(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/03 20230101AFI20241217BHJP
【FI】
G06Q40/03
(21)【出願番号】P 2021214111
(22)【出願日】2021-12-28
【審査請求日】2024-05-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加村 雅史
(72)【発明者】
【氏名】門田 万莉
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】山崎 雄司
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-086891(JP,A)
【文献】国際公開第2017/064757(WO,A1)
【文献】特開2006-244310(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
顧客に係るデータ項目としてリスクアセットの算出に要するデータ項目を含む第1データと、前記顧客に対する債権に係るデータ項目としてリスクアセットの算出に要するデータ項目を含む第2データとを取得する取得手段と、
前記データ項目を用いて前記債権のリスクウェイトを設定する予め定められた複数の判定処理に基づいて、前記債権のリスクウェイトを設定する設定手段と、
前記リスクウェイトを設定した判定処理を示すデータ項目と、前記リスクウェイトを設定した判定処理でリスクウェイトの判定に用いたデータ項目とを含む根拠データを生成する生成手段と、
を備え、
前記複数の判定処理のうち第1の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている業種コードが所定のコードであるとの条件であり、
前記複数の判定処理のうち第2の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている債権番号を含む前記第2データにおいて、当該第2データに含まれている任意コードが所定のコードであって、当該第2データに含まれている与信残高が前記第2データに含まれている担保評価額以下であるとの条件であり、
前記複数の判定処理のうち第3の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている債権番号を含む前記第2データに含まれている与信残高が、当該第2データに含まれている保証額以下である、または当該第2データに含まれている担保コードと科目コードが所定のコードであるとの条件であり、
前記複数の判定処理のうち第4の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている業態区分が所定の区分であって、前記第1データに含まれている資本金が所定の資本金より多く、且つ前記第1データに含まれている従業員数が所定の従業員数より多いとの条件と、前記第1データに含まれている業態区分が所定の区分であって、前記第1データに含まれている資本金と従業員数の少なくとも一方が所定の値以下との条件と、前記第1データに含まれている業態区分が所定の区分ではないとの条件であり、
前記第1の判定処理、前記第2の判定処理、前記第3の判定処理、および前記第4の判定処理は、
前記第4の判定処理を最後に行う所定の順番で行われ、
前記設定手段は、前記順番で最初に判定条件に合致した判定処理に対応するリスクウェイトを設定することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
予め定められた複数の判定処理に基づいて、前記債権のリスクウェイトを調整する調整手段を備え、
前記生成手段は、前記リスクウェイトを調整した判定処理を示すデータ項目を含む根拠データを生成し、
前記複数の判定処理のうち格付判定処理における判定条件は、前記リスクウェイトを含む第3データに含まれているエクスポージャーコードに対応する分類コードが所定のコードであるとの条件であり、当該判定条件に合致する場合、前記調整手段は、前記第3データが含むリスクウェイトを、前記第3データに含まれている債権番号を含む前記第2データに含まれている外部格付期間コード及び外部格付コードに対応したリスクウェイトに調整し、
前記複数の判定処理のうち延滞判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている債権番号を含む前記第2データが含む延滞月数が所定の月数以上であるとの条件であり、当該判定条件に合致する場合、前記調整手段は、前記第3データが含むリスクウェイトを、前記第2データが含む引当率に応じたリスクウェイトに調整し、
前記格付判定処理および前記延滞判定処理は、前記第1の判定処理、前記第2の判定処理、前記第3の判定処理、および前記第4の判定処理の後に行われる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記根拠データを出力する出力手段
を備える請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
顧客に係るデータ項目としてリスクアセットの算出に要するデータ項目を含む第1データと、前記顧客に対する債権に係るデータ項目としてリスクアセットの算出に要するデータ項目を含む第2データとを取得する取得ステップと、
前記データ項目を用いて前記債権のリスクウェイトを設定する予め定められた複数の判定処理に基づいて、前記債権のリスクウェイトを設定する設定ステップと、
前記リスクウェイトを設定した判定処理を示すデータ項目と、前記リスクウェイトを設定した判定処理でリスクウェイトの判定に用いたデータ項目とを含む根拠データを生成する生成ステップと、
を備え、
前記複数の判定処理のうち第1の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている業種コードが所定のコードであるとの条件であり、
前記複数の判定処理のうち第2の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている債権番号を含む前記第2データにおいて、当該第2データに含まれている任意コードが所定のコードであって、当該第2データに含まれている与信残高が前記第2データに含まれている担保評価額以下であるとの条件であり、
前記複数の判定処理のうち第3の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている債権番号を含む前記第2データに含まれている与信残高が、当該第2データに含まれている保証額以下である、または当該第2データに含まれている担保コードと科目コードが所定のコードであるとの条件であり、
前記複数の判定処理のうち第4の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている業態区分が所定の区分であって、前記第1データに含まれている資本金が所定の資本金より多く、且つ前記第1データに含まれている従業員数が所定の従業員数より多いとの条件と、前記第1データに含まれている業態区分が所定の区分であって、前記第1データに含まれている資本金と従業員数の少なくとも一方が所定の値以下との条件と、前記第1データに含まれている業態区分が所定の区分ではないとの条件であり、
前記第1の判定処理、前記第2の判定処理、前記第3の判定処理、および前記第4の判定処理は、
前記第4の判定処理を最後に行う所定の順番で行われ、
前記設定ステップでは、前記順番で最初に判定条件に合致した判定処理に対応するリスクウェイトを設定する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータに、
顧客に係るデータ項目としてリスクアセットの算出に要するデータ項目を含む第1データと、前記顧客に対する債権に係るデータ項目としてリスクアセットの算出に要するデータ項目を含む第2データとを取得する取得処理と、
前記データ項目を用いて前記債権のリスクウェイトを設定する予め定められた複数の判定処理に基づいて、前記債権のリスクウェイトを設定する設定処理と、
前記リスクウェイトを設定した判定処理を示すデータ項目と、前記リスクウェイトを設定した判定処理でリスクウェイトの判定に用いたデータ項目とを含む根拠データを生成する生成処理と、
を実行させるためのプログラムであって、
前記複数の判定処理のうち第1の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている業種コードが所定のコードであるとの条件であり、
前記複数の判定処理のうち第2の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている債権番号を含む前記第2データにおいて、当該第2データに含まれている任意コードが所定のコードであって、当該第2データに含まれている与信残高が前記第2データに含まれている担保評価額以下であるとの条件であり、
前記複数の判定処理のうち第3の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている債権番号を含む前記第2データに含まれている与信残高が、当該第2データに含まれている保証額以下である、または当該第2データに含まれている担保コードと科目コードが所定のコードであるとの条件であり、
前記複数の判定処理のうち第4の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている業態区分が所定の区分であって、前記第1データに含まれている資本金が所定の資本金より多く、且つ前記第1データに含まれている従業員数が所定の従業員数より多いとの条件と、前記第1データに含まれている業態区分が所定の区分であって、前記第1データに含まれている資本金と従業員数の少なくとも一方が所定の値以下との条件と、前記第1データに含まれている業態区分が所定の区分ではないとの条件であり、
前記第1の判定処理、前記第2の判定処理、前記第3の判定処理、および前記第4の判定処理は、
前記第4の判定処理を最後に行う所定の順番で行われ、
前記設定処理では、前記順番で最初に判定条件に合致した判定処理に対応するリスクウェイトを設定する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、所謂バーゼル規制(BIS規制)に対応した帳票の作成を行う帳票作成支援システムが記載されている。このシステムは、銘柄別にリスクウェイトやリスクアセットの計算を行い、BIS規制の準拠状況が把握可能となる形の帳票を出力する。また、このシステムは、銘柄属性を自動的に判別し、リスクウェイトの設定仕様の定義に従ってリスクウェイトを判別して銘柄に設定し、判別においてリスクウェイトの設定仕様の定義内容のうち、どの定義を適用したかを記録する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金融業界のリスク管理業務においては、自己資本比率を算出する業務がある。自己資本比率の算出の際には、保有している債権の種類や返済状況などに応じてリスクウェイトを設定し、資産額に乗じることでリスクのある資産額(リスクアセット額)を算出する。リスクアセット額は、システムの一括処理で算出することが可能であるが、リスクアセット額の算出結果が想定と異なった場合、オペレーターは、想定との差異が生じた理由を把握することができないという課題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、オペレーターがリスクアセットの設定根拠を知ることができる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、制御部を備える情報処理装置であって、前記制御部は、顧客に係るデータ項目としてリスクアセットの算出に要するデータ項目を含む第1データと、前記顧客に対する債権に係るデータ項目としてリスクアセットの算出に要するデータ項目を含む第2データとを取得する取得手段と、前記データ項目を用いて前記債権のリスクウェイトを設定する予め定められた複数の判定処理に基づいて、前記債権のリスクウェイトを設定する設定手段と、前記リスクウェイトを設定した判定処理を示すデータ項目と、前記リスクウェイトを設定した判定処理でリスクウェイトの判定に用いたデータ項目とを含む根拠データを生成する生成手段と、を備え、前記複数の判定処理のうち第1の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている業種コードが所定のコードであるとの条件であり、前記複数の判定処理のうち第2の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている債権番号を含む前記第2データにおいて、当該第2データに含まれている任意コードが所定のコードであって、当該第2データに含まれている与信残高が前記第2データに含まれている担保評価額以下であるとの条件であり、前記複数の判定処理のうち第3の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている債権番号を含む前記第2データに含まれている与信残高が、当該第2データに含まれている保証額以下である、または当該第2データに含まれている担保コードと科目コードが所定のコードであるとの条件であり、前記複数の判定処理のうち第4の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている業態区分が所定の区分であって、前記第1データに含まれている資本金が所定の資本金より多く、且つ前記第1データに含まれている従業員数が所定の従業員数より多いとの条件と、前記第1データに含まれている業態区分が所定の区分であって、前記第1データに含まれている資本金と従業員数の少なくとも一方が所定の値以下との条件と、前記第1データに含まれている業態区分が所定の区分ではないとの条件であり、前記第1の判定処理、前記第2の判定処理、前記第3の判定処理、および前記第4の判定処理は、前記第4の判定処理を最後に行う所定の順番で行われ、前記設定手段は、前記順番で最初に判定条件に合致した判定処理に対応するリスクウェイトを設定することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る情報処理装置において、予め定められた複数の判定処理に基づいて、前記債権のリスクウェイトを調整する調整手段を備え、前記生成手段は、前記リスクウェイトを調整した判定処理を示すデータ項目を含む根拠データを生成し、前記複数の判定処理のうち格付判定処理における判定条件は、前記リスクウェイトを含む第3データに含まれているエクスポージャーコードに対応する分類コードが所定のコードであるとの条件であり、当該判定条件に合致する場合、前記調整手段は、前記第3データが含むリスクウェイトを、前記第3データに含まれている債権番号を含む前記第2データに含まれている外部格付期間コード及び外部格付コードに対応したリスクウェイトに調整し、前記複数の判定処理のうち延滞判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている債権番号を含む前記第2データが含む延滞月数が所定の月数以上であるとの条件であり、当該判定条件に合致する場合、前記調整手段は、前記第3データが含むリスクウェイトを、前記第2データが含む引当率に応じたリスクウェイトに調整し、前記格付判定処理および前記延滞判定処理は、前記第1の判定処理、前記第2の判定処理、前記第3の判定処理、および前記第4の判定処理の後に行われるようにしてもよい。
【0008】
また、本発明に係る情報処理装置において、前記根拠データを出力する出力手段を備えるようにしてもよい。
【0009】
また、本発明に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する情報処理方法であって、顧客に係るデータ項目としてリスクアセットの算出に要するデータ項目を含む第1データと、前記顧客に対する債権に係るデータ項目としてリスクアセットの算出に要するデータ項目を含む第2データとを取得する取得ステップと、前記データ項目を用いて前記債権のリスクウェイトを設定する予め定められた複数の判定処理に基づいて、前記債権のリスクウェイトを設定する設定ステップと、前記リスクウェイトを設定した判定処理を示すデータ項目と、前記リスクウェイトを設定した判定処理でリスクウェイトの判定に用いたデータ項目とを含む根拠データを生成する生成ステップと、を備え、前記複数の判定処理のうち第1の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている業種コードが所定のコードであるとの条件であり、前記複数の判定処理のうち第2の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている債権番号を含む前記第2データにおいて、当該第2データに含まれている任意コードが所定のコードであって、当該第2データに含まれている与信残高が前記第2データに含まれている担保評価額以下であるとの条件であり、前記複数の判定処理のうち第3の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている債権番号を含む前記第2データに含まれている与信残高が、当該第2データに含まれている保証額以下である、または当該第2データに含まれている担保コードと科目コードが所定のコードであるとの条件であり、前記複数の判定処理のうち第4の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている業態区分が所定の区分であって、前記第1データに含まれている資本金が所定の資本金より多く、且つ前記第1データに含まれている従業員数が所定の従業員数より多いとの条件と、前記第1データに含まれている業態区分が所定の区分であって、前記第1データに含まれている資本金と従業員数の少なくとも一方が所定の値以下との条件と、前記第1データに含まれている業態区分が所定の区分ではないとの条件であり、前記第1の判定処理、前記第2の判定処理、前記第3の判定処理、および前記第4の判定処理は、前記第4の判定処理を最後に行う所定の順番で行われ、前記設定ステップでは、前記順番で最初に判定条件に合致した判定処理に対応するリスクウェイトを設定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータに、顧客に係るデータ項目としてリスクアセットの算出に要するデータ項目を含む第1データと、前記顧客に対する債権に係るデータ項目としてリスクアセットの算出に要するデータ項目を含む第2データとを取得する取得処理と、前記データ項目を用いて前記債権のリスクウェイトを設定する予め定められた複数の判定処理に基づいて、前記債権のリスクウェイトを設定する設定処理と、前記リスクウェイトを設定した判定処理を示すデータ項目と、前記リスクウェイトを設定した判定処理でリスクウェイトの判定に用いたデータ項目とを含む根拠データを生成する生成処理と、を実行させるためのプログラムであって、前記複数の判定処理のうち第1の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている業種コードが所定のコードであるとの条件であり、前記複数の判定処理のうち第2の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている債権番号を含む前記第2データにおいて、当該第2データに含まれている任意コードが所定のコードであって、当該第2データに含まれている与信残高が前記第2データに含まれている担保評価額以下であるとの条件であり、前記複数の判定処理のうち第3の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている債権番号を含む前記第2データに含まれている与信残高が、当該第2データに含まれている保証額以下である、または当該第2データに含まれている担保コードと科目コードが所定のコードであるとの条件であり、前記複数の判定処理のうち第4の判定処理における判定条件は、前記第1データに含まれている業態区分が所定の区分であって、前記第1データに含まれている資本金が所定の資本金より多く、且つ前記第1データに含まれている従業員数が所定の従業員数より多いとの条件と、前記第1データに含まれている業態区分が所定の区分であって、前記第1データに含まれている資本金と従業員数の少なくとも一方が所定の値以下との条件と、前記第1データに含まれている業態区分が所定の区分ではないとの条件であり、前記第1の判定処理、前記第2の判定処理、前記第3の判定処理、および前記第4の判定処理は、前記第4の判定処理を最後に行う所定の順番で行われ、前記設定処理では、前記順番で最初に判定条件に合致した判定処理に対応するリスクウェイトを設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、オペレーターがリスクアセットの設定根拠を知ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、判定根拠データの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、計測結果明細データの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、不動産データの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、保証協会データの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、外部格付データの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、エクスポージャー種類マスタの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る情報処理装置で表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、計測処理の流れを示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、データ受け入れ処理に係るデータの一例を示す図である。
【
図17】
図17は、国地公体・他判定処理に係る判定条件とデータの一例を示す図である。
【
図18】
図18は、不動産担保債権判定処理に係る判定条件とデータの一例を示す図である。
【
図19】
図19は、保証協会判定処理に係る判定条件とデータの一例を示す図である。
【
図20】
図20は、法人判定処理に係る判定条件とデータの一例を示す図である。
【
図21】
図21は、中小企業判定処理に係る判定条件とデータの一例を示す図である。
【
図22】
図22は、個人判定処理に係る判定条件とデータの一例を示す図である。
【
図23】
図23は、格付判定処理に係る判定条件とデータの一例を示す図である。
【
図24】
図24は、延滞判定処理に係る判定条件とデータの一例を示す図である。
【
図25】
図25は、リスクアセット額の算出に係るデータの一例を示す図である。
【
図26】
図26は、実施形態に係る情報処理装置で表示される画面の一例を示す図である。
【
図27】
図27は、出力された判定根拠データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る情報処理装置、情報処理方法およびプログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0014】
[1.構成]
本実施形態にかかる情報処理装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、実施形態にかかる情報処理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
情報処理装置100は、例えば、事業法人、中小企業・個人、抵当権付住宅ローン等のリスクアセット額を計測する装置である。情報処理装置100は、例えば、銀行や信用金庫等の金融機関に設置される。
【0016】
情報処理装置100は、例えば、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。ただし、情報処理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型の情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型の情報処理装置であってもよい。
【0017】
情報処理装置100は、制御部102、通信インターフェース部104、記憶部106、及び入出力インターフェース部108を備えている。情報処理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0018】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、情報処理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、情報処理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納され、制御部102が処理するデータは、サーバ200から取得してもよい。
【0019】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0020】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106には、例えば、顧客データ106a、判定根拠データ106b、計測結果明細データ106c、債権データ106d、不動産データ106e、保証協会データ106f、及び外部格付データ106gが格納される。また、記憶部106には、エクスポージャー種類マスタ106h、業種マスタ106i、業種区分マスタ106j、外部格付マスタ106k、及び処理名マスタ106lが格納される。
【0021】
図2は、顧客データ106aの一例を示す図である。顧客データ106aは、金融機関の顧客に係る情報を格納するデータである。顧客データ106aは、基準日、債権番号、店番号、顧客番号、業態区分、業種コード、資本金、及び従業員数のデータ項目を含む。
【0022】
図3は、判定根拠データ106bの一例を示す図である。判定根拠データ106bは、情報処理装置100が自己資本比率に係る債権のリスクウェイトを設定する処理において、リスクウェイトの判定処理を表すデータやリスクウェイトの判定に用いたデータを格納するデータである。判定根拠データ106bは、基準日、債権番号、処理ID、延滞月数、業態区分、業種コード、及びエクスポージャー分類コードのデータ項目を含む。
【0023】
図4は、計測結果明細データ106cの一例を示す図である。計測結果明細データ106cは、自己資本比率に係る債権のリスクウェイトやリスクアセット額を格納するデータである。計測結果明細データ106cは、基準日、債権番号、資産区分、エクスポージャーコード、リスクウェイト、及びリスクアセット額のデータ項目を含む。
【0024】
図5は、債権データ106dの一例を示す図である。債権データ106dは、顧客データ106aに含まれる債権番号で特定される債権に係る情報を格納するデータである。債権データ106dは、基準日、債権番号、与信残高、任意コード、担保種類コード、科目コード、延滞月数、及び引当率のデータ項目を含む。
【0025】
図6は、不動産データ106eの一例を示す図である。不動産データ106eは、顧客データ106aに含まれる債権番号で特定される債権に係る不動産の情報を格納するデータである。不動産データ106eは、基準日、債権番号、担保評価額のデータ項目を含む。
【0026】
図7は、保証協会データ106fの一例を示す図である。保証協会データ106fは、顧客データ106aに含まれる債権番号で特定される債権に対して保証協会が保証する保証額を格納するデータである。保証協会データ106fは、基準日、債権番号、及び保証額のデータ項目を含む。
【0027】
図8は、外部格付データ106gの一例を示す図である。外部格付データ106ghは、顧客データ106aに含まれる債権番号の債権を格付した格付機関と債権の格付を格納したデータである。外部格付データ106gは、基準日、債権番号、外部格付機関コード、及び外部格付コードのデータ項目を含む。
【0028】
図9は、エクスポージャー種類マスタ106hの一例を示す図である。エクスポージャー種類マスタ106hは、エクスポージャーコード、エクスポージャー名、エクスポージャー分類コードを格納する。
【0029】
図10は、業種マスタ106iの一例を示す図である。業種マスタ106iは、業種コード及び業種区分を格納する。
【0030】
図11は、業種区分マスタ106jの一例を示す図である。業種区分マスタ106jは、業種区分、業種区分名、資本金、及び従業員数を格納する。
【0031】
図12は、外部格付マスタ106kの一例を示す図である。外部格付マスタ106kは、外部格付機関コード、外部格付コード、及びリスクウェイトを格納する。
【0032】
図13は、処理名マスタ106lの一例を示す図である。処理名マスタ106lは、処理ID及び処理名を格納する。
【0033】
制御部102は、情報処理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラムや各種の処理手順等を規定したプログラム、所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、取得部102a、設定部102b、及び生成部102cを備えている。
【0034】
取得手段としての取得部102aは、顧客に係るデータ項目としてリスクアセットの算出に要するデータ項目を含む第1データとしての顧客データと、顧客に対する債権に係るデータ項目としてリスクアセットの算出に要するデータ項目を含む第2データとしての債権データ106d、不動産データ106e、保証協会データ106f、及び外部格付データ106gを取得する。
【0035】
設定手段としての設定部102bは、第1データ及び第2データのデータ項目を用いて顧客の債権のリスクウェイトを設定する予め定められた複数の判定処理に基づいて、顧客の債権のリスクウェイトを設定する。
【0036】
生成手段としての生成部102cは、リスクウェイトを設定した判定処理を示すデータ項目と、リスクウェイトを設定した判定処理で用いたデータ項目とを含む根拠データとしての判定根拠データ106bを生成する。
【0037】
調整手段としての調整部102dは、予め定められた複数の判定処理に基づいて、債権のリスクウェイトを調整する。調整部102dが債権のリスクウェイトを調整した場合、生成部102cは、リスクウェイトを調整した判定処理を示すデータ項目を含む根拠データを生成する。
【0038】
出力手段としての出力部102eは、判定根拠データ106bの内容を出力装置114へ出力する。
【0039】
[2.処理の具体例]
ここでは、情報処理装置100で実行される処理の具体例について、
図14から
図27を参照して説明する。
【0040】
図14は、情報処理装置100が表示するメニュー画面の一例を示す図である。オペレーターは、リスクアセット額の算出にあたり、入力装置112を操作し、出力装置114で表示されるメニュー画面501に算出の基準となる処理基準日を入力する。制御部102は、処理基準日が入力されたメニュー画面501で実行ボタンが操作されると、リスクアセット額の計測処理を実行する。
【0041】
図15は、計測処理の流れを示すフローチャートである。まず制御部102は、処理IDが「1」であるデータ受け入れ処理を行う(ステップS1)。データ受け入れ処理は、計測処理に用いるデータを受け入れて計測結果明細データ106cを作成する処理である。制御部102は、例えば、顧客データ106a、債権データ106d、不動産データ106e、保証協会データ106f、外部格付データ106gを記憶部106から取得する。
図16は、データ受け入れ処理に係るデータの一例を示す図である。具体的には、制御部102は、債権データ106dを取得し、
図16に示すように、取得した債権データ106dから抽出した基準日及び債権番号を計測結果明細データ106cに格納する。
【0042】
次に制御部102は、エクスポージャー判定を行う(ステップS2)。ここでエクスポージャー判定は、処理IDが「2-1」である国地公体・他判定処理、処理IDが「2-2」である不動産担保債権判定処理、処理IDが「2-3」である保証協会判定処理、処理IDが「2-4」であるリテール債権判定処理に区分され、制御部102は、この順番で各判定処理を実行する。なお、各判定処理の処理順については、リテール債権判定処理が最終の判定処理となるのであれば、国地公体・他判定処理、不動産担保債権判定処理、及び保証協会判定処理は、上述した順番に限定されるものではなく、処理の順番を変更してもよい。
【0043】
まず制御部102は、国地公体・他判定処理を実行する。
図17は、国地公体・他判定処理に係る判定条件JK1とデータの一例を示す図である。ここで判定条件JK1は、顧客データ106aに含まれている業種コードが「650000」であるという条件である。制御部102は、受け入れたデータが判定条件JK1に該当する場合、判定根拠データ106bの処理IDのカラムに「2-1」を格納し、判定根拠データ106bの業種コードのカラムに「650000」を格納し、計測結果明細データ106cのエクスポージャーコードのカラムに「901」を格納し、計測結果明細データ106cのリスクウェイトのカラムに10%を表す「10」を格納する。
【0044】
ここで制御部102は、
図17に示すように、顧客データ106aに含まれている業種コードが「650000」ではない場合、判定条件JK1に該当しないため、判定根拠データ106bを更新せず、計測結果明細データ106cを更新しない。
【0045】
制御部102は、受け入れたデータが判定条件JK1に該当していない場合、不動産担保債権判定処理を実行する。なお、制御部102は、受け入れたデータが判定条件JK1に該当している場合は、不動産担保債権判定処理、保証協会判定処理及びリテール債権判定処理を実行しない。
【0046】
図18は、不動産担保債権処理に係る判定条件JK2とデータの一例を示す図である。ここで判定条件JK2は、顧客データ106aに含まれている債権番号を含む債権データ106dにおいて任意コードが「1」であり、且つ、債権データ106dに含まれている与信残高が、顧客データ106aに含まれている債権番号を含む不動産データ106eに含まれている担保評価額以下であるという条件である。制御部102は、受け入れたデータが判定条件JK2に該当する場合、判定根拠データ106bの処理IDのカラムに「2-2」を格納し、計測結果明細データ106cのエクスポージャーコードのカラムに「1804」を格納し、計測結果明細データ106cのリスクウェイトのカラムに35%を表す「35」を格納する。
【0047】
ここで制御部102は、
図18に示すように、債権データ106dに含まれている任意コードが「1」ではない場合、判定条件JK2に該当しないため、判定根拠データ106bを更新せず、計測結果明細データ106cを更新しない。
【0048】
制御部102は、受け入れたデータが判定条件JK2に該当していない場合、保証協会判定処理を実行する。なお、制御部102は、受け入れたデータが判定条件JK2に該当している場合は、保証協会判定処理及びリテール債権判定処理を実行しない。
【0049】
図19は、保証協会判定処理に係る判定条件JK3とデータの一例を示す図である。ここで判定条件JK3は、顧客データ106aに含まれている債権番号を含む債権データ106dに含まれている与信残高が、顧客データ106aに含まれている債権番号を含む保証協会データ106fに含まれている保証額以下である、または顧客データ106aに含まれている債権番号を含む債権データ106dに含まれている担保種類コードが「7310118」と「7310218」のいずれかであって、且つ顧客データ106aに含まれている債権番号を含む債権データ106dに含まれている科目コードが「10」という条件である。制御部102は、受け入れたデータが判定条件JK3に該当する場合、判定根拠データ106bの処理IDのカラムに「2-3」を格納し、計測結果明細データ106cのエクスポージャーコードのカラムに「1002」を格納し、計測結果明細データ106cのリスクウェイトのカラムに10%を表す「10」を格納する。
【0050】
ここで制御部102は、
図19に示すように、保証協会データ106fにデータが格納されておらず、顧客データ106aに含まれている債権番号を含む債権データ106dに含まれている担保種類コードが「0」である場合、判定条件JK3に該当しないため、判定根拠データ106bを更新せず、計測結果明細データ106cを更新しない。
【0051】
制御部102は、受け入れたデータが判定条件JK3に該当していない場合、リテール債権判定処理を実行する。リテール債権判定処理は、法人判定処理、中小企業判定処理、個人判定処理に区分され、制御部102は、この順番で各判定処理を実行する。なお、制御部102は、受け入れたデータが判定条件JK3に該当している場合は、リテール債権判定処理を実行しない。
【0052】
制御部102は、まず法人判定処理を実行する。
図20は、法人判定処理に係る判定条件JK4とデータの一例を示す図である。ここで判定条件JK4は、顧客データ106aに含まれている業態区分が「1」であり、且つ、顧客データ106aに含まれている資本金が顧客データ106aに含まれている業種コードから業種マスタ106i及び業種区分マスタ106jによって特定される資本金より多く、且つ、顧客データ106aに含まれている従業員数が顧客データ106aに含まれている業種コードから業種マスタ106i及び業種区分マスタ106jによって特定される従業員数より多いという条件である。制御部102は、受け入れたデータが判定条件JK4に該当する場合、判定根拠データ106bの処理IDのカラムに「2-4」を格納し、計測結果明細データ106cのエクスポージャーコードのカラムに「2305」を格納し、計測結果明細データ106cのリスクウェイトのカラムに100%を表す「100」を格納する。
【0053】
ここで制御部102は、
図20に示す顧客データ106aに含まれている業種コード「010000」で業種マスタ106iを参照して業種区分「1」を取得し、取得した業種区分「1」で業種区分マスタ106jを参照して資本金「300,000,000」と従業員数「300」を取得する。制御部102は、顧客データ106aに含まれている資本金「180,000,000」が業種区分マスタ106jから取得した資本金「300,000,000」より少ないため、判定条件JK4に該当しないと判定し、
図20に示すように、判定根拠データ106bを更新せず、計測結果明細データ106cを更新しない。
【0054】
制御部102は、受け入れたデータが判定条件JK4に該当していない場合、中小企業判定処理を実行する。なお、制御部102は、受け入れたデータが判定条件JK4に該当している場合は、中小企業判定処理及び個人判定処理を実行しない。
【0055】
図21は、中小企業判定処理に係る判定条件JK5とデータの一例を示す図である。ここで判定条件JK5は、顧客データ106aに含まれている業態区分が「1」であるという条件である。制御部102は、受け入れたデータが判定条件JK5に該当する場合、判定根拠データ106bの処理IDのカラムに「2-4」を格納し、計測結果明細データ106cのエクスポージャーコードのカラムに「2304」を格納し、計測結果明細データ106cのリスクウェイトのカラムに85%を表す「85」を格納する。
【0056】
ここで制御部102は、
図21に示すように、債権データ106dに含まれている業態区分が「1」であって判定条件JK5に該当する場合、判定根拠データ106bにデータを追加し、計測結果明細データ106cを更新する。
【0057】
制御部102は、受け入れたデータが判定条件JK5に該当していない場合、個人判定処理を実行する。なお、制御部102は、受け入れたデータが判定条件JK5に該当している場合は、個人判定処理を実行しない。
図22は、個人判定処理に係る判定条件JK6の一例を示す図である。ここで判定条件JK6は、顧客データ106aに含まれている業態区分が「1」以外であるという条件である。
【0058】
制御部102は、受け入れたデータが判定条件JK5に該当せず、判定条件JK6に該当する場合、判定根拠データ106bの処理IDのカラムに「2-4」を格納し、計測結果明細データ106cのエクスポージャーコードのカラムに「2103」を格納し、計測結果明細データ106cのリスクウェイトのカラムに100%を表す「100」を格納する。
【0059】
次に制御部102は、リスクウェイト調整を行う(ステップS3)。このリスクウェイト調整の処理は、処理IDが「3-1」である格付判定処理と、処理IDが「3-2」である延滞判定処理に区分され、制御部102は、この順番で各判定処理を実行する。
【0060】
まず制御部102は、格付判定処理を実行する。
図23は、格付判定処理に係る判定条件JK7とデータの一例を示す図である。ここで判定条件JK7は、計測結果明細データ106cに含まれているエクスポージャーコードでエクスポージャー種類マスタ106hを参照して特定されるエクスポージャー分類コードが「23」であるという条件である。制御部102は、
図23に示すように、計測結果明細データ106cが判定条件JK7に該当する場合、判定根拠データ106bにレコードを追加し、計測結果明細データ106cに格納されている基準日と債権番号を、追加したレコードの基準日のカラムと債権番号のカラムに格納し、「3-1」を追加したレコードの処理IDのカラムに格納し、エクスポージャー分類コード「23」を追加したレコードのエクスポージャー分類コードのカラムに格納する。
【0061】
また、制御部102は、計測結果明細データ106cが判定条件JK7に該当する場合、計測結果明細データ106cに含まれている債権番号「100」で外部格付データ106gを参照して外部格付機関コード「41」と外部格付コード「A+~A-」取得し、取得した外部格付機関コード「41」及び外部格付コード「A+~A-」で外部格付マスタ106kを参照してリスクウェイト「50」を取得する。制御部102は、
図23に示すように、計測結果明細データ106cに格納されているリスクウェイト「85」を取得した「50」に更新する。
【0062】
次に制御部102は、延滞判定処理を実行する。
図24は、延滞判定処理に係る判定条件JK8とデータの一例を示す図である。ここで判定条件JK8は、顧客データ106aに含まれている債権番号を含む債権データ106dにおいて、含まれている延滞月数が3以上という条件である。制御部102は、債権データ106dが判定条件JK8に該当する場合、債権データ106dに含まれている引当率に応じてエクスポージャーコード及びリスクウェイトを設定する。制御部102は、債権データ106dが判定条件JK8に該当していない場合は、エクスポージャーコード及びリスクウェイトの設定を行わない。
【0063】
制御部102は、判定条件JK8に該当し、債権データ106dに含まれている引当率が20%未満の場合、判定根拠データ106bにレコードを追加し、計測結果明細データ106cに格納されている基準日と債権番号を、追加したレコードの基準日のカラムと債権番号のカラムに格納する。また、制御部102は、債権データ106dに格納されている延滞月数を、判定根拠データ106bの追加したレコードの延滞月数のカラムに格納する。また、制御部102は、債権データ106dに含まれている引当率が20%未満の場合、計測結果明細データ106cのエクスポージャーコードを「2003」に更新し、計測結果明細データ106cのリスクウェイトを、150%を表す「150」に更新する。
【0064】
制御部102は、債権データ106dに含まれている引当率が20%以上50%未満の場合、判定根拠データ106bにレコードを追加し、計測結果明細データ106cに格納されている基準日と債権番号を、追加したレコードの基準日のカラムと債権番号のカラムに格納する。また、制御部102は、債権データ106dに格納されている延滞月数を、判定根拠データ106bの追加したレコードの延滞月数のカラムに格納する。また、制御部102は、債権データ106dに含まれている引当率が20%以上50%未満の場合、計測結果明細データ106cのエクスポージャーコードを「2002」に更新し、計測結果明細データ106cのリスクウェイトを、100%を表す「100」に更新する。
【0065】
制御部102は、債権データ106dに含まれている引当率が50%以上の場合、判定根拠データ106bにレコードを追加し、計測結果明細データ106cに格納されている基準日と債権番号を、追加したレコードの基準日のカラムと債権番号のカラムに格納する。また、制御部102は、債権データ106dに格納されている延滞月数を、判定根拠データ106bの追加したレコードの延滞月数のカラムに格納する。また、制御部102は、債権データ106dに含まれている引当率が50%以上の場合、計測結果明細データ106cのエクスポージャーコードを「2001」に更新し、計測結果明細データ106cのリスクウェイトを、50%を表す「50」に更新する。
【0066】
次に制御部102は、リスクアセット額の算出を行う(ステップS4)。ここで制御部102は、リスクアセット額を、「リスクアセット額=与信残高×リスクウェイト÷100」の式で算出する。制御部102は、
図25に示すように、計測結果明細データ106cに含まれる債権番号を含む債権データ106dにおいては、与信残高が「25,000,000」であり、計測結果明細データ106cに含まれるリスクウェイトが「50」である場合、上記の式で算出された「12,500,000」を計測結果明細データ106cのリスクアセット額のカラムに格納する。
【0067】
オペレーターは、算出されたリスクアセット額が想定と異なっていた場合、リスクアセット額の判定根拠の出力を指示する操作を行う。
図26は、判定根拠の出力を指示する出力指示画面の一例を示す図である。オペレーターは、入力装置112を操作し、出力装置114で表示される出力指示画面502において、リスクアセット額の算出の基準とした基準日と、リスクアセット額を算出した債権の債権番号を入力する。制御部102は、基準日と債権番号が入力された出力指示画面502で出力ボタンが操作されると、判定根拠データ106b、処理名マスタ106l、入力された処理基準日及び入力された債権番号に基づいて、リスクアセット額の判定根拠を出力装置114で表示する。
【0068】
図27は、出力装置114で表示される判定根拠の一例を示す図である。制御部102は、記憶している判定根拠データ106bが
図3に示す内容である場合、出力指示画面502で基準日として「2021/3/31」が入力され、債権番号として「100」が入力されていると、
図3に示す判定根拠データ106bの3行目と4行目のレコードを特定し、
図27(a)に示す判定根拠を出力装置114に表示させる。ここで制御部102は、処理名マスタ106lにおいて処理ID「2-4」に対応付けられた処理名「リテール債権判定処理」を1行目に表示させ、処理名マスタ106lにおいて処理ID「3-1」に対応付けられた処理名「格付判定処理」を2行目に表示させる。また、制御部102は、判定項目のカラムについては、判定根拠データ106bに格納されている値をデータ項目名と共に表示する。例えば、
図3に示す判定根拠データ106bの4行目はエクスポージャー分類コードの「23」を含むため、2行目で「エクスポージャー分類コード=「23:事業法人向け債権」が表示される。
【0069】
また、制御部102は、記憶している判定根拠データ106bが
図3に示す内容である場合、出力指示画面502で基準日として「2020/9/30」が入力され、債権番号として「150」が入力されていると、
図3に示す判定根拠データ106bの7行目と8行目のレコードを特定し、
図27(b)に示す判定根拠を出力装置114に表示させる。ここで制御部102は、処理名マスタ106lにおいて処理ID「2-1」に対応付けられた処理名「国地公体・他判定処理」を1行目に表示させ、処理名マスタ106lにおいて処理ID「3-2」に対応付けられた処理名「延滞判定処理」を2行目に表示させる。また、制御部102は、例えば、
図3に示す判定根拠データ106bの8行目は延滞月数の「10」を含むため、2行目で「延滞月数=10」を表示させる。
【0070】
また、制御部102は、記憶している判定根拠データ106bが
図3に示す内容である場合、出力指示画面502で基準日として「2021/3/31」が入力され、債権番号として「150」が入力されていると、
図3に示す判定根拠データ106bの9行目と10行目のレコードを特定し、
図27(c)に示す判定根拠を出力装置114に表示させる。ここで制御部102は、処理名マスタ106lにおいて処理ID「2-1」に対応付けられた処理名「国地公体・他判定処理」を1行目に表示させ、処理名マスタ106lにおいて処理ID「3-2」に対応付けられた処理名「延滞判定処理」を2行目に表示させる。また、制御部102は、例えば、
図3に示す判定根拠データ106bの10行目は延滞月数の「16」を含むため、2行目で「延滞月数=16」を表示させる。
【0071】
[3.実施形態の効果]
実施形態の情報処理装置100によれば、オペレーターは、出力装置114で表示される判定根拠により、プログラムのベンダーへ依頼しなくても、計測処理で算出されたリスクアセット額の判定根拠を知ることができる。また、基準日を指定することにより、過去の計測結果についても、判定根拠をオペレーターが知ることができる。また、判定根拠を知ることが可能となるため、判定根拠をオペレーターに明確にし、プログラムの処理に対するオペレーターの理解度を向上させることができる。
【0072】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0073】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0074】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0075】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0076】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0077】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0078】
また、情報処理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0079】
例えば、情報処理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置100に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて情報処理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
【0080】
また、このコンピュータプログラムは、情報処理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0081】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0082】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0083】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0084】
また、情報処理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、情報処理装置100は、当該情報処理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0085】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、銀行や信用金庫等の金融業者において有用である。
【符号の説明】
【0087】
100 情報処理装置
102 制御部
102a 取得部
102b 設定部
102c 生成部
102d 調整部
102e 出力部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 顧客データ
106b 判定根拠データ
106c 計測結果明細データ
106d 債権データ
106e 不動産データ
106f 保証協会データ
106g 外部格付データ
106h エクスポージャー種類マスタ
106i 業種マスタ
106j 業種区分マスタ
106k 外部格付マスタ
106l 処理名マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置(キーボード)
114 出力装置(モニタ)
200 サーバ
300 ネットワーク
501 メニュー画面
502 出力指示画面