(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】超音波プローブの照準中の当該領域のマルチプレーン及びマルチモード可視化
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
A61B8/14
(21)【出願番号】P 2023076453
(22)【出願日】2023-05-08
(62)【分割の表示】P 2020519034の分割
【原出願日】2018-10-03
【審査請求日】2023-05-22
(32)【優先日】2017-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503129763
【氏名又は名称】ベラソン インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Verathon Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ジュン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、フーシン
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-055765(JP,A)
【文献】特表2013-516288(JP,A)
【文献】特開平03-215252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計算デバイスによって実行される方法であって、
超音波プローブのための照準モードのユーザ選択により、前記計算デバイスによって、前記照準モードを選択することであって、ある領域に対して前記超音波プローブを配置するためにユーザによって使用される前記照準モードを選択することと、
前記計算デバイスによって、1つ以上の平面の第1のセットを指定して走査する第1の走査モードと複数の平面の第2のセットを指定して走査する第2の走査モードとの間でトグルすることであって、前記第1の走査モードは、シングル・プレーン走査、バイプレーン走査、トライプレーン走査およびクワッドプレーン走査のうちの1つを含み、前記第2の走査モードは、前記シングル・プレーン走査、前記バイプレーン走査、前記トライプレーン走査および前記クワッドプレーン走査のうちの別の1つを含む、トグルすることと、
前記計算デバイスによって、前記1つ以上の平面の前記第1のセットを使用して前記超音波プローブによって取得された画像を表示することと前記複数の平面の前記第2のセットを使用して前記超音波プローブによって取得された画像を表示することの間でトグルすることであって、当該トグルすることは、トグルスイッチまたはトグル選択オブジェクトを作動させることにより実行され、前記照準モード中に3次元走査モードが選択されるまで実行される、前記トグルすることと、
前記計算デバイスによって、前記3次元走査モードの選択を受信することと、
前記3次元走査モードの前記選択を受信したことに応答して、前記超音波プローブを使用して3次元走査を実行することと
を含む方法。
【請求項2】
前記超音波プローブが、単一要素超音波トランスデューサと、前記単一要素超音波トランスデューサを異なる超音波撮像面中に移動するための第1のモータと、前記単一要素超音波トランスデューサを特定の超音波撮像面のセクタに沿って移動するための第2のモータとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記超音波プローブが、超音波トランスデューサのアレイと、超音波トランスデューサの前記アレイを異なる超音波撮像面中に移動するためのモータとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記トグルすることは、
前記シングル・プレーン走査による前記超音波プローブによって取得された前記画像を表示する、前記バイプレーン走査による前記超音波プローブによって取得された前記画像を表示するかをトグルすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記トグルすることは、
前記バイプレーン走査による前記超音波プローブによって取得された前記画像を表示する、前記トライプレーン走査による前記超音波プローブによって取得された前記画像を表示するかをトグルすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記トグルすることは、
前記計算デバイスに関連するディスプレイ上に少なくとも2つの超音波画像を同時に表示することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第1の画像を表示することと、
前記トグルスイッチまたは前記トグル選択オブジェクトの作動を検出することと、
別の画像を表示するために切り替えることと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
超音波プローブと、コントローラ・ユニットとを備えたシステムであって、
前記コントローラ・ユニットは、
超音波プローブと通信することと、
照準モードのユーザ選択に応答して、前記超音波プローブの前記照準モードを選択することであって、ある領域に対して超音波プローブを配置するためにユーザによって使用される前記照準モードを選択することと、
1つ以上の平面の第1のセットを指定して走査する第1の走査モードと複数の平面の第2のセットを指定して走査する第2の走査モードとの間をトグルすることを選択することであって、前記第1の走査モードは、シングル・プレーン走査、バイプレーン走査、トライプレーン走査およびクワッドプレーン走査のうちの1つを含み、前記第2の走査モードは、前記シングル・プレーン走査、前記バイプレーン走査、前記トライプレーン走査および前記クワッドプレーン走査のうちの別の1つを含む、トグルすることを選択することと、
前記1つ以上の平面の前記第1のセットを使用して前記超音波プローブによって取得され
た画像を表示することと前記複数の平面の前記第2のセットを使用して前記超音波プローブによって取得され
た画像を表示することとの間でトグルすることであって、前記トグルすることは、トグルスイッチまたはトグル選択オブジェクトを作動することによって行われ、前記照準モード中に三次元走査モードが選択されるまで実行される、前記トグルすることと、
前記三次元走査モードの選択を受信することと、
前記三次元走査モードの選択を受けたことに応答して、前記超音波プローブを用いて三次元走査を実行することと、
を行うように構成された、システム。
【請求項9】
前記超音波プローブは、単一要素超音波トランスデューサと、当該単一要素超音波トランスデューサを異なる超音波イメージング平面に移動させる第1のモータと、前記単一要素超音波トランスデューサを特定の超音波画像面のセクタに沿って移動させる第2のモータとを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記トグルすることを実行するとき、前記コントローラ・ユニットは、更に、
前記シングル・プレーン走査を使用して前記超音波プローブによって取得された前記画像を表示することと、前記バイプレーン走査を使用して前記超音波プローブによって取得された前記画像を表示することとの間でトグルすることを行うように構成された、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記トグルすることを実行するとき、前記コントローラ・ユニットは、更に、
前記コントローラ・ユニットに関連するディスプレイ上に少なくとも2つの超音波画像を同時に表示することを行うように構成された、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記トグルすることを実行するとき、前記コントローラ・ユニットは、更に、
第1の画像を表示することと、
前記トグルスイッチまたは前記トグル選択オブジェクトの作動を検出することと、
別の画像を表示するために切り替えることと、
を行うように構成された、請求項8に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権情報
本特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年10月4日に出願された「MULTI-PLANE VISUALIZATION OF AN ARE OF INTEREST DURING AIMING AN ULTRASOUND PROBE」という名称の、米国仮出願第62/567、962号の優先権の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
超音波プローブは、電気信号を超音波エネルギーに変換し、超音波エコーを変換して電気信号に戻す、たとえば、圧電トランスデューサ又は容量性トランスデューサなどの、トランスデューサを使用して、超音波信号を生成し得る。超音波プローブは、一般に、人体においてターゲット器官又は他の構造を識別するために、及び/又は、器官/構造のサイズ又は器官中の流体の量など、ターゲット器官/構造に関連する特徴を決定するために使用される。ユーザがターゲット器官/構造を適切に走査するために、ユーザは、ターゲット器官/構造に対して特定の位置に超音波プローブを配置する必要があり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
超音波プローブの正確な配置は様々な課題を提示し得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1A】本明細書で説明する一実装形態による例示的な超音波システムを示す図である。
【
図1B】本明細書で説明する一実装形態による
図1Aの超音波システムのための例示的な環境を示す図である。
【
図2A】本明細書で説明する一実装形態による第1の例示的な超音波プローブの図である。
【
図2B】本明細書で説明する一実装形態による第2の例示的な超音波プローブの図である。
【
図2C】本明細書で説明する一実装形態による第3の例示的な超音波プローブの図である。
【
図3】
図1Aのコントローラ・ユニットの例示的な構成要素を示す図である。
【
図4】
図1Aのシステムの例示的な機能構成要素を示す図である。
【
図5】本明細書で説明する一実装形態による、照準中のマルチプレーン可視化のためのプロセスのフローチャートである。
【
図6】本明細書で説明する一実装形態による、照準中のマルチプレーン可視化のための別のプロセスのフローチャートである。
【
図7】本明細書で説明する一実装形態による例示的なマルチプレーン可視化の図である。
【
図8】本明細書で説明する一実装形態による第1のユーザ・インターフェースの図である。
【
図9】本明細書で説明する一実装形態による第2のユーザ・インターフェースの図である。
【
図10】本明細書で説明する一実装形態による第3のユーザ・インターフェースの図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の詳細な説明では添付の図面を参照する。異なる図面における同じ参照番号は同じ又は同様の要素を識別する。
【0006】
超音波プローブは、人体器官、関節、血管、及び/又は患者の体の別のタイプの領域など、当該領域の3次元(3D)走査を実行するために、患者の体の上に配置され得る。3D走査は、当該領域を横断する異なる平面内でキャプチャされるBモード画像のセットを含み得る。たとえば、3D走査は、当該領域の中心の周りの円内で特定の角度間隔で取られるBモード画像を含み得る。
【0007】
3D走査が行われる前に、超音波プローブは当該領域の上に正確に配置される必要があり得る。超音波プローブを配置するために、ユーザは超音波プローブのための照準モードを選択し得る。照準モード中、超音波プローブは、特定の平面内の当該領域の断面を表示するために、その特定の平面内でBモード走査を繰り返し実行し得る。したがって、ユーザは、照準モードからのBモード走査画像を使用して、超音波プローブをあちこちに移動し、超音波プローブを当該領域の推定された中心に整合させ得る。しかしながら、多くの状況において、当該領域は、異なる平面内でサイズが著しく異なる断面を有し得る。したがって、単一のBモード平面は、所望の3D体積内で(たとえば、走査されるべきターゲット器官の位置を特定するために)超音波プローブを配置するのに十分でないことがあり、当該領域のクリッピングが3D走査中に行われ得る。言い換えれば、当該領域の一部が3D走査から除外され、時間とリソースとが浪費され得る。
【0008】
本明細書で説明する実装形態は超音波プローブの照準中の当該領域のマルチプレーン可視化に関する。超音波システムは、ユーザが超音波プローブの位置を変える必要なしに、超音波プローブのための照準モードを選択し、第1の照準モード平面を選択し、少なくとも1つの追加の照準モード平面を選択するように構成され得る。超音波システムは、次いで、3D走査モードの選択が行われるまで、超音波プローブを使用して、第1の照準モード平面に関連する超音波画像を取得することと表示することとの間で、及び少なくとも1つの追加の照準モード平面に関連する超音波画像を取得することと表示することとの間でトグルし得る。超音波システムが3D走査モードの選択を受信したとき、超音波システムは、超音波プローブを使用して3D走査を実行し得る。照準モード中に複数の平面を使用すると、ユーザが当該領域に対して超音波プローブを配置することを試みることに関連する時間が節約され得る。
【0009】
いくつかの実装形態では、照準モードにある間に及び/又は3D走査中に生成される超音波画像はBモード超音波画像に対応し得る。他の実装形態では、他のタイプの超音波画像が照準モード中に使用され得、照準モードの後に、3D走査に対する追加又は代替として他のタイプの画像が続く場合がある。実例として、照準モード平面の選択の後に、超音波システムは、確率モード(Pモード)超音波画像を取得することと表示することとの間でトグルし得る。Pモード超音波画像は、各特定のピクセルが、その特定のピクセルがターゲット器官/構造内にあるか又はそれの一部であるかを示す確率にマッピングされる、超音波画像(たとえば、Bモード超音波画像など)に対応し得る。別の実例として、超音波システムは、セグメンテーション・マップ超音波画像を取得することと表示することとの間でトグルし得る。セグメンテーション・マップ超音波画像は、キャプチャされた超音波データに対して実行されるセグメント化処理を伴う超音波画像に対応し得る。たとえば、セグメンテーション・マップ超音波画像では、異なる人体構造が異なる色で表示され得る(たとえば、膀胱は黄色で、背景組織は灰色でなど)。また別の実例として、照準モード平面の選択の後に、超音波システムは、ドップラー・モード超音波画像(たとえば、電力ドップラー、持続波ドップラー、パルス波ドップラーなど)、高調波モード超音波画像、動きモード(Mモード)超音波画像、及び/又は超音波データを使用する任意の他のタイプの撮像モダリティを取得することと表示することとの間でトグルし得る。その上、3D走査は、Pモード超音波画像、ドップラー・モード超音波画像、高調波モード超音波画像、Mモード超音波画像、及び/又は超音波データを使用する任意の他のタイプの撮像モダリティを使用して実行され得る。
【0010】
照準モードに関連するトグリングは、2つの直交する超音波撮像面(たとえば、矢状面及び横断面)の間でトグルすること、少なくとも3つの異なる超音波撮像面(たとえば、60度だけ分離された平面)の間で連続的に回転すること、又は特定の角度だけ分離された異なる数の超音波撮像面の間で連続的に回転することを含み得る。いくつかの実装形態では、複数の照準モード平面は、(たとえば、各平面が走査される際に)リアルタイムで又はほぼリアルタイムで実質的に同時に表示され得る。他の実装形態では、ユーザは、異なる走査モード平面の間で切り替え得る。たとえば、超音波システムは、特定の照準モード平面を表示し得、トグル・スイッチ又は入力の活動化を検出し得、照準モード平面のうちの別の1つを表示することに切り替え得る。
【0011】
さらに、トグリングは走査モードの間でトグルすることを含み得る。たとえば、2つ又はそれ以上の撮像面の間でトグルするのではなく、ユーザは、2つ又はそれ以上の走査モードの間でトグルすることを選択し得る。走査モードは、シングル・プレーン走査、バイプレーン走査、トライプレーン走査、クワッドプレーン走査、及び/又は別の数の平面を含む走査を含み得る。実例として、ユーザは、シングル・プレーン走査とバイプレーン走査との間でトグルすることを選択し得る。したがって、超音波システムは、シングル走査平面を走査し得、次いで、バイプレーン走査にトグルし、2つの平面(たとえば、2つの直交する平面)を走査し得る。別の実例として、ユーザは、バイプレーン走査と、超音波システムが2つの平面を走査することと3つの平面を走査することとの間でトグルする、トライプレーン走査との間でトグルすることを選択し得る。
【0012】
その上、トグリングは撮像モードの間でトグルすることを含み得る。たとえば、2つ又はそれ以上の撮像面の間でトグルするのではなく、ユーザは、2つ又はそれ以上の撮像モードの間でトグルすることを選択し得る。撮像モードは、Bモード超音波画像走査、ドップラー・モード超音波画像(たとえば、電力ドップラー、持続波ドップラー、パルス波ドップラーなど)走査、高調波モード超音波画像走査、動きモード(Mモード)超音波画像走査、確率モード(Pモード)超音波画像走査、セグメンテーション・マップ超音波画像走査、及び/又は別のタイプの撮像モード走査を含み得る。実例として、ユーザは、Bモード撮像モードとドップラー・モード撮像モードとの間でトグルすることを選択し得る。別の実例として、ユーザはPモード撮像モードとセグメンテーション・マップ撮像モードとの間でトグルし得る。
【0013】
さらに、異なる平面、走査モード、及び/又は撮像モードの間でのトグリングは機械的に及び/又は電子的に実行され得る。たとえば、いくつかの実装形態では、超音波プローブは、単一要素超音波トランスデューサと、単一要素超音波トランスデューサを異なる超音波撮像面中に移動するための垂直モータと、単一要素超音波トランスデューサを特定の超音波撮像面のセクタに沿って移動するための水平モータとを含み得る。照準モード平面の間のトグリングは、異なる超音波撮像面の間で単一要素超音波トランスデューサを移動するように垂直モータを制御することを含み得る。他の実装形態では、超音波プローブは、超音波トランスデューサのアレイと、超音波トランスデューサのアレイを異なる超音波撮像面中に移動するための垂直モータとを含み得る。照準モード平面の間のトグリングは、異なる超音波撮像面の間で超音波トランスデューサのアレイを移動するように垂直モータを制御することを含み得る。また他の実装形態では、超音波プローブは超音波トランスデューサの2次元(2D)アレイを含み得、照準モード平面の間のトグリングは、異なる超音波撮像面中に超音波画像を生成するように超音波トランスデューサの2Dアレイを制御することを含み得る。
【0014】
その上、トグリングは手動で又は自動的に実行され得る。実例として、ユーザは、第1の走査平面、走査モード、及び/又は撮像モードを閲覧し得、タッチスクリーン上のトグル・スイッチ又はトグル選択オブジェクトを活動化すること、トグリング・コマンドを有声化すること、及び/又は、さもなければ超音波システムに第2の走査平面、走査モード、及び/又は撮像モードにトグルさせることによって、第2の走査平面、走査モード、及び/又は撮像モードにトグルし得る。別の実例として、ユーザは自動トグリングを選択し得、超音波システムは、特定の間隔及び/又はレートにおいて、第1の走査平面、走査モード、及び/又は撮像モードと、第2の走査平面、走査モード、及び/又は撮像モード(及び/又は追加の走査平面、走査モード、又は撮像モード)との間で自動的にトグルし得る。特定の間隔及び/又はレートはユーザによって構成可能であり得る。
【0015】
いくつかの実装形態では、照準モードの後に、3D走査に対して追加又は代替として他のタイプの処理が行われ得る。実例として、照準モード平面の選択の後に、選択された照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードのための超音波画像を取得することと表示することとの間のトグリングは、針挿入(たとえば、生検標本などを取得するために)のために針ガイドを配置することに関して使用され得る。別の実例として、照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードの選択の後に、選択された照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードのために超音波画像を取得することと表示することとの間のトグリングが、当該領域の体積を測定する(たとえば、膀胱容積測定、前立腺体積測定、子宮体積測定、大動脈サイズ測定など)ために使用され得る。たとえば、2つの垂直な照準モード平面が、当該領域の体積を測定するために使用され得る。
【0016】
図1Aは、本明細書で説明する一実装形態による例示的な超音波システム100を示す図である。
図1Aに示されているように、超音波システム100は、超音波プローブ110と、ベース・ユニット120と、ケーブル130とを含み得る。
【0017】
超音波プローブ110は、特定の周波数及び/又はパルス繰り返し率で超音波エネルギーを生成し、反射された超音波エネルギー(たとえば、超音波エコー)を受信し、反射した超音波エネルギーを電気信号に変換するように構成された1つ又は複数の超音波トランスデューサを格納し得る。たとえば、いくつかの実装形態では、超音波プローブ110は、約2メガヘルツ(MHz)から約10MHz又はそれ以上(たとえば、18MHz)まで延びる範囲内で超音波信号を送信するように構成され得る。他の実装形態では、超音波プローブ110は、異なる範囲内で超音波信号を送信するように構成され得る。さらに、超音波プローブ110は、超音波トランスデューサの動きを制御するための1つ又は複数のモータを格納し得る。
【0018】
超音波プローブ110は、ハンドル112と、トリガ114と、(「ノーズ」とも呼ばれる)ドーム118とを含み得る。ユーザ(たとえば、医師など)は、ハンドル112を介して超音波プローブ110を保持し、トリガ114を押して、ドーム118中に位置する1つ又は複数の超音波トランシーバ及びトランスデューサを活動化させて、患者の当該領域(たとえば、特定の人体器官、人体関節、血管など)に向けて超音波信号を送信し得る。たとえば、プローブ110は患者の骨盤領域上及び患者の膀胱の上に配置され得る。
【0019】
ハンドル112は、ユーザが患者の当該領域に対してプローブ110を移動することを可能にする。トリガ114が活動化すると、患者の当該領域が走査されるときにドーム118が患者の体の表面部分と接触している間、選択された解剖学的部分の超音波走査が開始される。いくつかの実装形態では、トリガ114はトグル・スイッチ116を含み得る。トグル・スイッチ116は、超音波システム100の照準モード中に、異なる照準平面間、異なる走査モード間、異なる撮像モード間などでトグルするために使用され得る。他の実装形態では、トリガ114は別個のトグル・スイッチ116を含まないことがあり、トリガ114は、異なる照準平面、走査モード、及び/又は撮像モードの間でトグルするために使用され得る。また他の実装形態では、トグル・スイッチ116は超音波プローブ110の異なるロケーションに位置し得、及び/又はベース・ユニット120上に位置し得る。また他の実装形態では、トグリング機能は、ベース・ユニット120のディスプレイ上のタッチスクリーンボタンを介して、及び/又はマイクロフォンなど、別のタイプの制御を介して(たとえば、音声コマンドを介して)実行され得る。
【0020】
ドーム118は、1つ又は複数の超音波トランスデューサを囲み得、解剖学的部分に適切な音響インピーダンス整合を与え、及び/又は超音波エネルギーが解剖学的部分中に投影される際に超音波エネルギーが適切に集束されることを可能にする材料から形成され得る。ドーム118はまた、超音波信号を送信し、受信するための送信機と受信機とを含むトランシーバ回路を含み得る。プローブ110は、ケーブル130を介してなど、ワイヤード接続を介してベース・ユニット120と通信し得る。他の実装形態では、プローブ110は、ワイヤレス接続(たとえば、Bluetooth、WiFiなど)を介してベース・ユニット120と通信し得る。
【0021】
ベース・ユニット120は、走査された解剖学的領域の画像を生成するために、プローブ110によって受信された反射された超音波エネルギーを処理するように構成された1つ又は複数のプロセッサ又は処理論理を格納し、含み得る。さらに、ベース・ユニット120は、ユーザが超音波走査からの画像を閲覧することを可能にするための、及び/又はプローブ110の動作中にユーザに対して動作上の対話を可能にするためのディスプレイ122を含み得る。たとえば、ディスプレイ122は、液晶ディスプレイ(LCD)など、出力ディスプレイ/スクリーン、発光ダイオード(LED)ベースディスプレイ、タッチスクリーン、及び/又はユーザにテキスト及び/又は画像データを与える別のタイプのディスプレイを含み得る。
【0022】
たとえば、ディスプレイ122は、プローブ110を患者の選択された解剖学的部分に対して配置するための命令を与え得る。代替的に、超音波プローブ110は、超音波プローブ110を配置するための命令を与える(たとえば、ハンドル112中に)小型ディスプレイを含み得る。ディスプレイ122はまた、選択された解剖学的領域の2次元又は3次元画像を表示し得る。いくつかの実装形態では、ディスプレイ122は、ユーザが、超音波走査に関連する様々な特徴を選択することを可能にするグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を含み得る。たとえば、ディスプレイ122は、プローブ110のための照準モードを選択するための、及び/又はプローブ110が患者の当該領域に対してうまく配置された後に3D走査を開始するための選択項目(たとえば、ボタン、ドロップダウン・メニュー項目、チェックボックスなど)を含み得る。さらに、ディスプレイ122は、Bモード画像、Pモード画像、セグメンテーション・マップ・モード画像、ドップラー超音波画像、高調波モード画像、Mモード画像、及び/又は他のタイプの超音波画像など、取得されるべき特定のタイプの超音波画像を選択するための選択項目を含み得る。その上、ディスプレイ122は、1つ又は複数の照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードを選択するための選択項目を含み得る。さらに、ディスプレイ122は、選択された照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードの間で手動で又は自動的にトグルするかどうかを選択するための選択項目を含み得る。
【0023】
図1Bは、本明細書で説明する一実装形態による超音波システム100のための例示的な環境150を示す図である。環境150は、患者160に対する超音波システム100の動作を示す。
図1Bに示されているように、患者160は、患者の当該領域が走査され得るように配置され得る。たとえば、当該領域が患者の膀胱165に対応すると仮定する。膀胱165を走査するために、超音波プローブ110は、走査されるべき解剖学的部分に近接する患者160の表面部分に対して配置され得る。ユーザは、ドーム118が皮膚に対して配置されたときに音響インピーダンス整合を与えるために、膀胱165の領域の上の患者160の皮膚に音響ゲル170(又はゲル・パッド)を塗布し得る。
【0024】
ユーザは、(たとえば、ディスプレイ122上の照準モードボタン、メニュー項目などを選択することによって、ボイス・コマンドを発話することによってなど)ベース・ユニット120を介して照準モードを選択し得る。代替的に、(たとえば、超音波プローブ110の内側の加速度計及び/又はジャイロスコープを介して)ベース・ユニット120が超音波プローブ110の動きを検出したとき、又は超音波プローブ110が音響ゲル170又は患者160の皮膚に接触したとき、照準モードが自動的に選択され得る。超音波プローブ110は、膀胱165を通して超音波信号180を送信し得、反射された超音波信号を受信し得る。反射された超音波信号は処理されて、ディスプレイ122上に表示される画像になり得る。
【0025】
いくつかの実装形態では、ユーザは、1つ又は複数の照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードを選択し得る。他の実装形態では、1つ又は複数の照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードはユーザ入力なしに自動的に選択され得る。いくつかの実装形態では、ディスプレイ122は、ユーザ入力なしに、及び/又はユーザが超音波プローブ110の位置を変更することなしに、選択された照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードの間で自動的にトグルし得る。他の実装形態では、ユーザは、トグル・スイッチ116を使用して、選択された照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードの間でトグルし得る。また他の実装形態では、選択された照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードのうちの1つ又は複数がディスプレイ122上に同時に表示され得る。ユーザは、超音波プローブ110が膀胱165の上に配置されたことにユーザが満足するまで、ディスプレイ122上に表示された情報に基づいて超音波プローブ110の位置を調整し得る。ユーザは、次いで、トリガ114を押すことによって、ディスプレイ122上の走査ボタンを押すことによって、ボイス・コマンドを発話することによって、及び/又は別のタイプの走査活動化技法を使用して、膀胱165の3D走査を活動化し得る。
図1A及び
図1Bは超音波システム100の例示的な構成要素を示すが、他の実装形態では、超音波システム100は、より少ない構成要素、異なる構成要素、追加の構成要素、又は
図1A及び
図1Bに示されているものとは異なって構成される構成要素を含み得る。追加又は代替として、超音波システム100の1つ又は複数の構成要素は、超音波システム100の1つ又は複数の他の構成要素によって実行されるものとして説明される1つ又は複数のタスクを実行し得る。
【0026】
たとえば、他の実施例では、超音波プローブ110は、1つ又は複数の超音波トランスデューサを動作可能に制御するように、また、超音波画像を生成するために反射された超音波エネルギーを処理するように構成された、超音波プローブ110内に格納されたマイクロプロセッサを含む自蔵式デバイスに対応し得る。したがって、超音波プローブ110上のディスプレイは、生成された画像を表示するために、及び/又は超音波プローブ110の動作に関連する他の情報を閲覧するために使用され得る。また他の実装形態では、超音波プローブ110は、超音波プローブ110の動作を少なくとも部分的に制御するソフトウェアを含む、及び/又は超音波画像を生成するために超音波プローブ110から受信された情報を処理するソフトウェアを含む、ラップトップ、タブレット、及び/又はデスクトップ・コンピュータなどの汎用コンピュータに(ワイヤード又はワイヤレス接続を介して)結合され得る。
【0027】
図2Aは、本明細書で説明する一実装形態による超音波プローブ110の第1の例示的な実装形態の図である。
図2Aに示されているように、超音波プローブ110は、2つの回転モータに結合された単一のトランスデューサ要素を含み得る。この実装形態では、超音波プローブ110は、ドーム118に接続されたベース210と、θモータ220と、スピンドル230と、φモータ240と、トランスデューサ260をもつトランスデューサ・バケット250とを含み得る。θモータ220、φモータ240、及び/又はトランスデューサ260は、ケーブル130(
図2Aに示されていない)を介してθモータ220、φモータ240、及び/又はトランスデューサ260をベース・ユニット120に電気的に接続するワイヤード又はワイヤレス電気接続を含み得る。
【0028】
ベース210は、θモータ220を格納し、超音波プローブ110に対する構造的支持を与え得る。ベース210は、ドーム118に接続し得、超音波プローブ110の構成要素を外部環境から保護するためにドーム118とともにシールを形成し得る。θモータ220は、本明細書でθ(シータ)回転平面225と呼ぶ垂直軸の周りを回転することによって、トランスデューサ260に対して長手方向にスピンドル230をベース210に対して回転し得る。スピンドル230はシャフト235において終端し得、φモータ240はシャフト235上に取り付けられ得る。φモータ240は、本明細書でφ(ファイ)回転平面245と呼ぶ水平軸の周りをθ回転平面225に直交する軸の周りを回転し得る。トランスデューサ・バケット250は、φモータ240に取り付けられ得、φモータ240とともに移動し得る。
【0029】
トランスデューサ260はトランスデューサ・バケット250に取り付けられ得る。トランスデューサ260は、圧電トランスデューサ、容量性トランスデューサ、及び/又は別のタイプの超音波トランスデューサを含み得る。トランスデューサ260は、トランスデューサ260に関連するトランシーバ回路とともに、特定の超音波周波数又は超音波周波数の範囲において電気信号を超音波信号に変換し得、反射された超音波信号(たとえば、エコーなど)を受信し得、受信された超音波信号を電気信号に変換し得る。トランスデューサ260は、トランスデューサ260の表面に実質的に直角である信号方向265において超音波信号を送信し、受信し得る。
【0030】
信号方向265はφモータ240の動きによって制御され得、φモータの方位はθモータ220によって制御され得る。たとえば、φモータ240は、特定の平面についての超音波画像データを生成するために180度よりも小さい角にわたって往復回転し得、θモータ220は、異なる平面についての超音波画像データを取得するために特定の位置に対して回転し得る。
【0031】
照準モードでは、φモータ240が、特定の照準平面についての超音波画像データを取得するために往復回転している間、θモータ220は静止したままであり得る。照準モードでは、θモータ220は複数の照準平面の間で往復移動し得、φモータ240は、超音波画像データを取得するために往復回転し得る。実例として、θモータ220は、照準モードが選択されている間、2つの直交する平面の間で後退し得る。別の実例として、θモータ220は、照準モード中に、互いに120度にある3つの平面を通して連続的に回転し得る。
【0032】
3D走査モードでは、θモータ220は、当該領域のフル3D走査を取得するために、1回又は複数回、平面のセットを通して巡回し得る。平面のセットの各特定の平面内で、φモータ240は、特定の平面についてのBモード画像データを取得するために回転し得る。θモータ220及びφモータ240の動きは3D走査モータにおいてインターレースされ得る。たとえば、第1の方向におけるφモータ240の動きの後には、第1の平面から第2の平面へのθモータ220の動きが続き、その後、第1の方向と反対の第2の方向におけるφモータ240の動きが続き、その後、第2の平面から第3の平面へのθモータ220の動きなどが続き得る。そのようなインターレースされた動きは、超音波プローブ110が、スムーズな連続体積走査を取得することを可能にするとともに、走査データが取得されるレートを改善し得る。
【0033】
図2Bは、本明細書で説明する一実装形態による超音波プローブ110の第2の例示的な実装形態の図である。
図2Bに示されているように、超音波プローブ110は、回転モータに結合されたトランスデューサ要素の1次元(1D)アレイを含み得る。この実装形態では、超音波プローブ110は、ドーム118に接続されたベース210と、θモータ220と、スピンドル230と、1Dトランスデューサ・アレイ275をもつトランスデューサ・バケット270とを含み得る。θモータ220及び/又は1Dトランスデューサ・アレイ275は、ケーブル130(
図2Bに示されていない)を介してθモータ220及び/又は1Dトランスデューサ・アレイ275をベース・ユニット120に電気的に接続するワイヤード又はワイヤレス電気接続を含み得る。
【0034】
ベース210は、θモータ220を格納し、超音波プローブ110に対する構造的支持を与え得る。ベース210は、ドーム118に接続し得、超音波プローブ110の構成要素を外部環境から保護するためにドーム118とともにシールを形成し得る。θモータ220は、θ回転平面225の周りを回転することによって、1Dトランスデューサ・アレイ275に対して長手方向にスピンドル230をベース210に対して回転し得る。スピンドル230はトランスデューサ・バケット270において終端し得る。1Dトランスデューサ・アレイ275はトランスデューサ・バケット270に取り付けられ得る。1Dトランスデューサ・アレイ275は、圧電トランスデューサ、容量性トランスデューサ、及び/又は他のタイプの超音波トランスデューサの湾曲した1Dアレイを含み得る。1Dトランスデューサ・アレイ275は、特定の超音波周波数又は超音波周波数の範囲において電気信号を超音波信号に変換し得、反射された超音波信号(たとえば、エコーなど)を受信し得、受信された超音波信号を電気信号に変換し得る。1Dトランスデューサ・アレイ275の各要素は、
図2Bにおいてアイテム276として示されている、方向のセットのうちの特定の方向において超音波信号を送信し、受信し得る。したがって、一緒に、1Dトランスデューサ・アレイ275の要素は特定の平面についての超音波画像データを生成し得る。
【0035】
照準モードでは、1Dトランスデューサ・アレイ275が特定の照準平面についての超音波画像データを取得する間、θモータ220は静止したままであり得る。照準モードでは、θモータ220は複数の照準平面の間で往復移動し得、1Dトランスデューサ・アレイ275は各照準平面内で超音波画像データを取得し得る。実例として、θモータ220は、照準モードが選択される間、2つの直交する平面の間で後退し得る。別の実例として、θモータ220は、互いから120度離れて位置する3つの平面を通して連続的に回転し得る。3D走査モードでは、θモータ220は、当該領域のフル3D走査を取得するために1回又は複数回、平面のセットを通して巡回し得る。平面のセットの各特定の平面内で、1Dトランスデューサ・アレイ275は特定の平面についての超音波画像データを取得し得る。
【0036】
図2Cは、本明細書で説明する一実装形態による第3の例示的な超音波プローブ110の図である。
図2Cに示されているように、超音波プローブ110はトランスデューサ要素の2次元(2D)アレイを含み得る。この実装形態では、超音波プローブ110は、ベース210と、スピンドル230と、2Dトランスデューサ・アレイ285をもつトランスデューサ・バケット280とを含み得る。2Dトランスデューサ・アレイ285は、ケーブル130(
図2Cに示されていない)を介して、2Dトランスデューサ・アレイ285をベース・ユニット120に電気的に接続するワイヤード又はワイヤレス電気接続を含み得る。
【0037】
ベース210は、超音波プローブ110に対する構造的支持を与え、スピンドル230を固定し得る。スピンドル230はトランスデューサ・バケット280において終端し得る。2Dトランスデューサ・アレイ285はトランスデューサ・バケット280に取り付けられ得る。2Dトランスデューサ・アレイ285は、圧電トランスデューサ、容量性トランスデューサ、及び/又は他のタイプの超音波トランスデューサの2Dアレイを含み得る。2Dトランスデューサ・アレイ285は、特定の超音波周波数又は超音波周波数の範囲において電気信号を超音波信号に変換し得、反射された超音波信号(たとえば、エコーなど)を受信し得、受信された超音波信号を電気信号に変換し得る。2Dトランスデューサ・アレイ285の各要素は、
図2Cにおいてアイテム290として示されている方向のセットのうちの特定の方向において超音波信号を送信し、受信し得る。したがって、一緒に、2Dトランスデューサ・アレイ285の要素は、3D超音波走査を生成するために複数の平面についての超音波画像データを生成し得る。言い換えれば、2Dトランスデューサ・アレイ285は、特定の方向において超音波ビームを電子的に傾けるように制御され得る。
【0038】
照準モードでは、2Dトランスデューサ・アレイ285は、1つ又は複数の選択された照準平面についての超音波画像データを取得し得る。特定の選択された照準平面の場合、2Dトランスデューサ・アレイ285からのトランスデューサ要素の線形1Dセットは、特定の選択された照準平面についての超音波画像を生成するために選択され得る。実例として、トランスデューサの2つの1Dセットが、2つの直交する平面のために選択され得、2つの直交する平面の超音波画像を取得することを交互に行い得る。代替的に、2つの直交する平面についての超音波画像は実質的に同時に取得され得る。別の実例として、2Dトランスデューサ・アレイ285は、互いから120度離れて位置する3つの平面を通して巡回し得、2Dトランスデューサ・アレイ285からのトランスデューサ要素の1Dセットの3つのセットは3つの平面についての超音波画像を取得し得る。3D走査モードでは、2Dトランスデューサ・アレイ285は、当該領域のフル3D走査を取得するために、トランスデューサ要素の1Dセットのセットを通して、1回又は複数回、巡回し得る。代替的に、2Dトランスデューサ・アレイ285のトランスデューサ要素の1Dセットの複数のセット、又はさらにはトランスデューサ要素のすべてが、当該領域のフル3D走査を取得するために実質的に同時に活動化され得る。
図2A、
図2B、及び
図2Cは超音波プローブ110の例示的な構成要素を示すが、他の実装形態では、超音波プローブ110は、より少ない構成要素、異なる構成要素、追加の構成要素、又は
図2A、
図2B、及び
図2Cに示されているものとは異なって構成される構成要素を含み得る。追加又は代替として、超音波プローブ110の1つ又は複数の構成要素は、超音波プローブ110の1つ又は複数の他の構成要素によって実行されるものとして説明される1つ又は複数のタスクを実行し得る。
【0039】
図3は、本明細書で説明する一実装形態によるデバイス300の例示的な構成要素を示す図である。超音波プローブ110及び/又はベース・ユニット120は、それぞれ1つ又は複数のデバイス300を含み得る。
図3に示されているように、デバイス300は、バス310と、プロセッサ320と、メモリ330と、入力デバイス340と、出力デバイス350と、通信インターフェース360とを含み得る。バス310は、デバイス300の構成要素の間の通信を可能にする経路を含み得る。プロセッサ320は、命令を解釈し、実行する、任意のタイプのシングルコア・プロセッサ、マルチコア・プロセッサ、マイクロプロセッサ、ラッチベース・プロセッサ、及び/又は処理論理(又はプロセッサ、マイクロプロセッサ、及び/又は処理論理のファミリー)を含み得る。他の実施例では、プロセッサ320は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、及び/又は別のタイプの集積回路又は処理論理を含み得る。メモリ330は、プロセッサ320による実行のための、情報及び/又は命令を記憶し得る任意のタイプの動的記憶デバイス、及び/又はプロセッサ320による使用のための情報を記憶し得る任意のタイプの不揮発性記憶デバイスを含み得る。たとえば、メモリ330は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、又は別のタイプの動的記憶デバイス、読取り専用メモリ(ROM)デバイス、若しくは別のタイプの静的記憶デバイス、コンテンツ・アドレッサブル・メモリ(CAM)、磁気及び/又は光記録メモリ・デバイス及びそれの対応するドライブ(たとえば、ハード・ディスク・ドライブ、光ドライブなど)、及び/又はフラッシュ・メモリなどの取外し可能な形態のメモリを含み得る。
【0040】
入力デバイス340は、オペレータがデバイス300に情報を入力することを可能にし得る。入力デバイス340は、たとえば、キーボード、マウス、ペン、マイクロフォン、リモート・コントロール、オーディオ・キャプチャ・デバイス、画像及び/又はビデオ・キャプチャ・デバイス、タッチスクリーン・ディスプレイ、及び/又は別のタイプの入力デバイスを含み得る。いくつかの実施例では、デバイス300は、リモートで管理され得、入力デバイス340を含まないことがある。言い換えれば、デバイス300は、「ヘッドレス」であり得、たとえば、キーボードを含まないことがある。
【0041】
出力デバイス350はデバイス300のオペレータに情報を出力し得る。出力デバイス350は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ、及び/又は別のタイプの出力デバイスを含み得る。たとえば、デバイス300は、顧客にコンテンツを表示するための液晶ディスプレイ(LCD)を含み得る、ディスプレイを含み得る。いくつかの実施例では、デバイス300は、リモートで管理され得、出力デバイス350を含まないことがある。言い換えれば、デバイス300は、「ヘッドレス」であり得、たとえば、ディスプレイを含まないことがある。
【0042】
通信インターフェース360は、デバイス300が、ワイヤレス通信(たとえば、無線周波数、赤外線、及び/又は視覚オプティクスなど)、ワイヤード通信(たとえば、導線、より対線、同軸ケーブル、伝送線路、光ファイバー・ケーブル、及び/又は導波路など)、又はワイヤレス通信とワイヤード通信の組合せを介して、他のデバイス及び/又はシステムと通信することを可能にする、トランシーバを含み得る。通信インターフェース360は、ベースバンド信号を無線周波数(RF)信号に変換する送信機、及び/又はRF信号をベースバンド信号に変換する受信機を含み得る。通信インターフェース360は、RF信号を送信し、受信するためのアンテナに結合され得る。
【0043】
通信インターフェース360は、入力ポート及び/若しくは出力ポートを含む論理構成要素、入力システム及び/若しくは出力システム、並びに/又は他のデバイスへのデータの送信を促進する他の入力構成要素及び出力構成要素を含み得る。たとえば、通信インターフェース360は、ワイヤード通信のためのネットワーク・インターフェース・カード(たとえば、イーサネット(登録商標)・カード)、及び/又はワイヤレス通信のためのワイヤレス・ネットワーク・インターフェース(たとえば、WiFi)カードを含み得る。通信インターフェース360はまた、ケーブルを介した通信のためのユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポート、Bluetooth(商標)ワイヤレス・インターフェース、無線周波数識別(RFID)インターフェース、近距離通信(NFC)ワイヤレス・インターフェース、及び/又はデータを1つの形態から別の形態に変換する任意の他のタイプのインターフェースを含み得る。以下で詳細に説明するように、デバイス300は、照準モード中の当該領域のマルチプレーン可視化に関係するいくつかの動作を実行し得る。デバイス300は、プロセッサ320がメモリ330などコンピュータ可読媒体に含まれているソフトウェア命令を実行することに応答して、これらの動作を実行し得る。コンピュータ可読媒体は非一時的メモリ・デバイスとして定義され得る。メモリ・デバイスは、単一の物理メモリ・デバイス内で実装されるか、又は複数の物理メモリ・デバイスにわたって拡散し得る。ソフトウェア命令は別のコンピュータ可読媒体から又は別のデバイスからメモリ330に読み込まれ得る。メモリ330に含まれているソフトウェア命令は、プロセッサ320に本明細書で説明するプロセスを実行させ得る。代替的に、本明細書で説明するプロセスを実装するためのソフトウェア命令の代わりに、又はそれと組み合わせて、ハードワイヤード回路が使用され得る。したがって、本明細書で説明する実装形態はハードウェア回路とソフトウェアの任意の特定の組合せに限定されない。
図3はデバイス300の例示的な構成要素を示すが、他の実装形態では、デバイス300は、より少ない構成要素、異なる構成要素、追加の構成要素、又は
図3に示されているものとは異なって構成される構成要素を含み得る。追加又は代替として、デバイス300の1つ又は複数の構成要素は、デバイス300の1つ又は複数の他の構成要素によって実行されるものとして説明される1つ又は複数のタスクを実行し得る。
【0044】
図4は、超音波システム100の例示的な機能構成要素を示す図である。超音波システム100の機能構成要素は、たとえば、メモリ330からの命令を実行するプロセッサ320を介して実装され得る。代替的に、超音波システム100の機能構成要素のいくつか又はすべてはハードワイヤード回路を介して実装され得る。
図4に示されているように、超音波システム100は、ユーザ・インターフェース410と、照準モード・マネージャ420と、画像生成器430と、3D走査マネージャ440と、データ・コレクタ450とを含み得る。
【0045】
ユーザ・インターフェース410は、ディスプレイ122を介して超音波画像をユーザに表示し、ディスプレイ122に関連するタッチスクリーンを介して、ベース・ユニット120上及び/又は超音波プローブ110上に位置する1つ又は複数の制御キーを介して、ベース・ユニット120中に含まれるマイクロフォンを介して、及び/又は別のタイプの入力方法を介して、ユーザからの選択及び/又はコマンドを受信するように構成されたユーザ・インターフェース(たとえば、グラフィカル・ユーザ・インターフェース)を生成し得る。たとえば、ユーザは、ユーザ・インターフェース410を介して超音波画像のタイプ、照準モードを選択し得、1つ又は複数の照準モード平面、走査モード、及び/若しくは撮像モードを選択し得、並びに/又はユーザが照準モード中の超音波プローブ110の位置に満足すると3D走査を実行することを選択し得る。
【0046】
照準モード・マネージャ420は、超音波システム100に関連する照準モードを管理し得る。実例として、ユーザが走査を実行することを選択すると、超音波システム100は自動的に照準モードに入り得る。別の実例として、ユーザは、選択項目を使用して、及び/又は特定のコマンドを実行することによって照準モードを選択し得る。いくつかの実装形態では、照準モード・マネージャ420は、たとえば、2つの直交する平面など、照準モード平面のデフォルト・セットを選択し得る。追加又は代替として、ユーザは、1つ又は複数の照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードを選択し得る。実例として、ユーザは、特定の平面(たとえば、「矢状」、「前頭」など)を指定するによって第1の照準モード平面を選択し得、各追加の平面を指定するによって追加の照準モード平面を選択し得る。別の実例として、ユーザは、走査平面の第1の数を指定することによって第1の走査モードを選択し、走査平面の第2の数を指定することによって第2の走査モードを選択し得る。また別の実例として、ユーザは第1の撮像モード及び第2の撮像モードを選択し得る。
【0047】
照準モード平面は、名前を介して、角度オフセット(たとえば、第2の平面が第1の平面+90度であるなど)を介して、照準モード平面セット(たとえば、2つの直交する平面、60度分離された3つの平面、45度分離された4つの平面、45度分離された2つの平面、及び2つの平面間の角を2等分する平面に直交する第3の平面、など)を選択することによって、ディスプレイ122のタッチスクリーン上に当該領域の図式表現の周りに描かれる円にわたって各平面を描く又は選択することによって、及び/又は別の技法を使用することによって選択され得る。走査モードは、各選択される走査モードごとに走査平面の数を指定するによって選択され得る。撮像モードは、利用可能な撮像モードのリストから選択され得る。
【0048】
照準モード・マネージャ420は、Bモード超音波画像、Pモード超音波画像、ドップラー超音波画像、セグメンテーション・マップ・モード超音波画像、高調波モード超音波画像、Mモード超音波画像など、特定のタイプの超音波画像、及び/又は他のタイプの超音波画像を使用して、選択された照準モード平面についての超音波画像を生成するように画像生成器430に命令し得る。いくつかの実装形態では、照準モード・マネージャ420は、選択された照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードの間で自動的にトグルし得、選択された照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードに関連する超音波画像をディスプレイ122上に表示し得る。異なる照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードに関連する超音波画像は同時に表示され得るか、又はディスプレイ122は、異なる照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モード画像を表示することを通してトグルし得る。他の実装形態では、ユーザは、トグル・スイッチ116を押すことによって、及び/又は、さもなければ、(たとえば、ディスプレイ122のタッチスクリーン上のトグル・ボタンを押すことによって、コマンドを発話することによってなど)異なる照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モード画像の間でトグルすることを選択することによって、異なる照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モード画像の間でトグルし得る。
【0049】
画像生成器430は特定の平面内に超音波画像を生成し得る。たとえば、画像生成器430は、特定のタイプの超音波画像を取得するように、特定の平面に(たとえば、θモータ220の特定の位置)移動するように、及び(たとえば、φモータ240及びトランスデューサ260を使用して)特定の平面についての特定のタイプの超音波画像を生成するように、データ・コレクタに命令し得る。
【0050】
3D走査マネージャ440は、患者の体における当該領域についての3D走査を生成し得る。たとえば、ユーザが3D走査を実行することを選択したことに応答して、3D走査マネージャ440は、特定のシーケンスにおいて平面の特定のセットについての超音波画像を生成するように画像生成器430に命令し得る。いくつかの実装形態では、3D走査はθモータ220及びφモータ240のインターレースされた動きで実装され得る。3D走査中に走査される平面の数(たとえば、θモータ220の異なる位置の数)はユーザによって構成可能であり得る。たとえば、3D走査は、平面を30度ごと、15度ごと、10度ごと、5度ごとなどに走査するようにセットされ得る。
【0051】
データ・コレクタ450は、超音波プローブ110から超音波画像データを収集するように構成され得る。データ・コレクタ450は、φモータ・コントローラ460と、θモータ・コントローラ470と、トランスデューサ・コントローラ480とを含み得る。φモータ・コントローラ460はφモータ240を制御し得る。θモータ・コントローラ470はθモータ220を制御し得る。トランスデューサ・コントローラ480はトランスデューサ260(又は1Dトランスデューサ・アレイ275又は2Dトランスデューサ・アレイ285)を制御し得る。
【0052】
図4は超音波システム100の例示的な構成要素を示すが、他の実装形態では、超音波システム100は、より少ない構成要素、異なる構成要素、追加の構成要素、又は
図4に示されているものとは異なって構成される構成要素を含み得る。追加又は代替として、超音波システム100の1つ又は複数の構成要素は、超音波システム100の1つ又は複数の他の構成要素によって実行されるものとして説明される1つ又は複数のタスクを実行し得る。
【0053】
図5は、本明細書で説明する一実装形態による、照準中のマルチプレーン可視化のためのプロセスのフローチャートである。いくつかの実装形態では、
図5のプロセスは超音波システム100によって実行され得る。他の実装形態では、
図5のプロセスのいくつか又はすべては、超音波システム100とは別個の別のデバイス又はデバイスのグループによって実行され得る。
【0054】
図5のプロセスは、照準モードを選択すること(ブロック510)を含み得る。実例として、ユーザが走査を実行することを選択する及び/又は超音波システム100をオンにすると、超音波システム100は照準モードに自動的に入り得る。別の実例として、ユーザは、選択項目を使用して及び/又は特定のコマンドを実行することによって照準モードを選択し得る。さらに、ユーザは、照準モード中に使用するべき特定のタイプの超音波画像を選択し得る。たとえば、ユーザは、Bモード超音波画像、Pモード超音波画像、ドップラー超音波画像、高調波モード超音波画像、Mモード超音波画像、及び/又は他のタイプの超音波画像を使用することを選択し得る。
【0055】
第1の照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードが選択され得(ブロック520)、第1の照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードが走査され得る(ブロック530)。いくつかの実装形態では、超音波システム100は、デフォルト平面(たとえば、矢状面、横断面など)を、第1の照準モード平面、デフォルト走査モード(たとえば、単一の平面走査など)、及び/又はデフォルト撮像モード(たとえば、Bモードなど)として使用し得る。他の実装形態では、ユーザは、平面のリストから平面を選択することによって、平面の名前を指定するによって、(たとえば、矢状面から)角度オフセットを指定することによって、ディスプレイ122上に表示される当該領域にわたるラインを描くこと又は選択することによって、及び/又は別の技法を使用することによって、第1の照準モード平面を選択し得る。追加又は代替として、ユーザは、走査モード及び/又は撮像モードの提示されたリストから走査モード及び/又は撮像モードを選択することによって、第1の走査モード及び/又は撮像モードを選択し得る。超音波システム100は、ディスプレイ122中に、選択された第1の照準モード、走査モード、及び/又は撮像モードを走査し、表示し得る。
【0056】
追加の照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードが選択され得(ブロック540)、選択された追加の照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードが走査され得る(ブロック550)。たとえば、ユーザは、上記で説明した技法のうちの1つ又は複数を使用して、追加の照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードを選択し得、超音波システム100は、ユーザが超音波プローブ110の位置を変更する必要なしに、ディスプレイ122中に選択された追加の照準モード、走査モード、及び/又は撮像モードを走査し、表示し得る。追加の照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードが選択されるかどうかに関する決定が行われ得る(ブロック560)。たとえば、超音波システム100は、選択された照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードの間でトグルし続け得、ユーザは、別の照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードを選択し得る。
【0057】
追加の照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードが選択されることが決定された(ブロック560-はい)場合、処理はブロック540に戻り得る。追加の照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードが選択されないことが決定された(ブロック560-いいえ)場合、ポスト照準モード処理に進むかどうかに関する決定が行われ得る(ブロック570)。実例として、超音波システム100は、3D走査を実行するために選択が行われたことを決定し得る。3D走査は、たとえば、ディスプレイ122のタッチスクリーン上の3D走査ボタンを選択することによって、ベース・ユニット120及び/又は超音波プローブ110上の特定のキーを押すことによって、ボイス・コマンドを発話することによって、及び/又は別の技法を使用して選択され得る。別の実例として、超音波システム100は、たとえば、ディスプレイ122上に与えられるオプションのリストから針ガイド選択を行うことによって、ユーザが針ガイドを配置することを選択したことを決定し得る。また別の実例として、超音波システム100は、たとえば、ディスプレイ122上に与えられるオプションのリストから分析モード選択を行うことによって、ユーザが、当該領域を分析する(たとえば、器官の体積を測定する、器官中の流体の量を測定する、領域を通る血流を測定するなど)ことを選択したことを決定し得る。
【0058】
処理がポスト照準モード処理に進まないこと(ブロック570-いいえ)が決定された場合、選択された照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードの間のトグリングが実行され得る(ブロック580)。たとえば、超音波システム100は、3D走査が選択されるまで、及び/又は異なるモードが選択される(たとえば、超音波システム100がアイドル・モードに入れられるなど)まで、選択された照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードの間でトグルし続け得る。処理が3D走査に進むこと(ブロック570-はい)が決定された場合、ポスト照準モード処理が実行され得る(ブロック590)。実例として、ユーザが、照準モード中の複数の照準モード平面を介して表示された情報に基づいて、超音波プローブ110のアライメントに満足した後に、ユーザは、3D走査を実行することを選択し得、超音波システム100は3D走査を実行し得る。
【0059】
いくつかの実装形態では、超音波システム100は、ポスト照準処理中、選択された照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードの間でトグルし続け得る。実例として、ユーザは針ガイド・モードを選択し得る。応答して、超音波システム100は、ユーザが針ガイドを操作している間、及び超音波システム100が、選択された照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードの間でトグルし続ける間、ユーザに画像及び/又は命令を与える、針ガイド・モードに入り得る。
【0060】
また別の実例として、超音波システム100は、器官又は体腔の体積を測定することを選択することによって、器官又は体腔中の流体の量を測定することを選択するによって、当該領域を通る血流を測定することを選択するによって、及び/又は別のタイプの分析を選択することによって、ユーザが当該領域を分析することを選択したことを決定し得る。応答して、超音波システム100は、超音波システム100が、選択された照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードの間でトグルし続ける間、分析モードに入り、要求された測定を実行し得る。
【0061】
図6は、本明細書で説明する一実装形態による、照準中のマルチプレーン可視化のための別のプロセスのフローチャートである。
図6のプロセスにおいて、超音波システム100が活動化されたとき、及び/又は照準モードが選択されたとき、超音波システム100は、マニュアル・トグリングを必要とすることなしに、2つ又はそれ以上の照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードの間で自動的にトグルし得る。いくつかの実装形態では、自動トグリングは、デフォルト照準モードとして、及び/又はユーザが患者の体内で針ガイド及び/又は別のタイプの医療デバイスを操作している間、使用され得る。いくつかの実装形態では、
図6のプロセスは超音波システム100によって実行され得る。他の実装形態では、
図6のプロセスのいくつか又はすべては、超音波システム100とは別個の別のデバイス又はデバイスのグループによって実行され得る。
【0062】
図6のプロセスは、照準モードを選択することを含み得る(ブロック610)。実例として、ユーザが、走査を実行することを選択する及び/又は超音波システム100をオンにすると、超音波システム100は自動的に照準モードに入り得る。別の実例として、ユーザは、選択項目を使用して、及び/又はデフォルト照準モード、針ガイド照準モード、及び/又は別のタイプの照準モードを選択することによってなど、特定のコマンドを実行することによって、特定の照準モードを選択し得る。
【0063】
2つ又はそれ以上の照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードの間のトグリングが行われ得る(ブロック620)。たとえば、選択された照準モードに応答して、超音波システム100は、超音波システム100が、選択された照準モードにある間、照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードの特定のセットの間で自動的にトグルし得る。実例として、超音波システム100は、矢状面及び横断面など、2つの直交する平面の間でトグルし得る。別の実例として、超音波システム100は、選択された照準モードに応答して、互いに120度の3つの平面を通して連続的に回転し得る。また別の実例として、超音波システム100はシングル・プレーン走査とバイプレーン走査との間でトグルし得る。また別の実例として、超音波システム100はBモード画像とPモード画像との間でトグルし得る。超音波システム100は、特定のトグリング・レートにおいて照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードのセットの間でトグルし得る。ユーザには、ユーザがトグリング・レートを増加又は減少させることを可能にするために、選択オブジェクト及び/又はボイス・コマンド・オプションが与えられ得る。
【0064】
ユーザは、照準モードにある間、異なる画像モードの間で切り替わることが可能にされ得る(ブロック630)。たとえば、超音波システム100は、たとえば、Bモード超音波画像、Pモード超音波画像、ドップラー超音波画像、高調波モード超音波画像、Mモード超音波画像、及び/又は他のタイプの超音波画像など、ユーザが、照準モード中に使用するべき特定のタイプの超音波画像を選択することを可能にするために、選択オブジェクト及び/又はボイス・コマンド・オプションを与え得る。実例として、2つの直交するBモード画像の間の自動トグリングを使用して、針挿入のためのターゲット容器を見つけることを試みる間、ユーザは、ターゲット容器をより効率的に見つけるためにドップラーをオン又はオフにすることを選択し得る。
【0065】
ポスト照準モード処理に進むかどうかに関する決定が行われ得る(ブロック640)。実例として、超音波システム100は、選択が3D走査を実行するために行われたことを決定し得る。別の実例として、超音波システム100は、ユーザが、たとえば、血管など、ターゲット領域中への針の挿入を成功させた後に、照準モードから出たことを決定し得る。また別の実例として、超音波システム100は、ユーザが、たとえば、ディスプレイ122上に与えられたオプションのリストから分析モード選択を行うことによって、当該領域を分析する(たとえば、器官の体積を測定する、器官中の流体の量を測定する、領域を通る血流を測定するなど)ことを選択したことを決定し得る。
【0066】
処理がポスト照準モード処理に進むべきでないこと(ブロック640-いいえ)が決定された場合、2つ又はそれ以上の照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードの間の自動トグリングが実行され続け得る(ブロック620)。処理が3D走査に進むべきであること(ブロック640-はい)が決定された場合、ポスト照準モード処理が実行され得る(ブロック650)。実例として、ユーザが、照準モード中に2つ又はそれ以上の照準モード平面、走査モード、及び/又は撮像モードを介して表示される情報に基づいて超音波プローブ110のアライメントに満足した後、ユーザは、3D走査を実行することを選択し得、超音波システム100は3D走査を実行し得る。別の実例として、超音波システム100は、任意の追加の処理を実行することなしに照準モードから出得る。
【0067】
図7は、本明細書で説明する一実装形態による例示的なマルチプレーン可視化700の図である。
図7に示されているように、マルチプレーン可視化700は、2つの照準モード平面、すなわち、第1の照準モード平面710と第2の照準モード平面720とを含む患者160の器官165の走査を含み得る。第1の照準モード平面710は横断面に対応し得、第2の照準モード平面720は矢状面に対応し得る。第1の照準モード平面710は、(
図7に示されていない)ベース・ユニット120上に第1の超音波画像715として表示され得、第2の照準モード平面720は、ディスプレイ122上になど、ベース・ユニット120上に第2の超音波画像725として表示され得る。
【0068】
図8は、本明細書で説明する一実装形態による第1のユーザ・インターフェース800の図である。
図8に示されているように、いくつかの実装形態では、第1の超音波画像715及び第2の超音波画像725は、リアルタイムで又はほぼリアルタイムでディスプレイ122上に一緒に表示され得る。したがって、超音波プローブ110が第1の照準モード平面710を走査する際に、第1の超音波画像715は新しい画像でリフレッシュされ得る。超音波プローブ110は、次いで、第2の照準モード平面720を走査し得、第2の超音波画像725は新しい画像でリフレッシュされ得る。
【0069】
図9は、本明細書で説明する一実装形態による第2のユーザ・インターフェース900の図である。
図9に示されているように、他の実装形態では、ディスプレイ122は、特定の間隔で、又はユーザがトグル・スイッチ116(及び/又は超音波システム100に関連する別のキー又はボタン)を押したことに応答して、第1の超音波画像715と第2の超音波画像725との間でトグルし得る。また他の実装形態では、第1の超音波画像715及び第2の超音波画像725は、タイル構成で表示され得、トグルすることにより、ユーザによって閲覧されるように前面に移動されるタイルが変化し得る。
【0070】
図10は、本明細書で説明する一実装形態による第3のユーザ・インターフェース1000の図である。
図10に示されているように、いくつかの実装形態では、ディスプレイ122は、特定の間隔で、又はユーザがトグル・スイッチ116(及び/又は超音波システム100に関連する別のキー又はボタン)を押したことに応答して、Bモード超音波画像1015とPモード超音波画像1025との間でトグルし得る。また他の実装形態では、Bモード超音波画像1015及びPモード超音波画像1025はタイル構成で表示され得、トグルすることにより、ユーザによって閲覧されるように前面に移動されるタイルが変化し得る。
【0071】
以上の明細書では、添付の図面を参照しながら、様々な好ましい実施例について説明した。しかしながら、様々な変更及び改変がそれに対して行われ得、以下の特許請求の範囲に記載されているように、本発明のより広い範囲から逸脱することなしに、追加の実施例が実装され得ることは明らかである。明細書及び図面は、したがって、限定的な意味ではなく、例示的な意味で考えられるべきである。
【0072】
たとえば、
図5及び
図6に関して一連のブロックについて説明したが、ブロックの順序は他の実装形態では変更され得る。さらに、非依存ブロックは並行して実行され得る。
【0073】
上記で説明した実施例は、膀胱を走査することに関するが、大動脈、前立腺、腎臓、子宮、卵巣、大動脈、心臓など、他の器官、関節、血管、及び/又は人体領域は、他の実装形態では、走査及び/又は撮像され得るだろう。さらに、いくつかの実装形態では、適切な照準モードを取得し、次いで3D走査に進むことは、画像のサイズ及び/又は別のパラメータに基づいて自動的であり得る。
【0074】
本システム及び/又は方法は、上記で説明したように、図に示された実装形態において、ソフトウェア、ファームウェア、及びハードウェアの多くの異なる形態で実装され得ることが明らかになろう。これらのシステム及び方法を実装するために使用される実際のソフトウェア・コード又は専用制御ハードウェアは実施例を限定しない。したがって、本システム及び方法の動作及び挙動については、特定のソフトウェア・コードへの言及なしに説明した。すなわち、ソフトウェア及び制御ハードウェアは、本明細書の説明に基づくシステム及び方法を実装するように設計され得ることが理解される。
【0075】
さらに、上記で説明したいくつかの部分は、1つ又は複数の機能を実行する構成要素として実装され得る。構成要素は、本明細書で使用する際、プロセッサ、ASIC、又はFPGAなどのハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組合せ(たとえば、ソフトウェアを実行するプロセッサ)を含み得る。
【0076】
「備える(comprise)」/「備える(comprising)」という用語は、本明細書において使用されるとき、述べられる特徴、整数、ステップ又は構成要素の存在を指定するために用いられるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、構成要素、又はそれらのグループの存在又は追加を排除しないことが強調されるべきである。
【0077】
「論理」という用語は、本明細書で使用する際、1つ又は複数のメモリ・デバイスにおいて記憶される命令を実行するように構成された1つ又は複数のプロセッサの組合せを指すことがあり、ハードワイヤード回路を指すことがあり、及び/又はそれらの組合せを指すことがある。さらに、論理は、単一のデバイス中に含まれ得るか、又は複数の、場合によってはリモートのデバイスにわたって分配され得る。
【0078】
本発明を説明し、定義する目的で、さらに、「実質的に」という用語は、本明細書では、任意の定量比較、値、測定、又は他の表現に帰せられ得る不確定性の固有の程度を表すために利用されることに留意されたい。「実質的に」という用語はまた、本明細書では、定量的表現が、問題となっている主題の基本機能の変化を生じることなしに、述べられた参照から変動し得る程度を表すために利用される。
【0079】
本出願において使用される要素、行為、又は命令はいずれも、そのようなものとして明示的に説明されていない限り、実施例にとって重要な又は本質的なものとして解釈されるべきでない。また、本明細書で使用する際、冠詞「a」は、1つ又は複数のアイテムを含むものとする。さらに、「に基づいて」という句は、別段に明記されていない限り、「に少なくとも部分的に基づいて」を意味するものとする。