(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】フレーム構造体
(51)【国際特許分類】
A47B 96/14 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
A47B96/14 C
A47B96/14 D
A47B96/14 F
(21)【出願番号】P 2019085548
(22)【出願日】2019-04-26
【審査請求日】2022-04-11
【審判番号】
【審判請求日】2023-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【氏名又は名称】柳野 隆生
(72)【発明者】
【氏名】山下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】井ノ本 武
【合議体】
【審判長】渋谷 知子
【審判官】蔵野 いづみ
【審判官】三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-125954(JP,A)
【文献】特開2006-129994(JP,A)
【文献】特開2004-197558(JP,A)
【文献】実開平2-64611(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 47/02
A47B 47/04
A47B 91/00
A47B 96/14
A47F 5/00
A47F 5/01
A47F 5/04-5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸心と直交する断面視で略矩形に形成されるとともに所定の間隔を空けて立設される複数の支柱と、隣接する前記支柱において対向する内側面の上端部を互いに連結する連結杆と、を備えたフレーム構造体であって、
前記支柱において前記内側面と直交する一側面には、前記支柱を支持するとともに前記一側面と交差する方向に延出される支持部材を取付け可能な取付部が前記支柱の長手方向に沿って設けられるとともに、前記支柱に組付けられるとともに前記一側面と交差する方向に延出される係止部材を係止可能な複数の係止孔が、前記支柱の長手方向に沿って、少なくとも前記取付部及び前記支持部材よりも隣接する前記支柱の側に開口され
、
前記支柱の前記一側面において、前記取付部は前記係止孔の開口面よりも突出して設けられ、
前記支柱には、隣接する前記支柱との間隙を被覆する化粧パネルが設けられ、
前記化粧パネルの表面は前記係止孔の前記開口面よりも突出する位置に配置され、
前記係止孔は、前記取付部と前記化粧パネルとの間の空間に露出する、フレーム構造体。
【請求項2】
前記取付部において前記支持部材を取付ける取付面と前記化粧パネルの表面とが同一面上に配置される、請求項1に記載のフレーム構造体。
【請求項3】
少なくとも一本の前記支柱における前記一側面には、複数の前記係止孔が、前記取付部及び前記支持部材よりも隣接する前記支柱の側、及び、隣接する前記支柱の反対側に、前記支柱の長手方向に沿って開口される、
請求項1又は請求項2に記載のフレーム構造体。
【請求項4】
前記支柱において前記一側面と背向する他側面には、前記一側面と対称形状となるように前記取付部及び前記係止孔が設けられる、請求項1から請求項3の何れか1項に記載のフレーム構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフレーム構造体に関し、詳細には支柱に対して支持部材及び係止部材を取付け可能に構成したフレーム構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の支柱の上端部を連結杆で連結した構成のフレーム構造体において、支柱に棚板等を係止する構成が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。これらの特許文献に記載のフレーム構造体において、支柱には複数の係止孔が開口される。そして、この係止孔に係止された係止板に脚体を固定することにより、支柱が支持される。また、前記特許文献には、側面パネルや、棚板を載置するためのブラケットを係止孔に係止する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-86535号公報
【文献】特開2008-86539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献に記載のフレーム構造体においては、支柱に開口した係止孔を用いて脚体、側面パネル、ブラケット等の部材を支柱に組付ける構成としている。しかし、これらの部材を支柱に組付ける際に係止孔を共有して用いるため、同じ係止孔を用いる場合に部材が互いに干渉して取付けられない場合があった。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、支持部材及び係止部材を支柱に対して互いに干渉しないように取付可能とすることにより、支持部材及び係止部材の配置の自由度を向上させることができる、フレーム構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、以下に構成するフレーム構造体を提供する。
【0007】
(1)軸心と直交する断面視で略矩形に形成されるとともに所定の間隔を空けて立設される複数の支柱と、隣接する前記支柱において対向する内側面の上端部を互いに連結する連結杆と、を備えたフレーム構造体であって、前記支柱において前記内側面と直交する一側面には、前記支柱を支持するとともに前記一側面と交差する方向に延出される支持部材を取付け可能な取付部が前記支柱の長手方向に沿って設けられるとともに、前記支柱に組付けられるとともに前記一側面と交差する方向に延出される係止部材を係止可能な複数の係止孔が、前記支柱の長手方向に沿って、少なくとも前記取付部及び前記支持部材よりも隣接する前記支柱の側に開口され、前記支柱の前記一側面において、前記取付部は前記係止孔の開口面よりも突出して設けられ、前記支柱には、隣接する前記支柱との間隙を被覆する化粧パネルが設けられ、前記化粧パネルの表面は前記係止孔の前記開口面よりも突出する位置に配置され、前記係止孔は、前記取付部と前記化粧パネルとの間の空間に露出する、フレーム構造体。
【0008】
(2)前記取付部において前記支持部材を取付ける取付面と前記化粧パネルの表面とが同一面上に配置される、(1)に記載のフレーム構造体。
【0009】
(3)少なくとも一本の前記支柱における前記一側面には、複数の前記係止孔が、前記取付部及び前記支持部材よりも隣接する前記支柱の側、及び、隣接する前記支柱の反対側に、前記支柱の長手方向に沿って開口される、(1)又は(2)に記載のフレーム構造体。
【0010】
(4)前記支柱において前記一側面と背向する他側面には、前記一側面と対称形状となるように前記取付部及び前記係止孔が設けられる、(1)から(3)の何れか一に記載のフレーム構造体。
【発明の効果】
【0011】
以上における本発明に係るフレーム構造体は、以下に示す効果を奏する。
【0012】
(1)の構成によれば、支持部材及び係止部材を支柱に対して互いに干渉しないように取付可能なため、支持部材及び係止部材の配置の自由度を向上させることができる。また、取付部及び化粧パネルにより係止孔が視認されにくくすることができるため、フレーム構造体の意匠性を向上させることができる。
【0013】
(2)の構成によれば、取付部及び化粧パネルにより係止孔が視認されにくくすることができるため、フレーム構造体の意匠性を向上させることができる。
【0014】
(3)の構成によれば、一本の支柱に対して係止片が二列で設けられた係止部材を安定して係止でき、また、支柱が3本以上のフレーム構造体を構成した場合に、間の支柱に支持部材を取付け、支持部材の両側それぞれに係止部材を係止できる。
【0015】
(4)の構成によれば、フレーム構造体の背側にも支持部材及び係止部材を取付可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施形態に係るフレーム構造体を示した斜視図。
【
図3】フレーム構造体の第一実施例を示した斜視図。
【
図4】フレーム構造体の第一実施例を示した分解斜視図。
【
図5】側板パネルの上部とブラケットとを支柱に組付ける状態を示した斜視図。
【
図6】側板パネルの上部と支柱との組付構成を示した側面断面図。
【
図7】側板パネルの上部と支柱との組付構成を示した正面断面図。
【
図8】側板パネルの下部を支柱に組付ける状態を示した斜視図。
【
図9】側板パネルの下部と支柱との組付構成を示した側面断面図。
【
図10】(a)は支柱の断面図、(b)は支柱に側板パネルを組付けた状態の平面図。
【
図11】第一安定脚及び第二安定脚と支柱との組付構成を示した側面断面図。
【
図12】フレーム構造体の支柱に内カバー及び外カバーを組付けた状態を示した斜視図。
【
図13】支柱に対する内カバー及び外カバーの組付構成を示した分解斜視図。
【
図14】フレーム構造体の第二実施例を示した斜視図。
【
図15】サイドパネルを支柱に組付ける状態を示した斜視図。
【
図16】フレーム構造体の第三実施例を示した斜視図。
【
図17】フレーム構造体の第三実施例を示した分解斜視図。
【
図18】フレーム構造体を用いた第一構成例を示した斜視図。
【
図19】フレーム構造体を用いた第二構成例を示した正面側斜視図。
【
図20】フレーム構造体を用いた第二構成例を示した背面側斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[フレーム構造体F]
以下では
図1、
図2、及び
図10を用いて、本発明の一実施形態に係るフレーム構造体Fについて説明する。フレーム構造体Fは、
図3、
図14、
図16、及び、
図18から
図20に示す如く、側板パネル31、第一安定脚32、第二安定脚33、又は、袖パネル36等の支持部材で支持された状態で、棚板42及び棚板ブラケット41、サイドパネル43、背板45、ハンギングビーム46、又は、天板48を支持する天板ブラケット47等の係止部材が係止される枠体である。
【0018】
本実施形態において説明するフレーム構造体F、各種支持部材、各種係止部材、及び、その他の部材は、概ねスチール又はアルミ等の金属板を折り曲げたものが採用される。但し、各部材において適宜木製部材又は樹脂製部材等の他の素材を採用することも可能である。
【0019】
本実施形態に係るフレーム構造体Fは、所定の間隔を空けて立設される2本の棒体である支柱10・10と、支柱10・10の上端部を連結する連結杆21と、支柱10・10の下部を連結する幕板22と、を備える。なお、フレーム構造体の構成は上記に限定されるものではなく、3本以上の支柱10を2本以上の連結杆21と2個以上の幕板22とで連結する構成とすることも可能である(
図18から
図20を参照)。
【0020】
図1及び
図2に示す如く、連結杆21は隣接する支柱10・10において対向する内側面の上端部にビス等の固定具を介して固定される。これにより、連結杆21は支柱10・10の上端部を互いに連結する。連結杆21は、連結本体21aと連結本体21aの上側に被せられる連結カバー21bとにより構成される。
【0021】
幕板22は隣接する支柱10・10において対向する内側面の下部にビス等の固定具を介して固定される。これにより、幕板22は支柱10・10の下部を互いに連結する。具体的には
図2に示す如く、幕板22の両端部に板厚の大きい平面視でコ字状の連結金具22aを溶接し、連結金具22aをビス等の固定具により支柱10に対して固定する。本実施形態においては、連結金具22aを介して幕板22を支柱10に組付けることにより、フレーム構造体Fの剛性を高める構成としている。また、幕板22の取付箇所となる支柱10は部分的に二重管となるように構成している。
【0022】
本実施形態に係るフレーム構造体Fにおいては、支柱10に対する幕板22(連結金具22a)の固定箇所の一部が第一安定脚32又は第二安定脚33の上端よりも下側に位置する(支柱10に対する幕板22の固定部分と安定脚の固定部分とが高さ方向で重なる)ように構成している(
図1及び
図3を参照)。これにより、第一安定脚32又は第二安定脚33の付け根部分に負荷が集中することを防止している。また、一般的な壁面コンセントを幕板22によって塞がないようにするため、
図2に示す如く幕板22の位置を下げることなく、連結金具22aのみを幕板22の下側に延出させて構成している。
【0023】
図10(a)に示す如く、支柱10は軸心と直交する断面視(水平断面視)で略矩形に形成される。支柱10は、断面視でC字状に屈曲された板材である支柱本体11・11が対向して接合されることにより筒状に形成される。
【0024】
支柱10において、連結杆21が固定される内側面と直交する一側面(
図10(a)における上下両側の面)には、取付部12が支柱10の長手方向に沿って設けられる。
図10(a)に示す如く、取付部12は断面視でC字状に屈曲された板材により形成される。取付部12は後述するように、支柱10を支持する支持部材を取付け可能に構成されている。なお、本実施形態において取付部12は支柱10の全長に亘って設けられているが、支柱10の長手方向における一部分のみに取付部12・12を設ける構成とすることも可能である。
【0025】
本実施形態において、支柱10の上端部(支柱本体11・11及び取付部12・12の上端部)には、支柱カバー23が被せられる。また、
図9及び
図11に示す如く、支柱10の下端部には支柱10を支持するための下端支持部材Hpが固定されている。
【0026】
支柱10において取付部12が設けられる一側面には、取付部12の両側に沿って複数の係止孔11a・11a・・・が開口されている。係止孔11a・11a・・・は後述するように、支柱10に組付ける係止部材を係止可能に構成されている。本実施形態においては
図10(a)に示す如く、取付部12は係止孔11aの開口面(
図10(a)における上下両側の面)から突出して設けられる。なお、係止孔11a・11a・・・を、取付部12に沿って連結杆21側(フレーム構造体Fの内側)のみに設ける構成とすることも可能である。
【0027】
本実施形態に係るフレーム構造体Fは
図10(a)及び(b)に示す如く、支柱10において互いに背向する両面(
図10(a)における上下両側の面)には、対称形状となるように取付部12及び係止孔11a・11a・・・が設けられる。
【0028】
[第一実施例]
以下、
図3から
図11を用いて、フレーム構造体Fの第一実施例について説明する。
図3及び
図4に示す如く、フレーム構造体Fには、支柱10・10、連結杆21、及び幕板22で形成される開口部を閉塞する化粧パネル24を組付けることができる。換言すれば、化粧パネル24は隣接する支柱10・10の間隙を被覆している。本実施形態においては、フレーム構造体Fの両面に二枚ずつ化粧パネル24が組付けられている。
図3及び
図4に示すフレーム構造体Fには、幕板22の下方に配線ダクト27を固定した状態で化粧パネル24を取付けている。
【0029】
化粧パネル24をフレーム構造体Fに組付ける際には、
図7及び
図10(b)に示す如く、フレーム構造体Fの内側面(支柱10において連結杆21が組付けられる面)に固定された係合部材11bに、化粧パネル24の係合孔24aを係合させる。
図10(b)中の二点鎖線Lで示す如く、フレーム構造体Fに化粧パネル24を取付けた際には、取付部12において支持部材を取付ける取付面と化粧パネル24の表面とが同一面上に配置される。
【0030】
また、
図3及び
図4に示す如く、フレーム構造体Fの外側端部(支柱10において連結杆21が組付けられる面と背向する面)には外側カバー25を組付けることができる。外側カバー25をフレーム構造体Fに組付ける際には、
図6に示す如く、支柱10にネジ等の固定具を設けた状態で、外側カバー25に形成されたダルマ穴25aに固定具を挿入する。
【0031】
なお、フレーム構造体Fに化粧パネル24を取付けない場合は、
図12及び
図13に示す如く、フレーム構造体Fの内側面に内側カバー26を組付ける構成とすることができる。この場合、内側カバー26は支柱10に対して、接着剤、両面テープ又は面ファスナーによる接着、又は、ビス等の固定具による固定によって取付けられる。
【0032】
[支持部材]
図3及び
図4に示す如く、フレーム構造体Fにおける取付部12には、支柱10を支持する支持部材を取付けることができる。
図3には、左側に示す支柱10における取付部12に側板パネル31、右側に示す支柱10における一の取付部12に第一安定脚32、他の取付部12に第二安定脚33を支持部材として取付けた構成を示している。
【0033】
側板パネル31の上端部は取付部12に対して上側連結部材J1で固定される。同様に、側板パネル31の下端部は取付部12に対して下側連結部材J2で固定される。
図5から
図7に示す如く、側板パネル31の上端部を取付部12に対して固定する際には、側板パネル31の側端面を取付部12に当接させる。そして、上側連結部材J1の固定片を側板パネル31の固定孔31aに係止した状態で、ネジ等の固定具を用いて上側連結部材J1を支柱10に固定する。
【0034】
一方、
図8及び
図9に示す如く、側板パネル31の下端部を取付部12に対して固定する際には、ネジ等の固定具を用いて取付部12に下側連結部材J2を固定する。そして、側板パネル31の側端面を取付部12に当接させた状態で下側連結部材J2の上側に側板パネル31を載置し、ネジ等の固定具を用いて側板パネル31と下側連結部材J2とを連結する。
【0035】
このように、フレーム構造体Fには、上側連結部材J1及び下側連結部材J2を介して、支柱10の取付部12に取付けられる。即ち、フレーム構造体Fには、支持部材である側板パネル31が強固に組付けられている。なお、
図18に示す袖パネル36についても、側板パネル31と同じ構成でフレーム構造体Fに取付けられる。
【0036】
図11に示す如く、支柱10の取付部12には第一安定脚32が取付けられる。第一安定脚32には複数の係止片32aが形成される。そして、係止片32aを支柱10の係止孔11aに係止し、第一安定脚32を取付部12に対して当接させた状態で、第一安定脚32をボルト等の固定具を用いて支柱10に固定する。第一安定脚32の下部は第一固定部材R1を介して床面に固定される。なお、第一安定脚32に係止片32aを設けず、取付部12のみを用いて第一安定脚32を支柱10に固定する構成とすることも可能である。
【0037】
また、
図11に示す如く、支柱10における第一安定脚32の反対側の取付部12には第二安定脚32が取付けられる。第二安定脚32は取付部12に対して当接した状態でボルト等の固定具を用いて支柱10に固定される。第二安定脚32は、複数の係止片34aが形成された脚カバー34で覆われている。脚カバー34は、係止片34aが係止孔1a・11a・・・に係止されることにより、支柱10に組付けられる。第二安定脚33の下部は第二固定部材R2を介して床面に固定される。このように、フレーム構造体Fには、支持部材である第一安定脚32及び第二安定脚33が強固に組付けられている。
【0038】
[係止部材]
図3及び
図4に示す如く、フレーム構造体Fにおける係止孔11a・11a・・・には、支柱10に組付けられる係止部材が係止される。
図3には、棚板42を支持する棚板ブラケット41が係止部材として係止された構成を示している。なお、
図3では棚板42を3段で図示しているが、
図4では説明の便宜上、上段及び下段の棚板42及び棚板ブラケット41の図示を省略している。
【0039】
図5に示す如く、棚板ブラケット41には3個の係止片41aが形成されている。それぞれの係止片41aを係止孔11a・11a・・・に係止することにより、棚板ブラケット41は支柱10に組付けられる。係止片41aのうち、最上部に形成される係止片41aは上方に延出され、係止孔11aの上側で係止されるために、棚板ブラケット41が支柱10から離脱し難くなっている。棚板ブラケット41の下端部は折り曲げられて載置部41bが形成される。両側の支柱10・10に係止された棚板ブラケット41・41において、載置部41b・41bに棚板42が載置される。
【0040】
本実施形態において、フレーム構造体Fの下部に棚板42を設ける場合、棚板ブラケット41に代えて第一安定脚32で棚板42の一端部を支持する構成とすることができる。具体的には
図4及び
図11に示す如く、第一安定脚32には両側の側面に二個のスリット32b・32bが形成されている。そして、固定片35a・35aが形成された支持部材35を、固定片35a・35aをスリット32b・32bに係合させて第一安定脚32に組付ける。これにより、本実施形態においては棚板42の一端部を支持部材35で支持することができる。
【0041】
上記の如く、本実施形態に係るフレーム構造体Fにおいて、支柱10における一側面には、支柱10を支持する支持部材を取付け可能な取付部12が設けられるとともに、支柱10に組付ける係止部材を係止可能な複数の係止孔11a・11a・・・が取付部12に沿って開口される。このように、本実施形態においては支柱10に取付部12と係止孔11a・11a・・・を別に設けることにより、一本の支柱10における同一面に対して、支持部材及び係止部材を互いに干渉しないように取付けることが可能となる。即ち、支持部材及び係止部材の配置の自由度を向上させることができる。
【0042】
また、従来技術に係るフレーム構造体においては、机でフレーム構造体を支持する構造であったのに対し、本実施形態に係るフレーム構造体Fは、側板パネル13、第一安定脚32及び第二安定脚33等の支持部材によって安定的に支持する構成としている。即ち、本実施形態においては、支持部材及び係止部材のレイアウトの自由度を高めると同時に、机等の支持体を用いることなくフレーム構造体Fを強固に固定することを可能としている。
【0043】
また、本実施形態に係るフレーム構造体Fにおいては
図10aに示す如く、支柱10の一側面で、取付部12は係止孔11a・11a・・・の開口面よりも突出して設けられる。また、支柱10には、隣接する支柱10との間隙を被覆する化粧パネル24が設けられ、
図10(b)中の二点鎖線Lに示す如く、取付部12において支持部材を取付ける取付面と化粧パネル24の表面とが同一面上に配置される。このように、係止孔11a・11a・・・を取付部12及び化粧パネル24から奥に入り込んだ部分に位置させるとで、
図3に示す如く取付部12及び化粧パネル24により係止孔11a・11a・・・が視認されにくくすることができる。即ち、フレーム構造体Fの意匠性を向上させることができる。
【0044】
また、本実施形態に係るフレーム構造体Fは
図10(a)及び(b)に示す如く、支柱10において互いに背向する両面には、対称形状となるように取付部12及び係止孔11a・11a・・・が設けられる。これにより
図19及び
図20に示す如く、フレーム構造体Fの背側にも、表側と同様に支持部材及び係止部材を取付可能とすることができる。
【0045】
[第二実施例]
次に、
図14及び
図15を用いて、フレーム構造体Fの第二実施例について説明する。本実施例以降で説明する実施例において、フレーム構造体Fの基本的な構成は前記第一実施例と同様であるため、第一実施例に記載した構成は同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0046】
図14に示す如く、本実施例に係るフレーム構造体Fにおいては、両側の支柱10・10に第一安定脚32・32が組付けられる。そして、第一安定脚32・32の間にはデスク51が配置されている。両側の支柱10・10には、デスク51の両側を遮蔽するサイドパネル43・43が組付けられている。
【0047】
図15に示す如く、サイドパネル43の隅部における両面には、係止片44aが形成されたパネル支持部材44・44が組付けられる。そして、係止片44a・44aを係止孔11aに係止することにより、サイドパネル43は支柱10に組付けられる。即ち、本実施例においては、パネル支持部材44・44が組付けられたサイドパネル43が係止部材として支柱10に組付けられる。
【0048】
上記の如く、本実施形態に係るフレーム構造体Fにおいて、支柱10における一側面には、取付部12の両側に沿って、複数の係止孔11a・11a・・・が開口される。これにより、支柱10に対して係止片44a・44aが二列で設けられたサイドパネル43を係止部材として係止することができる。即ち、一本の支柱10に係止孔11a・11a・・・を二列で形成することにより、一個の係止部材を安定して係止することが可能となる。なお、サイドパネル43に係止片44a・44aを設けず、サイドパネル43を取付部12のみを用いて支柱10に固定する構成とすることも可能である。
【0049】
また、支柱10における取付部12の両側に沿って係止孔11a・11a・・・を開口することにより、支柱10が3本以上のフレーム構造体を構成した場合に、間の支柱10(連結杆21が2本連結されている支柱10)に支持部材を取付け、支持部材の両側それぞれに係止部材を係止する構成とすることが可能となる(
図19及び
図20を参照)。
【0050】
[第三実施例]
次に、
図16及び
図17を用いて、フレーム構造体Fの第三実施例について説明する。本実施例に係るフレーム構造体Fにおいては
図16に示す如く、第一実施例における化粧パネル24を設けずに、支柱10・10に対して、棚板ブラケット41・41及び棚板42の少し上方に背板45を組付けた構成としている。なお、
図16及び
図17において、フレーム構造体Fを支持する支持部材については図示を省略している。
【0051】
図17に示す如く、背板45の両端部には係止片45aが形成されている。そして、係止片45aを支柱10の係止孔11aに係止することにより、背板45は支柱10・10に組付けられる。即ち、本実施例においては、背板45が係止部材として支柱10に組付けられている。
【0052】
また、本実施例に係るフレーム構造体Fにおいては
図16に示す如く、支柱10・10に対して、モニタMを連結可能なハンギングビーム46を組付けた構成としている。
図17に示す如く、背板45の両端部には係止片46aが形成されている。そして、係止片46aを支柱10の係止孔11aに係止することにより、ハンギングビーム46は支柱10・10に組付けられる。即ち、本実施例においては、ハンギングビーム46が係止部材として支柱10に組付けられている。なお、ハンギングビーム46には、モニタMのほか、トレイ等のオプション類を係止することが可能である。
【0053】
また、本実施例に係るフレーム構造体Fにおいては
図16に示す如く、天板48を支持する天板ブラケット47が係止部材として係止される。
図17に示す如く天板ブラケット47には係止片47aが形成されている。それぞれの係止片47aを係止孔11a・11a・・・に係止することにより、天板ブラケット47は支柱10に組付けられる。両側の支柱10・10に係止された天板ブラケット47・47に天板48が載置される。天板48の中央前端部は支持脚49で支持される。
【0054】
上記の如く、本実施例に係るフレーム構造体Fにおいては、係止部材として、背板45、ハンギングビーム46、及び、天板ブラケット47等を支柱10に係止する構成としている。なお、フレーム構造体Fに化粧パネル24を設けた状態で、これらの係止部材を支柱10に係止する構成としても差し支えない。
【0055】
[フレーム構造体Fを用いた構成例]
次に、
図18から
図20を用いて、フレーム構造体Fを用いた各種構成例について説明する。
図18から
図20には何れも、四本の支柱10を3本の連結杆21で連結した構成のフレーム構造体Fを示している。なお、
図19と
図20は同じ第二構成例を前後それぞれの方向から見た斜視図である。
【0056】
図18に示す第一構成例では、フレーム構造体Fを構成する両端の支柱10のそれぞれに、支持部材として二枚の側板パネル31を連結し、さらに一枚の側板パネル31を90度変位させて連結している。これにより、フレーム構造体Fと六枚の側板パネル31で一つの大きな空間を構成している。フレーム構造体Fの裏面には支持部材として3枚の袖パネル36が組付けられる。
【0057】
第一構成例において、フレーム構造体Fを構成する中間の支柱10には支持部材として第一安定脚32が組付けられる。また、フレーム構造体Fには、係止部材として棚板42、モニタMが連結されたハンギングビーム46、天板48等が組付けられる。天板48の隣にはテーブル52が配置される。
【0058】
本構成例においては
図18に示すごとく、隣接する天板48・48の隙間(第一安定脚32が組付けられる支柱10の前側)に、不織布をプレスして形成したトレイ48aが設けられている。これにより、側板パネル31を設けない支柱10の前側に形成される、天板48・48の隙間のスペースを有効に活用することができる。なお、天板48の奥行寸法が
図18に記載の構成よりも大きい場合、トレイ48aを前後に二つ以上並べて配置することも可能である。
【0059】
図19及び
図20に示す第二構成例では、フレーム構造体Fを構成する支柱10のそれぞれに、二枚の側板パネル31を背向させて連結している。これにより、フレーム構造体Fと八枚の側板パネル31で六つの個別空間を構成している。
【0060】
図19に示す如く、正面側のそれぞれの個別空間にはデスク51が配置され、フレーム構造体Fには係止部材として棚板42が組付けられる。また、
図20に示す如く、背面側のそれぞれの個別空間において、フレーム構造体Fには係止部材として天板48が組付けられる。天板48は支持脚49により支持されている。
【0061】
本実施形態に係るフレーム構造体Fにおいては、支柱10における取付部12の両側に沿って係止孔11a・11a・・・を開口している。これにより、
図19及び
図20の第二構成例に示す如く、支柱10が3本以上のフレーム構造体を構成した場合に、間の支柱10(連結杆21が2本連結されている支柱10)に支持部材(側板パネル31)を取付け、支持部材の両側それぞれに係止部材(棚板42及び天板48)を係止する構成とすることが可能となる。このように、本実施形態に係るフレーム構造体Fにおいては、上記の第一~第三構成例に示す如く、フレーム構造体Fを用いてオフィス等の空間を多種多様にレイアウトすることが可能となる。
【0062】
なお、フレーム構造体Fを構成する支柱10において、取付部12の何れの側(連結杆21側のみの片側、又は、両側)に係止孔11aを開口するか、及び、支柱10の配置構成は、本明細書に記載した各実施形態及び各構成例に限定されるものではない。即ち、支柱10が2本のフレーム構造体Fの場合、取付部12の両側に係止孔11aを開口した支柱10を、0本、1本、又は2本の何れかとすることが可能である。また、支柱10が3本以上のフレーム構造体Fの場合であっても同様に、取付部12の両側に係止孔11aを開口した支柱10について、その本数及び設ける位置が限定されるものではない。
【0063】
また、3本以上の支柱10を備えるフレーム構造体Fの場合、少なくとも中間に位置する支柱10について、取付部12の両側に係止孔11aを開口したものを採用することで、棚板42やハンギングビーム46等の係止部材を支柱10の両側に支障なく係止することができる。換言すれば、3本以上の支柱10を備えるフレーム構造体Fにおいて中間に位置する支柱10には、係止部材を支柱10の両側に支障なく係止するという観点より、係止孔11aが取付部12の両側に開口された構成を採用することが望ましい。一方、当該フレーム構造体Fにおいて両端に位置する支柱10には、係止孔11aが取付部12における連結杆21側のみの片側に開口された構成、又は、係止孔11aが取付部12の両側に開口された構成、の何れを採用しても差し支えない。
【0064】
また、前述の如く、第一安定脚32又はサイドパネル43を支柱10の取付部12のみに固定する構成を採用した場合は、係止孔11aが取付部12における連結杆21側のみの片側に開口された支柱10、又は、係止孔11aが取付部12の両側に開口された支柱10の何れであっても、棚板42やハンギングビーム46等の係止部材を第一安定脚32又はサイドパネル43に隣接して係止することができる。
【符号の説明】
【0065】
10 支柱 11 支柱本体
11a 係止孔 11b 係合部材
12 取付部 21 連結杆
21a 連結本体 21b 連結カバー
22 幕板 22a 連結金具
23 支柱カバー 24 化粧パネル
24a 係合孔 25 外側カバー
25a ダルマ穴 26 内側カバー
27 配線ダクト 31 側板パネル
31a 固定孔 32 第一安定脚
32a 係止片 32b スリット
33 第二安定脚 34 脚カバー
34a 係止片 35 支持部材
35a 固定片 36 袖パネル
41 棚板ブラケット 41a 係止片
41b 載置部 42 棚板
43 サイドパネル 44 パネル支持部材
44a 係止片 45 背板
45a 係止片 46 ハンギングビーム
46a 係止片 47 天板ブラケット
47a 係止片 48 天板
48a トレイ 49 支持脚
51 デスク 52 テーブル
F フレーム構造体 J1 上側連結部材
J2 下側連結部材 Hp 下端支持部材
R1 第一固定部材 R2 第二固定部材
R2 第二固定部材 M モニタ