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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】駐車軌道を動的に再計画するための方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
B60W30/06
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023015048
(22)【出願日】2023-02-03
(65)【公開番号】P2023114454
(43)【公開日】2023-08-17
【審査請求日】2023-02-03
(31)【優先権主張番号】10 2022 201 184.8
(32)【優先日】2022-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】322007626
【氏名又は名称】コンチネンタル・オートナマス・モビリティ・ジャーマニー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ユ・ヨンホ
(72)【発明者】
【氏名】ベネディクト・ヴァルトゥシュ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリク・ドイシュ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・シュタイン
【審査官】稲本 遥
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108162956(CN,A)
【文献】特表2019-519426(JP,A)
【文献】国際公開第2020/070822(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第106394551(CN,A)
【文献】特開2018-177051(JP,A)
【文献】特開2015-214223(JP,A)
【文献】特表2017-526064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に自動的に実行する駐車プロセス中であり、且つ第一駐車軌道(P1)上で車両(1)が第一目標位置(Z1)へ移動する間に、車両(1)の前記第一駐車軌道(P1)を動的に再計画する方法であって、
当該方法は、以下のステップ、
- 車両(1)が前記第一駐車軌道(P1)上を移動する間に、第一駐車軌道(P1)の再計画が必要であり、車両(1)を第二駐車軌道(P2)によって、前記第一目標位置(Z1)とは異なる新たな目標位置(Z2)に移動させるべきという情報を受信するステップ(S10)であって、駐車状況が変化し、かつ車両(1)が前記新たな目標位置(Z2)へ向かわなければならないことが、車両(1)のセンサ手段によって認識された場合に、第一駐車軌道(P1)が再計画される、ステップ(S10)、
- 車両(1)の現在の位置(P)から離間した、前記第一駐車軌道(P1)上に位置する出発位置(A)から前記新たな目標位置(Z2)まで、単一動作で駐車操車するための第二駐車軌道(P2)を計画するステップ(S11)であって、前記第二駐車軌道(P2)は、複数の異なる軌道タイプを含む軌道ライブラリに基づいて計画され、前記軌道タイプは、一つ以上の軌道セグメント(S1-S5)を含み、前記軌道セグメント(S1-S5)は、直線、円弧セグメント、又は、クロソイド曲線であり、前記第二駐車軌道(P2)は、前記第一駐車軌道(P1)と当該第二駐車軌道(P2)との間に、並びに、当該第二駐車軌道(P2)の互いに隣接する軌道セグメント(S1-S5)間に、それぞれ連続した曲率移行が存在する様に計画される、ステップ(S11)、
- 前記出発位置(A)までは前記第一駐車軌道(P1)に基づき、前記出発位置(A)から前記新たな目標位置(Z2)までは前記第二駐車軌道(P2)に基づいて、車両を連続的に進めながら単一動作で駐車プロセスを実行するステップ(S12)、
を備える、当該方法において、
前記軌道ライブラリの軌道タイプに基づいて、複数の前記第二駐車軌道(P2)が、時間的に連続して、又は、時間的に並行して計画されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
車両(1)の現在の位置(P)は、前記第二駐車軌道(P2)の計画プロセスの開始時の車両位置(P)であり、かつ
前記出発位置(A)は、車両(1)が前記第一駐車軌道(P1)上を移動する間に前記出発位置(A)に到達するまでに、前記第二駐車軌道(P2)の計画プロセスが終了するように選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
駐車スペース(PL)へ車両(1)を進入させている間に、及び/又は、車両(1)が少なくとも部分的に駐車スペース(PL)内に進入した車両位置において、前記新たな目標位置(Z2)が得られることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第二駐車軌道(P2)は、駐車状況、及び/又は、前記第一目標位置(Z1)に対して相対的な前記新たな目標位置(Z2)の位置を考慮することなく、軌道ライブラリの軌道タイプに基づいて計画されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
駐車状況、及び/又は、前記第一目標位置(Z1)に対する前記新たな目標位置(Z2)の相対的な位置が評価され、評価結果に基づいて軌道タイプのシーケンス順位が作成され、このシーケンス順位に基づいて、前記第二駐車軌道(P2)が、異なる軌道タイプを用いて時間的に順々に計画されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記軌道ライブラリは、車両(1)の走行方向(FR)に、直線、クロソイド曲線、及び、円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされている第一軌道タイプを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記軌道ライブラリは、車両(1)の走行方向(FR)に、クロソイド曲線、円弧セグメント、及び、クロソイド曲線の軌道セグメントが組み合わされている第二軌道タイプを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記軌道ライブラリは、車両(1)の走行方向(FR)に、第一半径を有する円弧セグメント、クロソイド曲線、及び、第二半径を有する円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされいる第三軌道タイプを含み、
前記第一半径と前記第二半径とは異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記軌道ライブラリは、車両(1)の走行方向(FR)に、円弧セグメント、クロソイド曲線、直線、クロソイド曲線、及び、円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされている第四軌道タイプを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
前記駐車プロセスは、斜め駐車プロセス、又は、直角駐車プロセスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項11】
前記第一駐車軌道(P1)及び前記第二駐車軌道(P2)は、合わせて10m未満の長さを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項12】
前記第二駐車軌道(P2)は、4m未満の長さを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項13】
前記第一駐車軌道(P1)及び前記第二駐車軌道(P2)をトレース中の車両(1)の速度は、0.2m/s~3m/sの間であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項14】
演算ユニット(2)を備えるドライバーアシストシステムであって、
少なくとも部分的に自動的に実行する駐車プロセス中であり、且つ第一駐車軌道(P1)上で車両(1)が第一目標位置(Z1)へ移動する間に、車両(1)の前記第一駐車軌道(P1)を動的に再計画するためのドライバーアシストシステムにおいて、
前記演算ユニット(2)は、以下のステップ、
- 車両(1)が前記第一駐車軌道(P1)上を移動する間に、第一駐車軌道(P1)の再計画が必要であり、第二駐車軌道(P2)によって車両(1)を新たな目標位置(Z2)に移動させるべきという情報を受信するステップであって、駐車状況が変化し、かつ車両(1)が前記新たな目標位置(Z2)へ向かわなければならないことが、車両(1)のセンサ手段によって認識された場合に、第一駐車軌道(P1)が再計画される、ステップ、
- 車両(1)の現在の位置(P)から離間した、第一駐車軌道(P1)上に位置する出発位置(A)から前記新たな目標位置(Z2)まで、単一動作で駐車操車するための第二駐車軌道(P2)を計画するステップ(S11)であって、前記第二駐車軌道(P2)は、複数の異なる軌道タイプを含む軌道ライブラリに基づいて計画され、前記軌道タイプは、一つ以上の軌道セグメント(S1-S5)を含み、前記軌道セグメント(S1-S5)は、直線、円弧セグメント、又は、クロソイド曲線であり、前記第二駐車軌道(P2)は、前記第一駐車軌道(P1)と前記第二駐車軌道(P2)との間に、並びに、前記第二駐車軌道(P2)の互いに隣接する軌道セグメント(S1-S5)間にそれぞれ連続した曲率移行が存在する様に計画される、ステップ、
- 前記出発位置(A)までの第一駐車軌道(P1)と、前記出発位置(A)から前記新たな目標位置(Z2)までの第二駐車軌道(P2)とに基づいて、車両を連続的に進めながら単一動作で駐車プロセスを実行するステップ、
を実行するように構成されており
前記軌道ライブラリの軌道タイプに基づいて、複数の前記第二駐車軌道(P2)が、時間的に連続して、又は、時間的に並行して計画されることを特徴とするドライバーアシストシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも部分的に自動的に実される駐車プロセスのために駐車軌道を動的に再計画するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術では、駐車軌道を計画する方法は、既知である。特に、円弧セグメント、直線、及び/は、クロソイド曲線を組み合わせることによって駐車スペース内にある目標位置に到達する駐車軌道を決定する幾何学的計画方法が複数既知である。
【0003】
少なくとも部分的に自動的な駐車プロセスの実、車両のドライバーアシストシステムから提供される周辺モデルには、変化が起こり得る。周辺モデルの変化には、様々な原因があるが、例えば、周辺捕捉が、駐車プロセス中は、速度が(駐車スペースを通過した際の捕捉と比較して)低いので、より正確であり、駐車スペースに進入した際、駐車スペースを通過した際には車両のセンサ手段によって認識されなかった周の新たな詳細が捕捉されること、及び/は、例えば、駐車スペースの縁に入ってきた歩行者による、周辺状況の経時変化などが挙げられる。
【0004】
要するに、前もって最初に決定した駐車軌道、接触無しに実施できなくなっていることもあり得る。
【0005】
従来の技術より既知駐車アシストシステムは、この様な状況においては、駐車プロセスを終了し、少なくとも車両を停車し、接触無しに到達できる第二目標位置への代案駐車軌道が算出されるが、これには、多くのケースにおいて、切り返しが必要となる即ち、車両は、単一動作で走行するのではなく、複数の動作ステップ駐車軌道を走行することになる。
【0006】
この様な再計画は、搭乗者から、快適でないと感じられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これを起点とした本発明の課題は、変化した駐車状況に対応でき、且つ、高い駐車快適性及び高いユーザアクセプト性を有する駐車軌道を動的に再計画するための方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、独立請求項1記載の特徴を持つ方法によって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項の対象である。車両の駐車軌道を動的に再計画するドライバーアシストシステムは、独立請求項15の対象である。
【0009】
第一アスペクトによれば、本発明は、少なくとも部分的に自動的に実される駐車プロセス中であって、第一駐車軌道上車両が第一目標位置へ移動している間に、車両の第一駐車軌道を動的に再計画するための方法に関する。本方法は、以下のステップを包含している
【0010】
先ず、第一駐車軌道上での車両の移動中に、駐車プロセスのために計画された第一駐車軌道の再計画が必要か否かに関する情報が受信される。例えば、この情報は、車両の周の周辺領域の周辺モデルを生成するコンポーネントなどの、該車両のドライバーアシストシステムのコンポーネントから提供ることができる。該情報は、車両が、第一目標位置とは異なる新たな目標位置へと移動すべきであると指示する。
【0011】
引き続き、車両の現在の位置から離間した、第一駐車軌道上に位置す出発位置から新たな目標位置まで、単一動作で駐車操車するための第二駐車軌道が計画される。この第二駐車軌道は、複数の異なる軌道タイプを含む軌道ライブラリに基づいて計画される。これらの軌道タイプは、一つ以上の軌道セグメントを含み、一つの軌道セグメントは、直線、円弧セグメント、は、クロソイド曲線である。言い換えれば、軌道ライブラリは、特に好ましくは、多数の異なる軌道タイプが保存されている軌道リストである。軌道ライブラリは、例えば、車両の中央制御手段上に保存されている。そこに全ての軌道セグメントが効率的に用意される軌道ライブラリを用いることにより、少ない計算量、堅牢、且つ、短い反応時間、第二駐車軌道の保証された計画が達成される。
【0012】
第二駐車軌道は、第一駐車軌道と第二駐車軌道との間、及び、第二駐車軌道の互いに隣接する軌道セグメント間それぞれ連続した推移が存在する様に計画される。加えて、該第二駐車軌道は、第一駐車軌道と第二駐車軌道との間に、及び、互いに隣接する軌道セグメント間、連続的な速度プロファイルが存在する様に計画されることが好ましい。
【0013】
第二駐車軌道を決定した後、単一動作の駐車プロセスが、その間車両を停止させることなく、出発位置までは第一駐車軌道に基づき、出発位置から目標位置までは第二駐車軌道に基づいて、実される。
【0014】
本発明にる方法の技術的な利点は、駐車軌道が、車両乗員にとって快適な形で再計画され単一動作で、即ち、車両を停止又は切換し操車することなく走行できることである。加えて、軌道ライブラリを使用することにより、少ない算負荷かつユーザが期待できる軌道コースで第二の駐車軌道を計算することが可能でありその結果、自動駐車プロセスが車両乗員って自然であると感じられる。
【0015】
実施形態によれば、車両の現在の位置は、第二駐車軌道の計画プロセスを開始する際の車両位置である。出発位置、車両が第一駐車軌道上を移動する際にこの出発位置に到達するまでに、及び/は、車両の制御手段の曲線制御のために曲率値が使用される期間が完了するまでに、第二駐車軌道の計画プロセスを終了するように選択されている。曲線制御を実行する制御手段は、例えば、車両制御のために第一駐車軌道の複数の曲率値を使用するが、軌道の急激な変化が望ましくない制御挙動につながることを回避するために、出発位置は、制御手段が第二の駐車軌道の変化した曲率値を、曲線制御の際に、逐次的に考慮するのに十分な時間を有するように選択なければならない。
【0016】
ある実施例によれば、駐車スペースへ車両を進入させている間に、及び/は、車両が少なくとも部分的に駐車スペース内に進入した車両位置において、駐車軌道の再計画のための情報が、及び/は、新たな目標位置が、得られる。要するに、再計画のための情報を受信した時点において、第一駐車軌道の一部を既に通過している。
【0017】
ある実施例によれば、軌道ライブラリの軌道タイプに基づいて、時間的に順々に、は、時間的に並行して第二駐車軌道の計画が実施される。計算ユニットの計算キャパシティに余裕がある場合、複数の第二駐車軌道の計画を並行して実施することができる。その際、軌道タイプ毎に、それぞれ少なくとも一つの軌道計画が、実施される。これにより、時間的効率よく、軌道ライブラリの各々の軌道タイプについて、該軌道タイプに基づいて新たな目標位置への第二駐車軌道を見つけることができるか否かを決定することができる。
【0018】
的には、検証は、シーケンシャルに、即ち、軌道ライブラリの各々の軌道タイプ毎に時間的に順々に、該軌道タイプに基づいて、新たな目標位置への第二駐車軌道を見つけることができるか否かが検証される。
【0019】
ある実施例によれば、第二駐車軌道は、駐車状況、及び/は、第一目標位置に対する新たな目標位置の相対的な位置を考慮することなく、軌道ライブラリの軌道タイプに基づいて計画される。言い換えれば、どの軌道タイプを用いる新たな目標位置に最善に到達できるのか各々の駐車状況を考慮して決定するのではなく、第二駐車軌道が見つかるまで、複数の軌道タイプが、時間的に並行して、は、時間的に順々に、第二駐車軌道を割り出すために使用される。
【0020】
ある実施例によれば、駐車状況、及び/は、第一目標位置に対するたな目標位置の相対的な位置が評価され、評価結果に基づいて軌道タイプのシーケンス順位が作成されこのシーケンス順位に基づいて、第二駐車軌道が、異なる軌道タイプを用いて時間的に順々に計画される。計画は、例えば、ある一つの軌道タイプに基づいて第二駐車軌道が発見された時点において終了される。この様にすることで、駐車状況に応じて、目的に適った軌道を計画できる。
【0021】
ある実施例によれば、軌道ライブラリは、車両の走行方向に、直線、クロソイド曲線、及び、円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされている第一軌道タイプを含んでいる。この軌道セグメントは、直接的に互いにつながっている。
【0022】
ある実施例によれば、軌道ライブラリは、車両の走行方向に、クロソイド曲線、円弧セグメント、及び、クロソイド曲線の軌道セグメントが組み合わされている第二軌道タイプを含んでいる。この軌道セグメントも、直接的に互いにつながっている。
【0023】
ある実施例によれば、軌道ライブラリは、車両の走行方向に、第一半径を有する円弧セグメント、クロソイド曲線、及び、第二半径を有する円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされている第三軌道タイプを含んでいる。その際第一半径と第二半径とは異なっている。この軌道セグメントも、直接的に互いにつながっている。
【0024】
ある実施例によれば、軌道ライブラリは、車両の走行方向に、円弧セグメント、クロソイド曲線、直線、クロソイド曲線、及び、円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされている第四軌道タイプを含んでいる。この軌道セグメントも、直接的に互いにつながっている。第四軌道タイプにより、S字状の駐車軌道を得ることができる。
【0025】
ある実施例によれば、駐車プロセスは、斜め駐車プロセス、は、直角駐車プロセスである。この様な駐車プロセスでは、駐車区画が深く、駐車スペースの通過時の駐車状況の第一捕捉が頻繁に不十分であり、少なくとも部分的に駐車スペースに進入した際に、周辺モデル新され、第一駐車軌道の再計画が必要となることが特徴である。
【0026】
ある実施例によれば、第一及び第二駐車軌道を合わせて10m未満の長さを有している。この様に駐車軌道の全長は、比較的短いため、車両が動いている場合、軌道ライブラリを用いた迅速且つ時間効率の良い駐車軌道の再計画が必要となる。
【0027】
ある実施例によれば、第二駐車軌道は、4m未満である。第二駐車軌道が短いにもかかわらず、軌道ライブラリの軌道タイプを用いれば、駐車軌道の動的な再計画が可能である。
【0028】
ある実施例によれば、第一及び第二駐車軌道をトレース中の車両の速度は、0.2m/s3m/sの間である。車両が低速であるため、第二駐車軌道は、比較的小さな曲率半径を有することができ、第二駐車軌道が短いにもかかわらず、新たな目標位置に到達することができる。
【0029】
ある更なるアスペクトによれば、本発明は、少なくとも部分的に自動的に実行する駐車プロセス中であり、且つ第一駐車軌道上で車両が第一目標位置へ移動する間に、車両の第一駐車軌道を動的に再計画するための演算ユニットを備えたドライバーアシストシステムに関する。該演算ユニットは、以下のステップ、
- 車両が第一駐車軌道上を移動する間に、第一駐車軌道の再変更が必要であり、第二駐車軌道によって車両を新たな目標位置に移動させるべきという情報を受信するステップ;- 車両の現在の位置から離間した、第一駐車軌道上に位置する出発位置から新たな目標位置まで、単一動作で駐車操車するための第二駐車軌道を計画するステップであって、該第二駐車軌道は、複数の異なる軌道タイプを含む軌道ライブラリに基づいて計画され、該軌道タイプは、一つ以上の軌道セグメントを含み、軌道セグメントは、直線、円弧セグメント、又は、クロソイド曲線であり、該第二駐車軌道は、第一駐車軌道と第二駐車軌道との間に、並びに、第二駐車軌道の互いに隣接する軌道セグメント間にそれぞれ連続した曲率移行が存在する様に計画される、ステップ、
- 出発位置までの第一駐車軌道と、出発位置から新たな目標位置までの第二駐車軌道とに基づいて、車両を連続的に進めながら単一動作で駐車プロセスを実行するステップ、
を実行するように構成されている。
【0030】
本発明に係る「軌道ライブラリ」とは、複数の軌道タイプのセットであると解釈でき、その際、該軌道タイプは、異なる形状を有しており、それにより、様々な再計画シチュエーションに適している。該軌道ライブラリを用いることにより、駐車軌道の算出を回避することができる。
【0031】
本発明の発展形態、長所、及び、応用範囲は、実施例と図面に関する以下の説明によって示される。その際、全ての記述されている、及び/は、図示されている特徴は、それぞれにおいて、並びに、任意な組み合わせにおいて、各請求項、は、その参照元との組み合わせからは独立して、本発明の対象である。尚、請求項の内容も明細書の構成要素とする。
【0032】
以下本発明を、図面と実施例に基づいて詳しく説明する
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、駐車スペース内にオブジェクトがあるために駐車軌道の再計画が必要となった直角駐車プロセスの模式的な描写例である。
図2図2は、元来計画されていた第一駐車軌道と、車両の第一目標位置の代わりに、新たな目標位置へ到達するための第二駐車軌道を有する駐車状況の模式的な描写例である。
図3図3は、第二駐車軌道を計画するために用いることができる第一軌道タイプの模式的な描写例である。
図4図4は、第二駐車軌道を計画するために用いることができる第二軌道タイプの模式的な描写例である。
図5図5は、第二駐車軌道を計画するために用いることができる第三軌道タイプの模式的な描写例である。
図6図6は、第二駐車軌道を計画するために用いることができる第四軌道タイプの模式的な描写例である。
図7図7は、計画方法を実施するためのステップを図解するフローチャート例である。
図8図8は、第一駐車軌道の動的に再計画するための方法の方法ステップを明確にする、ブロック図の例である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、車両が、ドライバーアシストシステム、特に、駐車アシストシステムによって車両が第一駐車軌道上を移動している間に、該車両の駐車軌道を動的に再計画するための方法に関する。ここで言う「動的な再計画」とは、車両が、再計画中も第一駐車軌道上を動いており、車両の周辺状況の変化を考慮した、新たな目標位置を有する第二駐車軌道を決定した後は、この第二駐車軌道に沿って車両が継続的に走行することを意味している。この場合、第一駐車軌道と第二駐車軌道との間において、連続的な移行が実施されることが好ましい。再計画のトリガは、例えば、駐車状況が変化し、かつ車両が新たな目標位置へ向かわなければならないことが、車両のセンサ手段によって認識された場合に、車両の演算ユニットによって自動的に生成ることができる。この様な駐車状況の変化とは、例えば、現在の駐車プロセスによって駐車されるべき駐車スペースが拡張又は縮小した場合、当初認識されていなかったオブジェクトが駐車スペースを制限している場合、は、駐車スペースの向きを当初誤って想定していた場合などである。
【0035】
図1は、車両の元々の走行方向FRに対して垂直な駐車スペースPLに後進して駐車(垂直駐車プロセス)しようとしている車両1の駐車プロセスを模式的に例示している。該駐車スペースは、例えば、示されている実施例では、第三車両3,4であるオブジェクトによって両側が制限されている。ここで、少なくとも半自動的に実される駐車プロセスでは、駐車アシストシステムが、駐車プロセス中に、駐車軌道の計画と少なくとも部分的車両1の制御を担当することが想定されている。
【0036】
駐車スペースPLの前を車両1が通過する際、該駐車スペースPLは、車両のセンサ手段によって捕捉され、車両1に設けられている演算ユニット2により、駐車スペース周辺のモデルが作成され、これを基に、軌道が計画される。この様にして第一駐車軌道が作成され、これを基に、車両は、第一目標位置Z1へと導かれる。車両1の該センサ手段は、例えば、以下のセンサタイプの一つ以上のセンサを有していることができる:超音波センサ、カメラ、レーダセンサ、ライダセンサ。
【0037】
駐車スペースPL前を通過する車両1の速度、及び/は、駐車スペースPLに対する車両1の間隔に応じて、駐車軌道が、実際の駐車状況にそぐわない周辺モデルに基づいて計画されることもあり得る。要するに、図1に示されている実施例では、第一目標位置に向かう車両1の位置取りにとって邪魔であオブジェクトO駐車スペースに進入して初めて認識され、そのため、第一駐車軌道P1を第二駐車軌道P2に再計画せざるを得なくなる
【0038】
第二駐車軌道P2を用いれば、車両1は、第一目標位置Z1とは異なる第二目標位置Z2へと操車することができる。示されている実施例では、第二目標位置Z2は、第一目標位置Z1に対して横方向にシフトしており、車両1は、オブジェクトOと接触することなく、オブジェクトOと第三車両3との間に位置決めされる。
【0039】
第二駐車軌道P2は、第一駐車軌道P1と第二駐車軌道Pとの間の移行部が連続的、特に好ましくは、連続的な曲率移行となるように算出される。加えて、第二駐車軌道P2は、車両1が移動している間に計算され、該第二駐車軌道P2は、第一駐車軌道P1上にある出発位置からスタートし、駐車スペース内への車両1の連続的な運動を、停車したり、切り返ししたりすることなく可能にする。
【0040】
図2は、第一駐車軌道P1及び第二駐車軌道P2を合わせた全駐車軌道をより詳しく示しているが、これを基に、第一駐車軌道の動的な再計画の方法を更に説明する。
【0041】
上述の如く第一駐車軌道P1は、駐車プロセスを始める前に作成された周辺モデルを基に生成される。駐車プロセスの開始後、車両1がドライバーアシストシステムによって第一駐車軌道P1上を動いている時に、駐車軌道の再計画が必要であると言う情報が受信される。これは、車両1が第一目標位置Z1ではなく、それとは異なる新たな目標位置Z2へと導かれるべき、又は、そこへと導かれなければならなくなったためである。この情報を受信した時点車両が存在する位置は、図2では、符号P1で示されている。
【0042】
この情報を基に、車両1の演算ユニット2によって第二駐車軌道P2が算出される。第二駐車軌道P2の計算に計算時間が必要であり、その際、車両1の動きは中断されない様にしたいため、即ち、該車両は、駐車軌道の再計画を要求する情報を受信後も、走行し続けるようにしたいため、第一駐車軌道P1上にあり、且つ位置P1と新たな目標位置P2の間にある出発位置Aが、第二駐車軌道P2を開始するために選択される。車両1は、継続的に第一駐車軌道P1上を、出発位置Aに到達するまで動き続ける。この出発位置Aから車両1は、第二駐車軌道P2上を新たな目標位置Z2へ導ことができる。
【0043】
この場合、第二駐車軌道P2は、出発位置Aにおいて、連続的な曲率移行を有する連続的な軌道移行が得られる様に選択される。
【0044】
該第二駐車軌道P2は、(既知の汎用的な計画方法とは異なる)幾何学的な計画方法によって決定することが好ましい。該第二駐車軌道P2は、複数の軌道セグメントから構成されている。該軌道セグメントは、直線、円弧セグメント、は、クロソイド曲線であってもよい。該第二駐車軌道P2は、この際、走行方向FRに向かって互いに直接的につながっている複数の軌道セグメントから構成されている即ち、これらの軌道セグメントがつながることにより、一本の第二駐車軌道P2が得られ、これを用いることにより、車両は、連続的な曲率移行により出発位置から第二目標位置Z2へ走行することができる。
【0045】
僅かな計算負荷で第二駐車軌道P2を決定することができるように、様々な軌道タイプを含む軌道ライブラリが使用される。ここで言う「軌道タイプ」とは、予め定められている軌道セグメントの一定のシーケンスのことを表す。これらの軌道セグメントは、それぞれ、直線、円弧セグメント、は、クロソイド曲線であることができるが、各々軌道セグメントの推移や長さは、状況に応じて調整されることができる。軌道ライブラリからは、軌道タイプのセットが提供される。これらを用いることによって、第一駐車軌道P1から第二駐車軌道P2への連続的な移行を可能にする第二駐車軌道P2を決定することを試行できる。即ち、新たな目標位置へ、単一動作の駐車プロセスによって、要するに、切り返しすることなく、到達できる。
【0046】
図3から6は、第二駐車軌道P2を決定することができる複数の軌道タイプを模式的に例示している。
【0047】
図3に示されている第一軌道タイプは、三つの軌道セグメントから構成されていて、その際、走行方向に向かって、第一軌道セグメントS1は直線、第二軌道セグメントS2はクロソイド曲線、そして、第三軌道セグメントS3は円弧セグメントである。クロソイド曲線(軌道セグメントS2)により、軌道セグメントS1とS3との間の連続的な曲率移行が達成されている。
【0048】
図4に示されている第二軌道タイプも、三つの軌道セグメントから構成されていて、その際、走行方向に向かって、第一軌道セグメントS1は第一クロソイド曲線、第二軌道セグメントS2は円弧セグメント、そして、第三軌道セグメントS3は第二クロソイド曲線である。第一クロソイド曲線によ第二軌道セグメントS2への連続的な曲率移行が達成される。このことはクロソイド曲線が、第一駐車軌道P1の先行のセクションから円弧セグメントへの曲率調整をうことで達成される。第二クロソイド曲線によれば、車両の向きを調整することで、新たな目標位置Z2において望ましい向きになる様に、車両を新たな目標位置Z2へと導くことができる。
【0049】
図5に示されている第三軌道タイプも、三つの軌道セグメントから構成されていて、その際、走行方向に向かって、第一軌道セグメントS1は第一半径を有する第一円弧セグメント、第二軌道セグメントS2はクロソイド曲線、そして、第三軌道セグメントS3は第二半径を有する第二円弧セグメントである。第一半径と第二半径とは異なっており、双方の円弧セグメントをつないでいるクロソイド曲線は、第一円弧セグメントから第二円弧セグメントへの曲率移行が連続的となる様に選択される。
【0050】
図6に示されている第四軌道タイプは、S字状の第二駐車軌道を可能にするために、五つの軌道セグメントS1-S5から構成されている。走行方向FRに向かって、第一軌道セグメントS1は第一半径を有する第一円弧セグメント、第二軌道セグメントS2は第一クロソイド曲線、第三軌道セグメントS3は直線、第四軌道セグメントS4は第二クロソイド曲線、そして、第五軌道セグメントS3は第二半径を有する第二円弧セグメントである。第一及び第二円弧セグメント、並びに、第一及び第二クロソイド曲線は、対称に選択されている、即ち、同じ長さ、同じ半径、又は、同じ曲率移行を有する。第一及び第二円弧セグメントと第一及び第二クロソイド曲線が対称な場合、車両1は、道程2dの分だけ横方向にシフトされ、この場合、各々、通過した第二駐車軌道P2の半分毎に道程dだけの横方向シフトが発生する。代的には、第一及び第二円弧セグメント、並びに、第一及び第二クロソイド曲線は、非対称に選択されていても良い。
【0051】
幾何学的な計画方法により、各々の軌道セグメントの長さ、半径、及び、曲率移行は、出発位置から第二目標位置Z2へ向かって個々の軌道セグメントが直接的に互いにつながり、連続的な曲率移行を有する第二駐車軌道P2が得られる様に選択される。
【0052】
図7は、第二駐車軌道P2の計画の方法ステップ例をより明確にするフローチャートを示している。
【0053】
先ず、再計画情報が受信される(S1)。この再計画情報、周辺モデルが変化したため、第一目標位置Z1への駐車プロセスを終了できないことを示している。該再計画情報は、第一目標位置Z1の代わりになるべき新たな目標位置Z2への情報を含んでもよい
【0054】
続いて、第一駐車軌道P1上にあり、かつ車両1の現在の位置Aと第一目標位置Z1との間にある出発位置Aが決定される。
【0055】
この出発位置Aを起点に、新たな目標位置Z2への第二駐車軌道P2が計画される(S2)。該計画は、幾何学的な計画方法を用いて、複数の異なる軌道タイプを含む軌道ライブラリを基に実施される。その際、個々の軌道タイプに基づいて、時間的に並行して、は、時間的に順々に、車両1の現在の位置Aと第一目標位置Z1との間に第二駐車軌道P2を見つけることが可能か否か、即ち、出発位置Aまでの第一駐車軌道P1、並びに、該出発位置Aから新たな目標位置Z2までの第二駐車軌道P2からなる全軌道上を、連続的な曲率をもって単一動作で操車できるかが、確認される。
【0056】
個々の軌道タイプの回帰的な検証の際は、前もって駐車状況が決定され、これに応じて個々の軌道タイプの試行順序が選択される。
【0057】
続いて、出発位置Aから新たな目標位置Z2へ単一動作で到達できる第二駐車軌道P2を、見つけることができるか否かが検証される(S3)。
【0058】
見つけることができる場合は、駐車プロセス出発位置Aに至るまでは第一駐車軌道P1に基づいて、出発位置Aから新たな目標位置Z2までは第二駐車軌道P2に基づいて実行される(S4)。
【0059】
しかしながら、ステップS3において第二駐車軌道P2を決定することができなかった場合は、ステップS5において、中止条件に達したか否かが検証される。該中止条件は、例えば、第二駐車軌道P2を決定するために既に実施された試行の回数であってもよい
【0060】
中止条件に達していない場合は、ステップS6において出発位置Aが変更される。この場合、該出発位置が、走行方向FRは、走行方向FRとは逆方向、車両1の現在の位置出発位置Aとの間隔が第二駐車軌道を算出するために十分となるまで、シフトされる。
【0061】
出発位置Aの変更後、改めてステップS2が、要するに、新たな出発位置から新たな目標位置Z2に到達できる第二駐車軌道P2を決定する試行が実施される。
【0062】
ステップS5において中止条件に達したことが確定した場合、ステップS7では、新たな目標位置Z2に到達できる複数ステップの駐車軌道が決定される。
【0063】
前述の方法は、好ましくは、直角又は斜め駐車状況に適している。駐車軌道の全長(即ち、駐車プロセスの開始地点から出発位置到達するまでの第一駐車軌道P1と、出発位置Aから新たな目標位置Z2までの第二駐車軌道P2との合計)は、10m未満であることが好ましい。第二駐車軌道Z2の長さは、好ましくは、5m未満、特に好ましくは、4m未満である。したがって、駐車軌道の全長、及び、特に第二駐車軌道P2の長さは、短い。第一駐車軌道P1及び/は、第二駐車軌道P2をトレース中の車両1の速度は、好ましくは、3m/s未満、より好ましくは、1.5m/s未満、特に好ましくは、0.2m/s1.5m/sの間である。車両速度が低速であるため、単一動作の第二駐車軌道によって、停車することなく、は、切り返しすることなく、第二目標位置Z2に到達するために、曲率半径が小さい駐車軌道も選択できる。
【0064】
図8は、少なくとも半自動的に実施されている駐車プロセス中における第一駐車軌道を動的に再計画するための方法の流れを図解する概略的なブロック図を示している。
【0065】
第一駐車軌道上を車両が移動している間に、第一駐車軌道の再計画が必要である、即ち、車両を、第二駐車軌道によって、第一目標位置とは異なる新たな目標位置へと導かれなければならないと言う情報が受信され(S10)。
【0066】
これに基づいて、車両の現在の位置からは離れているが第一駐車軌道上にはある出発位置から新たな目標位置単一動作で駐車操車を実できる第二駐車軌道が計画される。第二駐車軌道は、複数の異なる軌道タイプを含む軌道ライブラリに基づいて計画され、その際、該軌道タイプは、一つ以上の軌道セグメントを含んでいる。各軌道セグメントは、直線、円弧セグメント、は、クロソイド曲線であってもよい。該第二駐車軌道は、第一駐車軌道と第二駐車軌道との間が、及び、それぞれに続く第二駐車軌道の軌道セグメントの間が、各々連続的な曲率移行となる様に計画される(S11)。
【0067】
最後に、その間車両を停止させることなく、出発位置までは第一駐車軌道に基づき、出発位置から新たな目標位置までは第二駐車軌道に基づいて、単一動作の駐車プロセスが実される(S12)。
【0068】
本発明は、上記実施例によって説明された。しかしながら、特許請求項に定義されている請求範囲を逸脱することなく、数多くの変更やヴァリエーションが可能であることは、言うまでも無いことである。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下も含む。
1.
少なくとも部分的に自動的に実行する駐車プロセス中であり、且つ第一駐車軌道(P1)上で車両(1)が第一目標位置(Z1)へ移動する間に、車両(1)の前記第一駐車軌道(P1)を動的に再計画する方法であって、
当該方法は、以下のステップ、
- 車両(1)が前記第一駐車軌道(P1)上を移動する間に、第一駐車軌道(P1)の再計画が必要であり、車両(1)を第二駐車軌道(P2)によって、前記第一目標位置(Z1)とは異なる新たな目標位置(Z2)に移動させるべきという情報を受信するステップ(S10)、
- 車両(1)の現在の位置(P)から離間した、前記第一駐車軌道(P1)上に位置する出発位置(A)から前記新たな目標位置(Z2)まで、単一動作で駐車操車するための第二駐車軌道(P2)を計画するステップ(S11)であって、前記第二駐車軌道(P2)は、複数の異なる軌道タイプを含む軌道ライブラリに基づいて計画され、前記軌道タイプは、一つ以上の軌道セグメント(S1-S5)を含み、前記軌道セグメント(S1-S5)は、直線、円弧セグメント、又は、クロソイド曲線であり、前記第二駐車軌道(P2)は、前記第一駐車軌道(P1)と当該第二駐車軌道(P2)との間に、並びに、当該第二駐車軌道(P2)の互いに隣接する軌道セグメント(S1-S5)間に、それぞれ連続した曲率移行が存在する様に計画される、ステップ(S11)、
- 前記出発位置(A)までは前記第一駐車軌道(P1)に基づき、前記出発位置(A)から前記新たな目標位置(Z2)までは前記第二駐車軌道(P2)に基づいて、車両を連続的に進めながら単一動作で駐車プロセスを実行するステップ(S12)、
を備える方法。
2.
車両(1)の現在の位置(P)は、前記第二駐車軌道(P2)の計画プロセスの開始時の車両位置(P)であり、かつ
前記出発位置(A)は、車両(1)が前記第一駐車軌道(P1)上を移動する間に前記出発位置(A)に到達するまでに、及び/又は、車両(1)の制御手段の曲線制御のために曲率値が使用される期間が完了するまでに、前記第二駐車軌道(P2)の計画プロセスが終了するように選択されることを特徴とする上記1に記載の方法。
3.
駐車スペース(PL)へ車両(1)を進入させている間に、及び/又は、車両(1)が少なくとも部分的に駐車スペース(PL)内に進入した車両位置において、前記新たな目標位置(Z2)が得られることを特徴とする上記1又は2に記載の方法。
4.
前記軌道ライブラリの軌道タイプに基づいて、前記第二駐車軌道(P2)が、時間的に連続して、又は、時間的に並行して計画されることを特徴とする上記1~3のうち何れか一つに記載の方法。
5.
前記第二駐車軌道(P2)は、駐車状況、及び/又は、前記第一目標位置(Z1)に対して相対的な前記新たな目標位置(Z2)の位置を考慮することなく、軌道ライブラリの軌道タイプに基づいて計画されることを特徴とする上記4に記載の方法。
6.
駐車状況、及び/又は、前記第一目標位置(Z1)に対する前記新たな目標位置(Z2)の相対的な位置が評価され、評価結果に基づいて軌道タイプのシーケンス順位が作成され、このシーケンス順位に基づいて、前記第二駐車軌道(P2)が、異なる軌道タイプを用いて時間的に順々に計画されることを特徴とする上記4に記載の方法。
7.
前記軌道ライブラリは、車両(1)の走行方向(FR)に、直線、クロソイド曲線、及び、円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされている第一軌道タイプを含むことを特徴とする上記1~6のうち何れか一つに記載の方法。
8.
前記軌道ライブラリは、車両(1)の走行方向(FR)に、クロソイド曲線、円弧セグメント、及び、クロソイド曲線の軌道セグメントが組み合わされている第二軌道タイプを含むことを特徴とする上記1~7のうち何れか一つに記載の方法。
9.
前記軌道ライブラリは、車両(1)の走行方向(FR)に、第一半径を有する円弧セグメント、クロソイド曲線、及び、第二半径を有する円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされいる第三軌道タイプを含み、
前記第一半径と前記第二半径とは異なることを特徴とする上記1~8のうち何れか一つに記載の方法。
10.
前記軌道ライブラリは、車両(1)の走行方向(FR)に、円弧セグメント、クロソイド曲線、直線、クロソイド曲線、及び、円弧セグメントの軌道セグメントが組み合わされている第四軌道タイプを含むことを特徴とする上記1~9のうち何れか一つに記載の方法。
11.
前記駐車プロセスは、斜め駐車プロセス、又は、直角駐車プロセスであることを特徴とする上記1~10のうち何れか一つに記載の方法。
12.
前記第一駐車軌道(P1)及び前記第二駐車軌道(P2)は、合わせて10m未満の長さを有していることを特徴とする上記1~11のうち何れか一つに記載の方法。
13.
前記第二駐車軌道(P2)は、4m未満の長さを有していることを特徴とする上記1~12のうち何れか一つに記載の方法。
14.
前記第一駐車軌道(P1)及び前記第二駐車軌道(P2)をトレース中の車両(1)の速度は、0.2m/s~3m/sの間であることを特徴とする上記1~13のうち何れか一つに記載の方法。
15.
演算ユニット(2)を備えるドライバーアシストシステムであって、
少なくとも部分的に自動的に実行する駐車プロセス中であり、且つ第一駐車軌道(P1)上で車両(1)が第一目標位置(Z1)へ移動する間に、車両(1)の前記第一駐車軌道(P1)を動的に再計画するためのドライバーアシストシステムにおいて、
前記演算ユニット(2)は、以下のステップ、
- 車両(1)が前記第一駐車軌道(P1)上を移動する間に、第一駐車軌道(P1)の再計画が必要であり、第二駐車軌道(P2)によって車両(1)を新たな目標位置(Z2)に移動させるべきという情報を受信するステップ、
- 車両(1)の現在の位置(P)から離間した、第一駐車軌道(P1)上に位置する出発位置(A)から前記新たな目標位置(Z2)まで、単一動作で駐車操車するための第二駐車軌道(P2)を計画するステップ(S11)であって、前記第二駐車軌道(P2)は、複数の異なる軌道タイプを含む軌道ライブラリに基づいて計画され、前記軌道タイプは、一つ以上の軌道セグメント(S1-S5)を含み、前記軌道セグメント(S1-S5)は、直線、円弧セグメント、又は、クロソイド曲線であり、前記第二駐車軌道(P2)は、前記第一駐車軌道(P1)と前記第二駐車軌道(P2)との間に、並びに、前記第二駐車軌道(P2)の互いに隣接する軌道セグメント(S1-S5)間にそれぞれ連続した曲率移行が存在する様に計画される、ステップ、
- 前記出発位置(A)までの第一駐車軌道(P1)と、前記出発位置(A)から前記新たな目標位置(Z2)までの第二駐車軌道(P2)とに基づいて、車両を連続的に進めながら単一動作で駐車プロセスを実行するステップ、
を実行するように構成されている、ことを特徴とするドライバーアシストシステム。
【符号の説明】
【0069】
1 車両
2 演算ユニット
3 第三車両
4 第三車両
出発位置
FR 走行方向
O オブジェクト
P 現在の位置
P1 第一駐車軌道
P2 第二駐車軌道
PL 駐車スペース
S1-S5 軌道セグメント
Z1 第一目標位置
Z2 新たな目標位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8