(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】ベンゾオチアゾール化合物及び神経変性障害を治療するためにそれを使用する方法
(51)【国際特許分類】
C07D 277/82 20060101AFI20241217BHJP
A61K 31/428 20060101ALI20241217BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20241217BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20241217BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20241217BHJP
A61K 31/69 20060101ALI20241217BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20241217BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20241217BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20241217BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20241217BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20241217BHJP
C07D 417/04 20060101ALI20241217BHJP
C07D 417/10 20060101ALI20241217BHJP
C07D 417/14 20060101ALI20241217BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20241217BHJP
C07F 5/02 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
C07D277/82 CSP
A61K31/428
A61K31/437
A61K31/4439
A61K31/506
A61K31/69
A61K45/00
A61P21/00
A61P25/00
A61P25/16
A61P25/28
C07D417/04
C07D417/10
C07D417/14
C07D471/04 104Z
C07D471/04 106C
C07F5/02 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023080175
(22)【出願日】2023-05-15
(62)【分割の表示】P 2020520037の分割
【原出願日】2018-10-01
【審査請求日】2023-06-14
(32)【優先日】2017-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520116713
【氏名又は名称】ファースト・バイオセラピューティクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】1ST BIOTHERAPEUTICS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジンファ
(72)【発明者】
【氏名】チョ,スヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク,アヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ,グウィビン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジェウン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミスン
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ギュスン
(72)【発明者】
【氏名】イム,スンムク
(72)【発明者】
【氏名】イム,キョンスン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ミヌ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ヘギョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョナム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョンジュン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ワンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ミンジュ
【審査官】谷尾 忍
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-527692(JP,A)
【文献】国際公開第2009/114874(WO,A2)
【文献】国際公開第2010/144909(WO,A1)
【文献】特表2014-502601(JP,A)
【文献】特表2001-522800(JP,A)
【文献】Hwangseo PARK et al.,Discovery of Picomolar ABL Kinase Inhibitors Equipotent for Wild Type and T315I Mutant via Structure-Based de Novo Design,J. AM. CHEM. SOC.,2013年,vol.135, no.22,p.8227-8237
【文献】Seunghee HONG et al.,Discovery of New Benzothiazole-Based Inhibitors of Breakpoint Cluster Region-Abelson Kinase Including the T315I Mutant,J. MED. CHEM.,2013年,vol.56, no.9,p.3531-3545
【文献】矢ヶ崎史治,IV.最近のトピックス 2.チロシンキナーゼ阻害薬,日本内科学会雑誌,2007年,第96巻、第7号,第1411-1419頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 277/82
A61K 31/428
A61K 31/437
A61K 31/4439
A61K 31/506
A61K 31/69
A61K 45/00
C07D 417/04
C07D 417/10
C07D 417/14
C07D 471/04
C07F 5/02
C07D 513/04
A61K 31/444
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中、
R
1は、シクロプロピルであり、ここで、前記シクロプロピルは、ハロ、アルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル及びハロアルキルからなる群より選択される1つ以上の基により置換されており、
R
2及びR
3は、独立して、-H、ハロ、アルキル、アルコキシ、-CF
3又は-OCF
3であり、
R
4は、アリール、単環式ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり、ここで、前記アリール、単環式ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリルは、ハロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、トリメチルシリルエトキシメチル、-NO
2、-NR
aR
b、-NR
aC(=O)R
b、-NR
aC(=O)NR
aR
b、-NR
aC(=O)OR
b、-OR
a、-CN、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
a、-C(=O)NR
aR
b、-OC(=O)R
a、-OC(=O)OR
a、-OC(=O)NR
aR
b、-SR
a、アゼチジニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、フラニル、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フェニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びチオモルホリニルからなる群より選択される1つ以上の基により場合により置換されており、
R
a及びR
bは、独立して、-H、ハロ、アミノ、アルキル又はハロアルキルである]
で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項2】
R
1が、シクロプロピルであり、ここで、前記シクロプロピルが、ハロ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ヒドロキシアルキル及びC
1~C
3ハロアルキルからなる群より選択される1つ以上の基により置換されており、
R
2及びR
3が、独立して、-H、ハロ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3アルコキシ、-CF
3又は-OCF
3であり、
R
4が、アリール、単環式ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり、ここで、前記アリール、単環式ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリルが、ハロ、ヒドロキシル、C
1~C
3アルキル、C
2~C
3アルケニル、C
2~C
3アルキニル、C
1~C
3ハロアルキル、-NO
2、-NR
aR
b、-NR
aC(=O)R
b、-NR
aC(=O)NR
aR
b、-NR
aC(=O)OR
b、-OR
a、-CN、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
a、-C(=O)NR
aR
b、-OC(=O)R
a、-OC(=O)OR
a、-OC(=O)NR
aR
b、-SR
a、アゼチジニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、フラニル、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フェニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びチオモルホリニルからなる群より選択される1つ以上の基により場合により置換されており、
R
a及びR
bが、独立して、-H、ハロ、アミノ、C
1~C
3アルキル又はC
1~C
3ハロアルキルである、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項3】
R
1が、フルオロ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ヒドロキシアルキル及びC
1~C
3フルオロアルキルからなる群より選択される1つ以上の基により置換されているシクロプロピルであり、
R
2及びR
3が、独立して、-H、-F、-Br、-Cl、C
1~C
3アルキル又は-CF
3であり、
R
4が、フェニル、ピリジニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピロリル、又はピリダジニルであり、ここで、前記フェニル、ピリジニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピロリル、又はピリダジニルが、ハロ、ヒドロキシル、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、-NR
aR
b、-OR
a、-CN、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
a、-OC(=O)R
a、-OC(=O)OR
a、-SR
a、ピラゾリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル及びピロリルからなる群より選択される1つ以上の基により場合により置換されており、
R
a及びR
bが、独立して、-H、ハロ、アミノ、C
1~C
3アルキル又はC
1~C
3ハロアルキルである、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項4】
R
1が、フルオロ、メチル、エチル、ヒドロキシメチル、及びヒドロキシエチルからなる群より選択される1つ以上の基により置換されているシクロプロピルである、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項5】
R
1が、フルオロシクロプロピル、ヒドロキシメチルシクロプロピル、又はジフルオロシクロプロピルであり、R
2及びR
3が、独立して、-H、メチル又はフルオロである、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項6】
R
4が、フルオロ-メチルフェニル、クロロ-メチルフェニル、ジメチルフェニル、アセトアミド-メチルフェニル、ヒドロキシ-メチルフェニル、ヒドロキシプロパニル-メチルフェニル、メチル-プロペニルフェニル、メチル-ピロリルフェニル、メチル-チアゾリルフェニル、イミダゾリル-メチルフェニル、シアノ-メチルフェニル、メチル-ピラゾリルフェニル、エチニル-メチルフェニル、メチルピリジニル、フルオロ-メチル-メチルアミノフェニル、ジメチルピリジニル、フルオロ-メチルピリジニル、フルオロメチル-メチルピリジニル、シアノピリジニル、トリフルオロメチル-メチルピリジニル、ヒドロキシメチルピリジニル、ヒドロキシメチル-メチルピリジニル、ヒドロキシエチル-メチルピリジニル、クロロ-メチルピリジニル、アミノピリジニル、アセチル-メチルピリジニル、アミノ-ジメチルピリジニル、ヒドロキシエチル-メチルピリジニル、メチルピリミジニル、ジメチルピリミジニル、トリフルオロメチルピリミジニル、ピラゾリル、メチルチアゾリル、メチル-テトラヒドロピラニル、メチルピラゾリル、メチルイソチアゾリル、クロロ-メチルイソチアゾリル、又はジメチルイソチアゾリルである、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項7】
R
4が、フルオロ-メチルフェニル、クロロ-メチルフェニル、ジメチルフェニル、アセトアミド-メチルフェニル、ヒドロキシ-メチルフェニル、メチル-プロペニルフェニル、エチニル-メチルフェニル、フルオロ-メチル-メチルアミノフェニル、メチル-ピロリルフェニル、メチル-チアゾリルフェニル、シアノ-メチルフェニル、イミダゾリル-メチルフェニル、メチルピリジニル、クロロ-メチルピリジニル、フルオロ-メチルピリジニル、フルオロメチル-メチルピリジニル、ジメチルピリジニル、アミノピリジニル、アミノ-ジメチルピリジニル、メトキシピリジニル、アセチル-メチルピリジニル、ヒドロキシメチルピリジニル、ヒドロキシメチル-メチルピリジニル、ヒドロキシエチル-メチルピリジニル、シアノピリジニル、トリフルオロメチルピリジニル、メチルチオフェニル、メチルピリミジニル、ジメチルピリミジニル、ピラゾリル、メチルピラゾリル、メチルピロリル、メチルイソチアゾリル、又はジメチルイソチアゾリルである、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項8】
R
4が、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリル、チオフェニル及びイソチアゾリルからなる群より選択され、ここで、前記フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリル、チオフェニル又はイソチアゾリルが、ハロ、アルキル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノ、シアノ、アセチル、ヒドロキシ及びハロアルキルからなる群より選択される1つ以上の基により場合により置換されている、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項9】
R
4が、
下記式で表される基
【化2】
からなる群より選択される、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項10】
R
1が、フルオロシクロプロピルである、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項11】
2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2,6-ジメチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(プロパ-1-エン-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2-クロロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2,4-ジメチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(3-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(6-アミノ-2,4-ジメチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メトキシピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(3-メチルチオフェン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリミジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(6-アセチル-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4,6-ジメチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(6-クロロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(6-(ヒドロキシメチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(6-(1-ヒドロキシエチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(1H-ピラゾ-ル-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピラゾ-ル-1-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-(ヒドロキシメチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(4-フルオロ-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(4-フルオロ-6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-メチルチアゾ-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4,6-ジメチルピリミジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(5-エチニル-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4-クロロピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4-シアノピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピロ-ル-3-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(チアゾ-ル-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(5-シアノ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾ-ル-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチル-1H-ピラゾ-ル-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピロ-ル-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピラゾ-ル-3-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(3-メチルイソチアゾ-ル-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4-クロロ-3-メチルイソチアゾ-ル-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(3,4-ジメチルイソチアゾ-ル-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(5-(1H-イミダゾ-ル-2-イル)-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(6-(フルオロメチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(5-フルオロ-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(6-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(3-メチルピリジン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(3-メチルピリジン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4-エチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-ビニルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4-エチニルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4-ブロモピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-(トリフルオロメトキシ)ピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4-(ジフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(5-クロロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4,5-ジメチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(o-トリル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2-エチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-ビニルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2-エチニルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2-ブロモフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メトキシフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2-(ジフルオロメチル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-(ヒドロキシメチル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(3-クロロ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2,3-ジメチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(4-クロロ-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(4-メトキシ-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(4-メチル-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(5-クロロ-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)-5-(トリフルオロメチル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(5-メトキシ-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(5-メチル-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(1H-イミダゾ-ル-2-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチル-1H-イミダゾ-ル-2-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(1H-イミダゾ-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-1H-イミダゾ-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(3-メチルピラジン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチルオキサゾ-ル-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(3-メチル-1H-ピロ-ル-2-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(1H-ベンゾ[d]イミダゾ-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾ-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリダジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;及び
2-フルオロ-N-(6-(5-メチルピリダジン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
からなる群より選択される、請求項10記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項12】
R
1が、ヒドロキシメチルシクロプロピルである、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項13】
2-(ヒドロキシメチル)-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;及び
N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
からなる群より選択される、請求項12記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項14】
R
1が、ヒドロキシシクロプロピル又はジフルオロシクロプロピルである、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項15】
2-ヒドロキシ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2,2-ジフルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2,2-ジフルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;及び
2,2-ジフルオロ-N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
からなる群より選択される、請求項14記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項16】
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;及び
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
からなる群より選択される、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項17】
式(II):
【化3】
[式中、
R
2
及びR
3
は、独立して、-H、ハロ、アルキル、アルコキシ、-CF
3
又は-OCF
3
であり、
R
4
は、アリール、単環式ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリルであり、ここで、前記アリール、単環式ヘテロアリール、シクロアルキル、又はヘテロシクリルは、ハロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、トリメチルシリルエトキシメチル、-NO
2
、-NR
a
R
b
、-NR
a
C(=O)R
b
、-NR
a
C(=O)NR
a
R
b
、-NR
a
C(=O)OR
b
、-OR
a
、-CN、-C(=O)R
a
、-C(=O)OR
a
、-C(=O)NR
a
R
b
、-OC(=O)R
a
、-OC(=O)OR
a
、-OC(=O)NR
a
R
b
、-SR
a
、アゼチジニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、フラニル、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フェニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びチオモルホリニルからなる群より選択される1つ以上の基により場合により置換されており、
R
a
及びR
b
は、独立して、-H、ハロ、アミノ、アルキル又はハロアルキルであり、
R
5が、ハロ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ヒドロキシアルキル及びC
1~C
3ハロアルキルからなる群より選択される]
で示される化合物である、請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項18】
R
4が、フルオロ-メチルフェニル、クロロ-メチルフェニル、ジメチルフェニル、アセトアミド-メチルフェニル、ヒドロキシ-メチルフェニル、メチル-プロペニルフェニル、エチニル-メチルフェニル、フルオロ-メチル-メチルアミノフェニル、メチル-ピロリルフェニル、メチル-チアゾリルフェニル、シアノ-メチルフェニル、イミダゾリル-メチルフェニル、メチルピリジニル、クロロ-メチルピリジニル、フルオロ-メチルピリジニル、フルオロメチル-メチルピリジニル、ジメチルピリジニル、アミノピリジニル、アミノ-ジメチルピリジニル、メトキシピリジニル、アセチル-メチルピリジニル、ヒドロキシメチルピリジニル、ヒドロキシメチル-メチルピリジニル、ヒドロキシエチル-メチルピリジニル、シアノピリジニル、トリフルオロメチルピリジニル、メチルチオフェニル、メチルピリミジニル、ジメチルピリミジニル、ピラゾリル、メチルピラゾリル、メチルピロリル、メチルイソチアゾリル、又はジメチルイソチアゾリルである、請求項17記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項19】
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(2,6-ジメチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(プロパ-1-エン-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(2-クロロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(2,4-ジメチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(3-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(6-アミノ-2,4-ジメチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メトキシピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(3-メチルチオフェン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリミジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(6-アセチル-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(4,6-ジメチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(6-クロロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(6-(ヒドロキシメチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(6-(1-ヒドロキシエチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(1H-ピラゾ-ル-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピラゾ-ル-1-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-(ヒドロキシメチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(4-フルオロ-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(4-フルオロ-6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-メチルチアゾ-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(4,6-ジメチルピリミジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(5-エチニル-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(4-クロロピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(4-シアノピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピロ-ル-3-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(チアゾ-ル-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(5-シアノ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾ-ル-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メチル-1H-ピラゾ-ル-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピロ-ル-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピラゾ-ル-3-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(3-メチルイソチアゾ-ル-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(4-クロロ-3-メチルイソチアゾ-ル-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(3,4-ジメチルイソチアゾ-ル-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(5-(1H-イミダゾ-ル-2-イル)-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(6-(フルオロメチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(5-フルオロ-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;及び
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(6-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
からなる群より選択される、請求項17記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項20】
(2-(2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾ-ル-6-イル)ボロン酸;
2-フルオロ-N-(6-(7-メチル-2-オキソインドリン-6-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-メチル-2-オキソインドリン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(4-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-[5,6’-ビベンゾ[d]チアゾ-ル]-2’-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
3-(2-(2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾ-ル-6-イル)-4-メチルピリジン 1-オキシド;
2-フルオロ-N-(6-(5-メチルインドリン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(1-アセチル-5-メチルインドリン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチル-3-(メチルアミノ)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-メチル-1H-インドール-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(7-メチル-1H-インダゾ-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(7-メチル-1H-インダゾ-ル-6-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6’-メチル-[6,7’-ビベンゾ[d]チアゾ-ル]-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インドール-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(6-フルオロ-5-メチルインドリン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-(ヒドロキシメチル)-N-(6-(5-メチル-1H-インド-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インド-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-((メチルアミノ)メチル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;及び
N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-((メチルアミノ)メチル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
からなる群より選択される化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項21】
(2-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾ-ル-6-イル)ボロン酸;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(7-メチル-2-オキソインドリン-6-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-メチル-2-オキソインドリン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(4-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-[5,6’-ビベンゾ[d]チアゾ-ル]-2’-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
3-(2-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾ-ル-6-イル)-4-メチルピリジン 1-オキシド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-メチルインドリン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(1-アセチル-5-メチルインドリン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチル-3-(メチルアミノ)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-メチル-1H-インド-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(7-メチル-1H-インダゾ-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(7-メチル-1H-インダゾ-ル-6-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6’-メチル-[6,7’-ビベンゾ[d]チアゾ-ル]-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;及び
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インド-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
からなる群より選択される立体異性体である、請求項20記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項22】
前記塩が、塩酸塩、ギ酸塩又はトリフルオロ酢酸塩である、請求項1~21のいずれか一項記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか一項記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を含む、神経変性疾患を処置するための医薬組成物。
【請求項24】
さらに、神経変性疾患を処置するのに有用な1つ以上の有効成分を含む、請求項23記載の医薬組成物。
【請求項25】
神経変性疾患が、α-シヌクレイノパシー、パーキンソン病、レビー小体を伴う認知症、多系統萎縮症(MSA)、アルツハイマー病又は筋萎縮性側索硬化症(ALS)である、請求項23記載の医薬組成物。
【請求項26】
投与すべき対象がヒトである、請求項23記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、一般的には、酵素阻害活性を有する化合物、該化合物を含む医薬組成物及び疾患を治療するために該化合物の使用する方法に関する。
【0002】
本願は、2017年10月2日に出願された米国仮出願第62/566,649号、2018年5月4日に出願された同第62/666,800号及び2018年7月11日に出願された同第62/696,432号の利益及び優先権を主張する。この段落で特定された出願の開示全体は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0003】
背景技術
α-シヌクレインは、β-及びγ-シヌクレイン並びにシノレチンを含むタンパク質の大きなファミリーの一部である。α-シヌクレインは、シナプスに関連した正常な状態で発現し、神経可塑性、学習及び記憶に役割を果たすと考えられている。いくつかの研究では、α-シヌクレインがパーキンソン病の病因において中心的な役割を果たしていることが示唆されている。タンパク質のミスフォールディング及び凝集を増加させるα-シヌクレインタンパク質の分子変化は、疾患の病因において直接的な役割を有する。α-シヌクレインの凝集は、パーキンソン病及びα-シヌクレイノパシーの病理学的特徴であるレビー小体及び好中球の形成に関与する。チロシンキナーゼc-ablの活性化は、α-シヌクレイン誘発性神経変性に関与する。
【0004】
チロシンキナーゼc-ablは、成長、生存及びストレス応答含む広範な細胞プロセスに関与する、厳密にレギュレーションされた非レセプタータンパク質チロシンキナーゼであり(Nat Rev Mol Cell Biol, 2004, 5:33-44)、c-ablは、いくつかの細胞プロセスのレギュレーションに関与し、神経発生を制御することにより中枢神経系の発達に関与している。さらに最近では、種々の実験モデル系からの証拠の増加により、c-ablが、神経変性疾患、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ニーマンピック型C型疾患及びタウオパシーにおいて活性化されることも明らかになっている(Human Molecular Genetics, 2014, Vol. 23, No.11)。
【0005】
ストレスシグナル伝達非レセプター型チロシンキナーゼc-ablは、チロシンリン酸化を介して、パーキンを散発性パーキンソン病と結びつける。c-ablによるパーキンのチロシンリン酸化は、散発性パーキンソン病においてパーキン機能の喪失及び疾患進行をもたらす主要な翻訳後修飾である。c-ablの阻害により、パーキンソン病の進行を阻止するための新たな治療機会が提供される(The Journal of Neuroscience, 2011, 31(1):157-163)。筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロンの進行性死を特徴とする致死的な神経変性疾患である。低分子干渉RNA(siRNA)によるc-ablのノックダウンによっても、ALS運動ニューロン変性が救済された(Imamura et al., Sci. Transl. Med. 9, 2017)。多系統萎縮症(MSA)は、現在の処置法がなく、稀で急速進行性の神経変性疾患である。MSAでは、黒質、線条体、オリーブ橋小脳構造及び脊髄のニューロン及びオリゴデンドロサイトにα-シヌクレインが蓄積する(J Neural Transm Vienna Austria 1996. 2016;123(6))。
【0006】
チロシンキナーゼ阻害剤であるニロチニブの投与により、トランスジェニックモデル及びレンチウイルス遺伝子導入モデルにおいて、c-abl活性が低下し、α-シヌクレインのオートファジークリアランスが改善される。マウス前脳におけるc-ablの活性化により、海馬及び線条体における神経変性が誘発される。したがって、リン酸化を介したc-abl活性の向上は、パーキンソン病及び他の神経変性疾患で検出されるα-シヌクレイン病態と関連している場合がある(Hum Mol Genet. 2013 Aug 15)。
【0007】
c-ablは、α-シヌクレイノパチー、パーキンソン病、アルツハイマー病、ALS、レビー小体を伴う認知症及びMSAについての可能性のある治療ターゲットである。
【0008】
WO第2010/008847号には、ガンを処置するための、アミド含有部分、例えば、アセトアミドで置換されているヘテロ二環式コア、例えば、ベンゾチアゾールを有する化合物が記載されている。
【0009】
発明の開示
技術的課題
本開示の1つの目的は、c-ablキナーゼ阻害活性を有する化合物、該化合物を含む組成物及び神経変性疾患を治療し又は予防するのに有効な薬剤として該化合物を含む医薬組成物並びにその医療的使用を提供することである。本開示の別の目的は、神経変性疾患を治療し又は改善するための方法であって、処置を必要とする対象に、本開示のc-ablキナーゼ阻害活性を有する化合物を投与することを含む方法、神経変性障害の改善又は治療を提供することである。
【0010】
課題の解決手段
概要
本開示は、c-ablキナーゼ阻害活性を有する化合物、該化合物を含む組成物及び神経変性疾患を処置するのに有用な方法を提供する。実施態様において、該化合物は、式(I):
【化1】
[式中、
R
1は、シクロプロピル、シクロブチル又は3もしくは4員のヘテロシクリルであり、ここで、R
1は、ハロ、アルキル、ヒドロキシアルキル及びハロアルキルからなる群より選択される1つ以上の基により場合により置換されており、
R
2及びR
3は、独立して、-H、ハロ、アルキル、アルコキシ、-CF
3又は-OCF
3であり、
R
4は、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロアルキルであり、ここで、R
4は、ハロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、トリメチルシリルエトキシメチル、-NO
2、-NR
aR
b、-NR
aC(=O)R
b、-NR
aC(=O)NR
aR
b、-NR
aC(=O)OR
b、-OR
a、-CN、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
a、-C(=O)NR
aR
b、-OC(=O)R
a、-OC(=O)OR
a、-OC(=O)NR
aR
b、-SR
a、アゼチジニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、フラニル、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フェニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びチオモルホリニルからなる群より選択される1つ以上の基により場合により置換されており、
R
a及びR
bは、独立して、-H、ハロ、アミノ、アルキル又はハロアルキルである]
で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩である。
【0011】
別の実施態様では、本開示は、治療上有効量の本明細書に記載された化合物と、薬学的に許容し得る担体とを含む、医薬組成物を提供する。
【0012】
さらに別の実施態様では、本開示は、神経変性疾患を防止し又は治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効量の1種以上の本明細書に記載された化合物を投与することを含む、方法を提供する。
【0013】
詳細な説明
下記説明は、本質的には例示のみであり、本開示、適用又は使用を制限することを意図するものではない。
【0014】
定義
本開示で使用される一般的な用語は、明確性のために本明細書で定義される。
【0015】
本明細書において、「置換基」、「ラジカル(radical)」、「基(group)」、「部分」及び「フラグメント(fragment)」という用語は、互換的に使用される。
【0016】
本明細書で使用する場合、「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち、炭素-炭素sp2二重結合を有する直鎖又は分枝鎖炭化水素基を指す。実施態様において、アルケニルは、2~12個の炭素原子を有する。一部の実施態様では、アルケニルは、C2~C10アルケニル基又はC2~C6アルケニル基である。アルケニル基の例は、エチレン又はビニル(-CH-CH2)、アリル(-CH2CH-CH2)、シクロペンテニル(-C5H7)及び5-ヘキセニル(-CH2CH2CH2CH2CH-CH2)を含むが、これらに限定されない。
【0017】
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」という用語は、RO-(式中、Rは、アルキルである)である。アルコキシ基の非限定的な例は、メトキシ、エトキシ及びプロポキシを含む。
【0018】
本明細書で使用する場合、「アルコキシアルキル」という用語は、アルコキシ基により置換されているアルキル部分を指す。アルコキシアルキル基の例は、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル及びエトキシエチルを含む。
【0019】
本明細書で使用する場合、「アルコキシカルボニル」という用語は、ROC(O)-(式中、Rは、本明細書で定義されたアルキル基である)である。種々の実施態様では、Rは、C1~C10アルキル基又はC1~C6アルキル基である。
【0020】
本明細書で使用する場合、「アルキル」という用語は、直鎖又は分岐鎖ヒドロカルボニル基を指す。実施態様において、アルキルは、1~12個の炭素原子を有する。一部の実施態様では、アルキルは、C1~C10アルキル基又はC1~C6アルキル基である。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシルを含むが、これらに限定されない。「低級アルキル」は、1~4個の炭素原子を有するアルキルを意味する。
【0021】
本明細書で使用する場合、「C1~C6」という用語が使用される場合、それは、炭素原子数個が、1~6個であることを意味する。例えば、C1~C6アルキルは、炭素数が1~6の任意の整数であるアルキルを意味する。
【0022】
本明細書で使用する場合、「アルキルアミノ」という用語は、1つ以上のアルキル基により置換されているアミノ基を指す。「N-(アルキル)アミノ」は、RNH-であり、「N,N-(アルキル)2アミノ」は、R2N-である。ここで、R基は、本明細書で定義されたアルキルであり、同じか又は異なる。種々の実施態様では、Rは、C1~C10アルキル基又はC1~C6アルキル基である。アルキルアミノ基の例は、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ及びメチルエチルアミノを含む。
【0023】
本明細書で使用する場合、「アルキルアミノアルキル」という用語は、アルキルアミノ基により置換されているアルキル部分を指す。ここで、アルキルアミノは、本明細書で定義されたとおりである。アルキルアミノアルキル基の例には、メチルアミノメチル及びエチルアミノメチルを含む。
【0024】
本明細書で使用する場合、「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち、炭素-炭素sp三重結合を有する直鎖又は分枝鎖炭素鎖基を指す。実施態様において、アルキニルは、2~12個の炭素原子を有する。一部の実施態様では、アルキニルは、C2~C10アルキニル基又はC2~C6アルキニル基である。アルキニル基の例は、アセチレン(-C≡CH)及びプロパルギル(-CH2C≡CH)を含む。
【0025】
本明細書で使用する場合、「アリール」という用語は、各環において最多で7個の原子の任意の単環式又は二環式炭素環を指し、ここで、少なくとも1つの環は、芳香族又は5員もしくは6員のシクロアルキル基と縮合している炭素環式芳香族基を含む5~14個の炭素原子の芳香環系である。アリール基の代表例は、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、アントラセニル、フルオレニル、インデニル、アズレニル及びインダニルを含むが、これらに限定されない。炭素環式芳香族基は、非置換であることができ又は場合により置換されていることができる。
【0026】
本明細書で使用する場合、「シクロアルキル」という用語は、少なくとも1つの飽和又は部分不飽和環構造を含有し、環炭素を介して結合しているヒドロカルビル基である。種々の実施態様では、それは、飽和又は部分不飽和C3~C12環状部分を指し、その例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル及びシクロオクチルを含む。「シクロアルキルオキシ」は、RO-(式中、Rは、シクロアルキルである)である。
【0027】
本明細書で使用する場合、「ハロゲン」及び「ハロ」という用語は、クロロ(-Cl)、ブロモ(-Br)、フルオロ(-F)又はヨード(-I)を指す。「ハロアルコキシ」は、1つ以上のハロ基により置換されているアルコキシ基を指す。ハロアルコキシ基の例は、-OCF3、-OCHF2及び-OCH2Fを含むが、これらに限定されない。「ハロアルコキシアルキル」は、ハロアルコキシ基により置換されているアルキル部分を指し、ここで、ハロアルコキシは、本明細書で定義されたとおりである。ハロアルコキシアルキル基の例は、トリフルオロメトキシメチル、トリフルオロエトキシメチル及びトリフルオロメトキシエチルを含む。「ハロアルキル」は、1つ以上のハロ基により置換されているアルキル部分を指す。ハロアルキル基の例は、-CF3及び-CHF2を含む。
【0028】
本明細書で使用する場合、「ヘテロアルキル」という用語は、鎖中に2~14個の炭素(一部の実施態様では、2~10個の炭素)を有する直鎖又は分岐鎖アルキル基を指し、同炭素のうちの1つ以上は、S、O、P及びNから選択されるヘテロ原子により置換されている。例示的なヘテロアルキルは、アルキルエーテル、第二級及び第三級アルキルアミン、アミド、アルキルスルフィド等を含む。
【0029】
本明細書で使用する場合、「ヘテロシクリル」という用語は、2~14コの環炭素原子、環炭素原子に加えて、P、N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子の飽和又は部分的不飽和単環式、二環式又は三環式基を指す。種々の実施態様では、ヘテロ環基は、炭素を介して又はヘテロ原子を介して他の部分に結合しており、炭素又はヘテロ原子において場合により置換されている。ヘテロシクリルの例は、アゼチジニル、オキサゾリン、イソキサゾリン、オキセタニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロイソキノリニル、1,4-ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロインドリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、メチレンジオキシベンゾリル、テトラヒドロフラニル及びテトラヒドロチエニル並びにそれらのN-オキシドを含む。「ヘテロシクリルオキシ」は、RO-(式中、Rは、ヘテロシクリルである)である。「ヘテロシクリルチオ」は、RS-(式中、Rは、ヘテロシクリルである)である。
【0030】
本明細書で使用する場合、「3又は4員のヘテロシクリル」という用語は、3又は4個の環原子を有する単環を指し、ここで、少なくとも1つの環原子は、N、O及びSからなる群より選択されるヘテロ原子である。3員又は4員のヘテロシクリルの非限定的な例は、アジリジニル、2H-アジリニル、オキシラニル、チイラニル、アゼチジニル、2,3-ジヒドロアゼチル、アゼチル、1,3-ジアゼチジニル、オキセタニル、2H-オキセチル、チエタニル及び2H-チエチルを含む。
【0031】
本明細書で使用する場合、「ヘテロアリール」という用語は、各環中に最多で7個の原子を有する単環式、二環式又は三環式環を指し、ここで、少なくとも1つの環は芳香族であり、各環中にN、O及びSからなる群より選択される1~4個のヘテロ原子を含有する。ヘテロアリールの非限定的な例は、ピリジル、チエニル、フラニル、ピリミジル、イミダゾリル、ピラニル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、ピロリル、ピリダジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ベンゾチエニル、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、イソインドリル、ベンゾトリアゾリル、プリニル、チアナフテニル及びピラジニルを含む。ヘテロアリールの結合は、芳香環を介して又はヘテロアリールが二環式もしくは三環式であり、環の1つが芳香族でないかもしくはヘテロ原子を含まない場合、非芳香環もしくはヘテロ原子を含有しない環を介して起こることができる。また、「ヘテロアリール」は、任意の窒素含有ヘテロアリールのN-オキシド誘導体を含むとも理解される。「ヘテロアリールオキシ」はRO-(式中、Rは、ヘテロアリールである)である。
【0032】
本明細書で使用する場合、「ヒドロキシアルコキシ」という用語は、ヒドロキシル基(-OH)により置換されているアルコキシ基を指し、ここで、アルコキシは、本明細書で定義されたとおりである。ヒドロキシアルコキシの例は、ヒドロキシエトキシである。
【0033】
本明細書で使用する場合、「ヒドロキシアルキル」という用語は、少なくとも1つのヒドロキシ基により置換されている直鎖又は分岐鎖で一価のC1~C10炭化水素基を指す。ヒドロキシアルキル基の例は、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル及びヒドロキシブチルを含むが、これらに限定されない。
【0034】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容し得る」という用語は、このような使用に一般に安全であると考えられ、このような使用のために国又は州政府の規制当局により公式に承認され又は動物、とりわけ、ヒトでの使用のために米国薬局方もしくは他の一般に認識されている薬局方に列挙されている、医薬調製物における使用に適していることを意味する。
【0035】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容し得る担体」という用語は、希釈剤、アジュバント、賦形剤もしくは担体又は薬学的に許容することができ、本発明の化合物と共に投与される他の成分を指す。
【0036】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容し得る塩」という用語は、所望の薬理活性を増強することができる塩を指す。薬学的に許容し得る塩の例は、無機酸又は有機酸と形成された酸付加塩、金属塩及びアミン塩を含む。無機酸と形成される酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸及びリン酸との塩を含む。酸付加塩の例は、有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、シクロペンタプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、o-(4-ヒドロキシ-ベンゾイル)-安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチル-ビシクロ[2.2.2]オクタ-2-エネル-カルボン酸、グルコ-ヘプトン酸、4,4’-メチレンビス(3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸)、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第3級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシ-ナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸及びムコ酸と形成される。金属塩の例は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄及び亜鉛イオンとの塩を含む。アミン塩の例は、アンモニア及びカルボン酸と塩を形成するのに十分な強さの有機窒素塩基との塩を含む。
【0037】
本明細書で使用する場合、「置換されている」という用語は、置換される部分の少なくとも1つの水素原子が置換基により置換されている、上記基(すなわち、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環又はシクロアルキル)のいずれかを意味する。一実施態様では、置換される基の各炭素原子は、2つ以下の置換基により置換される。別の実施態様では、置換される基の各炭素原子は、1つ以下の置換基により置換される。ケト置換基の場合、2つの水素原子が、二重結合を介して炭素に結合している酸素により置換される。特に断りない限り、置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル、(低級)アルキル、ハロアルキル、モノ-又はジ-アルキルアミノ、アリール、複素環、-NO2、B(OH)2、BPin、-NRaRb、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)NRaRb、-NRaC(=O)ORb、-NRaSO2Rb、-ORa、-CN、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)NRaRb、-OC(=O)Ra、-OC(=O)ORa、-OC(=O)NRaRb、-NRaSO2Rb、-PO3Ra、-PO(ORa)(ORb)、-SO2Ra、-S(O)Ra、-SO(N)Ra(例えば、スルホキシミン)、-(Ra)S=NRb(例えば、スルフィリミン)及び-SRa(式中、Ra及びRbは、同じかもしくは異なり、独立して、水素、ハロゲン、アミノ、アルキル、ハロアルキル、ハロアルキル、アリールもしくは複素環であり又はここで、Ra及びRbは、それらが結合している窒素原子と共に、複素環を形成している)を含む。Ra及びRbは、それらが結合している原子に基づいて複数であることができる。
【0038】
本明細書で使用する場合、「治療上有効量」という用語は、本発明の化合物に適用される場合、障害もしくは疾患状態又は障害もしくは疾患の症状の進行を改善し、緩和し、安定化し、逆転させ、遅らせ又は遅延させるのに十分な化合物の量を指すことを意図する。実施態様において、本発明の方法は、化合物の組み合わせの投与を提供する。このような場合、「治療上有効量」は、意図される生物学的効果を引き起こすのに十分な組み合わせ中の本発明の化合物の量である。
【0039】
本明細書で使用する場合、本明細書で使用する場合、「処置」又は「処置すること」という用語は、疾患もしくは障害の進行もしくは重症度を改善もしくは逆転させること又はこのような疾患もしくは障害の1種以上の症状もしくは副作用を改善もしくは逆転させることを意味する。また、本明細書で使用する場合、「処置」又は「処置すること」は、遅延、停止、抑制、妨害又は閉塞におけるように、疾患もしくは障害のシステム、状態もしくは状況の進行を阻害しもしくは阻止することも意味する。本発明の目的で、「処置」又は「処置すること」は、さらに、有益な又は所望の臨床結果を得るためのアプローチを意味し、ここで、「有益な又は所望の臨床結果」は、症状の軽減、障害又は疾患の程度の減少、安定化された(すなわち、悪化しない)疾患又は障害状態、疾患又は障害状態の遅延又は鈍化、疾患又は障害状態の改善又は緩和及び部分的又は全体的であるかに関わらず、疾患又は障害の寛解を含むが、これらに限定されない。
【0040】
別の実施態様では、式(I)で示される化合物は、プロテインキナーゼc-ablの活性をモデュレーションするのに使用される。
【0041】
本明細書で使用する場合、「モデュレーションすること」又は「モデュレーション」という用語は、プロテインキナーゼの触媒活性の変化を指す。特に、モデュレーションすることは、プロテインキナーゼが曝露される化合物又は塩の濃度又はより好ましくは、プロテインキナーゼの触媒活性の阻害に応じて、プロテインキナーゼの触媒活性の活性化又は阻害を指す。本明細書で使用する場合、「触媒活性」という用語は、プロテインキナーゼの直接的又は間接的な影響下でのチロシン、セリン又はスレオニンのリン酸化速度を指す。
【0042】
キナーゼ活性の薬理学的阻害薬が分類される主な3つのクラスは、(1)I型又は「DFG-in」ATP競合阻害剤(これは、ATP結合部位において、ATPと直接競合する(すなわち、二重SRrc-abl阻害剤であるダサチニブ)、(2)II型、又は「DFG-out」ATP競合阻害剤(これは、ATP結合部位との結合に加えて、キナーゼが不活性化された立体配置(すなわち、活性化ループが、基質結合を遮断するであろう立体配向に配置されている)にある場合にのみ、アクセス可能な隣接疎水性結合部位にも係合する(すなわち、イマチニブ、ニロチニブ)及び(3)キナーゼの活性に影響を及ぼすATP結合部位以外の部位で結合する非ATP競合阻害剤(すなわち、GNF-2)である。
【0043】
本明細書で使用する場合、「本開示の化合物」という用語は、式(I)で示される任意の化合物及びその包接体、水和物、溶媒和物又はその多形体を含む。また、「本開示の化合物」という用語が、その薬学的に許容し得る塩に言及していなくても、この用語は、その塩を含む。一実施態様では、本開示の化合物は、立体化学的に純粋な化合物、例えば、他の立体異性体を実質的に含まない(例えば、85%ee超、90%ee超、95%ee超、97%eeを超又は99%ee超)化合物を含む。すなわち、本開示の式(I)で示される化合物又はその塩が、互変異性体及び/又は立体異性体(例えば、幾何異性体及び立体配座異性体)である場合、このような単離された異性体及びそれらの混合物も、本開示の範囲に含まれる。本開示の化合物又はその塩が、それらの構造中に不斉炭素を有する場合、それらの活性光学異性体及びそれらのラセミ混合物も、本開示の範囲に含まれる。
【0044】
本明細書で使用する場合、「多形体」という用語は、本開示の化合物又はその錯体の固体結晶形態を指す。同じ化合物の異なる多形体は、異なる物理的、化学的及び/又は分光学的性質を示す場合がある。異なる物理的性質は、安定性(例えば、熱又は光に対する)、圧縮率及び密度(剤形及び製品製造において重要)及び溶解速度(生物学的利用能に影響を及ぼす場合がある)を含むが、それらに限定されない。安定性の違いは、化学反応性の変化(例えば、酸化の違い、その結果、剤形は、別の多形体で構成される場合より、ある多形体から構成される場合の方が急速に変色する)もしくは機械的特性(例えば、動力学的に望ましい多形体が、熱力学的により安定な多形体に変換するため、貯蔵時に崩壊する錠剤)又はその両方(例えば、ある多形体の錠剤は、高湿度で崩壊しやすい)から生じる場合がある。多形体の異なる物理的特性は、それらの加工に影響を及ぼす場合がある。例えば、ある多形体は、例えば、その粒子の形状又はサイズ分布のために、別の多形体より溶媒和物を形成する可能性が高く、不純物をろ過する又は洗浄するのがより困難である場合がある。
【0045】
本明細書で使用する場合、「溶媒和物」という用語は、化学量論量又は非化学量論量の、非共有結合分子間力により結合している溶媒をさらに含む、本開示の化合物又はその塩を意味する。好ましい溶媒は、揮発性、無毒性及び/又は微量でのヒトへの投与に許容されるものである。
【0046】
本明細書で使用する場合、「水和物」という用語は、化学量論量又は非化学量論量の、非共有結合分子間力により結合している水をさらに含む、本開示の化合物又はその塩を意味する。
【0047】
本明細書で使用する場合、「包接体」という用語は、内部に捕捉されたゲスト分子(例えば、溶媒又は水)を有する空間(例えば、チャネル)を含有する結晶格子の形態にある化合物又はその塩を意味する。
【0048】
本開示の化合物
本開示は、式(I):
【化2】
[式中、
R
1は、シクロプロピル、シクロブチル又は3もしくは4員のヘテロシクリルであり、ここで、R
1は、ハロ、アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル及びモノアルキルアミノアルキルからなる群より選択される1つ以上の基により場合により置換されており、
R
2及びR
3は、独立して、-H、ハロ、アルキル、アルコキシ、-CF
3又は-OCF
3であり、
R
4は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロアルキルであり、ここで、R
4は、ハロ、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、トリメチルシリルエトキシメチル、-NO
2、-NR
aR
b、-NR
aC(=O)R
b、-NR
aC(=O)NR
aR
b、-NR
aC(=O)OR
b、-OR
a、-CN、-C(=O)R
a、-C(=O)OR
a、-C(=O)NR
aR
b、-OC(=O)R
a、-OC(=O)OR
a、-OC(=O)NR
aR
b、-SR
a、アゼチジニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、フラニル、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フェニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びチオモルホリニルからなる群より選択される1つ以上の基により場合により置換されており、
R
a及びR
bは、独立して、-H、ハロ、アミノ、アルキル又はハロアルキルである]
で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩を提供する。
【0049】
一部の実施態様では、R1は、シクロプロピル、シクロブチル又は3もしくは4員のヘテロシクリルであり、ここで、R1は、ハロ、C1~C3アルキル、C1~C3ヒドロキシアルキル及びC1~C3ハロアルキルからなる群より選択される1つ以上の基により場合により置換されており、R2及びR3は、独立して、-H、ハロ、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、-CF3又は-OCF3であり、R4は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル又はヘテロシクリルであり、ここで、R4は、ハロ、ヒドロキシル、C1~C3アルキル、C2~C3アルケニル、C2~C3アルキニル、C1~C3ハロアルキル、モノ-C1~C3アルキルアミノ、ジ-C1~C3アルキルアミノ、-NO2、-NRaRb、-NRaC(=O)Rb、-NRaC(=O)NRaRb、-NRaC(=O)ORb、-ORa、-CN、-C(=O)Ra、-C(=O)ORa、-C(=O)NRaRb、-OC(=O)Ra、-OC(=O)ORa、-OC(=O)NRaRb、-SRa、アゼチジニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、フラニル、ピロリジニル、ピロリル、ピラゾリル、チオフェニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フェニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル及びチオモルホリニルからなる群より選択される1つ以上の基により場合により置換されており、Ra及びRbは、独立して、-H、ハロ、アミノ、C1~C3アルキル又はC1~C3ハロアルキルである。
【0050】
種々の実施態様では、R1は、シクロプロピル又はシクロブチルであり、ここで、R1は、ハロ、C1~C3アルキル、C1~C3ヒドロキシアルキル及びC1~C3ハロアルキルからなる群より選択される1つ以上の基により場合により置換されている。特定の実施態様では、R1は、シクロプロピル、フルオロシクロプロピル、ヒドロキシシクロプロピル、ヒドロキシメチルシクロプロピル、ジフルオロシクロプロピル、メチルアミノメチルシクロプロピル、シクロブチル、フルオロシクロブチル又はジフルオロシクロブチルである。他の特定の実施態様では、R1は、シクロプロピル、フルオロシクロプロピル、シクロブチル又はフルオロシクロブチルである。
【0051】
一部の他の実施態様では、R1は、3又は4員のヘテロシクリルであり、ここで、R1は、ハロ、C1~C3アルキル、C1~C3ヒドロキシアルキル及びC1~C3ハロアルキルからなる群より選択される1つ以上の基により場合により置換されている。特定の実施態様では、3又は4員のヘテロシクリルは、アジリジニル、2H-アジリニル、オキシラニル、チイラニル、アゼチジニル、2,3-ジヒドロアゼチル、アゼチル、1,3-ジアゼチジニル、オキセタニル、2H-オキセチル、チエタニル及び2H-チエチルからなる群より選択される。
【0052】
一部の実施態様では、R2及びR3は、独立して、-H、メチル又はフルオロである。
【0053】
一部の実施態様では、R
4は、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、インドリニル、ピラゾリル、チアゾリル、オキソインドリニル、ピロロピリジニル、ピラゾリル、ピラゾロピリジニル、オキソジヒドロピロロピリジニル、チオフェニル又はイソチアゾリルであり、ここで、R
4は、ハロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシアルキル、アミノ、シアノ、アセチル、ヒドロキシ及びハロアルキルからなる群より選択される1つ以上の基により場合により置換されている。特定の実施態様では、R
4は、フルオロメチルフェニル、クロロメチルフェニル、ジメチルフェニル、アセトアミドメチルフェニル、ヒドロキシメチルフェニル、ヒドロキシプロパニルメチルフェニル、メチルプロペニルフェニル、メチルピリジニルエチニルフェニル、メチルピロリルフェニル、メチルチアゾリルフェニル、イミダゾリルメチルフェニル、シアノメチルフェニル、メチルピラゾリルフェニル、エチニルメチルフェニル、メチルピリジニル、フルオロメチルメチルアミノフェニル、ジメチルピリジニル、フルオロメチルピリジニル、フルオロメチルメチルピリジニル、シアノピリジニル、トリフルオロメチルメチルピリジニル、ヒドロキシメチルピリジニル、ヒドロキシメチルメチルピリジニル、ヒドロキシエチルメチルピリジニル、クロロメチルピリジニル、アミノピリジニル、アセチルメチルピリジニル、アミノジメチルピリジニル、ヒドロキシエチルメチルピリジニル、メチルインドリル、トリメチルシリルエトキシメチルインドリル、アセチルメチルインドリニル、メチルピリミジニル、ジメチルピリミジニル、トリフルオロメチルピリミジニル、ピラゾリル、メチルチアゾリル、メチルオキソインドリニル、ピロロピリジニル、メチルピロロピリジニル、メチルテトラヒドロピラニル、メチルピラゾリル、メチルオキソジヒドロビベンゾチアゾリル、ピラゾロピリジニル、オキソジヒドロピロロピリジニル、メチルイソチアゾリル、クロロメチルイソチアゾリル、ジメチルイソチアゾリル又はフルオロメチルインドリルである。特定の実施態様では、R
4は、フルオロメチルフェニル、クロロメチルフェニル、ビメチルフェニル、アセトアミドメチルフェニル、ヒドロキシメチルフェニル、メチルプロペニルフェニル、エチニルメチルフェニル、フルオロメチルメチルアミノフェニル、メチルピロリルフェニル、メチルチアゾリルフェニル、シアノメチルフェニル、イミダゾリルメチルフェニル、メチルピリジニル、クロロメチルピリジニル、フルオロメチルピリジニル、フルオロメチルメチルピリジニル、ビメチルピリジニル、アミノピリジニル、アミノジメチルピリジニル、メトキシピリジニル、アセチルメチルピリジニル、ヒドロキシメチルピリジニル、ヒドロキシメチルメチルピリジニル、ヒドロキシエチルメチルピリジニル、シアノピリジニル、トリフルオロメチルピリジニル、メチルチオフェニル、メチルインドリニル、メチルピリミジニル、ジメチルピリミジニル、ピラゾリル、メチルピラゾリル、メチルインドリニル、メチルオキソインドリニル、ピロロピリジニル、メチルピロロピリジニル、メチルピロリル、ピラゾロピリジニル、ジヒドロピロロピリジニル、メチルイソチアゾリル、ジメチルイソチアゾリル、メチルインダゾリル又はメチルビベンゾチアゾリルである。特定の実施態様では、R
4は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、シアノ、アミノ、アルコキシ及びハロアルコキシからなる群より選択される1つ以上の置換基を有するピリジニル又はフェニルである。一部の特定の実施態様では、R
4は、
【化3】
からなる群より選択される。
【0054】
一部の実施態様では、R1は、シクロプロピル、フルオロシクロプロピル、ジフルオロシクロプロピル、シクロブチル、フルオロシクロブチル又はジフルオロシクロブチルであり、R2及びR3は、独立して、-H、メチル又はフルオロであり、R4は、フルオロメチルフェニル、クロロメチルフェニル、ビメチルフェニル、アセトアミドメチルフェニル、ヒドロキシメチルフェニル、メチルプロペニルフェニル、エチニルメチルフェニル、フルオロメチルメチルアミノフェニル、メチルピロリルフェニル、メチルチアゾリルフェニル、シアノメチルフェニル、イミダゾリルメチルフェニル、メチルピリジニル、クロロメチルピリジニル、フルオロメチルピリジニル、フルオロメチルメチルピリジニル、ビメチルピリジニル、アミノピリジニル、アミノジメチルピリジニル、メトキシピリジニル、アセチルメチルピリジニル、ヒドロキシメチルピリジニル、ヒドロキシメチルメチルピリジニル、ヒドロキシエチルメチルピリジニル、シアノピリジニル、トリフルオロメチルピリジニル、メチルチオフェニル、メチルインドリニル、メチルピリミジニル、ジメチルピリミジニル、ピラゾリル、メチルピラゾリル、メチルインドリニル、メチルオキソインドリニル、ピロロピリジニル、メチルピロロピリジニル、メチルピロリル、ピラゾロピリジニル、ジヒドロピロロピリジニル、メチルイソチアゾリル、ジメチルイソチアゾリル、メチルインダゾリル又はメチルビベンゾチアゾリルである。
【0055】
本発明者らは、多くの化合物を合成し、評価して、良好なc-abl阻害活性を有し、c-ablに対して高い選択性を有することにより、神経変性疾患に対して良好な効果を有する化合物を見出した。
【0056】
より詳細には、R1及びベンゾチアゾールが-CO-NH-ではなく、-SO-NH-、-C(O)O-NH-又は-NH-CO-NH-により結合している化合物は、本開示によれば、良好な効力を示さない。R1がC3~C4シクロアルキルでない場合、その化合物は、低薬物動力学的特性又は固有活性を示し、これらの特性は、有効性を低下させる。R1のシクロアルキルの置換基が、Br又はClである場合、反応性求核試薬、例えば、グルタチオンとのバイオコンジュゲーションにより、比較的毒性の物質が生じる場合がある。
【0057】
R2又はR3がかさばる、例えば、アリールの場合、このような化合物は、あまり好ましくないIC50を示す。特に、R3が水素である化合物が、これに関してより好ましい。R3のアリール又はシクリル置換基がかさばりすぎると、c-ablキナーゼのIC50も大きくなる。
【0058】
R4の置換基が-NHSO2-等を含む場合、このような化合物は、低い有効性及び血液脳関門の低い透過性を示す。R4のシクリル環が単環式又は二環式インドールである場合、そのオルト位は、好ましくは、CH3、Cl、Br、CF3、CHF2、CH2F、メトキシ、エチル、シクロプロピル、アセチレン又はビニルを有する。そのオルト位が、このような基を有していなくても、メタ位の水素結合源により、オルト位にこのような置換基がなくても、良好な活性を維持することができる。好ましくは、R4のシクリル環が単環式又は二環式インドールである場合、そのオルト位は、好ましくは、CH3、Cl、Br、CF3、CHF2、CH2F、メトキシ、エチル、シクロプロピル、アセチレン又はビニルを有し、そのメタ位及び/又はパラ位は、水素結合源、例えば、-OH、-NH又はFを有する。
【0059】
一部の実施態様では、R1は、非置換シクロプロピルであり、非限定的な例は、下記化合物及びその薬学的に許容し得る塩を含む。
N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
N-(6-(5-アセトアミド-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
N-(6-(6-アミノピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
N-(6-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
N-(6-(3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
N-(6-(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
N-(6-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
N-(6-(2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
N-(6-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インド-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;及び
N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド.
【0060】
一部の実施態様では、R1は、フルオロシクロプロピルであり、非限定的な例は、下記化合物及びその薬学的に許容し得る塩:
2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2,6-ジメチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(プロパ-1-エン-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2-クロロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2,4-ジメチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(3-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(6-アミノ-2,4-ジメチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-メチルインドリン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)チアゾロ[4,5-c]ピリジン-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(1-アセチル-5-メチルインドリン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチル-3-(メチルアミノ)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メトキシピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(3-メチルチオフェン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
3-(2-(2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾ-ル-6-イル)-4-メチルピリジン 1-オキシド;
(2-(2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾ-ル-6-イル)ボロン酸;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリミジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(6-アセチル-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4,6-ジメチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(6-クロロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(6-(ヒドロキシメチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(6-(1-ヒドロキシエチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(1H-ピラゾ-ル-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(ピリジン-2-イルエチニル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピラゾ-ル-1-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-メチル-1H-インド-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-(ヒドロキシメチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(4-フルオロ-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(4-フルオロ-6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-メチルチアゾ-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4,6-ジメチルピリミジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(7-メチル-2-オキソインドリン-6-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(5-エチニル-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4-クロロピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4-シアノピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピロ-ル-3-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(チアゾ-ル-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(5-シアノ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾ-ル-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチル-1H-ピラゾ-ル-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピロ-ル-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピラゾ-ル-3-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-メチル-2-オキソインドリン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(4-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-[5,6’-ビベンゾ[d]チアゾ-ル]-2’-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(3-メチルイソチアゾ-ル-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4-クロロ-3-メチルイソチアゾ-ル-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(7-メチル-1H-インダゾ-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(7-メチル-1H-インダゾ-ル-6-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(3,4-ジメチルイソチアゾ-ル-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(5-(1H-イミダゾ-ル-2-イル)-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6’-メチル-[6,7’-ビベンゾ[d]チアゾ-ル]-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(6-(フルオロメチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インド-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(5-フルオロ-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(6-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(3-メチルピリジン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(3-メチルピリジン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4-エチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-ビニルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4-エチニルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4-ブロモピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-(トリフルオロメトキシ)ピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4-(ジフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(5-クロロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4,5-ジメチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(6-フルオロ-5-メチルインドリン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(o-トリル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2-エチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-ビニルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2-エチニルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2-ブロモフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メトキシフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-(トリフルオロメチル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2-(ジフルオロメチル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-(ヒドロキシメチル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(3-クロロ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2,3-ジメチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(4-クロロ-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(4-メトキシ-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(4-メチル-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(5-クロロ-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)-5-(トリフルオロメチル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(5-メトキシ-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(5-メチル-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(1H-イミダゾ-ル-2-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチル-1H-イミダゾ-ル-2-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(1H-イミダゾ-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-1H-イミダゾ-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(3-メチルピラジン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチルオキサゾ-ル-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(3-メチル-1H-ピロ-ル-2-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(1H-ベンゾ[d]イミダゾ-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾ-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリダジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-メチルピリダジン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;及び
2-フルオロ-N-(6-(5-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
を含む。
【0061】
一部の実施態様では、R1は、ヒドロキシメチルシクロプロピルであり、非限定的な例は、下記化合物及びその薬学的に許容し得る塩:
2-(ヒドロキシメチル)-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-(ヒドロキシメチル)-N-(6-(5-メチル-1H-インド-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;及び
N-(6-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インド-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
を含む。
【0062】
一部の実施態様では、R1は、ヒドロキシシクロプロピル又はジフルオロシクロプロピルであり、非限定的な例は、下記化合物及びその薬学的に許容し得る塩:
2-ヒドロキシ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-ヒドロキシ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2,2-ジフルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2,2-ジフルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;及び
2,2-ジフルオロ-N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
を含む。
【0063】
一部の実施態様では、R1は、非置換シクロブチルであり、非限定的な例は、下記化合物及びその薬学的に許容し得る塩:
N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロブタンカルボキサミド;
N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロブタンカルボキサミド;及び
N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロブタンカルボキサミド
を含む。
【0064】
一部の実施態様では、R1は、フルオロシクロブチルであり、非限定的な例は、下記化合物及びその薬学的に許容し得る塩:
3-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロブタン-1-カルボキサミド;
3-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロブタン-1-カルボキサミド;
3-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロブタン-1-カルボキサミド;
3-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロブタン-1-カルボキサミド;
3-フルオロ-N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロブタン-1-カルボキサミド;
3,3-ジフルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロブタン-1-カルボキサミド;
3,3-ジフルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロブタン-1-カルボキサミド;及び
3,3-ジフルオロ-N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロブタン-1-カルボキサミド
を含む。
【0065】
特定の実施態様では、本開示の化合物は、下記:
2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2,6-ジメチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-(ヒドロキシメチル)-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(5-アセトアミド-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
N-(6-(2-クロロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2,4-ジメチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(プロパ-1-エン-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(6-アミノピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(3-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(6-アミノ-2,4-ジメチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-メチルインドリン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(1-アセチル-5-メチルインドリン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2,2-ジフルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
3-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロブタン-1-カルボキサミド;
2,2-ジフルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロブタンカルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチル-3-(メチルアミノ)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
2,2-ジフルオロ-N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロブタンカルボキサミド;
3-フルオロ-N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロブタン-1-カルボキサミド;
3,3-ジフルオロ-N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロブタン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メトキシピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(3-メチルチオフェン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
3-(2-(2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾ-ル-6-イル)-4-メチルピリジン 1-オキシド;
N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリミジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(6-アセチル-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4,6-ジメチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(6-クロロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(6-(ヒドロキシメチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(6-(1-ヒドロキシエチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(1H-ピラゾ-ル-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピラゾ-ル-1-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-メチル-1H-インド-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-(ヒドロキシメチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(4-フルオロ-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-メチルチアゾ-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(7-メチル-2-オキソインドリン-6-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(5-エチニル-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4-クロロピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4-シアノピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピロ-ル-3-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(チアゾ-ル-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(5-シアノ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(4-メチル-1H-ピラゾ-ル-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピロ-ル-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピラゾ-ル-3-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(5-メチル-2-オキソインドリン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(3-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
N-(6-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
N-(6-(2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
N-(6-(2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(3-メチルイソチアゾ-ル-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(7-メチル-1H-インダゾ-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(7-メチル-1H-インダゾ-ル-6-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(3,4-ジメチルイソチアゾ-ル-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(5-(1H-イミダゾ-ル-2-イル)-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6’-メチル-[6,7’-ビベンゾ[d]チアゾ-ル]-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(6-(フルオロメチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
2-フルオロ-N-(6-(6-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;及び
2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
からなる群より選択される。
【0066】
一部の特定の実施態様では、該化合物は、下記:
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド;及び
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
からなる群より選択される。
【0067】
本明細書において、該当する場合、許容可能な異性体、例えば、互変異性体、ラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体、二重結合の立体配置異性体(E-及び/又はZ-)、環置換パターンにおけるcis-及びtrans-立体配置並びに同位体異性体が挙げられる。種々の実施態様では、該化合物は、式(II):
【化4】
[式中、R
2、R
3及びR
4は、上記定義されたとおりであり、R
5は、ハロ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ヒドロキシアルキル及びC
1~C
3ハロアルキルからなる群より選択される]
で示される化合物である。特定の実施態様では、R
4は、フルオロメチルフェニル、クロロメチルフェニル、ビメチルフェニル、アセトアミドメチルフェニル、ヒドロキシメチルフェニル、メチルプロペニルフェニル、エチニルメチルフェニル、フルオロメチルメチルアミノフェニル、メチルピロリルフェニル、メチルチアゾリルフェニル、シアノメチルフェニル、イミダゾリルメチルフェニル、メチルピリジニル、クロロメチルピリジニル、フルオロメチルピリジニル、フルオロメチルメチルピリジニル、ビメチルピリジニル、アミノピリジニル、アミノジメチルピリジニル、メトキシピリジニル、アセチルメチルピリジニル、ヒドロキシメチルピリジニル、ヒドロキシメチルメチルピリジニル、ヒドロキシエチルメチルピリジニル、シアノピリジニル、トリフルオロメチルピリジニル、メチルチオフェニル、メチルインドリニル、メチルピリミジニル、ジメチルピリミジニル、ピラゾリル、メチルピラゾリル、メチルインドリニル、メチルオキソインドリニル、ピロロピリジニル、メチルピロロピリジニル、メチルピロリル、ピラゾロピリジニル、ジヒドロピロロピリジニル、メチルイソチアゾリル、ジメチルイソチアゾリル、メチルインダゾリル又はメチルビベンゾチアゾリルである。
【0068】
本開示の化合物の非現実的な例は、下記化合物及びその薬学的に許容し得る塩:
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(2-クロロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(2,6-ジメチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(プロパ-1-エン-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(2-クロロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(2,4-ジメチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(3-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(6-アミノ-2,4-ジメチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-メチルインドリン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)チアゾロ[4,5-c]ピリジン-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(1-アセチル-5-メチルインドリン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチル-3-(メチルアミノ)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メトキシピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(3-メチルチオフェン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
3-(2-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾ-ル-6-イル)-4-メチルピリジン 1-オキシド;
(2-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾ-ル-6-イル)ボロン酸;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリミジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(6-アセチル-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(4,6-ジメチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(6-クロロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メチル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(6-(ヒドロキシメチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(6-(1-ヒドロキシエチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(1H-ピラゾ-ル-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(ピリジン-2-イルエチニル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピラゾ-ル-1-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-メチル-1H-インド-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-(ヒドロキシメチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(4-フルオロ-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(4-フルオロ-6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-メチルチアゾ-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(4,6-ジメチルピリミジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(7-メチル-2-オキソインドリン-6-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(5-エチニル-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(4-クロロピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(4-シアノピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピロ-ル-3-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(チアゾ-ル-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(5-シアノ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾ-ル-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メチル-1H-ピラゾ-ル-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピロ-ル-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピラゾ-ル-3-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-メチル-2-オキソインドリン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(4-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-[5,6’-ビベンゾ[d]チアゾ-ル]-2’-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(3-メチルイソチアゾ-ル-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(4-クロロ-3-メチルイソチアゾ-ル-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(7-メチル-1H-インダゾ-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(7-メチル-1H-インダゾ-ル-6-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(3,4-ジメチルイソチアゾ-ル-5-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-N-(6-(5-(1H-イミダゾ-ル-2-イル)-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6’-メチル-[6,7’-ビベンゾ[d]チアゾ-ル]-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(6-(フルオロメチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インド-ル-4-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(5-フルオロ-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;及び
(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(6-フルオロ-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
を含む。
【0069】
さらに別の実施態様では、治療上有効量の式(I)で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩と、薬学的に許容し得る担体とを含む、医薬組成物が提供される。
【0070】
別の実施態様では、神経変性疾患又は障害を処置するための方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効量の式(I)で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩を投与することを含む、方法が提供される。すなわち、式(I)又はその薬学的に許容し得る塩が有効剤として使用される、式(I)又はその薬学的に許容し得る塩の医療的使用が提供される。一実施態様では、医療的使用は、神経変性疾患又は障害の治療又は予防のためである。
【0071】
医療的使用及び本開示の化合物を使用する処置方法
本開示は、さらに、治療上有効量の、上記された1種以上の化合物を対象に投与することにより、神経変性疾患又は障害を有するか又は有しやすい対象における神経変性疾患又は障害を処置するための方法を提供する。一実施態様では、処置は、予防的処置である。別の実施態様では、処置は、緩和的処置である。別の実施態様では、処置は、回復的処置である。
【0072】
1.疾患又は状態
c-abl活性を阻害するための本開示の化合物は、神経変性疾患又は障害の治療又は予防に有用である。この化合物は、c-ablキナーゼ活性を阻害し又は妨害し、神経変性疾患もしくは障害を処置し又はこのような疾患の悪化を予防するのに使用することができる。このため、本開示は、細胞におけるc-abl活性を阻害し又は妨害するための方法であって、ここで、該細胞が有効量の本開示の化合物と接触する、方法を提供する。一実施態様では、このような細胞は、対象(例えば、アルツハイマー患者)に存在する。別の実施態様では、本開示の化合物を使用して、対象における神経変性疾患又は障害を治療し又は予防するための医療的使用が提供される。本開示の方法は、治療又は予防を必要とする対象に、治療上又は予防上有効量のc-abl阻害剤を含有する医薬組成物を投与することを含む。神経変性疾患又は障害は、α-シヌクレイノパシー、パーキンソン病、レビー小体を伴う認知症、多系統萎縮症(MSA)、アルツハイマー病又は筋萎縮性側索硬化症(ALS)を含むが、これらに限定されない。
【0073】
2.対象
本開示に従って処置されるのに適した対象は、ほ乳類の対象を含む。本開示のほ乳類は、ヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジ、ブタ、げっ歯類、ラゴモルフ、霊長類等を含むが、これらに限定されず、子宮内のほ乳類を包含する。対象は、いずれかの性別及び発達のどの段階であってもよい。一実施態様では、本開示に従って処置されるのに適した対象は、ヒトである。
【0074】
3.投与及び用量
本開示の化合物は、一般的には、治療上有効量で投与される。本開示の化合物は、任意の適切な経路により、このような経路に適合した医薬組成物の形態でかつ意図される治療に有効な用量で投与することができる。有効用量は、典型的には、単回又は分割用量で、体重1kgあたり1日あたりに、約0.001~約100mg、好ましくは、約0.01~約50mg/kg/日の範囲にある。年齢、種及び処置される疾患又は状態に応じて、この範囲の下限未満の用量レベルが適切である場合がある。他の場合には、有害な副作用なしに、さらに多い用量を使用することができる。また、より多い用量を、1日を通して投与するために、より少ない用量を数回に分割することもできる。適切な用量を決定するための方法は、本開示が属する技術分野において周知である。例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Mack Publishing Co., 20th ed., 2000を使用することができる。
【0075】
医薬組成物、剤形及び投与経路
上記言及された疾患又は状態の処置のために、本明細書に記載された化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、下記のように投与することができる。
【0076】
経口投与
本開示の化合物は、この化合物が胃腸管に入るように又は口から直接血流に吸収されるように、嚥下を含む経口投与することができる(例えば、口腔又は舌下投与)。
【0077】
経口投与に適した組成物は、固体、液体、ゲル又は粉末製剤を含み、錠剤、ロゼンジ剤、カプセル剤、顆粒剤又は散剤等の剤形を有する。
【0078】
経口投与のための組成物は、即時放出又は調節放出(遅延放出又は持続放出を含む)として、場合により、腸溶被覆と共に製剤化することができる。
【0079】
液体製剤は、液剤、シロップ剤及び懸濁剤を含むことができ、これらは、軟カプセル剤又は硬カプセル剤で使用することができる。このような製剤は、薬学的に許容し得る担体、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、セルロース又は油を含むことができる。また、この製剤、1種以上の乳化剤及び/又は懸濁化剤を含むこともできる。
【0080】
錠剤剤形において、存在する薬剤の量は、この剤形の約0.05重量%~約95重量%、より典型的には、約2重量%~約50重量%であることができる。加えて、錠剤は、この剤形の約0.5重量%~約35重量%、より典型的には、約2重量%~約25重量%を含む崩壊剤を含有することができる。崩壊剤の例は、ラクトース、デンプン、グリコール酸ナトリウムデンプン、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、マルトデキストリン又はそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0081】
錠剤における使用に適した潤滑剤は、約0.1重量%~約5重量%の量で存在することができ、タルク、二酸化ケイ素、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、亜鉛又はマグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム等を含むが、これらに限定されない。
【0082】
錠剤における使用に適したバインダーは、ゼラチン、ポリエチレングリコール、糖類、ゴム、デンプン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等を含むが、これらに限定されない。錠剤における使用に適した希釈剤は、マンニトール、キシリトール、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶セルロース及びデンプンを含むが、これらに限定されない。
【0083】
錠剤における使用に適した可溶化剤は、約0.1重量%~約3重量%の量で存在することができ、ポリソルベート、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、プロピレンカーボナート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール、(天然又は水添)ヒマシ油、HCOR(商標)(Nikkol)、オレイルエステル、Gelucire(商標)、カプリル酸/カプリル酸モノ/ジグリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル及びSolutol HS(商標)を含むが、これらに限定されない。
【0084】
非経口投与
本開示の化合物は、血流、筋肉又は内臓に直接投与することができる。非経口投与に適した手段は、静脈内、筋肉内、皮下、動脈内、腹腔内、髄腔内、頭蓋内等を含む。非経口投与に適した装置は、注射器(針及び無針注射器を含む)及び注入法を含む。
【0085】
非経口投与のための組成物は、即時放出又は遅延放出もしくは持続放出を含む調節放出として製剤化することができる。ほとんどの非経口製剤は、塩、緩衝剤及び等張剤を含む賦形剤を含有する水溶液である。また、非経口製剤は、脱水形態(例えば、凍結乾燥により)において又は無菌非水溶液としても調製することができる。これらの製剤は、適切な媒体、例えば、滅菌水と共に使用することができる。また、溶解性増強剤も、非経口溶液の調製に使用することができる。
【0086】
経皮投与
本開示の化合物は、皮膚に局所的に又は経皮的に投与することができる。この局所投与のための製剤は、ローション剤、液剤、クリーム剤、ゲル剤、ヒドロゲル剤、軟膏剤、発泡剤、インプラント、パッチ等を含むことができる。局所投与製剤のための薬学的に許容し得る担体は、水、アルコール、鉱油、グリセリン、ポリエチレングリコール等が含むことができる。また、局所又は経皮投与は、エレクトロポレーション、イオントフォレーシス、泳動等によっても行うことができる。
【0087】
局所投与のための組成物は、即時放出又は遅延放出もしくは持続放出を含む調節放出として製剤化することができる。
【0088】
併用療法
本開示の医薬組成物は、例えば、効力を向上させ又は副作用を減少させるために、1種以上の更なる治療剤を含有することができる。したがって、一部の実施態様では、医薬組成物は、さらに、c-ablキナーゼにより直接的又は間接的に媒介される疾患を治療し又は阻害するのに有用な有効成分から選択される1種以上の更なる治療剤を含有する。このような有効成分の例は、神経変性疾患又は障害を処置するための薬剤であるが、これに限定されない。
【0089】
医薬組成物を調製するための参考文献
疾患又は状態を治療し又は予防するための医薬組成物を調製するための方法は、本開示が属する技術分野において周知である。例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients (7thed.), Remington: The Science and Practice of Pharmacy (20th ed.)、Encyclopedia of Pharmaceutical Technology (3rded.)又はSustained and Controlled Release Drug Delivery Systems (1978)に基づいて、薬学的に許容し得る賦形剤、担体、添加剤等を選択し、ついで、医薬組成物を製造するために、本開示の化合物と混合することができる。
【0090】
本開示は、c-abl活性を阻害することにより種々の薬理作用を有する化合物、この化合物を有効な薬剤として有する医薬組成物、特に、神経変性疾患又は障害を処置するためのこの化合物医療的使用及びこのような治療又は予防を必要とする対象に、この化合物を投与することを含む治療又は予防の方法を提供する。本開示の化合物及びその薬学的に許容し得る塩は、良好な安全性及びc-ableに対する高い選択性を有するため、薬剤として優れた特性を示す。
【0091】
本発明の有利な効果
本開示は、c-abl活性を阻害することにより種々の薬理作用を有する化合物、この化合物を有効な薬剤として有する医薬組成物、特に、神経変性疾患又は障害を処置するためのこの化合物医療的使用及びこのような治療又は予防を必要とする対象に、この化合物を投与することを含む治療又は予防の方法を提供する。本開示の化合物及びその薬学的に許容し得る塩は、良好な安全性及びc-ableに対する高い選択性を有するため、薬剤として優れた特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【
図1-3】
図1、
図2及び
図3は、マウスにおけるAβ
25-35誘発認知障害に対する実施例4及びニロチニブの効果を示す。a:自発的交替障害、b:ステップスルーレイテンシ、c、エスケープレイテンシ。
*p<0.05、
**p<0.01、
***p<0.001対Sc.Aβ/媒体群、
#p<0.05、
###p<0.001対Aβ
25-35/媒体群。
【
図4-6】
図4、
図5及び
図6は、マウスにおけるAβ
25-35誘発認知障害に対する実施例8及びニロチニブの効果を示す。a:自発的交替障害、b:ステップスルーレイテンシ、c、エスケープレイテンシ。
***p<0.001対Sc.Aβ/媒体群、
###p<0.001対Aβ
25-35/媒体群。
【
図7】
図7は、実施例4の3mg/kg及び10mg/kgの1日1回の経口投与により、脂質過酸化が完全に阻害されたことを示す。これは、酸化ストレスの減少を意味する。
【0093】
発明のモード
以下、本開示は、当業者が本開示を理解するのを助けるために、実施例によりかなり詳細に説明される。ただし、下記実施例は、例証として提供され、本発明の範囲を限定することを意図しない。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく又はその材料の利点の全てを犠牲にすることなく、種々の変更を行うことができることは明らかである。
【0094】
式(I)で示される化合物の合成
合成法A~Xを使用して、下記化合物を調製した。以下に、本開示のいくつかの化合物の例示的な合成例を記載し、他の化合物を、異なる出発物質又は反応物質を使用して、以下に記載された方法と同様の方法により調製することができる。
【0095】
合成法A
実施例1.(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
【化5】
【0096】
工程1) 6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-アミン
ジオキサン(8mL)及びH2O(2mL)中の化合物1(300mg、1.31mmol、1当量)及び化合物2(403.18mg、2.62mmol、2当量)の溶液に、SPhosビフェニルG2(94.36mg、130.95μmol、0.1当量)及びK3PO4(416.95mg、1.96mmol、1.5当量)を加えた。この混合物をN2下80℃で3時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。水(20mL)をこの反応混合物に加え、ついで、この混合物をEA(20mL×2)で抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EA=10:1~5:1)により精製して、化合物3(485mg、粗製)を黄色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 7.61 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.51 (d, J=1.4 Hz, 1H), 7.26 - 7.19 (m, 2H), 7.08 (d, J=7.5 Hz, 1H), 6.99 (t, J=8.7 Hz, 1H), 5.34 (br s, 2H), 2.19 (s, 3H)。
【0097】
工程2) (1S,2S)-2-フルオロ-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
DMF(2mL)中の化合物3(200mg、774.25μmol、1当量)及び化合物4(80.58mg、774.25μmol、1当量)の溶液に、HATU(588.79mg、1.55mmol、2当量)及びTEA(235.04mg、2.32mmol、323.30μL、3当量)を加えた。この混合物を25℃で2時間撹拌した。ついで、この混合物を25℃で12時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物を水 20mLで希釈し、EA(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物を分取HPLC(塩基性条件;カラム:Phenomenex Gemini 150×25mm×10μm;移動相:[水(0.05v/v% 水酸化アンモニウム)-ACN];B%:50%~80%、12分]で精製した。実施例1(50mg、136.17μmol、収率17%、純度93%)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 12.75 (br s, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.81 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.33 (br d, J=8.2 Hz, 2H), 7.20 - 7.11 (m, 2H), 5.16 - 4.92 (m, 1H), 2.23 (td, J=6.7, 13.4 Hz, 1H), 2.14 (s, 3H), 1.82 - 1.68 (m, 1H), 1.37 - 1.25 (m, 1H)。
【0098】
合成法B
実施例3.(1S,2S)-N-(6-(2,6-ジメチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド
【化6】
【0099】
工程1) 6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-アミン
ジオキサン(8mL)中の化合物1(500mg、2.18mmol、1当量)及びB2Pin2(665.06mg、2.62mmol、1.2当量)の溶液に、Pd(dppf)Cl2(159.69mg、218.25μmol、0.1当量)及びKOAc(321.29mg、3.27mmol、1.5当量)を加えた。この混合物をN2下110℃で12時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物をブライン 50mLで希釈し、EA20mL(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル:酢酸エチル=5:1~3:1)により精製した。化合物2(907mg、1.55mmol、収率71%、純度47%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 8.06 (s, 1H), 7.77 - 7.74 (m, 1H), 7.60 (d, J=7.2 Hz, 1H), 4.13 (q, J=7.2 Hz, 2H), 1.28 (s, 12H)。
【0100】
工程2) 6-(2,6-ジメチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-アミン
ジオキサン(5mL)及びH2O(2mL)中の化合物2(200mg、342.12μmol、1当量)及び化合物3(75.98mg、410.54μmol、54.66μmol、1.2当量)の溶液に、Na2CO3(54.39mg、513.18μmol、1.5当量)及びPd(PPh3)2Cl2(24.01mg、34.21μmol、0.1当量)を加えた。この混合物をN2下110℃で3時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。この残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10:1~8:1)により精製した。化合物4(123mg、267.57μmol、収率78%、純度55%)を赤褐色油状物として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 7.63 - 7.54 (m, 2H), 7.33 (t, J=7.1 Hz, 1H), 7.19 - 7.14 (m, 1H), 7.14 - 7.08 (m, 2H), 5.21 (br s, 2H), 2.05 (s, 6H)。
【0101】
工程3) (1S,2S)-N-(6-(2,6-ジメチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド
DMF(3mL)中の化合物4(123mg、267.57μmol、1当量)及び化合物5(27.85mg、267.57μmol、1当量)の溶液に、HATU(203.48mg、535.14μmol、2当量)及びTEA(81.23mg、802.71μmol、111.73μL、3当量)を加えた。この混合物を25℃で12時間撹拌した。ついで、この混合物を25℃で12時間撹拌した。この反応混合物をEA20mLで希釈し、ブライン 20mLで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物を分取HPLC(FA条件、カラム:Phenomenex Synergi C18 150×30mm×4um;移動相:[水(0.225% FA)-ACN];B%:50%~80%、10分]により精製した。実施例3(15.8mg、41.31μmol、収率15%、純度89%)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 7.83 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.60 (d, J=1.0 Hz, 1H), 7.24 (dd, J=1.6, 8.3 Hz, 2H), 7.20 - 7.17 (m, 1H), 7.15 - 7.11 (m, 2H), 5.03 - 4.81 (m, 1H), 2.04 (d, J=2.5 Hz, 6H), 1.97 (d, J=5.4 Hz, 1H), 1.43 - 1.35 (m, 1H), 1.26 (br s, 1H)。
【0102】
合成法C
実施例5.N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド
【化7】
【0103】
工程1) N-(6-ブロモベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド
DMF(2mL)中の化合物1(200mg、872.98μmol、1当量)及び化合物2(75.15mg、872.98μmol、1当量)の溶液に、HATU(497.89mg、1.30mmol、2当量)及びTEA(265.01mg、2.61mmol、365uL、3当量)を加えた。この混合物を60℃で12時間撹拌した。ついで、この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物を水 20mLで希釈し、EA(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、塩化メチレン/メタノール=20:1)により精製した。化合物3(194mg、654.73μmol、収率75%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 12.71 (s, CONH), 8.23 (s, 1H), 7.66 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 2.03-2.00 (m, 1H), 0.97-0.94 (m, 4H)。
【0104】
工程2) N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパンカルボキサミド
ジオキサン(8mL)及びH2O(2mL)中の化合物3(100mg、0.336mmol、1当量)及び化合物4(92mg、0.672mmol、2当量)の溶液に、Pd(dppf)Cl2(24mg、0.0336mmol、0.1当量)及びNs2CO3(71mg、0.672mmol、2当量)を加えた。この混合物をN2下120℃で8時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。水(10mL)を反応混合物に加え、ついで、この混合物をEA(10mL×2)で抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、n-ヘキサン:EA=1:2)により精製して、実施例5(88mg、収率85%)を白色固体として得た。
【0105】
合成法D
実施例14.(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
【化8】
【0106】
工程1) 3-(2-アミノベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-4-メチルフェノール
ジオキサン(5mL)及びH2O(1mL)中の化合物1(306.31mg、1.34mmol、1当量)及び化合物2(313mg、1.34mmol、1当量)の溶液に、Pd(PPh3)2Cl2(93.85mg、133.70μmol、0.1当量)及びNa2CO3(212.57mg、2.01mmol、1.5当量)を加えた。この混合物をN2下110℃で3時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1:1)により精製した。化合物3(207mg、807.58μmol、収率60%)を赤色油状物として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 7.69 - 7.66 (m, 1H), 7.57 - 7.55 (m, 1H), 7.50 - 7.44 (m, 2H), 7.13 (d, J=7.8 Hz, 1H), 6.75 (s, 1H), 5.26 (br s, 2H), 2.20 (s, 3H)。
【0107】
工程2) 6-(5-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-アミン
DCM(5mL)中の化合物3(157mg、612.51μmol、1当量)の溶液に、イミダゾール(125.09mg、1.84mmol、3当量)及びTBSCl(230.80mg、1.53mmol、187.64μL、2.5当量)を0℃で加えた。この混合物を25℃で12時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物を水 30mLで希釈し、EA(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1:1)により精製した。化合物4(211mg、546.60μmol、収率89%、純度96%)を淡黄色油状物として得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 7.61 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.49 (s, 2H), 7.36 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.17 - 7.11 (m, 2H), 6.73 (dd, J=2.6, 8.2 Hz, 1H), 6.67 (d, J=2.6 Hz, 1H), 2.16 (s, 3H), 0.95 (s, 9H), 0.19 - 0.16 (m, 6H)。
【0108】
工程3) (1S,2S)-N-(6-(5-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド
MeCN(5mL)中の化合物4(211mg、546.60μmol、1当量)及び化合物5(68.27mg、655.92μmol、1.2当量)の溶液に、MsCl(125.23mg、1.09mmol、84.61uL、2当量)及び3-メチルピリジン(254.51mg、2.73mmol、266.12uL、5当量)を0℃で加えた。この混合物を25℃で12時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物を水30 mLで希釈し、EA(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物を分取TLC(SiO2、PE:EA=1:1)により精製した。化合物6(185mg、392.97μmol、収率71%、純度97%)を黄色固体として得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 12.71 (s, 1H), 7.95 (d, J=1.6 Hz, 1H), 7.78 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.38 (dd, J=1.8, 8.3 Hz, 1H), 7.18 (d, J=8.2 Hz, 1H), 6.78 (dd, J=2.6, 8.3 Hz, 1H), 6.72 (d, J=2.5 Hz, 1H), 5.15 - 4.93 (m, 1H), 2.22 (br d, J=5.5 Hz, 1H), 2.17 (s, 3H), 1.81 - 1.71 (m, 1H), 1.31 (br dd, J=9.3, 12.9 Hz, 1H), 0.95 (s, 9H), 0.18 (s, 6H)。
【0109】
工程4) (1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
MeCN(8mL)中の化合物6(165mg、350.49μmol、1当量)の溶液に、CsF(159.72mg、1.05mmol、38.77μL、3当量)を加えた。この混合物を60℃で3時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物を水 30mLで希釈し、EA(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物を分取HPLC(TFA条件;カラム:Boston pH-lex 150×25 10um;移動相:[水(0.1% TFA)-ACN];B%:35%~65%,10分)により精製した。実施例14(83.6mg、183.17μmol、収率52%、純度100%、TFA)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 12.73 (br s, 1H), 7.92 (d, J=1.6 Hz, 1H), 7.77 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.36 (dd, J=1.8, 8.3 Hz, 1H), 7.08 (d, J=8.1 Hz, 1H), 6.72 - 6.64 (m, 2H), 5.17 - 4.93 (m, 1H), 2.27 - 2.17 (m, 1H), 2.12 (s, 3H), 1.82 - 1.68 (m, 1H), 1.31 (tdd, J=6.3, 8.9, 12.8 Hz, 1H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 343.2(M+H)+。
【0110】
合成法E
実施例15.(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
【化9】
【0111】
工程1) 2-(3-ブロモ-4-メチルフェニル)プロパン-2-オール
THF(10mL)中の化合物1(500mg、2.18mmol、1当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージし、ついで、この混合物をN2雰囲気下0℃で0.5時間撹拌し、ついで、MeMgBr(3M、2.91mL、4当量)をこの溶液にゆっくり加えた。ついで、この溶液を撹拌し、25℃で1.5時間ゆっくり温めた。残留物を分取TLC(SiO2、PE:EA=7:1)により精製した。化合物2(400mg、1.75mmol、収率80%)を淡黄色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 1.58 (s, 6 H), 2.40 (s, 3 H), 7.22 (d, J=8.03 Hz, 1 H), 7.33 (dd, J=7.97, 1.95 Hz, 1 H), 7.69 (d, J=2.01 Hz, 1 H)。
【0112】
工程2) 2-(3-(2-アミノベンゾ[d]チアゾール-6-イル)-4-メチルフェニル)プロパン-2-オール
ジオキサン(5mL)及びH2O(2mL)中の化合物3(506.25mg、1.83mmol、1.5当量)及び化合物2(280mg、1.22mmol、1当量)の溶液に、Pd(PPh3)2Cl2(85.78mg、122.21μmol、0.1当量)及びNa2CO3(194.29mg、1.83mmol、1.5当量)を加えた。この混合物をN2下110℃で12時間撹拌した。残留物を分取TLC(SiO2、PE:EA=1:1)により精製した。化合物4(210mg、703.75μmol、収率57%)を淡黄色油状物として得た。
【0113】
工程3) (1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(5-(2-ヒドロキシプロパン-2-イル)-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
DCM(10mL)中の化合物4(300mg、1.01mmol、1当量)の混合物に、0℃、N2雰囲気下で、TEA(203.46mg、2.01mmol、279.87μL、2当量)を加え、ついで、(1R,2S)-2-フルオロシクロプロパンカルボニルクロリド(147.82mg、1.21mmol、1.2当量)をこの混合物に加え、ついで、25℃で0.5時間撹拌した。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150×25×10um;移動相:[水(0.05% HCl)-ACN];B%:40%~60%,7.8分]により精製し、ついで、分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini 150×25mm×10um;移動相:[水(10mM NH4HCO3)-ACN];B%:45%~75%、10分)により精製した。
【0114】
実施例15(23mg、59.82μmol、収率6%、純度100%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 1.29 (dq, J=15.12, 6.42 Hz, 1 H), 1.43 (s, 6 H), 1.66 - 1.84 (m, 1 H), 2.16 - 2.22 (m, 1 H), 2.23 (s, 3 H), 4.91 - 5.14 (m, 1 H), 4.98 (s, 1 H), 7.22 (d, J=8.53 Hz, 1 H), 7.32 - 7.36 (m, 2 H), 7.38 (dd, J=8.28, 1.51 Hz, 1 H), 7.76 (d, J=8.28 Hz, 1 H), 7.92 (s, 1 H), 12.61 (br s, 1 H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 385.3(M+H)+。
【0115】
実施例16(52mg、126.58μmol、収率12%、純度97%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 1.23 - 1.36 (m, 1 H), 1.46 (s, 6 H), 1.67 - 1.82 (m, 1 H), 2.16 - 2.23 (m, 1 H), 2.25 (s, 3 H), 3.00 (s, 3 H), 4.91 - 5.16 (m, 1 H), 7.24 (s, 1 H), 7.28 (s, 2 H), 7.40 (br d, J=8.28 Hz, 1 H), 7.77 (d, J=8.28 Hz, 1 H), 7.95 (s, 1 H), 11.92 - 13.28 (m, 1 H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 399.4(M+H)+。
【0116】
実施例17(9.5mg、24.37μmol、収率2%、純度94%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 1.29 (br s, 1 H), 1.64 - 1.80 (m, 1 H), 2.11 (s, 3 H), 2.18 (br s, 1 H), 2.24 (s, 3 H), 4.93 - 5.12(m, 1 H), 5.07 (s, 1 H), 5.44 (s, 1 H), 7.29 (d, J=7.91 Hz, 1 H), 7.35 (s, 1 H), 7.38 (br d, J=8.53 Hz, 1 H), 7.42 (br d, J=7.91 Hz, 1 H), 7.74 (br d, J=8.16 Hz, 1 H), 7.93 (s, 1 H), 11.65 - 13.53 (m, 1 H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 367.3(M+H)+。
【0117】
合成法F
実施例18.(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)チアゾロ[4,5-b]ピリジン-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
【化10】
【0118】
工程1) tert-ブチル(6-ブロモチアゾロ[4,5-b]ピリジン-2-イル)カルバマート
THF(10mL)中の化合物1(500mg、2.17mmol、1当量)及びジ-tert-ブチルジカーボナート(711mg、3.26mmol、1.5当量)の溶液に、4-ジメチルアミノピリジン(398mg、3.25mmol、1.5当量)及びトリエチルアミン(0.6mL、4.34mmol、2.0当量)を加えた。この混合物を25℃で12時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。水(20mL)をこの反応混合物に加え、ついで、この混合物をEAで抽出し、合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、MC:MeOH=95:5)により精製して、化合物2(454mg、収率63%)を白色固体として得た。
【0119】
工程2) tert-ブチル (6-(4-メチルピリジン-3-イル)チアゾロ[4,5-b]ピリジン-2-イル)カルバマート
1,4-ジオキサン(2mL)中の化合物2(65mg、0.20μmol、1当量)及び化合物3(40mg、0.30μmol、1.5当量)の溶液に、H2O(0.2mL)中のPd(dppf)Cl2(7mg、0.01mmol、0.05当量)及びNa2CO3(42mg、0.40mmol、2当量)を加えた。この混合物を120℃で1時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物をMPLC(EA:Hex=1:1~MC:MeOH=95:5)により精製して、化合物4(46mg、収率67%)を白色固体として与えた。LCMS(エレクトロスプレー)m/z=343.1(M+H)+。
【0120】
工程3) 6-(4-メチルピリジン-3-イル)チアゾロ[4,5-b]ピリジン-2-アミン.2HCl塩
テトラヒドロフラン(0.6mL)中の化合物4(41mg、0.12mmol)の溶液に、ジオキサン中の4M HClを加えた。この混合物を室温で12時間撹拌した。ついで、残留物を真空中で濃縮した。化合物5(45mg、きれいな粗製物、赤褐色油状物)をさらに精製することなく使用した。LCMS(エレクトロスプレー)m/z 343.1(M+H)+。
【0121】
工程4) (1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)チアゾロ[4,5-b]ピリジン-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
DMF(1mL)中の化合物5(45mg、0.14mmol、1当量)、化合物6(30mg、0.28mmol、2.0当量)、HATU(109mg、0.28mmol、2当量)及びDIPEA(93mg、0.72mmol、5当量)の混合物を70℃で12時間撹拌した。溶媒を留去し、H2Oで希釈し、DCM及びMeOHで抽出し、合わせた有機相をブライン(15mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮して、残留物を与えた。この残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(MC:MeOH=95:5~9:1)により精製した。実施例18(12mg、収率24%、純度97%)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 13.06(s, 1H), 8.57-8.55(m, 2H), 8.49-8.47(m, 2H), 7.40-7.38(m, 1H), 5.16-4.99(m, 1H), 2.23(s, 3H), 2.28-2.25(m, 1H), 1.80-1.74(m, 1H), 1.37-1.32(m, 1H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 329.0(M+H)+。
【0122】
合成法G
実施例28.(1S,2S)-2-フルオロ-N-(5-(6-(1-ヒドロキシエチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
【化11】
【0123】
MeOH(5mL)中の実施例21(100mg、270.70μmol、1当量)の溶液に、NaBH4(30.72mg、812.10μmol、3当量)を0℃で加え、ついで、25℃で1時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。ついで、この反応混合物をH2O(20mL)で希釈し、ついで、この混合物をEA(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini 150×25mm×10um;移動相:[水(10mM NH4HCO3)-ACN];B%:22%~52%,10分)により精製した。実施例28(51mg、137.31μmol、収率50%、純度100%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 1.29 - 1.39 (m, 1 H), 1.58 (d, J=6.60 Hz, 3 H), 1.94 - 2.10 (m, 2 H), 2.32 (s, 3 H), 4.33 (br s, 1 H), 4.71 - 4.92 (m, 1 H), 4.93 - 5.00 (m, 1 H), 7.24 (s, 1 H), 7.26 - 7.28 (m, 1 H), 7.72 (d, J=1.34 Hz, 1 H), 7.90 (d, J=8.07 Hz, 1 H), 8.41 (s, 1 H), 10.63 (br s, 1 H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 372.2(M+H)+。
【0124】
合成法H
実施例29.(1S,2S)-2-フルオロ-N-(5-(6-(ヒドロキシメチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
【化12】
【0125】
工程1) 5-(4-メチル-6-(((トリイソプロピルシリル)オキシ)メチル)ピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-アミン
ジオキサン(20mL)H2O(5mL)中の化合物2(600mg、1.67mmol、1当量)、化合物1(461.19mg、1.67mmol、1当量)、Pd(PPh3)2Cl2(117.22mg、167.00μmol、0.1当量)、Na2CO3(265.50mg、2.51mmol、1.5当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージし、ついで、この混合物をN2雰囲気下110℃で16時間撹拌した。この反応混合物をH2O(20mL)で希釈し、ついで、この混合物を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=2:1)により精製した。化合物3(380mg、888.52μmol、収率53%)を淡黄色固体として得た。
【0126】
工程2) (1S,2S)-2-フルオロ-N-(5-(4-メチル-6-(((トリイソプロピルシリル)オキシ)メチル)ピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
DMF(10mL)中の化合物3(180.00mg、420.88μmol、1当量)の溶液に、化合物4(52.57mg、505.05μmol、1.2当量)、3-メチルピリジン(195.98mg、2.10mmol、204.92μL、5当量)、MsCl(96.42mg、841.76μmol、65.15μL、2当量)をN2下0℃で加えた。この混合物を25℃で3時間撹拌した。この反応混合物をH2O(20mL)で希釈し、ついで、この混合物をEA(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=1:1)により精製した。化合物5(200mg、389.30μmol、収率92%)を淡黄色液体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 1.06 (s, 1 H), 1.11 - 1.15 (m, 18 H), 1.18 - 1.22 (m, 3 H), 1.30 - 1.37 (m, 1 H), 1.78 - 1.81 (m, 1 H), 2.35 (s, 3 H), 4.71 - 4.74 (m, 1 H), 4.98 (s, 2 H), 7.29 (br d, J=1.22 Hz, 1 H), 7.53 (s, 1 H), 7.64 (s, 1 H), 7.87 (d, J=8.07 Hz, 1 H), 8.40 (s, 1 H)。
【0127】
工程3) (1S,2S)-2-フルオロ-N-(5-(6-(ヒドロキシメチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
THF(6mL)中の化合物5(180.00mg、350.37μmol、1当量)の溶液に、ピリジン;フッ化水素(3.30g、23.31mmol、3mL、純度70%、66.52当量)を加えた。この混合物を25℃で2時間撹拌した。この反応混合物をH2O(20mL)で希釈し、ついで、この混合物をEA(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini 150×25mm×10um;移動相:[水(10mM NH4HCO3)-ACN];B%:20%~50%、12分)により精製した。
【0128】
実施例29(12mg、29.55μmol、収率8%、純度88%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 1.31 (dq, J=15.10, 6.46 Hz, 1 H), 1.69 - 1.82 (m, 1 H), 2.18 - 2.26 (m, 1 H), 2.31 (s, 3 H), 4.58 (br d, J=3.79 Hz, 2 H), 4.91 - 5.17 (m, 1 H), 5.42 (br s, 1 H), 7.31 (d, J=8.07 Hz, 1 H), 7.42 (s, 1 H), 7.72 (s, 1 H), 8.06 (d, J=8.07 Hz, 1 H), 8.33 (s, 1 H), 12.70 (br s, 1 H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 358.3(M+H)+。
【0129】
合成法I
実施例31.(1S,2S)-2-フルオロ-N-(5-(5-メチル-1H-インドール-4-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
【化13】
【0130】
THF(3mL)中の実施例25(170mg、342.96μmol、1当量)の溶液に、TBAF(269.01mg、1.03mmol、3当量)及びエタン-1,2-ジアミン(103.06mg、1.71mmol、114.76μL、5当量)を加えた。この混合物を80℃で24時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物を分取TLC(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=1:1)により精製した。残留物を分取HPLC(塩基性条件;カラム:Waters Xbridge 150×25 5u;移動相:[水(0.05v/v% 水酸化アンモニウム)-ACN];B%:35%~65%、10分)により精製した。
【0131】
実施例31(52.2mg、142.85μmol、収率41%、純度100%)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 12.73 (br s, 1H), 11.06 (br s, 1H), 8.05 (d, J=8.2 Hz, 1H), 7.67 (d, J=1.1 Hz, 1H), 7.35 - 7.22 (m, 3H), 7.05 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.00 (br s, 1H), 5.18 - 4.89 (m, 1H), 2.28 - 2.18 (m, 4H), 1.83 - 1.70 (m, 1H), 1.31 (tdd, J=6.3, 9.0, 12.8 Hz, 1H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 366.2(M+H)+。
【0132】
合成法J
実施例32.(1S,2S)-N-(6-(1-アセチル-5-メチルインドリン-4-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド
【化14】
【0133】
DCM(3mL)中の実施例24(59mg、149.33μmol、1当量)の溶液に、TEA(15.11mg、149.33μmol、20.79μL、1当量)を加えた。この混合物を0℃に冷却し、塩化アセチル(11.72mg、149.33μmol、10.66μL、1当量)を滴加した。この混合物を25℃で1時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物を水 20mLで希釈し、DCM(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物を分取HPLC(TFA条件;カラム:Boston pH-lex 150×25 10um;移動相:[水(0.1% TFA)-ACN];B%:40%~70%、10分)により精製した。実施例32(8.9mg、16.15μmol、収率10%、純度95%、TFA)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 12.74 (s, 1H), 7.95 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.88 (d, J=1.4 Hz, 1H), 7.80 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.29 (dd, J=1.7, 8.2 Hz, 1H), 7.10 (d, J=8.5 Hz, 1H), 5.18 - 4.91 (m, 1H), 4.02 (br t, J=8.4 Hz, 2H), 2.85 (br s, 2H), 2.27 - 2.19 (m, 1H), 2.13 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 1.82 - 1.67 (m, 1H), 1.37 - 1.21 (m, 1H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 410.1(M+H)+。
【0134】
合成法K
実施例33.(1S,2R)-N-(5-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
【化15】
【0135】
工程1) メチル (1R,2S)-2-((5-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)カルバモイル)シクロプロパン-1-カルボキシラート
MeCN(5mL)中の化合物1(200mg、774.25μmol、1当量)及び化合物2(cis)(111.59mg、774.25μmol、1当量)の溶液に、MsCl(177.38mg、1.55mmol、119.85μL、2当量)及び3-メチルピリジン(360.52mg、3.87mmol、376.95μL、5当量)を0℃で加えた。この混合物を25℃で2時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物を水 30mLで希釈し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1:1)により精製した。化合物3(cis)(222mg、577.49μmol、収率74%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 7.86 (d, J=8.1 Hz, 1H), 7.61 (d, J=0.6 Hz, 1H), 7.24 (dt, J=1.8, 8.0 Hz, 2H), 7.09 (d, J=7.7 Hz, 1H), 7.00 (t, J=8.6 Hz, 1H), 3.70 (s, 3H), 2.32 - 2.21 (m, 2H), 2.17 (s, 3H), 1.94 - 1.87 (m, 1H), 1.48 - 1.41 (m, 1H)。
【0136】
工程2) (1S,2R)-N-(5-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-2-(ヒドロキシメチル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
THF(5mL)中の化合物3(cis)(100mg、260.13μmol、1当量)の溶液に、LiBHEt3(1M、1.04mL、4当量)を加えた。この混合物を-40℃で0.5時間撹拌した。この反応混合物を-40℃で水 1mLを加えることによりクエンチした。この混合物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=1:1)により精製した。合わせた有機層をろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物を分取HPLC(カラム:Gemini 150×25 5u;移動相:[水(0.05v/v% 水酸化アンモニウム)-ACN];B%:37%~67%、12分]により精製した。実施例33(cis)(6mg、16.83μmol、収率6%)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 7.95 (br d, J=7.9 Hz, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.36 - 7.27 (m, 1H), 7.17 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.15 - 7.09 (m, 2H), 3.69 (dd, J=5.6, 11.3 Hz, 1H), 3.54 - 3.45 (m, 1H), 2.14 (s, 3H), 2.05 - 1.95 (m, 1H), 1.60 - 1.48 (m, 1H), 1.12 - 0.98 (m, 2H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 357.1(M+H)+。
【0137】
合成法L
実施例46.(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチル-3-(メチルアミノ)フェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
【化16】
【0138】
工程1) 3-ブロモ-2-フルオロ-4-メチル安息香酸
THF(200mL)中の化合物1(10g、52.90mmol、1当量)の溶液に、LDA(2M、27.77mL、1.05当量)をN2下-78℃で加えた。この反応混合物を-78℃で0.5時間撹拌した。CO2(6.98g、158.71mmol、3当量)(固体)を加えた。この混合物を20℃で1.5時間撹拌した。TLC(PE:EA=1:1)により、出発物質が消失し、新しい主スポットが検出されたことが示された。水(100mL)を加え、水相をEA(50mL×2)で抽出した。水相をPH=3~4になるまで、1M HClで処理し、ついで、この混合物をろ過し、フィルターケーキを真空中で濃縮して、生成物を与えた。化合物2(12g、51.49mmol、収率97%)を白色固体として得た。これを次の工程で直接使用した。
1 H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ= 7.80 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.22 (d, J=8.1 Hz, 1H), 2.62 - 2.41 (m, 3H)。
【0139】
工程2) tert-ブチル (3-ブロモ-2-フルオロ-4-メチルフェニル)カルバマート
トルエン(20mL)中の化合物2(1g、4.29mmol、1当量)の溶液に、TEA(477.65mg、4.72mmol、657.02μL、1.1当量)及びDPPA(1.30g、4.72mmol、1.02mL、1.1当量)を加えた。この反応混合物を120℃で1.5時間撹拌した。ついで、t-BuOH(477.11mg、6.44mmol、615.62μL、1.5当量)を加えた。この混合物を120℃で3.5時間撹拌した。TLC(PE:EA=3:1)により、出発物質が消失し、新しい主スポットが検出されたことが示された。LCMSにより、44% 所望の質量が示され、出発物質は示されなかった。この反応物を真空中で濃縮した。水(50mL)を加え、水相をDCM(50mL×2)で抽出した。合わせた有機相を飽和ブライン(10mL×2)で洗浄し、有機層を無水Na2SO4で乾燥させた。この混合物を真空中で濃縮した。粗生成物を分取TLC(PE:EA=3:1)により精製して、生成物を与えた。化合物5(520mg、1.66mmol、収率38%、純度97%)を白色固体として得た。これを次の工程で直接使用した。
1 H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 8.08 - 7.76 (m, 1H), 7.00 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.68 - 6.46 (m, 1H), 2.41 - 2.33 (m, 3H), 1.53 (s, 9H)。
【0140】
工程3) tert-ブチル (3-ブロモ-2-フルオロ-4-メチルフェニル)(メチル)カルバマート
THF(15mL)中の化合物3(0.42g、1.34mmol、1当量)の溶液に、NaH(64.29mg、1.61mmol、純度60%、1.2当量)を加えた。この反応混合物を0℃で0.5時間撹拌した。ついで、MeI(228.14mg、1.61mmol、100.06μL、1.2当量)を加えた。この混合物を20℃で1.5時間撹拌した。TLC(PE:EA=3:1)により、出発物質が消失し、新しい主スポットが検出されたことが示された。LCMSにより、88% 所望の質量が示され、出発物質は示されなかった。この反応物を真空中で濃縮した。水(50mL)を加え、水相をEA(30mL×2)で抽出した。合わせた有機相を飽和ブライン(30mL×2)で洗浄し、有機層を無水Na2SO4で乾燥させた。この混合物を真空中で濃縮した。粗生成物を分取TLC(PE:EA=3:1)により精製して、生成物を与えた。化合物4(350mg、1.10mmol、収率82%)を淡黄色液体として得た。これを次の工程で直接使用した。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ =7.16 - 6.95 (m, 2H), 3.26 - 3.16 (m, 3H), 2.49 - 2.31 (m, 3H), 1.39 - 1.10 (m, 9H)。
【0141】
工程4) tert-ブチル (3-(2-アミノベンゾ[d]チアゾ-ル-6-イル)-2-フルオロ-4-メチルフェニル)(メチル)カルバマート
ジオキサン/H2O(10mL)中の化合物5(343.70mg、1.24mmol、1.2当量)の溶液に、Pd(PPh3)2Cl2(72.80mg、103.71μmol、0.1当量)、化合物4(330mg、1.04mmol、1当量)及びNa2CO3(219.85mg、2.07mmol、2当量)をN2下で加えた。この混合物を80℃で16時間撹拌した。LCMSにより、36% 所望の質量及び26% 出発物質2が示された。水(10mL)を加え、水相をEA(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相を飽和ブライン(10mL×2)で洗浄し、真空中で濃縮した。粗生成物を分取TLC(PE:EA=2:1)により精製して、生成物を与えた。化合物6(280mg、375.77μmol、収率36%、純度52%)を淡黄色液体として得た。
【0142】
工程5) tert-ブチル (2-フルオロ-3-(2-(1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾ-ル-6-イル)-4-メチルフェニル)(メチル)カルバマート
MeCN(10mL)中の化合物6(260mg、348.93μmol、1当量)の溶液に、MsCl(79.94mg、697.86μmol、54.01μL、2当量)、化合物7(79.90mg、767.65μmol、2.2当量)及び3-メチルピリジン(64.99mg、697.86μmol、67.95μL、2当量)をN2下で加えた。この混合物を20℃で2時間撹拌した。LCMSにより、34% 所望の質量が示され、出発物質は示されなかった。水(10mL)を加え、水相をEA(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相を飽和ブライン(10mL×2)で洗浄し、真空中で濃縮した。粗生成物を分取TLC(PE:EA=1:1)により精製して、実施例45(256mg、純度47%)を与えた。この粗生成物(56mg)を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini 150×25mm×10um;移動相:[水(10mM NH4HCO3)-ACN];B%:40%~70%、9分)により精製した。実施例45(5mg、純度86%)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ = 7.98 - 7.66 (m, 2H), 7.47 - 7.03 (m, 3H), 5.20 - 4.99 (m, 1H), 3.23 - 3.09 (m, 3H), 2.25 - 2.02 (m, 4H), 1.97 - 1.77 (m, 1H), 1.60 - 1.24 (m, 10H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 474.7(M+H)+。
【0143】
工程6) (1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-フルオロ-6-メチル-3-(メチルアミノ)フェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
DCM(10mL)中の実施例45(200mg、198.51μmol、1当量)の溶液に、TFA(67.90mg、595.52μmol、44.09μL、3当量)を加えた。この混合物を20℃で1時間撹拌した。この反応混合物を真空中で濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150×25×10um;移動相:[水(0.1% TFA)-ACN];B%:35%~58%、7分)により精製して、生成物を与えた。実施例46(46.3mg、73.90μmol、収率37%、純度96%、2TFA)を白色固形物として得た。
1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ = 7.88 - 7.80 (m, 1H), 7.68 - 7.62 (m, 1H), 7.58 - 7.54 (m, 1H), 7.35 (br d, J=7.8 Hz, 1H), 7.27 - 7.19 (m, 1H), 5.14 - 5.01 (m, 1H),3.19 - 2.83 (m, 3H), 2.43 - 2.06 (m, 4H), 2.01 - 1.76 (m, 1H),1.44 - 1.09 (m, 1H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 374.1(M+H)+。
【0144】
合成法M
実施例53.N-メチル-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-アミン
【化17】
【0145】
工程1) tert-ブチル (6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)カルバマート
THF/H2O(5mL)中の化合物1(100mg、414.40μmol、1当量)の溶液に、Na2CO3(87.84mg、828.81μmol、2当量)及びtert-ブトキシカルボニル tert-ブチルカーボナート(108.53mg、497.28μmol、114.24μL、1.2当量)を加えた。この混合物を25℃で12時間撹拌した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1:1)により精製した。化合物2(120mg、351.47μmol、収率84%)を淡黄色固体として得た。
【0146】
工程2) tert-ブチル メチル(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)カルバマート
THF(5mL)中の化合物2(120mg、351.47μmol、1当量)の溶液に、NaH(28.11mg、702.93μmol、純度60%、2当量)を0℃で0.5時間加え、ついで、25℃で1.5時間撹拌した後、この混合物にMeI(74.83mg、527.20μmol、32.82μL、1.5当量)を加えた。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=3:1)により精製した。化合物3(100mg、281.33μmol、収率80%)を淡黄色固体として得た。
【0147】
工程3) N-メチル-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-アミン
DCM(2mL)中の化合物3(100mg、281.33μmol、1当量)の溶液に、TFA(0.4mL)を加えた。この混合物を25℃で1時間撹拌した。残留物を分取HPLC(カラム:Boston pH-lex 150×25 10um;移動相:[水(0.1% TFA)-ACN];B%:1%~30%、10分)により精製した。実施例53(9.8mg、19.46μmol、収率6%、純度96%、2TFA)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ = 2.62 (s, 3 H), 3.19 (s, 3 H), 7.51 (dd, J=8.31, 1.71 Hz, 1 H), 7.66 (d, J=8.31 Hz, 1 H), 7.88 (d, J=1.47 Hz, 1 H), 8.03 (d, J=5.87 Hz, 1 H), 8.66 - 8.78 (m, 2 H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 256.2(M+H)+。
【0148】
実施例54(10.3mg、25.66μmol、収率9%、純度92%、TFA)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ = 2.57 (s, 3 H), 3.87 (s, 3 H), 7.71 (dd, J=8.56, 1.71 Hz, 1 H), 7.82 (d, J=8.56 Hz, 1 H), 7.96 - 8.03 (m, 2 H), 8.68 - 8.76 (m, 2 H)。
【0149】
合成法N
実施例55.(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メトキシピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
【化18】
【0150】
工程1) (1S,2S)-N-(6-ブロモベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド
MeCN(15mL)中の化合物1(1.2g、5.24mmol、1.2当量)の溶液に、化合物2(454.30mg、4.36mmol、1当量)、3-メチルピリジン(2.03g、21.82mmol、2.13mL、5当量)、MsCl(1.00g、8.73mmol、675.69μL、2当量)を0℃で加え、ついで、この混合物を25℃で1時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。この反応混合物をH2O(20mL)で希釈し、ついで、この混合物を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、化合物3(1.2g、3.81mmol、収率87%)を淡黄色固体として与えた。これを直接次の工程に使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 1.31 (ddt, J=12.79, 9.00, 6.40, Hz, 1 H), 1.65 - 1.83 (m, 1 H), 2.13 - 2.29 (m, 1 H), 4.87 - 5.18 (m, 1 H), 7.51 - 7.60 (m, 1 H), 7.68 (d, J=8.56 Hz, 1 H), 8.25 (d, J=1.96 Hz, 1 H), 12.78 (s, 1 H)。
【0151】
工程2) (1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボラン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
ジオキサン(20mL)中の化合物3(1.1g、3.49mmol、1当量)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(1.33g、5.24mmol、1.5当量)、KOAc(1.03g、10.47mmol、3当量)、Pd(dppf)Cl2.CH2Cl2(285.03mg、349.03μmol、0.1当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージし、ついで、この混合物をN2雰囲気下110℃で16時間撹拌した。この反応混合物をH2O(20mL)で希釈し、ついで、この混合物を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=2:1)により精製した。化合物4(1.15g、3.17mmol、収率90%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.20 (s, 12 H), 1.33 - 1.27 (m, 1H), 1.93 - 1.80 (m, 1H), 2.22 - 2.12 (m, 1H), 4.87 - 5.18 (m, 1 H), 7.69 - 7.75 (m, 1 H), 7.76 - 7.82 (m, 1 H), 8.23 (s, 1 H)。
【0152】
工程3) (1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メトキシピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
ジオキサン/H2O(10mL)中の化合物4(150mg、414.11μmol、1当量)、3-ブロモ-4-メトキシ-ピリジン(77.86mg、414.11μmol、1当量)、Pd(PPh3)2Cl2(29.07mg、41.41μmol、0.1当量)、Na2CO3(87.78mg、828.21μmol、2当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージし、ついで、この混合物をN2雰囲気下110℃で3時間撹拌した。この反応混合物をH2O(20mL)で希釈し、ついで、この混合物をEA(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=0:1)により精製した。ついで、この残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Gemini 150×25mm×10um;移動相:[水(10mM NH4HCO3)-ACN];B%:24%~54%、10分)により精製した。実施例55(23mg、63.63μmol、収率15%、純度95%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 1.33 - 1.44 (m, 1 H), 1.91 - 2.13 (m, 2 H), 3.94 (s, 3 H), 4.79 - 5.05 (m, 1 H), 6.96 (d, J=5.87 Hz, 1 H), 7.63 (dd, J=8.38, 1.65 Hz, 1 H), 7.87 (d, J=8.44 Hz, 1 H), 8.02 (d, J=1.47 Hz, 1 H), 8.51 - 8.55 (m, 2 H), 10.35 (br s, 1 H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 344.3(M+H)+。
【0153】
合成法O
実施例58.(2-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾ-ル-6-イル)ボロン酸.HCl塩
【化19】
【0154】
アセトン(5mL)及びH2O(5mL)中の化合物1(200mg、552.14μmol、1当量)の溶液に、NaIO4(708.59mg、3.31mmol、183.57μL、6当量)及びNH4HCO3(261.90mg、3.31mmol、272.81μL、6当量)を加えた。この混合物を40℃で1時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物をH2O(20mL)で希釈し、ついで、この混合物を酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150×25×10um;移動相:[水(0.05% HCl)-ACN];B%:15%~41%、8分)により精製した。実施例58(58mg、172.24μmol、収率31%、純度94%、HCl)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ = 1.26 - 1.39 (m, 1 H), 1.81 - 1.94 (m, 1 H), 2.19 (dtd, J=9.19, 6.87, 6.87, 4.34 Hz, 1 H), 4.87 - 5.18 (m, 1 H), 7.69 - 7.75 (m, 1 H), 7.81 (br d, J=7.82 Hz, 1 H), 8.22 (s, 1 H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 281.2(M+H)+。
【0155】
合成法P
実施例71.(1S,2R)-N-(6-(2-フルオロ-6-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-2-(((メチルアミノ)メチル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
【化20】
【0156】
THF(10mL)中の実施例63(210mg、589.20μmol、1当量)の溶液に、TEA(59.62mg、589.20μmol、82.01μL、1当量)及びMsCl(67.49mg、589.20μmol、45.60μL、1当量)を0℃で加えた。この混合物を25℃で2時間撹拌した。ついで、メタンアミン(2M、2.95mL、10当量)を加えた。この混合物を40℃で16時間撹拌した。LCMSにより、40% 所望の質量及び25% 出発物質が示された。水(10mL)を加え、水相をEA(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相を飽和ブライン(20mL×2)で洗浄し、真空中で濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150×25×10um;移動相:[水(0.05% HCl)-ACN];B%:20%~40%、7.8分]により精製して、生成物を与えた。実施例71(47mg、100.93μmol、収率17%、純度95%、2HCl)を淡黄色固体として得た。
1 H NMR ( 400MHz, メタノール-d4) δ = 7.74 (s, 1H), 7.87 - 7.71 (m, 1H), 7.61 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.49 - 7.40 (m, 1H), 7.30 (dt, J=5.7, 7.9 Hz, 1H), 7.14 (d, J=7.7 Hz, 1H), 7.02 (t, J=8.9 Hz, 1H), 3.88 (br d, J=6.5 Hz, 2H), 2.74 (s, 3H), 2.16 (s, 3H), 1.87 (dt, J=5.7, 8.2 Hz, 1H), 1.71 (qd, J=7.9, 15.3 Hz, 1H), 1.30 - 1.06 (m, 2H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 370.0(M+H)+。
【0157】
合成法Q
実施例80.(1S,2S)-2-フルオロ-N-(4-フルオロ-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
【化21】
【0158】
工程1) 6-ブロモ-4-フルオロベンゾ[d]チアゾ-ル-2-アミン
AcOH(10mL)中の化合物1(1g、5.26mmol、1当量)の溶液に、チオシアナトカリウム(2.05g、21.05mmol、2.05mL、4当量)を加えた。この溶液に、AcOH(3mL)中の臭素(1.68g、10.53mmol、542.61μL、2当量)を25℃で15分間滴加した。滴加終了後、この混合物を25℃で2時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、AcOHを除去した。PHを1M NaOHで7に調整し、この混合物をEA(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=20/1~0:1)により精製した。化合物2(307mg、1.24mmol、収率23%)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 7.86 (s, 2H), 7.77 (d, J=1.2 Hz, 1H), 7.35 (dd, J=1.8, 10.5 Hz, 1H)。
【0159】
工程2) 4-フルオロ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-アミン
ジオキサン(5mL)中の化合物2(307mg、1.24mmol、1当量)及びB2Pin2(473.27mg、1.86mmol、1.5当量)の溶液に、Pd(dppf)Cl2.CH2Cl2(101.47mg、124.25μmol、0.1当量)及びAcOK(365.82mg、3.73mmol、3当量)を加えた。この混合物をN2下110℃で12時間撹拌した。ついで、この混合物を110℃で3時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。この残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1:1)により精製した。化合物3(322mg、1.09mmol、収率88%)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 7.89 (s, 2H), 7.77 (s, 1H), 7.21 (d, J=11.1 Hz, 1H), 1.29 (s, 12H)。
【0160】
工程3) 4-フルオロ-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾ-ル-2-アミン
ジオキサン(5mL)及びH2O(1mL)中の化合物3(150mg、509.94μmol、1当量)及び化合物4(105.27mg、611.93μmol、67.91μL、1.2当量)の溶液に、Pd(PPh3)2Cl2(35.79mg、50.99μmol、0.1当量)及びNa2CO3(162.14mg、1.53mmol、3当量)を加えた。この混合物をN2下110℃で12時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物を20mLで希釈し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物を分取TLC(シリカゲルプレート、石油エーテル:酢酸エチル=0:1)により精製した。化合物5(50mg、160.05μmol、収率31%、純度83%)を白色固体として得た。
【0161】
工程4) (1S,2S)-2-フルオロ-N-(4-フルオロ-6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
DMF(2mL)中の化合物5(50mg、160.05μmol、1当量)及び化合物6(19.99mg、192.05μmol、1.2当量)の溶液に、EDCI(61.36mg、320.09μmol、2当量)及びHOBt(43.25mg、320.09μmol、2当量)を0℃で加えた。この混合物を60℃で12時間撹拌した。この反応混合物を水20mLで希釈し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150×25×10um;移動相:[水(0.1% TFA)-ACN];B%:15%~36%、7分)により精製した。実施例80(8.9mg、13.94μmol、収率8%、純度89%、2TFA)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 13.07 (s, 1H), 8.64 (br d, J=7.7 Hz, 2H), 7.95 (br d, J=1.2 Hz, 1H), 7.68 (br s, 1H), 7.47 (br d, J=11.5 Hz, 1H), 5.17 - 4.96 (m, 1H), 2.43 (br s, 3H), 2.23 (td, J=6.9, 13.5 Hz, 1H), 1.83 - 1.70 (m, 1H), 1.34 (qd, J=6.4, 15.1 Hz, 1H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 346.3(M+H)+。
【0162】
実施例85.(1S,2S)-N-(6-(5-エチニル-2-メチルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド
((3-ブロモ-4-メチルフェニル)エチニル)トリメチルシランを使用して、合成法Bについて記載されたように表記化合物を得た。
【0163】
合成法R
実施例91. 3-(2-((1S,2S)-2-フルオロシクロプロパン-1-カルボキサミド)チアゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イル)-N,4-ジメチルベンズアミド.2HCl塩
【化22】
【0164】
工程1) 1-(トリイソプロピルシリル)-1H-ピロール
n-BuLi(2.2M、16.21mL、1.20当量)をTHF(40mL)中の化合物1(2g、29.81mmol、2.07mL、1当量)の溶液に-65℃で滴加し、この混合物全体を-65℃で0.5時間撹拌した。TIPSCl(6.32g、32.76mmol、7.01mL、1.10当量)をこの混合物に加え、この混合物全体を-65℃で4時間撹拌した。塩化アンモニウム飽和水溶液(40mL)をこの混合物に0℃で加え、この混合物全体をEtOAc(40mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、残留物を与えた。この残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュのシリカゲル、石油エーテル)により精製して、化合物2(5.6g、25.06mmol、収率84%)を無色油状物として与えた。
1 H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 6.81 (t, J=1.8 Hz, 2H), 6.32 (t, J=1.9 Hz, 2H), 1.52 - 1.39 (m, 3H), 1.10 (d, J=7.5 Hz, 18H)。
【0165】
工程2) 3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-(トリイソプロピルシリル)-1H-ピロール
THF(15mL)中の(1,5-シクロオクタジエン)(メトキシ)イリジウム(I)二量体(47.47mg、71.61μmol、0.02当量)の溶液に、3,4,7,8-テトラメチル-1,10-フェナントロリン(33.84mg、143.22μmol、0.04当量)及び4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(45.82mg、358.06μmol、51.95μL、0.1当量)を加えた。この混合物を脱気し、窒素で3回パージし、ついで、この混合物を窒素雰囲気下15℃で0.5時間撹拌した。ついで、化合物2(800mg、3.58mmol、884.96μL、1当量)及び4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(909.24mg、3.58mmol、1当量)を加えた。この混合物を脱気し、窒素で3回パージし、ついで、この混合物を窒素雰囲気下70℃で16時間撹拌した。この反応混合物をEtOAc(40mL)で希釈することによりクエンチし、ついで、celiteを通してろ過した。ろ液を水(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、残留物を与えた。この残留物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(100~200メッシュシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~100/1、生成物は、石油エーテル/酢酸エチル=100/1で生じた)により精製して、化合物3(900mg、2.58mmol、収率71%)を白色固体として与えた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.23 (t, J=1.4 Hz, 1H), 6.81 (t, J=2.2 Hz, 1H), 6.62 (dd, J=1.2, 2.5 Hz, 1H), 1.46 (quin, J=7.5 Hz, 3H), 1.32 (s, 12H), 1.09 (d, J=7.5 Hz, 19H)。
【0166】
工程3) 3-(3-ブロモ-4-メチルフェニル)-1-(トリイソプロピルシリル)-1H-ピロール
ジオキサン(4mL)及びH2O(1mL)中の化合物3(180mg、515.18μmol、1当量)及び化合物4(137.68mg、463.67μmol、0.9当量)の溶液に、Na2CO3(109.21mg、1.03mmol、2当量)及びPd(dppf)Cl2(37.70mg、51.52μmol、0.1当量)を加えた。この混合物を脱気し、窒素で3回パージし、ついで、この混合物を窒素雰囲気下60℃で4時間撹拌した。この反応混合物をEtOAc(40mL)で希釈することによりクエンチし、ついで、celiteを通してろ過した。ろ液を水(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、残留物を与えた。この残留物を分取TLC(石油エーテル/酢酸エチル=20/1、Rf=0.8)により精製し、化合物5を無色油状物として与えた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.70 (d, J=1.7 Hz, 1H), 7.36 (dd, J=1.7, 7.8 Hz, 1H), 7.17 (d, J=7.9 Hz, 1H), 7.01 (t, J=1.7 Hz, 1H), 6.79 (t, J=2.4 Hz, 1H), 6.56 (dd, J=1.4, 2.6 Hz, 1H), 2.37 (s, 3H), 1.48 (quin, J=7.5 Hz, 3H), 1.12 (d, J=7.5 Hz, 19H)。
【0167】
工程4) (1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1-(トリイソプロピルシリル)-1H-ピロール3-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
ジオキサン(3mL)及びH2O(0.6mL)中の化合物5(130mg、311.38μmol、1当量)及び化合物6(112.79mg、311.38μmol、1当量)の溶液に、Na2CO3(66.01mg、622.76μmol、2当量)及びPd(dppf)Cl2(22.78mg、31.14μmol、0.1当量)を加えた。この混合物を脱気し、窒素で3回パージし、ついで、この混合物を窒素雰囲気下60℃で16時間撹拌した。この反応混合物をEtOAc(40mL)で希釈し、ついで、得られた有機相を水(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ついで、得られた有機相を真空中で濃縮して、残留物を与えた。この残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(300~400メッシュのシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=10/1~1/1、生成物は、石油エーテル/酢酸エチル=2/1で生じた)により精製して、化合物7を褐色油状物として与えた。
【0168】
工程5) (1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(1H-ピロール3-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド.2HCl塩
THF(4mL)中の化合物7(110mg、190.76μmol、1当量)の溶液に、ピリジン;フッ化水素(1.10g、11.10mmol、1mL)を加えた。この混合物を35℃で3時間撹拌した。LC-MSにより、2% 化合物7が残っていることが示された。この混合物を35℃で2時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、ついで、得られた有機相をHCl水溶液(4mL、0.5M)、ブライン(4mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、残留物を与えた。この残留物を分取HPLC(HCl条件、カラム:Phenomenex Synergi C18 150×25×10um;移動相:[水(0.05% HCl)-ACN];B%:41%~61%、11分)により精製し、続けて、凍結乾燥させた。しかしながら、HNMRにより、生成物が純粋でないことが示されたので、それを水で希釈し、再度凍結乾燥させて、実施例91をオフホワイト色固体として与えた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 12.70 (s, 1H), 10.87 (br s, 1H), 7.98 (d, J=1.6 Hz, 1H), 7.79 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.48 - 7.36 (m, 3H), 7.27-7.18 (m, 2H), 6.77 (q, J=2.3 Hz, 1H), 6.43 (d, J=1.7 Hz, 1H), 5.17-4.91 (m, 1H), 2.27-2.23 (m, 1H), 2.21 (s, 3H), 1.83-1.67 (m, 1H), 1.31 (tdd, J=6.4, 9.0, 12.8 Hz, 1H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 392.1(M+H)+。
【0169】
合成法S
実施例92.(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(チアゾール-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド.2HCl塩
【化23】
【0170】
工程1) (3-ブロモ-4-メチルフェニル)ボロン酸
THF(30mL)中の化合物1(3g、10.10mmol、1当量)を250mLの丸底フラスコに入れた。この反応溶液を窒素雰囲気下で、-65℃に冷却した。n-BuLi(2.2M、5.05mL、1.1当量)を冷却したこの溶液にゆっくり滴加し、この混合物を同じ温度で1時間撹拌した。トリメチルボラート(1.26g、12.12mmol、1.37mL、1.2当量)を同じ温度で上記溶液に滴加した。この混合物を-65℃で1時間撹拌した。ついで、冷浴を取り外し、この混合物を-65~10℃で16時間撹拌した。この混合物に、HCl溶液(2M、5mL)を滴加して酸性化し、この反応溶液を1.5時間撹拌した。この混合物を真空中で濃縮し、残留物を与えた。この残留物を逆MPLC(FA条件、A:水、B:MeCN、40% B)により精製した。画分を濃縮して、溶媒を除去し、水相を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、化合物2(1.3g、6.05mmol、収率59%)を白色固体として与えた。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 8.15 (s, 0.5H), 7.95 (s, 0.3H), 7.93 (s, 1H), 7.73 (d, J=7.5 Hz, 1H), 7.66 (d, J=7.5 Hz, 0.3H), 7.37 (d, J=7.5 Hz, 1H), 7.32 (d, J=7.6 Hz, 0.3H), 2.37 (s, 3H), 2.34 (s, 0.9H)。
【0171】
工程2) 2-(3-ブロモ-4-メチルフェニル)チアゾール
ジオキサン(5mL)及びH2O(1mL)中の化合物2(255mg、1当量)及び2-ブロモチアゾール(220mg、1.34mmol、120.88μL、1.13当量)の溶液に、Pd(dppf)Cl2(86.84mg、118.69μmol、0.1当量)及びNa2CO3(251.59mg、2.37mmol、2当量)を加えた。この混合物を脱気し、窒素で3回パージし、ついで、この混合物を窒素雰囲気下80℃で6時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチル(40mL)で希釈し、ついで、得られた有機相を、celiteを通してろ過した。ろ液を水(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、残留物を与えた。この残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(300~400メッシュのシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=1/0~100/1、生成物は、石油エーテル/酢酸エチル=100/1で生じた)により精製して、粗生成物を与えた。この粗生成物を逆相MPLC(FA条件、A:水、B:MeCN、55% B)により精製して、化合物4(40mg、157.39μmol、収率13%)をオフホワイト色固体として与えた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.16 (d, J=1.6 Hz, 1H), 7.86 (d, J=3.2 Hz, 1H), 7.78 (dd, J=1.8, 7.9 Hz, 1H), 7.33 (d, J=3.2 Hz, 1H), 7.30 (d, J=7.9 Hz, 1H), 2.44 (s, 3H)。
【0172】
工程3) (1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(2-メチル-5-(チアゾール-2-イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド.2HCl塩
ジオキサン(1mL)及びH2O(0.2mL)中の(1S,2S)-2-フルオロ-N-[6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボラン-2-イル)-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル]シクロプロパンカルボキサミド(57.01mg、157.39μmol、1当量)及び化合物4(40mg、157.39μmol、1当量)の溶液に、Na2CO3(33.36mg、314.78μmol、2当量)及びPd(dppf)Cl2(11.52mg、15.74μmol、0.1当量)を加えた。この混合物を脱気し、窒素で3回パージし、ついで、この混合物を窒素雰囲気下60℃で16時間撹拌した。この反応混合物をEtOAc(40mL)で希釈し、ついで、得られた有機相を水(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、残留物を与えた。この残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(200~300メッシュのシリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=5/1~0/1)により精製して、生成物を与えた。この生成物を分取HPLC(HCl条件、カラム:Phenomenex Synergi C18 150×25×10um;移動相:[水(0.05% HCl)-ACN];B%:48%~65%、10分)により精製し、続けて、凍結乾燥させて、実施例92(25.8mg、53.00μmol、収率33%、純度99%、2HCl)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 12.88 (br s, 1H), 8.16 (d, J=1.3 Hz, 1H), 8.02 (d, J=3.2 Hz, 1H), 7.98 (dd, J=1.8, 7.9 Hz, 1H), 7.95-7.90 (m, 2H), 7.88 (d, J=3.2 Hz, 1H), 7.63-7.53 (m, 2H), 5.33 - 5.01 (m, 1H), 2.42 (s, 3H), 2.40-2.33 (m, 1H), 1.96-1.77 (m, 1H), 1.53-1.36 (m, 1H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 410.2(M+H)+。
【0173】
合成法T
実施例95.(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
【化24】
【0174】
工程1) 4-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール
DCM(30mL)中の化合物1(2g、24.36mmol、1.96mL、1当量)の溶液に、PPTS(612.16mg、2.44mmol、0.1当量)及び3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(6.15g、73.08mmol、6.68mL、3当量)を加えた。この混合物を55℃で12時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物を80mLで希釈し、酢酸エチル(80mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=50/1~5:1)により精製した。化合物2(2.5g、15.04mmol、収率61%)を無色油状物として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 7.37 (d, J=6.0 Hz, 2H), 5.32 (dd, J=2.4, 9.7 Hz, 1H), 4.09 - 3.99 (m, 1H), 3.69 (dt, J=2.8, 11.3 Hz, 1H), 2.08 (s, 3H), 2.07 - 1.99 (m, 2H), 1.78 - 1.51 (m, 4H)。
【0175】
工程2) 3-ブロモ-4-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール
MeCN(23mL)中の化合物2(2.3g、13.84mmol、1当量)の溶液に、NBS(2.46g、13.84mmol、1当量)を加えた。この混合物を55℃で12時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=1:0~50:1)により精製した。化合物3(2.4g、9.79mmol、収率70%)を黄色油状物として得た。
1H NMR (400MHz CDCl3) δ = 7.34 (s, 1H), 5.26 (dd, J=2.4, 9.4 Hz, 1H), 4.09 - 3.99 (m, 1H), 3.72 - 3.62 (m, 1H), 2.06 - 2.03 (m, 2H), 2.02 (d, J=0.7 Hz, 3H), 1.78 - 1.54 (m, 4H)。
【0176】
工程3) 6-(4-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール3-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-アミン
ジオキサン(10mL)及びH2O(3mL)中の化合物3(1g、4.08mmol、1当量)及び化合物4(1.13g、4.08mmol、1当量)の溶液に、Na2CO3(864.81mg、8.16mmol、2当量)及びPd(dppf)Cl2(298.51mg、407.97μmol、0.1当量)を加えた。この混合物をN2下90℃で12時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル/酢酸エチル=20/1~1:1)により精製した。化合物5(780mg、2.11mmol、収率51%、純度85%)を黄色固体として得た。
【0177】
工程4) (1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
DMF(5mL)中の化合物5(350mg、946.23μmol、1当量)及び化合物6(136.43mg、1.31mmol、1.39当量)の溶液に、EDCI(418.80mg、2.18mmol、2.31当量)及びHOBt(295.20mg、2.18mmol、2.31当量)を0℃で加えた。この混合物を60℃で2時間撹拌した。この反応混合物を水30mLで希釈し、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物を分取HPLC(カラム:Luna C18 150×25 5u;移動相:[水(0.225% FA)-ACN];B%:48%~68%,7.8分)により精製した。実施例94(200mg、482.83μmol、収率51%、純度96%)を白色固体として得た(50mgが得られるであろう)。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 12.72 (br s, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.81 - 7.71 (m, 3H), 5.36 (dd, J=2.1, 10.0 Hz, 1H), 5.16 - 4.92 (m, 1H), 3.94 (br d, J=11.9 Hz, 1H), 3.68 - 3.58 (m, 1H), 2.28 - 2.19 (m, 4H), 2.16 - 2.05 (m, 1H), 2.02 - 1.89 (m, 2H), 1.81 - 1.65 (m, 2H), 1.60 - 1.50 (m, 2H), 1.31 (tdd, J=6.4, 8.9, 12.8 Hz, 1H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 401.1(M+H)+。
【0178】
工程5) (1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(4-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
実施例94(140mg、338.61μmol、1当量)をHCl/ジオキサン(4M、3mL、35.44当量)に加えた。この混合物を25℃で2時間撹拌した。LCMSにより、約59% 出発物質が残っており、約40% 所望の質量が検出されたことが示された。ついで、この混合物を40℃で12時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物を水20mLで希釈し、DCM(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物を分取HPLC(カラム:Luna C18 150×25 5u;移動相:[水(0.225% FA)-ACN];B%:31%~51%、7.8分)により精製した。実施例95(41.4mg、130.87μmol、収率38%、純度100%)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 12.46 (br s, 2H), 8.15 (s, 1H), 7.80 - 7.75 (m, 1H), 7.74 - 7.66 (m, 1H), 7.47 (br s, 1H), 5.12 - 4.88 (m, 1H), 2.30 - 2.19 (m, 4H), 1.85 - 1.70 (m, 1H), 1.36 - 1.22 (m, 1H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 317.2(M+H)+。
【0179】
合成法U
実施例99.(1S,2S)-2-フルオロ-N-(4-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-[5,6’-ビベンゾ[d]チアゾール]-2’-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
【化25】
【0180】
工程1) 4-ブロモ-3-メチル-2-ニトロベンゼンチオール
EtOH(80mL)中のNa2S.9H2O(16.42g、68.37mmol、11.48mL、2当量)の溶液に、化合物1(8g、34.18mmol、1当量)を滴加した。この混合物を50℃で2時間撹拌した。この反応物をHClによりpH=5にゆっくりとクエンチし、ついで、酢酸エチル(80mL×2)で抽出した。合わせた有機相を水(80mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。化合物2(2.5g 粗製物)を緑色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 7.21 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.93 (d, J=8.3 Hz, 1H), 4.53 (br s, 1H), 2.32 - 2.29 (m, 3H)。
【0181】
工程2) 2-アミノ-4-ブロモ-3-メチルベンゼンチオール
EtOH(25mL)中の化合物2(2.5g、10.08mmol、1当量)(粗製物)の溶液に、HCl(55.11g、151.15mmol、54.03mL、純度10%、15当量)を0℃で加えた。ついで、Zn(7.06g、107.92mmol、10.71当量)を加え、この混合物を35℃で2時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。ついで、水相を石油エーテル(100mL×2)で洗浄した。ついで、水相を固体NaHCO3により、ゆっくりpH=5にし、ろ過し、フィルターケーキを真空中で濃縮し、ついで、ろ液を酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。化合物3(0.99g、4.54mmol、収率45%)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 7.14 - 7.09 (m, 1H), 6.94 - 6.86 (m, 1H), 5.59 - 5.49 (m, 2H), 2.28 (s, 3H)。
【0182】
工程3) 5-ブロモ-4-メチルベンゾ[d]チアゾール-2(3H)-オン
THF(9mL)中のCDI(661.64mg、4.08mmol、1当量)の溶液に、化合物3(0.89g、4.08mmol、1当量)を0℃で滴加した。ついで、反応混合物を加え、この混合物を35℃で16時間撹拌した。この反応混合物をろ過し、ろ液を真空中で濃縮した。残留物を酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。合わせた有機相を水(100mL×2)で洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させた。この溶液をろ過し、真空中で濃縮した。化合物4(1.05g、粗製物)をオフホワイト色固体として得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ= 12.28 - 11.73 (m, 1H), 7.33 (d, J=4.0 Hz, 2H), 2.39 (s, 3H)。
【0183】
工程4) (1S,2S)-2-フルオロ-N-(4-メチル-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-[5,6’-ビベンゾ[d]チアゾール]-2’-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
ジオキサン(10mL)及びH2O(2mL)中の化合物4(500mg、2.05mmol、1当量)、化合物5(506.47mg、1.40mmol、6.82e-1当量)、Pd(dppf)Cl2(75.00mg、102.50μmol、0.05当量)、Na2CO3(434.55mg、4.10mmol、2当量)の混合物を脱気し、N2で3回パージし、ついで、この混合物をN2雰囲気下80℃で16時間撹拌した。この反応混合物を真空中で濃縮した。粗生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150×25×10um;移動相:[水(0.05% HCl)-ACN];B%:35%~55%、11分)により精製して、生成物を与えた。実施例99(53mg、117.93μmol、収率5%、純度97%、HCl)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 12.75 - 12.70 (m, 1H), 11.78 - 11.74 (m, 1H), 7.95 (d, J=1.5 Hz, 1H), 7.79 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.47 (d, J=8.1 Hz, 1H), 7.41 - 7.37 (m, 1H), 7.08 (s, 1H), 5.17 - 4.94 (m, 1H), 2.29 - 2.18 (m, 4H), 1.81 - 1.71 (m, 1H), 1.36 - 1.28 (m, 1H):LCMS(エレクトロスプレー)m/z 400.1(M+H)+。
【0184】
合成法V
実施例107.(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(7-メチル-1H-インダゾール-4-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
【化26】
【0185】
工程1) 1-ブロモ-2,4-ジメチル-3-ニトロベンゼン
DCM(50mL)中の化合物1(5g、33.08mmol、4.50mL、1当量)、FeBr3(195.52mg、661.54μmol、0.02当量)及びFe(461.80mg、8.27mmol、0.25当量)の溶液に、DCM(5mL)中のBr2(5.81g、36.38mmol、1.88mL、1.1当量)を15℃で滴加した。この混合物を30℃で20時間撹拌した。TLCにより、反応が完了したことが示された。この混合物を亜硫酸ナトリウム飽和水溶液(100mL×2)で洗浄し、有機相をブライン(150mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。残留物を何ら精製せずに次の工程に使用した。化合物2(7.2g、31.30mmol、収率94%)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 7.56 (d, J=8.2 Hz, 1H), 7.02 (d, J=8.2 Hz, 1H), 2.35 (s, 3H), 2.26 (s, 3H)。
【0186】
工程2) 3-ブロモ-2,6-ジメチルアニリン
AcOH(80mL)中の化合物2(7.2g、31.30mmol、1当量)の溶液に、Fe(6.99g、125.19mmol、4当量)を10℃で加えた。この混合物を80℃で18時間撹拌した。TLCにより、反応が完了したことが示された。この混合物をろ過し、ろ液を水酸化ナトリウム飽和水溶液で中和した。水相を酢酸エチル(100mL×2)で抽出し、有機相をブライン(150mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。残留物を石油エーテル/酢酸エチル=5:1で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。化合物3(4.6g、22.99mmol、収率73%)を褐色油状物として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 6.94 (d, J=8.1 Hz, 1H), 6.80 (d, J=8.1 Hz, 1H), 3.84 - 3.49 (m, 2H), 2.30 (s, 3H), 2.14 (s, 3H)。
【0187】
工程3) 4-ブロモ-7-メチル-1H-インダゾール
AcOH(50mL)中の化合物3(4.1g、20.49mmol、1当量)の溶液に、H2O(10mL)中のNaNO2(1.70g、24.59mmol、1.2当量)を0℃で30分間滴加した。この混合物を15℃で18時間撹拌した。LC-MSにより、反応が完了したことが示された。この混合物をH2O(100mL)に注ぎ、水相を酢酸エチル(150mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(200mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮して、5gの粗生成物を与えた。2gの粗生成物を分取し、HPLC(カラム:Phenomenex luna C18 250×50mm×10μm;移動相:[水(0.05% HCl)-ACN];B%:30%~60%、30分、40分)により精製し、続けて、凍結乾燥させて、0.3g 白色固体を与えた。0.3g 白色固体を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150×25×10um;移動相:[水(0.05% HCl)-ACN];B%:30%~50%、11分)により精製し、続けて、凍結乾燥させた。化合物4(75mg、355.35μmol、収率1%)を白色固体として得た。化合物4A(195mg、923.92μmol、収率4%)を白色固体として得た。
【0188】
化合物4 1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ = 8.02 (s, 1H), 7.50 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.29 (d, J=8.6 Hz, 1H), 2.61 (s, 3H)。
【0189】
化合物4A 1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ = 7.99 (s, 1H), 7.20 (d, J=7.5 Hz, 1H), 7.04 (dd, J=0.9, 7.5 Hz, 1H), 2.52 (d, J=0.6 Hz, 3H)。
【0190】
工程4) (1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(7-メチル-1H-インダゾール-4-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
ジオキサン(3mL)及びH2O(0.5mL)中の化合物4A(195mg、923.92μmol、1当量)及び化合物5(401.60mg、1.11mmol、1.2当量)の溶液に、Na2CO3(293.77mg、2.77mmol、3当量)及びPd(dppf)Cl2(135.21mg、184.78μmol、0.2当量)を10℃で加えた。この混合物を60℃で18時間撹拌した。LC-MSにより、反応が完了したことが示された。この混合物をH2O(10mL)に注ぎ、多量の黄色固体が生成され、これをろ過し、フィルターケーキを真空中で濃縮した。フィルターケーキをメタノール(10mL)で粉砕することにより精製し、ろ過し、フィルターケーキを濃縮した。実施例107(149.2mg、385.61μmol、収率41%、純度94%)を黄色固体として得た。
1H NMR (400MHz, DMSO--d6) δ = 13.30 (br s, 1H), 12.74 (br s, 1H), 8.35 - 8.20 (m, 2H), 7.90 - 7.83 (m, 1H), 7.81 - 7.74 (m, 1H), 7.21 (br s, 2H), 5.17 - 4.93 (m, 1H), 2.57 (s, 3H), 2.24 (br s, 1H), 1.83 - 1.69 (m, 1H), 1.31 (br s, 1H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 367.0(M+H)+。
【0191】
実施例108.(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(7-メチル-1H-インダゾール-6-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
工程1) (1S,2S)-2-フルオロ-(6-(7-メチル-1H-インダゾール-6-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
ジオキサン(2mL)及びH2O(0.5mL)中の化合物4(75mg、355.35μmol、1当量)及び化合物5(154.46mg、426.42μmol、1.2当量)の溶液に、Na2CO3(112.99mg、1.07mmol、3当量)及びPd(dppf)Cl2(52.00mg、71.07μmol、0.2当量)を10℃で加えた。この混合物を60℃で18時間撹拌した。LC-MSにより、反応が完了したことが示された。この混合物を石油エーテル(10mL)に注ぎ、シリカゲルでろ過し、ろ液を真空中で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150×25×10um;移動相:[水(0.05% HCl)-ACN];B%:30%~60%、10分)により精製し、続けて、凍結乾燥させた。実施例108(26.4mg、59.61μmol、収率16%、純度99%、2HCl)を白色固体として得た。これを2D NMRにより確認した。
1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ = 8.31 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.84 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.73 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.48 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.22 (d, J=8.3 Hz, 1H), 5.09 - 4.97 (m, 1H), 5.09 - 4.94 (m, 1H), 2.51 (s, 3H), 2.24 - 2.16 (m, 1H), 1.95 - 1.82 (m, 1H), 1.39 - 1.27 (m, 1H):LCMS(エレクトロスプレー)m/z 367.1(M+H)+。
【0192】
合成法W
実施例111.(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6’-メチル-[6,7’-ビベンゾ[d]チアゾール]-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
【化27】
【0193】
工程1) N-((3-ブロモ-4-メチルフェニル)カルバモチオイル)ベンズアミド
アセトン(50mL)中の化合物1(5g、26.87mmol、1当量)の溶液に、アセトン(10mL)中のベンゾイルイソチオシアナート(4.39g、26.87mmol、3.62mL、1当量)を60℃で滴加した。この混合物を60℃で4時間還流した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)により、化合物1が消費されたことが示され、主スポットが示された。この混合物を濃縮した。残留物を石油エーテル(60mL)及び酢酸エチル(6mL)で粉砕することにより精製した。化合物2(8.77g、25.11mmol、収率93%)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 12.58 - 12.23 (m, 1H), 9.20 - 9.02 (m, 1H), 8.01 - 7.85 (m, 3H), 7.72 - 7.64 (m, 1H), 7.60 - 7.54 (m, 3H), 7.30 (s, 1H), 2.46 - 2.40 (m, 3H)。
【0194】
工程2) 1-(3-ブロモ-4-メチルフェニル)チオウレア
H2O(80mL)中の化合物2(8.77g、25.11mmol、1当量)の溶液に、NaOH(4.02g、100.45mmol、4当量)を10℃で加えた。この混合物を70℃で18時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)により、化合物2が消費されたこと及び主スポットが示された。この混合物を塩酸溶液(2N)でPH=2~3に酸性化し、多量の白色固体が形成された。この反応混合物をろ過し、フィルターケーキを乾燥させた。残留物を酢酸エチル(40mL)で粉砕して精製した。化合物3(4.65g、18.97mmol、収率75%)を白色固体として得た。
1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ = 7.61 (s, 1H), 7.31 - 7.26 (m, 1H), 7.24 - 7.19 (m, 1H), 2.37 (s, 3H)。
【0195】
工程3) 7-ブロモ-6-メチルベンゾ[d]チアゾール-2-アミン
CH3COOH(80mL)中の化合物3(4.65g、18.97mmol、1当量)の溶液に、Br2(3.33g、20.87mmol、1.08mL、1.1当量)を10℃で加えた。この混合物を80℃で18時間撹拌した。この混合物をH2O(80mL)に注ぎ、水相を酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。残留物を石油エーテル(50mL)及び酢酸エチル(10mL)で粉砕することにより精製し、ろ過し、フィルターケーキを濃縮して、7-ブロモ-6-メチル-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンを与えた。ろ液を濃縮し、石油エーテル/酢酸エチル=1:1で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、5-ブロモ-6-メチル-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンを与えた。化合物4(1.3g、5.34mmol、収率28%、純度99%)を白色固体として得た。化合物4A(870mg、3.58mmol、収率18%)を白色固体として得た。
【0196】
化合物4 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 7.55 (s, 2H), 7.24 - 7.20 (m, 1H), 7.19 - 7.15 (m, 1H), 2.35 (s, 3H)。
【0197】
化合物4A 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 7.73 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 5.21 (br s, 2H), 2.45 (s, 3H)。
【0198】
工程4) 7-ブロモ-6-メチルベンゾ[d]チアゾール
THF(10mL)中の化合物4(300mg、1.23mmol、1当量)の溶液に、亜硝酸イソアミル(288.81mg、2.47mmol、331.97μL、2当量)を10℃で加えた。この混合物を70℃で18時間撹拌した。LC-MSにより、化合物4が消費されたこと及び所望の質量の主ピ-クが示された。この混合物をH2O(20mL)に注ぎ、この水溶液を酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=10:1)により、主スポットが示された。残留物を石油エーテル/酢酸エチル=10:1で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。化合物5(180mg、788.31μmol、収率63%、純度99%)を黄色固体として得た。
【0199】
工程5) (1S,2S)-2-フルオロ-N-(6’-メチル-[6,7’-ビベンゾ[d]チアゾール]-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
ジオキサン(3mL)及びH2O(0.6mL)中の化合物5(160mg、700.72μmol、1当量)及び化合物6(304.58mg、840.86μmol、1.2当量)の溶液に、Pd(dppf)Cl2(102.54mg、140.14μmol、0.2当量)及びNa2CO3(74.27mg、700.72μmol、1当量)を10℃で加えた。この混合物を60℃で18時間撹拌した。この混合物を石油エーテル(10mL)に注ぎ、シリカゲルでろ過し、ろ液を真空中で濃縮した。残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150×25×10um;移動相:[水(0.05% HCl)-ACN];B%:44%~64%、9分)により精製し、続いて、凍結乾燥させた。実施例111(60mg、156.31μmol、収率22%、純度99%)を黄色固体として得た。
1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ = 9.60 (s, 1H), 8.02 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.99 (d, J=1.3 Hz, 1H), 7.94 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.69 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.52 (dd, J=1.7, 8.3 Hz, 1H), 5.05 (dt, J=3.9, 6.2 Hz, 1H), 2.39 (s, 3H), 2.22 (dtd, J=4.3, 6.9, 9.1 Hz, 1H), 1.96 - 1.83 (m, 1H), 1.39 - 1.28 (m, 1H):LCMS(エレクトロスプレー)m/z 384.0(M+H)+。
【0200】
合成法X
実施例112.(1S,2S)-2-フルオロ-N-メチル-N-(6-(4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
【化28】
【0201】
MeI(28μL、0.45mmol、1.5当量)をN,N-ジメチルホルムアミド(1mL)に溶解させ、N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)中の実施例4(100mg、0.3mmol、1当量)及びK2CO3(124mg、0.9mmol、3当量)の撹拌液に滴加した。この混合物をN2下50℃で2時間撹拌した。反応終了後、この反応混合物を酢酸エチル(20mL×2)及び水(20mL)で抽出し、合わせた有機層をMg2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を与えた。残留物を短い経路のシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EA100%勾配)により精製した。得られた沈殿をろ過により集め、エーテルで洗浄し、乾燥させて、実施例112を白色固体として与えた(47mg、0.14mmol、収率46%)。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 8.44-8.41 (m, 2H), 8.04 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.47 (dd, J12 = 1.6 Hz, J13 = 8.4 Hz, 1H), 7.35 (t, J = 7.35 Hz, 1H), 5.21 (J12 = 2.9 Hz, J13 = 66.27 Hz, 1H), 3.95 (s, N-CH3, 3H), 2.66-2.62 (m, 1H), 2.29 (s, Me, 3H), 1.83-1.79 (m, 1H), 1.35-1.31 (m, 1H):LCMS(エレクトロスプレー)m/z 342.1(M+H)+。
【0202】
合成法Y
実施例113.(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(6-(フルオロメチル)-4-メチルピリジン-3-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド.TFA塩
【化29】
【0203】
DCM(5mL)中の実施例29(380mg、1.06mmol、1当量)の溶液に、DAST(685.52mg、4.25mmol、561.90μL、4当量)を0℃で加えた。この混合物をN2雰囲気下30℃で3時間撹拌した。この反応混合物をDCM(5mL)で希釈し、ついで、得られた有機相を重炭酸ナトリウム飽和水溶液(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を真空中で濃縮して、残留物を与えた。この残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150×25×10um;移動相:[水(0.1% TFA)-ACN];B%:20%~50%、10分)により精製した。
【0204】
実施例113(62mg、102.38μmol、収率9%、純度97%、2TFA)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 1.32 (ddt, J=12.84, 8.99, 6.33, 6.33 Hz, 1 H), 1.69 - 1.82 (m, 1 H), 2.20 - 2.28 (m, 1 H), 2.36 (s, 3 H), 4.93 - 5.17 (m, 1 H), 5.46 (s, 1 H), 5.57 (s, 1 H), 7.48 (dd, J=8.31, 1.83 Hz, 1 H), 7.53 (s, 1 H), 7.84 (d, J=8.31 Hz, 1 H), 8.07 (d, J=1.59 Hz, 1 H), 8.48 (s, 1 H), 12.77 (br s, 1 H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 360.0(M+H)+。
【0205】
合成法Z
実施例114.(1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インドール-4-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド.2HCl塩
【化30】
【0206】
工程1) 4-ブロモ-6-フルオロ-1-(トリイソプロピルシリル)-1H-インドール
THF(9mL)中の化合物1(900mg、4.20mmol、1当量)の溶液に、NaH(201.82mg、5.05mmol、純度60%、1.2当量)を0℃で30分間加えた。ついで、TIPSCl(972.86mg、5.05mmol、1.08mL、1.2当量)をこの混合物に加えた。この混合物を25℃で1.5時間撹拌した。この反応混合物を水 20mLで希釈し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル:酢酸エチル=1:0~100:1)により精製した。化合物2(1.5g、4.05mmol、収率96%)を黄色油状物として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 7.28 - 7.26 (m, 1H), 7.19 - 7.10 (m, 2H), 6.65 (dd, J=0.9, 3.3 Hz, 1H), 1.67 (m, J=7.5 Hz, 3H), 1.15 (d, J=7.6 Hz, 18H)。
【0207】
工程2) 4-ブロモ-6-フルオロ-5-メチル-1-(トリイソプロピルシリル)-1H-インドール
THF(5mL)中の化合物2(500mg、1.35mmol、1当量)の溶液に、LDA(2M、1.01mL、1.5当量)をN2雰囲気下-78℃で30分間加えた。ついで、MeI(287.42mg、2.02mmol、126.06μL、1.5当量)をこの混合物に加えた。この混合物を25℃で2時間撹拌した。この反応混合物を、NH4Cl飽和水溶液(3mL)を25℃で加えることによりクエンチし、ついで、水 20mLで希釈し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(40mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、粗生成物を与えた。化合物3(500mg、粗製物)を黄色油状物として得た。これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
【0208】
工程3) 4-ブロモ-6-フルオロ-5-メチル-1H-インドール
THF(8mL)中の化合物3(500mg、1.30mmol、1当量)の溶液に、TBAF・THF(1M、1.30mL、1当量)を0℃で加えた。この混合物を0℃で0.5時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残留物を水 20mLで希釈し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物を分取TLC(シリカルゲルプレート、ペトロリウムエーテル:酢酸エチル=5:1)で生成して、粗生成物を与えた。この粗生成物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150×25×10um;移動相:[水(0.1% TFA)-ACN];B%:48%~78%、10分)により精製した。カット画分を減圧下で濃縮して、ACNを除去し、残留物をNaHCO3飽和水溶液(10mL)で洗浄した。この混合物を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、生成物を与えた。化合物4(100mg、438.48μmol、収率33%)を黄色固体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ = 8.21 (s, 1H), 7.20 (dd, J=2.4, 3.2 Hz, 1H), 7.06 (d, J=9.8 Hz, 1H), 6.60 - 6.52 (m, 1H), 2.44 (d, J=2.6 Hz, 3H)。
【0209】
工程4) (1S,2S)-2-フルオロ-N-(6-(6-フルオロ-5-メチル-1H-インドール-4-イル)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド.2HCl塩
ジオキサン(2mL)及びH2O(0.5mL)中の化合物4(100mg、438.48μmol、1当量)及び化合物5(190.59mg、526.18μmol、1.2当量)の溶液に、Pd(dppf)Cl2(32.08mg、43.85μmol、0.1当量)及びNa2CO3(92.95mg、876.96μmol、2当量)をN2雰囲気下で加えた。この混合物をN2雰囲気下60℃で16時間撹拌した。この反応混合物を水 20mLで希釈し、酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、残留物を与えた。この残留物を分取HPLC(カラム:Phenomenex Synergi C18 150×25×10um;移動相:[水(0.05% HCl)-ACN];B%:43%~63%、10分)により精製した。実施例114(14.4mg、27.77μmol、収率6%、純度88%、2HCl)を紫色固体として得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ = 12.75 (s, 1H), 11.14 (s, 1H), 7.98 (d, J=1.4 Hz, 1H), 7.85 (d, J=8.3 Hz, 1H), 7.45 - 7.40 (m, 1H), 7.29 - 7.25 (m, 1H), 7.19 (d, J=10.5 Hz, 1H), 6.04 - 6.00 (m, 1H), 5.16 - 4.94 (m, 1H), 2.30 - 2.19 (m, 1H), 2.14 (d, J=2.6 Hz, 3H), 1.84 - 1.68 (m, 1H), 1.38 - 1.25 (m, 1H);LCMS(エレクトロスプレー)m/z 384.10(M+H)+。
【0210】
以下の表1に、実施例の化合物を、これらの化合物を調製するのに使用された一般的な合成法及び特徴決定データと共に示す。
【0211】
【0212】
化合物の評価
c-ablキナーゼアッセイ
ADP-GloアッセイキットをPromegaから購入した。塩化マグネシウム(MgCl2)、ウシ血清アルブミン(BSA)、エチレングリコール-ビス(β-アミノエチルエーテル)-N,N,N’,N’-四酢酸(EGTA)、tween-20、1,4-ジチオスレイトール(DTT)及びジメチルスルホキシド(DMSO)をSigma-Aldrichから購入した。HEPESバッファーをGibcoから購入した。ABL1キナーゼ及びAbltideをSignalchemから購入した。
【0213】
c-ablキナーゼ活性をPromegaのADP-Glo(商標)アッセイにより測定した。このアッセイでは、Hisタグ付リコンビナントヒトABL1(0.25ng/μL)をバッファー(50mM HEPES、7.5;10mM MgCl2;1mM EGTA;0.05% BSA;0.01% Tween-20;2mM DTT)中の化合物(0.5% DMSO) 5μL、Abltide(0.01μg/μL) 5μL及びATP(25μM) 5μLとインキュベーションする。このアッセイを、反応混合物を96ウェルプレート中において30℃で30分間インキュベーションすることによりアッセイを開始した。インキュベーション後、ADP-Glo試薬 25μLを加え、この反応物を室温で40分間インキュベーションして、反応を停止させ、残ったATPを分解した。ついで、ADP生成物を、ウェルあたりに検出試薬 50μLを加えることにより、ATPに変換した。発光をMolecular device I3Xプレートリーダーを使用して、室温で30分間インキュベーションした後に検出した。IC50値を、GraphPad Prism 7ソフトウェア又はSigmaPlot 13.0に実装されているソフトウェアルーチンを使用して、阻害濃度の範囲で決定される一連の% 阻害値から計算した。
【0214】
表2に、実施例の化合物についてのIC50を示す。
【0215】
表2.c-ablデータに対するin vitro活性
【表2】
【0216】
c-KITキナーゼアッセイ
ADP-GloアッセイキットをPromegaから購入した。塩化マグネシウム(MgCl2)、塩化マンガン(II)(MnCl2)、ウシ血清アルブミン(BSA)及びジメチルスルホキシド(DMSO)をSigma-Aldrichから購入した。Tris-HClバッファーをBiosesangから購入した。c-Kitキナーゼ及びポリ(4:1 Glu,Tyr)ペプチドをSignalchemから購入した。
【0217】
c-KITキナーゼ活性をPromegaのADP-Glo(商標)アッセイにより測定した。このアッセイでは、リコンビナントヒトc-Kit(100ng)をバッファー(40mM Tris、7.5;20mM MgCl2;0.1mg/μL BSA;2mM MnCl2;50μM DTT)中の化合物(0.5% DMSO) 5μL、ポリ(4:1 Glu,Tyr)ペプチド(250ng/μL) 5μL及びATP(250μM) 5μLとインキュベーションする。このアッセイを、反応混合物を96ウェルプレート中において30℃で2時間インキュベーションすることによりアッセイを開始した。インキュベーション後、ADP-Glo試薬 25μLを加え、この反応物を30℃で40分間インキュベーションして、反応を停止させ、残ったATPを分解した。ついで、ADP生成物を、ウェルあたりに検出試薬 50μLを加えることにより、ATPに変換した。発光をMolecular device I3Xプレートリーダーを使用して、室温で30分間インキュベーションした後に検出した。IC50値を、GraphPad Prism 7ソフトウェア又はSigmaPlot 13.0に実装されているソフトウェアルーチンを使用して、阻害濃度の範囲で決定される一連の% 阻害値から計算した。
【0218】
PDGFRαキナーゼアッセイ
ADP-GloアッセイキットをPromegaから購入した。塩化マグネシウム(MgCl2)、ウシ血清アルブミン(BSA)及びジメチルスルホキシド(DMSO)をSigma-Aldrichから購入した。Tris-HClバッファーをBiosesangから購入した。PDGFRαキナーゼ及びポリ(4:1 Glu,Tyr)ペプチドをSignalchemから購入した。
【0219】
PDGFRαキナーゼ活性をPromegaのADP-Glo(商標)アッセイにより測定した。このアッセイでは、リコンビナントヒトPDGFRα(40ng)をバッファー(40mM Tris、7.5;20mM MgCl2;0.1mg/μl BSA;50μM DTT)中の化合物(0.5% DMSO) 5μL、ポリ(4:1 Glu,Tyr)(0.5μg/μl) 5μL及びATP(125μM) 5μLとインキュベーションする。このアッセイを、反応混合物を96ウェルプレート中において30℃で1時間インキュベーションすることによりアッセイを開始した。インキュベーション後、ADP-Glo試薬 25μLを加え、この反応物を室温で45分間インキュベーションして、反応を停止させ、残ったATPを分解した。ついで、ADP生成物を、ウェルあたりに検出試薬 50μLを加えることにより、ATPに変換した。発光をMolecular device I3Xプレートリーダーを使用して、室温で30分間インキュベーションした後に検出した。IC50値を、GraphPad Prism 7ソフトウェア又はSigmaPlot 13.0に実装されているソフトウェアルーチンを使用して、阻害濃度の範囲で決定される一連の% 阻害値から計算した。
【0220】
表3に、IC50値は、c-abl、c-Kit及びPDGFRaキナーゼに対して表わされており、下記名称を使用する。ND=未検。
【0221】
表3.キナーゼ選択性を試験するための生化学活性
【表3】
【0222】
キナーゼ阻害アッセイ
該化合物(実施例1、4、8及び17)のキナーゼ阻害プロファイルを、ThermoFisher SCIENTIFIC製のSelectScreen Kinase Profiling service(93キナーゼパネル又は485キナーゼパネル)を使用して試験した。本発明者らは、多様なヒトキナーゼ活性に対する% 阻害を試験した。これらのパネルを使用して、該化合物を、c-ablキナーゼのIC50に対して100倍又は500nMの最終濃度でスクリーニングした。各キナーゼのアッセイプロトコールは、ThermoFisher SCIENTIFICに公開されている。
【0223】
このキナーゼスクリーニングアッセイは、化合物の選択性をプロファイリングする競合結合アッセイである。該化合物は、80%以超c-ablキナーゼ阻害を示したが、PI3K,c-kit及びPDGFRキナーゼ活性は20%未満であった。
【0224】
該化合物は、AAK1、ACVR1(ALK2)、ACVR1B(ALK4)、ACVR2A、ADCK3、ADRBK1(GRK2)、ADRBK2(GRK3)、AKT1(PKBアルファ)、AKT2(PKBベータ)、AKT3(PKBガンマ)、ALK、ALK C1156Y、ALK F1174L、ALK L1196M、ALK R1275Q、ALK T1151_L1152insT、AMPK(A1/B1/G2)、AMPK(A1/B1/G3)、AMPK(A1/B2/G1)、AMPK(A1/B2/G2)、AMPK(A1/B2/G3)、AMPK(A2/B1/G2)、AMPK(A2/B1/G3)、AMPK(A2/B2/G1)、AMPK(A2/B2/G2)、AMPK(A2/B2/G3)、AMPK A1/B1/G1、AMPK A2/B1/G1、AURKA(Aurora A)、AURKB(Aurora B)、AURKC(Aurora C)、AXL、AXL R499C、BLK、BMPR1A(ALK3)、BMPR1B(ALK6)、BMPR2、BMX、BRAF(lantha)、BRAF(Z-LYTE)、BRAF V599E(lantha)、BRAF V599E(Z-LYTE)、BRSK1(SAD1)、BRSK2、BTK、CAMK1(CaMK1)、CAMK1D(CaMKIデルタ)、CAMK1G(CAMKIガンマ)、CAMK2A(CaMKIIアルファ)、CAMK2B(CaMKIIベータ)、CAMK2D(CaMKIIデルタ)、CAMK2G(CaMKIIガンマ)、CAMK4(CaMKIV)、CAMKK1(CAMKKA)、CAMKK2(CaMKKベータ)、CASK、CDC42 BPA(MRCKA)、CDC42 BPB(MRCKB)、CDC42 BPG(MRCKG)、CDC7/DBF4、CDK1/サイクリンB、CDK11(不活性)、CDK11/サイクリンC、CDK13/サイクリンK、CDK14(PFTK1)/サイクリンY、CDK16(PCTK1)/サイクリンY、CDK17/サイクリンY、CDK18/サイクリンY、CDK2/サイクリンA、CDK2/サイクリンA1、CDK2/サイクリンE1、CDK2/サイクリンO、CDK3/サイクリンE1、CDK4/サイクリンD1、CDK4/サイクリンD3、CDK5(不活性)、CDK5/p25、CDK5/p35、CDK6/サイクリンD1、CDK7/サイクリンH/MNAT1、CDK8/サイクリンC、CDK9(不活性)、CDK9/サイクリンK、CDK9/サイクリンT1、CDKL5、CHEK1(CHK1)、CHEK2(CHK2)、CHUK(IKKアルファ)、CLK1、CLK2、CLK4、CSK、CSNK1A1(CK1アルファ1)、CSNK1A1L、CSNK1D(CK1デルタ)、CSNK1E(CK1イプシロン)R178C、CSNK1G1(CK1ガンマ1)、CSNK1G2(CK1ガンマ2)、CSNK1G3(CK1ガンマ3)、CSNK2A1(CK2アルファ1)、CSNK2A2(CK2アルファ2)、DAPK1、DAPK2、DAPK3(ZIPK)、DCAMKL1(DCLK1)、DCAMKL2(DCK2)、DDR1、DDR2、DDR2 T654M、DMPK、DYRK1A、DYRK1B、DYRK2、DYRK3、DYRK4、EEF2K、EGFR(ErbB1)、EGFR(ErbB1) C797S、EGFR(ErbB1) d746-750、EGFR(ErbB1) d747-749 A750P、EGFR(ErbB1) G719C、EGFR(ErbB1) G719S、EGFR(ErbB1) L858R、EGFR(ErbB1) L861Q、EGFR(ErbB1) T790M、EGFR(ErbB1) T790M C797S L858R、EGFR(ErbB1) T790M L858R、EIF2AK2(PKR)、EPHA1、EPHA6、EPHA7、EPHB1、EPHB3、EPHB4、ERBB2(HER2)、ERBB4(HER4)、ERN1、ERN2、FER、FES(FPS)、FGFR1、FGFR1 V561M、FGFR2、FGFR2 N549H、FGFR3、FGFR3 G697C、FGFR3 K650E、FGFR3 K650M、FGFR3 V555M、FGFR4、FLT1(VEGFR1)、FLT3、FLT3 D835Y、FLT3 ITD、FLT4(VEGFR3)、FRAP1(mTOR)、FRK(PTK5)、FYN A、GAK、GRK1、GRK4、GRK5、GRK6、GRK7、GSG2(Haspin)、GSK3A(GSK3アルファ)、GSK3B(GSK3ベータ)、HCK、HIPK1(Myak)、HIPK2、HIPK3(YAK1)、HIPK4、HUNK、ICK、IGF1R、IKBKB(IKKベータ)、IKBKE(IKKイプシロン)、INSR、INSRR(IRR)、IRAK4、ITK、JAK1、JAK2、JAK2 JH1 JH2、JAK2 JH1 JH2 V617F、JAK3、KDR(VEGFR2)、KIT、KIT A829P、KIT D816H、KIT D816V、KIT D820E、KIT N822K、KIT T670E、KIT T670I、KIT V559D、KIT V559D T670I、KIT V559D V654A、KIT V560G、KIT V654A、KIT Y823D、KSR2、LATS1、LATS2、LIMK1、LIMK2、LRRK2 I2020T、LRRK2 R1441C、LTK(TYK1)、MAP2K1(MEK1)(lantha)、MAP2K1(MEK1)(Z-LYTE)、MAP2K1(MEK1) S218D S222D、MAP2K2(MEK2)(lantha)、MAP2K2(MEK2)(Z-LYTE)、MAP2K4(MEK4)、MAP2K5(MEK5)、MAP2K6(MKK6)(lantha)、MAP2K6(MKK6)(Z-LYTE)、MAP2K6(MKK6) S207E T211E、MAP3K10(MLK2)、MAP3K11(MLK3)、MAP3K14(NIK)、MAP3K19(YSK4)、MAP3K2(MEKK2)、MAP3K3(MEKK3)、MAP3K5(ASK1)、MAP3K7/MAP3K7IP1(TAK1-TAB1)、MAP3K8(COT)、MAP3K9(MLK1)、MAP4K2(GCK)、MAP4K3(GLK)、MAP4K5(KHS1)、MAPK1(ERK2)、MAPK10(JNK3)(lantha)、MAPK10(JNK3)(Z-LYTE)、MAPK11(p38ベータ)、MAPK12(p38ガンマ)、MAPK13(p38デルタ)、MAPK14(p38アルファ)、MAPK14(p38アルファ) Direct、MAPK15(ERK7)、MAPK3(ERK1)、MAPK7(ERK5)、MAPK8(JNK1)(lantha)、MAPK8(JNK1)(Z-LYTE)、MAPK9(JNK2)(lantha)、MAPK9(JNK2)(Z-LYTE)、MAPKAPK2、MAPKAPK3、MAPKAPK5(PRAK)、MARK1(MARK)、MARK2、MARK3、MARK4、MASTL、MATK(HYL)、MELK、MERTK(cMER)、MERTK(cMER) A708S、MET(cMet)、MET(cMET) Y1235D、MET M1250T、MKNK1(MNK1)、MKNK2(MNK2)、MLK4、MST1R(RON)、MST4、MUSK、MYLK(MLCK)、MYLK4、MYO3A(MYO3アルファ)、NEK1、NEK2、NEK4、NEK6、NEK7、NEK8、NEK9、NIM1K、NLK、NUAK1(ARK5)、NUAK2、PAK1、PAK2(PAK65)、PAK3、PAK4、PAK6、PAK7(KIAA1264)、PASK、PDGFRA(PDGFRアルファ)、PDGFRA D842V、PDGFRA T674I、PDGFRB(PDGFRベータ)、PDK1、PDK1 Direct、PHKG1、PHKG2、PI4K2A(PI4K2アルファ)、PI4K2B(PI4K2ベータ)、PI4KA(PI4Kアルファ)、PI4KB(PI4Kベータ)、PIM1、PIM2、PIM3、PIP4K2A、PIP5K1A、PIP5K1B、PIP5K1C、PKMYT1、PKN1(PRK1)、PKN2(PRK2)、PLK1、PLK2、PLK3、PLK4、PRKACA(PKA)、PRKACB(PRKACベータ)、PRKACG(PRKACガンマ)、PRKCA(PKCアルファ)、PRKCB1(PKCベータI)、PRKCB2(PKCベータII)、PRKCD(PKCデルタ)、PRKCE(PKCイプシロン)、PRKCG(PKCガンマ)、PRKCH(PKCエータ)、PRKCI(PKCイオタ)、PRKCN(PKD3)、PRKCQ(PKCシータ)、PRKCZ(PKCゼータ)、PRKD2(PKD2)、PRKG1、PRKG2(PKG2)、PRKX、PTK2(FAK)、PTK2B(FAK2)、PTK6(Brk)、RAF1(cRAF) Y340D Y341D(lantha)、RAF1(cRAF) Y340D Y341D(Z-LYTE)、RET、RET A883F、RET G691S、RET M918T、RET S891A、RET V804E、RET V804L、RET V804M、RET Y791F、ROCK1、ROCK2、ROS1、RPS6KA1(RSK1)、RPS6KA2(RSK3)、RPS6KA3(RSK2)、RPS6KA4(MSK2)、RPS6KA5(MSK1)、RPS6KA6(RSK4)、RPS6KB1(p70S6K)、RPS6KB2(p70S6Kb)、SBK1、SGK(SGK1)、SGK2、SGKL(SGK3)、SIK1、SIK3、SLK、SNF1LK2、SPHK1、SPHK2、SRMS(Srm)、SRPK1、SRPK2、STK16(PKL12)、STK17A(DRAK1)、STK17B(DRAK2)、STK22B(TSSK2)、STK22D(TSSK1)、STK23(MSSK1)、STK24(MST3)、STK25(YSK1)、STK3(MST2)、STK32B(YANK2)、STK32C(YANK3)、STK33、STK38(NDR)、STK38L(NDR2)、STK39(STLK3)、STK4(MST1)、TAOK1、TAOK3(JIK)、TBK1、TEC、TEK(TIE2) R849W、TEK(TIE2) Y1108F、TEK (TIE2) Y897S、TESK1、TESK2、TGFBR1(ALK5)、TGFBR2、TLK1、TLK2、TNK1、TNK2(ACK)、TTK、TXK、TYK2、TYRO3(RSE)、ULK1、ULK2、ULK3、VRK2、WEE1、WNK1、WNK2、WNK3、ZAK、ZAP70に対して40%未満の% 阻害を示した。
【0225】
マウスにおける経口用量薬物動態試験
実施例1、4、5、6、8及びニロチニブの経口用量薬物動態パラメータをマウスにおいて評価した。
【0226】
雄のICRマウスを、薬物動態実験を開始する前に15時間絶食させ、20% ジメチルスルホキシド(DMSO)/1% Tween-20/79% NS溶液に溶解させた化合物を5mg/kgの用量で単回経口投与した。化合物の薬物動態を観察するために、各マウスからの血液を、ヘパリンナトリウム処理毛細管を使用して、投与後の特定の時点(5、15、30及び60分、1.5、2、3、4、6、8、10及び24時間、各時点についてn=3)で、眼窩後神経叢から採取した。血漿サンプルを10,000rpmで5分間の遠心分離により分離し、分析まで-80℃で保存した。化合物暴露のために、5mg/kg 化合物で処理した後、マウス脳を30及び60分、2、4及び24時間(各時点についてn=1)に採取し、また、一致する血漿サンプルも採取し、ついで、分析まで-80℃で保存した。新鮮に解凍した脳サンプルを秤量し、3倍量のPBS中でホモジナイズした。
【0227】
血漿及びホモジナイズされた脳をアセトニトリルで処理して、タンパク質を沈殿させた。振とう及び遠心分離後、上清を蒸留水で3倍に希釈し、SCIEX 6500+三重四重極質量分析法(SCIEX, USA)と組み合わせたExionLC(商標)超高速液体クロマトグラフ(SCIEX, USA)(LC-MS/MS)を使用して分析した。10マイクロリットル 各サンプルを、CORTECS C18+ 2.1mm×50mm I.D.、2.7umカラム(Water, USA)にインジェクションし、移動相(A:水中の0.1% ギ酸、B:ACN中の0.1% ギ酸)を使用する勾配条件により、0.3mL/分の流速で分離した。ピーク積分及び面積を、Analystソフトウェア(SIEX, USA)を使用して決定し、平均濃度による非コンパートメント薬物動態学的分析を、Pheonix WinNonlin(登録商標)ソフトウェアバージョン8.0(Pharsight Corp, USA)を使用して行った。
【0228】
5mg/kgの用量での経口投与後の血漿AUCINF(分×ng/mL)及び脳/血漿濃度比(BP比)を表4に示した。全ての実施例は、ニロチニブより良好な脳暴露を示す。
【0229】
表4.実施例1、4、5、6、8及びニロチニブの薬物動態パラメータ
【表4】
aBP比を脳及び一致する血漿からのAUC
INF値に基づいて計算した。
【0230】
in vitro有効性の検証
c-ablは、パーキンソン病において活性であり、最近の研究から、c-ablがα-シヌクレイン既形成原線維(PFF)の処理により時間依存的に活性化され、α-シヌクレインPFFは、c-abl阻害剤であるニロチニブの処理によりニューロンにおいて顕著に減少したことが示されている(Zui-Hua Zhou et at. Neurol Sci. 2016)。
【0231】
しかしながら、ニロチニブは心血管系の有害事象、例えば、QTc延長及び不規則な心拍を引き起こし、これらにより、突然死に至る場合があることが公知である。これらの有害事象(ブラックボックス警告)は、そのhERG活性による場合がある。ニロチニブ、ポナチニブ及びダサチニブはそれぞれ、0.13、2.33及び14.3μMのhERG IC50を有する。さらに、ニロチニブは、c-ablキナーゼ選択性も高いBBB浸透性も示さない。ニロチニブが慢性神経変性疾患での使用に適さないことを意味している可能性がある。
【0232】
実施例4及び8は、hERG活性をほとんど示さず(10μMでそれぞれ、23.87%及び12.61%の阻害)、それは、該化合物が心血管系の有害事象を引き起こす可能性が低いことを示している。実施例4は、α-シヌクレインPFF誘発性病的凝集(レビー小体様病理)を減少させ、実施例4及び8は、用量依存的に(用量:0.5、1、5、10、100nM)、PFF誘発性ニューロン毒性を阻害した。
【0233】
実施例4及び8は、マウスにおいて、ニロチニブより良好なPKプロファイル及びより良好な脳曝露を有する。
【0234】
表5.ニロチニブと実施例4及び8との比較
【表5】
【0235】
AD及びPDモデルにおけるin vivo有効性の検証
実施例4及び8の薬理活性をAβ25-35誘発性アルツハイマー病(AD)及びα-シヌクレイン既形成原線維(PFF)誘発性パーキンソン病(PD)マウスモデルにおいて推定した。
【0236】
PDモデルにおけるin vivo有効性
ser129でのα-シヌクレインのリン酸化が、α-シヌクレインPFF誘発性PDモデルにおいて増加し、それを実施例4(3及び10mg/kg、q.d.)の経口投与により、それぞれ約50%及び80%で統計的に減少した。一方、ニロチニブ(3及び10mg/kg、q.d.)は、α-シヌクレインのリン酸化には統計学的に効果がなかった。これは、実施例4がレビー小体病因を改善する強力な候補であることを意味する。
【0237】
α-シヌクレインPFF誘発性PDマウスにおいて、実施例4(0.3、1、3及び10mg/kg)及びニロチニブ(3、10及び30mg/kg)を1日1回5か月間経口投与し、ポールテストを行って、α-シヌクレインPFF誘発性PDマウスの運動障害を評価した。α-シヌクレインPFF注射によるポール昇り降り時間(秒)の延長は、実施例4の処置により、用量依存的に回復した。0.3mg/kg 実施例4により、ポール昇り降り時間の50%の改善をもたらされ、10mg/kgでは、完全に回復した。一方、ニロチニブでは、10mg/kgでわずかな改善が示されただけであった。
【0238】
該化合物は、α-シヌクレインPFFにより誘発される運動機能障害からマウスの行動回復を用量依存的にもたらし、該化合物は、パーキンソン病及び潜在的にレビー小体を伴う認知症を含む神経変性障害の疾患修飾剤であることを示す。
【0239】
ADモデルにおけるin vivo有効性
実施例4(1、3及び10mg/kg)、実施例8(1及び3mg/kg)及びニロチニブ(3mg/kg)をAβ25-35誘発性ADマウスに1日1回10日間経口投与し、Y迷路における自発的交替能力、空間作業記憶及びステップスルー受動回避(STPA)試験を行った。Y迷路試験を行動試験として使用して、げっ歯類の記憶機能及びが新しい環境を探索する意欲を評価した。
【0240】
オリゴマーAβ25-35ペプチドのICV注射により、自発的交代の測定により短期記憶を評価するY迷路試験において神経毒性効果及び行動障害がトリガーされたが、運動症状の変化は運動の測定により観察されなかった。
【0241】
オリゴマーAβ
25-35ペプチドのICV注射後10日目に、海馬を切開した。また、脂質過酸化レベルを海馬ホモジネート中で定量した。オリゴマーAβ
25-35ペプチドのICV注射により、酸化ストレスのマーカーである脂質過酸化が誘発された。3mg/kg及び10mg/kg 実施例4の1日1回の経口投与により、脂質過酸化は完全に阻害された。これは、酸化ストレスの減少を意味する(
図7)。
【0242】
酸化ストレスは、ミトコンドリア機能不全を介して、Aβ25-35ペプチドにより誘発されるニューロン毒性の主要なメカニズムであると考えられる(参考文献:Meunier et al. Eur J. Pharm 2012)。これは、実施例4によりうまく阻害される。
【0243】
このことは、実施例4により、用量応答様式で、交替行動及び文脈上の長期記憶の欠損が非常に顕著かつ完全に軽減され、一方で、ニロチニブにより、空間作業記憶欠損が部分的に軽減されたか又は文脈上の長期記憶欠損に対して顕著な効果が示されなかったことを示す。
【0244】
結果を
図1~7に示す。結果から、該化合物が高い神経保護活性及び低い心血管系事象を有するため、神経変性疾患、例えば、パーキンソン病、アルツハイマー病及び/又はALSを治療し又は抑制するのに有用であることができることが示される。