(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】移動体、移動体制御システム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
B63C 11/00 20060101AFI20241217BHJP
B63C 11/48 20060101ALI20241217BHJP
B63B 49/00 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
B63C11/00 C
B63C11/48 D
B63B49/00 B
(21)【出願番号】P 2023142240
(22)【出願日】2023-09-01
【審査請求日】2024-04-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】松木 友明
(72)【発明者】
【氏名】土居本 和宏
(72)【発明者】
【氏名】川名 弘志
【審査官】宇佐美 琴
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-145659(JP,A)
【文献】特開2021-174214(JP,A)
【文献】特開2023-050664(JP,A)
【文献】国際公開第2017/073300(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/094635(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63C 11/00-11/52
B63B 49/00
G05D 1/00- 1/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水上を移動する水上移動体と水中を潜航する潜航移動体とが着脱可能な状態で結合されている移動体であって、
前記水上移動体は、
前記潜航移動体とケーブルによって接続されており、前記ケーブルの送り出しと巻き取りとを切り換えて処理するケーブル処理部と、
予め設定された前記潜航移動体の移動経路の情報と、前記潜航移動体の移動経路上における前記潜航移動体と前記水上移動体との位置関係を示す情報とを含む移動計画情報を記憶する記憶部と、
前記潜航移動体の移動経路に対応する前記位置関係を示す情報が前記水上移動体から前記潜航移動体が離れる方向に移動することを示す場合、前記ケーブル処理部の動作を、前記水上移動体から前記ケーブルを送り出す送り出しモードに設定する設定部と、
前記潜航移動体が発した音響信号に基づき、前記潜航移動体の位置を特定する特定部と、
を有
し、
前記設定部は、特定された前記潜航移動体の位置に基づいて、前記ケーブル処理部の前記ケーブルを巻き取る速度又は前記ケーブルを送り出す速度を設定する、
移動体。
【請求項2】
水上を移動する水上移動体と水中を潜航する潜航移動体とが着脱可能な状態で結合されている移動体であって、
前記水上移動体は、
前記潜航移動体とケーブルによって接続されており、前記ケーブルの送り出しと巻き取りとを切り換えて処理するケーブル処理部と、
予め設定された前記潜航移動体の移動経路の情報と、前記潜航移動体の移動経路上における前記潜航移動体と前記水上移動体との位置関係を示す情報とを含む移動計画情報を記憶する記憶部と、
前記潜航移動体の移動経路に対応する前記位置関係を示す情報が前記水上移動体から前記潜航移動体が離れる方向に移動することを示す場合、前記ケーブル処理部の動作を、前記水上移動体から前記ケーブルを送り出す送り出しモードに設定する設定部と、
前記潜航移動体が発した音響信号に基づき、前記潜航移動体の速度を特定する特定部と、
を有
し、
前記設定部は、特定された前記潜航移動体の速度に基づいて、前記ケーブル処理部の前記ケーブルを巻き取る速度又は前記ケーブルを送り出す速度を設定する、
移動体。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の前記移動体と、前記水上移動体及び前記潜航移動体を制御するための制御情報を生成する移動体制御装置と、を備える移動体制御システムであって、
前記移動体制御装置は、
前記潜航移動体の前記移動計画情報を前記水上移動体に送信する通信部と、
前記潜航移動体に前記移動計画情報を実行させる位置に向けて前記水上移動体及び前記潜航移動体を移動させて、前記潜航移動体に前記移動計画情報を実行させるための前記制御情報を生成する潜航制御部と、
を有する、
移動体制御システム。
【請求項4】
コンピュータが実行する、水上を移動する水上移動体に設けられているケーブル処理部の制御方法であって、
前記水上移動体は、水中を潜航する潜航移動体とケーブルによって接続されており、前記ケーブル処理部は、前記ケーブルの送り出しと巻き取りとを切り換えて処理し、
前記コンピュータは、
予め設定された前記潜航移動体の移動経路の情報と、前記潜航移動体の移動経路上における前記潜航移動体と前記水上移動体との位置関係を示す情報とを含む移動計画情報を取得するステップと、
前記潜航移動体の移動経路に対応する前記位置関係を示す情報が前記水上移動体から前記潜航移動体が離れる方向に移動することを示す場合、前記ケーブル処理部の動作を、前記水上移動体から前記ケーブルを送り出す送り出しモードに設定するステップと、
前記潜航移動体が発した音響信号に基づき、前記潜航移動体の位置を特定するステップと、
を有
し、
前記ケーブルを送り出す送り出しモードに設定するステップにおいて、特定された前記潜航移動体の位置に基づいて、前記ケーブル処理部の前記ケーブルを巻き取る速度又は前記ケーブルを送り出す速度を設定する、
制御方法。
【請求項5】
コンピュータが実行する、水上を移動する水上移動体に設けられているケーブル処理部の制御方法であって、
前記水上移動体は、水中を潜航する潜航移動体とケーブルによって接続されており、前記ケーブル処理部は、前記ケーブルの送り出しと巻き取りとを切り換えて処理し、
前記コンピュータは、
予め設定された前記潜航移動体の移動経路の情報と、前記潜航移動体の移動経路上における前記潜航移動体と前記水上移動体との位置関係を示す情報とを含む移動計画情報を取得するステップと、
前記潜航移動体の移動経路に対応する前記位置関係を示す情報が前記水上移動体から前記潜航移動体が離れる方向に移動することを示す場合、前記ケーブル処理部の動作を、前記水上移動体から前記ケーブルを送り出す送り出しモードに設定するステップと、
前記潜航移動体が発した音響信号に基づき、前記潜航移動体の速度を特定するステップと、
を有
し、
前記ケーブルを送り出す送り出しモードに設定するステップにおいて、特定された前記潜航移動体の速度に基づいて、前記ケーブル処理部の前記ケーブルを巻き取る速度又は前記ケーブルを送り出す速度を設定する、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中で動作が可能な移動体、当該移動体を備える移動体制御システム、及び当該移動体に設けられているケーブル処理部の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空中を飛行可能な水上ドローンが、水中で動作可能な潜航ドローンと結合された状態で所定の位置まで移動した後に潜航ドローンを分離し、潜航ドローンの作業終了後に潜航ドローンを回収する水空合体ドローンが知られている(例えば、非特許文献1参照)。また、水面の装置と水中移動体とがケーブルで接続されており、ケーブルのたわみの量に基づいてケーブルの巻き取り量又は送り出し量を決定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【文献】KDDI株式会社,株式会社KDDI総合研究所,株式会社プロドローン,“世界初の水空合体ドローン、遠隔での水中撮影に成功~船を出さずに洋上風力発電設備の安全・効率的な点検を実施~”,[online],2021年12月14日,KDDI,[令和4年2月25日検索],インターネット <URL:https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2021/12/14/5593.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような潜航ドローンは、水上ドローンとケーブルで接続されたまま分離し、当該ケーブルを介して潜航ドローンと信号を授受することがあった。このような潜航ドローンを自動で潜航する場合、潜航ドローンと水上ドローンとの間の距離に応じて、ケーブルの長さを適切に調節できるようにすることが要求されていた。
【0006】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、水上ドローンから分離した潜航ドローンを潜航する際に、潜航ドローンと水上ドローンとの間のケーブルの長さを自動で調節できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様においては、水上を移動する水上移動体と水中を潜航する潜航移動体とが着脱可能な状態で結合されている移動体であって、前記水上移動体は、前記潜航移動体とケーブルによって接続されており、前記ケーブルの送り出しと巻き取りとを切り換えて処理するケーブル処理部と、予め設定された前記潜航移動体の移動経路の情報と、前記潜航移動体の移動経路上における前記潜航移動体と前記水上移動体との位置関係を示す情報とを含む移動計画情報を記憶する記憶部と、前記潜航移動体の移動経路に対応する前記位置関係を示す情報が前記水上移動体から前記潜航移動体が離れる方向に移動することを示す場合、前記ケーブル処理部の動作を、前記水上移動体から前記ケーブルを送り出す送り出しモードに設定する設定部と、を有する、移動体を提供する。
【0008】
前記設定部は、前記位置関係を示す情報が前記水上移動体に前記潜航移動体が近づく方向に移動することを示す場合、前記ケーブル処理部の動作を、送り出した前記ケーブルを巻き取る巻き取りモードに設定してもよい。
【0009】
前記設定部は、前記位置関係を示す情報が前記水上移動体と前記潜航移動体との間の距離に変化がないことを示す場合、前記ケーブル処理部の動作を停止させる停止モードに設定してもよい。
【0010】
前記水上移動体は、前記潜航移動体が発した音響信号に基づき、前記潜航移動体の位置及び速度を特定する特定部を更に備え、前記設定部は、特定された前記潜航移動体の位置及び速度のうち少なくとも一方に基づいて、前記ケーブル処理部の前記ケーブルを巻き取る速度又は前記ケーブルを送り出す速度を設定してもよい。
【0011】
前記移動体は、前記水上移動体から送り出した前記ケーブルの長さを測定する測定部を更に備え、前記水上移動体が前記移動計画情報の移動経路とは異なる位置への移動の指示を外部から取得した場合、前記設定部は、前記ケーブル処理部のモードの設定を解除して、特定された前記潜航移動体の位置と速度と、測定された前記ケーブルの長さとのうち少なくとも1つに基づいて、前記ケーブル処理部の前記ケーブルを巻き取る速度又は前記ケーブルを送り出す速度を設定してもよい。
【0012】
前記移動体は、前記水上移動体から送り出した前記ケーブルの長さを測定する測定部を更に備え、特定された前記潜航移動体の位置が、前記移動計画情報の移動経路から所定の範囲を超えて離れている場合、前記設定部は、前記ケーブル処理部のモードの設定を解除して、特定された前記潜航移動体の位置と速度と、測定された前記ケーブルの長さとのうち少なくとも1つに基づいて、前記ケーブル処理部の前記ケーブルを巻き取る速度又は前記ケーブルを送り出す速度を設定してもよい。
【0013】
本発明の第2の態様においては、第1の態様の前記移動体と、前記水上移動体及び前記潜航移動体を制御するための制御情報を生成する移動体制御装置と、を備える移動体制御システムであって、前記移動体制御装置は、前記潜航移動体の前記移動計画情報を前記水上移動体に送信する通信部と、前記潜航移動体に前記移動計画情報を実行させる位置に向けて前記水上移動体及び前記潜航移動体を移動させて、前記潜航移動体に前記移動計画情報を実行させるための前記制御情報を生成する潜航制御部と、を有する、移動体制御システムを提供する。
【0014】
本発明の第3の態様においては、コンピュータが実行する、水上を移動する水上移動体に設けられているケーブル処理部の制御方法であって、前記水上移動体は、水中を潜航する潜航移動体とケーブルによって接続されており、前記ケーブル処理部は、前記ケーブルの送り出しと巻き取りとを切り換えて処理し、前記コンピュータは、予め設定された前記潜航移動体の移動経路の情報と、前記潜航移動体の移動経路上における前記潜航移動体と前記水上移動体との位置関係を示す情報とを含む移動計画情報を取得するステップと、前記潜航移動体の移動経路に対応する前記位置関係を示す情報が前記水上移動体から前記潜航移動体が離れる方向に移動することを示す場合、前記ケーブル処理部の動作を、前記水上移動体から前記ケーブルを送り出す送り出しモードに設定するステップと、を有する制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、水上ドローンから分離した潜航ドローンを運航する際に、潜航ドローンと水上ドローンとの間のケーブルの長さを自動で調節できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】移動体100の概要を説明するための図である。
【
図2】移動体100の概要を説明するための図である。
【
図3】移動体100の概要を説明するための図である。
【
図4】水中物体Kが防潮堤である場合の移動経路の例を示す図である。
【
図7】三次元空間座標について説明するための図である。
【
図8】水上移動体1における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[移動体100の概要]
図1から
図3は、移動体100の概要を説明するための図である。移動体100は、水上を移動することができる水上移動体1と、水上移動体1に着脱可能な状態で結合されており水中を潜航可能な潜航移動体2とを有する。移動体100は、水上移動体1に潜航移動体2が収容された状態、又は水上移動体1に潜航移動体2が収容されていない状態のいずれにおいても移動することができる。なお、
図2に示すように、潜航移動体2が水上移動体1に収容されていない状態においても、水上移動体1と潜航移動体2とはケーブルCにより結合されている。
【0018】
水上移動体1には、水上移動体1が水上を移動するための移動機構部10、及び潜航移動体2を着脱するための着脱機構部11が設けられている。移動機構部10は、例えば水上移動体1を水上で移動させるためのスラスタを含む。移動機構部10は、プロペラ及び方向舵等のように、水上移動体1を飛行させるために必要な機構を含んでもよい。本実施形態において、水上移動体1は、飛行して移動する機構と、水上を移動する機構とを有する例を説明する。着脱機構部11は、潜航移動体2を収容する空間を構成する部材、潜航移動体2を固定する機構、及び潜航移動体2を解放するための機構を含む。
【0019】
移動体100は、管理サーバ3から受信した移動計画情報に基づいて移動し、移動計画情報が示す潜航場所において所定の動作を実行する。所定の動作は、例えば、水中の物体を撮影したり、水中の物体を加工したりする動作である。以下の説明では、主に、所定の動作が水中物体Kを撮影する動作である場合を例示する。
【0020】
管理サーバ3は、携帯電話網又はWi-Fi(登録商標)等のネットワークを介して移動体100とデータを送受信することができる装置であり、例えばコンピュータである。管理サーバ3は、例えば移動体100を使用して水中の物体の状態を観測したり、水中の物体をメンテナンスしたりする事業者により管理されている。管理サーバ3は、通信部を有し、移動計画情報を移動体100に送信することにより、移動体100に所定の動作を実行させる。
【0021】
移動計画情報の詳細については後述するが、移動計画情報は、水中で潜航移動体2が所定の動作を実行する複数の潜航場所の緯度、経度及び深度を示す情報を含む。移動計画情報は、それぞれの潜航場所で潜航移動体2が実行する動作を示す情報をさらに含んでもよい。管理サーバ3は、例えば、移動体100を用いた作業を依頼したユーザが使用するコンピュータから移動計画情報を取得する。管理サーバ3は、過去に潜航移動体2が所定の動作を実行した複数の潜航場所の履歴を記憶し、記憶している履歴に基づいて移動計画情報を作成してもよい。
【0022】
ユーザが移動計画情報を作成する場合、ユーザは、情報端末に表示された地図上で潜航移動体2に移動させたいルート又は撮影させたい場所を指定する。管理サーバ3は、ユーザが指定したルート又は場所に基づいて、水上移動体1の飛行ルートと着水場所、及び潜航移動体2の潜航ルート、作業場所、作業内容及び帰還場所の少なくともいずれかが含まれる移動計画情報を作成又は取得する。飛行ルートは、飛行禁止区域を避けた上で最も短いルートであってもよく、飛行可能区域内を通る最も短いルートであってもよい。
【0023】
管理サーバ3は、ユーザから撮影したい場所、ルート、撮影角度及び対象物までの撮影距離の少なくともいずれかの指定を受けることにより、指定された条件を満たすルートを作成してもよい。管理サーバ3は、例えば、撮影場所、撮影角度(鉛直方向に対する角度)及び撮影距離(対象物からの距離)の指定を受け付けた場合、受け付けた撮影場所で受け付けた撮影角度及び撮影距離を含む移動計画情報を作成する。
【0024】
図1は、水上移動体1に潜航移動体2が収容されており、潜航移動体2が潜航場所に到達していない状態を示している。水上移動体1は、管理サーバ3から受信した移動計画情報が示す潜航場所の上方の位置まで、潜航移動体2を収容した状態で移動する。潜航場所の上方の位置は、例えば、潜航場所に対して鉛直方向に上方の位置である。すなわち、潜航場所の上方の位置は、潜航場所の緯度・経度と同一の緯度・経度であり、かつ水面以上の位置である。
【0025】
図1には、水中物体Kとして藻が示されている。移動計画情報においては、潜航移動体2が水中物体Kを撮影する複数の潜航場所の位置を示す情報が含まれている。
図1は、水上移動体1が最初の潜航場所の上方の位置まで潜航移動体2を収容した状態で移動した時点における移動体100の位置を示している。
【0026】
移動体100が最初の潜航場所の上方の位置まで移動すると、
図2に示すように、水上移動体1は、着脱機構部11を動作させることにより潜航移動体2を解放して潜航移動体2を水中で移動可能な状態にする。
【0027】
水上移動体1は、潜航移動体2を解放した後に、潜航移動体2が定期的に発する音響信号を受信し、受信した音響信号を解析することにより、水上移動体1に対する潜航移動体2の相対位置を特定する。水上移動体1は、潜航移動体2が有するセンサー(例えば地磁気センサー)により検出された潜航移動体2の向きを示すデータを潜航移動体2から受信することにより、潜航移動体2の向きを特定してもよい。水上移動体1は、特定した潜航移動体2の相対位置と目標となる潜航場所の位置との関係に基づいて、潜航移動体2が移動するべき向きを特定する。水上移動体1は、ケーブルCを介して、移動するべき向きを示す制御データを潜航移動体2に送信することにより、潜航移動体2を潜航場所に向けて移動させる。水上移動体1と潜航移動体2は、音響又は無線により制御データを送受信してもよい。
【0028】
潜航移動体2が潜航場所に到達すると、水上移動体1は、潜航移動体2に所定の動作を実行させる。潜航移動体2が所定の動作を実行すると、水上移動体1は、次の潜航場所の上方に向けて移動するとともに、潜航移動体2を次の潜航場所まで移動させるための制御データを潜航移動体2に送信する。一例として、水上移動体1は、水上移動体1と潜航移動体2がほぼ同じ速度で次の潜航場所の緯度・経度の位置に向けて移動するように潜航移動体2を移動させるための制御データを送信する。
【0029】
図3は、水上移動体1の移動経路の例を示す図である。
図3は、水上移動体1の上方から水中物体Kを見た状態を模式的に示している。
図3に示すように、一例として、水上移動体1は、水中物体Kの一端側から他端側に向けて移動し、他端側に到達すると、奥行方向に移動した後に、他端側から一端側に向けて移動する。潜航移動体2も水上移動体1の移動に合わせて、同じ移動経路で水中を移動する。水上移動体1及び潜航移動体2がこのように移動することで、水中物体Kが面状に広がっている場合であっても、水中物体Kの複数の位置で動作を実行することができる。
【0030】
図4は、水中物体Kが防潮堤である場合の移動経路の例を示す図である。
図4に示すように水中物体Kが上下方向及び水平方向に長い面を有する場合、潜航移動体2は、上下に移動しながら動作を実行する。
図4に示す例の場合、水上移動体1は、水上移動体1の位置を固定した状態で潜航移動体2を下方に移動させる。水上移動体1は、潜航場所の深度が変化することに応じてケーブルCの長さを変化させてもよい。
【0031】
潜航移動体2が動作を実行するべき最も下方の潜航場所に到達すると、水上移動体1は、次の潜航場所の上方の位置に向けて水平方向に移動するとともに、潜航移動体2を次の潜航場所に移動させる。その後、水上移動体1は、水上移動体1の位置を固定した状態で潜航移動体2を上方に移動させる。水上移動体1及び潜航移動体2がこのような動作を繰り返すことで、水中物体Kが上下方向及び水平方向に長い面を有する場合であっても、水中物体Kの複数の位置で動作を実行することができる。
【0032】
以上の移動体100は、水上移動体1及び潜航移動体2がケーブルCで接続されたまま分離し、移動計画情報に基づいてそれぞれ運航する。この場合、水上移動体1と潜航移動体2との間の距離は変動するので、ケーブルの長さを適切に調節できることが望ましい。そこで、ケーブルCにかかる張力に応じて、ケーブルCの巻き取り量又は送り出し量を決定してケーブルCの長さを調節することが考えられる。
【0033】
しかしながら、ケーブルCに張力がかかる場合、潜航移動体2に負荷がかかり、潜航移動体2の動作に影響を及ぼしてしまうことがある。そこで、本実施形態にかかる移動体100の水上移動体1は、移動計画情報に基づいてケーブルCの巻き取り量又は送り出し量を決定してケーブルCの長さを調節する。このような水上移動体1について次に説明する。
【0034】
[水上移動体1の構成]
図5は、水上移動体1の構成を示す図である。水上移動体1は、ケーブル処理部5と、移動機構部10と、着脱機構部11と、通信部12と、音響信号受信部13と、GPS受信機14と、記憶部15と、制御部16と、を有する。制御部16は、計画情報取得部161と、特定部162と、飛行制御部163と、潜航制御部164と、設定部165と、を有する。
【0035】
ケーブル処理部5は、ケーブルCを巻き取って収納できるリール等を有する。また、ケーブル処理部5は、リールをモータ等で回転させて、ケーブルCをリールから送り出すケーブル送り出し装置、及びケーブルCをリールから巻き取るケーブル巻き取り装置として動作する機能を有する。
【0036】
そして、ケーブル処理部5は、制御部16から受け取った制御信号に応じて、ケーブルの送り出しと巻き取りとの機能を切り換えて処理する。ケーブル処理部5は、例えば、ケーブルCを送り出す送り出しモードと、ケーブルCを巻き取る巻き取りモードと、動作を停止する停止モードとを切り換え可能に構成されている。
【0037】
送り出しモードは、ケーブル処理部5が制御信号に基づいてケーブルを送り出すモードである。なお、ケーブル処理部5は、ケーブルCの送り出し動作をロックするロック機構と巻き取り動作をロックするロック機構とを有することが望ましい。例えば、送り出しモードにおいては、ケーブルCを巻き取る方向の動作ができなくなるように巻き取り動作がロックされ、送り出し動作のロックが解除される。なお、ケーブル処理部5は、送り出しモードにおいて、ケーブルCの送り出すスピードを調節するブレーキ機能を有してもよい。なお、ブレーキ機能は、ブレーキ機能を動作させている際にケーブルCが潮流等に引っ張られ、たるみが発生しないように、ブレーキの強さを調節可能に構成されていることが望ましい。
【0038】
巻き取りモードは、ケーブル処理部5が制御信号に基づいてケーブルを巻き取るモードである。例えば、巻き取りモードにおいては、ケーブルCを送り出す方向の動作ができなくなるように送り出し動作がロックされ、巻き取り動作のロックが解除される。なお、ケーブル処理部5は、巻き取りモードにおいて、ケーブルCを巻き取るスピードを調節する調節機能を有してもよい。
【0039】
停止モードは、ケーブル処理部5が動作を停止するモードである。例えば、停止モードは、ケーブルCを巻き取る方向の動作と送り出す方向の動作とができなくなるように、巻き取り動作と送り出し動作とがロックされる。これに代えて、停止モードは、ケーブルCのたわみに応じてケーブルCの送り出し動作又は巻き取り動作を実行してもよい。なお、ケーブルCのたわみに応じた動作は、特許文献1等のように知られているので、ここでは詳細な説明を省略する。なお、ケーブル処理部5のロック機能は、ケーブルCの動作がロックされている際に、ケーブルCが強く引っ張られてもケーブルC及び/又はケーブル処理部5が損傷しないように、ロック機能のロックの強さを調節可能に構成されていることが望ましい。
【0040】
ケーブル処理部5は、モードの設定が解除された場合、制御信号に応じて、ケーブルCの送り出し動作又は巻き取り動作を実行できるように構成されている。この場合、巻き取り動作と送り出し動作のロックは解除される。以上のケーブル処理部5は、例えば、制御信号で指定された動作モード、ケーブルCの送り出し量、送り出し速度、巻き取り量、巻き取り速度等に応じて、対応する動作を処理可能に構成されている。
【0041】
ケーブル処理部5は、測定部6を更に有してもよい。測定部6は、水上移動体1から送り出したケーブルCの長さを測定する。測定部6は、例えば、ケーブル処理部5が送り出したケーブルCの長さと、ケーブル処理部5が巻き取った長さケーブルCの長さとをそれぞれ測定し、測定結果を累積することで、水上移動体1から送り出したケーブルCの長さを測定する。
【0042】
移動機構部10は、上述したように、プロペラ及び方向舵のように水上移動体1を飛行させるために必要な機構と、水上で水上移動体1を移動させるための機構とを含む。移動機構部10は、飛行制御部163の制御に基づいて動作し、水上移動体1を空中又は水上で移動させる。
【0043】
着脱機構部11は、潜航移動体2を着脱するための機構である。着脱機構部11は、例えば潜航移動体2を固定するためのアームを有しており、アームの形状又は向きを変化させることにより、潜航移動体2が水上移動体1に収容された状態と潜航移動体2が水上移動体1から解放された状態とを切り替えることができる。着脱機構部11には、上述のケーブル処理部5が含まれていてもよい。
【0044】
通信部12は、管理サーバ3との間でデータを送受信するための通信インターフェースを有する。通信部12は、例えば移動計画情報を含むデータを管理サーバ3から受信する。通信部12は、受信した移動計画情報を計画情報取得部161に入力する。通信部12は、潜航移動体2が潜航場所で動作を実行した結果を示すデータ(例えば撮像画像データ)を管理サーバ3に送信してもよい。
【0045】
音響信号受信部13は、潜航移動体2が発した音響信号を受信する複数の受信機を有する。音響信号受信部13は、複数の受信機それぞれが受信した複数の音響信号を特定部162に入力する。複数の受信機は、水上移動体1におけるそれぞれ異なる位置に設けられているので、潜航移動体2が発した音響信号が複数の受信機それぞれに到達するタイミングが異なる。特定部162は、複数の受信機それぞれに音響信号が到達したタイミングに基づいて、水上移動体1に対する潜航移動体2の相対位置を特定する。
【0046】
GPS受信機14は、GPS衛星から受信した電波を受信する。GPS受信機14は、受信した電波に含まれる、緯度・経度を特定するために用いられるデータを特定部162に入力する。
【0047】
記憶部15は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有する。記憶部15は、通信部12が受信した移動計画情報を記憶する。記憶部15は、潜航移動体2から送信された撮像画像データを記憶してもよい。記憶部15は、制御部16が実行するプログラムを記憶する。
【0048】
制御部16は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有する。制御部16は、記憶部15に記憶されたプログラムを実行することにより、計画情報取得部161、特定部162、飛行制御部163及び潜航制御部164として機能する。
【0049】
計画情報取得部161は、通信部12を介して、潜航移動体2の潜航場所を含む移動計画情報を取得する。移動計画情報には、潜航場所に関連付けて潜航移動体2に実行させる動作を示す情報が含まれていてもよい。計画情報取得部161は、取得した移動計画情報を記憶部15に記憶させる。
【0050】
図6は、移動計画情報の一例を示す図である。
図6に示す移動計画情報においては、潜航移動体2が所定の動作を実行するべき複数の潜航場所それぞれに対して、動作IDと、潜航場所の緯度・経度・深度と、潜航移動体2が動作する際の向きと、実行するべき動作の内容とが関連付けられている。潜航移動体2が動作する際の向きは、北を基準とする角度A1と、水平面を基準とする角度A2との組み合わせにより表され、
図6においては(A1、A2)の形式で例示されている。
図6においては、動作の内容として、潜航移動体2を解放する動作と、通常撮影をする動作と、拡大撮影(ズームアップした撮影)をする動作とが例示されている。
【0051】
動作IDには、潜航移動体2が所定の動作を実行する順序を示す情報が含まれている。
図6に示す例においては、動作IDが示す数字の順に潜航移動体2が動作を実行する。移動計画情報には、潜航移動体2がそれぞれの動作を実行するべき時刻を示す情報がさらに含まれていてもよい。移動計画情報は、水上移動体1から潜航移動体2を解放してから潜航移動体2が潜航し、潜航移動体2が水上移動体1まで戻ってきて収容されるまでの動作が含まれていることが望ましい。
【0052】
また、移動計画情報は、潜航移動体2と水上移動体1との位置関係を示す情報が更に含まれている。水上移動体1と潜航移動体2との位置関係は、例えば、水上移動体1から潜航移動体2が離れる方向に移動するか、水上移動体1に潜航移動体2が近づく方向に移動するか、水上移動体1と潜航移動体2との間の距離に変化がないか、のいずれかを示す情報である。
図6において、水上移動体1と潜航移動体2との位置関係を、「初期位置」、「離れる」、「近づく」、「変化なし」とした例を示す。
【0053】
例えば、最初の動作ID(1)の潜航場所の緯度・経度は、水上移動体1及び潜航移動体2の初期位置である。水上移動体1は、潜航移動体2を解放した場合、初期位置に停止してもよく、これに代えて、潜航移動体2の緯度・経度と同じ位置に移動してもよい。このように、水上移動体1及び潜航移動体2の移動計画に伴って、水上移動体1と潜航移動体2との位置関係が予め設定される。
【0054】
計画情報取得部161は、移動体100が移動を開始する前に移動計画情報を取得するが、移動体100が移動を開始した後に移動計画情報を取得してもよい。一例として、計画情報取得部161は、移動体100が移動を開始する前に取得した移動計画情報が示す潜航場所で潜航移動体2が動作を実行した結果を示すデータ(例えば撮像画像データ)を管理サーバ3に送信し、結果を示すデータに基づいて管理サーバ3が作成した移動計画情報をさらに取得してもよい。
【0055】
特定部162は、水上移動体1の絶対位置と、当該絶対位置から潜航場所までの相対位置と、を特定する。具体的には、まず、特定部162は、GPS受信機14から入力されたデータに基づいて、水上移動体1の絶対位置を示す情報として緯度・経度を特定する。また、特定部162は、特定した水上移動体1の絶対位置から、移動計画情報が示す潜航場所の位置までのベクトルを特定することにより、水上移動体1の絶対位置から潜航場所までの相対位置を特定する。
【0056】
特定部162は、例えば、移動計画情報に示されている潜航場所の位置と、GPS受信機14が受信したデータに基づく現在の水上移動体1の絶対位置とを比較することにより、現在の水上移動体1の絶対位置から潜航場所までの距離と方向を算出できる。そして、特定部162は、算出した距離と方向を相対的なベクトルに変換することで、水上移動体1の絶対位置から潜航場所までの相対位置を特定する。相対位置は、絶対位置を原点とする三次元空間座標系におけるベクトルの終端の位置の座標により表される。
【0057】
図7は、三次元空間座標について説明するための図である。
図7に示す三次元空間座標においては、互いに直交するx軸、y軸、z軸が示されている。x軸方向は南北方向に対応し、y軸方向は東西方向に対応し、z軸方向は鉛直方向に対応する。水上移動体1に対する潜航場所の相対位置は、水上移動体1が原点にいるとした場合の潜航場所の三次元座標(x,y,z)により表される。水上移動体1から解放された潜航移動体2が移動するべき向きは、xy平面におけるx軸からの角度θと、xy平面からの角度φと、の組み合わせにより表される。
【0058】
特定部162は、潜航移動体2の位置を特定してもよい。具体的には、特定部162は、上述したように、音響信号受信部13が有する複数の受信機それぞれに音響信号が到達したタイミングに基づいて、水上移動体1に対する潜航移動体2の相対位置を特定する。特定部162は、特定した水上移動体1の絶対位置と潜航移動体2の相対位置とに基づいて、潜航移動体2の絶対位置をさらに特定してもよい。
【0059】
また、特定部162は、潜航移動体2の複数の絶対位置の特定結果と、特定した時間の差から、潜航移動体2の移動速度を特定する。特定部162は、水上移動体1の移動速度を特定してもよい。また、特定部162は、潜航移動体2の水上移動体1に対する相対速度を特定してもよい。以上のように、特定部162は、潜航移動体2が発した音響信号に基づき、潜航移動体2の位置及び速度を特定する。
【0060】
飛行制御部163は、移動機構部10を制御することにより水上移動体1を飛行させる。飛行制御部163は、移動計画情報が示す潜航場所の上方の位置に向けて水上移動体1を飛行させるように移動機構部10を制御する。具体的には、飛行制御部163は、特定部162から通知された水上移動体1の絶対位置から、移動計画情報が示す潜航場所の上方の位置までのベクトルを特定し、特定したベクトルの向きに水上移動体1を飛行させるように移動機構部10の方向舵を制御する。
【0061】
潜航移動体2が水中を潜航している場合、飛行制御部163は、潜航移動体2の位置の鉛直方向の上方に位置するように水上移動体1を制御する。具体的には、飛行制御部163は、まず、特定部162から通知された水上移動体1の絶対位置に基づいて、潜航移動体2の鉛直方向の上方の位置の緯度・経度を特定する。続いて、飛行制御部163は、水上移動体1の絶対位置から特定した潜航移動体2の鉛直方向の上方の位置におけるベクトルを特定し、水上において特定したベクトルの向きに水上移動体1を移動させるように移動機構部10のスラスタを制御する。水上移動体1が潜航移動体2の上方に維持されるようにすることで、ケーブルCを短い状態にすることができるので、ケーブルCが水中構造物に引っかかってしまうことを防げる。また、ケーブルCを巻き取るために要する時間を短縮することもできる。
【0062】
移動計画情報に複数の潜航場所が含まれている場合、飛行制御部163は、複数の潜航場所のうちの第1潜航場所で潜航移動体2が所定の動作を完了した結果(例えば撮像画像データ)を取得した場合に、第1潜航場所と異なる第2潜航場所の上方の位置に向けて水上移動体1を移動させる。飛行制御部163は、このような移動制御を繰り返すことにより、移動計画情報に含まれる全ての潜航場所で潜航移動体2が動作を実行できるようにする。
【0063】
なお、水上移動体1が飛行せず水上にある場合、波の影響により水上移動体1の位置が変化してしまう場合がある。そこで、このような場合、飛行制御部163は前記位置から所定距離以上離れたと判定すると、スラスタを動作させて水上移動体1を前記位置に戻すようにしてもよい。
【0064】
潜航移動体2が全ての潜航場所で所定の動作を実行し、潜航移動体2が水上移動体1に収容されると、飛行制御部163は、移動計画情報が示す経路に従って水上移動体1を飛行させる。飛行制御部163は、例えば所定の位置まで水上移動体1を飛行させる。
【0065】
潜航制御部164は、潜航移動体2の位置を制御する。具体的には、潜航制御部164は、潜航場所の上方の位置に水上移動体1が到着すると、潜航移動体2を潜航場所に向けて移動させる。より具体的には、潜航移動体2が水上移動体1に収容されている状態で水上移動体1が潜航場所の上方の位置に到達すると、潜航制御部164は、着脱機構部11を制御することにより潜航移動体2を解放する。続いて、潜航制御部164は、潜航移動体2が水上移動体1から解放された状態において、ケーブルCを介して制御データを潜航移動体2に送信することにより、潜航移動体2を潜航場所に向けて移動させる。
【0066】
潜航制御部164は、例えば、水上移動体1の位置に対する潜航場所の相対位置を含む制御データを潜航移動体2に送信することにより、潜航移動体2を潜航場所に向けて移動させる。水上移動体1の絶対位置はGPS衛星からの電波に基づいて特定されており精度が高いので、潜航制御部164が水上移動体1に対する潜航場所の相対位置に対応する向きに潜航移動体2を移動させることで、高い精度で潜航移動体2を潜航場所に到達させることができる。
【0067】
潜航制御部164は、潜航移動体2が潜航場所に到達した時点で、その時点での潜航移動体2の向きの通知を潜航移動体2から受けて、通知された向きと、移動計画情報において潜航場所に関連付けられている向きとの差分を示す制御データを潜航移動体2に送信してもよい。
【0068】
設定部165は、移動計画情報に基づき、ケーブル処理部5を制御するための制御信号を生成して、ケーブル処理部5に供給する。設定部165は、例えば、潜航移動体2の移動経路に対応する位置関係を示す情報が水上移動体1から潜航移動体2が離れる方向に移動することを示す場合、ケーブル処理部5の動作を、水上移動体1からケーブルCを送り出す送り出しモードに設定する。
【0069】
例えば、水上移動体1が水上の位置を固定しており、潜航制御部164が
図6に示す移動計画情報の動作ID(1)から動作ID(2)に処理を進める場合を考える。この場合、移動計画情報の水上移動体1と潜航移動体2の位置関係が「離れる」ことを示すので、設定部165は、ケーブル処理部5の動作を送り出しモードに設定する。設定部165は、例えば、送り出しモードに設定する制御信号をケーブル処理部5に供給する。
【0070】
設定部165は、特定部162によって特定された潜航移動体2の位置及び速度のうち少なくとも一方に基づいて、ケーブル処理部5のケーブルCを送り出す速度を設定する。設定部165は、例えば、潜航制御部164が潜航移動体2を移動させるタイミングと同期して、移動ケーブルCを送り出す速度を指定する制御信号をケーブル処理部5に供給する。これにより、水上移動体1から潜航移動体2が離れるように潜航する際に、ケーブルCを送り出して適切な長さに調節することができる。
【0071】
なお、設定部165は、動作ID(1)から動作ID(2)において、潜航移動体2が水上移動体1から離れて移動する距離(7m)を用いて、移動距離の情報をケーブルCの送り出し量として設定してもよい。これにより、移動ケーブルCを送り出す長さを精度よく調節することができる。なお、移動計画情報は、潜航移動体2が水上移動体1から離れて移動する距離の情報を含んでもよい。
【0072】
また、設定部165は、位置関係を示す情報が水上移動体1に潜航移動体2が近づく方向に移動することを示す場合、ケーブル処理部5の動作を、送り出したケーブルCを巻き取る巻き取りモードに設定する。例えば、潜航制御部164が
図6に示す移動計画情報の動作ID(7)から動作ID(8)に処理を進める場合、位置関係を示す情報が水上移動体1に潜航移動体2が「近づく」ことを示すので、設定部165は、ケーブル処理部5の動作を巻き取りモードに設定する。設定部165は、例えば、巻き取りモードに設定する制御信号をケーブル処理部5に供給する。
【0073】
設定部165は、特定部162によって特定された潜航移動体2の位置及び速度のうち少なくとも一方に基づいて、ケーブル処理部5のケーブルCを巻き取る速度を設定する。設定部165は、例えば、潜航制御部164が潜航移動体2を移動させるタイミングと同期して、移動ケーブルCを巻き取る速度を指定する制御信号をケーブル処理部5に供給する。これにより、水上移動体1から潜航移動体2が近づくように潜航する際に、ケーブルCを巻き取って適切な長さに調節することができる。
【0074】
なお、設定部165は、動作ID(7)から動作ID(8)において、潜航移動体2が水上移動体1から近づいて移動する距離(10m-8m=2m)を用いて、移動距離の情報をケーブルCの巻き取り量として設定してもよい。なお、移動計画情報は、潜航移動体2が水上移動体1に近づいて移動する距離(2m)の情報を含んでもよい。
【0075】
以上において、設定部165は、特定部162によって特定された潜航移動体2の速度の情報を用いる例を説明したが、これに限定されることはない。例えば、潜航制御部164が潜航移動体2の移動速度をほぼ一定の速度となるように動作させる場合、設定部165は、当該一定の速度をケーブルCを巻き取る速度又は送り出す速度に設定してもよい。
【0076】
また、設定部165は、位置関係を示す情報が水上移動体1と潜航移動体2の間の距離に変化がないことを示す場合、ケーブル処理部5の動作を停止させる停止モードに設定する。例えば、潜航制御部164が
図6に示す移動計画情報の動作ID(5)から動作ID(6)に処理を進める場合、位置関係を示す情報が水上移動体1と潜航移動体2の間の距離に「変化なし」を示すので、設定部165は、ケーブル処理部5の動作を停止モードに設定する。
【0077】
停止モードにおいて、設定部165は、測定部6が測定したケーブルCの長さを用いてケーブル処理部5を制御してもよい。設定部165は、例えば、ケーブルCの長さを用いて、ケーブルCのたわみ等を特定する。そして、設定部165は、上述のように、特定したたわみに基づき、ケーブル処理部5を制御する。同様に、設定部165は、ケーブル処理部5のモードの設定を解除した場合に、ケーブルCの長さを用いて、ケーブル処理部5を制御してもよい。
【0078】
例えば、水上移動体1が移動計画情報の移動経路とは異なる位置への移動の指示を外部から取得した場合、設定部165は、ケーブル処理部5のモードの設定を解除する。一例として、ユーザが使用するコンピュータから潜航移動体2に移動させたい新たなルート又は撮影させたい新たな場所が指定され、潜航制御部164が現在の移動経路とは異なる位置へ潜航移動体2を移動する場合、設定部165は、ケーブル処理部5のモードの設定を解除する。
【0079】
これに代えて、特定された潜航移動体2の位置が、移動計画情報の移動経路から所定の範囲を超えて離れている場合、設定部165は、ケーブル処理部5のモードの設定を解除してもよい。例えば、潜航移動体2の周囲の水の流れが急である場合、潜航移動体2に動植物、浮遊物等が接触した場合、潜航移動体2が潜航するために用いる潜航機構部の動作が不安定な場合等、潜航移動体2が移動計画情報の移動経路から所定の範囲を超えてずれてしまうことがある。この場合、設定部165は、ケーブル処理部5のモードの設定を解除する。
【0080】
設定部165は、ケーブル処理部5のモードの設定を解除すると、特定部162に特定された潜航移動体2の位置と速度と、測定部6に測定されたケーブルCの長さとのうち少なくとも1つに基づいて、ケーブル処理部5のケーブルCを巻き取る速度又はケーブルCを送り出す速度を設定する。
【0081】
設定部165は、例えば、ケーブル処理部5のモードの設定を解除した時点の潜航移動体2の位置の測定結果を基準として、潜航移動体2の位置の測定結果が変化した場合、水上移動体1及び潜航移動体2の間の距離の変化分だけ、ケーブルCを巻き取るか、又は送り出す制御信号をケーブル処理部5に供給する。設定部165は、潜航移動体2の速度に対応する水上移動体1及び潜航移動体2の間の距離の変化分だけ、ケーブルCを巻き取るか、又は送り出す制御信号をケーブル処理部5に供給してもよい。
【0082】
また、設定部165は、特定部162に特定された潜航移動体2の位置が、移動計画情報の移動経路から所定の範囲を超えて離れており、ケーブル処理部5のモードの設定を解除した時点の潜航移動体2の進行方向が水上移動体1から離れる方向の場合、ケーブルCの長さが所定の範囲を超えた長さになるように、ケーブルCを送り出す制御信号をケーブル処理部5に供給してもよい。
【0083】
これに代えて、設定部165は、特定部162に特定された潜航移動体2の位置が、移動計画情報の移動経路から所定の範囲を超えて離れており、ケーブル処理部5のモードの設定を解除した時点の潜航移動体2の進行方向が水上移動体1に近づく方向の場合、ケーブルCの長さが所定の範囲を超えた長さになるように、ケーブルCを巻き取る制御信号をケーブル処理部5に供給してもよい。また、設定部165は、ケーブル処理部5のモードの設定を解除した後に、これらの動作を組み合わせてケーブル処理部5のケーブルCを巻き取る速度又はケーブルCを送り出す速度を設定してもよい。
【0084】
以上の本実施形態にかかる移動体100によれば、移動計画情報に基づいて潜航移動体2を潜航動作させた場合に、水上移動体1と潜航移動体2との間のケーブルCの長さを自動で調節することができる。したがって、移動体100は、潜航移動体2の潜航動作を自動で実行することができる。
【0085】
潜航制御部164は、潜航移動体2が送信した結果データを受信する。潜航制御部164は、作業を依頼したユーザが進捗状況を把握することができるようにするために、結果データを管理サーバ3に送信する。なお、潜航移動体2が送信する結果データには潜航移動体2の位置又は向きを示す情報が含まれておらず、潜航制御部164が、潜航移動体2から結果データを受信した時点における潜航移動体2の絶対位置及び向きを撮像画像データに付してもよい。
【0086】
潜航制御部164は、例えば、第1潜航場所で潜航移動体2が動作を完了したか、又は結果データを受信すると、次の潜航場所である第2潜航場所に潜航移動体2を移動させる。なお、潜航制御部164は、潜航移動体2が潜水中に継続して撮影をする場合、撮影中の一部の撮像画像データを結果データとして受信しても、動作の完了を判定できない。そこで、潜航制御部164は、目的地である潜航場所に到着し、目的地における向きが現在の潜航移動体2の向きに一致した場合に、動作の完了と判定してもよい。次の潜航場所への移動についての具体例として、潜航制御部164は、第1潜航場所と第2潜航場所との間において、水上移動体1の位置に対して鉛直方向の下方の位置に潜航移動体2を移動させることにより、第2潜航場所まで潜航移動体2を移動させる。
【0087】
潜航制御部164は、例えば、着脱機構部11を制御することにより潜航移動体2を水上移動体1の位置まで上昇させる。また、設定部165は、上述のように、ケーブル処理部5を制御してケーブルCを巻き取る。潜航制御部164は、水上移動体1に対する潜航移動体2の相対位置に基づいて、水上移動体1に向けて潜航移動体2を移動させるための向き及び距離を含む制御データを潜航移動体2に送信することにより潜航移動体2を上昇させてもよい。
【0088】
以上の本実施形態にかかる移動計画情報において、水上移動体1と潜航移動体2との位置関係の情報として、「離れる」、「近づく」、「変化なし」と示す例を説明したが、これに限定されることはない。位置関係の情報は、水上移動体1から潜航移動体2が離れる方向に移動するのか、水上移動体1に潜航移動体2が近づく方向に移動するのか、水上移動体1と潜航移動体2との距離に変化がないのかが判明できる情報であればよい。
【0089】
[水上移動体1における処理の流れ]
図8は、水上移動体1における処理の流れを示すフローチャートである。
図8に示すフローチャートは、移動体100が移動を開始する前の時点から開始している。
【0090】
まず、水上移動体1は、管理サーバ3から移動計画情報を取得する(S11)。水上移動体1は、取得した移動計画情報に含まれている複数の潜航場所の位置に基づいて移動する(S12)。具体的には、飛行制御部163は、最初の潜航場所に向けて移動するように移動機構部10を制御する。飛行制御部163は、移動体100の移動中に、移動体100が潜航場所の上方に到達したか否かを判定する(S13)。飛行制御部163は、特定部162から通知された水上移動体1の絶対位置に基づいて、移動体100が潜航場所の上方に到達していないと判定した場合(S13においてNO)、移動を継続する(S12)。
【0091】
飛行制御部163は、移動体100が潜航場所の上方、又は指示された絶対位置の着水場所に到達したと判定した場合(S13においてYES)、水上移動体1の移動を終了する。飛行制御部163が水上移動体1の移動を終了すると、潜航制御部164は、着脱機構部11を制御して潜航移動体2を解放する(S14)。
【0092】
潜航制御部164は、潜航移動体2を解放すると、潜航移動体2を潜航場所まで移動させる(S15)。ここで、設定部165は、移動計画情報に含まれている水上移動体1と潜航移動体2との位置関係を示す情報に基づき、ケーブル処理部5によるケーブルCの送り出しと巻き取りとを切り換えて処理する。言い換えると、S15において、制御部16は、ケーブルの長さを調整しつつ、移動計画情報に対応する潜航場所まで潜航移動体2を移動させる。
【0093】
潜航制御部164は、特定部162から通知される潜航移動体2の絶対位置に基づいて、潜航移動体2が潜航場所に到達したか否かを判定する(S16)。潜航制御部164は、潜航移動体2が潜航場所に到達していないと判定した場合(S16においてNO)、潜航移動体2が潜航場所に到達するまで待機する。
【0094】
潜航制御部164は、潜航移動体2が潜航場所に到達したと判定した場合(S16においてYES)、移動計画情報において潜航場所に関連付けられている動作を実行させるための制御データを潜航移動体2に送信することにより、潜航移動体2に当該動作を実行させる(S17)。ここで、設定部165は、移動計画情報に含まれている水上移動体1と潜航移動体2との位置関係を示す情報に基づき、ケーブル処理部5の制御を継続させる。言い換えると、S17において、制御部16は、ケーブルの長さを調整しつつ、移動計画情報に対応する動作を潜航移動体2に実行させる。
【0095】
潜航制御部164は、動作を実行したという通知を潜航移動体2から受信すると、全ての潜航場所で動作が完了されたか否かを判定する(S18)。まだ動作が実行されていない潜航場所がある場合(S18においてNO)、潜航制御部164は、次の潜航場所まで潜航移動体2を移動させる。潜航制御部164は、全ての潜航場所で動作が実行されるまでの間、S15からS18までの処理を繰り返す。
【0096】
全ての潜航場所で動作が実行された場合(S18においてYES)、潜航制御部164は、着脱機構部11を制御することによりケーブルCを巻き取るとともに、上昇させるための制御データを潜航移動体2に送信することにより潜航移動体2を上昇させる(S19)。言い換えると、S19において、制御部16は、ケーブルの長さを調整しつつ、移動計画情報に対応する水上移動体1の位置まで潜航移動体2を上昇させる。潜航移動体2が上昇して水上移動体1に収容されると、飛行制御部163は基地に向けて水上移動体1を移動させる(S20)。
【0097】
[第1変形例]
以上の説明においては、水上移動体1が、計画情報取得部161、飛行制御部163、潜航制御部164を有する場合を例示したが、水上移動体1の外部の移動体制御装置(例えばコンピュータ)が、計画情報取得部161、飛行制御部163、潜航制御部164と同等の機能部を有していてもよい。移動体制御装置の潜航制御部は、例えば、潜航移動体2に移動計画情報を実行させる位置に向けて水上移動体1及び前記潜航移動体2を移動させて、潜航移動体2に移動計画情報を実行させるための制御情報を生成する。
【0098】
一例として、管理サーバ3が計画情報取得部161、飛行制御部163、潜航制御部164と同等の機能部を有していてもよい。この場合、管理サーバ3の飛行制御部及び潜航制御部が、水上移動体1から水上移動体1の位置及び潜航移動体2の位置を示す情報を取得する。そして、管理サーバ3が有する飛行制御部が移動機構部10を制御するためのデータを水上移動体1に送信し、管理サーバ3が有する潜航制御部が、水上移動体1を介して、潜航移動体2を移動させるための制御データを潜航移動体2に送信する。
【0099】
また、管理サーバ3の通信部は、潜航移動体2の移動計画情報を水上移動体1に送信する。これにより、水上移動体1の設定部165は、移動計画情報に基づいてケーブル処理部5を制御する。これに代えて、管理サーバ3等の移動体制御装置の機能部は、設定部165を更に有してもよい。この場合、管理サーバ3が有する設定部165は、移動計画情報に基づいてケーブル処理部5を制御する制御信号を生成して、水上移動体1に送信する。
【0100】
[第2変形例]
以上の説明においては、潜航制御部164が、特定部162が特定した潜航移動体2の位置に基づいて潜航移動体2の位置を制御する場合を例示したが、潜航制御部164は、他の手段により潜航移動体2の位置を制御してもよい。一例として、水上移動体1が、潜航移動体2に接続されたケーブルCの状況又は潜航移動体2が潜航する水中の状況を撮影するための撮影部を備えてもよい。
【0101】
一例として、潜航制御部164は、潜航移動体2が潜航を開始するタイミングで撮影部に撮影を開始させ、潜航移動体2の回収が完了するまで撮影部に撮影動作をさせる。潜航制御部164は、撮影部が撮影して得られる画像におけるケーブルCの形状又は方向を解析することで、潜航移動体2が潜航場所に向かう方向にケーブルCが正しく張られているのかを判定したり、水流によって、潜航場所とは異なる方向にケーブルCが流されているのかを判定したりすることができる。
【0102】
潜航制御部164は、ケーブルCが正しく張られていないと判定した場合、又は潜航場所の方向とは異なる方向にケーブルCが流されていると判定した場合に、潜航場所に向けて移動するように潜航移動体2に指示する。潜航制御部164は、ケーブルCが正しく張られていないと判定した場合、又は潜航するべき位置とは異なる方向にケーブルCが流されていると判定した場合に、管理サーバ3に警告データを送信することにより、操作者などに警告してもよい。これに代えて、又はこれに加えて、設定部165は、潜航制御部164からケーブルCが正しく張られていないと判定した結果を受け取り、判定結果に応じてケーブル処理部5のモードの設定を解除して、上述のようにケーブル処理部5を制御してもよい。
【0103】
[水上移動体1による効果]
以上説明したように、移動体100は、水上移動体1と、水上移動体1に着脱可能な状態で結合された潜航移動体2と、を有しており、水上移動体1は、潜航移動体2の潜航場所を含む移動計画情報が示す潜航場所の上方の位置に向けて水上移動体1を飛行させる飛行制御部163と、潜航場所の上方の位置に水上移動体1が到着すると、潜航移動体2を潜航場所に向けて移動させる潜航制御部164と、ケーブルCの長さを調節する設定部165と、を有する。移動体100がこのように構成されていることで、オペレータの操縦によらず、ケーブルCの長さを適切に調節しつつ、潜航移動体2が水中の所定の潜航場所まで移動できるようになる。さらに、潜航移動体2が潜航場所に到達した場合に潜航制御部164が動作を実行させるための制御データを潜航移動体2に送信することで、オペレータの操縦によらず、潜航移動体2が潜航場所において所定の動作を実行することができる。
【0104】
なお、以上の説明においては、水上移動体1及び潜航移動体2が移動計画情報に基づいて自律的に移動する場合を例示したが、水上移動体1及び潜航移動体2の一部の動作がオペレータの制御に基づいて行われてもよい。例えば、水上移動体1及び潜航移動体2が移動計画情報に基づいて自律的に移動している間に、水上移動体1が管理サーバ3又は他の装置から手動操作のデータを受信した場合、自律的な動作を停止し、手動操作のデータに基づいて動作をしてもよい。
【0105】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0106】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0107】
1 水上移動体
2 潜航移動体
3 管理サーバ
5 ケーブル処理部
6 測定部
10 移動機構部
11 着脱機構部
12 通信部
13 音響信号受信部
14 受信機
15 記憶部
16 制御部
100 移動体
161 計画情報取得部
162 特定部
163 飛行制御部
164 潜航制御部
165 設定部
【要約】
【課題】水上ドローンから分離した潜航ドローンを運航する際に、潜航ドローンと水上ドローンとの間のケーブルの長さを自動で調節できるようにする。
【解決手段】水上を移動する水上移動体と水中を潜航する潜航移動体とが着脱可能な状態で結合されている移動体であって、水上移動体は、潜航移動体とケーブルによって接続されており、ケーブルの送り出しと巻き取りとを切り換えて処理するケーブル処理部と、移動計画情報を記憶する記憶部と、潜航移動体の移動経路に対応する位置関係を示す情報が水上移動体から潜航移動体が離れる方向に移動することを示す場合、ケーブル処理部の動作を、水上移動体からケーブルを送り出す送り出しモードに設定する設定部と、を有する、移動体。
【選択図】
図5