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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】レバー操作装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 25/00 20060101AFI20241217BHJP
   H01H 9/04 20060101ALI20241217BHJP
   H01H 25/04 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
H01H25/00 N
H01H9/04 C
H01H25/04 L
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021063504
(22)【出願日】2021-04-02
(65)【公開番号】P2022158534
(43)【公開日】2022-10-17
【審査請求日】2023-11-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】畑田 洋佑
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 優樹
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 貴光
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-015202(JP,A)
【文献】実開平05-049517(JP,U)
【文献】特開平09-226398(JP,A)
【文献】特開平09-242852(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/04
H01H 25/00
H01H 25/04
H01H 11/00
H01H 21/00
H01H 21/36
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の軸を中心とした第1の回転操作がなされるレバー部と、
前記レバー部の先端部に取り付けられた磁石と、
前記レバー部の前記第1の回転操作による前記磁石の移動を検出する磁気センサと、
前記先端部が取り付けられる第1の空間、及び前記第1の空間と隔離され、前記磁気センサが配置される第2の空間を有する筐体と、
前記磁気センサによる前記磁石の移動の検出に基づいて前記レバー部の操作を判定する判定部と、
を備え
前記筐体は、前記第2の空間と異なり、前記第1の空間と隔離された第3の空間を有し、
前記判定部は、前記第3の空間に配置され、
前記第1の空間と前記第3の空間は、前記筐体の一方に形成され、
前記第2の空間は、前記筐体の他方に形成された、
レバー操作装置。
【請求項2】
前記第2の空間に配置された前記磁気センサと前記第3の空間に配置された前記判定部とは、ケーブルを介して電気的に接続される、
請求項に記載のレバー操作装置。
【請求項3】
前記筐体は、前記レバー部が突出する開口を有し、
前記第1の空間は、前記開口から侵入した液体を前記筐体の外部に排出する排出孔を有する、
請求項1又は2に記載のレバー操作装置。
【請求項4】
前記レバー部は、レバー本体と、前記レバー本体が内部に取り付けられ、前記第1の軸が設けられた第1のブラケット、及び前記第1の回転操作と交差する方向の第2の回転操作の軸となる第2の軸を有し、前記第1のブラケットが内部に取り付けられた第2のブラケットを有する前記先端部としてのブラケット部と、を備え、
前記第1のブラケットは、前記磁石を有し、
前記磁気センサは、前記レバー部の前記第1の回転操作及び前記第2の回転操作による前記磁石の移動を検出する、
請求項1乃至のいずれか1項に記載のレバー操作装置。
【請求項5】
前記筐体は、車両に搭載され、前記車両のステアリングシャフトを挟んだ左右のそれぞれに前記第1の空間及び前記第2の空間を有し、
前記レバー部及び前記磁気センサは、左右のそれぞれの前記第1の空間及び前記第2の空間に配置される、
請求項1乃至のいずれか1項に記載のレバー操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバー操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、所定方向に揺動操作可能なレバーと、このレバーの操作に応じて回転する回転体と、この回転体の中央に装着された磁石と、この磁石の磁気を検出する磁気検出素子と、を備えたレバースイッチが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このレバーは、中間位置から前後及び上下方向に揺動操作可能なように上ケースと下ケースの間に装着されている。上ケースには、さらに下面を覆うカバーが取り付けられている。カバーには、配線基板が配置されている。配線基板には、磁気検出素子が回転体に装着された磁石と対向するように設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-218067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のレバースイッチは、レバーが突出する開口が上ケースと下ケースの間に設けられている。そのため、従来のレバースイッチは、この開口から水などの液体や導電性の異物が内部に侵入し、磁気検出素子が故障する可能性がある。
【0006】
従って本発明の目的は、耐水性及び耐異物性を向上させることができるレバー操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、第1の軸を中心とした第1の回転操作がなされるレバー部と、レバー部の先端部に取り付けられた磁石と、レバー部の第1の回転操作による磁石の移動を検出する磁気センサと、先端部が取り付けられる第1の空間、及び第1の空間と隔離され、磁気センサが配置される第2の空間を有する筐体と、を備えたレバー操作装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、耐水性及び耐異物性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1(a)は、実施の形態に係るレバー操作装置の一例が搭載された車両のステアリング周辺の図であり、図1(b)は、レバー操作装置のブロック図の一例である。
図2図2(a)は、実施の形態に係るレバー操作装置の正面図の一例であり、図2(b)は、上面図の一例であり、図2(c)は、背面図の一例である。
図3図3(a)は、実施の形態に係るレバー操作装置の左表カバーを外した場合の一例を示す図であり、図3(b)は、さらに第2のブラケットを外した場合の一例を示す図である。
図4図4(a)は、実施の形態に係るレバー操作装置の左裏カバーを外した場合の一例を示す図であり、図4(b)は、図3(a)のIV(b)-IV(b)線で切断した断面の一例を示す模式図である。
図5図5(a)は、実施の形態に係るレバー操作装置のレバー本体をブラケット部に挿入する前の図の一例であり、図5(b)は、レバー本体をブラケット部に挿入した後の図の一例である。
図6図6(a)は、実施の形態に係るレバー操作装置の第1の軸周りの磁石の回転の一例を示す図であり、図6(b)は、第2の軸周りの磁石の回転の一例を示す図である。
図7図7(a)は、変形例に係るレバー操作装置のレバー部の先端部の一例であり、図7(b)は、変形例に係るレバー操作装置の節度部の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態の要約)
実施の形態に係るレバー操作装置は、第1の軸を中心とした第1の回転操作がなされるレバー部と、レバー部の先端部に取り付けられた磁石と、レバー部の第1の回転操作による磁石の移動を検出する磁気センサと、先端部が取り付けられる第1の空間、及び第1の空間と隔離され、磁気センサが配置される第2の空間を有する筐体と、を備えて概略構成されている。
【0011】
このレバー操作装置は、レバー部の先端部が取り付けられる第1の空間と、磁気センサが配置される第2の空間と、が隔離されているので、先端部と同じ空間に磁気センサが配置される場合と比べて、レバー部が露出する開口から侵入した液体や異物が磁気センサに直接付着して不具合を誘発することがなく、耐水性及び耐異物性を向上させることができる。
【0012】
[実施の形態]
(レバー操作装置1の概要)
図1(a)は、車両に配置されたレバー操作装置の一例を示す図であり、図1(b)は、レバー操作装置のブロック図の一例である。なお以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率は、実際の比率とは異なる場合がある。また図1(b)では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。以下では、本実施の形態のレバー操作装置1の概要を、後述する図面に付した符号を括弧内に記載して説明する。
【0013】
レバー操作装置1は、第1の軸(410)を中心とした第1の回転操作がなされるレバー部(3)と、レバー部(3)の先端部に取り付けられた磁石(6)と、レバー部(3)の第1の回転操作による磁石(6)の移動を検出する磁気センサ(7)と、先端部が取り付けられる第1の空間(11)、及び第1の空間(11)と隔離され、磁気センサ(7)が配置される第2の空間(12)を有する筐体(10)と、を備えて概略構成されている。
【0014】
レバー操作装置1は、磁気センサ(7)による磁石(6)の移動の検出に基づいてレバー部(3)の操作を判定する判定部を有している。また筐体(10)は、第2の空間(12)と異なり、第1の空間(11)と隔離された第3の空間(13)を有している。そして判定部は、この第3の空間(13)に配置されている。なお判定部は、後述する制御部8である。
【0015】
レバー操作装置1は、第2の空間(12)に配置された磁気センサ(7)と第3の空間(13)に配置された判定部とは、ケーブル(17)を介して電気的に接続されている。
【0016】
筐体(10)は、レバー部(3)が突出する開口(105a及び106a)を有している。第1の空間(11)は、この開口(105a及び106a)から侵入した液体を筐体(10)の外部に排出する排出孔(105b及び106b)を有している。
【0017】
レバー部(3)は、レバー本体(30)と、レバー本体(30)が内部に取り付けられ、第1の軸(410)が設けられた第1のブラケット(41)、及び第1の回転操作と交差する方向の第2の回転操作の軸となる第2の軸(420)を有し、第1のブラケット(41)が内部に取り付けられた第2のブラケット(42)を有する先端部としてのブラケット部(4)を備えている。第1のブラケット(41)は、磁石(6)を有している。磁気センサ(7)は、レバー部(3)の第1の回転操作及び第2の回転操作による磁石(6)の移動を検出する。
【0018】
筐体(10)は、車両(9)に搭載され、車両(9)のステアリングシャフト(93)を挟んだ左右のそれぞれに第1の空間(11)及び第2の空間(12)を有している。レバー部(3)及び磁気センサ(7)は、左右のそれぞれの第1の空間(11)及び第2の空間(12)に配置されている。
【0019】
レバー操作装置1は、図1(a)に示すように、車両9に搭載されている。本実施の形態のレバー操作装置1は、ステアリングシャフト93を挟んで、レバー操作ユニット2a及びレバー操作ユニット2bを備えているがこれに限定されず、レバー操作ユニットが1つでも良いし、3つ以上配置されても良い。レバー操作ユニット2a及びレバー操作ユニット2bは、後述するレバー部3、ブラケット部4、節度部5、磁石6及び磁気センサ7を備えて概略構成されている。
【0020】
本実施の形態のレバー操作装置1は、一例として、左側のレバー操作ユニット2aが方向指示器やヘッドライトを操作するターン操作ユニットであり、右側のレバー操作ユニット2bがシフト装置を操作するシフト操作ユニットである。シフト装置は、一例として、シフト操作ユニットのパーキングポジション、ドライブポジション、ニュートラルポジションなどの操作位置に応じて車両9の変速機のギアの接続状態を切り替えるものである。
【0021】
なお以下では、特に断らない限り、左右が車両9の運転席に着座する運転者から見た左右であり、上下が当該運転者から見た上下であり、前後が車両9の前後であるものとする。またレバー操作装置1は、方向指示器、ヘッドライト、シフト装置、ワイパ装置などを操作する機能うち、少なくとも1つの機能をレバー操作ユニット2a及びレバー操作ユニット2bに割り当てられている。次に以下では、レバー操作装置1の具体的な構成について説明する。
【0022】
(筐体10の構成)
図2(a)は、レバー操作装置の正面図の一例であり、図2(b)は、上面図の一例であり、図2(c)は、背面図の一例である。図3(a)は、左表カバーを外したレバー操作装置の一例を示す図であり、図3(b)は、さらに第2のブラケットを外したレバー操作装置の一例を示す図である。図4(a)は、左裏カバーを外したレバー操作装置の一例を示す図であり、図4(b)は、図3(a)のIV(b)-IV(b)線で切断した断面の一例を示す模式図である。
【0023】
筐体10は、図2(a)~図2(c)に示すように、一例として、樹脂材料を用いて円筒形状を有している。この筐体10は、中央に挿入孔107を有している。この挿入孔107は、円形壁部14によって囲まれ、ステアリングシャフト93が挿入される。
【0024】
レバー操作装置1は、図1(a)に示すように、筐体10の挿入孔107にステアリングシャフト93を挿入し、挿入孔107から突出したステアリングシャフト93にステアリング90の基部91が取り付けられる。本実施の形態のレバー操作装置1は、ステアリング90に追従して回転しないように構成される。
【0025】
筐体10は、図2(a)に示すように、正面では、上部を切り欠いた形状となっている。筐体10は、図1(a)に示すように、上部を切り欠いた形状となっているのでステアリング90の基部91の上部とリング部92との間の視認領域94が広くなり、速度計などが配置されるメーターパネル95を大きくして視認性を向上させることができる。この視認領域94とは、図1(a)において点線で囲んだ領域であって、ステアリング90の基部91の上部とリング部92とで囲まれた領域である。
【0026】
筐体10の表面100側、つまり運転者側は、図2(a)に示すように、樹脂材料を用いて形成された左表カバー102a、右表カバー103a及び下カバー104が取り付けられている。左表カバー102a及び右表カバー103aは、挿入孔107を有する円の上半分の頂部、及び頂部の中央の一部を切り欠き、さらに二分割したような形状を有している。また下カバー104は、当該円の下半分の形状を有している。
【0027】
左表カバー102aは、筐体10側を下部とした場合、左側のレバー操作ユニット2aが配置された第1の空間11の上部を覆うものである。この第1の空間11は、図2(a)において点線で示すように、筐体10と左表カバー102aによって囲まれた空間であり、レバー本体30を筐体10の外に突出させるための開口105aを介して筐体10の外と繋がっている。
【0028】
右表カバー103aは、筐体10側を下部とした場合、右側のレバー操作ユニット2bが配置された第1の空間11の上部を覆うものである。この第1の空間11は、図2(a)において点線で示すように、筐体10と右表カバー103aによって囲まれた空間であり、レバー本体30を筐体10の外に突出させるための開口106aを介して筐体10の外と繋がっている。
【0029】
下カバー104は、筐体10側を下部とした場合、第3の空間13の上部を覆うものである。第3の空間13は、図2(a)において点線で示すように、筐体10と下カバー104によって囲まれた空間である。この第3の空間13に対応する筐体10には、図2(c)に示すように、裏面101に貫通するコネクタ開口131及びコネクタ開口132が設けられている。
【0030】
コネクタ開口131には、コネクタ部108aが配置されている。コネクタ開口132には、コネクタ部108bが配置されている。コネクタ部108a及びコネクタ部108bは、第3の空間13の底面130に配置された基板16に設けられ、車両9のハーネスのコネクタと接続される。
【0031】
筐体10は、図2(c)において点線で示すように、裏面101に挿入孔107を挟んで左右に第2の空間12を有している。左側の第2の空間12は、筐体10側を下部とした場合、樹脂材料を用いて形成された左裏カバー102bが上部に取り付けられている。右側の第2の空間12は、筐体10側を下部とした場合、樹脂材料を用いて形成された右裏カバー103bが上部に取り付けられている。
【0032】
レバー操作ユニット2aが配置された左側の第1の空間11は、図2(c)及び図4(a)に示すように、開口105aから侵入した液体や異物を筐体10の外部に排出する排出孔105bを有している。
【0033】
この排出孔105bは、図4(a)に示すように、筐体10の裏面101側に形成された排出溝105cと繋がっている。また排出溝105cは、挿入孔107を形成する円形壁部14と排出溝105cに沿って設けられた溝壁部105dと、によって形成され、左側の第2の空間12の内部への液体や異物の侵入を抑制している。
【0034】
またレバー操作ユニット2bが配置された右側の第1の空間11は、図2(c)に示すように、開口106aから侵入した液体や異物を筐体10の外部に排出する排出孔106bを有している。
【0035】
この排出孔106bは、筐体10の裏面101側に形成された排出溝106cと繋がっている。また排出孔106bは、排出孔105bと同様に、円形壁部14と左側の溝壁部105dを反転させた溝壁部106dと、によって形成され、右側の第2の空間12の内部への液体や異物の侵入を抑制している。図4(a)は、溝壁部105dを反転させた溝壁部の符号「106d」を括弧で囲んで示している。
【0036】
左側の第2の空間12は、筐体10と左裏カバー102bによって囲まれた空間であり、溝壁部105dによって排出溝105cと隔離されている。同様に、右側の第2の空間12は、筐体10と右裏カバー103bによって囲まれた空間であり、溝壁部106dによって排出溝106cと隔離されている。
【0037】
左側のレバー操作ユニット2aの場合、液体や異物は、図2(c)及び図3(b)に示すように、開口105aから第1の空間11に侵入し、重力により第1の空間11と第3の空間13を隔てる隔壁111を伝って排出孔105bに入り、筐体10の裏面101の排出溝105cを伝う排出経路109aを経て排出される。
【0038】
右側のレバー操作ユニット2bの場合、液体や異物は、図2(c)に示すように、開口106aから第1の空間11に侵入し、重力により第1の空間11と第3の空間13を隔てる隔壁111を伝って排出孔106bに入り、筐体10の裏面101の排出溝106cを伝う排出経路109bを経て排出される。
【0039】
排出経路109a及び排出経路109bを形成する隔壁111は、排出孔105b及び排出孔106bに液体や異物を導くように、排出孔105b及び排出孔106bに向かって傾斜している。
【0040】
これらの排出経路109a及び排出経路109bは、磁気センサ7及び制御部8などの電子回路を経由する経路ではない。従ってレバー操作装置1は、液体や異物の侵入による故障を抑制することができる。
【0041】
第3の空間13は、図4(b)に示すように、第1の空間11と隔離されている。しかし第3の空間13は、図4(a)に示すように、第2の空間12に設けられたコネクタ開口122を介して第2の空間12と繋がっている。
【0042】
このコネクタ開口122には、コネクタ部108cが配置されている。このコネクタ部108cは、ケーブル17を介して磁気センサ7と接続されている。コネクタ部108cは、基板16に設けられている。この基板16には、制御部8が配置されている。
【0043】
従ってレバー操作装置1は、第2の空間12に配置された磁気センサ7と第3の空間13に配置された制御部8とは、ケーブル17を介して電気的に接続されている。なお基板16は、例えば、プリント配線基板である。またケーブル17は、例えば、フラットケーブルである。
【0044】
左右の第1の空間11及び第2の空間12は、左右を反転させた形状を有するので、以下では、主に左側の第1の空間11及び第2の空間12について説明する。
【0045】
(レバー部3の構成)
図5(a)は、レバー本体をブラケット部に挿入する前の図の一例であり、図5(b)は、レバー本体をブラケット部に挿入した後の図の一例である。図5(a)及び図5(b)では、ブラケット部4を点線で示している。
【0046】
レバー部3は、図5(a)及び図5(b)に示すように、レバー本体30と、レバー本体30に取り付けられたブラケット部4と、を有している。ブラケット部4の具体的な構成は、後述する。
【0047】
レバー本体30は、樹脂材料を用いて形成され、筐体10から突出し、ユーザが把持する把持部300と、ブラケット部4に挿入される挿入部301と、を有している。
【0048】
把持部300は、図2(a)及び図2(b)に示すように、上下方向(矢印A方向及び矢印B方向)及び前後方向(矢印C方向及び矢印D方向)に操作可能である。上下方向の操作は、第2の軸420を回転軸とした第2の回転操作である。また前後方向の操作は、第1の軸410を回転軸とした第1の回転操作である。
【0049】
この第1の回転操作と第2の回転操作は、操作方向が直交している。つまり第1の回転操作の回転軸となる第1の軸410と第2の回転操作の回転軸となる第2の軸420とは、直交するがこれに限定されない。
【0050】
本実施の形態のレバー操作ユニット2aは、方向指示器の機能などを操作可能であるので、上方向の操作が車両9の右側の方向指示器の点灯操作、下方向の操作が左側の方向指示器の点灯操作、前方向の操作がヘッドライトのハイビームへの切替操作、及び後方向の操作が操作の間、ヘッドライトのハイビームを点灯させる操作である。
【0051】
つまりユーザがレバー操作ユニット2aのレバー本体30を上方向に操作すると、右側の方向指示器が点灯し、下方向に操作すると、左側の方向指示器が点灯し、押し込む方向に操作すると、ヘッドライトがロービームからハイビームに切り替わり、手前に操作すると、操作している間のみロービームからハイビームに切り替わる。
【0052】
挿入部301は、図5(a)及び図5(b)に示すように、略四角柱形状を有している。挿入部301は、上面301aの幅が把持部300側よりも狭くなった端部302を有している。
【0053】
この端部302は、図5(a)及び図5(b)の紙面上側の側面301b側に、側面301bから傾斜する接触面303が設けられている。この接触面303により、挿入部301は、把持部300側の側面301bから側面301cまでの幅が端部302側の側面301bから側面301cまでの幅よりも広くなっている。
【0054】
挿入部301は、爪部304が側面301b及び側面301cに設けられている。この爪部304は、第1のブラケット41にレバー本体30を挿入すると、第1のブラケット41の挿入開口411に設けられたストッパ411aと接触する。
【0055】
挿入部301は、図5(a)及び図5(b)に示すように、上面301aから突出する突起部313を有している。この突起部313は、第1のブラケット41の嵌合部413と嵌り合って第1のブラケット41と挿入部301とを一体とする。
【0056】
(ブラケット部4の構成)
図6(a)は、第1の軸周りの磁石の回転の一例を示す図であり、図6(b)は、第2の軸周りの磁石の回転の一例を示す図である。
【0057】
第1のブラケット41は、図5(b)及び図6(a)に示すように、樹脂材料を用いて形成され、第1の軸410を軸とする第1の回転操作によって磁石6と共に筐体10に対して回転する。第2のブラケット42は、図5(b)及び図6(b)に示すように、樹脂材料を用いて形成され、第2の軸420を軸とする第2の回転操作によって第1のブラケット41及び磁石6と共に筐体10に対して回転する。
【0058】
この第1のブラケット41は、図5(a)及び図5(b)に示すように、レバー本体30が挿入される挿入開口411と、挿入開口411と通ずる貫通孔412aを有する節度挿入部412と、レバー本体30の突起部313と結合する嵌合部413と、磁石6を保持する保持部414と、を有している。
【0059】
第1の軸410は、側面410b及び側面410cに設けられている。この第1の軸410は、第2のブラケット42の収容開口421に形成された凹部421aに挿入されている。
【0060】
挿入開口411は、レバー本体30が挿入される開口であり、入り口が広く、奥が狭くなっている。
【0061】
節度挿入部412は、第1のブラケット41の上側の側面410bに設けられている。この節度挿入部412は、レバー本体30の挿入方向(矢印E方向)からずれている。具体的には、貫通孔412aは、第1のブラケット41に挿入されたレバー本体30の挿入部301の延長方向、つまりブラケット部4の挿入開口411の延長方向に形成されない。この延長方向には、図3(b)に示すように、磁石6及び磁気センサ7が配置されている。
【0062】
貫通孔412aは、レバー本体30が挿入される挿入方向(矢印E方向)と交差する方向に設けられている。具体的には、貫通孔412aは、図6(b)に示す中心線Lが第2の軸420を軸とした回転によって描く面42aを拡張した拡張面42b内に孔の中心線Lが含まれる。
【0063】
この挿入開口411は、図5(a)及び図5(b)に示すように、挿入された節度部5が挿入開口411側に移動しすぎないようにするストッパ411bを有している。このストッパ411bは、接触面303が接触しないように設けられている。
【0064】
中心線Lは、図5(b)に示すように、レバー部3の挿入部301の中心線である。つまり中心線Lは、レバー本体30の挿入方向である。拡張面42bは、図6(a)では横から見た形状となるので、中心線Lと重なる。従って図6(b)に示す貫通孔412aの中心線Lは、図6(a)において中心線Lと重なる。
【0065】
また貫通孔412aは、図6(b)に示す中心線Lが第2の軸420を通る直線となっている。従って貫通孔412aは、第2の軸420を中心として回転させた中心線Lが中心線Lとなるように設けられている。なお貫通孔412aは、中心線Lが第2の軸420を通る直線に限定されず、また拡張面42bと交差する直線であっても良い。
【0066】
嵌合部413は、図3(b)に示すように、上面410aに設けられている。この嵌合部413は、先端面413a及び両側面に溝413bが形成され、さらに挿入開口411内に曲がっている。この先端面413a側の溝413bは、レバー本体30の突起部313が嵌め合う形状を有している。突起部313と溝413bとが嵌め合うことで、第1のブラケット41とレバー本体30とが一体となる。
【0067】
保持部414は、上面410a側が開放された凹部415に挿入された磁石6を保持する爪として設けられている。この凹部415は、図5(b)に示すように、レバー本体30が挿入される挿入開口411の先端より先に設けられている。
【0068】
第1のブラケット41の先端面410dは、磁石6と磁気センサ7との距離を短くするため、レバー本体30の第2の軸420の回転に応じた曲面とされ、磁気センサ7が配置された突出部121の側面部121bと対向している。
【0069】
第2のブラケット42は、上面420aにキャンセル機構43を有している。このキャンセル機構43は、レバー本体30が上下方向に保持された状態を操作前の状態、つまりステアリング90の操作によって操作前の状態に戻すための機構である。なおキャンセル機構43は、例えば、方向指示器の操作が割り当てられている場合に必要な機構であるので必須ではなく、右側のレバー操作ユニット2bには配置されない。
【0070】
この第2のブラケット42は、図5(a)及び図5(b)に示すように、レバー本体30が挿入されると共に内部に第1のブラケット41を収容する収容開口421を有している。収容開口421は、第1のブラケット41を回転可能に保持している。
【0071】
第2のブラケット42は、例えば、分割可能に構成されている。第1のブラケット41は、分割された第2のブラケット42の一方に配置された後、他方が組み付けられて第1のブラケット41に第2のブラケット42が取り付けられる。
【0072】
レバー操作ユニット2aは、第1のブラケット41に第2のブラケット42を取り付けた後、貫通孔412aに節度部5をセットして第1の空間11に配置し、さらに左表カバー102aを筐体10に取り付けた状態でレバー本体30が挿入される。この際、貫通孔412aには、ストッパ411bが設けられているので、節度部5がセットされた状態が保持される。
【0073】
第2の軸420は、上面420aに設けられている。この第2の軸420は、第1の空間11の筐体10の底面110、及び左表カバー102aに形成された凹部に挿入されている。
【0074】
・ブラケット部4の変形例
図7(a)は、レバー部の先端部の変形例の一例である。この変形例では、図7(a)に示すように、レバー部3の先端部31に第1の軸310が設けられている。また先端部31は、側面310bに節度挿入部311が設けられている。この節度挿入部311には、節度部5が挿入される節度開口312が設けられている。また先端部31は、上面310aに磁石6が配置される凹部314と、凹部314に配置された磁石6を保持する保持部315と、が設けられている。なお第1の軸310は、図7(a)に示す第1の軸310と交差する方向に設けられても良い。
【0075】
(節度部5の構成)
節度部5は、図5(a)及図5(b)に示すように、節度先端部50と、弾性部51と、節度終端部52と、を備えて構成されている。
【0076】
具体的には、節度部5は、レバー部3の挿入部301を延長した方向から第1の回転操作の方向に傾いて移動して筐体10に配置された節度壁15の節度面150に接触して節度を生成する節度先端部50、及び節度先端部50に対して弾性力を付加する弾性部51を有してレバー部3に設けられている。
【0077】
節度部5は、貫通孔412aに挿入され、節度先端部50の反対側の節度終端部52が第1のブラケット41の挿入開口411に挿入されたレバー本体30の接触面303と接触している。
【0078】
節度先端部50は、円柱形状を有し、弾性部51側よりも節度壁15側の半径が小さくなっている。また節度先端部50は、節度壁15に接触する部分が球状となっている。節度先端部50は、弾性部51が挿入される凹部500を有している。この節度先端部50は、樹脂材料を用いて形成されるが金属材料でも良い。
【0079】
弾性部51は、一例として、金属材料で形成されたコイルばねである。この弾性部51は、節度先端部50と節度終端部52の間に設けられている。弾性部51は、自然長より圧縮されて貫通孔412aに配置されるので、節度先端部50及び節度終端部52に弾性力を付加している。そのため、節度先端部50は、弾性部51の弾性力によって節度壁15の節度面150に押し付けられている。そして節度終端部52は、弾性部51の弾性力によってレバー本体30に押し付けられている。
【0080】
節度終端部52は、円柱形状を有している。この節度終端部52は、弾性部51が挿入される凹部520を有している。節度終端部52は、樹脂材料を用いて形成されるが金属材料でも良い。
【0081】
レバー本体30の挿入前、節度部5は、図5(a)に示すように、節度終端部52が挿入開口411に露出するように貫通孔412aに挿入される。この際、節度先端部50は、図5(a)に示すように、ブラケット部4を第1の空間11に配置し易いように、節度面150から離れるようにされる。
【0082】
節度部5は、図5(b)に示すように、挿入開口411にレバー本体30が挿入されると、レバー本体30の接触面303が節度終端部52の端面521に接触し、節度面150の方向に移動する。レバー本体30の突起部313が第1のブラケット41の嵌合部413と嵌め合うまで押し込まれると、節度部5がレバー本体30に押され、弾性部51が圧縮されつつ節度先端部50を節度面150に押し付け、レバー本体30の組み付けが終了する。
【0083】
なお変形例としてレバー本体30は、接触面303に代えて節度終端部52に接触する突出部を備えても良い。この突出部は、レバー本体30をブラケット部4に組み付けた際、貫通孔412a方向に突出する形状を有している。
【0084】
節度壁15は、第1の空間11に配置されている。節度壁15は、節度部5の節度先端部50と接触する節度面150を有している。この節度面150は、図5(a)及び図5(b)に示すように、操作前の節度先端部50が位置する基準凹部150a、レバー本体30の上下方向の操作の節度を生成する第1の山部150b、第1の谷部150c、第2の山部150d及び第2の谷部150eを有している。
【0085】
基準凹部150aは、図5(a)及び図5(b)に示すように、V字形状を有する溝である。基準凹部150aは、矢印C方向及び矢印D方向の操作の際に弾性部51が圧縮されるように、両端部がブラケット部4方向に倒れた形状の溝となっている。また基準凹部150aは、レバー本体30の矢印D方向の操作位置を保持するように溝の端部に凹部が形成されても良い。
【0086】
第1の山部150bは、V字形状に凸となる形状を有している。また第1の谷部150cは、V字形状を有する溝である。第1の谷部150cは、レバー本体30の矢印D方向の操作位置を保持するように溝の端部に凹部が形成されても良い。
【0087】
レバー本体30が矢印A方向に操作された場合、節度先端部50は、基準凹部150aから第1の山部150bを超えて第1の谷部150cに嵌まり込む。節度先端部50は、第1の山部150bを超えて第1の谷部150cに嵌ることで節度を生成する。
【0088】
第2の山部150dは、V字形状に凸となる形状を有している。また第2の谷部150eは、V字形状を有する溝である。第2の谷部150eは、レバー本体30の矢印D方向の操作位置を保持するように溝の端部に凹部が形成されても良い。
【0089】
レバー本体30が矢印B方向に操作された場合、節度先端部50は、基準凹部150aから第2の山部150dを超えて第2の谷部150eに嵌まり込む。節度先端部50は、第2の山部150dを超えて第2の谷部150eに嵌ることで節度を生成する。
【0090】
・節度部5の変形例
図7(b)は、節度部の変形例の一例である。節度部5は、図7(b)に示すように、節度先端部50及び弾性部51により構成されても良い。この変形例の節度部5は、弾性部51がレバー本体30の接触面303に接触する。
【0091】
また弾性部51は、コイルばねであったがこれに限定されず、合成ゴムやシリコンゴムなどの弾性部材であっても良い。また節度部5は、節度先端部50、弾性部51及び節度終端部52を二色成形によって一体に形成しても良い。
【0092】
(磁石6の構成)
磁石6は、例えば、フェライト磁石やネオジム磁石などの永久磁石である。この磁石6は、矩形状を有している。そして磁石6は、図6(a)及び図6(b)に示すように、一例として、磁気センサ7側がN極、反対側がS極に着磁されている。なお磁石6の磁化方向は、レバー本体30の回転操作によって変化する磁場60を磁気センサ7が検出可能であれば限定されない。
【0093】
磁石6は、節度部5が磁気センサ7とずれて配置されるため、磁気センサ7と対向するように配置されても節度部5と干渉しない。従って磁石6は、磁気センサ7と対向するように配置され、かつ第1のブラケット41の面ではなく内部に配置可能となるので体積を大きくして強い磁場60を生成可能となって磁気センサ7の検出精度を向上させることができる。また磁石6は、大きな磁石を使用できるので、フェライト磁石のような安価な磁石を使用することができる。
【0094】
(磁気センサ7の構成)
磁気センサ7は、レバー部3の第1の回転操作及び第2の回転操作による磁石6の移動に伴う磁場60の変化を検出するセンサである。この磁気センサ7は、磁気抵抗センサやホールセンサを用いて構成されている。本実施の形態の磁気センサ7は、一例として、磁石6の移動の検出によるアナログ信号をデジタル信号として出力するホールセンサIC(=Integrated Circuit)である。なお磁気センサ7は、センサのみであっても良い。
【0095】
磁気センサ7は、図6(a)及び図6(b)に示すように、磁石6の上下左右の移動を検出する。レバー操作ユニット2a及びレバー操作ユニット2bの磁気センサ7は、図1(b)に示すように、制御部8に接続され、磁石6の移動の検出に基づくデジタル信号である検出信号S及び検出信号Sを出力する。
【0096】
磁気センサ7は、図4(b)に示すように、第1の空間11と隔離された第2の空間12に配置されている。第1の空間11と第2の空間12が隔離されているとは、共有する空間を有さないことを示している。
【0097】
筐体10は、第1の空間11の底面120から突出する突出部121が設けられている。この突出部121は、その内部空間121aに磁気センサ7が配置されている。この内部空間121aは、第2の空間12の一部となっている。磁気センサ7は、突出部121の側面部121bを介して磁石6と対向している。
【0098】
レバー操作装置1は、ユーザから見て上下に節度部5と磁石6及び磁気センサ7とが配置されている。従ってレバー操作装置1は、節度部5に干渉することなく第1のブラケット41の内部に磁石6を配置することができるので、第1のブラケット41の面上に磁石を配置する場合と比べて、第1のブラケット41の厚みを抑えつつ、安価で必要十分な磁場60を生成可能な磁石6を使用することができる。
【0099】
(制御部8の構成)
制御部8は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(=Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(=Random Access Memory)及びROM(=Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータである。このROMには、例えば、制御部8が動作するためのプログラムが格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果などを格納する記憶領域として用いられる。また制御部8は、その内部にクロック信号を生成する手段を有し、このクロック信号に基づいて動作を行う。
【0100】
制御部8は、基板16に配置され、操作方向を判定するためのしきい値80を有している。制御部8は、レバー操作ユニット2a及びレバー操作ユニット2bの磁気センサ7から出力された検出信号S及び検出信号Sとしきい値80に基づいて操作を判定して操作情報Sを生成し、車両制御装置96に出力する。車両制御装置96は、車両9を総合的に制御するものであり、取得した操作情報Sに基づいて方向指示器やシフト装置などの制御を行う。
【0101】
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係るレバー操作装置1は、耐水性及び耐異物性を向上させることができる。具体的には、レバー操作装置1は、磁石6を有するブラケット部4が配置されると共に、レバー本体30が突出する開口105a及び開口106aから液体や異物が侵入する可能性がある第1の空間11と磁気センサ7が配置される第2の空間12とが隔離され、耐水性及び耐異物性を向上させている。そのためレバー操作装置1は、同じ空間に磁石と磁気センサとが配置される場合と比べて、ユーザがレバー本体30と筐体10の境界付近に飲料水などの液体を誤ってこぼして開口105aや開口106aから当該液体が筐体10に侵入した場合や異物、特に導電性の異物が開口105aや開口106aから筐体10に侵入した場合などの外的要因による磁気センサ7の故障を抑制することができる。
【0102】
レバー操作装置1は、さらに制御部8などの電子部品が搭載される基板16が第1の空間11と隔離された第3の空間13に配置されるので、この構成を採用しない場合と比べて、開口105aや開口106aを介して筐体10内に侵入した液体や異物による制御部8などの電子部品の故障を抑制することができる。
【0103】
レバー操作装置1は、第1の空間11に侵入した液体や異物を筐体10の外に排出可能な排出孔105b及び排出孔106bを有しているので、この構成を採用しない場合と比べて、排出経路109a及び排出経路109bを経て液体や異物を筐体10の外に排出可能であり、液体や異物が第1の空間11に蓄積されることを抑制することができる。
【0104】
レバー操作装置1は、ブラケット部4を第1の空間11に配置して左表カバー102a及び右表カバー103aを取り付け、レバー本体30を開口105a及び開口106aに挿入することで筐体10にレバー操作ユニット2a及びレバー操作ユニット2bを組み付けることができる。従ってレバー操作装置1は、この構成を採用しない場合と比べて、組付性が高く、また車両9の仕様に合わせて機能の異なるレバー操作ユニットへの交換も容易である。
【0105】
レバー操作装置1は、薄型でありながら、レバー操作ユニットとしてのターン操作ユニットとシフト操作ユニットとにおいて主要な機構の共通化が可能となっている。
【0106】
節度部を貫通孔に押し込みながら筐体に組み付ける場合は、節度壁に対する接触を回避するため、組み付け方向が直線的ではなくねじるような軌跡となり、機械による自動組み付けが難しくなる。しかしレバー操作装置1は、節度部5を圧縮してブラケット部4に取り付ける必要がないので、組み付け方向が直線的、つまりワークに部品を載せるだけで組み付け可能となり、ワークサイズが小さくなると共に機械による自動組み付けが容易となる。
【0107】
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0108】
1…レバー操作装置、3…レバー部、4…ブラケット部、6…磁石、7…磁気センサ、8…制御部、9…車両、10…筐体、11…第1の空間、12…第2の空間、13…第3の空間、17…ケーブル、41…第1のブラケット、42…第2のブラケット、93…ステアリングシャフト、105a,106a…開口、105b,106b…排出孔、410…第1の軸、420…第2の軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7