(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/66 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
H04N5/66 D
(21)【出願番号】P 2021011008
(22)【出願日】2021-01-27
【審査請求日】2023-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】星野 英二郎
【審査官】薄井 義明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/094127(WO,A1)
【文献】特開2005-079666(JP,A)
【文献】特開2003-225722(JP,A)
【文献】特開平08-233286(JP,A)
【文献】実開昭48-070298(JP,U)
【文献】特開2013-097269(JP,A)
【文献】特開平06-075901(JP,A)
【文献】特開2007-195042(JP,A)
【文献】特開2009-134426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/66 - 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の表示部のいずれかに取り付けられ、取り付けられた前記表示部を制御する制御装置であって、
複数種類の前記表示部の各々に形成された複数のねじ孔に対応して設けられ、前記ねじ孔に螺合するねじを挿通可能な複数の取付用孔を有する取付用板と、
複数の前記取付用孔のうち、前記表示部の各々に形成された少なくとも1つの前記ねじ孔に対応する前記取付用孔に、前記ねじが挿通しているか否かを検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記取付用板に取り付けられた前記表示部の種類を判別する判別部と、
を備え
、
前記取付用板に備えられた複数の前記取付用孔のうちの、前記表示部に備えられた複数の前記ねじ孔の各々と合致する全ての前記取付用孔に、前記ねじがそれぞれ挿通される、制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
複数種類の前記表示部の各々が有する複数のねじ孔の相対位置は、前記表示部の種類に応じて異なる、制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の制御装置であって、
前記取付用板は、対応関係にある前記取付用孔と前記ねじ孔とに前記ねじが挿通されなかった場合に、前記ねじの締結を抑制する形状を有する、制御装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の制御装置であって、
前記検出部は、
複数の前記取付用孔の各々に対して設けられる複数の電圧源と、
複数の前記取付用孔の各々と、対応する前記取付用孔との間の電圧を監視する監視回路と、を有する、制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の制御装置であって、
前記検出部は、複数の前記電圧源の各々と、前記監視回路との間に設けられるノイズ除去フィルタを有する、制御装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の制御装置であって、
前記取付用板は、プリント基板であり、
前記検出部は、前記プリント基板に設けられる、制御装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の制御装置であって、
複数種類の前記表示部の各々の画面サイズは異なる、制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の表示部のいずれかに取り付けられ、取り付けられた表示部を制御する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、表示デバイスの種類や仕様が異なる複数の表示パネルに対し、信号処理装置を兼用して用いることを可能にした表示システムが開示されている。この表示システムでは、複数の表示パネルの各々には、当該表示パネルを構成するデバイスの種類に関するID情報が記憶される。信号処理装置は、複数の表示パネルのいずれかにコネクタを介して接続され、接続された表示パネルから送信されるID情報に基づいて、当該表示パネルの種類を判別し、判別した種類に応じた制御を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の表示システムでは、複数の表示パネルの各々と、信号処理装置とをコネクタで接続することが前提である。したがって、表示パネル側のコネクタと、信号処理装置側のコネクタとの規格等が相違して表示パネルと信号処理装置とが接続不能である場合には、複数の表示パネルのどの表示パネルに信号処理装置が取り付けられているかを捉えることができない。
【0005】
そこで、本発明は、コネクタを用いることなく、取り付けられた表示部の種類を捉え得る制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様は、
複数種類の表示部のいずれかに取り付けられ、取り付けられた前記表示部を制御する制御装置であって、
複数種類の前記表示部の各々に形成された複数のねじ孔に対応して設けられ、前記ねじ孔に螺合するねじを挿通可能な複数の取付用孔を有する取付用板と、
複数の前記取付用孔のうち、前記表示部の各々に形成された少なくとも1つの前記ねじ孔に対応する前記取付用孔に、前記ねじが挿通しているか否かを検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記取付用板に取り付けられた前記表示部の種類を判別する判別部と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の態様によれば、表示部に取り付けるねじの挿通パターンから、制御装置を取り付けた表示部を識別することができ、この結果、コネクタを用いることなく、取り付けられた表示部の種類を捉えることができる。また、表示部に取り付けるねじを、表示部の種類を判別する判別用として兼用することができ、表示部に取り付ける取付用ねじと表示部の種類を判別する判別用ねじとを別々に設ける場合に比べてねじ止め数を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態の制御装置を示す概略図である。
【
図2】
図2Aは、画面サイズが大きい表示部の背面を示す概略図であり、
図2Bは、画面サイズが小さい表示部の背面を示す概略図である。
【
図3】
図3は、制御装置の構成を示す概略図である。
【
図6】
図6は、変形例1のプリント基板を示す図である。
【
図7】
図7は、変形例2のプリント基板を示す図である。
【
図8】
図8は、変形例3のプリント基板を示す図である。
【
図9】
図9は、変形例4のプリント基板を示す図である。
【
図11】
図11Aは、特定の表示部が正しく取り付けられる様子を示す図であり、
図11Bは特定の表示部が正しく取り付けられなかった様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明について、好適な実施形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
【0010】
〔実施形態〕
図1は、実施形態の制御装置10を示す概略図である。制御装置10は、複数種類の表示部12のいずれかに取り付けられ、取り付けられた表示部12を制御するものである。制御装置10には、記憶部10Aが備えられる。記憶部10Aには、表示部12の種類に適応した表示態様で表示内容を表示させるための表示部情報が識別子に対応付けられた状態で記憶される。表示部情報には、画面サイズ、色調整、明るさ調整を示す情報等が含まれる。
【0011】
複数種類の表示部12は、制御装置10に対する取付候補として選定される。取付候補として選定された複数種類の表示部12の各々には、固有の識別子が割り当てられる。複数種類の表示部12のうちの1つは、制御装置10に取り付けられる。制御装置10は、取り付けられた表示部12の識別子を取得し、取得した識別子に対応付けられる表示部情報を用いて、取り付けられた表示部12を制御することで、当該表示部12に適応した表示態様で表示内容を表示させる。
【0012】
本実施形態では、表示画面12Sの画面サイズが異なる2種類の表示部12が、制御装置10に対する取付候補として選定されているものとする。また、画面サイズが異なる2種類の表示部12を区別するために、画面サイズが大きい方の表示画面12Sを有する表示部12を表示部12Aと称し、画面サイズが小さい方の表示画面12Sを有する表示部12を表示部12Bと称する場合がある。
【0013】
図2Aは、画面サイズが大きい表示部12Aの背面12Fを示す概略図であり、
図2Bは、画面サイズが小さい表示部12Bの背面12Fを示す概略図である。なお、背面12Fは、表示画面12Sの反対側の面である。
【0014】
表示部12Aおよび表示部12Bの各々の背面12Fには、制御装置10を取り付けるための板金14が設けられる。板金14には、複数のねじ孔14Hが形成される。本実施形態では、ねじ孔14Hの数は2つとする。表示部12の背面12Fを正面視した場合に、2つのねじ孔14Hの一方は板金14の左側の端部に形成され、2つのねじ孔14Hの一方は右側の端部に形成される。2つのねじ孔14Hの相対位置は、表示部12の種類に応じて異なる。つまり、表示部12Aに形成される2つのねじ孔14Hの相対位置と、表示部12Bに形成される2つのねじ孔14Hの相対位置とは異なっている。
【0015】
図3は、制御装置10の構成を示す概略図である。制御装置10には、プリント基板16と、検出部18と、判別部20とが備えられる。プリント基板16には、表示部12を制御するための集積回路が設けられる。なお、プリント基板16に検出部18が設けられてもよく、プリント基板16に判別部20が設けられてもよい。プリント基板16は、複数の取付用孔16Hを有する。
【0016】
複数の取付用孔16Hの各々は、表示部12のねじ孔14Hに螺合するねじ22を挿通可能な孔である。複数の取付用孔16Hの各々の内周面には、ねじ22に螺合するねじ溝が形成されていてもよく、当該ねじ溝が形成されていなくてもよい。複数の取付用孔16Hは、複数種類の表示部12の各々に形成された複数のねじ孔14Hに対応してプリント基板16に設けられる。本実施形態では、表示部12Aの2つのねじ孔14Hに対応する2つの取付用孔16HAと、表示部12Bの2つのねじ孔14Hに対応する2つの取付用孔16HBとがプリント基板16に設けられる。
【0017】
2つの取付用孔16HAおよび取付用孔16HBの各々は、プリント基板16の端部に配置されてもよい。本実施形態では、2つの取付用孔16HAおよび取付用孔16HBの一方は、プリント基板16の左右方向の端部のうちの左側(または右側)の端部に配置される。また、2つの取付用孔16HAおよび取付用孔16HBの他方は、プリント基板16の左右方向の端部のうちの右側(または左側)の端部に配置される。プリント基板16の端部に2つの取付用孔16HAおよび取付用孔16HBの各々が配置されることで、取付用孔16Hを避けて配線をプリント基板16に設けることを低減することができる。なお、プリント基板16の左右方向は、表示部12の板金14に対してプリント基板16をねじ22で固定した表示部12の表示画面12Sの横方向に対応する。
【0018】
検出部18は、複数の取付用孔16Hの各々に対してねじ22が挿通しているか否かを検出するものである。
図4は、検出部18の構成を示す概略図である。検出部18は、複数の電圧源24と、監視回路26と、複数のノイズ除去フィルタ28とを有する。
【0019】
複数の電圧源24は、複数の取付用孔16Hと一対一の関係で設けられる。複数の電圧源24の各々は、対応する取付用孔16Hに対して電圧を印加する。
【0020】
監視回路26は、複数の電圧源24の各々と、対応する取付用孔16Hとの間の電圧を監視する。取付用孔16Hにねじ22が挿通されている場合、ねじ22を通じて表示部12の板金14が接続されて板金14が基準電位となり、ねじ22が挿通されている取付用孔16Hに対して設けられる電圧源24との間には電圧降下が生じる。一方、取付用孔16Hにねじ22が挿通されていない場合、当該取付用孔16Hに対して設けられる電圧源24との間には電圧降下が生じない。つまり、検出部18は、複数の電圧源24の各々と、対応する取付用孔16Hとの間の電圧降下の有無に応じて、ねじ22が挿通しているか否かを検出し得る。
【0021】
複数のノイズ除去フィルタ28の各々は、複数の電圧源24の各々と、監視回路26との間に設けられる。これにより、取付用孔16Hにねじ22が挿通されている場合に、当該ねじ22を通じて接続される表示部12の板金14からのノイズを低減することができる。この結果、ノイズ除去フィルタ28が設けられない場合に比べて、ねじ22が挿通しているか否かを検出する検出精度を向上することができる。
【0022】
判別部20(
図3)は、検出部18の検出結果に基づいて、プリント基板16に取り付けられた表示部12の種類を判別するものである。判別部20は、ねじ22の挿通パターンと、表示部12の種類に対して割り当てられる識別子とを対応付けたテーブルを用いて、検出部18で検出されたねじ22の挿通パターンに対応する識別子を読み取り、その識別子に該当する表示部12の種類を認識する。なお、テーブルは、判別部20が有するメモリに保持されていてもよく、制御装置10の記憶部10Aに保持されていてもよい。
【0023】
例えば、
図3に示すように、4つの取付用孔16Hの各々に「0」か「1」を割り当てることで、ねじ22の挿通パターンに対応する識別子が読み取り可能である。すなわち、
図3の例示では、プリント基板16のうち、表示部12の板金14に対向させる面(裏面)とは反対側の面(表面)を正面視した場合に、左下および右下の取付用孔16Hが「0」、左上および右上の取付用孔16Hが「1」として割り当てられる。この場合、左側の取付用孔16Hと、右側の取付用孔16Hとで組み合わせ可能なねじ22の挿通パターンに対応する識別子は、
図5A~
図5Dに示すように、4通りである。
【0024】
ここで、ねじ22の挿通パターンに対応する識別子が「0,1」であるときには(
図5C)、判別部20は、制御装置10を取り付けた表示部12が表示部12Aであることを認識し得る(
図3)。一方、ねじ22の挿通パターンに対応する識別子が「1,0」であるときには(
図5B)、判別部20は、制御装置10を取り付けた表示部12が表示部12Bであることを認識し得る(
図3)。他方、ねじ22の挿通パターンに対応する識別子が「1,0」および「0,1」以外であるときには(
図5A、
図5D)、判別部20は、制御装置10を取り付けた表示部12が表示部12Aまたは表示部12B以外であることを認識し得る。
【0025】
このように制御装置10は、複数の取付用孔16Hの各々に対してねじ22が挿通されているか否かを検出部18で検出し、検出したねじ22の挿通パターンに対応する識別子を読み取って表示部12の種類を判別部20で判別する。これにより、コネクタを用いることなく、取り付けられた表示部12の種類を捉えることができる。また、表示部12に取り付けるねじ22を、表示部12の種類を判別する判別用として兼用することができ、表示部12に取り付ける取付用ねじと表示部12の種類を判別する判別用ねじとを別々に設ける場合に比べてねじ止め数を削減できる。
【0026】
なお、本実施形態では、複数種類の表示部12の各々が有する複数のねじ孔14Hの相対位置は、表示部12の種類に応じて異なっている。したがって、ねじ孔14Hに対応する取付用孔16Hの相対位置によって、制御装置10を取り付けるべき取付対象の表示部12を取付者に通知することができる。
【0027】
〔変形例〕
上記の実施形態は、以下のように変形してもよい。
【0028】
(変形例1)
図6は、変形例1のプリント基板16を示す図である。
図6では、実施形態において説明した構成と同等の構成に対して同一の符号が付されている。なお、本変形例では、実施形態と重複する説明は適宜省略する。
【0029】
本変形例では、プリント基板16の左右の各々に設けられる取付用孔16Hの数が実施形態に比べて増加している。すなわち、プリント基板16の左側の端部に3つの取付用孔16Hが設けられ、プリント基板16の右側の端部に3つの取付用孔16Hが設けられ、組み合わせ可能なねじ22の挿通パターンは9通りとなる。
【0030】
なお、本変形例の場合、図示しないが、実施形態と同様に、6つの取付用孔16Hの各々に対して電圧源24(
図4)が設けられ、6つの電圧源24の各々と、監視回路26との間にノイズ除去フィルタ28が設けられる。これにより、判別部20は、検出部18で検出されるねじ22の挿通パターンに対応する識別子を読み取り得る。
【0031】
例えば、プリント基板16のうち、表示部12の板金14に対向させる面(裏面)とは反対側の面(表面)を正面視した場合に、左下および右下の取付用孔16Hは「0」、左上および右上の取付用孔16Hは「2」として割り当てる。また、左下の取付用孔16Hと左上の取付用孔16Hとの間の取付用孔16H、および、右下の取付用孔16Hと右上の取付用孔16Hとの間の取付用孔16Hは「1」として割り当てる。このように割り当てた場合に組み合わせ可能なねじ22の挿通パターンに対応する識別子として、判別部20は、「0,0」「0,1」「0,2」「1,0」「1,1」「1,2」「2,0」「2,1」「2,2」のいずれかを読み取り得る。
【0032】
したがって、本変形例では、判別部20は、最大9種類の表示部12の種類を判別することができる。
【0033】
(変形例2)
図7は、変形例2のプリント基板16を示す図である。
図7では、実施形態において説明した構成と同等の構成に対して同一の符号が付されている。なお、本変形例では、実施形態と重複する説明は適宜省略する。
【0034】
本変形例では、プリント基板16の左右の各々に設けられる取付用孔16Hの数が実施形態に比べて増加している。すなわち、プリント基板16の左側の端部に4つの取付用孔16Hが設けられ、プリント基板16の右側の端部に4つの取付用孔16Hが設けられる。各取付用孔16Hに対して、組み合わせ可能なねじ22の挿通パターンは、
図5A~
図5Dのように示さないが16通りとなる。
【0035】
なお、本変形例の場合、図示しないが、実施形態と同様に、8つの取付用孔16Hの各々に対して電圧源24(
図4)が設けられ、8つの電圧源24の各々と、監視回路26との間にノイズ除去フィルタ28が設けられる。これにより、判別部20は、検出部18で検出されるねじ22の挿通パターンに対応する識別子を読み取り、最大16種類の表示部12の種類を判別することができる。
【0036】
また、本変形例では、左側の4つの取付用孔16Hは、上側の角部と下側の角部とに2つずつ分けて設けられ、右側の4つの取付用孔16Hは、上側の角部と下側の角部とに2つずつ分けて設けられる。これにより、取付用孔16Hが角部にない場合に比べて、取付用孔16Hを避けて配線をプリント基板16に設けることを低減することができる。なお、プリント基板16の上下は、表示部12の板金14に対してプリント基板16をねじ22で固定したときの表示部12の上下に対応する。また、プリント基板16の角部は、左右方向と上下方向とが交わる縁部分である。
【0037】
(変形例3)
図8は、変形例3のプリント基板16を示す図である。
図8では、実施形態において説明した構成と同等の構成に対して同一の符号が付されている。なお、本変形例では、実施形態と重複する説明は適宜省略する。
【0038】
本変形例では、プリント基板16の左右の各々に設けられる取付用孔16Hの数が実施形態に比べて増加している。すなわち、プリント基板16の左側の端部に4つの取付用孔16Hが設けられ、プリント基板16の右側の端部に2つの取付用孔16Hが設けられ、組み合わせ可能なねじ22の挿通パターンは8通りとなる。
【0039】
なお、本変形例の場合、図示しないが、実施形態と同様に、6つの取付用孔16Hの各々に対して電圧源24(
図4)が設けられ、6つの電圧源24の各々と、監視回路26との間にノイズ除去フィルタ28が設けられる。これにより、判別部20は、検出部18で検出されるねじ22の挿通パターンに対応する識別子を読み取り、最大8種類の表示部12の種類を判別することができる。
【0040】
また、本変形例では、左側の4つの取付用孔16Hは、上側の角部と下側の角部とに2つずつ分けて設けられ、右側の2つの取付用孔16Hは、上側(または下側)の角部に設けられる。これにより、取付用孔16Hが角部にない場合に比べて、取付用孔16Hを避けて配線をプリント基板16に設けることを低減することができる。
【0041】
(変形例4)
図9は、変形例4のプリント基板16を示す図である。
図9では、実施形態において説明した構成と同等の構成に対して同一の符号が付されている。なお、本変形例では、実施形態と重複する説明は適宜省略する。
【0042】
本変形例では、ねじ22が挿通されているか否かが監視される取付用孔16Hに加えて、ねじ22が挿通されているか否かが監視されない第2の取付用孔16H2がプリント基板16に設けられる。
【0043】
第2の取付用孔16H2は、ねじ22を挿通可能な孔である点で、取付用孔16Hと同じである。一方、第2の取付用孔16H2は、ねじ22の挿通パターンの組み合わせには含まれず、専らねじ固定用の孔である点で、取付用孔16Hと異なる。第2の取付用孔16H2の数は、
図9では1つであるが、2以上であってもよい。1または2以上の第2の取付用孔16H2がプリント基板16に設けられることで、表示部12に対して制御装置10をねじ22により強固に固定することができる。
【0044】
(変形例5)
図10は、検出部18の変形例を示す図である。
図10では、実施形態において説明した構成と同等の構成に対して同一の符号が付されている。なお、本変形例では、実施形態と重複する説明は適宜省略する。
【0045】
本変形例は、検出部18の電圧源24およびノイズ除去フィルタ28のいくつかを省いている点で、実施形態と相違する。
【0046】
具体的には、表示部12Aの2つのねじ孔14Hに対応してプリント基板16に設けられる2つの取付用孔16HAのうちの1つに対して設けられていた電圧源24およびノイズ除去フィルタ28が省かれる。このため、2つの取付用孔16HAの一方に対してねじ22が挿通しているか否かは検出部18で検出されるが、2つの取付用孔16HAの他方に対してねじ22が挿通しているか否かは検出部18で検出されないことになる。
【0047】
また、表示部12Bの2つのねじ孔14Hに対応してプリント基板16に設けられる2つの取付用孔16HBのうちの1つに対して設けられていた電圧源24およびノイズ除去フィルタ28が省かれる。このため、2つの取付用孔16HBの一方に対してねじ22が挿通しているか否かは検出部18で検出されるが、2つの取付用孔16HBの他方に対してねじ22が挿通しているか否かは検出部18で検出されないことになる。
【0048】
本変形例では、1つの取付用孔16HAにねじ22が挿通し、かつ、1つの取付用孔16HBにねじ22が非挿通である検出結果が検出部18で得られた場合に、判別部20は、表示部12Aであることを判別する。一方、1つの取付用孔16HAにねじ22が非挿通であり、かつ、1つの取付用孔16HBにねじ22が挿通している検出結果が検出部18で得られた場合に、判別部20は、表示部12Bであることを判別する。
【0049】
このように、表示部12の板金14に設けられる2つのねじ孔14Hに対応する取付用孔16Hのうちの1つだけを検出部18の検出対象としても、実施形態と同様に、表示部12の種類を判別することができる。
【0050】
なお、本変形例は、表示部12の板金14に設けられるねじ孔14Hの数が2つである場合を例に挙げたが、表示部12の板金14に設けられるねじ孔14Hの数がn(n=3以上の整数)であってもよい。表示部12の板金14に設けられるねじ孔14Hの数がnである場合には、(n-1)に対応する取付用孔16Hを検出部18の検出対象とすることで、実施形態と同様に、表示部12の種類を判別することができる。
【0051】
(変形例6)
図11Aは、特定の表示部12が正しく取り付けられる様子を示す図であり、
図11Bは特定の表示部12が正しく取り付けられなかった様子を示す図である。
図11Aおよび
図11Bでは、実施形態において説明した構成と同等の構成に対して同一の符号が付されている。なお、本変形例では、実施形態と重複する説明は適宜省略する。
【0052】
本変形例では、表示部12Aの2つのねじ孔14Hに対応する取付用孔16HAの相対位置と、表示部12Bの2つのねじ孔14Hに対応する取付用孔16HBの相対位置とが同じとなるように、4つの取付用孔16Hがプリント基板16に設けられる。
【0053】
また、本変形例では、表示部12Aの板金14には、プリント基板16をカバーするカバー部材30の係合爪30Aと係合してカバー部材30を板金14に固定するための係合部14Aが設けられる。係合部14Aは、表示部12Aの背面12Fから突出している。
【0054】
ここで、表示部12Aの2つのねじ孔14Hと、当該ねじ孔14Hと対応関係にある取付用孔16HAとにねじ22が挿通されて制御装置10が表示部12Aに取り付けられる場合(
図11A)、プリント基板16は、係合部14Aと接触しない。このため、プリント基板16は、板金14と接触する。
【0055】
一方、表示部12Aの2つのねじ孔14Hと、当該ねじ孔14Hと対応関係にない取付用孔16HBとにねじ22が挿通されて制御装置10が表示部12Aに取り付けられる場合(
図11B)、板金14に対するプリント基板16の相対位置がずれる。このため、プリント基板16は係合部14Aと接触してねじ22の締結が抑制され、プリント基板16と板金14との間には隙間が生じる。
【0056】
図示しないが、表示部12Bに制御装置10を取り付ける場合も同様である。すなわち、表示部12Bの2つのねじ孔14Hと、当該ねじ孔14Hと対応関係にある取付用孔16HBとにねじ22が挿通されると、ねじ22の締結が抑制されることなく、プリント基板16は板金14と接触する。一方、表示部12Bの2つのねじ孔14Hと、当該ねじ孔14Hと対応関係にない取付用孔16HAとにねじ22が挿通されると、ねじ22の締結が抑制され、プリント基板16と板金14との間に隙間が生じる。
【0057】
このように、プリント基板16は、対応関係にある取付用孔16Hとねじ孔14Hとにねじ22が挿通されなかった場合に、ねじ22の締結を抑制する形状を有している。これにより、プリント基板16の形状によって、取付対象の表示部12とは異なる表示部12に誤って制御装置10が取り付けられているか否かを取付者に通知することができる。
【0058】
なお、本変形例では、表示部12Aの2つのねじ孔14Hに対応する取付用孔16HAの相対位置と、表示部12Bの2つのねじ孔14Hに対応する取付用孔16HBの相対位置とが同じであるが、当該相対位置が異なる場合にも適用し得る。
【0059】
(変形例7)
1つの表示部12の板金14に設けられるねじ孔14Hの数、および、当該ねじ孔14Hに対応する取付用孔16Hの数は、実施形態では2つであったが、3つ以上であってもよい。1つの表示部12の板金14に設けられるねじ孔14Hの数、および、当該ねじ孔14Hに対応する取付用孔16Hの数が多くなるほど、表示部12に対して制御装置10をねじ22により強固に固定することができる。
【0060】
(変形例8)
取付用孔16Hが形成される取付用板は、実施形態ではプリント基板16であったが、プリント基板16を覆う制御装置10の筐体を構成する壁板であってもよく、当該壁板に固定された金属板であってもよい。
【0061】
(変形例9)
上記の実施形態および変形例1~8は、矛盾の生じない範囲で任意に組み合わされてもよい。
【0062】
〔発明〕
以下は、上記の実施形態および変形例1~9から把握し得る発明について記載する。
【0063】
本発明は、複数種類の表示部(12)のいずれかに取り付けられ、取り付けられた表示部(12)を制御する制御装置(10)である。制御装置(10)は、複数種類の表示部(12)の各々に形成された複数のねじ孔(14H)に対応して設けられ、ねじ孔(14H)に螺合するねじ(22)を挿通可能な複数の取付用孔(16H)を有する取付用板と、複数の取付用孔(16H)のうち、表示部(12)の各々に形成された少なくとも1つのねじ孔(14H)に対応する取付用孔(16H)に、ねじ(22)が挿通しているか否かを検出する検出部(18)と、検出部(18)の検出結果に基づいて、取付用板に取り付けられた表示部(12)の種類を判別する判別部(20)と、を備える。
これにより、コネクタを用いることなく、取り付けられた表示部(12)の種類を捉えることができる。また、表示部(12)に取り付けるねじ(22)を、表示部(12)の種類を判別する判別用として兼用することができ、表示部(12)に取り付ける取付用ねじと表示部(12)の種類を判別する判別用ねじとを別々に設ける場合に比べてねじ止め数を削減できる。
【0064】
複数種類の表示部(12)の各々が有する複数のねじ孔(14H)の相対位置は、表示部(12)の種類に応じて異なってもよい。これにより、ねじ孔(14H)に対応する取付用孔(16H)の相対位置によって、制御装置(10)を取り付けるべき取付対象の表示部(12)を取付者に通知することができる。
【0065】
取付用板は、対応関係にある取付用孔(16H)とねじ孔(14H)とにねじ(22)が挿通されなかった場合に、ねじ(22)の締結を抑制する形状を有してもよい。これにより、取付用板の形状によって、取付対象の表示部(12)とは異なる表示部(12)に誤って制御装置(10)が取り付けられているか否かを取付者に通知することができる。
【0066】
検出部(18)は、複数の取付用孔(16H)の各々に対して設けられる複数の電圧源(24)と、複数の取付用孔(16H)の各々と、対応する取付用孔(16H)との間の電圧を監視する監視回路(26)と、を有してもよい。これにより、複数の電圧源(24)の各々と、対応する取付用孔(16H)との間の電圧降下の有無に応じて、ねじ(22)が挿通しているか否かを検出することができる。
【0067】
検出部(18)は、複数の電圧源(24)の各々と、監視回路(26)との間に設けられるノイズ除去フィルタ(28)を有してもよい。これにより、取付用孔(16H)にねじ(22)が挿通されている場合に、当該ねじ(22)を通じて接続される表示部(12)の板金(14)からのノイズを低減することができる。この結果、ノイズ除去フィルタ(28)が設けられない場合に比べて、ねじ(22)が挿通しているか否かを検出する検出精度を向上することができる。
【0068】
取付用板は、プリント基板(16)であり、検出部(18)は、プリント基板(16)に設けられてもよい。これにより、部品点数を削減して小型化することができる。
【0069】
複数種類の表示部(12)の各々の画面サイズは異なってもよい。これにより、検出部(18)の検出結果に基づいて、表示部(12)の画面サイズを判別することができる。
【符号の説明】
【0070】
10…制御装置 12、12A、12B…表示部
14…板金 16…プリント基板
18…検出部 20…判別部
22…ねじ 24…電圧源
26…監視回路 28…ノイズ除去フィルタ