(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール用補助支持モジュール及び太陽電池システム
(51)【国際特許分類】
E04D 13/18 20180101AFI20241217BHJP
H02S 20/10 20140101ALI20241217BHJP
H02S 20/23 20140101ALI20241217BHJP
【FI】
E04D13/18 ETD
H02S20/10 S
H02S20/23 B
(21)【出願番号】P 2022029788
(22)【出願日】2022-02-28
【審査請求日】2023-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】516300313
【氏名又は名称】ハンファジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【氏名又は名称】鈴木 守
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】230121430
【氏名又は名称】安井 友章
(72)【発明者】
【氏名】金 永模
(72)【発明者】
【氏名】吉田 新之介
(72)【発明者】
【氏名】山下 誠一郎
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-182001(JP,A)
【文献】国際公開第2012/017957(WO,A1)
【文献】特開平09-279789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/18
H02S 20/10
H02S 20/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置場所に設置可能である太陽電池モジュール用の補助支持モジュールであって、
前記太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール本体と、前記太陽電池モジュール本体を保持する保持部材と、を有し、
前記補助支持モジュールは、
前記太陽電池モジュール
の前記保持部材に対して前記補助支持モジュールを着脱可能とし、前記太陽電池モジュール
の前記保持部材に対する前記補助支持モジュールの着脱位置を移動可能な着脱機構と、
前記太陽電池モジュールに対して荷重が負荷されていない場合に前記太陽電池モジュール本体との間にクリアランスを形成し、前記太陽電池モジュールに対して荷重が負荷された場合に前記太陽電池モジュール
本体を支持する支持受部と、
前記支持受部に設けられ、少なくとも前記太陽電池モジュールに対して荷重が負荷された場合に前記設置場所に当接されて前記支持受部を支持する支持脚部と、
を具備する、太陽電池モジュール用補助支持モジュール。
【請求項2】
前記支持脚部は、前記太陽電池モジュールに対して荷重が負荷されていない場合には前記設置場所との間にクリアランスを形成しており、前記太陽電池モジュールに対して荷重が負荷された場合に前記設置場所に当接される、
請求項1に記載の太陽電池モジュール用補助支持モジュール。
【請求項3】
設置場所に設置可能である太陽電池モジュール用の補助支持モジュールであって、
前記太陽電池モジュールに対して前記補助支持モジュールを着脱可能とし、前記太陽電池モジュールに対する前記補助支持モジュールの着脱位置を移動可能な着脱機構と、
前記太陽電池モジュールに対して荷重が負荷された場合に前記太陽電池モジュールを支持する支持受部と、
前記支持受部に設けられ、少なくとも前記太陽電池モジュールに対して荷重が負荷された場合に前記設置場所に当接されて前記支持受部を支持する支持脚部と、
を具備し、
前記支持脚部は前記支持受部に対して着脱可能であり、前記支持受部に対する前記支持脚部の着脱位置は移動可能である、
太陽電池モジュール用補助支持モジュール。
【請求項4】
設置場所に設置可能である太陽電池モジュールと、
前記太陽電池モジュール用の補助支持モジュールと、
を具備し、
前記太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール本体と、前記太陽電池モジュール本体を保持する保持部材と、を有し、
前記補助支持モジュールは、
前記太陽電池モジュール
の前記保持部材に対して前記補助支持モジュールを着脱可能とし、前記太陽電池モジュール
の前記保持部材に対する前記補助支持モジュールの着脱位置を移動可能な着脱機構と、
前記太陽電池モジュールに対して荷重が負荷されていない場合に前記太陽電池モジュール本体との間にクリアランスを形成し、前記太陽電池モジュールに対して荷重が負荷された場合に前記太陽電池モジュール
本体を支持する支持受部と、
前記支持受部に設けられ、少なくとも前記太陽電池モジュールに対して荷重が負荷された場合に前記設置場所に当接されて前記支持受部を支持する支持脚部と、
を有する、
太陽電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュール用補助支持モジュール及び太陽電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池モジュールを設置場所に設置する様々な太陽電池システムが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、太陽電池モジュールについて適宜かつ充分な耐荷重を実現することが可能な太陽電池モジュール用補助支持モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1実施態様は、設置場所に設置可能である太陽電池モジュール用の補助支持モジュールであって、前記太陽電池モジュールに対して前記補助支持モジュールを着脱可能とし、前記太陽電池モジュールに対する前記補助支持モジュールの着脱位置を移動可能な着脱機構と、前記太陽電池モジュールに対して荷重が負荷された場合に前記太陽電池モジュールを支持する支持受部と、前記支持受部に設けられ、少なくとも前記太陽電池モジュールに対して荷重が負荷された場合に前記設置場所に当接されて前記支持受部を支持する支持脚部と、を具備する、太陽電池モジュール用補助支持モジュールである。
【0006】
本実施態様では、太陽電池モジュールに対して補助支持モジュールが着脱可能であり、太陽電池モジュールに対する補助支持モジュールの着脱位置が移動可能となっている。このため、太陽電池モジュールに対して適宜の種類、個数の補助支持モジュールを適宜の着脱位置に装着して、太陽電池モジュールに対して荷重が負荷された場合に当該補助支持モジュールによって太陽電池モジュールを支持するようにすることで、太陽電池モジュールについて適宜かつ充分な耐荷重を実現することが可能となっている。
【0007】
本発明の第2実施態様は、前記支持脚部は、前記太陽電池モジュールに対して荷重が負荷されていない場合には前記設置場所との間にクリアランスを形成しており、前記太陽電池モジュールに対して荷重が負荷された場合に前記設置場所に当接される、第1実施態様に記載の太陽電池モジュール用補助支持モジュールである。
【0008】
本実施態様では、太陽電池モジュールに対して荷重が負荷されていない場合には、支持脚部と設置場所との間にクリアランスが形成されているため、支持脚部によって設置場所が損傷してしまうことが防止されている。
【0009】
本発明の第3実施態様は、前記支持脚部は前記支持受部に対して着脱可能であり、前記支持受部に対する前記支持脚部の着脱位置は移動可能である、第1又は第2実施態様に記載の太陽電池モジュール用補助支持モジュールである。
【0010】
本実施態様では、支持受部に対して支持脚部が着脱可能であり、支持受部に対する支持脚部の着脱位置が移動可能となっている。このため、支持受部に対して適宜の種類、個数の支持脚部を適宜の着脱位置に装着することで、特殊な形状の設置場所にも対応できると共に、太陽電池モジュールについてさらに適宜かつ充分な耐荷重を実現することが可能となっている。
【0011】
本発明の第4実施態様は、設置場所に設置可能である太陽電池モジュールと、前記太陽電池モジュール用の補助支持モジュールと、を具備し、前記補助支持モジュールは、前記太陽電池モジュールに対して前記補助支持モジュールを着脱可能とし、前記太陽電池モジュールに対する前記補助支持モジュールの着脱位置を移動可能な着脱機構と、前記太陽電池モジュールに対して荷重が負荷された場合に前記太陽電池モジュールを支持する支持受部と、前記支持受部に設けられ、少なくとも前記太陽電池モジュールに対して荷重が負荷された場合に前記設置場所に当接されて前記支持受部を支持する支持脚部と、を有する、太陽電池システムである。
本実施態様では、第1実施態様と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、太陽電池モジュールについて適宜かつ充分な耐荷重を実現することが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態の太陽電池システムを示す横断面図。
【
図2】本発明の第1実施形態の太陽電池システムを示す底面図。
【
図3】本発明の第1実施形態の太陽電池システムを示す側面図。
【
図4】本発明の第1実施形態の補助支持モジュールの装着方法を示す底面図。
【
図5】本発明の第1実施形態の太陽電池システムを非荷重負荷状態及び荷重負荷状態で示す模式図。
【
図6】本発明の第2実施形態の太陽電池システムを示す横断面図。
【
図7】本発明の第2実施形態の太陽電池システムを示す底面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1乃至
図5を参照して、本発明の第1実施形態の太陽電池システムについて説明する。
【0015】
図1乃至
図3を参照して、本実施形態の太陽電池システムについて概説する。太陽電池システムは所定の設置場所に設置される。本実施形態では、設置場所は建物の屋根60である。太陽電池システムは、太陽電池モジュール10、固定金具28及び補助支持モジュール40によって形成されている。太陽電池モジュール10は、固定金具28を介して、設置場所に設置可能である。さらに、太陽電池モジュール10に対して補助支持モジュール40が着脱可能である。ここで、太陽電池モジュール10に対する補助支持モジュール40の着脱位置は移動可能である。補助支持モジュール40は、太陽電池モジュール10に荷重が負荷された場合に、太陽電池モジュール10を支持して、太陽電池モジュール10の破損を防止し、太陽電池モジュール10の耐荷重を増大させる。ここで、太陽電池モジュール10については、負荷される荷重に耐え得る耐荷重を備える必要があり、太陽電池モジュール10の設置場所の状況により、太陽電池モジュール10に負荷される荷重は変化する。本実施形態では、太陽電池モジュール10への荷重の負荷として積雪を想定しており、積雪による荷重については、地域、季節によって大きく変化する。本実施形態については、太陽電池モジュール10に装着する補助支持モジュール40の種類、個数、太陽電池モジュール10に対する補助支持モジュール40の着脱位置を適宜設定することにより、想定される太陽電池モジュール10への荷重の負荷に耐え得る耐荷重を実現するものである。
【0016】
以下、太陽電池モジュール10、固定金具28及び補助支持モジュール40の夫々について詳細に説明する。
【0017】
太陽電池モジュール10は、太陽電池ラミネート部12及びフレーム22により形成されている。太陽電池ラミネート部12は、多数の太陽電池セルを並設することにより形成され、全体として長板状をなしている。太陽電池ラミネート部12は、フレーム22の高さ方向の上面側に載置され、保持されている。フレーム22は、縦方向に延設されている一対の縦フレーム部24と、横方向に延設されている一対の横フレーム部26と、によって形成されている。
【0018】
固定金具28は、太陽電池モジュール10を設置場所に設置するためのものである。本実施形態では、設置場所は建物の屋根60であり、設置面は屋根面となる。屋根60には、多数のハゼ62が、屋根面から突出し、一方向に延出され、互いに並設されている。固定金具28のクランプによって屋根60のハゼ62を挟持することにより、屋根62に固定金具28が固定される。そして、固定金具28に太陽電池モジュール10のフレーム22をボルト固定方式によって固定することにより、固定金具28に太陽電池モジュール10が固定される。本実施形態では、4つの固定金具28が、夫々、太陽電池モジュール10のフレーム22の一対の縦フレーム部24において、縦方向の両端部寄りであって高さ方向の下側に配置される。
【0019】
なお、太陽電池モジュールの設置場所への設置方式としては、一般的に、太陽電池モジュールをラックあり架台によって設置場所に設置するラックあり設置方式と、本実施形態のように、太陽電池モジュールをラックなし固定金具によって設置場所に設置するラックなし設置方式とが用いられる。ラックあり設置方式では、比較的大きく強固な細長構造のラックが用いられ、ラックは、フレームに両端部が夫々固定されて、設置場所に固定される。太陽電池モジュールに荷重が負荷された場合には、ラックによって太陽電池モジュールが支持されるため、ラックあり設置方式については、太陽電池モジュールの耐荷重が大きくなる。これに対して、本実施形態のラックなし設置方式では、補助支持モジュール40を用いない場合には、ラックあり設置方式よりも耐荷重は小さくなり、例えば、4200Pa程度の耐荷重となる。勿論、太陽電池モジュール10の耐荷重が小さくてもよい場合には、本実施形態のラックなし設置方式においても、補助支持モジュール40を用いなくともよい。
【0020】
補助支持モジュール40は、ラックなし設置方式により設置される太陽電池モジュールに対応する着脱式かつ可動式の支持脚付補助レールである。即ち、補助支持モジュール40は、支持受部としての補助レール42と、支持脚部としての支持脚46と、により形成されている。補助レール42は細長構造をなしており、補助レール42の両端部は、夫々、フレーム22の一対の縦フレーム部24の縦方向のいずれの位置にも着脱可能である。本実施形態では、着脱機構として、クランプ固定方式により固定を行うクランプ部材44が用いられている。補助レール42の両端部が夫々一対の縦フレーム部24に装着された場合には、補助レール42は一対の縦フレーム部24間で横方向に延びる。一対の縦フレーム部24において補助レール42の両端部を夫々固定する縦方向の位置を変更することで、フレーム22に対する補助レール42の着脱位置を移動させることが可能である。補助レール42の一面から支持脚46が延出されている。フレーム22に補助レール42が装着された場合には、補助レール42の高さ方向の下面から下方向に支持脚46が延出される。本実施形態では、2個の支持脚46が用いられており、補助レール42の長手方向に離間した2箇所に夫々配置されている。代わって、1個の支持脚46を用い、補助レール42の長手方向の中央部に配置するようにしてもよい。
【0021】
図4及び
図5を参照し、フレーム22に補助レール42を装着する場合には、
図4に示されるように、補助レール42を高さ方向に延びる回転軸を中心として回転させることで、補助レール42の両端部を夫々フレーム22の一対の縦フレーム部24に装着する。
図5(a)に示されるように、フレーム22に補助レール42が装着された場合には、太陽電池ラミネート部12と補助レール42との間には、高さ方向にクリアランス56が形成される。このため、フレーム22に補助レール42を装着する際、また、フレーム22に補助レール42が装着された後、太陽電池モジュール10に特段の荷重が負荷されていないにもかかわらず、太陽電池ラミネート部12と補助レール42とが接触して互いに損傷することが防止されている。
【0022】
フレーム22に補助レール42が装着された場合には、補助レール42から延出された支持脚46の端部と屋根の屋根面との間には、クリアランス58が形成される。このため、フレーム22に補助レール42が装着された後、支持脚46の端部が屋根面に接触して、屋根面が損傷されることが防止されている。ここで、フレーム22に補助レール42が装着された場合に、支持脚46の端部と屋根の屋根面との間にクリアランス58が形成されず接触していると、風等の外乱により太陽電池システムが振動した場合等には、支持脚46の端部が屋根面を引っ掻き、屋根面が損傷されるおそれがある。
【0023】
図5(b)に示されるように、太陽電池モジュール10に荷重が負荷されると、太陽電池モジュール10は、下方向に撓むように変形される。補助支持モジュール40が用いられていない場合には、太陽電池モジュール10は図中二点鎖線で示される状態まで変形され、太陽電池モジュール10が破損されるおそれがある。本実施形態では、太陽電池モジュール10に荷重が負荷されると、太陽電池モジュール10は、下方向に撓むように変形されて、補助レール42の高さ方向の上面側に当接し、続いて、補助レール42も、太陽電池モジュール10に押圧されて、下方向に撓むように変形され、さらに続いて、補助レール42から下方向に延出されている支持脚46の端部が、下方向に移動し、クリアランス58を越えて屋根の屋根面に当接されることで、屋根面により、支持脚46、補助レール42、太陽電池モジュール10が順次支持されて荷重が分担され、太陽電池モジュール10の変形が規制される。このようにして、補助支持モジュール40が用いられていない場合と比較して、太陽電池モジュール10の変形量が低減されるため、太陽電池モジュール10の破損が防止され、太陽電池モジュール10の耐荷重が大きくなっている。
【0024】
本実施形態では、2個の補助支持モジュール40が用いられ、フレーム22の縦方向に離間した2箇所に2個の補助支持モジュール40が夫々配置される。このように補助支持モジュール40を用いることで、ラックあり設置方式と同程度の耐荷重を実現でき、例えば、5400Pa程度の耐荷重を実現することが可能である。さらに、3個の補助支持モジュール40を用い、フレーム22の縦方向に離間した3箇所に3個の補助支持モジュール40を夫々配置することで、例えば、7200Pa程度の耐荷重を実現することが可能である。
【0025】
ここで、太陽電池モジュール10に荷重が負荷された場合には、補助レール42は支持脚46の端部と屋根の屋根面との間のクリアランス58の大きさだけ変形されるため、太陽電池モジュール10への荷重が除去された場合に、補助レール42が元の形状に復帰できるように、当該クリアランス58の大きさは、補助レール42の塑性変形の大きさ以下に制限する必要がある。
【0026】
本実施形態の太陽電池システムについては、以下の効果を奏する。
本実施形態の太陽電池システムでは、太陽電池モジュール10に対して補助支持モジュール40が着脱可能であり、太陽電池モジュール10に対する補助支持モジュール40の着脱位置が移動可能となっている。このため、太陽電池モジュール10に対して適宜の種類、個数の補助支持モジュール40を適宜の着脱位置に装着して、太陽電池モジュール10に対して荷重が負荷された場合に当該補助支持モジュール40によって太陽電池モジュール10を支持するようにすることで、太陽電池モジュール10について適宜の耐荷重を実現することが可能となっている。
【0027】
さらに、太陽電池モジュール10に対して荷重が負荷されていない場合には、支持脚46と屋根の屋根面との間にクリアランス58が形成されているため、支持脚46によって屋根面が損傷されてしまうことが防止されている。
【0028】
加えて、多数の種類の太陽電池モジュール10に対して、同一種類の補助支持モジュール40を用いることが可能である。また、長さの異なる複数種類の支持脚46を用意することにより、高さの異なる複数種類の固定金具28に夫々対応することが可能である。また、支持脚46の端部と屋根の屋根面との間にクリアランス58が形成されず、支持脚46の端部と屋根面とが常時接触されている場合には、支持脚46の長さは1つに定まるため、僅かに高さの異なる固定金具28に対しても夫々対応する長さの支持脚46を準備する必要がある。しかしながら、支持脚46の端部と屋根面との間にクリアランス58が形成される場合には、クリアランス58を一種のバッファとして用い、クリアランス58の大きさを異ならせることで、僅かに高さの異なる固定金具28であれば同一の長さの支持脚46を用いることが可能である。
【0029】
図6及び
図7を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態では、太陽電池モジュール10に補助支持モジュール40を着脱可能とし、太陽電池モジュール10に対する補助支持モジュール40の着脱位置を移動可能とする着脱機構として、クランプ固定方式に代えて、ボルト固定方式が用いられる。即ち、補助レール42の両端部を夫々フレーム22の一対の縦フレーム部24に固定するために、クランプ固定方式により固定を行うクランプ部材44に代えて、ボルト固定方式により固定を行うボルト50及びねじ穴52,54が用いられている。ここで、補助支持モジュール40において、補助レール42の長手方向の両端部に、夫々、ねじ穴52が穿設されている。そして、太陽電池モジュール10において、フレーム22の各縦フレーム部24に、縦方向に互いに所定の距離だけ離間して多数のねじ穴54が穿設されている。補助レール42の両端部のねじ穴52と、フレーム22の一対の縦フレーム部24の縦方向に対して同じ位置にある一対のねじ穴54とに、夫々、ボルト50を捻じ込んで螺着することにより、補助レール42の両端部が一対の縦フレーム部24に夫々固定される。補助レール42の両端部を固定する一対の縦フレーム部24の一対のねじ穴54を変更することにより、フレーム22に対する補助レール42の着脱位置を縦方向に移動させることが可能である。
【0030】
第1及び第2実施形態では、太陽電池モジュール10に補助支持モジュール40を着脱可能とし、太陽電池モジュール10に対する補助支持モジュール40の着脱位置を移動可能とする着脱機構として、夫々、クランプ固定方式、ボルト固定方式が用いられているが、その他の様々な固定方式の着脱機構を用いることが可能である。一変形例では、補助レール42の両端部を夫々フレーム22の一対の縦フレーム部24に固定するために、可動式補強型クランプユニットが用いられる。当該可動式補強型クランプユニットは、可動部、クランプ部及び締付部により形成されている。可動部は、補助レール42に配設され、補助レール42の長手方向に移動可能であり、補助レール42の長手方向にクランプユニット全体を移動可能としている。クランプ部は、補助レール42の端部にクランプユニットを配置した状態で、フレーム22の縦フレーム部24を挟持可能であり、縦フレーム部24にクランプユニットを固定可能としている。締付部は、ボルトナット機構からなり、クランプ部により縦フレーム部24を挟持した状態で、クランプ部を締め付けてその挟持力を増大可能であり、クランプユニットを縦フレーム部24に強固に固定することを可能としている。
【0031】
以下、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態では、補助レール42に対して支持脚46が着脱可能であり、補助レール42に対する支持脚46の着脱位置が移動可能となっている。補助レール42に対する支持脚46の着脱機構として、ボルト固定方式が用いられる。即ち、支持脚46において、一端部にねじ穴が穿設されており、補助レール42において、長手方向に互いに所定の距離だけ離間して多数のねじ穴が穿設されている。支持脚46の一端部のねじ穴と、補助レール42の多数のねじ穴の内の1つのねじ穴とに、ボルトを捻じ込んで螺着することにより、支持脚46が補助レール42に固定される。支持脚46の一端部を固定する補助レール42のねじ穴を変更することにより、補助レール42に対する支持脚46の着脱位置を補助レール42の長手方向に移動させることが可能である。補助レール42に対して装着される支持脚46の種類例えば長さ、個数、補助レール42に対する支持脚46の着脱位置を適宜設定することで、特殊な屋根形状であっても対応することが可能となっていると共に、太陽電池モジュール10に負荷される荷重をより適切に分担し、変形量をさらに低減して、耐荷重をさらに大きくすることが可能となっている。
【符号の説明】
【0032】
10…太陽電池モジュール 40…補助支持モジュール42…補助レール
44…クランプ部材 46…支持脚 50…ボルト 52…ねじ穴 54…ねじ穴
58…クリアランス