(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】有効期限管理装置、有効期限管理方法、及び有効期限管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20241217BHJP
【FI】
G06Q10/087
(21)【出願番号】P 2020210406
(22)【出願日】2020-12-18
【審査請求日】2023-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 翼
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-004287(JP,A)
【文献】特開2018-077621(JP,A)
【文献】特開2018-073291(JP,A)
【文献】特開2009-066985(JP,A)
【文献】特開2018-106420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部及び制御部を備え
、一定の養生期間を担保したものを出荷させる必要のある商品の有効期限を管理するための有効期限管理装置であって、
前記記憶部には、
得意先と納入先の組み合わせである向け先別及び商品別に、有効期限範囲を算出するためのデータを登録したマスタと、
商品の各在庫についての品質保証期限である製品別の有効期限を含む在庫情報と、
が格納されており、
前記制御部は、
向け先及び商品を含む受注情報を入力する受注入力手段と、
前記受注情報の向け先及び商品について、前記マスタを参照して有効期限範囲を算出し、前記在庫情報の対象の商品について、製品別の有効期限内でかつ算出した有効期限範囲内の在庫を引き当てる引当手段と、
を備え、
前記マスタの有効期限範囲を算出するためのデータは、起算日と、有効期限範囲を計算する単位と、有効期限範囲の上限及び下限を算出するための有効期限計算値を含み、
前記引当手段は、前記受注情報の向け先及び商品をキーとして、前記マスタから起算日と、有効期限範囲を計算する単位と、有効期限計算値を取得して、有効期限範囲を算出することを特徴とする有効期限管理装置。
【請求項2】
前記引当手段は、製品別の有効期限内でかつ算出した有効期限範囲内の在庫が複数ある場合は、最も古い製品別の有効期限の在庫を引き当てることを特徴とする請求項1に記載の有効期限管理装置。
【請求項3】
前記起算日は、出荷予定日又は着荷予定日であることを特徴とする請求項
1又は2に記載の有効期限管理装置。
【請求項4】
前記単位は、月数又は日数であることを特徴とする請求項
1~3のいずれか1つに記載の有効期限管理装置。
【請求項5】
制御部及び記憶部を備え
、一定の養生期間を担保したものを出荷させる必要のある商品の有効期限を管理するための有効期限管理装置が実行する有効期限管理方法であって、
前記記憶部には、
得意先と納入先の組み合わせである向け先別及び商品別に、有効期限範囲を算出するためのデータを登録したマスタと、
商品の各在庫についての品質保証期限である製品別の有効期限を含む在庫情報と、
が格納されており、
前記制御部において実行される、
向け先及び商品を含む受注情報を入力する受注入力工程と、
前記受注情報の向け先及び商品について、前記マスタを参照して有効期限範囲を算出し、前記在庫情報の対象の商品について、製品別の有効期限内でかつ算出した有効期限範囲内の在庫を引き当てる引当工程と、
を含
み、
前記マスタの有効期限範囲を算出するためのデータは、起算日と、有効期限範囲を計算する単位と、有効期限範囲の上限及び下限を算出するための有効期限計算値を含み、
前記引当工程では、前記受注情報の向け先及び商品をキーとして、前記マスタから起算日と、有効期限範囲を計算する単位と、有効期限計算値を取得して、有効期限範囲を算出することを特徴とする有効期限管理方法。
【請求項6】
制御部及び記憶部を備え、
一定の養生期間を担保したものを出荷させる必要のある商品の有効期限を管理するための有効期限管理装置に実行させるための有効期限管理プログラムであって、
前記記憶部には、
得意先と納入先の組み合わせである向け先別及び商品別に、有効期限範囲を算出するためのデータを登録したマスタと、
商品の各在庫についての品質保証期限である製品別の有効期限を含む在庫情報と、
が格納されており、
前記制御部
に、
向け先及び商品を含む受注情報を入力する受注入力工程と、
前記受注情報の向け先及び商品について、前記マスタを参照して有効期限範囲を算出し、前記在庫情報の対象の商品について、製品別の有効期限内でかつ算出した有効期限範囲内の在庫を引き当てる引当工程と、
を実行させるための有効期限管理プログラム
であり、
前記マスタの有効期限範囲を算出するためのデータは、起算日と、有効期限範囲を計算する単位と、有効期限範囲の上限及び下限を算出するための有効期限計算値を含み、
前記引当工程では、前記受注情報の向け先及び商品をキーとして、前記マスタから起算日と、有効期限範囲を計算する単位と、有効期限計算値を取得して、有効期限範囲を算出することを特徴とする有効期限管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効期限管理装置、有効期限管理方法、及び有効期限管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、化学メーカー等では、得意先及び納入先の組み合わせである向け先別に許容される有効期限が定められている。この場合、社内で設定した在庫情報としての有効期限に加えて、向け先別の有効期限を確認して出荷可能かを判断する必要がある。在庫の有効期限を管理するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、得意先と納入先の組み合わせである向け先別に商品の有効期限が定められている場合に、出荷業務を効率化することに関して何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、得意先と納入先の組み合わせである向け先別に商品の有効期限が定められている場合に、出荷業務を効率化することが可能な有効期限管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、記憶部及び制御部を備えた有効期限管理装置であって、前記記憶部には、得意先と納入先の組み合わせである向け先別及び商品別に、有効期限範囲を算出するためのデータを登録したマスタと、商品の各在庫についての品質保証期限である製品別の有効期限を含む在庫情報と、が格納されており、前記制御部は、向け先及び商品を含む受注情報を入力する受注入力手段と、前記受注情報の向け先及び商品について、前記マスタを参照して有効期限範囲を算出し、前記在庫情報の対象の商品について、製品別の有効期限内でかつ算出した有効期限範囲内の在庫を引き当てる引当手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記引当手段は、製品別の有効期限内でかつ算出した有効期限範囲内の在庫が複数ある場合は、最も古い製品別の有効期限の在庫を引き当てることにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記マスタの有効期限範囲を算出するためのデータは、起算日と、有効期限範囲を計算する単位と、有効期限範囲の上限及び下限を算出するための有効期限計算値を含み、前記引当手段は、前記受注情報の向け先及び商品をキーとして、前記マスタから起算日と、有効期限範囲を計算する単位と、有効期限計算値を取得して、有効期限範囲を算出することにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記起算日は、出荷予定日又は着荷予定日であることにしてもよい。
【0010】
前記単位は、月数又は日数であることにしてもよい。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための有効期限管理方法であって、前記記憶部には、得意先と納入先の組み合わせである向け先別及び商品別に、有効期限範囲を算出するためのデータを登録したマスタと、商品の各在庫についての品質保証期限である製品別の有効期限を含む在庫情報と、が格納されており、前記制御部において実行される、向け先及び商品を含む受注情報を入力する受注入力工程と、前記受注情報の向け先及び商品について、前記マスタを参照して有効期限範囲を算出し、前記在庫情報の対象の商品について、製品別の有効期限内でかつ算出した有効期限範囲内の在庫を引き当てる引当工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための有効期限管理プログラムであって、前記記憶部には、得意先と納入先の組み合わせである向け先別及び商品別に、有効期限範囲を算出するためのデータを登録したマスタと、商品の各在庫についての品質保証期限である製品別の有効期限を含む在庫情報と、が格納されており、前記制御部において、向け先及び商品を含む受注情報を入力する受注入力工程と、前記受注情報の向け先及び商品について、前記マスタを参照して有効期限範囲を算出し、前記在庫情報の対象の商品について、製品別の有効期限内でかつ算出した有効期限範囲内の在庫を引き当てる引当工程と、を実行させるための有効期限管理プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、得意先と納入先の組み合わせである向け先別に商品の有効期限が定められている場合に、出荷業務を効率化することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施の形態に係る有効期限管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、納入条件マスタの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態に係る有効期限管理装置の制御部の全体の処理の流れを説明するためのフローを示す図である。
【
図4】
図4は、本実施の形態に係る有効期限管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、本実施の形態に係る有効期限管理装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施の形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
例えば、化学メーカー等では、商品の品質保証期限である有効期限に加えて、得意先と納入先の組み合わせである向け先別に許容される有効期限範囲が定められることがある。
【0017】
具体的には、例えば、向け先については、取引している得意先は同じでも、商品を納品する場所(納入先)が異なる場合があり、納入先毎に異なる有効期限範囲を設定する場合がある。例えば、得意先が「○○商事」で、その納入先が「△△営業所」、「□□支店」、「××倉庫」等であり、各納入先で異なる有効期限範囲が設定される場合がある。
【0018】
このような場合において、商品の在庫を出荷する場合に、品質保証期限である製品別の有効期限に加えて、向け先別の有効期限範囲を判断して出荷可能かを判断する必要がある。
【0019】
しかしながら、従来、在庫情報としての製品別の有効期限と向け先別に出荷可能な有効期限範囲が分かれて管理されているため、出荷する商品の選定に時間を要するという課題があった。また、最も古いものから先入先出ができておらず、滞留在庫(有効期限直前(期限切れも含む)を抱えてしまうという課題があった。
【0020】
そこで、本実施の形態では、得意先と納入先の組み合わせである向け先別に許容される商品の有効期限範囲が定められている場合に、出荷業務を効率化するために、在庫情報として管理する製品別の有効期限だけではなく、向け先別及び商品別に出荷可能な有効期限範囲をマスタで保持し、引当処理を自動化する。具体的には、本実施の形態では、(1)向け先別及び商品別に出荷可能な商品の有効期限範囲内の在庫を引き当て(出荷し)、(2)(1)を満たす在庫が複数ある場合は、有効期限が一番古い在庫を引き当てる(出荷する)。
【0021】
このように、引当の自動処理を実現することにより、出荷業務を効率化することが可能となる。また、向け先別の要件を満たしつつ、最も古いものから先入先出を実現し、無駄な滞留在庫を持たないようにすることが可能となる。
【0022】
本実施の形態は、商品を出荷する際に期限管理が必要な場合に広く適用可能であり、例えば、化学品(中間品や完成品を含む)、食品、化粧品、医薬品等の各種業界に適用可能である。なお、本明細書において、「有効期限」の用語は、「賞味期限」を含むものとして使用し、例えば、商品が「食品」の場合は、有効期限を賞味期限と置き換えるものとする。
【0023】
[2.構成]
図1を参照して、本実施の形態に係る有効期限管理装置の一例について説明する。
図1は、本実施の形態に係る有効期限管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図1において、有効期限管理装置100は、例えば、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、有効期限管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。有効期限管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。有効期限管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0024】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、有効期限管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、有効期限管理装置100とサーバ200等とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0025】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、および、マイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114として記載する場合がある。
【0026】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、および、ファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等を用いることができる。
【0027】
記憶部106は、納入条件マスタ106aと、在庫ファイル106bと、データファイル106cと、を備えている。
図2は、納入条件マスタ106aの構成例を示す図である。
【0028】
納入条件マスタ106aは、得意先と納入先の組み合わせである向け先別及び商品別に、有効期限範囲を算出するためのデータを登録するためのマスタである。納入条件マスタ106aは、例えば、
図2に示すように、向け先別(得意先、納入先)、商品、起算日(出荷予定日又は着荷予定日)、有効期限計算単位(月数又は日数)、有効期限計算値(下限、上限)のデータを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。「起算日」は、出荷予定日又は着荷予定日である。「有効期限計算単位」は、有効期限範囲の下限~上限を指定する単位を規定するものであり、月数又は日数で規定する。ここで、有効期限を範囲指定(下限だけでなく上限も指定)できるようにしているのは、例えば、完成したての場合は成分が不安定である等、向け先によってはそれを嫌がり、一定の養生期間を担保したものを出荷させる必要があるためである。
【0029】
図2に示す例では、得意先「A商事」、納入先「P倉庫」、商品「X製品」、起算日「着荷予定日」、有効期限計算単位「月数」、有効期限計算値(下限)「2」、有効期限計算値(上限)「6」となっている。
【0030】
在庫ファイル106bは、在庫情報を格納するためのファイルである。在庫情報は、例えば、商品、ロット番号、製造日、各在庫の品質保証期限である製品別の有効期限(例えば、製造日から所定期間とすることができる)のデータを含んでいてもよい。
【0031】
データファイル106cは、受注情報等の各種データを格納するためのファイルである。受注情報は、例えば、受注番号、向け先(得意先、納入先)、商品、受注数、出荷予定日、着荷予定日等のデータを含んでいてもよい。
【0032】
図1に戻り、制御部102は、有効期限管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、在庫管理部102aと、受注入力部102bと、引当処理部102cと、マスタメンテ部102dと、画面表示制御部102eと、を備えている。
【0033】
在庫管理部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上でのオペレータの操作等に応じて、在庫情報の入力や更新を行って、在庫ファイル106bに対して在庫情報の登録や更新を行う。
【0034】
受注入力部102bは、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上でのオペレータの操作に応じて、受注情報の入力や更新を行って、データファイル106cに対して受注情報の登録や更新を行う。
【0035】
引当処理部102cは、受注情報の向け先及び商品について、納入条件マスタ106aを参照して有効期限範囲を算出し、在庫情報の対象の商品について、製品別の有効期限内でかつ算出した有効期限範囲内の在庫の自動引当を行う。引当処理部102cは、製品別の有効期限内でかつ算出した有効期限範囲内の在庫が複数ある場合は、最も古い製品別の有効期限の在庫を引き当てることにしてもよい。
【0036】
納入条件マスタ106aの有効期限範囲を算出するためのデータは、起算日と、有効期限範囲を計算する有効期限計算単位と、有効期限範囲の下限及び上限を算出するための有効期限計算値を含み、引当処理部102cは、受注情報の向け先及び商品をキーとして、納入条件マスタ106aから起算日と、有効期限計算単位と、有効期限計算値を取得して、有効期限範囲を算出することにしてもよい。また、起算日は、出荷予定日又は着荷予定日であることにしてもよい。また、有効期限計算単位は、月数又は日数であることにしてもよい。
【0037】
マスタメンテ部102dは、例えば、モニタ112に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータの操作に応じて、納入条件マスタ106aに対するデータの入力・追加・変更等の編集を行うためのものである。
【0038】
画面表示制御部102eは、例えば、モニタ112に表示する各種画面(例えば、入力画面やマスタメンテ画面等)の表示及びその入力の受付を制御する。
【0039】
[3.具体例]
本実施の形態に係る有効期限管理装置100の処理の具体例について、
図1~
図5を参照して説明する。
図3は、本実施の形態に係る有効期限管理装置100の全体の処理の流れを説明するためのフローを示す図である。
図4及び
図5は、本実施の形態に係る有効期限管理装置100の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【0040】
図3を参照して、本実施の形態に係る有効期限管理装置100の全体の処理の流れを説明する。
図3において、マスタメンテ部102dは、マスタメンテ処理を実行する(ステップS1)。具体的には、マスタメンテ処理では、マスタメンテ部102dは、例えば、モニタ112に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータの操作に応じて、納入条件マスタ106aに対してデータを設定する。
【0041】
受注入力部102bは、受注入力処理を実行する(ステップS2)。具体的には、受注入力処理では、受注入力部102bは、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上でのオペレータの操作に応じて、受注情報を入力して、データファイル106cに登録する。
【0042】
引当処理部102cは、引当処理を実行する(ステップS3)。具体的には、引当処理では、受注情報の向け先及び商品について、納入条件マスタ106aを参照して有効期限範囲を算出し、在庫情報の対象の商品について、製品別の有効期限内でかつ算出した有効期限範囲内の在庫の自動引当を行う。また、引当処理部102cは、製品別の有効期限内でかつ算出した有効期限範囲内の在庫が複数ある場合は、最も古い製品別の有効期限の在庫を引き当てることにしてもよい。
【0043】
つぎに、
図4及び
図5を参照して、本実施の形態に係る有効期限管理装置100の制御部の処理の具体例を説明する。
【0044】
(マスタメンテ処理)
マスタメンテ部102dは、例えば、モニタ112に表示される不図示のマスタメンテ画面上でのオペレータの操作に応じて、納入条件マスタ106aに対してデータを設定する。
【0045】
図4(A)に示す納入条件マスタ106aの例では、得意先「A商事」、納入先「P倉庫」、商品「X製品」、起算日「着荷予定日」、有効期限計算単位「月数」、有効期限計算値(下限)「2」、有効期限計算値(上限)「6」となっている。「起算日」は、出荷予定日又は着荷予定日である。「有効期限計算値」は、有効期限範囲(下限~上限)を指定する単位を規定するものであり、月数又は日数で規定する。
【0046】
つぎに、有効期限範囲(下限~上限)の算出ロジックについて説明する。
図4(B)は、有効期限計算単位が「月数」の場合を説明するための図である。起算日に有効期限計算値を月分加算した日付を有効期限範囲として算出する。起算日「2020/03/31」、有効期限計算単位「月数」、有効期限計算値(下限)「2」とした場合、起算日の「2020/03/31」に、有効期限計算値(下限)の「2」月を加算して、有効期限範囲(下限)「2020/05/31」とする。上限の場合も同様に加算する。
【0047】
図4(C)は、有効期限計算単位が「日数」の場合を説明するための図である。起算日に有効期限計算値を日数分加算した日付を有効期限範囲として算出する。起算日「2020/03/31」、有効期限計算単位「日数」、有効期限計算値(下限)「10」とした場合、起算日の「2020/03/31」に、有効期限計算値(下限)の「10」日を加算して、有効期限範囲(下限)「2020/04/10」とする。上限の場合も同様に加算する。
【0048】
(引当処理)
引当処理部102cは、受注情報の向け先及び商品について、納入条件マスタ106aを参照して向け先別及び商品別の有効期限範囲を算出し、在庫情報の対象の商品について、製品別の有効期限内でかつ算出した向け先別及び商品別の有効期限範囲内の在庫を引き当て、製品別の有効期限内でかつ算出した向け先別及び商品別の有効期限範囲内の在庫が複数ある場合は、最も古い有効期限の在庫を引き当てる。
【0049】
図5(A)に示す受注情報の例では、商品「X製品」、得意先「A商事」、納入先「P倉庫」、出荷予定日「2020/11/2」、出荷予定日「2020/11/6」となっている。
【0050】
図5(B)に示す納入条件マスタ106aの例では、得意先「A商事」、納入先「P倉庫」、商品「X製品」、起算日「着荷予定日」、有効期限計算単位「月数」、有効期限計算値(下限)「2」、有効期限計算値(上限)「6」となっている。
【0051】
この場合の得意先「A商事」、納入先「P倉庫」、商品「X製品」の有効期限範囲は、
図5(C)に示すようになる。具体的には、引当処理部102cは、受注情報の向け先「得意先「A商事」、納入先「P倉庫」」及び商品「X製品」をキーとして、納入条件マスタ106aから起算日「着荷予定日」、有効期限計算単位「月数」、有効期限計算値(下限)「2」、有効期限計算値(上限)「6」を取得する。引当処理部102cは、起算日である在庫情報の「着荷予定日2020/11/6」に、有効期限計算値(下限)の「2」月を加算して、有効期限範囲(下限)「2021/1/6」を算出し、また、起算日である在庫情報の「着荷予定日2020/11/6」に、有効期限計算値(上限)の「6」月を加算して、有効期限範囲(上限)「2021/5/6」を算出する。
【0052】
図5(D)に示す在庫情報の例では、1行目は、商品「X製品」、ロット番号「LOT001」、製造日「2020/7/15」、有効期限(製品別)「2020/10/15」、2行目は、商品「X製品」、ロット番号「LOT002」、製造日「2020/8/1」、有効期限(製品別)「2020/11/1」、3行目は、商品「X製品」、ロット番号「LOT003」、製造日「2020/9/3」、有効期限(製品別)「2020/12/3」となっている。
【0053】
4行目は、商品「X製品」、ロット番号「LOT004」、製造日「2020/10/12」、有効期限(製品別)「2021/1/12」、5行目は、商品「X製品」、ロット番号「LOT005」、製造日「2020/10/27」、有効期限(製品別)「2021/1/27」、6行目は、商品「X製品」、ロット番号「LOT006」、製造日「2020/11/2」、有効期限(製品別)「2021/2/2」となっている。
【0054】
引当処理部102cは、在庫情報について、製品別の有効期限内で、かつ、算出した向け先(得意先「A商事」、納入先「P倉庫」)及び商品「X製品」の有効期限範囲「2021/01/6」~「2021/05/6」内の在庫のうち、最も製品別の有効期限が古い在庫を引き当てる。
【0055】
1行目及び2行目は、製品別の有効期限切れ(不良品)のため、引当は不可である(出荷不可)。3行目は、向け先別及び商品別の有効期限範囲外のため、引当は不可である(出荷不可)。4行目~6行目は、製品別の有効期限内でかつ向け先別及び商品別の有効期限範囲内である。このうち、4行目は、有効期限(製品別)が「2021/1/12」であり、一番古い製品であるので、この在庫を引き当てる。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態によれば、得意先と納入先の組み合わせである向け先別及び商品別に、有効期限範囲を算出するためのデータを登録した納入条件マスタ106aと、向け先及び商品を含む受注情報を入力する受注入力部102bと、受注情報の向け先及び商品について、納入条件マスタ106aを参照して有効期限範囲を算出し、在庫情報の対象の商品について、製品別の有効期限内でかつ算出した有効期限範囲内の在庫を引き当てる引当処理部102cと、を備えているので、得意先と納入先の組み合わせである向け先別に商品の有効期限が定められている場合に、出荷業務を効率化することが可能となる。
【0057】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0058】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0059】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0060】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0061】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0062】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0063】
また、有効期限管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0064】
例えば、有効期限管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて有効期限管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部106などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
【0065】
また、このコンピュータプログラムは、有効期限管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0066】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0067】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0068】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0069】
また、有効期限管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、有効期限管理装置100は、当該情報処理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0070】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0071】
100 有効期限管理装置
102 制御部
102a 在庫管理部
102b 受注入力部
102c 引当処理部
102d マスタメンテ部
102e 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 納入条件マスタ
106b 在庫ファイル
106c データファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク