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  • 特許-修飾されたGIPペプチド類似体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】修飾されたGIPペプチド類似体
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/575 20060101AFI20241217BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 5/50 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 3/08 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20241217BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20241217BHJP
   A61K 38/22 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
C07K14/575 ZNA
A61P3/00
A61P3/10
A61P5/50
A61P3/08
A61P3/04
A61P3/06
A61P9/00
A61P9/12
A61P9/10 101
A61K38/22
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021552785
(86)(22)【出願日】2019-12-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 EP2019083506
(87)【国際公開番号】W WO2020115048
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】19176739.1
(32)【優先日】2019-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】18209896.2
(32)【優先日】2018-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521239624
【氏名又は名称】アンタグ セラピューティクス エーピーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】スパール‐ウリッチ,アレクサンダー,ホヴァード
(72)【発明者】
【氏名】シヴァースン,ビアン,ビエンズ
(72)【発明者】
【氏名】リバー,ディッテ
(72)【発明者】
【氏名】ロースンキーレ,メッテ,マリー
【審査官】坂崎 恵美子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/034186(WO,A1)
【文献】特表2008-530130(JP,A)
【文献】Diabetologia,2015年,Vol.58,p.2144-2153
【文献】J.Med. Chem.,2006年,Vol.49,p.1047-1054
【文献】Molecular and Cellular Endocrinology,2015年,Vol.401,p.120-129
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 14/575
A61K 38/22
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ酸配列:
【化1】
又はその機能的バリアントからなるグルコース依存性インスリン分泌性ペプチド(GIP)類似体であって、前記バリアントは、前記アミノ酸配列の任意のアミノ酸残基に1又は2個の個々のアミノ酸置換を有し、ただし、9位のアミノ酸残基がEであり、15位のアミノ酸残基がEであり、18位のアミノ酸残基がK又はOrnであり、
前記アミノ酸配列は、前記アミノ酸配列又はその前記機能的バリアントの18位のアミノ酸残基に脂肪酸分子を結合させることによって修飾され、
Zは、GIP(31-42)(GKKNDWKHNITQ;配列番号2)の1以上のアミノ酸残基を含むペプチドであるか、又はZは、エキセンディン-4(HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS;配列番号3)の1以上のアミノ酸残基を含むペプチドであり、かつ前記GIP類似体が、GIPRのアンタゴニストである、GIP類似体。
【請求項2】
前記GIP類似体が、少なくとも80%のGIPR活性を阻害する、及び/又は
前記GIP類似体が、少なくとも80%のGIPR活性を阻害し、GIPR活性の阻害が、細胞内cAMPの減少として決定される、及び/又は
前記GIP類似体が、50nM又は50nM未満のIC50値に相当するGIPRアンタゴニスト効力を有する、請求項1に記載のGIP類似体。
【請求項3】
前記アミノ酸配列の3位のアミノ酸が、E、S、G、V、2-アミノイソ酪酸(Aib)、P、D、γ-グルタミン酸(γGlu)、D-γ-グルタミン酸(D-γGlu)、β-グルタミン酸(βGlu)、pyroE(ピログルタミン酸)及びグルタル酸から選択され;
前記アミノ酸配列の11位のアミノ酸が、S、K、Orn及びAから選択され;
前記アミノ酸配列の12位のアミノ酸が、I、K、Orn及び2-アミノイソ酪酸(Aib)から選択され;
前記アミノ酸配列の13位のアミノ酸が、AとAibから選択され;
前記アミノ酸配列の16位のアミノ酸が、KとRから選択され;
前記アミノ酸配列の17位のアミノ酸が、I、Orn及びKから選択され
前記アミノ酸配列の20位のアミノ酸が、Q、Orn及びKから選択され;
前記アミノ酸配列の28位のアミノ酸が、AとEから選択され;
前記アミノ酸配列の29位のアミノ酸が、QとGから選択され;かつ/又は
前記アミノ酸配列の30位のアミノ酸が、K、R、G及びAから選択される、
請求項1に記載のGIP類似体。
【請求項4】
前記機能的バリアントが、前記アミノ酸配列の任意のアミノ酸残基に1個の個々のアミノ酸置換を有する、及び/又は前記機能的バリアントが、前記アミノ酸配列の任意のアミノ酸残基に2個の個々のアミノ酸置換を有し、ただし、9位のアミノ酸残基がEであり、15位のアミノ酸残基がEであり、18位のアミノ酸残基がK又はOrnである、あるいは
前記機能的バリアントが、前記アミノ酸配列の任意のアミノ酸残基に1個の個々のアミノ酸置換を有する、及び/又は前記機能的バリアントが、前記アミノ酸配列の任意のアミノ酸残基に2個の個々のアミノ酸置換を有し、前記置換が保存的アミノ酸置換であり、ただし、9位のアミノ酸残基がEであり、15位のアミノ酸残基がEであり、18位のアミノ酸残基がK又はOrnである、請求項1に記載のGIP類似体。
【請求項5】
が、エキセンディン-4(30-39)のC末端の1以上の連続したアミノ酸残基(PSSGAPPPS;配列番号)からなる、請求項1に記載のGIP類似体。
【請求項6】
Zが、
グリシン又はプロリン、
GP、PS、PSS、GPS、GPSS(配列番号6)、PSSG(配列番号12)、PSSGA(配列番号13)、GPSSG(配列番号7)、GPSSGA(配列番号8)、PSSGAP(配列番号14)、GPSSGAP(配列番号9)、PSSGAPP(配列番号15)、GPSSGAPP(配列番号10)、PSSGAPPP(配列番号16)、PSSGAPPP(配列番号11)、GPSSGAPPPS(配列番号5)、及びPSSGAPPPS(配列番号4)、又は前記アミノ酸残基のいずれか1つに1若しくは2個の個々のアミノ酸置換を含むそのバリアント、
GK、GKK、GKKN(配列番号17)、GKKND(配列番号18)、又は
GKKNDW(配列番号19)、GKKKDW(配列番号28)、GKKNDK(配列番号29)、GRKNDW(配列番号20)、GKRNDW(配列番号21)、GRRNDW(配列番号22)、GKKNDWK(配列番号23)、GKKNDWKH(配列番号24)、GKKNDWKHN(配列番号25)、GKKNDWKHNI(配列番号26)、GKKNDWKHNIT(配列番号27)及びGKKNDWKHNITQ(配列番号2)、又は前記アミノ酸残基のいずれか1つに1若しくは2個の個々のアミノ酸置換を含むそのバリアント
らなる群から選択されるペプチドである、請求項1に記載のGIP類似体。
【請求項7】
脂肪酸分子が、前記アミノ酸配列の18位のアミノ酸残基の側鎖アミノ基に結合しており、例えば、脂肪酸分子が、前記アミノ酸配列の18位のリジン残基の側鎖アミノ基に直接又はリンカーを介して結合している、請求項1に記載のGIP類似体。
【請求項8】
前記脂肪酸分子が直鎖脂肪酸又は分岐脂肪酸である、請求項1に記載のGIP類似体。
【請求項9】
前記脂肪酸分子が、モノアシル脂肪酸分子、若しくはジアシル脂肪酸分子である、及び/又は
前記脂肪酸分子が、式CH(CHCO-(式中、nは、4~24の整数である)のアシル基を含む、及び/又は
前記脂肪酸分子が、式COOH(CH CO-(ジカルボン酸)(式中、nは、4~24の整数である)から選択されるアシル基を含む、請求項1に記載のGIP類似体。
【請求項10】
前記脂肪酸分子が、前記GIP類似体のアミノ酸残基の側鎖のεアミノ基に直接又はリンカーを介して結合している、請求項1に記載のGIP類似体。
【請求項11】
前記リンカーが、
a.α-アミノ酸、γ-アミノ酸及びω-アミノ酸、
b.コハク酸、Lys、Glu、及びAspから選択される1以上のアミノ酸、
c.γ-アミノブタノイル(γ-アミノ酪酸)、γ-Glu(γ-グルタミン酸)、β-Asp(β-アスパラギル)、β-Ala(β-アラニル)及びGlyのうちの1以上、及び
d.[8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸](AEEAc)(式中、nは、1~50の整数又は1~4、1~3又は1~2の整数である)
ら個々に選択される1以上の部分を含む、請求項10に記載のGIP類似体。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載のGIP類似体を含む、医薬組成物。
【請求項13】
以下から選択されるアミノ酸配列:
【化2】
又はその機能的バリアントを有するGIP類似体を含む、医薬組成物であって、前記バリアントが1~2個の個々のアミノ酸置換を有する、医薬組成物。
【請求項14】
【化3】
はその機能的バリアントから選択されるGIP類似体を含む、医薬組成物であって、前記バリアントが1~2個の個々のアミノ酸置換を有する、医薬組成物
【請求項15】
【化4】
又はその機能的バリアントであるGIP類似体を含む、医薬組成物であって、前記バリアントが1~2個の個々のアミノ酸置換を有する、医薬組成物
【請求項16】
i)GIP誘導性グルカゴン分泌、ii)GIP誘導性インスリン分泌、iii)GIP誘導性ソマトスタチン分泌、iv)GIP誘導性グルコース取り込み、v)GIP誘導性脂肪酸合成及び/又は脂肪酸組み込み、vi)高い若しくは増加したGIPRの発現又は活性、vii)食後GIP放出、viii)遊離脂肪酸及び/又はトリグリセリドの血清レベル、ix)GIP誘導性食欲増加、x)エネルギー支出のGIP誘導性減少、xi)腸からの栄養素の吸収のGIP誘導性増加、xii)GLP-1の食欲抑制効果のGIP誘導性減少、xiii)GIP誘導性レプチン耐性のうちの1以上を阻害又は低下させる方法で使用するための、請求項1に記載のGIP類似体を含む医薬組成物又は医薬品
【請求項17】
メタボリックシンドローム、肥満、糖尿病前症、I型糖尿病、2型糖尿病、インスリン抵抗性、空腹時グルコースの上昇、高血糖、空腹時血清トリグリセリドレベルの上昇、低レベルの超低密度リポタンパク質(VLDL)、低レベルの高密度リポタンパク質(HDL)、脂質異常血症、低密度リポタンパク質(LDL)の増加/減少、高コレステロールレベル、異常な脂質沈着、心血管疾患、血圧上昇及びアテローム性動脈硬化症から選択される病態を治療する方法で使用するための、請求項1に記載のGIP類似体を含む医薬組成物又は医薬品
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GIP受容体のアンタゴニストであるグルコース依存性インスリン分泌性ペプチド(GIP)由来のペプチド類似体に関する。これらのGIPペプチド類似体は、1以上の個々のアミノ酸置換を含むことによって修飾され、リンカーを用いて/リンカーなしでコンジュゲートされた脂肪酸であり、その結果、改善されたアンタゴニスト活性及び改善された薬物動態を有する。
【背景技術】
【0002】
グルコース依存性インスリン分泌性ペプチド(GIP)は、食事後に腸のK細胞から分泌されるホルモンである。その姉妹ホルモンのグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)のように、GIPは強力なインスリン分泌促進物質である。GLP-1のグルカゴン静的(glucagonostatic)効果とは対照的に'、GIPは、ある条件下でグルカゴン放出特性を示すことが示されている( ' 5~13)。GIPの生物学を理解することへの関心は、げっ歯類のGIPR(GIP受容体)及び脂肪症との関連によって強められた14~21。ヒトでは、あまり明確ではないが、脂肪組織におけるGIPR発現の証明22、高BMIと増加したGIPレベルとの関連22,23、高インスリンで、高グルコースの状態でのGIP投与後の脂肪組織の血流及びTAG(トリアシルグリセロール)沈着の増加24、食事制限されている肥満児で観察される基礎及び食後のGIPレベルの減少25、及び高脂肪食を与えられている健康な若い男性で観察される絶食GIPレベルの増加26と共に、脂肪代謝におけるGIPの役割について同様の証拠がある。
【0003】
そのため、GLP-1受容体アンタゴニストのエキセンディン(9-39)の発見後のGLP-1の理解の進歩27,28を目の当たりにした研究者からの一般的な需要に加えて、抗肥満剤としての可能性は、強力なGIPRアンタゴニストの開発のためにさらなる注目を集めている。GIPの機能に拮抗するために、多くの異なる計画、例えば、低分子受容体アンタゴニスト29、GIPに対する予防接種30~32、アンタゴニスト特性を有するGIP分子の様々な短縮化と変異33~39、及び最近のGIPRに対する強力なアンタゴニスト抗体40が行われている。
【0004】
生理的条件下では、42個のアミノ酸のホルモンGIPは、GIP分子の第3位で切断する酵素ジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)によって分解され、GIP3-42が生じる。合成のブタGIP3-42は、ヒトGIPRに生体外で拮抗するが、生理学的濃度でブタ又は灌流ラットの膵臓ではアンタゴニストの特性を示さなかった41。多くのペプチドホルモンは翻訳後修飾され、異なる長さ及びアミノ酸修飾を有する様々な生物学的形態をもたらす42,43。そのため、GIP1-30は翻訳後処理の結果として生成され44、GIPRに対してアゴニストである33,45ことが示された。GIP1-30がヒトの循環に分泌される場合、DPP-4が触媒する切断によって、GIP3-30が生じる。
【0005】
米国特許第7,875,587号は、DPP-4による分解に対する耐性が高まったGIP(1-42)に由来するGIP受容体アンタゴニスト、並びにインスリン抵抗性及び肥満の治療のためのそれらの使用を開示している。WO 2004/067548では、DPP-4代謝産物は、ファーマコフォアの共有結合によって修飾され、ペプチド代謝産物に関連付けられるより長い半減期を達成し、GIPを含む天然ペプチドと同じくらい切断ペプチドの生物活性を保持している。WO 2012/055770は、GIPRアンタゴニスト作用を有し、容易に除去される内因性代謝産物としてGIP(3-42)を開示し、GIPRアゴニスト活性を有する短縮化されたGIP類似体の一例としてGIP(2-30)を開示している。WO 1998/24464は、アンタゴニストGIP(7-30)を開示している。
【0006】
WO 2016/034186及びHansenら 2016は、アンタゴニストGIP(3-30)及びGIP(5-30)を開示している。Pathakら 2015は、エキセンディン(1-39)からの9個のアミノ酸CexでC末端修飾され、リジン残基がパルミトイルで修飾されたGIP(3-30)を開示している。
【0007】
生体内での作用のより長い持続期間を提供するために、ある範囲の異なる手法が、GLP-1化合物の構造を修飾するために使用されてきた。これらには、アミノ酸残基(WO 96/29342及びWO 98/08871)並びにアシル化GLP-1類似体への親油性置換基(WO 00/34331)の導入が含まれる。WO 02/46227は、生体内半減期を延長するために、GLP-1と、ヒト血清アルブミンに融合したエキセンディン-4類似体を開示している。
【発明の概要】
【0008】
本発明者らは、GIPRのアンタゴニストであるGIPペプチドを同定し、これは1以上の個々の置換を含み、アンタゴニスト特性が改善されたGIPペプチドをもたらす。本開示のGIPペプチドは本明細書ではアシル化され、半減期及び生体内安定性を増加させる。本開示のGIPペプチドはまた、天然のGIP(1-42)と比較してN末端が短縮化され、少なくともGIP(1-42)の1位及び2位に最初の2つのアミノ酸を含まない。さらに驚くべきことに、本発明者らは、GIP(31-42)残基の1以上を含むペプチド又はGIP3-30、GIP5-30及びGIP6-30のうちのいずれか1つのC末端に結合し、アシル化されたエキセンディン-4の1以上の残基を含むペプチドなどのより長いGIPペプチドが、改善されたGIPRアンタゴニスト特性及び/又は非常に長い生体内半減期及び/又は選択性の増加を保持するか、又はさらに示すことを発見した。これにより、ある範囲の治療用途に潜在的に有用になる。
【発明の効果】
【0009】
一態様において、本開示は、アミノ酸配列の配列番号XX:
【化1】
(ここで、X及びXは、個々に任意のアミノ酸であるか又は除去される)
又はその機能的バリアントからなるグルコース依存性インスリン分泌性ペプチド(GIP)類似体に関し、前記バリアントは、配列番号XXの任意のアミノ酸に1~8、1~4個などのアミノ酸置換を有し、
前記ペプチドは、配列番号XX又はその前記機能的バリアントの3~29位の1以上のアミノ酸残基に少なくとも1つの脂肪酸分子を結合させることによって修飾され、
Zは、GIP(31-42)(GKKNDWKHNITQ;配列番号Z)の1以上のアミノ酸残基又はエキセンディン-4(HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS;配列番号E)の1以上のアミノ酸残基を含むペプチドである。
【0010】
GIP(3-30)/GIP(5-30)/GIP(6-30)及びそれらの類似体が、例えば、GPSSGAPPPS、PSSGAPPPS又はGKKNDWなどのエキセンディン-4又はGIP(1-42)のC末端部分からのアミノ酸残基で延長される場合、上記の態様の重要な利点は、生体内半減期が、対応する非延長類似体と比較して驚くほど高い程度まで延長されることである。これは特に、延長されたGIP類似体が、例えば、延長されたGIP(3-30)類似体の場合は18位及び延長されたGIP(5-30)類似体の場合は11位などの特定の位置で脂質化される場合であり得る。
【0011】
GIP(3-30)/GIP(5-30)/GIP(6-30)及びそれらの類似体が、例えば、GPSSGAPPPS、PSSGAPPPS又はGKKNDWなどのエキセンディン-4又はGIP(1-42)のC末端部分からのアミノ酸残基で延長される場合、上記の態様の別の重要な利点は、アンタゴニスト特性が増加し得、かつ/又はGIP受容体アゴニズムに対する選択性が増加することである。そのため、延長されたGIP類似体が、例えば、延長されたGIP(3-30)類似体の場合は18位及び延長されたGIP(5-30)類似体の場合は11位などの特定の位置で脂質化される場合、改善されたアンタゴニスト効果が得られ、半減期も驚くほど増加し得る。
【0012】
GIP(3-30)/GIP(5-30)/GIP(6-30)及びそれらの類似体が、例えば、GPSSGAPPPS、PSSGAPPPS又はGKKNDWなどのエキセンディン-4又はGIP(1-42)のC末端部分からのアミノ酸残基で延長される場合に、上記の態様のさらなる重要な利点は、例えば、GLP-1R及びグルカゴンRなどのファミリーB GPCRの他の受容体メンバーの活性化又は阻害に関して選択性が高まることである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】例えば、AT631などのC末端が延長したGIP(3-30)アンタゴニストは、類似体AT158などのC末端が延長されていないGIP(3-30)アンタゴニストと比較して、30時間超の非常に長いT1/2を示す。ブタに脂質化GIP(3-30)NH類似体AT158及び脂質化GIP(3-30)Cex(31-39)類似体AT631を皮下投与し、示された時点で中心静脈カテーテルから血液試料を採取した。AT631の半減期をRIAに基づいて決定し(「材料と方法」参照)、Cmaxの割合を時間に対してプロットした。AT631は、AT158よりも驚くほど長い半減期を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
定義
「親和性」という用語は、受容体とそのリガンド(複数可)との結合の強さを指す。本文脈において、その結合部位に対するペプチドアンタゴニストの親和性(Ki)は、アゴニスト活性の阻害期間を決定する。アンタゴニストの親和性は、機能研究におけるシルド回帰を用いて、又は1)チェン=プルソフ式を用いる競合結合実験、2)スキャッチャード式を用いる飽和結合実験又は3)オン速度及びオフ速度(K0nとK0ffそれぞれ)の決定を用いる動態研究のような放射性リガンド結合実験によって実験的に決定することができる。
【0015】
用語「IC50」は、半最大阻害濃度(IC50)を表し、これは、特定の生物学的又は生化学的機能を阻害する物質の有効性の尺度である。この定量的尺度は、特定の薬物又は他の物質(例えば、アンタゴニスト)が、所与の生物学的プロセス(又はプロセスの構成要素、すなわち酵素、細胞、細胞受容体又は微生物)を半分阻害するのにどの程度必要とされるかを示す。これは、薬理学研究におけるアンタゴニスト薬の効力の尺度として一般的に使用されている。IC50は、生体外での50%阻害に必要な薬物の濃度を表す。本文脈において、IC50値は、放射性標識リガンドの50%が受容体から移される薬物の濃度を指すこともでき、これは、競合結合実験で行われる薬物親和性の特徴付けである。
【0016】
本文脈における用語「アゴニスト」は、受容体からの下流シグナル伝達カスケードに結合し、活性化することができるペプチド、又はその類似体を指す。
【0017】
本文脈における用語「アンタゴニスト」は、本明細書で定義されるように、受容体に結合し、受容体のアゴニスト媒介応答を阻止又は低減することができるGIPペプチド類似体を指す。アンタゴニストは通常、受容体に結合する際に生物学的応答自体を引き起こさない。アンタゴニストは、その同族受容体に対する効力ではなく、親和性を有し、その受容体に対するアンタゴニストに結合して、受容体におけるアゴニスト又は逆アゴニストの機能を阻害する。アンタゴニストは、受容体上の活性(オルソステリック)部位又はアロステリック部位に結合することによってその効果を媒介するか、又はそれらは、通常、受容体の活性の生物学的調節に関与しない特有の結合部位で相互作用し得る。アンタゴニスト活性は、アンタゴニスト受容体複合体の長寿に依存して可逆的又は不可逆的であり得、これは、逆に、アンタゴニスト受容体結合の性質に依存する。薬物アンタゴニストの大半は、典型的には、受容体上の構造的に定義される結合部位で内因性リガンド又は基質と競合することによってその効力を達成する。アンタゴニストは、競合的アンタゴニスト、非競合的アンタゴニスト、不競合的アンタゴニスト、サイレントアンタゴニスト、部分的なアゴニスト又は逆アゴニストであり得る。
【0018】
競合的アンタゴニスト(克服可能なアンタゴニストとも呼ばれる)は、内因性リガンド又はアゴニストと同じ結合部位(すなわち活性部位)で受容体に可逆的に結合するが、受容体を活性化しない。アゴニスト及びアンタゴニストは、そのため、受容体上の同じ結合部位に対して「競合する」。結合すると、アンタゴニストはアゴニストの結合を阻止する。受容体の活性レベルは、部位及びそれらの相対的な濃度に対する各分子の相対親和性によって決定される。高濃度の競合的アンタゴニストは、アンタゴニストが占める受容体の割合を増加させる。
【0019】
用語「非競合的アンタゴニズム」(克服可能でない又は持続性のアンタゴニズム)は、アンタゴニストが受容体の活性部位に結合する現象と、アンタゴニストが受容体のアロステリック部位に結合する現象の2つの機能的に類似した結果を伴う別々の現象を説明する。最大応答を達成するために必要なアゴニストの量に影響を与えるが、その最大応答の大きさに影響を与えない競合的アンタゴニストとは異なり、非競合的アンタゴニストは、任意の量のアゴニストによって達成できる最大応答の大きさを低下させる。
【0020】
用語「サイレントアンタゴニスト」は、受容体を活性化するための固有の活性を全くもたない競合受容体アンタゴニストを指す。
【0021】
用語「部分的アゴニスト」は、所与の受容体において、最大受容体占有後に誘発する機能的応答の振幅が異なる可能性のあるアゴニストを指す。部分的アゴニストは、受容体占有率を完全アゴニストと競合し、それによって、完全アゴニスト単独で観察されるものと比較して受容体活性化に純減少をもたらすので、完全アゴニスト(又はより効果的なアゴニスト)の存在下で競合的アンタゴニストとして機能することができる。
【0022】
用語「逆アゴニスト」は、アゴニストと同じ受容体結合部位に結合し、その効果を拮抗することができるGIPペプチド類似体などのリガンドを指す。さらに、逆アゴニストはまた、構成的に活性のある受容体の基礎活性を阻害することができる。
【0023】
本明細書で使用する用語「グルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチド受容体(GIPR)アンタゴニスト」は、GIPRに結合し、GIPRのアゴニスト媒介応答を阻止又は低下させることができるペプチドなどの化合物を指す。
【0024】
用語「個体」は、脊椎動物、哺乳動物種の特定のメンバー、好ましくはヒトを含む霊長類を指す。本明細書で使用する場合、「対象」及び「個体」は互換的に使用され得る。
【0025】
「単離ペプチド」は、その天然の、典型的には細胞の環境の構成要素から分離及び/又は回収されたペプチドであり、本来ポリペプチドと結合している炭水化物、脂質、又は他のタンパク質性の不純物などの混入している細胞構成要素を本質的に含まない。典型的には、単離ペプチドの調製物は、高度に精製された形態、すなわち、少なくとも約80%純粋、少なくとも約90%純粋、少なくとも約95%純粋、95%超純粋、又は99%超純粋なペプチドを含有する。用語「単離」は、二量体、四量体、あるいはグリコシル化形態若しくは誘導体形態などの代替物理形態中に同じペプチドの存在を排除しない。
【0026】
「アミノ酸残基」は、ペプチド結合又はペプチド結合とは異なる結合によって連結された天然の又は非天然のアミノ酸残基であり得る。アミノ酸残基は、D配置又はL配置で存在し得る。アミノ酸残基は、炭素原子、又は炭素原子の鎖を含む中心部によって分離されたアミノ末端部(NH)とカルボキシ末端部(COOH)を含み、そのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの側鎖又は官能基を含む。NHは、アミノ酸又はペプチドのアミノ末端に存在するアミノ基を指し、COOHは、アミノ酸又はペプチドのカルボキシ末端に存在するカルボキシ基を指す。一般用語アミノ酸は、天然アミノ酸と非天然アミノ酸の両方を含む。J.Biol.Chem.,243:3552-59(1969)に列挙されており、米国特許規則(37 C.F.R.),節1.822(b)(2)に採用されている標準命名法の天然アミノ酸は、ここに記載されているアミノ酸のグループ:Y、G、F、M、A、S、I、L、T、V、P、K、H、Q、E、W、R、D、N及びCに属している。非天然アミノ酸は、すぐ上に列挙されていないものである。また、非天然アミノ酸残基は、修飾アミノ酸残基、L-アミノ酸残基、及びD-アミノ酸残基の立体異性体を含むが、これらに限定されない。
【0027】
「同等のアミノ酸残基」は、ポリペプチドの構造及び/又は機能を実質的に変化させることなく、ポリペプチド中の別のアミノ酸残基を置換することができるアミノ酸残基を指す。そのため、同等のアミノ酸は、側鎖の嵩高さ、側鎖の極性(極性又は非極性)、疎水性(疎水性又は親水性)、pH(酸性、中性又は塩基性)及び炭素分子の側鎖組織(芳香族/脂肪族)などの類似の特性を有する。このように、「同等のアミノ酸残基」は、「保存的アミノ酸置換」と見なすことができ、これは、その側鎖が類似の生化学的性質を有し、ペプチドの機能に影響を与えないアミノ酸の置換である。
【0028】
共通のアミノ酸の中でも、例えば、「保存的アミノ酸置換」はまた、以下のグループ:(1)グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシン、(2)フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファン、(3)セリン及びスレオニン、(4)アスパルギン酸及びグルタミン酸、(5)グルタミン及びアスパラギン、並びに(6)リジン、アルギニン及びヒスチジンの各々の中のアミノ酸同士の置換によって例示することができる。
【0029】
本明細書において適用される用語「同等のアミノ酸置換」の意味で、1つのアミノ酸は、一実施形態では、本明細書以下に示されるアミノ酸のグループ内の別のアミノ酸と置換され得る:
i)極性側鎖を有するアミノ酸(Asp、Glu、Lys、Arg、His、Asn、Gln、Ser、Thr、Tyr、及びCys)
ii)非極性側鎖を有するアミノ酸(Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Phe、Trp、Pro、及びMet)
iii)脂肪族側鎖を有するアミノ酸(Gly、Ala、Val、Leu、Ile)
iv)環状側鎖を有するアミノ酸(Phe、Tyr、Trp、His、Pro)
v)芳香族側鎖を有するアミノ酸(Phe、Tyr、Trp)
vi)酸性側鎖を有するアミノ酸(Asp、Glu)
vii)塩基性側鎖を有するアミノ酸(Lys、Arg、His)
viii)アミド側鎖を有するアミノ酸(Asn、Gln)
ix)ヒドロキシ側鎖を有するアミノ酸(Ser、Thr、Tyr)
x)硫黄含有側鎖を有するアミノ酸(Cys、Met)
xi)中性、弱疎水性アミノ酸(Pro、Ala、Gly、Ser、Thr)
xii)親水性、酸性アミノ酸(Gln、Asn、Glu、Asp)、及び
xiii)疎水性アミノ酸(Leu、Ile、Val)。
【0030】
加えて、本開示のペプチドのセリン残基は、Gln、Asn及びThr(極性無電荷側鎖を有する全てのアミノ酸)からなる群から選択されるアミノ酸と置換され得る。かつ独立して、グリシン残基(Gly)は、Ala、Val、Leu、及びIleからなる群から選択されるアミノ酸と置換される。かつ独立して、アルギニン残基(Arg)は、LysとHisからなる群から選択されるアミノ酸と置換される(全て正に帯電した側鎖を有する)。かつ独立して、リジン残基(Lys)は、Arg及びHisからなる群から選択されるアミノ酸と置換され得る。かつ独立して、メチオニン残基(Met)は、Leu、Pro、Ile、Val、Phe、Tyr及びTrpからなる群から選択されるアミノ酸と置換され得る(全て疎水性側鎖を有する)。かつ独立して、グルタミン残基(Gln)は、Asp、Glu、及びAsnからなる群から選択されるアミノ酸と置換され得る。かつ独立して、アラニン残基(Ala)は、Gly、Val、Leu、及びIleからなる群から選択されるアミノ酸と置換され得る。
【0031】
L型又はD型(光学異性体)が特定されていない場合、問題のアミノ酸は天然のL型(Pure & Appl. Chem. Vol.(56(5) pp 595-624 (1984)参照)又はD型を有し、その結果、形成されたペプチドは、L型、D型のアミノ酸、又はL型とD型の混合の配列で構成され得ることが理解されるべきである。
【0032】
本明細書で使用する場合、グルタミン酸(Glu)模倣体は、3つの炭素原子によって分離された2つのカルボキシ官能基を有する部分である。例としては、ベータ-Glu、ガンマ-Glu又はグルタル酸が挙げられる。
【0033】
ペプチドの「機能的バリアント」は、その機能的バリアントであるペプチドと本質的に同じ機能を果たすことが可能なペプチドである。特に、機能的バリアントは、受容体などの本質的に同じ分子に結合することができるか、又はその機能的バリアントであるペプチドと同じ受容体媒介応答を行うことができる。「グルコース依存性インスリン分泌性ペプチド(GIP)類似体」の機能的バリアントは、GIPRに結合し、cAMP生成などのGIPRの下流のシグナル伝達を活性化又は阻害することができるペプチドである。グルコース依存性インスリン分泌性ペプチド受容体(GIPR)アンタゴニストの機能的バリアントは、GIPRに結合し、cAMP生成などのアゴニスト媒介GIPRシグナル伝達を阻害又は低下させることができるペプチドである。
【0034】
「生理活性物質」(すなわち、生物活性物質/薬剤)は、生体内又は生体外で実証することができるいくつかの薬理学的で、しばしば有益な効果を提供する任意の薬剤、薬物、化合物、物質の組成物又は混合物である。それは、本明細書で定義されるGIPペプチド類似体及びそれらを含む化合物又は組成物を指す。本明細書で使用する場合、この用語は、個体において局所的又は全身的な効果をもたらす任意の生理学的又は薬理学的に活性のある物質を含む。
【0035】
本明細書で使用する用語「薬物」及び「医薬」は、ヒト又は動物の体内で局所的又は全身的に作用する生物学的、生理学的、又は薬理学的に活性のある物質を含む。
【0036】
本明細書で使用する用語「治療」及び「治療すること」は、病態、疾患又は障害と闘う目的での患者の管理及びケアを指す。この用語は、患者が苦しんでいる所与の病態に対する治療の全スペクトルを含み、症状若しくは合併症の回復又は緩和;病態の進行の遅延、臨床症状、疾患又は障害の部分的停止;病態、疾患若しくは障害の治癒又は排除;検出可能か検出不可能かにかかわらず、病態若しくは症状の回復又は緩和、及び寛解(部分的又は完全かどうかにかかわらない);並びに/又は病態、疾患若しくは障害の獲得の予防又は獲得のリスクの軽減の目的での、ペプチド若しくは組成物の投与などの治癒療法、予防(prophylactic)療法又は予防(preventative)療法、回復療法又は緩和療法を同等に指すことを意図し、ここで、「予防すること」又は「予防」は、病態、疾患若しくは障害の発症を妨げる目的での患者の管理及びケアを指すことを理解すべきであり、かつ症状若しくは合併症の発症の予防又はリスクの低減のための活性化合物の投与を含む。本明細書で使用する用語「緩和」及びそのバリエーションは、生理学的病態若しくは症状の程度及び/又は望ましくない徴候を和らげ、かつ/又は本発明の組成物を投与しない場合に比べて、進行の時間経過が遅くなるか、又は長くなることを意味する。
【0037】
治療される個体は、哺乳動物、特にヒトであることが好ましい。しかし、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ及びブタなどの動物の治療も、本明細書に包含される。
【0038】
「それを必要とする個体」は、本開示の恩恵を受ける可能性のある個体を指す。一実施形態では、それを必要とする前記個体は、疾患個体であり、前記疾患は、肥満若しくは糖尿病などの代謝性疾患又は障害、骨密度障害又は癌であり得る。
【0039】
本発明による治療は、予防、回復及び/又は治癒することができる。
【0040】
生理活性剤の「薬理学的有効量」、「医薬有効量」又は「生理学的有効量」は、そのような組成物が投与される場合に、期待される生理的反応が得られるように治療される予定の個体の血流中又は作用部位(例えば、肺、胃系、大腸系、前立腺など)において所望のレベルの活性剤を提供するために必要である、本明細書に記載の医薬組成物中に存在する生理活性剤の量である。本文脈における生理活性剤は、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体を指す。
【0041】
本明細書で使用する「共投与すること」又は「共投与」は、本発明の1以上のGIPペプチド類似体及び最新の医薬組成物の投与を指す。少なくとも2つの成分を、別々に、順次又は同時に投与することができる。
【0042】
詳細な説明
GIPは、胃抑制性ペプチド(又はポリペプチド)としても知られているグルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチドを指す。本明細書で使用する略語GIP又はhGIPは、ヒトGIP(Uniprot登録番号P09681)である。GIPは、153個のアミノ酸プロタンパク質に由来し、生物活性のある42個のアミノ酸ペプチドとして循環している。十二指腸の粘膜及び消化管の空腸のK細胞によって合成される。
【0043】
GIPR(又はGIP受容体)は、胃抑制性ポリペプチド受容体を指す。これらの7つの膜貫通タンパク質は、少なくとも膵臓のβ細胞上に見られる。本明細書で使用する略語GIPR又はhGIPRは、ヒトGIPR(Uniprot登録番号P48546)である。
【0044】
本発明者らは、GIPRのアンタゴニストであるGIPペプチドを同定し、これは、改善されたアンタゴニスト特性を有するGIPペプチドをもたらす1以上の個々の置換を含む。本開示のGIPペプチドは、半減期及び生体内安定性を高めるためにアシル化される。さらに驚くべきことに、本発明者らは、GIP(31-42)残基の1以上を含むペプチド、又はGIP3-30、GIP5-30及びGIP6-30のいずれか1つのC末端に結合し、アシル化されたエキセンディン-4の1以上の残基を含むペプチドなどのより長いGIPペプチドが、GIPRアンタゴニスト特性を保持することを発見した。これにより、それらはある範囲の治療用途に潜在的に有用になる。
【0045】
一実施形態では、エキセンディン-4は、アミノ酸配列HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS(配列番号)を有するペプチドである。
【0046】
GIPペプチド
本発明は、1以上の個々の置換を含み、前例のないGIPRアンタゴニスト特性を有し、かつ1種以上の脂肪酸がそれに結合して、GIPRアンタゴニスト特性を保持しながら前記ペプチドの半減期を増大させるGIPのペプチド断片を含むGIPペプチド類似体を対象とする。
【0047】
延長されたGIPペプチド類似体
アミノ酸配列の配列番号XX:
【化2】
(ここで、X及びXは、個々に任意のアミノ酸であるか又は除去される)
又はその機能的バリアントからなるグルコース依存性インスリン分泌性ペプチド(GIP)類似体を提供することが本開示の一態様であり、前記バリアントは、配列番号XXの任意のアミノ酸に1~8個の個々のアミノ酸置換を有し、
前記ペプチドは、配列番号XX又はその前記機能的バリアントの3~29位の1以上のアミノ酸残基に少なくとも1つの脂肪酸分子を結合させることによって修飾され、
Zは、GIP(31-42)(GKKNDWKHNITQ;配列番号Z)の1以上のアミノ酸残基又はエキセンディン-4(HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS;配列番号E)の1以上のアミノ酸残基を含むペプチドである。
【0048】
アミノ酸配列の配列番号XX:
【化3】
(ここで、X及びXは、個々に任意のアミノ酸であるか又は除去される)
又はその機能的バリアントからなるグルコース依存性インスリン分泌性ペプチド(GIP)類似体を提供することも本開示の一態様であり、前記バリアントは、配列番号XXの任意のアミノ酸に1~4個の個々のアミノ酸置換を有し、
前記ペプチドは、配列番号XX又はその前記機能的バリアントの3~29位の1以上のアミノ酸残基に少なくとも1つの脂肪酸分子を結合させることによって修飾され、
Zは、GIP(31-42)(GKKNDWKHNITQ;配列番号Z)の1以上のアミノ酸残基又はエキセンディン-4(HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS;配列番号E)の1以上のアミノ酸残基を含むペプチドである。
【0049】
一実施形態では、本開示は、配列番号hGIP(3-30):
【化4】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、
配列番号hGIP(5-30):
【化5】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、
及び配列番号hGIP(6-30):
【化6】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、
又はその機能的バリアントからなる群から選択されるグルコース依存性インスリン分泌性ペプチド(GIP)類似体を提供し、前記バリアントは、配列番号及び配列番号のいずれか1つに1~4個の個々のアミノ酸置換を有し;
前記ペプチドは、配列番号及び配列番号のいずれか1つ又は配列番号及び配列番号のいずれか1つに1~4個のアミノ酸置換を含むその機能的バリアントの4~29位の1以上のアミノ酸残基に少なくとも1つの脂肪酸残基を結合させることによって修飾され;
リンカーの有無にかかわらず、Zは、
グリシン又はプロリン、
GP、GPS、GPSS、GPSSG、GPSSGA、GPSSGAP、GPSSGAPP、GPSSGAPPP及びGPSSGAPPPSからなる群から選択される断片、
PS、PSS、PSSG、PSSGA、PSSGAP、PSSGAPP、PSSGAPPP及びPSSGAPPPS
からなる群から選択される断片、
GK、GKK、GKKN、GKKND、GKKNDW、GRKNDW、GKRNDW、GRRNDW、GKKNDWK、GKKNDWKH、GKKNDWKHN、GKKNDWKHNI、GKKNDWKHNIT及びGKKNDWKHNITQからなる群から選択される断片、又は、
GPSSGA、GPSSGAP、GPSSGAPP、GPSSGAPPP、GPSSGAPPPS、GKKNDW、GRKNDW、GKRNDW、GRRNDW、GKKNDWK、GKKNDWKH、GKKNDWKHN、GKKNDWKHNI、GKKNDWKHNIT及びGKKNDWKHNITQ、又は該アミノ酸残基のいずれか1つに1若しくは2個の個々のアミノ酸置換を含むそのバリアントからなる群から選択される断片、又は
PSSG、PSSGA、PSSGAP、PSSGAPP、PSSGAPPP及びPSSGAPPPS、又は該アミノ酸残基のいずれか1つに1若しくは2個の個々のアミノ酸置換を含むそのバリアントからなる群から選択される断片、
である。
【0050】
GIPアンタゴニストのGIP(3-30)/GIP(4-30)/GIP(5-30)/GIP(6-30)及びそれらの類似体が、例えば、GPSSGAPPPS、PSSGAPPPS又はGKKNDWなどのエキセンディン-4又はGIP(1-42)のC末端部分からのアミノ酸残基で延長される上記の態様の重要な利点は、対応する非延長類似体と比較して、生体内半減期が驚くほど高い程度に延長されることである。これは、特に、延長されたGIP(3-30)類似体が、例えば、延長されたGIP(3-30)、GIP(4-30)、GIP(5-30)及びGIP(6-30)類似体の11、12、17及び18位などの特定の位置で脂質化される場合であり得る。そのため、例えば、GPSSGAPPPS、PSSGAPPPS、GKKNDW、又はそれらの断片のC末端延長、及び特定の位置での脂質化は、C末端延長のない対応する配列と比較して、アンタゴニスト効果の改善と同時に、5若しくは10時間又はさらに15若しくは20時間超の驚くほど大きな程度まで半減期の改善をもたらし得る。
【0051】
本明細書で使用する「GIP(3-30)」は、GIP又はその機能的バリアント、例えば、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、及びそれらの機能的バリアントの残基3~30からなるGIPペプチド類似体を指す。本明細書で使用する「GIP(4-30)」は、GIP、又はその機能的バリアント、例えば、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)及びそれらの機能的バリアントの残基4~30からなるGIPペプチド類似体を指す。本明細書で使用する「GIP(5-30)」は、配列番号GIP(5-30)などのGIP又はその機能的バリアントの残基5-30からなるGIPペプチド類似体を指す。本明細書で使用する「GIP(6-30)」は、配列番号GIP(6-30)などのGIP又はその機能的バリアントの残基6~30からなるGIPペプチド類似体を指す。
【0052】
一実施形態では、前記ペプチドはC末端カルボキシル化された(-COOH)である。
【0053】
いかなる理論にも縛られることなく、遊離C末端カルボン酸はアルブミンへの結合の増加を助けるので、予期せず生体内半減期をさらに延ばすことができる。
【0054】
配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)及びそれらの類似体のGIPアンタゴニストが、例えば、GPSSGAPPPS、PSSGAPPPS又はGKKNDWなどのエキセンディン-4又はGIP(1-42)のC末端部分からのアミノ酸残基で延長される上記の態様の別の重要な利点は、アンタゴニスト特性が増加し得、かつ/又はGIP受容体アゴニズムに対する選択性が増加することである。GIP(3-42)は、GIP(3-30)よりも不良のアンタゴニストである[Hansenら 2016 Br J Pharmacol]ため、エキセンディン-4由来のC末端延長-PSSGAPPPSを有するAT631のアンタゴニズムが改善されることは予想外である。さらに、エキセンディン-4はGLP-1アゴニストであるため、エキセンディン-4のC末端部分からのアミノ酸残基を用いた配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)類似体の延長によるGIPアンタゴニスト作用の改善は、非常に予想外である。
【0055】
配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)及びそれらの類似体のGIPアンタゴニストが、例えば、GPSSGAPPPS、PSSGAPPPS又はGKKNDWなどのエキセンディン-4又はGIP(1-42)のC末端部分からのアミノ酸残基で延長される上記の態様のさらなる重要な利点は、例えば、GLP-1R及びグルカゴン-Rなどの、GPCRファミリーBの他の受容体メンバーの活性化又は阻害に関して選択性が増加することである。
【0056】
一実施形態では、例えば、GPSSGAPPPS、PSSGAPPPS又はGKKNDWなどのエキセンディン-4又はGIP(1-42)のC末端部分からのアミノ酸残基で延長され、C末端カルボキシル化されている配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)及びそれらの類似体のGIPアンタゴニストが提供される。
【0057】
一実施形態では、単離ペプチドであるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供される。
【0058】
一実施形態では、本明細書に開示され、
5位のアミノ酸が、Tであるか、又は除去され;
9位のアミノ酸が、D、E及びTから選択され;
11位のアミノ酸が、S、K及びAから選択され;
12位のアミノ酸が、I、K及び2-アミノイソ酪酸(Aib)から選択され;
13位のアミノ酸が、AとAibから選択され;
14位のアミノ酸が、M、K、E、S、L及びNleから選択され;
15位のアミノ酸が、DとEから選択され;
16位のアミノ酸が、KとRから選択され;
17位のアミノ酸が、IとKから選択され;
18位のアミノ酸が、HとKから選択され;
20位のアミノ酸が、QとKから選択され;
21位のアミノ酸が、DとEから選択され;
24位のアミノ酸が、N、K、Q及びEから選択され;
28位のアミノ酸が、AとEから選択され;
29位のアミノ酸が、QとGから選択され;かつ/又は
30位のアミノ酸は、K、R、G及びAから選択される、
GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供される。
【0059】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、前記機能的バリアントは、配列番号XXの任意のアミノ酸残基に1個の個々のアミノ酸置換、2個の個々のアミノ酸置換など、例えば、3個の個々のアミノ酸置換、4個の個々のアミノ酸置換などを有する。
【0060】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はそれらの機能的バリアントが提供され、前記機能的バリアントは、配列番号XXの任意のアミノ酸残基に1個の個々のアミノ酸置換、2個の個々のアミノ酸置換など、例えば、3個の個々のアミノ酸置換、4個の個々のアミノ酸置換などを有し、前記置換は保存的アミノ酸置換である。
【0061】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はそれらの機能的バリアントが提供され、前記機能的バリアントは、配列番号XXの任意のアミノ酸残基に1~2個の個々のアミノ酸置換、2~3個の個々のアミノ酸置換など、3~4個の個々のアミノ酸置換など、5~6個の個々のアミノ酸置換など、6~7個の個々のアミノ酸置換など、7~8個の個々のアミノ酸置換などを有する。
【0062】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、前記GIPペプチド類似体は、X及びXが除去されるアミノ酸配列の配列番号XXからなる。
【0063】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、前記GIPペプチド類似体は、X、X及び5位のアミノ酸残基が除去されるアミノ酸配列の配列番号XXからなる。一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、前記機能的バリアントは、配列番号XXのアミノ酸残基3~30のいずれか1つに1~7個の個々のアミノ酸置換、1個の個々のアミノ酸置換など、2個の個々のアミノ酸置換など、3個の個々のアミノ酸置換など、4個の個々のアミノ酸置換など、例えば、5個の個々のアミノ酸置換など、6個の個々のアミノ酸置換など、7個の個々のアミノ酸置換などを有する。
【0064】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、前記機能的バリアントは、配列番号XXのアミノ酸残基3~30のいずれか1つに1~2個の個々のアミノ酸置換、2~3個の個々のアミノ酸置換など、3~4個の個々のアミノ酸置換など、4~5個の個々のアミノ酸置換など、5~6個の個々のアミノ酸置換など、6~7個の個々のアミノ酸置など、7~8個の個々のアミノ酸置換などを有する。
【0065】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、前記機能的バリアントは、配列番号XXのアミノ酸残基3、4、7、8、9、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、24、28、29及び30のいずれか1つに1~2個の個々のアミノ酸置換、2~3個の個々のアミノ酸置換など、3~4個の個々のアミノ酸置換など、4~5個の個々のアミノ酸置換など、5~6個の個々のアミノ酸置換など、6~7個の個々のアミノ酸置換など、7~8個の個々のアミノ酸置換などを有する。
【0066】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、前記機能的バリアントは、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)のアミノ酸残基4~10のいずれか1つに1~2個の個々のアミノ酸置換を有する。
【0067】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、前記機能的バリアントは、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)のいずれか1つなどの配列番号XXのアミノ酸残基19~27のいずれか1つに1~2個、1~3個など、2~3個などの個々のアミノ酸置換を有する。
【0068】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XXのGIPペプチド類似体の少なくとも1つのアミノ酸残基がEと置換されている。
【0069】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、9、14、15、21、24及び28位のいずれか1つの少なくとも1つのアミノ酸残基がEと置換され、好ましくは、配列番号XXの9、15、21及び24位のいずれか1つの少なくとも1つのアミノ酸残基がEと置換されている。
【0070】
本明細書で定義されるように、配列番号XXのペプチドの1以上のアミノ酸残基のEでの置換は、アンタゴニスト作用の増大、溶解性の増大、及び/又は置換ペプチドの安定性の増大をもたらし得るので特に有利である。
【0071】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、Xは、E、S、G、V、2-アミノイソ酪酸(Aib)、P、D、γ-グルタミン酸(γGlu)、D-γ-グルタミン酸(D-γGlu)、β-グルタミン酸(βGlu)、pyroE(ピログルタミン酸)、グルタル酸からなる群から選択されるアミノ酸残基である。
【0072】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、XがEである。
【0073】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、XはpyroE(ピログルタミン酸)である。
【0074】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XXなどの(hGIP3-30、配列番号)の3位のE(Glu)が、S、G、V、2-アミノイソ酪酸(Aib)、P、D、γ-グルタミン酸(γGlu)、D-γ-グルタミン酸(D-γGlu)、β-グルタミン酸(βGlu)、pyroE(ピログルタミン酸)、グルタル酸からなる群から選択されるアミノ酸残基などの任意のアミノ酸と置換されている。ペンタン二酸とも呼ばれ得るグルタル酸は、アミノ基が欠けているデスアミノグルタミン酸、すなわち、グルタミン酸である。グルタル酸は、グルタミン酸模倣体とも呼ばれ得る。
【0075】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、XはE又はグルタル酸である。
【0076】
3位にEを有する本開示によるGIPペプチド類似体は、GIPRにおいて非常に強力なアンタゴニストであり得る。しかし、3位にEを有すると、不安定な化合物をもたらし得る。いかなる理論にも縛られることなく、3位のEは、N末端のアミノ基とEの側鎖カルボン酸との間の環化によってpyroGluを形成し得る。したがって、3位でEを置換することは有利であり得る。本発明者らは、N末端のアミノ基が強力なアンタゴニストを得るのに必ずしも必要ではない場合があることを発見した。
【0077】
グルタル酸はアミノ基を持たないため、N末端のpyroGlu形成ができないので、3位のE(すなわち、N末端から最初のアミノ酸)をグルタル酸と置換することは有利であり得る。pyroGlu形成は、グルタミン酸にとって望ましくない副反応であり得る。3位のグルタル酸との置換も効力を増加させ得る。グルタル酸は、リジン及びトリプトファンを含むいくつかのアミノ酸の代謝中に体内で自然に生成される。
【0078】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)のいずれか1つなどの(hGIP3-30、配列番号)の3位のE(Glu)は、S(Ser)と置換される。
【0079】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)のいずれか1つなどの(hGIP3-30、配列番号)の3位のE(Glu)は、pyroE(ピログルタミン酸)と置換される。
【0080】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)のいずれか1つなどの(hGIP3-30、配列番号)の3位のE(Glu)は、P(Pro)と置換される。
【0081】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)のいずれか1つなどの(hGIP3-30、配列番号)の3位のE(Glu)は、G(Gly)と置換される。
【0082】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)のいずれか1つなどの(hGIP3-30、配列番号)の3位のE(Glu)は、A(Ala)と置換される。
【0083】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、Xは、G及びEからなる群から選択されるアミノ酸残基である。
【0084】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの9位のDは、任意のアミノ酸と置換される。
【0085】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの9位のDは、保存的アミノ酸と置換される。
【0086】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの9位のDは、E及びTからなる群から選択されるアミノ酸残基と置換される。9位にEを有する利点は、溶解性などの効力及び/又は物理的安定性が増加し得ることである。9位のEはまた、アンタゴニスト活性を防止し得る。
【0087】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの11位のSは、任意のアミノ酸と置換される。
【0088】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの11位のSは、保存的アミノ酸と置換される。
【0089】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの11位のSは、A、K及びOrnからなる群から選択されるアミノ酸残基と置換される。
【0090】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの11位のSは、A、R、K及びOrnからなる群から選択されるアミノ酸残基と置換される。
【0091】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの11位のSは、K又はOrnと置換される。
【0092】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの12位のIは、任意のアミノ酸と置換される。
【0093】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの12位のIは、保存的アミノ酸と置換される。
【0094】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの12位のIは、K、Orn及び2-アミノイソ酪酸(Aib)からなる群から選択されるアミノ酸残基と置換される。
【0095】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの13位のAは、任意のアミノ酸と置換される。
【0096】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの13位のAは、保存的アミノ酸と置換される。
【0097】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの13位のAは、2-アミノイソ酪酸(Aib)と置換される。13位にAibを有する利点は、効力が大幅に増加し得ることである。加えて、13位のAibは、生体内安定性又は物理的安定性などのペプチドの安定性を増加させ得る。
【0098】
配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの12位及び13位のアミノ酸残基のいずれか1つの置換は、GIPペプチド類似体の安定性及び半減期をさらに増加させ得ることが観察された。
【0099】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの14位のMは、任意のアミノ酸と置換される。
【0100】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの14位のMは、保存的アミノ酸と置換される。
【0101】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの14位のMは、L、ノルロイシン(Nle)、E、S、K及びOrnからなる群から選択されるアミノ酸残基と置換される。
【0102】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの14位のMは、L、ノルロイシン(Nle)及びKからなる群から選択されるアミノ酸残基と置換される。いくつかの実施形態では、14位のアミノ酸はL又はNleである。Mは酸化しやすいので、L、Nle又はKなどの別のアミノ酸、例えば、L又はNleとそれを置換することは有利であり得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、14位のアミノ酸はLである。
【0104】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの15位のDは、任意のアミノ酸と置換される。
【0105】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの15位のDは、保存的アミノ酸と置換される。
【0106】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの15位のDは、Eと置換される。15位にEを有する利点は、溶解性などの効力及び/又は物理的安定性が増加し得ることである。15位のEもアンタゴニスト活性を防止し得る。
【0107】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの9位及び/又は15位のDは、Eと置換される。
【0108】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの16位のKは、任意のアミノ酸と置換される。
【0109】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの16位のKは、保存的アミノ酸置換で置換される。
【0110】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの16位のKは、R、A及びEからなる群から選択されるアミノ酸と置換される。
【0111】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの16位のKは、Rと置換される。
【0112】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの17位のIは、任意のアミノ酸と置換される。
【0113】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの17位のIは、保存的アミノ酸と置換される。
【0114】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの17位のIは、K又はOrnと置換される。
【0115】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの18位のHは、任意のアミノ酸と置換される。
【0116】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの18位のHは、保存的アミノ酸と置換される。
【0117】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの18位のHは、A、R、K及びOrnからなる群から選択されるアミノ酸と置換される。
【0118】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの18位のHは、K又はOrnと置換される。
【0119】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの11位のS及び/又は18位のHは、Kと置換される。
【0120】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの20位のQは、任意のアミノ酸と置換される。
【0121】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの20位のQは、保存的アミノ酸と置換される。
【0122】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの20位のQは、K又はOrnと置換される。
【0123】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの21位のDは、任意のアミノ酸と置換される。
【0124】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの21位のDは、保存的アミノ酸と置換される。
【0125】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの21位のDは、Eと置換される。21位にEを有する利点は、溶解性などの効力及び/又は物理的安定性が増加し得ることである。
【0126】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの24位のNは、任意のアミノ酸と置換される。
【0127】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの24位のNは、保存的アミノ酸と置換される。
【0128】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの24位のNは、Q、A及びEから選択されるアミノ酸と置換される。
【0129】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの24位のNは、Eと置換される。24位にEを有する利点は、溶解性などの物理的安定性が増加し得ることである。また、凝集に対する感受性を低下させ得る。
【0130】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの28位のAは、任意のアミノ酸と置換される。
【0131】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの28位のAは、保存的アミノ酸と置換される。
【0132】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの28位のAは、Eと置換される。
【0133】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの29位のQは、任意のアミノ酸と置換される。
【0134】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの29位のQは、保存的アミノ酸と置換される。
【0135】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの29位のQは、Gと置換される。
【0136】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの30位のKは、任意のアミノ酸と置換される。
【0137】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの30位のKは、保存的アミノ酸置換で置換される。
【0138】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はその機能的バリアントのいずれか1つの30位のKは、R、A、E及びGからなる群から選択されるアミノ酸と置換され、好ましくはR、A及びGからなる群から選択されるアミノ酸と置換される。
【0139】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、9、15、21、及び24位のアミノ酸残基は全て個々に、A、L、E及びKからなる群から選択されるアルファヘリックス安定化アミノ酸残基である。
【0140】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、前記GIPペプチド類似体は、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)のいずれか1つのなどの、配列番号XXのアミノ酸残基3-30のいずれか1つに少なくとも1つのKへの置換及び1つのE又はAibへの置換を含む。
【0141】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、前記GIPペプチド類似体は、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)のいずれか1つのなどの、配列番号XXのアミノ酸残基3-30のいずれか1つに少なくとも1つのKへの置換及び1つのE又はAibへの置換を含み、11、14及び/又は18のいずれか1つにあるアミノ酸残基の少なくとも1つがKに置換され、かつ9、15、21及び/又は24のいずれか1つにあるアミノ酸残基の少なくとも1つはEに置換される。
【0142】
一実施形態では、GIPペプチド類似体(配列番号XX)又はその機能的バリアントが提供され、
5位のアミノ酸はTであり;
6位のアミノ酸はFであり;
10位のアミノ酸はYであり;
22位のアミノ酸はFであり;
23位のアミノ酸はVであり;
25位のアミノ酸はWであり;
26位のアミノ酸はLであり;
27位のアミノ酸はLである。
【0143】
一実施形態では、GIPペプチド類似体(配列番号XX)又はその機能的バリアントが提供され、5位のアミノ酸がTである。
【0144】
一実施形態では、GIPペプチド類似体(配列番号XX)又はその機能的バリアントが提供され、6位のアミノ酸がFである。
【0145】
一実施形態では、GIPペプチド類似体(配列番号XX)又はその機能的バリアントが提供され、7位のアミノ酸がIである。
【0146】
一実施形態では、GIPペプチド類似体(配列番号XX)又はその機能的バリアントが提供され、10位のアミノ酸がYである。
【0147】
一実施形態では、GIPペプチド類似体(配列番号XX)又はその機能的バリアントが提供され、22位のアミノ酸がFである。
【0148】
一実施形態では、GIPペプチド類似体(配列番号XX)又はその機能的バリアントが提供され、23位のアミノ酸がVである。
【0149】
一実施形態では、GIPペプチド類似体(配列番号XX)又はその機能的バリアントが提供され、25位のアミノ酸がWである。
【0150】
一実施形態では、GIPペプチド類似体(配列番号XX)又はその機能的バリアントが提供され、26位のアミノ酸がLである。
【0151】
一実施形態では、GIPペプチド類似体(配列番号XX)又はその機能的バリアントが提供され、27位のアミノ酸がLである。
【0152】
一実施形態では、GIPペプチド類似体(配列番号XX)又はその機能的バリアントが提供され、29及び30位のアミノ酸残基は両方ともGではない。
【0153】
一実施形態では、GIPペプチド類似体(配列番号XX)又はその機能的バリアントが提供され、29及び30位のアミノ酸残基の1つだけがGである。
【0154】
一実施形態では、GIPペプチド類似体(配列番号XX)又はその機能的バリアントが提供され、29及び30位のアミノ酸残基は、Q、E及びKからなる群から個々に選択される。
【0155】
一実施形態では、GIPペプチド類似体(配列番号XX)又はその機能的バリアントが提供され、29位のアミノ酸がQである。
【0156】
一実施形態では、GIPペプチド類似体(配列番号XX)又はその機能的バリアントが提供され、30位のアミノ酸がKである。
【0157】
一実施形態では、GIPペプチド類似体(配列番号XX)、
(ここで、3位のアミノ酸残基は、E又はグルタル酸であるか、又は存在せず、
4位のアミノ酸残基は、Gであるか、又は存在せず、
5位のアミノ酸残基は、Tであり、
6位のアミノ酸残基は、Fであり、
7位のアミノ酸残基は、Iであり、
8位のアミノ酸残基は、Sであり、
9位のアミノ酸残基は、D又はEであり、
10位のアミノ酸残基は、Yであり、
11位のアミノ酸残基は、K又はSであり、
12位のアミノ酸残基は、I又はKであり、
13位のアミノ酸残基は、A又はAib又はKであり、
14位のアミノ酸残基は、M、L、Nle又はKであり、
15位のアミノ酸残基は、D又はEであり、
16位のアミノ酸残基は、Kであり、
17位のアミノ酸残基は、I又はKであり、
18位のアミノ酸残基は、H又はKであり、
19位のアミノ酸残基は、Qであり、
20位のアミノ酸残基は、Qであり、
21位のアミノ酸残基は、D又はEであり、
22位のアミノ酸残基は、Fであり、
23位のアミノ酸残基は、Vであり、
24位のアミノ酸残基は、N、A、Q又はEであり、
25位のアミノ酸残基は、Wであり、
26位のアミノ酸残基は、Lであり、
27位のアミノ酸残基は、Lであり、
28位のアミノ酸残基は、A、E又はKであり、
29位のアミノ酸残基は、Q、G又はKであり、かつ
30位のアミノ酸残基は、K又はGである)
又はその機能的バリアントが提供される。
【0158】
一実施形態では、GIPペプチド類似体(配列番号XX)、
(ここで、3位のアミノ酸残基は、E又はグルタル酸であるか、又は存在せず、
4位のアミノ酸は、Glyであるか、又は存在せず;
5位のアミノ酸は、Tであり;
9位のアミノ酸は、D、Eから選択され;
11位のアミノ酸は、S、K及びAから選択され;
12位のアミノ酸は、I及びKから選択され;
13位のアミノ酸は、A及びAibから選択され;
14位のアミノ酸は、M、L及びNleから選択され;
15位のアミノ酸は、D及びEから選択され;
16位のアミノ酸は、K及びRから選択され;
17位のアミノ酸は、I及びKから選択され;
18位のアミノ酸は、H及びKから選択され;
20位のアミノ酸は、Q及びKから選択され;
21位のアミノ酸は、D及びEから選択され;
24位のアミノ酸は、N、Q及びEから選択され;
28位のアミノ酸は、A及びEから選択され;
29位のアミノ酸は、Q及びGから選択され;かつ/又は
30位のアミノ酸は、K、R、G及びAから選択される)
が提供される。
【0159】
一実施形態では、GIPペプチド類似体(配列番号XX)、
(ここで、3位のアミノ酸は、Glu又はグルタル酸であるか、又は存在せず;
4位のアミノ酸は、Glyであるか、又は存在せず;
5位のアミノ酸は、Tであり;
6位のアミノ酸は、Fであり;
7位のアミノ酸は、Iであり;
9位のアミノ酸は、D及びEから選択され;
10位のアミノ酸は、Yであり;
11位のアミノ酸は、S、K及びAから選択され;
12位のアミノ酸は、I及びKから選択され;
13位のアミノ酸は、A及びAibから選択され;
14位のアミノ酸は、M、L及びNleから選択され;
15位のアミノ酸は、D及びEから選択され;
16位のアミノ酸は、K及びRから選択され;
17位のアミノ酸は、I及びKから選択され;
18位のアミノ酸は、H及びKから選択され;
20位のアミノ酸は、Q及びKから選択され;
21位のアミノ酸は、D及びEから選択され;
22位のアミノ酸は、Fであり;
23位のアミノ酸は、Vであり;
24位のアミノ酸は、N、Q及びEから選択され;
25位のアミノ酸は、Wであり;
26位のアミノ酸は、Lであり;
27位のアミノ酸は、Lであり;
29位のアミノ酸は、Qであり;かつ/又は
30位のアミノ酸は、K又はRである)
が提供される。
【0160】
一実施形態では、本開示は、配列番号(GIP3-30 X-X):
【化7】
からなるGIPペプチド類似体を提供する。
【0161】
一実施形態では、本開示は、配列番号(GIP3-30 X):
【化8】
からなるGIPペプチド類似体を提供する。
【0162】
一実施形態では、本開示は、配列番号(GIP3-30 X):
【化9】
からなるGIPペプチド類似体を提供する。
【0163】
一実施形態では、本開示は、配列番号(GIP3-30):
【化10】
からなるGIPペプチド類似体を提供する。
【0164】
一実施形態では、本開示は、配列番号(GIP4-30 X):
【化11】
からなるGIPペプチド類似体を提供する。
【0165】
一実施形態では、本開示は、配列番号(GIP4-30):
【化12】
からなるGIPペプチド類似体を提供する。
【0166】
一実施形態では、本開示は、3位のアミノ酸残基が存在しない場合には、4位のアミノ酸残基が存在しないGIPペプチド類似体を提供する。
【0167】
一実施形態では、本開示は、配列番号(GIP5-30):
【化13】
からなるGIPペプチド類似体を提供する。
【0168】
一実施形態では、本開示は、配列番号(GIP6-30):
【化14】
からなるGIPペプチド類似体を提供する。
【0169】
本開示のGIPペプチド類似体の1つの特徴は、Z、Zペプチド、又はペプチドZと呼ばれる部分の存在である。本明細書に記載されるように、Zは、GIP(31-42)(GKKNDWKHNITQ;配列番号Z)の1以上のアミノ酸残基又はエキセンディン-4(HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS;配列番号E)の1以上のアミノ酸残基を含むペプチドである。Zペプチドの存在は、GIPペプチド類似体の半減期とアンタゴニスト効力の両方を改善するので有利である。
【0170】
本開示の一実施形態では、Zは、GIP(31-42)(配列番号Z)の1以上の連続したアミノ酸残基からなる。
【0171】
本開示の一実施形態では、Zは、エキセンディン-4(配列番号E)の1以上の連続したアミノ酸残基からなる。
【0172】
本開示の一実施形態では、Zは、エキセンディン-4(30-39)(PSSGAPPPS;配列番号CE30-39)のC末端の1以上の連続したアミノ酸残基からなる。
【0173】
本開示の一実施形態では、Zは、エキセンディン-4(29-39)(GPSSGAPPPS;配列番号CE29-39)のC末端の1以上の連続したアミノ酸残基からなる。
【0174】
本開示の一実施形態では、Zは、少なくとも1つのG又は1つのPを含む。いかなる理論にも縛られることなく、Zが例えば、31位及び/又は32位などにG又はPを含む場合、GIPペプチド類似体の半減期は増加し、これはC末端からの分解低下に起因し得、GIPペプチド類似体の生体内安定性を増加させる。
【0175】
本開示の一実施形態では、Zは、少なくとも2つのPを含む。
【0176】
本開示の一実施形態では、Zは、
-グリシン又はプロリン、
-GP、GPS、GPSS、GPSSG、GPSSGA、GPSSGAP、GPSSGAPP、GPSSGAPPP及びGPSSGAPPPS、
-PS、PSS、PSSG、PSSGA、PSSGAP、PSSGAPP、PSSGAPPP及びPSSGAPPPS、
-GK、GKK、GKKN、GKKND、GKKNDW、GRKNDW、GKRNDW、GRRNDW、GKKNDWK、GKKNDWKH、GKKNDWKHN、GKKNDWKHNI、GKKNDWKHNIT及びGKKNDWKHNITQ、
-GPSSGA、GPSSGAP、GPSSGAPP、GPSSGAPPP、GPSSGAPPPS、GKKNDW、GKKKDW、GKKNDK GRKNDW、GKRNDW、GRRNDW、GKKNDWK、GKKNDWKH、GKKNDWKHN、GKKNDWKHNI、GKKNDWKHNIT及びGKKNDWKHNITQ、又はアミノ酸残基のいずれか1つに1若しくは2個の個々のアミノ酸置換を含むそのバリアント、又は
-PSSG、PSSGA、PSSGAP、PSSGAPP、PSSGAPPP及びPSSGAPPPS、又はアミノ酸残基のいずれか1つに1若しくは2個の個々のアミノ酸置換を含むそのバリアント、
からなる群から選択されるペプチドである。
【0177】
本開示の一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XX又はそのバリアントの3位のアミノ酸残基に結合していない。
【0178】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X又は配列番号GIP(3-30)の3位のアミノ酸残基のN末端アミノ基に結合していない。
【0179】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号GIP(4-30)X又は配列番号GIP(4-30)の4位でアミノ酸残基のN末端アミノ基に結合していない。
【0180】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号GIP(5-30)の5位におけるアミノ酸残基のN末端アミノ基に結合していない。
【0181】
一実施形態では、脂肪酸分子はZのアミノ酸残基に結合していない。
【0182】
一実施形態では、本開示のGIPペプチド類似体は遊離N末端を有する。そのため、GIPペプチド類似体のN末端は、アセチル化、アシル化、又はアルキル化されていないなどの、置換されていないアミノ(-NH)部分を含む。したがって、GIPペプチド類似体のN末端は、遊離アミノ(-NH)部分を含んでいてもよい。
【0183】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XXなどの前記GIPペプチド類似体の7~29位のいずれか1つの位置でアミノ酸残基に結合している。一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はそのバリアントのいずれか1つの7~29位のいずれか1つの位置でアミノ酸残基に結合している。
【0184】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XXのなどの前記GIPペプチド類似体の6~29位のいずれか1つの位置でアミノ酸残基に結合している。一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はそのバリアントのいずれか1つの6~29位のいずれか1つの位置でアミノ酸残基に結合している。
【0185】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XXのなどの前記GIPペプチド類似体の4~29位のいずれか1つの位置でアミノ酸残基に結合している。一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はそのバリアントのいずれか1つの4~29位のいずれか1つの位置でアミノ酸残基に結合している。
【0186】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XXなどの前記GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントの5位、6位、7位、8位、9位、10位、11位、12位、13位、14位、15位、16位、17位、18位、19位、20位、21位、22位、23位、24位、25位、26位、27位、28位又は29位でアミノ酸残基に結合している。
【0187】
一実施形態では、脂肪酸分子は、hGIP(6-30)又はその機能的バリアントの6位、7位、8位、9位、10位、11位、12位、13位、14位、15位、16位、17位、18位、19位、20位、21位、22位、23位、24位、25位、26位、27位、28位又は29位でアミノ酸残基に結合している。
【0188】
一実施形態では、脂肪酸分子は、hGIP(5-30)又はその機能的バリアントの5位、6位、7位、8位、9位、10位、11位、12位、13位、14位、15位、16位、17位、18位、19位、20位、21位、22位、23位、24位、25位、26位、27位、28位又は29位でアミノ酸残基に結合している。
【0189】
一実施形態では、脂肪酸分子は、hGIP(3-30)又はその機能的バリアントの4位、5位、6位、7位、8位、9位、10位、11位、12位、13位、14位、15位、16位、17位、18位、19位、20位、21位、22位、23位、24位、25位、26位、27位、28位又は29位でアミノ酸残基に結合している。
【0190】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はそれらの機能的バリアントのいずれか1つの中央の領域内の1以上のアミノ酸残基に結合している。
【0191】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はそれらの機能的バリアントのいずれか1つの11~21位のいずれか1つの位置で1以上のアミノ酸残基に結合している。
【0192】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はそれらの機能的バリアントのいずれか1つの11、12、17、18及び20位のいずれか1つの位置で1以上のアミノ酸残基に結合している。
【0193】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はそれらの機能的バリアントのいずれか1つの11、12、17及び18位のいずれか1つの位置で1以上のアミノ酸残基に結合している。これらの位置のいずれか1つの位置での脂肪酸の結合は、特に長い半減期を有し、特に高いアンタゴニスト効力を有するGIPペプチド類似体をもたらし得る。
【0194】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又は少なくとも1つのK若しくはOrn残基を含むそれらの機能的バリアントのいずれか1つなどの前記GIPペプチド類似体のK残基又はOrn残基のイプシロンアミノ基に結合している。
【0195】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はそれらの機能的バリアントのいずれか1つなどの前記GIPペプチド類似体の16位の位置にあるアミノ基残基の側鎖アミノ基に結合している。
【0196】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はそれらの機能的バリアントのいずれか1つなどの前記GIPペプチド類似体の16位のKに結合している。
【0197】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はそれらの機能的バリアントのいずれか1つなどの前記GIPペプチド類似体の18位のアミノ酸残基の側鎖アミノ基に結合しており、18位のHは、前記GIPペプチド類似体においてK又はOrnと置換されている。18位のアミノ酸残基の側鎖アミノ基への脂肪酸の結合は、特に長い半減期を有し、特に高いアンタゴニスト効力を有するGIPペプチド類似体をもたらし得る。
【0198】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はそれらのバリアントのいずれか1つなどの前記GIPペプチド類似体の11位のアミノ基残基の側鎖アミノ基に結合しており、11位のSは前記GIPペプチド類似体においてK又はOrnと置換されている。
【0199】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はそれらのバリアントのいずれか1つなどの前記GIPペプチド類似体の12位のアミノ基残基の側鎖アミノ基に結合しており、12位のIは前記GIPペプチド類似体においてK又はOrnと置換されている。
【0200】
一実施形態では、少なくとも1つの脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はそれらのバリアントのいずれか1つなどの前記GIPペプチド類似体の11位のアミノ基残基に結合している。
【0201】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はそれらの機能的バリアントのいずれか1つなどの前記GIPペプチド類似体の11位のKに結合している。
【0202】
一実施形態では、少なくとも1つの脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はそれらの機能的バリアントのいずれか1つなどの前記GIPペプチド類似体の12位のアミノ酸残基に結合している。
【0203】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はそれらの機能的バリアントのいずれか1つなどの前記GIPペプチド類似体の12位のKに結合している。
【0204】
一実施形態では、少なくとも1つの脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はそれらの機能的バリアントのいずれか1つなどの前記GIPペプチド類似体の17位のアミノ酸残基に結合している。
【0205】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はそれらの機能的バリアントのいずれか1つなどの前記GIPペプチド類似体の17位のKに結合している。
【0206】
一実施形態では、少なくとも1つの脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X1-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はそれらの機能的バリアントのいずれか1つなどの前記GIPペプチド類似体の18位のアミノ酸残基に結合している。
【0207】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X1-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)、又はそれらの機能的バリアントのいずれか1つなどの前記GIPペプチド類似体の18位のKに結合している。
【0208】
一実施形態では、少なくとも1つの脂肪酸分子は、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X1-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)のいずれか1つなどの前記GIPペプチド類似体の18位のリジンに結合しており、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X1-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)のいずれか1つの9、15、及び24位のアミノ酸の少なくとも2つはEである。
【0209】
一実施形態では、少なくとも1つの脂肪酸分子が、GIPペプチド類似体の11又は18位などの11~18位のいずれか1つなどの、GIPペプチド類似体の中央のアミノ酸に結合している。
【0210】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、前記ペプチドは、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)のいずれか1つの類似体であり、
【化15】

からなる群から選択される配列を有し、
前記ペプチドは、上記配列のいずれか1つの4~29位の1以上のアミノ酸残基に少なくとも1つの脂肪酸分子を結合させることによって修飾され、前記ペプチドはC末端カルボキシル化され得る。
【0211】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、前記ペプチドは、hGIP5-30(配列番号(5-30))の類似体であり、
【化16】
からなる群から選択される配列を有し、
前記ペプチドは、上記配列のいずれか1つの4~29位の1以上のアミノ酸残基に少なくとも1つの脂肪酸分子を結合させることによって修飾され、前記ペプチドはC末端カルボキシル化され得る。
【0212】
一実施形態では、GIPペプチド類似体又はその機能的バリアントが提供され、前記ペプチドは、hGIP6-30(配列番号(6-30))の類似体であり、
FISDYSIAMDKIKQQDFVNWLLAQK - Z;配列番号GIP(6-30)[H18K]
からなる群から選択される配列を有し、
前記ペプチドは、上記配列のいずれか1つの4~29位の1以上のアミノ酸残基に少なくとも1つの脂肪酸分子を結合させることによって修飾され、前記ペプチドはC末端カルボキシル化され得る。
【0213】
一実施形態では、本開示のGIPペプチド類似体はC末端アミド化(-NH)される。
【0214】
一実施形態では、本開示のGIPペプチド類似体は、C末端カルボキシル化(-COOH)され、例えば、C末端が遊離カルボン酸である。
【0215】
機能的バリアント-変異体
一実施形態では、前記アミノ酸置換の1以上、又は全ては、保存的アミノ酸置換(又は同義置換)である。保存的置換は、その側鎖が類似の生化学的性質を有するため、ペプチドの機能に影響を与えないアミノ酸の置換である。
【0216】
本明細書に開示される特定のアミノ酸置換は、KからR、A、G;EからD、S、P、G、V、2-アミノイソ酪酸(Aib)、γ-グルタミン酸(γGlu)、D-γ-グルタミン酸(D-γGlu)、β-グルタミン酸(βGlu)、pyroE(ピログルタミン酸)、グルタル酸;LからM;QからE;IからV;IからL、K、Aib;AからS、Aib、E;YからW;KからQ;SからT、K;NからS;MからL、Nle、E、S、K;HからK;N、I、S、GからA;N、I、SからT;DからE、T;NからQ、E;QからR、K、G;GからE、T、Kである。
【0217】
別の実施形態では、本明細書で定義される機能的変異体は、アルキルアミノ酸がアルキルアミノ酸と置換されている配列、芳香族アミノ酸が芳香族アミノ酸と置換されている配列、硫黄含有アミノ酸が硫黄含有アミノ酸と置換されている配列、ヒドロキシ含有アミノ酸がヒドロキシ含有アミノ酸と置換されている配列、酸性アミノ酸が酸性アミノ酸と置換されている配列、塩基性アミノ酸が塩基性アミノ酸と置換されている配列、及び/又は二塩基性モノカルボン酸アミノ酸が二塩基性モノカルボン酸アミノ酸と置換されている配列を含む。
【0218】
保存的置換は、結果として得られるバリアントが機能している限り、配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)のいずれか1つから選択されるGIPペプチド類似体の上記の特定の位置の任意の1以上に導入され得る。しかし、1以上の位置に非保存的置換(非同義置換)を導入することも望ましい場合がある。
【0219】
一実施形態における配列番号XX、配列番号GIP(3-30)X-X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)X、配列番号GIP(3-30)、配列番号GIP(4-30)X、配列番号GIP(4-30)、配列番号GIP(5-30)、配列番号GIP(6-30)のいずれか1つから選択されるGIPペプチド類似体のバリアントの形成につながる非保存的置換は、i)実質的に極性が異なるアミノ酸残基、例えば、Gly、Ser、Thr、Cys、Tyr、Asn、若しくはGlnなどの極性側鎖を有する残基、又はAsp、Glu、Arg、若しくはLysなどの荷電アミノ酸と置換される非極性側鎖(Ala、Leu、Pro、Trp、Val、Ile、Leu、Phe若しくはMet)を有する残基の置換、又は荷電残基若しくは極性残基の非極性残基での置換;及び/又はii)別の残基によるPro又はGlyの置換などの、ペプチド骨格配向に対する効果が実質的に異なるアミノ酸残基の置換;及び/又はiii)電荷が実質的に異なるアミノ酸残基の置換、例えば、Glu若しくはAspなどの負に帯電した残基とLys、His若しくはArgなどの正に帯電した残基との置換(及びその逆);及び/又はiv)立体容積が実質的に異なるアミノ酸残基の置換、例えば、小さい側鎖を有するもの、例えば、His、Trp、Phe若しくはTyrなどのかさばる残基と、例えば、Ala、Gly若しくはSerとの置換(及びその逆)を含む。
【0220】
アミノ酸の置換は、一実施形態では、それらの疎水性及び親水性の値、並びに電荷、サイズなどを含むアミノ酸側鎖置換基の相対的類似性に基づいて行うことができる。
【0221】
本明細書で定義されるGIPペプチド類似体又はその機能的バリアントの対応物は、タンパク質原性又は天然アミノ酸、すなわち、自然にポリペプチドに組み込まれる22個のアミノ酸を含む。これらのうち20個は、普遍的な遺伝コードによってコードされ、残りの2個のセレノシステイン(Sec、U)及びピロリジン(Pyl、O)は、特有の合成機構によりタンパク質に組み込まれる。
【0222】
本明細書で定義されるGIPペプチド類似体は、1以上の天然に存在しないアミノ酸残基(非天然、非タンパク質原性若しくは非標準アミノ酸)又はグルタル酸などのアミノ酸模倣体を含む。天然に存在しないアミノ酸には、例えば、限定されないが、β-2-ナフチルアラニン、トランス-3-メチルプロリン、2,4-メタノプロリン、シス-4-ヒドロキシプロリン、オリニチン(Orn)、トランス-4-ヒドロキシプロリン、N-メチルグリシン、アロトレオニン、メチルトレオニン、ヒドロキシエチルシステイン、ヒドロキシエチルホモシステイン、ニトログルタミン、ホモグルタミン、ピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、デヒドロプロリン、3-及び4-メチルプロリン、3,3-ジメチルプロリン、tert-ロイシン、ノルロイシン(Nle)、メトキシニン(Mox)、ノルバリン、2-アザフェニルアラニン、3-アザフェニルアラニン、4-アザフェニルアラニン、及び4-フルオロフェニルアラニンが含まれる。
【0223】
一実施形態では、アミノ酸Metは、酸化耐性アミノ酸類似体、例えば、その水素結合特性ではなく、疎水性相互作用に重要なアミノ酸側鎖の長さを保持するノルロイシン(Nle)若しくはLeu;又はNleと比較してMetの電子特性により似ている非天然型アミノ酸であるメトキシニン(Mox);又はLysと置換される。
【0224】
標準及び/又は非標準アミノ酸は、ペプチド結合によって(線形ペプチド鎖を形成するため)、又は非ペプチド結合によって(例えば、アミノ酸の可変側鎖を介して)連結され得る。好ましくは、本明細書で定義されるペプチドのアミノ酸は、ペプチド結合によって連結される。
【0225】
用語ペプチドはまた、当技術分野で知られているように、化学的又は酵素触媒反応によって導入される翻訳後修飾を包含する。それらには、1以上のアミノ酸残基のアセチル化、リン酸化、メチル化、グルコシル化、糖化、アミド化、ヒドロキシル化、脱イミノ化、脱アミド化、カルバミル化及び硫酸化、並びにリソソームカテプシンを含む既知のタンパク質酵素によるタンパク質分解修飾、及びまたカルパイン、セクレターゼ及びマトリックスメタロプロテアーゼが含まれる。
【0226】
また、ペプチドの機能的等価物は、ユビキチン化、標識(例えば、放射性核種、様々な酵素など)、ペグ化(ポリエチレングリコールによる誘導体化)など、又はヒトタンパク質に通常生じない(非タンパク質原性)オルニチンなどのアミノ酸の挿入(又は化学合成による置換)による化学的修飾を含み得る。
【0227】
立体的に類似した化合物は、ペプチド構造の重要な部分を模倣するように製剤化され得る。これは、当業者に知られているモデリング及び化学設計の技術によって達成され得る。例えば、エステル化及び他のアルキル化は、例えば、テトラペプチド構造を模倣するためにジアルギニンペプチド骨格のアミノ末端を修飾するように用いられ得る。このような全ての立体的に類似した構築物が本発明の範囲内に入ることが理解されるであろう。N末端及びC末端のアルキル化並びにエステル化を有するペプチドも、本発明の中に包含される。例えば、グルタル酸は、グルタミン酸を模倣する立体的に類似した化合物である。
【0228】
一実施形態では、本開示のGIPペプチド類似体のN末端アミノ酸は、いかなる化学修飾も有していない。置換はGIPRでのアゴニスト作用をもたらし得るので、GIPペプチド類似体のN末端におけるアミノ基が遊離である、すなわち置換されていないことが有利であり得る。
【0229】
存在する場合、脂肪酸又はリンカーの長さを延長すると、アンタゴニスト効力を低下させる可能性があるようである。しかし、同時に13位にAib残基を組み込むと、特に、9、15及び21位の1以上のEと組み合わせるなど、9、15、21及び24位の1以上の位置のEと組み合わせると、一部又は全部の効力の低下を補うようである。
【0230】
脂肪酸分子の結合
一実施形態では、脂肪酸分子は、側鎖アミノアルキル基(-C2nNH)を有する1以上のアミノ酸残基に結合している。
【0231】
一実施形態では、脂肪酸分子は、側鎖アミノ基(NH)を有する1以上のアミノ酸残基に結合している。
【0232】
一実施形態では、脂肪酸分子は、アミノ酸残基のアミノ基(NH)に結合している。
【0233】
一実施形態では、脂肪酸分子は、アミノ酸残基の側鎖アミノ基に結合している。
【0234】
一実施形態では、脂肪酸分子は、リジン残基(Lys、K)のε(イプシロン)側鎖アミノ基に結合している。
【0235】
一実施形態では、脂肪酸分子は、オルニチン残基(Orn)のδ(デルタ)側鎖アミノ基に結合している。
【0236】
一実施形態では、脂肪酸分子が結合したアミノ酸残基は、LysとOrnからなる群から選択される。
【0237】
一実施形態では、脂肪酸分子が結合したアミノ酸残基は、Lysである。
【0238】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XXなどの前記GIPペプチド類似体のOrn残基、又はOrnアミノ酸残基を含む機能的バリアントのデルタアミノ基に結合している。
【0239】
一実施形態では、脂肪酸分子は、配列番号XXなどの前記GIPペプチド類似体、又はその機能的バリアントのK残基のイプシロンアミノ基に結合している。
【0240】
一実施形態では、脂肪酸分子は結合しているアミノ酸残基は、配列番号XXなどの前記GIPペプチド類似体又はそのバリアントの最もN末端のアミノ酸残基などの最もN末端のアミノ酸残基であり、前記脂肪酸は、N末端アミノ酸の側鎖に含まれるアミノ基に結合している。
【0241】
一実施形態では、本開示による脂肪酸分子は、直鎖脂肪酸である。
【0242】
一実施形態では、本開示による脂肪酸分子は、分岐脂肪酸である。
【0243】
一実施形態では、本開示による脂肪酸分子は、1つの脂肪酸を含むモノアシル脂肪酸分子である。モノアシル脂肪酸分子は、カルボキシル基を1つだけ含む脂肪酸分子である。好ましくは、カルボキシル基は、脂肪酸分子の一端に位置する。
【0244】
例えば、GIPペプチドは、式I:
【化17】

に示すように、リンカーを介してモノアシル脂肪酸(ヘキサデカノイルなど)にコンジュゲートされ得る。
【0245】
一実施形態では、本開示による脂肪酸分子は、ジアシル脂肪酸分子である。ジアシル脂肪酸分子は、2つのカルボキシル基を含む脂肪酸分子である。好ましくは、カルボキシル基の一方又は両方は、脂肪酸分子の1つ又は各々の末端に位置する。
【0246】
例えば、GIPペプチドは、式II:
【化18】
に示すように、リンカーを介して「二酸」とも呼ばれる(15-カルボキシペンタデカノイルなどの)ジアシル脂肪酸にコンジュゲートされ得る。
【0247】
一実施形態では、本開示による脂肪酸分子は、2つの脂肪酸を含むジアシル脂肪酸分子である。
【0248】
一実施形態では、本開示による脂肪酸分子は、2つのカルボキシル官能基を含むジアシル脂肪酸分子である。
【0249】
一実施形態では、本開示による脂肪酸分子は、式CH(CHCO-(式中、nは、4~24の整数である)のアシル基を含む。
【0250】
一実施形態では、前記脂肪酸分子は、CH(CHCO-、CH(CHCO-、CH(CH10CO-、CH(CH12CO-、CH(CH14CO-、CH(CH16CO-、CH(CH18CO-、CH(CH20CO-及びCH(CH22CO-からなる群から選択されるアシル基を含む。
【0251】
一実施形態では、前記脂肪酸分子は、CH(CH10CO-(ラウリル、C12)、CH(CH12CO-(ミリストイル、C14)、CH(CH14CO-(パルミトイル、C16)、CH(CH16CO-(ステアリル、C18)、CH(CH18CO-(アラキジル、C20)及びCH(CH20CO-(ベヘニル、C22)からなる群から選択される(モノ)アシル脂肪酸である。
【0252】
一実施形態では、前記脂肪酸分子は、HOOC-CH(CH10CO-(ドデカノイル、C12)、HOOC-CH(CH12CO-(1-テトラデカノイル、C14)、HOOC-CH(CH14CO-(ヘキサデカノイル、C16)、HOOC-CH(CH15CO-(15-カルボキシ-ペンタデカノイル、C17)、HOOC-CH(CH16CO-(オクタデカノイル、C18)、HOOC-CH(CH17CO-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイル、C19)、HOOC-CH(CH18CO-(エイコサノイル、C20)、HOOC-CH(CH19CO-(19-カルボキシ-ノナデカノイル、C21)及びHOOC-CH(CH20CO-(ベヘニル、C22)からなる群から選択される(ジ)アシル脂肪酸である。
【0253】
一実施形態では、前記脂肪酸分子は、CH(CH10CO-(ラウリル、C12)、CH(CH12CO-(ミリストイル、C14)、CH(CH14CO-(パルミトイル、C16)、CH(CH16CO-(ステアリル、C18)、CH(CH18CO-(アラキジル、C20)及びCH(CH20CO-(ベヘニル、C22)からなる群から各々選択される2つの脂肪酸を含む。
【0254】
一実施形態では、前記脂肪酸分子は、式COOH(CHCO-(ジカルボン酸)(式中、nは、4~24の整数である)のアシル基を含む。
【0255】
一実施形態では、前記脂肪酸分子は、COOH(CH14CO-(C16二酸)、COOH(CH16CO-(C18二酸)、COOH(CH18CO-(C20二酸)及びCOOH(CH20CO-(C22二酸)からなる群から選択されるアシル基を含む。
【0256】
一実施形態では、前記脂肪酸分子は、C12、C14、C16、C18、C20及びC22から選択される。
【0257】
一実施形態では、前記脂肪酸分子は、C14二酸、C16二酸、C18二酸、C20二酸及びC22二酸から選択される。
【0258】
一実施形態では、脂肪酸分子は、パルミトイルである。
【0259】
一実施形態では、前記脂肪酸分子は、1,16-ヘキサデカン二酸/ヘキサデカン二酸である。
【0260】
一実施形態では、前記脂肪酸分子は、15-カルボキシペンタデカノイルである。
【0261】
一実施形態では、前記脂肪酸分子は、ステアリルである。
【0262】
一実施形態では、前記脂肪酸分子は、1,18-オクタデカン二酸/オクタデカン二酸である。
【0263】
一実施形態では、前記脂肪酸分子は、17-カルボキシヘプタデカノイルである。
【0264】
一実施形態では、前記脂肪酸分子は、アラキジルである。
【0265】
一実施形態では、前記脂肪酸分子は、1,20-エイコサン酸/エイコサン酸である。
【0266】
一実施形態では、前記脂肪酸分子は、19-カルボキシノナデカノイルである。
【0267】
一実施形態では、前記脂肪酸分子は、ベヘニルである。
【0268】
一実施形態では、前記脂肪酸分子は、1,22-ドコサン酸/ドコサン酸である。
【0269】
一実施形態では、前記脂肪酸分子は、COOH(CH14CO-を含むか、又はからなる。一実施形態では、前記脂肪酸分子は、COOH(CH16CO-を含むか、又はからなる。一実施形態では、前記脂肪酸分子は、COOH(CH18CO-を含むか、又はからなる。
【0270】
脂肪酸分子は、脂肪酸分子のカルボキシル基がアミノ酸残基のアミノ基とアミド結合を形成するようにアミノ酸残基に直接結合していてもよい。
【0271】
リンカーを介した脂肪酸分子の結合
本明細書においてペプチドへの脂肪酸分子の結合は、直接的又は間接的に、すなわちリンカー又はスペーサーを介して生じ得る。
【0272】
一実施形態では、本開示による脂肪酸分子は、アミノ酸残基に直接結合している。
【0273】
一実施形態では、本開示による脂肪酸分子は、アミノ酸残基のα-アミノ基に直接結合しており、前記アミノ酸残基はN末端アミノ酸残基である。
【0274】
一実施形態では、本開示による脂肪酸分子は、Lys残基のイプシロンアミノ基に直接結合している。
【0275】
一実施形態では、本開示による脂肪酸分子は、Orn残基のデルタアミノ基に直接結合している。
【0276】
一実施形態では、本開示による脂肪酸分子は、式III:
【化19】
に示すように、リンカー又はスペーサーを介してアミノ酸残基に結合している。
【0277】
一実施形態では、本開示による脂肪酸分子は、リンカー又はスペーサーを介してLys残基のイプシロンアミノ基に結合している。
【0278】
一実施形態では、本開示による脂肪酸分子は、リンカー又はスペーサーを介してOrn残基のデルタアミノ基に結合している。
【0279】
一実施形態では、脂肪酸分子は、リンカーのアミノ基が脂肪酸分子のカルボキシル基とアミド結合を形成するように、スペーサー(又はリンカー)を用いてアミノ酸残基に結合することができる。
【0280】
一実施形態では、リンカーは、α,ω-アミノ酸である。適切なリンカーの例は、コハク酸、Lys、Glu又はAsp、又はGly-Lysなどのジペプチドである。リンカーがコハク酸である場合、その1つのカルボキシル基はアミノ酸残基のアミノ基とアミド結合を形成し、その他のカルボキシル基は脂肪酸分子のアミノ基とアミド結合を形成し得る。リンカーがLys、Glu又はAspである場合、そのカルボキシル基はアミノ酸残基のアミノ基とアミド結合を形成し、そのアミノ基は脂肪酸分子のカルボキシル基とアミド結合を形成し得る。Lysがリンカーとして使用される場合、場合によっては、Lysのεアミノ基と脂肪酸分子の間にさらなるリンカーが挿入され得る。一実施形態で、このようなさらなるリンカーは、Lysのεアミノ基と脂肪酸分子内に存在するアミノ基とがアミド結合を形成するコハク酸である。他のリンカーは、Nε-(γ-L-グルタミル)、Nε-(β-L-アスパラギル)、Nε-グリシル、及びNε-(α-(γ-アミノブタノイル)である。
【0281】
一実施形態では、リンカーは、
a.α-アミノ酸、γ-アミノ酸又はω-アミノ酸、
b.コハク酸、Lys、Glu、Aspからなる群から選択される1以上のアミノ酸、
c.γ-アミノブタノイル(γ-アミノ酪酸)、γ-Glu(γ-グルタミン酸)、β-Asp(β-アスパラギル)、β-Ala(β-アラニル)及びGlyのうちの1以上、及び
d.[8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸](AEEAc)(式中、nは、1~4、1~3又は1~2の整数などの1~50の整数である)
からなる群から個々に選択される1以上の部分を含む。
【0282】
一実施形態では、リンカーは親水性リンカーである。一実施形態では、リンカーは非天然アミノ酸親水性リンカーである。
【0283】
一実施形態では、リンカーは、γ-アミノブタノイル(γ-アミノ酪酸)、γ-グルタミル(γ-グルタミン酸)、β-アスパラギル、β-アラニル及びグリシルからなる群から選択される。一実施形態では、リンカーは、γ-アミノブタノイル(γ-アミノ酪酸)、γ-グルタミル(γ-グルタミン酸)、β-アスパラギル、β-アラニル及びグリシルのうちの1以上を含む。
【0284】
一実施形態では、リンカーは、個々のリンカー部分の繰り返しである。一実施形態では、リンカーは同一のリンカー部分の繰り返しである。一実施形態では、リンカーは異なるリンカー部分の繰り返しである。
【0285】
一実施形態では、リンカーはγ-グルタミン酸である。
【0286】
一実施形態では、リンカーは、γ-グルタミン酸-8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(γ-Glu)-(AEEAc)、又はその繰り返しである。
【0287】
一実施形態では、リンカーは、γ-グルタミン酸-8-アミノ-3、6-ジオキサオクタン酸(γ-Glu)-(AEEAc)の1以上の繰り返しを含む。
【0288】
本明細書に開示されるリンカーの例は、リンカーの端のいずれか1つを介してGIPペプチド類似体のアミノ酸残基に結合することができるようなものである。そのため、例えば、リンカーが、γ-グルタミン酸-8-アミノ-3、6-ジオキサオクタン酸(γ-Glu)-(AEEAc)の1以上の繰り返しを含む場合、前記リンカーは、γ-Gluを介して、又はAEEAcを介して、GIPペプチド類似体のアミノ酸残基に結合することができる。
【0289】
一実施形態では、リンカーは、[γ-グルタミン酸]-[8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸](γ-Glu)-(AEEAc)であり、式中、nは1~50の整数である。
【0290】
一実施形態では、リンカーは、[γ-グルタミン酸]-[8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸](γ-Glu)-(AEEAc)であり、nは、1~2、2~3、3~4、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、11~12、12~13、13~14、14~15、15~20、20~25、25~30、30~35、35~40、40~45、45~50の整数などの1~50の整数である。
【0291】
一実施形態では、リンカーは、[γ-グルタミン酸]-[8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸](γ-Glu)-(AEEAc)であり、式中、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49及び50からなる群から選択される整数である。
【0292】
一実施形態では、リンカーは、[8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸](AEEAc)であり、式中、nは、1~2、2~3、3~4、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、11~12、12~13、13~14、14~15、15~20、20~25、25~30、30~35、35~40、40~45、45~50の整数などの1~50の整数である。
【0293】
一実施形態では、リンカーは、[8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸](AEEAc)であり、式中、nは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49及び50からなる群から選択される整数である。
【0294】
一実施形態では、リンカーは、[8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸](AEEAc)であり、式中、nは、1、2、3からなる群から選択される整数である。
【0295】
一実施形態では、リンカーは、[γ-グルタミン酸]-[8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸](γ-Glu)-AEEAc)であり、式中、nは1、2、3からなる群から選択される整数である。
【0296】
一実施形態では、リンカーは、[γ-グルタミン酸]-[8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸](γ-Glu)-AEEAc又は[8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸]-[γ-グルタミン酸](AEEAc-γ-Glu)である。例えば、GIPペプチドは、式IV:
【化20】
に示されるように、[γ-グルタミン酸]-[8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸]を介して、脂肪酸(例えば、式IV中のC16又はパルミチン酸/パルミトイル、しかし、任意の他の脂肪酸を使用してもよい)にコンジュゲートされ得る。式IV:式は、立体化学を描写せず、通常、特に指定しない限り、天然のL型が使用される。
【0297】
例えば、GIPペプチドは、式V:
【化21】
に示されるように、[8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸]-[γ-グルタミン酸]を介して、脂肪酸(例えば、式IV中のC16又はパルミチン酸/パルミトイル、しかし、任意の他の脂肪酸を使用してもよい)にコンジュゲートされ得る。式V:式は、立体化学を描写せず、通常、特に指定しない限り、天然のL型が使用される。
【0298】
一実施形態では、リンカーは、[γ-グルタミン酸]-[8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸](γ-Glu)-(AEEAc)である。例えば、リンカーは、yGlu-AEEAc-AEEAc-又はAEEAc-yGlu-AEEAc-又はAEEAc-AEEAc-yGlu-を含むか、又はそれからなり得る。
【0299】
一実施形態では、リンカーは、[γ-グルタミン酸]-[8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸](γ-Glu)-(AEEAc)である。例えば、リンカーは、yGlu-AEEAc-AEEAc-AEEAc-又はAEEAc-yGlu-AEEAc-AEEAc-又はAEEAc-AEEAc-yGlu-AEEAc-又はAEEAc-AEEAc-AEEAc-yGlu-を含むか、又はそれからなり得る。
【0300】
本明細書に提供されるように、1つのγ-グルタミン酸及び1、2又は3個の8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸部分を含むか又はそれからなるリンカーは、γ-Gluを介して又はAEEAcを介して、GIPペプチド類似体のアミノ酸残基に結合することができる。
【0301】
一実施形態では、リンカーは、Cys以外のアミノ酸残基である。一実施形態では、リンカーは4-Abuである。一実施形態では、リンカーは、y-アミノ酪酸である。
【0302】
別の実施形態では、リンカーはジペプチド、例えば、C末端アミノ酸残基がLys、His又はTrp、好ましくはLysであり、かつN末端アミノ酸残基がAla、Arg、Asp、Asn、Gly、Glu、Gln、Ile、Leu、Val、Phe及びProを含む群から選択されるジペプチドである。一実施形態では、ジペプチドリンカーはGly-Lysである。
【0303】
一実施形態では、リンカーは、γ-アミノブタノイル(γ-アミノ酪酸)、γ-グルタミル(γ-グルタミン酸)、β-アスパラギル、β-アラニル及びグリシルからなる群から選択される1以上の部分を含む。一実施形態では、リンカーは、γ-アミノブタノイル(γ-アミノ酪酸)、γ-グルタミル(γ-グルタミン酸)、β-アスパラギル、β-アラニル、グリシル、γ-グルタミン酸-8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(γ-Glu-AEEAc、式中、nは1~50の整数である)、Cys、4-Abu、y-アミノ酪酸及びジペプチドを除くアミノ酸残基のうちの1以上を含む。
【0304】
別の実施形態では、リンカーは、1~7個のメチレン基、好ましくは2個のメチレン基を有する未分岐のアルカンα,ω-ジカルボン酸基であり、リンカーは、親ペプチドのアミノ基と脂肪酸分子のアミノ基との間に架橋を形成する。
【0305】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体は脂肪酸を含み、該脂肪酸分子は、リンカーと脂肪酸の組み合わせが、
i.ヘキサデカノイル-γ-Glu-
ii.ヘキサデカノイル-γ-Glu-γ-Glu-
iii.ヘキサデカノイル-γ-Glu-AEEAc-
iv.ヘキサデカノイル-γ-Glu-AEEAc-AEEAc-
v.ヘキサデカノイル-γ-Glu-AEEAc-AEEAc-AEEAc-
vi.[15-カルボキシペンタデカノイル]-γ-Glu-
vii.[15-カルボキシペンタデカノイル]-γ-Glu-γ-Glu-
viii.[15-カルボキシペンタデカノイル]-γ-Glu-AEEAc-
ix.[15-カルボキシペンタデカノイル]-γ-Glu-AEEAc-AEEAc-
x.[15-カルボキシペンタデカノイル]-γ-Glu-AEEAc-AEEAc-AEEAc-
xi.オクタデカノイル-γ-Glu-
xii.オクタデカノイル-γ-Glu-γ-Glu-
xiii.オクタデカノイル-γ-Glu-AEEAc-
xiv.オクタデカノイル-γ-Glu-AEEAc-AEEAc-
xv.オクタデカノイル-γ-Glu-AEEAc-AEEAc-AEEAc-
xvi.[17-カルボキシヘプタデカノイル]-γ-Glu-
xvii.[17-カルボキシヘプタデカノイル]-γ-Glu-γ-Glu-
xviii.[17-カルボキシヘプタデカノイル]-γ-Glu-AEEAc-
xix.[17-カルボキシヘプタデカノイル]-γ-Glu-AEEAc-AEEAc-
xx.[17-カルボキシヘプタデカノイル]-γ-Glu-AEEAc-AEEAc-AEEAc-
xxi.エイコサノイル-γ-Glu-
xxii.エイコサノイル-γ-Glu-γ-Glu-
xxiii.エイコサノイル-γ-Glu-AEEAc-
xxiv.エイコサノイル-γ-Glu-AEEAc-AEEAc-
xxv.エイコサノイル-γ-Glu-AEEAc-AEEAc-AEEAc-
xxvi.[19-カルボキシノナデカノイル]-γ-Glu-
xxvii.[19-カルボキシノナデカノイル]-γ-Glu-γ-Glu-
xxviii.[19-カルボキシノナデカノイル]-γ-Glu-AEEAc-
xxix.[19-カルボキシノナデカノイル]-γ-Glu-AEEAc-AEEAc-
xxx.[19-カルボキシノナデカノイル]-γ-Glu-AEEAc-AEEAc-AEEAc-
からなる群から選択されるように、リンカーを介してアミノ酸残基に結合される。
【0306】
一実施形態では、本明細書に開示されるGIPペプチド類似体は脂肪酸を含み、該脂肪酸分子は、リンカーと脂肪酸の組み合わせが、
i.[15-カルボキシペンタデカノイル-γGlu
ii.[17-カルボキシヘプタデカノイル-γGlu-AEEAc-AEEAc-、及び
iii.[17-カルボキシヘプタデカノイル-yGlu-yGlu
からなる群から選択されるように、リンカーを介してアミノ酸残基に結合される。
【0307】
脂肪酸を有するGIPペプチド
一実施形態では、本明細書に定義されるGIP類似体は、
【化22】
又はその機能的バリアントからなる群から選択され、前記脂肪酸は、直接結合されるか、又は本明細書で定義されるリンカー/スペーサーを介して結合される。
【0308】
C16は脂肪酸CH(CH14CO-(パルミトイル)で、C18は脂肪酸CH(CH16CO-(ステアリル)ということになる。接尾辞「-二酸」は、脂肪酸分子がジアシル脂肪酸分子であることを意味する。そのような接尾辞は、モノアシル脂肪酸分子を指さない。
【0309】
C20は脂肪酸CH(CH18CO-(アラキジル)ということになる。接尾辞「-二酸」は、脂肪酸分子がジアシル脂肪酸分子であることを意味する。そのような接尾辞は、モノアシル脂肪酸分子を指さない。
【0310】
C22は脂肪酸CH(CH20CO-(ベヘニル)ということになる。接尾辞「-二酸」は、脂肪酸分子がジアシル脂肪酸分子であることを意味する。そのような接尾辞は、モノアシル脂肪酸分子を指さない。
【0311】
一実施形態では、本明細書に定義されるGIP類似体は、
【化23】
又はその機能的バリアントからなる群から選択される。
【0312】
一実施形態では、GIP類似体は、
【化24】
又はその機能的バリアントからなる群から選択され、
前記脂肪酸は、直接結合されるか、又は本明細書で定義されるリンカー/スペーサーを介して結合される。
【0313】
化合物
さらなる態様は、本明細書で定義されるペプチドを含むか、又はそれからなる化合物を提供することである。一実施形態では、前記化合物はペプチド単量体(すなわち、ペプチドの1コピーを含む)として製剤化されるが、別の実施形態では、前記化合物はペプチド多量体として製剤化される。
【0314】
多量体化合物
一実施形態では、本開示によるペプチドは多量体として製剤化される。多量体は、複数のペプチドモノマーを含むか、又はそれからなるタンパク質である。多量体は、通常、非共有結合と一緒に保持される複数の分子の集合体である。この定義は、共有結合で共に保持される一連のモノマーであるポリマーと多量体を区別する。
【0315】
本開示のペプチド配列は、一実施形態では、化学結合によって又はリンカー基を介して本開示の別の(同一又は非同一の)ペプチド配列に連結される。いくつかの実施形態では、開示のペプチドは、モノマーのオリゴマー又は多量体として製剤化され、各モノマーは、本開示に従って定義されるペプチド配列である。
【0316】
そのため、本開示によると、多量体化合物は、一実施形態では、開示の2以上のペプチド配列を含むポリマーであり、前記ペプチド配列が同一又は非同一であり、2以上のペプチド配列のうちの少なくとも1つが本開示によるペプチドである。好ましくは、両方のペプチド配列は、本開示によるペプチドである。
【0317】
一実施形態では、多量体化合物は二量体であり、本開示による2つのペプチドを含み、前記2つのペプチドは互いに対して同一又は非同一である。
【0318】
別の実施形態では、多量体化合物は三量体であり、本開示による3つのペプチドを含み、前記ペプチドは互いに対して同一又は非同一である。
【0319】
別の実施形態では、多量体化合物は四量体であり、本開示による4つのペプチドを含み、前記ペプチドは互いに対して同一又は非同一である。
【0320】
一実施形態では、多量体化合物は、四量体又は八量体デンドリマーなどのデンドリマーである。デンドリマーは繰り返し分岐し、大まかに球状の大きな分子であり、典型的には、コアの周りで対称であり、しばしば球形の3次元形態をとる。
【0321】
本開示によるデンドリマーは、4個のペプチド、8個のペプチド、16個のペプチド、又は32個のペプチドを含んでよい。1つの特定の実施形態では、前記デンドリマーは、4つのペプチド(すなわち四量体デンドリマー)又は8個のペプチド(八量体デンドリマー)を含む。
【0322】
いくつかの特定の実施形態では、多量体化合物は、本発明の2つの同一アミノ酸配列(二量体)を含むか、又は化合物が、本開示のアミノ酸配列の4つの同一コピー(四量体デンドリマー)を含む。
【0323】
本開示による多量体は、一実施形態では、ペプチド結合又はリンカー基を介して2以上のペプチドモノマーを連結することによってなされる。一実施形態では、それらは、リジン残基(各ペプチド鎖は単一リジン残基に連結されている)などのリジン骨格に連結されるか、又はポリマー担体、例えば、タンパク質担体に結合される。前記リンカー基は、一実施形態では、3、7、15個以上のリジン残基を含むリジン系デンドリマー構造に見られるような複数のリジン残基を有するコア部分などの複数のリジン残基を含むが、当業者に知られるペプチドモノマーの任意の他の連結が想定され得る。
【0324】
一実施形態では、連結は、ペプチドモノマーのN末端及び/又はC末端で生じる。
【0325】
一実施形態では、
A)
-アミノ酸配列の配列番号XX:
【化25】
(式中、X及びXは、個々に任意のアミノ酸であるか、又は除去される)
又はその機能的バリアントからなるグルコース依存性インスリン分泌性ペプチド(GIP)類似体であって、前記バリアントは、配列番号XXの任意のアミノ酸において1~7、1~4個などの個々のアミノ酸置換を有し、前記ペプチドは、配列番号XX又はその前記機能的バリアントの3~29位の1以上のアミノ酸残基に少なくとも1つの脂肪酸分子を結合させることによって修飾され、
Zは、GIP(31-42)(GKKNDWKHNITQ;配列番号Z)の1以上のアミノ酸残基又はエキセンディン-4(HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGPSSGAPPPS;配列番号E)の1以上のアミノ酸残基を含むペプチドである)グルコース依存性インスリン分泌性ペプチド(GIP)類似体;並びに
-配列番号hGIP(3-30):
【化26】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、
配列番号hGIP(5-30):
【化27】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、及び
配列番号hGIP(6-30):
【化28】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、
又はその機能的バリアントからなる群から選択されるグルコース依存性インスリン分泌性ペプチド(GIP)類似体であって、前記バリアントは、配列番号hGIP(5-30)及び配列番号hGIP(6-30)のいずれか1つに1~4個の個々のアミノ酸置換を有し、
前記ペプチドは、リンカーの有無にかかわらず、配列番号及び配列番号のいずれか1つ、又は配列番号hGIP(5-30)及び配列番号hGIP(6-30)のいずれか1つに1~4個のアミノ酸置換を含むその機能的バリアントの4~29位の1以上のアミノ酸残基に少なくとも1つの脂肪酸分子を結合させることによって修飾され、
Zは、
a.グリシン又はプロリン、
b.GP、GPS、GPSS、GPSSG、GPSSGA、GPSSGAP、GPSSGAPP、GPSSGAPPP及びGPSSGAPPPSからなる群から選択される断片、
b1.PS、PSS、PSSG、PSSGA、PSSGAP、PSSGAPP、PSSGAPPP及びPSSGAPPPSからなる群から選択される断片、
c.GK、GKK、GKKN、GKKND、GKKNDW、GRKNDW、GKRNDW、GRRNDW、GKKNDWK、GKKNDWKH、GKKNDWKHN、GKKNDWKHNI、GKKNDWKHNIT及びGKKNDWKHNITQからなる群から選択される断片、又は
d.GPSSGA、GPSSGAP、GPSSGAPP、GPSSGAPPP、GPSSGAPPPS、GKKNDW、GRKNDW、GKRNDW、GRRNDW、GKKNDWK、GKKNDWKH、GKKNDWKHN、GKKNDWKHNI、GKKNDWKHNIT及びGKKNDWKHNITQからなる群から選択される断片又はアミノ酸残基のいずれか1つに1若しくは2個の個々のアミノ酸置換を含むそのバリアント、又は
e.PSSG、PSSGA、PSSGAP、PSSGAPP、PSSGAPPP及びPSSGAPPPS、又はアミノ酸残基のいずれか1つに1若しくは2個の個々のアミノ酸置換を含むそのバリアントからなる群から選択される断片、
からなる群から選択されるグルコース依存性インスリン分泌性ペプチド(GIP)類似体;
B)必要に応じて、1以上のリンカー基
からなる多量体化合物が提供される。
【0326】
アンタゴニストの特性と親和性の決定
ペプチドがGIPRのアンタゴニストであるかどうかを判定するために、例えば、ペプチドのIC50を決定することによる、当技術分野で知られている方法が採用され得る。これは、用量応答曲線を構築し、アゴニスト活性の逆転に対する異なる濃度のペプチドの影響を調べることによって行うことができる。アゴニストは、GIP1-42、例えば、hGIP-1-42又はhGIP1-30であり得る。GIPRは、hGIPR、rGIPR、mGIPR、イヌGIPR、ブタGIPR又はアカゲザルGIPRであり得る。IC50値は、所与のアンタゴニストについて、アゴニストの最大生物学的応答の半分を阻害するのに必要な濃度を決定することによって計算することができる。ペプチドがアンタゴニストであるかどうかを判定する方法は、実施例4に記載されているが、当技術分野で知られている他の方法も使用され得る。例えば、漸増濃度のGIP由来ペプチドでのhGIP1-42 cAMP線量応答曲線に対してシルドプロット分析を行うことができる。このようにして、アンタゴニスト活性の種類も決定され得る。
【0327】
本開示のGIPペプチド類似体は、GIPRに対してアンタゴニスト活性を有することを特徴とする。特に、本開示のGIPペプチド類似体は、GIPペプチドのコア(GIPの残基3~29)における脂肪酸の存在に及びGIPペプチドのC末端での延長の存在に大きく起因して、GIPRの強力なアンタゴニストである。
【0328】
一実施形態では、本開示のGIPペプチド類似体はGIPRのアンタゴニストである。
【0329】
一実施形態では、本開示のGIPペプチド類似体は、阻害が可能である場合、「材料及び方法」に記載のCisBio cAMPアッセイ及び/又はDiscoveRx cAMPアッセイなどによる細胞内cAMPの減少を決定するアッセイによって測定した時に、少なくとも70%、少なくとも75%など、少なくとも80%など、少なくとも85%など、少なくとも90%など、少なくとも95%など、約100%などのGIPR活性を阻害する。
【0330】
一実施形態では、本開示のGIPペプチド類似体は、例えば、「材料及び方法」に記載のCisBio cAMPアッセイ及び/又はDiscoveRx cAMPアッセイなどによる細胞内cAMPの減少を決定するアッセイによって、GIPR活性の阻害を細胞内cAMPの減少として決定する場合、少なくとも80%、少なくとも85%など、少なくとも90%など、少なくとも95%など、約100%などのGIPR活性を阻害する。%阻害は、Emaxの阻害の%であり、これはペプチドが85%のEmaxを阻害する場合、GIPRの残りの活性が15%あることを意味する。
【0331】
一実施形態では、本開示のGIPペプチド類似体は、50nM以下、45nM以下、40nM以下、35nM以下、30nM以下、25nM以下、20nM以下、15nM以下、10nM以下、5nM以下、1~5nMなどのIC50に相当するGIPRアンタゴニスト活性を有し、アンタゴニスト活性(「効力」とも呼ばれる)は、「材料及び方法」に記載のCisBio cAMPアッセイ及び/又はDiscoveRx cAMPアッセイなどによる細胞内cAMPの減少を決定するアッセイによって測定される。
【0332】
GIPペプチド類似体などの化合物のアンタゴニスト活性を決定する方法は、当業者に知られている。GIPペプチド類似体などの化合物のアンタゴニスト活性を決定するために使用できる例示的な方法は、本明細書の「実施例」に見い出すことができ、例えば、それらの方法は、細胞内cAMPを測定し、GIPペプチド類似体を用いる細胞の処理から生じる細胞内cAMPの減少を決定することを含む。
【0333】
本開示のGIPペプチド類似体はまた、GIPRに対してアゴニスト活性が低いか又は全くないことも特徴とする。20%以下、好ましくは10%以下、さらにより好ましくは5%以下のアゴニスト活性などのGIPRに対するアゴニスト活性が低いか又は全くないGIPペプチド類似体は、「サイレントアンタゴニスト」とも呼ばれる。
【0334】
一実施形態では、本開示のGIPペプチド類似体は、最大でも30%、最大でも25%など、最大でも20%など、最大でも15%など、最大でも10%など、最大でも5%などのGIPR活性を刺激することができ、一実施形態では、本開示のGIPペプチド類似体は、GIPRに対するアゴニスト活性がない、すなわち、約0%のGIPR活性を刺激する。
【0335】
「材料及び方法」に記載されているように、GIPRに対するGIPペプチド類似体のアゴニスト活性は、アンタゴニスト活性と同じ方法で決定することができるが、減少の代わりに、細胞内cAMPの増加が測定される。
【0336】
治療方法
また、一態様は、医薬として使用するための、本明細書で定義されるペプチド、又は該ペプチドを含む組成物を提供することである。
【0337】
一実施形態では、医薬品として使用するための、アミノ酸配列の配列番号XX:
【化29】
(式中、X及びXは、個々に任意のアミノ酸であるか、又は除去される)
又はその機能的バリアントからなるグルコース依存性インスリン分泌性ペプチド(GIP)類似体が提供され、前記バリアントは、配列番号XXの任意のアミノ酸に1~8、1~4個などの個々のアミノ酸置換を有し、
前記ペプチドは、配列番号XX又はその前記機能的バリアントの3~29位の1以上のアミノ酸残基に少なくとも1つの脂肪酸分子を結合させることによって修飾され、
Zは、GIP(31-42)(GKKNDWKHNITQ;配列番号Z)の1以上のアミノ酸残基又はエキセンディン-4(HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGPSSGAPPPS:配列番号E)の1以上のアミノ酸残基を含むペプチドである。
【0338】
一実施形態では、医薬として使用するための、
配列番号hGIP(3-30):
【化30】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、
配列番号hGIP(5-30):
【化31】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、
配列番号hGIP(6-30):
【化32】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、
又はその機能的バリアントからなる群から選択されるGIP類似体が提供され、
前記バリアントは、配列番号hGIP(3-30)、配列番号hGIP(5-30)及び配列番号hGIP(6-30)のアミノ酸残基のいずれか1つに1~4個の個々のアミノ酸置換を有し、
前記ペプチドは、配列番号hGIP(3-30)、配列番号hGIP(5-30)及び配列番号hGIP(6-30)のいずれか1つ、又はリンカーの有無にかかわらず、配列番号hGIP(3-30)、配列番号hGIP(5-30)及び配列番号hGIP(6-30)のアミノ酸残基のいずれか1つに1~4個のアミノ酸置換を含むその機能的バリアントの6~29位の1以上のアミノ酸残基に少なくとも1つの脂肪酸分子を結合させることによって修飾され、
Zは、グリシン又はプロリン、
GP、GPS、GPSS、GPSSG、GPSSGA、GPSSGAP、GPSSGAPP、GPSSGAPPP及びGPSSGAPPPSからなる群から選択される断片、
PS、PSS、PSSG、PSSGA、PSSGAP、PSSGAPP、PSSGAPPP及びPSSGAPPPSからなる群から選択される断片、
GK、GKK、GKKN、GKKND、GKKNDW、GRKNDW、GKRNDW、GRRNDW、GKKNDWK、GKKNDWKH、GKKNDWKHN、GKKNDWKHNI、GKKNDWKHNIT及びGKKNDWKHNITQからなる群から選択される断片、又は、
GPSSGA、GPSSGAP、GPSSGAPP、GPSSGAPPP、GPSSGAPPPS、GKKNDW、GRKNDW、GKRNDW、GRRNDW、GKKNDWK、GKKNDWKH、GKKNDWKHN、GKKNDWKHNI、GKKNDWKHNIT及びGKKNDWKHNITQ、又は該アミノ酸残基のいずれか1つに1若しくは2個の個々のアミノ酸置換を含むそのバリアントからなる群から選択される断片、又は
PSSG、PSSGA、PSSGAP、PSSGAPP、PSSGAPPP及びPSSGAPPPS、又は該アミノ酸残基のいずれか1つに1若しくは2個の個々のアミノ酸置換を含むそのバリアントからなる群から選択される断片、
である。
【0339】
一実施形態では、i)GIP誘導性グルカゴン分泌、ii)GIP誘導性インスリン分泌、iii)GIP誘導性ソマトスタチン分泌、iv)GIP誘導性グルコース取り込み、v)GIP誘導性脂肪酸合成及び/又は脂肪酸組み込み、vi)高い若しくは増加したGIPRの発現又は活性、vii)食後GIP放出、viii)遊離脂肪酸及び/又はトリグリセリドの血清レベル、ix)GIP誘導性食欲増加、x)エネルギー支出のGIP誘導性減少、xi)腸からの栄養素の吸収のGIP誘導性増加、xii)GLP-1の食欲抑制効果のGIP誘導性減少、xiii)GIP誘導性レプチン耐性のうちの1以上を阻害又は低下させる方法で使用するための、アミノ酸配列の配列番号XX:
【化33】
(式中、X及びXは、個々に任意のアミノ酸であるか、又は除去される)
又はその機能的バリアントからなるグルコース依存性インスリン分泌性ペプチド(GIP)類似体が提供され、
前記バリアントは、配列番号XXの任意のアミノ酸で1~8、1~4個などの個々のアミノ酸置換を有し、
前記ペプチドは、配列番号XX又はその前記機能的バリアントの3~29位の1以上のアミノ酸残基に少なくとも1つの脂肪酸分子を結合させることによって修飾され、
Zは、GIP(31-42)(GKKNDWKHNITQ;配列番号Z)の1以上のアミノ酸残基又はエキセンディン-4(HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGPSSGAPPPS;配列番号E)の1以上のアミノ酸残基を含むペプチドである。
【0340】
一実施形態では、i)GIP誘導性グルカゴン分泌、ii)GIP誘導性インスリン分泌、iii)GIP誘導性ソマトスタチン分泌、iv)GIP誘導性グルコース取り込み、v)GIP誘導性脂肪酸合成及び/又は脂肪酸組み込み、vi)高い若しくは増加したGIPRの発現又は活性、vii)食後GIP放出、viii)遊離脂肪酸及び/又はトリグリセリドの血清レベル、ix)GIP誘導性骨吸収の低下のうちの1以上を阻害又は低下させる方法で使用するための、
配列番号hGIP(3-30):
【化34】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、
配列番号hGIP(5-30):
【化35】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、
配列番号hGIP(6-30):
【化36】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、
又はその機能的バリアントからなる群から選択されるGIP類似体が提供され、
前記バリアントは、配列番号hGIP(3-30)、配列番号hGIP(5-30)及び配列番号hGIP(6-30)のアミノ酸残基のいずれか1つに1~4個の個々のアミノ酸置換を有し、
前記ペプチドは、配列番号hGIP(3-30)、配列番号hGIP(5-30)及び配列番号hGIP(6-30)のいずれか1つ、又はリンカーの有無にかかわらず、配列番号hGIP(3-30)、配列番号hGIP(5-30)及び配列番号hGIP(6-30)のアミノ酸残基のいずれか1つに1~4個のアミノ酸置換を含むその機能的バリアントの6~29位の1以上のアミノ酸残基に少なくとも1つの脂肪酸分子を結合させることによって修飾され、
Zは、
グリシン又はプロリン、
GP、GPS、GPSS、GPSSG、GPSSGA、GPSSGAP、GPSSGAPP、GPSSGAPPP及びGPSSGAPPPSからなる群から選択される断片、
PS、PSS、PSSG、PSSGA、PSSGAP、PSSGAPP、PSSGAPPP及びPSSGAPPPSからなる群から選択される断片、
GK、GKK、GKKN、GKKND、GKKNDW、GRKNDW、GKRNDW、GRRNDW、GKKNDWK、GKKNDWKH、GKKNDWKHN、GKKNDWKHNI、GKKNDWKHNIT及びGKKNDWKHNITQからなる群から選択される断片、又は、
GPSSGA、GPSSGAP、GPSSGAPP、GPSSGAPPP、GPSSGAPPPS、GKKNDW、GRKNDW、GKRNDW、GRRNDW、GKKNDWK、GKKNDWKH、GKKNDWKHN、GKKNDWKHNI、GKKNDWKHNIT及びGKKNDWKHNITQ、又は該アミノ酸残基のいずれか1つに1若しくは2個の個々のアミノ酸置換を含むそのバリアントからなる群から選択される断片、又は
PSSG、PSSGA、PSSGAP、PSSGAPP、PSSGAPPP及びPSSGAPPPS、又は該アミノ酸残基のいずれか1つに1若しくは2個の個々のアミノ酸置換を含むそのバリアントからなる群から選択される断片、
である。
【0341】
一実施形態では、メタボリックシンドローム、肥満、糖尿病前症、I型糖尿病、2型糖尿病、インスリン抵抗性、空腹時グルコースの上昇、高血糖、空腹時血清トリグリセリドレベルの上昇、低レベルの超低密度リポタンパク質(VLDL)、低レベルの高密度リポタンパク質(HDL)、脂質異常血症、低密度リポタンパク質(LDL)の増加/減少、高コレステロールレベル、異常な脂質沈着、心血管疾患、血圧上昇及びアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される病態を治療する方法で使用するための、
アミノ酸配列の配列番号XX:
【化37】
(式中、X及びXは、個々に任意のアミノ酸であるか、又は除去される)
又はその機能的バリアントからなるグルコース依存性インスリン分泌性ペプチド(GIP)類似体が提供され、
前記バリアントは、配列番号XXの任意のアミノ酸で1~8、1~4個などの個々のアミノ酸置換を有し、
前記ペプチドは、配列番号XX又はその前記機能的バリアントの3~29位の1以上のアミノ酸残基に少なくとも1つの脂肪酸分子を結合させることによって修飾され
Zは、GIP(31-42)(GKKNDWKHNITQ;配列番号Z)の1以上のアミノ酸残基又はエキセンディン-4(HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGPSSGAPPPS;配列番号E)の1以上のアミノ酸残基を含むペプチドである。
【0342】
一実施形態では、メタボリックシンドローム、肥満、過体重、肥満関連障害、糖尿病前症、I型糖尿病、2型糖尿病、糖尿病関連障害、インスリン抵抗性、空腹時グルコースの上昇、高血糖、空腹時血清トリグリセリドレベルの上昇、低レベルの超低密度リポタンパク質(VLDL)、低レベルの高密度リポタンパク質(HDL)、脂質異常血症、低密度リポタンパク質(LDL)の増加/減少、高コレステロールレベル、異常な脂質沈着、心血管疾患、血圧上昇及びアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される病態を治療する方法で使用するための、
配列番号hGIP(3-30):
【化38】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、
配列番号hGIP(5-30):
【化39】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、
配列番号hGIP(6-30):
【化40】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、
又はその機能的バリアントからなる群から選択されるGIP類似体が提供され、
前記バリアントは、配列番号hGIP(3-30)、配列番号hGIP(5-30)及び配列番号hGIP(6-30)のアミノ酸残基のいずれか1つに1~4個の個々のアミノ酸置換を有し、
前記ペプチドは、配列番号hGIP(3-30)、配列番号hGIP(5-30)及び配列番号hGIP(6-30)のいずれか1つ、又はリンカーの有無にかかわらず、配列番号hGIP(3-30)、配列番号hGIP(5-30)及び配列番号hGIP(6-30)のアミノ酸残基のいずれか1つに1~4個のアミノ酸置換を含むその機能的バリアントの6~29位の1以上のアミノ酸残基に少なくとも1つの脂肪酸分子を結合させることによって修飾され、
Zは、グリシン又はプロリン、
GP、GPS、GPSS、GPSSG、GPSSGA、GPSSGAP、GPSSGAPP、GPSSGAPPP及びGPSSGAPPPSからなる群から選択される断片、
PS、PSS、PSSG、PSSGA、PSSGAP、PSSGAPP、PSSGAPPP及びPSSGAPPPSからなる群から選択される断片、
GK、GKK、GKKN、GKKND、GKKNDW、GRKNDW、GKRNDW、GRRNDW、GKKNDWK、GKKNDWKH、GKKNDWKHN、GKKNDWKHNI、GKKNDWKHNIT及びGKKNDWKHNITQからなる群から選択される断片、又は、
GPSSGA、GPSSGAP、GPSSGAPP、GPSSGAPPP、GPSSGAPPPS、GKKNDW、GRKNDW、GKRNDW、GRRNDW、GKKNDWK、GKKNDWKH、GKKNDWKHN、GKKNDWKHNI、GKKNDWKHNIT及びGKKNDWKHNITQ、又は該アミノ酸残基のいずれか1つに1若しくは2個の個々のアミノ酸置換を含むそのバリアントからなる群から選択される断片、又は
PSSG、PSSGA、PSSGAP、PSSGAPP、PSSGAPPP及びPSSGAPPPS、又は該アミノ酸残基のいずれか1つに1若しくは2個の個々のアミノ酸置換を含むそのバリアントからなる群から選択される断片、
である。
【0343】
一実施形態では、体重減少を誘導する方法で使用するための、
アミノ酸配列の配列番号XX:
【化41】
(式中、X及びXは、個々に任意のアミノ酸であるか、又は除去される)
又はその機能的バリアントからなるグルコース依存性インスリン分泌性ペプチド(GIP)類似体が提供され、
前記バリアントは、配列番号XXの任意のアミノ酸で1~8、1~4個などの個々のアミノ酸置換を有し、
前記ペプチドは、配列番号XX又はその前記機能的バリアントの3~29位の1以上のアミノ酸残基に少なくとも1つの脂肪酸分子を結合させることによって修飾され、
Zは、GIP(31-42)(GKKNDWKHNITQ;配列番号Z)の1以上のアミノ酸残基又はエキセンディン-4(HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGPSSGAPPPS;配列番号E)の1以上のアミノ酸残基を含むペプチドである。
【0344】
一実施形態では、体重減少を誘導する方法で使用するための、
配列番号hGIP(3-30):
【化42】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、
配列番号hGIP(5-30):
【化43】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、
配列番号hGIP(6-30):
【化44】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、
又はその機能的バリアントからなる群から選択されるGIP類似体が提供され、
前記バリアントは、配列番号hGIP(3-30)、配列番号hGIP(5-30)及び配列番号hGIP(6-30)のアミノ酸残基のいずれか1つに1~4個の個々のアミノ酸置換を有し、
前記ペプチドは、配列番号hGIP(3-30)、配列番号hGIP(5-30)及び配列番号hGIP(6-30)のいずれか1つ、又はリンカーの有無にかかわらず、配列番号hGIP(3-30)、配列番号hGIP(5-30)及び配列番号hGIP(6-30)のアミノ酸残基のいずれか1つに1~4個のアミノ酸置換を含むその機能的バリアントの6~29位の1以上のアミノ酸残基に少なくとも1つの脂肪酸分子を結合させることによって修飾され、
Zは、グリシン又はプロリン、
GP、GPS、GPSS、GPSSG、GPSSGA、GPSSGAP、GPSSGAPP、GPSSGAPPP及びGPSSGAPPPSからなる群から選択される断片、
PS、PSS、PSSG、PSSGA、PSSGAP、PSSGAPP、PSSGAPPP及びPSSGAPPPSからなる群から選択される断片、
GK、GKK、GKKN、GKKND、GKKNDW、GRKNDW、GKRNDW、GRRNDW、GKKNDWK、GKKNDWKH、GKKNDWKHN、GKKNDWKHNI、GKKNDWKHNIT及びGKKNDWKHNITQからなる群から選択される断片、又は、
GPSSGA、GPSSGAP、GPSSGAPP、GPSSGAPPP、GPSSGAPPPS、GKKNDW、GRKNDW、GKRNDW、GRRNDW、GKKNDWK、GKKNDWKH、GKKNDWKHN、GKKNDWKHNI、GKKNDWKHNIT及びGKKNDWKHNITQ、又は該アミノ酸残基のいずれか1つに1若しくは2個の個々のアミノ酸置換を含むそのバリアントからなる群から選択される断片、又は
PSSG、PSSGA、PSSGAP、PSSGAPP、PSSGAPPP及びPSSGAPPPS、又は該アミノ酸残基のいずれか1つに1若しくは2個の個々のアミノ酸置換を含むそのバリアントからなる群から選択される断片、
である。
【0345】
一実施形態では、
-メタボリックシンドローム、肥満、過体重、肥満関連障害、糖尿病前症、I型糖尿病、2型糖尿病、糖尿病関連障害、インスリン抵抗性、空腹時グルコースの上昇、高血糖、空腹時血清トリグリセリドレベルの上昇、低レベルの超低密度リポタンパク質(VLDL)、低レベルの高密度リポタンパク質(HDL)、脂質異常血症、低密度リポタンパク質(LDL)の増加/減少、高コレステロールレベル、異常な脂質沈着、心血管疾患、血圧上昇及びアテローム性動脈硬化からなる群から選択される病態を治療するため、又は
-体重減少を誘導するため、又は
-結腸癌、神経内分泌癌及び副腎腺腫を含むが、これらに限定されない癌を治療するため、
の医薬品の製造に使用するための、
アミノ酸配列の配列番号XX:
【化45】
(式中、X及びXは、個々に任意のアミノ酸であるか、又は除去される)
又はその機能的バリアントからなるグルコース依存性インスリン分泌性ペプチド(GIP)類似体が提供され、
前記バリアントは、配列番号XXの任意のアミノ酸で1~8、1~4個などの個々のアミノ酸置換を有し、
前記ペプチドは、配列番号XX又はその前記機能的バリアントの3~29位の1以上のアミノ酸残基に少なくとも1つの脂肪酸分子を結合させることによって修飾され、
Zは、GIP(31-42)(GKKNDWKHNITQ;配列番号Z)の1以上のアミノ酸残基又はエキセンディン-4(HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGPSSGAPPPS;配列番号E)の1以上のアミノ酸残基を含むペプチドである。
【0346】
一実施形態では、
-メタボリックシンドローム、肥満、過体重、肥満関連障害、糖尿病前症、I型糖尿病、2型糖尿病、糖尿病関連障害、インスリン抵抗性、空腹時グルコースの上昇、高血糖、空腹時血清トリグリセリドレベルの上昇、低レベルの超低密度リポタンパク質(VLDL)、低レベルの高密度リポタンパク質(HDL)、脂質異常血症、低密度リポタンパク質(LDL)の増加/減少、高コレステロールレベル、異常な脂質沈着、心血管疾患、血圧上昇及びアテローム性動脈硬化からなる群から選択される病態を治療するため、又は
-体重減少を誘導するため、又は
-結腸癌、神経内分泌癌及び副腎腺腫を含むが、これらに限定されない癌を治療するため、
の医薬品の製造に使用するための、
配列番号hGIP(3-30):
【化46】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、
配列番号hGIP(5-30):
【化47】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、
配列番号hGIP(6-30):
【化48】
からなるアミノ酸配列を有するペプチド、
又はその機能的バリアントからなる群から選択されるGIP類似体が提供され、
前記バリアントは、配列番号hGIP(3-30)、配列番号hGIP(5-30)及び配列番号hGIP(6-30)のアミノ酸残基のいずれか1つに1~4個の個々のアミノ酸置換を有し、
前記ペプチドは、配列番号hGIP(3-30)、配列番号hGIP(5-30)及び配列番号hGIP(6-30)のいずれか1つ、又はリンカーの有無にかかわらず、配列番号hGIP(3-30)、配列番号hGIP(5-30)及び配列番号hGIP(6-30)のアミノ酸残基のいずれか1つに1~4個のアミノ酸置換を含むその機能的バリアントの6~29位の1以上のアミノ酸残基に少なくとも1つの脂肪酸分子を結合させることによって修飾され、
Zは、グリシン又はプロリン、
GP、GPS、GPSS、GPSSG、GPSSGA、GPSSGAP、GPSSGAPP、GPSSGAPPP及びGPSSGAPPPSからなる群から選択される断片、
PS、PSS、PSSG、PSSGA、PSSGAP、PSSGAPP、PSSGAPPP及びPSSGAPPPSからなる群から選択される断片、
GK、GKK、GKKN、GKKND、GKKNDW、GRKNDW、GKRNDW、GRRNDW、GKKNDWK、GKKNDWKH、GKKNDWKHN、GKKNDWKHNI、GKKNDWKHNIT及びGKKNDWKHNITQからなる群から選択される断片、又は、
GPSSGA、GPSSGAP、GPSSGAPP、GPSSGAPPP、GPSSGAPPPS、GKKNDW、GRKNDW、GKRNDW、GRRNDW、GKKNDWK、GKKNDWKH、GKKNDWKHN、GKKNDWKHNI、GKKNDWKHNIT及びGKKNDWKHNITQ、又は該アミノ酸残基のいずれか1つに1若しくは2個の個々のアミノ酸置換を含むそのバリアントからなる群から選択される断片、又は
PSSG、PSSGA、PSSGAP、PSSGAPP、PSSGAPPP及びPSSGAPPPS、又は該アミノ酸残基のいずれか1つに1若しくは2個の個々のアミノ酸置換を含むそのバリアントからなる群から選択される断片、
である。
【0347】
1つの特定の実施形態では、肥満を治療する方法で使用するための、本明細書で定義されるGIPペプチド類似体が提供される。
【0348】
1つの特定の実施形態では、I型及びII型の真性糖尿病を含む真性糖尿病を治療する方法で使用するための、本明細書で定義されるGIPペプチド類似体が提供される。
【0349】
1つの特定の実施形態では、インスリン抵抗性を治療する方法で使用するための、本明細書で定義されるGIPペプチド類似体が提供される。
【0350】
さらなる態様は、癌を治療する方法で使用するための、本明細書で定義されるGIPペプチド類似体を提供することである。
【0351】
肥満関連障害は、食物摂取量の増加、食欲の増加、過食、神経性過食症、抗精神病薬又はステロイドの投与によって誘導性される肥満、胃運動の低下/増加、胃排出の遅延/増加、身体可動性の低下、変形性関節症、脂質異常症、低密度リポタンパク質(LDL)の増加/減少、高コレステロールレベル、及び異常な脂質沈着のいずれか1つであり得る。
【0352】
いくつかの実施形態では、脂質異常症、低密度リポタンパク質(LDL)の増加/減少、コレステロール、及び異常な脂質沈着は、脂肪酸代謝障害と呼ばれる。
【0353】
糖尿病関連障害は、耐糖能障害(IGT)、IGTから2型糖尿病への進行、インスリンを必要としない2型糖尿病からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行、β細胞機能の減少、β細胞集団の減少、β細胞アポトーシスの増加、β細胞に対するグルコース感受性の減少のいずれか1つであり得る。
【0354】
心血管疾患は、冠状動脈性心疾患、心筋梗塞、再灌流傷害、脳卒中、脳虚血、左心室肥大、冠動脈疾患、高血圧、本態性高血圧、急性高血圧緊急症、心筋症、心不全、運動不耐症、急性及び/又は慢性心不全、不整脈、心不整脈、失神、狭心症、心臓バイパス及び/又はステント再閉塞、間欠性跛行(アテローム性動脈硬化症とも呼ばれる)、拡張障害、及び収縮不全のいずれか1つ、並びにそれらの組み合わせであり得る。
【0355】
一実施形態では、癌は、大腸癌、神経内分泌癌及び副腎腺腫からなる群から選択される。
【0356】
さらなる態様は、骨密度障害(又は骨容積障害)を治療する方法で使用するための、本明細書で定義されるGIPペプチド類似体を提供することである。
【0357】
一実施形態では、骨細胞の活性を阻害する方法で使用するための、本明細書に定義されるGIPペプチド類似体が提供される。一実施形態では、GIP誘導性の骨吸収の食後低下を阻害する(又は拮抗する)方法で使用するための、本明細書で定義されるペプチドが提供される。一実施形態では、骨癌を治療する方法で使用するための、本明細書に定義されるペプチドが提供される。
【0358】
一実施形態では、骨密度(又は容積)障害は、骨粗鬆症、低い骨密度及び/又は骨容積の低下を特徴とする障害、高い骨密度及び/又は骨容積の増加及び骨粗鬆症を特徴とする障害からなる群から選択される。
【0359】
さらなる態様は、障害の態様を特徴付けるか、若しくは調べる方法、並びに/又は障害に関連付けられるヒト生理学の態様を特徴付けるか、若しくは調べる方法で使用するための、本明細書で定義されるGIPペプチド類似体を提供することであり、一実施形態では、前記障害は、メタボリックシンドローム、肥満、真性糖尿病、インスリン抵抗性、本明細書で定義される肥満関連障害又は本明細書で定義される糖尿病関連障害から選択される。他の態様では、本発明は、大腸癌又は副腎腺腫などの癌を治療する方法に関する。他の態様では、本発明は、高い骨密度及び/又は骨容積の増加又は骨粗鬆症を特徴とする骨密度障害の治療方法に関する。他の態様では、本発明は、アテローム性動脈硬化症を治療する方法に関する。
【0360】
メタボリックシンドローム、肥満、過体重、真性糖尿病、インスリン抵抗性、本明細書で定義される肥満関連障害、又は本明細書で定義される糖尿病関連障害;大腸癌若しくは副腎腺腫などの癌;高い骨密度及び/又は骨容積の増加を特徴とする骨密度障害などの骨密度障害;又はアテローム性動脈硬化症を治療するための方法であって、それを必要とする個体に、本明細書で定義される有効量のペプチドを投与する工程を含む方法も提供される。
【0361】
本明細書で言及される必要とする個体は、本開示によるペプチド又は医薬組成物の投与から利益を得ることができる個体である。そのような個体は、メタボリックシンドローム、及び/又は、肥満、過体重、糖尿病、インスリン抵抗性、本明細書で定義される肥満関連障害、若しくは本明細書で定義される糖尿病関連障害などの代謝障害、大腸癌若しくは副腎腺腫などの癌、骨密度障害に罹患するか、又は罹患する危険性が存在し得る。個体は、任意のヒト、男性又は女性、幼児、中高年又は老人であり得る。個体で治療又は予防される障害は、個体の年齢、個体の一般的な健康、個体の治療に使用される薬物、及び個体がメタボリックシンドローム、及び/又は肥満、過体重、糖尿病、インスリン抵抗性、本明細書に定義される肥満関連障害、又は本明細書に定義される糖尿病関連障害、大腸癌若しくは副腎腺腫などの癌、アテローム性動脈硬化症、骨密度障害などの代謝障害を有するか、又は誘導された可能性のある疾患又は障害に罹患した既往歴があるかどうかに関連し得る。いくつかの実施形態では、治療される障害は、GIP誘導性グルカゴン分泌、GIP誘導性インスリン分泌、GIP誘導性ソマトスタチン分泌、GIP誘導性グルコース取り込み、GIP誘導性脂肪酸合成及び/又は脂肪酸取り込み、GIPRの高い発現及び/若しくは活性、食後のGIPの放出に関連する。用語「高い」は、治療を必要としない個体で観察される対応するレベルよりも大きいレベルを指していると解釈されるべきである。
【0362】
調製方法(ペプチド)
本開示によるペプチドは、当技術分野で知られている任意の方法で調製され得る。そのため、GIP由来ペプチドは、溶液の合成又はメリフィールド型固相合成などの標準的なペプチド調製技術によって調製され得る。
【0363】
一実施形態では、本明細書で定義されるペプチドは、非天然のペプチドであり、GIP(1-42)などの天然タンパク質の未変性GIPに由来する。
【0364】
一実施形態では、本開示によるペプチドは、血清などのその天然由来の源から精製される。タンパク質精製は、複雑な混合物から単一型のタンパク質を分離することを意図した一連のプロセスである。出発物質は通常、生体組織である。精製プロセスの様々な工程は、タンパク質を閉じ込めるマトリックスからタンパク質を解放し、混合物のタンパク質部分と非タンパク質部分を分離し、最終的に他の全てのタンパク質から所望のタンパク質を分離することができる。分離工程は、(例えば)タンパク質サイズ、物理化学的性質、結合親和性及び生物活性の違いを利用することができる。
【0365】
一実施形態では、本開示によるペプチドは、合成で作製又は生成される。
【0366】
ペプチドの合成での生成方法は、当技術分野でよく知られている。合成ペプチドを生成するための詳細な説明と実用的な助言は、合成ペプチド:ユーザーズガイド(Synthetic Peptides:A User’s Guide)(Advances in Molecular Biology),Grant G.A.(編),Oxford University Press,2002、又は医薬製剤:ペプチドとタンパク質の開発(Pharmaceutical Formulation:Development of Peptides and Proteins),Frokjaer and Hovgaard(編),Taylor及びFrancis,1999に見出すことができる。
【0367】
一実施形態では、本発明のペプチド又はペプチド配列は、特に、配列補助ペプチド合成法(SAPS)法により、溶液合成により、メリフィールド型固相合成などの固相ペプチド合成(SPPS)により、組換え技術(前記宿主細胞において発現を導くことができる第2の核酸と作動可能に結合されたペプチドをコードする第1の核酸配列を含む宿主細胞による産生)又は酵素合成によって合成で生成される。それらは、当業者には周知である。
【0368】
ペプチドは、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)又はtert-ブチルオキシカルボニル(Boc)をN-a-アミノ保護基として、及び側鎖機能に適する共通の保護基として使用する完全自動化ペプチドシンセサイザー上でバッチ的に合成することができる。
【0369】
逆相HPLCなどによる精製後、ペプチドは、例えば、環状又はC末端若しくはN末端修飾された異性体を得るためにさらに処理され得る。環化及び末端修飾の方法は当技術分野で周知である。
【0370】
本発明によるペプチドは、モノマー又は二量体若しくは四量体などの多量体として合成され得る。
【0371】
医薬組成物及び製剤
本開示の生理活性剤を未加工の化学物質(ペプチド)として投与することが可能である一方で、医薬製剤の形態でそれらを提示することが好ましい場合がある。そのような医薬製剤は、医薬組成物、医薬として許容される組成物又は医薬として安全な組成物と称することができる。
【0372】
したがって、本発明の生理活性剤、又はその医薬として許容される塩若しくはエステル、医薬として許容される担体、賦形剤及び/又は希釈剤を含む医薬製剤がさらに提供される。該医薬品製剤は、例えば、レミントン:薬学の科学と実践(The Science and Practice of Pharmacy)2005、Lippincott, Williams & Wilkinsに記載されている従来の技術によって調製することができる。
【0373】
本発明のペプチド化合物の医薬として許容される塩は、それらを調製できる場合に、本発明に包含されることも意図される。これらの塩は、医薬使用への適用において許容されるものである。つまり、塩は親化合物の生物活性を保持し、その適用及び疾患治療における使用において不利又は有害な影響を及ぼさないことを意味する。
【0374】
医薬として許容される塩は、標準的な方法で調製される。親化合物が塩基である場合、それは、過剰な有機酸又は無機酸を適切な溶媒で処理される。親化合物が酸である場合、それは、適切な溶媒中で無機塩基又は有機塩基で処理される。
【0375】
本明細書に開示されるペプチド化合物は、経口、直腸、又は非経口(皮下を含む)経路によって、有効量で、医薬として許容される担体又は希釈剤と同時に(concurrently)、同時に(simultaneously)、又は共にそのアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩の形態で、特に好ましくは、その医薬組成物の形態で投与され得る。
【0376】
本発明の医薬組成物で使用するための医薬として許容される酸付加塩の例には、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸及び硫酸などの鉱酸、並びに酒石酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息香酸、グリコール酸、グルコン酸、コハク酸、p-トルエンスルホン酸、及びアリールスルホン酸などの有機酸由来のものが含まれる。
【0377】
特定の実施形態では、本開示によるペプチドは、酢酸塩、HCl(塩酸)塩又はTFA(トリフルオロ酢酸)塩として製剤化される。
【0378】
投与と投薬量
本開示によれば、本明細書で定義されるペプチド又はペプチドを含む組成物が、医薬有効用量又は治療有効量で、治療を必要とする個体に投与される。投薬量の要件は、使用される特定の薬物組成物、投与経路及び治療される特定の対象によって異なり、これは障害の重症度及び種類、並びに対象の体重及び一般的な状態に依存する。また、ペプチド化合物の個々の投薬量の最適な量と間隔は、治療される病態の性質と程度、形態、投与経路及び投与部位、並びに治療される特定の患者によって決定され、そのような最適化は、従来の技術によって決定できることも当業者なら認識するであろう。また、最適な治療経過、すなわち、定義される日数に対して1日当たりに与えられる化合物の投与回数は、従来の治療決定試験のコースを用いて確認できることも当業者なら理解するであろう。
【0379】
一実施形態では、生理活性剤は、1日1回、1日2回など、1日3回など、1日4回など、1日5回など少なくとも1日1回投与される。
【0380】
用量はまた、断続的な間隔、又用量が毎日投与されない間隔で投与され得る。むしろ、1回以上の用量を、2日ごと、3日ごと、4日ごと、5日ごと、6日ごと、毎週、2週間ごと、3週間ごと、4週間ごと、5週間ごと、6週間ごと、又はそれらの範囲内の間隔(2~4週間ごと、又は4~6週間ごとなど)に投与することができる。
【0381】
一実施形態では、用量は、週に1回、週1回など、1週あたり1用量などで投与される。
【0382】
投与経路
投与の好ましい経路は、治療対象の一般的な病態及び年齢、治療される病態の性質、体内の治療される組織の位置及び選択される有効成分に依存することが理解されるであろう。
【0383】
全身治療
本開示による全身治療の場合、投与経路は、最終的に所望の作用部位を標的とする血流中に生理活性剤を導入することができる。
【0384】
そのような投与経路は、経腸経路(口腔、直腸、経鼻、肺、頬、舌下、経皮、大槽内及び腹腔内投与を含む)、及び/又は非経口経路(皮下、筋肉内、髄腔内、脳内、静脈内及び皮内投与を含む)などの任意の適切な経路である。
【0385】
非経口投与
非経口投与は、経口/経腸経路ではない任意の投与経路であり、それによって、医薬は肝臓における初回通過分解を回避する。したがって、非経口投与は、注射及び注入、例えば、静脈内投与、筋肉内投与又は皮下投与などのボーラス注射又は持続点滴を含む。さらに、非経口投与には、吸入及び局所投与が含まれる。
【0386】
したがって、生理活性剤は、生理活性物質が、例えば、鼻、膣、目、口、生殖管、肺、消化管、又は直腸、好ましくは、鼻の粘膜、又は口に与えられる動物の任意の粘膜を横断するように局所的に投与され得、したがって、非経口投与はまた、頬、舌下、経鼻、直腸、膣及び腹腔内投与並びに吸入若しくは設置による肺投与及び気管支投与を含み得る。また、薬剤は皮膚を横切るように局所的に投与され得る。
【0387】
本発明の有利な実施形態によれば、GIP類似体は皮下に投与される。
【0388】
局所治療
本発明による生理活性剤は、一実施形態では、局所治療として使用され得る、すなわち、作用部位(複数可)に直接導入することができる。したがって、生理活性剤は、皮膚又は粘膜に直接塗布してもよいし、又は生理活性剤を作用部位、例えば、疾患組織に、又は疾患組織に直接通じる末端動脈に注入してもよい。これらの投与形態は、血液脳関門を回避することが好ましい。
【0389】
キットオブパーツ
本開示はまた、上記の生理活性剤のうちの1以上及び1以上の第2の活性成分などの少なくとも1つの追加の又はさらなる成分を含むキットオブパーツに関する。
【0390】
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【0391】
実施例
本実施例では、次の結論を支持する:
1)特定の部位における個々のアミノ酸置換は、アンタゴニストプロファイルの改善をもたらす
2)いくつかのアシル化部位は、GIP(3-30)+延長とGIP(5-30)+延長の両方に大きな可能性を示す
3)GIP(1-42)又はエキセンディン-4からのC末端アミノ酸残基での延長は、アンタゴニスト効果及び/又は生体内半減期の延長及び/又は選択性などの効果の改善をもたらす
4)本発明の実施形態によるGIPペプチド類似体は、溶解度の増加などの物理的安定性を高めている
5)本発明の実施形態によるGIPペプチド類似体は、GIPRにおけるアゴニスト活性を減少させるか又は全く有していない。
【0392】
材料と方法
GIP(3-30)及びGIP(5-30)ペプチドそれ自体の生成と作用は、WO 2016/034186に開示されている。
【0393】
材料
ヒトGIP(1-42)は、Bachem,Bubendorf,Switzerland(H5645)から購入し、残りのリガンドは、Caslo(商標)、Lyngby,Denmark and Almac Group,Craigavon,イギリス,Peptides&Elephants GmbH,Henningsdorf,ドイツ,及びWuXi AppTec,中国によって合成された。ヒトGIP受容体のcDNAを、Origene,Rockville,Maryland,USA(SC110906)から購入し、ヒトGIP(1-42)をpCMV-Scriptベクターにクローニングした。ヨウ素化ヒトGIP(1-42)を、PerkinElmer Life Sciences,Skovlunde,Denmark(NEX402025UC)から購入した。
【0394】
動物
Gottingenミニブタ又はオスのWistarラットを、健康医学部(Health and Medical Sciences)の動物施設に収容した。
【0395】
トランスフェクションと組織培養
COS-7細胞を、10%のウシ胎児血清、2mMのグルタミン、180ユニット/mlのペニシリン、及び45g/mlのストレプトマイシンを補充したダルベックコ改変イーグル培地1885中で、10%CO及び37℃で培養した。cAMP蓄積及び競合結合のために、クロロキンを添加したリン酸カルシウム沈殿法を用いて、COS-7細胞の一過性トランスフェクションを行った46-47
【0396】
cAMPアッセイ
代替1(DiscoveRxアッセイとも呼ばれる):
ヒトGIP受容体を発現する一過性トランスフェクトCOS-7細胞を、3.510/ウェルの密度を有する白色96ウェルプレートに播種した。翌日、細胞をHepes緩衝生理食塩水(HBS)緩衝液で2回洗浄し、HBS及び1mMの3-イソブチル-1-メチルキサンチン(IBMX)と37℃で30分間インキュベートした。アゴニスト特性を調べるために、リガンドを加え、37℃で30分間インキュベートした。アンタゴニスト特性を調べるために、細胞をアゴニストの添加前に10分間アンタゴニストと予めインキュベーターし、その後さらに20分間インキュベートした。HitHunterTM cAMP XSアッセイ(DiscoveRx)を製造業者の説明書に従って行った。
【0397】
代替2(CisBioアッセイとも呼ばれる):
ヒトGIP受容体に対する化合物の生体外機能活性も、受容体を一過的に発現するHEK-293細胞において決定することができる。アッセイの日に、20mMのHEPES(Gibco,15630-106)、0,1%のプルロニックF-68(Gibco,24040-032)及び0,1%のカゼイン(Sigma,C4765)を補充したHBSS緩衝液(Gibco,14025-50)に細胞を再懸濁し、5000細胞/ウェルの密度で384ウェルプレートに播種した。本開示のGIPペプチド類似体を、20mMのHEPES、0.1%プルロニック、0.1%のカゼイン及び500uMのIBMXを補充したHBSS緩衝液で希釈した。アンタゴニスト特性を調べるために、試験されるGIPペプチド類似体をそれぞれ独立して細胞に添加し、EC50濃度でアゴニスト(GIP1-42)を添加する前に、37℃で20分間インキュベートし、その後37℃で30分間インキュベートした。結果として生じる細胞内cAMPの減少は、CisBio cAMP Dynamic 2 HTRFアッセイキットを用いて定量的に決定した。このアッセイは、クリプテート標識抗体への結合について、細胞によって生成される天然のcAMPと色素d2で標識したcAMPとの間の競合に基づいている。特定のシグナル(すなわちエネルギー伝達シグナル)は、試料中のcAMPの濃度に反比例する。cAMP-d2コンジュゲートと抗体の抗cAMP-クリプテートの両方を、キットに提供される溶解緩衝液で希釈し、製造業者のプロトコルに従って細胞に添加した。得られた競合アッセイを室温で60分間インキュベートし、320nm励起及び665nmと620nm発光のPerkinElmer Envision(登録商標)装置を用いてシグナルを検出した。HTRF比(665nm/620nm 10,000での放出)は、存在するcAMPの量に反比例し、cAMP標準曲線を使用してウェル当たりnMのcAMPに変換される。用量応答曲線は、GraphPad Prismで非線形回帰分析(4つのロジスティックパラメータの式)を用いてフィッティングし、それによってpIC50値を推定した。GIP受容体でのアゴニスト特性を調べるために、上記のように化合物を希釈して細胞に添加し、37℃で30分間インキュベートした。結果として得られる細胞内cAMPの増加を、上記のCisBio cAMP Dynamic2 HTRFアッセイキットを用いて決定した。
【0398】
Gottingenミニブタで推定される消失半減期(T1/2
2~3匹のGottingenミニブタを、本発明のGIP類似体の1つ(1~10nmol/kg、総量2~6mL)を皮下投与し、中心静脈カテーテルから血液試料を皮下投与前及び投与後最大432時間までに採取した。試料間で、カテーテルを生理食塩水及びヘパリンで洗い流した。血液を冷たいEDTAチューブに採取し、遠心分離し、分析まで血漿を-20℃に保った。
【0399】
Wistarラットで推定される消失半減期(T1/2
3匹のWistarラットに、本発明のGIP類似体の1つ(7nmol/kg、総投薬量1ml/kg)を静脈内投与し、血液試料を投与前及び投与後72時間までに尾先端から採取した。血液を冷たいEDTAチューブに採取し、遠心分離し、分析まで血漿を-20℃に保った。
【0400】
修飾されたGIPペプチド類似体の血漿濃度の決定
Gottingenミニブタ、又はオスのWistarラットにおける本発明によるGIP類似体の血漿中濃度を、放射免疫分析(RIA)又は液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS)により分析した。RIAベースの測定では、類似体の免疫反応性を、実験室のウサギで作製し、GIP(1-30)NHの中央領域又はGIP(3-30)NHのアミド化C末端のいずれかに特異的なポリクローナル抗体である抗血清Ab95234、Ab95235、又はAb95236を用いて決定した。LC/MSベースの測定では、3部のエタノールを添加し、その後に完全に混合することによって、血漿試料を沈殿させた。上清の遠心分離及び希釈後、試料をLC-MS/MSによって分析し、9点の検量線と比較した。キャリブレーション曲線を、Gottingenミニブタからの未処理の血漿マトリックスで調製した。LC/MSを、Red Glead Discovery AB,Lund,スウェーデンによって行った。
【0401】
データ分析
IC50、EC50、及びEmax値を、非線形回帰によって決定した。これらを、グラフパッドプリズム6.0ソフトウェア(GraphPad,San Diego,California、米国)とマイクロソフトのエクセル(商標)で行った。消失T1/2を含む薬物動態パラメータを、ソフトウェアのPKソリューション2.0(Summit Research services、米国)を用いて計算した。
【0402】
実施例1-GIP(1-42)又はエキセンディン-4からの1~12個のC末端アミノ酸残基で延長したヒトGIP(3-30)及びGIP(5-30)のアンタゴニスト特性は、余分なC末端アミノ酸残基の追加後に保存又は改善される
GIP(3-30)及びGIP(5-30)への1~12個の余分なC末端アミノ酸残基の付加の、アンタゴニスト活性及びT1/2に対する効果を、以下に示すとおりに試験した。GIP類似体も、リンカーの有無にかかわらず、例えば、11、12、17、18又は20位でアシル化し、セリン-11、イソロイシン-12、イソロイシン-17、ヒスチジン-18又はグルタミン-20は以前にリジンと置換されていた。
【0403】
結果:
18位がC16二酸で脂質化されたGIP(3-36)類似体、例えば、AT361は、例えば、AT158と比較して、2nMの改善されたIC50値を示す。AT361も、31時間という非常に高いT1/2を有した。半減期は、14時間の半減期しか有していなかったAT158などの、18位がC16二酸で脂質化された類似体GIP(3-30)バリアントに比べて驚くほど長い。長い半減期は、例えば、AT361がN末端に遊離アミン基を有するので、N末端でのN-キャッピング又は他の種類の安定化を行うことなく達成される。
【0404】
例えば、AT631などのエキセンディン-4のC末端部からのGIP(3-30)+アミノ酸は、一般に高い強力なアンタゴニストであった。AT631は、例えば、AT158と比較して、1.9nMの改善されたIC50値を示した。AT631の半減期も、56時間という非常に長いT1/2が測定されたように、生体内で30時間超であり、例えば、AT158(図1参照)又はC16脂肪酸も有するリラグルチドと比較して驚くほど長い。長い半減期は、例えば、AT631がN末端に遊離アミン基を有するので、N末端でのN-キャッピング又は他の種類の安定化を行うことなく達成される。
【0405】
まとめると、例えば、AT361及びAT631などのC端末が延長したGIP(3-30)アンタゴニストは、PCT/EP2018/064355で報告されたものよりも優れたアンタゴニストであった。T1/2の調査のために、ブタで試験したアンタゴニストは、PCT/EP2018/064355で報告されたものよりもはるかに優れていた。AT361とAT631の両方とも、例えば、GIP(3-30)類似体AT158(表1Bと図1参照)及び例えば、リラグルチド(1日1回のGLP-1類似体)などの当技術分野で公知の他のC16脂質化ペプチドと比較して、30時間超の非常に長いT1/2を示す。また、AT437、AT632、AT587、AT589、AT614、AT616、AT618、AT619は、非常に長い半減期を有する。GIP(3-30)のC末端延長(AT361及びAT631内のように)とアシル化、すなわち、例えば、18位のリジン上などの特定の位置における脂肪酸の結合の組み合わせは、驚くほど長い半減期を生じさせることができる。
【0406】
いかなる理論にも縛られることなく、C末端におけるカルボン酸の存在(AT361及びAT631内のように)もまた、半減期の改善に寄与し得る。
【0407】
様々な化合物の薬物動態特性を評価及び比較する場合、2以上の種を用いることが有益であり得る。これまで、上記で議論した半減期はミニブタにおいてのみ決定されている。一般的に、ミニブタよりもラットで消失半減期が短いことが認められているが、以下ではラットにおける薬物動態の所見について議論する。表3A及び3Bから、Wistarラットにおける平均の時間依存的血漿濃度は、例えば、AT651などのC末端の40位に結合した脂肪酸を有するGIP類似体と比較して、ペプチドの中央領域に脂肪酸が結合している類似体では、曝露及び半減期がはるかに高いことが分かる。また、各時点での暴露は、本発明の実施形態による全試験ペプチドでは、例えば、AT651などのC末端の40位に脂肪酸が結合しているGIP類似体と比較してはるかに高い。そのため、GIP(3-30)の中央領域に脂肪酸を結合させ、例えば、11及び18位でC末端を延長すると、C末端の40位への脂肪酸結合よりも薬理的に優れた類似体を生成する。また、試験した類似体の多くはC16脂肪酸が付いているが(AT361、AT631、AT366、AT632、AT447)、同じ長さの脂肪酸が結合している類似のペプチド、例えば、ラットで4時間のT1/2を有するリラグルチドと比較して、T1/2が驚くほど長い(それぞれ11時間、7時間、7時間、8時間、5.8時間)ことに留意することも重要である。いかなる理論にも縛られることなく、C末端延長GIPペプチドは、脂質化による半減期延長に有利な分子を構成することができた。
【0408】
表2Bから、特定の置換が有利であり得ることもわかる。個々の9、13、14、15、18、21及び24位のいずれかなどの特定の位置に、E、L、K、A及びAibなどのアルファヘリックス安定化アミノ酸を導入すると、特にアンタゴニスト効力の増加に関して有益であり得る。例えば、24位でのEとの置換は、効力が保持又は増加する。14位でのL、Nle又はKとの置換は、例えば、AT618、AT619及びAT621から分かるように、効力が保持されるか、又はさらに増加する。9位及び/又は15位及び/又は21位でのDとEの置換は、例えば、AT613、AT614、AT616及びAT617、並びに例えば、AT693、AT695、AT696及びAT700から分かるように効力を増加させるように見える。また、一般に、遊離C末端カルボン酸は効力を高めることもわかる。C16二酸からC18二酸などの脂肪酸の長さが長くなると、効力が減少することが多い。しかし、特定の置換はこれを補う可能性がある。例えば、13位のAib又は例えば、9及び/又は15及び/又は21位のEとの置換。24位におけるEとの置換は、アンタゴニスト効力を保持又は改善するだけでなく、例えば、約7.5の生理学的pHでの溶解性を改善する。また、表2Bから、例えば、AT467、AT468、AT469、AT470、AT471、AT472、AT473及びAT474のように、様々なZが効力を保持又は増加させることも分かる。例えば、AT633及びAT635から、N末端アセチル化がGIPRで(部分的な)アゴニズムをもたらすことが分かる。
【0409】
表1A:延長を有するGIPアンタゴニストの名前と構造。リンカーが2以上のユニットからなる場合、最初の名前付きユニットがペプチドに連結され、最後の名前付きユニットが脂肪酸に連結されることを意図している。しかし、リンカーの単位は異なる順序で配置されてもよく、リンカーの機能への影響は全くないか又は少しである。
【表1】
【0410】
表1B:アンタゴニスト特性、アゴニスト特性、及び延長を有するGIPアンタゴニストのいくつかの半減期T1/2。データを、cAMPアッセイ(DiscoveRxアッセイ)により取得した。
【表2】
【0411】
表1C:アンタゴニスト特性、アゴニスト特性、及び延長を有するGIPアンタゴニストのいくつかの消失半減期T1/2。CisBioアッセイ(上記の代替2)を用いて、表1Bに列挙したGIPペプチド類似体のアンタゴニスト活性及びアゴニスト活性を決定した。
【表3】
表1C続き
【表4】
AT631の半減期をRIAに基づいて決定し、AT361の半減期をLC/MSに基づいて決定する(「材料と方法」参照)。
【0412】
表2A:選択化合物の番号についてWistarラットにおける平均及び時間依存性の血漿濃度が示されている。血漿濃度は、LC/MSによって決定した(「材料と方法」参照)。
【表5】
na:この時点/血漿試料が採取されなかったため、利用できない。
表2B:Wistarにおける消失T1/2は、データセットが計算を可能にした選択化合物の番号について示されている(「材料と方法」参照)。
【表6】
【0413】
実施例2-選択性
cAMPアッセイ-選択性
GLP1受容体(GLP1R)、GLP2受容体(GLP2R)、グルカゴン受容体(GcgR)又はセクレチン受容体(SCTR)のいずれかを発現する一過性トランスフェクトCOS-7細胞を、3.510/ウェルの密度で白色96ウェルプレートに播種した。翌日、細胞をHepes緩衝生理食塩水(HBS)緩衝液で2回洗浄し、HBSと1mMの3-イソブチル-1-メチルキサンチン(IBMX)と共に37℃で30分間インキュベートした。アゴニスト特性を調べるために、リガンドを加え、37℃で30分間インキュベートした。アンタゴニスト特性を調べるために、発現した受容体に対する天然アゴニスト(GLP-1R発現細胞についてはGLP1、GLP2R発現細胞についてはGLP2、GcgRについてはグルカゴン及びSCTRについてはセクレチン)を添加する前に、細胞を、アンタゴニストと10分間プレインキュベートした。IC50を決定するために、最大cAMP蓄積の50~80%に対応する天然アゴニストの濃度を使用した。HitHunterTM cAMP XSアッセイ(DiscoveRx)を、製造業者の説明書に従って行った。
【0414】
結果:
発明者らは、PCT/EP2018/064355からの最良のアンタゴニストの選択性データを、本出願で最高のアンタゴニストと比較した。これは、GIPR、グルカゴン受容体及びGLP-1受容体に対するペプチドのアンタゴニスト特性を決定することによって行った。表3のデータによって示されるように、本出願におけるアンタゴニストは、PCT/EP2018/064355からのアンタゴニストよりも選択的であった。GIP(3-30)のC末端延長(例えば、AT361及びAT631など)並びに、例えば、18位のリジン上でのアシル化の組み合わせは、驚くほど選択的なアンタゴニストを生成するようである。
【0415】
表3A.本開示及びPCT/EP2018/064355に以前記載されているGIPアンタゴニストのGIPR、グルカゴン受容体及びGLP-1受容体に関連するアンタゴニスト特性
【表7】
NA=利用できない
斜体は以前に記載したアンタゴニストを示す。
【0416】
さらに、GIPR、GLP-2受容体及びセクレチン受容体に対するペプチドのアンタゴニスト特性を決定した。表3Bのデータによって示されるように、例えば、AT361及びAT631などの本発明のGIP類似体は、GLP-2又はセクレチン受容体に拮抗せず、そのため、GIP受容体に対して非常に選択的である。
【0417】
表3B.本開示のGIPアンタゴニストのGIPR、GLP-2受容体及びセクレチン受容体に関連するアンタゴニスト特性
【表8】
【0418】
配列リスト
【化49】

図1