(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】アンテナ構造及び移動端末
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/12 20060101AFI20241217BHJP
H01Q 5/42 20150101ALI20241217BHJP
H01Q 21/28 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
H01Q1/12 Z
H01Q5/42
H01Q21/28
(21)【出願番号】P 2020502276
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(86)【国際出願番号】 CN2019120791
(87)【国際公開番号】W WO2021051648
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2020-01-17
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-19
(31)【優先権主張番号】201910882121.6
(32)【優先日】2019-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】王 静松
【合議体】
【審判長】高野 洋
【審判官】衣鳩 文彦
【審判官】上田 翔太
(56)【参考文献】
【文献】特開平3-263903(JP,A)
【文献】特開平8-23222(JP,A)
【文献】特開2004-208151(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0267697(US,A1)
【文献】国際公開第02/43183(WO,A1)
【文献】中国実用新案第2744003(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1アンテナと第2アンテナとを含み、
前記第1アンテナは、第1周波数帯域の信号を放射するために使用され、
前記第2アンテナは、第2周波数帯域の信号を放射するために使用され、前記第2周波数帯域の周波数は、前記第1周波数帯域の周波数より高く、
前記第2アンテナは、前記第1アンテナの上方に積層されており、
前記第1アンテナと前記第2アンテナは、いずれも平板形状をなし、
前記第1アンテナが位置する平面における前記第2アンテナの投影は、前記第1アンテナのいずれか1つの隅の位置に位置し、
第3周波数帯域の信号を放射するための第3アンテナをさらに含み、
前記第3周波数帯域の周波数は、前記第1周波数帯域の周波数より高く、
前記第3アンテナは、前記第1アンテナの上方に積層されており、且つ、前記第3アンテナと前記第2アンテナの前記第1アンテナが位置する平面における投影は、前記第1アンテナの異なる隅の位置に位置し且つ互いに重ならず、又は、各投影の少なくとも1つの辺が前記第1アンテナのいずれか1つの辺と重なり且つ2つの投影が互いに重ならない
ことを特徴とする移動端末用のアンテナ構造。
【請求項2】
前記第2アンテナの面積は、前記第1アンテナの面積よりも小さい
ことを特徴とする請求項1に記載の移動端末用のアンテナ構造。
【請求項3】
前記第2アンテナと前記第1アンテナとの間には、第1支持構造が設置されており、前記第1支持構造は、非導電性材料で形成されており、前記第1支持構造は、前記第2アンテナと前記第1アンテナとの間に一定の隙間を存在させるように用いられる
ことを特徴とする請求項1に記載の移動端末用のアンテナ構造。
【請求項4】
請求項1から請求項
3のいずれか1項に記載の移動端末用のアンテナ構造を含むことを特徴とする移動端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、アンテナ技術分野に関し、特に、アンテナ構造及び移動端末に関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術の発展に伴って、5G(第5世代移動通信技術)通信時代は到来している。
【0003】
5G通信の要求を満たすとともに4Gや3Gや2Gなどの周波数帯域との互換性を実現するために、移動端末におけるアンテナの数を増加させる必要がある。しかし、移動端末の薄型化に対するユーザの要求が変更されないことにより、移動端末の内部空間に限界があるので、アンテナの設計が困難になる。
【0004】
現在、移動端末におけるアンテナの空間利用率は低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の実施例は、関連技術において移動端末におけるアンテナの空間利用率が低いという技術問題を解決するために使用されるアンテナ構造及び移動端末を提供する。本発明の技術案は以下の通りである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施例の第1態様によれば、第1アンテナと第2アンテナとを含むアンテナ構造を提供し、
【0007】
前記第1アンテナは、第1周波数帯域の信号を放射するために使用され、
【0008】
前記第2アンテナは、第2周波数帯域の信号を放射するために使用され、前記第2周波数帯域の周波数は、前記第1周波数帯域の周波数よりも高く、
【0009】
前記第2アンテナは、前記第1アンテナの上方に積層されている。
【0010】
選択的に、前記第2アンテナの面積は、前記第1アンテナの面積よりも小さい。
【0011】
選択的に、前記第1アンテナが位置する平面における前記第2アンテナの投影は、前記第1アンテナのエッジ領域に位置する。
【0012】
選択的に、前記第2アンテナと前記第1アンテナとの間には、第1支持構造が設置されている。
【0013】
選択的に、前記アンテナ構造は、第3周波数帯域の信号を放射するための第3アンテナをさらに含み、前記第3周波数帯域の周波数は、前記第2周波数帯域の周波数よりも高く、
【0014】
前記第3アンテナは、前記第2アンテナの上方に積層されている。
【0015】
選択的に、前記第3アンテナの面積は、前記第2アンテナの面積よりも小さい。
【0016】
選択的に、前記第2アンテナが位置する平面における前記第3アンテナの投影は、前記第2アンテナのエッジ領域に位置する。
【0017】
選択的に、前記第3アンテナと前記第2アンテナとの間には、第2支持構造が設置されている。
【0018】
選択的に、前記アンテナ構造は、第3周波数帯域の信号を放射するための第3アンテナをさらに含み、前記第3周波数帯域の周波数は、前記第1周波数帯域の周波数よりも高く、
【0019】
前記第3アンテナは、前記第1アンテナの上方に積層されており、且つ、前記第3アンテナと前記第2アンテナは、前記第1アンテナの上方の異なる位置に設置されている。
【0020】
本開示の実施例の第2態様によれば、第1態様に係るアンテナ構造を含む移動端末を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本開示の実施例が提供する技術方案によれば、下記のような技術効果を奏することができる。
【0022】
第2アンテナを第1アンテナに積層することにより、アンテナの空間利用率を向上させ、アンテナのコストを削減し、アンテナの高集積化を実現し、さらに、アンテナのレイアウトをより柔軟にさせる。また、移動端末の他のハードウェアの利用空間を増加させ、移動端末システム全体の性能の最適化に便利である。
【0023】
理解するのは、上記の一般的な説明と後述する詳細な説明は、単に例示的で解釈的なものであり、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
ここでの図面は、明細書に併合されて本明細書の一部を構成し、本開示に合致する実施例を示し、明細書と一緒に本開示の原理を解釈する。
【
図1】本開示の一例示的な実施例で提供されたアンテナ構造の模式図である。
【
図2】本開示の他の例示的な実施例で提供されたアンテナ構造の模式図である。
【
図3】第2アンテナと第3アンテナが異なる層に位置する場合におけるアンテナ構造を例示的に示す平面模式図である。
【
図4】本開示の別の例示的な実施例で提供されたアンテナ構造の模式図である。
【
図5】第2アンテナと第3アンテナが同一層に位置する場合におけるアンテナ構造を例示的に示す平面模式図である。
【
図6】本開示の一例示的な実施例で提供された移動端末の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、例示的な実施例を詳しく説明し、その例示を図面に示す。以下の記載が図面に関わる場合、特に別の説明がない限り、異なる図面における同一符号は、同じ又は類似する要素を示す。以下の例示的な実施例に記載の実施形態は、本開示と一致する全ての実施形態を代表するものではない。逆に、それらは、特許請求の範囲に記載の本開示のある方面に一致する装置及び方法の例に過ぎない。
【0026】
図1は、本開示の一例示的な実施例で提供されたアンテナ構造の模式図である。
図1に示すように、当該アンテナ構造10は、第1アンテナ11と第2アンテナ12とを含むことができる。
【0027】
第1アンテナ11は、第1周波数帯域の信号を放射するために使用され、第2アンテナ12は、第2周波数帯域の信号を放射するために使用される。本開示の実施例において、第1周波数帯域と第2周波数帯域は、2つの異なる周波数帯域であり、ここで、第2周波数帯域の周波数は、第1周波数帯域の周波数よりも高い。例えば、第1周波数帯域の周波数範囲は[a,b]であり、第2周波数帯域の周波数範囲は[c,d]であり、第2周波数帯域の周波数が第1周波数帯域の周波数よりも高いことは、cがbよりも大きいことを指し、上記a、b、c、dはいずれも周波数値であり、それらの単位はヘルツ(Hz)であってもよい。
【0028】
選択的に、上記の第1周波数帯域は、非5G周波数帯域であり、当該非5G周波数帯域は、2G(第2世代移動通信技術)、3G(第3世代移動通信技術)及び4G(第4世代移動通信技術)無線電波の周波数範囲であり。ここで、4G周波数帯域の周波数範囲は、以下のような1880~1900MHz、2320~2370MHz及び2575~2635MHzの3つを含み、2G周波数帯域と3G周波数帯域の周波数は、4G周波数帯域の周波数よりも低い。
【0029】
選択的に、上記の第2周波数帯域は、5G周波数帯域におけるsub-6G周波数帯域(6GHz以下の周波数帯域、FR1周波数帯域とも呼ばれる)であり、当該5G周波数帯域は、5G無線電波の周波数範囲であり、sub-6G周波数帯域の周波数範囲は、450MHz~6000MHzである。上記の非5G周波数帯域に比べて、5G周波数帯域は、より広い周波数範囲をカバーし、即ち、5G周波数帯域は、非5G周波数帯域よりも高い。当該sub-6GHz周波数帯域は、sub-6Gアンテナにより受信又は送信される無線電波の周波数範囲である。勿論、他のいくつかの例において、上記の第2周波数帯域は、5G周波数帯域におけるミリ波の周波数帯域であってもよく、ミリ波の周波数帯域は、ミリ波の周波数範囲であり、ミリ波の周波数帯域の周波数範囲は、24.25GHz~52.6GHzであり、ミリ波の周波数帯域は、FR2周波数帯域とも呼ばれる。
【0030】
ここで、第2アンテナ12は、第1アンテナ11の上方に積層されている。選択的に、第1アンテナ11及び第2アンテナ12の形状は、両方とも平板形状をなし、その厚さは0.3~0.6mmである。なお、第1アンテナ11の厚さは、第2アンテナ12と同じであってもよいし、異なっていてもよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0031】
選択的に、第2アンテナ12の面積は、第1アンテナ11の面積よりも小さく、即ち、第2アンテナ12が第1アンテナ11の上方に積層されている場合、第1アンテナ11が信号を正常に受信又は送信するように確保するために、第2アンテナ12が第1アンテナ11を完全に遮蔽できないことを確保する必要がある。
【0032】
選択的に、第1アンテナ11が位置する平面における第2アンテナ12の投影は、第1アンテナ11のエッジ領域に位置する。当該エッジ領域は、第1アンテナ11においてアンテナの境界からの距離が一定の閾値未満である領域である。選択的に、当該閾値は、第1アンテナ11の平面サイズに基づいて確定され、例えば、第1アンテナ11の平面サイズが50*10mmである場合、第1アンテナ11の境界から2mm未満の領域はエッジ領域である。また、例えば、第1アンテナ11の平面サイズが100*20mmである場合、第1アンテナ11の境界から4mm未満の領域はエッジ領域である。選択的に、第2アンテナ12は、第1アンテナ11の隅の位置又はエッジ位置に設置され、本開示の実施例は、これについて限定しない。例えば、第1アンテナ11が長方形又は略長方形である場合、第1アンテナ11が位置する平面における第2アンテナ12の投影領域は、第1アンテナ11のいずれか1つの隅に近接する位置に位置してもよく、第1アンテナ11のいずれか1つの辺に近接する位置に位置してもよい。
【0033】
選択的に、
図1に示すように、第2アンテナ12と第1アンテナ11との間には、第1支持構造21が設置されている。第1支持構造21は、第2アンテナ12と第1アンテナ11との間に一定の隙間を存在させるためのものであり、2つのアンテナの信号間の干渉を回避することにより、信号を正常に受信又は送信することを確保する。第1支持構造21は、非導電性を有する。選択的に、第1支持構造21の作製材料は、ゴム、ガラス、ダイヤモンド又は非導電性金属などであってもよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。非導電性金属を例とすると、通常塗装、電気泳動塗装、静電塗装、流動床塗装、火炎溶射塗装などの方法により金属の表面に高分子絶縁コーティング層を形成することができ、酸化、不動態化、リン化などの方法により金属の表面に無機非金属絶縁層を形成することができる。
【0034】
また、第1支持構造21の形状は、円柱形状又は直方体形状などをなしてもよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。これ以外にも、本開示の実施例において、第1支持構造21の数又はサイズは、第1アンテナ11、第2アンテナ12のサイズ及び形状と相関し、いずれも実際の状況と合わせて設計することができ、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0035】
上記のように、本開示の実施例で提供される技術的案において、第2アンテナを第1アンテナに積層することにより、アンテナの空間利用率を向上させ、アンテナのコストを削減し、アンテナの高集積化を実現し、さらに、アンテナのレイアウトをより柔軟にさせる。また、移動端末の他のハードウェアの利用空間を増加させ、移動端末システム全体の性能の最適化に便利である。
【0036】
図2は、本開示の他の例示的な実施例で提供されたアンテナ構造の模式図である。
図2に示すように、当該アンテナ構造10は、第1アンテナ11と、第2アンテナ12と、第3アンテナ13と、を含む。
【0037】
第1アンテナ11は、第1周波数帯域の信号を放射するために使用され、第2アンテナ12は、第2周波数帯域の信号を放射するために使用され、第3アンテナ13は、第3周波数帯域の信号を放射するために使用される。ここで、第2周波数帯域の周波数は、第1周波数帯域の周波数よりも高く、第3周波数帯域の周波数は、第2周波数帯域の周波数よりも高い。例えば、第1周波数帯域の周波数範囲は[a,b]であり、第2周波数帯域の周波数範囲は[c,d]であり、第3周波数帯域の周波数範囲は[e,f]である。第2周波数帯域の周波数が第1周波数帯域の周波数よりも高いことは、cがbよりも大きいことを指し、第3周波数帯域の周波数が第2周波数帯域の周波数よりも高いことは、eがdよりも大きいことを指す。上記のa、b、c、d、e、fは、いずれも周波数値であり、それらの単位はヘルツ(Hz)であってもよい。
【0038】
選択的に、上記の第1周波数帯域は、非5G周波数帯域、例えば2G、3G及び4G周波数帯域であり、第2周波数帯域は、5G周波数帯域におけるsub-6G周波数帯域であり、第3周波数帯域は、5G周波数帯域におけるミリ波の周波数帯域であり、当該ミリ波の周波数帯域は、ミリ波の周波数範囲であり、当該ミリ波は、波長が1~10mmの無線電波である。非5G周波数帯域、sub-6G周波数帯域及びミリ波の周波数帯域に関する説明は、上記の実施例を参照することができ、ここで詳細な説明を省略する。
【0039】
ここで、第2アンテナ12は、第1アンテナ11の上方に積層され、第3アンテナ13は、第2アンテナ12の上方に積層されている。選択的に、第3アンテナ13の形状は、平板形状をなし、その厚さは0.3~0.6mmである。なお、第1アンテナ11、第2アンテナ12、第3アンテナ13の厚さは、同じであってもよいし、異なっていてもよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。また、第2アンテナ12と第3アンテナ13の積層位置は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、第2アンテナ12は、第1アンテナ11の左上隅に積層され、且つ、第3アンテナ13は、第2アンテナ12の右上隅に積層されているか、又は、第2アンテナ12は、第1アンテナ11の左上隅に積層され、同様に、第3アンテナ13は、第2アンテナ12の左上隅に積層され、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0040】
選択的に、第3アンテナ13の面積は、第2アンテナ12の面積よりも小さく、即ち、第3アンテナ13が第2アンテナ12の上方に積層されている場合、第2アンテナ12が信号を正常に受信又は送信するように確保するために、第3アンテナ13が第2アンテナ12を完全に遮蔽できないことを確保する必要がある。
【0041】
選択的に、第2アンテナ12が位置する平面における第3アンテナ13の投影は、第2アンテナ12のエッジ領域に位置する。上記の第1アンテナ11のエッジ領域と同様に、当該第2アンテナ12のエッジ領域は、第2アンテナ12においてアンテナの境界からの距離が一定の閾値未満である領域である。選択的に、当該閾値は、第2アンテナ12の平面サイズに基づいて確定される。選択的に、第3アンテナ13は、第2アンテナ12の隅の位置又はエッジ位置に設置され、本開示の実施例は、これについて限定しない。例えば、第2アンテナ12が長方形又は略長方形である場合、第2アンテナ12が位置する平面における第3アンテナ13の投影領域は、第2アンテナ12のいずれか1つの隅に近接する位置に位置してもよく、第2アンテナ12のいずれか1つの辺に近接する位置に位置してもよい。
【0042】
選択的に、
図2に示すように、第3アンテナ13と第2アンテナ12との間には、第2支持構造22が設置されている。第1支持構造21と同様に、当該第2支持構造22は、第3アンテナ13と第2アンテナ12との間に一定の隙間を存在させるためのものであり、2つのアンテナの信号間の干渉を回避することにより、信号を正常に受信又は送信することを確保し、且つ、当該第2支持構造22は、非導電性を有する。選択的に、第2支持構造22の作製材料は、ゴム、ガラス、ダイヤモンド又は非導電性金属などであってもよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0043】
また、第2支持構造22の形状は、円柱形状又は直方体形状などをなしてもよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。これ以外にも、本開示の実施例において、第2支持構造22の数又はサイズは、第2アンテナ12、第3アンテナ13のサイズ及び形状と相関する。
【0044】
なお、第2支持構造22の作製材料、形状又は大きさは、第1支持構造21と同じであってもよいし、異なっていてもよく、いずれも実際の状況と合わせて設計することができ、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0045】
上記の積層方式について、第2アンテナ12と第3アンテナ13は、異なる層に位置する。
図3を参照すると、第2アンテナ12と第3アンテナ13の積層位置が同じである場合を例として、アンテナ構造10において、第1アンテナ11は、最下層に配置され、第2アンテナ12は、第1支持構造21(
図3には示さず)を介して第1アンテナ11の左上隅に積層され、第3アンテナ13は、第2支持構造22(
図3には示さず)を介して第2アンテナ12の左上隅に積層されている。
【0046】
上記のように、本開示の実施例で提供される技術的案において、第3アンテナを第2アンテナのエッジ領域に積層することにより、アンテナの信号を受信又は送信する範囲を拡大し、アンテナのコストを削減し、アンテナの高集積化を実現する。
【0047】
図4は、本開示の別の例示的な実施例で提供されたアンテナ構造の模式図である。
図4に示すように、当該アンテナ構造10は、第1アンテナ11と、第2アンテナ12と、第3アンテナ13とを含む。
【0048】
第1アンテナ11は、第1周波数帯域の信号を放射するために使用され、第2アンテナ12は、第2周波数帯域の信号を放射するために使用され、第3アンテナ13は、第3周波数帯域の信号を放射するために使用される。ここで、第2周波数帯域の周波数は、第1周波数帯域の周波数よりも高く、且つ、第3周波数帯域の周波数は、第1周波数帯域の周波数よりも高い。例えば、第1周波数帯域の周波数範囲は[a,b]であり、第2周波数帯域の周波数範囲は[c,d]であり、第3周波数帯域の周波数範囲は[e,f]である。第2周波数帯域の周波数が第1周波数帯域の周波数よりも高いことは、cがbよりも大きいことを指し、第3周波数帯域の周波数が第1周波数帯域の周波数よりも高いことは、eがbよりも大きいことを指す。上記のa、b、c、d、e、fは、いずれも周波数値であり、それらの単位はヘルツ(Hz)であってもよい。
【0049】
1つの可能な実施形態において、上記の第1周波数帯域は、非5G周波数帯域、例えば2G、3G及び4G周波数帯域であり、第2周波数帯域は、5G周波数帯域におけるsub-6G周波数帯域であり、第3周波数帯域は、5G周波数帯域におけるミリ波の周波数帯域である。他の可能な実施形態において、上記の第1周波数帯域は、非5G周波数帯域、例えば2G、3G及び4G周波数帯域であり、第2周波数帯域は、5G周波数帯域におけるミリ波の周波数帯域であり、第3周波数帯域は、5G周波数帯域におけるsub-6G周波数帯域である。
【0050】
ここで、第2アンテナ12は、第1アンテナ11の上方に積層され、第3アンテナ13は、第1アンテナ11の上方に積層され、且つ、第3アンテナ13と第2アンテナ12は、第1アンテナ11の上方の異なる位置に設置されている。例えば、第2アンテナ12は、第1アンテナ11の左上隅に積層され、第3アンテナ13は、第1アンテナ11の右上隅に積層されている。
【0051】
なお、第1アンテナ11、第2アンテナ12又は第3アンテナ13に関する面積、積層領域、支持構造は上記で既に詳細に説明されており、ここで詳細な説明を省略する。
【0052】
上記の積層方式について、第2アンテナ12と第3アンテナ13は、同一層に位置する。
図5を参照すると、第2アンテナ12と第3アンテナ13の積層位置が異なる場合を例として、アンテナ構造10において、第1アンテナ11は、最下層に配置され、第2アンテナ12は、第1支持構造21(
図5には示さず)を介して第1アンテナ11の左上隅に積層され、第3アンテナ13は、第2支持構造22(
図5には示さず)を介して第1アンテナ11の右下隅に積層されている。
【0053】
上記のように、本開示の実施例で提供される技術的案において、第3アンテナを第1アンテナのエッジ領域に積層することにより、第2アンテナと第3アンテナを同一層に位置させ、信号を受信又は送信する範囲を拡大し、アンテナの空間利用率を向上させ、アンテナのコストを削減し、アンテナの高集積化を実現する。
【0054】
なお、上記のいくつかの実施例において、主にアンテナ構造が2つのアンテナ又は3つのアンテナを含む場合を例として本開示の技術案を説明したが、実際的な応用において、要すれば、アンテナ構造は、4つ又はさらにより多いアンテナをさらに含むことができ、各アンテナは、上記の実施例で提供された技術案に従って積層され、上方に位置するアンテナの周波数範囲は、下方に位置するアンテナの周波数範囲よりも大きく、且つ、アンテナの上方に、1つのアンテナを積層することもできるし(
図2の実施例に示すように)、複数のアンテナを積層することもでき(
図3の実施例に示すように)、いずれも本開示の保護範囲に含まれる。
【0055】
図6は、本開示の一例示的な実施例で提供された移動端末の模式図である。当該移動端末は、上記の実施例に係るアンテナ構造10を含む。
【0056】
選択的に、
図6に示すように、アンテナ構造10は、移動端末60の左上隅に位置する。ここで、アンテナ構造10は、給電回路61、接地回路62に接続されている。給電回路61は、アンテナ構造10の正常な動作を確保するようにアンテナ構造10に電力を供給するために使用される。接地回路62は、給電回路61が故障した場合にアンテナ構造10を過電流による損傷から保護するために使用される。
【0057】
1つの可能な実施例において、第1アンテナ11、第2アンテナ12及び第3アンテナ13の少なくとも2つは、異なる給電回路61に接続され、且つ、第1アンテナ11、第2アンテナ12及び第3アンテナ13の少なくとも2つは、異なる接地回路62に接続されている。例えば、第1アンテナ11は、給電回路A、接地回路Aに接続され、第2アンテナ12は、給電回路B、接地回路Bに接続され、第3アンテナ13は、給電回路C、接地回路Cに接続されている。他の可能な実施例において、第1アンテナ11、第2アンテナ12又は第3アンテナ13は、同一の給電回路61又は接地回路62に接続され、例えば、第1アンテナ11、第2アンテナ12又は第3アンテナ13は、同一の給電回路に接続され、同時に、第1アンテナ11、第2アンテナ12又は第3アンテナ13は、同一の接地回路に接続されている。
【0058】
選択的に、異なる移動端末におけるアンテナ構造10の位置は異なっている。例えば、アンテナ構造は、移動端末60の左上隅、右上隅、左下隅又は右下隅などに配置されてもよく、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0059】
選択的に、移動端末60には、画面ディスプレイ、給電電池、カメラ、距離センサー、圧力センサー、中央処理ユニット(Central Processing Unit、CPU)などがさらに含まれ、本開示の実施例は、これについて限定しない。
【0060】
上記のように、本開示の実施例で提供される技術的案において、第2アンテナを第1アンテナに積層することにより、アンテナの空間利用率を向上させ、アンテナのコストを削減し、アンテナの高集積化を実現し、さらに、アンテナのレイアウトをより柔軟にさせる。また、移動端末の他のハードウェアの利用空間を増加させ、移動端末システム全体の性能の最適化に便利である。
【0061】
当業者は、明細書に対する理解、及び明細書に記載された発明に対する実施を介して、本開示の他の実施形態を容易に取得することができる。本願は、本開示に対する任意の変形、用途、又は適応的な変化を含み、このような変形、用途、又は適応的な変化は、本開示の一般的な原理に従い、本開示では開示していない本技術分野の公知知識、又は通常の技術手段を含む。明細書及び実施例は、単に例示的なものであって、本開示の本当の範囲と主旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0062】
本開示は、上記で記述され、図面で図示した特定の構成に限定されず、その範囲を離脱しない状況で、様々な修正や変更を実施してもよい。本開示の範囲は、添付される特許請求の範囲のみにより限定される。