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特許7605971ガス抜き経路を改善したバッテリーパック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】ガス抜き経路を改善したバッテリーパック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/367 20210101AFI20241217BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20241217BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20241217BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20241217BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20241217BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20241217BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20241217BHJP
   H01M 50/375 20210101ALI20241217BHJP
【FI】
H01M50/367
H01M50/211
H01M50/35 201
H01M50/342 201
H01M50/271 Z
H01M50/249
H01M50/204 401F
H01M50/375
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023517789
(86)(22)【出願日】2022-04-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 KR2022005992
(87)【国際公開番号】W WO2022270746
(87)【国際公開日】2022-12-29
【審査請求日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0080408
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジュ-ファン・シン
(72)【発明者】
【氏名】テ-キョン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ドン-ヒョン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン-スク・イ
【審査官】佐宗 千春
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第209401710(CN,U)
【文献】独国特許出願公開第102013200440(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
50/30-50/392
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーセルと、前記バッテリーセルを収容するモジュールハウジングと、前記モジュールハウジングの内部と連通するように設けられたガスベントチャンネルと、を備えた複数のバッテリーモジュール、及び
前記複数のバッテリーモジュールを収容するように設けられ、前記複数のバッテリーモジュールの上部をカバーする上部プレートにベントポートを備えたパックケース
を含み、
各前記バッテリーモジュールの前記ガスベントチャンネルが前記ベントポートと連通するように設けられ
前記ガスベントチャンネルが、前記モジュールハウジングの上部に配置され、
前記ガスベントチャンネルが、
中空構造で設けられたダクト部と、
前記ダクト部の一面に備えられるガスインレット部と、
前記ダクト部の延在方向へ前記ガスインレット部から所定の距離で離隔した位置で前記ダクト部の他面に備えられるガスアウトレット部と
を含み、
前記ベントポートは、各前記複数のバッテリーモジュールに対応して複数個設けられ、各前記複数のバッテリーモジュールの前記ガスベントチャンネルの前記ガスアウトレット部と、それに対応する前記ベントポートとが連結されている、
ことを特徴とする、バッテリーパック。
【請求項2】
前記ベントポートが、一定の圧力以上で破裂する破裂膜を含む
ことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
バッテリーセルと、前記バッテリーセルを収容するモジュールハウジングと、前記モジュールハウジングの内部と連通するように設けられたガスベントチャンネルと、を備えた複数のバッテリーモジュール、及び
前記複数のバッテリーモジュールを収容するように設けられ、前記複数のバッテリーモジュールの上部をカバーする上部プレートにベントポートを備えたパックケース
を含み、
各前記バッテリーモジュールの前記ガスベントチャンネルが前記ベントポートと連通するように設けられ、
前記ガスベントチャンネルが、前記モジュールハウジングの上部に配置され、
前記ガスベントチャンネルが、
中空構造で設けられたダクト部と、
前記ダクト部の一面に備えられるガスインレット部と、
前記ダクト部の延在方向へ前記ガスインレット部から所定の距離で離隔した位置で前記ダクト部の他面に備えられるガスアウトレット部と
を含み、
前記ガスインレット部は、前記モジュールハウジングに備えられる第1開口と一致され、前記ガスアウトレット部は、前記上部プレートに備えられるベントポートと一致され、
前記ベントポートは、一定の圧力以上で破裂する破裂膜を含む
ことを特徴とする、ッテリーパック。
【請求項4】
前記ベントポートが複数あり、複数の前記ベントポートはそれぞれ、各前記バッテリーモジュールの前記ガスアウトレット部と上下方向へ連結された
ことを特徴とする、請求項に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記上部プレートが、
中空構造に形成され、前記ガスベントチャンネルの上面に対面する下板部と、空き空間を挟んで前記下板部に対向する上板部と、を含み、
前記ベントポートが、
前記下板部に備えられ、前記ガスアウトレット部と上下方向へ連結される第1ベントポートと、前記第1ベントポートの位置から水平方向へ所定の間隔で離れた前記上板部に備えられる第2ベントポートと、を含む
ことを特徴とする、請求項に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記第1ベントポート及び前記第2ベントポートのいずれか一方に前記破裂膜が備えられ、他方にメッシュ網が備えられた
ことを特徴とする、請求項に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記上部プレートの上部を囲むように設けられた外側カバープレートをさらに含む
ことを特徴とする、請求項に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記ダクト部が、内部空間を区切る複数の隔板を備える
ことを特徴とする、請求項に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記ダクト部は、前記複数の隔板の間毎に長手方向へ延びた複数の狭い通路を備える
ことを特徴とする、請求項に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記バッテリーセルは、前記モジュールハウジングの内部空間を区切る防火壁を挟んで対向するように配置される第1バッテリーセル群及び第2バッテリーセル群を含む
ことを特徴とする、請求項に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
前記第1開口は、前記防火壁を基準にして前記モジュールハウジングの上端左側に備えられる第1_1開口と、前記モジュールハウジングの上端右側に備えられる第1_2開口と、を含み、
前記ガスインレット部は、前記第1_1開口と一致される第1ガスインレット部と、前記第1_2開口と一致される第2ガスインレット部と、を含む
ことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項12】
前記ガスアウトレット部は、前記ダクト部の左側エッジ領域に設けられる第1ガスアウトレット部と、前記ダクト部の右側エッジ領域に設けられる第2ガスアウトレット部と、を含む
ことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項13】
前記第1開口が、熱溶融可能な素材からなる栓で密封された
ことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項14】
前記モジュールハウジングと前記ガスベントチャンネルは、一体で形成される
ことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項15】
請求項1から1のいずれか一項に記載のバッテリーパックを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーパックに関し、より詳しくは、バッテリーモジュールでガスが発生したとき、ベンティングガスを安全かつ効率的にパックケースの外部へ排出可能なガス抜き経路を備えたバッテリーパックに関する。
【0002】
本出願は、2021年06月21日出願の韓国特許出願第10-2021-0080408号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少できるという一次的な長所だけでなく、エネルギー使用に伴う副産物が全く生じないという点で、環境にやさしく、エネルギー効率が向上できることから、新しいエネルギー源として注目を集めている。
【0004】
これにつれ、多様なデバイスへの二次電池の適用が増加しつつある。例えば、多機能小型製品であるワイヤレスモバイルデバイス(wireless mobile device)またはウェアラブルデバイス(wearable device)のエネルギー源として広範囲に使用されているだけではなく、既存のガソリン車両及びディーゼル車両の代案として提示される電気自動車とハイブリッド電気自動車などのエネルギー源や電力貯蔵装置(ESS)としても用いられている。
【0005】
最近、よく使用しているリチウム二次電池は、一つ当たりの作動電圧が約2.5V~4.5V内外である。したがって、大容量及び高出力が要求される電気自動車や電力貯蔵装置の場合、複数のリチウム二次電池を直列及び/または並列に接続したバッテリーモジュールと、前記バッテリーモジュールを直列及び/または並列に接続したバッテリーパックを構成し、これをエネルギー源として使用する。
【0006】
電気自動車に要求されるバッテリーパックの出力や容量に応じて一つのバッテリーモジュールに収容されるリチウム二次電池の個数が増加するか、または一つのバッテリーパックに収容されるバッテリーモジュールの個数が増加し得る。
【0007】
しかし、このように多い個数のリチウム二次電池を含むバッテリーパックの場合、火事及び爆発が発生する場合、その被害がさらに大きくなる。
【0008】
例えば、一部のバッテリーモジュールでリチウム二次電池同士の短絡または異常温度上昇などのようなイベントが発生する場合、前記リチウム二次電池で多量のベントガスが発生することがあり、劣化が深化すると、ベントガスと共に電極活物質とアルミニウム粒子などを含む高温のスパークが噴出し得る。この際、前記ベントガス及び高温のスパークが隣接するバッテリーモジュールに熱的ダメージを与えることによって、他のバッテリーモジュールに更なるイベントが起こる恐れが非常に大きい。
【0009】
そこで、一部のバッテリーモジュールでベントガス及び高温のスパークが発生したとき、他のバッテリーモジュールに及ぶ影響を最小化すると共に、ベントガスを迅速かつ安全にバッテリーパックの外部へ排出可能なガスベント流路の開発が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような技術的課題を解決するために創案されたものであり、一部のバッテリーモジュールの内部でベントガスまたはスパークが発生したとき、他のバッテリーモジュールに及ぶ影響を最小化させることができるガス抜き経路が適用されたバッテリーパックを提供することを目的とする。
【0011】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前述の課題に制限されず、言及していないさらに他の課題は、下記する発明の説明から当業者にとって明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、バッテリーセルと、前記バッテリーセルを収容するモジュールハウジングと、前記モジュールハウジングの内部と連通するように設けられたガスベントチャンネルと、を備えた複数のバッテリーモジュールと、前記複数のバッテリーモジュールを収容するように設けられ、前記複数のバッテリーモジュールの上部をカバーする上部プレートにベントポートを備えたパックケースと、を含み、各前記バッテリーモジュールの前記ガスベントチャンネルが前記ベントポートと連通するように設けられ得る。
【0013】
前記ベントポートは、一定の圧力以上で破裂する破裂膜を含み得る。
【0014】
前記ガスベントチャンネルは、前記モジュールハウジングの上部に配置され、
【0015】
中空構造で設けられたダクト部と、前記ダクト部の一面に備えられるガスインレット部と、前記ダクト部の延在方向へ前記ガスインレット部から所定の距離で離隔した位置で前記ダクト部の他面に備えられるガスアウトレット部と、を含み得る。
【0016】
前記ガスインレット部は、前記モジュールハウジングに備えられる第1開口と一致され、前記ガスアウトレット部は、前記上部プレートに備えられるベントポートと一致され、前記ベントポートは、一定の圧力以上で破裂する破裂膜を含み得る。
【0017】
前記ベントポートが複数あり、複数の前記ベントポートはそれぞれ、各前記バッテリーモジュールの前記ガスアウトレット部と上下方向へ連結され得る。
【0018】
前記上部プレートは、中空構造に形成され、前記ガスベントチャンネルの上面に対面する下板部と、空き空間を挟んで前記下板部に対向する上板部と、を含み、前記ベントポートは、前記下板部に備えられ、前記ガスアウトレット部と上下方向へ連結される第1ベントポートと、前記第1ベントポートの位置から水平方向へ所定の間隔で離れた前記上板部に備えられる第2ベントポートと、を含み得る。
【0019】
前記第1ベントポート及び第2ベントポートのいずれか一方に前記破裂膜が備えられ、他方にメッシュ網が備えられ得る。
【0020】
前記上部プレートの上部を囲むように設けられた外側カバープレートをさらに含み得る。
【0021】
前記ダクト部は、内部空間を区切る複数の隔板を備えるように構成され得る。
【0022】
前記ダクト部は、前記複数の隔板の間毎に長手方向へ延びた複数の狭い通路を備えるように構成され得る。
【0023】
前記バッテリーセルは、前記モジュールハウジングの内部空間を区切る防火壁を挟んで対向するように配置される第1バッテリーセル群及び第2バッテリーセル群を含み得る。
【0024】
前記第1開口は、前記防火壁を基準にして前記モジュールハウジングの上端左側に備えられる第1_1開口と、前記モジュールハウジングの上端右側に備えられる第1_2開口と、を含み、前記ガスインレット部は、前記第1_1開口と一致される第1ガスインレット部と、前記第1_2開口と一致される第2ガスインレット部と、を含み得る。
【0025】
前記ガスアウトレット部は、前記ダクト部の左側エッジ領域に設けられる第1ガスアウトレット部と、前記ダクト部の右側エッジ領域に設けられる第2ガスアウトレット部と、を含み得る。
【0026】
前記第1開口は、熱溶融可能な素材からなる栓で密封されるように構成され得る。
【0027】
前記モジュールハウジングと前記ガスベントチャンネルは一体で形成され得る。
【0028】
なお、本発明の他の様態によれば、上述したバッテリーパックを含んで構成された自動車が提供され得る。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一面によれば、いずれかのバッテリーモジュールでベンティングガスまたはスパークが発生しても、他のバッテリーモジュールに影響が及ばないと共に、ベンティングガスを迅速かつ安全にパックケースの外部へ排出可能なガス抜き経路を備えたバッテリーパックを提供することができる。
【0030】
本発明の効果は上述した効果に制限されず、言及されていない本発明の他の効果は、本明細書及び添付図面から本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって明らかに理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施形態によるバッテリーパックの概略的な斜視図である。
図2図1のバッテリーパックの部分分解斜視図である。
図3図1のバッテリーパックのガス抜き経路の概念図である。
図4】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの斜視図である。
図5図4のバッテリーモジュールの主要部分の分解斜視図である。
図6図4のバッテリーモジュールの下部を示した図である。
図7図5のA領域の拡大図である。
図8図5のガスベントチャンネルの底面図である。
図9図5のガスベントチャンネルの平面図である。
図10】本発明の一実施形態によるモジュールハウジングの第1開口を示した図である。
図11】本発明の一実施形態によるジュールハウジングとガスベントチャンネルの連通構造を示した図である。
図12】本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールの一側エッジ領域を示した図である。
図13】本発明の一実施形態によるガスベントチャンネルと上部プレートの連通構造を説明するための図である。
図14】本発明の一実施形態によるガスベントチャンネルと上部プレートの連通構造を説明するための図である。
図15図4に対応する図であって、上部プレートの変形例を示した図である。
図16】本発明の他の実施形態であって、上部プレートの露出を防止するための外側カバープレートが加えられた例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0033】
本明細書でパックケースを形成する主要構成部分を特定するために、上部プレート、ベースプレートなどの用語を使用したが、例えば、バッテリーパックの上下を反転させると、上部プレートがバッテリーパックの底になり、ベースプレートがバッテリーパックの天井になることは自明である。即ち、バッテリーパックの配置状態または観測者の位置などによって、上部プレート、ベースプレートなどはその辞書的な意味と相違に解釈され得ることを予め明らかにしておく。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリーパックの概略的な斜視図であり、図2は、図1のバッテリーパックの部分分解斜視図であり、図3は、図1のバッテリーパックのガス抜き経路の概念図である。
【0035】
図1及び図2に示したように、本発明の一実施形態によるバッテリーパック10は、複数個のバッテリーモジュール100と、前記複数個のバッテリーモジュール100を収容するパックケース200と、を含み、各バッテリーモジュール100でガスが発生したとき、ガスのベンティングのために各バッテリーモジュール100のガスベントチャンネル150が前記パックケース200の上部プレート220に備えられたベントポート221に接続された構成を含む。
【0036】
詳しくは後述するが、本発明のバッテリーパック10は、図3のように、各バッテリーモジュール100でガスが発生したとき、ベンティングガスがバッテリーモジュール100の縁部へ移動した後、各バッテリーモジュール100の上部に位置したパックケース200のベントポート221からパックケース200の外部へ排出され得る。前記ベントポート221は、一定の圧力以上で破裂する破裂膜223を含んでおり、平常時には遮られており、ベンティングガスが発生したとき、破裂膜223が圧力によって破れることで開放され得る。
【0037】
本発明によるバッテリーパック10は、いずれのバッテリーモジュール100にガスが発生するとしてもベンティングガスが当該バッテリーモジュール100から直ぐパックケース200の外部へ排出可能であるため、パックケース200の内部の他のバッテリーモジュール100へ熱気または高温のスパークが伝播されない。したがって、本発明のバッテリーパック10は、いずれのバッテリーモジュール100に高温のベンティングガスが発生するとしても、他のバッテリーモジュール100への熱暴走の電波を防止するのに効果的である。
【0038】
以下、前記のような効果を達成するための本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール100とパックケース200について詳しく説明する。
【0039】
図4は、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール100の斜視図であり、図5は、図4のバッテリーモジュール100の主要部分の分解斜視図であり、図6は、図4のバッテリーモジュール100の下部を示した図であり、図7は、図5のA領域の拡大図である。
【0040】
先ず、図4図7を参照して、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール100について説明する。前記バッテリーモジュール100は、複数のバッテリーセル110、モジュールハウジング120、防火壁130、ヒートシンク140及びガスベントチャンネル150を含む。
【0041】
前記バッテリーセル110としては、エネルギー密度が高くて積層が容易なパウチ型のバッテリーセル110が適用され得る。前記パウチ型のバッテリーセル110は、図5のように、上下方向(Z軸方向)へ立てられて水平方向(Y軸方向)に積層されたセル積層体の形態で提供され得る。勿論、本実施形態とは異なり、直方体の角形バッテリーセル110や円筒型バッテリーセル110を使用してバッテリーモジュール100を構成することも可能である。
【0042】
モジュールハウジング120は、複数のバッテリーセル110を収納するための構成要素であって、前記複数のバッテリーセル110を外部の物理的、化学的要素から保護するように機械的剛性の高い素材で密閉された構造に製作され得る。モジュールハウジング120は、バッテリーセル110の下部を囲む下部ハウジング121及びバッテリーセル110の上部を囲む上部ハウジング122を含んで構成され得る。上部ハウジング122及び下部ハウジング121は、ほぼU字状のプレート形態で設けられ、ボルト締め及び/または溶接によって相互に結合し得る。
【0043】
従来技術によるバッテリーモジュール100は、一つのセル積層体が一つのモジュールハウジング120に収納可能に構成されることが通常である。しかし、本実施形態のバッテリーモジュール100は、複数のセル積層体が一つのモジュールハウジング120に収納されるように構成される。
【0044】
例えば、図5に示したように、本実施形態のバッテリーモジュール100は、一つのセル積層体を形成する第1バッテリーセル群G1及び他の一つのセル積層体を形成する第2バッテリーセル群G2を含み、前記第1バッテリーセル群G1及び前記第2バッテリーセル群G2が、モジュールハウジング120の内部空間を両分する防火壁130を挟んで対向して配置されるようにモジュールハウジング120に収納され得る。
【0045】
即ち、防火壁130によって区切られた下部ハウジング121の一側空間に第1バッテリーセル群G1が配置され、区画された下部ハウジング121の他側空間に第2バッテリーセル群G2が配置される。このように配置された前記第1バッテリーセル群G1及び前記第2バッテリーセル群G2はその上部が上部ハウジング122で覆われ、上部ハウジング122、下部ハウジング121及び防火壁130で囲まれて密閉された二つの空間に各々収納されるように構成され得る。
【0046】
ここで、防火壁130とは、モジュールハウジング120の内部空間を物理的に遮断された二つの空間に区切る板状の構造体を意味する。前記防火壁130は、例えば、耐火性素材または剛性素材から形成され、その両面に耐火性素材(例えば、マイカ)のシートが付着されたものであり得る。このような防火壁130は、第1バッテリーセル群G1と第2バッテリーセル群G2との間の熱転移を遮断する作用と、その上端と下端が各々上部ハウジング122と下部ハウジング121を中心部に連結されていることで、モジュールハウジング120の中心部の垂れを防止するように作用できる。
【0047】
図示していないが、例えば、上部ハウジング122は、中央の側面領域が部分的に開放された開放部を備え得る。前記開放部は、第1バッテリーセル群G1と第2バッテリーセル群G2を電気的に接続するための接続手段を設けるのに活用され得る。前記連結手段としては、棒状の金属バスバーが使用可能であり、接続手段を設けた後、前記開放部は密封処理され得る。
【0048】
このような本実施形態によるバッテリーモジュール100の一つは、例えば、一つのモジュールハウジング120に一つのセル積層体を収納した構造のバッテリーモジュール100二つと同じ容量を有するが、その体積はより小さく具現され得る。したがって、前記バッテリーモジュール100は、バッテリーパック10を製作するに際し、パックケース200の左右幅(X軸方向)を減らすのに有利に作用し得る。
【0049】
一方、モジュールハウジング120の下端、言い換えれば、下部ハウジング121の底面に、図6に示したように、ヒートシンク140が備えられ得る。ここで、ヒートシンク140とは、バッテリーセル110と間接的に接触して熱を吸収する冷却部品を意味する。前記ヒートシンク140は、内部に流路を備えるアルミニウム素材の板状体の形態で提供され得、本実施形態のように下部ハウジング121に一体化するか、または下部ハウジング121の表面に脱着可能に構成され得る。
【0050】
ガスベントチャンネル150は、バッテリーモジュール100の内部で生成されたベントガスをバッテリーモジュール100の外部へ排出するための構成であって、一側はモジュールハウジング120の内部と連通し、他側は外気と連通するように設けられ得る。このようなガスベントチャンネル150は、モジュールハウジング120の外側に取り付けられるか、またはモジュールハウジング120と一体型で提供され得る。
【0051】
本実施形態のガスベントチャンネル150は、ほぼ上部ハウジング122の上面に対応するサイズを有し、中空の平べったい四角ボックス状で設けられ、モジュールハウジング120の上部に取り付けられ得る。また、前記ガスベントチャンネル150は、高温のガスまたは高温のスパークが流入しても変形が起こりにくくなるように耐火性材質から形成され得る。
【0052】
具体的には、図5及び図7図9を参照すると、ガスベントチャンネル150は、中空構造で設けられたダクト部151と、前記ダクト部151へガスを流入させるための穴となるガスインレット部152と、前記ダクト部151からガスを流出させるための穴となるガスアウトレット部153と、を含む。
【0053】
ダクト部151は、モジュールハウジング120の上面と対応する面積を有し、ガスが流動可能になるように内部が中空構造で設けられる。また、ダクト部151の内部に、幅方向へ相互に離隔し、長手方向へ長く延びた複数の隔板154が備えられており、内部空間が区切られ得る。
【0054】
例えば、図7に示したように、ダクト部151の内部は、隔板154によって区切られることで前記隔板154の間毎に狭い通路157が形成され得る。ベンティングガスと共に移動する高温のスパークまたは火炎は、前記狭い通路を移動する過程でボトルネックまたはトラップ現象のため、移動が制限されるか、または消火され得る。高温のスパークまたは火炎の移動を抑制するためのさらなる方便で、前記狭い通路またはガスインレット部152に金属メッシュ網(図示せず)をさらに適用してもよい。
【0055】
ガスインレット部152は、ダクト部151の底面に備えられ、モジュールハウジング120の上端に備えられる第1開口123と一致されるように構成され得る。
【0056】
より具体的には、図8に示したように、前記ガスインレット部152は、ダクト部151の底面の中央領域に位置し、モジュールハウジング120の幅ほどの長空形態で設けられ得る。前記ガスインレット部152は、第1ガスインレット部152a及び第2ガスインレット部152bを含み、前記第1ガスインレット部152aと第2ガスインレット部152bは、モジュールハウジング120の中心を基準にして相互に対称になるように構成され得る。
【0057】
そして、モジュールハウジング120の第1開口123は、図10及び図11に示したように、防火壁130を基準にして前記モジュールハウジング120の上端の左側に備えられる第1_1開口123aと、前記モジュールハウジング120の上端の右側に備えられる第1_2開口と、を含む。モジュールハウジング120の上部面にガスベントチャンネル150を取り付けるとき、前記第1_1開口は前記第1ガスインレット部152aに上下方向に一致され、前記第1_2開口は前記第2ガスインレット部152bに上下方向に一致され得る。
【0058】
これによって、第1バッテリーセル群G1で発生したガスと高温のスパークは、前記第1_1開口123aと前記第1ガスインレット部152aを通してダクト部151へ流入し、第2バッテリーセル群G2で発生したガスと高温のスパークは、前記第1_2開口123bと前記第2ガスインレット部152bを通してダクト部151へ流入し得る。
【0059】
そして、図11のように、前記第1ガスインレット部152aと前記第2ガスインレット部152bとの間のダクト部151の内部空間に遮断壁を構成し、第1バッテリーセル群G1に発生したガスが第2バッテリーセル群G2へ移動しないようにし得る。
【0060】
図示していないが、熱溶融可能な素材(例えば、ゴムまたはプラスチック)から製作した栓(図示せず)で前記第1開口123を密封し得る。前記栓は、平常時には、第1開口123からモジュールハウジング120への異物などの流入を遮断する役割を果たす。ベンティングガスまたは高温のスパークが発生した場合には、熱と圧力によって前記栓が消失して第1開口123が開放され得る。前記栓の代わりにメッシュ網が使用することも可能である。
【0061】
ガスアウトレット部153は、ダクト部151の上面に備えられ、第1ガスアウトレット部153a及び第2ガスアウトレット部153bを含み、上部プレート220のベントポート221と上下方向に一致されるように構成され得る。
【0062】
前記第1ガスアウトレット部153aは、ダクト部151の左側延在方向(-X軸方向)へ第1ガスインレット部152aから所定の距離で離隔した個所に備えられ、前記第2ガスアウトレット部153bは、ダクト部151の右側延在方向(+X軸方向)へ第2ガスインレット部152bから所定の距離で離隔した個所に備えられ得る。
【0063】
即ち、図9図12を参照すると、前記第1ガスアウトレット部153aは、前記第1ガスインレット部152aからダクト部151へ流入したベンティングガスが外部へ排出される出口の役割を果たし、前記第2ガスアウトレット部153bは、前記第2ガスインレット部152bからダクト部151へ流入したベンティングガスが外部へ排出される出口の役割を果たす。
【0064】
前記第1ガスアウトレット部153a及び前記第2ガスアウトレット部153bは、ベントポート221と上下に一致されるサイズの穴形態で設けられ、各々ダクト部151の上面の左側エッジ領域及び右側エッジ領域に備えられ得る。
【0065】
一方、パックケース200は、バッテリーモジュール100を収納するための構成品であって、図2に示したように、ベースプレート210と、上部プレート220と、左サイドフレーム230と、右サイドフレーム240と、前方カバー250と、後方カバー260と、を含み得る。
【0066】
特に、前記上部プレート220は、バッテリーモジュール100の上部をカバーする部分であって、ベンティングガスを排出可能に構成された複数のベントポート221を含む。
【0067】
前記ベントポート221は、図13及び図14に示したように、前記上部プレート220で前記バッテリーモジュール100を覆ったとき、各バッテリーモジュール100の第1ガスアウトレット部153aまたは第2ガスアウトレット部153bに上下に対応する位置に設けられ得る。例えば、本実施形態の場合、各バッテリーモジュール100の第1ガスアウトレット部153a及び第2ガスアウトレット部153bがパックケース200の幅方向による両エッジに位置するようにバッテリーモジュール100がパックケース200の長手方向(Y軸方向)に沿って配置される。このような全てのバッテリーモジュール100のガスアウトレット部153とベントポート221が上下方向に一致されて一つずつ連結されるように半分のベントポート221は、上部プレート220の左側エッジ領域に備えられ、残りの半分のベントポート221は、上部プレート220の右側エッジ領域に備えられる。
【0068】
一方、パックケース200に収納されるバッテリーモジュール100の配置構造またはバッテリーモジュール100に備えられる第1ガスアウトレット部153a及び第2ガスアウトレット部153bの位置は、本実施形態とは異なり、必要に応じていくらでも適切に変更可能である。この場合、ベントポート221は、変更された第1ガスアウトレット部153a及び第2ガスアウトレット部153bの位置に合わせて上部プレート220に備えられ得る。
【0069】
本実施形態のベントポート221は、貫通口222と破裂膜223を含む。
【0070】
前記貫通口222は、ベンティングガスの漏出が発生しないように、ガスアウトレット部153と同一またはそれより大きいサイズに形成され、その周りにOリングのような密封部材(図示せず)が適用され得る。
【0071】
前記破裂膜223は、前記貫通口222をカバーし、パックケース200の内圧が一定の圧力を超過すると、破裂するように構成され得る。このような構成によれば、平常時にはパックケース200の内部への水分や異物の浸透を防止でき、ベンティングガスが発生すると、前記ベンティングガスの熱と圧力によって破裂膜223が破裂することで貫通口222が開放されてベンティングガスをパックケース200の外部へ排出できる。この際、パックケース200の内外部の圧力差が大きいため、ベンティングガスが他の部分へ漏れず前記貫通口から外部へ速やかに排出される。
【0072】
前記破裂膜223は、アルミニウム素材またはプラスチック素材の薄板状で提供され得るが、これに限定されず、所定の圧力によって破裂される素材であれば、いずれでもよい。また、前記破裂膜223は、その表面から厚さ方向へ部分切開されて形成された少なくとも一つの切欠(味到の時)を備える。このような切欠は、所定の圧力が加えられた場合、破裂膜223が破裂しやすくするためである。
【0073】
本実施形態の場合、前記破裂膜223が貫通口222に容易に取り付けられるようにフレーム状で提供される支持フレーム225が用いられ得る。
【0074】
前記支持フレーム225によって前記破裂膜223の周りを支持し、ボルトまたはリベットを用いて前記支持フレーム225を上部プレート220に取り付けて、貫通口222を破裂膜223によってカバーし得る。この場合、破裂膜223を直接上部プレート220に取り付けるよりも組立が容易であり、かつ気密性がよくなり得る。
【0075】
また、本実施形態による上部プレート220は、幅方向へ前記上部プレート220を横切るように延びて形成され、表面から下方へ突出して壁体を形成する隔壁をさらに含み得る。前記隔壁は、上部プレート220の長手方向(Y軸方向)に沿って所定の間隔毎に複数個が備えられ得る。このような隔壁は、上部プレート220の変形防止及び上部プレート220によってバッテリーモジュール100を覆ったとき、バッテリーモジュール100同士の間の空間に位置し、火事の発生時、隣接するバッテリーモジュール100同士の熱電波を遮断する役割を果たすことができる。
【0076】
以上のような本発明の一実施形態によるバッテリーパック10の構成によれば、バッテリーモジュール100でベンティングガスが発生したとき、以下のような流れによってベンティングガスの排出が可能である。
【0077】
各バッテリーモジュール100でベンティングガスが発生->モジュールハウジング120の上端の第1_1開口123aまたは第1_2開口123bからモジュールハウジング120の外部へガス流出->ベンティングガスチャンネルの第1ガスインレット部152aまたは第2ガスインレット部152bからガスベントチャンネル150の内部へガス流入->ダクト部151に沿ってバッテリーモジュール100の両エッジに位置した第1ガスアウトレット部153aまたは第2ガスアウトレット部153bへベンティングガス移動->ベントポート221の破裂膜223が破裂してベントポート221が開放される->開放されたベントポート221からパックケース200の外部へベンティングガス排出。
【0078】
したがって、本発明の一実施形態によるバッテリーパック10は、前記のように、ベンティングガスがパックケース200の内部を移動せず、各バッテリーモジュール100からパックケース200の外部へすぐ排出される構造となっているため、一つのバッテリーモジュール100に如何なる問題が起こってベンティングガスが発生しても、前記ベンティングガスが他のバッテリーモジュール100に熱的ダメージを与えない。これによって、本発明は、一つのバッテリーモジュール100に内部発火か発生したとき、ベンティングガスまたは高温のスパークなどが他のバッテリーモジュール100へ伝播されることによってバッテリーパック10の発火が広がる熱暴走現象を防止する効果を奏する。 また、本発明のバッテリーパック10は、ベンティングガスが排出される位置から内部のいずれのバッテリーモジュール100が発火しているかを直観的に分かり、当該バッテリーモジュール100に集中的に消火用水を供給するなどの事後措置を正確かつ効果的に取ることができる。
【0079】
続いて、図15及び図16を参照して、上述した上部プレート220の変形例と本発明の他の実施形態を説明する。
【0080】
先ず、図5を参照すると、変形例による上部プレート220Aは、中空構造に形成され、ガスベントチャンネル150の上面に対面する下板部226と、空き空間Oを挟んで前記下板部に対向する上板部227と、を含む。
【0081】
そして、ベントポート221は、前記下板部226に備えられ、ガスベントチャンネル150のガスアウトレット部153と上下方向に連結されるように一致される第1ベントポート221Aと、前記第1ベントポート221Aの位置から水平方向へ所定の間隔で離隔した前記上板部227に備えられる第2ベントポート221Bと、を含む。破裂膜223は、第1ベントポート221Aに備えられ、第2ベントポート221Bには、破裂膜223の代わりにメッシュ網229が備えられるように構成され得る。逆に、メッシュ網229が第1ベントポート221Aに備えられるようにし、破裂膜223は第2ベントポート221Bに備えられるように構成してもよい。
【0082】
このような本変形例による上部プレート220Aは、前述した上部プレート220と比較すると、ベンティングガスの排出経路がより複雑であることから、ベンティングガスの減圧に有利に作用できる。また、複雑な排出経路と第1ベントポート221A及び第2ベントポート221Bの構成によって、ベンティングガスの排出時、高温のスパークや火炎がパックケース200の外部へ共に排出されにくい。これによって、本変形例は、バッテリーパック10の周辺の外部発火の危険を防止することにおいて、前述した実施形態よりも有利である。
【0083】
続いて、図16を参照すると、本発明の他の実施形態によるバッテリーパックを説明する。 前述した実施例と同じ部材符号は同じ部材を示し、同じ部材ついては重複する説明を省略し、前述した実施例との相違点を中心にして説明する。
【0084】
本発明の他の実施形態によるバッテリーパックは、前述した実施形態と比較すると、図16のように、上部プレート220の上部を囲むように設けられた外側カバープレート270をさらに含み得る。
【0085】
前述した実施形態のバッテリーパック10は、上部プレート220の上に破裂膜223が直接露出しており、外力によって破損する恐れがある。これに対し、前記破裂膜223を外力から保護するために、本発明の他の実施形態によるバッテリーパックは、外側カバープレート270によって前記破裂膜223を遮るように構成される。このような前記外側カバープレート270は、例えば、高強度プラスチック、アルミニウムまたは鉄板からなり、必要に応じては通気可能に、例えば、グレーチング(grating)のような通気構造を有するように設けられ得る。
【0086】
一方、本発明によるバッテリーパックは、電気自動車やハイブリッド自動車のような自動車に適用可能である。即ち、本発明による自動車は、本発明によるバッテリーパックを含み得る。前記バッテリーパックは、車両の座席下部の車体フレームまたはトランク空間に設けられ得、車両への設置に際し、必要に応じてパックケースの上部プレートが下方にくるように上下を逆にした状態で配置されることも可能である。
【0087】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は相対的な位置を示し、説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
【0088】
以上、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0089】
10 バッテリーパック
100 バッテリーモジュール
110 バッテリーセル
120 モジュールハウジング
121 下部ハウジング
122 上部ハウジング
123 第1開口
123a 第1_1開口
123b 第1_2開口
130 防火壁
140 ヒートシンク
150 ガスベントチャンネル
151 ダクト部
152 ガスインレット部
152a 第1ガスインレット部
152b 第2ガスインレット部
153 ガスアウトレット部
153a 第1ガスアウトレット部
153b 第2ガスアウトレット部
154 隔板
157 通路
200 パックケース
210 ベースプレート
220 上部プレート
220A 上部プレート
221 ベントポート
221A 第1ベントポート
221B 第2ベントポート
222 貫通口
223 破裂膜
225 支持フレーム
226 下板部
227 上板部
229 メッシュ網
230 左サイドフレーム
240 右サイドフレーム
250 前方カバー
260 後方カバー
270 外側カバープレート
ESS 電力貯蔵装置
G1 第1バッテリーセル群
G2 第2バッテリーセル群
O 空き空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16