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特許7605764機能パネル、表示装置、入出力装置、情報処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】機能パネル、表示装置、入出力装置、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   H10K 59/122 20230101AFI20241217BHJP
   H10K 59/124 20230101ALI20241217BHJP
   H05B 33/24 20060101ALI20241217BHJP
   H05B 33/26 20060101ALI20241217BHJP
   H05B 33/28 20060101ALI20241217BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20241217BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20241217BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241217BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20241217BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20241217BHJP
   H10K 50/12 20230101ALI20241217BHJP
   H10K 50/805 20230101ALI20241217BHJP
   H10K 50/852 20230101ALI20241217BHJP
【FI】
H10K59/122
H10K59/124
H05B33/24
H05B33/26 Z
H05B33/28
H05B33/12 B
H05B33/14 Z
G09F9/30 365
G09F9/30 349D
G06F3/041 580
G06F3/041 560
H05B33/22 Z
H10K50/12
H10K50/805
H10K50/852
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021566381
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(86)【国際出願番号】 IB2020062154
(87)【国際公開番号】W WO2021130629
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2023-12-13
(31)【優先権主張番号】P 2019234155
(32)【優先日】2019-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020057252
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020170999
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】中村 太紀
(72)【発明者】
【氏名】清野 史康
(72)【発明者】
【氏名】青山 智哉
(72)【発明者】
【氏名】石曽根 崇浩
【審査官】渡邊 吉喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-175165(JP,A)
【文献】特開2010-056015(JP,A)
【文献】特開2012-216338(JP,A)
【文献】特開2018-005160(JP,A)
【文献】特開2010-251095(JP,A)
【文献】特開2007-004997(JP,A)
【文献】特開2019-067525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/00-99/00
G09F 9/30
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の素子と、第1の反射膜と、第2の素子と、第2の反射膜と、第1の絶縁膜と、第2の絶縁膜と、第3の絶縁膜と、を有し、
前記第1の素子は、第1の電極、第2の電極および発光性の材料を含む層を備え、
前記第2の素子は、第3の電極、前記第2の電極および前記発光性の材料を含む層を備え、
前記発光性の材料を含む層は、前記第1の電極および前記第2の電極の間に挟まれる領域と、前記第3の電極および前記第2の電極の間に挟まれる領域と、を備え、
前記第1の電極および前記第3の電極は、透光性を備え、
前記第1の電極は、第1の厚さを備え、
前記第1の電極は、前記第1の反射膜および前記発光性の材料を含む層の間に挟まれる領域を備え、
前記第3の電極は、前記第2の反射膜および前記発光性の材料を含む層の間に挟まれる領域を備え、
前記第1の反射膜は、前記第1の絶縁膜上に設けられ、
前記第2の反射膜は、前記第2の絶縁膜上に設けられ、
前記第1の絶縁膜の厚さと、前記第2の絶縁膜の厚さと、は異なり、
前記第1の反射膜および前記第2の反射膜は、第2の厚さを備え、
前記第3の絶縁膜は、前記第1の電極の上面に接する領域と、前記第3の電極の上面に接する領域と、を有し、
前記第3の絶縁膜は、第3の厚さを備え、
前記第3の電極は、第4の厚さを備え、
前記第4の厚さは、前記第1の厚さより小さく、
前記第3の絶縁膜は、第1の開口部および第2の開口部を備え、
前記第1の開口部は、前記第1の電極と重なり、
前記第2の開口部は、前記第3の電極と重なり、
前記第3の絶縁膜は、第1の階段状の断面形状および第2の階段状の断面形状を備え、
前記第1の階段状の断面形状は、平面視において、前記第1の開口部を囲み、
前記第2の階段状の断面形状は、平面視において、前記第2の開口部を囲み、
前記第1の階段状の断面形状は、第1の段差を備え、
前記第2の階段状の断面形状は、第2の段差を備え、
前記第3の厚さは、前記第1の厚さに前記第2の厚さを加えた厚さ以上であり、
前記第1の段差は、前記第1の厚さに前記第2の厚さを加えた厚さ以上であり、
前記第2の段差は、前記第1の段差の0.7倍以上1.3倍以下である、機能パネル。
【請求項2】
第1の素子と、第1の反射膜と、第2の素子と、第2の反射膜と、第1の絶縁膜と、第2の絶縁膜と、第3の絶縁膜と、を有し、
前記第1の素子は、第1の電極、第2の電極および発光性の材料を含む層を備え、
前記第2の素子は、第3の電極、前記第2の電極および前記発光性の材料を含む層を備え、
前記発光性の材料を含む層は、前記第1の電極および前記第2の電極の間に挟まれる領域と、前記第3の電極および前記第2の電極の間に挟まれる領域と、を備え、
前記第1の電極および前記第3の電極は、透光性を備え、
前記第1の電極は、第1の厚さを備え、
前記第1の電極は、前記第1の反射膜および前記発光性の材料を含む層の間に挟まれる領域を備え、
前記第3の電極は、前記第2の反射膜および前記発光性の材料を含む層の間に挟まれる領域を備え、
前記第1の反射膜は、前記第1の絶縁膜上に設けられ、
前記第2の反射膜は、前記第2の絶縁膜上に設けられ、
前記第1の絶縁膜の厚さと、前記第2の絶縁膜の厚さと、は異なり、
前記第1の反射膜および前記第2の反射膜は、第2の厚さを備え、
前記第3の絶縁膜は、前記第1の電極の上面に接する領域と、前記第3の電極の上面に接する領域と、を有し、
前記第3の絶縁膜は、第3の厚さを備え、
前記第3の電極は、第4の厚さを備え、
前記第4の厚さは、前記第1の厚さより小さく、
前記第3の絶縁膜は、第1の開口部および第2の開口部を備え、
前記第1の開口部は、前記第1の電極と重なり、
前記第2の開口部は、前記第3の電極と重なり、
前記第3の絶縁膜は、第1の階段状の断面形状および第2の階段状の断面形状を備え、
前記第1の階段状の断面形状は、平面視において、前記第1の開口部を囲み、
前記第2の階段状の断面形状は、平面視において、前記第2の開口部を囲み、
前記第1の階段状の断面形状は、第1の段差を備え、
前記第2の階段状の断面形状は、第2の段差を備え、
前記第3の厚さは、前記第1の厚さに前記第2の厚さを加えた厚さ以上であり、
前記第1の段差は、前記第1の厚さに前記第2の厚さを加えた厚さ以上であり、
前記第2の段差は、前記第1の段差の0.9倍以上1.1倍以下である、機能パネル。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記発光性の材料を含む層は、第1の発光ユニット、第2の発光ユニットおよび中間層を備え、
前記第1の発光ユニットは、前記第1の電極および前記中間層の間に挟まれる領域を備え、
前記中間層は、前記第1の発光ユニットおよび前記第2の発光ユニットの間に挟まれる領域を備え、
前記中間層は、前記第2の発光ユニットより高い導電性を備える、機能パネル。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
一組の画素を有し、
前記一組の画素は、第1の画素および第2の画素を備え、
前記第1の画素は、前記第1の素子および画素回路を備え、
前記第2の画素は、前記第2の素子を備え、
前記第1の素子は、前記画素回路と電気的に接続される、機能パネル。
【請求項5】
請求項4において、
機能層を有し、
前記機能層は、前記画素回路を備え、
前記画素回路は、第1のトランジスタを含み、
前記機能層は、駆動回路を備え、
前記駆動回路は、第2のトランジスタを含み、
前記第1のトランジスタは、半導体膜を備え、
前記第2のトランジスタは、前記半導体膜を形成する工程で作製することができる半導体膜を備える、機能パネル。
【請求項6】
請求項4または請求項5において、
領域を有し、
前記領域は、一群の一組の画素、他の一群の一組の画素、第1の導電膜および第2の導電膜を備え、
前記一群の一組の画素は、行方向に配設され、
前記一群の一組の画素は、前記一組の画素を含み、
前記一群の一組の画素は、前記第1の導電膜と電気的に接続され、
他の一群の一組の画素は、行方向と交差する列方向に配設され、
他の一群の一組の画素は、前記一組の画素を含み、
他の一群の一組の画素は、前記第2の導電膜と電気的に接続される、機能パネル。
【請求項7】
請求項4乃至請求項6のいずれか一に記載の機能パネルと、制御部と、を有し、
前記制御部は、画像情報および制御情報を供給され、
前記制御部は、前記画像情報に基づいて情報を生成し、
前記制御部は、前記制御情報に基づいて制御信号を生成し、
前記制御部は、前記情報および前記制御信号を供給し、
前記機能パネルは、前記情報および前記制御信号を供給され、
前記一組の画素は、前記情報に基づいて表示する、表示装置。
【請求項8】
請求項4乃至請求項6のいずれか一に記載の機能パネルを備える表示部と、入力部と、を有し、
前記入力部は、検知領域を備え、
前記入力部は、前記検知領域に近接するものを検知し、
前記検知領域は、前記第1の画素と重なる領域を備える入出力装置。
【請求項9】
請求項4乃至請求項6のいずれか一に記載の機能パネルを備える表示部と、入力部と、検知部と、を有する入出力装置と、演算装置を、を有し、
前記演算装置は、入力情報または検知情報を供給され、
前記演算装置は、前記入力情報または前記検知情報に基づいて、制御情報および画像情報を生成し、
前記演算装置は、前記制御情報および前記画像情報を供給し、
前記入出力装置は、前記入力情報および前記検知情報を供給し、
前記入出力装置は、前記制御情報および前記画像情報を供給され、
前記表示部は、前記制御情報に基づいて、前記画像情報を表示し、
前記入力部は、前記入力情報を生成し、
前記検知部は、前記検知情報を生成する、情報処理装置。
【請求項10】
請求項4乃至請求項6のいずれか一に記載の機能パネルと、
キーボード、ハードウェアボタン、ポインティングデバイス、タッチセンサ、照度センサ、撮像装置、音声入力装置、視線入力装置、姿勢検出装置、のうち一以上と、を含む、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、機能パネル、表示装置、入出力装置、情報処理装置または半導体装置に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
【背景技術】
【0003】
発光装置のクロストーク現象の発生を抑制する構造の一例としては、絶縁層と、前記絶縁層上に形成された第1の下部電極と、前記絶縁層上に形成された第2の下部電極と、前記絶縁層上に形成され、前記第1の下部電極と前記第2の下部電極の間に位置する構造物と、前記絶縁層上に形成され、前記構造物と前記第1の下部電極の間に位置する第1の隔壁と、前記絶縁層上に形成され、前記構造物と前記第2の下部電極の間に位置する第2の隔壁と、前記第1の下部電極、前記第1の隔壁、前記構造物、前記第2の隔壁及び前記第2の下部電極の上に形成された第1の発光ユニットと、前記第1の発光ユニット上に形成された中間層と、前記中間層上に形成された第2の発光ユニットと、前記第2の発光ユニット上に形成された上部電極と、を具備する構造が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-175165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一態様は、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することを課題の一とする。または、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示装置を提供することを課題の一とする。または、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な入出力装置を提供することを課題の一とする。または、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な情報処理装置を提供することを課題の一とする。または、新規な機能パネル、新規な表示装置、新規な入出力装置、新規な情報処理装置または新規な半導体装置を提供することを課題の一とする。
【0006】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一態様は、第1の素子と、第1の反射膜と、絶縁膜と、を有する機能パネルである。
【0008】
第1の素子は、第1の電極、第2の電極および発光性の材料を含む層を備え、発光性の材料を含む層は第1の電極および第2の電極の間に挟まれる領域を備える。
【0009】
第1の電極は透光性を備え、第1の電極は第1の厚さを備える。また、第1の反射膜は発光性の材料を含む層との間に第1の電極を挟む領域を備え、第1の反射膜は第2の厚さを備える。
【0010】
絶縁膜は第1の開口部を備え、第1の開口部は第1の電極と重なり、絶縁膜は第1の階段状の断面形状を備え、第1の階段状の断面形状は、上方から見て、第1の開口部を囲む。また、第1の階段状の断面形状は第1の段差を備え、第1の段差は第1の厚さに第2の厚さを加えた厚さ以上である。
【0011】
これにより、第1の開口部を囲む第1の段差に、発光性の材料を含む層の厚さが薄い部分を形成することができる。または、発光性の材料を含む層の広がりに沿って、第1の開口部より外側に流れる電流を抑制することができる。または、発光する領域を、第1の開口部と重なる領域に集中することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0012】
(2)また、本発明の一態様は、第1の階段状の断面形状が第1の段差の間に、第2の段差および第3の段差を備え、第2の段差は第3の段差より小さく、第2の段差は第1の厚さの0.5倍以上、1.5倍以下である、上記の機能パネルである。
【0013】
これにより、第1の電極の厚さに応じて、第2の段差を変えることができる。または、第1の電極の厚さに影響されることなく、第3の段差を一定にすることができる。または、第1の開口部を囲む第3の段差において、発光性の材料を含む層を薄くすることができる。または、発光性の材料を含む層の広がりに沿って、第1の開口部より外側に流れる電流を抑制することができる。または、発光する領域を、第1の開口部と重なる領域に集中することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0014】
(3)また、本発明の一態様は、第2の素子を有する上記の機能パネルである。
【0015】
第2の素子は、第3の電極、第2の電極および発光性の材料を含む層を備え、発光性の材料を含む層は第3の電極および第2の電極の間に挟まれる領域を備える。
【0016】
絶縁膜は第2の開口部を備え、第2の開口部は第3の電極と重なり、絶縁膜は第2の階段状の断面形状を備え、第2の階段状の断面形状は第2の開口部を囲み、第2の階段状の断面形状は傾斜を備え、傾斜は第3の電極の表面に対し60°以上90°以下である。
【0017】
これにより、発光性の材料を含む層の、第1の開口部を囲む領域および第2の開口部を囲む領域に、厚さが薄い部分を形成することができる。または、発光性の材料を含む層の絶縁膜と重なる領域を介して、第2の電極および第1の電極の間に流れる電流を抑制することができる。または、発光性の材料を含む層の絶縁膜と重なる領域を介して、第2の開口部と重なる領域の第2の電極および第1の電極の間に流れる電流を抑制することができる。または、発光性の材料を含む層の絶縁膜と重なる領域を介して、第1の開口部と重なる領域の第2の電極および第3の電極の間に流れる電流を抑制することができる。または、発光する領域を、第1の開口部と重なる領域または第2の開口部と重なる領域に集中することができる。または、第1の素子の動作が第2の素子の動作に与える影響を抑制できる。または、第1の素子および第2の素子の間に生じるクロストーク現象の発生を抑制できる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0018】
(4)また、本発明の一態様は、第2の階段状の断面形状が第4の段差を備え、第4の段差は第1の段差の0.7倍以上1.3倍以下である、上記の機能パネルである。
【0019】
これにより、第1の開口部を囲む第1の段差および第2の開口部を囲む第2の段差に、発光性の材料を含む層の厚さが薄い部分を形成することができる。発光性の材料を含む層の絶縁膜と重なる領域を介して、第2の電極および第1の電極の間に流れる電流を抑制することができる。または、発光性の材料を含む層の絶縁膜と重なる領域を介して、第2の開口部と重なる領域の第2の電極および第1の電極の間に流れる電流を抑制することができる。または、発光性の材料を含む層の絶縁膜と重なる領域を介して、第1の開口部と重なる領域の第2の電極および第3の電極の間に流れる電流を抑制することができる。または、発光する領域を、第1の開口部と重なる領域または第2の開口部と重なる領域に集中することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0020】
(5)また、本発明の一態様は、第3の電極が第4の厚さを備え、第2の階段状の断面形状が、第4の段差の間に、第5の段差および第6の段差を備える上記の機能パネルである。
【0021】
第5の段差は第4の厚さの0.5倍以上、1.5倍以下であり、第5の段差は第6の段差より小さく、第6の段差は第3の段差の0.7倍以上、1.3倍以下である。
【0022】
これにより、第3の電極の厚さに応じて、第2の段差を変えることができる。または、第1の電極の厚さおよび第3の電極の厚さに影響されることなく、第3の段差および第6の段差を一定にすることができる。または、発光性の材料を含む層の、第1の開口部を囲む第3の段差および第2の開口部を囲む第6の段差に、厚さが薄い部分を形成することができる。または、発光性の材料を含む層の絶縁膜と重なる領域を介して、第2の電極および第1の電極の間に流れる電流を抑制することができる。または、発光性の材料を含む層の絶縁膜と重なる領域を介して、第2の開口部と重なる第2の電極および第1の電極の間に流れる電流を抑制することができる。または、発光性の材料を含む層の絶縁膜と重なる領域を介して、第1の開口部と重なる第2の電極および第3の電極の間に流れる電流を抑制することができる。または、発光する領域を、第1の開口部と重なる領域または第2の開口部と重なる領域に集中することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0023】
(6)また、本発明の一態様は、発光性の材料を含む層が第1の発光ユニット、第2の発光ユニットおよび中間層を備える上記の機能パネルである。
【0024】
第1の発光ユニットは第1の電極および中間層の間に挟まれる領域を備える。また、中間層は第1の発光ユニットおよび第2の発光ユニットの間に挟まれる領域を備え、中間層は第2の発光ユニットより高い導電性を備える。
【0025】
これにより、発光性の材料を含む層の第1の開口部を囲む領域に、中間層の厚さが薄い部分を形成することができる。または、発光性の材料を含む層の広がりに沿って、第1の開口部より外側に流れる電流を抑制することができる。または、発光する領域を、第1の開口部と重なる領域に集中することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0026】
(7)また、本発明の一態様は、一組の画素を有する上記の機能パネルである。
【0027】
一組の画素は第1の画素および第2の画素を備え、第1の画素は第1の素子および画素回路を備え、第2の画素は第2の素子を備える。なお、第1の素子は画素回路と電気的に接続される。
【0028】
これにより、第1の素子を、画素回路を用いて駆動できる。または、クロストークの発生を防ぎながら、第1の画素および第2の画素を用いて表示することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0029】
(8)また、本発明の一態様は、機能層を有する上記の機能パネルである。
【0030】
機能層は画素回路を備え、画素回路は第1のトランジスタを含み、機能層は駆動回路を備え、駆動回路は第2のトランジスタを含む。
【0031】
第1のトランジスタは半導体膜を備え、第2のトランジスタは当該半導体膜を形成する工程で作製することができる半導体膜を備える。
【0032】
これにより、画素回路を機能層に形成することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0033】
(9)また、本発明の一態様は、領域を有し、領域は一群の一組の画素、他の一群の一組の画素、第1の導電膜および第2の導電膜を備える、上記の機能パネルである。
【0034】
一群の一組の画素は行方向に配設され、一群の一組の画素は上記の一組の画素を含み、一群の一組の画素は第1の導電膜と電気的に接続される。
【0035】
他の一群の一組の画素は行方向と交差する列方向に配設され、他の一群の一組の画素は上記の一組の画素を含み、他の一群の一組の画素は第2の導電膜と電気的に接続される。
【0036】
これにより、複数の画素に画像情報を供給することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0037】
(10)また、本発明の一態様は、制御部と、上記の機能パネルと、を有する表示装置である。
【0038】
制御部は画像情報および制御情報を供給され、制御部は画像情報に基づいて情報を生成し、制御部は制御情報に基づいて制御信号を生成し、制御部は情報および制御信号を供給する。
【0039】
機能パネルは情報および制御信号を供給され、一組の画素は情報に基づいて表示する。
【0040】
これにより、第1の素子を用いて画像情報を表示することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示装置を提供することができる。
【0041】
(11)また、本発明の一態様は、入力部と、表示部と、を有する入出力装置である。
【0042】
表示部は上記の機能パネルを備え、入力部は検知領域を備え、入力部は検知領域に近接するものを検知し、検知領域は第1の画素と重なる領域を備える。
【0043】
これにより、表示部を用いて画像情報を表示しながら、表示部と重なる領域に近接するものを検知することができる。または、表示部に近接させる指などをポインタに用いて、位置情報を入力することができる。または、位置情報を表示部に表示する画像情報に関連付けることができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な入出力装置を提供することができる。
【0044】
(12)また、本発明の一態様は、演算装置と、入出力装置と、を有する情報処理装置である。
【0045】
演算装置は入力情報または検知情報を供給され、演算装置は入力情報または検知情報に基づいて、制御情報および画像情報を生成する。また、演算装置は制御情報および画像情報を供給する。
【0046】
入出力装置は入力情報および検知情報を供給し、入出力装置は制御情報および画像情報を供給され、入出力装置は表示部、入力部および検知部を備える。また、表示部は上記の機能パネルを備え、表示部は制御情報に基づいて、画像情報を表示する。また、入力部は入力情報を生成し、検知部は検知情報を生成する。
【0047】
これにより、入力情報または検知情報に基づいて、制御情報を生成することができる。または、入力情報または検知情報に基づいて、画像情報を表示することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な情報処理装置を提供することができる。
【0048】
(13)また、本発明の一態様は、キーボード、ハードウェアボタン、ポインティングデバイス、タッチセンサ、照度センサ、撮像装置、音声入力装置、視線入力装置、姿勢検出装置、のうち一以上と、上記の機能パネルと、を含む、情報処理装置である。
【0049】
これにより、さまざまな入力装置を用いて供給する情報に基づいて、画像情報または制御情報を演算装置に生成させることができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な情報処理装置を提供することができる。
【0050】
本明細書に添付した図面では、構成要素を機能ごとに分類し、互いに独立したブロックとしてブロック図を示しているが、実際の構成要素は機能ごとに完全に切り分けることが難しく、一つの構成要素が複数の機能に係わることもあり得る。
【0051】
本明細書においてトランジスタが有するソースとドレインは、トランジスタの極性及び各端子に与えられる電位の高低によって、その呼び方が入れ替わる。一般的に、nチャネル型トランジスタでは、低い電位が与えられる端子がソースと呼ばれ、高い電位が与えられる端子がドレインと呼ばれる。また、pチャネル型トランジスタでは、低い電位が与えられる端子がドレインと呼ばれ、高い電位が与えられる端子がソースと呼ばれる。本明細書では、便宜上、ソースとドレインとが固定されているものと仮定して、トランジスタの接続関係を説明する場合があるが、実際には上記電位の関係に従ってソースとドレインの呼び方が入れ替わる。
【0052】
本明細書においてトランジスタのソースとは、活性層として機能する半導体膜の一部であるソース領域、或いは上記半導体膜に接続されたソース電極を意味する。同様に、トランジスタのドレインとは、上記半導体膜の一部であるドレイン領域、或いは上記半導体膜に接続されたドレイン電極を意味する。また、ゲートはゲート電極を意味する。
【0053】
本明細書においてトランジスタが直列に接続されている状態とは、例えば、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方のみが、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方のみに接続されている状態を意味する。また、トランジスタが並列に接続されている状態とは、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方が第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方に接続され、第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方が第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方に接続されている状態を意味する。
【0054】
本明細書において接続とは、電気的な接続を意味しており、電流、電圧または電位が、供給可能、或いは伝送可能な状態に相当する。従って、接続している状態とは、直接接続している状態を必ずしも指すわけではなく、電流、電圧または電位が、供給可能、或いは伝送可能であるように、配線、抵抗、ダイオード、トランジスタなどの回路素子を介して間接的に接続している状態も、その範疇に含む。
【0055】
本明細書において回路図上は独立している構成要素どうしが接続されている場合であっても、実際には、例えば配線の一部が電極として機能する場合など、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。本明細書において接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
【0056】
また、本明細書中において、トランジスタの第1の電極または第2の電極の一方がソース電極を、他方がドレイン電極を指す。
【発明の効果】
【0057】
本発明の一態様によれば、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。または、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示装置を提供することができる。または、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な入出力装置を提供することができる。または、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な情報処理装置を提供することができる。または、新規な機能パネル、新規な表示装置、新規な入出力装置、新規な情報処理装置または新規な半導体装置を提供することができる。
【0058】
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1A乃至図1Dは、実施の形態に係る機能パネルの構成を説明する図である。
図2A乃至図2Dは、実施の形態に係る機能パネルの構成を説明する図である。
図3は、実施の形態に係る機能パネルの構成を説明する図である。
図4Aおよび図4Bは、実施の形態に係る機能パネルの構成を説明する図である。
図5A乃至図5Cは、実施の形態に係る機能パネルの構成を説明する図である。
図6は、実施の形態に係る機能パネルの構成を説明する回路図である。
図7は、実施の形態に係る機能パネルの構成を説明する回路図である。
図8Aおよび図8Bは、実施の形態に係る機能パネルの構成を説明する回路図である。
図9は、実施の形態に係る機能パネルの構成を説明する断面図である。
図10Aおよび図10Bは、実施の形態に係る機能パネルの構成を説明する断面図である。
図11Aおよび図11Bは、実施の形態に係る機能パネルの構成を説明する断面図である。
図12Aおよび図12Bは、実施の形態に係る機能パネルの構成を説明する断面図である。
図13A乃至図13Cは、実施の形態に係る機能パネルの構成を説明する断面図である。
図14Aおよび図14Bは、実施の形態に係る機能パネルの構成を説明する図である。
図15は、実施の形態に係る機能パネルの動作を説明する図である。
図16A乃至図16Dは、実施の形態に係る表示装置の構成を説明する図である。
図17は、実施の形態に係る入出力装置の構成を説明するブロック図である。
図18A乃至図18Cは、実施の形態に係る情報処理装置の構成を説明するブロック図および投影図である。
図19Aおよび図19Bは、実施の形態に係る情報処理装置の駆動方法を説明するフローチャートである。
図20A乃至図20Cは、実施の形態に係る情報処理装置の駆動方法を説明する図である。
図21A乃至図21Cは、実施の形態に係る情報処理装置の駆動方法を説明する図である。
図22A乃至図22Dは、実施の形態に係る情報処理装置の駆動方法を説明する図である。
図23A乃至図23Eは、実施の形態に係る情報処理装置の構成を説明する図である。
図24A乃至図24Eは、実施の形態に係る情報処理装置の構成を説明する図である。
図25Aおよび図25Bは、実施の形態に係る情報処理装置の構成を説明する図である。
図26Aは、本発明の一態様である半導体装置の上面図である。図26B乃至図26Dは、本発明の一態様である半導体装置の断面図である。
図27Aおよび図27Bは、実施例に係る機能パネルの断面を説明する透過電子顕微鏡写真である。
図28A乃至図28Cは、実施例に係る機能パネルの構成および特性を説明する図である。
図29Aおよび図29Bは、実施例に係る機能パネルの構成を説明する図である。
図30Aは、実施例に係る機能パネルの作製方法を説明する図であり、図30Bは、実施例に係る機能パネルの着色膜の特性を説明する図である。
図31A乃至図31Fは、実施例に係る機能パネルの特性を説明する図である。
図32A乃至図32Fは、実施例に係る機能パネルの特性を説明する図である。
図33Aおよび図33Bは、実施例に係る機能パネルの写真であり、図33Cは、実施例に係る機能パネルの特性を説明する図である。
図34は、実施例に係る発光素子の構成を説明する図である。
図35は、実施例に係る発光素子の電圧-輝度特性を説明する図である。
図36は、実施例に係る発光素子を1000cd/mの輝度で発光させた際の発光スペクトルを説明する図である。
図37は、実施例に係る比較発光素子の電圧-輝度特性を説明する図である。
図38は、実施例に係る比較発光素子を1000cd/mの輝度で発光させた際の発光スペクトルを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
本発明の一態様の機能パネルは、第1の素子と、第1の反射膜と、絶縁膜と、を有する。第1の素子は第1の電極、第2の電極および発光性の材料を含む層を備え、発光性の材料を含む層は第1の電極および第2の電極の間に挟まれる領域を備え、第1の電極は透光性を備え、第1の電極は第1の厚さを備え、第1の反射膜は発光性の材料を含む層との間に第1の電極を挟む領域を備え、第1の反射膜は第2の厚さを備える。絶縁膜は第1の開口部を備え、第1の開口部は第1の電極と重なり、絶縁膜は第1の階段状の断面形状を備え、第1の階段状の断面形状は第1の段差を備え、第1の段差は第1の厚さに第2の厚さを加えた厚さ以上である。
【0061】
これにより、発光性の材料を含む層553の第1の開口部528h(1)を囲む領域に、厚さが薄い部分を形成することができる。または、発光性の材料を含む層553の広がりに沿って、第1の開口部528h(1)より外側に流れる電流を抑制することができる。または、発光する領域を、第1の開口部528h(1)と重なる領域に集中することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0062】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0063】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の機能パネルの構成について、図を参照しながら説明する。
【0064】
図1Aは本発明の一態様の機能パネルの斜視図であり、図1B図1Aの切断面Y-Zにおける断面図である。また、図1Cおよび図1D図1Bの一部を説明する図である。
【0065】
図2Aは本発明の一態様の機能パネルの斜視図であり、図2B図2Aの切断面Y-Zにおける断面図である。また、図2Cおよび図2D図2Bの一部を説明する図である。
【0066】
図3図1Cの一部を説明する図である。
【0067】
なお、本明細書において、1以上の整数を値にとる変数を符号に用いる場合がある。例えば、1以上の整数の値をとる変数pを含む(p)を、最大p個の構成要素のいずれかを特定する符号の一部に用いる場合がある。また、例えば、1以上の整数の値をとる変数mおよび変数nを含む(m,n)を、最大m×n個の構成要素のいずれかを特定する符号の一部に用いる場合がある。
【0068】
<機能パネル700の構成例1>
本実施の形態で説明する機能パネルは、素子550G(i,j)と、反射膜554G(i,j)と、絶縁膜528と、を有する(図1C参照)。
【0069】
《素子550G(i,j)の構成例》
素子550G(i,j)は、電極551G(i,j)、電極552および発光性の材料を含む層553を備える。
【0070】
発光性の材料を含む層553は、電極551G(i,j)および電極552の間に挟まれる領域を備える。
【0071】
電極551G(i,j)は透光性を備え、電極551G(i,j)は厚さT1を備える。なお、厚さT1を制御して、発光性の材料を含む層553と反射膜554G(i,j)の間の距離を調整することができる。これにより、機能パネル700に微小共振器構造を形成することができる。または、素子550G(i,j)から特定の波長の光を効率よく取り出すことができる。
【0072】
《反射膜554G(i,j)の構成例》
反射膜554G(i,j)は、発光性の材料を含む層553との間に電極551G(i,j)を挟む領域を備え、反射膜554G(i,j)は厚さT2を備える。例えば、導電性を備える材料を反射膜554G(i,j)に用いることができる。具体的には、配線などを反射膜554G(i,j)に用いることができる。
【0073】
《絶縁膜528の構成例1》
絶縁膜528は厚さT3を備え、厚さT3は厚さT1に厚さT2を加えた厚さ以上である。また、絶縁膜528は開口部528h(1)を備える(図1A乃至図1C参照)。
【0074】
開口部528h(1)は電極551G(i,j)と重なり、絶縁膜528は階段状の断面形状SCT1を備える(図1Cおよび図1D参照)。
【0075】
階段状の断面形状SCT1は開口部528h(1)を囲み、階段状の断面形状SCT1は傾斜θを備える(図1Aおよび図1B参照)。
【0076】
傾斜θは電極551G(i,j)の表面に対し60°以上90°以下である(図1C参照)。具体的には、傾斜θは、電極551G(i,j)が発光性の材料を含む層553と接する表面に対する角度である。または、傾斜θは、絶縁膜528の底面に対する側面の角度である。なお、発光性の材料を含む層553の厚さは、絶縁膜528の傾斜θを備える側面に接する領域において、電極551G(i,j)に接する領域に比べて薄い。
【0077】
これにより、発光性の材料を含む層553の開口部528h(1)を囲む領域に、厚さが薄い部分を形成することができる。または、発光性の材料を含む層553の広がりに沿って、開口部528h(1)より外側に流れる電流を抑制することができる。または、発光する領域を、開口部528h(1)と重なる領域に集中することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0078】
《絶縁膜528の構成例2》
また、階段状の断面形状SCT1は段差528D(1)を備える(図1Cおよび図1D参照)。段差528D(1)は厚さT1に厚さT2を加えた厚さ以上である。例えば、厚さT2の反射膜554G(i,j)および厚さT1の電極551G(i,j)が積層された加工部材に、絶縁膜528を形成する方法により、絶縁膜528に段差528D(1)を形成することができる。これにより、厚さT1に厚さT2を加えた厚さと同程度の段差528D(1)を形成することができる。また、例えば、絶縁膜522G、厚さT2の反射膜554G(i,j)および厚さT1の電極551G(i,j)が積層された加工部材に、絶縁膜528を形成することができる。これにより、さらに大きな段差を形成することができる。
【0079】
これにより、開口部528h(1)を囲む段差528D(1)に、発光性の材料を含む層553の厚さが薄い部分を形成することができる。または、発光性の材料を含む層553の広がりに沿って、開口部528h(1)より外側に流れる電流を抑制することができる。または、発光する領域を、開口部528h(1)と重なる領域に集中することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0080】
《絶縁膜528の構成例3》
また、階段状の断面形状SCT1は、段差528D(1)の間に、段差528D(2)および段差528D(3)を備える(図2Cおよび図2D参照)。
【0081】
段差528D(2)は段差528D(3)より小さく、段差528D(2)は厚さT1の0.5倍以上、1.5倍以下である。例えば、段差528D(2)は、厚さT1と同程度の段差を備える。また、段差528D(3)は電極551G(i,j)の厚さT1の影響を受けない。
【0082】
これにより、電極551G(i,j)の厚さT1に応じて、段差528D(2)を変えることができる。または、電極551G(i,j)の厚さT1に影響されることなく、段差528D(3)を一定にすることができる。または、開口部528h(1)を囲む段差528D(3)において、発光性の材料を含む層553を薄くすることができる。または、発光性の材料を含む層553の広がりに沿って、開口部528h(1)より外側に流れる電流を抑制することができる。または、発光する領域を、開口部528h(1)と重なる領域に集中することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0083】
<機能パネル700の構成例2>
本実施の形態で説明する機能パネルは、素子550B(i,j)を有する(図1A図1C図2Aおよび図2C参照)。
【0084】
《素子550G(i,j)の構成例》
素子550B(i,j)は、電極551B(i,j)、電極552および発光性の材料を含む層553を備える(図1Cおよび図2C参照)。
【0085】
発光性の材料を含む層553は電極551B(i,j)および電極552の間に挟まれる領域を備える。
【0086】
《絶縁膜528の構成例4》
絶縁膜528は開口部528h(2)を備える(図1A図1B図2Aおよび図2B参照)。また、開口部528h(2)は電極551B(i,j)と重なり、絶縁膜528は階段状の断面形状SCT2を備える。
【0087】
階段状の断面形状SCT2は開口部528h(2)を囲み、階段状の断面形状SCT2は、傾斜θを備える(図1Cおよび図2C参照)。
【0088】
傾斜θは電極551B(i,j)の表面に対し60°以上90°以下である。
【0089】
これにより、発光性の材料を含む層553の、開口部528h(1)を囲む領域および開口部528h(2)を囲む領域に、厚さが薄い部分を形成することができる。または、発光性の材料を含む層553の絶縁膜528と重なる領域を介して、開口部528h(2)と重なる領域の電極552および電極551G(i,j)の間に流れる電流を抑制することができる。または、発光性の材料を含む層553の絶縁膜528と重なる領域を介して、開口部528h(1)と重なる領域の電極552および電極551B(i,j)の間に流れる電流を抑制することができる。または、発光する領域を、開口部528h(1)と重なる領域または開口部528h(2)と重なる領域に集中することができる。または、素子550G(i,j)の動作が素子550B(i,j)の動作に与える影響を抑制できる。または、素子550G(i,j)および素子550B(i,j)の間に生じるクロストーク現象の発生を抑制できる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0090】
《絶縁膜528の構成例5》
階段状の断面形状SCT2は、段差528D(4)を備え、段差528D(4)は段差528D(1)の0.7倍以上1.3倍以下、好ましくは0.9倍以上1.1倍以下である(図1Dおよび図2D参照)。例えば、絶縁膜522B、厚さT2の反射膜554B(i,j)および厚さT4の電極551B(i,j)が積層された加工部材に、絶縁膜528を形成することができる。これにより、段差528D(4)を段差528D(1)と同程度にすることができる。または、段差528D(4)が段差528D(1)と同程度になるように、絶縁膜522Bの厚さを調整することができる。
【0091】
これにより、開口部528h(1)を囲む段差528D(1)および開口部528h(2)を囲む段差528D(4)に、発光性の材料を含む層553の厚さが薄い部分を形成することができる。または、発光性の材料を含む層553の絶縁膜528と重なる領域を介して、開口部528h(2)と重なる領域の電極552および電極551G(i,j)の間に流れる電流を抑制することができる。または、発光性の材料を含む層553の絶縁膜528と重なる領域を介して、開口部528h(1)と重なる領域の電極552および電極551B(i,j)の間に流れる電流を抑制することができる。または、発光する領域を、開口部528h(1)と重なる領域または開口部528h(2)と重なる領域に集中することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0092】
《絶縁膜528の構成例6》
電極551B(i,j)は厚さT4を備える(図2C参照)。
【0093】
また、階段状の断面形状SCT2は、段差528D(4)の間に、段差528D(5)および段差528D(6)を備える(図2Cおよび図2D参照)。
【0094】
段差528D(5)は厚さT4の0.5倍以上、1.5倍以下であり、段差528D(5)は段差528D(6)より小さい。また、段差528D(6)は段差528D(3)の0.7倍以上、1.3倍以下、好ましくは0.9倍以上1.1倍以下である。例えば、段差528D(5)は、厚さT4と同程度の段差を備える。また、段差528D(6)は電極551B(i,j)の厚さT4の影響を受けない。
【0095】
これにより、電極551B(i,j)の厚さT4に応じて、段差528D(5)を変えることができる。または、電極551G(i,j)の厚さT1および電極551B(i,j)の厚さT4に影響されることなく、段差528D(3)および段差528D(6)を一定にすることができる。または、発光性の材料を含む層553の、開口部528h(1)を囲む段差528D(3)および開口部528h(2)を囲む段差528D(6)に、厚さが薄い部分を形成することができる。または、発光性の材料を含む層553の絶縁膜528と重なる領域を介して、開口部528h(2)と重なる電極552および電極551G(i,j)の間に流れる電流を抑制することができる。または、発光性の材料を含む層553の絶縁膜528と重なる領域を介して、開口部528h(1)と重なる電極552および電極551B(i,j)の間に流れる電流を抑制することができる。または、発光する領域を、開口部528h(1)と重なる領域または開口部528h(2)と重なる領域に集中することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0096】
《発光性の材料を含む層553の構成例》
発光性の材料を含む層553は、発光ユニット103(1)、発光ユニット103(2)および中間層106を備える(図3参照)。
【0097】
発光ユニット103(1)は、電極551G(i,j)および中間層106の間に挟まれる。なお、発光ユニットは、一方から注入された電子が他方から注入された正孔と再結合する領域を1つ備える。また、発光ユニットは発光性の材料を含み、発光性の材料は電子と正孔の再結合により生じるエネルギーを光として放出する。例えば、青色の光を射出する構成を発光ユニット103(1)に用い、黄色の光を射出する構成を発光ユニット103(2)に用いることができる。これにより、発光性の材料を含む層553を白色の光を射出する構成にすることができる。
【0098】
中間層106は発光ユニット103(1)および発光ユニット103(2)の間に挟まれる領域を備え、中間層106は発光ユニット103(2)より高い導電性を備える。中間層は、二つの発光ユニットの間に挟まれる領域を備える。中間層は電荷発生領域を備え、中間層は陰極側に配置された発光ユニットに正孔を供給し、陽極側に配置された発光ユニットに電子を供給する機能を備える。なお、複数の発光ユニットおよび中間層を備える構成をタンデム型の発光素子という場合がある。
【0099】
これにより、発光性の材料を含む層553の開口部528h(1)を囲む領域に、中間層106の厚さが薄い部分106Nを形成することができる。または、発光性の材料を含む層553の広がりに沿って、開口部528h(1)より外側に流れる電流を抑制することができる。または、発光する領域を、開口部528h(1)と重なる領域に集中することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0100】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0101】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の機能パネルの構成について、図を参照しながら説明する。
【0102】
図4Aは本発明の一態様の機能パネルの構成を説明する上面図であり、図4B図4Aの一部を説明する図である。
【0103】
図5A図4Aの一部を説明する図であり、図5B図5Aの一部を説明する図であり、図5C図5Aの他の一部を説明する図である。
【0104】
図6は本発明の一態様の機能パネルに用いることができる画素回路の構成を説明する回路図である。
【0105】
図7は本発明の一態様の機能パネルに用いることができる画素回路の構成を説明する回路図である。
【0106】
図8Aは本発明の一態様の機能パネルに用いることができる増幅回路の一部を説明する回路図であり、図8Bは本発明の一態様の機能パネルに用いることができるサンプリング回路の回路図である。
【0107】
<機能パネル700の構成例1>
機能パネル700は一組の画素703(i,j)を有する(図4A参照)。
【0108】
また、機能パネル700は導電膜G1(i)と、導電膜G2(i)と、導電膜S1g(j)と、導電膜S2g(j)と、導電膜ANOと、導電膜VCOM2と、導電膜V0を有する(図6参照)。
【0109】
なお、例えば、導電膜G1(i)は第1の選択信号を供給され、導電膜G2(i)は第2の選択信号を供給され、導電膜S1g(j)は画像信号を供給され、導電膜S2g(j)は制御信号を供給される。
【0110】
《画素703(i,j)の構成例1》
一組の画素703(i,j)は画素702G(i,j)を備える(図4B参照)。画素702G(i,j)は画素回路530G(i,j)および素子550G(i,j)を備える(図5A参照)。
【0111】
《画素回路530G(i,j)の構成例1》
画素回路530G(i,j)は第1の選択信号を供給され、画素回路530G(i,j)は、第1の選択信号に基づいて、画像信号を取得する。
【0112】
例えば、導電膜G1(i)を用いて、第1の選択信号を供給することができる(図5B参照)。または、導電膜S1g(j)を用いて画像信号を供給することができる。なお、第1の選択信号を供給し、画像信号を画素回路530G(i,j)に取得させる動作を「書き込み」ということができる(図15参照)。
【0113】
《画素回路530G(i,j)の構成例2》
画素回路530G(i,j)は、スイッチSW21、スイッチSW22、トランジスタM21、容量C21およびノードN21を備える(図6参照)。また、画素回路530G(i,j)はノードN22、容量C22およびスイッチSW23を備える。
【0114】
トランジスタM21は、ノードN21と電気的に接続されるゲート電極と、素子550G(i,j)と電気的に接続される第1の電極と、導電膜ANOと電気的に接続される第2の電極と、を備える。
【0115】
スイッチSW21は、ノードN21と電気的に接続される第1の端子と、導電膜S1g(j)と電気的に接続される第2の端子と、導電膜G1(i)の電位に基づいて、導通状態または非導通状態を制御する機能を備える。
【0116】
スイッチSW22は、導電膜S2g(j)と電気的に接続される第1の端子と、導電膜G2(i)の電位に基づいて、導通状態または非導通状態を制御する機能を備える。
【0117】
容量C21は、ノードN21と電気的に接続される導電膜と、スイッチSW22の第2の電極と電気的に接続される導電膜を備える。
【0118】
これにより、画像信号をノードN21に格納することができる。または、ノードN21の電位を、スイッチSW22を用いて、変更することができる。または、素子550G(i,j)が射出する光の強度を、ノードN21の電位を用いて、制御することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0119】
《素子550G(i,j)の構成例1》
素子550G(i,j)は画素回路530G(i,j)と電気的に接続される(図5A参照)。また、素子550G(i,j)は、画素回路530G(i,j)と電気的に接続される電極551G(i,j)と、導電膜VCOM2と電気的に接続される電極552を備える(図6および図10A参照)。なお、素子550G(i,j)は、ノードN21の電位に基づいて動作する機能を備える。
【0120】
例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンス素子、発光ダイオードまたはQDLED(Quantum Dot LED)等を、素子550G(i,j)に用いることができる。
【0121】
<機能パネル700の構成例2>
本実施の形態で説明する機能パネルは、導電膜RS(i)と、導電膜TX(i)と、導電膜SE(i)と、導電膜VRと、導電膜VCPと、導電膜VPIと、導電膜WX(j)と、を有する(図7参照)。
【0122】
例えば、導電膜RS(i)は第3の選択信号を供給され、導電膜TX(i)は第4の選択信号を供給され、導電膜SE(i)は第5の選択信号を供給される。
【0123】
《画素703(i,j)の構成例2》
画素703(i,j)は画素702S(i,j)を備える(図4B参照)。画素702S(i,j)は画素回路530S(i,j)および素子550S(i,j)を備える(図5A参照)。
【0124】
《画素回路530S(i,j)の構成例1》
画素回路530S(i,j)は、スイッチSW31、スイッチSW32、スイッチSW33、トランジスタM31、容量C31およびノードFDを備える(図7参照)。
【0125】
スイッチSW31は、素子550S(i,j)と電気的に接続される第1の端子と、ノードFDと電気的に接続される第2の端子と、導電膜TX(i)の電位に基づいて、導通状態または非導通状態を制御する機能を備える。
【0126】
スイッチSW32は、ノードFDと電気的に接続される第1の端子と、導電膜VRと電気的に接続される第2の端子と、導電膜RS(i)の電位に基づいて、導通状態または非導通状態を制御する機能を備える。
【0127】
容量C31は、ノードFDと電気的に接続される導電膜と、導電膜VCPと電気的に接続される導電膜を備える。
【0128】
トランジスタM31は、ノードFDと電気的に接続されるゲート電極と、導電膜VPIと電気的に接続される第1の電極と、を備える。
【0129】
スイッチSW33は、トランジスタM31の第2の電極と電気的に接続される第1の端子と、導電膜WX(j)と電気的に接続される第2の端子と、導電膜SE(i)の電位に基づいて、導通状態または非導通状態を制御する機能を備える。
【0130】
これにより、素子550S(i,j)が生成した撮像信号を、スイッチSW31を用いて、ノードFDに転送することができる。または、素子550S(i,j)が生成した撮像信号を、スイッチSW31を用いて、ノードFDに格納することができる。または、画素回路530S(i,j)および素子550S(i,j)の間を、スイッチSW31を用いて、非導通状態にすることができる。または、相関二重サンプリング法を適用することができる。または、撮像信号に含まれるノイズを低減することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0131】
《素子550S(i,j)の構成例1》
素子550S(i,j)は画素回路530S(i,j)と電気的に接続される(図5A参照)。素子550S(i,j)は撮像信号を生成する機能を備える。例えば、ヘテロ接合型の光電変換素子、バルクヘテロ接合型の光電変換素子等を、素子550S(i,j)に用いることができる。
【0132】
《画素703(i,j)の構成例3》
複数の画素を画素703(i,j)に用いることができる。例えば、色相が互いに異なる色を表示する複数の画素を用いることができる。なお、複数の画素のそれぞれを副画素と言い換えることができる。または、複数の副画素を一組にして、画素と言い換えることができる。
【0133】
これにより、当該複数の画素が表示する色を加法混色または減法混色することができる。または、個々の画素では表示することができない色相の色を、表示することができる。
【0134】
具体的には、青色を表示する画素702B(i,j)、緑色を表示する画素702G(i,j)および赤色を表示する画素702R(i,j)を画素703(i,j)に用いることができる。また、画素702B(i,j)、画素702G(i,j)および画素702R(i,j)のそれぞれを副画素と言い換えることができる(図4B参照)。
【0135】
また、例えば、白色等を表示する画素を上記の一組に加えて、画素703(i,j)に用いることができる。また、シアンを表示する画素、マゼンタを表示する画素およびイエローを表示する画素を、画素703(i,j)に用いることができる。
【0136】
また、例えば、赤外線を射出する画素を上記の一組に加えて、画素703(i,j)に用いることができる。具体的には、650nm以上1000nm以下の波長を備える光を含む光を射出する画素を、画素703(i,j)に用いることができる。
【0137】
<機能パネル700の構成例3>
本実施の形態で説明する機能パネルは、駆動回路GDと、駆動回路SDと、駆動回路RDと、を有する(図4A参照)。
【0138】
《駆動回路GDの構成例》
駆動回路GDは、第1の選択信号および第2の選択信号を供給する機能を備える。例えば、駆動回路GDは導電膜G1(i)と電気的に接続され、第1の選択信号を供給し、導電膜G2(i)と電気的に接続され、第2の選択信号を供給する。
【0139】
《駆動回路SDの構成例》
駆動回路SDは、画像信号および制御信号を供給する機能を備え、制御信号は第1のレベルおよび第2のレベルを含む。例えば、駆動回路SDは導電膜S1g(j)と電気的に接続され、画像信号を供給し、導電膜S2g(j)と電気的に接続され、制御信号を供給する。
【0140】
《駆動回路RDの構成例》
駆動回路RDは、第3の選択信号乃至第5の選択信号を供給する機能を備える。例えば、駆動回路RDは導電膜RS(i)と電気的に接続され、第3の選択信号を供給し、導電膜TX(i)と電気的に接続され、第4の選択信号を供給し、導電膜SE(i)と電気的に接続され、第5の選択信号を供給する。
【0141】
<機能パネル700の構成例4>
本実施の形態で説明する機能パネルは、導電膜VLENと、導電膜VIVと、読み出し回路RCを有する(図8A図8Bおよび図4A参照)。なお、読み出し回路RCは読み出し回路RC(j)を含む。また、機能パネルは、導電膜CDSVDD、導電膜CDSVSS、導電膜CDSBIAS、導電膜CAPSEL、導電膜VCLを有する。
【0142】
《読み出し回路RC(j)の構成例》
読み出し回路RC(j)は、増幅回路およびサンプリング回路SC(j)を備える(図8Aおよび図8B参照)。
【0143】
《増幅回路の構成例》
増幅回路はトランジスタM32(j)を含む(図8A参照)。トランジスタM32(j)は導電膜VLENと電気的に接続されるゲート電極と、導電膜WX(j)と電気的に接続される第1の電極と、導電膜VIVと電気的に接続される第2の電極と、を備える。
【0144】
なお、スイッチSW33が導通状態のとき、導電膜WX(j)は、トランジスタM31およびトランジスタM32を接続する(図7および図8A参照)。これにより、トランジスタM31およびトランジスタM32を用いて、ソースフォロワ回路を構成することができる。または、ノードFDの電位に基づいて、導電膜WX(j)の電位を変化することができる。
【0145】
《サンプリング回路SC(j)の構成例》
サンプリング回路SC(j)は、第1の端子IN(j)、第2の端子および第3の端子OUT(j)を備える(図8B参照)。また、ノードNSを備える。
【0146】
第1の端子IN(j)は導電膜WX(j)と電気的に接続され、第2の端子は導電膜CLと電気的に接続され、第3の端子OUT(j)は第1の端子IN(j)の電位に基づいて変化する信号を供給する機能を備える。
【0147】
これにより、画素回路530S(i,j)から撮像信号を取得することができる。または、例えば、相関二重サンプリング法を適用することができる。画素回路530S(i,j)の差分信号を、導電膜WX(j)ごとに取得することができる。または、ノイズを低減することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0148】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0149】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の機能パネルの構成について、図を参照しながら説明する。
【0150】
図9は本発明の一態様の機能パネルの構成を説明する図であり、図4Aの切断線X1-X2、X3-X4、X9-X10、X11-X12および一組の画素703(i,j)における断面図である。
【0151】
図10Aは本発明の一態様の機能パネルの構成を説明する図であり、図4Bに示す画素702G(i,j)の断面図である。図10B図10Aの一部を説明する断面図である。
【0152】
図11Aは本発明の一態様の機能パネルの構成を説明する図であり、図4Bに示す画素702S(i,j)の断面図である。図11B図11Aの一部を説明する断面図である。
【0153】
図12Aは本発明の一態様の機能パネルの構成を説明する図であり、図4Aの切断線X1-X2および切断線X3-X4における断面図である。図12B図12Aの一部を説明する図である。
【0154】
<機能パネル700の構成例1>
本実施の形態で説明する機能パネルは、機能層520を有する(図9参照)。
【0155】
《機能層520の構成例1》
機能層520は、画素回路530G(i,j)を備える(図9参照)。機能層520は、例えば、画素回路530G(i,j)に用いるトランジスタM21を含む(図4および図10A参照)。
【0156】
機能層520は開口部591Gを備える。画素回路530G(i,j)は開口部591Gにおいて、素子550G(i,j)と電気的に接続される(図9および図10A参照)。
【0157】
《機能層520の構成例2》
機能層520は、画素回路530S(i,j)を備える(図9参照)。機能層520は、例えば、画素回路530S(i,j)のスイッチSW31に用いるトランジスタを含む(図9および図11A参照)。
【0158】
機能層520は開口部591Sを備え、画素回路530S(i,j)は、開口部591Sにおいて、素子550S(i,j)と電気的に接続される(図9および図11A参照)。
【0159】
これにより、画素回路530G(i,j)を機能層520に形成することができる。または、画素回路530S(i,j)を機能層520に形成することができる。例えば、画素回路530G(i,j)に用いる半導体膜を形成する工程において、画素回路530S(i,j)に用いる半導体膜を形成することができる。または、作製工程を簡略化することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0160】
《機能層520の構成例3》
機能層520は駆動回路GDを備える(図4Aおよび図9参照)。機能層520は、例えば、駆動回路GDに用いるトランジスタMDを含む(図9および図12A参照)。
【0161】
機能層520は駆動回路RDおよび読み出し回路RCを備える(図9参照)。
【0162】
これにより、例えば、画素回路530G(i,j)に用いる半導体膜を形成する工程において、駆動回路GDに用いる半導体膜を形成することができる。または、例えば、画素回路530G(i,j)に用いる半導体膜を形成する工程において、駆動回路RDおよび読み出し回路RCに用いる半導体膜を形成することができる。または、機能パネルの作製工程を簡略化することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0163】
《トランジスタの構成例》
ボトムゲート型のトランジスタまたはトップゲート型のトランジスタなど、機能層520に用いることができる。具体的には、トランジスタをスイッチに用いることができる。
【0164】
トランジスタは、半導体膜508、導電膜504、導電膜512Aおよび導電膜512Bを備える(図10B参照)。
【0165】
半導体膜508は、導電膜512Aと電気的に接続される領域508A、導電膜512Bと電気的に接続される領域508Bを備える。半導体膜508は、領域508Aおよび領域508Bの間に領域508Cを備える。
【0166】
導電膜504は領域508Cと重なる領域を備え、導電膜504はゲート電極の機能を備える。
【0167】
絶縁膜506は、半導体膜508および導電膜504の間に挟まれる領域を備える。絶縁膜506はゲート絶縁膜の機能を備える。
【0168】
導電膜512Aはソース電極の機能またはドレイン電極の機能の一方を備え、導電膜512Bはソース電極の機能またはドレイン電極の機能の他方を備える。
【0169】
また、導電膜524をトランジスタに用いることができる。導電膜524は、導電膜504との間に半導体膜508を挟む領域を備える。導電膜524は、第2のゲート電極の機能を備える。
【0170】
なお、画素回路のトランジスタに用いる半導体膜を形成する工程において、駆動回路のトランジスタに用いる半導体膜を形成することができる。例えば、画素回路のトランジスタに用いる半導体膜と同じ組成の半導体膜を、駆動回路に用いることができる。
【0171】
《半導体膜508の構成例1》
例えば、14族の元素を含む半導体を半導体膜508に用いることができる。具体的には、シリコンを含む半導体を半導体膜508に用いることができる。
【0172】
[水素化アモルファスシリコン]
例えば、水素化アモルファスシリコンを半導体膜508に用いることができる。または、微結晶シリコンなどを半導体膜508に用いることができる。これにより、例えば、ポリシリコンを半導体膜508に用いる機能パネルより、表示ムラが少ない機能パネルを提供することができる。または、機能パネルの大型化が容易である。
【0173】
[ポリシリコン]
例えば、ポリシリコンを半導体膜508に用いることができる。これにより、例えば、水素化アモルファスシリコンを半導体膜508に用いるトランジスタより、トランジスタの電界効果移動度を高くすることができる。または、例えば、水素化アモルファスシリコンを半導体膜508に用いるトランジスタより、駆動能力を高めることができる。または、例えば、水素化アモルファスシリコンを半導体膜508に用いるトランジスタより、画素の開口率を向上することができる。
【0174】
または、例えば、水素化アモルファスシリコンを半導体膜508に用いるトランジスタより、トランジスタの信頼性を高めることができる。
【0175】
または、トランジスタの作製に要する温度を、例えば、単結晶シリコンを用いるトランジスタより、低くすることができる。
【0176】
または、駆動回路のトランジスタに用いる半導体膜を、画素回路のトランジスタに用いる半導体膜と同一の工程で形成することができる。または、画素回路を形成する基板と同一の基板上に駆動回路を形成することができる。または、電子機器を構成する部品数を低減することができる。
【0177】
[単結晶シリコン]
例えば、単結晶シリコンを半導体膜508に用いることができる。これにより、例えば、水素化アモルファスシリコンを半導体膜508に用いる機能パネルより、精細度を高めることができる。または、例えば、ポリシリコンを半導体膜508に用いる機能パネルより、表示ムラが少ない機能パネルを提供することができる。または、例えば、スマートグラスまたはヘッドマウントディスプレイを提供することができる。
【0178】
《半導体膜508の構成例2》
例えば、金属酸化物を半導体膜508に用いることができる。これにより、アモルファスシリコンを半導体膜に用いたトランジスタを利用する画素回路と比較して、画素回路が画像信号を保持することができる時間を長くすることができる。具体的には、フリッカーの発生を抑制しながら、選択信号を30Hz未満、好ましくは1Hz未満、より好ましくは一分に一回未満の頻度で供給することができる。その結果、情報処理装置の使用者に蓄積する疲労を低減することができる。また、駆動に伴う消費電力を低減することができる。
【0179】
また、アモルファスシリコンを半導体膜に用いたトランジスタを利用する画素回路と比較して、画素回路が撮像信号を保持することができる時間を長くすることができる。具体的には、第2の選択信号を30Hz未満、好ましくは1Hz未満、より好ましくは一分に一回未満の頻度で供給することができる。その結果、グローバルシャッター方式で撮影することができる。また、運動する被写体を、歪みを抑えて撮影することができる。
【0180】
例えば、酸化物半導体を用いるトランジスタを利用することができる。具体的には、インジウムを含む酸化物半導体、インジウムとガリウムと亜鉛を含む酸化物半導体またはインジウムとガリウムと亜鉛と錫とを含む酸化物半導体
を半導体膜に用いることができる。
【0181】
一例を挙げれば、オフ状態におけるリーク電流が、半導体膜にアモルファスシリコンを用いたトランジスタより小さいトランジスタを用いることができる。具体的には、酸化物半導体を半導体膜に用いたトランジスタをスイッチ等に利用することができる。これにより、アモルファスシリコンを用いたトランジスタをスイッチに利用する回路より長い時間、フローティングノードの電位を保持することができる。
【0182】
例えば、インジウム、ガリウムおよび亜鉛を含む厚さ25nmの膜を、半導体膜508に用いることができる。
【0183】
例えば、タンタルおよび窒素を含む厚さ10nmの膜と、銅を含む厚さ300nmの膜と、を積層した導電膜を導電膜504に用いることができる。なお、銅を含む膜は、絶縁膜506との間に、タンタルおよび窒素を含む膜を挟む領域を備える。
【0184】
例えば、シリコンおよび窒素を含む厚さ400nmの膜と、シリコン、酸素および窒素を含む厚さ200nmの膜と、を積層した積層膜を、絶縁膜506に用いることができる。なお、シリコンおよび窒素を含む膜は、半導体膜508との間に、シリコン、酸素および窒素を含む膜を挟む領域を備える。
【0185】
例えば、タングステンを含む厚さ50nmの膜と、アルミニウムを含む厚さ400nmの膜と、チタンを含む厚さ100nmの膜と、をこの順で積層した導電膜を、導電膜512Aまたは導電膜512Bに用いることができる。なお、タングステンを含む膜は、半導体膜508と接する領域を備える。
【0186】
ところで、例えば、アモルファスシリコンを半導体に用いるボトムゲート型のトランジスタの製造ラインは、酸化物半導体を半導体に用いるボトムゲート型のトランジスタの製造ラインに容易に改造できる。また、例えばポリシリコンを半導体に用いるトップゲート型のトランジスタの製造ラインは、酸化物半導体を半導体に用いるトップゲート型のトランジスタの製造ラインに容易に改造できる。いずれの改造も、既存の製造ラインを有効に活用することができる。
【0187】
これにより、表示のチラツキを抑制することができる。または、消費電力を低減することができる。または、動きの速い動画を滑らかに表示することができる。または、豊かな階調で写真等を表示することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0188】
《半導体膜508の構成例3》
例えば、化合物半導体をトランジスタの半導体に用いることができる。具体的には、ガリウム・ヒ素を含む半導体を用いることができる。
【0189】
例えば、有機半導体をトランジスタの半導体に用いることができる。具体的には、ポリアセン類またはグラフェンを含む有機半導体を半導体膜に用いることができる。
【0190】
《容量の構成例》
容量は、一の導電膜、他の導電膜および絶縁膜を備える。当該絶縁膜は一の導電膜および他の導電膜の間に挟まれる領域を備える。
【0191】
例えば、トランジスタのソース電極またはドレイン電極に用いる導電膜と、ゲート電極に用いる導電膜と、ゲート絶縁膜に用いる絶縁膜と、を容量に用いることができる。
【0192】
《機能層520の構成例2》
機能層520は、絶縁膜521、絶縁膜518、絶縁膜516、絶縁膜506および絶縁膜501C等を備える(図10Aおよび図10B参照)。
【0193】
絶縁膜521は、画素回路530G(i,j)および素子550G(i,j)の間に挟まれる領域を備える。
【0194】
絶縁膜518は、絶縁膜521および絶縁膜501Cの間に挟まれる領域を備える。
【0195】
絶縁膜516は絶縁膜518および絶縁膜501Cの間に挟まれる領域を備える。
【0196】
絶縁膜506は絶縁膜516および絶縁膜501Cの間に挟まれる領域を備える。
【0197】
[絶縁膜521]
絶縁膜521Aおよび絶縁膜521Bを積層した膜を絶縁膜521に用いることができる。例えば、絶縁性の無機材料、絶縁性の有機材料または無機材料と有機材料を含む絶縁性の複合材料を、絶縁膜521に用いることができる。
【0198】
具体的には、無機酸化物膜、無機窒化物膜または無機酸化窒化物膜等またはこれらから選ばれた複数を積層した積層材料を、絶縁膜521に用いることができる。
【0199】
例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等またはこれらから選ばれた複数を積層した積層材料を含む膜を、絶縁膜521に用いることができる。なお、窒化シリコン膜は緻密な膜であり、不純物の拡散を抑制する機能に優れる。
【0200】
例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリシロキサン若しくはアクリル樹脂等またはこれらから選択された複数の樹脂の積層材料もしくは複合材料などを絶縁膜521に用いることができる。ところで、ポリイミドは熱的安定性、絶縁性、靱性、低誘電率、低熱膨張率、耐薬品性などの特性において他の有機材料に比べて優れた特性を備える。これにより、特にポリイミドを絶縁膜521等に好適に用いることができる。
【0201】
また、感光性を有する材料を用いて、絶縁膜521を形成してもよい。具体的には、感光性のポリイミドまたは感光性のアクリル樹脂等を用いて形成された膜を絶縁膜521に用いることができる。
【0202】
これにより、絶縁膜521は、例えば、絶縁膜521と重なるさまざまな構造に由来する段差を平坦化することができる。
【0203】
[絶縁膜518]
例えば、絶縁膜521に用いることができる材料を絶縁膜518に用いることができる。
【0204】
例えば、酸素、水素、水、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の拡散を抑制する機能を備える材料を絶縁膜518に用いることができる。具体的には、窒化物絶縁膜を絶縁膜518に用いることができる。例えば、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム等を絶縁膜518に用いることができる。これにより、トランジスタの半導体膜への不純物の拡散を抑制することができる。
【0205】
[絶縁膜516]
絶縁膜516Aおよび絶縁膜516Bを積層した膜を絶縁膜516に用いることができる。例えば、絶縁膜521に用いることができる材料を絶縁膜516に用いることができる。
【0206】
具体的には、絶縁膜518とは作製方法が異なる膜を絶縁膜516に用いることができる。
【0207】
[絶縁膜506]
例えば、絶縁膜521に用いることができる材料を絶縁膜506に用いることができる。
【0208】
具体的には、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜または酸化ネオジム膜を含む膜を絶縁膜506に用いることができる。
【0209】
[絶縁膜501D]
絶縁膜501Dは、絶縁膜501Cおよび絶縁膜516の間に挟まれる領域を備える。
【0210】
例えば、絶縁膜506に用いることができる材料を絶縁膜501Dに用いることができる。
【0211】
[絶縁膜501C]
例えば、絶縁膜521に用いることができる材料を絶縁膜501Cに用いることができる。具体的には、シリコンおよび酸素を含む材料を絶縁膜501Cに用いることができる。これにより、画素回路、素子550G(i,j)または素子550S(i,j)等への不純物の拡散を抑制することができる。
【0212】
《機能層520の構成例3》
機能層520は、導電膜、配線および端子を備える。導電性を備える材料を配線、電極、端子、導電膜等に用いることができる。
【0213】
[配線等]
例えば、無機導電性材料、有機導電性材料、金属または導電性セラミックスなどを配線等に用いることができる。
【0214】
具体的には、アルミニウム、金、白金、銀、銅、クロム、タンタル、チタン、モリブデン、タングステン、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウムまたはマンガンから選ばれた金属元素などを、配線等に用いることができる。または、上述した金属元素を含む合金などを、配線等に用いることができる。特に、銅とマンガンの合金がウエットエッチング法を用いた微細加工に好適である。
【0215】
具体的には、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タンタル膜または窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、チタン膜と、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構造等を配線等に用いることができる。
【0216】
具体的には、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を、配線等に用いることができる。
【0217】
具体的には、グラフェンまたはグラファイトを含む膜を配線等に用いることができる。
【0218】
例えば、酸化グラフェンを含む膜を形成し、酸化グラフェンを含む膜を還元することにより、グラフェンを含む膜を形成することができる。還元する方法としては、熱を加える方法や還元剤を用いる方法等を挙げることができる。
【0219】
例えば、金属ナノワイヤーを含む膜を配線等に用いることができる。具体的には、銀を含むナノワイヤーを用いることができる。
【0220】
具体的には、導電性高分子を配線等に用いることができる。
【0221】
なお、例えば、導電材料を用いて、端子519Bをフレキシブルプリント基板FPC1と電気的に接続することができる(図9参照)。具体的には、導電材料CPを用いて、端子519Bをフレキシブルプリント基板FPC1と電気的に接続することができる。
【0222】
<機能パネル700の構成例2>
また、機能パネル700は、基材510、基材770および封止材705を備える(図10A参照)。また、機能パネル700は構造体KBを備える。
【0223】
《基材510、基材770》
透光性を備える材料を、基材510または基材770に用いることができる。
【0224】
例えば、可撓性を有する材料を基材510または基材770に用いることができる。これにより、可撓性を備える機能パネルを提供することができる。
【0225】
例えば、厚さ0.7mm以下厚さ0.1mm以上の材料を用いることができる。具体的には、厚さ0.1mm程度まで研磨した材料を用いることができる。これにより、重量を低減することができる。
【0226】
ところで、第6世代(1500mm×1850mm)、第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(2200mm×2400mm)、第9世代(2400mm×2800mm)、第10世代(2950mm×3400mm)等のガラス基板を基材510または基材770に用いることができる。これにより、大型の表示装置を作製することができる。
【0227】
有機材料、無機材料または有機材料と無機材料等の複合材料等を基材510または基材770に用いることができる。
【0228】
例えば、ガラス、セラミックス、金属等の無機材料を用いることができる。具体的には、無アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリガラス、クリスタルガラス、アルミノ珪酸ガラス、強化ガラス、化学強化ガラス、石英またはサファイア等を、基材510または基材770に用いることができる。または、アルミノ珪酸ガラス、強化ガラス、化学強化ガラスまたはサファイア等を、機能パネルの使用者に近い側に配置される基材510または基材770に好適に用いることができる。これにより、使用に伴う機能パネルの破損や傷付きを防止することができる。
【0229】
具体的には、無機酸化物膜、無機窒化物膜または無機酸窒化物膜等を用いることができる。例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いることができる。ステンレス・スチールまたはアルミニウム等を基材510または基材770に用いることができる。
【0230】
例えば、シリコンや炭化シリコンからなる単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウム等の化合物半導体基板、SOI基板等を基材510または基材770に用いることができる。これにより、半導体素子を基材510または基材770に形成することができる。
【0231】
例えば、樹脂、樹脂フィルムまたはプラスチック等の有機材料を基材510または基材770に用いることができる。具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂またはシリコーンなどのシロキサン結合を有する樹脂を含む材料を基材510または基材770に用いることができる。例えば、これらの材料を含む樹脂フィルム、樹脂板または積層材料等を用いることができる。これにより、重量を低減することができる。または、例えば、落下に伴う破損等の発生頻度を低減することができる。
【0232】
具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、シクロオレフィンポリマー(COP)またはシクロオレフィンコポリマー(COC)等を基材510または基材770に用いることができる。
【0233】
例えば、金属板、薄板状のガラス板または無機材料等の膜と樹脂フィルム等を貼り合わせた複合材料を基材510または基材770に用いることができる。例えば、繊維状または粒子状の金属、ガラスもしくは無機材料等を樹脂に分散した複合材料を基材510または基材770に用いることができる。例えば、繊維状または粒子状の樹脂もしくは有機材料等を無機材料に分散した複合材料を基材510または基材770に用いることができる。
【0234】
また、単層の材料または複数の層が積層された材料を、基材510または基材770に用いることができる。例えば、絶縁膜等が積層された材料を用いることができる。具体的には、酸化シリコン層、窒化シリコン層または酸化窒化シリコン層等から選ばれた一または複数の膜が積層された材料を用いることができる。これにより、例えば、基材に含まれる不純物の拡散を防ぐことができる。または、ガラスまたは樹脂に含まれる不純物の拡散を防ぐことができる。または、樹脂を透過する不純物の拡散を防ぐことができる。
【0235】
また、紙または木材などを基材510または基材770に用いることができる。
【0236】
例えば、作製工程中の熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有する材料を基材510または基材770に用いることができる。具体的には、トランジスタまたは容量等を直接形成する作成工程中に加わる熱に耐熱性を有する材料を、基材510または基材770に用いることができる。
【0237】
例えば、作製工程中に加わる熱に耐熱性を有する工程用基板に絶縁膜、トランジスタまたは容量等を形成し、形成された絶縁膜、トランジスタまたは容量等を、例えば、基材510または基材770に転置する方法を用いることができる。これにより、例えば、可撓性を有する基板に絶縁膜、トランジスタまたは容量等を形成できる。
【0238】
《封止材705》
封止材705は、機能層520および基材770の間に挟まれる領域を備え、機能層520および基材770を貼り合わせる機能を備える(図10A参照)。
【0239】
無機材料、有機材料または無機材料と有機材料の複合材料等を封止材705に用いることができる。
【0240】
例えば、熱溶融性の樹脂または硬化性の樹脂等の有機材料を、封止材705に用いることができる。
【0241】
例えば、反応硬化型接着剤、光硬化型接着剤、熱硬化型接着剤または/および嫌気型接着剤等の有機材料を封止材705に用いることができる。
【0242】
具体的には、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等を含む接着剤を封止材705に用いることができる。
【0243】
《構造体KB》
構造体KBは、機能層520および基材770の間に挟まれる領域を備える。また、構造体KBは、機能層520および基材770の間に所定の間隙を設ける機能を備える。
【0244】
<機能パネル700の構成例2>
本実施の形態で説明する機能パネルは、機能層520および機能層520Bを有する(図13A参照)。機能層520はトランジスタM21を備え、トランジスタM21は導電膜507Aおよび導電膜507Bを備える(図13B参照)。また、機能層520Bは駆動回路SDを備える(図13A参照)。
【0245】
また、絶縁膜501を機能層520に用いることができる。絶縁膜501は、絶縁膜501C、絶縁膜501Bおよび絶縁膜501Aを備える。絶縁膜501Bは、絶縁膜501Cおよび絶縁膜501Aの間に挟まれる領域を備える。例えば、シリコンと窒素を含む膜を絶縁膜501Cに用いることができる。これにより、駆動回路SDへの不純物の拡散を抑制できる。なお、当該不純物は、動作不良を引き起こす可能性がある。
【0246】
《機能層520Bの構成例》
機能層520Bは駆動回路SDを備え、駆動回路SDはトランジスタMD2を含み、トランジスタMD2は14族の元素を含む半導体を備える。例えば、単結晶シリコン基板に形成したトランジスタをトランジスタMD2に用いることができる。
【0247】
トランジスタMD2は、半導体1508、導電膜1504、導電膜1512Aおよび導電膜1512Bを備える(図13C参照)。
【0248】
半導体1508は、導電膜1512Aと電気的に接続される領域1508A、導電膜1512Bと電気的に接続される領域1508Bを備える。半導体1508は、領域1508Aおよび領域1508Bの間に領域1508Cを備える。
【0249】
導電膜1504は領域1508Cと重なる領域を備え、導電膜1504はゲート電極の機能を備える。
【0250】
絶縁膜1506は、半導体1508および導電膜1504の間に挟まれる領域を備える。絶縁膜1506はゲート絶縁膜の機能を備える。
【0251】
導電膜1512Aはソース電極の機能またはドレイン電極の機能の一方を備え、導電膜1512Bはソース電極の機能またはドレイン電極の機能の他方を備える。
【0252】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0253】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の機能パネルに用いることができるトランジスタの構成について、図26を参照しながら説明する。例えば、実施の形態2または実施の形態3で説明する本発明の一態様の機能パネルのトランジスタM21またはトランジスタMDなどに用いることができる。
【0254】
<半導体装置の構成例>
図26を用いて、トランジスタ300を有する半導体装置の構成を説明する。図26A乃至図26Dは、トランジスタ300を有する半導体装置の上面図および断面図である。図26Aは、当該半導体装置の上面図である。また、図26B乃至図26Dは、当該半導体装置の断面図である。ここで、図26Bは、図26AにA1-A2の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ300のチャネル長方向の断面図でもある。また、図26Cは、図26AにA3-A4の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ300のチャネル幅方向の断面図でもある。また、図26Dは、図26AにA5-A6の一点鎖線で示す部位の断面図である。なお、図26Aの上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いている。
【0255】
なお、以下に示す絶縁体、導電体、酸化物、半導体の成膜は、スパッタリング法、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、パルスレーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法などを用いて行うことができる。また、本明細書等において、「絶縁体」という用語を、絶縁膜または絶縁層と言い換えることができる。また、「導電体」という用語を、導電膜または導電層と言い換えることができる。また、「酸化物」という用語を、酸化物膜または酸化物層と言い換えることができる。また、「半導体」という用語を、半導体膜または半導体層と言い換えることができる。
【0256】
本発明の一態様の半導体装置は、基板(図示せず)上の絶縁体312と、絶縁体312上の絶縁体314と、絶縁体314上のトランジスタ300と、トランジスタ300上の絶縁体380と、絶縁体380上の絶縁体382と、絶縁体382上の絶縁体383と、絶縁体383上の絶縁体385と、を有する。絶縁体312、絶縁体314、絶縁体380、絶縁体382、絶縁体383、および絶縁体385は層間絶縁膜として機能する。また、トランジスタ300と電気的に接続し、プラグとして機能する導電体340(導電体340a、および導電体340b)を有する。なお、プラグとして機能する導電体340の側面に接して絶縁体341(絶縁体341a、および絶縁体341b)が設けられる。また、絶縁体385上、および導電体340上には、導電体340と電気的に接続し、配線として機能する導電体346(導電体346a、および導電体346b)が設けられる。
【0257】
絶縁体380、絶縁体382、絶縁体383、および絶縁体385の開口の内壁に接して絶縁体341aが設けられ、絶縁体341aの側面に接して導電体340aの第1の導電体が設けられ、さらに内側に導電体340aの第2の導電体が設けられている。また、絶縁体380、絶縁体382、絶縁体383、および絶縁体385の開口の内壁に接して絶縁体341bが設けられ、絶縁体341bの側面に接して導電体340bの第1の導電体が設けられ、さらに内側に導電体340bの第2の導電体が設けられている。ここで、導電体340の上面の高さと、導電体346と重なる領域の、絶縁体385の上面の高さと、は同程度にできる。なお、トランジスタ300では、導電体340の第1の導電体および導電体340の第2の導電体を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体340を単層、または3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。構造体が積層構造を有する場合、形成順に序数を付与し、区別する場合がある。
【0258】
[トランジスタ300]
図26A乃至図26Dに示すように、トランジスタ300は、絶縁体314上の絶縁体316と、絶縁体316に埋め込まれるように配置された導電体305(導電体305a、導電体305b、および導電体305c)と、絶縁体316上、および導電体305上の絶縁体322と、絶縁体322上の絶縁体324と、絶縁体324上の酸化物330aと、酸化物330a上の酸化物330bと、酸化物330b上の酸化物343(酸化物343a、および酸化物343b)と、酸化物343a上の導電体342aと、導電体342a上の絶縁体371aと、酸化物343b上の導電体342bと、導電体342b上の絶縁体371bと、酸化物330b上の絶縁体350(絶縁体350a、および絶縁体350b)と、絶縁体350上に位置し、酸化物330bの一部と重なる導電体360(導電体360a、および導電体360b)と、絶縁体322、絶縁体324、酸化物330a、酸化物330b、酸化物343a、酸化物343b、導電体342a、導電体342b、絶縁体371a、および絶縁体371bを覆って配置される絶縁体375と、を有する。
【0259】
なお、以下において、酸化物330aと酸化物330bをまとめて酸化物330と呼ぶ場合がある。また、導電体342aと導電体342bをまとめて導電体342と呼ぶ場合がある。また、絶縁体371aと絶縁体371bをまとめて絶縁体371と呼ぶ場合がある。
【0260】
絶縁体380および絶縁体375には、酸化物330bに達する開口が設けられる。当該開口内に、絶縁体350、および導電体360が配置されている。また、トランジスタ300のチャネル長方向において、絶縁体371a、導電体342aおよび酸化物343aと、絶縁体371b、導電体342bおよび酸化物343bと、の間に導電体360、および絶縁体350が設けられている。絶縁体350は、導電体360の側面と接する領域と、導電体360の底面と接する領域と、を有する。
【0261】
酸化物330は、絶縁体324の上に配置された酸化物330aと、酸化物330aの上に配置された酸化物330bと、を有することが好ましい。酸化物330bの下に酸化物330aを有することで、酸化物330aよりも下方に形成された構造物から、酸化物330bへの不純物の拡散を抑制することができる。
【0262】
なお、トランジスタ300では、酸化物330が、酸化物330a、および酸化物330bの2層を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、酸化物330bの単層、または3層以上の積層構造を設ける構成にしてもよいし、酸化物330a、および酸化物330bのそれぞれが積層構造を有していてもよい。
【0263】
導電体360は、第1のゲート(トップゲートともいう。)電極として機能し、導電体305は、第2のゲート(バックゲートともいう。)電極として機能する。また、絶縁体350は、第1のゲート絶縁膜として機能し、絶縁体324および絶縁体322は、第2のゲート絶縁膜として機能する。また、導電体342aは、ソース電極またはドレイン電極の一方として機能し、導電体342bは、ソース電極またはドレイン電極の他方として機能する。また、酸化物330の導電体360と重畳する領域の少なくとも一部はチャネル形成領域として機能する。
【0264】
酸化物330bは、導電体342aと重畳する領域に、ソース領域およびドレイン領域の一方を有し、導電体342bと重畳する領域に、ソース領域およびドレイン領域の他方を有する。また、酸化物330bは、ソース領域とドレイン領域に挟まれた領域にチャネル形成領域(図26Bにおいて斜線部で示す領域)を有する。
【0265】
チャネル形成領域は、ソース領域およびドレイン領域よりも、酸素欠損が少なく、または不純物濃度が低いため、キャリア濃度が低い高抵抗領域である。ここで、チャネル形成領域のキャリア濃度は、1×1018cm-3以下であることが好ましく、1×1017cm-3未満であることがより好ましく、1×1016cm-3未満であることがさらに好ましく、1×1013cm-3未満であることがさらに好ましく、1×1012cm-3未満であることがさらに好ましい。なお、チャネル形成領域のキャリア濃度の下限値については、特に限定は無いが、例えば、1×10-9cm-3とすることができる。
【0266】
なお、上記において、酸化物330bにチャネル形成領域、ソース領域、およびドレイン領域が形成される例について示したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、酸化物330aにも同様に、チャネル形成領域、ソース領域、およびドレイン領域が形成される場合がある。
【0267】
トランジスタ300は、チャネル形成領域を含む酸化物330(酸化物330a、および酸化物330b)に、半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう。)を用いることが好ましい。
【0268】
また、半導体として機能する金属酸化物は、バンドギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上のものを用いることが好ましい。このように、バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
【0269】
酸化物330として、例えば、インジウム、元素Mおよび亜鉛を有するIn-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、錫、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種)等の金属酸化物を用いるとよい。また、酸化物330として、In-Ga酸化物、In-Zn酸化物、インジウム酸化物を用いてもよい。
【0270】
ここで、酸化物330bに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物330aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。
【0271】
具体的には、酸化物330aとして、In:M:Zn=1:3:4[原子数比]もしくはその近傍の組成、またはIn:M:Zn=1:1:0.5[原子数比]もしくはその近傍の組成の金属酸化物を用いればよい。また、酸化物330bとして、In:M:Zn=1:1:1[原子数比]もしくはその近傍の組成、またはIn:M:Zn=4:2:3[原子数比]もしくはその近傍の組成の金属酸化物を用いればよい。なお、近傍の組成とは、所望の原子数比の±30%の範囲を含む。また、元素Mとして、ガリウムを用いることが好ましい。
【0272】
なお、金属酸化物をスパッタリング法により成膜する場合、上記の原子数比は、成膜された金属酸化物の原子数比に限られず、金属酸化物の成膜に用いるスパッタリングターゲットの原子数比であってもよい。
【0273】
このように、酸化物330bの下に酸化物330aを配置することで、酸化物330aよりも下方に形成された構造物からの、酸化物330bに対する、不純物および酸素の拡散を抑制することができる。
【0274】
また、酸化物330aおよび酸化物330bが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、酸化物330aと酸化物330bの界面における欠陥準位密度が低くすることができる。酸化物330aと酸化物330bとの界面における欠陥準位密度を低くすることができるため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さく、高いオン電流が得られる。
【0275】
酸化物330aおよび酸化物330bは、それぞれ結晶性を有することが好ましい。特に、酸化物330bとして、CAAC-OS(c-axis aligned crystalline oxide semiconductor)を用いることが好ましい。
【0276】
CAAC-OSは、結晶性の高い、緻密な構造を有しており、不純物や欠陥(例えば、酸素欠損(V:oxygen vacancyともいう)など)が少ない金属酸化物である。特に、金属酸化物の形成後に、金属酸化物が多結晶化しない程度の温度(例えば、400℃以上600℃以下)で加熱処理することで、CAAC-OSをより結晶性の高い、緻密な構造にすることができる。このようにして、CAAC-OSの密度をより高めることで、当該CAAC-OS中の不純物または酸素の拡散をより低減することができる。
【0277】
一方、CAAC-OSは、明確な結晶粒界を確認することが難しいため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。したがって、CAAC-OSを有する金属酸化物は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する金属酸化物は熱に強く、信頼性が高い。
【0278】
絶縁体312、絶縁体314、絶縁体371、絶縁体375、絶縁体382、および絶縁体383の少なくとも一は、水、水素などの不純物が、基板側から、または、トランジスタ300の上方からトランジスタ300に拡散することを抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。したがって、絶縁体312、絶縁体314、絶縁体371、絶縁体375、絶縁体382、および絶縁体383の少なくとも一は、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(NO、NO、NOなど)、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい)絶縁性材料を用いることが好ましい。または、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)絶縁性材料を用いることが好ましい。
【0279】
なお、本明細書において、バリア絶縁膜とは、バリア性を有する絶縁膜のことを指す。本明細書において、バリア性とは、対応する物質の拡散を抑制する機能(透過性が低いともいう)とする。または、対応する物質を、捕獲、および固着する(ゲッタリングともいう)機能とする。
【0280】
絶縁体312、絶縁体314、絶縁体371、絶縁体375、絶縁体382、および絶縁体383としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウム、インジウムガリウム亜鉛酸化物、窒化シリコン、または窒化酸化シリコンなどを用いることができる。例えば、絶縁体312、絶縁体375、および絶縁体383として、より水素バリア性が高い、窒化シリコンなどを用いることが好ましい。また、例えば、絶縁体314、絶縁体371、および絶縁体382として、水素を捕獲および水素を固着する機能が高い、酸化アルミニウムまたは酸化マグネシウム、などを用いることが好ましい。これにより、水、水素などの不純物が絶縁体312、および絶縁体314を介して、基板側からトランジスタ300側に拡散するのを抑制することができる。または、水、水素などの不純物が絶縁体383よりも外側に配置されている層間絶縁膜などから、トランジスタ300側に拡散するのを抑制することができる。または、絶縁体324などに含まれる酸素が、絶縁体312、および絶縁体314を介して基板側に、拡散するのを抑制することができる。または、絶縁体380などに含まれる酸素が、絶縁体382などを介してトランジスタ300より上方に、拡散するのを抑制することができる。この様に、トランジスタ300を、水、水素などの不純物、および酸素の拡散を抑制する機能を有する、絶縁体312、絶縁体314、絶縁体371、絶縁体375、絶縁体382、および絶縁体383で取り囲む構造とすることが好ましい。
【0281】
ここで、絶縁体312、絶縁体314、絶縁体371、絶縁体375、絶縁体382、および絶縁体383として、アモルファス構造を有する酸化物を用いることが好ましい。例えば、AlO(xは0より大きい任意数)、またはMgO(yは0より大きい任意数)などの金属酸化物を用いることが好ましい。このようなアモルファス構造を有する金属酸化物では、酸素原子がダングリングボンドを有しており、当該ダングリングボンドで水素を捕獲または固着する性質を有する場合がある。このようなアモルファス構造を有する金属酸化物をトランジスタ300の構成要素として用いる、またはトランジスタ300の周囲に設けることで、トランジスタ300に含まれる水素、またはトランジスタ300の周囲に存在する水素を捕獲または固着することができる。特にトランジスタ300のチャネル形成領域に含まれる水素を捕獲または固着することが好ましい。アモルファス構造を有する金属酸化物をトランジスタ300の構成要素として用いる、またはトランジスタ300の周囲に設けることで、良好な特性を有し、信頼性の高いトランジスタ300、および半導体装置を作製することができる。
【0282】
なお、絶縁体312、絶縁体314、絶縁体371、絶縁体375、絶縁体382、および絶縁体383は、アモルファス構造であることが好ましいが、一部に多結晶構造の領域が形成されていてもよい。また、絶縁体312、絶縁体314、絶縁体371、絶縁体375、絶縁体382、および絶縁体383は、アモルファス構造の層と、多結晶構造の層と、が積層された多層構造であってもよい。例えば、アモルファス構造の層の上に多結晶構造の層が形成された積層構造でもよい。
【0283】
絶縁体312、絶縁体314、絶縁体371、絶縁体375、絶縁体382、および絶縁体383の成膜は、例えば、スパッタリング法を用いて行えばよい。スパッタリング法は、成膜ガスに水素を用いなくてよいので、絶縁体312、絶縁体314、絶縁体371、絶縁体375、絶縁体382、および絶縁体383の水素濃度を低減することができる。なお、成膜方法は、スパッタリング法に限られるものではなく、CVD法、MBE法、PLD法、ALD法などを適宜用いてもよい。
【0284】
また、絶縁体316、絶縁体380、および絶縁体385は、絶縁体314よりも誘電率が低いことが好ましい。誘電率が低い材料を層間絶縁膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体316、絶縁体380、および絶縁体385として、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンなどを適宜用いればよい。
【0285】
導電体305は、酸化物330、および導電体360と、重なるように配置する。ここで、導電体305は、絶縁体316に形成された開口に埋め込まれて設けることが好ましい。
【0286】
導電体305は、導電体305a、導電体305b、および導電体305cを有する。導電体305aは、当該開口の底面および側壁に接して設けられる。導電体305bは、導電体305aに形成された凹部に埋め込まれるように設けられる。ここで、導電体305bの上面は、導電体305aの上面および絶縁体316の上面より低くなる。導電体305cは、導電体305bの上面、および導電体305aの側面に接して設けられる。ここで、導電体305cの上面の高さは、導電体305aの上面の高さおよび絶縁体316の上面の高さと略一致する。つまり、導電体305bは、導電体305aおよび導電体305cに包み込まれる構成になる。
【0287】
導電体305aおよび導電体305cは、後述する導電体360aに用いることができる導電性材料を用いればよい。また、導電体305bは、後述する導電体360bに用いることができる導電性材料を用いればよい。また、トランジスタ300では、導電体305は、導電体305a、導電体305b、および導電体305cを積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体305は、単層、2層または4層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。
【0288】
絶縁体322、および絶縁体324は、ゲート絶縁膜として機能する。
【0289】
絶縁体322は、水素(例えば、水素原子、水素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。また、絶縁体322は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。例えば、絶縁体322は、絶縁体324よりも水素および酸素の一方または双方の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。
【0290】
絶縁体322は、絶縁性材料であるアルミニウムおよびハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁体を用いるとよい。当該絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。また、絶縁体322としては、上述の絶縁体314などに用いることができる、バリア絶縁膜を用いてもよい。
【0291】
絶縁体324は、酸化シリコン、酸化窒化シリコンなどを適宜用いればよい。酸素を含む絶縁体324を酸化物330に接して設けることにより、酸化物330中の酸素欠損を低減し、トランジスタ300の信頼性を向上させることができる。また、絶縁体324は、酸化物330aと重畳するように、島状に加工されていることが好ましい。この場合、絶縁体375が、絶縁体324の側面および絶縁体322の上面に接する構成になる。これにより、絶縁体324と絶縁体380を絶縁体375によって離隔することができるので、絶縁体380に含まれる酸素が絶縁体324に拡散し、絶縁体324中の酸素が過剰になりすぎるのを抑制することができる。
【0292】
なお、絶縁体322、および絶縁体324が、2層以上の積層構造を有していてもよい。その場合、同じ材料からなる積層構造に限定されず、異なる材料からなる積層構造でもよい。なお、図26Bなどにおいて、絶縁体324を、酸化物330aと重畳して島状に形成する構成について示したが、本発明はこれに限られるものではない。絶縁体324に含まれる酸素量を適正に調整できるならば、絶縁体322と同様に、絶縁体324をパターニングしない構成にしてもよい。
【0293】
酸化物343a、および酸化物343bが、酸化物330b上に設けられる。酸化物343aと酸化物343bは、導電体360を挟んで離隔して設けられる。酸化物343(酸化物343a、および酸化物343b)は、酸素の透過を抑制する機能を有することが好ましい。ソース電極やドレイン電極として機能する導電体342と酸化物330bとの間に酸素の透過を抑制する機能を有する酸化物343を配置することで、導電体342と、酸化物330bとの間の電気抵抗が低減されるので好ましい。なお、導電体342と酸化物330bの間の電気抵抗を十分低減できる場合、酸化物343を設けない構成にしてもよい。
【0294】
酸化物343として、元素Mを有する金属酸化物を用いてもよい。特に、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、または錫を用いるとよい。酸化物343は、酸化物330bよりも元素Mの濃度が高いことが好ましい。また、酸化物343として、酸化ガリウムを用いてもよい。また、酸化物343として、In-M-Zn酸化物等の金属酸化物を用いてもよい。具体的には、酸化物343に用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物330bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物343の膜厚は、0.5nm以上5nm以下が好ましく、より好ましくは1nm以上3nm以下、さらに好ましくは1nm以上2nm以下である。
【0295】
導電体342aは酸化物343aの上面に接して設けられ、導電体342bは、酸化物343bの上面に接して設けられることが好ましい。導電体342aと導電体342bは、それぞれトランジスタ300のソース電極またはドレイン電極として機能する。
【0296】
導電体342(導電体342a、および導電体342b)としては、例えば、タンタルを含む窒化物、チタンを含む窒化物、モリブデンを含む窒化物、タングステンを含む窒化物、タンタルおよびアルミニウムを含む窒化物、チタンおよびアルミニウムを含む窒化物などを用いることが好ましい。本発明の一態様においては、タンタルを含む窒化物が特に好ましい。また、例えば、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物などを用いてもよい。これらの材料は、酸化しにくい導電性材料、または、酸素を吸収しても導電性を維持する材料であるため、好ましい。
【0297】
また、導電体342の側面と導電体342の上面との間に、湾曲面が形成されないことが好ましい。当該湾曲面が形成されない導電体342とすることで、図26Dに示すような、チャネル幅方向の断面における、導電体342の断面積を大きくすることができる。これにより、導電体342の導電率を大きくし、トランジスタ300のオン電流を大きくすることができる。
【0298】
絶縁体371aは、導電体342aの上面に接して設けられており、絶縁体371bは、導電体342bの上面に接して設けられている。
【0299】
絶縁体375は、絶縁体322の上面、絶縁体324の側面、酸化物330aの側面、酸化物330bの側面、酸化物343の側面、導電体342の側面、絶縁体371の側面および上面に接して設けられる。絶縁体375は、絶縁体350、および導電体360が設けられる領域に開口が形成されている。
【0300】
絶縁体312と絶縁体383に挟まれた領域内で、水素などの不純物を捕獲する機能を有する、絶縁体314、絶縁体371、および絶縁体375を設けることで、絶縁体324、または絶縁体316などに含まれる水素などの不純物を捕獲し、当該領域内における、水素の量を一定値にすることができる。この場合は、絶縁体314、絶縁体371、および絶縁体375に、アモルファス構造の酸化アルミニウムが含まれていることが好ましい。
【0301】
絶縁体350は、絶縁体350aと、絶縁体350a上の絶縁体350bを有し、ゲート絶縁膜として機能する。また、絶縁体350aは、酸化物330bの上面、酸化物343の側面、導電体342の側面、絶縁体371の側面、絶縁体375の側面、および絶縁体380の側面に接して配置することが好ましい。また、絶縁体350の膜厚は、1nm以上20nm以下とするのが好ましい。
【0302】
絶縁体350aは、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンなどを用いることができる。特に、酸化シリコン、および酸化窒化シリコンは熱に対し安定であるため好ましい。絶縁体350aは、絶縁体324と同様に、水、水素などの不純物濃度が低減されていることが好ましい。
【0303】
絶縁体350aは、加熱により酸素が放出される絶縁体を用いて形成し、絶縁体350bは、酸素の拡散を抑制する機能を有する絶縁体を用いて形成することが好ましい。このような構成にすることで、絶縁体350aに含まれる酸素が、導電体360へ拡散するのを抑制することができる。つまり、酸化物330へ供給する酸素量の減少を抑制することができる。また、絶縁体350aに含まれる酸素による導電体360の酸化を抑制することができる。例えば、絶縁体350bは、絶縁体322と同様の材料を用いて設けることができる。
【0304】
絶縁体350bとして、具体的には、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、マグネシウムなどから選ばれた一種、もしくは二種以上が含まれた金属酸化物、または酸化物330として用いることができる金属酸化物を用いることができる。特に、アルミニウムおよびハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁体を用いることが好ましい。当該絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)などを用いることが好ましい。また、絶縁体350bの膜厚は、0.5nm以上、3.0nm以下が好ましく、1.0nm以上、1.5nm以下がより好ましい。
【0305】
なお、図26Bおよび図26Cでは、絶縁体350を2層の積層構造で図示したが、本発明はこれに限られるものではない。絶縁体350を単層、または3層以上の積層構造としてもよい。
【0306】
導電体360は、絶縁体350b上に設けられており、トランジスタ300の第1のゲート電極として機能する。導電体360は、導電体360aと、導電体360aの上に配置された導電体360bと、を有することが好ましい。例えば、導電体360aは、導電体360bの底面および側面を包むように配置されることが好ましい。また、図26Bおよび図26Cに示すように、導電体360の上面は、絶縁体350の上面と略一致している。なお、図26Bおよび図26Cでは、導電体360は、導電体360aと導電体360bの2層構造として示しているが、単層構造でもよいし、3層以上の積層構造であってもよい。
【0307】
導電体360aは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子、銅原子などの不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。または、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子などの少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。
【0308】
また、導電体360aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、絶縁体350に含まれる酸素により、導電体360bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、酸化ルテニウムなどを用いることが好ましい。
【0309】
また、導電体360は、配線としても機能するため、導電性が高い導電体を用いることが好ましい。例えば、導電体360bは、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、導電体360bは積層構造としてもよく、例えば、チタンまたは窒化チタンと上記導電性材料との積層構造としてもよい。
【0310】
また、トランジスタ300では、導電体360は、絶縁体380などに形成されている開口を埋めるように自己整合的に形成される。導電体360をこのように形成することにより、導電体342aと導電体342bとの間の領域に、導電体360を位置合わせすることなく確実に配置することができる。
【0311】
また、図26Cに示すように、トランジスタ300のチャネル幅方向において、絶縁体322の底面を基準としたときの、導電体360の、導電体360と酸化物330bとが重ならない領域の底面の高さは、酸化物330bの底面の高さより低いことが好ましい。ゲート電極として機能する導電体360が、絶縁体350などを介して、酸化物330bのチャネル形成領域の側面および上面を覆う構成とすることで、導電体360の電界を酸化物330bのチャネル形成領域全体に作用させやすくなる。よって、トランジスタ300のオン電流を増大させ、周波数特性を向上させることができる。絶縁体322の底面を基準としたときの、酸化物330aおよび酸化物330bと、導電体360とが、重ならない領域における導電体360の底面の高さと、酸化物330bの底面の高さと、の差は、0nm以上100nm以下、好ましくは、3nm以上50nm以下、より好ましくは、5nm以上20nm以下とする。
【0312】
絶縁体380は、絶縁体375上に設けられ、絶縁体350、および導電体360が設けられる領域に開口が形成されている。また、絶縁体380の上面は、平坦化されていてもよい。この場合、絶縁体380の上面は、絶縁体350の上面、および導電体360の上面と概略一致していることが好ましい。
【0313】
絶縁体382は、絶縁体380の上面、絶縁体350の上面、および導電体360の上面に接して設けられる。絶縁体382は、水、水素などの不純物が、上方から絶縁体380に拡散するのを抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましく、水素などの不純物を捕獲する機能を有することが好ましい。また、絶縁体382は、酸素の透過を抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。絶縁体382としては、例えば、酸化アルミニウムなどの絶縁体を用いればよい。絶縁体312と絶縁体383に挟まれた領域内で、絶縁体380に接して、水素などの不純物を捕獲する機能を有する、絶縁体382を設けることで、絶縁体380などに含まれる水素などの不純物を捕獲し、当該領域内における、水素の量を一定値にすることができる。特に、絶縁体382として、アモルファス構造を有する酸化アルミニウムを用いることで、より効果的に水素を捕獲または固着できる場合があるため好ましい。これにより、良好な特性を有し、信頼性の高いトランジスタ300、および半導体装置を作製することができる。
【0314】
導電体340aおよび導電体340bは、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、導電体340aおよび導電体340bは積層構造としてもよい。導電体340を積層構造とする場合、絶縁体341と接する導電体には、水、水素などの不純物の透過を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。例えば、上述の導電体360aに用いることができる導電性材料を用いればよい。
【0315】
絶縁体341aおよび絶縁体341bとしては、例えば、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化酸化シリコンなどの絶縁体を用いればよい。絶縁体341aおよび絶縁体341bは、絶縁体383、絶縁体382、および絶縁体371に接して設けられるので、絶縁体380などに含まれる水、水素などの不純物が、導電体340aおよび導電体340bを通じて酸化物330に混入するのを抑制することができる。
【0316】
また、導電体340aの上面、および導電体340bの上面に接して配線として機能する導電体346(導電体346a、および導電体346b)を配置してもよい。導電体346は、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、当該導電体は、積層構造としてもよく、例えば、チタンまたは窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。なお、当該導電体は、絶縁体に設けられた開口に埋め込むように形成してもよい。
【0317】
以上により、良好な電気特性を有する半導体装置を提供することができる。また、信頼性が良好な半導体装置を提供することができる。また、微細化または高集積化が可能な半導体装置を提供することができる。また、低消費電力の半導体装置を提供することができる。
【0318】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0319】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の機能パネルの構成について、図を参照しながら説明する。
【0320】
<機能パネル700の構成例1>
機能パネル700は、素子550G(i,j)と、素子550S(i,j)と、を備える(図9参照)。
【0321】
《素子550G(i,j)の構成例1》
素子550G(i,j)は、電極551G(i,j)、電極552および発光性の材料を含む層553を備える(図10A参照)。また、発光性の材料を含む層553は、電極551G(i,j)および電極552に挟まれる領域を備える。
【0322】
[発光性の材料を含む層553の構成例1]
例えば、積層材料を発光性の材料を含む層553に用いることができる。
【0323】
例えば、青色の光を発する材料、緑色の光を発する材料、赤色の光を発する材料、赤外線を発する材料または紫外線を発する材料を、発光性の材料を含む層553に用いることができる。
【0324】
[発光性の材料を含む層553の構成例2]
例えば、白色の光を射出するように積層された積層材料を、発光性の材料を含む層553に用いることができる。
【0325】
具体的には、色相が互いに異なる光を発する複数の材料を、発光性の材料を含む層553に用いることができる。
【0326】
例えば、青色の光を射出する蛍光材料を含む発光性の材料を含む層と、緑色および赤色の光を射出する蛍光材料以外の材料を含む層を積層した積層材料を、発光性の材料を含む層553に用いることができる。または、青色の光を射出する蛍光材料を含む発光性の材料を含む層と、黄色の光を射出する蛍光材料以外の材料を含む層と、を積層した積層材料を、発光性の材料を含む層553に用いることができる。
【0327】
なお、発光性の材料を含む層553に、例えば、着色膜CFを重ねて用いることができる。これにより、白色の光から、所定の色相の光を取り出すことができる。
【0328】
[発光性の材料を含む層553の構成例3]
例えば、青色の光または紫外線を射出するように積層された積層材料を、発光性の材料を含む層553に用いることができる。また、例えば、色変換層を重ねて用いることができる。
【0329】
[発光性の材料を含む層553の構成例4]
発光性の材料を含む層553は、発光ユニットを備える。発光ユニットは、一方から注入された電子が他方から注入された正孔と再結合する領域を1つ備える。また、発光ユニットは発光性の材料を含み、発光性の材料は電子と正孔の再結合により生じるエネルギーを光として放出する。なお、正孔輸送層および電子輸送層を発光ユニットに用いることができる。正孔輸送層は電子輸送層より正極側に配置され、正孔輸送層は電子輸送層より正孔の移動度が高い。
【0330】
例えば、複数の発光ユニットおよび中間層を発光性の材料を含む層553に用いることができる。中間層は、二つの発光ユニットの間に挟まれる領域を備える。中間層は電荷発生領域を備え、中間層は陰極側に配置された発光ユニットに正孔を供給し、陽極側に配置された発光ユニットに電子を供給する機能を備える。なお、複数の発光ユニットおよび中間層を備える構成をタンデム型の発光素子という場合がある。
【0331】
これにより、発光に係る電流効率を高めることができる。または、同じ輝度において、発光素子を流れる電流密度を下げることができる。または、発光素子の信頼性を高めることができる。
【0332】
例えば、一の色相の光を発する材料を含む発光ユニットを、他の色相の光を発する材料を含む発光ユニットと重ねて、発光性の材料を含む層553に用いることができる。または、一の色相の光を発する材料を含む発光ユニットを、同一の色相の光を発する材料を含む発光ユニットと重ねて、発光性の材料を含む層553に用いることができる。具体的には、青色の光を発する材料を含む二つの発光ユニットを重ねて用いることができる。
【0333】
ところで、例えば、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)、中分子化合物(低分子と高分子の中間領域の化合物:分子量400以上4000以下)等を、発光性の材料を含む層553に用いることができる。
【0334】
[電極551G(i,j)、電極552]
例えば、配線等に用いることができる材料を電極551G(i,j)または電極552に用いることができる。具体的には、可視光について透光性を有する材料を電極551G(i,j)または電極552に用いることができる。
【0335】
例えば、導電性酸化物またはインジウムを含む導電性酸化物、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などを用いることができる。または、光が透過する程度に薄い金属膜を用いることができる。または、可視光について透光性を有する材料を用いることができる。
【0336】
例えば、光の一部を透過し、光の他の一部を反射する金属膜を電極551G(i,j)または電極552に用いることができる。例えば、発光性の材料を含む層553などを用いて、電極551G(i,j)および電極552の間の距離を調整する。
【0337】
これにより、微小共振器構造を素子550G(i,j)に設けることができる。または、所定の波長の光を他の光より効率よく取り出すことができる。または、スペクトルの半値幅が狭い光を取り出すことができる。または、鮮やかな色の光を取り出すことができる。
【0338】
例えば、効率よく光を反射する膜を、電極551G(i,j)または電極552に用いることができる。具体的には、銀およびパラジウム等を含む材料または銀および銅等を含む材料を金属膜に用いることができる。
【0339】
また、電極551G(i,j)は、開口部591Gにおいて、画素回路530G(i,j)と電気的に接続される(図11A参照)。電極551G(i,j)は、例えば、絶縁膜528に形成される開口部と重なり、電極551G(i,j)は周縁に絶縁膜528を備える。
【0340】
これにより、電極551G(i,j)および電極552の短絡を防止することができる。
【0341】
《素子550S(i,j)の構成例1》
素子550S(i,j)は、電極551S(i,j)、電極552および光電変換材料を含む層553S(j)を備える(図11A参照)。なお、電極551S(i,j)は画素回路530S(i,j)と電気的に接続され、電極552は導電膜VPDと電気的に接続される(図7参照)。また、素子550G(i,j)に用いる電極552を、素子550S(i,j)に用いることができる。これにより、機能パネルの構成および作製工程を簡略化することができる。
【0342】
例えば、ヘテロ接合型の光電変換素子、バルクヘテロ接合型の光電変換素子等を、素子550S(i,j)に用いることができる。
【0343】
[光電変換材料を含む層553S(j)の構成例1]
例えば、p型の半導体膜とn型の半導体膜が互いに接するように積層した積層膜を、光電変換材料を含む層553S(j)に用いることができる。なお、光電変換材料を含む層553S(j)にこのような構造の積層膜を用いる素子550S(i,j)を、PN型のフォトダイオードということができる。
【0344】
例えば、p型の半導体膜およびn型の半導体膜の間にi型の半導体膜を挟むように、p型の半導体膜、i型の半導体膜およびn型の半導体膜を積層した積層膜を、光電変換材料を含む層553S(j)に用いることができる。なお、光電変換材料を含む層553S(j)にこのような構造の積層膜を用いる素子550S(i,j)を、PIN型のフォトダイオードということができる。
【0345】
例えば、p+型の半導体膜およびn型の半導体膜の間にp-型の半導体膜を挟み、当該p-型の半導体膜および当該n型の半導体膜の間にp型の半導体膜を挟むように、p+型の半導体膜、p-型の半導体膜、p型の半導体膜およびn型の半導体膜を積層した積層膜を、光電変換材料を含む層553S(j)に用いることができる。なお、光電変換材料を含む層553S(j)にこのような構造の積層膜を用いる素子550S(i,j)を、アバランシェフォトダイオードということができる。
【0346】
[光電変換材料を含む層553S(j)の構成例2]
例えば、14族の元素を含む半導体を、光電変換材料を含む層553S(j)に用いることができる。具体的には、シリコンを含む半導体を、光電変換材料を含む層553S(j)に用いることができる。例えば、水素化アモルファスシリコン、微結晶シリコン、ポリシリコンまたは単結晶シリコン等を、光電変換材料を含む層553S(j)に用いることができる。
【0347】
例えば、有機半導体を、光電変換材料を含む層553S(j)に用いることができる。具体的には、発光性の材料を含む層553に用いる層の一部を、光電変換材料を含む層553S(j)の一部に用いることができる。
【0348】
具体的には、発光性の材料を含む層553に用いる正孔輸送層を、光電変換材料を含む層553S(j)に用いることができる。または、発光性の材料を含む層553に用いる電子輸送層を、光電変換材料を含む層553S(j)に用いることができる。または、正孔輸送層および電子輸送層を、光電変換材料を含む層553S(j)に用いることができる。
【0349】
これにより、発光性の材料を含む層553に用いる正孔輸送層を形成する工程において、光電変換材料を含む層553S(j)に用いる正孔輸送層を形成することができる。または、発光性の材料を含む層553に用いる電子輸送層を形成する工程において、光電変換材料を含む層553S(j)に用いる電子輸送層を形成することができる。または、作製工程を簡略化することができる。
【0350】
また、例えば、フラーレン(例えばC60、C70等)またはその誘導体等の電子受容性の有機半導体材料をn型の半導体膜に用いることができる。
【0351】
例えば、溶媒に溶解または分散するフラーレン誘導体を、光電変換材料を含む層553S(i,j)に用いることができる。具体的には、[6,6]-Phenyl-C71-butyric acid methyl ester(略称:PC70BM)、[6,6]-Phenyl-C61-butyric acid methyl ester(略称:PC60BM)、1′,1′′,4′,4′′-Tetrahydro-di[1,4]methanonaphthaleno[1,2:2′,3′,56,60:2′′,3′′][5,6]fullerene-C60(略称:ICBA)などを、光電変換材料を含む層553S(i,j)に用いることができる。
【0352】
また、例えば、銅(II)フタロシアニン(Copper(II) phthalocyanine;CuPc)またはテトラフェニルジベンゾペリフランテン(Tetraphenyldibenzoperiflanthene;DBP)等の電子供与性の有機半導体材料をp型の半導体膜に用いることができる。
【0353】
例えば、溶媒に溶解または分散するπ共役系の有機高分子材料、オリゴマーまたは低分子材料を、光電変換材料を含む層553S(i,j)に用いることができる。具体的には、ポリフェニレンビニレン系材料またはポリチオフェン系材料などを、光電変換材料を含む層553S(i,j)に用いることができる。具体的には、Poly([2,6′-4,8-di(5-ethylhexylthienyl)benzo[1,2-b;3,3-b]dithiophene]{3-fluoro-2[(2-ethylhexyl)carbonyl]thieno[3,4-b]thiophenediyl})(略称:PTB7-Th)、Poly({4,8-bis[(2-ethylhexyl)oxy]benzo[1,2-b:4,5-b′]dithiophene-2,6-diyl}{3-fluoro-2-[(2-ethylhexyl)carbonyl]thieno[3,4-b]thiophenediyl})(略称:PYB7)、Poly(3-hexylthiophene-2,5-diyl)(略称:P3HT)などを、光電変換材料を含む層553S(i,j)に用いることができる。
【0354】
また、例えば、電子受容性の半導体材料と電子供与性の半導体材料とを共蒸着した膜をi型の半導体膜に用いることができる。
【0355】
<機能パネル700の構成例2>
機能パネル700は、絶縁膜528および絶縁膜573を有する(図10A参照)。
【0356】
《絶縁膜528》
絶縁膜528は機能層520および基材770の間に挟まれる領域を備え、絶縁膜528は素子550G(i,j)および素子550S(i,j)と重なる領域に開口部を備える(図10A参照)。
【0357】
例えば、絶縁膜521に用いることができる材料を、絶縁膜528に用いることができる。具体的には、酸化珪素膜、アクリル樹脂を含む膜またはポリイミドを含む膜等を絶縁膜528に用いることができる。
【0358】
《絶縁膜573》
絶縁膜573は、機能層520との間に素子550G(i,j)および素子550S(i,j)を挟む領域を備える(図10A参照)。
【0359】
例えば、単数の膜または複数の膜を積層した積層膜を絶縁膜573に用いることができる。具体的には、素子550G(i,j)および素子550S(i,j)を損傷し難い方法で形成することができる絶縁膜573Aと、欠陥の少ない緻密な絶縁膜573Bと、を積層した積層膜を、絶縁膜573に用いることができる。
【0360】
これにより、素子550G(i,j)および素子550S(i,j)への不純物の拡散を抑制することができる。または、素子550G(i,j)および素子550S(i,j)の信頼性を高めることができる。
【0361】
<機能パネル700の構成例3>
機能パネル700は、機能層720を備える(図10A参照)。
【0362】
《機能層720》
機能層720は、遮光膜BM、着色膜CF(G)および絶縁膜771を備える。また、色変換層を用いることもできる。
【0363】
《遮光膜BM》
遮光膜BMは画素702G(i,j)と重なる領域に開口部を備える。また、遮光膜BMは画素702S(i,j)と重なる領域に開口部を備える(図11A参照)。
【0364】
例えば、暗色の材料を遮光膜BMに用いることができる。これにより、表示のコントラストを向上することができる。
【0365】
《着色膜CF(G)》
着色膜CF(G)は、基材770および素子550G(i,j)の間に挟まれる領域を備える。例えば、所定の色の光を選択的に透過する材料を着色膜CF(G)に用いることができる。具体的には、赤色の光、緑色の光または青色の光を透過する材料を着色膜CF(G)に用いることができる。
【0366】
《絶縁膜771の構成例》
絶縁膜771は、基材770および素子550G(i,j)の間に挟まれる領域を備える。
【0367】
絶縁膜771は、基材770との間に、遮光膜BM、着色膜CF(G)または色変換層を挟む領域を備える。これにより、遮光膜BM、着色膜CF(G)または色変換層の厚さに由来する凹凸を平坦にすることができる。
【0368】
《色変換層》
色変換層は、基材770および素子550G(i,j)の間に挟まれる領域を備える。
【0369】
例えば、入射する光の波長より長い波長を有する光を射出する材料を色変換層に用いることができる。例えば、青色の光または紫外線を吸収して緑色の光に変換して放出する材料、青色の光または紫外線を吸収して赤色の光に変換して放出する材料、または紫外線を吸収して青色の光に変換して放出する材料を色変換層に用いることができる。具体的には、直径数nmの量子ドットを色変換層に用いることができる。これにより、半値幅が狭いスペクトルを有する光を放出できる。または、彩度の高い光を放出することができる。
【0370】
<機能パネル700の構成例4>
機能パネル700は、遮光膜KBMを備える(図10Aおよび図11A参照)。
【0371】
《遮光膜KBM》
遮光膜KBMは画素702S(i,j)と重なる領域に開口部を備える。また、遮光膜KBMは、機能層520および基材770の間に挟まれる領域を備え、機能層520および基材770の間に所定の間隙を設ける機能を備える。例えば、暗色の材料を遮光膜KBMに用いることができる。これにより、画素702S(i,j)に進入する迷光を抑制することができる。
【0372】
<機能パネル700の構成例5>
機能パネル700は、機能膜770Pなどを備える(図10A参照)。
【0373】
《機能膜770P等》
機能膜770Pは、素子550G(i,j)と重なる領域を備える。
【0374】
例えば、反射防止フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルムまたは集光フィルム等を機能膜770Pに用いることができる。
【0375】
例えば、厚さ1μm以下の反射防止膜を、機能膜770Pに用いることができる。具体的には、誘電体を3層以上、好ましくは5層以上、より好ましくは15層以上積層した積層膜を機能膜770Pに用いることができる。これにより、反射率を0.5%以下好ましくは0.08%以下に抑制することができる。
【0376】
例えば、円偏光フィルムを機能膜770Pに用いることができる。
【0377】
また、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、汚れを付着しにくくする撥油性の膜、反射防止膜(アンチ・リフレクション膜)、非光沢処理膜(アンチ・グレア膜)、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜、発生した傷が修復する自己修復性のフィルムなどを、機能膜770Pに用いることができる。
【0378】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0379】
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の機能パネルの構成について、図を参照しながら説明する。
【0380】
図14Aは本発明の一態様の機能パネルの構成を説明するブロック図であり、図14B図14Aの一部を説明するブロック図である。
【0381】
図15は、本発明の一態様の機能パネルの動作を説明する図である。
【0382】
<機能パネル700の構成例1>
本実施の形態で説明する機能パネル700は、領域231を有する(図14参照)。
【0383】
《領域231の構成例1》
領域231は、一群の一組の画素703(i,1)乃至一組の画素703(i,n)および他の一群の一組の画素703(1,j)乃至一組の画素703(m,j)を備える。なお、領域231は、導電膜G1(i)、導電膜TX(i)、導電膜S1g(j)および導電膜WX(j)を備える。
【0384】
一群の一組の画素703(i,1)乃至一組の画素703(i,n)は、行方向(図中に矢印R1で示す方向)に配設され、一群の一組の画素703(i,1)乃至一組の画素703(i,n)は、一組の画素703(i,j)を含む。
【0385】
また、一群の一組の画素703(i,1)乃至一組の画素703(i,n)は、導電膜G1(i)と電気的に接続される。また、一群の一組の画素703(i,1)乃至一組の画素703(i,n)は、導電膜TX(i)と電気的に接続される。
【0386】
他の一群の一組の画素703(1,j)乃至一組の画素703(m,j)は、行方向と交差する列方向(図中に矢印C1で示す方向)に配設され、他の一群の一組の画素703(1,j)乃至一組の画素703(m,j)は、一組の画素703(i,j)を含む。
【0387】
また、他の一群の一組の画素703(1,j)乃至一組の画素703(m,j)は、導電膜S1g(j)と電気的に接続される。また、他の一群の一組の画素703(1,j)乃至一組の画素703(m,j)は、導電膜WX(j)と電気的に接続される。
【0388】
これにより、複数の画素に画像情報を供給することができる。または、複数の画素から撮像情報を取得することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0389】
《領域231の構成例2》
領域231は、1インチあたり500個以上の一群の一組の画素を備える。また、1インチあたり1000個以上、好ましくは5000個以上、より好ましくは10000個以上の一群の一組の画素を備える。これにより、例えば、スクリーン・ドア効果を軽減することができる。なお、一群の一組の画素は画素703(i,j)を含む。
【0390】
《領域231の構成例3》
領域231は、複数の画素を行列状に備える。例えば、領域231は、7600個以上の画素を行方向に備え、領域231は4300個以上の画素を列方向に備える。具体的には、7680個の画素を行方向に備え、4320個の画素を列方向に備える。
【0391】
これにより、精細な画像を表示することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0392】
<機能パネル700の構成例2>
また、本発明の一態様の機能パネル700は、一群のサンプリング回路SCと、マルチプレクサMUXと、増幅回路AMPと、アナログデジタル変換回路ADCと、を有する(図14A参照)。なお、一群のサンプリング回路SCはサンプリング回路SC(j)を含む。
【0393】
これにより、サンプリング回路SC(j)を導電膜WX(j)ごとに設けることができる。画素回路530S(i,j)の差分信号を、導電膜WX(j)ごとに取得することができる。または、サンプリング回路SC(j)の動作周波数を抑制することができる。または、ノイズを低減することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0394】
《マルチプレクサMUXの構成例》
マルチプレクサMUXは、一群のサンプリング回路から一を選んで、撮像信号を取得する機能を備える。例えば、マルチプレクサMUXは、サンプリング回路SC(j)を選んで、撮像信号を取得する。
【0395】
具体的には、マルチプレクサMUXは、サンプリング回路SC(1)乃至サンプリング回路SC(9)と電気的に接続され、一を選んで撮像信号を取得する(図14B参照)。例えば、サンプリング回路SC(9)の第3の端子OUT(9)と電気的に接続される。
【0396】
また、マルチプレクサMUXは、増幅回路AMPと電気的に接続され、取得した撮像信号を供給する機能を備える。
【0397】
これにより、行方向に配設される複数の画素から、所定の画素を選択することができる。または、所定の画素から、撮像情報を取得することができる。または、複数のマルチプレクサを用いて、同時に取得する撮像信号の数を抑制することができる。または、行方向に配設される画素の数に比べて、入力チャンネル数が少ないアナログデジタル変換回路ADCを用いることができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0398】
《増幅回路AMPの構成例》
増幅回路AMPは撮像信号を増幅し、アナログデジタル変換回路ADCに供給することができる。
【0399】
なお、機能層520はマルチプレクサMUXおよび増幅回路AMPを備える。
【0400】
これにより、例えば、画素回路530G(i,j)に用いる半導体膜を形成する工程において、マルチプレクサMUXおよび増幅回路AMPに用いる半導体膜を形成することができる。または、機能パネルの作製工程を簡略化することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0401】
《アナログデジタル変換回路ADCの構成例》
アナログデジタル変換回路ADCは、アナログの撮像信号をデジタル信号に変換する機能を備える。これにより、伝送に伴う撮像信号の劣化を抑制できる。
【0402】
<機能パネル700の構成例3>
また、本発明の一態様の機能パネル700は、駆動回路GD、駆動回路RDおよび一組の画素703(i,j)を有する。駆動回路GDは第1の選択信号を供給する機能を備え、駆動回路RDは第4の選択信号および第5の選択信号を供給する機能を備える。
【0403】
《画素703(i,j)の構成例1》
一組の画素703(i,j)は、第1の選択信号が供給されていない期間に、第4の選択信号および第5の選択信号を供給される(図15参照)。なお、例えば、「書き込み」動作を終えてから、次の「書き込み」動作を始めるまでの期間は、第1の選択信号が供給されていない期間である。画素回路530S(i,j)は、第4の選択信号に基づいて、撮像信号を取得し、第5の選択信号に基づいて、撮像信号を供給する。
【0404】
なお、例えば、導電膜G1(i)を用いて第1の選択信号を供給し、導電膜TX(i)を用いて第4の選択信号を供給し、導電膜SE(i)を用いて第5の選択信号を供給することができる(図7参照)。
【0405】
また、第4の選択信号を供給し、撮像信号を画素回路530S(i,j)に取得させる動作を「撮像」ということができる(図15参照)。また、画素回路530S(i,j)から撮像信号を読み出す動作を「読み出し」ということができる。また、所定の電圧を素子550S(i,j)に供給する動作を「初期化」と、初期化後の所定の期間、素子550S(i,j)を光にさらす動作を「露光」と、露光にともない変化した電圧を画素回路530S(i,j)に反映する動作を「転送」ということができる。また、図中のSRSは相関二重サンプリング法に用いる参照信号を供給する動作に、「出力」は撮像信号を供給する動作に相当する。
【0406】
例えば、1フレームの画像情報を、16.7msで書き込むことができる。具体的には、60Hzのフレームレートで動作することができる。なお、画像信号を、画素回路530G(i,j)に15.2μsで書き込むことができる。
【0407】
例えば、1フレームの画像情報を、16フレームに相当する期間、保持することができる。または、1フレームの撮像情報を、16フレームに相当する期間で撮影および読み出すことができる。
【0408】
具体的には、15μsで初期化し、1ms以上5ms以下で露光し、150μsで転送することができる。または、250msで読み出すことができる。
【0409】
これにより、第1の選択信号が供給されていない期間に撮像することができる。または、撮像時のノイズを抑制することができる。または、第1の選択信号が供給されていない期間に、撮像信号を読み取ることができる。または、読み取り時のノイズを抑制することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0410】
《画素703(i,j)の構成例2》
画素703(i,j)は、一の画像信号を保持している期間に、第4の選択信号を供給される。例えば、画素回路530G(i,j)が一の画像信号を保持している期間に、画素703(i,j)は、素子550G(i,j)を用いて、当該画像信号に基づいて、光を射出することができる(図15参照)。または、画素回路530G(i,j)が、第1の選択信号に基づいて、一の画像信号を取得したのちに、再び第1の選択信号を供給されるまでの間に、画素回路530S(i,j)は第4の選択信号を供給される。
【0411】
これにより、画像信号を用いて、素子550G(i,j)が射出する光の強度を制御することができる。または、強度が制御された光を、被写体に照射することができる。または、素子550S(i,j)を用いて、被写体を撮像することができる。または、照射する光の強度を制御しながら、素子550S(i,j)を用いて、被写体を撮像することができる。または、画素回路530G(i,j)が保持する信号の、一の画像信号から他の画像信号への変化がもたらす、撮像信号への影響をなくすことができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができる。
【0412】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0413】
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置の構成について、図を参照しながら説明する。
【0414】
図16Aは本発明の一態様の表示装置のブロック図であり、図16B乃至図16Dは本発明の一態様の表示装置の外観を説明する斜視図である。
【0415】
<表示装置の構成例>
本実施の形態で説明する表示装置は、制御部238と、機能パネル700と、を有する(図16A参照)。
【0416】
《制御部238の構成例1》
制御部238は画像情報VIおよび制御情報CIを供給される。例えば、クロック信号またはタイミング信号などを制御情報CIに用いることができる。
【0417】
制御部238は画像情報VIに基づいて情報を生成し、制御部238は制御情報CIに基づいて制御信号を生成する。また、制御部238は情報および制御信号を供給する。
【0418】
例えば、情報は、8bit以上好ましくは12bit以上の階調を含む。また、例えば、駆動回路に用いるシフトレジスタのクロック信号またはスタートパルスなどを、制御信号に用いることができる。
【0419】
《制御部238の構成例2》
例えば、伸張回路234および画像処理回路235を制御部238に用いることができる。
【0420】
《伸張回路234》
伸張回路234は、圧縮された状態で供給される画像情報VIを伸張する機能を備える。伸張回路234は、記憶部を備える。記憶部は、例えば伸張された画像情報を記憶する機能を備える。
【0421】
《画像処理回路235》
画像処理回路235は、例えば、記憶領域を備える。記憶領域は、例えば、画像情報VIに含まれる情報を記憶する機能を備える。
【0422】
画像処理回路235は、例えば、所定の特性曲線に基づいて画像情報VIを補正して情報を生成する機能と、情報を供給する機能を備える。
【0423】
《機能パネル700の構成例1》
機能パネル700は情報および制御信号を供給される。例えば、実施の形態1乃至実施の形態6のいずれか一において説明する機能パネル700を用いることができる。
【0424】
《画素703(i,j)の構成例3》
画素703(i,j)は情報に基づいて表示する。
【0425】
これにより、素子550G(i,j)を用いて画像情報VIを表示することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な表示装置を提供することができる。または、例えば、情報機器端末(図16B参照)、映像表示システム(図16C参照)またはコンピュータ(図16D参照)などを提供することができる。
【0426】
《機能パネル700の構成例2》
例えば、機能パネル700は駆動回路および制御回路を備える。
【0427】
《駆動回路》
駆動回路は制御信号に基づいて動作する。制御信号を用いることにより、複数の駆動回路の動作を同期することができる(図16A参照)。
【0428】
例えば、駆動回路GDを機能パネル700に用いることができる。駆動回路GDは、制御信号を供給され、第1の選択信号を供給する機能を備える。
【0429】
また、例えば、駆動回路SDを機能パネル700に用いることができる。駆動回路SDは、制御信号および情報を供給され、画像信号を供給することができる。
【0430】
また、例えば、駆動回路RDを機能パネル700に用いることができる。駆動回路RDは制御信号を供給され、第3の選択信号乃至第5の選択信号を供給することができる。
【0431】
また、例えば、読み出し回路RCを機能パネル700に用いることができる。読み出し回路RCは制御信号を供給され、例えば、相関二重サンプリング法を用いて、撮像信号を読み出すことができる。
【0432】
《制御回路》
制御回路は制御信号を生成し、供給する機能を備える。例えば、クロック信号またはタイミング信号などを制御信号に用いることができる。
【0433】
具体的には、リジッド基板上に形成された制御回路を機能パネルに用いることができる。または、リジッド基板上に形成された制御回路を、フレキシブルプリント基板を用いて、制御部238と電気的に接続することができる。
【0434】
例えば、タイミングコントローラ233を制御回路に用いることができる。また、制御回路243を用いて、駆動回路RDおよび読み出し回路RCの動作を同期することができる。
【0435】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0436】
(実施の形態8)
本実施の形態では、本発明の一態様の入出力装置の構成について、図を参照しながら説明する。
【0437】
図17は本発明の一態様の入出力装置の構成を説明するブロック図である。
【0438】
<入出力装置の構成例1>
本実施の形態で説明する入出力装置は、入力部240と、表示部230と、を有する(図17参照)。
【0439】
《表示部230の構成例1》
表示部230は、機能パネル700を備える。例えば、実施の形態1乃至実施の形態6のいずれか一に記載の機能パネル700を表示部230に用いることができる。なお、入力部240および表示部230を有する構成を機能パネル700TPということができる。
【0440】
《入力部240の構成例1》
入力部240は検知領域241を備える。入力部240は検知領域241に近接するものを検知する。
【0441】
検知領域241は画素703(i,j)と重なる領域を備える。
【0442】
これにより、表示部230を用いて画像情報を表示しながら、表示部230と重なる領域に近接するものを検知することができる。または、表示部230に近接させる指などをポインタに用いて、位置情報を入力することができる。または、位置情報を表示部230に表示する画像情報に関連付けることができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な入出力装置を提供することができる。
【0443】
《検知領域241の構成例1》
検知領域241は、例えば、単数または複数の検知器を備える。
【0444】
検知領域241は、一群の検知器802(g,1)乃至検知器802(g,q)と、他の一群の検知器802(1,h)乃至検知器802(p,h)と、を有する。なお、gは1以上p以下の整数であり、hは1以上q以下の整数であり、pおよびqは1以上の整数である。
【0445】
一群の検知器802(g,1)乃至検知器802(g,q)は、検知器802(g,h)を含み、行方向(図中に矢印R2で示す方向)に配設され、配線CL(g)と電気的に接続されている。なお、矢印R2で示す方向は、矢印R1で示す方向と同じであっても良いし、異なっていてもよい。
【0446】
また、他の一群の検知器802(1,h)乃至検知器802(p,h)は、検知器802(g,h)を含み、行方向と交差する列方向(図中に矢印C2で示す方向)に配設され、配線ML(h)と電気的に接続されている。
【0447】
《検知器》
検知器は近接するポインタを検知する機能を備える。例えば、指やスタイラスペン等をポインタに用いることができる。例えば、金属片またはコイル等を、スタイラスペンに用いることができる。
【0448】
具体的には、静電容量方式の近接センサ、電磁誘導方式の近接センサ、光学方式の近接センサ、抵抗膜方式の近接センサなどを、検知器に用いることができる。
【0449】
また、複数の方式の検知器を併用することもできる。例えば、指を検知する検知器と、スタイラスペンを検知する検知器とを、併用することができる。
【0450】
これにより、ポインタの種類を判別することができる。または、判別したポインタの種類に基づいて、異なる命令を検知情報に関連付けることができる。具体的には、ポインタに指を用いたと判別した場合は、検知情報をジェスチャーと関連付けることができる。または、ポインタにスタイラスペンを用いたと判別した場合は、検知情報を描画処理と関連付けることができる。
【0451】
具体的には、静電容量方式、感圧方式または光学方式の近接センサを用いて、指を検知することができる。または、電磁誘導方式または光学方式の近接センサを用いて、スタイラスペンを検知することができる。
【0452】
《入力部240の構成例2》
入力部240は発振回路OSCおよび検知回路DCを備える(図17参照)。
【0453】
発振回路OSCは探索信号を検知器802(g,h)に供給する。例えば、矩形波、のこぎり波、三角波、サイン波等を、探索信号に用いることができる。
【0454】
検知器802(g,h)は、検知器802(g,h)に近接するポインタまでの距離および探索信号に基づいて変化する検知信号を生成し供給する。
【0455】
検知回路DCは検知信号に基づいて入力情報を供給する。
【0456】
これにより、近接するポインタから検知領域241までの距離を検知することができる。または、検知領域241内においてポインタが最も近接する位置を検知することができる。
【0457】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0458】
(実施の形態9)
本実施の形態では、本発明の一態様の情報処理装置の構成について、図を参照しながら説明する。
【0459】
図18Aは本発明の一態様の情報処理装置の構成を説明するブロック図である。図18Bおよび図18Cは、情報処理装置の外観の一例を説明する投影図である。
【0460】
図19は、本発明の一態様のプログラムを説明するフローチャートである。図19Aは、本発明の一態様のプログラムの主の処理を説明するフローチャートであり、図19Bは、割り込み処理を説明するフローチャートである。
【0461】
図20は、本発明の一態様のプログラムを説明する図である。図20Aは、本発明の一態様のプログラムの割り込み処理を説明するフローチャートである。また、図20Bは、本発明の一態様の情報処理装置の操作を説明する模式図であり、図20Cは、本発明の一態様の情報処理装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【0462】
図21は、本発明の一態様のプログラムを説明する図である。図21Aは、図19Bに示す割り込み処理とは異なる割り込み処理を説明するフローチャートである。また、図21Bは、図21Aに示すプログラムの動作を説明する模式図であり、図21Cは、撮影した指紋の模式図である。
【0463】
図22は、本発明の一態様のプログラムを説明する図である。図22Aは、図19Bに示す割り込み処理とは異なる割り込み処理を説明するフローチャートである。また、図22B乃至図22Dは、図22Aに示すプログラムの動作を説明する模式図である。
【0464】
<情報処理装置の構成例1>
本実施の形態で説明する情報処理装置は、演算装置210と、入出力装置220と、を有する(図18A参照)。なお、入出力装置220は、演算装置210と電気的に接続される。また、情報処理装置200は筐体を備えることができる(図18Bおよび図18C参照)。
【0465】
《演算装置210の構成例1》
演算装置210は入力情報IIまたは検知情報DSを供給される。演算装置210は入力情報IIまたは検知情報DSに基づいて、制御情報CIおよび画像情報VIを生成し、制御情報CIおよび画像情報VIを供給する。
【0466】
演算装置210は、演算部211および記憶部212を備える。また、演算装置210は、伝送路214および入出力インターフェース215を備える。
【0467】
伝送路214は、演算部211、記憶部212、および入出力インターフェース215と電気的に接続される。
【0468】
《演算部211》
演算部211は、例えばプログラムを実行する機能を備える。
【0469】
《記憶部212》
記憶部212は、例えば演算部211が実行するプログラム、初期情報、設定情報または画像等を記憶する機能を有する。
【0470】
具体的には、ハードディスク、フラッシュメモリまたは酸化物半導体を含むトランジスタを用いたメモリ等を用いることができる。
【0471】
《入出力インターフェース215、伝送路214》
入出力インターフェース215は端子または配線を備え、情報を供給し、情報を供給される機能を備える。例えば、伝送路214と電気的に接続することができる。また、入出力装置220と電気的に接続することができる。
【0472】
伝送路214は配線を備え、情報を供給し、情報を供給される機能を備える。例えば、入出力インターフェース215と電気的に接続することができる。また、演算部211、記憶部212または入出力インターフェース215と電気的に接続することができる。
【0473】
《入出力装置220の構成例》
入出力装置220は、入力情報IIおよび検知情報DSを供給する。入出力装置220は、制御情報CIおよび画像情報VIを供給される(図18A参照)。
【0474】
例えば、キーボードのスキャンコード、位置情報、ボタンの操作情報、音声情報または画像情報等を入力情報IIに用いることができる。または、例えば、情報処理装置200が使用される環境等の照度情報、姿勢情報、加速度情報、方位情報、圧力情報、温度情報または湿度情報等を検知情報DSに用いることができる。
【0475】
例えば、画像情報VIを表示する輝度を制御する信号、彩度を制御する信号、色相を制御する信号を、制御情報CIに用いることができる。または、画像情報VIの一部の表示を変化する信号を、制御情報CIに用いることができる。
【0476】
入出力装置220は、表示部230、入力部240および検知部250を備える。例えば、実施の形態8において説明する入出力装置を、入出力装置220に用いることができる。また、入出力装置220は通信部290を備えることができる。
【0477】
《表示部230の構成例》
表示部230は制御情報CIに基づいて、画像情報VIを表示する。例えば、実施の形態7において説明する表示装置を表示部230に用いることができる。
【0478】
《入力部240の構成例》
入力部240は入力情報IIを生成する。例えば、入力部240は、位置情報P1を供給する機能を備える。
【0479】
例えば、ヒューマンインターフェイス等を入力部240に用いることができる(図18A参照)。具体的には、キーボード、マウス、タッチセンサ、マイクまたはカメラ等を入力部240に用いることができる。
【0480】
また、表示部230に重なる領域を備えるタッチセンサを用いることができる。なお、表示部230と表示部230に重なる領域を備えるタッチセンサを備える入出力装置を、タッチパネルまたはタッチスクリーンということができる。
【0481】
例えば、使用者は、タッチパネルに触れた指をポインタに用いて様々なジェスチャー(タップ、ドラッグ、スワイプまたはピンチイン等)をすることができる。
【0482】
例えば、演算装置210は、タッチパネルに接触する指の位置または軌跡等の情報を解析し、解析結果が所定の条件を満たすとき、所定のジェスチャーが供給されたとすることができる。これにより、使用者は、所定のジェスチャーにあらかじめ関連付けられた所定の操作命令を、当該ジェスチャーを用いて供給できる。
【0483】
一例を挙げれば、使用者は、画像情報の表示位置を変更する「スクロール命令」を、タッチパネルに沿ってタッチパネルに接触する指を移動するジェスチャーを用いて供給できる。
【0484】
また、使用者は、領域231の端部にナビゲーションパネルNPを引き出して表示する「ドラッグ命令」を、領域231の端部に接する指を移動するジェスチャーを用いて供給できる(図18C参照)。また、使用者は、ナビゲーションパネルNPにインデックス画像IND、他のページの一部または他のページのサムネイル画像TNを、所定の順番でパラパラ表示する「リーフスルー命令」を、指を強く押し付ける位置を移動するジェスチャーを用いて供給できる。または、指を押し付ける圧力を用いて供給できる。これにより、紙の書籍のページをパラパラめくるように、電子書籍のページをめくることができる。または、サムネイル画像TNまたはインデックス画像INDを頼りに、所定のページを探すことができる。
【0485】
《検知部250の構成例》
検知部250は検知情報DSを生成する。例えば、検知部250は、情報処理装置200が使用される環境の照度を検出する機能を備え、照度情報を供給する機能を備える。
【0486】
検知部250は、周囲の状態を検知して検知情報を供給する機能を備える。具体的には、照度情報、姿勢情報、加速度情報、方位情報、圧力情報、温度情報または湿度情報等を供給できる。
【0487】
例えば、光検出器、姿勢検出器、加速度センサ、方位センサ、GPS(Global positioning System)信号受信回路、感圧スイッチ、圧力センサ、温度センサ、湿度センサまたはカメラ等を、検知部250に用いることができる。
【0488】
《通信部290》
通信部290は、ネットワークに情報を供給し、ネットワークから情報を取得する機能を備える。
【0489】
《筐体》
なお、筐体は入出力装置220または演算装置210を収納する機能を備える。または、筐体は表示部230または演算装置210を支持する機能を備える。
【0490】
これにより、入力情報IIまたは検知情報DSに基づいて、制御情報CIを生成することができる。または、入力情報IIまたは検知情報DSに基づいて、画像情報VIを表示することができる。または、情報処理装置は、情報処理装置が使用される環境において、情報処理装置の筐体が受ける光の強さを把握して動作することができる。または、情報処理装置の使用者は、表示方法を選択することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な情報処理装置を提供することができる。
【0491】
なお、これらの構成は明確に分離できず、一つの構成が他の構成を兼ねる場合や他の構成の一部を含む場合がある。例えば、表示パネルにタッチセンサが重ねられたタッチパネルは、表示部であるとともに入力部でもある。
【0492】
《演算装置210の構成例2》
演算装置210は人工知能部213を備える(図18A参照)。
【0493】
人工知能部213は入力情報IIまたは検知情報DSを供給され、人工知能部213は入力情報IIまたは検知情報DSに基づいて、制御情報CIを推論する。また、人工知能部213は制御情報CIを供給する。
【0494】
これにより、好適であると感じられるように表示する制御情報CIを生成することができる。または、好適であると感じられるように表示することができる。または、快適であると感じられるように表示する制御情報CIを生成することができる。または、快適であると感じられるように表示することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な情報処理装置を提供することができる。
【0495】
[入力情報IIに対する自然言語処理]
具体的には、人工知能部213は入力情報IIを自然言語処理して、入力情報II全体から1つの特徴を抽出することができる。例えば、人工知能部213は、入力情報IIに込められた感情等を推論し特徴にすることができる。また、当該特徴に好適であると経験的に感じられる色彩、模様または書体等を推論することができる。また、人工知能部213は、文字の色、模様または書体を指定する情報、背景の色または模様を指定する情報を生成し、制御情報CIに用いることができる。
【0496】
具体的には、人工知能部213は入力情報IIを自然言語処理して、入力情報IIに含まれる一部の言葉を抽出することができる。例えば、人工知能部213は文法的な誤り、事実誤認または感情を含む表現等を抽出することができる。また、人工知能部213は、抽出した一部を他の一部とは異なる色彩、模様または書体等で表示する制御情報CIを生成することができる。
【0497】
[入力情報IIに対する画像処理]
具体的には、人工知能部213は入力情報IIを画像処理して、入力情報IIから1つの特徴を抽出することができる。例えば、人工知能部213は、入力情報IIが撮影された年代、屋内または屋外、昼または夜等を推論し特徴にすることができる。また、当該特徴に好適であると経験的に感じられる色調を推論し、当該色調を表示に用いるための制御情報CIを生成することができる。具体的には、濃淡の表現に用いる色(例えば、フルカラー、白黒または茶褐色等)を指定する情報を制御情報CIに用いることができる。
【0498】
具体的には、人工知能部213は入力情報IIを画像処理して、入力情報IIに含まれる一部の画像を抽出することができる。例えば、抽出した画像の一部と他の一部の間に境界を表示する制御情報CIを生成することができる。具体的には、抽出した画像の一部を囲む矩形を表示する制御情報CIを生成することができる。
【0499】
[検知情報DSを用いる推論]
具体的には、人工知能部213は検知情報DSを用いて、推論することができる。または、推論に基づいて、情報処理装置200の使用者が快適であると感じられるように制御情報CIを生成することができる。
【0500】
具体的には、環境の照度等に基づいて、人工知能部213は、表示の明るさが快適であると感じられるように、表示の明るさを調整する制御情報CIを生成することができる。または、人工知能部213は環境の騒音等に基づいて大きさが快適であると感じられるように、音量を調整する制御情報CIを生成することができる。
【0501】
なお、表示部230が備える制御部238に供給するクロック信号またはタイミング信号などを制御情報CIに用いることができる。または、入力部240が備える制御部に供給するクロック信号またはタイミング信号などを制御情報CIに用いることができる。
【0502】
<情報処理装置の構成例2>
本発明の一態様の情報処理装置の別の構成について、図19Aおよび図19Bを参照しながら説明する。
【0503】
《プログラム》
本発明の一態様のプログラムは、下記のステップを有する(図19A参照)。
【0504】
[第1のステップ]
第1のステップにおいて、設定を初期化する(図19A(S1)参照)。
【0505】
例えば、起動時に表示する所定の画像情報と、当該画像情報を表示する所定のモードと、当該画像情報を表示する所定の表示方法を特定する情報と、を記憶部212から取得する。具体的には、一の静止画像情報または他の動画像情報を所定の画像情報に用いることができる。また、第1のモードまたは第2のモードを所定のモードに用いることができる。
【0506】
[第2のステップ]
第2のステップにおいて、割り込み処理を許可する(図19A(S2)参照)。なお、割り込み処理が許可された演算装置は、主の処理と並行して割り込み処理を行うことができる。割り込み処理から主の処理に復帰した演算装置は、割り込み処理をして得た結果を主の処理に反映することができる。
【0507】
なお、カウンタの値が初期値であるとき、演算装置に割り込み処理をさせ、割り込み処理から復帰する際に、カウンタを初期値以外の値としてもよい。これにより、プログラムを起動した後に常に割り込み処理をさせることができる。
【0508】
[第3のステップ]
第3のステップにおいて、第1のステップまたは割り込み処理において選択された、所定のモードまたは所定の表示方法を用いて画像情報を表示する(図19A(S3)参照)。なお、所定のモードは情報を表示するモードを特定し、所定の表示方法は画像情報を表示する方法を特定する。また、例えば、画像情報VIを表示する情報に用いることができる。
【0509】
例えば、画像情報VIを表示する一の方法を、第1のモードに関連付けることができる。または、画像情報VIを表示する他の方法を第2のモードに関連付けることができる。これにより、選択されたモードに基づいて表示方法を選択することができる。
【0510】
《第1のモード》
具体的には、30Hz以上、好ましくは60Hz以上の頻度で一の走査線に選択信号を供給し、選択信号に基づいて表示をする方法を、第1のモードに関連付けることができる。
【0511】
例えば、30Hz以上、好ましくは60Hz以上の頻度で選択信号を供給すると、動画像の動きを滑らかに表示することができる。
【0512】
例えば、30Hz以上、好ましくは60Hz以上の頻度で画像を更新すると、使用者の操作に滑らかに追従するように変化する画像を、使用者が操作中の情報処理装置200に表示することができる。
【0513】
《第2のモード》
具体的には、30Hz未満、好ましくは1Hz未満、より好ましくは1分に1回未満の頻度で一の走査線に選択信号を供給し、選択信号に基づいて表示をする方法を、第2のモードに関連付けることができる。
【0514】
30Hz未満、好ましくは1Hz未満、より好ましくは1分に1回未満の頻度で選択信号を供給すると、フリッカーまたはちらつきが抑制された表示をすることができる。また、消費電力を低減することができる。
【0515】
例えば、情報処理装置200を時計に用いる場合、1秒に1回の頻度または1分に1回の頻度等で表示を更新することができる。
【0516】
ところで、例えば、発光素子を表示素子に用いる場合、発光素子をパルス状に発光させて、画像情報を表示することができる。具体的には、パルス状に有機EL素子を発光させて、その残光を表示に用いることができる。有機EL素子は優れた周波数特性を備えるため、発光素子を駆動する時間を短縮し、消費電力を低減することができる場合がある。または、発熱が抑制されるため、発光素子の劣化を軽減することができる場合がある。また、デューティ比を20%以下にすると、表示に含まれる残像を低減することができる。
【0517】
[第4のステップ]
第4のステップにおいて、終了命令が供給された(Yes)場合は第5のステップに進み、終了命令が供給されなかった(No)場合は第3のステップに進むように選択する(図19A(S4)参照)。
【0518】
例えば、割り込み処理において供給された終了命令を判断に用いてもよい。
【0519】
[第5のステップ]
第5のステップにおいて、終了する(図19A(S5)参照)。
【0520】
《割り込み処理》
割り込み処理は以下の第6のステップ乃至第8のステップを備える(図19B参照)。
【0521】
[第6のステップ]
第6のステップにおいて、例えば、検知部250を用いて、情報処理装置200が使用される環境の照度を検出する(図19B(S6)参照)。なお、環境の照度に代えて環境光の色温度や色度を検出してもよい。
【0522】
[第7のステップ]
第7のステップにおいて、検出した照度情報に基づいて表示方法を決定する(図19B(S7)参照)。例えば、表示の明るさを暗すぎないように、または明るすぎないように決定する。
【0523】
なお、第6のステップにおいて環境光の色温度や環境光の色度を検出した場合は、表示の色味を調節してもよい。
【0524】
[第8のステップ]
第8のステップにおいて、割り込み処理を終了する(図19B(S8)参照)。
【0525】
<情報処理装置の構成例3>
本発明の一態様の情報処理装置の別の構成について、図20を参照しながら説明する。
【0526】
図20Aは、本発明の一態様のプログラムを説明するフローチャートである。図20Aは、図19Bに示す割り込み処理とは異なる割り込み処理を説明するフローチャートである。
【0527】
なお、情報処理装置の構成例3は、供給された所定のイベントに基づいて、モードを変更するステップを割り込み処理に有する点が、図19Bを参照しながら説明する割り込み処理とは異なる。ここでは、異なる部分について詳細に説明し、同様の構成を用いることができる部分について上記の説明を援用する。
【0528】
《割り込み処理》
割り込み処理は以下の第6のステップ乃至第8のステップを備える(図20A参照)。
【0529】
[第6のステップ]
第6のステップにおいて、所定のイベントが供給された(Yes)場合は、第7のステップに進み、所定のイベントが供給されなかった(No)場合は、第8のステップに進む(図20A(U6)参照)。例えば、所定の期間に所定のイベントが供給されたか否かを条件に用いることができる。具体的には、5秒以下、1秒以下または0.5秒以下好ましくは0.1秒以下であって0秒より長い期間を所定の期間とすることができる。
【0530】
[第7のステップ]
第7のステップにおいて、モードを変更する(図20A(U7)参照)。具体的には、第1のモードを選択していた場合は、第2のモードを選択し、第2のモードを選択していた場合は、第1のモードを選択する。
【0531】
例えば、表示部230の一部の領域について、表示モードを変更することができる。具体的には、駆動回路GDA、駆動回路GDBおよび駆動回路GDCを備える表示部230の一の駆動回路が選択信号を供給する領域について、表示モードを変更することができる(図20B参照)。
【0532】
例えば、駆動回路GDBが選択信号を供給する領域と重なる領域にある入力部240に、所定のイベントが供給された場合に、駆動回路GDBが選択信号を供給する領域の表示モードを変更することができる(図20Bおよび図20C参照)。具体的には、指等を用いてタッチパネルに供給する「タップ」イベントに応じて、駆動回路GDBが供給する選択信号の頻度を変更することができる。
【0533】
なお、信号GCLKは駆動回路GDBの動作を制御するクロック信号であり、信号PWC1および信号PWC2は駆動回路GDBの動作を制御するパルス幅制御信号である。駆動回路GDBは、信号GCLK、信号PWC1および信号PWC2等に基づいて、選択信号を導電膜G2(m+1)乃至導電膜G2(2m)に供給する。
【0534】
これにより、例えば、駆動回路GDAおよび駆動回路GDCが選択信号を供給することなく、駆動回路GDBが選択信号を供給することができる。または、駆動回路GDAおよび駆動回路GDCが選択信号を供給する領域の表示を変えることなく、駆動回路GDBが選択信号を供給する領域の表示を更新することができる。または、駆動回路が消費する電力を抑制することができる。
【0535】
[第8のステップ]
第8のステップにおいて、割り込み処理を終了する(図20A(U8)参照)。なお、主の処理を実行している期間に割り込み処理を繰り返し実行してもよい。
【0536】
《所定のイベント》
例えば、マウス等のポインティング装置を用いて供給する、「クリック」や「ドラッグ」等のイベント、指等をポインタに用いてタッチパネルに供給する、「タップ」、「ドラッグ」または「スワイプ」等のイベントを用いることができる。
【0537】
また、例えば、ポインタが指し示すスライドバーの位置、スワイプの速度、ドラッグの速度等を用いて、所定のイベントに関連付けられた命令の引数を与えることができる。
【0538】
例えば、検知部250が検知した情報をあらかじめ設定された閾値と比較して、比較結果をイベントに用いることができる。
【0539】
具体的には、筐体に押し込むことができるように配設されたボタン等に接する感圧検知器等を検知部250に用いることができる。
【0540】
《所定のイベントに関連付ける命令》
例えば、終了命令を、所定のイベントに関連付けることができる。
【0541】
例えば、表示されている一の画像情報から他の画像情報に表示を切り替える「ページめくり命令」を、所定のイベントに関連付けることができる。なお、「ページめくり命令」を実行する際に用いるページをめくる速度などを決定する引数を、所定のイベントを用いて与えることができる。
【0542】
例えば、一の画像情報の表示されている一部分の表示位置を移動して、一部分に連続する他の部分を表示する「スクロール命令」などを、所定のイベントに関連付けることができる。なお、「スクロール命令」を実行する際に用いる表示を移動する速度などを決定する引数を、所定のイベントを用いて与えることができる。
【0543】
例えば、表示方法を設定する命令または画像情報を生成する命令などを、所定のイベントに関連付けることができる。なお、生成する画像の明るさを決定する引数を所定のイベントに関連付けることができる。また、生成する画像の明るさを決定する引数を、検知部250が検知する環境の明るさに基づいて決定してもよい。
【0544】
例えば、プッシュ型のサービスを用いて配信される情報を、通信部290を用いて取得する命令などを、所定のイベントに関連付けることができる。
【0545】
なお、情報を取得する資格の有無を、検知部250が検知する位置情報を用いて判断してもよい。具体的には、所定の教室、学校、会議室、企業、建物等の内部または領域にいる場合に、情報を取得する資格を有すると判断してもよい。これにより、例えば、学校または大学等の教室で配信される教材を受信して、情報処理装置200を教科書等に用いることができる(図18C参照)。または、企業等の会議室で配信される資料を受信して、会議資料に用いることができる。
【0546】
<情報処理装置の構成例4>
本発明の一態様の情報処理装置の別の構成について、図21を参照しながら説明する。
【0547】
なお、図21Aを参照しながら説明する情報処理装置の構成例4は、図19Bを参照しながら説明する構成例とは、割り込み処理が異なる。具体的には、供給された所定のイベントに基づいて、領域を特定するステップ、画像を生成するステップ、画像を表示するステップ、撮像するステップを、割り込み処理が有する。ここでは、異なる部分について詳細に説明し、同様の構成を用いることができる部分について上記の説明を援用する。
【0548】
《割り込み処理》
割り込み処理は、第6のステップ乃至第11のステップを備える(図21A参照)。
【0549】
[第6のステップ]
第6のステップにおいて、所定のイベントが供給された(Yes)場合は、第7のステップに進み、所定のイベントが供給されなかった(No)場合は、第11のステップに進む(図21A(V6)参照)。
【0550】
例えば、検知部250を用いて、所定のイベントを供給することができる。具体的には、情報処理装置を持ち上げる等の運動を所定のイベントに用いることができる。例えば、角加速度センサまたは加速度センサを用いて、情報処理装置の運動を検知することができる。または、タッチセンサを用いて、指などの接触または被写体の近接を検知することができる。
【0551】
[第7のステップ]
第7のステップにおいて、第1の領域SHを特定する(図21A(V7)参照)。
【0552】
例えば、本発明の一態様の入出力装置220に、指などの被写体が接触または近接した領域を、第1の領域SHにすることができる。または、使用者等があらかじめ設定した領域を第1の領域SHに用いることができる。
【0553】
具体的には、本発明の一態様の機能パネルに接触または近接する指THMなどを、画素703(i,j)を用いて撮影し、画像処理をして、第1の領域SHを特定することができる(図21B参照)。
【0554】
例えば、指THMなどの被写体の接触または近接により、外光が遮られて生じた陰を、本発明の一態様の機能パネルの画素703(i,j)を用いて撮影し、画像処理をして、第1の領域SHを特定することができる。
【0555】
または、本発明の一態様の機能パネルの画素703(i,j)を用いて、接触または近接する指THMなどの被写体に光を照射し、当該被写体が反射する光を、画素703(i,j)を用いて撮影し、画像処理をして、第1の領域SHを特定することができる。
【0556】
または、タッチセンサを用いて、指THMなどの被写体が触れた領域を第1の領域SHに特定することができる。
【0557】
[第8のステップ]
第8のステップにおいて、第1の領域SHに基づいて、第2の領域および第3の領域を含む画像FIを生成する(図21A(V8)および図21B参照)。例えば、第1の領域SHの形状を第2の領域の形状に用い、第1の領域SHを除く領域を、第3の領域に用いる。
【0558】
[第9のステップ]
第9のステップにおいて、第2の領域が第1の領域SHに重なるように、画像FIを表示する(図21A(V9)および図21B参照)。
【0559】
例えば、画像FIから画像信号を生成し、領域231に供給し、画素703(i,j)から光を射出する。または、第1の選択信号を導電膜G1(i)に供給している期間に、生成した画像信号を導電膜S1g(j)に供給し、画素703(i,j)に画像信号を書き込むことができる。または、生成した画像信号を導電膜S1g(j)および導電膜S2g(j)に供給し、画素703(i,j)に強調された画像信号を書き込むことができる。または、強調された画像信号を用いて、輝度を高めて表示することができる。
【0560】
これにより、指などの被写体が触れた領域231または近接した第1の領域SHに重ねて、画像FIを表示することができる。または、指などの被写体が触れた領域に、画素703(i,j)を用いて光を照射することができる。または、接触または近接する指THMなどの被写体に照明を当てることができる。または、使用者等があらかじめ設定した領域に、指などの被写体を接触または近接するように、促すことができる。
【0561】
[第10のステップ]
第10のステップにおいて、画像FIを表示しながら、第1の領域SHに接触または近接する被写体を撮像する(図21A(V10)および図21B参照)。
【0562】
例えば、領域231に近接する指THMなどに光を照射しながら、当該指などを撮影する。具体的には、領域231に接する指THMの指紋FPを撮影することができる(図21C参照)。
【0563】
例えば、画素703(i,j)に画像を表示した状態で、第1の選択信号の供給を停止することができる。例えば、画素回路530G(i,j)に対する第1の選択信号の供給を停止した状態で、画素703(i,j)を用いて撮像することができる。
【0564】
これにより、接触または近接する指などの被写体を、照明しながら撮像することができる。または、第1の選択信号が供給されていない期間に撮像することができる。または、撮像時のノイズを抑制することができる。または、指紋の鮮明な画像を取得することができる。または、使用者の認証に用いることができる画像を取得することができる。または、領域231のどこであっても、領域231に触れる指の指紋を、鮮明に撮影することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な情報処理装置を提供することができる。
【0565】
[第11のステップ]
第11のステップにおいて、割り込み処理を終了する(図21A(V11)参照)。
【0566】
<情報処理装置の構成例5>
本発明の一態様の情報処理装置の別の構成について、図22を参照しながら説明する。
【0567】
《割り込み処理》
割り込み処理は、第6のステップ乃至第9のステップを備える(図22A参照)。
【0568】
[第6のステップ]
第6のステップにおいて、所定のイベントが供給された(Yes)場合は、第7のステップに進み、所定のイベントが供給されなかった(No)場合は、第9のステップに進む(図22A(W6)参照)。
【0569】
例えば、情報処理装置200の所定の位置に被写体30を配置し、入力部240を用いて、所定のイベントを供給することができる(図22B参照)。具体的には、指などの接触または近接を、領域231(1)のタッチセンサを用いて検知して、所定のイベントに用いることができる。例えば、割り込み処理に関連付けられた画像が表示される場所に重ねて配置されたタッチセンサを用いることができる。具体的には、割り込み処理に関連付けられた画像を領域231(1)に表示し、領域231(1)に重ねて配置された入力部240を用いることができる。
【0570】
[第7のステップ]
第7のステップにおいて、領域231(1)を用いて撮像する(図22A(W7)参照)。
【0571】
例えば、被写体30が領域231に近接または密着したときに、静止画像を撮像する(図22C参照)。具体的には、領域231に入射する外光の強度が、所定の値より小さくなったときに、静止画像を撮像する。または、領域231が撮影する画像が、所定の期間、所定の大きさを超える変化が認められなかったときに、静止画像を撮像する。または、情報処理装置200の筐体が閉じられたのちに、静止画像を撮像する。
【0572】
[第8のステップ]
第8のステップにおいて、領域231(1)を用いて表示する(図22A(W8)参照)。
【0573】
例えば、第7のステップで撮像した静止画を、領域231に表示する(図22D参照)。
【0574】
[第9のステップ]
第9のステップにおいて、割り込み処理を終了する(図22A(W9)参照)。
【0575】
これにより、接触または近接する指などの被写体を、照明しながら撮像することができる。または、歪みが抑制された鮮明な画像を取得することができる。または、印刷物などに掲載された情報を電子データに複製することができる。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な情報処理装置を提供することができる。
【0576】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0577】
(実施の形態10)
本実施の形態では、本発明の一態様の情報処理装置の構成について、図を参照しながら説明する。
【0578】
図23乃至図25は、本発明の一態様の情報処理装置の構成を説明する図である。図23Aは情報処理装置のブロック図であり、図23B乃至図23Eは情報処理装置の構成を説明する斜視図である。また、図24A乃至図24Eは情報処理装置の構成を説明する斜視図である。また、図25Aおよび図25Bは情報処理装置の構成を説明する斜視図である。
【0579】
<情報処理装置>
本実施の形態で説明する情報処理装置5200Bは、演算装置5210と、入出力装置5220と、を有する(図23A参照)。
【0580】
演算装置5210は、操作情報を供給される機能を備え、操作情報に基づいて画像情報を供給する機能を備える。
【0581】
入出力装置5220は、表示部5230、入力部5240、検知部5250、通信部5290、操作情報を供給する機能および画像情報を供給される機能を備える。また、入出力装置5220は、検知情報を供給する機能、通信情報を供給する機能および通信情報を供給される機能を備える。
【0582】
入力部5240は操作情報を供給する機能を備える。例えば、入力部5240は、情報処理装置5200Bの使用者の操作に基づいて操作情報を供給する。
【0583】
具体的には、キーボード、ハードウェアボタン、ポインティングデバイス、タッチセンサ、照度センサ、撮像装置、音声入力装置、視線入力装置、姿勢検出装置などを、入力部5240に用いることができる。
【0584】
表示部5230は表示パネルおよび画像情報を表示する機能を備える。例えば、実施の形態1乃至実施の形態6のいずれか一において説明する表示パネルを表示部5230に用いることができる。
【0585】
検知部5250は検知情報を供給する機能を備える。例えば、情報処理装置が使用されている周辺の環境を検知して、検知情報として供給する機能を備える。
【0586】
具体的には、照度センサ、撮像装置、姿勢検出装置、圧力センサ、人感センサなどを検知部5250に用いることができる。
【0587】
通信部5290は通信情報を供給される機能および供給する機能を備える。例えば、無線通信または有線通信により、他の電子機器または通信網と接続する機能を備える。具体的には、無線構内通信、電話通信、近距離無線通信などの機能を備える。
【0588】
《情報処理装置の構成例1》
例えば、円筒状の柱などに沿った外形を表示部5230に適用することができる(図23B参照)。また、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える。また、人の存在を検知して、表示内容を変更する機能を備える。これにより、例えば、建物の柱に設置することができる。または、広告または案内等を表示することができる。または、デジタル・サイネージ等に用いることができる。
【0589】
《情報処理装置の構成例2》
例えば、使用者が使用するポインタの軌跡に基づいて画像情報を生成する機能を備える(図23C参照)。具体的には、対角線の長さが20インチ以上、好ましくは40インチ以上、より好ましくは55インチ以上の表示パネルを用いることができる。または、複数の表示パネルを並べて1つの表示領域に用いることができる。または、複数の表示パネルを並べてマルチスクリーンに用いることができる。これにより、例えば、電子黒板、電子掲示板、電子看板等に用いることができる。
【0590】
《情報処理装置の構成例3》
他の装置から情報を受信して、表示部5230に表示することができる(図23D参照)。または、いくつかの選択肢を表示できる。または、使用者は選択肢からいくつかを選択し、当該情報の送信元に返信できる。または、例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える。これにより、例えば、スマートウオッチの消費電力を低減することができる。または、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に使用できるように、画像をスマートウオッチに表示することができる。
【0591】
《情報処理装置の構成例4》
表示部5230は、例えば、筐体の側面に沿って緩やかに曲がる曲面を備える(図23E参照)。または、表示部5230は表示パネルを備え、表示パネルは、例えば、前面、側面、上面および背面に表示する機能を備える。これにより、例えば、携帯電話の前面だけでなく、側面、上面および背面に情報を表示することができる。
【0592】
《情報処理装置の構成例5》
例えば、インターネットから情報を受信して、表示部5230に表示することができる(図24A参照)。または、作成したメッセージを表示部5230で確認することができる。または、作成したメッセージを他の装置に送信できる。または、例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える。これにより、スマートフォンの消費電力を低減することができる。または、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に使用できるように、画像をスマートフォンに表示することができる。
【0593】
《情報処理装置の構成例6》
リモートコントローラーを入力部5240に用いることができる(図24B参照)。または、例えば、放送局またはインターネットから情報を受信して、表示部5230に表示することができる。または、検知部5250を用いて使用者を撮影できる。または、使用者の映像を送信できる。または、使用者の視聴履歴を取得して、クラウド・サービスに提供できる。または、クラウド・サービスから、レコメンド情報を取得して、表示部5230に表示できる。または、レコメンド情報に基づいて、番組または動画を表示できる。または、例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える。これにより、晴天の日に屋内に差し込む強い外光が当たっても好適に使用できるように、映像をテレビジョンシステムに表示することができる。
【0594】
《情報処理装置の構成例7》
例えば、インターネットから教材を受信して、表示部5230に表示することができる(図24C参照)。または、入力部5240を用いて、レポートを入力し、インターネットに送信することができる。または、クラウド・サービスから、レポートの添削結果または評価を取得して、表示部5230に表示できる。または、評価に基づいて、好適な教材を選択し、表示できる。
【0595】
例えば、他の情報処理装置から画像信号を受信して、表示部5230に表示することができる。または、スタンドなどに立てかけて、表示部5230をサブディスプレイに用いることができる。これにより、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に使用できるように、画像をタブレットコンピュータに表示することができる。
【0596】
《情報処理装置の構成例8》
情報処理装置は、例えば、複数の表示部5230を備える(図24D参照)。例えば、検知部5250で撮影しながら表示部5230に表示することができる。または、撮影した映像を検知部に表示することができる。または、入力部5240を用いて、撮影した映像に装飾を施せる。または、撮影した映像にメッセージを添付できる。または、インターネットに送信できる。または、使用環境の照度に応じて、撮影条件を変更する機能を備える。これにより、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に閲覧できるように、被写体をデジタルカメラに表示することができる。
【0597】
《情報処理装置の構成例9》
例えば、他の情報処理装置をスレイブに用い、本実施の形態の情報処理装置をマスターに用いて、他の情報処理装置を制御することができる(図24E参照)。または、例えば、画像情報の一部を表示部5230に表示し、画像情報の他の一部を他の情報処理装置の表示部に表示することができる。他の情報処理装置に画像信号を供給することができる。または、通信部5290を用いて、他の情報処理装置の入力部から書き込む情報を取得できる。これにより、例えば、携帯可能なパーソナルコンピュータを用いて、広い表示領域を利用することができる。
【0598】
《情報処理装置の構成例10》
情報処理装置は、例えば、加速度または方位を検知する検知部5250を備える(図25A参照)。または、検知部5250は、使用者の位置または使用者が向いている方向に係る情報を供給することができる。または、情報処理装置は、使用者の位置または使用者が向いている方向に基づいて、右目用の画像情報および左目用の画像情報を生成することができる。または、表示部5230は、右目用の表示領域および左目用の表示領域を備える。これにより、例えば、没入感を得られる仮想現実空間の映像を、ゴーグル型の情報処理装置に表示することができる。
【0599】
《情報処理装置の構成例11》
情報処理装置は、例えば、撮像装置、加速度または方位を検知する検知部5250を備える(図25B参照)。または、検知部5250は、使用者の位置または使用者が向いている方向に係る情報を供給することができる。または、情報処理装置は、使用者の位置または使用者が向いている方向に基づいて、画像情報を生成することができる。これにより、例えば、現実の風景に情報を添付して表示することができる。または、拡張現実空間の映像を、めがね型の情報処理装置に表示することができる。
【0600】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【実施例1】
【0601】
本実施例では、作製した本発明の一態様の機能パネルの構成について、図2C図2Dおよび図27Aを参照しながら説明する。
【0602】
図27Aは、本発明の一態様の機能パネルの断面を説明する透過電子顕微鏡写真であり、図2Cの一部に相当する。
【0603】
<機能パネルの構成例1>
作製した機能パネルは、素子550R(i,j)と、反射膜554R(i,j)と、絶縁膜528と、を有する(図27Aおよび図28A参照)。
【0604】
《素子構成例》
素子550R(i,j)は、電極551R(i,j)、電極552および発光性の材料を含む層553を備える。
【0605】
発光性の材料を含む層553は、電極551R(i,j)および電極552の間に挟まれる領域を備える。なお、インジウム、錫、シリコンおよび酸素を含む膜を電極551R(i,j)に用い、積層膜を電極552に用いた。積層膜は、インジウム、錫、および酸素を含む膜と銀およびマグネシウムを含む膜とをこの順で積層した膜である。
【0606】
電極551R(i,j)は透光性を備え、電極551R(i,j)は厚さT1を備える。具体的には、厚さT1は110nmであった。
【0607】
《反射膜554R(i,j)の構成例》
反射膜554R(i,j)は、発光性の材料を含む層553との間に電極551R(i,j)を挟む領域を備え、反射膜554R(i,j)は厚さT2を備える。具体的には、厚さT2は160nmであった。なお、積層膜を反射膜に用い、積層膜はチタン膜とアルミニウム膜とチタン膜とをこの順で積層した膜である。
【0608】
《絶縁膜528の構成例》
絶縁膜528は厚さT3を備える。具体的には、厚さT3は170nmであった。なお、シリコン、酸素および窒素を含む膜を絶縁膜528に用いた。
【0609】
開口部528h(1)は電極551R(i,j)と重なり、絶縁膜528は階段状の断面形状SCT1を備える。
【0610】
また、階段状の断面形状SCT1は段差528D(1)を備える。具体的には、段差528D(1)は330nmであった。段差528D(1)は厚さT1に厚さT2を加えた厚さ以上であった。
【0611】
これにより、開口部を囲む段差528D(1)に、発光性の材料を含む層553の厚さが薄い部分を形成することができた。具体的には、厚さが64.1nmの部分を、発光性の材料を含む層553に形成することができた。なお、発光性の材料を含む層553は、平坦部において176.6nmの厚さを備えていた。また、電極552は、平坦部において70nmの厚さを備え、最も薄い部分で39.5nmの厚さを備えていた。または、発光性の材料を含む層553の広がりに沿って、開口部528h(1)より外側に流れる電流を抑制することができた。または、発光する領域を、開口部528h(1)と重なる領域に集中することができた。
【0612】
また、階段状の断面形状SCT1は、段差528D(1)の間に、段差528D(2)および段差528D(3)を備える。
【0613】
段差528D(2)は段差528D(3)より小さく、段差528D(2)は厚さT1の0.5倍以上、1.5倍以下である。具体的には、段差528D(2)は、120nmであった。また、段差528D(3)は、210nmであった。
【0614】
本実施例で説明する機能パネルは、素子550G(i,j)を有する(図2C図2Dおよび図27A参照)。
【0615】
素子550G(i,j)は、電極551G(i,j)、電極552および発光性の材料を含む層553を備える。
【0616】
発光性の材料を含む層553は、電極551G(i,j)および電極552の間に挟まれる領域を備える。
【0617】
《絶縁膜528の構成例》
【0618】
開口部528h(2)は電極551G(i,j)と重なり、絶縁膜528は階段状の断面形状SCT2を備える。
【0619】
階段状の断面形状SCT2は、段差528D(4)を備える。具体的には、段差528D(4)は280nmであった。段差528D(4)は段差528D(1)の0.85倍であった。
【0620】
これにより、段差528D(1)および段差528D(4)に、発光性の材料を含む層553の厚さが薄い部分を形成することができた。具体的には、厚さが64.1nmの部分を、発光性の材料を含む層553に形成することができた。なお、発光性の材料を含む層553は、平坦部において176.6nmの厚さを備えていた。または、発光性の材料を含む層553の絶縁膜528と重なる領域を介して、開口部528h(2)と重なる領域の電極552および電極551R(i,j)の間に流れる電流を抑制することができた。または、発光性の材料を含む層553の絶縁膜528と重なる領域を介して、開口部528h(1)と重なる領域の電極552および電極551G(i,j)の間に流れる電流を抑制することができた。または、発光する領域を、開口部528h(1)と重なる領域または開口部528h(2)と重なる領域に集中することができた。
【0621】
電極551G(i,j)は厚さT4を備える。具体的には、厚さT4は60nmであった。
【0622】
また、階段状の断面形状SCT2は、段差528D(4)の間に、段差528D(5)および段差528D(6)を備える。
【0623】
段差528D(5)は厚さT4の0.5倍以上、1.5倍以下であり、段差528D(5)は段差528D(6)より小さい。具体的には、段差528D(5)は80nmであり、厚さT4の1.3倍であった。また、段差528D(6)は200nmであり、段差528D(3)の0.95倍であった。
【0624】
これにより、電極551G(i,j)の厚さT4に応じて、段差528D(5)を変えることができた。または、電極551R(i,j)の厚さT1および電極551G(i,j)の厚さT4に影響されることなく、段差528D(3)および段差528D(6)を一定にすることができた。または、発光性の材料を含む層553の、開口部528h(1)を囲む段差528D(3)および開口部528h(2)を囲む段差528D(6)に、厚さが薄い部分を形成することができた。または、発光性の材料を含む層553の絶縁膜528と重なる領域を介して、開口部528h(2)と重なる電極552および電極551R(i,j)の間に流れる電流を抑制することができた。または、発光性の材料を含む層553の絶縁膜528と重なる領域を介して、開口部528h(1)と重なる電極552および電極551G(i,j)の間に流れる電流を抑制することができた。または、発光する領域を、開口部528h(1)と重なる領域または開口部528h(2)と重なる領域に集中することができた。
【実施例2】
【0625】
本実施例では、作製した本発明の一態様の機能パネルの構成について、図27Bを参照しながら説明する。
【0626】
図27Bは、本発明の一態様の機能パネルの断面を説明する透過電子顕微鏡写真である。
【0627】
<機能パネルの構成例2>
本実施例で説明する機能パネルは、実施例1で説明する機能パネルとは、各部の寸法が異なる(図27B参照)。各部の寸法を以下の表にまとめる。なお、本実施例で説明する機能パネルは、実施例1で説明する機能パネルに比べて、厚い反射膜を備える。例えば、本実施例で説明する機能パネルの反射膜554R(i,j)の厚さT2は、実施例1で説明する機能パネルの反射膜554R(i,j)の厚さT2に比べて、厚い。
【0628】
【表1】
【0629】
これにより、開口部を囲む段差528D(1)に、発光性の材料を含む層553の厚さが薄い部分を形成することができた。具体的には、厚さが4.0nmの部分を、発光性の材料を含む層553に形成することができた。なお、発光性の材料を含む層553は、平坦部において176.6nmの厚さを備えていた。また、電極552は、平坦部において70nmの厚さを備え、最も薄い部分で14.4nmの厚さを備えていた。
【実施例3】
【0630】
本実施例では、作製した本発明の一態様の機能パネルについて、表2、図27B図28A乃至図28Cを参照しながら説明する。
【0631】
図28Aは本発明の一態様の機能パネルの一部の構成を説明する斜視図であり、図28B図28Aの切断面Y-Zにおける断面図である。また、図28Cは本発明の一態様の機能パネルの表示性能を説明する色度図である。
【0632】
<機能パネルの構成例3>
本実施例で説明する機能パネルは、以下の表にまとめた仕様を備える。また、機能パネルの各部は、実施例2において、図27Bを用いて説明した寸法を備える。
【0633】
【表2】
【0634】
また、本実施の形態で説明する機能パネルは、一組の画素703(i,j)を備え、一組の画素703(i,j)は、画素702B(i,j)、画素702G(i,j)および画素702R(i,j)を備える(図28A参照)。
【0635】
画素702B(i,j)はタンデム型の発光素子と青色の光を効率よく取り出せるように調整された微小共鳴構造を備え、画素702G(i,j)はタンデム型の発光素子と緑色の光を効率よく取り出せるように調整された微小共鳴構造を備え、画素702R(i,j)はタンデム型の発光素子と赤色の光を効率よく取り出せるように調整された微小共鳴構造を備える(図28B参照)。
【0636】
なお、タンデム型の発光素子は、いずれも青色の光を射出する発光ユニットと、黄色の光を射出する発光ユニットを備え、黄色の光を射出する発光ユニットは、青色の光を射出する発光ユニットと電極552の間に挟まれる領域を備える。
【0637】
また、本実施の形態で説明する機能パネルは、青色の光を透過する着色膜CF(B)と、緑色の光を透過する着色膜CF(G)と、赤色の光を透過する着色膜CF(R)を備え、着色膜CF(B)は画素702B(i,j)と重なるように配置され、着色膜CF(G)は画素702G(i,j)と重なるように配置され、着色膜CF(R)は画素702R(i,j)と重なるように配置されている。なお、着色膜同士が重なる領域を、隣接する画素の間に備える。
【0638】
<評価結果>
作製した機能パネルを用いて、赤色、緑色、青色を表示し、分光放射計(トプコンテクノハウス社製:SR-UL1R)を用いて色度を測定した。測定結果を以下の表と、xy色度図(CIE1931)上にプロットして示す(図28C参照)。なお、色度図上の三角形は、sRGB色空間に相当し、作製した機能パネルはsRGB面積率120.1%、sRGBカバー率96.0%の色域を表現する能力を備えていた。
【0639】
【表3】
【0640】
鮮やかな赤色、緑色、青色の表示ができた。また、輝度を変化しても、表示色の変化が極めて少なく、クロストーク現象が抑制されていた。
【実施例4】
【0641】
本実施例では、作製した機能パネルについて、図29A乃至図33Cおよび表4を参照しながら説明する。
【0642】
図29Aは作製した機能パネルの一部の構成を説明する断面図であり、図29Bは、図29Aの一部の構成を説明する断面図である。
【0643】
図30Aは機能パネルの作製方法を説明するフローチャートであり、図30Bは、重ね合わせた着色膜の波長-透過率曲線である。
【0644】
図31Aは作製した機能パネルに、異なる明るさで青色を表示した場合の分光放射輝度の変化を説明する図であり、図31Bは、図31Aに示す分光放射輝度を、それぞれの最大値を用いて規格化して示す図である。また、図31Cは作製した機能パネルに、異なる明るさで緑色を表示した場合の分光放射輝度の変化を説明する図であり、図31Dは、図31Cに示す分光放射輝度を、それぞれの最大値を用いて規格化して示す図である。また、図31Eは作製した機能パネルに、異なる明るさで赤色を表示した場合の分光放射輝度の変化を説明する図であり、図31Fは、図31Eに示す分光放射輝度を、それぞれの最大値を用いて規格化して示す図である。
【0645】
図32Aは作製した機能パネルに赤色を表示した場合の、規格化分光放射輝度を説明する図であり、図32Bは、図32Aに示す一部を拡大した図である。また、図32Cは作製した機能パネルに緑色を表示した場合の、規格化分光放射輝度を説明する図であり、図32Dは、図32Cに示す一部を拡大した図である。また、図32Eは作製した機能パネルに青色を表示した場合の、規格化分光放射輝度を説明する図であり、図32Fは、図32Eに示す一部を拡大した図である。
【0646】
図33Aは作製した機能パネルの外観を説明する写真であり、図33Bは表示結果を説明する写真である。また、図33Cは作製した機能パネルの表示性能を説明する色度図である。
【0647】
<機能パネルの構成例4>
本実施例で説明する機能パネルは、基材510Sおよび絶縁膜573を備える(図29A参照)。また、基材510Sおよび絶縁膜573の間に、素子550R(i,j)、素子550B(i,j)、素子550G(i,j)および素子550R(i,j+1)を備える。
【0648】
また、機能パネルは、下地膜CFPおよび封止材705を備え、下地膜CFPおよび封止材705の間に、着色膜B-CF、着色膜G-CFおよび着色膜R-CFを備える。なお、下地膜CFPは、絶縁膜573および着色膜B-CFの間に挟まれる領域を備える。
【0649】
着色膜B-CFは、素子550B(i,j)と重なる領域を備え、素子550R(i,j)と重なる位置および素子550G(i,j)と重なる位置に、開口部を備える。
【0650】
着色膜G-CFは、素子550G(i,j)と重なる領域を備え、素子550R(i,j)と重なる位置および素子550B(i,j)と重なる位置に、開口部を備える。
【0651】
着色膜R-CFは、素子550R(i,j)と重なる領域を備え、素子550B(i,j)と重なる位置および素子550G(i,j)と重なる位置に、開口部を備える。
【0652】
また、着色膜R-CFは、着色膜B-CFと重なる領域を備え、着色膜R-CFおよび着色膜B-CFが重なる領域は、素子550R(i,j)および素子550B(i,j)の間隙と重なるだけでなく、素子550B(i,j)および素子550G(i,j)の間隙とも重なる。
【0653】
なお、素子550G(i,j)は、電極551G(i,j)、電極552、発光性の材料を含む層553を備え、発光性の材料を含む層553は、電極551G(i,j)および電極552の間に挟まれる領域を備える(図29B参照)。また、機能パネルは、反射膜554G(i,j)を備え、反射膜554G(i,j)は、発光性の材料を含む層553との間に電極551G(i,j)を挟む領域を備える。
【0654】
《機能パネルの形成方法》
以下に説明する10のステップを有する方法を用いて、本実施例の機能パネルを作製した。
【0655】
[第1のステップ]
第1のステップにおいて、トランジスタなどを含む機能層を作製した(図30A(ST1)参照)。
【0656】
[第2のステップ]
第2のステップにおいて、発光素子を作製した(図30A(ST2)参照)。
【0657】
[第3のステップ]
第3のステップにおいて、絶縁膜573を形成した(図30A(ST3)参照)。
【0658】
[第4のステップ]
第4のステップにおいて、下地膜CFPを形成した(図30A(ST4)参照)。
【0659】
[第5のステップ]
第5のステップにおいて、着色膜B-CFを形成した(図30A(ST5)参照)。
【0660】
[第6のステップ]
第6のステップにおいて、着色膜G-CFを形成した(図30A(ST6)参照)。
【0661】
[第7のステップ]
第7のステップにおいて、着色膜R-CFを形成した(図30A(ST7)参照)。
【0662】
[第8のステップ]
第8のステップにおいて、着色膜R-CFを重ねて形成した(図30A(ST8)参照)。
【0663】
[第9のステップ]
第9のステップにおいて、基材770と着色膜R-CFを、封止材705を用いて貼り合わせた(図30A(ST9)参照)。
【0664】
[第10のステップ]
第10のステップにおいて、一の機能パネルを他の機能パネルから切り離した(図30A(ST10)参照)。
【0665】
<評価結果>
着色膜B-CFの透過率および着色膜G-CFの透過率から、着色膜B-CFが着色膜G-CFと重なる領域の透過率を算出した。符号(B-CF\G-CF)を用いて結果を示す(図30B参照)。
【0666】
また、着色膜G-CFの透過率および着色膜R-CFの透過率から、着色膜G-CFが着色膜R-CFと重なる領域の透過率を算出した。符号(G-CF\R-CF)を用いて結果を示す(図30B参照)。
【0667】
着色膜B-CFの透過率および着色膜R-CFの透過率から、着色膜B-CFが着色膜R-CFと重なる領域の透過率を算出した。符号(B-CF\R-CF)を用いて結果を示す(図30B参照)。これにより、着色膜B-CFと着色膜R-CFを重ねた構成は、最も好適に、画素間に設ける遮光層に用いることができる。
【0668】
《赤色、緑色、青色の表示結果》
作製した機能パネルを用いて、青色を、1cd/mから181cd/mまでの間の異なる輝度で表示した(図31A参照)。その結果、表示の明るさにかかわらず、規格化分光放射輝度の形状は変化しなかった(図31B参照)。
【0669】
作製した機能パネルを用いて、緑色を、1cd/mから1824cd/mまでの間の異なる輝度で表示した(図31C参照)。その結果、表示の明るさにかかわらず、規格化分光放射輝度の形状は変化しなかった(図31D参照)。
【0670】
作製した機能パネルを用いて、赤色を、1cd/mから473cd/mまでの間の異なる輝度で表示した(図31E参照)。その結果、表示の明るさにかかわらず、規格化分光放射輝度の形状は変化しなかった(図31F参照)。
【0671】
作製した機能パネルは、着色膜R-CFが着色膜B-CFと重なる領域を備え、着色膜R-CFおよび着色膜B-CFが重なる領域は、素子550R(i,j)および素子550B(i,j)の間隙と重なるだけでなく、素子550B(i,j)および素子550G(i,j)の間隙とも重なる。このような構成の機能パネルが射出する光は、図中に実線で示す発光スペクトルを備える(図32A乃至図32F参照)。
【0672】
一方、素子550B(i,j)および素子550G(i,j)の間隙と重なる位置に、着色膜R-CFおよび着色膜B-CFが重なるように形成されていない構成の機能パネルが射出する光は、図中に破線で示す発光スペクトルを備える。実線で示すスペクトルに比べて、破線で示すスペクトルは半値幅が広い。または、スペクトルのすそが広い。これにより、色の鮮やかさに欠ける。
【0673】
作製した機能パネルの外観と表示結果を示す(図33Aおよび図33B参照)。精細な画像を表示することができた。
【0674】
分光放射計(トプコンテクノハウス社製:SR-UL1R)を用いて、作製した機能パネルの色度を測定した。結果をxy色度図(Chromaticity)(CIE1931)上にプロットして示す(図33C参照)。なお、色度図上の三角形は、sRGB色空間に相当する。
【0675】
《白色の表示結果》
作製した機能パネルを用いて、輝度204cd/mまたは輝度2203.4cd/mの明るさで、白色の表示を行った。なお、表示した白色は、色度xが0.288、色度yが0.304であった。輝度が変化しても、色度の変化は極めて小さかった。
【0676】
《赤色、緑色、青色の表示結果》
また、輝度204cd/mの明るさで白色を表示する条件および輝度2203.4cd/mの明るさで白色を表示する条件を定め、それぞれの条件で、赤色のみ、緑色のみまたは青色のみを表示した。sRGBカバー率およびsRGB面積率を表4に示す。輝度が変化しても、色度の変化は極めて小さかった。
【0677】
【表4】
【実施例5】
【0678】
本実施例では、本発明の一態様の機能パネルが備える発光素子1の構成について、図34乃至図38を参照しながら説明する。
【0679】
図34は、本発明の一態様の機能パネルが備える発光素子1の構成を説明する図である。
【0680】
図35は、本発明の一態様の機能パネルが備える発光素子1の電圧-輝度特性を説明する図である。
【0681】
図36は、本発明の一態様の機能パネルが備える発光素子1を1000cd/mの輝度で発光させた際の発光スペクトルを説明する図である。
【0682】
図37は、比較発光素子2および比較発光素子3の電圧-輝度特性を説明する図である。
【0683】
図38は、比較発光素子2および比較発光素子3を1000cd/mの輝度で発光させた際の発光スペクトルを説明する図である。
【0684】
<機能パネルの構成例>
本実施例で説明する作製した機能パネルは、素子と、反射膜と、絶縁膜と、を有する。具体的には、実施例3で説明する素子と、反射膜と、絶縁膜と、を有する。
【0685】
《素子の構成例》
本実施例で説明する作製した機能パネルの素子は、発光素子150と同様の構成を備える(図34参照)。
【0686】
発光素子150は、電極551(i,j)と、電極552と、発光性の材料を含む層553とを有する。また、発光性の材料を含む層553は、ユニット103と、中間層106と、ユニット103(12)と、を備える。また、発光性の材料を含む層553は層105を有し、層105は0.05nm以上0.1nm未満の厚さを備える。
【0687】
《発光素子1の構成》
本実施例で説明する発光素子1および後述する比較発光素子1の構成を表5に示す。また、用いた材料の構造式を以下に示す。
【0688】
【表5】
【0689】
【化1】
【0690】
《発光素子1の作製方法》
下記のステップを有する方法を用いて、本実施例で説明する発光素子1を作製した。
【0691】
[第1のステップ]
第1のステップにおいて、反射膜554(i,j)Aを形成した。具体的には、ターゲットにチタンを用いて、スパッタリング法により、形成した。
【0692】
なお、反射膜554(i,j)Aは、Tiを含み、50nmの厚さを備える。
【0693】
[第2のステップ]
第2のステップにおいて、反射膜554(i,j)A上に反射膜554(i,j)Bを形成した。具体的には、ターゲットにアルミニウムを用いて、スパッタリング法により、形成した。
【0694】
なお、反射膜554(i,j)Bは、Alを含み、180nmの厚さを備える。
【0695】
[第3のステップ]
第3のステップにおいて、反射膜554(i,j)B上に反射膜554(i,j)Cを形成した。具体的には、ターゲットにチタンを用いて、スパッタリング法により、形成した。
【0696】
なお、反射膜554(i,j)Cは、Tiを含み、6nmの厚さを備える。
【0697】
[第4のステップ]
第4のステップにおいて、反射膜554(i,j)C上に電極551(i,j)を形成した。具体的には、ターゲットにケイ素若しくは酸化ケイ素を含有した酸化インジウム-酸化スズ(略称:ITSO)を用いて、スパッタリング法により、形成した。
【0698】
なお、電極551(i,j)はITSOを含み、110nmの厚さおよび7.65μm(1.15μm×6.65μm)の面積を備える。
【0699】
次いで、電極551(i,j)が形成された基材を水で洗浄し、200℃で1時間焼成した後、UVオゾン処理を370秒行った。その後、10-4Pa程度まで内部が減圧された真空蒸着装置に基板を導入し、真空蒸着装置内の加熱室において、170℃で30分間の真空焼成を行った。その後、基板を30分程度放冷した。
【0700】
[第5のステップ]
第5のステップにおいて、電極551(i,j)上に層104を形成した。具体的には、抵抗加熱法を用いて、材料を蒸着した。
【0701】
なお、層104は、電子アクセプタ材料(OCHD-001)を含み、1nmの厚さを備える。
【0702】
[第6のステップ]
第6のステップにおいて、層104上に層112Aを形成した。具体的には、抵抗加熱法を用いて、材料を蒸着した。
【0703】
なお、層112Aは、N,N-ビス(4-ビフェニル)-6-フェニルベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-8-アミン(略称:BBABnf)を含み、15nmの厚さを備える。
【0704】
[第7のステップ]
第7のステップにおいて、層112A上に層112Bを形成した。具体的には、抵抗加熱法を用いて、材料を蒸着した。
【0705】
なお、層112Bは、PCzN2を含み、10nmの厚さを備える。
【0706】
[第8のステップ]
第8のステップにおいて、層112B上に層111を形成した。具体的には、抵抗加熱法を用いて、材料を共蒸着した。
【0707】
なお、層111は、7-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾール(略称:cgDBCzPA)および3,10-ビス[N-(9-フェニル-9H-カルバゾール-2-イル)-N-フェニルアミノ]ナフト[2,3-b;6,7-b’]ビスベンゾフラン(略称:3,10PCA2Nbf(IV)-02)をcgDBCzPA:3,10PCA2Nbf(IV)-02=1:0.015(重量比)で含み、25nmの厚さを備える。
【0708】
[第9のステップ]
第9のステップにおいて、層111上に層113Aを形成した。具体的には、抵抗加熱法を用いて、材料を蒸着した。
【0709】
なお、層113Aは、cgDBCzPAを含み、15nmの厚さを備える。
【0710】
[第10のステップ]
第10のステップにおいて、層113A上に層113Bを形成した。具体的には、抵抗加熱法を用いて、材料を蒸着した。
【0711】
なお、層113Bは、2,9-ビス(ナフタレン-2-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(略称:NBPhen)を含み、10nmの厚さを備える。
【0712】
[第11のステップ]
第11のステップにおいて、層113B上に層105を形成した。具体的には、抵抗加熱法を用いて、材料を蒸着した。
【0713】
なお、層105は、酸化リチウム(略称:LiOx)を含み、0.05nmの厚さを備える。
【0714】
[第12のステップ]
第12のステップにおいて、層105上に層106Aを形成した。具体的には、抵抗加熱法を用いて、材料を蒸着した。
【0715】
なお、層106Aは、銅フタロシアニン(略称:CuPc)を含み、2nmの厚さを備える。
【0716】
[第13のステップ]
第13のステップにおいて、層106A上に層106Bを形成した。具体的には、抵抗加熱法を用いて、材料を蒸着した。
【0717】
なお、層106Bは、電子アクセプタ材料(OCHD-001)を含み、2.5nmの厚さを備える。
【0718】
[第14のステップ]
第14のステップにおいて、層106B上に層112(12)を形成した。具体的には、抵抗加熱法を用いて、材料を蒸着した。
【0719】
なお、層112(12)は、N-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-9,9-ジメチル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9H-フルオレン-2-アミン(略称:PCBBiF)を含み、15nmの厚さを備える。
【0720】
[第15のステップ]
第15のステップにおいて、層112(12)上に層111(12)を形成した。具体的には、抵抗加熱法を用いて、材料を共蒸着した。
【0721】
なお、層111(12)は、8-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-4-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]-[1]ベンゾフロ[3,2-d]ピリミジン(略称:8BP-4mDBtPBfpm)、9-(2-ナフチル)-9’-フェニル-9H,9’H-3,3’-ビカルバゾール(略称:βNCCP)およびビス[2-(2-ピリジニル-κN2)フェニル-κC][2-(5-フェニル-2-ピリジニル-κN2)フェニル-κC]イリジウム(III)(略称:Ir(ppy)(4dppy))を8BP-4mDBtPBfpm:βNCCP:Ir(ppy)(4dppy)=0.5:0.5:0.1(重量比)で含み、40nmの厚さを備える。
【0722】
[第16のステップ]
第16のステップにおいて、層111(12)上に層113(12)Aを形成した。具体的には、抵抗加熱法を用いて、材料を蒸着した。
【0723】
なお、層113(12)Aは、9,9’-(ピリミジン-4,6-ジイルジ-3,1-フェニレン)ビス(9H-カルバゾール)(略称:4,6mCzP2Pm)を含み、25nmの厚さを備える。
【0724】
[第17のステップ]
第17のステップにおいて、層113(12)A上に層113(12)Bを形成した。具体的には、抵抗加熱法を用いて、材料を蒸着した。
【0725】
なお、層113(12)Bは、NBPhenを含み、15nmの厚さを備える。
【0726】
[第18のステップ]
第18のステップにおいて、層113(12)B上に層105(12)を形成した。具体的には、抵抗加熱法を用いて、材料を蒸着した。
【0727】
なお、層105(12)は、フッ化リチウム(略称:LiF)を含み、1nmの厚さを備える。
【0728】
[第19のステップ]
第19のステップにおいて、層105(12)上に電極552Aを形成した。具体的には、抵抗加熱法を用いて、材料を共蒸着した。
【0729】
なお、電極552Aは、AgおよびMgをAg:Mg=1:0.1(重量比)で含み、25nmの厚さを備える。
【0730】
[第20のステップ]
第20のステップにおいて、電極552A上に電極552Bを形成した。具体的には、ターゲットに酸化インジウム-酸化スズ(略称:ITO)を用いて、スパッタリング法により、形成した。
【0731】
なお、電極552BはITOを含み、70nmの厚さを備える。
【0732】
《発光素子1の動作特性》
電力を供給すると発光素子1は光を射出した(図34参照)。なお、発光素子1が射出する光は、光EL1および光EL1(2)を含む。発光素子1の動作特性を測定した(図35および図36参照)。なお、測定は室温で行った。
【0733】
発光素子1を輝度1000cd/m程度で発光させた場合の、主な初期特性を表6に示す(なお、他の比較発光素子の初期特性についても表6に記載し、その構成については後述する)。
【0734】
【表6】
【0735】
発光素子1は、良好な特性を示すことがわかった。例えば、比較発光素子1より低い駆動電圧で、同等の輝度を得ることができた。なお、発光素子1においては、厚さが0.05nmに相当するように層105を形成し、比較発光素子1においては、0.1nmの厚さに相当するように層105を形成した。電極551(i,j)が7.65μm(1.15μm×6.63μm)の面積を備える比較発光素子においては、0.1nmに相当する厚さより、0.05nmに相当する厚さになるように形成した層105が好ましい結果であった。これにより、駆動電圧を低くすることができた。その結果、利便性、有用性または信頼性に優れた新規な機能パネルを提供することができた。
【0736】
(参考例1)
比較発光素子1の構成を表5に示す。
【0737】
本実施例で説明する作製した比較発光素子1は、層105が0.1nmの厚さを備える点が、発光素子1とは異なる。
【0738】
《比較発光素子1の作製方法》
下記のステップを有する方法を用いて、比較発光素子1を作製した。
【0739】
なお、比較発光素子1の作製方法は、層105を形成するステップにおいて、0.05nmの厚さに換えて、0.1nmの厚さを用いる点が、発光素子1の作製方法とは異なる。ここでは、異なる部分について詳細に説明し、同様の方法を用いた部分については、上記の説明を援用する。
【0740】
[第11のステップ]
第11のステップにおいて、層113B上に層105を形成した。具体的には、抵抗加熱法を用いて、材料を蒸着した。
【0741】
なお、層105は、LiOxを含み、0.1nmの厚さを備える。
【0742】
(参考例2)
比較発光素子2および比較発光素子3の構成を表7に示す。
【0743】
【表7】
【0744】
本実施例で説明する作製した比較発光素子2は、反射膜554(i,j)CがAg-Pd-Cuを含む合金(略称:APC)を含む点、電極551(i,j)が85nmの厚さと、4mm(2mm×2mm)の面積を備える点、層112Aが35nmの厚さを備える点が、発光素子1とは異なる。
【0745】
《比較発光素子2の作製方法》
下記のステップを有する方法を用いて、比較発光素子2を作製した。
【0746】
なお、比較発光素子2の作製方法は、反射膜554(i,j)Aおよび反射膜554(i,j)Bを形成するステップを省略する点、反射膜554(i,j)Cを形成するステップにおいて、6nmの厚さのTiを含む膜に換えて、APCを含む膜を用いる点、電極551(i,j)を形成するステップにおいて、85nmの厚さと、4mm(2mm×2mm)の面積を用いる点、層112Aを形成するステップにおいて、15nmの厚さに換えて、35nmの厚さを用いる点、電極552Aを形成するステップにおいて、25nmの厚さに換えて15nmの厚さを用いる点が、発光素子1の作製方法とは異なる。ここでは、異なる部分について詳細に説明し、同様の方法を用いた部分については、上記の説明を援用する。
【0747】
[第1のステップ乃至第3のステップ]
第1のステップおよび第2のステップを省略し、第3のステップにおいて、反射膜554(i,j)Cを形成した。具体的には、ターゲットにAPCを用いて、スパッタリング法により、形成した。
【0748】
なお、反射膜554(i,j)Cは、APCを含む。
【0749】
[第4のステップ]
第4のステップにおいて、反射膜554(i,j)C上に電極551(i,j)を形成した。具体的には、ターゲットにケイ素若しくは酸化ケイ素を含有した酸化インジウム-酸化スズ(ITSO)を用いて、スパッタリング法により、形成した。
【0750】
なお、電極551(i,j)はITSOを含み、85nmの厚さおよび4mm(2mm×2mm)の面積を備える。
【0751】
[第6のステップ]
第6のステップにおいて、層104上に層112Aを形成した。具体的には、抵抗加熱法を用いて、材料を蒸着した。
【0752】
なお、層112Aは、BBABnfを含み、35nmの厚さを備える。
【0753】
[第19のステップ]
第19のステップにおいて、層105(12)上に電極552Aを形成した。具体的には、抵抗加熱法を用いて、材料を共蒸着した。
【0754】
なお、電極552Aは、AgおよびMgをAg:Mg=1:0.1(重量比)で含み、15nmの厚さを備える。
【0755】
また、本実施例で説明する作製した比較発光素子3は、層105が0.1nmの厚さを備える点が、比較発光素子2とは異なる。
【0756】
《比較発光素子3の作製方法》
下記のステップを有する方法を用いて、比較発光素子3を作製した。
【0757】
なお、比較発光素子3の作製方法は、層105を形成するステップにおいて、0.05nmの厚さに換えて、0.1nmの厚さを用いる点が、比較発光素子2の作製方法とは異なる。ここでは、異なる部分について詳細に説明し、同様の方法を用いた部分については、上記の説明を援用する。
【0758】
[第11のステップ]
第11のステップにおいて、層113B上に層105を形成した。具体的には、抵抗加熱法を用いて、材料を蒸着した。
【0759】
なお、層105は、LiOxを含み、0.1nmの厚さを備える。
【0760】
《比較発光素子1乃至比較発光素子3の動作特性》
比較発光素子1乃至比較発光素子3の動作特性を測定した(図37および図38参照)。なお、測定は室温で行った。
【0761】
比較発光素子1乃至比較発光素子3の主な初期特性を表6に示す。
【0762】
なお、比較発光素子3は、比較発光素子2より低い駆動電圧で、同等の輝度を得ることができた。比較発光素子3の層105は0.05nmの厚さを備え、比較発光素子2の層105は0.1nmの厚さを備える。電極551(i,j)が4mm(2mm×2mm)の面積を備える比較発光素子においては、層105は0.05nmの厚さより、0.1nmの厚さが好ましい結果であった。
【0763】
例えば、本明細書等において、XとYとが接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも、図または文章に開示されているものとする。
【0764】
ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
【0765】
XとYとが直接的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に接続されていない場合であり、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)を介さずに、XとYとが、接続されている場合である。
【0766】
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、スイッチは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している。または、スイッチは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有している。なお、XとYとが電気的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合を含むものとする。
【0767】
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅または電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。なお、XとYとが機能的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合と、XとYとが電気的に接続されている場合とを含むものとする。
【0768】
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで接続されている場合)と、XとYとが機能的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)とが、本明細書等に開示されているものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、単に、接続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同様な内容が、本明細書等に開示されているものとする。
【0769】
なお、例えば、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1を介して(又は介さず)、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2を介して(又は介さず)、Yと電気的に接続されている場合や、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1の一部と直接的に接続され、Z1の別の一部がXと直接的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2の一部と直接的に接続され、Z2の別の一部がYと直接的に接続されている場合では、以下のように表現することが出来る。
【0770】
例えば、「XとYとトランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とは、互いに電気的に接続されており、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yの順序で電気的に接続されている。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)はYと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この順序で電気的に接続されている」と表現することができる。または、「Xは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とを介して、Yと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この接続順序で設けられている」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続の順序について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。
【0771】
または、別の表現方法として、例えば、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の接続経路を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の接続経路は、第2の接続経路を有しておらず、前記第2の接続経路は、トランジスタを介した、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とトランジスタのドレイン(又は第2の端子など)との間の経路であり、前記第1の接続経路は、Z1を介した経路であり、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の接続経路を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の接続経路は、前記第2の接続経路を有しておらず、前記第3の接続経路は、Z2を介した経路である。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の接続経路によって、Z1を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の接続経路は、第2の接続経路を有しておらず、前記第2の接続経路は、トランジスタを介した接続経路を有し、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の接続経路によって、Z2を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の接続経路は、前記第2の接続経路を有していない。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の電気的パスによって、Z1を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の電気的パスは、第2の電気的パスを有しておらず、前記第2の電気的パスは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)からトランジスタのドレイン(又は第2の端子など)への電気的パスであり、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の電気的パスによって、Z2を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の電気的パスは、第4の電気的パスを有しておらず、前記第4の電気的パスは、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)からトランジスタのソース(又は第1の端子など)への電気的パスである。」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続経路について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。
【0772】
なお、これらの表現方法は、一例であり、これらの表現方法に限定されない。ここで、X、Y、Z1、Z2は、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
【0773】
なお、回路図上は独立している構成要素同士が電気的に接続しているように図示されている場合であっても、1つの構成要素が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。例えば配線の一部が電極としても機能する場合は、一の導電膜が、配線の機能、及び電極の機能の両方の構成要素の機能を併せ持っている。したがって、本明細書における電気的に接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
【符号の説明】
【0774】
30:被写体、103:ユニット、104:層、105:層、106:中間層、106A:層、106B:層、106N:部分、111:層、112:層、112A:層、112B:層、113:層、113A:層、113B:層、150:発光素子、200:情報処理装置、210:演算装置、211:演算部、212:記憶部、213:人工知能部、214:伝送路、215:入出力インターフェース、220:入出力装置、2203:輝度、230:表示部、231:領域、233:タイミングコントローラ、234:伸張回路、235:画像処理回路、238:制御部、240:入力部、241:検知領域、243:制御回路、250:検知部、290:通信部、300:トランジスタ、305:導電体、305a:導電体、305b:導電体、305c:導電体、312:絶縁体、314:絶縁体、316:絶縁体、322:絶縁体、324:絶縁体、330:酸化物、330a:酸化物、330b:酸化物、340:導電体、340a:導電体、340b:導電体、341:絶縁体、341a:絶縁体、341b:絶縁体、342:導電体、342a:導電体、342b:導電体、343:酸化物、343a:酸化物、343b:酸化物、346:導電体、346a:導電体、346b:導電体、350:絶縁体、350a:絶縁体、350b:絶縁体、360:導電体、360a:導電体、360b:導電体、371:絶縁体、371a:絶縁体、371b:絶縁体、375:絶縁体、380:絶縁体、382:絶縁体、383:絶縁体、385:絶縁体、501:絶縁膜、501A:絶縁膜、501B:絶縁膜、501C:絶縁膜、501D:絶縁膜、504:導電膜、506:絶縁膜、507A:導電膜、507B:導電膜、508:半導体膜、508A:領域、508B:領域、508C:領域、510:基材、510S:基材、512A:導電膜、512B:導電膜、516:絶縁膜、516A:絶縁膜、516B:絶縁膜、518:絶縁膜、519B:端子、520:機能層、520B:機能層、521:絶縁膜、5210:演算装置、521A:絶縁膜、521B:絶縁膜、522B:絶縁膜、522G:絶縁膜、524:導電膜、528:絶縁膜、528D:段差、528h:開口部、5290:通信部、530G:画素回路、530S:画素回路、550B:素子、550G:素子、550R:素子、550S:素子、551:電極、551B:電極、551G:電極、551R:電極、551S:電極、552:電極、552A:電極、552B:電極、553:層、553S:層、554:反射膜、554B:反射膜、554G:反射膜、554R:反射膜、573:絶縁膜、573A:絶縁膜、573B:絶縁膜、591G:開口部、591S:開口部、700:機能パネル、700TP:機能パネル、702B:画素、702G:画素、702R:画素、702S:画素、703:画素、705:封止材、720:機能層、770:基材、770P:機能膜、771:絶縁膜、802:検知器、1504:導電膜、1506:絶縁膜、1508:半導体、1508A:領域、1508B:領域、1508C:領域、1512A:導電膜、1512B:導電膜、5200B:情報処理装置、5220:入出力装置、5230:表示部、5240:入力部、5250:検知部、ADC:アナログデジタル変換回路、AMP:増幅回路、ANO:導電膜、BM:遮光膜、C21:容量、C22:容量、C31:容量、CAPSEL:導電膜、CDSBIAS:導電膜、CDSVDD:導電膜、CDSVSS:導電膜、CF:着色膜、CFP:下地膜、CI:制御情報、CL:導電膜、CP:導電材料、DC:検知回路、DS:検知情報、EL1:光、EL1(2):光、FD:ノード、FI:画像、FP:指紋、FPC1:フレキシブルプリント基板、G1:導電膜、G2:導電膜、GCLK:信号、GD:駆動回路、GDA:駆動回路、GDB:駆動回路、GDC:駆動回路、II:入力情報、IN:端子、IND:インデックス画像、KB:構造体、KBM:遮光膜、M21:トランジスタ、M31:トランジスタ、M32:トランジスタ、MD:トランジスタ、MD2:トランジスタ、ML:配線、MUX:マルチプレクサ、N21:ノード、N22:ノード、NP:ナビゲーションパネル、NS:ノード、OSC:発振回路、OUT:端子、P1:位置情報、PWC1:信号、PWC2:信号、RC:読み出し回路、RD:駆動回路、RS:導電膜、S1g:導電膜、S2g:導電膜、SC:サンプリング回路、SCT1:断面形状、SCT2:断面形状、SD:駆動回路、SE:導電膜、SH:領域、SW21:スイッチ、SW22:スイッチ、SW23:スイッチ、SW31:スイッチ、SW32:スイッチ、SW33:スイッチ、T1:厚さ、T2:厚さ、T3:厚さ、T4:厚さ、THM:指、TN:サムネイル画像、TX:導電膜、V0:導電膜、VCL:導電膜、VCOM2:導電膜、VCP:導電膜、VI:画像情報、VIV:導電膜、VLEN:導電膜、VPD:導電膜、VPI:導電膜、VR:導電膜、WX:導電膜
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図16C
図16D
図17
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図21C
図22A
図22B
図22C
図22D
図23A
図23B
図23C
図23D
図23E
図24A
図24B
図24C
図24D
図24E
図25A
図25B
図26A
図26B
図26C
図26D
図27A
図27B
図28A
図28B
図28C
図29A
図29B
図30A
図30B
図31A
図31B
図31C
図31D
図31E
図31F
図32A
図32B
図32C
図32D
図32E
図32F
図33A
図33B
図33C
図34
図35
図36
図37
図38