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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】可搬型端末、貨幣処理システム
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/26 20190101AFI20241217BHJP
   G07D 11/60 20190101ALI20241217BHJP
   G07D 11/125 20190101ALI20241217BHJP
   G06Q 20/20 20120101ALI20241217BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20241217BHJP
【FI】
G07D11/26
G07D11/60
G07D11/125
G06Q20/20
G06F3/0481
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021016032
(22)【出願日】2021-02-03
(65)【公開番号】P2022119061
(43)【公開日】2022-08-16
【審査請求日】2023-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】小家 善朗
(72)【発明者】
【氏名】野本 英雄
(72)【発明者】
【氏名】森本 大介
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-004049(JP,A)
【文献】特開平10-269412(JP,A)
【文献】特開2002-329018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 1/00- 3/16,
9/00-13/00
G07F 19/00
G06F 3/01,3/048-3/04895
G06Q 20/00-20/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨幣処理装置の電子取扱説明書のデータを記憶する記憶部と、
無線通信により前記貨幣処理装置の状態に応じた情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記状態に対応するガイダンスを表示部に表示させる表示制御部と、を備え
前記表示制御部は、前記受信部が受信した前記状態に応じた情報と関連付けられて前記記憶部に記憶されている前記電子取扱説明書のデータの一部を前記ガイダンスとして前記表示部に表示させる
ことを特徴とする可搬型端末。
【請求項2】
前記状態は、前記貨幣処理装置にエラーが生じていることであり、
前記表示制御部は、前記エラーを解消するための前記ガイダンスを前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の可搬型端末。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記エラーの解消の進捗に合わせて前記ガイダンスを遷移させる
ことを特徴とする請求項2に記載の可搬型端末。
【請求項4】
前記状態は、前記貨幣処理装置に設けられた貨幣の収納部に予め定められた上限量の貨幣が収納されている状態であり、
前記表示制御部は、前記収納部から貨幣を回収するための前記ガイダンスを前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の可搬型端末。
【請求項5】
前記状態は、前記貨幣処理装置に設けられた貨幣の収納部に予め定められた下限量の貨幣が収納されていない状態であり、
前記表示制御部は、前記収納部に貨幣を補充するための前記ガイダンスを前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の可搬型端末。
【請求項6】
前記貨幣処理装置に対する指示を受け付ける操作部と、
前記操作部が受け付けた前記指示を前記無線通信により送信する送信部と、
をさらに備える請求項1から5のいずれか1項に記載の可搬型端末。
【請求項7】
前記操作部は、前記貨幣処理装置に設けられている規制部の解除の指示を受け付ける
ことを特徴とする請求項6に記載の可搬型端末。
【請求項8】
前記受信部は、複数の貨幣処理装置の情報を受信可能であり、
前記送信部は、前記複数の貨幣処理装置の中から選択された一の貨幣処理装置に対する前記指示を送信する
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の可搬型端末。
【請求項9】
前記状態が前記貨幣処理装置にエラーが生じていることである場合、前記表示制御部は、当該エラーを解消するための前記ガイダンスを前記表示部に表示させるとともに、当該エラーを解消するために当該貨幣処理装置に設けられている規制部の解除が必要である場合には当該解除を促す文言を表示させる
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の可搬型端末。
【請求項10】
貨幣を処理する駆動部と、貨幣を収納する収納部と、当該駆動部及び当該収納部の少なくともいずれかの状態を把握する把握部とを有する貨幣処理装置と、
前記貨幣処理装置の電子取扱説明書のデータを記憶する記憶部を有し、当該貨幣処理装置から送信された情報を無線通信にて受信可能な可搬型端末と、
を備え、
前記貨幣処理装置は、前記把握部が把握した前記状態を前記可搬型端末に送信するための情報を送信し、
前記可搬型端末は、前記貨幣処理装置から送信された前記情報と関連付けられて前記記憶部に記憶されている前記電子取扱説明書のデータの一部をガイダンスとして表示部に表示する
ことを特徴とする貨幣処理システム。
【請求項11】
前記可搬型端末は、前記貨幣処理装置に設けられている規制部の解除の指示を受け付ける操作部と、当該操作部が受け付けた当該指示を前記無線通信により送信する送信部と、をさらに備え、前記状態が当該貨幣処理装置にエラーが生じていることである場合、当該エラーを解消するための前記ガイダンスを前記表示部に表示するとともに、当該エラーを解消するために当該規制部の解除が必要である場合には当該解除を促す文言を表示する
ことを特徴とする請求項10に記載の貨幣処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可搬型端末、貨幣処理装置、及び、貨幣処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装置に設けられた表示エリアに、当該装置の操作マニュアルの電子データを表示する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、コピー機能を使用しているときにコピー倍率設定キーを押下すると、予め関連付けテーブルに記憶されたコピー倍率設定キーに関連付けされた操作マニュアルの電子データ(例えばpdfファイル)がハードディスクから読出される。そして、この電子データを用いて、紙媒体に印刷された操作マニュアルそのもののイメージで取説表示エリアに操作情報が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-185994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術では、装置に固定された表示エリアで情報を確認しなければならない。そのため、例えば装置にエラーが生じ、エラーが生じた部位を見ながらエラー解消の作業をしなければならない場合等にはエラー解消についての情報の確認をし難い。それゆえ、ユーザの使い勝手という点においては改善の余地がある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、ユーザの使い勝手を向上させることができる可搬型端末等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的のもと完成させた本発明は、無線通信により装置の状態に応じた情報を受信する受信部と、前記受信部が受信した前記状態に対応するガイダンスを表示部に表示させる表示制御部と、を備えたことを特徴とする可搬型端末である。
ここで、前記状態は、前記装置にエラーが生じていることであり、前記表示制御部は、前記エラーを解消するための前記ガイダンスを前記表示部に表示させても良い。
また、前記表示制御部は、前記エラーの解消の進捗に合わせて前記ガイダンスを遷移させても良い。
また、前記状態は、前記装置に設けられた貨幣の収納部に予め定められた上限量の貨幣が収納されている状態であり、前記表示制御部は、前記収納部から貨幣を回収するための前記ガイダンスを前記表示部に表示させても良い。
また、前記状態は、前記装置に設けられた貨幣の収納部に予め定められた下限量の貨幣が収納されていない状態であり、前記表示制御部は、前記収納部に貨幣を補充するための前記ガイダンスを前記表示部に表示させても良い。
また、前記装置に対する指示を受け付ける操作部と、前記操作部が受け付けた前記指示を前記無線通信により送信する送信部と、をさらに備えても良い。
また、前記操作部は、前記装置に設けられている規制部の解除の指示を受け付けても良い。
また、前記受信部は、複数の装置の情報を受信可能であり、前記送信部は、前記複数の装置の中から選択された一の装置に対する前記指示を送信しても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、貨幣を処理する駆動部と、貨幣を収納する収納部と、前記駆動部及び前記収納部の少なくともいずれかの状態を把握する把握部と、前記把握部が把握した前記状態を可搬型端末に送信するための情報を無線通信により送信する送信部と、を備えたことを特徴とする貨幣処理装置である。
ここで、前記可搬型端末から送信された指示を前記無線通信により受信する受信部と、前記駆動部を有するとともに筐体から引き出し可能なユニットと、前記ユニットの引き出しを規制する規制部と、前記規制部の規制の解除を行う解除部と、を備え、前記解除部は、前記受信部が前記可搬型端末から前記規制部の規制の解除の指示を受信した場合に、前記規制を解除しても良い。
また、他の観点から捉えると、本発明は、貨幣を処理する駆動部と、貨幣を収納する収納部と、当該駆動部及び当該収納部の少なくともいずれかの状態を把握する把握部とを有する貨幣処理装置と、前記貨幣処理装置から送信された情報を無線通信にて受信可能な可搬型端末と、を備え、前記貨幣処理装置は、前記把握部が把握した前記状態を前記可搬型端末に送信するための情報を送信し、前記可搬型端末は、前記貨幣処理装置から送信された前記情報に基づく前記状態に対応するガイダンスを表示部に表示することを特徴とするシ貨幣処理ステムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザの使い勝手を向上させることができる可搬型端末等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る貨幣処理システムの概略構成の一例を示す図である。
図2】貨幣処理装置の概略構成の一例を示す図である。
図3】可搬型端末の概略構成の一例を示す図である。
図4】受信部が貨幣処理装置から受信した貨幣処理装置についての情報と、表示制御部が表示部に表示させるガイダンスの内容との関係の一例を示す図である。
図5】表示制御部が表示部に表示させたガイダンスの一例を示す図である。
図6】表示制御部が表示部に表示させたガイダンスの一例を示す図である。
図7】表示制御部が表示部に表示させたガイダンスの一例を示す図である。
図8】表示制御部が表示部に表示させた解除ボタンの一例を示す図である。
図9】表示制御部が表示部に表示させた回収時のガイダンスの一例を示す図である。
図10】表示制御部が表示部に表示させた回収時のガイダンスの一例を示す図である。
図11】表示制御部が表示部に表示させた回収時のガイダンスの一例を示す図である。
図12】表示制御部が表示部に表示させた補充時のガイダンスの一例を示す図である。
図13】第2の実施形態に係る貨幣処理システムの概略構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る貨幣処理システム1(以下、単に「システム1」と称する場合がある。)の概略構成の一例を示す図である。
図2は、貨幣処理装置10の概略構成の一例を示す図である。
図3は、可搬型端末30の概略構成の一例を示す図である。
システム1は、貨幣処理装置10と、操作端末20と、操作端末20と通信可能に接続されたプリンタ21と、可搬型端末30とを備えている。
貨幣処理装置10については後で詳述する。
操作端末20及び可搬型端末30は、タブレット端末、タブレットPC、携帯情報端末(PDA)、ノートPC、多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)等であることを例示することができる。なお、操作端末20は、可搬型に限定されず、店員が操作する操作部、貨幣処理装置10における貨幣の処理状況等を表示する表示部、レシートを発行する印字部等を有するPOSレジスタであっても良い。
貨幣処理装置10、操作端末20及びプリンタ21は、店舗のチェックアウトカウンターに設置されていることを例示することができる。可搬型端末30は、例えば店舗の責任者が携帯して使用する端末であることを例示することができる。
【0009】
貨幣処理装置10と操作端末20とは、ネットワーク40を介して互いに通信を行うことが可能となっている。ネットワーク40は、装置間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば特に限定されず、例えばLAN(Local Area Network)であることを例示することができる。データ通信に用いられる通信回線は、有線か無線かを問わず、これらを併用しても良い。無線LANは、例えばWiFi(登録商標)やブルートゥース(登録商標)であることを例示することができる。
【0010】
ここで、客が店舗で商品を購入する際、チェックアウトカウンターで精算処理が行われる。精算処理は、客が購入する各商品の価格及び数量から、店舗と客との間で行われる取引の金額を算出する処理と、店舗が取引の金額分の貨幣を客から受け取り、取引に係る情報が印字されたレシートを発行する処理とが含まれる。また、店舗が客から受け取った貨幣の金額が取引の金額を超える場合には、受け取った貨幣の金額から取引の金額を差し引いた差額分の貨幣を店舗が客に釣銭として返す処理が精算処理に含まれる。この場合、レシートに印字される情報には釣銭に関する情報が含まれる。
【0011】
精算処理時に、貨幣処理装置10、操作端末20及びプリンタ21が、キャッシュレジスタとして機能する。具体的には、店員が操作端末20を操作して各商品の価格及び数量を入力すると、操作端末20が取引の金額を算出し、プリンタ21を制御してレシートを発行する。
精算処理時、貨幣処理装置10は、釣銭機として機能する。具体的には、貨幣処理装置10は、客が支払う貨幣の入金処理を実行して取引の金額分の貨幣を装置内に収納する。入金金額が取引の金額を超える場合、貨幣処理装置10は出金処理を実行し、入金金額から取引の金額を差し引いた差額分の貨幣を釣銭として払い出す。
【0012】
(貨幣処理装置10)
貨幣処理装置10は、硬貨の入出金処理を行う硬貨処理機100と、紙幣の入出金処理を行う紙幣処理機200とを備えている。硬貨処理機100及び紙幣処理機200には、客から預かった硬貨や紙幣がそれぞれ入金されるとともに、硬貨処理機100及び紙幣処理機200から釣銭としての硬貨や紙幣がそれぞれ出金される。硬貨処理機100及び紙幣処理機200は、図1に示すように、横に並べて配置されている。
【0013】
《硬貨処理機100》
硬貨処理機100は、硬貨を受け入れる硬貨受入部101と、硬貨を払い出す硬貨払出部102とを有している。硬貨受入部101及び硬貨払出部102は、筐体110の前部に設けられている。
また、硬貨処理機100は、硬貨受入部101により筐体110内に取り込まれた硬貨を搬送する入金搬送部103と、入金搬送部103の途中に設けられて、硬貨を識別する硬貨識別部104とを有している。
また、硬貨処理機100は、硬貨を金種別に収納する硬貨収納部106と、硬貨収納部106から繰り出された硬貨を硬貨払出部102へ搬送する出金搬送部108とを有している。
【0014】
また、硬貨処理機100は、入金搬送部103の途中に、硬貨識別部104による硬貨の識別結果に基づいて、リジェクト硬貨等の、硬貨払出部102から払い出すべき硬貨を出金搬送部108へ案内する分岐部105を有している。分岐部105は、正常な硬貨を硬貨収納部106に案内する。
また、硬貨処理機100は、筐体110の前上部にタッチパネル等の操作表示部112を有している。操作表示部112は、例えば、硬貨処理機100や紙幣処理機200の内部に収納された硬貨や紙幣の在高を表示する。
【0015】
また、硬貨処理機100は、硬貨受入部101、硬貨払出部102、入金搬送部103、硬貨収納部106、出金搬送部108等を制御する硬貨制御部120を有している。
硬貨制御部120は、CPU(不図示)、ROM(不図示)、RAM(不図示)により構成される。硬貨制御部120は、後述する紙幣制御部220から送信されてきた情報を受信する硬貨受信部121と、紙幣制御部220に対して情報を送信する硬貨送信部122と、操作表示部112を制御する表示制御部123とを有している。また、硬貨制御部120は、硬貨受入部101、硬貨払出部102、入金搬送部103、硬貨収納部106、出金搬送部108等の状態を把握する硬貨把握部124を有している。また、硬貨制御部120は、硬貨処理機100に設けられた電磁ロック機構(不図示)のロック解除を行う硬貨解除部125を有している。
【0016】
硬貨把握部124には、硬貨処理機100に設けられた各種センサ(不図示)からの信号が入力される。例えば、硬貨把握部124には、入金搬送部103や出金搬送部108等に設けられて、硬貨詰まりを検出するセンサからの信号が入力される。これにより、硬貨把握部124は、硬貨詰まりが発生していること、及び、筐体110内のどの部位に硬貨詰まりが発生しているかを把握する。そして、硬貨送信部122は、硬貨詰まりが発生していること等を硬貨把握部124が把握した場合には、通信インターフェース(不図示)を介して、硬貨詰まりが発生している旨の情報とともにどの部位に硬貨詰まりが発生しているかの情報を紙幣制御部220に対して送信する。
【0017】
また、硬貨把握部124には、各硬貨収納部106に設けられて、硬貨収納部106がニアフル状態であることを検出するセンサからの信号が入力される。なお、ニアフル状態は、各硬貨収納部106に予め定められた上限量の硬貨が収納されている状態であることを例示することができる。また、硬貨把握部124には、各硬貨収納部106に設けられて、硬貨収納部106がニアエンプティ状態であることを検出するセンサからの信号が入力される。なお、ニアエンプティ状態は、各硬貨収納部106に予め定められた下限量の硬貨が収納されていない状態であることを例示することができる。これにより、硬貨把握部124は、どの金種の硬貨が、ニアフル状態又はニアエンプティ状態であるかを把握する。そして、硬貨送信部122は、硬貨把握部124がニアフル状態又はニアエンプティ状態であることを把握した場合には、通信インターフェースを介して、ニアフル状態又はニアエンプティ状態である旨の情報とともにどの金種の硬貨がニアフル状態又はニアエンプティ状態であるかの情報を紙幣制御部220に対して送信する。
【0018】
また、硬貨把握部124には、各種センサが汚れている旨の信号が入力される。これにより、硬貨把握部124は、どのセンサが汚れているのかを把握する。そして、硬貨送信部122は、センサが汚れていることを硬貨把握部124が把握した場合には、通信インターフェースを介して、センサが汚れている状態である旨の情報とともにどのセンサが汚れている状態であるかの情報を紙幣制御部220に対して送信する。
【0019】
硬貨解除部125は、可搬型端末30から、硬貨処理機100に設けられた電磁ロック機構のロック解除の指示を硬貨受信部121が受信した場合に、電磁ロック機構のロック解除を行う。
【0020】
《紙幣処理機200》
紙幣処理機200は、紙幣を受け入れる紙幣受入部201と、紙幣を払い出す紙幣払出部202とを有している。紙幣受入部201及び紙幣払出部202は、筐体210の前部に設けられている。
また、紙幣処理機200は、筐体210内の略中央部に設けられて、紙幣受入部201により筐体210内に取り込まれた紙幣を搬送する環状の周回搬送部203を有している。また、紙幣処理機200は、周回搬送部203の途中に設けられて、紙幣を識別する紙幣識別部204と、紙幣を金種別に収納する3つの紙幣収納部206とを有している。また、紙幣処理機200は、出金リジェクト部207と、紙幣回収カセット208とを有している。また、紙幣処理機200は、紙幣受入部201、紙幣払出部202、紙幣収納部206、出金リジェクト部207、及び紙幣回収カセット208と、周回搬送部203との間をそれぞれ接続する複数の接続搬送部209を有している。また、紙幣処理機200は、周回搬送部203と各接続搬送部209との間に設けられて、紙幣の搬送経路を切り換える経路切換部(不図示)を有している。
【0021】
図1及び図2に示すように、紙幣受入部201、紙幣払出部202、出金リジェクト部207及び紙幣回収カセット208は、筐体210の前部に設けられている。また、紙幣受入部201、紙幣払出部202、周回搬送部203、紙幣収納部206、出金リジェクト部207、紙幣回収カセット208及び接続搬送部209等は紙幣処理ユニット215を構成しており、紙幣処理ユニット215は、筐体210に対して、前方に引き出し可能に構成されている。また、紙幣回収カセット208は、筐体210に対して着脱可能に装着されている。
【0022】
紙幣受入部201は、紙幣受入口201aに挿入された入金紙幣を1枚ずつ取り込んで、周回搬送部203側へ繰り出す。各紙幣収納部206は、紙幣識別部204の識別結果に基づいた紙幣を金種別に収納する。紙幣払出部202は、各紙幣収納部206から周回搬送部203に繰り出された紙幣を紙幣取出口202aより筐体210外へ出す。
【0023】
出金リジェクト部207は、紙幣収納部206から繰り出された紙幣のうち、斜行等により紙幣識別部204で識別することができない紙幣を出金リジェクト紙幣として収納する。紙幣受入部201から筐体210内に取り込まれた紙幣のうち、汚損等により紙幣識別部204で識別することができない紙幣は、入金リジェクト紙幣として紙幣払出部202に返却される。
【0024】
また、紙幣処理機200は、紙幣受入部201、紙幣払出部202、周回搬送部203、紙幣収納部206、接続搬送部209等を制御する紙幣制御部220を有している。
紙幣制御部220は、CPU(不図示)、ROM(不図示)、RAM(不図示)により構成される。紙幣制御部220は、硬貨制御部120、可搬型端末30及び操作端末20から送信されてきた情報を受信する紙幣受信部221と、硬貨制御部120、可搬型端末30及び操作端末20に対して情報を送信する紙幣送信部222とを有している。また、紙幣制御部220は、紙幣受入部201、紙幣払出部202、周回搬送部203、紙幣収納部206、接続搬送部209等の状態を把握する紙幣把握部224を有している。また、紙幣制御部220は、紙幣処理機200に設けられた電磁ロック機構(不図示)のロック解除を行う紙幣解除部225を有している。
【0025】
紙幣送信部222は、硬貨制御部120の硬貨送信部122から送られてきた硬貨処理機100の状態等を、可搬型端末30や操作端末20に対して送信する。また、紙幣送信部222は、可搬型端末30や操作端末20から送られてきた情報を、硬貨制御部120の硬貨受信部121に対して送信する。
【0026】
紙幣把握部224には、紙幣処理機200に設けられた各種センサ(不図示)からの信号が入力される。例えば、紙幣把握部224には、周回搬送部203や接続搬送部209等に設けられて、紙幣詰まりを検出するセンサからの信号が入力される。これにより、紙幣把握部224は、紙幣詰まりが発生したこと、及び、筐体210内のどの部位に紙幣詰まりが発生しているかを把握する。そして、紙幣送信部222は、紙幣詰まりが発生していることを紙幣把握部224が把握した場合には、通信インターフェース(不図示)を介して、紙幣詰まりが発生している旨の情報とともにどの部位に紙幣詰まりが発生しているかの情報を可搬型端末30に対して送信する。
【0027】
また、紙幣把握部224には、各紙幣収納部206に設けられて、紙幣収納部206がニアフル状態であることを検出するセンサからの信号が入力される。なお、ニアフル状態は、各紙幣収納部206に予め定められた上限量の紙幣が収納されている状態であることを例示することができる。また、紙幣把握部224には、各紙幣収納部206に設けられて、紙幣収納部206がニアエンプティ状態であることを検出するセンサからの信号が入力される。なお、ニアエンプティ状態は、各紙幣収納部206に予め定められた下限量の紙幣が収納されていない状態であることを例示することができる。これにより、紙幣把握部224は、どの金種の紙幣が、ニアフル状態又はニアエンプティ状態であるかを把握する。そして、紙幣送信部222は、紙幣把握部224がニアフル状態又はニアエンプティ状態であることを把握した場合には、通信インターフェースを介して、ニアフル状態又はニアエンプティ状態である旨の情報とともにどの金種の紙幣がニアフル状態又はニアエンプティ状態であるかの情報を可搬型端末30に対して送信する。
【0028】
また、紙幣把握部224には、各種センサが汚れている旨の信号が入力される。これにより、紙幣把握部224は、どのセンサが汚れているのかを把握する。そして、紙幣送信部222は、センサが汚れていることを紙幣把握部224が把握した場合には、通信インターフェースを介して、センサが汚れている状態である旨の情報とともにどのセンサが汚れている状態であるかの情報を可搬型端末30に対して送信する。
【0029】
紙幣解除部225は、可搬型端末30から、紙幣処理機200に設けられた電磁ロック機構のロック解除の指示を紙幣受信部221が受信した場合に、電磁ロック機構のロック解除を行う。
【0030】
(操作端末20)
操作端末20は、硬貨処理機100の硬貨制御部120や紙幣処理機200の紙幣制御部220に指令を送ることにより硬貨処理機100や紙幣処理機200に対して硬貨や紙幣の入出金処理を行わせる。また、操作端末20は、硬貨処理機100の硬貨制御部120や紙幣処理機200の紙幣制御部220から、これらの硬貨処理機100や紙幣処理機200における硬貨や紙幣の処理状況や、硬貨処理機100や紙幣処理機200の内部に収納された硬貨や紙幣の在高に係る情報を受け取る。そして、操作端末20は、硬貨や紙幣の在高を、表示部に表示する。
【0031】
(可搬型端末30)
可搬型端末30は、図3に示すように、装置全体を制御する制御部31と、データ等の記憶に用いられる記憶部32と、操作受付画面や画像の表示に使用される表示部33と、ユーザの入力操作を受け付ける操作部34と、貨幣処理装置10との通信に用いられる通信部35と、カメラ36とを備えている。
可搬型端末30は、通信部35、ネットワーク50(図1参照)を介して、貨幣処理装置10と互いに通信を行うことが可能となっている。ネットワーク50は、装置間のデータ通信に用いられる通信ネットワークであれば特に限定されず、例えばインターネット、WAN(Wide Area Network)、LANであることを例示することができる。データ通信に用いられる通信回線は、有線か無線かを問わず、これらを併用しても良い。無線LANは、例えばWiFi(登録商標)やブルートゥース(登録商標)であることを例示することができる。
【0032】
制御部31は、CPU(不図示)、ROM(不図示)、RAM(不図示)により構成される。ROMには、CPUにより実行される基本プログラム(オペレーションシステム)や各種の設定等が記憶されている。CPUは、RAMを作業エリアに使用し、ROMや記憶部32から読み出したアプリケーションプログラムを実行する。例えば、CPUは、ROMや記憶部32から読み出した電子取扱説明書を表示するアプリケーションプログラム(以下、「取説表示アプリ」と称する場合がある。)を実行する。例えば、CPUは、「電子取説」との文言が表示されたアイコン31a(図1参照)が押下された場合に、取説表示アプリを起動する。
【0033】
制御部31は、貨幣処理装置10から送信されてきた情報を受信する受信部311と、貨幣処理装置10に対して情報を送信する送信部312と、表示部33を制御する表示制御部313とを備えている。なお、受信部311は、ネットワーク50を介して貨幣処理装置10と接続されている間、貨幣処理装置10から送信されてきた情報を受信可能であり、受信部311が貨幣処理装置10からの情報を受信したことを契機として取説表示アプリを起動する。
【0034】
記憶部32は、半導体メモリなどの記憶装置であることを例示することができる。
表示部33は、静止画像や動画像等を表示するディスプレイ装置である。表示部33は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであることを例示することができる。
操作部34は、ユーザからの操作を受け付ける入力装置である。操作部34は、ボタン、スイッチ、タッチパネルであることを例示することができる。
通信部35は、通信インターフェースであることを例示することができる。
カメラ36は、静止画又は動画を撮像することができるデジタルカメラであることを例示することができる。
【0035】
以上のように構成された可搬型端末30は、取説表示アプリを実行することにより、貨幣処理装置10から送信されてきた情報に応じたガイダンスを表示部33に表示する。
以下に、可搬型端末30がガイダンスを表示部33に表示する機能について詳述する。
受信部311は、貨幣処理装置10から、貨幣処理装置10の状態に応じた情報等を受信する。例えば、受信部311は、貨幣処理装置10から、硬貨詰まり又は紙幣詰まりが発生している旨の情報とともにどの部位に詰まりが発生しているかの情報を受信する。また、受信部311は、貨幣処理装置10から、硬貨収納部106又は紙幣収納部206が、ニアフル状態又はニアエンプティ状態である旨の情報とともにどの金種の硬貨又は紙幣がニアフル状態又はニアエンプティ状態であるかの情報を受信する。
【0036】
表示制御部313は、受信部311が受信した、貨幣処理装置10から送信されてきた情報に応じたガイダンスを表示部33に表示させる。
図4は、受信部311が貨幣処理装置10から受信した貨幣処理装置10についての情報と、表示制御部313が表示部33に表示させるガイダンスの内容との関係の一例を示す図である。
図5図6図7は、表示制御部313が表示部33に表示させたガイダンスの一例を示す図である。
記憶部32は、貨幣処理装置10の電子取扱説明書のデータを記憶している。また、記憶部32は、貨幣処理装置10の状態の情報と電子取扱説明書のページ数及びガイダンスの内容とが関連付けられた情報を記憶している。なお、記憶部32は、貨幣処理装置10の状態の情報とガイダンスの内容とが関連付けられた情報を記憶していても良い。
【0037】
表示制御部313は、受信部311が貨幣処理装置10の状態の情報を受信した場合、記憶部32に当該状態に関連付けられて記憶されている電子取扱説明書のページ数及びガイダンスの内容を表示部33に表示させる。例えば、表示制御部313は、受信部311が紙幣処理機200にエラーが発生している旨の情報を受信した場合には、当該エラーに関連付けて記憶されている、当該エラーの解消方法が記載された電子取扱説明書のページを、表示部33に表示させる。これにより、表示部33に、エラーが発生した旨を示す情報や、エラー解消方法に関する情報である、エラーを解消するために操作が必要な箇所及びエラー解消の操作手順の画像が表示される。また、エラーの解消方法が、電子取扱説明書の複数のページに亘って記載されている場合には、エラー解消の進捗に合わせて、表示部33に表示させるページを遷移させる。なお、画像は、静止画像や動画像であることを例示することができる。
【0038】
より具体的には、表示制御部313は、例えば、受信部311が紙幣処理機200の周回搬送部203に紙幣詰まりが生じている旨の情報を受信した場合には、図4に示すように、紙幣詰まりと関連付けて記憶されている電子取扱説明書の21ページを表示部33に表示させる。図5は、電子取扱説明書の21ページに記載されているガイダンスの一例である。図5に示すように、表示部33には、紙幣詰まりが発生した旨を示す情報、紙幣詰まりを解消するのに必要な操作に関連する画像、及び、紙幣詰まりを解消する手順である、「鍵を差して回してください。」、「紙幣処理ユニットを引き出してください。」との文言が表示されている。
【0039】
その後、表示制御部313は、表示部33に表示した操作が行われたとの情報を受信した場合には、表示部33に、次の操作手順を表示させる。例えば、紙幣処理ユニット215が引き出されたとの情報を受信部311が受信した場合には、図4に示すように、紙幣処理ユニット215の引き出し後と関連付けて記憶されている電子取扱説明書の22ページを表示部33に表示させる。図6は、電子取扱説明書の22ページに記載されているガイダンスの一例である。図6に示すように、表示部33には、紙幣詰まりを解消するのに開放すべき扉216を示す画像、及び、「紙幣を取り除いてください。」との文言が表示されている。
【0040】
ここで、紙幣収納部206から周回搬送部203へ紙幣を繰り出す途中で詰まった紙幣を取り除くために開く扉216が電磁ロック機構を有している場合、電磁ロック機構のロック解除を行わないと扉216を開いて詰まった紙幣を取り除くことはできない。システム1においては、店舗責任者が、可搬型端末30の操作部34に対して予め定められた操作を行うことで、電磁ロック機構のロックを解除できるように構成されている。そのため、図6に示すように、表示部33には、紙幣の取り除きを促す文言とともに、「ロック解除」の文言が記載された解除ボタン331が表示されている。そして、解除ボタン331を押す(タッチパネルである操作部34に表示されたボタンを押す)ことで、店舗責任者はロックを解除できるように構成されている。店舗責任者が解除ボタン331を押すと、押された旨の情報が送信部312により貨幣処理装置10に送信され、電磁ロック機構のロックが解除される。解除ボタン331は、例えば、ロック解除が必要である旨の情報を受信部311が受信した場合に、表示部33に表示されることを例示することができる。
なお、店舗責任者が解除ボタン331を押すことで、電磁ロック機構のロック解除を遠隔で承認できるように構成されていても良い。この場合、紙幣詰まりを解消する店員が、店舗責任者の承認を求めるべく貨幣処理装置10の操作表示部112又は操作端末20を操作することで、解除ボタン331が表示部33に表示されることを例示することができる。
【0041】
図6に示す表示を行った後、表示制御部313は、表示部33に表示した操作が行われたとの情報を受信した場合には、表示部33に、次の操作手順を表示させる。例えば、扉216が開けられた後に閉められたとの情報を受信部311が受信した場合には、図4に示すように、扉開閉後と関連付けて記憶されている電子取扱説明書の23ページを表示部33に表示させる。図7は、電子取扱説明書の23ページに記載されているガイダンスの一例である。図7に示すように、表示部33には、次の操作に関連する画像、及び、「紙幣処理ユニットを元に戻してください。」、「鍵を差して回してください。」との文言が表示されている。
【0042】
このように、表示制御部313は、受信部311が貨幣処理装置10にエラーが発生している旨の情報を受信した場合には、当該エラーに関連付けて記憶されている、当該エラーの解消方法のガイダンスを、表示部33に表示させる。
その他の例としては、表示制御部313は、受信部311が硬貨処理機100に硬貨詰まりが生じている旨の情報を受信した場合には、硬貨詰まりと関連付けて記憶されている電子取扱説明書のページ(例えば18ページ)を表示部33に表示させる。
なお、図5図6図7に示した例においては、複数の操作手順が、操作手順毎に電子取扱説明書の異なるページに記載されているが、特にかかる態様に限定されない。異なる操作手順が同じページに記載されていても良い。
【0043】
図8は、表示制御部313が表示部33に表示させた解除ボタン37の一例を示す図である。
紙幣処理ユニット215等を引き出し可能にする鍵を物理鍵ではなく、電磁ロック機構にし、可搬型端末30の操作部34に対して予め定められた操作を行うことで、この電磁ロック機構のロック解除を遠隔で承認できるように構成しても良い。例えば、表示制御部313は、受信部311が紙幣処理機200に紙幣詰まりが生じている旨の情報を受信したことに起因して紙幣詰まりを解消させるためのガイダンスを表示させる際に、ロック解除が必要である旨の情報を受信部311が受信した場合には、図8に示すように、ガイダンスとともに、「ロック解除」の文言が記載されたボタンの一例としての解除ボタン332を、可搬型端末30の表示部33に表示する。そして、貨幣処理装置10は、解除ボタン332が押されたことを受信した場合には、紙幣処理ユニット215を引き出し可能にするために、電磁ロック機構のロック解除を行うと良い。
【0044】
また、システム1において、店舗責任者が、可搬型端末30の操作部34に対して予め定められた操作を行うことで、リセット動作を可能としても良い。例えば、表示部33に表示された、「リセット動作開始」の文言が記載されたボタンを押すことで、リセット動作を開始できるように構成されている。店舗責任者が「リセット動作開始」の文言が記載されたボタンを押すと、押された旨の情報が送信部312により貨幣処理装置10に送信され、リセット動作が開始される。「リセット動作開始」の文言が記載されたボタンは、例えば、表示制御部313が、紙幣詰まりが解消した旨の情報を受信部311が受信した場合に表示部33に表示させることを例示することができる。なお、リセット動作が開始されると、例えば紙幣が再セットされた紙幣収納部206から1枚の紙幣が接続搬送部209に繰り出される。そして、接続搬送部209から周回搬送部203に紙幣が送られ、この周回搬送部203で紙幣が周回されることにより紙幣識別部204によりその搬送状態等の識別が行われる。その後、紙幣識別部204により正常であると識別された紙幣(例えば重送等の搬送異常や折れ券ではない紙幣)は元の紙幣収納部206に戻される。このことにより、リセット動作が完了し、紙幣処理機200において、入金処理や出金処理等の通常の取引を引き続き行うことができるようになる。
【0045】
図9図10図11は、表示制御部313が表示部33に表示させた回収時のガイダンスの一例を示す図である。
上述した紙幣詰まり時等のガイダンスの他、表示制御部313は、硬貨収納部106又は紙幣収納部206がニアフル状態である旨の情報を受信部311が受信した場合には、図4に示すように、硬貨収納部106又は紙幣収納部206のニアフル状態と関連付けて記憶されている、回収のガイダンスが記載されている電子取扱説明書のページ(例えば31ページ)を表示部33に表示させる。ニアフル状態である旨の情報を受信した時のガイダンスにおいては、図9(a)に示すように、可搬型端末30の表示部33には、貨幣の回収を促す旨を示す情報、貨幣を回収するのに必要な操作に関連する画像、及び、貨幣を回収するのに必要な操作を促す、「「回収」ボタンを押してください。」との文言が表示されている。
【0046】
その後、表示制御部313は、「回収」ボタンが押されたとの情報を受信した場合には、図4に示すように、回収ボタン押下後と関連付けて記憶されている電子取扱説明書のページ(例えば32ページ)を表示部33に表示させる。このとき、表示制御部313は、図9(b)に示すように、表示部33に、回収内容を選択するのに必要な操作に関連する画像、及び、「回収内容を選択し「決定」ボタンを押してください。」との文言を表示させる。なお、表示制御部313は、貨幣処理装置10において選択可能な回収内容である、例えば、「残置回収」、「全回収」、「硬貨のみ全回収」、「紙幣のみ全回収」、「個別回収」等を表示させる。
【0047】
その後、表示制御部313は、回収内容が選択されて「決定」ボタンが押されたとの情報を受信した場合には、選択された回収内容に応じた画像や文言を表示させる。例えば、「全回収」が選択された場合には、貨幣処理装置10において、硬貨の回収が行われるとともに、可搬型端末30に対して硬貨を回収開始する旨の情報が送信されるので、表示制御部313は、図10(a)に示すように、硬貨回収中である旨を示す画像や文言を表示部33に表示させる。
その後、表示制御部313は、硬貨回収が終了したとの情報を受信した場合には、図4に示すように、決定ボタン押下後と関連付けて記憶されている電子取扱説明書のページ(例えば33ページ)を表示部33に表示させる。このとき、表示制御部313は、図10(b)に示すように、表示部33に、硬貨回収金額とともに、硬貨払出部102から回収されたお金の抜き取りを促すための、「回収されたお金を抜き取ってください」との文言を表示させる。
【0048】
その後、貨幣処理装置10において、硬貨払出部102からお金が抜き取られた場合には、紙幣収納部206に収納された紙幣の紙幣回収カセット208への回収が開始される。その後、表示制御部313は、紙幣回収カセット208への回収が終了したとの情報を受信した場合には、図4に示すように、カセットへの回収後と関連付けて記憶されている電子取扱説明書のページ(例えば34ページ)を表示部33に表示させる。このとき、表示制御部313は、図11(a)に示すように、表示部33に、紙幣回収カセット208の紙幣の抜き取りを促すための、「紙幣回収カセットの紙幣を抜き取ってください。」との文言を表示させる。さらに、表示制御部313は、紙幣回収カセット208の引き出しを規制するために設けられた電磁ロック機構のロックを解除するための、「ロック解除」の文言が記載された解除ボタン333を、表示部33に表示させる。そして、貨幣処理装置10は、解除ボタン333が押されたことを受信した場合には、紙幣回収カセット208を引き出し可能にするために、電磁ロック機構のロック解除を行う。
その後、表示制御部313は、紙幣回収カセット208が引き出された後に、再度紙幣回収カセット208がセットされたとの情報を受信した場合には、図11(b)に示すように、表示部33に、紙幣の抜き取りが完了した旨を示す画像や文言を表示させる。
【0049】
なお、貨幣処理装置10において紙幣のみの回収を行う回収内容である、「紙幣のみ全回収」等を選択する場合、事務所などの遠隔地から回収指示を行うことで、紙幣収納部206に収納された紙幣の紙幣回収カセット208への回収を開始させることができる。これにより、貨幣処理装置10において紙幣回収処理が行われている間、貨幣処理装置10の傍で待機する必要がないので、効率的に回収処理を実行することができる。
【0050】
図12は、表示制御部313が表示部33に表示させた補充時のガイダンスの一例を示す図である。
表示制御部313は、硬貨収納部106又は紙幣収納部206がニアエンプティ状態である旨の情報を受信部311が受信した場合には、硬貨収納部106又は紙幣収納部206のニアエンプティ状態と関連付けて記憶されている、補充のガイダンスが記載されている電子取扱説明書のページ(例えば41ページ)を表示部33に表示させる。なお、受信部311がニアエンプティ状態である金種及び必要な枚数の情報を受信した場合には、補充金種及び枚数のガイダンスを表示部33に表示させる。
ニアエンプティ状態である旨の情報を受信した時のガイダンスにおいては、表示制御部313は、図12(a)に示すように、表示部33に、貨幣の補充を促すための、「貨幣をセットしてください。」との文言、及び、貨幣を補充するのに必要な操作に関連する画像を表示させる。
【0051】
その後、表示制御部313は、硬貨受入部101や紙幣受入部201に貨幣がセットされたとの情報を受信した場合には、図4に示すように、貨幣セット後と関連付けて記憶されている電子取扱説明書のページ(例えば42ページ)を表示部33に表示させる。このとき、表示制御部313は、図12(b)に示すように、表示部33に、貨幣を補充するのに必要な操作に関連する画像、及び、貨幣を補充する手順である、「「補充」ボタンを押してください。」との文言を表示させる。
その後、「補充」ボタンが押された場合には、貨幣処理装置10において、貨幣の補充が開始される。
【0052】
その他、表示制御部313は、貨幣処理装置10のセンサが汚れている旨の情報を受信部311が受信した場合には、センサ汚れと関連付けて記憶されている、お掃除ガイダンスが記載されている電子取扱説明書のページ(例えば51ページ)を表示部33に表示させる。
【0053】
また、表示制御部313は、受信部311が貨幣処理装置10の状態に関連する情報を受信した場合には、当該状態に関連付けて記憶されているガイダンスを、表示部33に表示させる。
例えば、表示制御部313は、貨幣処理装置10が硬貨詰まり又は紙幣詰まりが解消した直後の状態である旨の情報を受信した場合には、詰まっていた貨幣の取り扱いのガイダンス(取り除いた貨幣を収納部に戻す、釣銭金額に含める等)が記載されている電子取扱説明書のページ(例えば25ページ)を表示部33に表示させる。
また、表示制御部313は、貨幣処理装置10を最初に設置する初期設置を行う旨の情報を受信した場合には、初期設置のガイダンスが記載されている電子取扱説明書のページ(例えば1ページ)を表示部33に表示させる。
また、表示制御部313は、貨幣処理装置10に対して貨幣を入れる旨の情報を受信した場合には、入金時のガイダンス、言い換えれば、入金時留意事項が記載されている電子取扱説明書のページ(例えば10ページ)を表示部33に表示させる。
【0054】
以上説明したように、可搬型端末30は、無線通信により装置の一例としての貨幣処理装置10の状態に応じた情報を受信する受信部311と、受信部311が受信した状態に対応するガイダンスを表示部33に表示させる表示制御部313とを備える。貨幣処理装置10の状態は、紙幣詰まりや硬貨詰まり等のエラーが生じている状態、エラーが解消した後の貨幣の取り扱い待ちの状態、初期設置が行われる状態、入金待ちの状態であることを例示することができる。そして、可搬型端末30によれば、表示部33に、貨幣処理装置10の状態に対応するガイダンス、例えば電子取扱説明書における当該状態に対応するページが表示されるので、例えば店舗責任者は、可搬型端末30の表示部33を見ながら貨幣処理装置10の状態に対応することが可能となる。例えば、貨幣処理装置10にエラーが生じている場合には、例えば店舗責任者等のユーザは、可搬型端末30の表示部33を見ながらエラーを解消することが可能になる。これにより、例えばエラーを解消するために、取扱説明書を開いて対象ページを探す手間が低減される。また、取扱説明書の誤ったページを開いて誤った操作をしてしまうことが抑制される。また、可搬型端末30を手元に置いて間近で見ながら作業を行なうことができるので、貨幣処理装置10に固定された操作表示部112を見る場合よりも作業性が向上する。さらに、可搬型端末30の表示部33の表示画面が、貨幣処理装置10の操作表示部112の表示画面よりも大きい場合には、視認性が高い。このように、可搬型端末30によれば、ユーザの使い勝手が向上する。
【0055】
また、可搬型端末30が表示部33に、貨幣処理装置10の状態に応じた事項等を表示するので、貨幣処理装置10は操作表示部112を備えていなくても良い。貨幣処理装置10に操作表示部112を設けないことにより、コンパクト化とコストダウンを図ることができる。
【0056】
なお、可搬型端末30は、ネットワーク50を介して貨幣処理装置10と接続されていなくても、電子取扱説明書の閲覧が可能であると良い。かかる態様であっても、貨幣処理装置10に固定された操作表示部112にて電子取扱説明書を見る場合よりも作業性が向上する。また、可搬型端末30の表示部33の表示画面が、貨幣処理装置10の操作表示部112の表示画面よりも大きい場合には、視認性が高い。その結果、可搬型端末30によれば、ユーザの使い勝手が向上する。
【0057】
また、可搬型端末30は、ガイダンスとして、電子取扱説明書に記載されたページをそのまま表示しているが、かかる態様に限定されない。ガイダンスは、電子取扱説明書とは別のものであっても良く、貨幣処理装置10の状態の情報を受信したときに表示するために作成されたものであっても良い。
また、システム1において、可搬型端末30と貨幣処理装置10とがネットワーク50を介して通信を行っているが、特にかかる態様に限定されない。例えば、可搬型端末30と操作端末20とを、インターネット、WAN、LAN等のネットワークを介して互いに通信を行うことを可能とし、可搬型端末30と貨幣処理装置10とは、操作端末20(又はPOSレジスタ)を介して通信しても良い。また、貨幣処理装置10と操作端末20とは、可搬型端末30を介して通信しても良い。
また、貨幣処理装置10の硬貨処理機100は、紙幣処理機200を介して、可搬型端末30や操作端末20と通信を行っているが、特にかかる態様に限定されない。硬貨処理機100が、可搬型端末30や操作端末20と直接通信を行う構成であっても良い。また、紙幣処理機200が、硬貨処理機100を介して、可搬型端末30や操作端末20と通信を行う構成であっても良い。
【0058】
また、貨幣処理装置10の状態に対応するガイダンスは複数のページに亘っている場合には、表示制御部313は、エラーの解消の進捗に合わせてガイダンスを遷移させる。例えば、図5図7を用いて説明したように、紙幣詰まりを解消するガイダンスが電子取扱説明書の3ページに亘っている場合には、紙幣処理ユニット215の引き出し、扉216の開閉等の、エラーの解消の進捗に合わせて、21ページ、22ページ、23ページと、表示部33に表示させるページを遷移させて、ガイダンスを遷移させる。これにより、ユーザは、自ら可搬型端末30を操作して電子取扱説明書のページを遷移させる必要がないので、ユーザの使い勝手が向上する。
【0059】
また、可搬型端末30は、貨幣処理装置10に対する指示を受け付ける操作部の一例としての操作部34と、操作部34が受け付けた指示を無線通信により送信する送信部312と、を備える。これにより、ユーザは、可搬型端末30を操作することにより、貨幣処理装置10に対して指示を送ることができるので、遠隔にて貨幣処理装置10の操作を行うことができ、使い勝手が向上する。
例えば、操作部34は、貨幣処理装置10に設けられている規制部の一例としての電磁ロック機構の解除の指示を受け付ける。これにより、例えば店舗責任者等のユーザは、可搬型端末30に表示されたガイダンスを見ながら可搬型端末30でロック解除の指示を行うことができるので、使い勝手が向上する。また、可搬型端末30は、貨幣処理装置10からニアフル状態である旨の情報を受信部311が受信した場合には、回収のガイダンスを表示するとともに回収に伴う指示を受け付ける。これにより、例えば店舗責任者等のユーザは、可搬型端末30に表示されたガイダンスを見ながら可搬型端末30で回収に伴う指示を行うことができるので、使い勝手が向上する。また、可搬型端末30は、貨幣処理装置10からニアエンプティ状態である旨の情報を受信部311が受信した場合には、補充のガイダンスを表示するとともに補充に伴う指示を受け付ける。これにより、例えば店舗責任者等のユーザは、可搬型端末30に表示されたガイダンスを見ながら可搬型端末30で補充に伴う指示を行うことができるので、使い勝手が向上する。
【0060】
また、以上説明したように構成された貨幣処理装置10は、貨幣を処理する駆動部の一例としての周回搬送部203と、貨幣を収納する収納部の一例としての紙幣収納部206と、周回搬送部203及び紙幣収納部206の少なくともいずれかの状態を把握する把握部の一例としての紙幣把握部224とを備えている。また、貨幣処理装置10は、紙幣把握部224が把握した周回搬送部203等の状態を可搬型端末30に送信するための情報の一例としての紙幣詰まりが生じた旨の情報を無線通信により送信する送信部の一例として紙幣送信部222を備えている。これにより、貨幣処理装置10は、状態が変化した場合等に、その情報を可搬型端末30に知らせることができ、貨幣処理装置10と離れた場所にいる可搬型端末30のユーザに状態の変化等を知らせることができる。
【0061】
また、貨幣処理装置10は、可搬型端末30から送信された指示を無線通信により受信する受信部の一例としての紙幣受信部221と、周回搬送部203を有するとともに筐体210から引き出し可能なユニットの一例としての紙幣処理ユニット215とを備えている。また、貨幣処理装置10は、紙幣処理ユニット215の引き出しを規制する規制部の一例としての電磁ロック機構と、電磁ロック機構の規制の解除を行う解除部の一例としての紙幣解除部225とを備えている。そして、紙幣解除部225は、紙幣受信部221が可搬型端末30から電磁ロック機構のロック解除の指示を受信した場合に、ロックを解除する。これにより、例えば店舗責任者は、貨幣処理装置10と離れた場所にいたとしても、貨幣処理装置10のロック解除を行うことができるので、使い勝手が向上する。
また、貨幣処理装置10は、可搬型端末30から、回収に伴う指示を受信した場合又は補充に伴う指示を受信した場合には、これら回収又は補充を行うための処理、例えば硬貨収納部106又は紙幣収納部206のために開く扉の電磁ロック機構のロック解除を行う。これにより、例えば店舗責任者は、貨幣処理装置10と離れた場所にいたとしても、貨幣の回収や補充を行うための処理を行うことができるので、使い勝手が向上する。
【0062】
なお、上述した実施形態においては、可搬型端末30は、貨幣処理装置10の電子取扱説明書を記憶部32に記憶し、受信部311が受信した貨幣処理装置10の状態の情報に応じたガイダンスを記憶部32から読み出して表示部33に表示するが、特にかかる態様に限定されない。電子取扱説明書は、例えば、インターネット、WAN、LAN等の通信ネットワークにて接続されたサーバに記憶されていても良く、可搬型端末30は、貨幣処理装置10の状態を受信するたびに、サーバから電子取扱説明書をダウンロードして表示部33に表示しても良い。その際、可搬型端末30は、貨幣処理装置10の電子取扱説明書全てをダウンロードして、該当するページ(ガイダンス)を表示しても良いし、該当するページ(ガイダンス)のみをダウンロードして、表示部33に表示しても良い。
【0063】
また、可搬型端末30は、ネットワーク50を介して貨幣処理装置10と接続されている間、貨幣処理装置10における硬貨や紙幣の処理状況や、硬貨処理機100や紙幣処理機200の内部に収納された硬貨や紙幣の在高の情報を取得して表示部33に表示する機能を有していると良い。また、可搬型端末30は、ネットワーク50を介して貨幣処理装置10と接続されている間、硬貨収納部106又は紙幣収納部206の収納状態(例えば、ニアフル状態又はニアエンプティ状態)、エラー発生履歴、操作履歴等を取得して表示部33に表示する機能を有していると良い。
【0064】
また、可搬型端末30は、例えば、インターネット、WAN、LAN等の通信ネットワークを介して、コールセンターと通信可能であると良い。これにより、例えば、貨幣処理装置10のエラーが解消しない場合には、可搬型端末30を用いて、コールセンターと通信することが可能となる。そして、可搬型端末30の表示部33の画面と、コールセンターが表示する画面とを共有する等して、コールセンターが、可搬型端末30を介して、貨幣処理装置10を遠隔で操作可能であると良い。さらに、可搬型端末30のカメラ36にて撮影した画像を、可搬型端末30の表示部33の画面と、コールセンターが表示する画面とで共有可能であると良い。
【0065】
また、可搬型端末30は、貨幣処理装置10の各種設定を遠隔にて変更可能であると良い。
また、上述したシステム1において、可搬型端末30が有する機能を、可搬型の操作端末20が有していても良い。これにより、店員は、可搬型の操作端末20に表示されたガイダンスを見ながら貨幣処理装置10のエラー解消等を行うことが可能となる。
また、上述したシステム1において、貨幣処理装置10として、釣銭機としての機能を有する装置を例示しているが、貨幣処理装置10は、入出金機や両替機等であっても良い。
【0066】
<第2の実施形態>
図13は、第2の実施形態に係る貨幣処理システム2(以下、単に「システム2」と称する場合がある。)の概略構成の一例を示す図である。
システム2は、可搬型端末30が、ネットワーク50を介して、複数(図13においては3つ)の貨幣処理装置10と、通信可能に接続されている点が、第1の実施形態に係るシステム1と異なる。システム1とシステム2とで、同じ機能を有するものについては同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0067】
可搬型端末30のROM又は記憶部32は、ネットワーク50にて通信可能に接続された複数の貨幣処理装置10それぞれと対応する取説表示アプリを記憶している。そして、可搬型端末30は、ユーザにより、複数の貨幣処理装置10の内の一の貨幣処理装置10に対応する取説表示アプリが起動されることで、当該一の貨幣処理装置10の電子取扱説明書を表示部33に表示可能である。これにより、ユーザは、電子取扱説明書を見たい貨幣処理装置10の取説表示アプリを選択して起動することで、当該貨幣処理装置10の電子取扱説明書を表示部33で見ることが可能になる。なお、可搬型端末30は、複数の貨幣処理装置10それぞれと対応する取説表示アプリではなく、1つの取説表示アプリを起動した後に、号機等、複数の貨幣処理装置10を識別する表示を行い、ユーザにより選択された表示に対応する貨幣処理装置10の取説表示アプリを起動する態様であっても良い。
【0068】
また、可搬型端末30の受信部311は、複数の貨幣処理装置10の情報を受信可能である。より具体的には、ユーザは、硬貨や紙幣の処理状況や硬貨や紙幣の在高等の確認を行いたい貨幣処理装置10に対応する取説表示アプリを選択して起動することで、当該貨幣処理装置10から情報を取得して表示部33に表示することが可能になっている。なお、可搬型端末30は、複数の貨幣処理装置10それぞれと対応する取説表示アプリではなく、1つの取説表示アプリを起動した後に、号機等、複数の貨幣処理装置10を識別する表示を行い、ユーザにより選択された表示に対応する貨幣処理装置10の取説表示アプリを起動する態様であっても良い。
【0069】
また、可搬型端末30の受信部311は、ネットワーク50を介して貨幣処理装置10と接続されている間、貨幣処理装置10から送信されてきた情報を受信可能である。そして、受信部311が複数の貨幣処理装置10の内の一の貨幣処理装置10からの情報を受信したことを契機として当該一の貨幣処理装置10に対応する取説表示アプリを起動する。そして、情報を送信してきた一の貨幣処理装置10の状態に対応する電子取扱説明書のページ(ガイダンス)を表示部33に表示する。なお、可搬型端末30は、複数の貨幣処理装置10それぞれと対応する取説表示アプリではなく、1つの取説表示アプリを起動することで、複数の貨幣処理装置10の状態に対応する電子取扱説明書のページを表示部33に表示しても良い。そして、かかる場合には、情報を送信してきた一の貨幣処理装置10の号機等を明示して表示した上で、当該一の貨幣処理装置10の状態に対応する電子取扱説明書のページ(ガイダンス)を表示部33に表示すると良い。
【0070】
また、可搬型端末30の送信部312は、複数の貨幣処理装置10の中から選択された一の貨幣処理装置10に対してロック解除指示等を送信可能である。例えば、店舗責任者は、ロック解除等の指示を行いたい貨幣処理装置10に対応する取説表示アプリを選択して起動し、可搬型端末30の操作部34に対して予め定められた操作を行うことで、遠隔操作できるように構成されていると良い。なお、可搬型端末30は、複数の貨幣処理装置10それぞれと対応する取説表示アプリではなく、1つの取説表示アプリを起動した後に、号機等、複数の貨幣処理装置10を識別する表示を行い、ユーザにより選択された表示に対応する貨幣処理装置10の取説表示アプリを起動し、当該貨幣処理装置10を遠隔操作できるように構成しても良い。
【0071】
以上のように構成されたシステム2によれば、店舗に複数の貨幣処理装置10が備えられている場合であっても、一の可搬型端末30を備えればよいので、安価にシステムを構築することができる。
なお、上述したシシステム2において、貨幣処理装置10として、図13に示すように、釣銭機としての機能を有する装置を複数例示しているが、貨幣処理装置10は、入出金機や両替機等であっても良い。また、複数の貨幣処理装置10は、同じ装置に限定されず、例えば、釣銭機と入出金機と両替機等、それぞれ異なる機能を有する装置であっても良い。
【符号の説明】
【0072】
1,2…貨幣処理システム、10…貨幣処理装置、20…操作端末、21…プリンタ、30…可搬型端末、31…制御部、32…記憶部、33…表示部、34…操作部、100…硬貨処理機、120…硬貨制御部、121…硬貨受信部、122…硬貨送信部、124…硬貨把握部、125…硬貨解除部、200…紙幣処理機、215…紙幣処理ユニット、220…紙幣制御部、221…紙幣受信部、222…紙幣送信部、224…紙幣把握部、225…紙幣解除部、311…受信部、312…送信部、313…表示制御部
図1
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図13