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特許7605707異常検知設定装置、異常検知設定方法、および異常検知設定プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】異常検知設定装置、異常検知設定方法、および異常検知設定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20241217BHJP
   G06Q 10/00 20230101ALI20241217BHJP
【FI】
G06Q40/12
G06Q10/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021107704
(22)【出願日】2021-06-29
(65)【公開番号】P2023005654
(43)【公開日】2023-01-18
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】圓山 和也
(72)【発明者】
【氏名】村田 夏帆
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-209827(JP,A)
【文献】特開2020-017302(JP,A)
【文献】特開2009-151398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部および記憶部を備える異常検知設定装置であって、
前記記憶部は、
異常検知対象であるトランザクションデータのデータ形式と異常検知基準の検知パターンと異常検知手法とを対応付けた対応テーブルを予め記憶し、
前記制御部は、
ユーザによる入力を受付ける受付部と、
前記データ形式および前記検知パターンの選択画面を表示部に表示する表示制御部と、
前記選択画面を介して入力を受付けた前記データ形式および前記検知パターンに対応する前記異常検知手法を、異常検知実行時に用いる設定オプションテーブルに登録する登録部と、
を備える異常検知設定装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、
異常検知時に実行する複数の処理の各々の実行有無の選択を受付けるための選択受付欄を含む上記選択画面を前記表示部に表示し、
前記選択受付欄を介して入力を受付けた複数の前記処理の各々の実行有無に応じて、前記処理の実行時に必要な設定項目の値の入力を受付けるための設定画面を、段階的に順次前記表示部に表示し、
前記登録部は、
前記設定画面を介して入力を受付けた前記設定項目の値を、前記異常検知実行時に用いる異常検知定義テーブルに登録する、
請求項1に記載の異常検知設定装置。
【請求項3】
前記データ形式は、
同じ時間情報に対応する互いに異なる区分のデータ群である横断データ、または、互いに異なる時間情報に対応する複数のデータ群である時系列データ、である、
請求項1または請求項2に記載の異常検知設定装置。
【請求項4】
前記検知パターンは、
閾値を上回るまたは下回るデータを異常とする異常検知基準、他のデータの平均範囲外を異常とする異常検知基準、および、過去の傾向による想定範囲外を異常とする異常検知基準、の少なくとも1つを表す、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の異常検知設定装置。
【請求項5】
制御部および記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための異常検知設定方法であって、
前記記憶部には、
異常検知対象であるトランザクションデータのデータ形式と異常検知基準の検知パターンと異常検知手法とを対応付けた対応テーブルが予め記憶され、
前記制御部で実行される、
ユーザによる入力を受付けるステップと、
前記データ形式および前記検知パターンの選択画面を表示部に表示するステップと、
前記選択画面を介して入力を受付けた前記データ形式および前記検知パターンに対応する前記異常検知手法を、異常検知実行時に用いる設定オプションテーブルに登録するステップと、
を含むことを特徴とする異常検知設定方法。
【請求項6】
制御部および記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための異常検知設定プログラムであって、
前記記憶部には、
異常検知対象であるトランザクションデータのデータ形式と異常検知基準の検知パターンと異常検知手法とを対応付けた対応テーブルが予め記憶され、
前記制御部において、
ユーザによる入力を受付けるステップと、
前記データ形式および前記検知パターンの選択画面を表示部に表示するステップと、
前記選択画面を介して入力を受付けた前記データ形式および前記検知パターンに対応する前記異常検知手法を、異常検知実行時に用いる設定オプションテーブルに登録するステップと、
を実行させるための異常検知設定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常検知設定装置、異常検知設定方法、および異常検知設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、「架空売上の計上」や「水増し発注」などの「粉飾」と「誤り」などの会計不正が増加傾向にある。これらの不正を検知するため、会計データや補助簿などのトランザクションデータに含まれる不正の兆候を表す異常を検知することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6345836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
異常検知手法には様々なものがあり、異常検知対象のトランザクションデータによって利用すべき異常検知手法や適用可能な異常検知手法が異なる。このため、異常検知対象のトランザクションデータに応じた異常検知手法を設定する必要がある。しかしながら、異常検知手法の設定には統計知識や機械学習知識などの専門知識が必要であり、専門知識を有さないユーザが異常検知手法を設定することは困難であった。すなわち、従来技術では、ユーザは、異常検知に関する必要な設定を容易に行うことは困難であった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、異常検知に関する必要な設定を容易に設定可能に提供することができる、異常検知設定装置、異常検知設定方法、および異常検知設定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る異常検知設定装置は、制御部および記憶部を備える異常検知設定装置であって、前記記憶部は、異常検知対象であるトランザクションデータのデータ形式と異常検知基準の検知パターンと異常検知手法とを対応付けた対応テーブルを予め記憶し、前記制御部は、ユーザによる入力を受付ける受付部と、前記データ形式および前記検知パターンの選択画面を表示部に表示する表示制御部と、前記選択画面を介して入力を受付けた前記データ形式および前記検知パターンに対応する前記異常検知手法を、異常検知実行時に用いる設定オプションテーブルに登録する登録部と、を備える。
【0007】
本発明に係る異常検知設定装置の前記表示制御部は、異常検知時に実行する複数の処理の各々の実行有無の選択を受付けるための選択受付欄を含む上記選択画面を前記表示部に表示し、前記選択受付欄を介して入力を受付けた複数の前記処理の各々の実行有無に応じて、前記処理の実行時に必要な設定項目の値の入力を受付けるための設定画面を、段階的に順次前記表示部に表示し、前記登録部は、前記設定画面を介して入力を受付けた前記設定項目の値を、前記異常検知実行時に用いる異常検知定義テーブルに登録する。
【0008】
本発明に係る異常検知設定装置における前記データ形式は、同じ時間情報に対応する互いに異なる区分のデータ群である横断データ、または、互いに異なる時間情報に対応する複数のデータ群である時系列データ、である。
【0009】
本発明に係る異常検知設定装置における前記検知パターンは、閾値を上回るまたは下回るデータを異常とする異常検知基準、他のデータの平均範囲外を異常とする異常検知基準、および、過去の傾向による想定範囲外を異常とする異常検知基準、の少なくとも1つを表す。
【0010】
本発明に係る異常検知設定方法は、制御部および記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための異常検知設定方法であって、前記記憶部には、異常検知対象であるトランザクションデータのデータ形式と異常検知基準の検知パターンと異常検知手法とを対応付けた対応テーブルが予め記憶され、前記制御部で実行される、ユーザによる入力を受付けるステップと、前記データ形式および前記検知パターンの選択画面を表示部に表示するステップと、前記選択画面を介して入力を受付けた前記データ形式および前記検知パターンに対応する前記異常検知手法を、異常検知実行時に用いる設定オプションテーブルに登録するステップと、を含む。
【0011】
本発明に係る異常検知設定プログラムは、制御部および記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための異常検知設定プログラムであって、前記記憶部には、異常検知対象であるトランザクションデータのデータ形式と異常検知基準の検知パターンと異常検知手法とを対応付けた対応テーブルが予め記憶され、前記制御部において、ユーザによる入力を受付けるステップと、前記データ形式および前記検知パターンの選択画面を表示部に表示するステップと、前記選択画面を介して入力を受付けた前記データ形式および前記検知パターンに対応する前記異常検知手法を、異常検知実行時に用いる設定オプションテーブルに登録するステップと、を実行させるための異常検知設定プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、異常検知に関する必要な設定を容易に設定可能に提供することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、異常検知設定装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、対応テーブルのデータ構成を示す模式図である。
図3図3は、設定オプションテーブルのデータ構成を示す模式図である。
図4A図4Aは、異常値判定データ取得定義テーブルのデータ構成を示す模式図である。
図4B図4Bは、ストアドパラメータ定義テーブルのデータ構成を示す模式図である。
図4C図4Cは、異常値判定データ取得マッピング定義テーブルのデータ構成を示す模式図である。
図4D図4Dは、前処理定義テーブルのデータ構成を示す模式図である。
図4E図4Eは、集計条件テーブルのデータ構成を示す模式図である。
図4F図4Fは、変化点定義テーブルのデータ構成を示す模式図である。
図4G図4Gは、異常値判定定義テーブルのデータ構成を示す模式図である。
図4H図4Hは、抽出条件テーブルのデータ構成を示す模式図である。
図4I図4Iは、異常度ランク定義テーブルのデータ構成を示す模式図である。
図4J図4Jは、メッセージテンプレートテーブルのデータ構成を示す模式図である。
図4K図4Kは、判定結果テーブルのデータ構成を示す模式図である。
図4L図4Lは、スケジュール判定定義テーブルのデータ構成を示す模式図である。
図4M図4Mは、異常値判定スケジュールマッピング定義テーブルのデータ構成を示す模式図である。
図4N図4Nは、データ条件スケジュール判定定義テーブルのデータ構成を示す模式図である。
図4O図4Oは、データ条件スケジュールストアドパラメータ定義テーブルのデータ構成を示す模式図である。
図4P図4Pは、データ条件スケジュールマッピング定義テーブルのデータ構成を示す模式図である。
図5図5は、異常検知設定装置による全体の処理の流れを説明するためのフローを示す図である。
図6図6は、サンプルデータの模式図である。
図7A図7Aは、選択画面の模式図である。
図7B図7Bは、設定オプションテーブル106bのデータ構成の模式図である。
図7C図7Cは、異常値判定定義テーブル106jのデータ構成の模式図である。
図8A図8Aは、設定画面の対応関係を示す模式図である。
図8B図8Bは、プログレスバーの模式図である。
図9A図9Aは、データ取得定義の設定画面の模式図である。
図9B図9Bは、異常値判定定義テーブルのデータ構成を示す図である。
図9C図9Cは、異常値判定データ取得定義テーブルのデータ構成を示す図である。
図9D図9Dは、データ条件スケジュールマッピング定義テーブルのデータ構成を示す図である。
図9E図9Eは、異常値判定データ取得マッピング定義テーブルのデータ構成を示す図である。
図10A図10Aは、異常値判定定義の設定画面の模式図である。
図10B図10Bは、異常値判定定義テーブルのデータ構成を示す図である。
図11A図11Aは、メッセージテンプレートの設定画面の模式図である。
図11B図11Bは、メッセージテンプレートテーブルのデータ構成を示す図である。
図12A図12Aは、判定結果テーブル定義の設定画面の模式図である。
図12B図12Bは、異常値判定定義テーブルのデータ構成を示す図である。
図12C図12Cは、判定結果テーブルのデータ構成を示す図である。
図13A図13Aは、スケジュール判定定義の設定画面の模式図である。
図13B図13Bは、異常値判定スケジュールマッピング定義テーブルのデータ構成を示す図である。
図13C図13Cは、スケジュール判定定義テーブルのデータ構成を示す図である。
図13D図13Dは、異常値判定定義テーブルのデータ構成を示す図である。
図14A図14Aは、選択画面の模式図である。
図14B図14Bは、設定オプションテーブルのデータ構成を示す図である。
図14C図14Cは、異常値判定定義テーブルのデータ構成を示す図である。
図15A図15Aは、データ取得定義の設定画面の模式図である。
図15B図15Bは、異常値判定定義テーブルのデータ構成を示す図である。
図15C図15Cは、異常値判定データ取得定義テーブルのデータ構成を示す図である。
図15D図15Dは、ストアドパラメータ定義テーブルのデータ構成を示す図である。
図15E図15Eは、異常値判定データ取得マッピング定義テーブルのデータ構成を示す図である。
図16A図16Aは、変化点定義の設定画面の模式図である。
図16B図16Bは、変化点定義テーブルのデータ構成を示す図である。
図17A図17Aは、異常値判定定義の設定画面の模式図である。
図17B図17Bは、異常値判定定義テーブルのデータ構成を示す図である。
図18A図18Aは、メッセージテンプレートの設定画面の模式図である。
図18B図18Bは、メッセージテンプレートテーブルのデータ構成を示す図である。
図19A図19Aは、判定結果テーブル定義の設定画面の模式図である。
図19B図19Bは、異常値判定定義テーブルのデータ構成を示す図である。
図19C図19Cは、判定結果テーブルのデータ構成を示す図である。
図20A図20Aは、スケジュール判定定義の設定画面の模式図である。
図20B図20Bは、異常値判定スケジュールマッピング定義テーブルのデータ構成を示す図である。
図20C図20Cは、スケジュール判定定義テーブルのデータ構成を示す図である。
図20D図20Dは、異常値判定定義テーブルのデータ構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る異常検知設定装置、異常検知設定方法、および異常検知設定プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.構成]
本実施形態に係る異常検知設定装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、異常検知設定装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
本実施形態の異常検知設定装置100は、トランザクションデータに含まれる不正や不正の兆候を異常として検知する異常検知処理の前段階で、異常検知処理時に用いる異常検知手法、異常検知処理時に用いるパラメータの設定、および異常検知時に実行する処理に応じた設定、などを行う装置である。
【0017】
トランザクションデータは、不正や不正の兆候などの異常を検知する対象のデータである。トランザクションデータは、例えば、企業の会計データ、補助簿、などであるが、これらに限定されない。トランザクションデータに含まれる不正または不正の兆候を表す異常は、例えば、架空売上の計上や水増し発注などの粉飾や誤りなどの会計不正を表す異常である。
【0018】
異常検知処理を行うモジュールでは、異常検知設定装置100で設定された後述する設定オプションテーブルおよび異常検知テーブルに登録された、異常検知手法、パラメータの設定、および異常検知時に実行する処理に応じた設定、などを用いて、トランザクションデータに含まれる異常を検知する異常検知処理を実行する。
【0019】
異常検知処理を行うモジュールは、異常検知設定装置100に搭載されていてもよいし、異常検知設定装置100の外部に搭載されていてもよい。以下では、異常検知処理を、単に、異常検知と称して説明する場合がある。また、異常の検知を、異常の判定、または、単に、判定、と称して説明する場合がある。また、トランザクションデータを、単にデータと称して説明する場合がある。
【0020】
異常検知設定装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、異常検知設定装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0021】
異常検知設定装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備える。異常検知設定装置100が備える各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0022】
通信インターフェース部104は、ルータなどの通信装置および専用線などの有線または無線の通信回線を介して、異常検知設定装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、異常検知設定装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に記憶されている各種のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0023】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。モニタ114は、表示部の一例である。
【0024】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0025】
記憶部106は、例えば、対応テーブル106aと、設定オプションテーブル106bと、異常検知定義テーブル106cと、を記憶する。これらのテーブルは、例えば、各種のデータを対応付けて登録したデータベースである。なお、これらのテーブルのデータ形式は、データベースに限定されない。また、本実施形態では、これらのテーブルの構造を簡略化して記載するものとする。これらのテーブルの実際の構造は、より複雑であるが、本発明と直接関係のない部分については実際より簡略化して示す。
【0026】
対応テーブル106aは、異常検知対象のデータ形式と、検知パターンと、異常検知手法と、を対応付けたテーブルである。
【0027】
図2は、対応テーブル106aのデータ構成の一例を示す模式図である。対応テーブル106aは、データ形式と、検出パターンと、異常検知手法と、パラメータと、を対応付けたテーブルである。
【0028】
データ形式とは、異常検知対象のデータのデータ形式である。異常検知対象のデータの形式は複数選択する。本実施形態では、不正や不正の兆候を表す異常として、異常値や外れ値を検出する観点から、データ形式を、時系列データと横断データと、の2種類に分類する。
【0029】
時系列データとは、互いに異なる時間情報に対応する複数のデータ群である。時間情報は、年月日時分などで表されるタイミングや、特定の期間などを表す。
【0030】
横断データとは、同じ時刻や同じ時期などの同じ時間情報に対応する、互いに異なる区分のデータ群である。区分は、所定の条件によって分類された要素の群であり、セグメントと称される場合もある。
【0031】
例えば、トランザクションデータが人口と世帯数を表すデータである場合を想定する。この場合、時系列データは、時系列に連続する複数の年号などの時間情報の各々の、人口の推移や、世帯数の推移、を表すデータである。また、横断データは、各時間情報の各々に対応する人口や世帯数を表すデータである。
【0032】
また、例えば、トランザクションデータが複数の部門の売上金額を表すデータである場合を想定する。この場合、時系列データは、時系列に連続する複数の時期または年月日などの時間情報の各々の、部門ごとの売上金額の推移を表すデータである。また、横断データは、各時間情報の各々に対応する、各部門の売上金額を表すデータである。
【0033】
このため、異常検知対象のデータ形式を横断データに設定した場合、異常検出処理時には、例えば、あるセグメントの情報(部門や担当者などの情報)を考慮した異常検出を行うことができる。
【0034】
また、異常検知対象のデータ形式を時系列データに設定した場合、異常検出処理時には、横断データの要素に加えて、時系列の推移も考慮した異常検出を行うことができる。
【0035】
検出パターンとは、異常検知基準を表すパターンである。異常検知基準は、何をもって異常とするかを表す基準である。検知パターンは、例えば、閾値を上回るまたは下回るデータを異常とする異常検知基準、他のデータの平均範囲外を異常とする異常検知基準、および、過去の傾向による想定範囲外を異常とする異常検知基準、の少なくとも1つを表す。
【0036】
本実施形態では、閾値を上回るまたは下回るデータを異常とする異常検知基準を表す検出パターンとして、閾値を設定して検出する検出パターンを表す文字情報および画像情報を予め対応テーブル106aに登録する。
【0037】
また、本実施形態では、他のデータの平均範囲外を異常とする異常検知基準を表す検出パターンとして、平均範囲である通常値より高い値を外れ値として検出、通常値より低い値を外れ値として検出、通常値より高いまたは低い値を外れ値として検出、の各々の検出パターンを表す文字情報および画像情報を予め対応テーブル106aに登録する。
【0038】
また、本実施形態では、過去の傾向による想定範囲外を異常とする異常検知基準を表す検出パターンとして、過去の傾向を加味して検出する検出パターンを表す文字情報および画像情報を予め対応テーブル106aに登録する。
【0039】
これらの検知パターンの何れかを設定することで、例えば、他のデータや過去の傾向からは見られないどのような傾向を異常検出処理時に異常として検出するかを設定することができる。
【0040】
異常検知手法とは、異常検知処理時に用いる検知手法や計算方法である。異常検知処理時に用いる検知手法や計算方法は、データ形式や検出パターンによって異なる。対応テーブル106aは、データ形式および検出パターンに対応する異常検知手法を予め登録する。
【0041】
異常検知手法は、例えば、ルールベース、平均標準偏差、外れ値範囲、などであるが、これらに限定されない。
【0042】
異常検知手法の種類によって、パラメータの設定を要する場合がある。対応テーブル106aは、異常検知手法に対応するパラメータを予め登録する。
【0043】
図1に戻り説明を続ける。設定オプションテーブル106bは、ユーザによって選択および入力されたデータ形式、検出パターン、異常検知時に実行する複数の処理の各々の実行有無の選択を受付けるためのQ&Aの情報を管理するためのテーブルである。設定オプションテーブル106bは、ユーザによる入力に応じて、後述する制御部102によって更新される。
【0044】
図3は、設定オプションテーブル106bのデータ構成の一例を示す模式図である。設定オプションテーブル106bは、定義IDと、データ形式と、検出パターンと、Q&A情報と、の各々について、ユーザによって入力または選択された設定値や値を対応付けて記憶する。
【0045】
定義IDは、異常検知の判定の定義を一意に定める識別情報である。設定オプションテーブル106bのデータ形式の設定値には、ユーザによって選択されたデータ形式に応じた値が登録される。例えば、設定オプションテーブル106bは、時系列データが選択された場合には値“0”を記憶し、横断データが選択された場合には値“1”を記憶する。
【0046】
設定オプションテーブル106bの検出パターンの設定値には、ユーザによって選択された検出パターンに応じた値が登録される。例えば、設定オプションテーブル106bは、「閾値を設定して検出」が選択された場合には値“0”、「高い値を外れ値として検出」が選択された場合には値“1”、「低い値を外れ値として検出」が選択された場合には値“2”、「高い値または低い値を外れ値として検出」が選択された場合には値“3”、「過去の傾向を加味して検出」が選択された場合には値“4”を記憶する。
【0047】
異常検知時に実行する複数の処理の各々の実行有無の選択を受付けるためのQ&Aの情報は、例えば、「アルゴリズムやパラメータの設定を行いますか?」、「データ取得定義を新規で作成しますか?」、「スケジュール判定定義を新規で作成しますか?」、「判定するデータに対して前処理を行いますか?」、「判定するデータに対して集計を行いますか?」、「判定するデータに対して変化点の検知を行いますか?」、「抽出条件の設定を行いますか?」、「異常度のランクの設定を行いますか?」等の質問を表す情報を含む。これらのフィールドには、質問に対する回答として、ユーザによって選択された値が設定される。
【0048】
図1に戻り説明を続ける。異常検知定義テーブル106cは、ユーザによって選択および入力された、異常検知処理時に実行する複数の処理の各々の実行時に必要な、設定項目の値を管理するためのテーブルである。異常検知定義テーブル106cに含まれる各項目であるフィールドに対応する設定値および値は、ユーザによる入力に応じて、後述する制御部102によって更新される。
【0049】
本実施形態では、異常検知定義テーブル106cは、異常検知処理時に実行する複数の処理の各々に対応する複数のテーブルを含む。例えば、異常検知定義テーブル106cは、異常値判定データ取得定義テーブル106d、ストアドパラメータ定義テーブル106e、異常値判定データ取得マッピング定義テーブル106f、前処理定義テーブル106g、集計条件テーブル106h、変化点定義テーブル106i、異常値判定定義テーブル106j、抽出条件テーブル106k、異常度ランク定義テーブル106l、メッセージテンプレートテーブル106m、判定結果テーブル106n、スケジュール判定定義テーブル106o、異常値判定スケジュールマッピング定義テーブル106p、データ条件スケジュール判定定義テーブル106q、データ条件スケジュールストアドパラメータ定義テーブル106r、およびデータ条件スケジュールマッピング定義テーブル106sを含む。
【0050】
図4Aは、異常値判定データ取得定義テーブル106dのデータ構成の一例を示す模式図である。異常値判定データ取得定義テーブル106dは、異常の判定に使用するデータを管理するテーブルである。異常値判定データ取得定義テーブル106dに含まれる各項目であるフィールドに対応する設定値および値は、ユーザによる入力に応じて、後述する制御部102によって更新される。
【0051】
異常値判定データ取得定義テーブル106dは、データ取得定義IDと、データ取得定義名と、表示順と、ストアド名と、ストアド表示名と、説明と、を対応付けたテーブルである。データ取得定義IDは、異常検知に使用するトランザクションデータを一意に定める識別情報である。データ取得定義名は、データ取得の定義名である。表示順は、一覧画面での表示順である。ストアド名は、トランザクションデータからデータを取得するためのストアドプロシージャの名称である。以下では、ストアドプロシージャを、ストアド、と称して説明する場合がある。ストアド表示名は、ストアドの表示名である。説明は、データ取得定義の説明である。
【0052】
図4Bは、ストアドパラメータ定義テーブル106eのデータ構成の一例を示す模式図である。ストアドパラメータ定義テーブル106eは、ストアドのパラメータを管理するテーブルである。ストアドパラメータ定義テーブル106eに含まれる各項目であるフィールドに対応する設定値および値は、ユーザによる入力に応じて、後述する制御部102によって更新される。
【0053】
ストアドパラメータ定義テーブル106eは、データ取得定義IDと、連番と、パラメータ名と、パラメータ種別と、値と、を対応付けたテーブルである。データ取得定義IDは、使用するデータを一意に定めるデータ取得識別情報である。連番は、パラメータの連番である。パラメータ名は、パラメータの名称である。パラメータ種別は、例えば、固定値、現在時刻、テーブル値関数、などである。パラメータ種別として「固定値」が選択された場合には値“0”が登録され、「現在時刻」が設定された場合には値“1”が登録され、「テーブル値関数」が設定された場合には値“2”が登録される。値は、パラメータ種別に応じて設定する内容が変わる。例えば、パラメータ種別「固定値」が選択された場合には値として固定値が登録され、パラメータ種別「現在時刻」が選択された場合には値としてNULLが登録され、パラメータ種別「テーブル値関数」が選択された場合には値としてテーブル関数名が登録される。
【0054】
図4Cは、異常値判定データ取得マッピング定義テーブル106fのデータ構成の一例を示す模式図である。異常値判定データ取得マッピング定義テーブル106fは、異常の判定に使用するデータの項目情報を管理するためのテーブルである。異常値判定データ取得マッピング定義テーブル106fに含まれる各項目であるフィールドに対応する設定値および値は、ユーザによる入力に応じて、後述する制御部102によって更新される。
【0055】
異常値判定データ取得マッピング定義テーブル106fは、データ取得定義ID、項目番号、項目名、項目表示名、および型を対応付けたテーブルである。
【0056】
図4Dは、前処理定義テーブル106gのデータ構成の一例を示す模式図である。前処理定義テーブル106gは、データに対する前処理を管理するためのテーブルである。前処理定義テーブル106gに含まれる各項目であるフィールドに対応する設定値および値は、ユーザによる入力に応じて、後述する制御部102によって更新される。
【0057】
前処理定義テーブル106gは、定義IDと、実行順と、定義と、を対応付けたテーブルである。定義IDは、異常の判定の定義を一意に定める識別情報である。実行順は、実行の順序である。定義は、前処理内容のJSONである。
【0058】
図4Eは、集計条件テーブル106hのデータ構成の一例を示す模式図である。集計条件テーブル106hは、データに対する集計情報を管理するためのテーブルである。集計条件テーブル106hに含まれる各項目であるフィールドに対応する設定値および値は、ユーザによる入力に応じて、後述する制御部102によって更新される。
【0059】
集計条件テーブル106hは、定義IDと、集計キー項目1と、集計項目1と、集計キー項目2と、集計項目2と、結合キー項目と、集計方法と、を対応付けたテーブルである。定義IDは、上記と同様である。集計キー項目1は、集計のキー項目であり、割合算出時には分母にあたる集計キー項目を設定するためのフィールドである。集計項目1は、集計項目であり、割合算出時は分母にあたる集計項目を設定するためのフィールドである。集計キー項目2は、割合算出時の分子にあたる集計キー項目を設定するためのフィールドである。集計項目2は、割合算出時の分子にあたる集計項目を設定するためのフィールドである。結合キー項目は、割合算出時に分母と分子の集計結果を結合するキー項目を定めるためのフィールドである。集計方法は、集計の方法を設定するためのフィールドである。
【0060】
図4Fは、変化点定義テーブル106iのデータ構成の一例を示す模式図である。変化点定義テーブル106iは、変化点を検出する設定内容を管理するためのテーブルである。変化点定義テーブル106iに含まれる各項目であるフィールドに対応する設定値および値は、ユーザによる入力に応じて、後述する制御部102によって更新される。
【0061】
変化点定義テーブル106iは、定義IDと、時系列項目と、キー項目と、検出項目と、比較対象タイプと、個数と、変化度算出タイプと、変化点検出タイプと、上限と、下限と、を対応付けたテーブルである。
【0062】
定義IDは上記と同様である。時系列項目は、時系列項目名である。キー項目は、系列が複数ある場合にそれを分けるキー項目である。検出項目は、検出する項目である。比較対象タイプのフィールドには、比較対象タイプが過去実績である場合には“0”が登録され、比較対象タイプが移動平均である場合には“1”が登録される。個数のフィールドは、比較対象タイプに応じて設定内容が変わる。比較対象タイプが過去実績である場合には、個数のフィールドには、何時点前の実績と比較するのかの個数が登録される。比較対象タイプが移動平均である場合には、個数のフィールドには、過去何時点の移動平均をとるのかの個数が登録される。
【0063】
変化度算出タイプのフィールドには、実績と比較対象に対して変化度をどのように算出するかが設定される。実績と比較対象の差を用いる場合には“差”が登録され、実績と比較対象の比率を用いる場合には“比率”が登録され、実績と比較対象の変化率を用いる場合には“変化率”が登録される。
【0064】
変化点検出タイプのフィールドには、変化度に対してどのように検出するかが設定される。閾値を設定して検出する場合には“閾値”が登録され、平均標準偏差を元に検出する場合には“平均標準偏差”が登録され、四分位範囲を元に検出する場合には“四分位範囲”が登録される。
【0065】
上限のフィールドには、変化点検出タイプが閾値の場合には変化度上限が登録される。下限のフィールドには、変化点検出タイプが閾値の場合には変化度下限が登録される。
【0066】
図4Gは、異常値判定定義テーブル106jのデータ構成の一例を示す模式図である。異常値判定定義テーブル106jは、異常判定の手法の設定および更新内容の管理を行うためのテーブルである。異常値判定定義テーブル106jに含まれる各項目であるフィールドに対応する設定値および値は、ユーザによる入力に応じて、後述する制御部102によって更新される。
【0067】
異常値判定定義テーブル106jは、定義IDと、定義名と、表示順と、コメントと、アルゴリズムと、定義と、データ取得定義IDと、判定結果更新テーブル名と、更新時並替列と、並び替え順序と、更新開始数と、更新個数と、レイアウトCDと、ステータスと、を対応付けたテーブルである。
【0068】
定義ID、表示順、データ取得定義ID、は上記と同様である。定義名は、定義の名称である。コメントは、定義詳細を記載するコメントである。定義は、アルゴリズムに必要な定義のJSONである。判定結果更新テーブル名は、異常の判定結果を更新するテーブルの名前である。更新時並替列は、更新時にどの列を並び替えに使用するかを表す。並び替え順序は、昇順の場合には“Asc”、降順の場合には“Desc”が設定される。更新開始数は、更新時に何個目以降を更新するかを表す。更新個数は、更新時に何要素分を更新するかを表す。レイアウトCDは、メッセージエリアのレイアウトを一意に表すCDである。ステータスは定義の作成状況を示し、なしの場合“0”、作成中の場合“1”、作成完了の場合“2”が登録される。
【0069】
図4Hは、抽出条件テーブル106kのデータ構成の一例を示す模式図である。抽出条件テーブル106kは、異常の判定に閾値を設定する、または、異常の判定後に結果を抽出したい場合の情報を管理するためのテーブルである。抽出条件テーブル106kに含まれる各項目であるフィールドに対応する設定値および値は、ユーザによる入力に応じて、後述する制御部102によって更新される。
【0070】
抽出条件テーブル106kは、定義IDと、位置番号と、接続詞と、前括弧と、抽出列名と、演算子と、閾値と、型名と、比較例名と、後括弧と、を対応付けたテーブルである。定義IDは上記と同様である。位置番号は、同一定義IDの中で何番目の抽出条件であるかの指定であり、初期値を0とする連番で表される。接続詞は、抽出条件が複数ある場合、ANDやORを指定するためのフィールドである。抽出列名は、抽出列名を指定するためのフィールドである。演算子は、等号や不等号を設定するためのフィールドである。閾値は、抽出列の閾値を設定するためのフィールドである。型名は、データ型を設定するためのフィールドであり、比較列名は、抽出列と項目とを比較する際に設定されるフィールドである。
【0071】
図4Iは、異常度ランク定義テーブル106lのデータ構成の一例を示す模式図である。異常度ランク定義テーブル106lは、異常と判定されたデータのランク分けの個数を管理するためのテーブルである。異常度ランク定義テーブル106lに含まれる各項目であるフィールドに対応する設定値および値は、ユーザによる入力に応じて、後述する制御部102によって更新される。
【0072】
異常度ランク定義テーブル106lは、定義IDと、異常度ランク個数と、を対応付けたテーブルである。定義IDは上記と同様である。異常度ランク個数は、異常データを分割する個数である。
【0073】
図4Jは、メッセージテンプレートテーブル106mのデータ構成の一例を示す模式図である。メッセージテンプレートテーブル106mは、異常の判定結果の根拠メッセージのテンプレートを管理するためのテーブルである。メッセージテンプレートテーブル106mに含まれる各項目であるフィールドに対応する設定値および値は、ユーザによる入力に応じて、後述する制御部102によって更新される。
【0074】
メッセージテンプレートテーブル106mは、定義IDと、メッセージ区分と、領域CDと、テンプレート値と、を対応付けたテーブルである。定義IDは上記と同様である。メッセージ区分は、メッセージの区分を表す。メッセージ区分のフィールドには、上限を上回る場合には“1”、下限を下回る場合には“2”が設定される。領域CDは、メッセージを表示する領域のCDである。テンプレート値は、メッセージのテンプレートである。
【0075】
図4Kは、判定結果テーブル106nのデータ構成の一例を示す模式図である。判定結果テーブル106nは、判定結果を保存するテーブルの項目情報を管理するためのテーブルである。判定結果テーブル106nに含まれる各項目であるフィールドに対応する設定値および値は、ユーザによる入力に応じて、後述する制御部102によって更新される。
【0076】
判定結果テーブル106nは、定義IDと、項目番号と、項目名と、項目表示名と、型と、必須フラグと、を対応付けたテーブルである。定義IDは上記と同様である。項目番号は、判定結果を保存するテーブルの項目番号である。項目名は、該項目番号の項目名であり、項目表示名は、該項目名の表示名である。型は、対応する項目の型であり、必須フラグは、対応する項目が必須であるか否かを表すフラグである。
【0077】
図4Lは、スケジュール判定定義テーブル106oのデータ構成の一例を示す模式図である。スケジュール判定定義テーブル106oは、異常を判定するスケジュールを管理するためのテーブルである。異常検知定義テーブル106cに含まれる各項目であるフィールドに対応する設定値および値は、ユーザによる入力に応じて、後述する制御部102によって更新される。
【0078】
スケジュール判定定義テーブル106oは、スケジュール定義IDと、スケジュール定義名と、使用開始日と、使用終了日と、実行条件タイプと、表示順と、削除フラグと、を対応付けたテーブルである。スケジュール定義IDは、スケジュールの定義を一意に定める識別情報である。スケジュール定義名は、スケジュールの定義名である。使用開始日は、スケジュール定義の使用開始日を示し、使用終了日は、スケジュール定義の使用終了日を示す。実行条件タイプは、標準設定に従う場合には“0”が登録され、データ条件の指定に従う場合には“1”が登録される。表示順は、一覧画面における表示順を表す。削除フラグは、スケジュール判定定義が削除されているか否かを表す。
【0079】
図4Mは、異常値判定スケジュールマッピング定義テーブル106pのデータ構成の一例を示す模式図である。異常値判定スケジュールマッピング定義テーブル106pは、異常の判定のスケジュールと異常値判定の定義とを紐づけるためのテーブルである。異常値判定スケジュールマッピング定義テーブル106pに含まれる各項目であるフィールドに対応する設定値および値は、ユーザによる入力に応じて、後述する制御部102によって更新される。
【0080】
異常値判定スケジュールマッピング定義テーブル106pは、スケジュール定義IDと、定義IDと、を対応付けたテーブルである。スケジュール定義IDは上記と同様である。定義IDも上記と同様であり、判定の定義を一意に定める識別情報である。
【0081】
図4Nは、データ条件スケジュール判定定義テーブル106qのデータ構成の一例を示す模式図である。データ条件スケジュール判定定義テーブル106qは、データ条件によるスケジュールを管理するためのテーブルである。データ条件スケジュール判定定義テーブル106qに含まれる各項目であるフィールドに対応する設定値および値は、ユーザによる入力に応じて、後述する制御部102によって更新される。
【0082】
データ条件スケジュール判定定義テーブル106qは、データ条件定義IDと、データ条件定義名と、ストアド名と、期待行数と、演算子タイプと、を対応付けたテーブルである。データ条件定義IDは、データ条件定義を一意に定める識別情報である。データ条件定義名は、テータ条件定義の名称である。ストアド名は、トランザクションデータからデータを取得するためのストアドプロシージャの名称である。期待行数は、対応するストアド名によって特定されるストアドによって取得したテーブルの期待行数である。演算子タイプは、レコード番号との比較演算子を指定するためのフィールドである。演算子タイプは、無効値である場合には“0”、“=”である場合には“1”、“!=”である場合には“2”、“<”である場合には“3”、“≦”である場合には“4”、“>”である場合には“5”、“≧”である場合には“6”が設定される。
【0083】
図4Oは、データ条件スケジュールストアドパラメータ定義テーブル106rのデータ構成の一例を示す模式図である。データ条件スケジュールストアドパラメータ定義テーブル106rは、データ条件に使用するストアドのパラメータを管理するためのテーブルである。データ条件スケジュールストアドパラメータ定義テーブル106rに含まれる各項目であるフィールドに対応する設定値および値は、ユーザによる入力に応じて、後述する制御部102によって更新される。
【0084】
データ条件スケジュールストアドパラメータ定義テーブル106rは、データ条件定義IDと、連番と、パラメータ種別と、パラメータ種類と、値と、を対応付けたテーブルである。データ条件定義IDは、上記と同様である。連番は、パラメータの連番である。パラメータ種別は、パラメータの種別である。パラメータ種類には、パラメータ種別が固定値の場合には“0”、現在時刻の場合には“1”、テーブル値関数の場合には“2”が登録される。値は、対応するパラメータ種別に応じて設定内容が変わる。値は、パラメータ種別が固定値である場合には固定値の値、パラメータ種別が現在時刻である場合にはNULL、パラメータ種別がテーブル値関数である場合にはテーブル値関数名が登録される。
【0085】
図4Pは、データ条件スケジュールマッピング定義テーブル106sのデータ構成の一例を示す模式図である。データ条件スケジュールマッピング定義テーブル106sは、異常を判定するスケジュールとデータ条件を紐づけるためのテーブルである。データ条件スケジュールマッピング定義テーブル106sに含まれる各項目であるフィールドに対応する設定値および値は、ユーザによる入力に応じて、後述する制御部102によって更新される。
【0086】
データ条件スケジュールマッピング定義テーブル106sは、スケジュール定義IDと、データ条件定義IDと、を対応付けたテーブルである。スケジュール定義IDおよびデータ条件定義IDは上記と同様である。
【0087】
図1に戻り説明を続ける。
【0088】
制御部102は、異常検知設定装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS(オペレーティング・システム)等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0089】
本実施形態では、制御部102は、受付部102aと、表示制御部102bと、登録部102cと、を備える。
【0090】
受付部102aは、ユーザによる入力を受付ける。詳細には、受付部102aは、ユーザによる入力装置112の操作による選択または入力の操作を受付ける。
【0091】
表示制御部102bは、データ形式および検知パターンの選択画面を出力装置114に表示する。
【0092】
登録部102cは、選択画面を介して入力を受付けたデータ形式および検知パターンに対応する異常検知手法を、異常検知実行時に用いる設定オプションテーブル106bに登録する。
【0093】
また、表示制御部102bは、異常検知時に実行する複数の処理の各々の実行有無の選択を受付けるための選択受付欄を含む選択画面を出力装置114に表示する。そして、表示制御部102bは、選択受付欄を介して入力を受付けた複数の処理の各々の実行有無に応じて、処理の実行時に必要な設定項目の値の入力を受付けるための設定画面を、段階的に順次出力装置114に表示する。すなわち、表示制御部102bは、設定画面をウィザード形式で順次114に表示する。
【0094】
登録部102cは、設定画面を介して入力を受付けた設定項目の値を、異常検知実行時に用いる異常検知定義テーブル106cに登録する。
【0095】
このため、ユーザは、選択画面および設定画面を介して、データ形式、検知パターン、および設定項目の値を選択入力することで、異常検知処理時に必要な異常検知手法や各種の処理に必要な設定の設定値を容易に設定することができる。すなわち、異常検知に関する専門知識を有さないユーザであっても、異常検知処理時に必要な異常検知手法や各種の処理に必要な設定の設定値を容易に設定することができる。このため、本実施形態の異常検知設定装置100は、異常検知に関する必要な設定を容易に設定可能に提供することができる。
【0096】
[3.具体例]
図5図20Dを参照して、本実施の形態における異常検知設定装置100の処理の具体例を説明する。
【0097】
図5は、本実施の形態における異常検知設定装置100による全体の処理の流れの一例を説明するためのフローを示す図である。
【0098】
図6は、サンプルデータの一例を示す模式図である。例えば、会計年月、部門CD、担当者CD、および担当者名ごとに売上値引金額を登録したサンプルデータを、異常検知対象のトランザクションデータとして用いる場面を想定して説明する。
【0099】
そして、ユーザが、異常検知処理として、売上値引金額の高い担当者の検出を所望する場面を想定して説明する。
【0100】
また、本具体例では、異常検知設定装置100を、統計などの異常検知に関する専門知識の全く無いユーザと、有識者と、の各々が操作する場面を想定して説明する。専門知識の全くないユーザは、例えば、とりあえず異常判定を所望している場合を想定する。また、有識者は、統計などの専門知識があり、パラメータの設定内容の変更やプラスアルファの設定をして異常判定を行うことを所望している場合を想定する。
【0101】
[専門知識を有さないユーザによる操作の具体例]
まず、統計などの異常検知に関する専門知識を有さないユーザが異常検知設定装置100を操作する場面を想定して説明する。
【0102】
図5に示すように、表示制御部102bは、選択画面を出力装置114に表示する(ステップS100)。受付部102aは、データ形式の入力を受付けると(ステップS102)、入力を受付けたデータ形式に対応する検知パターンを選択画面に表示する(ステップS104)。そして、受付部102aは、検知パターンの入力を受付けると(ステップS106)、処理の実行有無の選択を受付ける(ステップS108)。そして、登録部102cは、ユーザによって選択された設定値などを設定オプションテーブル106bに登録する(ステップS110)。
【0103】
図を用いて説明する。図7Aは、選択画面50の一例を示す模式図である。表示制御部102bは、定義情報受付欄50Aおよびデータ形式の入力受付欄50Bを含む選択画面50を出力装置114へ表示する。
【0104】
ユーザは、定義情報受付欄50Aにおける、定義ID、定義名、および表示順を入力する。例えば、定義ID「UriageNebikiKingaku01」、表示名「売上値引金額検出01」、表示順「1」が入力された場合を想定する。また、ユーザは、データ形式の入力受付欄50Bにおける「時系列データ」または「横断データ」を選択することで、異常検知対象のデータ形式を入力する。
【0105】
表示制御部102bは、受け付けたデータ形式に対応する検出パターンを対応テーブル106aから読み取る(図2も参照)。ここでは、時系列データが選択された場面を想定して説明を続ける。この場合、対応テーブル106aにおける、時系列データに対応する検出パターンを表す文字情報および画像を読み取り、選択画面50の検出パターン選択受付欄50Cに表示する。
【0106】
このため、図7Aに示すように、選択画面50の検出パターン選択受付欄50Cには、データ形式の入力受付欄50Bで選択を受付けたデータ形式に対応する検出パターンの一覧が選択可能に表示される。詳細には、検出パターンを表す文字情報および画像の一覧が選択可能に表示される。検出パターンを表す文字情報に加えて検出パターンを表す画像が表示されるため、ユーザは、視覚的に検出パターンを理解することができる。
【0107】
ユーザは、検出パターン選択受付欄50Cに表示された検出パターンの中から、所望の検出パターンを選択する。ここでは、高い値を外れ値として検出する検出パターンが選択された場面を想定して説明を続ける。
【0108】
登録部102cは、定義情報受付欄50Aを介して入力された定義ID、定義名、および表示順と、データ形式の入力受付欄50Bを介して入力されたデータ形式と、検出パターン選択受付欄50Cを介して入力された検出パターンを、設定オプションテーブル106bに登録する。また、登録部102cは、定義情報受付欄50Aを介して入力された定義ID、定義名、および表示順を異常値判定定義テーブル106jに登録する。
【0109】
このため、図7Bに示すように、設定オプションテーブル106bには、ユーザによって入力された定義ID、データ形式、検出パターンの設定値が登録される。また、図7Cに示すように、異常値判定定義テーブル106jには、定義ID、定義名、および表示順が登録された状態となる。
【0110】
図7Aに戻り説明を続ける。表示制御部102bは、更に、処理の選択受付欄50Dを選択画面50に表示する。処理の選択受付欄50Dは、異常検知時に実行する複数の処理の各々の実行有無の選択を受付けるための受付欄である。
【0111】
本実施形態では、表示制御部102bは、設定オプションテーブル106bにおける、異常検知時に実行する複数の処理の各々の実行有無の選択を受付けるためのQ&Aの情報の各々のフィールドに登録されている表示項目を処理の選択受付欄50Dに表示する。
【0112】
ユーザは、処理の選択受付欄50Dに示される質問に対する答えを選択する。ここでは、全ての質問に対して「いいえ」が選択された場面を想定して説明を続ける。
【0113】
登録部102cは、処理の選択受付欄50Dを介して入力を受付けた、異常検知時に実行する複数の処理の各々の実行有無の選択、すなわち、質問に対する答えを表す情報を、設定オプションテーブル106bに登録する。このため、図7Bに示すように、設定オプションテーブル106bには、Q&A情報の各々について、「いいえ」を表す設定値“0”が登録された状態となる。
【0114】
図5に戻り説明を続ける。表示制御部102bは、ステップS110で登録された設定オプションテーブル106bに基づいて、設定画面を特定する(ステップS112)。
【0115】
設定画面は、異常検知時に実行する処理の実行時に必要な設定項目の値の入力を受付けるための画面である。本実施形態では、表示制御部102bは、設定画面として、データ取得定義、前処理定義、集計条件、変化点定義、異常値判定定義、抽出条件、異常度ランク定義、メッセージテンプレート、判定結果テーブル定義、およびスケジュール判定定義、の合計10個の設定画面を用意可能である場合を一例として説明する。
【0116】
これらの設定画面の内、データ取得定義、異常値判定定義、メッセージテンプレート、判定結果テーブル定義、およびスケジュール判定定義の設定画面は、設定必須の画面である。一方、前処理定義、集計条件、変化点定義、抽出条件、および異常度ランク定義の設定画面は、異常検知時に実行する複数の処理の各々の実行有無の選択、すなわち、上記Q&Aの選択結果によって設定される設定画面である。
【0117】
データ取得定義は、判定に使用するデータを取得する処理のための設定画面である。データ取得定義の設定画面では、取得ストアドと項目名の設定が必要である。前処理定義は、取得したデータに対してNULL補間やスケール変換等の前処理のための設定画面である。前処理定義の設定画面では、使用するデータにNULLが含まれている場合、データ補間の設定が必要となる。集計条件は、取得したデータに対して合計や平均をとるなどの集計加工のための設定画面である。集計条件の設定画面では、集計後のデータで判定を行う場合、集計方法の設定が必要となる。
【0118】
変化点定義は、時系列のデータについて推移を分析し、大きく変化している点を検出する処理のための設定画面である。変化点定義の設定画面では、異常検出に追加して、過去データとの変化度合いを知りたい場合、比較する期間の設定などが必要となる。異常値判定定義は、指定された異常検知手法に基づき計算を行い、異常検出を行う処理のための設定画面である。異常値判定定義の設定画面では、異常の判定に利用する項目や検出の厳しさなどのパラメータ設定が必要となる。
【0119】
抽出条件は、指定されたルールに従って異常値検出を行う処理のための設定画面である。抽出条件の設定画面では、閾値により検出を行う場合または自動計算に追加条件を指定する場合、ルールの設定が必要となる。異常度ランク定義は、異常と判定されたデータに対して異常度に応じたランク分けを行う処理のための設定画面である。異常度ランク定義の設定画面では、ランクの個数を設定し、設定しない場合はデフォルト値で実行される。
【0120】
メッセージテンプレートは、異常の判定結果に伴うメッセージをデータベースに保存する処理のための設定画面である。メッセージテンプレートの設定画面では、異常の判定手法である異常検知手法に応じたメッセージのテンプレートの設定が必要となる。
【0121】
判定結果テーブル定義は、異常の判定結果をデータベースに保存する処理のための設定画面である。判定結果テーブル定義の設定画面では、異常の判定手法である異常検知手法に応じた保存する項目や更新期間の設定が必要となる。スケジュール判定定義は、異常の判定を実行し、更新するタイミングの設定を行う処理のための設定画面である。スケジュール判定定義の設定画面では、データの条件に応じて実行するスケジュールの設定を行うことが可能である。
【0122】
表示制御部102bは、異常検知時に実行する複数の処理の各々の実行有無の選択、すなわち、上記Q&A情報に対する回答の選択に応じて、これらの設定画面の表示および非表示、並びに、これらの設定画面に表示される表示内容を特定する。
【0123】
図8Aは、Q&Aの各々に対応する設定画面の対応関係の一例を示す模式図である。表示制御部102bは、「アルゴリズムやパラメータの設定を行いますか?」、「データ取得定義を新規で作成しますか?」、および「スケジュール判定定義を新規で作成しますか?」の各々に対するユーザの選択に応じて、対応する設定画面として「異常値判定定義」、「データ取得定義」、「スケジュール判定定義」の各々の設定画面を特定する。
【0124】
なお、上述したように、これらの「アルゴリズムやパラメータの設定を行いますか?」、「データ取得定義を新規で作成しますか?」、および「スケジュール判定定義を新規で作成しますか?」の設定画面は、設定必須の画面である。表示制御部102bは、この場合、ユーザの選択に応じて、これらの設定画面に含まれる表示項目を変更する。
【0125】
また、図8Aに示すように、「判定するデータに対して前処理を行いますか?」、「判定するデータに対して集計を行いますか?」、「判定するデータに対して変化点の検知を行いますか?」、「抽出条件の設定を行いますか?」、および「異常度のランクの設定を行いますか?」は、「前処理定義」、「集計条件」、「変化点定義」、「抽出条件」、および「異常度ランク定義」の各々の設定画面に対応する。これらの設定画面は、対応するQ&A情報によって表される処理の実行が選択された場合に表示される。
【0126】
図5に戻り説明を続ける。表示制御部102bは、上記Q&A情報に対する回答の選択に応じて、これらの設定画面の表示および非表示、並びに、これらの設定画面に表示される表示内容を特定する(ステップS112)。表示制御部102bは、設定必須の設定画面の表示項目と、上記Q&A情報によって選択された処理に対応する設定画面を特定する。
【0127】
そして、表示制御部102bは、特定した設定画面のプログレスバーを作成する(ステップS114)。すなわち、表示制御部102bは、ステップS112で特定した、ユーザが設定を要する複数の設定画面の設定の進捗状況を表すプログレスバーを作成する。
【0128】
図8Bは、プログレスバー62の一例の模式図である。プログレスバー62は、例えば、データ取得定義、前処理定義、集計条件、変化点定義、異常値判定定義、抽出条件、異常度ランク定義、メッセージテンプレート、判定結果テーブル定義、およびスケジュール判定定義の各々のタスク62A~62Jを順に並べた棒状の画像である。
【0129】
上述したように、処理の選択受付欄50Dに示される全ての質問に対して「いいえ」が選択された場面を想定する。この場合、表示制御部102bは、設定必須の設定画面である「データ取得定義」、「異常値判定定義」、「メッセージテンプレート」、「判定結果テーブル定義」、「スケジュール判定定義」の各々の設定タスクを含むプログレスバー62を作成する。また、表示制御部102bは、これらの5つの設定画面を特定した状態となる。
【0130】
図5に戻り説明を続ける。表示制御部102bは、ステップS112で設定した設定画面ごとに、ステップS116~ステップS120の処理を繰り返す。そして、本ルーチンを終了する。
【0131】
すなわち、処理の選択受付欄50Dに示される全ての質問に対して「いいえ」が選択され、設定必須の設定画面である「データ取得定義」、「異常値判定定義」、「メッセージテンプレート」、「判定結果テーブル定義」、「スケジュール判定定義」の設定画面が特定された場面を想定する。この場合、表示制御部102bは、これらの設定画面を順次出力装置114へ表示し、設定画面を出力装置114へ表示するごとに、ユーザによる選択の入力を受付け、対応する異常検知定義テーブル106cへ順次登録する。
【0132】
すなわち、ユーザは、ウィザード形式で順次表示される設定画面による誘導に沿って設定値を入力や選択項目の選択を行うことで、異常検知時に実行する複数の処理の各々の実行時に必要な設定項目の値を順次入力することができる。そして、入力された値は、順次、異常検知定義テーブル106cへ登録される。
【0133】
例えば、図9Aに示すように、表示制御部102bは、作成したプログレスバー62を含む設定画面60として、データ取得定義の設定画面60Aを出力装置114へ表示する。図9Aに示すように、この場合、プログレスバー62のデータ取得定義タスク62Aが強調して表示され、現在のタスクがデータ取得定義の設定であることがユーザに提示される。
【0134】
ユーザは、データ取得定義の設定画面60Aを介して、データ取得定義IDおよびデータ取得定義名を入力する。なお、選択画面50において「データ取得定義を新規で作成しますか?」の質問に対して「いいえ」が選択されていることから、既存のデータ取得定義を選択するための検索ボタン60A1が表示される。ユーザが検索ボタン60A1を操作することで、記憶部106に登録されている異常値判定データ取得定義テーブル106dに登録済の何れかのデータ取得定義IDが選択可能に表示される。
【0135】
例えば、データ取得定義IDとして「UriageNebikiKingakuSelect」が選択された場面を想定する。この場合、表示制御部102bは、図9Bに示すように、異常値判定定義テーブル106jのデータ取得定義IDの設定値として「UriageNebikiKingakuSelect」を登録する。また、この設定により、図9C図9Eに示すように、異常値判定データ取得定義テーブル106d、ストアドパラメータ定義テーブル106e、および異常値判定データ取得マッピング定義テーブル106fに登録されている既存のデータ取得定義ID「UriageNebikiKingakuSelect」に対応する情報が、定義ID「UriageNebikiKingaku01」のデータ取得定義情報として定義されたこととなる。
【0136】
次に、図10Aに示すように、表示制御部102bは、次のタスクである異常値判定定義タスク62Eを強調したプログレスバー62を含む異常値判定定義の設定画面60Eを出力装置114へ表示する。
【0137】
ユーザは、異常値判定定義の設定画面60Eを介して、コメント、アルゴリズム、判定項目、およびキー項目を入力する。なお、選択画面50において「アルゴリズムやパラメータの設定を行いますか?」の質問に対して「いいえ」が選択されている。このため、表示制御部102bは、アルゴリズムを自動判定して異常値判定定義の設定画面60Eに表示する。また、登録部102cは、パラメータとして既定値を設定する。また、表示制御部102bは、異常値判定データ取得マッピング定義テーブル106fの項目から判定項目を選択可能に表示する。ユーザは、判定項目を選択する。
【0138】
そして、登録部102cは、異常値判定定義の設定画面60Eを介して入力された各設定値を、異常値判定定義テーブル106jの対応するフィールドに登録する。このため、図10Bに示すように、異常値判定定義テーブル106jにおけるコメント、アルゴリズム、および定義の設定値が更新される。
【0139】
次に、図11Aに示すように、表示制御部102bは、次のタスクであるメッセージテンプレートタスク62Hを強調したプログレスバー62を含むメッセージテンプレートの設定画面60Hを出力装置114へ表示する。
【0140】
ユーザは、メッセージテンプレートの設定画面60Hを介して、標準テンプレート使用、検出対象項目名、判定項目名、ラベル項目、および単位を選択する。すなわち、異常値判定データ取得マッピング定義テーブル106fの項目から選択する。
【0141】
そして、登録部102cは、メッセージテンプレートの設定画面60Hを介して入力された各設定値を、メッセージテンプレートテーブル106mの対応するフィールドに登録する。このため、図11Bに示すように、メッセージテンプレートテーブル106mには、ユーザによって選択された設定値である、メッセージ区分、領域CD、およびテンプレート値が登録される。
【0142】
次に、図12Aに示すように、表示制御部102bは、次のタスクである判定結果テーブル定義タスク62Iを強調したプログレスバー62を含む判定結果テーブル定義の設定画面60Iを出力装置114へ表示する。
【0143】
ユーザは、判定結果テーブル定義の設定画面60Iを介して、更新テーブル名、取得データ列名、異常値判定結果列名、保存範囲設定などを入力する。
【0144】
そして、登録部102cは、判定結果テーブル定義の設定画面60Iを介して入力された各設定値を、異常値判定定義テーブル106jおよび判定結果テーブル106nの対応するフィールドに登録する。このため、図12Bに示すように、異常値判定定義テーブル106jには、ユーザによって選択された設定値である、判定結果更新テーブル名、更新時並替順序、更新開始数、および更新個数が登録される。また、図12Cに示すように、判定結果テーブル106nには、定義IDに対応する、項目番号、項目名、型、および必須フラグが登録される。
【0145】
次に、図13Aに示すように、表示制御部102bは、次のタスクであるスケジュール判定定義タスク62Jを強調したプログレスバー62を含むスケジュール判定定義の設定画面60Jを出力装置114へ表示する。
【0146】
ユーザは、スケジュール判定定義の設定画面60Jを介して、スケジュール定義ID、スケジュール定義名、開始日、終了日、実行条件タイプ、などを入力する。なお、選択画面50において「スケジュール判定定義を新規で作成しますか?」の質問に対して「いいえ」が選択されていることから、既存のスケジュール判定定義を選択するための検索ボタン60J1が表示される。ユーザが検索ボタン60J1を操作することで、記憶部106に登録されているスケジュール判定定義テーブル106oに登録済の何れかのスケジュール定義IDが選択可能に表示される。
【0147】
例えば、スケジュール定義IDとして「UriageNebikiKingakuSelect」が選択された場面を想定する。この場合、表示制御部102bは、図13Bに示すように、異常値判定スケジュールマッピング定義テーブル106pに、最初のデータ取得定義の設定画面60Aで設定された定義ID「UriageNebikiKingaku01」と、今回選択されたスケジュール定義ID「UriageNebikiKingakuSchedule」と、を対応付けて登録する。
【0148】
また、この設定により、定義ID「UriageNebikiKingaku01」に対応するスケジュール判定定義情報として、図13Cに示す、スケジュール判定定義テーブル106oに登録されている既存のスケジュール判定定義情報が選択された状態となる。
【0149】
また、全ての設定画面による設定が完了したことから、登録部102cは、図13Dに示すように、異常値判定定義テーブル106jにおけるステータスを、作成完了を表す“2”に更新する。
【0150】
このように、統計などの異常検知に関する専門知識を有さないユーザが異常検知設定装置100を操作する場合であっても、ユーザは、選択画面および設定画面を介して、データ形式、検知パターン、および設定項目の値を選択入力することで、異常検知処理時に必要な異常検知手法や各種の処理に必要な設定の設定値を容易に設定することができる。
【0151】
[有識者による操作の具体例]
次に、異常検知に関する専門知識を有する有識者が異常検知設定装置100を操作する場面を想定して説明する。
【0152】
図5に示すように、表示制御部102bは、選択画面を出力装置114に表示する(ステップS100)。受付部102aは、データ形式の入力を受付けると(ステップS102)、入力を受付けたデータ形式に対応する検知パターンを選択画面に表示する(ステップS104)。そして、受付部102aは、検知パターンの入力を受付けると(ステップS106)、処理の実行有無の選択を受付ける(ステップS108)。そして、登録部102cは、ユーザによって選択された設定値などを設定オプションテーブル106bに登録する(ステップS110)。
【0153】
図を用いて説明する。図14Aは、選択画面50の一例を示す模式図である。表示制御部102bは、定義情報受付欄50Aおよびデータ形式の入力受付欄50Bを含む選択画面50を出力装置114へ表示する。
【0154】
有識者であるユーザは、定義情報受付欄50Aにおける、定義ID、定義名、および表示順を入力する。例えば、定義ID「UriageNebikiKingaku02」、表示名「売上値引金額検出02」、表示順「2」が入力された場合を想定する。また、ユーザは、データ形式の入力受付欄50Bにおける「時系列データ」または「横断データ」を選択することで、異常検知対象のデータ形式を入力する。
【0155】
表示制御部102bは、受け付けたデータ形式に対応する検出パターンを対応テーブル106aから読み取る(図2も参照)。ここでは、時系列データが選択された場面を想定して説明を続ける。この場合、対応テーブル106aにおける、時系列データに対応する検出パターンを表す文字情報および画像を読み取り、選択画面50の検出パターン選択受付欄50Cに表示する。
【0156】
このため、図14Aに示すように、選択画面50の検出パターン選択受付欄50Cには、データ形式の入力受付欄50Bで選択を受付けたデータ形式に対応する検出パターンの一覧が選択可能に表示される。ユーザは、検出パターン選択受付欄50Cに表示された検出パターンの中から、所望の検出パターンを選択する。ここでは、高い値を外れ値として検出する検出パターンが選択された場面を想定して説明を続ける。
【0157】
登録部102cは、定義情報受付欄50Aを介して入力された定義ID、定義名、および表示順と、データ形式の入力受付欄50Bを介して入力されたデータ形式と、検出パターン選択受付欄50Cを介して入力された検出パターンを、設定オプションテーブル106bに登録する。また、登録部102cは、定義情報受付欄50Aを介して入力された定義ID、定義名、および表示順を異常値判定定義テーブル106jに登録する。
【0158】
このため、図14Bに示すように、設定オプションテーブル106bには、ユーザによって入力された定義ID、データ形式、検出パターンの設定値が登録される。また、図14Cに示すように、異常値判定定義テーブル106jには、定義ID、定義名、および表示順が登録された状態となる。
【0159】
図14Aに戻り説明を続ける。表示制御部102bは、更に、処理の選択受付欄50Dを選択画面50に表示する。ユーザは、処理の選択受付欄50Dに示される質問に対する答えを選択する。ここでは、「アルゴリズムやパラメータの設定を行いますか?」および「判定するデータに対して変化点の検知を行いますか?」に対して「はい」が選択され、その他の質問に対して「いいえ」が選択された場面を想定して説明を続ける。
【0160】
登録部102cは、処理の選択受付欄50Dを介して入力を受付けた、異常検知時に実行する複数の処理の各々の実行有無の選択、すなわち、質問に対する答えを表す情報を、設定オプションテーブル106bに登録する。このため、図14Bに示すように、設定オプションテーブル106bには、「アルゴリズムやパラメータの設定を行うか」、「変化点定義を作成するか」について、「はい」を表す設定値“1”が登録された状態、その他Q&A情報の各々について、「いいえ」を表す設定値“0”が登録された状態となる。
【0161】
図5に戻り説明を続ける。表示制御部102bは、ステップS110で登録された設定オプションテーブル106bに基づいて、設定画面を特定する(ステップS112)。
【0162】
表示制御部102bは、異常検知時に実行する複数の処理の各々の実行有無の選択、すなわち、上記Q&A情報に対する回答の選択に応じて、これらの設定画面の表示および非表示、並びに、これらの設定画面に表示される表示内容を特定する。
【0163】
上述したように、「アルゴリズムやパラメータの設定を行いますか?」、「データ取得定義を新規で作成しますか?」、および「スケジュール判定定義を新規で作成しますか?」に対応する設定画面は、設定必須の画面である。表示制御部102bは、ユーザの選択に応じて、これらの設定画面に含まれる表示項目を変更する。
【0164】
また、上述したように、「判定するデータに対して前処理を行いますか?」、「判定するデータに対して集計を行いますか?」、「判定するデータに対して変化点の検知を行いますか?」、「抽出条件の設定を行いますか?」、および「異常度のランクの設定を行いますか?」は、「前処理定義」、「集計条件」、「変化点定義」、「抽出条件」、および「異常度ランク定義」の各々の設定画面に対応する。これらの設定画面は、対応するQ&A情報によって表される処理の実行が選択された場合に表示される。
【0165】
表示制御部102bは、上記Q&A情報に対する回答の選択に応じて、これらの設定画面の表示および非表示、並びに、これらの設定画面に表示される表示内容を特定する(ステップS112)。表示制御部102bは、設定必須の設定画面の表示項目と、上記Q&A情報によって選択された処理に対応する設定画面を特定する。
【0166】
「アルゴリズムやパラメータの設定を行いますか?」および「判定するデータに対して変化点の検知を行いますか?」に対して「はい」が選択された場合を想定する。この場合、表示制御部102bは、「データ取得定義」、「変化点定義」、「異様値判定定義」、「メッセージテンプレート」、「判定結果テーブル定義」、および「スケジュール判定定義」の各々の設定画面を特定する。
【0167】
そして、表示制御部102bは、特定した設定画面のプログレスバーを作成する(ステップS114)。すなわち、表示制御部102bは、ステップS112で特定した、ユーザが設定を要する複数の設定画面の設定の進捗状況を表すプログレスバーを作成する。そして、表示制御部102bは、ステップS112で設定した設定画面ごとに、ステップS116~ステップS120の処理を繰り返す。そして、本ルーチンを終了する。
【0168】
すなわち、「データ取得定義」、「変化点定義」、「異様値判定定義」、「メッセージテンプレート」、「判定結果テーブル定義」、および「スケジュール判定定義」の各々の設定画面が特定された場面を想定する。この場合、表示制御部102bは、これらの設定画面を順次出力装置114へ表示し、設定画面を出力装置114へ表示するごとに、ユーザによる選択の入力を受付け、対応する異常検知定義テーブル106cへ順次登録する。
【0169】
すなわち、ユーザは、ウィザード形式で順次表示される設定画面による誘導に沿って設定値を入力や選択項目の選択を行うことで、異常検知時に実行する複数の処理の各々の実行時に必要な設定項目の値を順次入力することができる。そして、入力された値は、順次、異常検知定義テーブル106cへ登録される。
【0170】
例えば、図15Aに示すように、表示制御部102bは、作成したプログレスバー62を含む設定画面60として、データ取得定義の設定画面60Aを出力装置114へ表示する。図15Aに示すように、この場合、プログレスバー62のデータ取得定義タスク62Aが強調して表示され、現在のタスクがデータ取得定義の設定であることがユーザに提示される。
【0171】
ユーザは、データ取得定義の設定画面60Aを介して、データ取得定義IDおよびデータ取得定義名を入力する。なお、選択画面50において「データ取得定義を新規で作成しますか?」の質問に対して「いいえ」が選択されていることから、既存のデータ取得定義を選択するための検索ボタン60A1が表示される。ユーザが検索ボタン60A1を操作することで、記憶部106に登録されている異常値判定データ取得定義テーブル106dに登録済の何れかのデータ取得定義IDが選択可能に表示される。
【0172】
例えば、データ取得定義IDとして「UriageNebikiKingakuSelect」が選択された場面を想定する。この場合、表示制御部102bは、図15Bに示すように、異常値判定定義テーブル106jのデータ取得定義IDの設定値として「UriageNebikiKingakuSelect」を登録する。また、この設定により、図15C図15Eに示すように、異常値判定データ取得定義テーブル106d、ストアドパラメータ定義テーブル106e、および異常値判定データ取得マッピング定義テーブル106fに登録されている既存のデータ取得定義ID「UriageNebikiKingakuSelect」に対応する情報が、定義ID「UriageNebikiKingaku02」のデータ取得定義情報として定義されたこととなる。
【0173】
次に、図16Aに示すように、表示制御部102bは、次のタスクである変化点定義タスク62Dを強調したプログレスバー62を含む変化点定義の設定画面60Dを出力装置114へ表示する。
【0174】
ユーザは、変化点定義の設定画面60Dを介して、項目の設定、比較対象の設定、および検知方法の設定を行う。なお、項目の設定については、異常値判定データ取得マッピング定義テーブル106fの項目から選択可能に表示すればよい。
【0175】
そして、登録部102cは、変化点定義の設定画面60Dを介して入力された各設定値を、変化点定義テーブル106iの対応するフィールドに登録する。このため、図16Bに示すように、変化点定義テーブル106iにおける対応するフィールドの設定値が更新される。
【0176】
次に、図17Aに示すように、表示制御部102bは、次のタスクである異常値判定定義タスク62Eを強調したプログレスバー62を含む異常値判定定義の設定画面60Eを出力装置114へ表示する。
【0177】
ユーザは、異常値判定定義の設定画面60Eを介して、コメント、アルゴリズム、判定項目、およびキー項目を入力する。なお、選択画面50において「アルゴリズムやパラメータの設定を行いますか?」の質問に対して「はい」が選択されている。このため、表示制御部102bは、アルゴリズムおよびパラメータを変更可能な異常値判定定義の設定画面60Eを表示する。ユーザは、異常値判定定義の設定画面60Eを介して各設定値を入力する。
【0178】
そして、登録部102cは、異常値判定定義の設定画面60Eを介して入力された各設定値を、異常値判定定義テーブル106jの対応するフィールドに登録する。このため、図17Bに示すように、異常値判定定義テーブル106jにおけるコメント、アルゴリズム、および定義の設定値が更新される。
【0179】
次に、図18Aに示すように、表示制御部102bは、次のタスクであるメッセージテンプレートタスク62Hを強調したプログレスバー62を含むメッセージテンプレートの設定画面60Hを出力装置114へ表示する。
【0180】
ユーザは、メッセージテンプレートの設定画面60Hを介して、標準テンプレート使用、検出対象項目名、判定項目名、ラベル項目、および単位を選択する。すなわち、ユーザは、異常値判定データ取得マッピング定義テーブル106fの項目から選択する。
【0181】
そして、登録部102cは、メッセージテンプレートの設定画面60Hを介して入力された各設定値を、メッセージテンプレートテーブル106mの対応するフィールドに登録する。このため、図18Bに示すように、メッセージテンプレートテーブル106mには、ユーザによって選択された設定値である、メッセージ区分、領域CD、およびテンプレート値が登録される。
【0182】
次に、図19Aに示すように、表示制御部102bは、次のタスクである判定結果テーブル定義タスク62Iを強調したプログレスバー62を含む判定結果テーブル定義の設定画面60Iを出力装置114へ表示する。なお、この場合、変化点定義を作成したため、変化点に関する項目を、判定結果テーブル106nの項目に含めることができる。
【0183】
ユーザは、判定結果テーブル定義の設定画面60Iを介して、更新テーブル名、取得データ列名、異常値判定結果列名、保存範囲設定などを入力する。
【0184】
そして、登録部102cは、判定結果テーブル定義の設定画面60Iを介して入力された各設定値を、異常値判定定義テーブル106jおよび判定結果テーブル106nの対応するフィールドに登録する。このため、図19Bに示すように、異常値判定定義テーブル106jには、ユーザによって選択された設定値である、判定結果更新テーブル名、更新時並替順序、更新開始数、および更新個数が登録される。また、図19Cに示すように、判定結果テーブル106nには、定義IDに対応する、項目番号、項目名、型、および必須フラグが登録される。
【0185】
次に、図20Aに示すように、表示制御部102bは、次のタスクであるスケジュール判定定義タスク62Jを強調したプログレスバー62を含むスケジュール判定定義の設定画面60Jを出力装置114へ表示する。
【0186】
ユーザは、スケジュール判定定義の設定画面60Jを介して、スケジュール定義ID、スケジュール定義名、開始日、終了日、実行条件タイプ、などを入力する。なお、選択画面50において「スケジュール判定定義を新規で作成しますか?」の質問に対して「いいえ」が選択されていることから、既存のスケジュール判定定義を選択するための検索ボタン60J1が表示される。ユーザが検索ボタン60J1を操作することで、記憶部106に登録されているスケジュール判定定義テーブル106oに登録済の何れかのスケジュール定義IDが選択可能に表示される。
【0187】
例えば、スケジュール定義IDとして「UriageNebikiKingakuSelect」が選択された場面を想定する。この場合、表示制御部102bは、図20Bに示すように、異常値判定スケジュールマッピング定義テーブル106pに、最初のデータ取得定義の設定画面60Aで設定された定義ID「UriageNebikiKingaku02」と、今回選択されたスケジュール定義ID「UriageNebikiKingakuSchedule」と、を対応付けて登録する。
【0188】
また、この設定により、定義ID「UriageNebikiKingaku02」に対応するスケジュール判定定義情報として、図20Cに示す、スケジュール判定定義テーブル106oに登録されている既存のスケジュール判定定義情報が選択された状態となる。
【0189】
また、図20Dに示すように、全ての設定画面による設定が完了したことから、登録部102cは、異常値判定定義テーブル106jにおけるステータスを、作成完了を表す“2”に更新する。
【0190】
このように、統計などの異常検知に関する専門知識を有するユーザである有識者が異常検知設定装置100を操作する場合についても、ユーザは、選択画面および設定画面を介して、データ形式、検知パターン、および設定項目の値を選択入力することで、異常検知処理時に必要な異常検知手法や各種の処理に必要な設定の設定値を容易に設定することができる。また、有識者の場合には、細かいパラメータなどの設定を所望する場合があるが、有識者の希望に応じた設定が可能である。
【0191】
以上説明したように、本実施形態の異常検知設定装置100の記憶部106は、対応テーブル106aを予め記憶する。対応テーブル106aは、異常検知対象のデータ形式と異常検知基準の検知パターンと異常検知手法とを対応付けたテーブルである。受付部102aは、ユーザによる入力を受付ける。表示制御部102bは、データ形式および検知パターンの選択画面50を表示部である出力装置114に表示する。登録部102cは、選択画面50を介して入力を受付けたデータ形式および検知パターンに対応する異常検知手法を、異常検知実行時に用いる設定オプションテーブル106bに登録する。
【0192】
ここで、異常検知手法には様々なものがあり、異常検知対象のトランザクションデータによって利用すべき異常検知手法や適用可能な異常検知手法が異なる。このため、異常検知対象のトランザクションデータに応じた異常検知手法を設定する必要がある。しかしながら、異常検知手法の設定には統計知識や機械学習知識などの専門知識が必要であり、専門知識を有さないユーザが異常検知手法を設定することは困難であった。すなわち、従来技術では、ユーザは、異常検知に関する必要な設定を容易に行うことは困難であった。
【0193】
一方、本実施形態の異常検知設定装置100は、表示制御部102bは、データ形式および検知パターンの選択画面50を表示部である出力装置114に表示する。登録部102cは、選択画面50を介して入力を受付けたデータ形式および検知パターンに対応する異常検知手法を、異常検知実行時に用いる設定オプションテーブル106bに登録する。
【0194】
このため、ユーザは、異常検知手法を熟知しない状態であっても、表示された選択画面50を介して異常を検知する対象のデータのデータ形式および検知パターンを選択することで、異常検知手法を容易に設定することができる。すなわち、ユーザは、異常検知手法を直接設定するのではなく、データ形式や検知パターンを選択することで、対応する異常検知手法が自動的に設定されることとなる。
【0195】
従って、本実施形態の異常検知設定装置100は、異常検知に関する必要な設定を容易に設定可能に提供することができる。
【0196】
また、本実施形態の異常検知設定装置100の表示制御部102bは、異常検知時に実行する複数の処理の各々の実行有無の選択を受付けるための選択受付欄50Dを含む選択画面50を出力装置114に表示する。そして、表示制御部102bは、選択受付欄50Dを介して入力を受付けた複数の処理の各々の実行有無に応じて、処理の実行時に必要な設定項目の値の入力を受付けるための設定画面60を、段階的に順次、出力装置114に表示する。登録部102cは、設定画面60を介して入力を受付けた設定項目の値を、異常検知実行時に用いる異常検知定義テーブル106cに登録する。
【0197】
使用するデータによっては、異常の検知を行う前に、前処理や集計などの処理を行う場合がある。また、使用する異常検知手法によって、パラメータの設定が必要となる場合もある。しかし、異常検知時に行いたい処理や、異常検知時に用いる異常検知手法によって何を設定する必要があるか、ユーザには分からない場合が多い。
【0198】
一方、本実施形態の異常検知設定装置100では、処理の選択受付欄50Dを用意し、ユーザが行いたい処理を選択することで、必要な設定画面60のみをウィザード形式で表示することができる。このため、ユーザは、行いたい処理に対して表示された設定画面に沿って順次設定項目を入力することで、各処理に対して異常検知時に必要な設定値を順次入力することが可能となる。
【0199】
このため、本実施形態の異常検知設定装置100は、上記効果に加えて、ユーザの所望の処理に応じた設定を容易に設定可能に提供することができる。
【0200】
また、本実施形態の異常検知設定装置100は、ユーザが必要に応じて必要な設定を行うことができる。
【0201】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0202】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0203】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0204】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0205】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0206】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0207】
また、異常検知設定装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0208】
例えば、異常検知設定装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて異常検知設定装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0209】
また、このコンピュータプログラムは、異常検知設定装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0210】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、およびBlu-ray(登録商標)Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0211】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0212】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0213】
また、異常検知設定装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、異常検知設定装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0214】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0215】
100 異常検知設定装置
102 制御部
106 記憶部
102a 受付部
102b 表示制御部
102c 登録部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図4K
図4L
図4M
図4N
図4O
図4P
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図13D
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図16A
図16B
図17A
図17B
図18A
図18B
図19A
図19B
図19C
図20A
図20B
図20C
図20D