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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】スタンド、及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16M 11/18 20060101AFI20241217BHJP
   A47F 5/12 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
F16M11/18 Z
A47F5/12
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024027383
(22)【出願日】2024-02-27
【審査請求日】2024-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】松下 昌宏
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0318950(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0049549(US,A1)
【文献】米国特許第5660365(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0245413(US,A1)
【文献】特開昭49-2628(JP,A)
【文献】登録実用新案第3193668(JP,U)
【文献】特表2008-502926(JP,A)
【文献】登録実用新案第3218718(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16M 11/18
A47F 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重力方向に対して、傾斜する載置面を有する載置部と、
前記載置面の下端に接続され、前記載置面に対して、所定の角度が設けられた角度調整面を有する角度調整部と、
前記載置面の上端に接続され、前記載置部に載置される製品を支持する支持部と、
を備え、
前記支持部は、第一開口部を有し、
前記角度調整部は、前記第一開口部に挿通可能であり、
前記角度調整面には、前記第一開口部に向かって、複数の係止部が設けられている
スタンド。
【請求項2】
前記載置部と、前記支持部と、を接続する接続部と、
をさらに備え、
前記接続部は、少なくとも1つ以上の曲げ線を有している
請求項1に記載のスタンド。
【請求項3】
前記接続部は、第二開口部を有している
請求項2に記載のスタンド。
【請求項4】
前記重力方向と交差する幅方向において、
前記幅方向における、前記第二開口部の寸法は、挿通可能な前記角度調整部の寸法よりも大きい
請求項3に記載のスタンド。
【請求項5】
各係止部は、前記第一開口部に接触可能である
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスタンド。
【請求項6】
前記支持部は、曲げ線を有し、
前記支持部における前記曲げ線は、前記支持部からみて前記載置部側に位置する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスタンド。
【請求項7】
前記角度調整部は、一端に、曲げ線を有する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスタンド。
【請求項8】
前記スタンドは、板金材料を含む
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスタンド。
【請求項9】
前記板金材料は、鋼帯である
請求項8に記載のスタンド。
【請求項10】
載置面を基準とし、
前記載置面の下端に接続され、前記載置面に対して、所定の角度が設けられた角度調整面を形成するステップと、
前記載置面の上端に接続され、前記載置面に載置される製品を支持する支持面を形成するステップと、
を備え、
前記角度調整面を形成するステップにおいて、複数の係止部を設けた後に、前記載置面に対して、所定の角度を設け、
前記支持面を形成するステップにおいて、第一開口部を設けた後に、前記支持面は、前記角度調整面の一端に向かって形成される
製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スタンド、及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
係合孔と、係合爪と、を係合させ、載置部の上下方向の角度を変更できるスタンドが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、シート体と、シート体を折曲線に沿って折り曲げた一方の領域に形成される載置部と、シート体を折曲線に沿って折り曲げた他方の領域に形成されるスタンド部と、載置部からスタンド部に向かって延びる載置部側腕部と、スタンド部から載置部に向かって延びるスタンド部側腕部と、載置部側腕部とスタンド部側腕部の一方に形成された係合爪と、載置部側腕部とスタンド部側腕部の他方に形成された係合孔と、を有し、係合爪を係合孔に係合することにより、載置部とスタンド部が鋭角をなした状態で連結される、ことを特徴とするイーゼルスタンドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3218718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたイーゼルスタンドにおいては、さらに、係合爪は、単一の係合爪から構成されており、係合孔は、複数の係合孔から構成されており、単一の係合爪を複数の係合孔のいずれかに選択的に係合することにより、載置部とスタンド部がなす角度が変更される、としている。
しかしながら、シート体の材料によっては、係合爪と、係合孔とが係合しにくいことがある。
【0006】
本開示の目的は、上述した課題を解決するスタンド、及び製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のスタンドは、重力方向に対して、傾斜する載置面を有する載置部と、前記載置面の下端に接続され、前記載置面に対して、所定の角度が設けられた角度調整面を有する角度調整部と、前記載置面の上端に接続され、前記載置部に載置される製品を支持する支持部と、を備え、前記支持部は、第一開口部を有し、前記角度調整部は、前記第一開口部に挿通可能であり、前記角度調整面には、前記第一開口部に向かって、複数の係止部が設けられている。
【0008】
本開示の製造方法は、載置面を基準とし、前記載置面の下端に接続され、前記載置面に対して、所定の角度が設けられた角度調整面を形成するステップと、前記載置面の上端に接続され、前記載置面に載置される製品を支持する支持面を形成するステップと、を備え、前記角度調整面を形成するステップにおいて、複数の係止部を設けた後に、前記載置面に対して、所定の角度を設け、前記支持面を形成するステップにおいて、第一開口部を設けた後に、前記支持面は、前記角度調整面の一端に向かって形成される。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る、スタンド、及び製造方法によれば、シート体の材料によらず、載置部の上下方向の角度を変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示に係るスタンドの構成の一例を示す斜視図Iである。
図2】本開示に係るスタンドの構成の一例を示す斜視図IIである。
図3】本開示に係るスタンドの構成の一例を示す斜視図IIIである。
図4】本開示に係るスタンドの構成の一例を示す側面図Iである。
図5】本開示に係るスタンドの構成の一例を示す側面図IIである。
図6】本開示に係る製造方法の処理の一例を示すフローチャートIである。
図7】本開示に係る製造方法の処理の一例を示す図である。
図8】比較例におけるスタンドの構成の一例を示す斜視図である。
図9】変形例におけるスタンドの構成の一例を示す斜視図である。
図10】V部における部分拡大図である。
図11】本開示に係るスタンドの構成の一例を示す斜視図IVである。
図12】本開示に係る製造方法の処理の一例を示すフローチャートIIである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示に係る各実施形態について、図面を用いて説明する。なお、各実施の形態において用いられた図面および具体的な構成を、開示の解釈に用いてはならない。すべての図面において同一または相当する構成には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
なお、本開示において図面は、1以上の実施の形態に関連付けられる。
【0012】
<第一実施形態>
以下、本開示に係る一実施形態について、図を用いて説明する。
以下、本開示におけるスタンドの構成の一例を、図1図5を用いて説明する。
なお、図2図3、及び図5は、製品がスタンドに載置された状態を示している。
【0013】
(スタンドの構成)
スタンド1は、載置した製品PRの姿勢を、所定の角度で保持するために用いられる。
図1~3に示すように、スタンド1は、載置部11と、角度調整部12と、支持部13と、接続部14と、を備える。
【0014】
なお、本開示においては、一例として、一枚の板金材料によってスタンド1が形成されているものとして説明を行う。
例えば、スタンド1は、板金材料を含む。板金材料としては鋼板(SPCC(Steel Plate Cold Commercial)、SECC(Steel Electrolytic Cold Commercial)等)、ステンレス(SUS:Steel Use Stainless)等がある。例えば、ばね用ベリリウム銅、ばね用ステンレス鋼帯がスタンド1に含まれてもよい。スタンド1の耐久性が向上しやすくなり、角度調整を頻繁に行いやすくなる。また、曲げ逃げ(以下、「第二開口部SA」とも称する。)の幅方向における寸法を変更することや、板材の素材、板厚を変更することで、製品PRの自重に合った軽量タイプ、あるいは重量タイプのスタンドが可能となる。
【0015】
(載置部の構成)
載置部11は、製品PRが載置される載置面MSを有している。
載置面MSは、重力方向に対して、傾斜している。本開示において、重力方向をZ軸、板金材料の幅方向をX軸、奥行き方向をY軸とすると、載置面MSは、Z軸に対して、傾斜している。
例えば、載置面MSは、平面であってもよいし、凹凸面あるいは屈曲面を有していてもよい。
【0016】
図4に示すように、ポイントAに位置する載置部11の下端は、角度調整部12と接続している。ポイントAには、後述する曲げ線ALがある。ベンダーにより、やげん等の押し込み型が板金材料を押圧すると、板金材料が屈曲あるいは湾曲し、板金材料と、押し込み型との接触面上に曲げ線が形成される。後述する他の曲げ線に関しても同様である。
本開示における曲げ線ALは、載置面MSの裏面に位置している。すなわち、ポイントAにおける板金材料の曲げ加工によって、押し込み型に対向するダイに対して、当接する面が二分され、二分された一方の面が、載置面MSとなる。他方の面は、後述する角度調整面となる。後述する支持面SSに関しても同様に、ポイントBにおける板金材料の曲げ加工によって、ダイに対して、当接する面が二分されることで形成され、ダイに当接する面の裏面には、曲げ線BLが形成される。本開示において、この曲げ線BLを裏面に有する面は湾曲しており、湾曲面CSと称する。
【0017】
(角度調整部の構成)
角度調整部12は、載置面MSの角度を調整可能である。
角度調整部12は、角度調整面AASを有している。
角度調整部12は、前述の曲げ線ALにより、載置面MSの下端に接続されている。
角度調整部12の角度調整面AASは、図4に示すように、載置面MSに対して、所定の角度αが設けられている。
角度調整部12は、後述する第一開口部FAに挿通可能である。すなわち、X軸方向における角度調整部12の寸法は、X軸方向における第一開口部FAの寸法よりも小さい。
角度調整面AASには、第一開口部FAに向かって、複数の係止部LP_Gが設けられている。
複数の係止部LP_Gにおける各係止部は、第一開口部FAに接触可能である。本開示において、各係止部LP(LP1、LP2、LP3)は、第一開口部FAの縁に接触可能であるとして説明を行う。
【0018】
(支持部の構成)
支持部13は、載置部11に載置される製品PRを支持する。
支持部13は、支持面SSを有している。例えば、支持面SSは、平面であってもよい。
支持部13の支持面SSは、図4に示すように、載置面MSに対して、角度βが設けられている。
支持部13は、第一開口部FAを有している。
支持部13は、前述の曲げ線BLにより、載置面MSの上端に接続されている。曲げ線BLを有する箇所を接続部14と定義し、接続部14は、載置部11と、支持部13と、を接続する。接続部14は、少なくとも1つ以上の曲げ線を有しており、本開示において、接続部14が1つの曲げ線を有するとして説明を行う。なお、接続部14は、屈曲していてもよいし、湾曲していてもよい。本開示における、接続部14は、上述のとおり湾曲面CSを有することから、湾曲しているものとする。
【0019】
例えば、接続部14は、第二開口部SAを有している。第二開口部SAは、接続部14が有する、少なくとも1つ以上の曲げ線に横断して設けられる。
重力方向と交差する幅方向(X軸方向)において、幅方向における、第二開口部SAの寸法は、第一開口部FAに挿通可能な角度調整部12の、幅方向における寸法よりも大きい。
【0020】
また、支持部13は、曲げ線を有していてもよい。例えば、支持部13の一端から所定の距離に曲げ線DLを有する場合、支持部13の下部にベース部13Bが形成される。例えば、曲げ線DLは、支持部13からみて載置部11側に位置する。
【0021】
X軸方向における第一開口部FAの寸法は、X軸方向における角度調整部12の寸法により定まる。例えば、Z軸方向における第一開口部FAの寸法は、角度調整部12の厚みよりも大きい。
【0022】
また、角度調整部12は、一端に、曲げ線を有してもよい。角度調整部12の一端から所定の距離に曲げ線CLを有する場合、把手部12HNが形成される。
【0023】
(載置部の角度調整についての概要)
図5に示すように、製品PRが載置面MSに載置されると、製品PRの自重により、重力方向に沿った力Wが重心Gに働き、載置面MSを押圧する。
力Wは、重力方向に対して、傾斜する載置面MSに沿った力と、載置面MSに垂直な力とに分けられる。載置面MSに垂直な力によって、角度調整部12は、第一開口部FAに向かって移動する。こうして、角度調整部12が第一開口部FAに挿通される。
ここで、角度調整面AASに設けられた複数の係止部LP_Gの内、いずれかの係止部が、第一開口部FAに接触する。図5において、係止部LP1が、第一開口部FAの縁に接触し、スタンド1を係止させる。製品PRが載置面MSに載置される限り、載置面MSに垂直な力がかかり続ける。そのため、係止部LP1が、第一開口部FAの縁に接触した状態が維持され、スタンド1の係止状態が維持される。
このとき、支持部13の支持面SSは、図5に示すように、載置面MSに対して、角度βから角度β’へと変化する。角度調整部12が、第一開口部FAに向かって移動したために、角度β’は角度βよりも小さい。
【0024】
把手部12HNには2つの役割がある。1つ目の役割は、スタンド1の係止状態の解除である。作業者は、製品PRをZ軸方向に持ち上げながら、把手部12HNをZ軸方向に持ち上げる。これにより、係止部LP1が、第一開口部FAの縁から離れ、スタンド1の係止状態が解除される。
2つ目の役割は、載置部11の角度調整である。スタンド1の係止状態の解除時に、作業者は、任意の係止部LP(例えば、図4に示す係止部LP2、LP3)を選択し、任意の係止部LPを、第一開口部FAの縁に近づける。その後、作業者は、製品PRをZ軸方向に持ち上げるのをやめると、角度調整部12は、第一開口部FAに向かって移動する。こうして、任意の係止部LPが、第一開口部FAの縁に接触し、スタンド1を係止させる。第一開口部に向かって設けられた各係止部LPと、第一開口部FAとの位置関係により、重力方向に対する載置面MSの傾斜角度が変化する。
なお、作業者は、把手部12HNの代わりに、角度調整部12の一部をZ軸方向に持ち上げてもよい。
【0025】
(製造方法)
本開示におけるスタンドの製造方法の一例について説明する。
概要としては、再度図4に示すように、作業者は、各ポイント(ポイントA、ポイントB、ポイントC、ポイントD)にて押し込み型を用いた押圧を行い、一枚の板金材料を、ポイントA及びポイントBを有する略三角形状に曲げる。
ポイントBにおける板金材料の曲げ加工よって、載置面MSと、支持面SSとの間に角度βをもって湾曲面CSが形成される。製品PR載置後の角度βが、各係止部LPと、第一開口部FAとの位置関係により、変化することによって、重力方向に対する載置面MSの傾斜角度が変化する。
本開示におけるスタンドの製造方法の一例は、図6に示すフローに従って実施される。
【0026】
まず、作業者は、部材を加工し、スタンド1の展開図を部材に反映する(ステップST11)。例えば、本開示における部材は、一枚の板金材料とする。第一開口部FA、及び第二開口部SAは、ステップST11にて反映される。例えば、加工方法としては、レーザー加工がある。
なお、幅方向における、第二開口部SAの寸法は、第一開口部FAに挿通可能な角度調整部12の、幅方向における寸法よりも大きい。
【0027】
次に、作業者は、部材に、複数の係止部LP_Gを設ける(ステップST12)。
複数の係止部LP_Gは、金属材料に、絞り加工が施されることで形成される。例えば、作業者は、金属材料にスリット加工を施したのちに、絞り加工を実施してもよい。スリット加工はステップST11にて行われてもよい。
【0028】
次に、作業者は、部材の一端に曲げ線を形成する(ステップST13)。
図7に示すように、作業者は、ポイントCにおける板金材料の曲げ加工よって、把手部12HNを形成する。なお、ポイントCに関して、ダイに対して、当接する面が二分されることにより、ダイに当接する面の裏面に、曲げ線CLが形成される。
【0029】
次に、作業者は、角度調整面AASを形成する(ステップST14)。
例えば、作業者は、部材における一部の面を載置面MSとし、載置面MSを基準として処理を行う。具体的には、載置面MSに対して、所定の角度αが設けられた角度調整面AASを形成する。前述のとおり、ポイントAにおける板金材料の曲げ加工よって、曲げ線ALが形成される。角度調整面AASは、載置面MSの下端に接続されている。
なお、形成された角度調整面AASには、複数の係止部LP_Gが設けられている。
【0030】
次に、作業者は、支持面SSを形成する(ステップST15)。
例えば、作業者は、載置面MSに載置される製品を支持する支持面SSを形成する。持面SSは、角度調整面AASの一端に向かって形成される。なお、支持面SSには、第一開口部FAが存在する。
前述のとおり、ポイントBにおける板金材料の曲げ加工よって、曲げ線BLが形成される。支持面SSは、載置面MSの上端に接続されている。ポイントBに曲げ線BLが形成されることで、第二開口部SAは、少なくとも1つ以上の曲げ線に横断する。
支持面SSは、図7に示すように、載置面MSに対して、角度βが設けられている。
【0031】
次に、作業者は、ポイントDにおける板金材料の曲げ加工よって、支持面SSの裏面に曲げ線DLを形成する(ステップST16)。
例えば、支持部13の一端から所定の距離に曲げ線DLを有する場合、支持部13の下部にベース部13Bが形成される。例えば、曲げ線DLは、支持部13からみて載置部11側に位置する。
ここで、ベース部13Bを有するスタンド1が、一枚の板金材料から形成される。(完了)
【0032】
(作用及び効果)
本開示のスタンド1によれば、載置される製品PRの自重により、載置面MSに重力方向に沿った力Wが働く。
これにより、載置面MSに所定の角度αが設けられた角度調整面AASを有する角度調整部12は、第一開口部FAに向かって移動する。
角度調整部12が第一開口部FAに挿通されることで、角度調整面AASに設けられた各係止部LPにより、スタンド1を係止させる。こうして、第一開口部FAに向かって設けられた各係止部LPと、第一開口部FAとの位置関係により、重力方向に対する載置面MSの傾斜角度が変化する。
したがって、本開示のスタンドは、シート体の材料によらず、載置部の上下方向の角度を変更できる。
【0033】
図8は、比較例を示す。
図8に開示されているように、比較例のスタンドでは、シャフトと、角度固定ネジとによって、製品PRを所定の角度に傾けた固定ブラケットを、スタンドに固定している。
比較例のスタンドでは、シャフトと、角度固定ネジとによって、製品PRを所定の角度に傾けるため、取付部品の点数が多くなる。ねじ類の部品点数が増えると、ネジ締めの管理が行いにくいといったことがあった。これにより、比較例のスタンドでは、組立費や資材費が高額になるといったことがあった。
【0034】
また、比較例のスタンドでは、製品PRへの押し込み、あるいは載置する製品PRの自重による角度固定ネジの緩みや、経年による角度固定ネジの緩みにより、製品PRが下向きに傾く(お辞儀する)ことがあった。
【0035】
比較例に対し、本開示のスタンドによれば、各ポイント(ポイントA、ポイントB、ポイントC、ポイントD)にて押し込み型を用いた押圧が行われ、一枚の板金材料が、ポイントA及びポイントBを有する略三角形状に曲げられている。
ポイントBにおける板金材料の曲げ加工よって、載置面MSと、支持面SSとの間に角度βをもって湾曲面CSが形成される。製品PR載置後の角度βが、各係止部LPと、第一開口部FAとの位置関係により、変化することによって、重力方向に対する載置面MSの傾斜角度が変化する。
そのため、本開示のスタンドでは、一枚の金属材料で、上下方向の角度が多段階に変えられるスタンドが形成可能である。
したがって、本開示のスタンドでは、取付部品の点数を少なくすることができ、組立費や資材費を安価にすることができる。
【0036】
なお、本開示のスタンドでは、載置面MSの傾斜角度が、角度は製品PRの自重によって、係止部LP1が、第一開口部FAに接触した状態が維持され、スタンド1の係止状態が維持される。各係止部LPによって、載置面MSが一定の角度で固定されるため、経年による傾斜角度の変化が起きにくい。
【0037】
また、本開示のスタンドは、「重力方向に対して、傾斜する載置面MSを有する載置部11と、載置面MSの下端に接続され、載置面MSに対して、所定の角度αが設けられた角度調整面AASを有する角度調整部12と、載置面MSの上端に接続され、載置部11に載置される製品PRを支持する支持部13と、を備え、支持部13は、第一開口部FAを有し、角度調整部12は、第一開口部FAに挿通可能であり、角度調整面AASには、第一開口部FAに向かって、複数の係止部LP_Gが設けられている。」ことによって次の効果を得ることができる。
本開示のスタンド1によれば、載置される製品PRの自重により、載置面MSに重力方向に沿った力Wが働く。
これにより、載置面MSに所定の角度αが設けられた角度調整面AASを有する角度調整部12は、第一開口部FAに向かって移動する。
角度調整部12が第一開口部FAに挿通されることで、角度調整面AASに設けられた各係止部LPにより、スタンド1を係止させる。
これにより、「本開示のスタンドは、第一開口部FAに向かって設けられた各係止部LPと、第一開口部FAとの位置関係により、重力方向に対する載置面MSの傾斜角度を変化させることができる。」という効果を得ることができる。そのため、本開示のスタンドは、シート体の材料によらず、載置部の上下方向の角度を変更できる。
【0038】
加えて、本開示のスタンドでは、さらに「載置部11と、支持部13と、を接続する接続部14と、をさらに備え、接続部14は、少なくとも1つ以上の曲げ線を有している」ことによって次の効果を得ることができる。
本開示のスタンド1によれば、載置される製品PRの自重により、載置面MSに重力方向に沿った力Wが働く。
これにより、載置面MSに所定の角度αが設けられた角度調整面AASを有する角度調整部12は、第一開口部FAに向かって移動する。
角度調整部12が第一開口部FAに挿通されることで、角度調整面AASに設けられた各係止部LPにより、スタンド1を係止させる。
これにより、「本開示のスタンドは、第一開口部FAに向かって設けられた各係止部LPと、第一開口部FAとの位置関係により、重力方向に対する載置面MSの傾斜角度を変化させることができる。」という効果を得ることができる。そのため、本開示のスタンドは、シート体の材料によらず、載置部の上下方向の角度を変更できる。
【0039】
加えて、本開示のスタンドでは、さらに「接続部14は、第二開口部SAを有している」ことによって、「製品PRの自重に関わらず、接続部14の曲がりやすさが向上し、角度調整部12は、第一開口部FAに向かって移動しやすくなる。」という効果も得ることができる。
【0040】
他にも、本開示のスタンドでは、載置面MSに取付穴が設けられた際に、湾曲面CSの近傍に取付穴があったとしても、第二開口部SAが変形を吸収し、取付穴の変形が防止できる。
【0041】
加えて、本開示のスタンドでは、さらに「重力方向と交差する幅方向において、幅方向における、第二開口部SAの寸法は、挿通可能な角度調整部12の寸法よりも大きい」ことによって、「第二開口部SAに工具が挿通可能となり、汎用の押し込み型を用いた曲げ加工が可能となる。」という効果も得ることができる。
【0042】
加えて、本開示のスタンドでは、さらに「各係止部LPは、第一開口部FAに接触可能である」ことによって、「角度調整面AASに設けられた各係止部LPが、第一開口部FAに接触することにより、スタンド1を係止させる。」という効果も得ることができる。
【0043】
加えて、本開示のスタンドでは、さらに「支持部13は、曲げ線を有し、支持部13における曲げ線は、支持部13からみて載置部11側に位置する」ことによって、支持部13の下部にベース部13Bが形成される。なお、ベース部13Bは、支持部13からみて載置部11側に位置することから、「スタンド1は、製品PRの載置時に転倒しにくい。」という効果も得ることができる。
【0044】
加えて、本開示のスタンドでは、さらに「角度調整部12は、一端に、曲げ線を有する」ことによって、把手部12HNが形成され、「スタンド1の係止状態の解除や、載置部11の角度調整を行いやすい。」という効果も得ることができる。
【0045】
加えて、本開示のスタンドでは、さらに「スタンド1は、板金材料を含む」ことによって、「スタンド1の耐久性が向上しやすくなり、角度調整を頻繁に行いやすくなる。」という効果も得ることができる。
【0046】
加えて、本開示のスタンドでは、さらに「板金材料は、鋼帯である」ことによって、「スタンド1の耐久性がより向上しやすくなり、角度調整を頻繁に行いやすくなる。」という効果も得ることができる。
【0047】
上記開示の接続部14は1つの曲げ線を有するとしたが、例えば、以下であってもよい。
例えば、図9に示すように、接続部14におけるポイントB1及びポイントB2に曲げ線を有してもよい。すなわち、接続部14は複数の曲げ線を有してもよい。これにより、汎用の板金工法においても、スタンド1への加工が容易となる。
【0048】
上記開示の各係止部LP(LP1、LP2、LP3)は、第一開口部FAの縁に接触可能であるとしたが、例えば、以下であってもよい。
例えば、図10に示すように、角度調整面AASには、第一開口部FAに向かって、穴形状の係止部LP’(LP1’、LP2’)が複数の係止部LP_G’として設けられてもよい。この場合、第一開口部FAには突起部13Pが設けられ、各係止部LP’と、突起部13Pとの係止によって、載置面MSの傾斜角度の変更が可能となる。
【0049】
例えば、曲げ線AL、曲げ線CL、及び曲げ線DLにおける屈曲あるいは湾曲箇所に、リブが形成されていてもよい。
【0050】
本開示の手順は適宜順番を入れ替えることが可能である。例えば、作成方法の処理手順(ステップST12~ステップST13)は、順番を入れ替えてもよい。
【0051】
<第二実施形態>
以下、本開示に係る一実施形態について、図を用いて説明する。
以下、本開示におけるボロメータの構成の一例を、図11を用いて説明する。
【0052】
(構成)
スタンド1mは、重力方向に対して、傾斜する載置面を有する載置部11mと、載置面の下端に接続され、載置面に対して、所定の角度が設けられた角度調整面を有する角度調整部12mと、載置面の上端に接続され、載置部に載置される製品を支持する支持部13mと、を備え、支持部13mは、第一開口部を有し、角度調整部は、第一開口部に挿通可能であり、角度調整面には、第一開口部に向かって、複数の係止部が設けられている。
【0053】
(作用及び効果)
本開示のスタンド1mによれば、載置される製品の自重により、載置面に重力方向に沿った力が働く。
これにより、載置面に所定の角度が設けられた角度調整面を有する角度調整部12mは、第一開口部に向かって移動する。
角度調整部12mが第一開口部に挿通されることで、角度調整面に設けられた各係止部により、スタンド1mを係止させる。こうして、第一開口部に向かって設けられた各係止部と、第一開口部との位置関係により、重力方向に対する載置面の傾斜角度が変化する。
したがって、本開示のスタンドは、シート体の材料によらず、載置部の上下方向の角度を変更できる。
【0054】
<第三実施形態>
以下、本開示に係る一実施形態について、図を用いて説明する。
以下、本開示における製造方法の一例を、図12を用いて説明する。
本開示における製造方法は、図12に示すフローに従って実施される。
【0055】
製造方法は、載置面を基準とし、載置面の下端に接続され、載置面に対して、所定の角度が設けられた角度調整面を形成するステップ(ステップST11m)と、載置面の上端に接続され、載置面に載置される製品を支持する支持面を形成するステップ(ステップST12m)と、を備え、角度調整面を形成するステップ(ステップST11m)において、複数の係止部を設けた(ステップST11pr)後に、載置面に対して、所定の角度を設け、支持面を形成するステップ(ステップST12m)において、支持面は、第一開口部を設けた(ステップST12pr)後に、角度調整面の一端に向かって形成される。
【0056】
(作用及び効果)
本開示の製造方法によれば、作業者は、一枚の板金材料を、略三角形状に曲げている。
支持面を形成することよって、載置面と、支持面との間に角度をもって、屈曲あるいは湾曲した面が形成される。載置面へ製品を載置することで、載置面と、支持面との間の角度が、各係止部と、第一開口部との位置関係により、変化する。したがって、載置面の傾斜角度の変更が可能となる。
したがって、本開示に係る製造方法によれば、シート体の材料によらず、載置部の上下方向の角度を変更できる。
【0057】
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。そして、各実施の形態は、適宜他の実施の形態と組み合わせることができる。
【0058】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0059】
(付記1)
重力方向に対して、傾斜する載置面を有する載置部と、
前記載置面の下端に接続され、前記載置面に対して、所定の角度が設けられた角度調整面を有する角度調整部と、
前記載置面の上端に接続され、前記載置部に載置される製品を支持する支持部と、
を備え、
前記支持部は、第一開口部を有し、
前記角度調整部は、前記第一開口部に挿通可能であり、
前記角度調整面には、前記第一開口部に向かって、複数の係止部が設けられている
スタンド。
【0060】
(付記2)
前記載置部と、前記支持部と、を接続する接続部と、
をさらに備え、
前記接続部は、少なくとも1つ以上の曲げ線を有している
付記1に記載のスタンド。
【0061】
(付記3)
前記接続部は、第二開口部を有している
付記2に記載のスタンド。
【0062】
(付記4)
前記重力方向と交差する幅方向において、
前記幅方向における、前記第二開口部の寸法は、挿通可能な前記角度調整部の寸法よりも大きい
付記3に記載のスタンド。
【0063】
(付記5)
各係止部は、前記第一開口部に接触可能である
付記1から付記4のいずれか1つに記載のスタンド。
【0064】
(付記6)
前記支持部は、曲げ線を有し、
前記支持部における前記曲げ線は、前記支持部からみて前記載置部側に位置する
付記1から付記5のいずれか1つに記載のスタンド。
【0065】
(付記7)
前記角度調整部は、一端に、曲げ線を有する
付記1から付記6のいずれか1つに記載のスタンド。
【0066】
(付記8)
前記スタンドは、板金材料を含む
付記1から付記7のいずれか1つに記載のスタンド。
【0067】
(付記9)
前記板金材料は、鋼帯である
付記8に記載のスタンド。
【0068】
(付記10)
載置面を基準とし、
前記載置面の下端に接続され、前記載置面に対して、所定の角度が設けられた角度調整面を形成するステップと、
前記載置面の上端に接続され、前記載置面に載置される製品を支持する支持面を形成するステップと、
を備え、
前記角度調整面を形成するステップにおいて、複数の係止部を設けた後に、前記載置面に対して、所定の角度を設け、
前記支持面を形成するステップにおいて、第一開口部を設けた後に、前記支持面は、前記角度調整面の一端に向かって形成される
製造方法。
【符号の説明】
【0069】
1 スタンド
11 載置部
12 角度調整部
12HN 把手部
13 支持部
13B ベース部
13P 突起部
14 接続部
1m スタンド
11m 載置部
12m 角度調整部
13m 支持部
AAS 角度調整面
MS 載置面
CS 湾曲面
SS 支持面
AL、BL、CL、DL 曲げ線
A、B、B1、B2、C、D ポイント
FA 第一開口部
SA 第二開口部
LP_G 複数の係止部
LP 各係止部
LP1、LP2、LP3 係止部
LP_G’ 複数の係止部
LP’ 各係止部
LP1’、LP2’ 係止部
PR 製品
W 力
α 所定の角度
β、β’ 角度
【要約】
【課題】シート体の材料によらず、載置部の上下方向の角度を変更できるスタンド、及び製造方法を提供する。
【解決手段】スタンドは、重力方向に対して、傾斜する載置面を有する載置部と、載置面の下端に接続され、載置面に対して、所定の角度が設けられた角度調整面を有する角度調整部と、載置面の上端に接続され、載置部に載置される製品を支持する支持部と、を備え、支持部は、第一開口部を有し、角度調整部は、第一開口部に挿通可能であり、角度調整面には、第一開口部に向かって、複数の係止部が設けられている。
【選択図】図11
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12