(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物およびその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 8/65 20060101AFI20241217BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20241217BHJP
A61K 8/64 20060101ALI20241217BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20241217BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20241217BHJP
【FI】
A61K8/65
A61K8/44
A61K8/64
A61Q19/00
A61Q19/10
(21)【出願番号】P 2023181434
(22)【出願日】2023-10-20
【審査請求日】2023-10-20
(31)【優先権主張番号】202310373961.6
(32)【優先日】2023-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520317240
【氏名又は名称】広東丸美生物技術股▲フン▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】523399717
【氏名又は名称】広州質量監督検測研究院
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 懐慶
(72)【発明者】
【氏名】席 紹峰
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 公夫
(72)【発明者】
【氏名】孫 雲起
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲シン▼宇
(72)【発明者】
【氏名】郭 朝万
(72)【発明者】
【氏名】蔡 永通
(72)【発明者】
【氏名】▲ジョウ▼ 艶峰
(72)【発明者】
【氏名】王 娟
(72)【発明者】
【氏名】雷 小童
【審査官】山田 陸翠
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107890456(CN,A)
【文献】特開2012-149062(JP,A)
【文献】特表2021-533079(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112168767(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107510634(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108938448(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物であって、
前記防しわ組成物の成分は、重量部で、完全ヒト型コラーゲン1~10部、アミノ酸組成物2~15部、アセチルヘキサペプチド-8 1~5部、およびジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミド0.1~5部を含み、
前記アミノ酸組成物は、質量比で(1~3):(1~2):(2~3)のグリシン、アルギニン、ヒスチジンの組合せである、
ことを特徴とする完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物。
【請求項2】
前記防しわ組成物の成分は、サフラン花抽出物をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物。
【請求項3】
前記防しわ組成物の成分は、重量部で、完全ヒト型コラーゲン1~10部、アミノ酸組成物2~15部、アセチルヘキサペプチド-8 1~5部、ジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミド0.1~5部、サフラン花抽出物0.1~5部を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物の、化粧品の製造における使用。
【請求項5】
前記化粧品は、エッセンス、ローション、乳液、クリーム、洗顔料またはマスクを含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の使用。
【請求項6】
前記完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物は前記化粧品における質量パーセントが1~40%である、
ことを特徴とする請求項4に記載の使用。
【請求項7】
請求項1~3のいずれか一項に記載の完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物、保湿剤、増粘剤、キレート剤、エモリエント、脱イオン水を含む、
ことを特徴とする完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンス。
【請求項8】
前記防しわエッセンスは、重量部で、請求項1~3のいずれか一項に記載の完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物1~40部、保湿剤5~20部、増粘剤0.1~1部、キレート剤0.01~0.1部、エモリエント1~10部、脱イオン水を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンス。
【請求項9】
前記保湿剤は、グリセリン、1,3-ブタンジオール、ヒアルロン酸ナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、グリセリンポリアクリレート、ジ(ラウラミドグルタミド)リジンナトリウムのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せを含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンス。
【請求項10】
前記キレート剤は、EDTA二ナトリウムを含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンス。
【請求項11】
前記エモリエントは、1,2-ヘキサンジオール、カプリリルグリコールまたは1,2-ペンタンジオールのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せを含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンス。
【請求項12】
前記エモリエントは、1,2-ヘキサンジオール、カプリリルグリコールおよび1,2-ペンタンジオールの組合せである、
ことを特徴とする請求項11に記載の完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンス。
【請求項13】
前記1,2-ヘキサンジオール、カプリリルグリコールおよび1,2-ペンタンジオールの質量比は(0.1~0.2):(0.1~0.2):(2~4)である、
ことを特徴とする請求項12に記載の完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンス。
【請求項14】
前記増粘剤は、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP共重合体を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンス。
【請求項15】
前記防しわエッセンスは、防腐剤、pH調節剤、芳香剤のうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せをさらに含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品の技術分野に属し、具体的に、完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
加齢に伴い、皮膚にも老衰が不可避的に現れているが、それに伴い、皮膚に皺が現れ、顔に下垂などが現れてきた。上記現象は、内因性および外因性などの綜合要素により協働した結果である。そのうち、内因性老化とは、加齢に伴い、AGEsが進行的に増加して、コラーゲンに分子間架橋を形成させることを指し、皮膚の弾性および透過性を低下させて栄養成分および廃物の拡散性能を弱めるだけでなく、コラーゲンの可溶性を低下させてコラゲナーゼにより加水分解られにくく、皮膚の弾性が低下し、皺が回復しにくくて絶え間なく深くなることを招く。外因性老化とは、日照による光老化が最も主要な原因となり、さらに皮膚が緩んで、皺が多くなることを招く。しかしながら、皮膚には以上の問題が現れると、視覚的に老衰を感じさせるため、防しわ・老化防止は、スキンケアの永遠なキーノートとなっている。
【0003】
特許文献1では、防しわ・老化防止エッセンスおよびその調製方法が提供されている。防しわ・老化防止エッセンスは、復活草(resurrection grass)抽出物、コイケマ抽出物、カルノシンおよび母材を含む。調製方法は、復活草抽出物の調製と、復活草抽出物、格山暁抽出物、カルノシンおよび母材の混合と、を含む。本発明は、特定の植物から活性成分を抽出してエッセンスに用いることにより、エッセンスの防しわ・老化防止効果を安全的に実現し、そして、特定の植物の効果的な配合を介して、皮膚自身への滋養により、本質的に防しわ・老化防止を実現し、根本的に肌質を向上させる。
【0004】
特許文献2では、しわ取り・老化防止粧品およびその調製方法が提供されている。該化粧品は、乳化剤、保湿剤、エモリエント、活性物、水を含有する。該スキンケア組成物は、皮膚弾性の改善面で相乗効果を有し、皮膚の弾性を向上させ、顔部の皮膚の細小皺を減少させることができ、皮膚の下垂、緩めおよび皺を軽減させると同時に、質感が軽く、吸収されやすいという特徴を備える。
【0005】
しかしながら、上述した製品は、一般的に浸透性が悪く、吸収されにくいなどの問題が存在し、防しわの効果を向上する余地があるため、浸透性が良く、吸収されやすく、皮膚の皺を修復し、皺の再生を抑制し、皮膚の老衰を遅延することができる防しわスキンケア製品を開発する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】中国特許出願公開第110755325号明細書
【文献】中国特許出願公開第104856928号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術の不足に対して、本発明は、完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物およびその使用を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的を達成するために、本発明は、以下の技術案を採用する。
【0009】
第1の態様において、本発明は、完全ヒト型コラーゲン、アミノ酸組成物、アセチルヘキサペプチド-8およびジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドを含む完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を提供する。
【0010】
本発明に係る防しわ組成物は、完全ヒト型コラーゲン、アミノ酸組成物、アセチルヘキサペプチド-8およびジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドなどの活性成分を添加することにより、上記活性成分の相乗効果を介して製品の防しわ・老化防止効果を向上させることができ、特に、完全ヒト型コラーゲンは、コラーゲンのヌクレオチド配列を最適化することにより、大腸菌細胞において高純度のI型およびIII型コラーゲンを調製可能となることで、前記組合せの防しわ・老化防止効果をさらに向上させる。
【0011】
好ましくは、前記防しわ組成物の成分は、重量部で、完全ヒト型コラーゲン1~10部、アミノ酸組成物2~15部、アセチルヘキサペプチド-8 1~5部、ジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミド0.1~5部を含む。
【0012】
本発明に係る防しわエッセンスにおいて、前記完全ヒト型コラーゲンの添加量は、1部、2部、3部、4部、5部、6部、7部、8部または9部などであってもよく、
前記アミノ酸組成物の添加量は、2部、3部、4部、5部、6部、7部、8部、9部、10部、11部、12部、13部または14部などであってもよく、
前記アセチルヘキサペプチド-8の添加量は、1部、1.5部、2部、2.5部、3部、3.5部、4部または4.5部などであってもよく、
前記ジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドの添加量は、0.2部、0.5部、0.8部、1部、1.5部、2部、2.5部、3部、3.5部、4部または4.5部などであってもよい。
【0013】
上記の各数値範囲内の具体的な点値はすべて選択可能であり、ここで説明を省略する。
【0014】
好ましくは、前記アミノ酸組成物は、グリシン、セリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ロイシン、アラニン、リジン、アルギニン、チロシン、フェニルアラニン、スレオニン、プロリン、バリン、イソロイシン、ヒスチジン、システイン、メチオニンのうちの少なくとも2種の組合せを含む。
【0015】
好ましくは、前記アミノ酸組成物は、グリシン、アルギニン、ヒスチジンの組合せである。
【0016】
好ましくは、前記グリシン、アルギニン、ヒスチジンの質量比は、(1~3):(1~2):(2~3)である。
【0017】
ただし、「1~3」は、1.2、1.5、1.8、2、2.2、2.5または2.8などであってもよく、
「1~2」は、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8または1.9などであってもよく、
「2~3」は、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8または2.9などであってもよい。
【0018】
好ましくは、前記防しわ組成物の成分は、サフラン花抽出物をさらに含む。
【0019】
好ましくは、前記防しわ組成物の成分は、重量部で、完全ヒト型コラーゲン1~10部、アミノ酸組成物2~15部、アセチルヘキサペプチド-8 1~5部、ジ酢酸ジペプチ
ドジアミノブチロイルベンジルアミド0.1~5部、サフラン花抽出物0.1~5部を含む。
【0020】
本発明に係る防しわ組成物において、前記サフラン花抽出物の添加量は、0.2部、0.5部、0.8部、1部、1.5部、2部、2.5部、3部、3.5部、4部または4.5部などであってもよい。上記の各数値範囲内の他の具体的な点値はすべて選択可能であり、ここで説明を省略する。
【0021】
本発明の好適な技術案として、前記防しわ組成物には、サフラン花抽出物を添加することにより、組成物の防しわ・老化防止効果を向上させるだけでなく、皮膚に対して修復・鎮静の役割を果たすことができ、添加量が本発明の限定された範囲である場合、他の成分との配合効果がより良好である。
【0022】
第2の態様において、本発明は、第1の態様に記載された完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物の、化粧品の調製における使用を提供する。
【0023】
好ましくは、前記化粧品は、エッセンス、ローション、乳液、クリーム、洗顔料またはマスクを含む。
【0024】
好ましくは、前記完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物は、前記化粧品における質量パーセントが1~40%であり、例えば、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%または40%などであってもよい。上記の各数値範囲内の他の具体的な点値はすべて選択可能であり、ここで説明を省略する。
【0025】
第3の態様において、本発明は、第1の態様に記載された完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物、保湿剤、増粘剤、キレート剤、エモリエント、脱イオン水をさらに含む完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンスを提供する。
【0026】
好ましくは、前記防しわエッセンスは、重量部で、第1の態様に記載された完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物1~40部、保湿剤5~20部、増粘剤0.1~1部、キレート剤0.01~0.1部、エモリエント1~10部、脱イオン水を含む。
【0027】
ただし、前記完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物の添加量は、1部、5部、10部、15部、20部、25部、30部、35部または40部などであってもよく、
前記保湿剤の添加量は、6部、7部、8部、9部、10部、11部、12部、13部、14部、15部、16部、17部、18部または19部などであってもよく、
前記増粘剤の添加量は、0.2部、0.3部、0.4部、0.5部、0.6部、0.7部、0.8部または0.9部などであってもよく、
前記キレート剤の添加量は、0.02部、0.03部、0.04部、0.05部、0.06部、0.07部、0.08部または0.09部などであってもよく、
前記エモリエントの添加量は、2部、3部、4部、5部、6部、7部、8部または9部などであってもよい。
【0028】
上記の各数値範囲内の具体的な点値はすべて選択可能であり、ここで説明を省略する。
【0029】
好ましくは、前記保湿剤は、グリセリン、1,3-ブタンジオール、ヒアルロン酸ナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、グリセリンポリアクリレート、ジ(ラウラミドグルタミド)リジンナトリウムのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せを含む。
【0030】
好ましくは、前記キレート剤は、EDTA二ナトリウムを含む。
【0031】
好ましくは、前記エモリエントは、1,2-ヘキサンジオール、カプリリルグリコールまたは1,2-ペンタンジオールのうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せを含む。
【0032】
好ましくは、前記エモリエントは、1,2-ヘキサンジオール、カプリリルグリコールおよび1,2-ペンタンジオールの組合せである。
【0033】
好ましくは、前記1,2-ヘキサンジオール、カプリリルグリコールおよび1,2-ペンタンジオールの質量比は、(0.1~0.2):(0.1~0.2):(2~4)である。
【0034】
ただし、1番目の「0.1~0.2」は、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18または0.19などであってもよく、
2番目の「0.1~0.2」は、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18または0.19などであってもよく、
「2~4」は、2.2、2.5、2.8、3.0、3.2、3.5または3.8などであってもよい。
【0035】
好ましくは、前記増粘剤は、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP共重合体を含む。
【0036】
好ましくは、前記防しわエッセンスは、防腐剤、pH調節剤、芳香剤のうちのいずれか1種または少なくとも2種の組合せをさらに含む。
【0037】
上記の各数値範囲内の具体的な点値はすべて選択可能であり、ここで説明を省略する。
【0038】
第4の態様において、本発明は、第3の態様に記載された完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンスの調製方法を提供し、前記調製方法は、
一部の保湿剤、増粘剤、キレート剤および脱イオン水を水相ポットに投入し、混合し、均質化し、A相を得るステップ(1)、
残りの保湿剤を混合し、均質化してB相を得るステップ(2)、
エモリエントを混合し、均質化してC相を得るステップ(3)、および
A相を乳化ポットに投入し、真空下で均質化し、降温の後、順次にB相、C相、第1の態様に記載された完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を投入し、均一に混合した後に冷却して、前記完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンスを得るステップ(4)を含み、
前記ステップ(1)、(2)、(3)は、先後順序を区別しない。
【0039】
好ましくは、ステップ(1)において、混合時の温度は、80~90℃であり、例えば81℃、83℃、85℃、87℃または89℃などであってもよい。
【0040】
好ましくは、ステップ(1)において、均質化の回転数は、500~700rpmであり、例えば520rpm、550rpm、580rpm、600rpm、620rpm、650rpmまたは680rpmなどであってもよい。
【0041】
好ましくは、ステップ(1)において、均質化の時間は、15~30minであり、例えば17min、19min、20min、22min、25minまたは28minなどであってもよい。
【0042】
好ましくは、ステップ(2)において、均質化の回転数は、500~700rpmであり、例えば520rpm、550rpm、580rpm、600rpm、620rpm、650rpmまたは680rpmなどであってもよい。
【0043】
好ましくは、ステップ(2)において、均質化の時間は、15~30minであり、例えば17min、19min、20min、22min、25minまたは28minなどであってもよい。
【0044】
好ましくは、ステップ(3)において、均質化の回転数は500~700rpmであり、例えば520rpm、550rpm、580rpm、600rpm、620rpm、650rpmまたは680rpmなどであってもよい。
【0045】
好ましくは、ステップ(3)において、均質化の時間は、15~30minであり、例えば17min、19min、20min、22min、25minまたは28minなどであってもよい。
【0046】
好ましくは、ステップ(4)において、真空の圧力は、-0.05~-0.01MPaであり、例えば-0.01MPa、-0.02MPa、-0.03MPa、-0.04MPaまたは-0.05MPaなどであってもよい。
【0047】
好ましくは、ステップ(4)において、均質化の回転数は、150~300rpmであり、例えば170rpm、190rpm、200rpm、220rpm、250rpmまたは280rpmなどであってもよい。
【0048】
好ましくは、ステップ(4)において、均質化の時間は、2~5min、例えば2min、3min、4minまたは5minなどであってもよい。
【0049】
好ましくは、ステップ(4)において、40~50℃に降温し、例えば41℃、43℃、45℃、47℃または49℃などであってもよい。
【0050】
好ましくは、ステップ(4)において、混合の時間は、15~30minであり、例えば17min、19min、20min、22min、25minまたは28minなどであってもよい。
【0051】
好ましくは、ステップ(4)において、25~30℃まで冷却し、例えば25℃、26℃、27℃、28℃、29℃または30℃などであってもよい。
【0052】
上記の各数値範囲内の具体的な点値はすべて選択可能であり、ここで説明を省略する。
【0053】
本発明において、前記調製方法は、シンプルで、操作しやすく、優れた実用性を有する。前記調製方法は、各成分をグループに分けて混合し、且つ特定の温度や、時間を加味することにより、有効成分が破壊されないことを確保でき、十分、均一に混合することができる。時間が短すぎると、混合の効果に達せず、時間が長すぎると、エネルギーを浪費するだけでなく、成分の過度の混合をもたらし、製品の均一性を破壊させる。上記限定された範囲内に、最適な効果を達成することができる。
【発明の効果】
【0054】
従来技術に比較すると、本発明は、以下の有益な効果を有する。
【0055】
1、本発明に係る防しわ組成物は、完全ヒト型コラーゲン、アミノ酸組成物、アセチルヘキサペプチド-8およびジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドの活性成分を添加することにより、上記活性成分の相乗効果を介して製品の防しわ効果を向上させ、特に、完全ヒト型コラーゲンは、コラーゲンのヌクレオチド配列を最適化することにより、大腸菌細胞において高純度のI型およびIII型コラーゲンを調製可能となることで、さらに前記エッセンスの防しわ効果を向上させることができる。
【0056】
2.本発明に係る防しわ組成物は、サフラン花抽出物を添加することにより、防しわ・老化防止を確保するとともに、修復・鎮静の役割を果たすことができる。
【0057】
3.本発明に係る防しわエッセンスは、前記完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を添加することにより、エッセンスのシワぼかし、老衰の遅延、修復・鎮静の効果をより顕著にすることができる。
【0058】
4.本発明に係る防しわエッセンス調製方法は、シンプルで操作しやすく、産業化量産が容易となり、優れた実用性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0059】
本発明に採用した技術的手段およびその効果をさらに詳しく説明するために、以下、本発明の好適な実施例を結合して本発明の技術案を更に説明するが、本発明は、実施例の範囲に限定されない。
【0060】
以下の実施例および比較例に用いられる一部の材料および型番の情報は、以下の通りである。
【0061】
【0062】
他の原料については、正規なフランチャイザーから購入されれば、使用することができる。
【0063】
以下では、完全ヒト型コラーゲン、アミノ酸組成物、アセチルヘキサペプチド-8、ジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミド、サフラン花抽出物の重量部は、市販された原料に含有する実際の有効成分の含有量で計算し、市販された原料には、溶媒、充填剤、希釈剤、安定剤、pH調節剤、抗菌剤、酸化防止剤または許容範囲内の不純物のいずれか1種または少なくとも2種の組合せを選択的に含有する可能性がある。
【0064】
実施例1
本実施例は、完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を提供する。前記防しわ組成物の成分は、重量部で完全ヒト型コラーゲン5部、アミノ酸組成物10部、アセチルヘキサペプチド-8 2部、ジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミド2部、サフラン花抽出物2部という成分を含み、
ただし、前記アミノ酸組成物は、質量比4:3:5のグリシン、アルギニン、ヒスチジンの組合せである。
【0065】
実施例2
本実施例は、完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を提供する。前記防しわ組成物の成分は、重量部で完全ヒト型コラーゲン1部、アミノ酸組成物15部、アセチルヘキサペプチド-8 1部、ジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミド5部、サフラン花抽出物1部という成分を含み、
ただし、前記アミノ酸組成物は、質量比3:2:3のグリシン、アルギニン、ヒスチジンの組合せである。
【0066】
実施例3
本実施例は、完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を提供する。前記防しわ組成物の成分は、重量部で完全ヒト型コラーゲン10部、アミノ酸組成物2部、アセチルヘキサペプチド-8 5部、ジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミド1部、サフラン花抽出物5部という成分を含み、
ただし、前記アミノ酸組成物は、質量比1:1:2のグリシン、アルギニン、ヒスチジンの組合せである。
【0067】
実施例4
本実施例は、完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を提供する。前記防しわ組成物の成分と実施例1との相違点は、サフラン花抽出物を含まない点のみであり、他の成分が実施例1と一致する。
【0068】
実施例5
本実施例は、完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を提供する。前記防しわ組成物の成分と実施例1との相違点は、前記アミノ酸組成物が質量比4:3のグリシンおよびアルギニンの組合せである点のみであり、かつアミノ酸組成物の添加量をそのまま維持し、他の成分が実施例1と一致する。
【0069】
実施例6
本実施例は、完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を提供する。前記防しわ組成物の成分と実施例1との相違点は、前記アミノ酸組成物が質量比3:5のアルギニンおよびヒスチジンの組合せである点のみであり、かつアミノ酸組成物の添加量をそのまま維持し、他の成分が実施例1と一致する。
【0070】
実施例7
本実施例は、完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を提供する。前記防しわ組成物の成分と実施例1との相違点は、前記アミノ酸組成物が質量比4:5のグリシンおよびヒスチジンの組合せである点のみであり、かつアミノ酸組成物の添加量をそのまま維持し、他の成分が実施例1と一致する。
【0071】
実施例8
本実施例は、完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を提供する。前記防しわ組成物の成分と実施例1との相違点は、前記アミノ酸組成物が質量比4:3:5のセリン、ロイシン、グルタミン酸の組合せである点のみであり、かつアミノ酸組成物の添加量をそのまま
維持し、他の成分が実施例1と一致する。
【0072】
比較例1
本実施例は、完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を提供する。前記防しわ組成物の成分と実施例1との相違点は、完全ヒト型コラーゲンを含まず、かつ完全ヒト型コラーゲンの添加量をアミノ酸組成物、アセチルヘキサペプチド-8およびジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドに比例配分する点のみであり、他の成分が実施例1と一致する。
【0073】
比較例2
本実施例は、完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を提供する。前記防しわ組成物の成分と実施例1との相違点は、アミノ酸組成物を含まず、かつアミノ酸組成物の添加量を完全ヒト型コラーゲン、アセチルヘキサペプチド-8およびジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドに比例配分する点のみであり、他の成分が実施例1と一致する。
【0074】
比較例3
本実施例は、完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を提供する。前記防しわ組成物の成分と実施例1との相違点は、アセチルヘキサペプチド-8を含まず、かつアセチルヘキサペプチド-8の添加量を完全ヒト型コラーゲン、アミノ酸組成物およびジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドに比例配分する点のみであり、他の成分が実施例1と一致する。
【0075】
比較例4
本実施例は、完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を提供する。前記防しわ組成物の成分と実施例1との相違点は、ジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドを含まず、かつジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドの添加量を完全ヒト型コラーゲン、アセチルヘキサペプチド-8およびアミノ酸組成物に比例配分する点のみであり、他の成分が実施例1と一致する。
【0076】
適用例1
本適用例は、完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンスを提供する。前記防しわエッセンスの成分は、重量部でグリセリン5部、1,3-ブタンジオール4部、ヒアルロン酸ナトリウム0.1部、グリチルリチン酸ジカリウム0.1部、EDTA二ナトリウム0.03部、グリセリンポリアクリレート1部、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP共重合体0.4部、ジ(ラウラミドグルタミド)リジンナトリウム0.1部、1,2-ヘキサンジオール0.20部、カプリリルグリコール0.15部、1,2-ペンタンジオール4部、実施例1に提供される完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物21部、脱イオン水63.92部を含む。
【0077】
前記完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンスの調製方法は、以下のステップを含む。
【0078】
(1)1,3-ブタンジオール、ヒアルロン酸ナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、EDTA二ナトリウム、グリセリンポリアクリレート、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP共重合体および脱イオン水を水相ポットに投入し、混合させ、85℃に昇温し、600rpmで20min均質化して、A相を得た。
【0079】
(2)グリセリン、ジ(ラウラミドグルタミド)リジンナトリウムを600rpmで混合させ、25min均質化して、B相を得た。
【0080】
(3)1,2-ヘキサンジオール、カプリリルグリコールおよび1,2-ペンタンジオールを、600rpmで混合させ、15min均質化して、C相を得た。
【0081】
(4)A相を乳化ポットに投入し、-0.03MPaの真空圧力、200rpmで3min均質化し、45℃に降温した後、順次に、B相、C相、実施例1における完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を投入し、20min撹拌混合し、均一になった後、25℃まで冷却させて、前記完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンスを得た。
【0082】
適用例2
本適用例は、完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンスを提供する。前記防しわエッセンスと適用例1との相違点は、前記完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物が実施例2に提供される完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物である点のみである。
【0083】
前記完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンスの調製方法は、以下のステップを含む。
【0084】
(1)1,3-ブタンジオール、ヒアルロン酸ナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、EDTA二ナトリウム、グリセリンポリアクリレート、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP共重合体および脱イオン水を水相ポットに投入し、混合させ、85℃に昇温し、600rpmで20min均質化して、A相を得た。
【0085】
(2)グリセリン、ジ(ラウラミドグルタミド)リジンナトリウムを、600rpmで混合させ、25min均質化して、B相を得た。
【0086】
(3)1,2-ヘキサンジオール、カプリリルグリコールおよび1,2-ペンタンジオールを、600rpmで混合させ、15min均質化して、C相を得た。
【0087】
(4)A相を乳化ポットに投入し、-0.03MPa真空圧力、200rpmで3min均質化し、45℃に降温した後、順次にB相、C相、実施例2における完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を投入し、20min撹拌混合し、均一になった後、25℃まで冷却させて、前記完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンスを得た。
【0088】
適用例3
本適用例は、完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンスを提供する。前記防しわエッセンスと適用例1との相違点は、前記完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物が実施例3に提供される完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物である点のみである。
【0089】
前記完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンスの調製方法は、以下のステップを含む。
【0090】
(1)1,3-ブタンジオール、ヒアルロン酸ナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、EDTA二ナトリウム、グリセリンポリアクリレート、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP共重合体および脱イオン水を水相ポットに投入し、混合させ、85℃に昇温し、600rpmで20min均質化して、A相を得た。
【0091】
(2)グリセリン、ジ(ラウラミドグルタミド)リジンナトリウムを、600rpmで混合させ、25min均質化して、B相を得た。
【0092】
(3)1,2-ヘキサンジオール、カプリリルグリコールおよび1,2-ペンタンジオールを、600rpmで混合させ、15min均質化して、C相を得た。
【0093】
(4)A相を乳化ポットに投入し、-0.03MPa真空圧力、200rpmで3min均質化し、45℃に降温した後、順次にB相、C相、実施例3における完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を投入し、20min撹拌混合し、均一になった後、25℃まで冷却させて、前記完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンスを得た。
【0094】
適用例4~8
これらの適用例は、5種類の防しわエッセンスを提供し、適用例1との相違点は、実施例1における完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を等量で実施例4~8に提供される完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物に置き換える点のみであり、他の成分および含有量がそのまま維持する。調製方法は、適用例1と同様である。
【0095】
適用例9
本適用例は、完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンスを提供する。前記防しわエッセンスと適用例1との相違点は、前記エモリエントが1,2-ヘキサンジオールとカプリリルグリコールとの組成物である点のみであり、かつエモリエントの添加量をそのまま維持し、1,2-ヘキサンジオールとカプリリルグリコールの質量比が適用例1と一致し、他の成分および含有量がそのまま維持する。調製方法は、適用例1と同様である。
【0096】
適用例10
本適用例は、完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンスを提供する。前記防しわエッセンスと適用例1との相違点は、前記エモリエントが1,2-ヘキサンジオールと1,2-ペンタンジオールの組成物である点のみであり、かつエモリエントの添加量をそのまま維持し、1,2-ヘキサンジオールと1,2-ペンタンジオールの質量比が適用例1と一致し、他の成分および含有量がそのまま維持する。調製方法は、適用例1と同様である。
【0097】
適用例11
本適用例は、完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンスを提供する。前記防しわエッセンスと適用例1との相違点は、前記エモリエントが1,2-ペンタンジオールとカプリリルグリコールの組成物である点のみであり、かつエモリエントの添加量をそのまま維持し、1,2-ペンタンジオールとカプリリルグリコールの質量比が適用例1と一致し、他の成分および含有量がそのまま維持する。調製方法は、適用例1と同様である。
【0098】
比較適用例1~4
これらの比較適用例は、4種類の防しわエッセンスを提供する。適用例1との相違点は、実施例1における完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を等量で、それぞれ、比較例1~4に提供される完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物に置き換える点のみであり、他の成分および含有量がそのまま維持する。調製方法は、適用例1と同様である。
【0099】
比較適用例5
本比較適用例は、防しわエッセンスを提供する。適用例1との相違点は、成分に前記完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物を含まず、その減少量を脱イオン水によって十分に補足する点のみであり、他の成分および含有量がそのまま維持する。調製方法は、適用例1と同様である。
【0100】
[試験例1]
酸化防止効果の研究-DPPHラジカル消去試験
正確にDPPH試薬47.7mgを秤量し、100mlの茶色のメスフラスコにメスアップした。そのうちの5mlを取り、無水エタノールで50mlの茶色のメスフラスコにメスアップし、DPPH試験液(47.7mg/L)を得た。それぞれ、2mLのDPP
H試験液を取り出し、表1に示すとおりに、それぞれ0.1mLの実施例1~8および比較例1~4で調製された防しわ組成物を添加してから、その総質量が等しいように適量の無水エタノールを添加する。十分に混合させた後、暗所で30min静置した。無水エタノールをブランクとして、その吸光度を517nmで測定し、ビタミンCを対照として、DPPH消去率(%)=[1-(As-Ar)/A0]×100%という式で各抽出液のDPPHに対する消去率を算出した。
【0101】
式中:As-抽出液とDPPHとの反応系の吸光度;Ar-抽出液-無水エタノールの吸光度;A0-ブランクとしての無水エタノールの吸光度。
【0102】
【0103】
DPPHラジカル消去率は、ある程度でその酸化防止能力を反映し、その消去率が高いほど、その酸化防止程度が良くなり、老衰防止効果もよくなることを示す。そのため、エッセンスのDPPHラジカルに対する消去能力についての研究により、その老衰防止効果を判断することができる。ビタミンCは、化粧品業界で公認されている高効率な酸化防止剤であり、今回の試験では、ビタミンCを対照として、その酸化防止能力を考察した。その結果を表2に示す。
【0104】
【0105】
表2から分かるように、実施例1~8および比較例1~4は、DPPHに対していずれもよい消去効果を有し、消去率がいずれも60%以上である。そのうち、実施例1は、消去率が比較例1~4よりも高いので、組成物の酸化防止能力がより良いことを示した。ただし、完全ヒト型コラーゲン、アミノ酸組成物、アセチルヘキサペプチド-8およびジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドは、酸化防止効果上で互いに促進し、予想外の相乗効果を有し、成分の配合の合理性を検証した。そして、実施例1~3は陽性対照であるビタミンCと比べて消去率がやや低くて極めて近いというのは、本発明に係る防しわ組成物は、良好なラジカル消去・酸化防止効果を有するとともに、組成物がビタミンCに近い酸化防止能力を有し、酸化防止効果がよいことを示した。
【0106】
[試験例2]
皮膚の改善・引き締めの試験
適用例1~11および比較適用例1~5で調製された防しわエッセンス組合せに対して、皮膚の引き締め効果を評価した。
【0107】
160人の20~45歳の被験者をランダムに選択し、各群10人で16群に分けた。16群の被験者は、それぞれ適用例1~11および比較適用例1~5で調製された防しわエッセンス(朝晩1回ずつ)を使用し、30日間持続した。被験者は、試験期間で他の皮膚弾性を維持するものおよび結果の判定に影響する化粧品を使用してはいけなく、試験期間で従来の飲食習慣を変更しなかった。
【0108】
皮膚弾性測定装置CutometerMPA580を用いてそれぞれ、0日目および3
0日目の皮膚状態を測定した。試験部位は、頬部である。測定時に、プローブは同一の試験領域に3回繰り返して測定し、平均値を取った。試験パラメータは、R2(負圧がない場合の皮膚の弾力量Uaと負圧がある場合の最大伸び量Ufとの比)であり、R2が1に近いほど、皮膚の弾性が良くなり、R2平均変化値=30日目のR2値-0日目のR2値、R2平均変化率=R2平均変化値/0日目のR2値である。具体的な皮膚弾性の試験結果を表3に示す。
【0109】
【0110】
その結果、本発明に係る防しわエッセンスは、良好な皮膚の引き締め効果を有し、そのうちの完全ヒト型コラーゲン、アミノ酸組成物、アセチルヘキサペプチド-8およびジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドは、酸化防止効果上で互いに促進し、予想外の相乗効果を有し、且つエモリエントの種類により、エッセンスによる皮膚の引き締め効果にも影響を与えた。
【0111】
[試験例3]
皮膚のしわを改善する試験
試験方法は、具体的に以下の通りである。
【0112】
年齢30~40際の皮膚が老衰した女性を160人選択し、ランダムに16群に分け、1群当たり10人であり、それぞれ適用例1~11および比較適用例1~5における防しわエッセンスを用いた。被験者は、連続的に使用する必要があり、毎日朝晩2回で顔面に塗り、連続して90日間試用し、かつ試験の30日目(D30)および90日目(D90)に再訪問することが要求された。同一の被験者に対しては、同一の測定人員により、顔面のしわの数および長さを統計し、評価標準に基づいて皮膚のしわの改善状況を統計した。
【0113】
評価標準:
10点:しわがないこと。
7~9点:2~3本のしわがあり、長さが1.5cmよりも小さいこと。
4~6点:3~6本のしわがあり、長さが3cmよりも小さいこと。
1~3点:複数本の主しわがあり、長さが4cmよりも大きい、浅いしわも伴うこと。
【0114】
試験結果を表4に示す。
【0115】
【0116】
【0117】
その結果、適用例1~3から分かるように、本発明に係る防しわエッセンスは、良好なしわ除去効果を有した。適用例4から分かるように、サフラン花抽出物を添加した後、前記エッセンスのしわ除去効果をより一層向上させることができる。比較適用例1~4から分かるように、本発明に係る完全ヒト型コラーゲン、アミノ酸組成物、アセチルヘキサペプチド-8およびジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドは、しわ除去効果
上で互いに促進し、予想外の相乗効果を有する。比較適用例5から分かるように、エッセンスに完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物が欠如すると、そのしわ除去効果が明らかに悪くなった。
【0118】
[試験例4]
安全性の評価試験
【0119】
安全性の評価
具体的な方法は、以下の通りである。年齢が18~35際の、アレルギー歴がない女性を40人選択した。各被験者はすべての実施例1~8で調製された防しわ組成物を試用した。被験者の背部を洗浄した後、サンプルを加えたパッチテスト装置を、無刺激テープで背部の指定位置に貼り合せた。貼り合せた後、指で軽く押圧してそれを均一に皮膚に貼り、48h持続した。被験者は、48h内でパッチ部位を乾燥に維持し、激しく運動すること、パッチテスト部位を掻くこと、長時間での日照などを回避する必要がある。48h後、テスト装置を外してマークを付けた。30min後、圧痕が消えた後、十分なライトで判定を行った。
【0120】
皮膚の不良反応レベル標準を、表5に示す。
【0121】
【0122】
結果を表6に示す。
【0123】
【0124】
表6のデータから分かるように、被験者は、いずれも陰性反応であるので、本発明に係る完全ヒト型コラーゲン含有防しわエッセンスは、皮膚に対して刺激がなく、陽性反応がないことが判定されており、本発明に係る製品は、より安全で、温和であることを示した。
【0125】
本発明は、上記実施例によって本発明の完全ヒト型コラーゲン含有防しわ組成物およびその使用を説明したが、本発明は上記実施例に限られるものではなく、即ち、本発明は上記実施例によって実施しなければならないものではないと出願人は声明する。当業者にとって、本発明に対する如何なる改良、本発明製品の各原料に対する等価置換および補助成分の追加、具体的な実施形態の選択等はいずれも本発明の保護範囲および開示範囲に入ることが明瞭である。
【0126】
以上、本発明の好適な実施形態を詳しく説明したが、本発明は、上記実施形態における具体的なディテールに限定されないものである。本発明の技術的構想範囲内で、本発明の技術案に対して複数種の簡単な変形を行うことができ、これらの簡単な変形は、すべて本発明の保護範囲に属するものである。
【0127】
なお、上記の具体的な実施形態に記載された各具体的な技術的特徴は、矛盾しない場合、任意の適切な形態で組み合わせることができる。不必要な繰り返しを回避するために、本発明では、別途に各種の可能な組合せ形態について説明しない。