(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】養育支援システム及び養育支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241217BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2024085182
(22)【出願日】2024-05-24
【審査請求日】2024-05-24
(31)【優先権主張番号】P 2023212877
(32)【優先日】2023-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523453503
【氏名又は名称】GUGEN Software株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】境 領太
【審査官】日比野 可奈子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0066754(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0133440(US,A1)
【文献】"2023/1(1.0.7)リリース",面会交流アプリraeru,2023年01月23日,[online],[令和4年8月5日検索]、インターネット<https://note.com/raeru/n/n46517ba967ce>
【文献】"Teuchi for 離婚 ご利用の流れ",ミドルマン株式会社,2023年12月08日,[online],[令和6年8月5日検索]、インターネット<https://web.archive.org/web/20231208061906/https://www.service.teuchi.online/rikon-detail>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
子どもの養育を支援するための養育支援システムであって、
離婚した又は離婚を予定している夫婦のうち前記子どもと同居する同居親の端末との通信と、前記夫婦のうち前記子どもと別居する別居親の端末との通信と、を行う通信手段と、
前記通信手段を用いて、前記子どもの養育のために前記別居親が提供する養育費及び/又は養育品に関する前記夫婦間の調整を行う調整手段であって、前記夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して前記調整を実現する直接調整を行う直接調整手段を含む前記調整手段と、を備え、
前記調整手段は、前記調整として、前記養育費の金額の調整、前記養育費の支払期間の調整、前記養育費の支払時期の調整、前記養育費のうち特別出費の負担割合の調整、前記養育費の取り決め文章の種別の調整、及び前記養育品の提供の調整のうち、少なくとも1つを行
い、
前記調整手段は、前記定型的な連絡内容のやり取りとして、
一方の親の端末に表示される入力フォーム上で当該一方の親が希望する養育費の取り決めの内容の入力を受け付けて他方の親に提案し、
当該一方の親が入力した養育費の取り決め内容の確認画面を当該他方の親の端末に表示させて、提案された養育費の取り決めの内容について受け入れる旨又は変更提案を当該他方の親から受け付け、
当該他方の親からの変更提案があった場合、変更提案の内容を含む養育費の取り決めの情報を当該一方の親の端末に表示させる
養育支援システム。
【請求項2】
子どもの養育を支援するための養育支援システムであって、
離婚した又は離婚を予定している夫婦のうち前記子どもと同居する同居親の端末との通信と、前記夫婦のうち前記子どもと別居する別居親の端末との通信と、を行う通信手段と、
前記通信手段を用いて、前記子どもの養育のために前記別居親が提供する養育費及び/又は養育品に関する前記夫婦間の調整を行う調整手段であって、前記夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して前記調整を実現する直接調整を行う直接調整手段を含む前記調整手段と、
前記
直接調整の前に又は前記
直接調整の際に
前記同居親の端末及び/又は前記別居親の端末に表示される養育支援サービス画面において、前記子どもの画像データを提示する提示手段
と、を備える
養育支援システム。
【請求項3】
前記調整手段は、前記養育費について事前の取り決めを行うための前記調整を行うことで、前記取り決めを作成する
請求項1
又は2に記載の養育支援システム。
【請求項4】
前記取り決めに基づいて前記養育費の支払予定を作成し、前記支払予定について前記夫婦に通知する通知手段をさらに備える
請求項
3に記載の養育支援システム。
【請求項5】
子どもの養育を支援するための養育支援システムであって、
離婚した又は離婚を予定している夫婦のうち前記子どもと同居する同居親の端末との通信と、前記夫婦のうち前記子どもと別居する別居親の端末との通信と、を行う通信手段と、
前記通信手段を用いて、前記子どもの養育のために前記別居親が提供する養育費及び/又は養育品に関する前記夫婦間の調整を行う調整手段であって、前記夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して前記調整を実現する直接調整を行う直接調整手段を含む前記調整手段と、
前記養育費についての事前の取り決めに基づいて前記養育費の支払予定を作成し、前記支払予定について前記夫婦に通知する通知手段と、を備え、
前記通知手段は、
前記養育費の支払予定日よりも所定日前から及び/又は支払予定日の当日に、支払忘れを防止するための通知を前記別居親に対して
繰り返し行
い、
前記養育費が支払われたことを検知した場合、前記繰り返しの通知を停止する
養育支援システム。
【請求項6】
子どもの養育を支援するための養育支援システムであって、
離婚した又は離婚を予定している夫婦のうち前記子どもと同居する同居親の端末との通信と、前記夫婦のうち前記子どもと別居する別居親の端末との通信と、を行う通信手段と、
前記通信手段を用いて、前記子どもの養育のために前記別居親が提供する養育費及び/又は養育品に関する前記夫婦間の調整を行う調整手段であって、前記夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して前記調整を実現する直接調整を行う直接調整手段を含み、前記養育費について事前の取り決めを行うための前記調整を行うことで前記取り決めを作成する前記調整手段と、
前記取り決めに基づいて前記養育費の支払予定を作成し、前記支払予定について前記夫婦に通知する通知手段と、を備え、
前記通知手段は、前記養育費の支払予定日又はその直前に、前記別居親の口座残高又はクレジットカードの利用可能額が支払予定の養育費額に満たない場合、その旨の警告を前記別居親に対して行う
養育支援システム。
【請求項7】
子どもの養育を支援するための養育支援システムであって、
離婚した又は離婚を予定している夫婦のうち前記子どもと同居する同居親の端末との通信と、前記夫婦のうち前記子どもと別居する別居親の端末との通信と、を行う通信手段と、
前記通信手段を用いて、前記子どもの養育のために前記別居親が提供する養育費及び/又は養育品に関する前記夫婦間の調整を行う調整手段であって、前記夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して前記調整を実現する直接調整を行う直接調整手段を含む前記調整手段と、
前記同居親の銀行口座及び/又は前記別居親の銀行口座との連携を、APIを介して行う連携手段
と、を備え、
前記連携手段は、前記銀行口座の入出金履歴の中から養育費に相当する入出金情報を指定する操作を受け付けると、当該指定された入出金情報を養育費情報として登録し、前記養育費情報を前記同居親及び/又は前記別居親が閲覧可能に管理する
養育支援システム。
【請求項8】
前記連携手段は、前記銀行口座の入出金状況を監視し、前記登録された養育費情報に合致する入出金情報を検知すると、当該検知された入出金情報を新たな養育費情報として自動で登録する
請求項
7に記載の養育支援システム。
【請求項9】
前記連携手段は、前記銀行口座の入出金状況を監視し、前記養育費の支払予定日までに養育費の支払いが無い場合、又は前記養育費の支払額が支払予定の養育費額に満たない場合、アラート情報を前記同居親及び/又は前記別居親に通知する
請求項
7又は
8に記載の養育支援システム。
【請求項10】
前記養育費が支払われたことを検知し、その旨を前記同居親及び/又は前記別居親に通知する通知手段をさらに備える
請求項1又は
7に記載の養育支援システム。
【請求項11】
子どもの養育を支援するための養育支援システムであって、
離婚した又は離婚を予定している夫婦のうち前記子どもと同居する同居親の端末との通信と、前記夫婦のうち前記子どもと別居する別居親の端末との通信と、を行う通信手段と、
前記通信手段を用いて、前記子どもの養育のために前記別居親が提供する養育費及び/又は養育品に関する前記夫婦間の調整を行う調整手段であって、前記夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して前記調整を実現する直接調整を行う直接調整手段を含む前記調整手段と、
前記養育費が支払われたことを検知し、その旨を前記同居親及び/又は前記別居親に通知する通知手段と、を備え、
前記通知手段は、前記養育費が支払われたことを検知したことに応じて、前記同居親からの感謝を表すメッセージを前記別居親に送信することを前記同居親に対して提案する
養育支援システム。
【請求項12】
前記調整に先立ち、前記取り決めを行うための事前知識を教示するための動画データを前記夫婦に配信する配信手段をさらに備える
請求項
3に記載の養育支援システム。
【請求項13】
前記直接調整によって前記取り決めが合意された場合、当該合意された取り決めの内容を示すドキュメントを生成し、前記ドキュメントを前記夫婦に提供する提供手段をさらに備える
請求項
3に記載の養育支援システム。
【請求項14】
前記調整手段は、前記夫婦間にアシスタントを介入させて前記調整を実現する介入調整を行う介入調整手段をさらに含み、
前記調整手段は、前記直接調整から前記介入調整への切り替えを行う
請求項
3に記載の養育支援システム。
【請求項15】
子どもの養育を支援するための養育支援システムであって、
離婚した又は離婚を予定している夫婦のうち前記子どもと同居する同居親の端末との通信と、前記夫婦のうち前記子どもと別居する別居親の端末との通信と、を行う通信手段と、
前記通信手段を用いて、前記子どもの養育のために前記別居親が提供する養育費及び/又は養育品に関する前記夫婦間の調整を行う調整手段であって、前記夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して前記調整を実現する直接調整を行う直接調整手段を含む前記調整手段と、を備え、
前記調整手段は、前記養育費について事前の取り決めを行うための前記調整を行うことで、前記取り決めを作成し、
前記調整手段は、前記夫婦間にアシスタントを介入させて前記調整を実現する介入調整を行う介入調整手段を含み、
前記調整手段は、前記取り決めを行うための前記調整を前記直接調整によって行
った後、所定の条件が満たされた場合、前記介入調整への切り替えを前記夫婦に提案する
養育支援システム。
【請求項16】
前記アシスタントは、裁判外紛争解決手続(ADR)における公正な第三者である、或いは、支援員又はAIチャットボットである
請求項1
4に記載の養育支援システム。
【請求項17】
前記所定の条件は、前記直接調整における前記夫婦間のやり取りが所定回数行われても前記取り決めが合意されないこと、又は前記直接調整における前記夫婦間のやり取り中で所定のワードが検知されたことである
請求項1
5に記載の養育支援システム。
【請求項18】
前記介入調整への切り替えを行う場合、前記取り決めのうち前記直接調整で合意された合意事項を不合意事項と区別可能な態様で示すドキュメントを生成し、前記ドキュメントを前記夫婦に提供する提供手段をさらに備える
請求項1
5に記載の養育支援システム。
【請求項19】
子どもの養育を支援するための養育支援システムであって、
離婚した又は離婚を予定している夫婦のうち前記子どもと同居する同居親の端末との通信と、前記夫婦のうち前記子どもと別居する別居親の端末との通信と、を行う通信手段と、
前記通信手段を用いて、前記子どもの養育のために前記別居親が提供する養育費及び/又は養育品に関する前記夫婦間の調整を行う調整手段であって、前記夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して前記調整を実現する直接調整を行う直接調整手段を含む前記調整手段と、を備え、
前記調整手段は、前記養育費について事前の取り決めを行うための前記調整を行うことで、前記取り決めを作成し、
前記調整手段は、前記夫婦間にアシスタントを介入させて前記調整を実現する介入調整を行う介入調整手段を含み、
前記調整手段は、
前記取り決めを行うための前記調整を前記直接調整によって行う場合であって、所定の条件が満たされた場合、前記介入調整への切り替えを前記夫婦に提案し、
前記夫婦の一方が当該切り替えを申し込んだことに応じて、当該申し込みについて前記夫婦の他方に通知し、
当該他方が当該申し込みに合意するまでは前記調整を停止する
養育支援システム。
【請求項20】
前記調整手段は、前記夫婦の一方が前記切り替えを申し込む際に、前記介入調整に要する費用の負担割合を決定させる
請求項
19に記載の養育支援システム。
【請求項21】
前記調整手段は、前記調整を停止している間も、前記負担割合に関する前記夫婦間のメッセージのやり取りを許可する
請求項2
0に記載の養育支援システム。
【請求項22】
子どもの養育を支援するための養育支援システムであって、
離婚した又は離婚を予定している夫婦のうち前記子どもと同居する同居親の端末との通信と、前記夫婦のうち前記子どもと別居する別居親の端末との通信と、を行う通信手段と、
前記通信手段を用いて、前記子どもの養育のために前記別居親が提供する養育費及び/又は養育品に関する前記夫婦間の調整を行う調整手段であって、前記夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して前記調整を実現する直接調整を行う直接調整手段を含む前記調整手段と、
前記養育費の支払い状況を監視し、前記別居親による前記養育費の支払いが実施又は継続されているか否かを判定する判定手段
と、を備え、
前記判定手段は、前記養育費の支払いが実施又は継続されていないと判定されたことに応じて、注意喚起を前記別居親に対して行う
養育支援システム。
【請求項23】
子どもの養育を支援するための養育支援システムであって、
離婚した又は離婚を予定している夫婦のうち前記子どもと同居する同居親の端末との通信と、前記夫婦のうち前記子どもと別居する別居親の端末との通信と、を行う通信手段と、
前記通信手段を用いて、前記子どもの養育のために前記別居親が提供する養育費及び/又は養育品に関する前記夫婦間の調整を行う調整手段であって、前記夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して前記調整を実現する直接調整を行う直接調整手段を含む前記調整手段と、
前記子どもの年齢が上がることに基づいて、前記養育費の見直しを促す通知を所定のタイミングで前記別居親及び/又は前記同居親に対して行う通知手段
と、を備える
養育支援システム。
【請求項24】
子どもの養育を支援するための養育支援システムであって、
離婚した又は離婚を予定している夫婦のうち前記子どもと同居する同居親の端末との通信と、前記夫婦のうち前記子どもと別居する別居親の端末との通信と、を行う通信手段と、
前記通信手段を用いて、前記子どもの養育のために提供する養育品に関する前記夫婦間の調整を行う調整手段であって、前記夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して前記調整を実現する直接調整を行う直接調整手段を含む前記調整手段と、
前記同居親又は前記子どもが希望する前記養育品の登録を前記同居親から受け付け、前記登録された養育品の閲覧を可能にする登録手段と、
前記登録された養育品を購入する操作があった場合、前記登録された養育品の購入処理を行う購入処理手段と、
を備える
養育支援システム。
【請求項25】
前記養育品は、前記子どもの養育のために前記別居親が提供するものである
請求項24に記載の養育支援システム。
【請求項26】
前記登録手段は、
前記養育品の配送先住所の登録をさらに受け付け、
前記登録された配送先住所を前記養育品の購入対象者に閲覧させずに、前記登録された養育品の閲覧を可能にし、
前記購入処理手段は、前記購入処理において、前記購入する養育品の配送先として、前記登録された配送先住所を設定する
請求項2
4に記載の養育支援システム。
【請求項27】
前記直接調整手段は、前記登録手段と前記購入処理手段とを含み、
前記購入処理手段は、前記登録された養育品を購入する操作を前記別居親から受け付けたことに応じて、前記購入処理を行う
請求項2
4に記載の養育支援システム。
【請求項28】
前記購入処理手段は、前記子どもと前記別居親との面会交流に応じたタイミング、又は前記子どもの成長の節目に応じたタイミングで、前記登録された養育品の購入を前記別居親に提案する
請求項27に記載の養育支援システム。
【請求項29】
前記購入処理手段は、前記登録された養育品を購入する操作を第三者から受け付けたことに応じて前記購入処理を行う
請求項2
4に記載の養育支援システム。
【請求項30】
前記養育品が配送された旨の通知を受け付けたことに応じて、前記養育品の購入者に前記養育品が配送された旨の報告を定型文又は自由記入文で感謝を表す内容を付して行う報告手段をさらに備え、
前記報告手段は、前記子どもを前記養育品と共に撮影した写真データの登録を前記同居親に提案し、前記写真データを前記報告と関連付けて前記養育品の購入者に提供する
請求項2
4に記載の養育支援システム。
【請求項31】
子どもの養育を支援するための養育支援システムであって、
離婚した又は離婚を予定している夫婦のうち前記子どもと同居する同居親の端末との通信と、前記夫婦のうち前記子どもと別居する別居親の端末との通信と、を行う通信手段と、
前記通信手段を用いて、前記子どもの養育のために前記別居親が提供する養育費及び/又は養育品に関する前記夫婦間の調整を行う調整手段であって、前記夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して前記調整を実現する直接調整を行う直接調整手段を含む前記調整手段と、
前記養育品が提供された回数
又は前記養育品の合計
額の情報を管理し、当該情報を前記別居親に提示する管理手段
と、を備える
養育支援システム。
【請求項32】
子どもの養育を支援するための養育支援システムであって、
離婚した又は離婚を予定している夫婦のうち前記子どもと同居する同居親の端末との通信と、前記夫婦のうち前記子どもと別居する別居親の端末との通信と、を行う通信手段と、
前記通信手段を用いて、前記子どもの養育のために前記別居親が提供する養育費及び/又は養育品に関する前記夫婦間の調整を行う調整手段であって、前記夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して前記調整を実現する直接調整を行う直接調整手段を含む前記調整手段と、
前記養育費及び/又は前記養育品が提供された記録を保存し、前記記録を
、前記子どもが大人になった後も
前記子どものアカウントにおいて閲覧要求があったことに応じて閲覧可能とする管理手段
と、を備える
養育支援システム。
【請求項33】
1つ又は複数のコンピュータを、
離婚した又は離婚を予定している夫婦のうち子どもと同居する同居親の端末との通信と、前記夫婦のうち前記子どもと別居する別居親の端末との通信と、を行う通信手段と、
前記通信手段を用いて、前記子どもの養育のために前記別居親が提供する養育費及び/又は養育品に関する前記夫婦間の調整を行う調整手段
であって、前記夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して前記調整を実現する直接調整を行う直接調整手段を含む前記調整手段と、して機能させ、
前記調整手段は、
前記調整として、前記養育費の金額の調整、前記養育費の支払期間の調整、前記養育費の支払時期の調整、前記養育費のうち特別出費の負担割合の調整、前記養育費の取り決め文章の種別の調整、及び前記養育品の提供の調整のうち、少なくとも1つを行い、
前記調整手段は、前記定型的な連絡内容のやり取りとして、
一方の親の端末に表示される入力フォーム上で当該一方の親が希望する養育費の取り決めの内容の入力を受け付けて他方の親に提案し、
当該一方の親が入力した養育費の取り決め内容の確認画面を当該他方の親の端末に表示させて、提案された養育費の取り決めの内容について受け入れる旨又は変更提案を当該他方の親から受け付け、
当該他方の親からの変更提案があった場合、変更提案の内容を含む養育費の取り決めの情報を当該一方の親の端末に表示させる
養育支援プログラム。
【請求項34】
前記養育品は、前記子どもの養育のために第三者が提供するものであり、
前記登録手段は、前記同居親及び/又は前記子どもが希望する前記養育品に関する養育品関連情報の登録を受け付け、当該登録された養育品関連情報を前記第三者が閲覧可能にし、
検索情報の入力を前記第三者から受け付け、前記登録された養育品情報の中から当該検索情報に合致する養育品情報を検索する検索手段
をさらに備え、
前記購入処理手段は、前記検索された養育品情報に対応する前記養育品を購入する操作を前記第三者から受け付け、当該養育品の購入処理
を行う
請求項24に記載の養育支援システム。
【請求項35】
前記登録手段は、前記同居親及び/又は前記子どもの住所の情報を含む前記養育品関連情報の登録を受け付け、
前記検索手段は、地域の情報を含む前記検索情報の入力を前記第三者から受け付け、前記登録された養育品情報の中から当該検索情報に地理的に合致する養育品情報を検索する
請求項34に記載の養育支援システム。
【請求項36】
前記登録手段は、前記同居親及び/又は前記子どもが希望する前記養育品のECサイト上のURLを含む前記養育品関連情報の登録を受け付け、前記URLに基づいて当該養育品の名前を前記養育品関連情報に追加し、
前記検索手段は、商品名の情報を含む前記検索情報の入力を前記第三者から受け付け、前記登録された養育品情報の中から当該検索情報の商品名に合致する養育品情報を検索する
請求項34に記載の養育支援システム。
【請求項37】
前記検索手段は、金額の入力を前記第三者からさらに受け付け、前記登録された養育品情報の中から、前記金額の範囲内で複数の養育品の養育品情報を検索する
請求項34乃至36のいずれか1項に記載の養育支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、子どもの養育を支援するための養育支援システム及び養育支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
子ども持つ両親(夫婦)が離婚した後において、同居親が別居親から養育費を受け取ることがある。離婚した又は離婚を予定している夫婦のうち、子どもと同居する親を同居親と呼び、子どもと別居する親を別居親と呼ぶ。養育費とは、子どもの監護や教育のために必要な費用をいう。一般的には、子どもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用を意味し、衣食住に必要な経費、教育費、及び医療費などがこれに当たる。子どもを監護している親(同居親)は、他方の親(別居親)から養育費を受け取ることができる。
【0003】
しかしながら、現在、養育費の支払いの実施率は30%程度にとどまり、約70%の子どもについて養育費を受け取れていないのが現状である。特に、離婚した又は離婚を予定している夫婦は、相手と別れたい、離婚して楽になりたいといった感情的な要因により、円滑なコミュニケーションが難しい。養育費に関する夫婦間の調整が心理的負担となるとともに、どうしても感情的で長文のやり取りに発展してしまう。そのため、このような要因により、養育費の支払いの実施率が低いのが現状である。その結果、ひとり親家庭の貧困率が高くなり、子どもの健やかな成長に支障をきたしている。
【0004】
裁判外紛争解決手続(ADR)を利用することで、養育費の支払いの円滑な実施を図る方法もある。しかしながら、このような方法は高コストであったり、手続に長時間を要したりするため、利用のハードルが高く、養育費の支払いの実施率を向上させるための手段として必ずしも十分ではない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】法務省「こどもの養育に関する合意書作成の手引きとQ&A」(URL https://www.moj.go.jp/content/001322060.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の技術は、離婚に伴う子どものための養育費等が適切に提供されることを円滑化し、子どもの健やかな成長に寄与することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様に係る養育支援システムは、子どもの養育を支援するための養育支援システムであって、離婚した又は離婚を予定している夫婦のうち前記子どもと同居する同居親の端末との通信と、前記夫婦のうち前記子どもと別居する別居親の端末との通信と、を行う通信手段と、前記通信手段を用いて、前記子どもの養育のために前記別居親が提供する養育費及び/又は養育品に関する前記夫婦間の調整を行う調整手段と、を備え、前記調整手段は、前記夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して前記調整を実現する直接調整を行う直接調整手段を含む。
【0008】
第2の態様に係る養育支援プログラムは、1つ又は複数のコンピュータを、離婚した又は離婚を予定している夫婦のうち子どもと同居する同居親の端末との通信と、前記夫婦のうち前記子どもと別居する別居親の端末との通信と、を行う通信手段と、前記通信手段を用いて、前記子どもの養育のために前記別居親が提供する養育費及び/又は養育品に関する前記夫婦間の調整を行う調整手段と、して機能させ、前記調整手段は、前記夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して前記調整を実現する直接調整を行う直接調整手段を含む。
【0009】
第3の態様に係る養育支援システムは、子どもの養育を支援するための養育支援システムであって、離婚した又は離婚を予定している夫婦のうち前記子どもと同居する同居親の端末との通信と、第三者の端末との通信と、を行う通信手段と、前記通信手段を用いて、前記子どもの養育のために前記第三者が提供する養育品に関する調整を行う調整手段と、を備え、前記調整手段は、前記同居親及び/又は前記子どもが希望する前記養育品に関する養育品関連情報の登録を受け付け、当該登録された養育品関連情報を前記第三者が閲覧可能にする登録手段と、検索情報の入力を前記第三者から受け付け、前記登録された養育品情報の中から当該検索情報に合致する養育品情報を検索する検索手段と、前記検索された養育品情報に対応する前記養育品を購入する操作を前記第三者から受け付け、当該養育品の購入処理を行う購入処理手段と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様によれば、離婚に伴う子どものための養育費等が適切に提供されることを円滑化し、子どもの健やかな成長に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る養育支援システムの構成例を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る養育支援サーバの動作の概要を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る養育支援サーバの構成例を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係る養育支援サーバが記憶する情報の一例を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係る養育支援サーバの動作例を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係る養育支援サービス利用時の夫婦の端末の画面表示例を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係る養育支援サービス上で直接調整によって養育費の取り決めの調整を行う場合の画面表示例を示す図である。
【
図8】第1実施形態に係る養育支援サービス上で直接調整によって養育費の取り決めの調整を行う場合の画面表示例を示す図である。
【
図9】第1実施形態に係る養育支援サービス上で直接調整によって養育費の取り決めの調整を行う場合の画面表示例を示す図である。
【
図10】第1実施形態の第1変更例を説明するための図である。
【
図11】第1実施形態の第1変更例に係る養育支援サーバの動作を示す図である。
【
図12】第1実施形態の第2変更例に係る養育支援サーバの構成を示す図である。
【
図13】第1実施形態の第3変更例に係る養育支援サーバの構成を示す図である。
【
図14】第1実施形態の第4変更例に係る養育支援サーバの構成を示す図である。
【
図15】第2実施形態に係る養育支援サーバの構成例を示す図である。
【
図16】第2実施形態に係る養育支援システムの動作例を示す図である。
【
図17】第2実施形態の変更例に係る養育支援サーバの構成例を示す図である。
【
図18】第2実施形態の変更例に係る養育品登録画面の一例を示す図である。
【
図19】第2実施形態の変更例に係る養育品検索・購入画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照しながら、実施形態に係る養育支援システムについて説明する。実施形態に係る養育支援システムは、子どもの養育を支援するためのシステムである。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0013】
(1)第1実施形態
第1実施形態について説明する。
【0014】
(1.1)システム構成
図1は、本実施形態に係る養育支援システム1の構成例を示す図である。
【0015】
本実施形態に係る養育支援システム1は、子どもと同居する同居親の端末(「同居親端末」とも称する)100と、子どもと別居する別居親の端末(「別居親端末」とも称する)200と、養育支援サーバ300と、第三者の端末(「第三者端末」とも称する)400と、を有する。なお、以下の実施形態の説明において、同居親及び同居親端末を特に区別せず、別居親及び別居親端末を特に区別せず、第三者及び第三者端末を特に区別せずに記載することがある。
【0016】
離婚した又は離婚を予定している夫婦及びその子どもは、グループ(養育グループ、面会グループ)を構成する。図示の例では、夫婦の子どもが1人であるが、夫婦の子どもが複数人であってもよい。なお、以下の実施形態の説明では、離婚した夫婦を主として想定するが、離婚した夫婦に限らず、離婚を予定している夫婦を想定してもよい。
【0017】
同居親端末100、別居親端末200、養育支援サーバ300、及び第三者端末400は、ネットワーク10に接続されており、ネットワーク10を介して相互に通信可能である。ネットワーク10は、インターネットを含む。ネットワーク10は、LAN(Local Area Network)及び/又はWAN(Wide Area Network)を含んでもよい。
【0018】
各端末(同居親端末100、別居親端末200、第三者端末400)は、通信機能及びユーザインターフェイス(UI)を有する機器である。例えば、各端末は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ(PC)、ウェアラブル端末のいずれかであってもよいが、以下の実施形態の説明では、各端末がスマートフォンである場合を主として想定する。各端末には、養育支援サービスを利用するためのプログラム(アプリケーション)がインストールされていてもよい。或いは、各端末は、汎用のウェブブラウザにより、ウェブサービスとして提供される養育支援サービスを利用可能であってもよい。
【0019】
同居親端末100は、同居親からの操作を受け付け、操作内容を養育支援サーバ300に通知する。また、同居親端末100は、同居親に提示する情報を養育支援サーバ300から受信し、同居親に情報を提示する。提示するとは、表示することを主として意味するが、音声を出力することを意味してもよい。同居親は、養育支援サービスのアカウントを有しているものとする。なお、養育支援システム1は、子どもの端末(子ども端末)をさらに有していてもよい。子どもは、養育支援サービスのアカウントを有していてもよい。
【0020】
別居親端末200は、別居親からの操作を受け付け、操作内容を養育支援サーバ300に通知する。また、別居親端末200は、別居親に提示する情報を養育支援サーバ300から受信し、別居親に情報を提示する。別居親は、養育支援サービスのアカウントを有しているものとする。
【0021】
養育支援サーバ300は、例えばワークステーション又はPCのような汎用コンピュータとしてもよいし、クラウド・コンピューティング(分散コンピューティング)によって論理的に実現されてもよい。つまり、養育支援サーバ300は、1つのコンピュータで構成してもよいし、複数のコンピュータで構成してもよい。
【0022】
養育支援サーバ300は、子どもの養育を支援するための養育支援サービスを提供する。養育支援サービスは、1)養育費の事前の取り決めを行うためのサービス、2)養育費の支払いを支援するためのサービス、3)養育費の見直しを支援するためのサービス、4)養育品の提供(贈与)を支援するためのサービス、5)養育費や養育品(「養育費等」とも称する)の提供について記録し、閲覧可能にするためのサービスのうち、少なくとも1つを含む。養育支援サーバ300は、いずれのサービスにおいても、子どもの養育のために別居親が提供する養育費等(養育費又は養育品)に関する夫婦間の調整を行う機能を有する。特に、養育支援サーバ300は、夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して当該調整を実現する直接調整を行う。本実施形態では、1)及び2)のサービスについて主として説明する。なお、養育費について「取り決め」とは、養育費の支払に関する繰り返しの設定(繰り返し設定)であってもよいし、養育費の定期的な支払に関する設定(定期設定)であってもよい。
【0023】
なお、養育支援サーバ300による、養育費等に関する夫婦間の調整には、養育費の金額の調整、養育費の支払期間(始期、終期)の調整、養育費の支払時期(支払期限日)の調整、養育費のうち特別出費の負担割合の調整、養育費の取り決め文章(ドキュメント)の種別の調整、及び養育品の提供の調整のうち、少なくとも1つが含まれる。ここで、特別出費には、学費、通院費等がある。また、養育費の取り決め文章(ドキュメント)の種別には、公正証書、調停調書、離婚協議書等がある。
【0024】
上述のように、離婚した又は離婚を予定している夫婦は、相手と別れたい、離婚して楽になりたいといった感情的な要因により、円滑なコミュニケーションが難しい。養育費に関する夫婦間の調整が心理的負担となるとともに、どうしても感情的で長文のやり取りに発展してしまう。そのため、養育支援サーバ300は、夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して当該調整を実現する。定型的な連絡内容とは、入力フォームを用いた連絡や定型文を用いた連絡等をいう。このような定型的な連絡内容のやり取りは、感情的な要因が入り込む余地が無い又は小さいため、夫婦の心理的負担を軽減でき、円滑なコミュニケーションを促進できる。さらに、養育支援サービス上での定型的な連絡内容のやり取りは、手紙等を利用する場合に比べて、子ども(及び同居親)の住所等を明かさずにやり取りを行うことができる。
【0025】
養育支援サーバ300は、子どもと別居親との面会交流に関する夫婦(同居親、別居親)間の調整を行う面会交流支援サービスをさらに提供してもよい。面会交流の調整は、面会交流の日程の調整、面会交流の方法の調整、及び面会交流の面会条件の調整のうち、少なくとも1つを含む。面会交流の日程とは、面会交流を行う日付及び時間帯(開始時刻、終了時刻)である。面会交流の方法には、対面での面会交流、オンラインでの面会交流がある。対面での面会交流の場合、面会交流の調整は、子どもの受け渡し場所(集合場所、解散場所)や面会を行う場所の調整を含んでもよい。面会条件とは、面会交流にあたって別居親に課せられる条件をいい、例えば、「プレゼントは誕生日とクリスマス以外は高価なものは買わない」、「お小遣いは1000円までとする」、「ジャンクフードは食べさせない」といった条件である。面会交流支援サービスを利用して調整される面会交流の対象としては、都度設定される面会交流と、事前の取り決めにより設定される(定期的な)面会交流とがある。都度設定される面会交流では、養育支援サーバ300は、面会交流の都度、夫婦の一方の要求に基づいて面会交流を調整して面会予定を作成する。養育支援サーバ300は、面会交流を都度調整する機能を有する。一方、事前の取り決めにより設定される(定期的な)面会交流では、養育支援サーバ300は、面会交流の事前の取り決めに基づいて面会交流の予定を作成する。養育支援サーバ300は、このような取り決めを行うための調整を行う機能も有する。
【0026】
第三者端末400は、第三者(子ども・夫婦以外の者)からの操作を受け付け、操作内容を養育支援サーバ300に通知する。また、同居親端末100は、第三者に提示する情報を養育支援サーバ300から受信し、第三者に情報を提示する。第三者は、養育支援サービスのアカウントを有していてもよい。本実施形態では、第三者は、裁判外紛争解決手続(ADR)における公正な第三者(いわゆる、仲裁人(あっせん人))であって、例えば弁護士等であってもよい。
【0027】
図2は、本実施形態に係る養育支援サーバ300の動作の概要を示す図である。
【0028】
養育支援サーバ300は、養育費の取り決めを行うための夫婦間の調整を、基本的に、夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して当該調整を実現する直接調整により行う。養育支援サーバ300は、直接調整により養育費の取り決めを行うことが難しいと判断した場合、夫婦間にアシスタント(「サポーター」とも称する)を介入させて調整を実現する介入調整を夫婦に提案し、直接調整から介入調整に切り替える。本実施形態では、アシスタントは、ADRにおける公正な第三者(仲裁人)である。これにより、養育費の取り決めについて夫婦双方の合意が得られることを保障しやすくなる。また、養育費の取り決めを基本的に直接調整により行い、必要に応じて介入調整に切り替えることで、介入調整の発生を必要最小限にでき、調整コスト及び調整期間の増大を抑制できる。
【0029】
(1.2)養育支援サーバの構成
図3は、本実施形態に係る養育支援サーバ300の構成例を示す図である。
【0030】
養育支援サーバ300は、通信部310と、記憶部320と、処理部330とを有する。通信部310、記憶部320、及び処理部330は、図示を省略するバス等によって相互に接続されている。
【0031】
通信部310は、処理部330の制御下で、ネットワーク10を介して他装置(例えば、同居親端末100、別居親端末200、第三者端末400)との通信を行う。通信部310による通信は、有線通信であってもよいし、無線通信を含んでもよい。特に、通信部310は、同居親の端末(同居親端末100)との通信と、別居親の端末(別居親端末200)との通信と、を行う。
【0032】
記憶部320は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び補助記憶装置等の種々のメモリを含んで構成される。処理部330により実行されるプログラム(養育支援プログラム)は、例えば、記憶部320のROM及び/又は補助記憶装置に記憶されている。処理部330は、1つ又は複数のプロセッサ(コンピュータ)により構成される。
【0033】
本実施形態では、記憶部320は、
図4(a)に示すように、養育支援サービスのユーザごとに、当該ユーザに関するユーザ情報(アカウント情報)を記憶する。ユーザ情報は、アカウント登録(初回ログイン)時に登録され、ユーザIDと、役割と、名前と、性別と、生年月日と、住所とを含む。ユーザIDは、養育支援サービスのユーザを一意に識別する識別子である。役割は、「同居親」、「別居親」、「子ども」のいずれかが選択される。役割には、「アシスタント(サポーター)」があってもよい。名前は、当該ユーザの氏名又はニックネームである。性別は、男性、女性のいずれかが選択される。生年月日は、当該ユーザの生年月日であり、例えば、当該ユーザの年齢を計算する際に用いられる。住所は、当該ユーザの住所であるが、他のユーザには公開されない。
【0034】
記憶部320は、
図4(b)に示すように、グループごとに、当該グループに関するグループ情報を記憶する。グループは、あるユーザ(例えば、同居親)が他のユーザ(例えば、別居親)を招待することで作成される。グループ情報は、グループIDと、同居親情報と、別居親情報と、養育費取り決め情報と、1つ又は複数の子ども情報とを含む。グループIDは、当該グループを一意に識別する識別子である。同居親情報は、当該グループにおける同居親の情報であって、例えば同居親のユーザIDを含む。別居親情報は、当該グループにおける別居親の情報であって、例えば別居親のユーザIDを含む。養育費取り決め情報は、養育費の取り決め内容の情報であり、養育費の取り決めが作成されるとグループ情報に追加される。養育費取り決め情報は、養育費の金額、支払期間、支払時期、振込先等の情報を含む。例えば、養育費取り決め情報は、子どもごとに、「20xx年xx月xx日~子どもが22歳に達した後の3月まで、1か月あたりxx万円を、毎月xx日までに支払う」といった内容である。養育費取り決め情報(特に、養育費の金額)は、養育費の見直しによって更新され得る。子ども情報は、当該グループにおける子どもの情報であって、例えば子どものユーザIDを含む。子ども情報は、例えば同居親により入力(登録)された情報であってもよい。子ども情報は、当該子どもの画像データを含んでもよい。当該画像データは、当該子どもの写真データであってもよいし、当該子どものイラストデータであってもよい。グループ情報は、サポーター情報を含んでもよい。サポーター情報は、当該グループにアシスタント(サポーター)が追加された場合に存在し、例えば当該アシスタント(サポーター)のユーザIDを含む。
【0035】
記憶部320は、
図4(c)に示すように、支払い済みの養育費に関する支払情報を記憶する。支払情報は、支払いを一意に識別する支払IDと、支払いが行われたグループのグループIDと、支払内容とを含む。支払内容は、支払日の情報と、支払金額の情報とを含む。記憶部320は、支払が行われた旨が同居親又は別居親から通知されたことに応じて支払情報を記憶してもよいし、振込先の口座を有する銀行からの通知に応じて支払情報を記憶してもよい。
【0036】
処理部330は、記憶部320に記憶されたプログラムを実行することにより養育支援サービス(及び面会交流支援サービス)を実現する。本実施形態では、処理部330は、情報管理部331と、調整部332と、画像データ提示部333と、動画データ配信部334と、ドキュメント提供部335と、支払予定通知部336と、の各機能部を実現する。処理部330の各機能部は、記憶部320に記憶されている各種情報を用いた情報処理を行う。
【0037】
情報管理部331は、記憶部320に記憶される情報を管理する。例えば、情報管理部331は、
図4に示すようなユーザ情報、グループ情報、及び支払情報を管理(追加、更新)する。
【0038】
調整部332は、通信部310を介して、子どもの養育のために別居親が提供する養育費等に関する夫婦間の調整を行う。本実施形態では、調整部332は、養育費について事前の取り決めを行うための調整を行うことで、養育費の取り決めを作成し、調整結果である取り決め内容を養育費取り決め情報として記憶部320に記憶させる。調整部332は、夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して調整を実現する直接調整を行う直接調整部332aを含む。
【0039】
直接調整部332aは、例えば次のような手順で養育費の取り決めの調整を行う。
【0040】
STEP 1:直接調整部332aは、夫婦の一方(例えば、同居親)からの要求に応じて、当該一方の親が希望する養育費の取り決めの内容(養育費の金額、支払期間、支払時期)の入力を受け付ける入力画面(入力フォーム)を、当該一方の親の端末(例えば、同居親端末100)に表示させる。当該入力画面では、当該一方の親が希望する養育費の取り決めの情報を選択形式(例えば、プルダウン、チェックボックス等)で入力可能である。但し、入力項目の中には、フリーテキスト形式(自由記入文)での入力が可能な項目があってもよい。
【0041】
STEP 2:直接調整部332aは、当該一方の親による入力が完了すると、他方の親(例えば、別居親)に通知する。ここで、当該一方の親は、当該他方の親の確認待ちの状態になる。直接調整部332aは、当該一方の親が入力した養育費の取り決め内容の確認画面を当該他方の親の端末(例えば、別居親端末200)に表示させる。この確認画面では、当該一方の親の養育費の取り決め提案を受け入れるか又は拒否するかを選択可能であってもよい。拒否の場合、直接調整部332aは、その旨及び理由を当該一方の親に通知してもよい。
【0042】
養育費の取り決め提案を受け入れる場合、当該他方の親は、提案された養育費の取り決めの内容をそのまま受け入れる場合、「OK」ボタンを選択する。この場合、養育費の取り決めの調整が終了し、直接調整部332aは、調整結果である取り決め内容を養育費取り決め情報として記憶部320に記憶させる。しかし、当該他方の親は、提案された養育費の取り決めの内容の一部変更を希望する場合、変更内容を入力することで、当該一方の親に対して変更提案を行うことが可能である。
【0043】
STEP 3:当該他方の親からの変更提案があった場合、直接調整部332aは、変更提案の内容を含む養育費の取り決めの情報を当該一方の親の端末(例えば、同居親端末100)に表示させる。当該一方の親は、変更提案の内容を受け入れる場合、「OK」ボタンを選択する。この場合、養育費の取り決めの調整が終了し、直接調整部332aは、調整結果である取り決め内容を養育費取り決め情報として記憶部320に記憶させる。しかし、当該一方の親は、変更提案の内容を受け入れない場合、変更提案を拒否したり、変更提案に対する再提案をしたりすることが可能である。この場合、STEP 1に処理が戻ってもよい。
【0044】
このように、直接調整のケースでは、定型的な連絡内容のやり取りにより、夫婦の心理的負担を軽減でき、円滑なコミュニケーションを促進できる。しかしながら、夫婦で養育費の取り決め内容について直接的に調整(交渉)を行うため、養育費の取り決め内容について夫婦の双方の合意がなされずに、養育費の取り決めの調整が失敗に終わることがある。
【0045】
本実施形態では、調整部332は、夫婦間に公正な第三者(仲裁人)を介入させて調整を実現する介入調整を行う介入調整部332bをさらに含む。調整部332は、直接調整から介入調整への切り替えを行うことができる。調整部332は、養育費の取り決めを基本的に直接調整により行い、必要に応じて介入調整に切り替えることで、介入調整の発生を必要最小限にする。
【0046】
調整部332は、養育費の取り決めを行うための調整を直接調整によって行う場合であって、所定の条件が満たされた場合、介入調整への切り替えを夫婦に提案する。
【0047】
所定の条件は、直接調整における夫婦間のやり取りが所定回数行われても養育費の取り決めが合意されない(例えば、変更提案の回数が所定回数に達した)ことであってもよい。例えば、調整部332は、上述のSTEP 1乃至STEP 3の手順が繰り返される回数をカウントし、当該回数が、予め定められたN回(N≧2)に達した場合、公正な第三者が介入する介入調整へ切り替えるか否かを確認する情報を同居親端末100及び別居親端末200の少なくとも一方に表示させる。そして、介入調整へ切り替えが選択された場合、調整部332は、介入調整へ切り替える。
【0048】
所定の条件は、直接調整における夫婦間のやり取り中で所定のワードが検知されたことであってもよい。所定のワードとは、感情的な表現を含むワード(文章)であって、予め登録されたワードであってもよい。例えば、「親としての自覚を持ちなさい」といったワードが所定のワードに該当する。調整部332は、このようなワードを検知した場合、公正な第三者が介入する介入調整へ切り替えるか否かを確認する情報を同居親端末100及び別居親端末200の少なくとも一方に表示させる。そして、介入調整へ切り替えが選択された場合、調整部332は、介入調整へ切り替える。
【0049】
なお、直接調整部332aは、夫婦間でメッセージのやり取りを実現するメッセージ機能を有していてもよい。このようなメッセージのやり取りは、基本的には、定型文(の選択)により行われる。夫婦間でのメッセージのやり取りは、直接調整の一部を構成してもよい。メッセージは、定型文だけではなく、任意の記載(フリーテキスト形式)を選択可能であってもよい。介入調整部332bは、夫婦と第三者(本実施形態では、公正な第三者)との間のメッセージのやり取りの機能を有していてもよい。夫婦と第三者との間のメッセージのやり取りは、介入調整の一部を構成してもよい。
【0050】
画像データ提示部333は、養育支援サービス上での養育費の取り決めの調整の前に又は当該調整の際に、当該養育費の対象となる子どもの画像データを元夫婦に提示する。例えば、画像データ提示部333は、当該画像データを同居親端末100及び別居親端末200の一方又は双方に送信し、当該画像データを表示させる。これにより、養育費が子どものために必要であるという認識を持つことを元夫婦に促し、合意形成が促進され、養育費の取り決めの調整を円滑化できる。
【0051】
動画データ配信部334は、養育費の取り決めの調整に先立ち、当該取り決めを行うための事前知識を教示するための動画データを元夫婦に配信する。例えば、当該動画データは、「養育費の基礎知識」、「養育費のメリット」、「希望の条件にならないときは」といった内容のコンテンツのうち少なくとも1つである。これにより、養育費及びその取り決めの方法やそれらの重要性を元夫婦に知らせることができ、養育費の取り決めの円滑な実施に寄与できる。調整部332は、元夫婦の双方が動画データを視聴したことが確認された場合に限り、養育費の取り決めのための調整を開始してもよい。
【0052】
ドキュメント提供部335は、直接調整によって養育費の取り決めが合意された場合、当該合意された取り決めの内容を示すドキュメント(取り決めメモ)を生成し、当該ドキュメントを元夫婦に提供する。ドキュメント提供部335は、夫婦(同居親端末100及び/又は別居親端末200)からの要求に応じて当該ドキュメントを要求元に対して提供(配信)してもよい。これにより、取り決めの内容を証拠として残すことができるため、取り決めに拘束力を持たせることが容易になり、養育費の支払いの円滑な実施に寄与できる。
【0053】
一方、公正な第三者が介入する介入調整へ切り替える場合、ドキュメント提供部335は、養育費の取り決めのうち直接調整で合意された合意事項を不合意事項と区別可能な態様で示すドキュメントを生成し、当該ドキュメントを元夫婦に提供する。例えば、ドキュメント提供部335は、直接調整によって合意された事項(養育費の取り決め内容)のみを含むドキュメントを生成してもよい。或いは、ドキュメント提供部335は、直接調整によって合意された事項を合意事項として記載し、直接調整によって合意されなかった事項を不合意事項として記載したドキュメントを生成してもよい。ドキュメント提供部335は、夫婦(同居親端末100及び/又は別居親端末200)からの要求に応じて当該ドキュメントを要求元に対して提供(配信)してもよい。このようなドキュメントをADRで利用することにより、ADRの手続に要する時間や費用を軽減できる。また、ドキュメント提供部335は、当該ドキュメントを公正な第三者(第三者端末400)に提供してもよい。
【0054】
支払予定通知部336は、養育費の取り決めに基づいて養育費の支払予定を作成し、支払予定について夫婦(同居親端末100及び/又は別居親端末200)に通知する。支払予定は、直近の養育費の支払予定(例えば、日付及び金額)を含む。支払予定は、次回以降の養育費の支払予定をさらに含んでもよい。これにより、夫婦は、自身の端末に表示される支払予定に基づいて支払予定を把握できる。なお、支払予定通知部336による通知(提示、提案を含む)は、端末で表示する養育支援サービスの画面上で行われてもよいし、養育支援サービスのメッセージ機能を用いて行われてもよいし、SMS(ショートメッセージ)又はインスタントメッセンジャーを用いて行われてもよい。
【0055】
支払予定通知部336は、養育費の支払予定日(支払期限日)よりも所定日前から、支払忘れを防止するための通知を別居親に対して繰り返し行ってもよい。例えば、養育費の支払予定日(支払期限日)が月末(すなわち、月の末日)である場合、月の末日の5日前から、支払忘れを防止するための通知を別居親に対して1日に1回行う。このような通知として、例えば、「支払期限日まであと3日です。支払忘れをしないようにお願いします。」といった内容の通知を別居親の端末200に表示させてもよい。但し、支払予定通知部336は、養育費が支払われたことを検知した場合、このような繰り返しの通知を停止してもよい。支払予定通知部336は、銀行又はクレジットカード会社のAPI(Application Programming Interface)を介して、養育費の支払状況を確認可能である。支払予定通知部336は、養育費の支払予定日(支払期限日)の当日に、支払忘れを防止するための通知を別居親に対して1回行ってもよい。
【0056】
支払予定通知部336は、養育費の支払予定日又はその直前(例えば、前日)に、別居親の口座残高又はクレジットカードの利用可能額が支払予定の養育費額に満たない場合、その旨の警告を別居親に対して行ってもよい。支払予定通知部336は、銀行又はクレジットカード会社のAPIを介して、別居親の口座残高又はクレジットカードの利用可能額を確認可能である。このような通知として、例えば、「口座残高が支払予定の養育費額に対して不足しています。」といった内容の通知を別居親の端末200に表示させてもよい。
【0057】
支払予定通知部336は、養育費が支払われたことを検知し、その旨を同居親及び/又は別居親に通知してもよい。このような通知として、例えば、「養育費の支払いを確認しました。」といった内容の通知を同居親の端末100及び/又は別居親の端末200に表示させてもよい。例えば、養育費の支払いが銀行の定額自動送金サービスを用いて行われているような場合、別居親は、自動送金が行われたか確認したいニーズがある。また、同居親は、自ら口座残高を確認するのが手間であり、養育費の支払い確認を容易に行いたいニーズがある。そのため、養育費が支払われた旨の通知を同居親及び/又は別居親に通知することで、このようなニーズに応えることができる。
【0058】
支払予定通知部336は、養育費が支払われたことを検知したことに応じて、同居親からの感謝を表すメッセージを別居親に送信することを同居親に対して提案してもよい。例えば、支払予定通知部336は、「養育費の支払いを確認しました。感謝のメッセージを別居親に送りませんか?」といった内容の提案(通知)を同居親の端末100に表示させる。このような提案(通知)は、別居親にとって養育費の支払いを継続するモチベーションを高めることに寄与し、養育費が継続的に支払われやすくなる。
【0059】
(1.3)養育支援サーバの動作例
図5は、本実施形態に係る養育支援サーバ300の動作例を示す図である。上述のように、養育支援サーバ300は、定型的な連絡内容のやり取りによって養育費について夫婦だけで取り決めを調整することを可能とする機能を提供する。本動作は、養育費について夫婦だけで取り決めを調整する希望を夫婦(同居親端末100及び/又は別居親端末200)から受け付けた場合に開始されてもよい。
【0060】
ステップS101において、養育支援サーバ300は、養育費の取り決めの調整に先立ち、当該取り決めを行うための事前知識を教示するための動画データを夫婦(同居親端末100及び別居親端末200)に配信する。
【0061】
ステップS102において、養育支援サーバ300は、養育費の取り決めを直接調整によって行う。その手順は、例えば、上述のSTEP 1乃至STEP 3の通りである。
【0062】
ステップS103において、養育支援サーバ300は、直接調整によって取り決めが合意されたか否かを判定する。直接調整によって取り決めが合意された場合(ステップS103:YES)、ステップS104において、養育支援サーバ300は、当該合意された取り決めの内容を示すドキュメント(取り決めメモ)を生成し、当該ドキュメントを夫婦(同居親端末100及び/又は別居親端末200)に提供する。
【0063】
一方、直接調整によって取り決めが合意されていない場合(ステップS103:NO)、ステップS105において、養育支援サーバ300は、所定の条件が満たされたか否かを判定する。所定の条件は、夫婦間のやり取りが所定回数行われても取り決めが合意されないことであってもよい。所定の条件は、夫婦間のやり取り中に所定のワードが含まれていることを検知したことであってもよい。
【0064】
所定の条件が満たされた場合(ステップS105:YES)、ステップS106において、養育支援サーバ300は、夫婦だけでの取り決めの合意形成が難しいとみなし、夫婦に対してADRをリコメンド(提案)する。例えば、養育支援サーバ300は、ADRの利用を促す情報を同居親端末100及び別居親端末200の少なくとも一方に表示させる。
【0065】
そして、ステップS107において、直接調整における合意事項を不合意事項と区別可能な態様で示すドキュメントを生成し、当該ドキュメントを夫婦(同居親端末100及び/又は別居親端末200)に提供する。また、ドキュメント提供部335は、当該ドキュメントをADRにおける公正な第三者(第三者端末400)に提供してもよい。
【0066】
(1.4)端末の画面表示例
図6は、本実施形態に係る養育支援サービス利用時の夫婦の端末(同居親端末100及び別居親端末200)の画面表示例を示す図である。この表示画面は、ログイン後に最初に表示される画面(いわゆる、トップ画面)であってもよい。
【0067】
図6に示す画面表示の例では、子どもの画像を表示する領域A1,A2と、面会予定を表示する領域A3,A4と、養育費の支払予定を表示する領域A5と、面会交流回数(過去の面会交流回数の合計)を表示する領域A6と、養育費合計(過去の支払済みの養育費の合計)を表示する領域A7と、面会予定を作成する操作を受け付ける領域A8と、メッセージのやり取りを開始する操作を受け付ける領域A9と、アシスタント(サポーター)によるサポートを受けることを希望する操作を受け付ける領域A10とを有する。
【0068】
図示の例では、領域A1,A2は、2人分の子どもの写真(画像)を表示している。
【0069】
領域A3は、直近の面会予定(面会交流内容)を表示している。ここでは、領域A3が示す面会交流が当日に予定されており、領域A3には、「面会開始」ボタン及び「面会終了」ボタンが含まれている。
【0070】
領域A4は、その次の面会予定(面会交流内容)を表示しており、「面会開始」ボタン及び「面会終了」ボタンが含まれてない。
【0071】
領域A5は、次回の養育費振込予定(支払予定)を表示している。具体的には、次回の養育費振込予定(支払予定)の日付と、次回の養育費振込予定(支払予定)の金額とを表示している。
【0072】
領域A6は、それまでの累積の面会交流回数を表示している。領域A5は、面会の方法別に面会交流回数を表示してもよい。例えば、対面(直接)、オンライン、間接(手紙やメール)について、別々に面会交流回数を表示可能であってもよい。面会交流回数は、養育支援サーバ300の情報管理部331により管理されている。
【0073】
領域A7は、それまでの累積の養育費合計を表示している。領域A7は、養育費が支払われた回数(振り込まれた回数)を表示してもよい。養育費合計(及び回数)は、養育支援サーバ300の情報管理部331により管理されている。
【0074】
領域A8は、面会予定を作成する操作を受け付けるボタンである。領域A8が操作(タップ)されると、面会交流を調整する手順が開始される。
【0075】
領域A9は、メッセージのやり取りを開始する操作を受け付けるボタンである。領域A9が操作(タップ)されると、宛先を指定してメッセージを作成するメッセージ作成画面に切り替わる。メッセージ作成画面では、定型文の選択とフリーテキスト形式での入力とのいずれかを選択可能になっていてもよい。
【0076】
領域A10は、アシスタント(サポーター)によるサポートを受けることを希望する操作を受け付けるボタンである。
【0077】
図7乃至
図9は、本実施形態に係る養育支援サービス上で直接調整によって養育費の取り決めの調整を行う場合の画面表示例を示す図である。
【0078】
図7(a)は、取り決め画面の一例を示す。取り決めには、面会交流の取り決めと養育費の取り決めとがあるが、本実施形態では養育費の取り決めについて説明する。
図7(a)に示す画面は、面会交流の取り決めを開始するための領域(ボタン)B1と、養育費の取り決めを開始するための領域(ボタン)B2と、取り決め提案を夫婦の他方(相手方)に送信するための領域(ボタン)B3と、取り決め内容を示すドキュメント(取り決めメモ)をダウンロードするための領域(ボタン)B4と、ADRに相談する(すなわち、介入調整に切り替える)ための領域(ボタン)B5と、を含む。
【0079】
図示の例では、面会交流の取り決めについては保存済みの状態(入力済みの状態)である。領域(ボタン)B2がタップされると、
図7(b)に示す画面に遷移する。養育費の取り決めについて保存済みの状態になった後、領域(ボタン)B3がタップされると、保存済みの取り決め内容が養育支援サーバ300を介して夫婦の他方(相手方)に送信される。領域(ボタン)B4がタップされると、その時点での合意済みの取り決め内容を示すドキュメント(取り決めメモ)を養育支援サーバ300からダウンロードできる。領域(ボタン)B5がタップされると、養育支援サーバ300により、公正な第三者が介入する介入調整に切り替えられる。領域(ボタン)B5は、所定の条件が満たされた場合に限り、有効化(タップ可能な状態)されてもよい。
【0080】
図7(b)に示す画面は、養育費の取り決めのための事前知識を教示するための動画を視聴するための画面である。この画面では、「養育費の基礎知識」、「養育費のメリット」、及び「希望の条件にならないときは」のそれぞれの表示領域C1乃至C3を有し、いずれかの表示領域がタップされると、対応する内容の動画が再生される。
図7(b)に示す画面は、すべての動画を視聴したかを確認するための領域C4を有し、この領域C4がタップされると、「次へ」ボタンC5が有効(タップ可能)になる。「次へ」ボタンC5がタップされると、
図8(a)に示す画面に遷移する。
【0081】
図8(a)に示す画面は、養育費の取り決め内容の初期値を表示する領域D1と、養育費の支払義務が消失した際に相手に連絡することを確認することを示す領域D2と、「取り決めを保存」ボタンD3と、を有する。「取り決めを保存」ボタンD3がタップされると、
図7(a)に示す画面に遷移し、養育費の取り決めについて保存済みの状態(入力済みの状態)になる。領域D1の初期値には、「金額」と、「支払時期」と、「支払終期(支払期間)」と、「特別出資」と、「取り決め書類」と、がある。領域D1の初期値をそのまま利用する場合、領域D2をタップしたうえで、ボタンD3をタップすればよい。領域D1の初期値から変更した場合、「編集」をタップすることで、
図8(b)に示す画面に遷移する。
【0082】
図8(b)に示す画面は、「金額」を指定するための領域E1と、「支払時期」を指定するための領域E2,E3と、「支払終期(支払期間)」を指定するための領域E4と、「特別出資」について指定するための領域E5と、「取り決め書類」について指定するための領域E6と、を含む。これらの領域について指定(入力)を終えた後、ボタンE7がタップされると、
図8(a)に示す画面に戻り、指定(入力)された内容が反映される。「金額」を指定するための領域E1には、「目安となる金額を計算する」が付記されており、これがタップされると、
図9(a)に示す画面に遷移する。
【0083】
図9(a)に示す画面では、養育費の金額を算定するための各項目の選択・入力を受け付け、「金額を計算する」ボタンF1がタップされると、
図9(b)に示す画面に遷移する。ここでの算定の方法は、所定の算定表をベースとしているが、子どもの年齢や別居親の年収によって適切な金額が算定される。
図9(b)に示す画面では、算定された金額を表示する領域G1と、「金額を入力欄に反映」ボタンG2とが含まれ、ボタンG2がタップされると、
図8(b)に示す画面に戻り、金額が反映される。
【0084】
(1.5)第1実施形態の第1変更例
本変更例は、サポーター追加に関する実施例である。本変更例では、介入調整におけるアシスタントは、支援員又はAIチャットボットである。支援員は、ADRにおける公正な第三者(仲裁人)とは異なり、養育支援サービス上で取り決めを支援するサポーターである。この場合、介入調整は、
図2(b)に示す態様で行われる。支援員(サポーター)は、夫婦のやり取りを監視する見守りサービスをさらに提供してもよい。
【0085】
一方、AIチャットボットは、
図10に示すように、養育支援サーバ300上で動作するAIサポーターである。養育支援サーバ300は、LLMサーバ500と連携してAIチャットボットの機能を提供してもよい。例えば、養育支援サーバ300は、API(Application Programming Interface)を介してLLMサーバ500と通信する。LLMサーバ500は、AIを含む機械学習技術により構築された言語モデルを用いて言語処理タスクを実行するサーバである。言語モデルは、言語を単語の出現確率でモデル化したものである。また、LLMは、大規模なテキストデータ、具体的には、インターネット上にあるWebコンテンツを事前に大量に学習し、わずか数例のタスクを与えただけで様々な言語処理タスクを実行できる言語モデルである。このようなLLMの例としては、OpenAI社が開発したGPT-3やGPT-4、Google社が開発したBERT等が挙げられる。
【0086】
養育支援サーバ300において、調整部332は、所定の条件が満たされたことに応じて、介入調整への切り替え(すなわち、サポーターの追加)を夫婦に提案する。所定の条件は、上述の第1実施形態と同様な条件であってもよい。調整部332は、夫婦の一方(一方の親)が当該切り替えを申し込んだことに応じて、当該申し込みについて夫婦の他方(他方の親)に通知し、当該他方の親が当該申し込みに合意するまでは養育費の取り決めの調整を停止する。調整部332は、当該一方の親が当該切り替えを申し込む際に、介入調整に要する費用の負担割合を当該一方の親に決定させてもよい。なお、調整部332は、養育費の取り決めの調整を停止している間も、介入調整に要する費用の負担割合に関する夫婦間のメッセージのやり取りを許可してもよい。
【0087】
上述のように、直接調整では、「親としての自覚を持ちなさい」といったネガティブな言葉(所定のワード)を使われてしまうことがあり、心理的負担となってしまう。このような負担を軽減するために間に誰か入ってほしいというニーズがあり、それを機能(サポーター追加機能)として提供する。サポーターは、養育支援サービスにおけるアシスタントでもあり、支援員(自然人)又はAIチャットボットがサポーターになる。
【0088】
図11は、第1実施形態の第1変更例に係る養育支援サーバ300の動作を示す図である。
【0089】
ステップS201において、養育支援サーバ300は、直接調整において所定のイベントが発生したか否かを判定する。所定のイベントは、夫婦の一方が養育費の取り決めに関する変更提案を行ったこと(若しくは、変更提案の回数が所定回数に達したこと)、及び夫婦間でやり取りされるメッセージ中で所定のワードが検知されたこと、のいずれかであってもよい。
【0090】
直接調整において所定のイベントが発生した場合(ステップS201:YES)、ステップS202において、養育支援サーバ300は、サポーター追加(すなわち、介入調整)を夫婦にリコメンド(提案)する。例えば、「サポーターを追加しますか?」といったコメントを含む画面を夫婦の少なくとも一方の端末に表示させる。サポーター追加の希望があった場合、養育支援サーバ300は、サポーター追加に要する費用の負担割合を決定(選択)させる。費用の負担割合は、父母(夫婦)で折半するか、又は片方の親のみが負担するかを選択可能である。
【0091】
ステップS203において、養育支援サーバ300は、一方の親からサポーター追加の申し込みがあったか否かを判定する。例えば、端末の画面で表示される「申し込み」ボタンがタップされると、一方の親からサポーター追加の申し込みがあったと判定される。ここで、費用の負担割合として、相手方の費用負担がある負担割合が選択された場合、「相手との調整ができなくなってもよいですか?」といった警告を当該一方の親の端末に表示させて確認を得てもよい。
【0092】
一方の親からサポーター追加の申し込みがあった場合(ステップS203:YES)、ステップS204において、養育支援サーバ300は、サポーター追加の申し込みがあった旨の情報を他方の親の端末に表示させる。この場合、養育支援サーバ300は、当該他方の親が当該申し込みに合意するまでは養育費の取り決めの調整を停止する。但し、養育支援サーバ300は、「父母だけでの調整が難しいのでサポーターを導入したいが、費用負担は~としたい」といった定型文を用意し、当該定型文によるメッセージのやり取りを可能としてもよい。
【0093】
ステップS205において、養育支援サーバ300は、当該他方の親がサポーター追加の申し込みに同意したか否かを判定する。当該他方の親がサポーター追加の申し込みに同意した場合(ステップS205:YES)、ステップS206において、養育支援サーバ300は、当該グループにサポーターを追加する処理を行う。なお、当該他方の親がサポーター追加の申し込みを拒否した場合、養育支援サーバ300は、ADRを夫婦にリコメンド(提案)してもよい。
【0094】
サポーターを追加する場合、養育支援サーバ300は、夫婦それぞれとサポーターとの間のオンライン面談を設定してもよい。その後の養育費の取り決めの調整は、サポーターが介入する介入調整により行われる。具体的には、サポーターと夫婦それぞれとがやり取りをして、サポーターにより養育費の取り決めが作成される。これにより、夫婦間で感情的なやり取りが行われることを防止できる。なお、サポーターは、養育費の取り決めの調整に介入することに加えて、養育費の取り決めの状況の監視(見守り)を行ってもよい。
【0095】
この例では、サポーターが支援員(自然人)であることを想定したが、サポーターは、AIチャットボットであってもよい。上述のように、AIチャットボットは、LLM(いわゆる、生成AI)を用いて夫婦それぞれとのチャットを行い、夫婦のコミュニケーションの間を取り持つ。
【0096】
養育支援サーバ300上で動作するAIチャットボットは、チャットのやり取りを行うためのチャット画面(UI)を夫婦(同居親端末100、別居親端末200)に提供し、夫婦からの文章(自然言語)の入力を受け付け、当該文章をLLMサーバ500にAPIを介して提供することで、当該文章に対する回答をLLMサーバ500から取得し、当該回答内容をチャット画面(UI)上で夫婦(同居親端末100、別居親端末200)に提供する。
【0097】
このような動作に先立ち、養育支援サーバ300上で動作するAIチャットボットは、養育支援の専門家として振る舞うように指示する文章(自然言語)をLLMサーバ500にAPIを介して提供することで、LLMサーバ500から適切な回答内容が得られるようにする。例えば、養育支援サーバ300上で動作するAIチャットボットは、「養育支援の専門家として以降の文章に回答してください」といった文章を予めLLMサーバ500に提供する。
【0098】
このように、養育費の取り決めの調整は、AIチャットボットが介入する介入調整により行われる。具体的には、AIチャットボットと夫婦それぞれとがやり取りをして、AIチャットボットが面会予定(日時、場所等)を作成する。これにより、夫婦間で感情的なやり取りが行われることを防止できる。
【0099】
AIチャットボットがサポーターになる場合、支援員(自然人)がサポーターになる場合に比べて、費用を低額にすることができる。なお、AIチャットボットがサポーターになる場合と第三者(自然人)がサポーターになる場合とを、夫婦の希望に応じて切り替え可能であってもよい。
【0100】
(1.6)第1実施形態の第2変更例
本変更例は、養育費の支払いを継続させることを促進するための実施例である。
図12は、本変更例に係る養育支援サーバ300の構成を示す図である。
【0101】
本変更例に係る養育支援サーバ300は、別居親による養育費の支払いが実施又は継続されているか否かを判定する支払判定部337をさらに有する。支払判定部337は、記憶部320に記憶されている情報、特に、グループ情報及び支払情報に基づいて、別居親による養育費の支払いが予定通りに行われているか否かを判定する。例えば、支払判定部337は、養育費の支払が所定回数連続して行われなかった場合、養育費の支払いが継続されていないと判定してもよい。
【0102】
支払判定部337は、養育費の支払いが実施(又は継続)されていないと判定されたことに応じて、注意喚起を別居親に対して行う。例えば、支払判定部337は、養育費の支払予定日又はそれ以降(例えば、翌日)に、銀行又はクレジットカード会社のAPIを介して、養育費の支払いが実施されたか否かを確認する。そして、支払判定部337は、養育費の支払いが実施(又は継続)されていないと判定した場合、「養育費の支払いが未だのようです」といった内容の注意喚起を別居親の端末200に表示させてもよい。支払判定部337は、強制執行のリスクについての内容を含む注意喚起(警告)を別居親の端末200に表示させてもよい。なお、支払判定部337による注意喚起は、別居親の端末200で表示する養育支援サービスの画面上で行われてもよいし、養育支援サービスのメッセージ機能を用いて行われてもよいし、SMS(ショートメッセージ)又はインスタントメッセンジャーを用いて行われてもよい。
【0103】
画像データ提示部333は、このような注意喚起の際に、子どもの画像データを別居親に提示(別居親端末200で表示)してもよい。例えば、画像データ提示部333は、子どもの画像データが添付され、養育費の支払を促すテキストを含むメッセージを別居親端末200に送信する。これにより、別居親にて、自身の端末に表示される子どもの画像に基づいて、養育費が子どものために必要であると再認識させることができ、養育費の支払いが実施(継続)されやすくなる。
【0104】
(1.7)第1実施形態の第3変更例
本変更例は、養育費の見直しを行うための実施例である。
図13は、本変更例に係る養育支援サーバ300の構成を示す図である。
【0105】
本変更例に係る養育支援サーバ300は、子どもの年齢が上がることに基づいて、養育費の見直しを促す通知を所定のタイミングで別居親(別居親端末200)及び/又は同居親(同居親端末100)に対して行う見直し通知部338を有する。養育費は一度決めるとあまり上げることができないことが通常であるが、子どもの年齢が上がると必要なお金は増える。また、別居親の年収も上がる場合が多い。そのため、見直し通知部338は、例えば、源泉徴収を受け取る毎年1月頃に、「養育費の見直しをしませんか?」といった内容の通知を別居親端末200及び/又は同居親端末100に表示させてもよい。なお、見直し通知部338による通知は、端末で表示する養育支援サービスの画面上で行われてもよいし、養育支援サービスのメッセージ機能を用いて行われてもよいし、SMS(ショートメッセージ)又はインスタントメッセンジャーを用いて行われてもよい。通知を受け取った別居親(別居親端末200)は、上述の第1実施形態と同様な方法の調整(特に、直接調整)を用いて、養育費の金額をあげる(増額する)ように調整できる。
【0106】
また、子どもの成長が進むと、子どもと別居親との面会交流に必要な時間が長くなったり、短くなったりするので、それに合わせて面会交流(面会交流の条件)の見直しをすることが望ましい。そのため、見直し通知部338は、子どもの年齢が上がることに基づいて、面会交流の見直しを促す通知を別居親及び/又は同居親に対して行ってもよい。例えば、見直し通知部338は、子どもの年齢が、予め定められた年齢になった際に、「面会交流の見直しをしませんか?」といった内容の通知を別居親端末200及び/又は同居親端末100に表示させてもよい。
【0107】
(1.8)第1実施形態の第4変更例
上述の第1実施形態では、記憶部320が、銀行からの通知に応じて、支払い済みの養育費に関する支払情報(養育費情報)を記憶する一例、及び、支払予定通知部336が、銀行又はクレジットカード会社のAPIを介して、養育費の支払状況を確認して、養育費が支払われたことを検知し、その旨を同居親及び/又は別居親に通知する一例について説明した。また、上述の第1実施形態の第2変更例では、支払判定部337が、銀行又はクレジットカード会社のAPIを介して、別居親による養育費の支払いが実施又は継続されているか否かを判定する一例について説明した。
【0108】
第1実施形態の第4変更例は、APIを介して行う銀行(銀行口座)との連携に関する実施例である。
図14は、本変更例に係る養育支援サーバ300の構成を示す図である。
【0109】
本変更例に係る養育支援サーバ300は、同居親の銀行口座及び/又は別居親の銀行口座との連携を、APIを介して行う銀行口座連携部351をさらに有する。銀行口座連携部351は、同居親及び別居親のそれぞれが自身の端末を介して、養育費の入出金に用いる銀行口座を指定する操作を受け付け、且つ、当該銀行口座と連携するための認証情報の入力を受け付けることで、連携処理を行う。当該連携処理が完了すると、当該銀行口座の入出金履歴を監視(参照)し、養育支援サービス上で当該入出金履歴の情報を利用(閲覧)可能になる。
【0110】
本変更例では、銀行口座連携部351は、銀行口座の入出金履歴の中から養育費に相当する入出金情報を指定する操作を受け付けると、当該指定された入出金情報を養育費情報として登録し、養育費情報を同居親及び/又は別居親が閲覧可能に管理する。これにより、同居親及び/又は別居親が養育支援サービス上で養育費の入出金状況を容易に把握可能になる。
【0111】
例えば、銀行口座連携部351は、同居親の銀行口座の入出金履歴の中から養育費に相当する入金情報を指定する操作を同居親から受け付けると、当該指定された入金情報を養育費情報(養育費入金情報)として登録(具体的には、記憶部320に記憶)し、当該養育費情報(養育費入金情報)を同居親が閲覧可能に管理してもよい。ここで、銀行口座連携部351は、当該養育費情報(養育費入金情報)を抽出した一覧情報の提示を同居親に対して行ってもよい。当該一覧情報の提示は、過去の全ての養育費の入金額の合計の提示や、過去の集計期間別(例えば、年別)の養育費の入金額の合計の提示を含んでもよい。
【0112】
また、銀行口座連携部351は、別居親の銀行口座の入出金履歴の中から養育費に相当する出金情報を指定する操作を別居親から受け付けると、当該指定された出金情報を養育費情報(養育費出金情報)として登録(具体的には、記憶部320に記憶)し、当該養育費情報(養育費出金情報)を別居親が閲覧可能に管理してもよい。ここで、銀行口座連携部351は、当該養育費情報(養育費出金情報)を抽出した一覧情報の提示を同居親に対して行ってもよい。当該一覧情報の提示は、過去の全ての養育費の出金額の合計の提示や、過去の集計期間別(例えば、年別)の養育費の出金額の合計の提示を含んでもよい。
【0113】
本変更例では、銀行口座連携部351は、銀行口座の入出金状況を監視し、登録された養育費情報に合致する入出金情報を検知すると、当該検知された入出金情報を新たな養育費情報として自動で登録してもよい。これにより、同居親及び/又は別居親が銀行口座の入出金履歴の中から養育費を都度手動で指定しなくても、自動的に養育費情報を登録可能になる。
【0114】
例えば、銀行口座連携部351は、同居親の銀行口座の入金状況を監視し、登録された養育費情報(養育費入金情報)に合致する入金情報を検知すると、当該検知された入金情報を新たな養育費情報(養育費入金情報)として自動で登録してもよい。ここで、「登録された養育費情報(養育費入金情報)に合致する入金情報」とは、過去の養育費情報(養育費入金情報)と振り込み元(すなわち、別居親)、金額、期日(例えば、毎月25日)が一致する入金情報であってもよい。
【0115】
また、銀行口座連携部351は、別居親の銀行口座の出金状況を監視し、登録された養育費情報(養育費出金情報)に合致する出金情報を検知すると、当該検知された出金情報を新たな養育費情報(養育費出金情報)として自動で登録してもよい。ここで、「登録された養育費情報(養育費出金情報)に合致する入金情報」とは、過去の養育費情報(養育費出金情報)と振り込み先(すなわち、同居親)、金額、期日(例えば、毎月25日)が一致する入金情報であってもよい。
【0116】
本変更例では、銀行口座連携部351は、銀行口座の入出金状況を監視し、養育費の支払予定日までに養育費の支払いが無い場合、又は養育費の支払額が支払予定の養育費額(すなわち、取り決められている支払額)に満たない場合、アラート情報(注意喚起、警告)を同居親及び/又は別居親に通知してもよい。これにより、養育費の適切な支払いがなされるように円滑化できる。なお、このようなアラート情報の通知は、養育支援サービスの画面上で行われてもよいし、養育支援サービスのメッセージ機能を用いて行われてもよいし、SMS又はインスタントメッセンジャーを用いて行われてもよい。
【0117】
(2)第2実施形態
第2実施形態について、第1実施形態との相違点を主として説明する。第2実施形態に係る養育支援サーバ300は、養育品の提供(贈与)を支援するためのサービスを提供する。
【0118】
養育費では足りないという同居親や、養育費が具体的に何に使われているか分からないという別居親は多い。第2実施形態では、養育支援サービス上で同居親が子どもに必要なものを養育支援サーバ300に登録し、それを別居親が購入する。これを養育品と呼ぶ。養育支援サーバ300は、このような夫婦(同居親、別居親)間の調整を、当該夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して当該調整を実現する直接調整により可能とする。
【0119】
別居親からのプレゼントは、同居親からすると「いらないものを勝手に買われた」と思うことがあるが、養育品ではそれはない。日常的な養育品もあれば、誕生日、入学式などの節目にあげる養育品もある。同居親としては、養育品によって、面会交流を継続していることに対する満足感をもたらすこともでき、面会交流の継続にも寄与できる。
【0120】
なお、別居親だけでなく、第三者(子ども・夫婦以外の者)も養育品は購入可能である。ここで、第三者としては、主として別居親側の祖父母を想定しているが、企業やボランティア団体、一般の寄付者であってもよい。
【0121】
図15は、第2実施形態に係る養育支援サーバ300の構成例を示す図である。
【0122】
第2実施形態に係る養育支援サーバ300は、同居親又は子どもが希望する養育品の登録を同居親から受け付け、登録された養育品の閲覧(別居親及び/又は第三者による閲覧)を可能にする養育品登録部341と、登録された養育品を購入する操作があった場合、登録された養育品の購入処理を行う購入処理部342とを有する。購入処理部342は、登録された養育品を購入する操作を別居親(別居親端末200)から受け付けたことに応じて当該養育品の購入処理を行ってもよい。この場合、養育品登録部341及び購入処理部342は、直接調整部332aの一部を構成してもよい。或いは、購入処理部342は、登録された養育品を購入する操作を第三者(第三者端末400)から受け付けたことに応じて当該養育品の購入処理を行ってもよい。
【0123】
養育品登録部341は、養育品の配送先住所の登録を同居親からさらに受け付ける。養育品登録部341は、登録された配送先住所を養育品の購入対象者(別居親や第三者)に閲覧させずに、登録された養育品の閲覧を可能にする。購入処理部342は、養育品の購入処理において、購入する養育品の配送先として、登録された配送先住所を設定する。これにより、子ども及び別居親の住所が別居親や第三者に知られることを防止しつつ、養育品を子どものもとへ配送可能になる。
【0124】
購入処理部342は、子どもと別居親との面会交流に応じたタイミング、又は子どもの成長の節目に応じたタイミングで、登録された養育品の購入を別居親(別居親端末200)に提案してもよい。養育品を買いたくなるタイミングは面会交流の前後や節目であることが予想される。そのため、購入処理部342は、例えば、面会交流が終わった後に別居親(別居親端末200)に提示する完了報告画面にて、「子どもが欲しがっている養育品をプレゼントしてみてはいかがですか?」といったリコメンドを提示してもよい。なお、節目とは、例えば、誕生日、入学式などのイベントであって、養育支援サーバ300に予め登録されていてもよい。
【0125】
第2実施形態に係る養育支援サーバ300は、養育品が配送された旨の通知を受け付けたことに応じて、養育品の購入者(別居親又は第三者)に養育品が配送された旨の報告を定型文又は自由記入文で感謝を表す内容を付して行う養育品報告部343を有していてもよい。養育品報告部343は、子どもを当該養育品と共に撮影した写真データの登録を同居親(同居親端末100)に提案し、当該写真データを報告と関連付けて養育品の購入者(別居親又は第三者)に提供してもよい。例えば、養育品報告部343は、養育品が届いた報告を同居親がする際に、「養育品と笑顔の子どもを送りませんか?」といったリコメンドをすることで、子どもが養育品と共に写った写真を別居親又は祖父母(第三者)が閲覧できるため、別居親又は祖父母(第三者)は、子育てに参加しているという実感を得ることができる。
【0126】
図16は、第2実施形態に係る養育支援システム1の動作例を示す図である。
【0127】
ステップS300において、同居親端末100は、EC(Electronic Commerce)サーバ600のECサイトにアクセスし、子どもに必要な物(商品)をECサイト上で選択し、選択した商品を示すURL(Uniform Resource Locator)を取得する。
【0128】
ステップS301において、同居親端末100は、養育支援サーバ300にアクセスし、希望する養育品のリクエストを行う。このリクエストは、取得されたURLと、配送先住所の情報とを含む。
【0129】
ステップS302において、養育支援サーバ300は、同居親端末100が取得したURLを登録すると共に、当該商品の配送先住所を登録する。養育支援サーバ300は、当該URLと当該配送先住所とを記憶し、当該URLが示す養育品を別居親端末200から閲覧可能な状態にする。
【0130】
ステップS303において、養育支援サーバ300は、子どもと別居親との面会交流に応じたタイミング、又は子どもの成長の節目に応じたタイミングで、登録された養育品の購入の提案を別居親端末200に対して行ってもよい。
【0131】
ステップS304において、別居親端末200は、養育支援サーバ300にアクセスし、当該子どもについて登録されている養育品のうち贈与する養育品を指定した贈与リクエストを行う。例えば、別居親が端末上で「養育品を贈る」ボタンをタップすると、別居親のクレジットカードから養育支援サービスに入金処理がなされる(商品代及び手数料の入金)。なお、別居親のクレジットカード情報が養育支援サービスに未登録であれば登録が行われる。
【0132】
ステップS305において、養育支援サーバ300は、別居親により指定された養育品の購入処理をECサーバに対して行う。その際、養育支援サーバ300は、当該養育品の配送先住所として、同居親端末100から登録された配送先住所を指定する。ここで、養育支援サーバ300からECサーバ600に対して商品代の支払処理が行われる。
【0133】
その結果、ステップS306において、ECサーバ600は、指定された配送先住所に対する養育品の発送処理を行う。ステップS307において、ECサーバ600は、養育支援サーバ300に対して発送通知を行ってもよい。或いは、同居親端末100から養育支援サーバ300に対して発送通知を行ってもよい。
【0134】
ステップS308において、養育支援サーバ300は、子どもを当該養育品と共に撮影した写真データの送付(登録)を同居親端末100に提案する。
【0135】
ステップS309において、同居親端末100は、子どもを養育品と共に撮影し、写真データを生成する。
【0136】
ステップS310において、同居親端末100は、写真データを養育支援サーバ300に送信し、養育支援サーバ300は、当該写真データを取得する。
【0137】
ステップS311において、養育支援サーバ300は、別居親端末200に対して、養育品が配送された旨の報告を行うと共に、子どもを当該養育品と共に撮影した写真データを同居親端末100に提供する。例えば、養育支援サーバ300は、養育品が配送された旨のメッセージに写真データを添付して同居親端末100に提供してもよい。養育支援サーバ300は、養育品が配送された旨のメッセージに、写真データのURLを記載して同居親端末100に提供してもよい。
【0138】
(2.1)第2実施形態の変更例
上述の第2実施形態では、別居親だけでなく、第三者(子ども・夫婦以外の者)も養育品を購入可能である一例について説明した。本変更例では、当該第三者が一般の寄付者である場合について想定する。
【0139】
図17は、第2実施形態の変更例に係る養育支援サーバ300の構成例を示す図である。
【0140】
本変更例に係る養育支援サーバ300は、離婚した又は離婚を予定している夫婦のうち子どもと同居する同居親の端末200との通信と、第三者(一般の寄付者)の端末400との通信と、を行う通信部310と、通信部310を用いて、子どもの養育のために第三者(一般の寄付者)が提供する養育品に関する調整を行う調整部332と、を有する。調整部332は、養育品登録部341と、養育品検索部344と、購入処理部342と、養育品報告部343とを有する。
【0141】
養育品登録部341は、同居親及び/又は子どもが希望する養育品に関する養育品関連情報の登録を受け付け、当該登録された養育品関連情報を第三者(一般の寄付者)が閲覧可能にする。本変更例では、養育品登録部341は、当該登録された養育品関連情報をアクセス制限の無い養育支援サービスのWebサイト上で公開してもよい。養育品登録部341は、基本的には、養育品関連情報の登録を同居親から受け付けるものとするが、子どもの年齢によっては養育品関連情報の登録を子どもから受け付けてもよい。
【0142】
養育品登録部341は、同居親又は子どもの住所の情報(すなわち、配送先住所)を含む養育品関連情報の登録を受け付けてもよい。また、養育品登録部341は、同居親及び/又は子どもが希望する養育品のECサイト上のURLを含む養育品関連情報の登録を受け付け、URLに基づいて当該養育品の名前を養育品関連情報に追加してもよい。例えば、養育品登録部341は、当該URLを用いたクローリングにより、登録された養育品に相当する商品の名前や画像(写真)、価格等を自動で取得する。養育品登録部341は、取得された商品の名前や画像(写真)を養育支援サービスのWebサイト上で公開してもよい。
【0143】
養育品検索部344は、地域の情報を含む検索情報の入力を第三者(一般の寄付者)から受け付け、登録された養育品情報の中から当該検索情報に地理的に合致する養育品情報を検索してもよい。これにより、第三者(一般の寄付者)は、自身が居住する地域等、寄付行為を行いたい地域内で養育品の贈与を希望する子ども(及び同居親)を見つけることが可能になり、当該地域に絞って養育品の贈与を行うことが容易になる。なお、地域の情報とは、都道府県単位や市町村単位での地域名であってもよい。検索情報に地理的に合致する養育品情報とは、第三者から入力された地域名を含む住所(すなわち、配送先住所)の養育品関連情報であってもよい。
【0144】
養育品検索部344は、商品名の情報を含む検索情報の入力を第三者(一般の寄付者)から受け付け、登録された養育品情報の中から当該検索情報に合致する養育品情報を検索してもよい。これにより、第三者(一般の寄付者)は、自身の趣味や嗜好に合った養育品(商品)の贈与を希望する子ども(及び同居親)を見つけることが可能になり、趣味や嗜好に合った養育品の贈与を行うことが容易になる。例えば、サッカーに興味を持つ又はサッカー選手である第三者(一般の寄付者)は、サッカーグッズ(例えば、サッカーボール)の贈与を希望する子ども(及び同居親)を見つけることが可能である。なお、商品名とは、商品の具体的な名称であってもよいし、商品の属性(カテゴリ)の名称であってもよい。すなわち、「サッカーボール」といった具体的な名称であってもよいし、「サッカー」といった属性(カテゴリ)であってもよい。また、商品名の情報を含む検索情報に合致する養育品情報とは、第三者から入力された商品名を含む養育品関連情報であってもよい。
【0145】
養育品検索部344は、金額の入力を第三者(一般の寄付者)からさらに受け付け、登録された養育品情報の中から、当該金額の範囲内で複数の養育品の養育品情報を検索してもよい。これにより、贈与したい養育品を第三者(一般の寄付者)が1つ1つ選択するのでは無く、第三者(一般の寄付者)が指定した金額を超えない範囲で複数の養育品を一括して検索及び特定できる。
【0146】
購入処理部342は、養育品検索部344により検索された養育品情報に対応する養育品を購入する操作を第三者(一般の寄付者)から受け付け、当該養育品の購入処理を行う。その他の構成については、上述の第2実施形態と同様である。
【0147】
本変更例によれば、一般的な寄付に比べて、寄付される人(子ども)が欲しいものを第三者(一般の寄付者)が選ぶことができるため、不要なものが届かないというメリットがあり、寄付される人に必ず喜んでもらえる。また、地域や商品で絞れるので、寄付者が寄付したい地域や物を選べる。すなわち、どこかの誰かへの寄付というような不特定な寄付ではなく、対象を特定して、地域のあの子への寄付ができる。さらに、寄付者には、寄付される人から直接感謝の言葉(メッセージ)が届く場合もあり、メッセージやSNSで感謝されることもできる。
【0148】
なお、従来は、寄付団体の手数料が不明確、高額なこともあった。寄付者は、商品の金額に加えて、養育支援サービスへの手数料を支払うが、本変更例では、情報通信技術を活用し、当該手数料を低額とすることが可能であり、且つ手数料を明瞭に定めておく。
【0149】
養育品登録部341は、同居親及び/又は子どもが希望する養育品に関する養育品関連情報の登録を受け付ける際に、当該登録の可否について判定する機能を有していてもよい。例えば、養育品登録部341は、明らかに同居親が望んでいるものとして予め登録された商品(例えば、美顔器等)が、希望する養育品として登録されることを拒否してもよい。養育品登録部341は、養育品の贈与対象として適切であるか否かを、例えば児童扶養手当の決定通知書のアップロードを受けることで確認してもよい。
【0150】
図18は、本変更例に係る養育品登録画面の一例を示す図である。養育品登録部341は、同居親(又は子ども)の端末に養育品登録画面を表示させ、同居親及び/又は子どもが希望する養育品に関する養育品関連情報の登録を受け付ける。
【0151】
図示の例では、養育品登録画面は、ECサイト上の商品URLが貼付けられる領域H1と、当該URLに基づいて取得された商品画像を表示する領域H2と、当該URLに基づいて取得された商品情報(商品名)を表示する領域H3と、第三者(一般の寄付者)からの贈与(寄付)を希望することを選択するための領域H4と、グループ(養育支援グループ)内での贈与を希望することを選択するための領域H5と、希望数を選択するための領域H6と、優先度を選択するための領域H7と、同居親(又は子ども)のコメントを入力するための領域H8と、希望商品の補足(色やサイズ等)を入力するための領域H9と、を有する。領域H4及び領域H5のそれぞれはチェックボックスを含み、第三者(一般の寄付者)からの贈与(寄付)を希望するか否か、及び、グループ内での贈与を希望するか否かが選択可能になっている。第三者(一般の寄付者)からの贈与(寄付)を希望せずに、グループ内での贈与を希望する場合は、登録される養育品関連情報は、アクセス制限の無い養育支援サービスのWebサイト上で公開されずに、グループ内でのみ閲覧可能になる。
【0152】
なお、養育品登録部341は、養育品登録画面とは別の住所入力画面にて、同居親又は子どもの住所の情報(すなわち、配送先住所)の登録(入力)を受け付ける。希望する養育品及び配送先住所の入力が完了すると、養育品関連情報が養育支援サーバ300(記憶部320)に登録される。
【0153】
図19は、本変更例に係る養育品検索・購入画面の一例を示す図である。養育品検索部344は、アクセス制限の無い養育支援サービスのWebサイト上で養育品検索・購入画面を第三者(一般の寄付者)の端末に表示させ、検索情報の入力を第三者(一般の寄付者)から受け付け、検索された養育品情報に対応する養育品を購入する操作を第三者(一般の寄付者)から受け付ける。
【0154】
図示の例では、養育品検索・購入画面は、検索情報(地域名及び/又は商品名)を入力するための領域I1を有する。領域I1の検索窓(テキストボックス)に検索情報(地域名及び/又は商品名)が入力されると、養育品検索部344は、登録された養育品情報の中から当該検索情報に合致する養育品情報を検索し、検索された各養育品の情報を領域I2,I3,I4・・・で表示させる。各領域I2,I3,I4・・・では、対応する養育品の情報(商品名や、希望個数、金額)が表示されるとともに、個別に購入操作(寄付操作)を受け付けるためのボタンを表示する。養育品検索・購入画面は、第三者(一般の寄付者)が選択した複数の養育品をまとめて購入(寄付)する操作を受け付けるためのボタンI5を有していてもよい。養育品検索・購入画面は、寄付する養育品の総額である寄付額を入力するための領域I6を有していてもよい。寄付額が入力された場合、養育品検索部344は、登録された養育品情報の中から、当該金額の範囲内で複数の養育品の養育品情報を検索し、これらをまとめて購入(寄付)する操作を受け付けてもよい。
【0155】
(3)他の実施形態
上述の実施形態では、
図4(a)に示すユーザ情報を記憶部320が記憶し、ユーザ情報が「役割」を含み、「役割」は、「同居親」、「別居親」、「母親」、「父親」、「子ども」、「アシスタント(サポーター)」のいずれかが選択される一例について説明した。また、上述の実施形態では、同居親と別居親とを区別した情報表示を行うことを想定していた。しかしながら、別居親という表現が差別的な表現になり得ることから、単に「父親」「母親」という表現とすることが好ましい。また、夫婦の間に2人の子どもが存在し、1人の子どもが一方の親と同居し、もう1人の子どもが他方の親と同居する場合があるが、上述の実施形態の情報の取り扱いでは、そのような場合に対応することが難しい。
【0156】
そのため、「役割」は、「父親(お父さん)」、「母親(お母さん)」、「子ども」、「アシスタント(サポーター)」のいずれかが選択される構成としてもよい。ここで、「父親(お父さん)」だけでなく「父代理人」が選択可能であってもよく、「母親(お母さん)」だけでなく「母代理人」が選択可能であってもよい。そして、子どもの情報(ユーザ情報)に、「どちらの親(親の代理人を含む)と同居しているか」の情報を追加する。これにより、情報の表示の際には「父親」「母親」の表記としつつ、システム内で「同居親」「別居親」を区別して取り扱うことが可能になる。よって、複数の子どもが別々の親と同居していても、適切に管理することが可能になる。
【0157】
すなわち、面会交流支援サービスの各ユーザのユーザ情報を記憶する記憶部320は、ユーザ情報に、対応するユーザが、父親、母親、及び子どものいずれであるかを示す情報を含めて記憶する。当該対応するユーザが子どもである場合、記憶部320は、当該ユーザ情報に、当該子どもが父親及び母親のどちらと同居しているかを示す情報をさらに含めて記憶する。そして、面会交流支援サーバ300では、端末での情報表示(提示)の際は「父親」、「母親」といった表記としつつ、子どものユーザ情報に基づいて、どちらの親が同居親であるかを識別し、同居親であるか又は別居親であるかを考慮して上述の実施形態に係る情報処理を行ってもよい。
【0158】
上述の実施形態では、養育支援サーバ300(情報管理部331)が、面会交流回数及び養育費合計を管理して夫婦(同居親端末100及び別居親端末200)に提示する一例について説明した。しかしながら、養育支援サーバ300(情報管理部331)は、養育費及び/又は養育品が提供された回数、養育費及び/又は養育品の合計額、養育費が支払われた期間、養育費の支払遵守率(予定通りに支払った割合)、及び養育費の支払達成率(支払った金額/終期までの期間に払うべき累計)のうち少なくとも1つの情報を管理し、当該情報を別居親(別居親端末200)に提示してもよい。これにより、自分が子育てに参加しているという意識を別居親に持ってもらうことが可能である。
【0159】
上述の実施形態では、「子どもの知る権利」について特に考慮していなかった。しかしながら、日本も批准している「子どもの権利条約」において、「児童はできる限りその父母を知り、且つその父母によって養育される権利を有する」旨が規定されており、このような権利は「子どもの知る権利」とも称される。そのため、養育支援サーバ300(情報管理部331)は、過去の面会交流のそれぞれの実績及び変更履歴を含む面会交流記録を保存し、当該面会交流記録を子どもが大人になった後も閲覧可能とする。すなわち、養育支援サーバ300(情報管理部331)は、養育費及び/又は養育品が提供された記録を永続的又は半永続的に保存し、当該記録を子どもが大人になった後も閲覧可能とする。例えば、養育支援サーバ300(情報管理部331)は、当該記録に関する子どものアカウントにおいて閲覧要求があった場合、当該記録を当該子どもに提供する。これにより、「子どもの知る権利」を保障しやすくなる。
【0160】
上述の実施形態では、別居親から同居親への養育費の振り込みが銀行振込により行われることを主として想定していたが、養育支援サーバ300が別居親から養育費を電子決済により受け取り、養育支援サーバ300が同居親に対して養育費を電子決済により支払ってもよい。
【0161】
上述の実施形態における動作フロー及び動作例は、必ずしもフロー図又はシーケンス図に記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、動作におけるステップは、フロー図又はシーケンス図として記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。また、動作におけるステップの一部が削除されてもよく、さらなるステップが処理に追加されてもよい。また、上述の実施形態における動作フロー及び動作例は、別個独立に実施してもよいし、2以上の動作フロー及び動作例を組み合わせて実施してもよい。例えば、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローに追加してもよいし、1つの動作フローの一部のステップを他の動作フローの一部のステップと置換してもよい。
【0162】
上述の実施形態に係る動作をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0163】
本開示で使用する「に基づいて」、「に応じて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」、「のみに応じて」を意味しない。「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」及び「に少なくとも部分的に基づいて」の両方を意味する。同様に、「に応じて」という記載は、「のみに応じて」及び「に少なくとも部分的に応じて」の両方を意味する。また、「含む(include)」、「備える(comprise)」、及びそれらの変形の用語は、列挙する項目のみを含むことを意味せず、列挙する項目のみを含んでもよいし、列挙する項目に加えてさらなる項目を含んでもよいことを意味する。また、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。本開示において、例えば、英語でのa,an,及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
【0164】
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0165】
1 :養育支援システム
10 :ネットワーク
100 :同居親端末
200 :別居親端末
300 :養育支援サーバ
310 :通信部
320 :記憶部
330 :処理部
331 :情報管理部
332 :調整部
332a :直接調整部
332b :介入調整部
333 :画像データ提示部
334 :動画データ配信部
335 :ドキュメント提供部
336 :支払予定通知部
337 :支払判定部
338 :通知部
339 :面会条件緩和部
341 :養育品登録部
342 :購入処理部
343 :養育品報告部
344 :養育品検索部
400 :第三者端末
500 :LLMサーバ
600 :ECサーバ
【要約】
【課題】離婚に伴う子どものための養育費等が適切に提供されることを円滑化し、子どもの健やかな成長に寄与する。
【課題手段】子どもの養育を支援するための養育支援システムは、離婚した又は離婚を予定している夫婦のうち前記子どもと同居する同居親の端末との通信と、前記夫婦のうち前記子どもと別居する別居親の端末との通信と、を行う通信手段と、前記通信手段を用いて、前記子どもの養育のために前記別居親が提供する養育費及び/又は養育品に関する前記夫婦間の調整を行う調整手段と、を備え、前記調整手段は、前記夫婦間の定型的な連絡内容のやり取りを仲介して前記調整を実現する直接調整を行う直接調整手段を含む。
【選択図】
図3