IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジェン−プローブ・インコーポレーテッドの特許一覧

特許7605876容量式流体レベル検出および取扱い容器のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】容量式流体レベル検出および取扱い容器のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/04 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
G01N35/04 H
【請求項の数】 33
(21)【出願番号】P 2023024880
(22)【出願日】2023-02-21
(62)【分割の表示】P 2022184793の分割
【原出願日】2018-03-23
(65)【公開番号】P2023058708
(43)【公開日】2023-04-25
【審査請求日】2023-02-21
(31)【優先権主張番号】62/476,529
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/480,977
(32)【優先日】2017-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500169900
【氏名又は名称】ジェン-プローブ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド オパルスキー
(72)【発明者】
【氏名】デイビット ビュゼ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ティー. タグル
(72)【発明者】
【氏名】アレックス ナヴァロ
(72)【発明者】
【氏名】パトリック シーハン
【審査官】三木 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-032516(JP,A)
【文献】特表2016-513975(JP,A)
【文献】特開2010-276376(JP,A)
【文献】特開2014-235171(JP,A)
【文献】特表2007-524082(JP,A)
【文献】特開2008-020361(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0021967(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器内でホルダーを動かすための輸送機であって、前記ホルダーが、容器を支持するように構成され、前記輸送機が、
前記ホルダーと解放可能に連結するように構成されたホルダーサポートと、
前記ホルダーサポートに連結されたアクチュエータであって、前記アクチュエータが、前記ホルダーサポートを、(a)前記ホルダーサポートが前記ホルダーを受容するように構成される第一の位置と(b)第二の位置との間で動かすように構成され、前記ホルダーサポートが前記第一の位置と前記第二の位置との間で移動する経路の少なくとも一部分が垂直成分を含む、アクチュエータと、
前記アクチュエータを前記ホルダーサポートへと連結する移動可能なアームであって、前記移動可能なアームが、ベアリングを介して前記ホルダーサポートと係合するように構成される、移動可能なアームと
を備え、
前記ホルダーサポートが、上部部分と、前記上部部分から離間した下部部分とを備え、前記上部部分と前記下部部分との間に画定される空間の容積が、前記ホルダーの一部分を受容するように構成され、前記ホルダーの導電性平面が、前記機器の電気的接地に電気的に接続される、輸送機。
【請求項2】
前記ホルダーサポートが、前記ホルダーによって画定されるチャネル内に受容されるように構成されたピンを備え、これによって前記ピンと前記ホルダーとの間に締まり嵌めを生成する、請求項1に記載の輸送機。
【請求項3】
前記下部部分が、前記ホルダーの対向する側の上に棚を形成し、前記棚が、前記ホルダーの前記一部分を支持するように構成される表面を含み、
前記上部部分の少なくとも一部分が、前記ホルダーが前記ホルダーサポートに連結されたときに、前記ホルダーによって支持される流体容器の一部分の上にあり、それによって、前記流体容器の上向きの動きを阻止する、請求項1または2に記載の輸送機。
【請求項4】
前記上部部分が、前記ホルダーによって支持される前記流体容器の一部分を露出する開口部を画定する、請求項3に記載の輸送機。
【請求項5】
前記アクチュエータが電気モータを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の輸送機。
【請求項6】
前記ホルダーサポートが弓形経路に沿って動くように、アクチュエータが前記移動可能なアームを回転させる、請求項1~5のいずれか一項に記載の輸送機。
【請求項7】
輸送機が分析機器の一部である、請求項1~6のいずれか一項に記載の輸送機。
【請求項8】
前記分析機器が、サンプルの第一の分析を実施するように構成された第一のモジュールと、前記第一の分析とは異なる第二の分析を実施するように構成された第二のモジュールと、を備え、
前記第一の位置が前記第一のモジュール内にあり、かつ
前記第二の位置が前記第二のモジュール内にある、請求項7に記載の輸送機。
【請求項9】
前記第一の分析が熱サイクルを必要とする第一の核酸増幅反応を実施することを含み、かつ前記第二の分析が等温条件を必要とする第二の核酸増幅反応を実施することを含む、請求項8に記載の輸送機。
【請求項10】
前記第一の核酸増幅反応が、PCR反応を実施することを含み、かつ前記第二の核酸増幅反応がTMA反応、NASBA反応、またはSDA反応を実施することを含む、請求項9に記載の輸送機。
【請求項11】
前記ホルダーの前記導電性平面が、前記ホルダーサポートの前記下部部分、前記ベアリングおよび前記移動可能なアームを通して前記電気的接地に電気的に接続される、請求項1~10のいずれか一項に記載の輸送機。
【請求項12】
機器によって使用される流体容器を取り扱う方法であって、
(a)ホルダーを支持するフレームを、(i)前記ホルダーへのアクセスを提供する第一のフレーム位置から(ii)前記ホルダーを前記機器内に位置付ける第二のフレーム位置へと動かす工程であって、前記ホルダーが少なくとも一つの流体容器を支持する、工程と、
(b)前記ホルダーを前記フレームからロック解除する工程と、
(c)工程(b)の後に、請求項1に記載の輸送機を使用して、前記ホルダーを前記フレームから前記垂直成分を含む前記経路に沿って別の位置へ動かす工程と、を含む、方法。
【請求項13】
工程(b)が、ロッキングアームを、(i)前記ホルダーの第一のノブの一部分に前記ロッキングアームを係合する第一のロック位置から、(ii)前記ホルダーの前記第一のノブの前記一部分から前記アームが係脱される第二のロック位置へと動かすことを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ロッキングアームが前記第一のロック位置において前記ホルダーの第二のノブの一部分と係合し、また前記ロッキングアームが前記第二のロック位置において前記ホルダーの前記第二のノブの前記一部分から係脱される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
工程(b)が、工程(a)の後、または工程(a)と同時に生じる、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
工程(b)が工程(a)と同時に生じる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
(d)前記フレームが前記第二のフレーム位置にあるときに、前記ホルダーを前記輸送機のホルダーサポートに協働的に係合する工程をさらに含む、請求項12~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
工程(d)が工程(a)の後に、または工程(a)と同時に生じる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
工程(d)が工程(a)と同時に生じる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
工程(c)が前記アクチュエータを使用して前記ホルダーサポートに連結された前記移動可能なアームを回転することを含み、これによって前記ホルダーサポートを弓形経路に沿って動かす、請求項12~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記フレームが、サンプルの第一の分析を実施するように構成された分析機器の第一のモジュール内に位置付けられ、また前記ホルダーが前記経路に沿って動かされたその他の位置が、前記第一の分析とは異なるサンプルの第二の分析を実施するように構成された前記分析機器の第二のモジュール内である、請求項12~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記第一の分析が、熱サイクルを必要とする第一の核酸増幅反応を実施することを含み、また前記第二の分析が、第二の核酸増幅反応の持続時間の間において等温条件を必要とする前記第二の核酸増幅反応を実施することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第一の核酸増幅反応がPCR反応を含み、また前記第二の核酸増幅反応がTMA反応、NASBA反応、またはSDA反応を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
工程(c)の後に、
(e)前記分析機器の前記第二のモジュール内の前記その他の位置において第一の流体移送装置のプローブチップを前記流体容器の中へと挿入する工程と、
(f)前記第一の流体移送装置を使用して前記流体容器内の流体の少なくとも一部分を吸引する工程と、
(g)前記流体容器から前記第一の流体移送装置の前記プローブチップを抜き出す工程と、をさらに含む、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
(h)前記フレームが前記第二のフレーム位置にあるときに、第二の流体移送装置のプローブチップを前記フレームによって支持される前記流体容器の中へと挿入する工程と、
(i)前記第二の流体移送装置を使用して前記流体容器内の流体の少なくとも一部分を吸引する工程と、
(j)前記流体容器から前記第二の流体移送装置の前記プローブチップを抜き出す工程と、をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
工程(h)、工程(i)および工程(j)が工程(c)の前に生じる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
(k)前記ホルダーを、前記分析機器の前記第二のモジュール内の前記その他の位置から前記第一のモジュール内の前記フレームへと動かす工程をさらに含む、請求項21~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
(l)前記ホルダーを支持する前記フレームを(i)前記第二のフレーム位置から、(ii)前記第一のフレーム位置へと動かす工程と、
(m)前記ホルダーを前記フレームへとロックする工程と、をさらに含む、請求項12~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
工程(m)が工程(l)の前に、または工程(l)と同時に生じる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
工程(m)が工程(l)と同時に生じる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記フレームが前記第一のフレーム位置にあり、かつ前記ホルダーが前記フレームへとロックされている間に、前記ホルダーから前記流体容器を手動で取り外す工程をさらに含む、請求項28~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
(n)導電性ブラシを介して前記導電性平面を前記電気的接地へと接触させる工程をさらに含む、請求項12~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記導電性ブラシが、基部と、前記基部に取り付けられたブラシ毛とを備え、工程(n)が、前記ブラシ毛を前記導電性平面へと接触させることを含む、請求項32に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容量式技法を用いた流体レベルの検出のためのシステム、および取扱い容器のためのシステム、ならびに関連する使用方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
サンプル(例えば、生体サンプル、化学サンプル等)を分析するための自動化された分析手順は典型的に、流体溶液および/または懸濁液の形態の消耗品試薬の使用を必要とする。一部の事例では、こうした消耗品は、分析を実施するように構成された機器内の容器内に保存される。分析中は、これらの試薬は、容器の貫通可能シール、カバー、またはセプタム(隔壁)を通して機器の流体移送装置(例えば、ロボットピペッタ)によってアクセスされうる。経時的に試薬が消費され、そして容器の試薬のレベルは減少する。容器の試薬のレベルを検出するために、数多くの技法が使用されうる。本開示は、容器内の試薬のレベルを検出するための静電容量に基づく技法を説明する。
【0003】
時に流体試薬で充填された容器は、流体試薬が実際にその機器によって使用される所とは異なる区域において機器内に貯蔵され、かつ/または機器の中へと装填される。本開示は、容器が機器内へと装填され、かつ機器内で動かされる際に、容器を取り扱うための様々な技法を説明する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一部の実施形態では、流体の一つ以上の容器を支持するためのホルダーが開示される。ホルダーは、電気的接地または電圧源に接続するための導電性の外側表面を有する下部壁と、一つ以上の開口部を画定する上面と、一つ以上のレセプタクルと、を含んでもよい。一つ以上のレセプタクルの各レセプタクルは、一つ以上の開口部のうちの開口部から下部壁に向かって従属してもよい。各レセプタクルは、一つ以上の容器のうちの少なくとも一つの容器を受容するように構成される。ホルダーは導電性材料だけで形成されてはいない場合がある。
【0005】
追加的にまたは代替的に、システムの実施形態は、以下の特徴、すなわち、導電性の外側表面は、下部壁の非導電性表面へと貼り付けられた導電性材料によって提供されてもよい;導電性材料は、下部壁の非導電性表面上に被覆されてもよい;導電性材料は、アルミニウムおよび銅のうちの一つを含んでもよい;ホルダーは、第一の側壁および第二の側壁をさらに含んでもよく、一つ以上のレセプタクルは、第一の側壁と第二の側壁との間にあってもよい;第一の側壁および第二の側壁のうちの少なくとも一つは、下部壁の導電性の外側表面と連続する導電性の外側表面を含んでもよい;第一の側壁および第二の側壁のうちの少なくとも一つの導電性の外側表面は、非導電性表面へと貼り付けられた導電性材料によって提供されてもよい;ホルダーは、ホルダーの非導電性表面へと貼り付けられたRFIDタグをさらに含んでもよい;一つ以上のレセプタクルは、複数のレセプタクルを含んでもよい;一つ以上のレセプタクルの各レセプタクルは、上面上の一つ以上の開口部のうちの一つから、外側表面の反対側の下部壁の内表面へと延在してもよい;のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0006】
一部の実施形態では、流体の一つ以上の容器を支持するためのホルダーが開示される。ホルダーは、下部壁、第一の側壁および第二の側壁、一つ以上の開口部を画定する上面、および第一の側壁と第二の側壁との間の一つ以上のレセプタクルを含んでもよい。一つ以上のレセプタクルの各レセプタクルは、(a)一つ以上の開口部のうちの開口部と連通してもよく、(b)開口部から下部壁の第一の表面に向かって延在してもよく、(c)一つ以上の容器のうちの少なくとも一つの容器を受容するように構成されてもよい。下部壁、第一の側壁、第二の側壁のうちの少なくとも一つは、その外側表面へと貼り付けられた導電性の層を有してもよい。導電性の層は、電気的接地または電圧源への接続用であってもよい。
【0007】
追加的にまたは代替的に、システムの実施形態は、以下の特徴、すなわち、導電性の層は、下部壁、第一の側壁、第二の側壁のうちの少なくとも一つへと貼り付けられてもよい;導電性の層は、下部壁、第一の側壁、第二の側壁のうちの少なくとも一つ上に被覆されてもよい;導電性の層は、アルミニウムおよび銅のうちの一つを含んでもよい;第一の側壁および第二の側壁は非導電性であってもよく、また上面と下部壁との間に延在してもよい;下部壁ならびに第一の側壁および第二の側壁のうちの少なくとも一つは、導電性の層を含んでもよい;導電性の層は、下部壁から第一の側壁および第二の側壁のうちの少なくとも一つの上面へと延在してもよい;一つ以上のレセプタクルは、複数のレセプタクルを含んでもよい;一つ以上のレセプタクルの各レセプタクルは、上面上の一つ以上の開口部のうちの一つから下部壁の第一の表面へと延在してもよく、また各レセプタクル内に位置付けられた容器の基部は、第一の表面に接触する;のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0008】
一部の実施形態では、流体の一つ以上の容器を支持するためのフレームが開示される。フレームは、一つ以上のホルダーを含んでもよい。一つ以上のホルダーの各ホルダーは、一つ以上の開口部を画定する上面と、電気的接地または電圧源に接続するための導電性の外側表面を有する下部壁と、一つ以上のレセプタクルであって、一つ以上のレセプタクルの各レセプタクルは、下部壁に向かって一つ以上の開口部のうちの開口部から従属してもよい、レセプタクルと、流体を含む一つ以上の容器を含んでもよい。一つ以上の容器の各容器は、(a)一つ以上のレセプタクルのうちのレセプタクル内に位置付けられてもよく、また(b)容量式流体レベル感知のために適合された流体移送装置のプローブチップを受容するように構成されてもよい。
【0009】
追加的にまたは代替的に、システムの実施形態は、以下の特徴、すなわち、導電性の外側表面は、下部壁の非導電性表面へと貼り付けられてもよい;導電性の外側表面は、下部壁の非導電性表面上に被覆されてもよい;導電性の外側表面は、アルミニウムおよび銅のうちの一つを含んでもよい;各ホルダーは、上面と下部壁との間に延在する第一の側壁および第二の側壁をさらに含んでもよく、一つ以上のレセプタクルは第一の側壁と第二の側壁との間にあってもよい;第一の側壁と第二の側壁とのうちの少なくとも一つは、下部壁の導電性の外側表面と連続する導電性の外側表面を含んでもよい;第一の側壁と第二の側壁とのうちの少なくとも一つの導電性の外側表面は、非導電性表面へと貼り付けられてもよい;第一の側壁と第二の側壁とのうちの少なくとも一つの導電性の外側表面が、非導電性表面上に被覆される;下部壁、第一の側壁および第二の側壁は、非導電性材料で作製された単一の構成要素の一部であってもよい;フレームは、容器をレセプタクル内に保持するように構成されたカバーをさらに含んでもよい;カバーは、容器の上面の少なくとも一部分の上へと延在する非導電性部分を含んでもよい;一つ以上の容器のうちの少なくとも一つは、流体移送装置のプローブチップが容器に入るときに流体移送装置のプローブチップが通過する導電性シールを含んでもよい;一つ以上ホルダーのうちの第一のホルダーの導電性の外側表面が、表面との直接的または間接的な物理的接触によって電気的接地されるように、一つ以上のホルダーはフレームの表面上に位置付けられてもよく、またはフレームの表面に近接してもよい;フレームは、物理的接触を確立するために、第一のホルダーの導電性の外側表面とフレームの表面との間に位置付けられた導電性ばねをさらに含んでもよい;一つ以上のホルダーは複数のホルダーを含んでもよく、一つ以上のレセプタクルは複数のレセプタクルを含んでもよい;フレームは、一つ以上の容器の状態を表示するように構成された一つ以上のインジケータをさらに含んでもよい;一つ以上のホルダーは、フレーム上に取り外し可能に位置付けられてもよい;のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0010】
一部の実施形態では、一つ以上のサンプルを分析するように構成された機器が開示される。機器は、流体の一つ以上の容器を支持するための一つ以上のホルダーを含んでもよい。各ホルダーは、一つ以上の開口部を画定する上面と、第一の側壁および第二の側壁と、電気的接地に接続されるように構成された導電性の外側表面を有する下部壁と、を含んでもよい。ホルダーはまた、第一の側壁と第二の側壁との間に一つ以上のレセプタクルを含んでもよい。一つ以上のレセプタクルの各レセプタクルは、一つ以上の開口部の開口部から下部壁に向かって従属してもよく、各レセプタクルはまた、一つ以上の容器のうちの少なくとも一つの容器および容量式流体レベル感知のために適合された流体移送装置のプローブチップを受容するように構成されてもよい。一つ以上の容器は、流体移送装置のプローブチップによってアクセス可能であってもよい。
【0011】
追加的にまたは代替的に、システムの実施形態は、以下の特徴、すなわち、導電性の外側表面は、下部壁の非導電性表面へと貼り付けられてもよい;導電性の外側表面は、下部壁の非導電性表面上に被覆されてもよい;導電性の外側表面は、アルミニウムおよび銅のうちの一つを含んでもよい;第一の側壁と第二の側壁とのうちの少なくとも一つは、下部壁の導電性の外側表面と連続する導電性の外側表面を含んでもよい;第一の側壁と第二の側壁とのうちの少なくとも一つの導電性表面は、非導電性表面へと貼り付けられてもよい;第一の壁と第二の壁とのうちの少なくとも一つの導電性の外側表面は、非導電性表面上に被覆されてもよい;機器は、下部壁と第一の側壁および第二の側壁のうちの少なくとも一つとのうちの少なくとも一つの導電性の外側表面を電気的接地するために、下部壁と第一の側壁および第二の側壁のうちの少なくとも一つとのうちの少なくとも一つと接触するように構成された導電性ブラシを含んでもよい;機器は、一つ以上のホルダーのうちの少なくとも一つのホルダーを第一の場所から機器内の第二の場所へと動かすように構成された輸送機をさらに含んでもよく、第二の場所が、導電性ブラシを含む;一つ以上ホルダーのうちの第一のホルダーの導電性の外側表面が、表面との直接的または間接的な物理的接触によって電気的接地されるように、一つ以上のホルダーが機器の表面上に位置付けられていてもよく、または機器の表面に近接して位置付けられてもよい;機器が、物理的接触を確立するために、第一のホルダーの導電性の外側表面と機器の表面との間に位置付けられたばねをさらに含んでもよい;一つ以上の容器のうちの少なくとも一つの容器を含む各ホルダーは、一つ以上のレセプタクルのうちの少なくとも一つの中に位置付けられてもよい;各ホルダーは、流体移送装置のプローブチップによって一つ以上の容器へとアクセスを提供する間、一つ以上の容器をホルダー内に保持するように構成されたカバーをさらに含んでもよく、カバーは少なくとも一つ以上の容器の上に少なくとも部分的に延在する非導電性部分を含んでもよい;一つ以上のホルダーは、機器上に取り外し可能に位置付けられた複数のホルダーを含んでもよく、また一つ以上のレセプタクルは、複数のレセプタクルを含んでもよい;のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0012】
一部の実施形態では、流体を含む容器内の流体レベルを検出する方法が開示される。方法は、容器の下面がホルダーの第一の表面上に配置されるように、または容器がホルダーの第一の表面と近接して位置付けられるように容器をホルダーのレセプタクル内に位置付けることを含んでもよく、第一の表面の反対側のホルダーの第二の表面は電気的接地された導電性の層を含む。方法はまた、容器内の流体のレベルを検出するために、容量式流体レベル感知のために構成されたプローブチップを有する流体移送装置のプローブチップを容器の中へと挿入することも含んでもよい。
【0013】
追加的にまたは代替的に、システムの実施形態は、以下の特徴、すなわち、導電性の層は、ホルダーの非導電性表面に取り付けられてもよい;導電性の層は、ホルダーの非導電性表面上に被覆されてもよい;ホルダーは、レセプタクルが上面から第一の表面に向かって延在するように第一の表面から離間した上面を含んでもよく、またホルダーは、第二の表面の導電性の層から上面に向かって延在する導電性の側面を有する側壁をさらに含んでもよい;方法は、導電性ブラシを介して導電性側面を電気的接地に接触させることによって、第二の表面の導電性の層を電気的接地することをさらに含んでもよい;導電性の側面を電気的接地に接触させることは、ホルダーを第一の場所から第二の場所へと動かして、導電性側面を導電性ブラシと係合させることを含んでもよい;第二の表面の導電性の層は、導電性の金属ばねを介して電気的接地に接続されてもよい;容器の下面の反対側の容器の上面は、導電性シールを含んでもよく、流体移送装置のプローブチップを挿入することは、導電性シールを通してプローブチップを容器の中へと挿入することを含んでもよい;方法は、流体移送装置のプローブチップを容器から引き戻すことをさらに含んでもよい;容器から流体移送装置のプローブチップを引き戻すことは、容器の少なくとも一部分の上へと延在するカバーを使用して容器をレセプタクル内に拘束することを含んでもよく、カバーは導電性シールに面する非導電表面を含む;のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0014】
一部の実施形態では、容器から流体を抽出する方法が開示されている。方法は、容器をホルダーのレセプタクル内に位置付けることを含んでもよい。レセプタクルは、ホルダーの上面からホルダーの下部壁に向かって延在してもよく、下部壁は電気的接地に接続された導電性の下面を含む。方法はまた、容量式流体レベル感知のために構成されたプローブチップを有する流体移送装置のプローブチップを容器の中へと挿入することと、プローブチップを使用して容器内の容器のレベルを検出することと、流体移送装置のプローブチップを使用して容器から流体を抽出することと、を含んでもよい。
【0015】
追加的にまたは代替的に、システムの実施形態は、以下の特徴、すなわち、導電性の下面は、ホルダーの非導電性表面へと貼り付けられてもよい;導電性の下面は、ホルダーの非導電性表面上に被覆されてもよい;ホルダーは、下部壁から上面へと延在する側壁を含んでもよく、側壁は、下部壁の導電性の下面と連続する導電性の側面を含んでもよい;方法は、下面または側面を導電性ブラシを介して電気的接地または電圧源に接触させることによって、ホルダーの導電性表面を電気的接地することをさらに含んでもよい;側面を電気的接地に接触させることは、ホルダーを第一の場所から第二の場所へと動かして、側面を導電性ブラシと接触させることを含んでもよい;下面は、導電性ばねを介して電気的接地に接続されてもよい;下部壁の反対側の容器の上面は、導電性シールを含んでもよく、また流体移送装置を挿入することは、導電性シールを通してプローブチップを容器の中へと挿入することを含んでもよい;方法は、容器から流体移送装置を引き戻すことと、容器の少なくとも一部分の上に延在するカバーを使用して容器をレセプタクル内に拘束することとをさらに含んでもよい;のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0016】
一部の実施形態では、機器内の流体容器を取り扱うための組立品は、ホルダー、フレームおよび第一のロックを有する引き出しを含む。ホルダーは、少なくとも一つの流体容器を支持するように構成される。フレームは、ホルダーを支持するように構成され、かつ(a)ホルダーへのアクセスを提供する第一のフレーム位置と、(b)第一のホルダー位置にある機器内にホルダーを位置付ける第二のフレーム位置との間で移動可能である。第一のロックは、フレームが第一のフレーム位置にあるとき、ホルダーをフレームに固定し、またフレームが第二のフレーム位置にあるとき、ホルダーをフレームからロック解除する。組立品はまた、(a)第一のホルダー位置と(b)機器内の第二のホルダー位置との間でホルダーを動かすように構成されたホルダー輸送機を含み、ホルダーが第一のホルダー位置と第二のホルダー位置との間を移動する経路の少なくとも一部分は、垂直成分を含む。
【0017】
一部の実施形態では、ホルダーは第一のノブを含み、またフレームは第一の開口部を画定するベースパネルを備える。ホルダーの第一のノブは、ホルダーがフレームによって支持されたときに開口部を通して延在する。第一のロックは、(a)アームが開口部を通して延在する第一のノブの一部分と係合し、これによってホルダーをフレームへと固定する第一のアーム位置と、(b)アームが開口部を通して延在する第一のノブのその部分から係脱され、これによってホルダーをフレームからロック解除する第二のアーム位置との間で開口部に対して移動可能であるアームを含むことができる。ホルダーはまた、第二のノブも含むことができ、またフレームのベースパネルは第二の開口部をさらに画定することができる。ホルダーの第二のノブは、ホルダーがフレームによって支持されるときに、第二の開口部を通して延在する。第一のロックは、第一のアーム位置において、第二の開口部を通して延在する第二のノブの一部分と係合し、また第二のアーム位置において、第二の開口部を通して延在する第二のノブのその部分から係脱され、これによってフレームからホルダーをロック解除する。
【0018】
一部の実施形態では、第一の開口部を通して延在する第一のノブの一部分と係合するように構成された第一のフックを備えるアームと、第二の開口部を通して延在する第二のノブのその部分と係合するように構成された第二のフックと、を備える。第一のノブおよび第二のノブは各々、第一のノブおよび第二のノブのそれぞれの遠位端から延在するフランジを備えることができる。第一のアーム位置において、第一のフックおよび第二のフックを、フレームのそれぞれのフランジとベースパネルとの間に位置付けることができ、これによってフレームに対するホルダーの垂直の動きを阻止することができる。一部の実施形態では、アームは、フレームに連結されたピボットピンによって画定される軸を中心として回転する。アームを、第一のアーム位置または第二のアーム位置へと付勢することができる。引き出しは、アームを付勢するばねをさらに含む。
【0019】
一部の実施形態では、ホルダーは少なくとも一つのスロットを画定し、またフレームは、ホルダーがフレームによって支持されたときに少なくとも一つのスロット内に受容されるように構成された少なくとも一つのホルダー係合部材を備える。少なくとも一つのホルダー係合部材は、パネルから延在する突出部とすることができる。
【0020】
一部の実施形態では、引き出しは固定サポートをさらに備え、そしてフレームは固定サポートに対して移動可能である。引き出しは、フレームが第二のフレーム位置にあり、かつホルダーがフレームからロック解除されているときに、固定サポートに対するフレームの動きを阻止するように構成された第二のロックも含む。第二のロックは、移動可能フレームに連結されたフックアンドキャッチのうちの一方と、固定サポートに連結されたフックアンドキャッチのうちのもう一方と、を含むことができる。フレームが第二のフレーム位置にあるとき、フックはキャッチと協働的に係合する。
【0021】
一部の実施形態では、ホルダー輸送機は、フレームが第二のフレーム位置にあるときに、第一のホルダー位置においてホルダーを協働的に係合するように構成されたホルダーサポートを含む。ホルダーサポートはピンを含むことができ、またホルダーは移動可能フレームが第二のフレーム位置にあるときにピンを受容するように構成されたチャネルを含むことができ、これによってピンとホルダーとの間に締まり嵌めを生成する。ホルダーはまた、少なくとも部分的にチャネルを画定するばねアームも含むことができる。ホルダーはまた、フランジも含むことができ、ホルダーサポートは、フレームが第二のフレーム位置にあるときにフランジを支持する表面を含むことができる。ホルダーサポートはまた、表面から離間した上部部分も含むことができ、そしてフレームが第二のフレーム位置にあるときにホルダーによって支持された少なくとも一つの流体容器の上向きの動きを阻止することができる。上部部分は、移動可能フレームが第二のフレーム位置にあるとき、ホルダーによって支持される少なくとも一つの流体容器の少なくとも一部分を露出する開口部を画定してもよい。
【0022】
一部の実施形態では、ホルダー輸送機は、アクチュエータ、およびアクチュエータをホルダーサポートへと連結する移動可能な輸送機アームを含む。アクチュエータは、ホルダーサポートが第一のホルダー位置と第二のホルダー位置との間で弓形経路に沿ってホルダーを動かすように、移動可能な輸送機アームを回転させる。アクチュエータは電気モータとすることができる。輸送機はまた、ホルダーサポートに連結された第二の移動可能な輸送機アームも含むことができる。
【0023】
一部の実施形態では、機器は分析機器である。分析機器は、サンプルの第一の分析を実施するように構成された第一のモジュールと、第一の分析とは異なる第二の分析を実施するように構成された第二のモジュールと、を含むことができる。第一のホルダー位置は第一のモジュール内であり、また第二のホルダー位置は第二のモジュール内である。第一の分析は、熱サイクルを必要とする第一の核酸増幅反応を実施することを含むことができ、また第二の分析は、等温条件を必要とする第二の核酸増幅反応を実施することを含むことができる。第一の核酸増幅反応は、PCR反応を含むことができ、また第二の核酸増幅反応は、TMA反応、NASBA反応、および/またはSDA反応を含むことができる。
【0024】
一部の実施形態では、輸送機はホルダーを機器内で動かす。ホルダーは、容器を支持するように構成される。輸送機は、ホルダーと解放可能に連結するように構成されたホルダーサポートと、ホルダーサポートと連結され、かつホルダーサポートを動かすように構成されたアクチュエータと、を含むことができる。ホルダーサポートは、(a)ホルダーサポートがホルダーを受容するように構成される第一の位置と、(b)第二の位置と、の間で移動可能である。ホルダーサポートが第一の位置と第二の位置との間を移動する経路の少なくとも一部分は、垂直成分を含む。
【0025】
一部の実施形態では、ホルダーサポートは、ホルダーによって画定されるチャネル内に受容されるように構成されたピンを含み、これによってピンとホルダーとの間に締まり嵌めを生成する。一部の実施形態では、ホルダーサポートは、ホルダーの一部分を支持するように構成された表面と、ホルダーがホルダーサポートに連結されたときにホルダーによって支持される流体容器の上向きの動きを阻止するように構成された表面から離間する上部部分と、を含む。上部部分は、ホルダーによって支持される流体容器の少なくとも一部分を露出する開口部を画定してもよい。
【0026】
一部の実施形態では、アクチュエータは電気モータを備える。
【0027】
一部の実施形態では、輸送機はまた、アクチュエータをホルダーサポートへと連結する移動可能なアームも含む。アクチュエータは、ホルダーサポートが弓形経路に沿って動くように移動可能なアームを回転することができる。
【0028】
輸送機は、分析機器の一部とすることができる。分析機器は、サンプルの第一の分析を実施するように構成された第一のモジュールと、第一の分析とは異なる第二の分析を実施するように構成された第二のモジュールと、を含むことができる。一部の実施形態では、第一の位置は第一のモジュール内であり、また第二の位置は第二のモジュール内である。
【0029】
第一の分析が熱サイクルを必要とする第一の核酸増幅反応を実施することを含み、かつ第二の分析が等温条件を必要とする第二の核酸増幅反応を実施することを含む、請求項108に記載の輸送機。第一の核酸増幅反応は、PCR反応を実施することを含むことができ、第二の核酸増幅反応は、TMA反応、NASBA反応、および/またはSDA反応を実施することを含むことができる。
【0030】
一部の実施形態では、機器によって使用される流体容器を取り扱う方法は、(a)ホルダーを支持するフレームを(i)ホルダーにアクセスを提供する第一のフレーム位置から(ii)機器内でホルダーを位置付ける第二のフレーム位置へと動かす工程であって、ホルダーが少なくとも一つの流体容器を支持する、工程と、(b)ホルダーをフレームからロック解除する工程と、(c)工程(b)の後、垂直成分を含む経路に沿ってホルダーをフレームから別の位置に動かす工程と、を含む。
【0031】
一部の実施形態では、工程(b)は、(i)ロッキングアームがホルダーの第一のノブの一部分に係合する第一のロック位置から、(ii)アームがホルダーの第一のノブのその部分から係脱される第二のロック位置へとロッキングアームを動かすことを含む。ロッキングアームは第一のロック位置においてホルダーの第二のノブの一部分と係合することができ、またロッキングアームは第二のロック位置においてホルダーの第二のノブのその部分から係脱することができる。
【0032】
一部の実施形態では、工程(b)を、工程(a)の後に、または工程(a)と同時に生じさせることができる。
【0033】
一部の実施形態ではまた、方法は、(d)フレームが第二のフレーム位置にあるときに、ホルダーをホルダー輸送機のホルダーサポートと係合する工程も含む。工程(d)は、工程(a)の後に、または工程(a)と同時に生じさせることができる。
【0034】
一部の実施形態では、工程(c)は、アクチュエータを使用してホルダーサポートに連結されたアームを回転させ、これによってホルダーサポートを弓形経路に沿って動かすことを含む。
【0035】
一部の実施形態では、フレームは、サンプルの第一の分析を実施するように構成された分析機器の第一のモジュール内に位置付けられ、また経路に沿ってホルダーが動かされるもう一方の位置は、第一の分析とは異なるサンプルの第二の分析を実施するように構成された分析機器の第二のモジュール内である。第一の分析は、熱サイクルを必要とする第一の核酸増幅反応を実施することを含むことができ、また第二の分析は、第二の核酸増幅反応の持続時間の間等温条件を必要とする第二の核酸増幅反応を実施することを含むことができる。第一の核酸増幅反応は、PCR反応を含むことができ、また第二の核酸増幅反応は、TMA反応、NASBA反応、またはSDA反応を含むことができる。
【0036】
一部の実施形態では、方法は、工程(c)の後、(e)分析機器の第二のモジュール内のその他の位置において、第一の流体移送装置のプローブチップを流体容器の中へと挿入する工程と、(f)第一の流体移送装置を使用して流体容器内の流体の少なくとも一部分を吸引する工程と、(g)第一の流体移送装置のプローブチップを流体容器から抜き出す工程と、をさらに含む。
【0037】
一部の実施形態では、方法は、(h)フレームが第二のフレーム位置にあるときに、第二の流体移送装置のプローブチップをフレームによって支持される流体容器の中へと挿入する工程と、(i)第二の流体移送装置を使用して流体容器内の流体の少なくとも一部分を吸引する工程と、(j)第二の流体移送装置のプローブチップを流体容器から抜き出す工程と、をさらに含む。一部の実施形態では、工程(h)、(i)および(j)は、工程(c)の前に生じる。
【0038】
一部の実施形態では、方法は、(k)分析機器の第二のモジュール内のその他の位置から、第一のモジュール内のフレームへとホルダーを動かす工程を含む。方法は、(l)ホルダーを支持するフレームを(i)第二のフレーム位置から(ii)第一のフレーム位置へと動かす工程と、(m)ホルダーをフレームへとロックする工程と、も含むことができる。一部の実施形態では、工程(m)は、工程(l)の前に、または工程(l)と同時に生じる。
【0039】
一部の実施形態では、方法は、フレームが第一のフレーム位置にあり、かつホルダーがフレームへとロックされている間に、ホルダーから流体容器を手動で取り外すことをさらに含む。
【0040】
実施形態のさらなる特徴および利点、ならびに様々な実施形態の構造および動作は、添付図面を参照しながら下記に詳細に説明される。本発明は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は、例示的な目的でのみ本明細書に提示される。追加的な実施形態は、本明細書に含まれる教示に基づいて、関連技術分野(複数可)における当業者にとって明らかであろう。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
流体の一つ以上の容器を支持するためのホルダーであって、
電気的接地または電圧源に接続するための導電性の外側表面を有する下部壁と、
一つ以上の開口部を画定する上面と、
一つ以上のレセプタクルであって、前記一つ以上のレセプタクルの各レセプタクルが、前記一つ以上の開口部のうちの開口部から前記下部壁に向かって従属し、かつ各レセプタクルが前記一つ以上の容器のうちの少なくとも一つの容器を受容するように構成される、レセプタクルと、を備え、
前記ホルダーが導電性金属だけで形成されてはいない、ホルダー。
(項目2)
前記ホルダーが導電性材料だけで形成されてはいない、項目1に記載のホルダー。
(項目3)
前記導電性の外側表面が導電性プラスチックを含む、項目1または2に記載のホルダー。
(項目4)
前記ホルダーが非導電性プラスチックで形成される、項目1または2に記載のホルダー。
(項目5)
前記導電性の外側表面が、前記下部壁の非導電性表面へと貼り付けられた導電性材料によって提供される、項目1~4のいずれか一項に記載のホルダー。
(項目6)
前記導電性金属が、前記下部壁の前記非導電性表面上に被覆される、項目5に記載のホルダー。
(項目7)
前記導電性材料が、アルミニウムおよび銅のうちの一つを含む、項目5または6に記載のホルダー。
(項目8)
第一側壁および第二の側壁をさらに備え、前記一つ以上のレセプタクルが前記第一の側壁と第二の側壁との間にある、項目1~7のいずれか一項に記載のホルダー。
(項目9)
前記第一の側壁および第二の側壁のうちの少なくとも一つが、前記下部壁の前記導電性の外側表面と連続する導電性の外側表面を含む、項目8に記載のホルダー。
(項目10)
前記第一の側壁および第二の側壁のうちの少なくとも一つの前記導電性の外側表面が、非導電性表面へと貼り付けられた導電性金属によって提供される、項目8または9に記載のホルダー。
(項目11)
前記ホルダーの非導電性表面へと貼り付けられたRFIDタグをさらに含む、項目1~10のいずれか一項に記載のホルダー。
(項目12)
前記一つ以上のレセプタクルが、複数のレセプタクルを含む、項目1~11のいずれか一項に記載のホルダー。
(項目13)
前記一つ以上のレセプタクルの各レセプタクルが、前記上面上の前記一つ以上の開口部のうちの一つから、前記外側表面の反対側の前記下部壁の内表面へと延在する、項目1~12のいずれか一項に記載のホルダー。
(項目14)
流体の一つ以上の容器を支持するためのホルダーであって、
下部壁と、
第一の側壁および第二の側壁と、
一つ以上の開口部を画定する上面と、
前記第一の側壁と第二の側壁との間の一つ以上のレセプタクルであって、前記一つ以上のレセプタクルの各レセプタクルが、(a)前記一つ以上の開口部のうちの開口部と連通し、(b)前記開口部から前記下部壁の前記第一の表面に向かって延在し、かつ(c)前記一つ以上の容器のうちの少なくとも一つの容器を受容するように構成される、レセプタクルと、を備え、
前記下部壁、前記第一の側壁、および前記第二の側壁のうちの少なくとも一つが、その外側表面へと貼り付けられた導電性の層を有し、かつ前記導電性の層が電気的接地または電圧源への接続のためである、ホルダー。
(項目15)
前記導電性の層が、前記下部壁、前記第一の側壁、および前記第二の側壁のうちの少なくとも一つへと貼り付けられる、項目14に記載のホルダー。
(項目16)
前記導電性の層が、前記下部壁、前記第一の側壁、および前記第二の側壁のうちの少なくとも一つの上に被覆される、項目14に記載のホルダー。
(項目17)
前記導電性の層が、アルミニウムおよび銅のうちの一つを含む、項目14~16のいずれか一項に記載のホルダー。
(項目18)
前記第一の側壁および第二の側壁が非導電性であり、かつ前記上面と前記下部壁との間に延在する、項目14~17のいずれか一項に記載のホルダー。
(項目19)
前記下部壁と、前記第一の側壁および第二の側壁のうちの少なくとも一つとが、前記導電性の層を含む、項目18に記載のホルダー。
(項目20)
前記導電性の層が、前記下部壁から前記第一の側壁および第二の側壁のうちの少なくとも一つの前記上面まで延在する、項目19に記載のホルダー。
(項目21)
前記一つ以上のレセプタクルが、複数のレセプタクルを含む、項目14~20のいずれか一項に記載のホルダー。
(項目22)
前記一つ以上のレセプタクルの各レセプタクルが、前記上面上の前記一つ以上の開口部のうちの一つから前記下部壁の前記第一の表面へと延在し、かつ各レセプタクル内に位置付けられた容器の基部が前記第一の表面と接触する、項目14~21のいずれか一項に記載のホルダー。
(項目23)
一つ以上の端部が開放されたレセプタクルを形成するように形作られた本体を備える流体の一つ以上の容器を支持するためのホルダーであって、前記レセプタクルの各々が、前記一つ以上の容器のうちの少なくとも一つの容器を受容するように構成され、前記本体が電気的接地または電圧源への接続のために導電性の外側表面を有し、かつ前記ホルダーが導電性金属だけで形成されてはいない、ホルダー。
(項目24)
流体の一つ以上の容器を支持するためのフレームであって、
一つ以上のホルダーであって、前記一つ以上のホルダーの各ホルダーが、
一つ以上の開口部を画定する上面と、
電気的接地または電圧源に接続するための導電性の外側表面を有する下部壁と、
一つ以上のレセプタクルであって、前記一つ以上のレセプタクルの各レセプタクルが、前記一つ以上の開口部のうちの開口部から前記下部壁に向かって従属する、一つ以上のレセプタクルと、
流体を収容する一つ以上の容器と、を備えるホルダーを備え、前記一つ以上の容器の各容器が、(a)前記一つ以上のレセプタクルのうちのレセプタクル内に位置付けられ、かつ(b)容量式流体レベル感知のために適合された流体移送装置を受容するように構成される、フレーム。
(項目25)
前記導電性の外側表面が前記下部壁の非導電性表面へと貼り付けられる、項目24に記載のフレーム。
(項目26)
前記導電性の外側表面が、前記下部壁の前記非導電性表面上に被覆される、項目25に記載のフレーム。
(項目27)
前記導電性の外側表面がアルミニウムおよび銅のうちの一つを含む、項目24~26のいずれか一項に記載のフレーム。
(項目28)
各ホルダーが、前記上面と前記下部壁との間に延在する第一の側壁および第二の側壁をさらに含み、前記一つ以上のレセプタクルが前記第一の側壁と第二の側壁との間にある、項目28~27のいずれか一項に記載のフレーム。
(項目29)
前記第一の側壁および第二の側壁のうちの少なくとも一つが、前記下部壁の前記導電性の外側表面と連続する導電性の外側表面を含む、項目28に記載のフレーム。
(項目30)
前記第一の側壁および第二の側壁のうちの少なくとも一つの前記導電性の外側表面が、非導電性表面へと貼り付けられる、項目29に記載のフレーム。
(項目31)
前記第一の側壁および第二の側壁のうちの少なくとも一つの前記導電性の外側表面が、前記非導電性表面上に被覆される、項目30に記載のフレーム。
(項目32)
前記下部壁、前記第一の側壁、および前記第二の側壁が、非導電性材料で作製された単一の構成要素の一部である、項目28~31のいずれか一項に記載のフレーム。
(項目33)
容器をレセプタクル内に保持するように構成されたカバーをさらに含む、項目24~32のいずれか一項に記載のフレーム。
(項目34)
前記カバーが、前記容器の上面の少なくとも一部分の上へと延在する非導電性部分を含む、項目33に記載のフレーム。
(項目35)
前記一つ以上の容器のうちの少なくとも一つが、前記流体移送装置が前記容器に入るときに前記流体移送装置が通過する導電性シールを含む、項目24~34のいずれか一項に記載のフレーム。
(項目36)
前記一つ以上のホルダーのうちの第一のホルダーの前記導電性の外側表面が、前記表面との直接的または間接的な物理的接触によって電気的接地されるように、前記フレームの表面上に位置付けられる、またはその表面に近接して位置付けられる、項目24~35のいずれか一項に記載のフレーム。
(項目37)
前記物理的接触を確立するために、前記第一のホルダーの前記導電性の外側表面と前記フレームの前記表面との間に位置付けられた導電性ばねをさらに含む、項目36に記載のフレーム。
(項目38)
前記一つ以上のホルダーが、複数のホルダーを含み、かつ前記一つ以上のレセプタクルが、複数のレセプタクルを含む、項目24~37のいずれか一項に記載のフレーム。
(項目39)
前記フレームが、前記一つ以上の容器の状態を表示するように構成された一つ以上のインジケータをさらに含む、項目24~38のいずれか一項に記載のフレーム。
(項目40)
前記一つ以上のホルダーが前記フレーム上に取り外し可能に位置付けられる、項目24~39のいずれか一項に記載のフレーム。
(項目41)
一つ以上のサンプルを分析するように構成された機器であって、
流体の一つ以上の容器を支持するための一つ以上のホルダーであって、各ホルダーが
一つ以上の開口部を画定する上面と、
第一の側壁および第二の側壁と、
電気的接地に接続されるように構成された導電性の外側表面を有する下部壁と、
前記第一の側壁と第二の側壁との間の一つ以上のレセプタクルであって、前記一つ以上のレセプタクルの各レセプタクルが前記一つ以上の開口部のうちの開口部から前記下部壁に向かって従属し、各レセプタクルが前記一つ以上の容器のうちの少なくとも一つの容器を受容するように構成される、レセプタクルと、を備えるホルダーと、
容量式流体レベル感知のために適合された流体移送装置であって、前記一つ以上の容器が前記流体移送装置によってアクセス可能である、流体移送装置と、を備える、機器。
(項目42)
前記導電性の外側表面が前記下部壁の非導電性表面へと貼り付けられる、項目41に記載の機器。
(項目43)
前記導電性の外側表面が、前記下部壁の非導電性表面上に被覆される、項目42に記載の機器。
(項目44)
前記導電性の外側表面がアルミニウムおよび銅のうちの一つを含む、項目41~43のいずれか一項に記載の機器。
(項目45)
前記第一の側壁および第二の側壁のうちの少なくとも一つが、前記下部壁の前記導電性の外側表面と連続する導電性の外側表面を含む、項目41~44のいずれか一項に記載の機器。
(項目46)
前記第一の側壁および第二の側壁のうちの前記少なくとも一つの前記導電性表面が、非導電性表面へと貼り付けられる、項目45に記載の機器。
(項目47)
前記第一の壁および第二の壁のうちの前記少なくとも一つの前記導電性の外側表面が、前記非導電性表面上に被覆される、項目46に記載の機器。
(項目48)
前記下部壁と前記第一の側壁および第二の側壁のうちの少なくとも一つとのうちの少なくとも一つと接触して、前記下部壁と前記第一の側壁および第二の側壁の少なくとも一つとのうちの少なくとも一つの前記導電性の外側表面を電気的接地するように構成される、導電性ブラシをさらに含む、項目45~47のいずれか一項に記載の機器。
(項目49)
前記一つ以上のホルダーのうちの少なくとも一つのホルダーを前記機器内の第一の場所から第二の場所へと動かすように構成された輸送機をさらに含み、前記第二の場所が前記導電性ブラシを含む、項目48に記載の機器。
(項目50)
前記一つ以上のホルダーのうちの第一のホルダーの前記導電性の外側表面が、前記表面との直接的または間接的な物理的接触によって電気的接地されるように、前記一つ以上のホルダーが前記機器の表面上に、または前記機器の表面に近接して位置付けられている、項目41に記載の機器。
(項目51)
前記物理的接触を確立するために、前記第一のホルダーの前記導電性の外側表面と前記機器の前記表面との間に位置付けられたばねをさらに含む、項目50に記載の機器。
(項目52)
各ホルダーが、前記一つ以上のレセプタクルのうち少なくとも一つの中に位置付けられた前記一つ以上の容器のうちの少なくとも一つの容器を含む、項目41~51のいずれか一項に記載の機器。
(項目53)
各ホルダーが、前記流体移送装置によって前記一つ以上の容器へとアクセスを提供する一方で、前記一つ以上の容器を前記ホルダー内に保持するように構成されたカバーをさらに含み、前記カバーが、前記一つ以上の容器の上に少なくとも部分的に延在する非導電性部分を含む、項目52に記載の機器。
(項目54)
前記一つ以上のホルダーが、前記機器上に取り外し可能に位置付けられた複数のホルダーを含み、前記一つ以上のレセプタクルが複数のレセプタクルを含む、項目41~53のいずれか一項に記載の機器。
(項目55)
流体を含む容器内の流体レベルを検出する方法であって、
前記容器の下面が前記ホルダーの第一の表面上に配置される、または前記ホルダーの第一の表面に近接して位置付けられるように、前記容器をホルダーのレセプタクル内に位置付けることであって、第一の表面の反対側である前記ホルダーの第二の表面が、電気的接地された導電性の層を含む、位置付けることと、
前記容器内の前記流体のレベルを検出するために、容量式流体レベル感知用に構成されたプローブチップを有する流体移送装置を前記容器の中へと挿入することと、を含む、方法。
(項目56)
前記導電性の層が、前記ホルダーの非導電性表面に取り付けられる、項目55に記載の方法。
(項目57)
前記導電性の層が、前記ホルダーの非導電性表面上に被覆される、項目55に記載の方法。
(項目58)
前記ホルダーが、前記第一の表面から離間された上面を含み、これにより前記レセプタクルが前記上面から前記第一の表面に向かって延在し、かつ前記ホルダーが、前記第二の表面の前記導電性の層から前記上面に向かって延在する導電性の側面を有する側壁をさらに含む、項目55~57のいずれか一項に記載の方法。
(項目59)
前記導電性の側面を導電性ブラシを介して電気的接地へと接触させることによって、前記第二の表面の前記導電性の層を電気的接地することをさらに含む、項目58に記載の方法。
(項目60)
前記導電性の側面を電気的接地に接触させることが、前記ホルダーを第一の場所から第二の場所へと動かして、前記導電性の側面を前記導電性ブラシと係合させることを含む、項目59に記載の方法。
(項目61)
前記第二の表面の前記導電性の層が、導電性金属ばねを介して電気的接地に接続される、項目55~57のいずれか一項に記載の方法。
(項目62)
前記容器の前記下面の反対側の前記容器の上面が、導電性シールを含み、かつ前記流体移送装置を挿入することが、前記導電性シールを通して前記プローブチップを前記容器の中へと挿入することを含む、項目55~61のいずれか一項に記載の方法。
(項目63)
前記容器から前記流体移送装置を引き戻すことをさらに含む、項目55~62のいずれか一項に記載の方法。
(項目64)
前記容器から前記流体移送装置を引き戻すことは、前記容器の少なくとも一部分の上へと延在するカバーを使用して前記容器を前記レセプタクル内に拘束することを含み、前記カバーが前記導電性シールに面する非導電性表面を含む、項目63に記載の方法。
(項目65)
容器から流体を抽出する方法であって、
前記容器をホルダーのレセプタクル内に位置付けることであって、前記容器が、前記ホルダーの上面から前記ホルダーの下部壁に向かって延在し、前記下部壁が電気的接地に接続された導電性の下面を含む、位置付けることと、
容量式流体レベル感知のために構成されたプローブチップを有する流体移送装置を前記容器の中へと挿入することと、
前記プローブチップを使用して前記容器内の前記流体のレベルを検出することと、
前記流体移送装置を使用して前記容器から流体を抽出することと、を含む、方法。
(項目66)
前記導電性の下面が、前記ホルダーの非導電性表面へと貼り付けられる、項目65に記載の方法。
(項目67)
前記導電性の下面が、前記ホルダーの前記非導電性表面上に被覆される、項目65に記載の方法。
(項目68)
前記ホルダーが、前記下部壁から前記上面へと延在する側壁を含み、前記側壁が、前記下部壁の前記導電性の下面と連続する導電性の側面を含む、項目65~67のいずれか一項に記載の方法。
(項目69)
前記下面または前記側面を導電性ブラシを介して電気的接地または電圧源に接触させることによって、前記ホルダーの前記導電性表面を電気的接地することをさらに含む、項目68に記載の方法。
(項目70)
前記側面を電気的接地に接触させることが、前記ホルダーを第一の場所から第二の場所へと動かして、前記側面を前記導電性ブラシで接触させることを含む、項目69に記載の方法。
(項目71)
前記下面が、導電性ばねを介して電気的接地に接続される、項目65~67のいずれか一項に記載の方法。
(項目72)
前記下部壁と反対側の前記容器の上面が導電性シールを含み、前記流体移送装置を挿入することが、前記プローブチップを前記導電性シールを通して前記容器の中へと挿入することを含む、項目65~71のいずれか一項に記載の方法。
(項目73)
前記容器から前記流体移送装置を引き戻すことと、前記容器の少なくとも一部分の上へと延在するカバーを使用して前記容器を前記レセプタクル内に拘束することと、をさらに含む、項目65に記載の方法。
(項目74)
機器内の流体容器を取り扱うための組立品であって、
引き出しであって、
少なくとも一つの流体容器を支持するように構成されたホルダーと、
ホルダーを支持するように構成され、かつ(a)前記ホルダーへのアクセスを提供する第一のフレーム位置と、(b)第一のホルダー位置にある前記機器内に前記ホルダーを位置付ける第二のフレーム位置との間で移動可能な、フレームと、
前記フレームが前記第一のフレーム位置にあるときに前記ホルダーを前記フレームに固定し、また前記フレームが前記第二のフレーム位置にあるときに前記ホルダーを前記フレームからロック解除する第一のロックと、を備える引き出しと、
前記ホルダーを、(a)前記第一のホルダー位置と(b)前記機器内の第二のホルダー位置との間で動かすように構成されたホルダー輸送機であって、前記ホルダーが前記第一のホルダー位置と前記第二のホルダー位置との間で移動する経路の少なくとも一部分が、垂直成分を含む、ホルダー輸送機と、を含む、組立品。
(項目75)
前記ホルダーが、第一のノブを備え、
前記フレームが、第一の開口部を画定するベースパネルを備え、前記ホルダーの前記第一のノブが、前記ホルダーが前記フレームによって支持されたときに前記開口部を通して延在し、かつ
前記第一のロックが、前記開口部に対して、(a)前記アームが前記開口部を通して延在する前記第一のノブの一部分と係合し、これによって前記ホルダーを前記フレームへと固定する第一のアーム位置と、(b)前記アームが前記開口部を通して延在する第一のノブの前記部分から係脱され、これによって前記フレームからホルダーをロック解除する第二のアーム位置との間で移動可能である、アームを備える、項目74に記載の組立品。
(項目76)
前記ホルダーが、第二のノブをさらに備え、
前記フレームの前記ベースパネルが、第二の開口部をさらに画定し、前記ホルダーが前記フレームによって支持されるときに、前記ホルダーの前記第二のノブが、前記第二の開口部を通して延在し、
前記第一のロックが、前記第一のアーム位置において、前記第二の開口部を通して延在する前記第二のノブの一部分と係合し、また第二のアーム位置において、前記第二の開口部を通して延在する前記第二のノブのその部分から係脱され、これによって前記フレームから前記ホルダーをロック解除する、項目75に記載の組立品。
(項目77)
前記アームが、前記第一の開口部を通して延在する前記第一のノブの前記部分と係合するように構成された第一のフックと、前記第二の開口部を通して延在する前記第二のノブの前記部分と係合するように構成された第二のフックと、を備える、項目76に記載の組立品。
(項目78)
前記第一のノブおよび前記第二のノブの各々が、前記第一のノブおよび第二のノブのそれぞれの遠位端から延在するフランジを備え、かつ
前記第一のアーム位置において、前記第一のフックおよび前記第二のフックが、前記フレームの前記それぞれのフランジと前記ベースパネルの間に位置付けられ、これによって前記フレームに対する前記ホルダーの垂直の動きが阻止される、項目77に記載の組立品。
(項目79)
前記アームが、前記フレームに連結されたピボットピンによって画定される軸を中心として回転する、項目75~78のいずれか一項に記載の組立品。
(項目80)
前記アームが、前記第一のアーム位置へと付勢される、項目75~79のいずれか一項に記載の組立品。
(項目81)
前記アームが、前記第二のアーム位置へと付勢される、項目75~79のいずれか一項に記載の組立品。
(項目82)
前記引き出しが、前記アームを付勢するばねをさらに備える、項目80または81に記載の組立品。
(項目83)
前記ホルダーが少なくとも一つのスロットを画定し、
前記フレームが、前記ホルダーが前記フレームによって支持されるときに前記少なくとも一つのスロット内に受容されるように構成された少なくとも一つのホルダー係合部材を備える、項目74~82のいずれか一項に記載の組立品。
(項目84)
前記少なくとも一つのホルダー係合部材が、パネルから延在する突出部を備える、項目83に記載の組立品。
(項目85)
前記引き出しが、
固定サポートであって、前記フレームが前記固定サポートに対して移動可能である、固定サポートと、
前記フレームが前記第二のフレーム位置にあり、かつ前記ホルダーが前記フレームからロック解除されるときに、前記固定サポートに対する前記フレームの動きを阻止するように構成された第二のロックと、をさらに備える、項目74~84のいずれか一項に記載の組立品。
(項目86)
前記第二のロックが、
前記移動可能フレームに連結されたフックアンドキャッチのうちの一方と、
前記固定サポートに連結された前記フックアンドキャッチのうちのもう一方と、を備え、
前記フレームが前記第二のフレーム位置にあるときに、前記フックが前記キャッチと協働的に係合する、項目85に記載の組立品。
(項目87)
前記ホルダー輸送機が、前記フレームが前記第二のフレーム位置にあるときに、前記ホルダーを前記第一のホルダー位置において協働的に係合するように構成されたホルダーサポートを備える、項目74~86のいずれか一項に記載の組立品。
(項目88)
前記ホルダーサポートがピンを備え、かつ
前記ホルダーが、前記移動可能フレームが前記第二のフレーム位置にあるときに前記ピンを受容するように構成されたチャネルを備え、これによって前記ピンとホルダーとの間に締まり嵌めを生成するように構成される、項目87に記載の組立品。
(項目89)
前記ホルダーが、前記チャネルを少なくとも部分的に画定するばねアームをさらに備える、項目88に記載の組立品。
(項目90)
前記ホルダーが、フランジをさらに備え、かつ
前記ホルダーサポートが、
前記フレームが前記第二のフレーム位置にあるときに前記フランジを支持する表面と、
前記表面から離間し、かつ前記フレームが前記第二のフレーム位置にあるときに前記ホルダーによって支持される前記少なくとも一つの流体容器の上向きの動きを阻止する上部部分と、を備える、項目87~89のいずれか一項に記載の組立品。
(項目91)
前記上部部分が、前記移動可能フレームが前記第二のフレーム位置にあるときに、前記ホルダーによって支持される前記少なくとも一つの流体容器の少なくとも一部分を露出する開口部を画定する、項目90に記載の組立品。
(項目92)
前記ホルダー輸送機が、
アクチュエータと、
前記アクチュエータを前記ホルダーサポートへと連結する移動可能な輸送機アームと、をさらに備える、項目87~91のいずれか一項に記載の組立品。
(項目93)
前記アクチュエータが、前記ホルダーサポートが前記ホルダーを前記第一のホルダー位置と前記第二のホルダー位置との間を弓形経路に沿って動かすように、前記移動可能な輸送機アームを回転させる、項目92に記載の組立品。
(項目94)
前記アクチュエータがモータを備える、項目92または93に記載の組立品。
(項目95)
前記輸送機が、前記アクチュエータを前記ホルダーサポートに連結する第二の移動可能な輸送機アームをさらに備える、項目92~94のいずれか一項に記載の組立品。
(項目96)
前記機器が分析機器である、項目74~95のいずれか一項に記載の組立品。
(項目97)
前記分析機器が、サンプルの第一の分析を実施するように構成された第一のモジュールと、前記第一の分析とは異なる第二の分析を実施するように構成された第二のモジュールと、を備え、
前記第一のホルダー位置が前記第一のモジュール内にあり、かつ
前記第二のホルダー位置が前記第二のモジュール内にある、項目96に記載の組立品。
(項目98)
前記第一の分析が熱サイクルを必要とする第一の核酸増幅反応を実施することを含み、かつ前記第二の分析が等温条件を必要とする第二の核酸増幅反応を実施することを含む、項目93に記載の組立品。
(項目99)
前記第一の核酸増幅反応がPCR反応を含み、かつ前記第二の核酸増幅反応がTMA反応、NASBA反応、またはSDA反応を含む、項目98に記載の組立品。
(項目100)
機器内でホルダーを動かすための輸送機であって、前記ホルダーが、容器を支持するよう構成され、前記輸送機が、
ホルダーと解放可能に連結するように構成されたホルダーサポートと、
前記ホルダーサポートに連結され、かつ前記ホルダーサポートを、(a)前記ホルダーサポートが前記ホルダーを受容するように構成される第一の位置と(b)第二の位置との間で動かすように構成された、アクチュエータと、を備え、前記ホルダーサポートが前記第一の位置と前記第二の位置との間で移動する経路の少なくとも一部分が垂直成分を含む、輸送機。
(項目101)
前記ホルダーサポートが、前記ホルダーによって画定されるチャネル内に受容されるように構成されたピンを備え、これによって前記ピンと前記ホルダーとの間に締まり嵌めを生成する、項目100に記載の輸送機。
(項目102)
前記ホルダーサポートが、
前記ホルダーの一部分を支持するように構成される表面と、
前記ホルダーが前記ホルダーサポートに連結されたときに、前記ホルダーによって支持される流体容器の上向きの動きを阻止するように構成される前記表面から離間された上部部分と、を備える、項目100または101に記載の輸送機。
(項目103)
前記上部部分が、前記ホルダーによって支持される前記流体容器の少なくとも一部分を露出する開口部を画定する、項目102に記載の輸送機。
(項目104)
前記アクチュエータが電気モータを含む、項目100~103のいずれか一項に記載の輸送機。
(項目105)
前記アクチュエータを前記ホルダーサポートへと連結する移動可能なアームをさらに備える、項目100~104のいずれか一項に記載の輸送機。
(項目106)
前記ホルダーサポートが弓形経路に沿って動くように、アクチュエータが前記移動可能なアームを回転させる、項目105に記載の輸送機。
(項目107)
輸送機が分析機器の一部である、項目100~106のいずれか一項に記載の輸送機。
(項目108)
前記分析機器が、サンプルの第一の分析を実施するように構成された第一のモジュールと、前記第一の分析とは異なる第二の分析を実施するように構成された第二のモジュールと、を備え、
前記第一の位置が前記第一のモジュール内にあり、かつ
前記第二の位置が前記第二のモジュール内にある、項目107に記載の輸送機。
(項目109)
前記第一の分析が熱サイクルを必要とする第一の核酸増幅反応を実施することを含み、かつ前記第二の分析が等温条件を必要とする第二の核酸増幅反応を実施することを含む、項目108に記載の輸送機。
(項目110)
前記第一の核酸増幅反応が、PCR反応を実施することを含み、かつ前記第二の核酸増幅反応がTMA反応、NASBA反応、またはSDA反応を実施することを含む、項目109に記載の輸送機。
(項目111)
機器によって使用される流体容器を取り扱う方法であって、
(a)ホルダーを支持するフレームを、(i)前記ホルダーへのアクセスを提供する第一のフレーム位置から(ii)前記ホルダーを機器内に位置付ける第二のフレーム位置へと動かす工程であって、前記ホルダーが少なくとも一つの流体容器を支持する、工程と、
(b)前記ホルダーを前記フレームからロック解除する工程と、
(c)工程(b)の後に、前記ホルダーを前記フレームから垂直成分を含む経路に沿って別の位置へ動かす工程と、を含む、方法。
(項目112)
工程(b)が、ロッキングアームを、(i)前記ホルダーの第一のノブの一部分に前記ロッキングアームを係合する第一のロック位置から、(ii)前記ホルダーの前記第一のノブの前記部分から前記アームが係脱される第二のロック位置へと動かすことを含む、項目111に記載の方法。
(項目113)
前記ロッキングアームが前記第一のロック位置において前記ホルダーの第二のノブの一部分と係合し、また前記ロッキングアームが前記第二のロック位置において前記ホルダーの前記第二のノブの前記部分から係脱される、項目112に記載の方法。
(項目114)
工程(b)が、工程(a)の後、または工程(a)と同時に生じる、項目111~113のいずれか一項に記載の方法。
(項目115)
工程(b)が工程(a)と同時に生じる、項目114に記載の方法。
(項目116)
(d)前記フレームが前記第二のフレーム位置にあるときに、前記ホルダーを前記ホルダー輸送機の前記ホルダーサポートに協働的に係合する工程をさらに含む、項目111~115のいずれか一項に記載の方法。
(項目117)
工程(d)が工程(a)の後に、または工程(a)と同時に生じる、項目116に記載の方法。
(項目118)
工程(d)が工程(a)と同時に生じる、項目117に記載の方法。
(項目119)
工程(c)がアクチュエータを使用して前記ホルダーサポートに連結されたアームを回転することを含み、これによって前記ホルダーサポートを弓形経路に沿って動かす、項目111~118のいずれか一項に記載の方法。
(項目120)
前記フレームが、サンプルの第一の分析を実施するように構成された分析機器の第一のモジュール内に位置付けられ、また前記ホルダーが前記経路に沿って動かされたその他の位置が、前記第一の分析とは異なるサンプルの第二の分析を実施するように構成された前記分析機器の第二のモジュール内である、項目111~119のいずれか一項に記載の方法。
(項目121)
前記第一の分析が、熱サイクルを必要とする第一の核酸増幅反応を実施することを含み、また前記第二の分析が、前記第二の核酸増幅反応の前記持続時間の間、等温条件を必要とする第二の核酸増幅反応を実施することを含む、項目120に記載の方法。
(項目122)
前記第一の核酸増幅反応がPCR反応を含み、また前記第二の核酸増幅反応がTMA反応、NASBA反応、またはSDA反応を含む、項目121に記載の方法。
(項目123)
工程(c)の後に、
(e)前記分析機器の前記第二のモジュール内の前記その他の位置において第一の流体移送装置のプローブチップを前記流体容器の中へと挿入する工程と、
(f)前記第一の流体移送装置を使用して前記流体容器内の流体の少なくとも一部分を吸引する工程と、
(g)前記流体容器から前記第一の流体移送装置の前記プローブチップを抜き出す工程と、をさらに含む、項目111~122のいずれか一項に記載の方法。
(項目124)
(h)前記フレームが前記第二のフレーム位置にあるときに、第二の流体移送装置のプローブチップを前記フレームによって支持される前記流体容器の中へと挿入する工程と、
(i)前記第二の流体移送装置を使用して前記流体容器内の流体の少なくとも一部分を吸引する工程と、
(j)前記流体容器から前記第二の流体移送装置の前記プローブチップを抜き出す工程と、をさらに含む、項目123のいずれか一項に記載の方法。
(項目125)
工程(h)、工程(i)および工程(j)が工程(c)の前に生じる、項目124に記載の方法。
(項目126)
(k)前記ホルダーを、前記分析機器の前記第二のモジュール内の前記他の位置から前記第一のモジュール内の前記フレームへと動かす工程をさらに含む、項目111~125のいずれか一項に記載の方法。
(項目127)
(l)前記ホルダーを支持する前記フレームを(i)前記第二のフレーム位置から、(ii)前記第一のフレーム位置へと動かす工程と、
(m)前記ホルダーを前記フレームへとロックする工程と、をさらに含む、項目111~126のいずれか一項に記載の方法。
(項目128)
工程(m)が工程(l)の前に、または工程(l)と同時に生じる、項目127に記載の方法。
(項目129)
工程(m)が工程(l)と同時に生じる、項目128に記載の方法。
(項目130)
前記フレームが前記第一のフレーム位置にあり、かつ前記ホルダーが前記フレームへとロックされている間に、前記ホルダーから前記流体容器を手動で取り外す前記工程をさらに含む、項目127~129のいずれか一項に記載の方法。
【0041】
本明細書内に組み込まれ、かつ本明細書の一部を構成する添付図面は、様々な実施例を図示し、また記述とともに本開示の実施例の原理を解説する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1A図1Aは、一実施形態による、第一のモジュールおよび第二のモジュールを備える例示的な診断システムの斜視図である。
図1B図1Bは、一実施形態による、開位置にある流体引き出しを有する図1Aの診断システムの一部分の拡大図である。
図2図2は、一実施形態による、閉位置にある図1Aのシステムの例示的な流体引き出しである。
図3図3は、一実施形態による、図1Aのシステムの流体引き出し内の例示的な容器ホルダーを図示する。
図4A図4Aは、一実施形態による、例示的な容器ホルダーの種々の図である。
図4B図4Bは、一実施形態による、例示的な容器ホルダーの種々の図である。
図4C図4Cは、一実施形態による、例示的な容器ホルダーの種々の図である。
図4D図4Dは、一実施形態による、例示的な容器ホルダーの種々の図である。
図4E図4Eは、一実施形態による、例示的な容器ホルダーの種々の図である。
図5A図5Aは、一実施形態による、図1Aのシステムで使用される例示的な試薬が充填された容器の概略断面図である。
図5B図5Bは、一実施形態による、図1Aのシステムで使用される例示的な試薬が充填された容器の概略断面図である。
図6図6は、一実施形態による、ホルダー輸送機のホルダーサポートの側面斜視図である。
図7図7は、実施形態による、容器ホルダーと連結されたホルダーサポートの正面斜視図である。
図8図8は、図7の線8-8に沿って取られた容器ホルダーと連結されたホルダーサポートの正面断面図である。
図9図9は、一実施形態による、流体引き出しおよびホルダー輸送機の後面斜視図である。
図10図10は、一実施形態による、ロッキングアームがロック解除位置にある流体引き出しのフレームの後端の上面斜視図である。
図11図11は、一実施形態による、ロッキングアームがロック位置にある図10における流体引き出しのフレームの後端の上面斜視図である。
図12図12は、一実施形態による、ロッキングアームがロック解除位置にある流体引き出しのフレームの後端の下面斜視図である。
図13図13は、一実施形態による、ロッキングアームがロック位置にある流体引き出しの後端の後面斜視図である。
図14図14は、一実施形態による、流体引き出しのフレームの後端の正面斜視図である。
図15図15は、一実施形態による、例示的な導電性ブラシの斜視図である。
図16図16は、一実施形態による、容器、ホルダー、輸送機のホルダーサポート、および容器内の容量式流体レベル感知を実施しているロボットピペッタの概略断面図である。
図17図17は、一実施形態による、容量式流体レベル感知の間に観察される例示的な静電容量信号の概略図である。
図18A図18Aは、一実施形態による、例示的な流体引き出しおよび試薬容器ホルダーの斜視側面図である。
図18B図18Bは、一実施形態による、試薬容器ホルダーの例示的なリッドである。
図19A図19Aは、一実施形態による、例示的な試薬容器ホルダーの下面の図示である。
図19B図19Bは、一実施形態による、例示的な試薬容器ホルダーの下面の図示である。
図20図20は、一実施形態による、フレームへと連結された例示的な試薬容器ホルダーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
実施形態の特徴および利点は、図面と併せて読めば、以下に述べる「発明を実施するための形態」からより明らかになるであろう。図面では、同様の参照符号は、全体を通して対応する要素を特定する。
【0044】
ここで、添付図面に図示されている本開示の実施例を詳細に参照する。可能な限り、同一または同様の部品を指すために、図面全体を通して同一の参照番号が使用されることになる。本開示の実施形態は、分子遺伝学に関連する分析を実施する機器におけるその適用を参照しながら説明されるが、これは単なる例示にすぎない。当業者は認識するであろうように、本開示の実施形態は任意の用途に適用されうる。
【0045】
別の方法で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての専門用語、表記、その他の科学的用語/術語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書で参照するすべての特許、出願、公開された出願、およびその他の出版物(文献)は、その全体が参照により組み込まれる。このセクションに記載される定義が、参照により本明細書に組み込まれる文献に記載される定義に反する、または別の方法で一致しない場合、本セクションに記載される定義は、参照により組み込まれる定義に優先する。
【0046】
本明細書における「一実施形態」、「ある実施形態」、「さらなる実施形態」、「例示的な実施形態」、「いくつかの態様」、「さらなる態様」、「態様」、「例えば」、「例示的な」、「いくつかの実施形態」等への参照は、説明される実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を含んでもよいが、あらゆる実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、または特性を含まなくてもよいことを示す。さらに、こうした語句は、必ずしも同一の実施形態を指さない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が一実施形態に関連して説明されるとき、明示的に記載されているか否かにかかわらず、こうした特徴、構造、または特性も他の実施形態と関連して説明される。さらに、本明細書で使用される場合、「a(一つの)」または「an(一つの)」は「少なくとも一つの」または「一つ以上の」を意味する。
【0047】
以下の考察では、「約」、「実質的に」、「およそ」等の相対的用語は、述べられた数値の可能性のある±10%の変動を表示するために使用される。さらに、下記の記述は、構成要素、装置、場所、特徴、またはその一部分の位置および/または配向の説明において、相対的な空間的および/または配向用語を使用する場合がある。具体的に述べられない限り、または別の方法で説明の文脈によって定められない限り、上部、下部、上方、下方、下に、上に、上の、下の、の左、の右、内側、外側、内部、外部、近位、遠位、の前に、の後に、の次に、隣接する、の間に、水平に、垂直に、斜めに、長軸方向に、横断方向に、等を含むがこれに限定されないこうした用語は、こうした構成要素、装置、場所、特徴、またはその一部分を図面内で参照する際の利便性のために使用されるが、限定することを意図しない。
【0048】
本明細書で使用される場合、「サンプル」は、供与源にかかわらず、分析される任意の物質を指す。物質は、その本来の形態とすることができ、または処理の任意の段階とすることができる(例えば、物質を化学的に改変することができ、または物質はサンプルの一つ以上の他の構成成分から分離および/もしくは精製されたサンプルの一つ以上の構成成分とすることができる)。サンプルは、動物供与源、環境的供与源、食品供与源、工業的供与源、または水供与源を含むが、これらに限定されない、任意の供与源から得ることができる。動物サンプルとしては、末梢血、血漿、血清、骨髄、尿、胆汁、粘液、痰、唾液、脳脊髄液、便、リンパ節を含む生検組織、呼吸器組織もしくは滲出液、胃腸組織、子宮頸部スワブサンプル、精液もしくは他の身体もしくは細胞の液体、組織、または分泌物が挙げられるが、これらに限定されない。サンプルを、希釈剤、輸送媒体、防腐剤溶液、または他の液体を収容するレセプタクル内で希釈する、またはその中に収容することができる。このように、「サンプル」という用語は、サンプルを保持することが意図される希釈剤、輸送媒体、および/または防腐剤もしくは他の流体の中に収容されるサンプルを包含することが意図される。
【0049】
本明細書で使用される場合、「診断機器」は、サンプル上でアッセイを実施し、そして結果を生じさせる能力を有する任意の機器を指す。例えば、診断機器は、サンプル中の被分析物の存在または量を判定するためにサンプル上でアッセイを実施する能力を有する任意の機器を含む。ハイブリダイゼーションアッセイ、核酸ベースの増幅反応を含む分子アッセイ、シーケンシングアッセイ、イムノアッセイ、またはサンプル上の化学アッセイを実施する能力を有する任意の機器が、この診断機器の定義に含まれる。サンプル内の被分析物の存在を判定するためにサンプルでアッセイを実施する能力を有する例示的な診断機器としては、Hologic,Inc.(Marlborough,MA)によって販売されているTigris(登録商標)、Panther(登録商標)、およびPanther Fusion(登録商標)システム、ならびに2016年3月3日に公開された米国特許出願公開第2016/0060680号で開示されている診断機器のうちのいずれかが挙げられる。
【0050】
図1Aは、本開示の実施形態を説明するために使用される例示的な分析機器もしくは診断機器またはシステム10を図示する。図1Aに図示する診断システム10は、複数のサンプルの分子試験を実施するように構成されたPanther Fusionシステム(Hologic,Inc.製)である。しかしながら、このシステム10は単なる例示にすぎず、また本開示の実施形態は、任意の用途で、かつ任意の機器とともに(またはいかなる機器も用いずに)使用されてもよい。診断システム10は、サンプルの任意のタイプの分析を実施するように構成されてもよい。一部の実施形態では、診断システムは、複数のサンプルに対して複数の異なる分析(例えば、分子アッセイ)を実施するように構成されてもよい。一部の実施形態では、診断システム10は、異なるサンプル上で異なる標的核酸増幅反応を実施するように構成されてもよい。例えば、複数のサンプルを診断システム10上に、または診断システム10内に装填してもよく、またシステム10は、複数のサンプルのうちの第一のサブセット上で第一の分析(例えば、第一の標的核酸増幅反応)を実行し、かつ複数のサンプルのうちの第二のサブセット上で異なる分析(例えば、第二の標的核酸増幅反応)を実施してもよい。
【0051】
一部の実施形態では、診断システム10は、モジュール式構造を有してもよく、また動作可能に共に連結された複数のモジュールから成ってもよい。例えば、システム10は、第一のモジュール100および動作可能に共に連結された第二のモジュール400を備えてもよい。第一のモジュール100および第二のモジュール400の両方は、第一の分析および/または第二の分析の一つ以上の工程を実施するように構成されてもよい。一部の実施形態では、第一のモジュール100および第二のモジュール400は、選択的に共に連結された別個のモジュールであってもよい。すなわち、第一のモジュール100は選択的かつ動作可能に一つの第二のモジュール400と連結することができ、また第一のモジュール100はこの第二のモジュール400から選択的に分離し、そして異なる第二のモジュール400と連結することができる。第一のモジュール100および第二のモジュール400は、任意の方法によって共に連結されてもよい。例えば、締結具(例えば、ボルトまたはねじ)、クランプ、ベルト、ストラップ、または締結装置/取り付け装置の任意の組み合わせが、これらのモジュールを共に連結するために使用されてもよい。一部の実施形態では、診断システム10は、一体型の内蔵型構造(すなわち、第一のモジュール100を第二のモジュール400に連結すること、および第二のモジュール400から分離することができない)であってもよい。
【0052】
一部の実施形態では、電力、データ、および/またはユーティリティラインまたは導管(空気、水、真空など)は、第一のモジュール100と第二のモジュール400との間に延在してもよい。一部の実施形態では、第一のモジュール100は、第一の核酸増幅反応(例えば、転写媒介増幅反応(TMA)、核酸配列ベース増幅(NASBA)反応、および鎖置換増幅(SDA)反応)の持続時間の間、等温条件(すなわち、実質的に一定温度)を必要とする第一の核酸増幅反応を実施するように構成され、また第二のモジュール400は、熱サイクル(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR))を必要とする第二の核酸増幅反応を実施するように構成される。一部の実施形態では、第一のモジュール100は、顧客によって以前購入された診断システムであってもよく、また第二のモジュール400は、後から購入された組み合わせられたシステムの分析能力を拡張する診断モジュールであってもよい。例えば、システム10がPanther Fusion(登録商標)システム(Hologic, Inc.製)である一実施形態では、第一のモジュール100は、サンプルのTMAアッセイを実施するように構成されたPanther(登録商標)機器であってもよく、またモジュール400は、PCRアッセイ能力を追加することによってPanther機器の機能性を拡張するように構成されたPanther Fusion(登録商標)Sidecarであってもよい。
【0053】
例示的な第一のモジュール100および第二のモジュール400を有する例示的な診断システム10は、米国特許公開第2016/0060680号および同第2016/0032358号に記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。第一のモジュール100および第二のモジュール400の例示的なシステム、機能、構成要素、および能力は、上述の出版物に記載されており、簡潔のために本明細書には記載しない。数ある構成要素の中でも、第一のモジュール100および/または第二のモジュール400は、開放され、かつサンプルを保持する容器、試薬を貯蔵する容器、分析に関与する反応を実施するためのレセプタクルなどを装填しうる区画(例えば、引き出し、キャビネットなど)を含んでもよい。これらの区画は、分析で使用される試薬を有する複数の容器を貯蔵する流体引き出し300を含む。第一のモジュール100および/または第二のモジュール400の構成要素は、容器、レセプタクル、またはホルダー輸送機(モジュール100、400の異なる装填ステーション(ヒーター、インキュベーターなど)の間で容器、レセプタクル、またはホルダーを動かすための)、および流体移送装置(所望の量のサンプルおよび試薬を容器からレセプタクルへと移送する)も含む。これらの物質移送装置は、モジュール100、400の異なる場所(例えば、流体引き出し300、サンプル容器、反応レセプタクルなど)の間の制御され、自動化された動きのために構成されたロボットピペッタ200を含んでもよい。ロボットピペッタ200は、サンプルおよび試薬を保持する容器にアクセスするために構成されたチップ(例えば、使い捨てチップ)を有するプローブを含み、また所望の量のそれらの内容物を反応レセプタクルおよびバイアルへと移送する。
【0054】
一つの例示的な実施形態では、流体引き出し300は、複数の試薬容器を保持するように構成される。一部の実施形態では、流体引き出し300は、第二のモジュール400の一部であってもよい。しかしながら、流体引き出し300が第一のモジュール100の一部であることも意図されている。
【0055】
流体引き出し300は、移動可能フレーム302および固定サポート304を含むことができる。移動可能フレーム302は、フレーム302を固定サポート304に対して動かすことができるように、固定サポート304へと移動可能に連結(例えば、摺動可能に)することができる。固定サポート304は、システム10のフレームと一体型であってもよく、またはシステム10のフレームに連結されてもよい。フレーム302は、フレーム302と、そこに連結された、またはこれによって支持された構成要素とが機器10の中にある閉位置(図1Aおよび図2に示すような)と、そこに連結された、またはこれによって支持された構成要素にオペレーターがアクセス可能である開位置(図1Bに示すような)との間を動かすことができる。例えば、流体引き出し300(または第二のモジュール400のハウジング)のドアまたはカバーパネルをオペレーターが掴んで、フレーム302を機器10の中の閉位置から開位置へとスライドして出すことができ、これによってオペレーターは流体引き出し300の内容物にアクセスすることができる。ドアまたはカバーパネルは、第二のモジュール400の正面に審美的に心地よい外観を提供する場合がある。第二のモジュール400が動作しているときに流体引き出し300のフレーム302が引き出されて開くのを防止するために、システムコントローラによって制御される自動化されたロックが提供されてもよい。一部の実施形態では、流体引き出し300が適正に閉じていないことを表示するために、可視および/または可聴警告信号が提供されてもよい。
【0056】
図1Bは、一実施形態による、開位置にある流体引き出し300のフレーム302を有する診断システム10の一部分の拡大斜視図である。そして図2は、閉位置にあり、システム10の残りの部分から分離された例示的な流体引き出し300の斜視図である。下記の考察では、図1Bおよび図2の両方に対して参照がなされることになる。流体引き出し300は、診断システム10の主本体に連結される、またはそれと一体型にされる固定サポート304からスライドして出しうるフレーム302を含んでもよい。流体引き出し300のフレーム302は、流体試薬(すなわち、機器10によって実施される分析中に使用される任意の流体)を収容する容器を装填するためにオペレーターによって開放されてもよい。流体引き出し300のフレーム302は、異なるタイプの試薬を運ぶ一つ以上の容器を保持するように構成された一つ以上の容器ホルダーを含んでもよい。一般に、容器ホルダーは、流体が充填された容器をその中に受容するためにその上に連結された、またはその上に形成された一つ以上のレセプタクル(例えば、陥凹部、ポケット、くぼみ等)を含む構成要素であってもよい。一部の実施形態では、容器ホルダーは、非導電性プラスチックまたは高分子材料を使用して成形された構成要素であってもよい。しかしながら、一部の実施形態では、容器ホルダーは導電性材料を使用して形成されてもよく、または容器ホルダーの異なる領域は、異なる材料(例えば、非導電性および導電性材料)から形成されてもよいことも意図される。一部の例示的な実施形態では、流体引き出し300のフレーム302は、一部の実施形態で溶出緩衝液容器または任意の他の所望の試薬を有する容器を収容する容器ホルダー500と、一部の実施形態で非溶出緩衝液試薬または任意の他の所望の試薬を収容する容器ホルダー600とを含む。一部の実施形態では少なくとも容器ホルダー500は、フレーム302へと取り外し可能に連結される。例えば、容器ホルダー500を、フレーム302とともに閉位置と開位置との間で動かすことができ、またそのとき閉位置においてフレーム302から取り外す、または分離することができる(下記でさらに説明するように)。
【0057】
要件ではないが、一部の実施形態では、容器ホルダー500は、各々が容器502(例えば、溶出緩衝液を収容する容器)をその中に受容するように構成される二つのレセプタクル501を含んでもよい。例えば、図2は、その二つのレセプタクル501の各々の中に容器502を含む例示的な容器ホルダー500を図示し、また図3は、その二つのレセプタクル501のうちの一つの中に容器502を含む例示的な容器ホルダー500を図示する。一部の実施形態では、容器ホルダー600は六つのレセプタクル601を含んでもよく、各々がその中に試薬を収容する容器を受容するように構成される。一部の実施形態では、試薬容器ホルダー600の六つのレセプタクルは、二つの油容器および四つの再構成流体容器602を受容するように構成されてもよい(図3を参照のこと)。例えば、図2は、各レセプタクル601内に試薬容器602を有する例示的な試薬容器ホルダー600を図示し、また図3は、その六つのレセプタクル601のうちの一つの中に試薬容器602(例えば、再構成流体容器)を有する例示的な試薬容器ホルダー600を図示する。
【0058】
一部の実施形態では、容器ホルダー500および容器ホルダー600は、相互に隣接して定置された、または互いに離隔した別個の構成要素であってもよい。例えば、一部の実施形態では、容器ホルダー500は、フレーム302の領域(例えば、任意のポケット、くぼみ、陥凹部等)内に適合してもよい。図9で最も良好に見られるように、例えば、容器ホルダー500を受容するように構成された陥凹部636がフレーム302内に画定される。陥凹部636は、少なくとも部分的に、容器ホルダー600のパネル632、フレーム302のベースパネル638、およびフレーム302のバックパネル634によって画定することができる。このように、フレーム302が開位置と閉位置との間で動くのにつれて、パネル632、ベースパネル638、およびバックパネル634(およびこれらによって画定される陥凹部636)の各々は動く。図9で最も良好に見られるように、容器ホルダー500が移動する経路と交差する陥凹部636の側面は、容器ホルダー500を輸送機700によって陥凹部636の中に簡単に挿入できるように、(陥凹部636の前側、下側、および後側とは異なり)実質的に境界がない。
【0059】
二つの分離された容器ホルダー(容器ホルダー500および容器ホルダー600)を有する流体引き出し300が上記で説明されているが、これは単なる例示にすぎない。一般に、流体引き出し300は、任意の数の容器ホルダーを含んでもよく、各々は任意の数のレセプタクルを有する。例えば、一部の実施形態では、二つの容器ホルダー(例えば、二つのレセプタクル501を有する容器ホルダー500および六つのレセプタクル601を有する容器ホルダー600)の代わりに、単一の容器ホルダー(例えば、八つのレセプタクルを有する)を流体引き出し300内に提供してもよい。容器ホルダー内のレセプタクルの数およびサイズは、数ある中でも、意図されたスループットの考慮、および必要な資材の補充作業間の所望の期間によって定められてもよい。流体引き出し300内の容器は、RFIDなどの機械可読コードによって識別されてもよい。可視信号(例えば、赤と緑のLED)および/またはその他の指標(テキストによる、可聴等)を有するインジケータパネル307は、オペレーターに容器の状態に関連するフィードバックを提供するために、フレーム302上または流体引き出し300内(または容器ホルダー上)に提供される。インジケータパネル307は、流体引き出し300または容器ホルダー内の任意の場所に位置付けられてもよい(図1Bおよび図2のインジケータパネル307の異なる例示的な位置に留意)。
【0060】
一部の実施形態では、診断システム10は、一つ以上の容器ホルダー(例えば、容器ホルダー500または容器ホルダー600)を流体引き出し300のフレーム302から診断システム10内の別の場所へと動かすように構成された容器ホルダー輸送機700(例えば、図2図9図12、および図13を参照のこと)を含んでもよい。図2図9図12、および図13に示すように、例えば、ホルダー輸送機700は、フレーム302が閉位置にあるときに、フレーム302の後端近くの容器ホルダー500に隣接して位置付けられうる。ホルダー輸送機700を以下でさらに説明する。
【0061】
図4A図4Eおよび図7は、様々な実施形態による容器ホルダー500の種々の図を図示する。図7は、そのレセプタクル501のうちの一つの中に例示的な容器502(例えば、溶出緩衝液で充填された容器)を有する例示的な容器ホルダー500(例えば、溶出緩衝液容器ホルダー)を図示し、また図4A図4Eは、そのレセプタクル501の中にいかなる容器502も有しない例示的な容器ホルダー500を図示する。図4A図4Eおよび図7を総合的に参照すると、容器ホルダー500は、流体容器502を受容するための二つのレセプタクル501を形成する基部またはタブ部分510と、タブ部分510の上部から外向きに延在するフランジ517とを含んでもよい。図4Bで最も良好に見られるように、フランジ517は、一部の実施形態では、タブ部分510の左側側面および右側側面ならびに後側の周りに延在してもよい。容器ホルダー500は、少なくとも一つのチャネルを画定することができる。例えば、容器ホルダー500は、容器ホルダー500の左側側面および右側側面上に一対のチャネル520Aおよび520Bを画定することができる。一部の実施形態では、チャネル520Aおよび520Bは、フランジ517内に画定され、かつそれぞれ一対のばねアーム518Aおよび518Bによって少なくとも部分的に境界を有する。チャネル520Aおよび520Bは、開位置と閉位置との間で移動するフレーム302の方向と実質的に平行な方向に延在してもよい。その結果、チャネル520Aおよび520Bは、フレーム302が閉位置へと動く際、輸送機700のピン730を受容してもよい(以下でさらに説明する)。
【0062】
さらに、図4A図4Eおよび図7の容器ホルダー500は、概して長方形状の断面形状を有するレセプタクル501を有するが、これは単なる例示にすぎない。一般に、レセプタクル501は、所望の流体容器を受容するように構成された任意の形状(例えば、長方形、正方形、多角形、円形、楕円形等の断面形状)およびサイズを有してもよい。一部の実施形態では、図7(および図4A図4E)に図示するように、容器ホルダー500の対向する側面および下面は、二つのレセプタクル501を分離する隙間514(または谷)を含んでもよい。しかしながら、隙間514は単なる例示にすぎない。一部の実施形態では、隙間514は省略されてもよく、また容器ホルダー500の側面および/または下面は連続的な表面を含んでもよい。典型的には、レセプタクル501の形状およびサイズは、レセプタクル501内に受容されることになる所望の流体が充填された容器502(例えば、溶出緩衝液で充填された容器)の形状およびサイズと一致しうる。一部の実施形態では、容器ホルダー500の表面にRFIDタグが取り付けられてもよい。
【0063】
図4A図4Cおよび図4Dに示され最も良好に見られるように、容器ホルダー500は、一部の実施形態では、容器ホルダー500の下部壁Eから延在する一つ以上のノブを含むことができる。例えば、容器ホルダー500は、下部壁Eから延在するノブの一対の離間したノブ522Aおよび522Bを含むことができる。ノブ522Aは、一方のレセプタクル501と整列することができ、ノブ522Bはもう一方のレセプタクル501と整列することができる。各ノブ522Aおよび522Bは、下部壁Eから延在するそれぞれのポスト部分526Aおよび526Bを有し、またフランジ524Aおよび524Bは、ポスト部分526Aおよび526Bの遠位端から外向きに延在する。下記にさらに説明するように、容器ホルダー500をフレーム302へとロックするために、ノブ522Aおよび522Bを使用することができる。
【0064】
一部の実施形態において、容器ホルダー500は、下部壁Eから延在する離間したノブの第二の対、528Aおよび528Bを含む。ノブ528Aは一方のレセプタクル501と整列することができ、ノブ528Bはもう一方のレセプタクル501と整列することができる。ノブ528Aおよび528Bはドーム様形状で図示されているが、ノブ528Aおよび528Bは他の形状、例えば、円筒状または円錐形状を有することができる。下記にさらに説明するように、ノブ528Aおよび528Bを使用して、フレーム302に対して容器ホルダー500の位置をレジスタ(すなわち、整列)することができる。
【0065】
図4Cは、側壁Aおよび下部壁Eを示すタブ部分510を含む、容器ホルダー500の下面斜視図である。図4Dおよび図4Eは、それぞれ側壁DおよびCを示す、タブ部分510を含む、容器ホルダー500の別の下面斜視図および正面斜視図である。この場合も、一部の実施形態では、タブ部分510は、非導電性材料(例えば、プラスチック)から形成されてもよい。一部の実施形態では、タブ部分510本体は、電気的接地または電圧源に接続のための少なくとも一つの導電性の外側表面を有し、また一部の実施形態では、容器ホルダー500は導電性金属だけで形成されはしない。
【0066】
例えば、図4C図4Eに図示するように、容器ホルダー500の側壁A、B、C、およびD、ならびに下部壁Eのうちの一つ以上は、金属化された部分516を含んでもよい。図4Cに図示するように、一部の実施形態では、対向する側壁AおよびBならびに下部壁Eの実質的に外側表面全体は、金属化された部分516を含んでもよい。また、図4Dおよび図4Eに図示するように、対向する側壁CおよびDの外側表面の少なくとも一部分は、金属化された部分516を含んでもよい。これらの図内の金属化された部分516は、表面上にハッチング線を使用して図示されている。側壁CおよびDの表面の金属化された部分516ならびに側壁AおよびBの表面の金属化された部分516は、下部壁Eの表面の金属化された部分516に隣接してもよい。すなわち、下部壁Eならびに側壁A、B、CおよびDの表面の金属化された部分516は連続する表面を形成してもよい。一部の実施形態では、図4C図4Eに図示するように、側壁CおよびDの表面、ならびに隙間514の中の下部壁Eの表面も、金属化された部分516を含んでもよい。しかしながら、一部の実施形態では、隙間514の中の表面の一部またはすべては、金属化された部分516を含まない場合がある。例えば、一部の実施形態では、側壁CおよびD上の隙間514の表面は、金属化された部分516を含まなくてもよく、また下部壁E上の隙間514の表面は金属化された部分516を含んでもよい。
【0067】
金属化された部分516は、タブ部分510の壁の一部分(例えば、側壁A、B、C、D、または下部壁E)を導電性金属の層で覆うことによって形成されてもよい。金属化された部分516の金属層は、任意の好適な厚さを有してもよい。一部の実施形態では、金属化された部分516の厚さは、約0.5~2.0ミルの厚さであってもよい。しかしながら、この厚さは単なる例示にすぎない。本開示の異なる実施形態では、金属化された部分516は、約0.2~10ミルの任意の値の厚さを有してもよい。金属化された部分516は、任意の方法によって表面へと貼り付けられてもよい。一部の実施形態では、金属箔(例えば、アルミニウム箔、銅箔、鋼箔等)は、接着剤層を使用してタブ部分510の壁に取り付けられてもよい。例えば、一部の実施形態では、接着面を有するアルミニウム箔(または別の導電性材料の箔)は、金属化された部分516を形成するために、タブ部分510の壁(側壁、下部壁等)の表面に取り付けられてもよい。一部の実施形態では、タブ壁(側壁、下部壁等)の表面は、金属化された部分516を形成するために任意の公知の被覆プロセス(例えば、無電解めっき、蒸着、導電性塗料を使用した塗装等)を使用して金属層(アルミニウム、鋼、銅等)で被覆されてもよい。
【0068】
側壁A、B、CおよびDの任意の領域は、金属化された部分516を含んでもよい。図4Cは、金属化された部分516を有するものとして側壁Aおよび下部壁Eの実質的に全表面(すなわち、実質的に面積の100%)を図示するが、これは単なる例示にすぎない。同様に、図4Dおよび図4Eは、側壁CおよびDの長さの約20~30%が金属化された部分516を含むことを図示するが、これは単なる例示にすぎない。一般に、側壁A、B、CおよびDの外側表面の任意の好適な量は、金属化された部分516を含んでもよい。例えば、一部の実施形態では、側壁A、B、CおよびDの表面(例えば、長さ、面積等)の約5~20%、20~30%、40~50%、50~75%、75~100%は金属化された部分516を含んでもよい。一部の実施形態では、タブ部分510の選択された表面のみ(例えば、下部壁E)が金属化された部分516を含んでもよい。さらに、図4C図4Eは、タブ部分510の外部表面上に形成されたものとして金属化された部分516を図示するが、これは単なる例示にすぎない。一部の実施形態では、これらの金属化された部分516の代替として、またはこれに加えて、タブ部分510の壁(壁の部分または実質的に壁のすべて)を、導電性金属で形成してもよく、または導電性プラスチックを使用して製造してもよい。例えば、一部の実施形態では、下部壁Eおよび/または側壁A、B、CおよびDの部分を形成するために、プラスチック成形の中に導電性金属インサートを含んでもよい。
【0069】
図5Aおよび図5Bは、容器ホルダー500のレセプタクル501内に定置されうる例示的な流体容器502(例えば、溶出緩衝液で充填された容器)の断面概略図を図示する。流体容器502は、流体508(例えば、溶出緩衝液)を収容するカップ様の貯蔵部506と、貯蔵部の口を覆うシーリングフォイル504とを含んでもよい。一部の実施形態では、容器502は、カップ内の流体を封入する箔リッドを有するヨーグルトカップと構造的に類似していてもよい。使用中、流体移送装置(例えば、(図1Aに示すピペッタ200と類似の)ロボットピペッタ)のプローブチップ(例えば、一体的に形成されたピペットチップまたは解放可能に連結された使い捨てピペットチップ)は、シーリングフォイル504を通して貫通し、容器502内の流体508にアクセスするためにシーリングフォイルに穴を形成する(図7のシーリングフォイル504で見える)。プローブチップが解放可能に連結された使い捨てピペットチップである一部の実施形態では、チップは導電性プラスチックで形成される。一部の実施形態では、図5Bに図示するように、容器502のシーリングフォイル504は、例えば、弾性隔壁を形成する弾性シート505Aによって覆われてもよい。一部の実施形態では、弾性シート505Aは、プローブチップを通過させるためのスリット(すなわち、切り込みであってもよい)を含んでもよい。こうした実施形態では、プローブチップは、シート505A内のスリットを通過し、そして容器502に入るためにスリットの下でフォイル504を貫通してもよい。一部の実施形態では、容器502に入る際に、プローブチップは弾性シート505Aを切り取って、スリット(またはフラップ)を弾性シート505A上に作り出してもよい。シーリングフォイル504上の(プローブチップによって形成された)穴の上にある弾性シート上のスリットは、容器502からの流体508の蒸発を低減しうる。一部の実施形態では、弾性シート505Aは、ピペッタのプローブチップに対するアクセスを提供するための隔壁または開口部を有する硬質プラスチックカバー505Bによって覆われてもよい(図3参照)。こうした実施形態では、容器502内の流体508にアクセスするために、ピペッタのチップは、硬質プラスチックカバー505Bの穴または隔壁を通して弾性シート505Aおよびフォイル504を通過してもよい。再構成溶液を収容してもよい流体容器602は、一部の実施形態では溶出緩衝液を収容してもよい図5Aおよび図5Bの容器502と構造的に類似していてもよい。すなわち、再構成流体容器602は、シーリングフォイル604(図5Aのシーリングフォイル504と類似した)、または弾性シート605Aおよびプラスチックカバー605B(図5Bと類似した)によって覆われたシーリングフォイルの形態のカバーを有するカップ様の貯蔵部を有してもよい。
【0070】
一部の実施形態では、輸送機700は、フレーム302が閉位置にあるときに、容器ホルダー500と解放可能に、かつしっかりと連結するように構成されたホルダーサポート720を含む。例示的なホルダーサポート720を、図6図7および図8に図示する。ホルダーサポート720は、流体引き出し300のフレーム302が開位置へと引き出されたときに固定されてもよく、これにより容器ホルダー500のタブ部分510がホルダーサポート720からスライドして出て、そしてオペレーターは容器502をレセプタクル501の中へと装填できる。ホルダーサポート720は、ホルダーサポート720の一部分がレセプタクル501内からの容器502の引き出しを(例えば、上向きの垂直方向での)阻止するように、(タブ部分510に対して)配向されてもよい。図6に図示するように、ホルダーサポート720は、上部部分722と、上部部分722から離間した下部部分724とを含んでもよい。上部部分722および下部部分724は、一対のピン730(図6に示す)によって離間することができる。他の実施形態では、上部部分722は、機械的締結具(ねじ等)または任意の他の好適な方法を使用して、下部部分724へと(またはシステム10へと)取り付けられてもよい。一部の実施形態では、上部部分722および下部部分724は、単一の一体型部品として形成されてもよいことも意図されている。
【0071】
上部部分722と下部部分725との間に画定される空間の容積は、容器ホルダー500の一部分、例えば、フレーム302が閉位置へと動く際にフランジ517を含む容器ホルダー500の上部部分を受容するように構成される。一部の実施形態では、ホルダーサポート720の下部部分724は、容器ホルダー500の対向する側の上に棚726を形成する。棚726は、ホルダーサポート720が容器ホルダー500に連結されたときに、容器ホルダー500を支持する表面728を含むことができる。フランジ517を含む容器ホルダー500の上部部分は、上部部分722と下部部分724との間に画定される空間の容積内に受容されるので、ピン730はフランジ517によって画定されるそれぞれのチャネル520Aおよび520B内でスライドし、フランジ517は下部部分724の表面728に対して置かれる。一部の実施形態では、ばねアーム518Aおよび518Bは、チャネル520Aおよび520Bの中に受容されるそれぞれのピン730と締まり嵌め(例えば、スナップ嵌め)を作り出すように構成される。図4Bで最も良好に見られるように、ばねアーム518Aおよび518Bの遠位端は、ピン730と締まり嵌めを作り出すのを支援する突出部を含むことができる。この締まり嵌めは、容器ホルダー500を輸送機700のホルダーサポート720へと解放可能に固定し、容器ホルダー500の開位置へと向かう方向での動きを閾値力を超えるまで阻止する。その結果、容器ホルダー500は、これらから係脱されることなく、ホルダーサポート720と共に動くことができる。
【0072】
一部の実施形態では、上部部分722は、非導電性材料(例えば、プラスチック)で作製されてもよく、また下部部分724は、非導電性材料で作製されてもよく、または導電性材料(例えば、アルミニウム、鉄、鋼、銅など)で作製されてもよい。
【0073】
上部部分722は、任意の形状および構成を有してもよく、またタブ部分510に対して固定されたとき、レセプタクル501からの容器502の取り外し(例えば垂直方向に上向きでの)を阻止しうる。一部の実施形態では、図6および図7に図示するように、上部部分722は、これを通して容器502の一部分を露出する開口部(例えば、長方形状の開口)を有する窓フレーム形状を有してもよい(図7参照)。しかしながら、窓フレームの形状は単なる例示にすぎない。一般に、上部部分722は、ホルダーサポート720がタブ部分510に対して固定されるとき、上部部分722の少なくとも一部分はレセプタクル501内の容器502の一部分の上にあり、かつ流体を収容している容器502のレセプタクルの少なくとも一部分を露出するように、任意の形状および構成を有してもよい。
【0074】
図7を参照すると、容器502(例えば、図5Aまたは5Bに示す容器)がタブ部分510のレセプタクル501内に定置された後、ホルダーサポート720の上部部分722の一部分が容器502の外側周辺部分の上にあるように、ホルダーサポート720を容器502の上部に取り付けることができる。上部部分722は、シーリングフォイル504の領域および/または弾性シート505Aの一部分を露出する窓フレーム形状の開口部を形成する(図5Bの容器が使用される場合)。容器502の上にある上部部分722の一部分は、レセプタクル501からの容器502の引き出し(例えば、容器502から流体を抽出した後、流体移送装置が容器502から上向き方向で抜き出されるときに、垂直方向上向きでの)を阻止(または防止)する。一部の実施形態では、容器502の上にある上部部分722の一部分は、シーリングフォイル504の下にある区域(または、図5Bの容器が使用されている場合は、硬質プラスチックカバー505B)を押し下げる。上部部分722が非導電性材料で作製され、かつ下部部分724が導電性材料で作製される実施形態では、上部部分722は、シーリングフォイル504をホルダーサポート720の下部部分724から電気的に絶縁(または分離)するように機能する。ホルダーサポート720の上部部分722と下部部分724とが両方とも導電性である(例えば、ホルダーサポート720が金属などの導電性材料で作製された単一の構成要素である)実施形態では、シーリングフォイル504をホルダーサポート720から絶縁するために、絶縁層(例えば、絶縁テープ、ワッシャー等)を、上部部分722とシーリングフォイル504との対になっている表面の間に位置付けてもよい。ホルダーサポート720は、輸送機700に取り付けられるとして説明されているが、ホルダーサポート720は、ホルダーサポート720の一部分がタブ部分510のレセプタクル501内に位置付けられた容器502の上にあるように、システム10の任意の構成要素に取り付けられ、かつ配向されてもよい(タブ部分510に対して)。
【0075】
図8は、そのレセプタクル内に容器502を有する容器ホルダー500の例示的な断面概略図を図示する。ホルダーサポート720が容器ホルダー500に連結されるとき、ホルダーサポート720の下部部分724は、タブ部分510の側壁Aおよび側壁Bの金属化された部分516上の接触領域512に接触する(図16も参照のこと)。接触領域512は、タブの側壁A、Bの表面の任意の長さまたは面積にわたって延在してもよい。一部の実施形態では、接触領域は側壁A、Bの表面の長さ(または面積)の約10~30%延在してもよい。しかしながら、一部の実施形態では、接触領域512は側壁A、Bの表面のより大きい長さまたは面積(例えば、約40~60%等)にわたって延在してもよいことも意図される。一部の実施形態では、ホルダーサポート720は、下部部分724が、側壁AおよびBに加えて、側壁CおよびDとも接触するように構成されてもよい。一部のこうした実施形態では、側壁CおよびD上の金属化された部分は、側壁CおよびDの実質的に表面全体にわたって延在してもよい(側壁AおよびBと同様である)。
【0076】
ホルダーサポート720が容器ホルダー500に取り付けられたとき、ホルダーサポート720の金属下部部分724を、容器ホルダー500の外側導電性表面へと、例えば、側壁AおよびB上の金属化された部分516を通してタブ部分510の下部壁Eへと電気的に接続することができる。この接触により、容器ホルダー500のタブ部分510の周囲の導電性平面または回路の形成が可能になる。この導電性平面は、ホルダーサポート720の非導電性上部部分722によって、(レセプタクル501内の容器502の)シーリングフォイル504から電気的に絶縁される。金属化された部分516が主に下部壁E上にある実施形態では、導電性平面は、主に下部壁Eによって形成されてもよい。一部の実施形態では、棚726は、接触領域512と同じ側に位置付けられてもよい(すなわち、対向する側壁AおよびB上、またはホルダーサポート720の下部部分724が側壁に接触する場合、同一側面上)。しかしながら、一部の実施形態では、棚726は、容器ホルダー500の二つの対向する側面よりも多くの側面(例えば、四つの側面すべて等)の上に形成されてもよい。
【0077】
流体引き出し300のフレーム302が閉位置にあるとき(図1Aおよび図2に示すように)、ホルダー輸送機700のホルダーサポート720(図2を参照のこと)は、容器ホルダー500を第二のモジュール400内の流体引き出し300内のフレーム302上の位置(例えば、陥凹部632内に据えられたとき)と第一のモジュール100内の位置150へとの間で動かすために、容器ホルダー500を係合する。図9は、フレーム302が閉位置にあるときに、流体引き出し300内の容器ホルダー500と係合する例示的なホルダー輸送機700を図示する。ホルダー輸送機700は、アクチュエータ702をホルダーサポート720へと動作可能に連結する一つ以上のアーム704を含む。アーム704のうちの少なくとも一つは、アクチュエータがアーム704を動かすように、アクチュエータ702へと連結される。一部の実施形態では、アクチュエータ702は、アーム704のうちの少なくとも一つを回転させる電気モータである。例えば、図9を参照すると、輸送機700は二つのアーム704を含む。図9の右のアームの一方の端は、電気モータ702の駆動シャフトに固定的に連結され、また左のアームの一方の端はシステム10の一部分に旋回可能に連結される。右のアームおよび左のアーム704の他方の端は、ホルダーサポート702へと旋回可能に連結される。その結果、電気モータ702が右アーム704を回転するにつれて、アーム704はホルダーサポート720を動かす。アーム704の接続点に起因して、ホルダーサポート720は、垂直成分および水平成分の両方を含む弓形経路に沿って移動する。すなわち、図9を参照すると、ホルダーサポート720(ひいてはこれらへと連結された容器ホルダー500および容器502)は、垂直方向上向きおよび下向き(すなわち、垂直成分)のいずれかに動くのと同時に、水平方向左または右(すなわち、水平成分)のいずれかで動く。他の実施形態では、ホルダーサポート720が、垂直成分を含む他の非弓形経路に沿って動くように、アーム704を構成することができる。
【0078】
一部の実施形態では、フレーム302は、フレーム302に対して容器ホルダー500を整列し、かつ/またはこれを支持するために容器ホルダー500と係合する、ホルダーインターフェース構成要素を含む。例えば、図9図10および図11に示すように、フレーム302のパネル634は、一対の突出部640Aおよび640Bを含むことができる。また図4Dに示すように、容器ホルダー500は、使用時にフランジ517から下向きに延在する一部分530を含むことができ(ただし、図4Dの配向では上向きである)、そして部分530は一対のスロット532Aおよび532Bを画定する。スロット532Aおよび532Bと突出部640Aおよび640Bとは、容器ホルダー500が陥凹部636の中に据えられたときに、スロット532Aおよび532Bがそれぞれ突出部640Aおよび640Bの少なくとも上方部分を受容するように構成される。ホルダーサポート720は、垂直成分を含む経路に沿って動くので、これによって突出部640Aおよび640Bの上方部分をそれぞれスロット532Aおよび532Bから取り外すように、ホルダーサポート720を持ち上げることができる。
【0079】
一部の実施形態では、アーム704は、システム接地に接続された構成要素(例えば、第二のモジュール400のハウジング)に電気的に連結される第二のモジュール400の構造部材に旋回可能に連結される(すなわち、アーム704は電気的接地される)。ホルダー輸送機700の起動に伴い、アーム704は、ベアリング710を介してホルダーサポート720と係合し、かつ容器ホルダー500を流体引き出し300内の閉位置におけるフレーム302上の位置から第一のモジュール100内の位置150へと動かす。それ故に、アーム704がホルダーサポート720と係合するとき、その金属化された部分516によって形成される容器ホルダー500の導電性平面(例えば、側壁AおよびBならびに/または下部壁E上)は、ホルダーサポート720の金属下部部分724、ベアリング710およびアーム704を通してシステム接地に電気的に接続される(または接地される)。下記の考察では、タブ部分510上に形成されたこの接地された導電性平面は、接地平面と呼ばれる。
【0080】
一部の実施形態では、図9に図示するように、容器ホルダー500が場所150に位置付けられるときに、診断システム10の導電性ブラシ110は、タブ部分510の側壁(例えば、側壁B)上の金属化された部分516と電気的接触しうる。ブラシ110は、システム接地に接続されているシステム10の構成要素に取り付けられてもよく、それ故に電気的接地される場合がある。一部の実施形態では、ブラシ110は、第一のモジュール100の構成要素に取り付けられてもよい。図15は、例示的なブラシ110を図示する。ブラシ110は、基部114に取り付けられたブラシ毛112を含んでもよい。基部114は、導電性経路を可能にする任意の好適な機構を介して第一のモジュール100の接地された構成要素へと取り付けられてもよく、これによりブラシ毛112は、溶出緩衝液容器ホルダー500が第一のモジュール100内の場所150に位置付けられたときに、タブ部分510の側壁(例えば、側壁B)上の金属化された部分516と接触する。ブラシ110が使用される実施形態では、側壁Bの金属化された部分516と接地されたブラシ110との間の電気的接触は、接地平面に対する追加的な(または代替的な)接地経路を提供する場合がある。
【0081】
容器ホルダー500が第一のモジュール100内の位置150に位置付けられたときに、容器502から所望の量の流体508(例えば、溶出緩衝液または任意の他の所望の試薬)を抽出するために、第一のモジュール100の流体移送装置(例えば、自動化されたロボットピペッタ800)が使用されてもよい。ピペッタの構造および動作は、本明細書に参照により組み込まれる出版物で説明されているため、本明細書には記載しない。図16は、容器ホルダー500内の流体容器502から流体508を抽出するロボットピペッタ800の概略図である。ピペッタ800は、容器502内の流体508にアクセスするために、容器502の少なくともシーリングフォイル504を通して貫通するように構成されたプローブチップ810を含む。所望の量の流体508を抜き取った後、システム10の制御システムの制御下で、プローブチップ810を含むピペッタ800は容器502から抜き出され、システム10の異なる場所へと輸送されて、サンプル分析のために抜き取った流体を、例えば、レセプタクルまたはバイアルへと移す。当業者には公知であるように、システム10の動作中、ピペッタ800は、容器502の流体808に何回もアクセスし、かつ何回も該流体を抜き取ってもよく、これによって容器502の流体508の量は減少する。容器502からピペッタ800を抜き出す間、容器502の上にあるホルダーサポート720の一部分は、レセプタクル501および容器ホルダー500に対する容器502の垂直の動きを阻止しうる。
【0082】
一部の実施形態ではさらに、流体引き出し300は、フレーム302が開位置にあるとき(図1Bを参照のこと)、容器ホルダー500をフレーム302へと固定し、またフレーム302が閉位置にあるとき(図1Aを参照のこと)、容器ホルダー500をフレーム302からロック解除するホルダーロックも含む。この構成を有するロックは、輸送機700が、フレーム302上の陥凹部636の中の位置(フレーム302が閉位置にあるとき)と、第一のモジュール100内の位置150への間で容器ホルダー500を動かすことができるようにし、一方で、ホルダー500をフレーム302から分離することなく、オペレーターが容器ホルダー500のレセプタクル501から容器502を取り外す際に、容器ホルダー500をフレーム302へと固定することもできるようにする。
【0083】
一部の実施形態では、容器ホルダー500を受容する陥凹部636を部分的に画定するベースパネル638は、容器ホルダー500が陥凹部636内に受容されたときに、これを通して容器ホルダー500のノブ522A、522B、528Aおよび528Bを受容するように構成された複数の開口部641A、641B、642Aおよび642Bを画定する。図12および図13に示すように、ノブ522A、522B、528Aおよび528Bは、容器ホルダー500が陥凹部636内に受容されたときに、ベースパネル638の上側からベースパネル638の下側へと延在する。こうした実施形態では、ノブ522Aおよび522Bのフランジ524Aおよび524Bは、パネル638の下面からある距離だけ離間している。こうした実施形態では、ホルダーロックは、フレーム302に移動可能に連結された少なくとも一つのアーム644を含むことができる。例えば、アーム644がこれを中心として回転する軸を画定するピボットピン646を使用して、アーム644をフレーム302の下側に旋回可能に連結することができる。アーム644は、ロックされたアーム位置とロック解除されたアーム位置との二つのアーム位置の間で開口部641Aおよび641Bに対して移動可能である。
【0084】
一部の実施形態では、ロックされたアーム位置(例えば、図11および図13を参照のこと)において、アーム644は開口部641Aを通して延在するノブ522Aの一部分を係合し、これによって容器ホルダー500をフレームへと固定する。一部の実施形態では、アーム644は、第一のアーム位置において開口部641Bを通して延在するノブ522Bの一部分も係合する。例えば、一部の実施形態では、アーム644は、アーム644の一方の端における第一のフック648Aおよびアーム644のもう一方の端における第二のフック648Bを含む。ロックされたアーム位置において、第一のフック648Aは、開口部641Aを通して延在するノブ522Aの一部分と、フランジ524Aとベースパネル638の下面との間で係合することができ、また第二のフック648Bは、開口部641Bを通して延在するノブ522Bの一部分と、フランジ524Bとベースパネル638の下面との間で係合することができる。このように、第一のフック648Aおよび第二のフック648Bは、フランジ524Aおよび524Bと(垂直方向で)重なり、これによってフレーム302に対する容器ホルダー500のノブ522Aおよび522Bの上向きの垂直の動きを阻止し、かつ容器ホルダー500をフレーム302へとロックする。
【0085】
一部の実施形態では、ロック解除されたアーム位置において(例えば、図12を参照のこと)、アーム644は、開口部641Aおよび641Bを通して延在するノブ522Aおよび522Bから係脱され、これによって容器ホルダー500はフレーム302からロック解除される。一部の実施形態では、ロック解除されたアーム位置において、第一のフック648Aは、開口部641Aを通して延在するノブ522Aの一部分を、フランジ524Aとベースパネル638の下面との間で係脱し、また第二のフック648Bは、開口部641Bを通して延在するノブ522Bの一部分を、フランジ524Bとベースパネル638の下面との間で係脱するように、アーム644は再配向される。また、ロック解除されたアーム位置において、第一のフック648Aだけでなく第二のフック648Bも、フランジ524Aおよび524Bの部分と(垂直方向で)重ならず、これによってフレーム302に対する容器ホルダー500のノブ522Aおよび522Bの上向きの垂直の動きを可能にし、そして容器ホルダー500をフレーム302からロック解除する。
【0086】
一部の実施形態では、アーム644はロックされたアーム位置へと付勢される。例えば、一部の実施形態では、ばね656は、図12に示したようにアーム644とフレーム302の一部分との間に、アーム644がロックアーム位置に付勢される方法で連結される。その他の実施形態(図示せず)では、アーム644はロック解除されたアーム位置へと付勢される。
【0087】
一部の実施形態では、ホルダーロックは、ロックされたアーム位置とロック解除されたアーム位置との間で受動的に作動する(能動アクチュエータを使用せずに)。例えば、図14に示すように、流体引き出し300の固定サポート304は、固定サポート304の基部から上向きに延在する固定されたピン658を含むことができる。ピン658は、フレーム302が閉位置(図1Aを参照のこと)に近づくと、ピン658がアーム644と係合するように位置付けられる。例えば、フレーム302が閉位置にあるときに、ピン658をフレーム302の後端の近くに位置付けることができる。フレーム302が閉位置へと継続すると、ピン658はアーム644に接触し、これによってピボットピン646を中心としてアーム644が旋回し、これによってアーム644をロック解除されたアーム位置へと動かす。またフレーム302が閉位置から開位置へと動くと、ピン658はアーム644を係脱し、アーム644を旋回してロックされたアーム位置へと戻すことができる。
【0088】
一部の実施形態では(図示せず)、ホルダーロックは、ロックされたアーム位置とロック解除されたアーム位置との間で能動的に作動する(能動アクチュエータを使用して)。例えば、一部の実施形態では、フレーム302およびアーム644にアクチュエータを連結することができる。フレーム302が閉位置(図1Aを参照のこと)に近づくと、またはフレーム302が閉位置に達した後のいずれかのときに、例えば、移動可能な要素に力を加えることによって、次いでアーム644をロック解除されたアーム位置へと動かす制御信号をアクチュエータに送信することができる。また、閉位置から開位置へと戻るフレーム302の動きが開始されたときに、次いでアーム644をロックされたアーム位置へと戻るように動かす制御信号をアクチュエータへと送信することができる。
【0089】
一部の実施形態では、流体引き出し300はまた、容器ホルダー500がフレーム302からロック解除されたときに固定サポート304に対するフレーム302の動きを阻止するフレームロックも含む。一部の実施形態では、フレームロックは、固定サポート304に固定された一つのロック用構成要素と、フレーム302へと固定された相補的なロック用構成要素とを含む。例えば、フレームロックは、フレーム302の後端に固定的に連結されたフック650と、ステーションサポート304の一部分652に固定的に連結されたキャッチ654とを含んでもよい。キャッチ654は、固定サポート304に対するフレーム302の動きが阻止されるような様式で、フック650を受容するように構成される。図示された実施形態では、フック650はフレーム302に連結され、かつキャッチ654は固定サポート304に連結されるが、キャッチ654をフレーム302に連結することができ、またフック650を固定サポート304に連結することができる。ピペッタ800は、容量式レベル感知(また、場合によってはその他の流体レベル感知または測定技法)を使用して、容器502内の流体508のレベルを検出するように適合されてもよい。容量式レベル液体感知の理論および動作は当該技術分野で公知であるため、本明細書で詳細には説明しない。交流電流に接続されたピペッタ800のプローブチップ810は、コンデンサーの一方のプレートとして機能し、また接地平面(例えば、タブ部分510の金属化された部分516によってその上に形成される接地された導電性平面)は、コンデンサーのもう一方のプレートとして機能する。これらの二つのプレート間で測定される静電容量信号(静電容量に関する信号)は、容器502内の流体レベルを測定するために使用される場合がある。流体508が導電性(例えば、導電性溶出緩衝液)である実施形態では、プローブチップ810が流体508の表面と接触すると、静電容量信号においてスパイクが観察される。静電容量はプレート間の距離に反比例するため、容器502の流体レベルが減少するにつれて、観察される静電容量信号でのスパイク(または信号の強度)は増加する。使用時に、ピペッタのプローブチップ810が流体を求めて下向きに動くにつれて、ピペッタ800(例えば、ピペッタアーム)の位置(高さ)は静電容量信号と共に同時にモニターされる。静電容量信号が急速に増加するとき(例えば、プローブチップ810が流体に接触することによって生じた可能性が高いスパイク)、ピペッタの高さが記録され、それ故に流体表面の高さを確立する。コンデンサーの一方のプレート、すなわち接地平面は、容器502の基部に非常に近い位置(例えば、下部壁E)に位置付けられるため、測定される静電容量信号は非常に感受性が高く、したがって容器502内の流体レベルを正確に検出するために使用されてもよい。したがって、金属化された部分516を容器ホルダー500の境界壁、または基部上に提供することで、容器502内の流体レベル測定の精度および感度が向上する。
【0090】
シーリングフォイル504(容器502の)を有するプローブチップ810の電気的接触は、静電容量信号(進入関連の静電容量信号)ももたらす。プローブチップ810がシーリングフォイル504を最初に貫通して開口部をシーリングフォイル504内に形成するときに、プローブチップ810はシーリングフォイル504に接触する。開口部の周囲の流体508の蓄積された液滴(例えば、湿潤したプローブチップ810が開口部を繰り返し通過する際にプローブチップ810から開口部へと移送される)に起因して、プローブチップ810が開口部を通過するたびに進入関連の静電容量信号が観察される場合がある。この進入関連の静電容量信号は容器502内の流体レベルとは無関係であり、したがって正確な流体レベル測定のためには流体レベル関連の静電容量信号(容器502内の流体508に接触するプローブチップ810からもたらされる)とは区別されなければならない。ホルダーサポート720の非導電性上部部分722を使用して接地平面からシーリングフォイル504を電気的絶縁(絶縁または分離)することは、進入関連の静電容量信号の大きさを低減(そして場合によっては実質的に除去)し、これによって流体レベル測定の精度を改善する(図8および図17を参照のこと)。
【0091】
図17は、例示的な実施形態を使用する複数の試験中にプローブチップ810と接地平面との間で観察された静電容量信号を図示するグラフ900である。グラフ900内の各曲線は、単一の試験中に観察された信号を含む。グラフ900のy軸は、観察された静電容量信号の任意単位による大きさであり、x軸は、任意の基準点からのプローブチップ810の任意単位による空間的場所の指標である。図17でわかるように、進入関連の静電容量信号910および流体レベル関連の静電容量信号920の両方をグラフ900で観察することができる。しかしながら、進入関連の静電容量信号910は、流体レベル関連の静電容量信号920より大きさがかなり小さいため、これらを簡単に区別することができる。流体レベル関連の静電容量信号920の大きさが、グラフ900の右側に向かって増加することもわかる。この増加は、プローブチップ810と接地平面との間の距離の減少の結果である(グラフ900の右に行くほど減少)。液面の高さの判定は、一旦静電容量の変化が測定されると、ピペッタ位置に関連する。観察された静電容量信号とプローブチップの場所を使用して、容器502内の流体レベルが判定される。各流体レベルにおける曲線のピークは垂直方向では相互に間隔が近く、また異なる流体レベルにおけるピークは相互に垂直に離間しているため、観察された静電容量信号は流体レベルに対して非常に感受性が高い。
【0092】
グラフ900で表されるものと類似した実験が、金属化された部分516の異なる実施形態を有する容器ホルダー500を使用して実施された。これらの結果は、タブ部分510の境界壁上に金属化された部分516を提供し、そして接地平面からシーリングフォイル504を電気的に絶縁することが、良好な(再現性のある、信頼性のある等)容器502内の流体レベルの指標である静電容量信号をもたらすことを表す。これらの実験で使用された容器ホルダー500は、タブ部分510(例えば、側壁A、B、Cおよび/またはD、図4C図4Eを参照のこと)の側壁の少なくとも一部分上に金属化された部分516を有するが、レセプタクル501の近位またはレセプタクル501に隣接したタブ部分510の任意の壁(例えば、一つ以上の側壁および下部壁)上に接地された金属化された部分516を提供し、かつこの金属化された部分516をシステム接地へと接続することは、結果として、流体レベルを正確に検出するために使用することができる静電容量信号をもたらすことになる。例えば、一部の実施形態では、タブ部分510の下部壁Eのみが接地されてもよい(例えば、下部壁E上にのみに金属化された部分516を提供し、かつこの金属化された部分516を、例えば、ブラシ110によってシステム接地へと接続することによって)。一部の実施形態では、側壁A、D、C、またはDのうちの一つのみが、システム接地へと電気的に接続された金属化された部分516を含んでもよい。これらの実施形態のすべてでは、流体表面に触れるプローブチップ810から(プローブチップの場所と共に)もたらされる静電容量信号を、容器内の流体レベルを判定するために正確に使用することができる。
【0093】
金属化された部分516は、金属化された部分516をシステム接地に接続することによって接地されていると説明されているが、これは要件ではないことに留意するべきである。金属化された部分の接地は、当技術分野で既知の任意の手段によって達成されてもよい。例えば、金属化された部分516は、金属化された部分516を、容量式流体センサーの電気回路から隔離された(接続されていない)電圧源に接続する(すなわち、かつ接地へと直接接続されていない)ことによって達成されてもよい。
【0094】
上記の説明は、容器ホルダー500のレセプタクル501内に位置付けられた容器502内の溶出緩衝液508の正確な容量式流体レベル感知を可能にするための金属化された部分516の使用を説明する。図3を参照すると、類似した金属化された部分は、試薬容器ホルダー600のレセプタクル601内に位置付けられた再構成流体容器602(または油容器)の流体レベルを検出するためにも使用されてもよい。上記で解説したように、再構成流体容器602は、緩衝液容器502(例えば、図5Aおよび図5Bを参照しながら上述した)と構造的に類似していてもよい。
【0095】
図18Aは、再構成流体容器602および油容器のためのレセプタクル601を有する試薬容器ホルダー600の斜視図を図示する。容器ホルダー600は、レセプタクル601およびリッド620を備える基部またはタブ部分610を含んでもよい。リッド620が図18Bに図示される。図18Aでは見えないが(図19Aで見える)、一部の実施形態では、タブ部分610の対向する側面は、レセプタクルを分離する隙間614を含んでもよい。典型的には、レセプタクル601の形状およびサイズは、これらのレセプタクル内で受容されることになる流体が充填された容器の形状およびサイズと一致しうる。リッド620は、モジュール400の固定されたモジュールフレーム/シャーシに取り付けられる場合がある。タブ部分610が流体引き出し300内に取り付けられる、または定置されるときに、タブ部分610は、オペレーターが流体パック(再構成流体容器602および油容器)を装填すること、および取り出すことができるように、リッド620の下からスライドして出される場合がある。一部の実施形態では容器ホルダー500のためにも、類似したリッド/タブの配置が存在しうる。こうした実施形態では、流体引き出し300をスライドして出すことによって、溶出緩衝液および再構成容器ホルダー500、600の両方のタブ部分510および610は、それらのリッド620およびホルダーサポート720の下から引き出されてもよく、それ故にオペレーターがその中に容器を再装填することが可能になる。一部の実施形態では、リッド620は、任意の様式でタブ部分610またはシステム10の別の構成要素へと取り付けられてもよい。一部の実施形態では、図18Aに図示するように、リッドをシャーシへと取り付けるために機械的締結具(例えば、ねじ等)が使用されてもよい。一般に、リッド620は、リッド620の一部分がタブ部分610のレセプタクル601内の容器602の一部分の上にあるように、システム10の任意の構成要素に取り付けられてもよく、またタブ部分610に対して配向されてもよい。
【0096】
図18Bで図示するように、リッド620は、非導電性の上部部分622およびブラケット部分624を含んでもよい。ブラケット部分624は、導電性材料で形成されてもよく、または非導電性材料で形成されてもよい。一部の実施形態では、上部部分622およびブラケット部分624は、一緒に取り付けられてリッド620を形成する二つの部品であってもよい。しかしながら、一部の実施形態では、リッド620は、統合された上部部分622およびブラケット部分624を有する単一の部品であってもよい。リッド620は、ブラケット部分624においてタブ部分620へと取り付けられてもよい。ブラケット部分624がタブ部分610へと取り付けられるときに、リッド620の上部部分622は、タブ部分610の上面の少なくとも一部の上へと延在してもよい。図18Bで図示するように、一部の実施形態では、リッド620の上部部分622は、ブラケット部分624に対して実質的に横断して延在してもよい。図3で見られるように、リッド620がレセプタクル601内に定置された再構成流体容器602を有するタブ部分610に取り付けられるときに、非導電性上部部分622の一部分は、シーリングフォイル604の領域を露出する容器602の一部分の上にある。要件ではないが、一部の実施形態では、上部部分622の上にある領域は、そのレセプタクル内の容器を制約するように容器602の下にある領域を押し下げてもよい。ロボットピペッタのプローブチップは、上部部分622によって露出されるシーリングフォイル604の一部分を通して貫通し、再構成流体を抽出してもよい。プローブチップを抜き出す際、容器602の上にある上部部分622の一部分は、レセプタクル601からの容器602の取り外しを防止してもよい。
【0097】
図19Aは、その下部壁Eを示す試薬容器ホルダー600のタブ部分610を図示する。下部壁Eは、流体引き出し300内の容器ホルダー600のための整列特徴部として機能する複数のノブ618を含む。容器ホルダー500を参照しながら説明されるものと類似して、金属化された部分616は、容器ホルダー600の下部壁E上に提供されてもよい。金属化された部分616は、容器ホルダー500の金属化された部分516と実質的に類似していてもよく、また類似の様式で形成されてもよい。すなわち、金属化された部分616は、接着剤を使用して下部壁Eに取り付けられた導電性金属箔(例えば、アルミニウム箔)を備えてもよく、または表面E上に被覆された、または塗装された導電性金属(銅、アルミニウム等)の層であってもよい。一部の実施形態では、金属化された部分616が容器ホルダー600の壁の一部であってもよいことも意図される。例えば、壁Eの一部分またはすべての部分は、導電性材料で作製されてもよく、または導電性材料インサートを含んでもよい。
【0098】
一部の実施形態では、図19Aに図示するように、金属化された部分616は、下部壁Eと実質的に類似した形状を有してもよい(すなわち、金属化された部分616は隙間614の上には形成されない)。図19Bは、その下部壁E上に金属化された部分616を有する容器ホルダー600の別の実施形態を図示する。図19Bに図示したように、一部の実施形態では、下部壁E上の金属化された部分616は上へと延在し、かつ隙間614を覆ってもよい。一部の実施形態では、金属化された部分616は、タブ部分610の下部壁E上にのみ形成されてもよい。しかしながら、一部の実施形態では、金属化された部分616は、レセプタクル601の外部側壁のうちの一つ以上まで延在してもよい(図4Dおよび図4Eに図示した容器ホルダー500の側壁CおよびD上の金属化された部分516と類似している)。
【0099】
試薬容器ホルダー600が流体引き出し300内に定置されたとき、タブ部分610の下部壁E上の金属化された部分616はシステム接地(例えば、第二のモジュール400のハウジング)に電気的に接続され、かつ接地平面として機能する。一部の実施形態では、下部壁Eと、下部壁Eがその上に置かれる流体引き出し300の表面(これはシステム接地に接続される)との間の接触は、下部壁Eに接地接触を提供する。一部の実施形態では、下部壁Eと相手側の表面との間の良好な電気的接続のために、ばねまたはその他の導電性構成要素(ワッシャー、スペーサー、導電性フォーム、導電性スポンジなど)が、下部壁Eと流体引き出し300の相手側の表面(例えば、ノブ618における、図19Aを参照のこと)との間に定置されてもよい。図20は、流体引き出し300内に位置付けられた試薬容器ホルダー600の断面図である。図20に図示するように、一部の実施形態では、導電性ばね630は、システム接地への良好な電気的接続のために、ノブ618(例えば、ノブ618の周囲)に位置付けられてもよい。
【0100】
試薬容器ホルダー600が流体引き出し300内に位置付けられると、第二のモジュール400のロボットピペッタ(例えば、図1Aのピペッタ200)は、容器602から再構成流体を抽出するために、レセプタクル601内の再構成流体容器602のシーリングフォイル604を通して穴を開けてもよい。図16のピペッタ800を参照しながら説明した通り、ピペッタ200は、容量式流体レベル感知によって容器602内の流体レベルを測定するようにも構成されうる。容量式流体レベル測定は、ピペッタ800に関して上述のものと類似した様式で生じうる。容量式流体レベル測定中、システム接地に接続された容器ホルダー600の下部壁E上の金属化された部分616は、接地平面として機能する。接地平面(下部壁E)は、容器602内の流体の基部の近くに位置付けられているため、測定された静電容量信号または測定されたスパイクは、容器602内の流体レベルに対して非常に感受性が高い(したがって良好な流体レベルの指標である)ことになる。それ故に、下部壁Eに近接した(または容器602の基部の近くである)金属化された部分616を提供すると、容器602内の流体レベル測定の精度および感度が向上する。リッド620の非導電性上部部分622を使用して接地平面からシーリングフォイル604を電気的に分離することも、進入関連の静電容量信号の識別を支援し、これによって図17を参照しながら説明したように流体レベル測定の精度を改善する場合がある。
【0101】
したがって、流体が充填された容器の基部に近接して提供される接地された金属化された部分は、容量式流体レベル測定を使用する流体レベル測定の感度を改善する。金属化された部分は、当該技術分野で公知の任意の方法によって接地されてもよい。例えば、金属化された部分を、システム接地、絶縁された電圧源等へと接続することによる。一部の実施形態では、介在性の絶縁部材を使用して容器のリッドを接地平面から電気的に分離することによって、流体レベル測定の精度を改善するために、疑似信号を除去または低減することを支援する。
【0102】
ここで、機器によって使用される流体容器の取り扱いの例示的な方法が説明される。一部の実施形態では、フレーム302は、オペレーターへのアクセスを提供する開位置に動かされる。開位置において、オペレーターは、容器ホルダー500のレセプタクル501内に容器502を挿入することができ、また容器ホルダー600のレセプタクル601内に容器602を挿入することができる。次いで、オペレーターは、容器ホルダー500(およびホルダー500によって支持される容器502)を支持するフレーム302を開位置から閉位置へと動かすことができ、これは容器ホルダー500をシステム10内に位置付ける。
【0103】
一部の実施形態では、フレーム302が閉位置へと動かされている間は、容器ホルダー500をフレーム302へとロックすることができる。そのため、容器ホルダー500をフレーム302からロック解除することができる。容器ホルダー500がフレーム302からロック解除された後、輸送機700は、容器ホルダー500をシステム10内の異なる位置へと移動することができる。例えば、輸送機700は、容器ホルダー500をフレーム302上の陥凹部636から経路に沿ってシステム10内の別の位置へと動かすことができる。容器ホルダー500の移動経路は、垂直成分を含むことができる。例えば、移動経路は弓状とすることができる。容器ホルダー500の移動は、アクチュエータ702を使用してホルダーサポート720に連結された少なくとも一つのアーム704を回転させることを含むことができ、これによって一部の実施形態では、移動経路に沿ってホルダーサポート720を動かす。一部の実施形態では、輸送機700は、容器ホルダー500を、システム10の第二のモジュール400内に位置付けられるフレーム302上の陥凹部636から、第一のモジュール100内の位置150へと動かす。
【0104】
一部の実施形態では、この場合も、第二のモジュール400はサンプルの分析を実施するように構成され、第一のモジュール100は、第二のモジュール400によって実施される分析とは異なるサンプルの分析を実施するように構成される。例えば、第一のモジュール100によって実施される分析としては、PCR反応などの熱サイクルを必要とする核酸増幅反応の実施を挙げることができる。また、第二のモジュール400によって実施される分析としては、TMA反応、NASBA反応、およびSDA反応などの核酸増幅反応の持続時間の間の等温条件を必要とする核酸増幅反応の実施を挙げることができる。
【0105】
一部の実施形態では、上述したように、アーム644をロックされたアーム位置からロック解除されたアーム位置へと動かすことによって、容器ホルダー500をフレーム302からロック解除することができる。フレーム302を閉位置へと動かした後、または動かすのと同時のいずれかで、容器ホルダー500をフレーム302からロック解除することができる。
【0106】
一部の実施形態では、フレーム302が閉位置にあるときに、容器ホルダー500は、輸送機700のホルダーサポート720と協働的に係合することができる。フレーム302を閉位置へと動かした後、または動かすのと同時のいずれかで、容器ホルダー500をホルダーサポート720と協働的に係合することができる。
【0107】
一部の実施形態では、輸送機700が容器ホルダー500を第一のモジュール100内で位置150へと動かした後、流体移送装置(図1Aのピペッタ200と類似した)のプローブチップが容器ホルダー500によって支持された流体容器502の中へと挿入され、そしてその後流体容器502内の流体の少なくとも一部分が流体移送装置で吸引される。吸引後、プローブチップを流体容器502から抜き出すことができる。ホルダーサポート720の上部部分722は、上述のように、容器ホルダー500に対する流体容器502の上向きの垂直の動きを阻止することができる。
【0108】
その後、流体容器502内の流体のすべてまたは一部が第一のモジュール100内の位置150で吸引された後、輸送機700は容器ホルダー500を動かして第二のモジュール400内のフレーム302へと戻すことができる。例えば、輸送機700は、突出部640Aおよび640Bがスロット532Aおよび532B内に受容され、かつノブ522A、522B、528Aおよび528Bがそれぞれの開口部641A、641B、642Aおよび642Bを通して延在するように、容器ホルダー500をフレーム302上の陥凹部636内に再度据えることができる。
【0109】
次いで、流体容器502または流体容器602を交換する必要がある場合、フレーム302を手動または自動のいずれかで、閉位置から開位置まで動かして、オペレーターに流体容器502および流体容器602の両方へのアクセスを提供することができる。次いで、オペレーターは、容器ホルダー500のレセプタクル501内の使用済み流体容器502および容器ホルダー600のレセプタクル501内の流体容器602を手動で取り出すことができる。フレームが開位置にあるときに、容器ホルダー500から容器502が取り外されたとき、容器ホルダー500はフレーム302にロックされている。フレーム302を開位置へと動かす前、または動かすのと同時のいずれかで、容器ホルダー500をフレーム302へとロックすることができる。
【0110】
一部の実施形態では、容器ホルダー500が、閉位置になっているフレーム302の陥凹部636内に位置付けられたときに、容器502内の流体を吸引することができる。こうした実施形態では、第二のモジュール400の流体移送装置200のプローブチップを、流体容器502の中へと挿入することができる。次いで、流体移送装置200を使用して流体容器502内の流体の少なくとも一部分を吸引することができ、その後流体移送装置200のプローブチップを流体容器502から抜き出すことができる。
【0111】
上述の実施形態の一部では、容器502は溶出緩衝液を含むと説明されているが、容器502は、非溶出緩衝液試薬を含む任意の所望の試薬を含むことができる。
【0112】
特定の実施形態について上記で説明したが、当業者は認識するであろうように、開示された実施形態の数多くの変形が可能であり、したがって本開示の範囲内である。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19A
図19B
図20