(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボットとその制御方法
(51)【国際特許分類】
B25J 11/00 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
B25J11/00 Z
(21)【出願番号】P 2024185177
(22)【出願日】2024-10-21
【審査請求日】2024-10-21
(31)【優先権主張番号】202410129584.6
(32)【優先日】2024-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516333551
【氏名又は名称】東莞理工学院
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】劉 亜
(72)【発明者】
【氏名】盧 文娟
(72)【発明者】
【氏名】曽 達幸
(72)【発明者】
【氏名】侯 雨雷
(72)【発明者】
【氏名】范 徳斌
(72)【発明者】
【氏名】何 国林
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-506289(JP,A)
【文献】特開2007-014698(JP,A)
【文献】特開2019-205819(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0071812(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 ~ 21/02
A61H 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線補償手段、ロープ巻出・巻取手段、滑車偏向手段、支持手段及びロープを含み、
軸線補償手段は、支柱、固定部、両アーム機構、転回フレーム、ばね、踏み板接続フレーム、踏み板スライドレール、踏み板、つまみ及び姿勢センサーを含み、支柱が支持手段内に対称的に設置され、支柱における第一端面が支持手段の底板に接続され、固定部が支柱における第二端面に接続され、転回フレームが両側に、共に両アーム機構を介して固定部に転回するように接続され、ばねは、第一端が転回フレームに固定するように接続される一方、第二端が踏み板接続フレームの支持アームに転回するように接続され、踏み板接続フレームにおける支持板は、両側において踏み板スライドレールに対称的に設置され、踏み板が踏み板スライドレールに摺動するように接続され、つまみが踏み板スライドレールを貫通して踏み板にネジ接続され、姿勢センサーが踏み板に接続されており、
ロープ巻出・巻取手段は、底板に設置され、ロープ巻出・巻取手段は、モーター、巻き胴軸、巻き胴、第一ギア、ギアフレーム、第二ギア、ギア軸、第三ギア、カム部、第四ギア、案内棒及び同期ブロックを含み、巻き胴軸の第一回転軸が継手を介してモーターの出力軸に接続され、巻き胴が巻き胴軸の案内軸に摺動するように接続され、巻き胴軸の第二回転軸が軸受座を介して底板に転回するように接続され、第一ギアが巻き胴軸の第一回転軸に接続され、ギアフレームが巻き胴の一方側の位置に設置され、第二ギアがギア軸を介してギアフレームに転回するように接続され共に、第二ギアが第一ギアにかみ合うように転動し、第三ギアがギア軸に接続され、カム部のカム軸がギアフレームに転回するように接続され、第四ギアがカム軸に接続されると共に第四ギアが第三ギアにかみ合うように転動し、案内棒がカム部の一方側の位置に設置されると共に案内棒の両端がギアフレームに接続され、同期ブロックのスライドブロックが案内棒に摺動するように接続され、同期ブロックの柱状案内ブロックがカム部のカム溝に摺動するように接続され、同期ブロックの駆動ブロックが巻き胴に摺動するように接続されており、
滑車偏向手段は、支持座、軸受ブロック、揺動部、揺動滑車、ラック、引きばね座及び引きばねを含み、軸受ブロックが支持座の第一端面に接続され、揺動部が軸受ブロックに転回するように接続され、揺動部が支持座の摺動溝が摺動するように接続、揺動滑車は、揺動部の中央位置に設置され、ラックがラック座を介して支持座に設置されると共に、ラックがラック座に摺動するように接続され、ラックが揺動部にかみ合うように転動され、引きばねの第一端が引きばね座を介してラックに接続され、引きばねの第二端がラック座に接続される、ことを特徴とする運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボット。
【請求項2】
支持手段は、底板、フレームワーク、上面板、腿部フレーム、腿部装具及びユニバーサルホイールを含み、フレームワークの第一端面が底板の第一端面に接続され、上面板の第一端面がフレームワークの第二端面に接続され、腿部フレームが上面板の第二端面に接続され、腿部装具が腿部フレームに接続され、ユニバーサルホイールが底板の第二端面の四つの隅部に設置される、ことを特徴とする請求項1に記載の運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボット。
【請求項3】
両アーム機構は、アーム支持座、第一アーム、第二アーム、移動座及びダンパーを含み、アーム支持座が固定部に接続され、第一アームと第二アームとの第一端が共に、アーム支持座に転回するように接続され、第一アームと第二アームとの第二端が共に、移動座に転回するように接続され、第一アームと第二アームとが平行するように設置され、ダンパーの第一端がアーム支持座に転回するように接続、ダンパーの第二端が移動座に転回するように接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボット。
【請求項4】
滑車偏向手段、ロープ巻出・巻取手段及びロープは、それらの数が同じであり、底板における四つの隅部は、それぞれ、四つのロープ巻出・巻取手段が設置され、少なくとも二つのロープ巻出・巻取手段が底板に対称的に斜めで設置され、滑車偏向手段は、上面板に少なくとも四つだけ設置され、少なくとも二つだけの滑車偏向手段が底板に対称的に設置され、底板における四つの隅部に定滑車がさらに設置されており、少なくとも四つのロープの第一端が四つの隅部に位置するロープ巻出・巻取手段の巻き胴と巻かれ、四つのロープの第二端が順に定滑車を巻き回してから、上面板に位置する滑車偏向手段の揺動滑車及び踏み板接続フレームの支持板に接続され、少なくとも二つだけのロープの第一端が、斜めで設置されているロープ巻出・巻取手段の巻き胴と巻かれ、二つのロープの第二端が底板に設置されている滑車偏向手段の揺動滑車を巻き回してから踏み板接続フレームの支持板に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボット。
【請求項5】
巻き胴軸は、回転盤、案内軸、第一回転軸及び第二回転軸を含み、案内軸は、円周に回って二つの回転盤間に分布し、第一回転軸と第二回転軸とが共に回転盤に接続され、回転盤、案内軸、第一回転軸及び第二回転軸は、それらの軸線が共に同じである、ことを特徴とする請求項1に記載の運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボット。
【請求項6】
カム部は、カム、カム溝及びカム軸を含み、カム溝は、カムに回って設置され、カム軸がカムの両端に設置される、ことを特徴とする請求項1に記載の運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボット。
【請求項7】
同期ブロックは、スライドブロック、柱状案内ブロック及び駆動ブロックを含み、柱状案内ブロックがスライドブロックの第一端面に設置されると共に、カム部におけるカム溝との接触端が半球形とされ、駆動ブロックがスライドブロックの第二端面に設置され、巻き胴における一方側の位置が円弧状凹溝に設置され、駆動ブロックが円弧状凹溝に摺動するように接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボット。
【請求項8】
揺動部は、揺動ブロック、第五ギア及び転回軸を含み、揺動ブロックが支持座の摺動溝に摺動するように接続され、第五ギアが揺動ブロックの一方側の位置に設置されると共に第五ギアがラックにかみ合うように転動され、転回軸が揺動ブロックにおける第二端面の中央位置に設置され、転回軸が軸受ブロックに転回するように接続され、転回軸の軸線と揺動滑車の滑車とは、接線が重なり合う、ことを特徴とする請求項1に記載の運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボット。
【請求項9】
踏み板接続フレームは、支持アームと支持板を含み、支持アームと支持板が垂直的に設置され、支持アームは、末端に貫通穴が設置され軸線補償手段の軸受に接続され、支持板における四つの隅部に溝穴が設けられ、ロープは、溝穴を介して支持板に接続され、転回フレームは、両側の末端位置に空心柱体が対称的に設置され、移動座にソリッド柱体が設置され、空心柱体の内側がソリッド柱体に転回しながら摺動するように接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボット。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボットの制御方法であって、
足部を踏み板に置き、包帯により踏み板に固定、つまみにより踏み板と転回フレームとの距離を調節し、足関節の軸線と転回フレームの転回軸線とが重なり合うようにして、腿部をバンドリングにより腿部装具と共に固定するステップS1と、
全体座標系と局所座標系とをそれぞれ作成し、両側の支柱の底部における接続線の中心点を原点Oとして全体座標系OXbYbZbを作成し、踏み板の半円の円心を座標原点Qとして局所座標系QXaYaZaを作成し、転回フレームの転回軸線と軸受の軸線との交差点を座標原点Pとして局所座標系PXYZを作成し、AiがロープLiと運動プラットフォームとの接続点であり、BiがロープLiと揺動滑車との接続点であり、そのうち、i=1、2、3、4、5、6である、ステップS2と、
局所座標系、及び、踏み板につき、X軸に対する回転角度α、Y軸に対する回転角度β、Z軸に対する回転角度γに基づいて、ZYXオイラー角により踏み板の姿勢を表現すると、局所座標系PXYZに対する局所座標系QXaYaZaの回転行列がPRQになるステップS3と、
幾何特性及びベクトル平行四角形に従って、各ロープの長さliをロープ接続点と座標点との間の関係により表現すると、具体的な表現式が
各パラメーター点をロープ長さliの表現式に代入すると、各ロープの長さと踏み板転回角度との間の具体的な関係値を取得するステップS5と、
踏み板が転回することに必要な角度に基づいて、計算により各モーターの転回角度を取得し、コントローラーにより、各モーターの転回角度を制御し、各ロープの伸縮を実現することにより、軸線に対する踏み板の転回を実現し、姿勢センサーにより踏み板の姿態データをリアルタイムで検知してコントローラーにフィードバックすることにより各モーターの伸縮量をリアルタイムで調整するステップS6と、を含む、ことを特徴とする運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボットの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動ロボットの技術分野に関し、特に、運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボット及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
足関節が運動をしている過程に損傷が発生してしまうということを避けるために、現在、数多くの足関節の運動ロボットが、固定される転回軸線に基づいて研究されている。生体の回転中心とロボットの回転中心とが合致するように実現することが難しい。足関節が運動をしている過程に、運動軸線が常に変化しているので、簡単な剛性等の効果により、人体運動軸線との重なり合いを実現することが難しい。また、剛性機構は、慣性による衝突が大きく、従順性が弱く、運動や訓練をしている過程に、剛性接続棒が、有害な衝突を生じやすい。
【0003】
中国特許出願であるCN201210555816.1は、下腿運動訓練に用いられる外骨格ロボット及びその運動制御方法を開示しており、ロボットは、支持バランスフレーム、外骨格機械腿、トレッドミル及び制御システムを含み、運動制御方法は、被動歩行運動モードと主動歩行運動モードをそれぞれ提供し、被動歩行運動モードでは、制御ロボットにより、操作者が特定の運動を完了し又は正確な生理学歩行姿態の軌跡に従って運動するように連動しており、主動歩行運動モードでは、間接的に修正が終わり、又は、自己適応コントローラーにより、操作者に望ましい歩行訓練軌跡が発生するまで、ロボットにより操作者に限った異常運動を抑制し、ロボットにより歩行運動に補助力や抵抗力をかけるという目的を間接的に実現する。しかしながら、同出願は、運動をしている過程に足関節に現れる変化に完全的に備えることができず、ロボットの運動軸線と生体運動軸線との重なり合いを完全に実現することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
故に、軸線を自動的に補償し、軸線を運動過程における変化に自己適応させる、運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボット及びその制御方法を提供することが必要になる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来技術に存在している問題に対しては、本発明が運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボット及びその制御方法を提供しており、両アーム機構とばねにより、足関節の運動軸線とロボットの運動軸向をあてはめるように実現し、運動をしている過程に損傷が発生してしまうということを避け、ロープ巻出・巻取手段により、モーターの転回角度に従ってロープの伸縮を正確に制御し、滑車偏向手段によりロープと滑車との摩擦を抑制し、ロープの方向を変えることが一層易くなり、各手段を互いに組み合わせることにより、足関節における背屈・底屈、内反・外反、内外旋を実現して、足関節の運動や訓練ができる。
【0006】
本発明は、軸線補償手段、ロープ巻出・巻取手段、滑車偏向手段、支持手段及びロープを含み、軸線補償手段は、支柱、固定部、両アーム機構、転回フレーム、ばね、踏み板接続フレーム、踏み板スライドレール、踏み板、つまみ及び姿勢センサーを含み、支柱が支持手段内に対称的に設置され、支柱の第一端面が支持手段の底板に接続され、固定部が支柱の第二端面に接続され、転回フレームは、両側に、共に、両アーム機構を介して、固定部に転回するように接続され、ばねの第一端が転回フレームに固定するように接続され、ばねの第二端が踏み板接続フレームの支持アームに転回するように接続され、踏み板接続フレームの支持板は、両側に、踏み板スライドレールが対称的に設置され、踏み板が踏み板スライドレールに摺動するように接続、つまみ、踏み板スライドレールを貫通して踏み板にネジ接続され、姿勢センサーが踏み板に接続され、ロープ巻出・巻取手段が底板に設置され、ロープ巻出・巻取手段は、モーター、巻き胴軸、巻き胴、第一ギア、ギアフレーム、第二ギア、ギア軸、第三ギア、カム部、第四ギア、案内棒及び同期ブロックを含み、巻き胴軸の第一回転軸が継手を介して、モーターの出力軸に接続され、巻き胴が巻き胴軸の案内軸に摺動するように接続され、巻き胴軸の第二回転軸が軸受座を介して底板に転回するように接続、第一ギアが巻き胴軸の第一回転軸に接続され、ギアフレームが巻き胴の一方側の位置に設置され、第二ギアがギア軸を介して、ギアフレームに転回するように接続されると共に、第二ギアが第一ギアにかみ合うように転動され、第三ギアがギア軸に接続され、カム部のカム軸がギアフレームに転回するように接続され、第四ギアがカム軸に接続されると共に第四ギアが第三ギアにかみ合うように転動され、案内棒がカム部の一方側の位置に設置され、案内棒の両端がギアフレームに接続され、同期ブロックのスライドブロックが案内棒に摺動するように接続され、同期ブロックの柱状案内ブロックがカム部のカム溝に摺動するように接続され、同期ブロックの駆動ブロックが巻き胴に摺動するように接続され、滑車偏向手段は、支持座、軸受ブロック、揺動部、揺動滑車、ラック、引きばね座及び引きばねを含み、軸受ブロックが支持座の第一端面に接続され、揺動部が軸受ブロックに転回するように接続され、揺動部が支持座の摺動溝に摺動するように接続され、揺動滑車が揺動部の中央位置に設置され、ラックがラック座を介して、支持座に設置されると共にラックがラック座に摺動するように接続され、ラックが揺動部にかみ合うように転動され、引きばねの第一端が引きばね座を介して、ラックに接続され、引きばねの第二端がラック座に接続される、運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボットを提供する。
【0007】
好ましくは、支持手段は、底板、フレームワーク、上面板、腿部フレーム、腿部装具及びユニバーサルホイールを含み、フレームワークの第一端面が底板の第一端面に接続され、上面板の第一端面がフレームワークの第二端面に接続され、腿部フレームが上面板の第二端面に接続され、腿部装具が腿部フレームに接続され、ユニバーサルホイールが底板における第二端面四つの隅部に設置される。
【0008】
好ましくは、両アーム機構は、アーム支持座、第一アーム、第二アーム、移動座及びダンパーを含み、アーム支持座が固定部に接続され、第一アームと第二アームとの第一端が共にアーム支持座に転回するように接続され、第一アームと第二アームとの第二端が共に移動座に転回するように接続され、第一アームと第二アームとが平行するように設置され、ダンパーの第一端がアーム支持座に転回するように接続され、ダンパーの第二端が移動座に転回するように接続される。
【0009】
好ましくは、滑車偏向手段、ロープ巻出・巻取手段及びロープは、それらの数が同じであり、底板における四つの隅部にそれぞれ四つのロープ巻出・巻取手段が設置され、少なくとも二つだけのロープ巻出・巻取手段が対称的に底板に斜め設置され、滑車偏向手段は、上面板に少なくとも四つだけ設置され、少なくとも二つの滑車偏向手段が底板に対称的に設置され、底板における四つの隅部に定滑車がさらに設置されており、少なくとも四つのロープの第一端が四つの隅部に位置するロープ巻出・巻取手段の巻き胴と巻かれ、四つのロープの第二端が順に定滑車を巻き回して上面板に位置する滑車偏向手段の揺動滑車と踏み板接続フレームの支持板に接続され、少なくとも二つのロープの第一端が、斜め手設置されているロープ巻出・巻取手段の巻き胴と巻かれ、二つのロープの第二端が底板に設置されている滑車偏向手段の揺動滑車と踏み板接続フレームの支持板に接続される。
【0010】
好ましくは、巻き胴軸は、回転盤、案内軸、第一回転軸及び第二回転軸を含み、案内軸は、円周に回って二つの回転盤間に分布し、第一回転軸と第二回転軸とが共に回転盤に接続され、回転盤、案内軸、第一回転軸及び第二回転軸は、それらの軸線が共に同じである。
【0011】
好ましくは、カム部は、カム、カム溝及びカム軸を含み、カム溝は、カムに回って設置され、カム軸がカムの両端に設置される。
【0012】
好ましくは、同期ブロックは、スライドブロック、柱状案内ブロック及び駆動ブロックを含み、柱状案内ブロックがスライドブロックの第一端面に設置されると共に、カム部におけるカム溝との接触端が半球形とされ、駆動ブロックがスライドブロックの第二端面に設置され、巻き胴における一方側の位置が円弧状凹溝に設置され、駆動ブロックが円弧状凹溝に摺動するように接続される。
【0013】
好ましくは、揺動部は、揺動ブロック、第五ギア及び転回軸を含み、揺動ブロックが支持座の摺動溝に摺動するように接続され、第五ギアが揺動ブロックの一方側の位置に設置されると共に第五ギアがラックにかみ合うように転動され、転回軸が揺動ブロックにおける第二端面の中央位置に設置され、転回軸が軸受ブロックに転回するように接続され、転回軸の軸線と揺動滑車の滑車とは、接線が重なり合う。
【0014】
好ましくは、踏み板接続フレームは、支持アームと支持板を含み、支持アームと支持板が垂直的に設置され、支持アームは、末端に貫通穴が設置され軸線補償手段の軸受に接続され、支持板における四つの隅部に溝穴が設けられ、ロープは、溝穴を介して支持板に接続され、転回フレームは、両側の末端位置に空心柱体が対称的に設置され、移動座にソリッド柱体が設置され、空心柱体の内側がソリッド柱体に転回しながら摺動するように接続される。
【0015】
本発明の第二態様によると、前記運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボットの制御方法であって、
足部を踏み板に置き、包帯により踏み板に固定、つまみにより踏み板と転回フレームとの距離を調節し、足関節の軸線と転回フレームの転回軸線とが重なり合うようにして、腿部をバンドリングにより腿部装具と共に固定するステップS1と、
全体座標系と局所座標系とをそれぞれ作成し、両側支柱底部における接続線の中心点を原点Oとして全体座標系OXbYbZbを作成し、踏み板の半円の円心を座標原点Qとして局所座標系QXaYaZaを作成し、転回フレームの転回軸線と軸受の軸線との交差点を座標原点Pとして局所座標系PXYZを作成し、AiがロープLiと運動プラットフォームとの接続点であり、BiがロープLiと揺動滑車との接続点であり、そのうち、i=1、2、3、4、5、6である、ステップS2と、
局所座標系、及び、踏み板につき、X軸に対する回転角度α、Y軸に対する回転角度β、Z軸に対する回転角度γに基づいて、ZYXオイラー角により踏み板の姿勢を表現すると、局所座標系PXYZに対する局所座標系QXaYaZaの回転行列がPRQになるステップS3と、
幾何特性及びベクトル平行四角形に従って、各ロープの長さliをロープ接続点と座標点との間の関係により表現すると、具体的な表現式が
各パラメーター点をロープ長さliの表現式に代入すると、各ロープの長さと踏み板転回角度との間の具体的な関係値を取得するステップS5と、
踏み板が転回することに必要な角度に基づいて、算出により各モーターの転回角度を取得し、コントローラーにより各モーターの転回角度を制御し、各ロープの伸縮を実現することにより、軸線に対する踏み板の転回を実現し、姿勢センサーにより踏み板の姿態データをリアルタイムで検知してコントローラーにフィードバックすることにより各モーターの伸縮量をリアルタイムで調整するステップS6と、を含む、運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボットの制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の特性と有益な効果が以下の通りである。
【0017】
本発明に係る運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボットは、軸線補償手段における両アーム機構により、運動軸線をリアルタイムで補償し、足関節の運動軸線とロボット的運動軸線をあてはめるように実現し、運動をしている過程において足関節に損傷が発生してしまうということを避けることができる。
【0018】
本発明に係る運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボットは、ロープ巻出・巻取手段により、動力を提供することにより、ロープが踏み板の転回を牽引し、慣性による衝突が小さくなり、腿部装具により人体腿部を固定し、各手段を互いに組み合わせることにより、足関節における背屈・底屈、内反・外反、内旋・外旋を実現して、足関節の運動や訓練が実現できる。
【0019】
本発明に係る運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボットは、ロープ巻出・巻取手段により、巻き胴が転回しながら移動するように実現し、ロープが巻き胴を均一で巻くことにより、ロープが巻くときに生じる振動によりロープに混乱が生じてしまうことを避け、モーターの転回角度に従ってロープの伸縮を正確で算出しながら制御することができる。
【0020】
本発明に係る運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボットは、滑車偏向手段により、駆動ロープが踏み板を転回させるときに、定滑車が適当的に転回し、ロープ方向を自己適応させ、ロープと滑車との摩擦を抑制し、ロープの方向を変えることが一層なりやすい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボットの構成全体を示すモード図である。
【
図2】本発明に係る軸線補償手段の構成を示すモード図である。
【
図3】本発明に係る両アーム機構の構成を示すモード図である。
【
図4】本発明に係るロープ巻出・巻取手段の構成を示すモード図である。
【
図5】本発明に係る滑車偏向手段を正面から示すモード図である。
【
図6】本発明に係る滑車偏向手段の構成を示すモード図である。
【
図7】本発明に係るロープ巻出・巻取手段の位置を示すモード図である。
【
図8】本発明に係る滑車偏向手段に力を受けられる分析を示すモード図である。
【
図9】本発明に係る全体に力を受けられる分析を示すモード図である。
【
図10】本発明に係る全体に力を受けられる分析を左側から示すモード図である。
【
図11】本発明に係る幾何モデルを示すモード図である。
【
図12a】本発明に係る各ロープと踏み板角度との変化グラフを示すモード図である。
【
図12b】本発明に係る各ロープと踏み板角度との変化グラフを示すモード図である。
【
図12c】本発明に係る各ロープと踏み板角度との変化グラフを示すモード図である。
【
図13a】本発明に係る各駆動ロープとX軸、Y軸に対する踏み板の複合運動との変化グラフを示すモード図である。
【
図13b】本発明に係る各駆動ロープとX軸、Y軸に対する踏み板の複合運動との変化グラフを示すモード図である。
【
図13c】本発明に係る各駆動ロープとX軸、Y軸に対する踏み板の複合運動との変化グラフを示すモード図である。
【
図13d】本発明に係る各駆動ロープとX軸、Y軸に対する踏み板の複合運動との変化グラフを示すモード図である。
【
図13e】本発明に係る各駆動ロープとX軸、Y軸に対する踏み板の複合運動との変化グラフを示すモード図である。
【
図13f】本発明に係る各駆動ロープとX軸、Y軸に対する踏み板の複合運動との変化グラフを示すモード図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の技術内容、構成特徴や達成しようとする目的と効果を明確に説明するためには、以下、明細書と共に図面を参照しながら、以下の通り、詳しく説明する。
【0023】
本発明が提供する運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボットは、
図1に示すように、軸線補償手段1、ロープ巻出・巻取手段2、滑車偏向手段3、支持手段4、定滑車5及びロープ6を含み、軸線補償手段1、ロープ巻出・巻取手段2、滑車偏向手段3、定滑車5及びロープ6は、共に、支持手段4に設置され、ロープ巻出・巻取手段2、滑車偏向手段3及び定滑車5は、軸線補償手段1の両側に対称的に設置される。支持手段4は、底板41、フレームワーク42、上面板43、腿部フレーム44、腿部装具45及びユニバーサルホイール46を含み、フレームワーク42における第一端面が底板41の第一端面に接続され、上面板43における第一端面がフレームワーク4の第二端面に接続され、腿部フレーム44が上面板43の第二端面に接続され、腿部装具45が腿部フレーム44に接続され、ユニバーサルホイール46が底板41における第二端面の四つの隅部に設置される。
【0024】
図2と
図3に示すように、軸線補償手段1は、支柱101、固定部102、両アーム機構103、転回フレーム104、ばね105、ばね座106、軸受107、係合リング108、踏み板接続フレーム109、踏み板スライドレール110、踏み板111、つまみ112及び姿勢センサー113を含み、支柱101は、支持手段4に対称的に設置され、支柱101の第一端面が支持手段4の底板41に接続され、固定部102が支柱101の第二端面に接続され、転回フレーム104は、両側に、共に、両アーム機構103を介して、固定部102に転回するように接続され、ばね105の第一端が転回フレーム104に固定するように接続され、ばね105の第二端がばね座106に接続され、ばね座106が軸受107と係合リング108とを介して、踏み板接続フレーム109の支持アーム1091に転回するように接続され、踏み板接続フレームの支持板は、両側に、踏み板スライドレールが対称的に設置され、踏み板スライドレール110が踏み板接続フレーム109における支持板1092の両側に対称的に設置され、踏み板111が踏み板スライドレール110に摺動するように接続され、つまみ112が踏み板スライドレール110を貫通して踏み板111にネジ接続され、姿勢センサー113が踏み板111に接続される。両アーム機構103は、アーム支持座1031、第一アーム1032、第二アーム1033、移動座1034及びダンパー1035を含み、アーム支持座1031が固定部102に接続され、第一アーム1032と第二アーム1033との第一端が共に、アーム支持座1031に転回するように接続され、第一アーム1032と第二アーム1033との第二端が共に、移動座1034に転回するように接続され、第一アーム1032と第二アーム1033とが平行するように設置され、ダンパー1035の第一端がアーム支持座1031に転回するように接続され、ダンパー1035の第二端が移動座1034に転回するように接続される。踏み板接続フレーム109は、支持アーム1091と支持板1092とを含み、支持アーム1091と支持板1092とが垂直に設置され、支持アーム1091は、末端に軸受107と接続される貫通穴が設置され、支持板1092における四つの隅部に溝穴が設けられ、ロープ6が溝穴を介して、支持板1092に接続される。転回フレーム104は、両側の末端位置に、空心柱体が対称的に設置され、移動座1034にソリッド柱体が設置され、空心柱体の内側がソリッド柱体に転回しながら摺動するように接続される。
【0025】
図4に示すように、ロープ巻出・巻取手段2は、底板41に設置される。ロープ巻出・巻取手段2は、モーターフレーム201、モーター202、巻き胴203、継手204、巻き胴205、軸受座206、第一ギア207、ギアフレーム208、第二ギア209、ギア軸210、第三ギア211、カム部212、第四ギア213、案内棒214及び同期ブロック215を含み、モーターフレーム201が支持手段4の底板41に接続され、モーター202の取り付け端がモーターフレーム201に接続され、巻き胴203の第一回転軸2033が継手204を介して、モーター202の出力軸に接続され、巻き胴205が巻き胴203の案内軸2032に摺動するように接続され、巻き胴の第二回転軸が軸受座を介して、底板に転回するように接続され、つまり、軸受座206が巻き胴203の第二回転軸2034に転回するように接続され、軸受座206の固定端が底板41に接続され、第一ギア207が巻き胴203の第一回転軸2033に接続され、ギアフレーム208が巻き胴205の一方側の位置に設置されると共に底板41に接続され、第二ギア209は、ギア軸210を介して、ギアフレーム208に転回するように接続されると共に第二ギア209が第一ギア207にかみ合うように転動され、第三ギア211がギア軸210に接続され、カム部212のカム軸2123がギアフレーム208に転回するように接続され、第四ギア213がカム軸2123に接続されると共に第四ギア213が第三ギア211にかみ合うように転動され、案内棒214がカム部212の一方側の位置に設置されると共に、案内棒214の両端がギアフレーム208に接続され、同期ブロック215のスライドブロック2151が案内棒214に摺動するように接続され、同期ブロック215の柱状案内ブロック2152がカム部212のカム溝2122に摺動するように接続され、同期ブロック215の駆動ブロック2153が巻き胴205に摺動するように接続される。巻き胴203は、回転盤2031、案内軸2032、第一回転軸2033及び第二回転軸2034を含み、案内軸2032が円周に回って二つの回転盤2031の間に分布され、第一回転軸2033と第二回転軸2034とが共に回転盤2031に接続され、回転盤2031、案内軸2032、第一回転軸2033及び第二回転軸2034は、それらの軸線が共に同じである。カム部212は、カム2121、カム溝2122及びカム軸2123を含み、カム溝2122は、カム2121に回って設置され、カム軸2123がカム2121の両端に設置される。同期ブロック215は、スライドブロック2151、柱状案内ブロック2152及び駆動ブロック2153を含み、柱状案内ブロック2152がスライドブロック2151の第一端面に設置されると共に、カム部212におけるカム溝2122との接触端が半球形とされ、駆動ブロック2153がスライドブロック2151の第二端面に設置され、巻き胴205は、一方側の位置に円弧状凹溝が設置され、駆動ブロック2153が円弧状凹溝に摺動するように接続される。
【0026】
図5と
図6に示すように、滑車偏向手段3は、支持座31、軸受ブロック32、揺動部33、揺動滑車34、ラック座35、ラック36、引きばね座37及び引きばね38を含み、軸受ブロック32が支持座31の中央位置に設置されると共に、軸受ブロック32が支持座31の第一端面に接続され、揺動部33の転回軸333が軸受ブロック32に転回するように接続され、揺動部33の揺動ブロック331が支持座31の摺動溝に摺動するように接続され、揺動滑車34が揺動部33における第一端面の中央位置に設置され、ラックがラック座を介して、支持座に設置され、つまり、ラック座35が支持座31の第一端面に対称的に設置され、ラック36がラック座35に摺動するように接続されると共に、ラック36が揺動部33の第五ギア332にかみ合うように転動され、引きばね座37がラック36の両端に対称的に設置され、引きばねの第一端が引きばね座を介して、ラックに接続され、つまり、引きばね38の第一端が引きばね座37に接続され、引きばね38の第二端がラック座35に接続される。揺動部33は、揺動ブロック331、第五ギア332及び転回軸333を含み、揺動ブロック331が支持座31の摺動溝に摺動するように接続され、第五ギア332が不完全ギアであり、第五ギア332が揺動ブロック331の一方側の位置に設置されると共に、第五ギアがラックにかみ合うように転動される。転回軸333は、揺動ブロック331における第二端面の中央位置に設置され、転回軸が軸受ブロックに転回するように接続され、転回軸333の軸線と揺動滑車34の滑車接線とが重なり合う。
【0027】
滑車偏向手段、ロープ巻出・巻取手段及びロープは、それらの数が同じであり、ロープ巻出・巻取手段2は、六つだけ設置され、底板における四つの隅部に、それぞれ、四つだけのロープ巻出・巻取手段が設置され、つまり、その四つのロープ巻出・巻取手段2が底板41における第一端面の四つの隅部に対称的に設置され、そのうち、少なくとも二つだけのロープ巻出・巻取手段2が底板41の第一端面に対称的に斜めで設置され。滑車偏向手段3は、六つだけ設置される。滑車偏向手段は、上面板に少なくとも四つだけ設置され、つまり、上面板43の第一端面に、そのうちの少なくとも四つだけ対称的に設置され、少なくとも二つだけの滑車偏向手段が底板41の第一端面に対称的に設置される。底板は、四つの隅部に、定滑車がさらに設置され、つまり、定滑車5が底板41における第一端面四つの隅部に設置される。ロープ6は、六つだけ設置され、そのうちの少なくとも四つだけのロープは、第一端が四つの隅部におけるロープ巻出・巻取手段2の巻き胴205を巻き、第二端が順に定滑車5を巻き回してから上面板に位置する滑車偏向手段3の揺動滑車34と踏み板接続フレーム109の支持板1092とに接続される。そのうち、少なくとも二つだけのロープは、第一端が、斜めで設置されているロープ巻出・巻取手段2の巻き胴205を巻き、第二端が底板41における滑車偏向手段3の揺動滑車34に巻き回すように設置され、踏み板接続フレーム109の支持板1092に接続される。
【0028】
図7に示すように、ロープ巻出・巻取手段 A 21、ロープ巻出・巻取手段B 22、ロープ巻出・巻取手段C 23、及び、ロープ巻出・巻取手段D 24は、底板41における第一端面の四つの隅部に対称的に設置されている四つのロープ巻出・巻取手段であり、ロープ巻出・巻取手段E 25、ロープ巻出・巻取手段F 26は、底板41における第一端面に対称的に斜めで設置されている二つのロープ巻出・巻取手段である。
【0029】
図8に示すように、Tiは、それぞれ、六つのロープの引き力であり、そのうち、i=1、2、3、4、5、6であり、Ti1が揺動滑車の転回軸線と平行するロープの分力、Ti2が揺動滑車の転回軸線と垂直する分力、F2がラック36に対する揺動部33の作用力、F3がラック36に対する引きばね38の作用力、Lが支持座31の中心線、θがロープと中心線Lとの間の夾角、Oが揺動部33の転回軸の円心である。ロープが偏向した場合には、揺動滑車34にロープの分力Ti1を受けられ、揺動滑車34がO点に回して偏向になり、揺動部33がラック36に対して作用力F2を発生し、ラック36がΔxだけ移転になり、左側引きばねが伸びる。フックの法則F=kΔxによるとわかるように、引きばねによる引き力F3が増える。ロープ6と中心線Lとの間の角度θが増えると、Ti1が増え、F2が増え、しかも、F2がF3よりも大きく、ラック36が左側に移動し、揺動滑車34がO点に回して時計回り偏向する。ロープ6と中心線Lとの間の角度θが大きい値から小さい値へ変えると、Ti1が小さくなり、F2が小さくなり、F3がF2よりも大きいことから、ラック36が向右に移動する。揺動部33の第五ギア332とラック36とのかみ合いにより、揺動部33がO点に回って反時計回りに転回し、揺動滑車34が反時計回りに転回し、揺動滑車34が常にロープ6の揺動方向と同じであるように保持する。
【0030】
図9と
図10に示すように、FGが人体足部の重力、FG1が人体足部の重力における踏み板111と平行する分力、FG2が踏み板111に対する人体足部の作用力、Fdがダンパー1035の抵抗力、Fd1が鉛直方向におけるダンパー1035の抵抗力の分力、Fd2が水平方向におけるダンパー1035の抵抗力の分力である。初期状態では、六つのロープの引き力Tiとダンパー1035の抵抗力Fdは、踏み板111に対する人体足部の圧力FGと釣り合うように保持する。足関節が運動している場合には、六つのロープの引き力Tiに変化が発生し、足関節の運動軸線が鉛直方向において上へ移転すると、ダンパー1035の抵抗力が小さくなり、移動座1034が上へ運動し、転回フレーム104の回転軸線が鉛直方向において上へ位移し、足関節の運動軸線と重なるようになる。足関節が背屈の運動をしている場合には、人体足部の重力FGに、踏み板111と平行する分力FG1が発生し、ばね105を圧縮して足関節の運動軸線を補償する。
【0031】
本発明における他の態様によると、運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボットの制御方法を
図11に示すように提供し、以下のステップを含む。
ステップS1は、足部を踏み板111に置き、包帯により踏み板111に固定し、つまみ112により踏み板111と転回フレーム104との距離を調節し、足関節軸線と転回フレーム104の転回軸線とが重なり合うようにして、腿部をバンドリングにより腿部装具45と共に固定する。
ステップS2は、それぞれ、全体座標系と局所座標系を作成し、両側の支柱101の底部における接続線の中心点を原点Oとして全体座標系OXbYbZbを作成し踏み板111の半円の円心を座標原点Qとして局所座標系QXaYaZaを作成し、転回フレーム104の転回軸線と軸受107の軸線との交点を座標原点Pとして局所座標系PXYZを作成しAiがロープLiと運動プラットフォームとの接続点であり、BiがロープLiと揺動滑車34との接続点であり、そのうち、i=1、2、3、4、5、6である。
ステップS3は、局所座標系、X軸に対する踏み板111の回転角度α、Y軸に対する踏み板111の回転角度β、Z軸に対する踏み板111の回転角度γに基づいて、ZYXオイラー角により、踏み板111の姿勢を表現すると、局所座標系PXYZに対する局所座標系QXaYaZaの回転行列がPRQになる。
ステップS4は、幾何特性とベクトル平行四角形とに従って、各ロープ長さliをロープ接続点と座標点との間の関係により表現すると、具体的な表現式が
ステップS5は、各パラメーター点をロープの長さliの表現式に代入すると、各ロープの長さと踏み板の転回角度との具体的な関係値を求めることができる。
ステップS6は、踏み板111が転回することに必要な角度に基づいてモーターの回転角度を算出し、コントローラーにより各モーターの転回角度を制御し各ロープの伸縮を実現することにより、軸線に対する踏み板111の転回をさらに実現する。踏み板111が軸線回りに回転している場合には、姿勢センサー113により、踏み板111の姿態データをリアルタイムで検知し、コントローラーにフィードバックし、各モーターの伸縮量をリアルタイムで調整するように実現する。
【0032】
好ましい形態では、
図12a~
図13fに示すように、
図12a~
図12cは、それぞれ、ロープの第一から第六までの長さが踏み板111における転回角度の変化に伴い伸縮を行うことを示すものであり、
図13a~
図13fは、それぞれ、X軸、Y軸に回り、足関節の背屈・底屈、内反・外反、内外旋の複合運動を行うとともに、Z軸に回り内転・外転が運動しない場合に、各ロープの長さが転回角度の変化に伴い変化することを示すものである。
【0033】
以下、実施例に基づいて本発明に係る運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボット及びその制御方法をさらに説明する。本発明に係る運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボットを使用する過程が以下の通りである。
【0034】
まず、使用者が調節可能チェアに座ると、使用者の足部を踏み板111に置き、包帯により踏み板111に固定し、つまみ112により踏み板111と転回フレーム104との距離を調節し、足関節軸線と転回フレーム104の転回軸線とが重なり合うようにし、使用者の腿部をバンドリングにより腿部装具45と共に固定する。
【0035】
使用者が背屈の運動をしている場合には、ロープ巻出・巻取手段C 23、ロープ巻出・巻取手段D 24におけるモーター202が回転することにより、巻き胴205が転回するようにし、巻き胴205が転回すると同時に、各ギアとカムとの組み合わせにより、巻き胴205が移動になり、ロープ6が巻き胴205を均一で巻き、ロープ巻出・巻取手段であるロープ巻出・巻取手段C 23、ロープ巻出・巻取手段D 24の巻き胴に巻かれたロープ6が収縮になり、それと同時に、ロープ巻出・巻取手段A 21、ロープ巻出・巻取手段B 22におけるモーター202が回転することにより巻き胴205が転回になり、ロープ巻出・巻取手段A 21、ロープ巻出・巻取手段B 22の巻き胴205に巻かれたロープ6が長く伸び、それと同時に、両アーム機構103におけるダンパー1035が伸縮を行うことにより、使用者の足関節の運動軸線に被動適用し、ロープ6の収縮や伸びと伴い、踏み板111が転回フレーム104の転回軸線回りに運動する。そして、使用者の足関節が背屈の運動を行い、同様に、使用者が底屈の運動を行う場合に、ロープ巻出・巻取手段A 21、ロープ巻出・巻取手段B 22、ロープ巻出・巻取手段C 23、ロープ巻出・巻取手段D 24におけるモーター202の回転方向が背屈の運動のほうと逆になる。
【0036】
使用者が内反の運動をしている場合には、ロープ巻出・巻取手段A 21、ロープ巻出・巻取手段D 24におけるモーター202が回転することにより、巻き胴205が転回になり、ロープ巻出・巻取手段A 21、ロープ巻出・巻取手段D 24の巻き胴205に巻かれたロープ6が収縮になり、ロープ巻出・巻取手段B 22、ロープ巻出・巻取手段C 23におけるモーター202が回転することにより、巻き胴205が転回になり、ロープ巻出・巻取手段B 22、ロープ巻出・巻取手段C 23の巻き胴205に巻かれたロープ6が長く伸び、それと同時に、ばね105が変形になり、使用者の足関節の運動軸線に被動適用し、ロープ6の収縮と伸びと伴い、踏み板111がばね座106回りに運動し、使用者の足関節が内反の運動を行い、同様に、使用者が外反の運動をしている場合に、ロープ巻出・巻取手段A 21、ロープ巻出・巻取手段B 22、ロープ巻出・巻取手段C 23、ロープ巻出・巻取手段D 24におけるモーター202の回転方向が内反の運動のほうと逆になる。
【0037】
使用者が内転の運動をしている場合には、ロープ巻出・巻取手段C 23、ロープ巻出・巻取手段F 26におけるモーター202が回転することにより、巻き胴205が転回になり、ロープ巻出・巻取手段C 23、ロープ巻出・巻取手段F 26の巻き胴205に巻かれたロープ6が収縮になり、ロープ巻出・巻取手段D 24、ロープ巻出・巻取手段E 25におけるモーター202が回転することにより、巻き胴205が転回になり、ロープ巻出・巻取手段D 24、ロープ巻出・巻取手段E 25の巻き胴205に巻かれたロープ6が長く伸び、それと同時に、ばね105が変形になり、使用者の足関節の運動軸線に被動適用し、ロープ6の収縮と伸びと伴い、ばね105により位置制限を行うことにより、使用者の足関節が内転の運動をするようにし、同様に、使用者が外転の運動をしている場合には、ロープ巻出・巻取手段C 23、ロープ巻出・巻取手段D 24、ロープ巻出・巻取手段E 25、ロープ巻出・巻取手段F 26におけるモーター202の回転方向が内転の運動のほうと逆になる。
【0038】
本発明に係る運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボットは、両アーム機構103とばね105により、足関節の運動軸線とロボットの運動軸向をあてはめるように実現し、足関節が運動をしている過程に損傷が発生してしまうということを避け、ロープ巻出・巻取手段により、モーター202の転回角度に従ってロープ6の伸縮を正確で制御するように実現し、滑車偏向手段3により、ロープ6と滑車との摩擦を抑制し、ロープ6の方向を変えることが一層なりやすく、各手段を互いに組み合わせることにより、足関節における背屈・底屈、内反・外反、内旋・外旋を実現して、足関節の運動や訓練が実現できる。
【0039】
以上に説明した実施例は、本発明における好ましい実施形態を説明したものに過ぎず、本発明の範囲を限定するためのものではなく、本発明の趣旨を超えない限り、当業者が本発明の技術手段について様々な変更や改良が可能であり、それらの変更や改良があれば、いずれも、本発明の特許請求の範囲による保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0040】
1 軸線補償手段
101 支柱
102 固定部
103 両アーム機構
1031 アーム支持座
1032 第一アーム
1033 第二アーム
1034 移動座
1035 ダンパー
104 転回フレーム
105 ばね
106 ばね座
107 軸受
108 係合リング
109 踏み板接続フレーム
1091 支持アーム
1092 支持板
110 踏み板スライドレール
111 踏み板
112 つまみ
113 姿勢センサー
2 ロープ巻出・巻取手段
21 ロープ巻出・巻取手段A
22 ロープ巻出・巻取手段B
23 ロープ巻出・巻取手段C
24 ロープ巻出・巻取手段D
25 ロープ巻出・巻取手段E
26 ロープ巻出・巻取手段F
201 モーターフレーム
202 モーター
203 巻き胴
2031 回転盤
2032 案内軸
2033 第一回転軸
2034 第二回転軸
204 継手
205 巻き胴
206 軸受座
207 第一ギア
208 ギアフレーム
209 第二ギア
210 ギア軸
211 第三ギア
212 カム部
2121 カム
2122 カム溝
2123 輪軸
213 第四ギア
214 案内棒
215 同期ブロック
2151 スライドブロック
2152 柱状案内ブロック
2153 駆動ブロック
3 滑車偏向手段
31 支持座
32 軸受ブロック
33 揺動部
331 揺動ブロック
332 第五ギア
333 転回軸
34 揺動滑車
35 ラック座
36 ラック
37 引きばね座
38 引きばね
4 支持手段
41 底板
42 フレームワーク
43 上面板
44 腿部フレーム
45 腿部装具
46 ユニバーサルホイール
5 定滑車
6 ロープ
【要約】
本発明は、運動軸線を自己適応させる足関節の運動ロボット及びその制御方法を提供ており、運動ロボットの分野に関し、運動ロボットは、軸線補償手段、ロープ巻出・巻取手段、滑車偏向手段、支持手段、定滑車及びロープを含み、軸線補償手段、ロープ巻出・巻取手段、滑車偏向手段、定滑車和ロープは、いずれも、支持手段に設置され、ロープ巻出・巻取手段、滑車偏向手段及び定滑車は、共に、軸線補償手段の両側に対称的に設置される。本発明では、両アーム機構とばねにより、足関節の運動軸線とロボットの運動軸向をあてはめるように実現し、運動過程において損害が発生してしまうことを避けることができ、ロープ巻出・巻取手段により、モーターの転回角度に基づいてロープの伸縮を正確で制御するように実現し、滑車偏向手段によりロープと滑車との摩擦を抑制、ロープ方向の変更がなりやすく、各手段を互いに組み合わせることにより足関節の各種の運動を実現することができる。
【選択図】
図1