(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】プレポリマー、該プレポリマーを含有する封止樹脂、及び封止樹脂の使用
(51)【国際特許分類】
C08G 77/54 20060101AFI20241217BHJP
C08G 59/02 20060101ALI20241217BHJP
C08G 59/20 20060101ALI20241217BHJP
C08L 63/00 20060101ALI20241217BHJP
C08K 3/04 20060101ALI20241217BHJP
C08K 3/22 20060101ALI20241217BHJP
C08G 77/26 20060101ALI20241217BHJP
C09K 3/10 20060101ALI20241217BHJP
H01L 23/29 20060101ALI20241217BHJP
H01L 23/31 20060101ALI20241217BHJP
H01L 33/60 20100101ALI20241217BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20241217BHJP
【FI】
C08G77/54
C08G59/02
C08G59/20
C08L63/00 C
C08K3/04
C08K3/22
C08G77/26
C09K3/10 G
C09K3/10 L
H01L23/30 F
H01L33/60
H01L33/62
(21)【出願番号】P 2022537816
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(86)【国際出願番号】 CN2021126349
(87)【国際公開番号】W WO2022148103
(87)【国際公開日】2022-07-14
【審査請求日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】202110015679.1
(32)【優先日】2021-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522242063
【氏名又は名称】天津徳高化成光▲電▼科技有限▲責▼任公司
【氏名又は名称原語表記】TECORE SYNCHEM OPTOELECTRONIC TECHNOLOGIES (TIANJIN) CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No. 345,Building 2,TEDA Small and Medium-sized Enterprise Park,No. 276 Huanghai Road,TEDA,Tianjin 300457,China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100217412
【氏名又は名称】小林 亜子
(72)【発明者】
【氏名】▲譚▼▲暁▼▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】▲単▼秋菊
(72)【発明者】
【氏名】于会▲雲▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼▲緒▼▲ゆん▼
【審査官】松元 洋
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/019056(WO,A1)
【文献】特開2014-114365(JP,A)
【文献】特開2013-144763(JP,A)
【文献】特開2012-052029(JP,A)
【文献】特開2016-069485(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 77/00 - 77/62
C08G 59/00 - 59/72
C08L 1/00 - 101/16
C08K 3/00 - 13/08
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造原料として、
(A)式1で示される構造を有する化合物と、
(B)フェニル及びSi-H基を含有するオルガノシロキサンと、
(C)白金触媒と、
(D)抑制剤とが含まれる、ことを特徴とするプレポリマー
の製造方法であって、
(A)式1で示される構造を有する化合物100重量部と、(B)フェニル及びSi-H基を含有するオルガノシロキサンと、(D)抑制剤とを60~150℃で溶融し、均一に混合した後、60~120℃に降温し、(C)白金触媒を加え、5~15h撹拌し、プレポリマーを得るステップを含む、ことを特徴とする
前記プレポリマーの製造方法。
【化1】
(ここで、R
1、R
2、R
3は、それぞれ独立して、ビニル又はエポキシから選択される。)
【請求項2】
製造原料として、エポキシ樹脂
、プレポリマー、硬化剤、接着促進剤、触媒が含ま
れ、
前記プレポリマーが、製造原料として、
(A)式1
【化2】
(ここで、R
1
、R
2
、R
3
は、それぞれ独立して、ビニル又はエポキシから選択される)
で示される構造を有する化合物と、
(B)フェニル及びSi-H基を含有するオルガノシロキサンと、
(C)白金触媒と、
(D)抑制剤とを含む、
ことを特徴とする封止樹脂。
【請求項3】
エポキシ樹脂、プレポリマーを150~200℃で撹拌した後、100~150℃に降温し、硬化剤、接着促進剤、触媒を加え、撹拌して排出し、冷却して粉砕し、ケーキ化し、封止樹脂を得るステップを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の封止樹脂の製造方法。
【請求項4】
製造原料として、請求項2に記載の封止樹脂100重量部と、二酸化チタン50~400重量部を含む、ことを特徴とする白色リフレクタ用封止樹脂。
【請求項5】
出力1~3Wの白色光LEDデバイスに用いられる、ことを特徴とする請求項4に記載の白色リフレクタ用封止樹脂の使用。
【請求項6】
製造原料として、請求項2に記載の封止樹脂100重量部と、カーボンブラック1~30重量部とを含む、ことを特徴とする黒色リフレクタ用封止樹脂。
【請求項7】
屋外用RGBディスプレイの表面実装SMT発光デバイスに用いられる、ことを特徴とする請求項6に記載の黒色リフレクタ用封止樹脂の使用。
【請求項8】
金属フレーム又は樹脂基板と、請求項2に記載の封止樹脂とを射出成形してリフレクタ構造を得る、ことを特徴とするLEDデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱硬化性封止成形材料の技術分野に関し、特にプレポリマー、該プレポリマーを含有する封止樹脂、及び封止樹脂の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)は発光半導体として、照明、アクティブRGB表示、LCDバックライト、車載照明などの分野における不可欠な光電部品となっている。LED照明やRGB表示デバイスの封止は、ほとんど、樹脂基板や金属製の支持体上にリフレクタを予備射出成形した後、そのリフレクタ内に液状の封止材料を注入又はディスペンシングし、その封止材料を熱硬化させた後にリフレクタと一体化するLED封止構造を形成したものである。リフレクタは、液状の封止材料のキャリアであると同時に、LEDチップの発光を反射し、上方に直射する(Top View)片面出光構造を形成する役割を担っている。白色照明デバイスは、光取り出し効率を高めるために白色リフレクタを用いて封止され、RGB表示デバイスは、ディスプレイのコントラストを高めるために黒色リフレクタを用いている。
【0003】
白色光LEDは、発光波長450nm~470nmの青色光チップを光源とし、封止樹脂に混入した黄色蛍光体を励起して黄色光を発光させ、最終的に黄色光と青色光とを合成して白色光とする。白色光デバイスのリフレクタは最初にPPA(ポリフタル酸アミド樹脂)材料を使用し、この材料は熱可塑性材料であるので、射出成形が容易で、柔軟性が強く、コストが低いなどの利点が明らかであり、0.5~1Wの低出力白色光LED封止に非常に適している。ただし、1Wよりも高いLED白色ランプビーズ、青色光チップはPPA樹脂に対して強い光分解作用があり、材料の黄変が発生し、リフレクタ材料の反射率が低下し、LEDチップの発光が損なわれる。また、白色光LEDチップはランプに応用する場合、最高260℃の高温リフロー表面実装プロセスを必要とし、熱可塑性PPAは高温で変形と熱膨張応力を発生させやすく、その結果、LEDランプビーズを損傷する。
【0004】
その後、トリアジン誘導体エポキシ樹脂や脂環式エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性エポキシ樹脂リフレクタ材料が市場に登場し、「EMCホルダー」と呼ばれるようになった。このようなエポキシ樹脂はベンゼン環構造を含まないため、EMCホルダーの青色光耐性がPPA材料に比べて大幅に向上し、しかも、熱硬化性材料であるため、リフロー熱変形耐性も非常に優れており、業界では、この材料を用いて封止された白色光チップをEMCランプビーズと呼んでいる。EMCリフレクタホルダーはPPA熱可塑性材料と比較して青色光に強く、耐熱性の優位性が明らかであるが、出力が比較的に高い(2~3W)LED製品では青色光耐性に関する問題がまだ存在し、エポキシ樹脂は長期の高温と青色光の照射により黄変することは、依然として主要な問題である。
【発明の概要】
【0005】
上記の問題を解決するために、本発明の第1態様は、製造原料として、
(A)式1で示される構造を有する化合物と、
(B)フェニル及びSi-H基を含有するオルガノシロキサンと、
(C)白金触媒とが含まれる、プレポリマーを提供する。
【化1】
(ここで、R
1、R
2、R
3は、それぞれ独立して、ビニル又はエポキシから選ばれる。)
【0006】
好ましい技術的解決手段として、前記プレポリマーの製造原料として、(D)抑制剤がさらに含まれる。
【0007】
本発明の第2態様は、(A)式1で示される構造を有する化合物100重量部、(B)フェニル及びSi-H基を含有するオルガノシロキサン、(D)抑制剤を60~150℃で溶融し、均一に混合した後、60~120℃に降温し、(C)白金触媒を加え、5~15h撹拌し、プレポリマーを得るステップを含む、前記プレポリマーの製造方法を提供する。
【0008】
本発明の第3態様は、エポキシ樹脂、前記プレポリマー、硬化剤、接着促進剤、触媒を含む、封止樹脂を提供する。
【0009】
本発明の第4態様は、エポキシ樹脂、プレポリマーを100~150℃で撹拌し、硬化剤、接着促進剤、触媒を加え、撹拌して排出し、冷却して粉砕し、ケーキ化し、封止樹脂を得るステップを含む前記封止樹脂の製造方法を提供する。
【0010】
本発明の第5態様は、製造原料として、前記封止樹脂100重量部と、二酸化チタン50~400重量部とを含む、白色リフレクタ用封止樹脂を提供する。
【0011】
本発明の第6態様は、出力1~3Wの白色光LEDデバイスに用いられる前記白色リフレクタ用封止樹脂の使用を提供する。
【0012】
本発明の第7態様は、製造原料として、前記封止樹脂100重量部と、カーボンブラック1~30重量部とを含む黒色リフレクタ用封止樹脂を提供する。
【0013】
本発明の第8態様は、屋外用RGBディスプレイの表面実装SMT発光デバイスに用いられる前記黒色リフレクタ用封止樹脂の使用を提供する。
【0014】
本発明の第9態様は、金属フレーム又は樹脂基板と、前記封止樹脂とを射出成形してリフレクタ構造を得るLEDデバイスを提供する。
【発明の効果】
【0015】
有益な効果
本発明は、特定の化合物をシリコーンと結合することで、シリコーンとエポキシ樹脂との相溶性を向上させ、プロセスが簡単であり、操作が容易であり、しかも収率が高く、高性能封止樹脂の生産に有利であるプレポリマーを提供する。本発明の封止樹脂は、エポキシ成分と硬化剤とを反応させて生成した熱硬化性エポキシ樹脂であり、450nm~470nm青色光帯域の光による老化に耐えられるような優れた性能を有し、また、耐熱性が優れ、封止しやすく、透明性が良好であり、将来性が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明で提供されるプレポリマー、該プレポリマーを含有する封止樹脂及び封止樹脂の使用の有益な効果をさらに解釈して説明するために、対応する図面を提供し、なお、本発明で提供される図面は、全ての図面から選択される個別の例に過ぎず、請求項を限定することを意図しておらず、本願で提供される図面から得られる他の対応するマップは全て本願の特許範囲に属するものとする。
【
図1】本発明の実施例9及び比較例1のUV耐性のテスト結果である。
【
図2】本発明の実施例16及び比較例2のUV耐性のテスト結果である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の本発明の好ましい実施方法の詳述及び含まれる実施例を参照して、本発明の内容を容易に理解することができる。特に断らない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学的用語は、当業者が一般的に理解するものと同じ意味である。矛盾する場合、本明細書における定義に準じる。
【0018】
本明細書におけるパラメータが、範囲、好ましい範囲、又は一連の上限の好ましい値と下限の好ましい値で限定される範囲で表される場合、該範囲が個別に開示されるにかかわらず、任意の範囲の上限又は好ましい値と、任意の範囲の下限又は好ましい値とのいずれかの組み合わせで形成される全ての範囲が具体的に開示されるものと考えられる。例えば、「1~5」の範囲が開示される場合、説明する範囲は、「1~4」、「1~3」、「1~2」、「1~2及び4~5」、「1~3及び5」などの範囲として理解すべきである。数値の範囲が本明細書において記載される場合、特に断らない限り、この範囲はその端点値とこの範囲内の全ての整数及び分数とを含むことを意図している。
【0019】
文脈において別に明示していない限り、単数形は複数の検討対象を含む。「任意により」又は「任意の1種」とは、その後に記載される事項又はイベントが発生する又は発生しないことを意味し、また、この記載は、イベントが発生する場合と、イベントが発生しない場合とを含む。
【0020】
明細書及び特許請求の範囲において、おおよその用語で数を修飾する場合、本発明はこの特定の数に限定されるものではなく、この数に近い、関連する基本的な機能を変えない許可される修正部分も含まれる。このような場合、「ほぼ」、「約」などで数値が修飾される場合、本発明はこの特定の数値に限定されないことを意味する。いくつかの例では、おおよその用語は、数値を測定する器具の精度に対応するものであり得る。本願の明細書及び特許請求の範囲において、限定される範囲は組み合わせる及び/又は交換することができ、これらについて別に説明しない限り、これらの範囲は当該範囲に含まれる全てのサブ範囲を含む。
【0021】
さらに、本発明の要素又は成分の前に記載の不定冠詞「1種」及び「1つ」は、要素又は成分の数(即ち現れる回数)を限定するものではない。このため、「1つ」又は「1種」は、1つ又は少なくとも1つを含むものとして理解すべきであり、かつ、前記数が明らかに単数形を指すものではない限り、単数形の要素又は成分は複数形も含む。
【0022】
以下、本発明は具体的な実施形態を通じて説明されるが、下記の具体的な実施形態に限定されるものではない。
【0023】
上記の問題を解決するために、本発明の第1態様は、製造原料として、
(A)式1で示される構造を有する化合物と、
(B)フェニル及びSi-H基を含有するオルガノシロキサンと、
(C)白金触媒とが含まれるプレポリマーを提供する。
【化2】
(ここで、R
1、R
2、R
3は、それぞれ独立して、ビニル又はエポキシから選ばれる。)
【0024】
いくつかの好ましい実施形態では、前記R1、R2、R3のうち少なくとも1つはビニルであり、さらに好ましくは、前記R1、R2、R3のうち少なくとも1つはビニルであり、少なくとも1つはエポキシである。
【0025】
(A)式1で示される構造を有する化合物の例として、具体的には、DA-MGIC(ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、CAS番号:20395-16-8)、MA-DGIC(モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、CAS番号:69731-45-9)が挙げられる。
【0026】
いくつかの好ましい実施形態では、前記(B)フェニル及びSi-H基を含有するオルガノシロキサンにおいてフェニルはオルガノシロキサンの側鎖に存在する。
【0027】
いくつかの好ましい実施形態では、前記(B)フェニル及びSi-H基を含有するオルガノシロキサンにおいてSi-H基はオルガノシロキサンの側鎖及び/又は末端基に存在する。
【0028】
本発明において、オルガノシロキサンは、例えば寧波潤禾高新材料科技股▲ふん▼有限公司製のRH-309、安必亜特種有機珪(南通)有限公司製のフェニル架橋剤シリーズの製品など、市販品であってもよい。
【0029】
いくつかの好ましい実施形態では、前記(B)フェニル及びSi-H基を含有するオルガノシロキサン中のSi-H基の含有量と、(A)式1で示される構造を有する化合物中のビニルの含有量とのモル比は(0.2~1):1であり、さらに好ましくは、前記(B)フェニル及びSi-H基を含有するオルガノシロキサン中のSi-H基の含有量と、(A)式1で示される構造を有する化合物中のビニルの含有量とのモル比は(0.25~0.95):1である。
【0030】
LED製品における封止エポキシ樹脂が黄変しやすいという問題を解決するために、発明者は、材料にシロキサン構造を導入し、シリコーンのSi-O-Siシロキサン構造の結合エネルギーがエポキシ樹脂のC-C結合よりも大きいので、黄変を効果的に改善しつつ、材料の耐熱性を向上させることができるが、オルガノシロキサンとエポキシ樹脂の性質が大きく異なり、結果として、両方の相溶性が劣る。発明者はさらに検討した結果、特定のエポキシ化合物とオルガノシロキサンを用いてプレポリマーを製造し、プレポリマーを封止樹脂に導入することで、エポキシ樹脂系へのオルガノシロキサンの相溶性を大幅に改善し、封止樹脂の取り扱い性やUV耐性を改善することを見出した。発明者は、また、意外なことに、フェニルを含有するシリコーンを使用することで封止樹脂の加工粘度低下に有利であり、封止操作をより実施しやすくし、一般的にはフェニルが酸化されてキノンになりやすく、材料の変黄の原因となり、ただし、フェニルの立体障害効果が分子鎖間の相互作用力を低下させ、分子鎖の移動性を向上させることができ、このため、材料の取り扱い性とUV耐性を両立させるために、プレポリマーの原料の使用量の割合を所定の範囲内にする必要があることを見出した。
【0031】
本発明では、白金触媒はシリコン水素結合と二重結合との付加反応を触媒するものであり、例えばKARSTEDT白金触媒などの市販品としてもよい。
【0032】
いくつかの好ましい実施形態では、前記(C)白金触媒の使用量は(A)式1で示される構造を有する化合物の0.05~1wt%であり、さらに好ましくは、前記(C)白金触媒の使用量は(A)式1で示される構造を有する化合物的0.1~0.5wt%である。
【0033】
反応程度を調整することを考慮すると、いくつかの好ましい実施形態では、前記プレポリマーの製造原料には(D)抑制剤がさらに含まれる。
【0034】
本発明における抑制剤は、化学反応速度を低下させるものであり、その種類について特に限定がなく、当業者に公知のもののいずれかであってもよく、例えばマレエート抑制剤、フマレート抑制剤、有機ホスフィン系抑制剤、アルキン系抑制剤などである。
【0035】
いくつかの好ましい実施形態では、前記抑制剤は、3,7,11-トリメチルドデシン-3-オール(CAS番号:1604-35-9、略語TMDO)、3,5-ジメチル-1-ヘキサイン-3-オール、3,6-ジメチル-1-ヘプチン-3-オール、フマル酸ジエチル、アセチレンシクロヘキサノール(CAS番号:78-27-3)、メチルブチノール(CAS番号:115-19-5)、マレイン酸メチルから選ばれる1種又は複数種の混合物である。
【0036】
いくつかの好ましい実施形態では、前記(D)抑制剤の使用量は(A)式1で示される構造を有する化合物の0~0.1wt%(0を除く)であり、さらに好ましくは、前記(D)抑制剤の使用量は(A)式1で示される構造を有する化合物の0.01~0.05wt%である。
【0037】
本発明の第2態様は、(A)式1で示される構造を有する化合物100重量部と、(B)フェニル及びSi-H基を含有するオルガノシロキサンと、(D)抑制剤とを60~150℃で溶融し、均一に混合した後、60~120℃に降温し、(C)白金触媒を加え、5~15h撹拌し、プレポリマーを得るステップを含む、上記のプレポリマーの製造方法を提供する。
【0038】
本発明の第3態様は、製造原料として、エポキシ樹脂、前記プレポリマー、硬化剤、接着促進剤、触媒を含む、封止樹脂を提供する。
【0039】
エポキシ樹脂とプレポリマーの相溶性を向上させることを考慮すると、いくつかの好ましい実施形態では、前記エポキシ樹脂は、トリエポキシプロピルイソシアヌレート(TGIC、CAS番号:2451-62-9)、脂環式エポキシ樹脂(CAS番号:3130-19-6)、水素化ビスフェノールAエポキシ樹脂から選ばれる1種又は複数種の混合物であり、さらに好ましくは、前記エポキシ樹脂は、トリエポキシプロピルイソシアヌレート及び/又は脂環式エポキシ樹脂である。
【0040】
封止樹脂の取り扱い性とUV耐性を両立させることを考慮すると、いくつかの好ましい実施形態では、前記エポキシ樹脂とプレポリマーとの重量比は(3~20):1、さらに好ましくは、前記エポキシ樹脂とプレポリマーとの重量比は(4~10):1である。
【0041】
いくつかの好ましい実施形態では、前記硬化剤は無水物硬化剤であり、さらに好ましくは、前記無水物硬化剤は、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸二無水物、水素化ピロメリット酸二無水物、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、エレオステアリン酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、グルタル酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、ポリアゼラン無水物、ポリセバシン酸無水物、1,4,5,6-テトラブロモフタル酸無水物から選ばれる1種又は複数種の混合物である。
【0042】
いくつかの好ましい実施形態では、前記無水物硬化剤の使用量は、無水物基含有量と系のエポキシの含有量とのモル比が(0.8~1):1となるように算出される。本明細書では、前記系のエポキシの含有量は、エポキシ樹脂とプレポリマー中のエポキシの含有量との合計である。
【0043】
いくつかの好ましい実施形態では、前記接着促進剤は、γ-メチルアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メチルアクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メチルアクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-(2,3-エポキシプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、γ-(2,3-エポキシプロポキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2,4,6,8-テトラキス[2-(3,4-エポキシシクロヘキシルエチル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6-トリス[2-(3,4-エポキシシクロヘキシルエチル)]テトラメチルシクロテトラシロキサン、ジ[2-(3,4-エポキシシクロヘキシルエチル)]テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8-テトラメチル-[2-(3,4-エポキシシクロヘキシルエチル)]シクロテトラシロキサン、2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラキス[3-(エポキシエチルメトキシ)プロピル]シクロテトラシロキサン、2,4,6,8-テトラメチル-2-[3-(エポキシエチルメトキシ)プロピル]シクロテトラシロキサンから選ばれる1種又は複数種の混合物である。
【0044】
いくつかの好ましい実施形態では、前記接着促進剤の使用量は、エポキシ樹脂とプレポリマーとの全量の0.01~5wt%であり、さらに好ましくは、前記接着促進剤の使用量はエポキシ樹脂とプレポリマーとの全量の0.05~3wt%である。
【0045】
いくつかの好ましい実施形態では、前記触媒は、トリフェニルホスフィン、メチルトリオクチルホスホニウムジメチルホスフェート、テトラブチルホスホニウムアセテート、メチルトリブチルホスホニウムジメチルホスフェート、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムクロリド、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾールから選ばれる1種又は複数種の混合物である。
【0046】
いくつかの好ましい実施形態では、前記触媒の使用量は、エポキシ樹脂、プレポリマー、硬化剤の全量の0.01~5wt%であり、さらに好ましくは、前記触媒の使用量は、エポキシ樹脂、プレポリマー、硬化剤の全量の0.1~1wt%である。
【0047】
いくつかの好ましい実施形態では、前記封止樹脂の製造原料には、顔料、無機フィラー、酸化防止剤、抗紫外線吸収剤のうちの少なくとも1種がさらに含まれる。
【0048】
顔料として、二酸化チタン、カーボンブラックなどが挙げられ、添加量は、エポキシ樹脂、プレポリマー、硬化剤の全量の1~400wt%であってもよく、無機フィラーとして、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、カオリンなどが挙げられ、添加量はエポキシ樹脂、プレポリマー、硬化剤の全量の50~800wt%であってもよく、酸化防止剤として、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、酸化防止剤1010、酸化防止剤1076などが挙げられ、添加量はエポキシ樹脂、プレポリマー、硬化剤の全量の0.01~5wt%であってもよく、抗紫外線吸収剤として、UV-326、UV-531、UV-234、UV-320などが挙げられ、添加量はエポキシ樹脂、プレポリマー、硬化剤の全量の0.01~5wt%であってもよい。
【0049】
本発明の第4態様は、エポキシ樹脂、前記プレポリマーを、150~200℃で撹拌し、100~150℃に降温し、硬化剤、接着促進剤、触媒を加え、撹拌して排出し、冷却して粉砕し、ケーキ化し、封止樹脂を得るステップを含む上記の封止樹脂の製造方法を提供する。
【0050】
本発明の第5態様は、製造原料として、上記の封止樹脂100重量部と、二酸化チタン50~400重量部とを含む白色リフレクタ用封止樹脂を提供する。
【0051】
本発明の第6態様は、出力が1~3Wの白色光LEDデバイスに用いられる前記白色リフレクタ用封止樹脂の使用を提供する。
【0052】
本発明の第7態様は、製造原料として、上記の封止樹脂100重量部と、カーボンブラック1~30重量部とを含む黒色リフレクタ用封止樹脂を提供する。
【0053】
本発明の第8態様は、屋外用RGBディスプレイの表面実装SMT発光デバイスに用いられる前記黒色リフレクタ用封止樹脂の使用を提供する。
【0054】
本発明の第9態様は、金属フレーム又は樹脂基板と上記の封止樹脂とを射出成形してリフレクタ構造を得るLEDデバイスを提供する。本発明では、前記リフレクタは、液状のポッティング接着剤を注入してLEDを封止するためのキャリアでありながら、LED片面出光を実現する反射材料であり、該リフレクタは、上記の封止樹脂で成形され、これにより、LEDデバイスの耐熱性及び耐光老化性が向上する。
【0055】
実施例
以下、実施例によって本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は本発明をさらに説明するものに過ぎず、本発明の特許範囲を制限するものとして理解できず、当業者が上記の本発明の内容に基づいて行ういくつかの本質的ではない改良や調整は、本発明の特許範囲に属する。
【0056】
実施例1
実施例1は、プレポリマーを提供し、DA-MGIC(ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、CAS番号:20395-16-8)100重量部と、RH-SH309(フェニルハイドロゲンオルガノシロキサン、水素含有量0.87%、寧波潤禾高新材料科技股▲ふん▼有限公司より購入)と、3,7,11-トリメチルドデシン-3-オール(CAS番号:1604-35-9、略語TMDO)0.05重量部を、100℃で0.5h溶融し、均一に混合した後、90℃に降温し、PT5000(白金触媒、濃度5000ppm、深セン市科駿馳科技有限公司より購入)0.5重量部を加え、10h撹拌し、プレポリマーを得た。
本例では、RH-SH309中のSiH含有量とDA-MGIC中のビニル含有量とのモル比が0.95:1となるように、RH-SH309の使用量を算出した。
【0057】
実施例2
実施例2は、プレポリマーを提供し、MA-DGIC(モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、CAS番号:69731-45-9)100重量部、RH-SH309(フェニルハイドロゲンオルガノシロキサン、水素含有量0.87%、寧波潤禾高新材料科技股▲ふん▼有限公司より購入)、3,7,11-トリメチルドデシン-3-オール(CAS番号:1604-35-9、略語TMDO)0.05重量部を100℃で0.5h溶融し、均一に混合した後、90℃に降温し、PT 5000(白金触媒、濃度5000ppm、深セン市科駿馳科技有限公司より購入)0.5重量部を加え、10h撹拌し、プレポリマーを得た。
本例では、RH-SH309中のSiH含有量とMA-DGIC中のビニル含有量とのモル比が0.95:1となるように、RH--SH309の使用量を算出した。
【0058】
実施例3
実施例3は、プレポリマーを提供し、MA-DGIC(モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、CAS番号:69731-45-9)100重量部、RH-SH309(フェニルハイドロゲンオルガノシロキサン、水素含有量0.87%、寧波潤禾高新材料科技股▲ふん▼有限公司より購入)、3,7,11-トリメチルドデシン-3-オール(CAS番号:1604-35-9、略語TMDO)0.05重量部を90℃で0.5h溶融し、均一に混合した後、80℃に降温し、PT 5000(白金触媒、濃度5000ppm、深セン市科駿馳科技有限公司より購入)0.5重量部を加え、8h撹拌し、プレポリマーを得た。
本例では、RH-SH309中のSiH含有量とMA-DGIC中のビニル含有量とのモル比が0.5:1となるように、RH-SH309の使用量を算出した。
【0059】
実施例4
実施例4は、プレポリマーを提供し、DA-MGIC(ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、CAS番号:20395-16-8)100重量部、RH-SH309(フェニルハイドロゲンオルガノシロキサン、水素含有量0.87%、寧波潤禾高新材料科技股▲ふん▼有限公司より購入)、3,7,11-トリメチルドデシン-3-オール(CAS番号:1604-35-9、略語TMDO)0.05重量部を90℃で0.5h溶融し、均一に混合した後、80℃に降温し、PT 5000(白金触媒、濃度5000ppm、深セン市科駿馳科技有限公司より購入)0.5重量部を加え、8h撹拌し、プレポリマーを得た。
本例では、RH-SH309中のSiH含有量とDA-MGIC中のビニル含有量とのモル比が0.25:1となるように、RH-SH309の使用量を算出した。
【0060】
実施例5
実施例5は、プレポリマーを提供し、DA-MGIC(ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、CAS番号:20395-16-8)100重量部、XL-2460(フェニルハイドロゲンオルガノシロキサン、SiH含有量:3.85mmol/g、安必亜特種有機珪(南通)有限公司より購入)、3,7,11-トリメチルドデシン-3-オール(CAS番号:1604-35-9、略語TMDO)0.05重量部を90℃で0.5h溶融し、均一に混合した後、80℃に降温し、PT 5000(白金触媒、濃度5000ppm、深セン市科駿馳科技有限公司より購入)0.1重量部を加え、6h撹拌し、プレポリマーを得た。
本例では、XL-2460中のSiH含有量とDA-MGIC中のビニル含有量とのモル比が0.5:1となるように、XL-2460の使用量を算出した。
【0061】
実施例6
実施例6はプレポリマーを提供し、DA-MGIC(ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、CAS番号:20395-16-8)100重量部、XL-2460(フェニルハイドロゲンオルガノシロキサン、SiH含有量:3.85mmol/g、安必亜特種有機珪(南通)有限公司より購入)、3,7,11-トリメチルドデシン-3-オール(CAS番号:1604-35-9、略語TMDO)0.05重量部を90℃で0.5h溶融し、均一に混合した後、80℃に降温し、PT 5000(白金触媒、濃度5000ppm、深セン市科駿馳科技有限公司より購入)0.1重量部を加え、6h撹拌し、プレポリマーを得た。
本例では、XL-2460中のSiH含有量とDA-MGIC中のビニル含有量とのモル比が0.95:1となるように、XL-2460の使用量を算出した。
【0062】
実施例7
実施例7は、プレポリマーを提供し、DA-MGIC(ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、CAS番号:20395-16-8)100重量部、XL-2460(フェニルハイドロゲンオルガノシロキサン、SiH含有量:3.85mmol/g、安必亜特種有機珪(南通)有限公司より購入)、3,7,11-トリメチルドデシン-3-オール(CAS番号:1604-35-9、略語TMDO)0.05重量部を90℃で0.5h溶融し、均一に混合した後、80℃に降温し、0.1重量部PT 5000(白金触媒、濃度5000ppm、深セン市科駿馳科技有限公司より購入)を加え、6h撹拌し、プレポリマーを得た。
本例では、XL-2460中のSiH含有量とDA-MGIC中のビニル含有量とのモル比が0.25:1となるように、XL-2460の使用量を算出した。
【0063】
実施例8
実施例8は、プレポリマーを提供し、MA-DGIC(モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、CAS番号:69731-45-9)100重量部、XL-2460(オルガノシロキサン、SiH含有量:3.85mmol/g、安必亜特種有機珪(南通)有限公司より購入)、3,7,11-トリメチルドデシン-3-オール(CAS番号:1604-35-9、略語TMDO)0.05重量部を90℃で0.5h溶融し、均一に混合した後、80℃に降温し、PT 5000(白金触媒、濃度5000ppm、深セン市科駿馳科技有限公司より購入)0.1重量部を加え、6h撹拌し、プレポリマーを得た。
本例では、XL-2460中のSiH含有量とMA-DGIC中のビニル含有量とのモル比が0.5:1となるように、XL-2460の使用量を算出した。
発明者は、実施例1~8を比較した結果、同じ実験条件では、DA-MGICとオルガノシロキサンとの反応がMA-DGICとシリコーンとの反応よりも進行しやすく、XL-2460が関与する反応が、RH309が関与する反応よりも進行しやすいことを見出した。上記の反応の進行し難さは反応時間、反応温度に応じて判断し、反応時間が長く、反応温度が高い場合、取り扱い性が悪く、取り扱い性の評価結果は、反応しやすいものから、順に優良、良好、悪であり、実施例1~8の取り扱い性及び収率(滴定法を使用してエポキシ当量をテスト)を表1に示す。
【表1】
【0064】
実施例9
実施例9は封止樹脂を提供し、トリエポキシプロピルイソシアヌレート(TGIC、CAS番号:2451-62-9)90重量部、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(CAS番号:2409-55-4)0.05重量部、実施例2におけるプレポリマー10重量部を、180℃で0.5h撹拌し、130℃に降温し、ヘキサヒドロフタル酸二無水物(CAS番号:85-42-7)150重量部、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(CAS番号:4420-74-0)0.05重量部、2-エチル-4-メチルイミダゾール(CAS番号:931-36-2)0.5重量部を加え、撹拌して排出し、冷却して粉砕し、ケーキ化し、封止樹脂を得た。
【0065】
実施例10
実施例10は封止樹脂を提供し、トリエポキシプロピルイソシアヌレート(TGIC、CAS番号:2451-62-9)90重量部、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(CAS番号:2409-55-4)0.05重量部、実施例4におけるプレポリマー10重量部を、180℃で0.5h撹拌し、130℃に降温し、ヘキサヒドロフタル酸二無水物(CAS番号:85-42-7)150重量部、γ-メチルアクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン(CAS番号:14513-34-9)0.25重量部、γ-(2,3-エポキシプロポキシ)プロピルメチルジメトキシシラン(CAS番号:65799-47-5)0.25重量部、2-エチル-4-メチルイミダゾール(CAS番号:931-36-2)0.5重量部を、撹拌して排出し、冷却して粉砕し、ケーキ化し、封止樹脂を得た。
【0066】
実施例11
実施例11は封止樹脂を提供し、トリエポキシプロピルイソシアヌレート(TGIC、CAS番号:2451-62-9)90重量部、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(CAS番号:2409-55-4)0.05重量部、実施例6におけるプレポリマー10重量部を、150℃で0.5h撹拌し、130℃に降温し、ヘキサヒドロフタル酸二無水物(CAS番号:85-42-7)150重量部、γ-(2,3-エポキシプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン(CAS番号:2602-34-8)0.25重量部、γ-メチルアクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン(CAS番号:65100-04-1)0.25重量部、2-エチル-4-メチルイミダゾール(CAS番号:931-36-2)0.5重量部を加え、撹拌して排出し、冷却して粉砕し、ケーキ化し、封止樹脂を得た。
【0067】
実施例12
実施例12は封止樹脂を提供し、トリエポキシプロピルイソシアヌレート(TGIC、CAS番号:2451-62-9)90重量部、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(CAS番号:2409-55-4)0.05重量部、実施例7におけるプレポリマー10重量部を、180℃で0.5h撹拌し、130℃に降温し、ヘキサヒドロフタル酸二無水物(CAS番号:85-42-7)150重量部、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(CAS番号:3388-04-3)1重量部、2,4,6,8-テトラキス[2-(3,4-エポキシシクロヘキシルエチル)]テトラメチルシクロテトラシロキサン(CAS番号:121225-98-7)1重量部、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン(CAS番号:14814-09-6)1重量部、2-エチル-4-メチルイミダゾール(CAS番号:931-36-2)0.5重量部を加え、撹拌して排出し、冷却して粉砕し、ケーキ化し、封止樹脂を得た。
【0068】
実施例13
実施例13は封止樹脂を提供し、トリエポキシプロピルイソシアヌレート(TGIC、CAS番号:2451-62-9)90重量部、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(CAS番号:2409-55-4)0.05重量部、実施例8におけるプレポリマー10重量部を、180℃で0.5h撹拌し、130℃に降温し、ヘキサヒドロフタル酸二無水物(CAS番号:85-42-7)150重量部、γ-メチルアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(CAS番号:2530-85-0)0.05重量部、2,4,6,8-テトラキス[2-(3,4-エポキシシクロヘキシルエチル)]テトラメチルシクロテトラシロキサン(CAS番号:121225-98-7)0.05重量部、2-エチル-4-メチルイミダゾール(CAS番号:931-36-2)0.5重量部を加え、撹拌して排出し、冷却して粉砕し、ケーキ化し、封止樹脂を得る。
【0069】
実施例14
実施例14は封止樹脂を提供し、トリエポキシプロピルイソシアヌレート(TGIC、CAS番号:2451-62-9)85重量部、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(CAS番号:2409-55-4)0.05重量部、実施例7におけるプレポリマー15重量部を、180℃で0.5h撹拌し、130℃に降温し、ヘキサヒドロフタル酸二無水物(CAS番号:85-42-7)130重量部、γ-メチルアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(CAS番号:2530-85-0)0.025重量部、2,4,6,8-テトラメチル-2,4,6,8-テトラキス[3-(エポキシエチルメトキシ)プロピル]シクロテトラシロキサン(CAS番号:60665-85-2)0.05重量部、2-エチル-4-メチルイミダゾール(CAS番号:931-36-2)0.5重量部を加え、撹拌して排出し、冷却して粉砕し、ケーキ化し、封止樹脂を得た。
【0070】
実施例15
実施例15は封止樹脂を提供し、トリエポキシプロピルイソシアヌレート(TGIC、CAS番号:2451-62-9)80重量部、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(CAS番号:2409-55-4)0.05重量部、実施例7におけるプレポリマー20重量部を、180℃で0.5h撹拌し、130℃に降温し、ヘキサヒドロフタル酸二無水物(CAS番号:85-42-7)110重量部、γ-メチルアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(CAS番号:2530-85-0)0.05重量部、2,4,6,8-テトラメチル-2-[3-(エポキシエチルメトキシ)プロピル]シクロテトラシロキサン(CAS番号:61614-55-9)0.05重量部、2-エチル-4-メチルイミダゾール(CAS番号:931-36-2)0.5重量部を加え、撹拌して排出し、冷却して粉砕し、ケーキ化し、封止樹脂を得た。
【0071】
実施例16
実施例16は封止樹脂を提供し、脂環式エポキシ樹脂A(ビス(7-オキサビシクロ[4.1.0]3-ヘプチルメチル)シュウレート)90重量部、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(CAS番号:2409-55-4)0.05重量部、実施例2におけるプレポリマー10重量部を、180℃で0.5h撹拌し、130℃に降温し、ヘキサヒドロフタル酸二無水物(CAS番号:85-42-7)110重量部、γ-メチルアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(CAS番号:2530-85-0)0.025重量部、γ-メチルアクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン(CAS番号:65100-04-1)0.025重量部、2-エチル-4-メチルイミダゾール(CAS番号:931-36-2)0.5重量部を、撹拌して排出し、冷却して粉砕し、ケーキ化し、封止樹脂を得た。
【0072】
実施例17
実施例17は封止樹脂を提供し、脂環式エポキシ樹脂A 90重量部、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(CAS番号:2409-55-4)0.05重量部、実施例4におけるプレポリマー10重量部を、180℃で0.5h撹拌し、130℃に降温し、ヘキサヒドロフタル酸二無水物(CAS番号:85-42-7)110重量部、γ-メチルアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(CAS番号:2530-85-0)0.025重量部、γ-メチルアクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン(CAS番号:65100-04-1)0.025重量部、2-エチル-4-メチルイミダゾール(CAS番号:931-36-2)0.5重量部を加え、撹拌して排出し、冷却して粉砕し、ケーキ化し、封止樹脂を得る。
【0073】
実施例18
実施例18は封止樹脂を提供し、脂環式エポキシ樹脂A 90重量部、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(CAS番号:2409-55-4)0.05重量部、実施例7におけるプレポリマー10重量部を、180℃で0.5h撹拌し、130℃に降温し、ヘキサヒドロフタル酸二無水物(CAS番号:85-42-7)110重量部、γ-メチルアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(CAS番号:2530-85-0)0.025重量部、γ-メチルアクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン(CAS番号:65100-04-1)0.025重量部、2-エチル-4-メチルイミダゾール(CAS番号:931-36-2)0.5重量部を加え、撹拌して排出し、冷却して粉砕し、ケーキ化し、封止樹脂を得た。
【0074】
実施例19
実施例19は封止樹脂を提供し、脂環式エポキシ樹脂A 90重量部、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(CAS番号:2409-55-4)0.05重量部、実施例8におけるプレポリマー10重量部を、180℃で0.5h撹拌し、130℃に降温し、ヘキサヒドロフタル酸二無水物(CAS番号:85-42-7)110重量部、γ-メチルアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(CAS番号:2530-85-0)0.025重量部、γ-メチルアクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン(CAS番号:65100-04-1)0.025重量部、2-エチル-4-メチルイミダゾール(CAS番号:931-36-2)0.5重量部を加え、撹拌して排出し、冷却して粉砕し、ケーキ化し、封止樹脂を得た。
【0075】
比較例1
比較例1は封止樹脂を提供し、トリエポキシプロピルイソシアヌレート(TGIC、CAS番号:2451-62-9)90重量部、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(CAS番号:2409-55-4)0.05重量部を、180℃で0.5h撹拌し、130℃に降温し、ヘキサヒドロフタル酸二無水物(CAS番号:85-42-7)150重量部、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(CAS番号:4420-74-0)0.05重量部、2-エチル-4-メチルイミダゾール(CAS番号:931-36-2)0.5重量部を加え、撹拌して排出し、冷却して粉砕し、ケーキ化し、封止樹脂を得た。
【0076】
比較例2
比較例2は封止樹脂を提供し、脂環式エポキシ樹脂A 90重量部、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(CAS番号:2409-55-4)0.05重量部を、180℃で0.5h撹拌し、130℃に降温し、ヘキサヒドロフタル酸二無水物(CAS番号:85-42-7)110重量部、γ-メチルアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(CAS番号:2530-85-0)0.025重量部、γ-メチルアクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン(CAS番号:65100-04-1)0.025重量部、2-エチル-4-メチルイミダゾール(CAS番号:931-36-2)0.5重量部を加え、撹拌して排出し、冷却して粉砕し、ケーキ化し、封止樹脂を得た。
【0077】
実施例9~19、比較例1~2の取り扱い性を評価し、各実施例における封止樹脂を使用してチップをパッケージし、封止樹脂がチップをパッケージできない、又は溶融粘度が大きすぎると、取り扱い性が劣り、取り扱い性の評価結果は、良好なものから、順に優良、比較的良好、悪とし、実施例9~19、比較例1~2の取り扱い性を表2に示す。
【0078】
実施例9~19、比較例1~2の透明性を評価し、封止樹脂を予熱して、キャビティに押し込み、160℃で300sモールドプレスして成形した後、150~170℃で2~4時間成形し、厚度が均一な(200±10um)試験片を得て、モールドプレスしたサンプルを観察して透明又は乳白であるかを判断し、透明性の評価結果は透明、半透明、乳白のものを、この順で優良、比較的良好、悪とし、実施例9~19、比較例1~2の透明性を表2に示す。
実施例9~19、比較例1~2のUV耐性を評価し、上記のモールドプレスサンプルをテストサンプルとしてUV照射装置に一括して入れ、測色計を使用して1h照射した後の色をテストして老化状態と比較し、b値が大きいほど、UV光減衰耐性が悪く、結果を表2に示す。
【表2】
【0079】
実施例9及び比較例1、実施例16及び比較例2についてUVランプの青色光光減衰耐性テストを行ったところ、本発明の前記プレポリマーを添加して得られた封止樹脂は、より優れたUV光減衰耐性を有し、該効果は
図1、2から分かった。
【0080】
発明者は、研究において大量の実験を行った結果、トリエポキシプロピルイソシアヌレート系において、実施例1~8からいずれか1つの実施例を選択し、実施例9の条件に従えば、性能に優れた封止樹脂が得られ、この封止樹脂でLEDチップを封止すると、青色光耐性を有するLED白色光チップが得られることを見出した。
【0081】
発明者は、研究において大量の実験を行った結果、脂環式エポキシ樹脂系において、実施例1~8からいずれか1つの実施例を選択し、実施例16の条件に従えば、性能に優れた封止樹脂が得られ、この封止樹脂でLEDチップを封止すると、青色光耐性を有するLED白色光チップが得られることを見出した。
前述例は説明的なものに過ぎず、本発明の前記方法のいくつかの特徴を説明するためである。添付の請求項は、想定され得るできるだけ広範な範囲を請求することを意図しており、且つ、本明細書に記載された実施例は、全ての可能な実施例の組み合わせの選択による実施形態の説明に過ぎない。このため、出願者は、添付の請求項が本発明の特徴を説明する例の選択により制限されないことを意図している。請求項に使用されるいくつかの数値の範囲はその内のサブ範囲も含み、これらの範囲の変形も、可能な場合、添付の請求項によりカバーされる。