(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】電子デバイスおよびアンテナ構造体
(51)【国際特許分類】
H01Q 7/00 20060101AFI20241217BHJP
H04B 5/26 20240101ALI20241217BHJP
【FI】
H01Q7/00
H04B5/26
(21)【出願番号】P 2023502831
(86)(22)【出願日】2021-07-07
(86)【国際出願番号】 CN2021105035
(87)【国際公開番号】W WO2022012391
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-02-20
(31)【優先権主張番号】202010684519.1
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲漢▼▲陽▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲チェン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲聶▼ 成成
(72)【発明者】
【氏名】李 肖峰
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-130028(JP,A)
【文献】特開2012-019302(JP,A)
【文献】特開2013-090172(JP,A)
【文献】特開2018-170838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 7/00
H04B 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低周波処理モジュールと、高周波処理モジュールと、コイルと、少なくとも1つのキャパシタとを含む電子デバイスであって、
前記低周波処理モジュールは、前記コイルの2つの端部に電気的に接続され、
前記高周波処理モジュールは、前記コイルの前記2つの端部に電気的に接続され、
前記少なくとも1つのキャパシタの各々は、前記コイルに並列接続され、
前記少なくとも1つのキャパシタの各々の一端は、前記コイルの外輪にて前記コイルに電気的に接続され、前記少なくとも1つのキャパシタの各々の他端は前記コイルの内輪にて前記コイルに電気的に接続され、前記外輪は、前記内輪に対して軸方向に外側に
あり、
前記コイルと前記少なくとも1つのキャパシタとが低周波モードで動作するとき、前記少なくとも1つのキャパシタが開回路状態であり、前記コイルと前記少なくとも1つのキャパシタとが高周波モードで動作するとき、前記少なくとも1つのキャパシタが短絡状態である、
電子デバイス。
【請求項2】
前記電子デバイスは、
第1のローパスフィルタと、第2のローパスフィルタと、第1のハイパスフィルタと、第2のハイパスフィルタとをさらに含み、
前記第1のローパスフィルタは、前記低周波処理モジュールと前記コイルの第1の端部との間に配置され、前記第2のローパスフィルタは、前記低周波処理モジュールと前記コイルの第2の端部との間に配置され、前記第1のローパスフィルタは、前記低周波処理モジュールと前記コイルとに電気的に接続され、前記第2のローパスフィルタは、前記低周波処理モジュールと前記コイルとに電気的に接続され、
前記第1のハイパスフィルタは、前記高周波処理モジュールと前記コイルの前記第1の端部との間に配置され、前記第2のハイパスフィルタは、前記高周波処理モジュールと前記コイルの前記第2の端部との間に配置され、前記第1のハイパスフィルタは、前記高周波処理モジュールと前記コイルとに電気的に接続され、前記第2のハイパスフィルタは、前記高周波処理モジュールと前記コイルとに電気的に接続される、請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記低周波処理モジュールは、無線充電の電気信号を処理するように構成される、請求項1または2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記高周波処理モジュールは、データ送信の電気信号を処理するように構成される、請求項3に記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記低周波処理モジュールは、近距離無線通信NFCの電気信号を処理するように構成される、請求項1または2に記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記高周波処理モジュールは、ワイヤレスフィデリティWiFi周波数帯域の電気信号を処理するように構成される、請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つのキャパシタの各々の容量値は、0.5pF~5pFである、請求項1から6のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つのキャパシタの各々の容量値は、1pFである、請求項7に記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つのキャパシタの各々は、分布定数型キャパシタまたは集中定数型キャパシタである、請求項1から8のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記電子デバイスは、
第1のアンテナユニットをさらに含み、前記第1のアンテナユニットの動作周波数帯域は、セルラネットワークの少なくとも1つの周波数帯域をカバーする、請求項1から9のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項11】
前記電子デバイスは、
第2のアンテナユニットをさらに含み、前記第2のアンテナユニットの動作周波数帯域は、WiFi周波数帯域をカバーする、請求項1から9のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項12】
前記外輪は、前記コイルの最外輪であり、前記内輪は、前記コイルの最内輪である、請求項1から11のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項13】
前記コイルの平面サイズは、80mm×80mm以下である、請求項1から12のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項14】
平面形状のコイルと少なくとも1つのキャパシタとを含むアンテナ構造体であって、
前記少なくとも1つのキャパシタの各々は、前記コイルに並列接続され、
前記少なくとも1つのキャパシタの各々の一端は、前記コイルの外輪にて前記コイルに電気的に接続され、
前記少なくとも1つのキャパシタの各々の他端は、前記コイルの内輪にて前記コイルに電気的に接続され、
前記外輪は、前記内輪に対して軸方向に外側に
あり、
前記アンテナ構造体が低周波モードで動作するとき、前記少なくとも1つのキャパシタが開回路状態であり、前記アンテナ構造体が高周波モードで動作するとき、前記少なくとも1つのキャパシタが短絡状態である、
アンテナ構造体。
【請求項15】
前記コイルは、無線充電コイルまたは低周波通信コイルである、請求項14に記載のアンテナ構造体。
【請求項16】
前記低周波通信コイルは、近距離無線通信NFCコイルである、請求項15に記載のアンテナ構造体。
【請求項17】
前記少なくとも1つのキャパシタの各々の容量値は、0.5pF~5pFである、請求項14に記載のアンテナ構造体。
【請求項18】
前記少なくとも1つのキャパシタの各々の前記容量値は、1pFである、請求項17に記載のアンテナ構造体。
【請求項19】
前記コイルの平面サイズは、80mm×80mm以下である、請求項14から18のいずれか一項に記載のアンテナ構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年7月16日に中国国家知識産権局に出願された「電子デバイスおよびアンテナ構造体」と題する中国特許出願第202010684519.1号の優先権を主張するものであり、同中国特許出願は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0002】
本出願は、無線通信分野に関し、特に、電子デバイスおよびアンテナ構造体に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、屋外に位置する顧客敷地機器(customer premise equipment、CPE)は通常、基地局によって送信されるセルラネットワーク信号を、パワーオーバーイーサネット(power over ethernet、PoE)ネットワークケーブルを使用して屋内へ送信する必要がある。PoEネットワークケーブルは窓または壁を通過する必要があり、それ故、ケーブルを配置して引き回すことは比較的困難である。ユーザの窓の隙間が小さい場合や、壁に配置された借用できる穴がない場合には、専門的な技術的設置作業や穴開けが必要であり、設置費用は高い。本出願は、PoEネットワークケーブルが窓または壁を通過する従来の解決策に取って代わる無線データ送信解決策を提供し、それにより、ケーブルが窓および壁を通過する必要があるために必要となる穴開け手順を回避し、ユーザーエクスペリエンスを効果的に向上させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願の実施形態は、内蔵コイルを使用して電子デバイス上で低周波および高周波信号送信を同時に実施するために、電子デバイスおよびアンテナ構造体を提供する。コイルを多重化することにより、CPEシナリオでは、コイルが電力を送信している間にデータ送信を行うことができるため、無線データ送信が実現し、ケーブルが窓および壁を通過する必要があるために必要となる穴開け手順は回避される。加えて、コイルの多重化は、電子デバイス内のアンテナ数を効果的に減らすことができるため、電子デバイスの小型化に寄与する。
【0005】
第1の態様によると、低周波処理モジュールと、高周波処理モジュールと、コイルと、少なくとも1つのキャパシタとを含む電子デバイスが提供される。低周波処理モジュールは、コイルの2つの端部に電気的に接続される。高周波処理モジュールは、コイルの2つの端部に電気的に接続される。少なくとも1つのキャパシタの各々は、コイルに並列接続される。コイルに並列接続されるキャパシタの数が増えるにつれて、コイルの内輪と外輪との間の電圧が同じになる傾向が強まり、したがって、コイルの放射性能がより良好になることを理解されたい。
【0006】
本出願の本実施形態の技術的解決策によると、キャパシタが高周波数で短絡され、低周波数で短絡される特性を利用することにより、コイルと少なくとも1つのキャパシタとを含むアンテナ構造体は、高周波数と低周波数で同時に動作できる。加えて、高周波処理モジュールと低周波処理モジュールは、コイルが2つの周波数で動作するときに使用される信号をそれぞれ処理するので、電子デバイスは異なる電気信号を同時に処理でき、電子デバイス内のアンテナの数を効果的に減らすことができ、電子デバイスの小型化に寄与する。
【0007】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、電子デバイスは、第1のローパスフィルタと、第2のローパスフィルタと、第1のハイパスフィルタと、第2のハイパスフィルタとをさらに含む。第1のローパスフィルタと第2のローパスフィルタは、低周波処理モジュールとコイルの2つの端部との間にそれぞれ配置される。第1のローパスフィルタは、低周波処理モジュールとコイルとに電気的に接続される。第2のローパスフィルタは、低周波処理モジュールとコイルとに電気的に接続される。第1のハイパスフィルタと第2のハイパスフィルタは、高周波処理モジュールとコイルの2つの端部との間にそれぞれ配置される。第1のハイパスフィルタは、高周波処理モジュールとコイルとに電気的に接続される。第2のハイパスフィルタは、高周波処理モジュールとコイルとに電気的に接続される。
【0008】
本出願の本実施形態の技術的解決策によると、ハイパスフィルタとローパスフィルタとを通じて高周波チャネルと低周波チャネルとを区別できる。コイルと少なくとも1つのキャパシタとを含むアンテナ構造体が低周波モードで動作する場合には、アンテナ構造体と高周波処理モジュールとの間にハイパスフィルタが配置され、アンテナ構造体は低周波数で開回路になるため、高周波処理モジュールへの低周波電気信号のクロストークを防止できる。アンテナ構造体が高周波モードで動作する場合には、アンテナ構造体と低周波処理モジュールとの間にローパスフィルタが配置され、アンテナ構造体は高周波数で開回路になるため、低周波処理モジュールへの高周波電気信号のクロストークを防止できる。ハイパスフィルタとローパスフィルタを電子デバイスに加えることで、信号干渉の問題を効果的に軽減できる。
【0009】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、低周波処理モジュールは、無線充電の電気信号を処理するように構成される。
【0010】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、高周波処理モジュールは、データ送信の電気信号を処理するように構成される。
【0011】
本出願の本実施形態の技術的解決策によると、電子デバイスはCPEとして使用できる。例えば、CPEは、屋外に位置する第1の電子デバイスと屋内に位置する第2の電子デバイスとを含み得、第1の電子デバイスと第2の電子デバイスは、上記の電子デバイスのうちのいずれか1つである。屋内に位置する第2の電子デバイスは、コイルを通じて第1の電子デバイスに電力を供給でき、同時に、第1の電子デバイスは、受信したセルラネットワーク信号のデータをコイルを通じて第2の電子デバイスへ送信することもできる。第1の電子デバイスのコイルと第2の電子デバイスのコイルとの無線送信により、PoEネットワークケーブルが窓または壁を通過することを防ぐことができ、専門的な技術的設置作業と穴開けの必要性は解消されため、ユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させることができる。
【0012】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、低周波処理モジュールは、近距離無線通信NFCの電気信号を処理するように構成される。
【0013】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、高周波処理モジュールは、ワイヤレスフィデリティWiFi周波数帯域の電気信号を処理するように構成される。
【0014】
本出願の本実施形態による技術的解決策は、ユーザ機器にも適用できる。屋内ユーザ機器がWiFi信号源の一定の範囲内にあるときには、ユーザ機器がNFCを通じてWiFiパスワードを得ることができるため、より便利であり、ユーザーエクスペリエンスの向上に寄与する。
【0015】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、少なくとも1つのキャパシタの各々の容量値は、0.5pF~5pFである。
【0016】
本出願の本実施形態の技術的解決策によると、少なくとも1つのキャパシタの各々の容量値は、実際の設計または製造のニーズに基づいて調整できる。キャパシタの容量値は異なっていてもよく、または同じであってもよい。
【0017】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、少なくとも1つのキャパシタの各々の容量値は、1pFである。
【0018】
本出願の本実施形態の技術的解決策によると、少なくとも1つのキャパシタの各々の容量値は、実際の設計または製造のニーズに基づいて調整できる。
【0019】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、少なくとも1つのキャパシタの各々は、分散型キャパシタまたは集中型キャパシタである。
【0020】
本出願の本実施形態の技術的解決策によると、キャパシタが分散型キャパシタである場合は、キャパシタの容量値がアンテナ構造体によって放射される周波数によって異なり得るため、アンテナ構造体により良好な整合を提供できる。キャパシタが集中型キャパシタである場合は、キャパシタの体積がより小さいため、アンテナ構造体の小型化に寄与する。
【0021】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、電子デバイスは、第1のアンテナユニットをさらに含み、第1のアンテナユニットの動作周波数帯域は、セルラネットワークの少なくとも1つの周波数帯域をカバーする。
【0022】
本出願の本実施形態の技術的解決策によると、第1のアンテナユニットは、ネットワークデバイスによって送信されるセルラネットワーク信号を受信し、かつコイルと少なくとも1つのキャパシタとによって形成されたアンテナ構造体を使用して別の電子デバイスへ信号を送信するように構成されてよい。
【0023】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、電子デバイスは、第2のアンテナユニットをさらに含み、第2のアンテナユニットの動作周波数帯域は、WiFi周波数帯域をカバーする。
【0024】
本出願の本実施形態の技術的解決策によると、第2のアンテナユニットは、コイルと少なくとも1つのキャパシタとによって形成されたアンテナ構造体によって受信され、かつ高周波処理モジュールによって処理される電気信号を、WiFi信号に変換するように構成されてよい。
【0025】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、少なくとも1つのキャパシタの各々の一端は、コイルの最外輪にてコイルに電気的に接続され、他端は、コイルの最内輪にてコイルに電気的に接続される。
【0026】
本出願の本実施形態の技術的解決策によると、キャパシタがコイルの最内側と最外側との間に並列接続される場合に、キャパシタが短絡状態にあると、コイルの最外輪と最内輪との間で伝導が実現されるため、コイルが通信アンテナとして使用される場合は、コイルの放射面積が増し、コイルの放射性能がより良好になる。
【0027】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、コイルの平面サイズは、80mm×80mm以下である。
【0028】
本出願の本実施形態の技術的解決策によると、前述の電子デバイス内のコイルのサイズは、実際の設計または製造のニーズに基づいて調整できる。
【0029】
第2の態様によると、コイルと少なくとも1つのキャパシタとを含むアンテナ構造体が提供される。少なくとも1つのキャパシタの各々は、コイルに並列接続される。
【0030】
第2の態様を参照し、第2の態様のいくつかの実装において、コイルは、無線充電コイルまたは低周波通信コイルである。
【0031】
第2の態様を参照し、第2の態様のいくつかの実装において、低周波通信コイルは近距離無線通信NFCコイルである。
【0032】
第2の態様を参照し、第2の態様のいくつかの実装において、少なくとも1つのキャパシタの各々の容量値は、0.5pF~5pFである。
【0033】
第2の態様を参照し、第2の態様のいくつかの実装において、少なくとも1つのキャパシタの各々の容量値は、1pFである。
【0034】
第2の態様を参照し、第2の態様のいくつかの実装において、コイルの平面サイズは、80mm×80mm以下である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本出願の一実施形態に適用可能な移動通信システムのアーキテクチャの概略図である。
【
図2】本出願の一実施形態によるアンテナ構造体の概略図である。
【
図3】本出願の一実施形態による電子デバイスの構造の概略図である。
【
図4】本出願の一実施形態による電子デバイスの適用シナリオの概略図である。
【
図5】キャパシタがコイルに並列接続されない場合のSパラメータシミュレーションの概略図である。
【
図6】キャパシタがコイルに並列接続される場合のSパラメータシミュレーションの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付の図面を参照しながら本出願の技術的解決策を説明する。
【0037】
図1は、本出願の一実施形態に適用可能な移動通信システムのアーキテクチャの概略図である。
【0038】
図1に示されているように、移動通信システム100は、少なくとも1つのネットワークデバイス101と、少なくとも1つのCPE 102と、少なくとも1つのユーザ機器(user equipment、UE)103とを含み得る。
図1は概略図にすぎず、通信システムは、
図1に示されていない無線リレーデバイスや無線バックホールデバイスといった他のネットワークデバイスをさらに含み得る。本出願の本実施形態は、移動通信システムに含まれるネットワークデバイスおよびUEの数および具体的なタイプを限定しない。
【0039】
本出願の本実施形態におけるUE 103は、携帯電話機、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、スマートバンド、スマートウォッチ、スマートヘルメット、またはスマートグラスなどであってよい。電子デバイスは、代わりに、セルラ電話機、コードレス電話機、セッション開始プロトコル(session initiation protocol、SIP)電話機、無線ローカルループ(wireless local loop、WLL)ステーション、個人用デジタル補助装置(personal digital assistant、PDA)、無線通信機能を有するハンドヘルドデバイス、計算デバイス、無線モデムに接続された別の処理デバイス、車載デバイス、5Gネットワークにおける電子デバイス、または将来の進化した公共陸上移動体ネットワーク(public land mobile network、PLMN)における電子デバイスなどであってもよい。これは、本出願の実施形態で限定されない。本出願で提供される技術的解決策は、以下の通信技術、すなわち、ブルートゥース(Bluetooth、BT)通信技術、全地球測位システム(global positioning system、GPS)通信技術、ワイヤレスフィデリティ(wireless fidelity、WiFi)通信技術、移動通信用グローバルシステム(global system for mobile communications、GSM)通信技術、広帯域符号分割多元接続(wideband code division multiple access、WCDMA)通信技術、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)通信技術、5G通信技術、および将来の別の通信技術のうちのいずれか1つ以上を使用するUE 103に適用可能である。
【0040】
本出願の本実施形態におけるネットワークデバイス101は、端末デバイスと通信するように構成されたデバイスであってよく、ネットワークデバイスは、GSMシステムまたは符号分割多元接続(code division multiple access、CDMA)のネットワークデバイス(base transceiver station、BTS)であってよく、またはWCDMAシステムのネットワークデバイス(nodeB、NB)であってもよく、またはLTEシステムの進化型ネットワークデバイス(evolutional nodeB、eNBまたはeNodeB)であってもよい。あるいは、ネットワークデバイスは、中継局、アクセスポイント、車載デバイス、ウェアラブルデバイス、将来の5Gネットワークのネットワークデバイス(new generation nodeB、gNBまたはgNodeB)または将来の進化型PLMNネットワークのネットワークデバイス、および第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd generation partnership project、3GPP)プロトコルバージョンをサポートする後のネットワークデバイスであってもよい。これは、本出願の本実施形態で限定されない。
【0041】
CPE 102が、ネットワークデバイス101によって送信されるセルラネットワーク信号を受信し、かつセルラネットワーク信号をユーザ機器103へ送信することによって、ユーザ機器103をインターネットに接続できることを理解されたい。例えば、CPE 102は、ユーザ機器103をインターネットに接続するために、ネットワークデバイス101によって送信される2G/3G/4G/5G信号をWiFi信号に変換できる。
【0042】
しかしながら、従来の技術的解決策では、CPE 102は通常屋外に位置し、PoEネットワークケーブルを通じて屋内ユーザ機器103に信号を送信する。PoEネットワークケーブルは窓または壁を通過する必要があり、それ故、ケーブルを配置して引き回すことは比較的困難である。ユーザの窓の隙間が小さい場合や、借用できる穴が壁にない場合には、専門的な技術的設置作業や穴開けが必要であり、設置費用は高い。
【0043】
本出願は、前述のシナリオに適用でき、かつネットワークデバイスによって送信されるセルラネットワーク信号を屋外から屋内へ無線送信できる電子デバイスを提供する。したがって、PoEネットワークケーブルが窓または壁を通過する必要はなく、専門的な技術的設置作業と穴開けの必要性は解消される。これは、ユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させることができる。
【0044】
図2は、本出願の一実施形態によるアンテナ構造体の概略図であり、このアンテナ構造体は、
図1に示されているシナリオでCPEまたはUEに適用され得る。
【0045】
図2に示されているように、アンテナ構造体200は、コイル210と少なくとも1つのキャパシタ220とを含み得る。
【0046】
キャパシタ220は、コイル210に並列接続され得る。並列接続は、キャパシタ220の一端がコイル210の外輪にてコイル210に電気的に接続され、キャパシタ220の他端がコイル210の内輪にてコイル220に電気的に接続されている状態であると、すなわち、キャパシタ220がコイル210に並列接続されている状態であると、理解できる。
【0047】
任意に選べることとして、コイル210の外輪は、コイル210の最外コイル層であってよく、または最外コイル層に隣接するいくつかのコイル層のうちのいずれか1つであってもよい。これは、実際の設計またはシミュレーションに基づいて選択できる。コイル220の内輪も相応に理解できることを理解されたい。加えて、外輪と内輪は相対的な概念であり、具体的に述べると、外輪は、内輪が位置する場所の軸方向に外側にあればよい。
【0048】
本出願の本実施形態のコイル210は、従来の設計に、並列に配置された少なくとも1つのキャパシタ220を加えることによって得られる。
【0049】
アンテナ構造体200が低周波モードで動作するときに、コイル210に並列接続されたキャパシタ220は開回路状態にあり、並列接続されたキャパシタ220はコイル210の通常動作に影響を与えない。通常、低周波モードが100MHz未満であることは理解され得る。例えば、低周波モードで動作するコイル210は、無線充電コイルまたは近距離無線通信(near field communication、NFC)コイルであってよい。コイル210が無線充電コイルである場合、低周波モードにおけるアンテナ構造体200の動作周波数は数十kHzである。コイル210がNFCコイルである場合、低周波モードにおけるアンテナ構造体200の動作周波数は13.6MHzである。
【0050】
アンテナ構造体200が高周波モードで動作する場合は、コイル210に並列接続されたキャパシタ220が短絡状態となるため、コイル210の内輪と外輪との伝導を確保できる。この場合、コイル210の内輪と外輪との間の電圧は平衡され、コイル210全体をエンティティとして使用でき、高周波モードで動作する放射体として使用でき、良好な放射特性を有する。通常、高周波モードが1GHzを上回ることは理解され得る。例えば、高周波モードで動作するコイル210は、2G/3G/4G/5G関連の周波数帯域で動作でき、または2.4GHzもしくは5GHzのWiFi周波数帯域で動作できる。
【0051】
コイル210に並列接続されるキャパシタ220の数が増えるにつれて、コイル210の内輪と外輪との間の電圧が同じになる傾向が強まり、したがって、コイルの放射性能がより良好になることを理解されたい。コイル210に並列接続されるキャパシタ220の数は、実際の設計またはシミュレーションに基づいて決定できる。
【0052】
任意に選べることとして、コイル210の第1の端部201および第2の端部202は、電気信号を送信するために、電子デバイスのフロントエンド回路に電気的に接続されてよい。例えば、コイル210が無線充電コイルである場合、第1の端部201および第2の端部202は、電子デバイス内の無線充電モジュールに電気的に接続されてよい。あるいは、コイル210が高周波通信アンテナである場合、第1の端部201は、電子デバイス内の無線周波数モジュールに電気的に接続されてよく、第2の端部202は、電子デバイス内の基準接地に電気的に接続されてよい。
【0053】
任意に選べることとして、キャパシタ220の容量値は、0.5pF~5pFであってよい。
【0054】
任意に選べることとして、キャパシタ220の容量値は、1pFであってよい。キャパシタ220の容量値が、実際の設計またはシミュレーションに基づいて選択できることを理解されたい。これは本出願で限定されない。
【0055】
任意に選べることとして、キャパシタ220は、分散型キャパシタまたは集中型キャパシタであってよい。キャパシタ220が分散型キャパシタである場合は、キャパシタ220の容量値がアンテナ構造体によって放射される周波数によって異なり得るため、アンテナ構造体により良好な整合を提供できる。キャパシタ220が集中型キャパシタである場合は、キャパシタ220の体積がより小さいため、アンテナ構造体の小型化に寄与する。
【0056】
任意に選べることとして、コイル210の平面サイズは80mm×80mm以下であるため、アンテナ構造体の小型化に寄与する。
【0057】
図3は、本出願の一実施形態による電子デバイスの構造の概略図である。
【0058】
図3に示されているように、電子デバイスは、低周波処理モジュール310と、高周波処理モジュール320と、アンテナ構造体200とを含み得、アンテナ構造体200は、
図2に示されている前述のアンテナ構造体であってよい。
【0059】
低周波処理モジュール310は、アンテナ構造体200内のコイルの第1の端部201および第2の端部202に別々に電気的に接続されてよい。高周波処理モジュール320は、アンテナ構造体200内のコイルの第1の端部201および第2の端部202に別々に電気的に接続されてよい。低周波処理モジュール310は、アンテナ構造体200内の並列接続されたキャパシタが開回路になっているときに使用される電気信号を処理するように構成でき、具体的には、100MHz未満の周波数を有する電気信号を処理できる。高周波処理モジュール320は、アンテナ構造体200内の並列接続されたキャパシタが短絡されているときに使用される電気信号を処理するように構成でき、具体的には、1GHzより大きい周波数を有する電気信号を処理できる。
【0060】
任意に選べることとして、アンテナ構造体200が高周波モードで動作するときには、高周波処理モジュール320において、アンテナ構造体200は、コイルの第1の端部201にて高周波処理回路に電気的に接続されてよく、コイルの第2の端部202は接地されてよく、第2の端部202と接地との間には整合ネットワークを加えることができる。これは、他の周波数帯域の電流を抑制し、アンテナ構造体の全体的な性能を高めることができる。
【0061】
任意に選べることとして、電子デバイス300は、第1のローパスフィルタ330と、第2のローパスフィルタ340と、第1のハイパスフィルタ350と、第2のハイパスフィルタ360とをさらに含み得る。
【0062】
第1のローパスフィルタ330は、低周波処理モジュール310とアンテナ構造体200内のコイルの第1の端部201との間に配置されてよく、低周波処理モジュール310およびアンテナ構造体200に電気的に接続される。第2のローパスフィルタ340は、低周波処理モジュール310とアンテナ構造体200内のコイルの第2の端部202との間に配置されてよく、低周波処理モジュール310およびアンテナ構造体200に電気的に接続される。第1のハイパスフィルタ350は、低周波処理モジュール310とアンテナ構造体200内のコイルの第1の端部201との間に配置されてよく、低周波処理モジュール310およびアンテナ構造体200に電気的に接続される。第2のハイパスフィルタ360は、低周波処理モジュール310とアンテナ構造体200内のコイルの第2の端部202との間に配置されてよく、低周波処理モジュール310およびアンテナ構造体200に電気的に接続される。
【0063】
本出願の本実施形態で提供される電子デバイスでは、ハイパスフィルタとローパスフィルタとを通じて高周波チャネルと低周波チャネルとを区別できることを理解されたい。アンテナ構造体200が低周波モードで動作する場合には、アンテナ構造体200と高周波処理モジュール320との間にハイパスフィルタが配置され、アンテナ構造体は低周波数で開回路になるため、高周波処理モジュール320への低周波電気信号のクロストークを防止できる。アンテナ構造体200が高周波モードで動作する場合には、アンテナ構造体200と低周波処理モジュール310との間にローパスフィルタが配置され、アンテナ構造体は高周波数で開回路になるため、低周波処理モジュール310への高周波電気信号のクロストークを防止できる。ハイパスフィルタとローパスフィルタを電子デバイスに加えることで、信号干渉の問題を効果的に軽減できる。
【0064】
図4は、本出願の一実施形態による電子デバイスの適用シナリオの概略図である。
【0065】
図1に示されているCPEを、屋内に位置する屋内ユニット(indoor unit、IDU)と屋外に位置する屋外ユニット(outdoor unit、ODU)とに分けることができることを理解されたい。したがって、本出願の本実施形態で提供される電子デバイスは、IDUまたはODUであり得る。
【0066】
図4に示されているように、第1の電子デバイス410と第2の電子デバイス420が障害物の両側にそれぞれ位置し得、第1の電子デバイス410と第2の電子デバイス420は互いに対向して配置される。
【0067】
障害物は、窓であってよく、または壁であってもよい。第1の電子デバイス410と第2の電子デバイス420は、
図3に示されている電子デバイスである。第1の電子デバイス410は、第1のアンテナ構造体411と、第1の低周波モジュールと、第1の高周波モジュールとを含み得る。第2の電子デバイス420は、第2のアンテナ構造体421と、第2の低周波モジュールと、第2の高周波モジュールとを含み得る。
【0068】
第1の電子デバイス410はODUであってよく、屋外に配置される。第1のアンテナ構造体411は、低周波モードで動作する場合には充電コイルであってよく、高周波モードで動作する場合には通信アンテナであってよい。相応に、第1の電子デバイス410内の第1の低周波処理モードは、無線充電の電気信号を処理するように構成されてよく、第1の高周波処理モジュールは、データ送信の電気信号を処理するように構成されてよい。
【0069】
第2の電子デバイス420はIDUであってよく、屋内に配置される。第2のアンテナ構造体421は、低周波モードで動作する場合には充電コイルであってよく、高周波モードで動作する場合には通信アンテナであってよい。相応に、第2の電子デバイス320内の第2の低周波処理モードは、無線充電の電気信号を処理するように構成されてよく、第2の高周波処理モジュールは、データ送信の電気信号を処理するように構成されてよい。
【0070】
第2の電子デバイス420の第2のアンテナ構造体421は送信充電コイルとして使用でき、第1の電子デバイス410の第1のアンテナ構造体411は受信充電コイルとして使用できる。屋内に位置する第2の電子デバイス420は、第2の低周波処理モジュールを使用して無線充電の電気信号を処理し、第2のアンテナ構造体421を使用して無線充電の電気信号を第1のアンテナ構造体411へ送信し、第1の低周波処理モジュールを使用して第1の電子デバイス410に給電することができる。したがって、第2の電子デバイス420を使用して屋外に位置する第1の電子デバイス410に給電でき、追加の電力供給は不要となり、第1の電子デバイス410の内部構造はより簡素となる。
【0071】
同時に、屋外に位置する電子デバイス410は、第1の高周波処理モジュールを使用してデータを携える電気信号を処理し、第1のアンテナ構造体411を使用して第2のアンテナ構造体421へデータを携える電気信号を送信することができる。第2の高周波処理モジュールの処理後に、第2の電子デバイス420は送信されたデータを得ることができる。データ送信が双方向であり、第2の電子デバイス420も同様の経路を通じて第1の電子デバイス410へデータを送信することを理解されたい。
【0072】
任意に選べることとして、第1のアンテナ構造体411と第2のアンテナ構造体421との間の距離L1は10cm未満であってよく、5cmであってよい。第1のアンテナ構造体411と第2のアンテナ構造体421との間の距離L1は、第1のアンテナ構造体411と第2のアンテナ構造体421との間の水平方向の距離であってよく、または第1のアンテナ構造体411および第2のアンテナ構造体421の最近点間の直線距離であってもよい。
【0073】
任意に選べることとして、第1のアンテナ構造体411の平面サイズと第2のアンテナ構造体421の平面サイズは異なっていてよく、具体的には、第1のアンテナ構造体311内のコイルの直径と第2のアンテナ構造体321内のコイルの直径は異なっていてよい。実際の設計またはシミュレーション結果に基づいて調整を行うことができることを理解されたい。これは本出願で限定されない。
【0074】
任意に選べることとして、第1の電子デバイス410は第1のアンテナユニット412をさらに含んでよく、第1のアンテナユニット412の動作周波数帯域はセルラネットワークの少なくとも1つの周波数帯域をカバーでき、ネットワークデバイスとのデータ送信に使用されてよい。セルラネットワークは、2G、3G、4G、5G、または将来の通信システムを含み得る。
【0075】
任意に選べることとして、第2の電子デバイス420は第2のアンテナユニット422をさらに含んでよく、第2のアンテナユニット422の動作周波数帯域はWiFi周波数帯域をカバーでき、屋内ユーザ機器とのデータ送信に使用されてよい。WiFi周波数帯域は、2.4GHzまたは5G周波数帯域のうちの少なくとも一方であり得る。
【0076】
セルラネットワーク信号が第1の電子デバイス410と第2の電子デバイス420とを通じてWiFi信号に変換され得、ネットワークデバイスによって送信されるセルラネットワーク信号が屋外から屋内へ無線送信され得ることを理解されたい。したがって、PoEネットワークケーブルが窓または壁を通過する必要はなく、専門的な技術的設置作業と穴開けの必要性は解消される。これは便利で迅速であり、ユーザーエクスペリエンスを大幅に向上させる。
【0077】
任意に選べることとして、第2のアンテナユニット422は、代わりに、
図2に示されているアンテナ構造体であってもよい。第2のアンテナユニット422は、低周波モードで動作する場合はNFCコイルであってよく、高周波モードで動作する場合はWiFi周波数帯域で動作するアンテナであってよい。そうなら、第2のアンテナユニット422の対応する低周波処理モジュールは、NFCの電気信号を処理するように構成されてよく、対応する高周波処理モジュールは、WiFi周波数帯域の電気信号を処理するように構成されてよい。
【0078】
したがって、本出願の本実施形態で提供される電子デバイスは、代わりに、
図1に示されているユーザ機器であってもよく、ユーザ機器は、
図2に示されているアンテナ構造体を含み得る。アンテナ構造体では、NFCコイルとWiFiアンテナとを組み合わせることで、ユーザ機器内のアンテナの数を減らし、他の周波数帯域で動作するアンテナのためにより大きい配置スペースを提供することができる。同時に、屋内ユーザ機器が第2のアンテナユニット322の一定の範囲内にあるときには、ユーザ機器がNFCを通じてWiFiパスワードを得ることができるため、より便利であり、ユーザーエクスペリエンスの向上に寄与する。
【0079】
本願の本実施形態で提供されるコイルでは、キャパシタを並列接続する設計により、またキャパシタが高周波数で短絡され、低周波数で短絡される特性を利用することにより、コイルが高周波数と低周波数で同時に動作できることを理解されたい。高周波処理モジュールと低周波処理モジュールは、2つの周波数の信号をそれぞれ処理する。したがって、本出願の本実施形態で提供されるコイルは、代わりに、別の低周波通信コイルであってもよく、無線充電コイルまたはNFCコイルに限定されない。
【0080】
図5および
図6は、
図4に示されている第1のアンテナ構造体と第2のアンテナ構造体との間のSパラメータシミュレーションの概略図である。
図5は、キャパシタがコイルに並列接続されない場合のSパラメータシミュレーションの概略図である。
図6は、キャパシタがコイルに並列接続される場合のSパラメータシミュレーションの概略図である。
【0081】
図5および
図6に示されているように、ポート1は、第1の電子デバイスの第1のアンテナ構造体におけるコイルと高周波処理モジュールとの接続ポートであってよく、ポート2は、第2の電子デバイスの第2のアンテナ構造体におけるコイルと高周波処理モジュールとの接続ポートであってよい。キャパシタがコイルに並列接続された後に、より大きいパラメータS12は、ポート2からポート1へ送信されるより多くの電気信号を示し、第1のアンテナ構造体と第2のアンテナ構造体との間のより良好な信号送信性能を示す。同時に、より小さいパラメータS11は、ポート1でのより小さい反射を示し、ポート2へ送信されるより多くの電気信号を示す。同様に、より小さいパラメータS22は、ポート2でのより小さい反射を示し、ポート1へ送信されるより多くの電気信号を示す。
【0082】
任意に選べることとして、-5dBより大きいS12を限界として、キャパシタがコイルに加えられた後に、高周波モードでは、第1のアンテナ構造体と第2のアンテナ構造体との間の良好な信号送信特性を保証するために約200MHzの帯域幅があり得る。
【0083】
当業者は、具体的な用途ごとに様々な方法を用いて説明されている機能を実装できるが、そのような実装は、本出願の範囲を超えると見なされるべきではない。
【0084】
説明を簡便にするため、前述のシステム、装置、およびユニットの詳細な作業プロセスについては、前述の方法の実施形態の対応するプロセスを参照するべきであることは、当業者によって明確に理解されよう。ここでは詳細を再度説明しない。
【0085】
本出願で提供されるいくつかの実施形態において、開示されているシステム、装置、および方法が別の方式で実装され得ることを理解されたい。例えば、説明されている装置の実施形態は一例にすぎない。例えば、ユニットへの分割は論理的な機能分割にすぎず、実際の実装では他の分割であってもよい。例えば、複数のユニットまたはコンポーネントが組み合わされるか、または別のシステムに統合されてもよく、またはいくつかの機能は無視されてもよく、または実行されなくてもよい。さらに、表示または論述されている相互結合または直接結合または通信接続は、いくつかのインターフェイスを通じて実装されてよい。装置またはユニット間の間接結合または通信接続は、電子的な形態または他の形態で実装されてよい。
【0086】
前述の説明は、本出願の特定の実装にすぎず、本出願の保護範囲を限定することを意図するものではない。本出願で開示されている技術的範囲内で当業者によって容易く考え出されるいかなるバリエーションまたは置換も、本出願の保護範囲内に入るものとする。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0087】
100 移動通信システム
101 ネットワークデバイス
102 CPE
103 ユーザ機器(UE)
200 アンテナ構造体
210 コイル
220 キャパシタ
201 第1の端部
202 第2の端部
300 電子デバイス
310 低周波処理モジュール
320 高周波処理モジュール
330 第1のローパスフィルタ
340 第2のローパスフィルタ
350 第1のハイパスフィルタ
360 第2のハイパスフィルタ
410 第1の電子デバイス
411 第1のアンテナ構造体
412 第1のアンテナユニット
420 第2の電子デバイス
421 第2のアンテナ構造体
422 第2のアンテナユニット
1 ポート
2 ポート