してネットワーク及び別のデバイスと通信することができる。無線通信技術は、移動通信のためのグローバル・システム(global system for mobile communications、GSM)、一般パケット無線サービス(general packet radio service、GPRS)、符号分割多重接続(code division multiple access、CDMA)、広帯域符号分割多重接続(wideband code division multiple access、WCDMA)、時分割同期符号分割多重接続(time division-synchronous code division multiple access、TD-SCDMA)、ロング・ターム・エボリューション(long term evolution、LTE)、BT、GNSS、WLAN、NFC、FM、IR技術などを含んでもよい。GNSSは、全地球測位システム(global positioning system、GPS)、グローバル・ナビゲーション衛星システム(global navigation satellite system、GNSS)、北斗航法衛星システム(BeiDou navigation satellite system、BDS)、準天頂衛星システム(quasi-zenith satellite system、QZSS)、及び/又は衛星ベース増強システム(satellite based augmentation system、SBAS)を含んでもよい。
【0102】
端末デバイスは、GPU、ディスプレイ194、アプリケーション・プロセッサなどを使用してディスプレイ機能を実装してもよい。GPUは、画像処理のためのマイクロプロセッサであり、ディスプレイ194及びアプリケーション・プロセッサに接続される。GPUは、数学的及び幾何学的計算を実行し、画像をレンダリングするように構成されている。プロセッサ110は、表示情報を生成又は変化させるプログラム命令を実行する1つ以上のGPUを含んでもよい。
【0103】
ディスプレイ194は、画像、ビデオなどを表示するように構成されている。ディスプレイ194は、ディスプレイ・パネルを含む。ディスプレイ・パネルは、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)、有機発光ダイオード(organic light-emitting diode、OLED)、アクティブ・マトリックス有機発光ダイオード(active-matrix organic light emitting diode、AMOLED)、フレキシブル発光ダイオード(flex light-emitting diode、FLED)、ミニLED、マイクロLED、マイクロOLED、量子ドット発光ダイオード(quantum dot light emitting diode、QLED)などであってもよい。いくつかの実施形態では、端末デバイスは、1つ又はN個のディスプレイ194を含んでもよく、Nは、1よりも大きい正の整数である。
【0104】
端末デバイスは、ISP、カメラ193、ビデオ・コーデック、GPU、ディスプレイ194、アプリケーション・プロセッサなどを使用することによって、撮影機能を実装することができる。
【0105】
外部メモリ・インターフェース120は、例えば、マイクロSDカードである外部記憶カードに接続するように構成されてもよく、電子デバイスの記憶能力を拡張する。外部記憶カードは、外部メモリ・インターフェース120を介してプロセッサ110と通信し、データ記憶機能を実装する。例えば、音楽、ビデオなどのファイルは外部記憶カードに記憶される。
【0106】
内部メモリ121は、コンピュータ実行可能なプログラム・コードを記憶するように構成されてもよい。実行可能なプログラム・コードは、命令を含む。プロセッサ110は、内部メモリ121に記憶された命令を動作させて、端末デバイスの様々な機能アプリケーション及びデータ処理を行う。内部メモリ121は、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を含んでもよい。プログラム記憶領域は、オペレーティング・システム、少なくとも1つの機能(例えば、音声再生機能又は画像再生機能)によって必要とされるアプリケーションなどを記憶してもよい。データ記憶領域は、端末デバイスの使用中に作成されるデータ(オーディオデータ、電話帳など)などを記憶してもよい。追加的に、内部メモリ121は、高速ランダム・アクセス・メモリを含んでもよいし、不揮発性メモリ、例えば、少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュ・メモリ、又はユニバーサル・フラッシュ・ストレージ(universal flash torage、UFS)をさらに含んでもよい。
【0107】
端末デバイスは、オーディオ機能、例えば、オーディオ・モジュール170、スピーカ170A、受信機170B、マイクロホン170C、ヘッドセット・ジャック170D、アプリケーション・プロセッサなどを介して、音楽再生及び録音を実装してもよい。
【0108】
図4は、この出願の一実施形態による、端末デバイスのソフトウェア・アーキテクチャの概略図である。上述したように、投影シナリオにおける端末デバイスは、送信元投影デバイス100と、宛先投影デバイス200と、を含む。送信元投影デバイス100と宛先投影デバイス200によって実行される機能は異なり、対応するソフトウェア・アーキテクチャも異なる。この図は、送信元投影デバイス100及び宛先投影デバイス200のソフトウェア・アーキテクチャの一例を示す。
【0109】
この図は、端末デバイスが送信元投影デバイス100及び宛先投影デバイス200として別々に使用されるときのソフトウェア・アーキテクチャのみを示すと理解されよう。端末デバイスが、送信元投影デバイス100と宛先投影デバイス200の両方の機能を有するときに、端末デバイスのソフトウェア・アーキテクチャは送信元投影デバイス100及び宛先投影デバイス200のソフトウェア・アーキテクチャのセットである。追加的に、送信元投影デバイス100及び宛先投影デバイス200のソフトウェア・アーキテクチャは類似している。説明を簡単するために、特に指定しない限り、端末デバイスは、以下の送信元投影デバイス100及び宛先投影デバイス200を表してもよい。
【0110】
端末デバイスのソフトウェア・システムは、いくつかの層に分割されてもよい。
図4に示すように、いくつかの実施形態では、ソフトウェア・システムは、アプリケーション層、フレームワーク層、及びドライバ層に上から下へと分割されてもよい。
【0111】
アプリケーション層は、一連のアプリケーション(applications、APPs)を含んでもよい。アプリケーションは、投影に関係する投影管理APPを含んでもよく、カメラ、ギャラリー、電話、地図、ブラウザ、音楽、ビデオ及びメッセージなどの他のAPPをさらに含んでもよい。
【0112】
投影管理APPは、端末デバイス間の接続を管理するように構成されたデバイス接続APPを含んでもよい。宛先投影デバイス200における投影管理APPは、送信元投影デバイス100の画面表示内容を表示するように構成された投影表示APPをさらに含んでもよい。
【0113】
フレームワーク層は、アプリケーション層におけるアプリケーションのためのアプリケーション・プログラミング・インターフェース( programming interface、API)と、プログラミング・フレームワークを提供する。
【0114】
図4に示すように、フレームワーク層は、システムの基本フレームワーク、デバイス接続管理フレームワーク、データ管理フレームワークなどを含んでもよい。基本フレームワークは、イベントを配信するように構成されたイベント管理モジュールを含んでもよい。送信元投影デバイスは、ジェスチャを検出するように構成されたジェスチャ検出モジュールをさらに含んでもよい。追加的に、基本フレームワークは、別の基本能力モジュール(図示せず)、例えば、ウィンドウ・プログラムを管理するように構成されたウィンドウ管理モジュールをさらに含んでもよい。デバイス接続管理フレームワークは、クロスデバイス接続プロトコルを管理するためのものである。データ管理フレームワークは、クロスデバイス・シナリオ(例えば、投影シナリオ)におけるデータ通信を管理するためのものである。例えば、オーディオ及びビデオ・データ・モジュールは、オーディオ及びビデオ・データを宛先投影デバイス200に伝送するために送信元投影デバイス100によって使用される。チャート層データ・モジュールは、チャート層データを宛先投影デバイス200に伝送するために送信元投影デバイス100によって使用される。逆方向制御モジュールは、イベント・データを送信元投影デバイス100に伝送するために宛先投影デバイス200によって使用される。
【0115】
この出願のこの実施形態では、逆方向制御動作の信頼性を向上させるために、投影ウィンドウの外側から投影ウィンドウの内側にスライドするタッチ・スライド動作が検出された後、宛先投影デバイス200は、開始位置がホット・ゾーン内にあるタッチ・スライド動作によって生成されたタッチ・スライド・イベントに対してイベント変換又は補償を実行して、送信元投影デバイスのエッジ・スライド・イベントを生成してもよい。ホット・ゾーンは、投影ウィンドウのエッジから外向きに予め設定された距離だけ延ばすことによって形成されたターゲット領域であってもよい。これに対応して、宛先投影デバイス200にイベント変換補償モジュール及びホット・ゾーン管理モジュールが追加されてもよい。ホット・ゾーン管理モジュールは、ホット・ゾーンのサイズ及び位置などの情報を管理してもよい。イベント変換補償モジュールは、ホット・ゾーン情報に基づいてターゲット領域におけるイベントを決定し、決定されたイベントに対してイベント変換又は補償を実行してもよい。具体的な処理プロセスについては、後述の方法の実施形態を参照のこと。
【0116】
イベント変換補償モジュールは、基本フレームワーク内に位置してもよいし、デバイス接続APP内に位置してもよい。ホット・ゾーン管理モジュールは、独立したモジュールであってもよいし、別の既存のモジュールに統合されていてもよい。例えば、ウィンドウ管理モジュールが投影ウィンドウのウィンドウ情報を管理している場合、ウィンドウ管理モジュールにターゲット領域の領域情報が追加されて、ホット・ゾーン管理モジュールの機能を実装してもよい。この図では、イベント変換補償モジュールが基本フレームワーク内に位置され、ホット・ゾーン管理モジュールが独立したモジュールである一例が説明のために使用される。
【0117】
ドライバ層は、端末デバイスのディスカバリ、認証、接続などの機能を提供するためのものであり、これに対応して、デバイス・ディスカバリ・モジュール、デバイス認証モジュール、デバイス接続モジュールなどの機能モジュールを含んでもよい。デバイス接続APPは、デバイス・ディスカバリ・モジュールを使用して別の端末デバイスを検索及び発見し、デバイス認証モジュールを使用して端末デバイス間の認証を実行し、次いで、デバイス接続モジュールを使用して端末デバイス間の接続を確立してもよい。
【0118】
フレームワーク層及びドライバ層は、投影シナリオに関係するいくつかのモジュールのみを示し、他のモジュールをさらに含んでもよいと理解されたい。例えば、フレームワーク層は、通知管理モジュールをさらに含み、ドライバ層は、ディスプレイ・ドライバ、センサ・ドライバなどをさらに含んでもよい。この実施形態では、フレームワーク層及びドライバ層に具体的に含まれる他のモジュールは特に限定されない。
【0119】
以下、投影シナリオを参照して、送信元投影デバイス100及び宛先投影デバイス200の逆方向制御手順の一例を説明する。
【0120】
宛先投影デバイス200内のタッチ・センサ200Kがタッチ動作を受信した後、対応するハードウェア割り込みがドライバ層に送信される。ドライバ層は、タッチ動作をタッチ・イベント(例えば、タッチ・ダウン(action down)イベント、タッチ・ムーブ(action move)イベント、及びタッチ・アップ(action up)イベント)にカプセル化してもよく、タッチ・イベントをフレームワーク層に報告してもよい。一連のタッチ・イベントは、ユーザの1回のタッチ・スライド動作のプロセスにおいて生成されてもよい。各タッチ・イベントを受信した後、フレームワーク層のイベント管理モジュールは、タッチ・イベントの座標に基づいて、タッチ・イベントに対応するウィンドウを決定してもよい。タッチ・ダウン・イベントに対応するウィンドウがホット・ゾーンであり、タッチ・アップ・イベントに対応するウィンドウが投影ウィンドウであるときに、イベント変換補償モジュールが呼び出され、各タッチ・イベントの座標が送信元投影デバイス100の画面領域内の対応する座標にマッピングされてもよい。イベント変換補償モジュールは、ホット・ゾーン管理モジュールからホット・ゾーン情報を取得し、そのホット・ゾーン情報に基づいて、座標マッピングを通して取得されたタッチ・イベントに対してイベント変換又は補償を実行し、次いで、そのタッチ・イベントをイベント管理モジュールに返してもよい。次いで、イベント管理モジュールは、これらのタッチ・イベントを投影管理APPに配信し、投影管理APP内のデバイス接続APPは、逆方向制御モジュールを呼び出して、タッチ・イベントを送信元投影デバイス100に伝送する。
【0121】
タッチ・イベントを受信した後、送信元投影デバイス100の逆方向制御モジュールは、タッチ・イベントを投影管理APPに報告し、投影管理APPを使用してジェスチャ検出モジュールを呼び出すか、又はタッチ・イベントをジェスチャ検出モジュールに直接報告してもよい。ジェスチャ検出モジュールは、受信した一連のタッチ・イベントに対するジェスチャ(例えば、エッジ・スライド・ジェスチャ)を検出し、ジェスチャが検出された後、アプリケーション層における関係アプリケーションにジェスチャ検出結果を報告してもよい。アプリケーション層における関係アプリケーションは、検出されたジェスチャに基づいて画面表示内容をリフレッシュしてもよく、データ管理フレームワーク内のチャート層データ・モジュールを呼び出して、リフレッシュされた画面表示内容を宛先投影デバイス200に伝送してもよい。宛先投影デバイス200のチャート層データ・モジュールが、リフレッシュされた画面表示内容を受信した後、投影表示APPは、チャート層データ・モジュールによって受信された画面表示内容に基づいて、投影ウィンドウの表示内容をリフレッシュする。
【0122】
以下、この出願の実施形態において提供されるデバイス制御方法について説明する。
【0123】
ユーザが送信元投影デバイス上でエッジ・スライド・ジェスチャをトリガしたいときに、投影ウィンドウに対して宛先投影デバイス上でユーザによって実行されるタッチ・スライド動作は、以下の2つの場合を含んでもよい。第1の場合に、タッチ・スライド動作の開始位置が投影ウィンドウの外側に位置し(例えば、
図2の矢印3で示すタッチ・スライド動作)、第2の場合に、タッチ・スライド動作の開始位置が投影ウィンドウ内に位置する(例えば、
図2の矢印4で示すタッチ・スライド動作)。以下、この2つの場合におけるデバイス制御プロセスを別々に説明する。
【0124】
第1の場合に、タッチ・スライド動作の開始位置は、投影ウィンドウの外側に位置している。
【0125】
送信元投影デバイスに対して、エッジ・スライド・ジェスチャをトリガすることができるエッジ・スライド・イベントは、完全性要件を満たすべきである。完全なエッジ・スライド・イベントは、以下の複数の要素、すなわち、1つのタッチ・ダウン・イベント(略して、ダウン・イベントと呼ばれる)と、複数のタッチ・ムーブ・イベント(略して、ムーブ・イベントと呼ばれる)と、1つのタッチ・アップ・イベント(略して、アップ・イベントと呼ばれる)と、を含む。
【0126】
宛先投影デバイス上でユーザによって入力されたタッチ・スライド動作の開始位置が投影ウィンドウの外側に位置するときに、対応するダウン・イベントも投影ウィンドウの外側に位置する。送信元投影デバイスに伝送されたエッジ・スライド・イベントが完全性要件を満たすことを保証するために、この実施形態では、宛先投影デバイスは、投影ウィンドウの外側から投影ウィンドウの内側にスライドすることによってユーザによって入力されるタッチ・スライド動作に応答して、タッチ・スライド・イベントを生成した後、タッチ・スライド動作によって生成されたタッチ・スライド・イベントに対してイベント変換又は補償処理を実行し、投影ウィンドウのエッジから開始する完全なエッジ・スライド・イベントを生成し、次いで、完全なエッジ・スライドを送信元投影デバイスに送信して、送信元投影デバイスのエッジ・スライド・ジェスチャを宛先投影デバイス上でユーザによってトリガする成功率を向上させてもよい。
【0127】
宛先投影デバイス上でユーザによってトリガされ、かつ宛先投影デバイスを制御するためのタッチ・スライド動作の終了位置も投影ウィンドウに入る可能性があることを考えて、この実施形態では、宛先投影デバイスは、投影ウィンドウ周辺のターゲット領域を検出ホット・ゾーン(略して、ホット・ゾーンと呼ばれる)として使用し、開始位置がホット・ゾーンに入るタッチ・スライド動作によって生成されるタッチ・スライド・イベントに対してイベント変換又は補正処理を実行してもよい。
【0128】
図5は、この出願の一実施形態による、ターゲット領域の概略図である。
図5に示すように、ターゲット領域Sは、投影ウィンドウのエッジから外向きに予め設定された距離だけ延ばすことによって形成された領域であり、
図2に示す画面エッジ領域Aに類似する。、ターゲット領域Sは、上下左右の4つのサブ領域の複数の領域を含んでもよい。サブ領域の幅は、同じ、例えば、2mmで同じであってもよいし、サブ領域の幅は、異なってもよい。この図では、ターゲット領域Sが同じ幅を有する4つのサブ領域を含む一例が説明のために使用される。
【0129】
図5に示すように、タッチ・スライド動作の開始位置が、投影ウィンドウの外側に位置する場合に、具体的には 2つの場合を含んでもよい。第1の場合に、
図5の矢印5に示すように、タッチ・スライド動作の開始位置が、ターゲット領域Sの外側に位置し、第2の場合に、
図5の矢印6に示すように、タッチ・スライド動作の開始位置が、ターゲット領域S内に位置する。2つの異なる場合に対して、宛先投影デバイスは、異なるイベント処理プロセスを実行してもよい。以下、イベント処理プロセスについて説明する。
【0130】
図6は、この出願の一実施形態による、イベント処理プロセスの概略図である。
図6に示すように、宛先投影デバイスは、投影ウィンドウの外側から投影ウィンドウの内側にスライドすることによってユーザによって実行されるタッチ・スライド動作に応答して、タッチ・スライド・イベントを生成してもよい。追加的に、宛先投影デバイスは、タッチ・スライド動作の開始タッチ点がターゲット領域にあるかどうかを決定してもよい。タッチ・スライド動作の開始タッチ点がターゲット領域内に位置するときに、取得されたタッチ・スライド・イベントは、投影ウィンドウのエッジ・スライド・イベントに変換されてもよい。タッチ・スライド動作の開始タッチ点がターゲット領域の外側に位置する場合、タッチ・スライド・イベントは、宛先投影デバイス上の画面表示内容に対するイベントとして決定されてもよい。
【0131】
具体的には、宛先投影デバイスは、ユーザのタッチ・スライド動作に基づいて、一連のタッチ・イベントを生成し、各タッチ・イベントの座標及び時間に基づいて、対応するタッチ・スライド・イベントのイベント・シーケンスを取得してもよい。イベント・シーケンス内の最初のタッチ・イベント(具体的には、タッチ・スライド動作の開始タッチ点に対応するタッチ・イベント)に対して、タッチ・イベントの座標がターゲット領域内に位置するかどうかが決定されてもよい。タッチ・イベントの座標がターゲット領域内に位置する場合、タッチ・スライド動作が投影ウィンドウに対するエッジ・スライド動作であると考えられてもよい。この場合に、タッチ・スライド・イベントは、送信元投影デバイスのエッジ・スライド・イベントに変換されてもよい。タッチ・イベントの座標がターゲット領域の外側に位置する場合、タッチ・スライド動作が宛先投影デバイス上の画面表示内容に対するスライド・イベントであると考えられてもよい。この場合に、タッチ・スライド・イベントに対応する制御機能、例えば、画面内容のスクロール又はインターフェースの切り替えが実行されてもよい。
【0132】
エッジ・スライド・イベントを生成するときに、任意選択の実装では、この実施形態では、宛先投影デバイスは、ターゲット領域(すなわち、ホット・ゾーン)に座標が位置し、かつタッチ・スライド・イベント内にあるタッチ・イベント(ここでは、ホット・ゾーン・イベントと呼ばれる)に対してイベント座標変換を実行してもよく、その結果、ホット・ゾーン・イベントが送信元投影デバイスの画面エッジ・イベントとなる。エッジ・スライド・イベントは、これらの画面エッジ・イベントと、投影ウィンドウ内に位置し、かつタッチ・スライド・イベント内にあるタッチ・イベントとに基づいて生成される。
【0133】
具体的には、イベント座標変換が実行される前に、最初に、タッチ・スライド・イベント内の各タッチ・イベントに対して座標マッピングが実行されてもよい。上記のように、宛先投影デバイスは、タッチ・イベントを生成した後、投影ウィンドウ内のタッチ・イベントの座標を、送信元投影デバイスの画面領域内の対応する座標にマッピングしてもよい。この実施形態では、宛先投影デバイスも、同じ座標マッピング方式に基づいて、タッチ・スライド・イベント内の各タッチ・イベントの座標を、送信元投影デバイスの画面領域内の対応する座標にマッピングしてもよい。すなわち、宛先投影デバイス上のタッチ・イベントの画面座標が送信元投影デバイス上の画面座標にマッピングされる。
【0134】
図7に示すように、投影ウィンドウの画面座標系はxyであり、座標原点oは投影ウィンドウの左上隅に位置する。宛先投影デバイスの画面座標系はx’y’であり、座標原点o’は宛先投影デバイスの画面の左上隅に位置する。x’y’座標系におけるoの座標に基づいて、2つの座標系間の座標マッピング関係が取得されてもよい。x’y’座標系におけるoの座標が(x
0,y
0)である場合、2つの座標系間の座標マッピング関係は以下のようである。
【数1】
【0135】
(x’,y’)は、x’y’座標系における宛先投影デバイスの画面上の任意の点の座標(具体的には、宛先投影デバイス上の画面座標)を表す。(x,y)は、xy座標系における点の対応座標(具体的には、投影ウィンドウに対するウィンドウ座標)を表す。送信元投影デバイスの画面表示内容が投影ウィンドウ内で1:1モードで表示されるときに、(x,y)は、送信元投影デバイス上の点の画面座標である。送信元投影デバイスの画面表示内容が投影ウィンドウ内で拡大又は縮小されるときに、(x,y)は逆に拡大又は縮小されて、送信元投影デバイス上の点の画面座標を取得してもよい。例えば、投影ウィンドウが送信元投影デバイスの画面よりも1.5倍大きい場合、(x,y)は、送信元投影デバイス上の点の画面座標を得るために、1.5倍減少されてもよい(すなわち、1.5で割る)。
【0136】
宛先投影デバイスの画面座標系と送信元投影ウィンドウの画面座標系との間のマッピング関係は、代替的には、投影ウィンドウが拡大又は縮小された後に毎回計算されてもよい。座標マッピングが実行されるときに、マッピング関係は座標マッピングを実行するために直接使用されて、送信元投影デバイス上で宛先投影デバイス上の任意の点に対応する画面座標を求める。追加的に、上述の座標変換プロセスは一例にすぎず、この出願を限定するものではない。この出願のこの実施形態では、宛先投影デバイス上の画面座標と送信元投影ウィンドウ上の画面座標との間の変換方式は特に限定されない。説明を容易にするために、送信元投影デバイスの画面表示内容が投影ウィンドウ内で1:1モード表示される一例が、説明のために使用される。
【0137】
座標マッピングが実行された後、ホット・ゾーン内のタッチ・イベント(すなわち、ホット・ゾーン・イベント)は、送信元投影デバイスの画面エッジ・イベントに変換され、その結果、完全なエッジ・スライド・イベントが取得され、送信元投影デバイスに送信される。
【0138】
例えば、座標マッピングを通して取得されるタッチ・イベントの座標は(x,y)である。送信元投影デバイスの画面幅がW、高さがHであると想定する。異なるタッチ・スライド動作に対して、ホット・ゾーン・イベントのイベント座標変換プロセスが、以下の表に示される。
【表1】
【0139】
例えば、
図7のoの画面座標(x
0,y
0)は(80,40)であり、ホット・ゾーン内の各サブ領域の幅は10であり、宛先投影デバイス上の左内向きスライド・イベントにおける点Pに対応するタッチ・イベントの画面座標は(75,140)である。座標マッピング後、送信元投影デバイス上の点Pに対応する画面座標は(75-80,140-40)、すなわち、(-5,100)である。イベント座標変換後、点PはP’(0,100)に変更される。
【0140】
上述の説明は、ナビゲーション・バー機能ジェスチャに対応するタッチ・スライド動作を一例として提供されていると理解されよう。別のエッジ・スライド・ジェスチャについては、下内向きスライドする場合が存在してもよい。この場合、イベント座標変換が実行されるときに、タッチ・イベント(x,y)は、画面エッジ・イベント(x,0)に変換されてもよい。追加的に、画面エッジ・イベントを生成する上述の処理は一例にすぎず、本出願を限定するものではない。画面エッジ・イベントが生成されるときに、(1)式に対応するマッピング・プロセスと、ウィンドウ座標スケーリング・プロセスと、イベント座標変換プロセスとの間には厳密な時系列実行関係はない。具体的な実装では、関係するパラメータが適応的に調整される限り、必要に応じて調整を行われ得る。
【0141】
図8は、この出願の一実施形態による、イベント処理結果の概略図である。
図8に示すように、▽はダウン・イベントを表し、○はムーブ・イベントを表し、△はアップ・イベントを表す。
図8の(a)に示すように、ターゲット領域S内に、タッチ・スライド動作の開始タッチ点(ダウン・イベント)が位置する。
図8の(b)に示すように、イベント座標変換後、ダウン・イベントは、投影ウィンドウ(すなわち、送信元投影デバイス)の画面エッジ・イベントとなる。
【0142】
図8では、イベント座標変換プロセスの説明を容易にするために、タッチポイントが拡大されており、ターゲット領域内には、1つのタッチ・イベントのみが含まれていると理解されよう。実際のアプリケーションでは、ターゲット領域は、複数のタッチ・イベントを含んでもよい。
【0143】
図8の(a)、(b)に示すように、タッチ・スライド動作の開始タッチ点がターゲット領域内にある場合に対して、イベント座標変換後、投影ウィンドウ内のタッチ・イベントは、ダウン・イベント、ムーブ・イベント、アップ・イベントを含む。具体的には、宛先投影デバイスは、イベント座標変換を通して取得された画面エッジ・イベント及び投影ウィンドウにおけるタッチ・スライド動作に対応するタッチ・イベントに基づいて、完全エッジ・スライド・イベントを取得し、その完全エッジ・スライド・イベントを送信元投影デバイスに送信してもよい。
【0144】
別の任意選択の実装では、この実施形態では、宛先投影デバイスは、代替的に、投影ウィンドウ内に座標が位置し、かつタッチ・スライド・イベント内にあるタッチ・イベントに基づいて、イベント変換又は補償を実行して、送信元投影デバイスの画面エッジに位置するタッチ・ダウン・イベントを生成し、タッチ・ダウン・イベントと、投影ウィンドウ内に座標が位置し、かつタッチ・スライド・イベント内にあるタッチ・イベントとに基づいてエッジ・スライド・イベントを生成してもよい。
【0145】
図5の矢印6に示すように、タッチ・スライド動作の開始位置は、投影ウィンドウの外側に位置しており、投影ウィンドウは、ダウン・イベントを含まない。宛先
投影デバイスは、完全なエッジ・スライド・イベントを取得するために、投影ウィンドウにおけるタッチ・スライド動作に対応する最初のタッチ・イベント(ムーブ・イベント、ここではターゲット・イベントと呼ばれる)に基づいて、送信元投影デバイスの画面エッジに位置するダウン・イベント(ここでは、ターゲット・ダウン・イベントと呼ばれる)を生成し、ターゲット・ダウン・イベントと投影ウィンドウにおけるタッチ・スライド動作に対応するタッチ・イベントとに基づいてエッジ・スライド・イベントを取得してもよい。
【0146】
タッチ・スライド・イベントにおけるイベント間の連続性を向上させるために、ターゲット・ダウン・イベントの座標は、ターゲット・イベントの座標と同じであってもよい。ターゲット・イベントは、投影ウィンドウのエッジに位置し、送信元投影デバイスの画面エッジ・イベントである。これに対応して、ターゲット・ダウン・イベントは、送信元投影デバイスの画面エッジ・イベントでもある。
【0147】
特定の実装では、1つのターゲット・ダウン・イベントは、イベント補償処理による補償として使用されてもよい。例えば、1つのターゲット・ダウン・イベントが、ターゲット・イベントの前に挿入され得る。具体的には、ターゲット・ダウン・イベントのタイムスタンプは、ターゲット・イベントのタイムスタンプよりも早い。代替的には、イベント・タイプ変換を通して1つのターゲット・ダウン・イベントが生成されてもよい。具体的には、ターゲット・イベントが、直接ターゲット・ダウン・イベントに変換されてもよい、すなわち、ターゲット・イベントのイベント・タイプが、ムーブ・イベントからダウン・イベントに変更される。
【0148】
エッジ・スライド・イベントが生成されるときに、上述のホット・ゾーン・イベントに基づいてエッジ・スライド・イベントを生成する処理と同様に、投影ウィンドウ内の各タッチ・イベントに対して座標マッピングを実行する必要があることが理解されよう。特定の座標マッピング方式については、上述の関係説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明されない。座標が同じであるということは、同じ座標系におけるターゲット・ダウン・イベントとターゲット・イベントの座標が同じであるということである。エッジ・スライド・イベントが生成されるときに、最初に、ターゲット・イベントに対してイベント・タイプ変換又は補償が実行されて、ターゲット・ダウン・イベントを取得してもよく、次いで、投影ウィンドウ内の各タッチ・イベントに対して座標マッピングが実行されてもよい。代替的には、最初に、投影ウィンドウ内の各タッチ・イベントに対して座標マッピングが実行され、次いで、そのターゲット・イベントに基づいてターゲット・ダウン・イベントが生成されてもよい。
【0149】
図9は、この出願の実施形態による、別のイベント処理結果の概略図である。
図9では、
図8と同様のタッチ・イベント方式が依然として使用される。▽はダウン・イベントを表し、○はムーブ・イベントを表し、△はアップ・イベントを表す。
図9の(a)に示すように、タッチ・スライド動作の開始タッチポイントは、投影ウィンドウの外側に位置し、投影ウィンドウ内に位置する最初のタッチ・イベントは、ムーブ・イベントである。
図9の(b)に示すように、イベント補償処理後、座標がムーブ・イベントの座標と同じであるダウン・イベントが1つ追加される。
図9の(c)に示すように、イベント・タイプ変換後、投影ウィンドウ内の最初のムーブ・イベントは、ダウン・イベントとなる。
【0150】
タッチ・スライド動作を使用してホーム画面に戻るジェスチャをユーザがトリガする一例が使用される。送信元投影デバイス100上でジェスチャ・ナビゲーション・モードが有効にされているときに、
図10Aに示すように、ユーザは、宛先投影デバイス200上で、投影ウィンドウの外側から投影ウィンドウの内側にスライドするタッチ・スライド動作(図中の黒い矢印を指す)を入力する。現在の関係逆方向制御ソリューションでは、宛先投影デバイス200は、座標マッピング後に、投影ウィンドウ内のタッチ・イベントを送信元投影デバイス100にフィードバックするが、これらのイベントは、ダウン・イベントを含まない。これに対応して、送信元投影デバイス100は1つの不完全なエッジ・スライド・イベントを受信し、したがって、エッジ・スライド・ジェスチャをトリガすることができず、すなわち、ユーザの逆方向制御動作が失敗する。しかしながら、この実施形態では、宛先投影デバイス200は、ターゲット領域をホット・ゾーンとして使用し、ホット・ゾーン又は投影ウィンドウ内のイベントに対してイベント変換や補償処理を実行して、ターゲット・ダウン・イベントを含むエッジ・スライド・イベントを生成してもよい。これに対応して、送信元投影デバイス100は、1つの完全なエッジ・スライド・イベントを受信する。したがって、
図10Bに示すように、ホーム画面に戻るジェスチャのトリガに成功してもよく、ホーム画面に戻る動作が実行されてもよい。画面表示内容を更新するときに、送信元投影デバイス100が更新後の画面表示内容を宛先投影デバイス200に送信してもよく、宛先投影デバイス200がこれ応じて投影ウィンドウ内に表示された画面表示内容を更新する。
【0151】
宛先投影デバイスの画面表示内容に対してタッチ・スライド動作を実行するときに、ユーザが投影ウィンドウにユーザがスライドしてもよいことを考慮して、投影ウィンドウに対するタッチ・スライド動作との衝突を回避するために、この実施形態では、宛先投影デバイスは、投影ウィンドウ移動機能を提供してもよい。ユーザは、投影ウィンドウ付近の画面表示内容に対してタッチ・スライド動作を実行する必要があるときに、投影ウィンドウを移動させてもよい。例えば、ユーザは、投影ウィンドウのウィンドウ・エッジ領域をドラッグすることによって投影ウィンドウを移動させてもよい。追加的に、宛先投影デバイスは、投影ウィンドウを最小化する機能も提供してもよい。例えば、
図11の(a)に示すように、投影ウィンドウに機能バーが追加されてもよく、その機能バーに最小化制御2001が提供される。ユーザは、最小化制御2001をタップして、投影ウィンドウ115を最小化してもよい。
図11の(b)に示すように、宛先投影デバイスは、画面エッジ付近の投影ウィンドウに対応する最小化ウィンドウ2002を表示してもよく、ユーザは、最小化ウィンドウ2002をタップすることによって投影ウィンドウの表示を再開してもよい。追加的に、機能バーは、投影ウィンドウを閉じるように構成された閉じる制御2003及び投影ウィンドウを拡大又は縮小するためにユーザによって使用されるスケーリング制御2004のような他の制御をさらに提供してもよい。
【0152】
上述の投影逆方向制御の動作領域をユーザがより良く理解するのを助けるために、この実施形態では、宛先投影デバイスは、関係機能説明を実行してもよい。機能説明が、デバイス機能を説明するためにAPP(例えば、Huaweiによって提供される「Tips」APP)で提供されてもよい。
【0153】
図12は、この出願の一実施形態による、別のユーザ・インターフェースの概略図である。
図12の(a)に示すように、「Tips」APPが一例として使用される。ユーザが「Tips」APPを開始した後、対応するユーザ・インターフェース10は、検索ボックス101と、機能推奨バー102と、Tips特集バー103と、を含んでもよい。検索ボックス101は、ユーザが知りたい機能を検索するために使用される。機能推奨バー102は、いくつかの新しい機能、人気のある機能などを推奨してもよい。Tips特集バー103は、Tipsの様々なカテゴリ・オプション、例えば、図に示す「新機能」オプション1031、「ゲット・ファミリアー」オプション1032、「ビデオ及びオーディオ・エンターテイメント」オプション1033、「AIライフ」オプション1034、及び「健康」オプション1035を提供してもよい。
【0154】
投影逆方向制御の説明は、ヒント特集バー103のカテゴリのうちの1つの下に位置してもよく、例えば、「新機能」オプション1031に対応するカテゴリの下に位置してもよい。
図12の(a)及び(b)に示すように、ユーザは、「新機能」オプション1031をタップして、対応する新機能インターフェース20を開始して、投影逆方向制御の説明を見てもよい。
【0155】
図12の(b)に示すように、新機能インターフェース20は、機能デモンストレーションバー201と、機能説明バー202と、を含むことができる。機能デモンストレーションバー201では、投影逆方向制御動作とそれの関係エッジ感知領域がショートビデオ方式で説明されてもよい。例えば、
図12(b)に示すように、宛先投影デバイス上のエッジ・スライド・ジェスチャに対応するエッジ感知領域(上述の領域B及び領域Sを含む)が示されてもよく、その結果、ユーザは、エッジ・スライド・ジェスチャの逆方向制御機能をより直感的に理解することができる。機能記述バー202では、エッジ・スライド・ジェスチャの逆方向制御機能がテキスト方式で説明されてもよく、例えば、
図12(b)に示すテキストの一例としては、「投影ウィンドウ内のエッジ感知領域又は投影ウィンドウの外側のエッジ感知領域から投影ウィンドウ内にスライドすることにより、送信元投影デバイスのエッジ・スライド・ジェスチャをトリガできます」である。
【0156】
「Tips」APPは、機能推奨バー103における投影逆方向制御の説明に対応するカードを提供することもできる。ユーザは、カードをタップして、投影逆方向制御の説明を見ることができる。追加的に、ユーザは、代替的に、投影逆方向制御の説明について検索バー102を検索してもよい。
【0157】
上述のインターフェースは説明のための一例にすぎず、インターフェース内の要素は必要に応じて調整されてもよく、異なるタイプの端末デバイス上の「Tips」APPに対応するインターフェースは異なってもよいと理解されよう。
【0158】
ユーザの様々な要求に対応し、ユーザ体験を向上させるために、この実施形態では、端末デバイスは、領域Sに対応するエッジ感知領域設定機能も提供してもよい。具体的には、機能は、システム設定機能の1つのオプションに提供されてもよい。例えば、
図13の(a)に示すように、「補助機能」オプションに対応する補助機能インターフェース30に、投影逆方向制御オプション301が追加されてもよい。ユーザは、投影逆方向制御オプション301をタップして、対応する投影逆方向制御設定インターフェース40に入り(
図13の(b)を参照)、そのインターフェース内にエッジ感知領域を設定する。ユーザが設定機能を理解しやすくするために、投影逆方向制御の上述の説明は、投影逆方向制御設定インターフェース40に提供されてもよい。具体的には、ユーザは、上述の「Tips」APPにおける投影逆方向制御機能の機能説明を理解してもよいし、エッジ感知領域設定機能における投影逆方向制御機能の機能説明を学習してもよい。
【0159】
図13の(b)に示すように、投影逆方向制御設定インターフェース40は、機能説明バー401と、設定バー402と、を含んでもよい。機能説明バー401に表示される内容は、
図12の(b)に示す内容と同様である。投影逆方向制御機能は、簡単にピクチャ及びテキストの方式で導入されてもよい。例えば、領域Bに対応するエッジ感知領域1及び領域Sに対応するエッジ感知領域2がピクチャに示されてもよい。テキストは、「エッジ感知領域1又はエッジ感知領域2から投影ウィンドウへのスライドは、送信元投影デバイスのエッジ・スライド・ジェスチャをトリガします」であってもよい。設定バー402は、ユーザがエッジ感知領域2(すなわち、領域S)の幅を設定するための関連制御を提供してもよい。制御は、図に示すスライド制御であってもよく、制御の両端は、スライド範囲(ここでの範囲の一例は、0mm~15mm)を表示してもよい。制御は、代替的に、予め設定された複数の領域幅に対応する単一選択制御を含んでもよいし、必要に応じて具体的に設定され得るテキスト制御などの別のタイプの制御であってもよい。これは、この実施形態では、特に限定されない。
【0160】
以下、この2つの場合におけるデバイス制御プロセスを説明する。
【0161】
第2の場合に、タッチ・スライド動作の開始位置は、投影ウィンドウ内に位置している。
【0162】
タッチ・スライド動作の開始位置が投影ウィンドウ内にあるときに、宛先投影デバイスは、投影ウィンドウ内のタッチ・スライド動作に対応するタッチ・イベントに対して座標マッピングを実行して、タッチ・スライド・イベントを取得し、次いで、そのタッチ・スライド・イベントを送信元投影デバイスに送信してもよい。
【0163】
図2に示すように、ユーザが宛先投影デバイス上の投影ウィンドウに対してタッチ・スライド動作を実行するときに、矢印5によって示すような場合が発生する可能性が高い。具体的には、タッチ・スライド動作の開始位置は、ウィンドウ・エッジ領域の外側に位置している。これに対応して、送信元投影デバイスが宛先投影デバイスから受信するタッチ・スライド・イベントの開始位置は、画面エッジ領域の外側に位置している。このようにして、エッジ・スライド・ジェスチャは、トリガされない。
【0164】
送信元投影デバイスのエッジ・スライド・ジェスチャを宛先投影デバイス上でユーザによってトリガする成功率を向上させるために、この実施形態では、宛先投影デバイスから送信されたタッチ・スライド・イベントを処理するときに、送信元投影デバイスは、より大きなホット・ゾーン(すなわち、画面エッジ領域)を使用してエッジ・スライド・ジェスチャを検出してもよい。
【0165】
図14は、この出願の一実施形態による画面エッジ領域の概略図である。
図14に示すように、送信元投影デバイスは、電源投入時に画面エッジ領域(ここでは、第1の領域A1と呼ばれる)を生成してもよい。投影コネクションが確立された後、画面エッジ領域(ここでは、第2の領域A2と呼ばえる)がさらに生成されてもよい。第1の領域A1及び第2の領域A2は両方とも、送信元投影デバイスの画面エッジから内向きに延ばすことによって形成された領域であり、第2の領域A2のカバレッジは、第1の領域A1のカバレッジよりも大きい。第1の領域A1と同様に、第2の領域A2は、上下左右の4つのサブ領域の複数の領域を含んでもよい。各サブ領域の幅は、第1の領域A1における対応するサブ領域の幅の倍数、例えば、2倍としてもよい。
【0166】
タッチ・スライド・イベントを処理するときに、
図15に示すように、送信元投影デバイスは、タッチ・スライド・イベントが検出された後、タッチ・スライド・イベントが宛先投影デバイスによって送信されたかどうかを決定してもよい。タッチ・スライド・イベントが宛先投影デバイスによって送信される場合、第2の領域が、画面エッジ領域として使用されてもよく、エッジ・スライド・ジェスチャが、受信されたタッチ・スライド・イベントに対して検出される。タッチ・スライド・イベントが宛先投影デバイスによって送信されない場合、すなわち、タッチ・スライド・イベントが送信元投影デバイス上のユーザによってトリガされる場合、第1の領域が、画面エッジ領域として使用されてもよく、エッジ・スライド・ジェスチャが、検出されたタッチ・スライド・イベントに対して検出される。
【0167】
言い換えれば、送信元投影デバイス上でユーザによってトリガされたタッチ・スライド・イベント及び宛先投影デバイスによって送信されたタッチ・スライド・イベントに対して、送信元投影デバイスがエッジ・スライド・ジェスチャを検出するときに、使用する画面エッジ領域の範囲が異なるだけで、他の検出プロセスは同じである。任意のタッチ・スライド・イベントに対して、エッジ・スライド・ジェスチャが検出される場合、送信元投影デバイスは、検出されたエッジ・スライド・ジェスチャに対応する制御機能を実行してもよい。
【0168】
具体的な実装では、宛先投影デバイスによって送信されたタッチ・スライド・イベントにマークが追加されてもよく、送信元投影デバイスは、マークに基づいてタッチ・スライド・イベントのソースを決定してもよい。
【0169】
ユーザがタッチ・スライド動作を使用してホーム画面に戻るジェスチャをトリガする一例が依然として使用される。
図16Aに示すように、投影ウィンドウ上にあり、かつ送信元投影デバイス200の第1の領域A1及び第2の領域A2に対応するウィンドウ・エッジ領域は、それぞれ第3の領域B1及び第4の領域B2である。ユーザは、宛先投影デバイス200上で、第3の領域B1の外側の第4の領域B2から投影ウィンドウにスライドするタッチ・スライド動作(この図の黒矢印を参照)を入力する。現在の逆方向制御ソリューションでは、宛先投影デバイス200が、タッチ・スライド動作に対応するタッチ・スライド・イベントを送信元投影デバイス200にフィードバックした後、送信元投影デバイス200は、タッチ・スライド・イベントの開始位置が第1の領域A1内にないため、エッジ・スライド・ジェスチャをトリガすることができない、すなわち、ユーザの逆方向制御動作が失敗する。しかしながら、この実施形態では、送信元投影デバイス200は、第2の領域A2に基づいて、タッチ・スライド・イベントに対してエッジ・ジェスチャ検出を実行する。タッチ・スライド動作の開始位置は、第4の領域B2内に位置し、タッチ・スライド動作に対応するタッチ・スライド・イベントの開始位置は、第2の領域A2内に位置する。したがって、送信元投影デバイス200は、ホーム画面に戻るジェスチャをトリガすることに成功して、
図16Bに示すようにホーム画面に戻る動作を実行してもよい。画面表示内容を更新するときに、送信元投影デバイス200は、更新された画面表示内容を宛先投影デバイス200に送信してもよく、宛先投影デバイス200は、これに応じて投影ウィンドウに表示された画面表示内容を更新する。
【0170】
具体的には、同じエッジ・スライド・ジェスチャに対して、ユーザは、エッジ・スライド・ジェスチャをトリガするために必要とされるように送信元投影デバイス上の第1の領域A1からスライドしてもよく、宛先投影デバイス上で、ユーザは、エッジ・スライド・ジェスチャをトリガするために必要とされるように第2の領域A2に対応する第4の領域B2からスライドしてもよい。このようにして、ユーザは、便利に逆方向制御動作を実行することができ、逆方向制御動作の信頼性が向上する。
【0171】
同様に、上述の投影逆方向制御の動作領域をユーザがより良く理解するのを助けるために、この実施形態では、送信元投影デバイスは、関係機能説明を実行してもよい。投影逆方向制御の説明が、「Tips」APPの新機能インターフェースで提供される一例が依然として説明のために使用される。
【0172】
図17は、送信元投影デバイス上の新機能インターフェース50の概略図である。
図17に示すインターフェースは、機能デモンストレーションバーと機能説明バーに示す内容が異なることを除いて、
図12の(b)に示すインターフェースと同様である。
図17に示すように、機能デモンストレーションバー501は、送信元投影デバイス及び宛先投影デバイスのエッジ・スライド・ジェスチャに対応する感知領域をそれぞれ示してもよい。機能説明バー502内の機能説明テキストの例は、「送信元投影デバイスのエッジ感知領域1から内向きにスライドするか、又は投影ウィンドウ内のエッジ感知領域2から内向きにスライドすることにより、送信元投影デバイスのエッジ・スライド・ジェスチャをトリガすることができます。送信元投影デバイス上のエッジ感知領域2に対応する投影感知領域3の幅は、エッジ感知領域1の幅よりも大きいです。」であってもよい。エッジ感知領域1は、上述の領域A1であり、エッジ感知領域2は、上述の領域B2であり、投影感知領域3は、上述の領域A2である。
【0173】
同様に、送信元投影デバイスは、投影感知領域設定機能も提供してもよい。具体的な設定方式は、
図13のエッジ感知領域の設定方法と同様である。
図18は、送信元投影デバイス上の投影逆方向制御インターフェース60の概略図である。
図18に示すインターフェースは、機能説明バーと設定バーに示す内容が異なることを除いて、
図13の(b)に示すインターフェースと同様である。
図18に示すように、機能説明バー601に表示される内容は、
図17に示す内容と同様である。投影逆方向制御機能は、簡単にピクチャ及びテキストの方式で説明されてもよい。例えば、領域A1に対応するエッジ感知領域1、領域B2に対応するエッジ感知領域2、及び領域A2に対応する投影感知領域3が、ピクチャに示されてもよい。テキストは、「送信元投影デバイスのエッジ・スライド・ジェスチャをトリガするために、エッジ感知領域1から内向きにスライドするか、又はエッジ感知領域2から内向きにスライドして下さい」であってもよい。設定バー602は、ユーザが領域B2の幅を設定するための関連制御を提供してもよい。制御の具体的な設定方式については、
図13の関係説明を参照のこと。詳細は、ここでは再度説明されない。
【0174】
この実施形態で提供されるデバイス制御方法によれば、宛先投影デバイスは、投影ウィンドウの外側から投影ウィンドウの内側にスライドすることによってユーザによって実行されるタッチ・スライド動作によって生成されたタッチ・スライド・イベントを、送信元投影ウィンドウのエッジ・スライド・イベントに変換してもよい。このようにして、送信元投影デバイスは、完全なエッジ・スライド・イベントに基づいてエッジ・スライド・ジェスチャを検出してもよく、送信元投影デバイスのエッジ・スライド・ジェスチャを宛先投影デバイス上でユーザによってトリガする成功率を向上させ、それにより、逆方向制御動作の信頼性及びユーザ体験を向上させることができる。追加的に、送信元投影デバイスは、第1の領域を画面エッジ領域として使用し、送信元投影デバイス上でユーザによってトリガされたタッチ・スライド・イベントに対するエッジ・スライド・ジェスチャを検出し、第1の領域よりも大きい第2の領域を画面エッジ領域として使用し、受信されたタッチ・スライド・イベントに対するエッジ・スライド・ジェスチャを検出する。このようにして、送信元投影デバイスのエッジ・スライド・ジェスチャを宛先投影デバイス上でユーザによってトリガする成功率を向上させ、それにより、逆方向制御動作の信頼性及びユーザ体験を向上させることができる。
【0175】
同じ発明概念に基づいて、上述の方法の実装において、この出願の一実施形態は、デバイス制御装置を提供する。装置の実施形態は、上述の方法の実施形態に対応する。読みやすくするために、上述の方法の実施形態における詳細は、この装置の実施形態においては1つずつ説明されない。しかしながら、この実施形態における装置は、上述の方法の実施形態における全ての内容を対応して実装することができることが明らかであるべきである。
【0176】
図19は、この出願の一実施形態によるデバイス制御装置の構造の概略図である。
図19に示すように、この実施形態で提供される装置は、表示モジュール310と、入力モジュール320と、処理モジュール330と、通信モジュール340と、を含んでもよい。
【0177】
表示モジュール310は、上述の実施形態及び/又はこの明細書で説明される技術の別のプロセスにおけるインターフェース表示動作を実行する際にモバイル端末をサポートするように構成されている。表示ユニットは、タッチ画面、他のハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせであってもよい。
【0178】
入力モジュール320は、モバイル端末のディスプレイ・インターフェイス上のユーザの入力、例えば、タッチ入力、音声入力、又はジェスチャ入力を受信するように構成されている。入力モジュールは、送信元投影デバイス及び/又は宛先投影デバイスが、上述の実施形態においてユーザによって入力されたタッチ・スライド動作を受信するプロセス、及び/又はこの明細書で説明される技術の別のプロセスを実行する際に端末を支援するように構成されている。入力モジュールは、タッチ画面、他のハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせであってもよい。
【0179】
処理モジュール330は、上述の実施形態における送信元投影デバイス及び/又は宛先投影デバイスのイベント処理動作、及び/又はこの明細書で説明される技術の別のプロセスを実行する際にモバイル端末をサポートするように構成されている。
【0180】
通信モジュール340は、上述の実施形態における送信元投影デバイスと宛先投影デバイスとの間の通信処理に関係する動作、及び/又はこの明細書で説明される技術の別のプロセスを実行する際にモバイル端末をサポートするように構成されている。
【0181】
この実施形態で提供される装置は、上述の方法実施形態を実行することができる。実装原理及び技術的効果は同様であり、ここでは再度説明されない。
【0182】
便宜的かつ簡潔な説明を目的として、上述の機能ユニット又はモジュールの分割が図示のための一例として使用されていると当業者には明らかに理解されよう。実際のアプリケーションでは、上述の機能は、要件に基づいて実装のために異なる機能ユニット又はモジュールに割り当てられ得る、すなわち、装置の内部構造は、異なる機能ユニット又はモジュールに分割されて、上記の機能の 全部又は一部を実装する。実施形態における機能ユニット又はモジュールは、1つの処理ユニットに統合されてもよいし、各ユニットは、物理的に単独で存在してもよいし、2つ以上のユニットは、1つのユニットに統合されてもよい。統合されたユニットは、ハードウェアの形態で実装されてもよいし、ソフトウェア機能ユニットの形態で実装されてもよい。追加的に、機能ユニット又はモジュールの特定の名前は、単に互いに区別しやすいように提供されているにすぎず、この出願の保護範囲を限定することを意図していない。上述のシステムにおけるユニット又はモジュールの特定の作業プロセスについては、上述の方法実施形態における対応するプロセスを参照のこと。詳細は、ここでは再度説明されない。
【0183】
この出願の一実施形態は、コンピュータ・プログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ・プログラムがプロセッサによって実行されるときに、上述の方法の実施形態における方法が実装される。
【0184】
この出願の一実施形態は、コンピュータ・プログラム製品をさらに提供する。コンピュータ・プログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに、端末デバイスは、上述の方法の実施形態における方法を実行することを可能となる。
【0185】
この出願の一実施形態は、プロセッサを含むチップ・システムをさらに提供する。プロセッサは、メモリに結合されており、プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータ・プログラムを実行して、上述の方法の実施形態における方法を実装する。チップ・システムは、単一チップでも、複数のチップを含むチップ・モジュールでもよい。
【0186】
上述の実施形態の全部又は一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせを使用して実装されてもよい。ソフトウェアが上述の実施形態を実装するために使用されるときに、実施形態の全部又は一部は、コンピュータ・プログラム製品の形態で実装されてもよい。コンピュータ・プログラム製品は、1つ以上のコンピュータ命令を含む。コンピュータ・プログラム命令がロードされ、コンピュータ上で実行されるときに、この出願の実施形態による手順又は機能の全部又は部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータ・ネットワーク、又は他のプログラム可能なデバイスであってもよい。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよいし、コンピュータ可読記憶媒体を通して伝送されてもよい。コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータ・センタから、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、又はデジタル加入者線)又は無線(例えば、赤外線、ラジオ、又はマイクロ波)において別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータ・センタに伝送されてもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータがアクセス可能な任意の使用可能な媒体、又は1つ以上の使用可能な媒体を統合するデータ記憶デバイス、例えば、サーバ若しくはデータ・センタであってもよい。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピー・ディスク、ハード・ディスク、又は磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、又は半導体媒体(例えば、ソリッド・ステート・ドライブ(Solid State Drive、SSD))などであってもよい。
【0187】
当業者であれば、実施形態における方法の全部又は一部の手順は、関係するハードウェアに命令するコンピュータ・プログラムによって実装されてもよいと理解してもよい。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。プログラムが実行されるときに、方法の実施形態における手順が含まれてもよい。上述の記憶媒体は、ROM、ランダム・アクセス・メモリRAM、磁気ディスク、又は光ディスクなど、プログラム・コードを記憶することができる任意の媒体を含んでもよい。
【0188】
上述の実施形態では、各実施形態の説明はそれぞれの焦点を有する。実施形態で詳細に説明されないか、又は記録されていない部分については、別の実施形態における関係説明を参照のこと。
【0189】
この出願で提供される実施形態では、開示された方法/デバイス及び方法が、他の方式で実装されてもよいと理解されたい。例えば、説明された装置/デバイスの実施形態は、一例にすぎない。例えば、モジュール又はユニットへの分割は、論理機能分割にすぎず、実際の実装においては他の分割であってもよい。例えば、複数のユニット又はコンポーネントが別のシステムに組み合わされたり、統合されたりしてもよいし、いくつかの特徴が無視されるか、又は実行されなくてもよい。追加的に、表示又は議論された相互結合、直接結合、又は通信接続は、いくつかのインターフェースを介して実装されてもよい。装置又はユニット間の間接結合又は通信接続は、電子的、機械的、又は他の形態において実装されてもよい。
【0190】
この明細書及びこの出願の添付の特許請求の範囲で使用されるときに、「含む」という用語は、説明された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を示すが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらの組み合わせの存在又は追加を排除しないと理解されたい。
【0191】
この明細書及びこの出願の添付の特許請求の範囲において使用される「及び/又は」という用語は、1つ以上の関連するリストされた項目の任意の組み合わせ及び全ての可能な組み合わせを指し、これらの組み合わせを含むとも理解されたい。
【0192】
この明細書及びこの出願の添付の特許請求の範囲において使用される場合、「~場合」という用語は、文脈に応じて、「~ときに」、「~と」、「決定することに応答して」、又は「検出することに応答して」と解釈されてもよい。同様に、文脈に応じて、「~であると決定される場合」又は「(説明された条件若しくはイベント)が検出される場合」という語句は、「~であると決定されたら」、「~と決定することに応答して」、「(説明された条件若しくはイベント)が検出されたら」、又は「(説明された条件若しくはイベント)を検出することに応答して」と解釈されてもよい。
【0193】
追加的に、この明細書及びこの出願の添付の特許請求の範囲において、「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語は、区別及び説明を意図するものにすぎず、相対的な重要性の指標又は示唆として理解されないものとする。
【0194】
この出願のこの明細書で説明された「一実施形態」、「いくつかの実施形態」などへの言及は、この出願の1つ以上の実施形態が、実施形態を参照して説明された特定の特徴、構造、又は特性を含むことを示す。したがって、この明細書における異なる箇所に現れる「一実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、「いくつかの他の実施形態において」、「他の実施形態において」などの記載は、必ずしも同じ実施形態を参照することを意味しない。その代わりに、その記載は、別の方法で特に強調しない限り、「全てではなく1つ以上の実施形態」を意味する。用語「含む」、「有する」、及びそれらの変形は全て、別の方法で特に強調しない限り、「含むが、それらに限定されない」を意味する。
【0195】
最後に、上述の実施形態は、この出願を限定するのではなく、この出願の技術的ソリューションを説明することを単に意図しているにすぎないと留意されたい。この出願は、上述の実施形態を参照して詳細に説明されているが、当業者であれば、この出願の実施形態の技術的ソリューションの範囲から逸脱することなく、上述の実施形態に記録された技術的ソリューションに修正することか、又はその技術的特徴のいくつか又は全てを同等のものに置換することを依然として行ってもよいと理解すべきである。