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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】岩石破砕工具
(51)【国際特許分類】
   E21C 37/26 20060101AFI20241217BHJP
   B25D 11/06 20060101ALI20241217BHJP
   B25D 11/02 20060101ALI20241217BHJP
   B25D 17/24 20060101ALI20241217BHJP
   E21C 35/19 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
E21C37/26
B25D11/06
B25D11/02
B25D17/24
E21C35/19
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022549232
(86)(22)【出願日】2021-01-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-03
(86)【国際出願番号】 EP2021051203
(87)【国際公開番号】W WO2021160393
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2023-12-05
(31)【優先権主張番号】2002042.6
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】522322985
【氏名又は名称】ロック エクストラクション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ジャックマン,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】プフュッファー,ファルコ
(72)【発明者】
【氏名】ドーソン,イアン
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-048164(JP,A)
【文献】特開2019-072936(JP,A)
【文献】特表昭63-502364(JP,A)
【文献】特開平11-333758(JP,A)
【文献】特開平07-189582(JP,A)
【文献】特開平01-275009(JP,A)
【文献】実開昭52-071120(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0157759(US,A1)
【文献】特公平7-109083(JP,B2)
【文献】独国特許出願公開第2120517(DE,A1)
【文献】米国特許第4785893(US,A)
【文献】英国特許出願公開第365344(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21C 25/00-51/00
B25D 11/06
B25D 11/02
B25D 17/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
岩石を破砕するための工具であって、前記工具は、
後退位置と伸長位置との間で案内手段(2)に対して直線変位可能であるように前記案内手段(2)によって支持された工具ヘッド(4)であって、前記工具ヘッド(4)がその伸長位置にあるときに破砕すべき表面に係合するように前記工具ヘッド(4)の遠位端(10)は前記案内手段(2)から伸長する工具ヘッド(4)と、
第1の動作において前記工具ヘッド(4)をその後退位置に向かって駆動し、第2の動作において前記工具ヘッド(4)をその伸長位置に向かって駆動するように構成された駆動手段であって、前記駆動手段は、前記案内手段に取り付けられた駆動部と、前記工具ヘッドに取り付けられ、前記駆動手段の駆動部の動作時に前記案内手段に対して直線変位可能であるように前記駆動部によって係合される被駆動部とを含み、前記駆動手段は電動式であり、前記駆動手段の被駆動部は、前記工具ヘッド(4)がその伸長位置に近づくにつれて、前記第2の動作中に前記駆動手段の駆動部から切り離される、駆動手段と、
前記駆動手段の動作を制御するように構成されたコントローラと
を備える、工具。
【請求項2】
前記案内手段(2)は、使用時に、前記工具ヘッド(4)がその伸長位置にあるときに前記案内手段(2)の下端から伸長し、前記工具ヘッドは、垂直軸に沿ってその伸長位置と後退位置との間で変位可能であるように配置されるように構成される、請求項に記載の工具。
【請求項3】
前記案内手段は、掘削機のアームに取り付けられるように構成される、請求項に記載の工具。
【請求項4】
前記案内手段(2)は、その中で前記工具ヘッド(4)が軸方向に摺動自在である中空管状体を備え、前記工具ヘッド(4)の遠位端(10)は、その伸長位置にあるときに、前記案内手段(2)の端部(14)の穴(12)を通って伸長する、請求項1~のいずれか一項に記載の工具。
【請求項5】
前記駆動手段は、前記工具ヘッド(4)に取り付けられた第1のラック(18)を備え、前記駆動手段の駆動部は、電気駆動モータ(5)によって駆動されるように前記案内手段(2)に取り付けられた第1のモータ駆動ピニオン(20)を備え前記第1のモータ駆動ピニオン(20)は、前記第1のモータ駆動ピニオン(20)の回転時に前記被駆動部の第1のラック(18)と駆動係合して前記工具ヘッド(4)を前記案内手段に対して変位させるように構成される、請求項1~のいずれか一項に記載の工具。
【請求項6】
前記第1のラック(18)は、前記工具ヘッド(4)がその伸長位置に近づくにつれて前記第1のモータ駆動ピニオン(20)が前記第1のラック(18)の一端から係脱し、そのことにより前記駆動手段の駆動部を前記駆動手段の被駆動部から切り離すように、前記工具ヘッド(4)上に配置される、請求項に記載の工具。
【請求項7】
前記駆動手段は、前記工具ヘッド(4)に取り付けられた第2のラック(22)と、前記案内手段(2)に取り付けられた第2のモータ駆動ピニオン(24)とをさらに備え前記第2のモータ駆動ピニオン(24)は、第1の方向への前記第2のモータ駆動ピニオン(24)の回転時に前記電気駆動モータ(5)によって駆動され、前記第2のラック(22)と駆動係合して前記工具ヘッド(4)をその伸長位置と後退位置との間で変位させるように構成され、前記第2のモータ駆動ピニオン(24)は、前記第1の方向とは反対方向の第2の方向への前記第2のモータ駆動ピニオン(24)の回転時に前記第2のモータ駆動ピニオン(24)前記電気駆動モータ(5)から切り離すように構成されたクラッチを組み込む、請求項5または6に記載の工具。
【請求項8】
前記第1のモータ駆動ピニオン(18)および前記第2のモータ駆動ピニオン(24)は、前記電気駆動モータ(5)の出力シャフト上に同軸に取り付けられ、前記第1のラック(20)および前記第2のラック(22)は、前記工具ヘッド(4)の一側面上に並んで互いに平行に取り付けられる、請求項に記載の工具。
【請求項9】
前記第1のモータ駆動ピニオン(18)は、前記コントローラの制御下でクラッチを組み込み、それによって、前記クラッチは、前記工具ヘッドがその伸長位置に到達する前に、前記第1のモータ駆動ピニオン(18)を前記電気駆動モータ(5)から切り離すように構成される、請求項5に記載の工具。
【請求項10】
前記工具ヘッド(4)の遠位端は、先端(10)で終端する、請求項1~のいずれか一項に記載の工具。
【請求項11】
前記先端(10)は、前記先端(10)の取替および/または交換を可能にするために前記工具ヘッド(4)の残りの部分から分離可能である、請求項10に記載の工具。
【請求項12】
前記案内手段(2)は、前記工具ヘッド(4)がその伸長位置に到達するときに前記工具ヘッド(4)の作用を受ける衝撃吸収手段(26)を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、岩石破砕工具に関し、特に、電動式であり得る改良設計の岩石破砕工具に関する。
【背景技術】
【0002】
岩石破砕工具は、典型的には、岩石、コンクリートまたは何らかの他の比較的硬質の材料を破砕することが目的である場合、掘削機用の付属装置として使用される。そのような用途の工具は、典型的には、衝撃を工具ヘッドに与え、そのことによりそのような衝撃を破砕すべき材料に伝達するように構成された打撃装置を有する。打撃装置は、典型的には、往復運動を行い、工具ヘッドの上端の衝撃面を打撃する空気圧または油圧駆動式の打撃ピストンを有する。打撃ピストンによって衝撃が加えられると同時に、工具ヘッドは破砕すべき材料に対して押圧され、工具ヘッドの先端は打撃装置の影響下で破砕すべき材料に貫入する。
【0003】
一般に、このような岩石破砕工具は、工具ヘッドが工具の下端から伸長して直立姿勢で使用される。工具ヘッドに対する打撃装置の急速な往復運動は、岩石を破砕するだけでなく、岩石破砕工具が取り付けられた掘削機または他の作業機械に伝達される実質的な振動力を生じさせ、工具およびその支持構造体の両方の急速な摩耗およびオペレータの負傷の可能性につながる。このような岩石破砕工具は、工具の使用中に発生する振動力に耐える必要があるため、重くなる傾向がある。さらに、空気圧または油圧駆動式の打撃装置の使用はまた、漏れが生じやすい関連する配管および継手と共に加圧流体の供給を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、先行技術に伴う上述の問題を克服する岩石破砕工具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、後退位置と伸長位置との間で案内手段に対して直線変位可能であるように案内手段によって支持された工具ヘッドであって、工具ヘッドがその伸長位置にあるときに破砕すべき表面に係合するように工具ヘッドの遠位端が前記案内手段から伸長する工具ヘッドと、第1の動作において前記工具ヘッドをその後退位置に向かって駆動し、第2の動作において工具ヘッドをその伸長位置に向かって駆動するように構成された駆動手段であって、前記案内手段に取り付けられた駆動部と、工具ヘッドに取り付けられ、駆動手段の駆動部の動作時に案内手段に対して直線変位可能であるように前記駆動部によって係合される被駆動部とを含む駆動手段と、駆動手段の動作を制御するように構成されたコントローラとを備える岩石破砕工具が提供される。
【0006】
好ましくは、前記駆動手段は電動式である。より好ましくは、駆動手段は電気モータを含む。
【0007】
好ましい実施形態では、駆動手段の被駆動部は、工具ヘッドがその伸長位置に到達する前に、前記第2の動作中に駆動手段の駆動部から切り離される。
【0008】
案内手段は、使用時に、前記工具ヘッドがその伸長位置にあるときに前記案内手段の下端から伸長し、工具ヘッドが垂直軸に沿ってその伸長位置と後退位置との間で変位可能であるように配置されるように構成され得る。
【0009】
案内手段は、掘削機のアームに取り付けられるように構成され得る。
【0010】
案内手段は、前記工具ヘッドが軸方向に摺動自在である中空管状体を備え得、工具ヘッドの前記遠位端は、その伸長位置にあるときに、案内手段の端部の穴を通って伸長する。
【0011】
一実施形態では、駆動手段は、工具ヘッドに取り付けられた第1のラックを備え得、駆動手段の前記駆動部は、駆動モータによって駆動されるように案内手段に取り付けられた第1のモータ駆動ピニオンであって、ピニオンの回転時に被駆動部の第1のラックと駆動係合して工具ヘッドを前記案内手段に対して変位させるように構成される第1のモータ駆動ピニオンを備える。前記駆動モータは、前記コントローラの制御下で動作する電気モータを備え得る。第1のラックは、工具ヘッドがその伸長位置に近づくにつれて第1のピニオンが第1のラックの一端から係脱し、そのことにより駆動手段の駆動部を駆動手段の被駆動部から切り離すように、工具ヘッド上に配置され得る。
【0012】
駆動手段は、工具ヘッドに取り付けられた第2のラックと、案内手段に取り付けられた第2のモータ駆動ピニオンであって、第1の方向への第2のピニオンの回転時に前記駆動モータによって駆動され、第2のラックと駆動係合して前記工具ヘッドをその伸長位置と後退位置との間で変位させるように構成された第2のモータ駆動ピニオンとをさらに備え得、第2のピニオンは、前記第1の方向とは反対方向の第2の方向への第2のピニオンの回転時にピニオンを駆動モータから切り離すように構成されたクラッチを組み込む。第1のピニオンおよび第2のピニオンは、駆動モータの出力シャフト上に同軸に取り付けられ得、前記第1のラックおよび第2のラックは、工具ヘッドの一側面上に並んで互いに平行に取り付けられる。
【0013】
代替形態では、第1のピニオンは、前記コントローラの制御下でクラッチを組み込むことができ、そのことにより、前記クラッチは、工具ヘッドがその伸長位置に到達する前に、第1のピニオンを電気モータから切り離すように構成され得る。工具ヘッドがその伸長位置に接近するにつれて駆動手段の被駆動部を駆動部から切り離しながら、工具ヘッドをその後退位置と伸長位置との間で移動させるために、他のタイプの駆動手段が設けられ得ることが想定される。
【0014】
好ましくは、工具ヘッドの遠位端は先端で終端する。先端は、先端の取替および/または交換を可能にするために工具ヘッドの残りの部分から分離可能であり得る。
【0015】
案内手段は、工具ヘッドがその伸長位置に到達したときに工具ヘッドの作用を受ける衝撃吸収手段を含み得る。
【0016】
次に、本発明の一実施形態に係る工具を、添付図面を参照しながら、単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】工具ヘッドが後退位置または上昇位置にある、本発明の一実施形態に係る工具の斜視図である。
図2】工具ヘッドがその伸長位置にある、図1の工具の縦断面図である。
図3図1の工具の斜視断面図である。
図4】工具ヘッドが取り外された状態の図1の工具の斜視図である。
図5図1の工具の案内管の下端の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面に示されているように、本発明に係る岩石または他の比較的硬質の材料を破砕するための工具は、細長い中空案内管2を備え、案内管2には、駆動手段(より好ましくは電気モータ5などの電動駆動手段)によって駆動される工具ヘッド4が図1に示されている上昇または後退位置と図2に示されている伸長位置との間で案内管2の長さに沿って摺動自在に移動できるように案内管2と同軸に取り付けられる。
【0019】
図示されている実施形態では、案内管2は、掘削機のアームの遠位端に取り付けられて、好適なカップリングを介して実質的に垂直な向きで支持されるように構成される。しかしながら、工具は、任意の他のタイプの支持構成または装置に取り付けられるように構成され得る、または特定の岩石破砕車両または装置の一部を備え得ることが想定される。
【0020】
工具ヘッド4は、案内管2内に摺動自在に取り付けられた本体部分6と、本体部分6の下端から延びて岩石破砕先端10で終端する工具ヘッド4の細長い工具部材8とを備える。工具ヘッド4がその伸長位置にあるとき、工具ヘッド4の細長い工具部材8は、案内管2の下端から案内管2のエンドキャップ14の開口部12を通って伸長する。好ましい実施形態では、少なくとも工具部材8の先端10は、工具ヘッド4の残りの部分から取り外し可能であり、摩耗したときの先端10の取替、または破砕すべき材料に適合させるための先端10の交換を容易にする。
【0021】
案内管2は、正方形断面の中空柱を備え得、工具ヘッド4の本体部分6は、案内管2内に摺動自在に取り付けられる。工具ヘッド4の本体部分6は、案内管2の側壁に取り付けられたローラ16を介して案内管2内で軸方向に移動するように支持案内され、工具ヘッド4が案内管2内でその後退位置と伸長位置との間で自由に摺動できるようにする。ローラ16は、案内管2の内壁に対してばね付勢され得る。
【0022】
図面に示されている実施形態では、以下でより詳細に説明するように、駆動手段の被駆動部は、工具ヘッド4の本体部分6の少なくとも一方の側に取り付けられた第1の歯付きラック18を備え、駆動手段の駆動部は、案内管2に取り付けられた電気モータ5の出力シャフトに取り付けられた第1のピニオン20を備えることにより、第1のピニオン20が第1の歯付きラック18に駆動係合し、第1のピニオン20は電気モータ5の出力シャフトに固定され、そのことによりモータ5は、コントローラの制御下で、第1のピニオン20を回転させ、そのことにより工具ヘッド4を案内管2内でその後退位置からその伸長位置に向かって軸方向に変位させて急速に加速させるように構成される。
【0023】
第1の歯付きトラック18の上端は、工具ヘッド4がその伸長位置に接近するにつれて第1のピニオン20が第1の歯付きラック18から係脱するように、工具ヘッド4の本体部分6の上端から離間した位置で終端し、そのことにより工具ヘッド4がその伸長位置に到達する前に工具ヘッド4を駆動手段から切り離し、その結果、工具ヘッド4は工具部材8の先端10が破砕すべき岩石の表面と衝突する前に駆動手段から切り離される。好ましくは、第1の歯付きラック20および第1のピニオン18は、工具部材8の先端10が案内管2のエンドキャップ14の開口部を通過するときに、第1のピニオン18が第1の歯付きラック20から係脱するように配置される。
【0024】
第2の歯付きラック22は、第1の歯付きラック18と平行に並んで、工具ヘッド4の本体部分6の前記少なくとも一側面に取り付けられ、第2のピニオン24は、第2のピニオン24が第2の歯付きラック22と駆動係合するように、第1のピニオン18と同軸に並んでモータ5の出力シャフトに取り付けられる。
【0025】
第2の歯付きラックは、工具ヘッド4の実質的に全長にわたって延在し、第2のピニオン24は、工具ヘッド4の後退位置と伸長位置との間の全移動範囲にわたって第2の歯付きラック22と係合したままで維持される。
【0026】
第2のピニオン24は、好ましくは、スプラグまたはカムクラッチのような一方向カップリングを介してモータの出力シャフトに取り付けられ、特にモータ5が工具ヘッド4を案内管2内でその伸長位置と後退位置との間で上昇または後退させるように動作するときに、モータ出力シャフトと第2のピニオン24との間で回転運動を一方向にのみ伝達するように構成される。
【0027】
チェーンとホイール、歯付きベルトとホイール、再循環ボールねじ、または任意の他の直線駆動装置などの工具ヘッド4をその後退位置と伸長位置との間で駆動するための他のタイプの駆動手段が想定される。さらに、駆動手段は、磁気レールモータ(リニアモータの形態の複数のコイル磁極片)またはソレノイドなどの非機械式駆動装置を備え得る。これらの技術は全て、より大きいまたはより小さい衝撃エネルギーに対して技術をスケーリングするために考慮され得る。
【0028】
図5に最も分かりやすく示されているように、工具部材8が破砕すべき表面を打撃する前に工具ヘッド4がその完全伸長位置に到達した場合に、工具ヘッド4と案内管2のエンドキャップ14との間の衝撃を吸収するように衝撃吸収緩衝材26が案内管2の下端に取り付けられ、そのことにより工具の損傷を回避することができる。
【0029】
動作の第1の段階では、コントローラは、第2のピニオン24を第2のラック22に沿って駆動するように電気モータ5を動作させ、そのことにより、工具ヘッド4が案内管2の上端に隣接するその完全な後退または上昇位置になるまで、工具ヘッド4を案内管2の上方に上昇させる。
【0030】
第2の段階では、コントローラは、第1のラック20に沿って第1のピニオン18を駆動するように電気モータ5を動作させ(第2のピニオン22は、第2のピニオン22と出力シャフトとの間の一方向カップリングにより、モータ5の出力シャフト上で自由に回転する)、そのことにより工具ヘッド4をその伸長位置に向かって急速に加速させる。
【0031】
前記第2の動作段階の間、工具ヘッド4は、第1のピニオン20が第1のラック18の上端から係脱し、そのことにより工具ヘッド4を駆動手段から切り離す点に到達するまで、下向き方向に加速され続ける。工具ヘッド4は、工具部材8の先端10が破砕すべき表面に衝突するまで、慣性によりおよび重力の影響下で、その伸長位置に向かってその下向きの軌道上を移動し続ける。
【0032】
工具ヘッド4がその完全伸長位置に到達した場合、工具ヘッド4の本体部分6がエンドキャップ14と係合し、案内管2の下端に設けられた衝撃吸収緩衝材26が、工具ヘッド4と案内管2のエンドキャップ14との衝突による工具の損傷を防止する。
【0033】
その後、サイクルが繰り返される。
【0034】
コントローラは、工具ヘッドの動きを正確に制御するために電気モータの動作を正確に制御するようにプログラムされたマイクロプロセッサを備え得、そのことにより工具ヘッドの岩石破砕作用を最適化すると共に、工具およびその支持構造の構成要素への振動および衝撃の伝達を最小限に抑え、岩石破砕工具の重量およびサイズを先行技術の装置と比較して大幅に低減することができる。駆動手段を動作させるために電力を使用することにより、空気圧または油圧駆動装置の使用に関連する問題が回避され、岩石破砕工具を多種多様な異なる用途で使用することが可能になる。
【0035】
本発明は、本明細書に記載された実施形態に限定されるものではなく、添付の請求項によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく補正または変更が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5