(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】再生デバイスのためのインテリジェントセットアップ
(51)【国際特許分類】
G10K 15/02 20060101AFI20241217BHJP
H04L 67/141 20220101ALI20241217BHJP
【FI】
G10K15/02
H04L67/141
(21)【出願番号】P 2023519037
(86)(22)【出願日】2021-09-24
(86)【国際出願番号】 US2021052089
(87)【国際公開番号】W WO2022067123
(87)【国際公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-05-18
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506030756
【氏名又は名称】ソノス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Sonos, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】マクデビット,ジェニファー
(72)【発明者】
【氏名】バブ,ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】チェレンターノ,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ハッチングス,カイル
(72)【発明者】
【氏名】バンガレ,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】アジャーバック,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】バレント,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】シュースミス,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】アードマン,デレク ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】ウォルシュ,コナー
(72)【発明者】
【氏名】クタテリ,ニコライ
(72)【発明者】
【氏名】フリストロム,カール
(72)【発明者】
【氏名】パク,ヨンジュ
【審査官】中村 天真
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-533752(JP,A)
【文献】特開2018-136959(JP,A)
【文献】特表2016-514280(JP,A)
【文献】特開2016-149689(JP,A)
【文献】特表2015-515048(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0338177(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/00-15/12
H04L 67/00-67/75
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生デバイスにおいて、
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つの無線ネットワークインタフェースと、
非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な前記非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令と、
を備え、
前記プログラム命令は、
前記少なくとも1つの無線ネットワークインタフェースを介して、(i)前記再生デバイスがセットアップのために利用可能であること、及び(ii)前記再生デバイスのネットワーク接続能力を集合的に示す1つ以上のメッセージのセットを送信し、
セキュア無線ネットワーク上で動作するように構成されるコンピューティングデバイスと前記再生デバイスとの間の直接通信経路の外側で、前記コンピューティングデバイスに認証情報を提供し、
前記直接通信経路の外側で、前記認証情報を前記コンピューティングデバイスに提供した後、(i)前記直接通信経路を介して、前記認証情報を前記コンピューティングデバイスに送信し、(ii)前記直接通信経路を介して、前記認証情報を前記コンピューティングデバイスから受信し、
(i)前記直接通信経路を介して前記認証情報を送信および(ii)受信した後に、前記直接通信経路を介して前記コンピューティングデバイスから、(i)ネットワーク構成パラメータ、及び(ii)前記セキュア無線ネットワーク上で動作するメディア再生システムに参加するための構成情報を受信し、
受信されたネットワーク構成パラメータに基づいて、セキュア無線ネットワークに接続するとともに、前記直接通信経路を介して前記コンピューティングデバイスと通信することから、前記セキュア無線ネットワークを介してコンピューティングデバイスと通信することへ移行し、
前記受信された構成情報に基づいて、前記セキュア無線ネットワーク上で動作する前記メディア再生システムに参加する、
ように前記再生デバイスを構成する、再生デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの無線ネットワークインタフェースは、少なくとも2つの無線ネットワークインタフェースを備え、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能であって、1つ以上のメッセージのセットを送信するように前記再生デバイスを構成するプログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能であって、前記少なくとも2つの無線ネットワークインタフェースのそれぞれを介して前記1つ以上のメッセージのセットを送信するように前記再生デバイスを構成するプログラム命令を含む、
請求項1に記載の再生デバイス。
【請求項3】
前記少なくとも2つの無線ネットワークインタフェースは、(i)WiFiインタフェース及び(ii)Bluetoothインタフェースを備える、
請求項2に記載の再生デバイス。
【請求項4】
前記再生デバイスの前記ネットワーク接続能力は、前記1つ以上のメッセージのセットが経由して送信される各無線ネットワークインタフェースの
指示を含む、
請求項2又は3に記載の再生デバイス。
【請求項5】
前記認証情報は、PINコードを含み、
前記再生デバイスは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な前記非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されたプログラム命令であって、前記コンピューティングデバイスとの前記直接通信経路を確立することに基づいて、前記PINコードを生成するように前記再生デバイスを構成するプログラム命令を更に含む、
請求項1から4のいずれか一項に記載の再生デバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能であって、前記直接通信経路の外側で前記PINコードを前記コンピューティングデバイスに提供するように前記再生デバイスを構成する前記プログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能であって、近距離通信(NFC)を介して前記PINコードを前記コンピューティングデバイスに送信するように前記再生デバイスを構成するプログラム命令を含む、
請求項5に記載の再生デバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能であって、前記直接通信経路の外側で前記PINコードを前記コンピューティングデバイスに提供するように前記再生デバイスを構成する前記プログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能であって、超音波オーディオ変調を介して前記PINコードを送信するように前記再生デバイスを構成するプログラム命令を含む、
請求項5に記載の再生デバイス。
【請求項8】
前記再生デバイスは、第1の再生デバイスであり、
少なくとも1つのマイクロフォンと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な前記非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるプログラム命令と、
を更に備え、
前記プログラム命令は、
前記メディア再生システムに参加した後に、前記1つ以上のマイクロフォンを介して、前記メディア再生システムの第2の再生デバイスによって送信される超音波オーディオトーンを検出し、
前記検出されたオーディオトーンに基づいて、前記第2の再生デバイスが前記第1の再生デバイスの近くに位置されると決定し、
前記第2の再生デバイスが前記第1の再生デバイスの近くに位置されるという
指示を制御デバイスに送信し、
前記
指示を送信した後に、結合された再生デバイスグループのメンバーとして前記第2の再生デバイスを参加させるためのコマンドを前記
制御デバイスから受信する、
ように前記第1の再生デバイスを構成する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の再生デバイス。
【請求項9】
非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には少なくとも1つのプロセッサによって実行されるプログラム命令が与えられており、
前記プログラム命令は、再生デバイスに、
少なくとも1つの無線ネットワークインタフェースを介して、(i)前記再生デバイスがセットアップのために利用可能であること、及び(ii)前記再生デバイスのネットワーク接続能力を集合的に示す1つ以上のメッセージのセットを送信させ、
セキュア無線ネットワーク上で動作するように構成されるコンピューティングデバイスと前記再生デバイスとの間の直接通信経路の外側で、前記コンピューティングデバイスに認証情報を提供させ、
前記直接通信経路の外側で、前記認証情報を前記コンピューティングデバイスに提供した後、(i)前記直接通信経路を介して、前記認証情報を前記コンピューティングデバイスに送信させ、(ii)前記直接通信経路を介して、前記認証情報を前記コンピューティングデバイスから受信させ、
(i)前記直接通信経路を介して前記認証情報を送信するとともに(ii)受信した後に、前記直接通信経路を介して前記コンピューティングデバイスから、(i)ネットワーク構成パラメータ、及び(ii)前記セキュア無線ネットワーク上で動作するメディア再生システムに参加するための構成情報を受信させ、
受信されたネットワーク構成パラメータに基づいて、セキュア無線ネットワークに接続させるとともに、前記直接通信経路を介して前記コンピューティングデバイスと通信することから、前記セキュア無線ネットワークを介してコンピューティングデバイスと通信することへ移行させ、
前記受信された構成情報に基づいて、前記セキュア無線ネットワーク上で動作する前記メディア再生システムに参加させる、
非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項10】
前記少なくとも1つの無線ネットワークインタフェースが少なくとも2つの無線ネットワークインタフェースを備え、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行され、前記1つ以上のメッセージのセットを前記再生デバイスに送信させる前記プログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行され、前記少なくとも2つの無線ネットワークインタフェースのそれぞれを介して前記1つ以上のメッセージのセットを前記再生デバイスに送信させるプログラム命令を含む、
請求項9に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項11】
前記少なくとも2つの無線ネットワークインタフェースは、(i)WiFiインタフェース及び(ii)Bluetoothインタフェースを備える、
請求項10に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項12】
前記再生デバイスの前記ネットワーク接続能力は、前記1つ以上のメッセージのセットが経由して送信される各無線ネットワークインタフェースの
指示を含む、
請求項10又は11に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項13】
前記認証情報がPINコードを含み、前記非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行され、前記コンピューティングデバイスとの前記直接通信経路を確立することに基づいて、前記再生デバイスに前記PINコードを生成させるプログラム命令も与えられる、
請求項9から12のいずれか一項に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項14】
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行され、前記直接通信経路の外側で前記再生デバイスに前記PINコードを前記コンピューティングデバイスに提供させる前記プログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行され、前記再生デバイスに近距離通信(NFC)を介して前記PINコードを前記コンピューティングデバイスに送信させるプログラム命令を含む、
請求項13に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
前記少なくとも1つのプロセッサによって実行され、前記直接通信経路の外側で前記再生デバイスに前記PINコードを前記コンピューティングデバイスに提供させる前記プログラム命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行され、前記再生デバイスに超音波オーディオ変調を介して前記PINコードを送信させるプログラム命令を含む、
請求項13に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項16】
前記再生デバイスは、少なくとも1つのマイクロフォンを備える第1の再生デバイスであり、前記非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるプログラム命令も与えられており
、
前記プログラム命令は、前記第1の再生デバイスに、
前記メディア再生システムに参加した後に、前記1つ以上のマイクロフォンを介して、前記メディア再生システムの第2の再生デバイスによって送信される超音波オーディオトーンを検出させ、
前記検出されたオーディオトーンに基づいて、前記第2の再生デバイスが前記第1の再生デバイスの近くに位置されると決定させ、
前記第2の再生デバイスが前記第1の再生デバイスの近くに位置されるという
指示を制御デバイスに送信させ、
前記
指示を送信した後に、結合された再生デバイスグループのメンバーとして前記第2の再生デバイスを参加させるためのコマンドを前記
制御デバイスから受信させる、
請求項9から15のいずれか一項に記載の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項17】
少なくとも1つの無線ネットワークインタフェースを備える再生デバイスによって実行される方法であって、
前記少なくとも1つの無線ネットワークインタフェースを介して、(i)前記再生デバイスがセットアップのために利用可能であること、及び(ii)前記再生デバイスのネットワーク接続能力を集合的に示す1つ以上のメッセージのセットを送信するステップと、
セキュア無線ネットワーク上で動作するように構成されるコンピューティングデバイスと前記再生デバイスとの間の直接通信経路の外側で、前記コンピューティングデバイスに認証情報を提供するステップと、
前記直接通信経路の外側で、前記認証情報を前記コンピューティングデバイスに提供した後、(i)前記直接通信経路を介して、前記認証情報を前記コンピューティングデバイスに送信し、(ii)前記直接通信経路を介して、前記認証情報を前記コンピューティングデバイスから受信するステップと、
(i)前記直接通信経路を介して前記認証情報を送信および(ii)受信した後に、前記直接通信経路を介して前記コンピューティングデバイスから、(i)ネットワーク構成パラメータ、及び(ii)前記セキュア無線ネットワーク上で動作するメディア再生システムに参加するための構成情報を受信するステップと、
前記ネットワーク構成パラメータに基づいて、セキュア無線ネットワークに接続するとともに、前記直接通信経路を介して前記コンピューティングデバイスと通信することから、前記セキュア無線ネットワークを介してコンピューティングデバイスと通信することへ移行するステップと、
前記構成情報に基づいて、前記セキュア無線ネットワーク上で動作する前記メディア再生システムに参加するステップと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの無線ネットワークインタフェースが少なくとも2つの無線ネットワークインタフェースを備え、前記再生デバイスに前記1つ以上のメッセージのセットを送信させる前記ステップは、前記少なくとも2つの無線ネットワークインタフェースのそれぞれを介して前記1つ以上のメッセージのセットを前記再生デバイスに送信させるステップを含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも2つの無線ネットワークインタフェースは、(i)WiFiインタフェース及び(ii)Bluetoothインタフェースを備える、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記再生デバイスの前記ネットワーク接続能力は、前記1つ以上のメッセージのセットが経由して送信される各無線ネットワークインタフェースの
指示を含む、
請求項18又は19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本国際出願は、2020年9月25日に出願された米国仮特許出願第63/083,637号明細書の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、コンシューマ製品に関するものであり、特に、メディア再生に向けられた方法、システム、製品、機能、サービス、および他の要素に関するものや、それらのいくつかの態様に関する。
【背景技術】
【0003】
2002年に、Sonos,Inc.が新しいタイプの再生システムの開発を開始するまで、アウトラウド設定でデジタルオーディオにアクセスして聴くためのオプションは限られていた。Sonosは、2003年に最初の特許出願の1つである「複数のネットワークデバイス間のオーディオ再生を同期する方法(Method for Synchronizing Audio Playback between Multiple Networked Devices)」と題する特許出願を行い、2005年に初のメディア再生システムの販売を開始した。ソノスワイヤレスホームサウンドシステムによって、人々は1つまたは複数のネットワーク再生デバイスを介して多くのソースから音楽を体験できるようになっている。コントローラ(例えば、スマートフォン、タブレット、コンピュータ、音声入力装置)にインストールされたソフトウェアコントロールアプリケーションを通じて、ネットワーク再生デバイスを備えたいずれの部屋においても、人々は所望の音楽を再生することができる。メディアコンテンツ(例えば、歌、ポッドキャスト、ビデオサウンド)は、再生デバイスにストリーミングされ、再生デバイスを備えた各部屋で、対応する異なるメディアコンテンツを再生できるようになっている。また、同じメディアコンテンツを同期再生するために複数の部屋をグループ化すること、および/またはすべての部屋において同じメディアコンテンツを同期して聴くこともできる。
【0004】
デジタルメディアへの関心が益々高まっていることを考えると、聴取体験を更に向上させるために消費者がアクセス可能な技術を開発する必要性が依然として存在する。
【0005】
本明細書で開示されている技術の特徴、態様、および利点は、以下に記載されているように、以下の説明、添付の特許請求の範囲、および添付の図面を参照するとより理解され得る。当業者においては、図面に示された特徴が図示の目的のためであって、異なる特徴および/または追加の特徴およびその配置を含む変形が可能であることを理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】開示された技術の態様に従って構成されたメディア再生システムを含む環境の部分断面図である。
【
図1B】
図1Aのメディア再生システムと1つまたは複数のネットワークの概略図である。
【
図1C】例示的な再生デバイスのブロック図である。
【
図1D】例示的な再生デバイスのブロック図である。
【
図1E】例示的な再生デバイスのブロック図である。
【
図1F】例示的なネットワークマイクロフォンデバイスのブロック図である。
【
図1G】例示的な再生デバイスのブロック図である。
【
図1H】例示的な制御デバイスの概略部分図である。
【
図1I】
図1Hの例示的な制御デバイスの例示的なユーザインタフェースの模式図である。
【
図1J】対応する例示的なメディア再生システムゾーンの模式図である。
【
図1K】対応する例示的なメディア再生システムゾーンの模式図である。
【
図1L】対応する例示的なメディア再生システムゾーンの模式図である。
【
図1M】対応する例示的なメディア再生システムゾーンの模式図である。
【
図2】例示的なメディア再生システムエリアの概略図である。
【
図3】再生デバイスハウジングの一例の等角図である。
【
図4】
図3の再生デバイスのためのヘッドセットアセンブリの一例の図である。
【
図5】再生デバイスのインテリジェントセットアップのための動作例を示すフローチャートである。
【
図6】セットアップに利用可能な新たな再生デバイスの制御デバイス上の通知の一例を示す。
【
図7A】再生デバイス上のNFCタグをスキャンするための制御デバイス上の命令の一例を示す。
【
図7B】再生デバイス上のNFCタグをスキャンするための制御デバイス上の命令の他の例を示す。
【
図8】可聴トーンを再生する再生デバイスの近くに制御デバイスを保持するための制御デバイス上の命令の一例を示す。
【
図9】PINコードを手動で入力するための制御デバイス上の命令の一例を示す。
【
図10A】再生デバイス上のボタンを押すための制御デバイス上の命令の一例を示す。
【
図10B】再生デバイス上のボタンを押すための制御デバイス上の命令の他の例を示す。
【
図11】再生デバイスのためのルーム名を選択するための制御デバイス上の表示の一例を示す。
【
図12A】結合されたグループのメンバーとして再生デバイスを参加させるためのセットアッププロセスを開始するための制御デバイス上の表示の一例を示す。
【
図12B】結合されたグループのメンバーとして再生デバイスを参加させるためのセットアッププロセスを開始するための制御デバイス上の表示の他の例を示す。
【
図12C】結合されたグループのメンバーとして再生デバイスを参加させるためのセットアッププロセスを開始するための制御デバイス上の表示の他の例を示す。
【
図12D】結合されたグループのメンバーとして再生デバイスを参加させるためのセットアッププロセスを開始するための制御デバイス上の表示の他の例を示す。
【
図12E】メディア再生システムにおける再生デバイスの位置の更新を確認するための制御デバイス上の表示の一例を示す。
【
図13A】所与の位置に移動して可聴トーンを再生している再生デバイスを選択するための制御デバイス上の命令の一例を示す。
【
図13B】所与の位置に移動して可聴トーンを再生している再生デバイスを選択するための制御デバイス上の命令の他の例を示す。
【
図14A】音声アシスタントサービスに関する制御デバイス上の通知の一例を示す。
【
図14B】音声アシスタントサービスに関する制御デバイス上の通知の他の例を示す。
【
図15】結合グループ内の再生デバイスに伴う検出された問題の制御デバイス上の通知の一例を示す。
【
図16A】結合グループから1つ以上の再生デバイスを除去するための制御デバイス上の命令の一例を示す。
【
図16B】結合されたグループから1つ以上の再生デバイスを除去するための制御デバイス上の命令の他の例を示す。
【
図16C】結合されたグループから1つ以上の再生デバイスを除去するための制御デバイス上の命令の他の例を示す。
【0007】
図面は、いくつかの例示的な実施形態を例示することを目的としているが、当業者であれば、本明細書に開示された技術が、図面に示された配置および手段に限定されるものではないことは理解される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
I.概要
Sonos,Inc.(「Sonos」)は、その初期から、デバイスセットアップ体験の分野における革新者であった。2005年、Sonosは米国特許出願第11/147,116号を出願し、これは、最小限の人間の介入でネットワークに結合されるべきデバイス(例えば、再生デバイス)の必要なパラメータを自動的に構成するための技術を記載している。これらの技術は、別のデバイス(例えば、コントローラデバイス)を使用してデバイスと基本的な通信経路を確立し、デバイスがネットワーク内で適切に機能するために必要なパラメータを交換することを含んでいた。「Establishing a secure wireless network with minimum human intervention」と題されて米国特許第8,326,951号として発行された2006年6月6日に出願された米国特許出願第11/147,116号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。上記で具体的に論じられたもの以外の追加の概念は、米国特許出願第11/147,116号に開示されている。
【0009】
2011年に、Sonosは、米国特許出願第13/340,110号を出願しており、この出願は、無線デバイス(例えば、スマートフォン)が、マルチメディア再生ネットワークへの接続のために利用可能なネットワークを識別及び監視するための技術を記載している。無線デバイスは、1つ以上の利用可能なネットワークのネットワーク特性(例えば、信号強度)を評価して、接続のための好適なネットワークを識別し、好適なネットワークを使用していない場合、無線デバイスの接続の切り替えを容易にし得る。「Systems and methods for multi-network audio control」と題されて米国特許第9,247,492号として発行された2011年12月29日に出願された、米国特許出願第13/340,110号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。上記で具体的に論じられたもの以外の追加の概念は、米国特許出願第13/340,110号に開示されている。
【0010】
Sonosは、米国特許出願第13/340,116号において無線デバイスの接続を更に論じており、これは、無線デバイス又はユーザがネットワーク名を知ることも、タイプすることもなく、ユーザが無線デバイス(例えば、スマートフォン)を隠しネットワークに接続することを可能にするための技術を記載している。「Systems and methods for connecting an audio controller to a hidデン audio network」と題されて米国特許第9,191,699号として発行された2011年12月29日に出願された米国特許出願第13/340,116号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。上記で具体的に論じられたもの以外の追加の概念は、米国特許出願第13/340,116号に開示されている。
【0011】
米国特許出願第13/341,245号明細書において、Sonosは、ネットワークに既に接続されている1つ以上の再生デバイスの解析に基づく構成及び命名を含む、ローカル再生ネットワーク上のマルチメディア再生デバイスの構成及び命名のための技術を記載している。「Systems and methods for player setup room names」と題されて米国特許第9,344,292号として発行された2011年12月30日に出願された米国特許出願第13/341,245号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。上記で具体的に論じられたもの以外の追加の概念は、米国特許出願第13/341,245号に開示されている。
【0012】
米国特許出願第13/568,993号では、Sonosは、再生デバイスが、別のデバイス(例えば、スマートフォン)によって自動的に検出され得る音響シグネチャ(例えば、人間の耳の可聴範囲外)を送信し得る技術を記載している。音響シグネチャは、スマートフォンが再生デバイスの近くにあることを決定するために使用されてもよい。「Acoustic signatures in a playback system」と題されて米国特許第8,930,005号として発行された2012年8月7日に出願された米国特許出願第13/568,993号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。上記で具体的に論じられたもの以外の追加の概念は、米国特許出願第13/568,993号に開示されている。
【0013】
米国特許出願第13/767,843号において、Sonosは、セキュアメディア再生ネットワークに再生デバイスを追加することを更に論じている。再生デバイスは、ユーザ入力なしで、既にネットワーク上にあるデバイスとメッセージを交換し、それにより、セキュアネットワークに接続するためのセキュリティパラメータを受信することができる。「Automatic configuration of household playback devices」と題されて米国特許第9,319,409号として発行された2013年2月14日に出願された米国特許出願第13/767,843号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。上記で具体的に論じられたもの以外の追加の概念は、米国特許出願第13/767,843号に開示されている。
【0014】
米国特許出願第13/767,850号において、Sonosは、セキュアメディア再生ネットワークに再生デバイスを追加することを更に論じている。ネットワークに既に接続されているデバイスは、リモートデバイス(例えば、クラウドベースのデバイス)から、セットアップされることになる再生デバイスのためのセットアップ情報を示す構成テーブルを受信することができ、再生デバイスにセットアップ情報を提供することができ、それに応じて設定されるようにすることができる。「Automatic configuration of household playback devices」と題されて米国特許第9,237,384号として発行された2013年2月14日に出願された米国特許出願第13/767,850号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。上記で具体的に論じられたもの以外の追加の概念は、米国特許出願第13/767,850号に開示されている。
【0015】
米国特許出願第14/988,524号において、Sonosは、セキュアメディア再生ネットワークに再生デバイスを追加することを更に論じている。メディア再生システムに参加するために利用可能な再生デバイスは、音を発する命令を受信することができ、これにより、ユーザは、セットアップされている再生デバイスを識別して確認することができる。「Multiple-device setup」と題されて米国特許第10,303,422号として発行された2016年1月5日に出願された米国特許出願第14/988,524号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。上記で具体的に論じられたもの以外の追加の概念は、米国特許出願第14/988,524号に開示されている。
【0016】
米国特許出願第14/988,534号において、Sonosは、セキュアメディア再生ネットワークに再生デバイスを追加することを更に論じている。セットアッププロセス中に、所与のデバイス(例えば、スマートフォン)は、再生デバイス及びメディア再生ネットワークに既に接続されている1つ以上の他の再生デバイスが1つ以上の結合ゾーン構成と互換性があることを識別することができる。次いで、セットアッププロセス中に選択するために、適合する結合ゾーン構成をユーザに提示することができる。「Intelligent group iデンtification」と題されて米国特許第10,284,980号として発行された2016年1月5日に出願された米国特許出願第14/988,534号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。上記で具体的に論じられたもの以外の追加の概念は、米国特許出願第14/988,534号に開示されている。
【0017】
上記の非限定的な例に加えて、多くの他の発行された特許及び係属中の特許出願は、デバイスセットアップ経験の分野におけるSonosの革新の歴史を反映している。
【0018】
Sonosが2005年に最初のネットワーク再生デバイスの販売を開始して以来、「スマートホーム」デバイス、又はより一般的にはモノのインターネット(IoT)デバイスと呼ばれることもある他の多くの種類のネットワーク接続されたコンシューマデバイスが益々一般的になってきている。しかしながら、製品の所与のエコシステムが経時的に成熟するにつれて、そのような製品の様々なモデル及びバージョンにわたって結束したユーザ体験を提供することが課題となり始める可能性がある。特に、接続デバイス、特に無線デバイスの最も基本的な能力の1つは、接続デバイスが動作するネットワーク、典型的にはユーザのホームWi-Fiネットワークへの接続を確立する能力である。比較的古いデバイスは、そのハードウェアに基づいて1セットのネットワーキング能力を有し得るが、比較的新しいデバイスは、そのより新しいハードウェアに基づいて異なるセットの改善されたネットワーキング能力を有し得る。しかしながら、消費者が、デバイスに反復的な改善があるたびに、新しいバージョン又は「次世代」モデルを優先して古いデバイスを交換することを期待すると、実質的なユーザのフラストレーションにつながる可能性がある。したがって、様々なクラスの古いデバイスのサポートを可能な限り長く維持することが好ましい。
【0019】
それにもかかわらず、別の課題として、接続されたデバイスの無線セットアップは、デバイスにユーザのWi-Fi認証情報を提供するためにデバイスへの初期接続を行うユーザデバイス(例えば、スマートフォン)によって実行されることが多い。これに関して、ユーザデバイスは、異なるユーザデバイスが独自の異なるハードウェア及びネットワーキング能力を有することができ、異なるオペレーティングシステムを実行することができるため、更に別の変形の原因となり得る。
【0020】
例えば、Sonosエコシステムは、現在、数十の再生デバイスモデル及び/又はバージョンを含み、それらの多くは、異なるハードウェア及びネットワーク接続機能を有する。更に、同じモデルの再生デバイス間でさえ、いくつかのデバイスは、他のデバイスが受信していないソフトウェア更新(例えば、ファームウェア更新)を受信している可能性があり、その結果、再生デバイスの挙動に更なる違いが生じる可能性がある。更に、2つの異なるオペレーティングシステムのうちの1つで動作している可能性がある更に広範囲のユーザデバイスを使用して、所与のSonos再生デバイスを設定することができる。その結果、非常に多数の異なる設定可能性がサポートされなければならない。
【0021】
更に、所与のデバイスをセットアップするときに考慮されるべき変数は、ネットワークハードウェア及びファームウェアバージョンを伴うものに限定されない。接続されたデバイスの機能が新しい改良された機能を含むように増加するにつれて、所与のデバイスの様々な追加の設定オプションがユーザに利用可能になり得る。例えば、本明細書において論じられているようなメディア再生システムの一部として動作するように設定されている例示的な再生デバイスは、現在存在し得る又は将来開発され得る多くの他の機能の中でも、(i)ユーザのメディアサービスプロバイダアカウントのうちの1つ以上とのリンク、(ii)マルチチャネルホームシアターセットアップへの統合、(iii)高度なオーディオ較正技術、及び(iv)1つ以上の音声アシスタントサービスの組み込みなどの1つ以上の機能をサポートすることができる。これらの特徴のそれぞれは、ユーザがある程度の追加の設定を完了することを必要とする場合がある。
【0022】
結果として、これらの変数の全て並びに他の変数をサポートするセットアッププロセスは、過度に複雑かつ煩雑になる可能性があり、ユーザの特定のセットアップ状況に必要ではない、又はそうでなければユーザに関連しない命令又は選択肢をユーザに提示するリスクをもたらす可能性がある。これは、デバイス設定の他のより重要な部分を不明瞭にすることによってユーザの体験に悪影響を及ぼす可能性があり、設定体験をナビゲートする際のユーザの信頼性を低下させる可能性がある。これは、ひいては、より多くの設定ミスにつながる可能性がある。
【0023】
これらの理由などのために、異なる能力を有するデバイスのシステムにわたって適用することができるが、ユーザがデバイス設定を確実かつ正確にナビゲートすることができるように単純かつ魅力的なままである初期設定手順を実装することは、実質的な課題となり得る。
【0024】
したがって、本明細書に記載の実施形態は、所与のデータネットワーク上で動作するように再生デバイスを設定するための技術に関し、これは、一般に、再生デバイスが所与のデータネットワークに接続することを可能にすることと、そのうちのいくつかが所与のデータネットワークに既に接続されていてもよい再生デバイスをネットワーク化された再生デバイスのメディア再生システムのメンバーとして追加することとを伴うことができる。これらの技術は、ナビゲーションが容易であり、セットアッププロセスにおけるユーザのフラストレーションの可能性を低減する効率的なユーザ体験を維持しながら、広範囲のハードウェア及びソフトウェア機能を有する多数の異なる種類の再生デバイスをセットアップするために柔軟かつインテリジェントに適用され得る。
【0025】
本明細書で説明される例示的なネットワーク環境、接続されたデバイス、及びセットアッププロセスは、一般に、メディア再生デバイス及びそれらの関連する特徴に焦点を当てているが、ここで提示されるインテリジェントセットアップ技法は、ネットワークデバイス、IoTデバイス、スマートホームデバイスなどの他のシステムにおける同様の問題に対処するためにも実装され得ることを理解すべきである。実際、広範囲の製品構成のサポート及び製品寿命の延長などの同じ利点の多くは、多数の他のタイプのシステムにも等しく適用可能である。
【0026】
本明細書に記載されるいくつかの例は、「ユーザ(user)」、「リスナー(listener)」、および/または他のエンティティのような所定のアクターによって実行される機能を参照してもよいが、これは説明のためだけのものであることが理解されるべきである。特許請求の範囲は、特許請求の範囲自体の用語によって明示的に要求されない限り、そのような例示的なアクターによるアクションを要求するように解釈されるべきではない。
【0027】
II.適切な動作環境
a.適切なメディア再生システム
図1A及び
図1Bは、本明細書に開示される1つ以上の実施形態が実装され得るメディア再生システム(「MPS」)100の例示的な構成を示す。最初に
図1Aを参照すると、環境101(例えば、家)に分布したMPS100の部分破断図が示されている。図示のMPS100は、複数の部屋及び空間を有する例示的な家庭環境に関連付けられている。MPS100は、(個々に再生デバイス110a~oとして識別される)1つ以上の再生デバイス110と、(個々にNMD120a~cとして識別される)1つ以上のネットワークマイクロフォンデバイス(「NMD」)120と、(個々に制御デバイス130a及び130bとして識別される)1つ以上の制御デバイス130とを備える。
【0028】
本明細書で使用されるように、「再生デバイス」という用語は、概して、メディア再生システムのデータを受信し、処理し、出力するように構成されたネットワークデバイスを指すことができる。例えば、再生デバイスは、オーディオコンテンツを受信し、処理するように構成されたネットワークデバイスであり得る。いくつかの実施形態では、再生デバイスは、1つまたは複数のアンプによって給電される1つまたは複数のトランスデューサまたはスピーカを含む。しかしながら、他の実施形態では、再生デバイスは、スピーカおよびアンプのいずれか一方(またはどちらでもない)を含む。例えば、再生デバイスは、対応するワイヤまたはケーブルを介して再生デバイスの外部にある1つまたは複数のスピーカを駆動するように構成された1つまたは複数のアンプを含むことができる。
【0029】
さらに、本明細書で使用されるように、NMD(すなわち、「ネットワークマイクロフォンデバイス」)という用語は、概して、オーディオ検出のために構成されたネットワークデバイスを指すことができる。いくつかの実施形態では、NMDは、主にオーディオ検出のために構成されたスタンドアロンデバイスである。他の実施形態では、NMDは再生デバイスに組み込まれている(またはその逆である)。
【0030】
「制御デバイス」という用語は、概して、ユーザのアクセス、制御および/またはMPS100の構成を容易にするために関連する機能を実行するように構成されたネットワークデバイスを指すことができる。
【0031】
再生デバイス110の各々は、1つまたは複数のメディアソース(例えば、1つまたは複数のリモートサーバ、1つまたは複数のローカルデバイス)からオーディオ信号またはデータを受信し、受信したオーディオ信号またはデータを音として再生するように構成されている。1つまたは複数のNMD120は、スポークンワードコマンド(spoken word command)を受信するように構成され、1つまたは複数の制御デバイス130は、ユーザ入力を受信するように構成されている。受信されたスポークンワードコマンドおよび/またはユーザ入力に応答して、MPS100は、再生デバイス110の1つまたは複数を介してオーディオを再生することができる。特定の実施形態では、再生デバイス110は、トリガに応答してメディアコンテンツの再生を開始するように構成されている。例えば、再生デバイス110の1つまたは複数は、関連するトリガ条件(例えば、キッチン内のユーザの存在、コーヒーマシンの操作の検出)が検出されたときに、朝のプレイリストを再生するように構成され得る。いくつかの実施形態では、例えば、MPS100は、第2再生デバイス(例えば、再生デバイス110b)と同期して、第1再生デバイス(例えば、再生デバイス110a)からのオーディオを再生するように構成される。本開示の様々な実施形態に従って構成されるMPS100の再生デバイス110、NMD120、および/または制御デバイス130の間のインタラクションは、
図1B~
図1Hに関して以下でより詳細に説明される。
【0032】
図1Aの例示された実施形態では、環境101は、(左上から時計回りに)マスターバスルーム101a、マスターベッドルーム101b、セカンドベッドルーム101c、ファミリールームまたはデン101d、オフィス101e、リビングルーム101f、ダイニングルーム101g、キッチン101h、および屋外パティオ101iを含む、複数の部屋、空間、および/または再生ゾーンを有する家庭で構成されている。特定の実施形態および例は、家庭環境の文脈で以下に記載されているが、本明細書に記載された技術は、他のタイプの環境で実施されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、MPS100は、1つまたは複数の商業的な設備(例えば、レストラン、モール、空港、ホテル、小売店または他の店舗)、1つまたは複数の車両(例えば、スポーツユーティリティ車両、バス、自動車、船、ボート、飛行機)、複数の環境(例えば、家庭環境と車両環境の組み合わせ)、および/またはマルチゾーンオーディオが望ましいかもしれない別の適切な環境で実施することができる。
【0033】
MPS100は、1つまたは複数の再生ゾーンを構成することができ、そのうちのいくつかは、環境101内の部屋に対応していてもよい。MPS100は、1つまたは複数の再生ゾーンで確立されていてもよく、その後、追加のゾーンが追加されてもよく、または削除されて、例えば
図1Aに示す構成を確立してもよい。各ゾーンは、オフィス101e、マスターバスルーム101a、マスターベッドルーム101b、セカンドベッドルーム101c、キッチン101h、ダイニングルーム101g、リビングルーム101f、および/またはパティオ101iのような、異なる部屋または空間に応じた名前を与えられてもよい。いくつかの態様では、単一の再生ゾーンは、複数の部屋またはスペースを含んでいてもよい。特定の態様において、単一の部屋または空間は、複数の再生ゾーンを含んでいてもよい。
【0034】
図1Aの例示された実施形態では、マスターバスルーム101a、セカンドベッドルーム101c、オフィス101e、リビングルーム101f、ダイニングルーム101g、キッチン101h、および屋外パティオ101iは、それぞれ1つの再生デバイス110を含み、マスターベッドルーム101bおよびデン101dは、複数の再生デバイス110を含む。マスターベッドルーム101bにおいて、再生デバイス110lおよび110mは、例えば、複数の再生デバイス110の個々のものとして、結合された再生ゾーンとして、統合再生デバイスとして、および/またはそれらの任意の組み合わせとして、オーディオコンテンツを同期して再生するように構成されていてもよい。同様に、デン101dにおいて、再生デバイス110h-jは、例えば、複数の再生デバイス110の個々のものとして、1つまたは複数の結合再生デバイスとして、および/または1つまたは複数の統合再生デバイスとして、オーディオコンテンツを同期して再生するように構成されてもよい。
【0035】
図1Bを参照すると、家庭環境は、1つ以上のスマート照明デバイス108、スマートサーモスタット140、及びローカルコンピューティングデバイス105(
図1A)などのローカルネットワークデバイスを含む、追加の及び/又は他のコンピューティングデバイスを含むことができる。以下に説明する実施形態では、様々な再生デバイス110のうちの1つ以上は、ポータブル再生デバイスとして構成されてもよく、他のものは、固定再生デバイスとして構成されてもよい。例えば、ヘッドフォン110o(
図1B)は、ポータブル再生デバイスであり、一方、ブックケース上の再生デバイス110eは、固定デバイスであってもよい。別の例として、パティオ上の再生デバイス110cは、バッテリ駆動デバイスであってもよく、バッテリ駆動デバイスは、バッテリ駆動デバイスが壁コンセントなどに差し込まれていないときに、環境101内及び環境101外の様々な領域に搬送されることを可能にし得る。
【0036】
更に
図1Bを参照すると、MPS100の様々な再生デバイス、ネットワークマイクロフォンデバイス、及びコントローラデバイス、及び/又は他のネットワークデバイスは、ネットワークルータ109を含み得るローカルネットワーク160を介して、ポイントツーポイント接続を介して、及び/又は有線及び/又は無線であり得る他の接続を介して互いに結合され得る。例えば、「左」デバイスとして指定され得るデン101d(
図1A)内の再生デバイス110jは、同じくデン101d内にあり、「右」デバイスとして指定され得る再生デバイス110kとのポイントツーポイント接続を有し得る。関連する実施形態では、左再生デバイス110jは、ポイントツーポイント接続及び/又はローカルネットワーク160を介した他の接続を介して、「フロント」デバイスとして指定され得る再生デバイス110hなどの他のネットワークデバイスと通信することができる。
【0037】
ローカルネットワーク160は、例えば、限られたエリア(例えば、住宅、オフィスビル、車、個人のワークスペースなど)内の一以上のデバイスを相互に接続するネットワークであってもよい。ローカルネットワーク160は、例えば、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)(例えば、Wi-Fiネットワーク、Z-Waveネットワークなど)及び/又は1つ以上のパーソナルエリアネットワーク(PAN)(例えば、ブルートゥース(登録商標)ネットワーク、無線USBネットワーク、ZigBeeネットワーク、IRDAネットワーク、及び/又は他の適切な無線通信プロトコルネットワーク)及び/又は有線ネットワーク(例えば、イーサネット、ユニバーサルシリアルバス(USB)、及び/又は別の適切な有線通信を含むネットワーク)などの1つ以上のローカルエリアネットワーク(LAN)を含むことができる。当業者には理解されるように、本明細書で使用する場合、「Wi-Fi」は、例えば、2.4ギガヘルツ(GHz)、5GHz、6GHz、及び/又は別の適切な周波数で送信される、米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11a、802.11b、802.11g、802.12、802.11ac、802.11ac、802.11ad、802.11af、802.11ah、802.11ai、802.11aj、802.11aq、802.11ax、802.11ay、802.15などを含むいくつかの異なる通信プロトコルを指すことができる。
【0038】
MPS100は、ローカルネットワーク160からメディアコンテンツを受信するように構成される。受信されたメディアコンテンツは、例えば、ユニフォーム・リソース・アイデンティファイヤ(URI)及び/又はユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)を含むことができる。例えば、いくつかの例では、MPS100は、受信したメディアコンテンツに対応するURI又はURLからデータをストリーミング、ダウンロード、又は取得することができる。
【0039】
図1Bに更に示すように、MPS100は、広域ネットワーク(「WAN」)107を介して1つ以上のリモートコンピューティングデバイス106に結合することができる。いくつかの実施形態では、各リモートコンピューティングデバイス106は、1つ以上のクラウドサーバの形態をとることができる。リモートコンピューティングデバイス106は、様々な方法で環境101内のコンピューティングデバイスと対話するように構成することができる。例えば、リモートコンピューティングデバイス106は、環境101(
図1A)におけるオーディオなどのメディアコンテンツのストリーミング及び/又は再生の制御を容易にするように構成することができる。
【0040】
いくつかの実装形態では、様々な再生デバイス110、NMD120、及び/又は、制御デバイス130は、音声アシスタントサービス(「VAS」)に関連付けられた少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイス及び/又はメディア・コンテンツ・サービス(「MCS」)に関連付けられた少なくとも1つのリモートコンピューティングデバイスに通信可能に結合されてもよい。例えば、
図1Bの図示の例では、リモートコンピューティングデバイス106aは、VAS190に関連付けられ、リモートコンピューティングデバイス106bは、MCS192に関連付けられる。明確にするために、単一のVAS190及び単一のMCS192のみが
図1Bの例に示されているが、MPS100は、複数の異なるVAS及び/又はMCSに結合されてもよい。いくつかの実施形態では、様々な再生デバイス110、NMD120、及び/又は制御デバイス130は、受信した音声入力に関連するデータを、(i)受信した音声入力データを処理し、(ii)対応するコマンドをMPS100に送信するように構成されたVASに送信することができる。いくつかの態様では、例えば、コンピューティングデバイス106aは、VASの1つ以上のモジュール及び/又はサーバを備えることができる。いくつかの実装形態では、VASは、SONOS(登録商標)、AMAZON(登録商標)、グーグル(登録商標)APPLE(登録商標)、MICROSOFT(登録商標)、NUANCE(登録商標)、又は他の音声アシスタントプロバイダのうちの1つ以上によって動作されてもよい。いくつかの実装形態では、MCSは、SPOTIFY、PANDORA、AMAZONMUSIC、YOUTUBE(登録商標) MUSIC、APPLE MUSIC、又は他のメディア・コンテンツ・サービスのうちの1つ以上によって動作することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、ローカルネットワーク160は、MPS100が個々のデバイス間でメッセージを送信するために、及び/又はMCSとの間でメディアコンテンツを送信するために使用する専用通信ネットワークを備える。特定の実施形態では、ローカルネットワーク160は、MPS100内のデバイスのみにアクセス可能であるように構成され、それによって他の家庭用デバイスとの干渉及び競合を低減する。しかしながら、他の実施形態では、ローカルネットワーク160は、既存の家庭用通信ネットワーク(例えば、家庭用Wi-Fiネットワーク)を含む。いくつかの実施形態では、MPS100は、ローカルネットワーク160なしで実装され、MPS100を備える様々なデバイスは、例えば、1つ以上の直接接続、PAN、電気通信ネットワーク(例えば、LTEネットワーク又は5Gネットワークなど)、及び/又は他の適切な通信リンクを介して、互いに通信することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、オーディオコンテンツソースは、MPS100から定期的に追加または削除されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、MPS100は、1つまたは複数のメディアコンテンツソースがMPS100から更新され、追加され、および/または削除されたときに、メディアアイテムの索引付けを実行する。MPS100は、様々な再生デバイスにアクセス可能な一部またはすべてのフォルダおよび/またはディレクトリ内の識別可能なメディアアイテムをスキャンし、見つかった識別可能な各メディアアイテムについてメタデータ(例えば、タイトル、アーティスト、アルバム、トラックの長さ)および他の関連情報(例えば、URI、URL)を含むメディアコンテンツデータベースを生成または更新することができる。いくつかの実施形態では、例えば、メディアコンテンツデータベースは、様々な再生デバイス、ネットワークマイクロフォンデバイス、および/またはMPS100の制御デバイスのうちの1つまたは複数に格納される。
【0043】
図1Bに更に示すように、リモートコンピューティングデバイス106は、とりわけ、メディア再生機能の遠隔促進、デバイス及びシステムステータス情報の管理、MPS100のデバイスと1つ以上のVAS及び/又はMCSとの間の通信の指示などの特定の動作を実行するように構成されたリモートコンピューティングデバイス106cを更に含む。一例では、リモートコンピューティングデバイス106cは、1つ以上のSONOS無線HiFiシステムのためのクラウドサーバを提供する。
【0044】
様々な実施態様において、再生デバイス110のうちの1つ以上は、ユーザからの音声発話を受信するように構成された車載(例えば、統合)ネットワークマイクロフォンデバイスの形態をとるか、又はこれを含んでもよい。例えば、再生デバイス110c~110h、及び110kは、それぞれ、対応するNMD120c~120h、及び120kを含むか、又は備えている。NMDを含む、又は備える再生デバイスは、本明細書では、本明細書で別段の指示がない限り、再生デバイス又はNMDと互換的に呼ばれ得る。場合によっては、NMD120のうちの1つ以上は、スタンドアロンデバイスであってもよい。例えば、NMD120lは、スタンドアロンデバイスであってもよい。スタンドアロンNMDは、スピーカ又は関連する電子機器などの再生デバイスに通常含まれるコンポーネント及び/又は機能を省略することができる。例えば、そのような場合、スタンドアロンのNMDは、オーディオ出力を生成しなくてもよく、又は限定されたオーディオ出力(例えば、比較的低品質のオーディオ出力)を生成してもよい。
【0045】
MPS100の様々な再生及びネットワークマイクロフォンデバイス110及び120はそれぞれ、固有の名前に関連付けられてもよく、固有の名前は、これらのデバイスのうちの1つ以上のセットアップ中などに、ユーザによってそれぞれのデバイスに割り当てられてもよい。例えば、
図1Bの図示の例に示されるように、ユーザは、再生デバイス110eが物理的にブックケースに位置しているため、再生デバイス110eに「ブックケース」という名前を割り当てることができる。同様に、NMD120lは、キッチン101h(
図1A)のアイランドのカウンタートップに物理的に位置しているため、「アイランド」という名前を割り当てることができる。いくつかの再生デバイスにはゾーン又は部屋に応じた名前が割り当てられてもよく、例えば、再生デバイス110g、110d、及び110fなどはそれぞれ「ベッドルーム」、「ダイニングルーム」、及び「オフィス」と名付けられる。更に、特定の再生デバイスは、機能的に記述的な名称を有してもよい。例えば、再生デバイス110k及び110hは、これらの2つのデバイスがデン101d(
図1A)のゾーンにおけるメディア再生中に特定のオーディオチャネルを提供するように構成されていることから、名称「右」及び「前」をそれぞれ割り当てられる。パティオ内の再生デバイス110cは、バッテリ駆動であり、及び/又は環境101の異なる領域に容易に移動可能であるため、「ポータブル」と命名されてもよい。他の命名規則も可能である。
【0046】
前述したように、NMDは、NMDの近くにいる人が話した音声と混合された背景ノイズを含む音など、その環境からの音を検出して処理することができる。例えば、音が環境内のNMDによって検出されると、NMDは検出された音を処理して、音がNMD向けの音声入力、及び最終的には特定のVASを含む発話を含むかどうかを決定することができる。例えば、NMDは、発話が特定のVASに関連するウェイクワードを含むかどうかを識別することができる。
【0047】
図1Bの図示の例では、NMD120は、ローカルネットワーク160及び/又はルータ109を介してVAS190と対話するように構成される。VAS190との対話は、例えば、NMDが検出された音において潜在的ウェイクワードを識別したときに開始されてもよい。この識別により、起動ワードイベントが発生し、これにより、NMDは、検出音データのVAS190への送信を開始する。いくつかの実装形態では、MPS100の様々なローカルネットワークデバイス105,110,120、130(
図1A)及び/又はリモートコンピューティングデバイス106cは、選択されたVASに関連するリモートコンピューティングデバイスと様々なフィードバック、情報、命令、及び/又は関連データを交換することができる。そのような交換は、音声入力を含む送信されたメッセージに関連しているか、又は独立している場合がある。いくつかの実施形態では、リモートコンピューティングデバイス及びMPS100は、本明細書に記載の通信経路を介して、及び/又は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる2017年8月24日に公開された「Voice Controlof a Media Playback System」と題する米国特許出願公開第2017-0242653号明細書に記載のメタデータ交換チャネルを使用して、データを交換することができる。
【0048】
音データのストリームを受信すると、VAS190は、NMDからのストリームデータに音声入力があるかどうかを決定することができ、そうである場合、VAS190はまた、音声入力の基礎となる意図を決定することができる。次に、VAS190は、ウェイクワードイベントを引き起こしたNMDに応答を直接送信することを含むことができる応答をMPS100に返信することができる。応答は、典型的には、決定されたVAS190が音声入力に存在したという意図に基づく。一例として、「ビートルズのHey Judeを再生して」という発話を伴う音声入力をVAS190が受信したことに応答して、VAS190は、音声入力の根底にある意図が再生を開始することであると決定し、更に、音声入力の意図が特定の曲「Hey Jude」を再生することであると決定してもよい。これらの決定の後、VAS190は、コンテンツ(すなわち、「Hey Jude」という曲)を検索するためにコマンドを特定のMCS192に送信することができ、そのMCS192は、このコンテンツをNIPS100に直接又はVAS190を介して間接的に提供する(例えば、ストリーム)。いくつかの実施では、VAS190は、MPS100自体にMCS192からコンテンツを取り出させるコマンドをNIPS100へ送信し得る。
【0049】
特定の実施形態では、NMDは、互いに近接して位置する2つ以上のNMDによって検出された音声において音声入力が識別されたときに、互いの間のアービトレーションを容易にすることができる。例えば、環境101(
図1A)内のNMD搭載再生デバイス110eは、NMD搭載リビングルーム再生デバイス120bに比較的近接しており、両方のデバイス110e及び120bは、少なくとも時々同じ音を検出することがある。そのような場合、これは、どのデバイスが最終的に検出音データをリモートVASに提供することに関与するかについてのアービトレーションを必要とし得る。NMD間のアービトレーションの例は、例えば、先に参照した米国特許出願公開第2017-0242653号明細書に見出すことができる。
【0050】
特定の実施形態では、NMDは、NMDを含まなくてもよい指定された又はデフォルトの再生デバイスに割り当てられるか、又は関連付けられてもよい。例えば、キッチン101h(
図1A)内のアイランドNMD120lは、アイランドNMD120lに比較的近接しているダイニングルーム再生デバイス110dに割り当てられてもよい。実際には、NMDは、NMDから音声入力を受信してオーディオを再生することに応答して、割り当てられた再生デバイスにオーディオを再生するように指示することができ、NMDは、ユーザが特定の曲、アルバム、プレイリストなどを再生するためのコマンドを発話したことに応答して、オーディオをVASに送信することができる。NMD及び再生デバイスを指定デバイス又はデフォルトデバイスとして割り当てることに関する更なる詳細は、例えば、先に参照した米国特許出願公開第2017-0242653号に見出すことができる。
【0051】
例示的なMPS100の様々なコンポーネント、及び様々なコンポーネントがどのように対話してユーザにメディア体験を提供することができるかに関する更なる態様は、以下のセクションに見出すことができる。本明細書における議論は、一般に、例示的なMPS100を参照し得るが、本明細書に記載された技術は、とりわけ、前述した家庭環境内の用途に限定されない。例えば、本明細書に記載の技術は、再生デバイス110、ネットワークマイクロフォンデバイス120、及び/又は制御デバイス130のいずれかをより多く又はより少なく含む他の家庭環境構成において有用であり得る。例えば、本明細書の技術は、単一の再生デバイス110及び/又は単一のNMD120を有する環境内で利用することができる。そのような場合のいくつかの例では、ローカルネットワーク160(
図1B)を排除することができ、単一の再生デバイス110及び/又は単一のNMD120は、リモートコンピューティングデバイス106a~cと直接通信することができる。いくつかの実施形態では、電気通信ネットワーク(例えば、LTEネットワーク、5Gネットワークなど)は、ローカルネットワーク160から独立した様々な再生デバイス110、ネットワークマイクロフォンデバイス120、及び/又は制御デバイス130と通信してもよい。
【0052】
b.適切な再生デバイス
図1Cは、入力/出力111を備える再生デバイス110aのブロック図である。入力/出力111は、アナログI/O111a(例えば、アナログ信号を伝送するように構成された1つまたは複数のワイヤ、ケーブル、および/または他の適切な通信リンク)および/またはデジタルI/O111b(例えば、デジタル信号を伝送するように構成された1つまたは複数のワイヤ、ケーブル、または他の適切な通信リンク)を含むことができる。いくつかの実施形態では、アナログI/O111aは、例えば、自動検出3.5mmオーディオラインイン接続を構成するオーディオラインイン入力接続である。いくつかの実施形態では、デジタルI/O111bは、Sony/Philips Digital Interface Format(S/PDIF)通信インタフェース、および/またはケーブル、および/または東芝リンク(TOSLINK)ケーブルを備える。いくつかの実施形態では、デジタルI/O111bは、High-Definition Multimedia Interface(HDMI(登録商標))インタフェースおよび/またはケーブルを備える。いくつかの実施形態では、デジタルI/O111bは、例えば、無線周波数(RF)、赤外線、Wi-Fi(登録商標)、Bluetoooth(登録商標)、または他の適切な通信プロトコルを備える1つまたは複数の無線通信リンクを含む。特定の実施形態では、アナログI/O111aおよびデジタルI/O111bは、必ずしもケーブルを含まなくてもよく、アナログ信号およびデジタル信号を伝送するケーブルのコネクタのそれぞれを受け入れるように構成されたインタフェース(例えば、ポート、プラグ、ジャック)を含む。
【0053】
再生デバイス110aは、例えば、入力/出力111(例えば、ケーブル、ワイヤ、PAN、Bluetoooth(登録商標)接続、アドホック有線または無線通信ネットワーク、および/または別の適切な通信リンク)を介して、ローカルオーディオソース150からメディアコンテンツ(例えば、音楽および/または他の音からなるオーディオコンテンツ)を受信することができる。ローカルオーディオソース105は、例えば、モバイルデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ)または別の適切なオーディオコンポーネント(例えば、テレビ、デスクトップコンピュータ、アンプ、蓄音機、ブルーレイプレーヤー、デジタルメディアファイルを格納するメモリ)を備えることができる。いくつかの態様において、ローカルオーディオソース150は、スマートフォン、コンピュータ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、および/またはメディアファイルを格納するように構成された別の適切なデバイス上のローカルミュージックライブラリを含む。特定の実施形態では、再生デバイス110、NMD120、および/または制御デバイス130のうちの1つまたは複数が、ローカルオーディオソース150を備える。しかし、他の実施形態では、メディア再生システムは、ローカルオーディオソース150を完全に省略する。いくつかの実施形態では、再生デバイス110aは、入力/出力111を含まず、ローカルネットワーク160を介してすべてのオーディオコンテンツを受信する。
【0054】
再生デバイス110aは、電子機器112と、ユーザインタフェース113(例えば、1つまたは複数のボタン、ノブ、ダイヤル、タッチセンシティブ面、ディスプレイ、タッチスクリーン)と、1つまたは複数のトランスデューサ114、(以下、「トランスデューサ114」と称する)(例えば、ドライバ)と、をさらに備える。電子機器112は、入力/出力111、ローカルネットワーク160を介した1つまたは複数のコンピューティングデバイス106a~106c(
図1B)を介して、オーディオソース(例えば、ローカルオーディオソース150)からオーディオを受信し、受信したオーディオを増幅し、増幅されたオーディオを1つまたは複数のトランスデューサ114を介して再生のために出力するように構成されている。いくつかの実施形態では、再生デバイス110aは、オプションとして、1つまたは複数のマイクロフォン115(例えば、単一のマイクロフォン、複数のマイクロフォン、マイクロフォンアレイ)(以下、「マイクロフォン115」と称する)を含む。特定の実施形態では、例えば、オプションの1つまたは複数のマイクロフォン115を有する再生デバイス110aは、ユーザからの音声入力を受信し、受信した音声入力に基づいて対応する1つまたは複数の操作を実行するように構成されたNMDとして動作することができる。
【0055】
図1Cの例示された実施形態では、電子機器112は、1つまたは複数のプロセッサ112a(以下、「プロセッサ112a」と称する)、メモリ112b、ソフトウェアコンポーネント112c、ネットワークインタフェース112d、1つまたは複数のオーディオ処理コンポーネント112g、1つまたは複数のオーディオアンプ112h(以下、「アンプ112h」と称する)、および電源コンポーネント112i(例えば、1つまたは複数の電源、電源ケーブル、電源コンセント、バッテリ、誘導コイル、Power-over Ethernet(POE)インタフェース、および/または他の適切な電力源)を備える。
【0056】
いくつかの実施形態では、電子機器112は、任意に、1つまたは複数の他のコンポーネント112j(例えば、1つまたは複数のセンサ、ビデオディスプレイ、タッチスクリーン、バッテリ充電ベース)を含む。いくつかの実施形態では、再生デバイス110a及び電子機器112は、1つ又は複数のマイクロフォンと動作可能に接続された1つ又は複数の音声処理コンポーネント、及び
図1F及び
図1Gを参照して以下で説明される他のコンポーネントをさらに含んでもよい。
【0057】
プロセッサ112aは、データを処理するように構成されたクロック駆動型コンピューティングコンポーネントを備えることができ、メモリ112bは、様々な動作および/または機能を実行するための命令を記憶するように構成されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例えば、有形の、非一時的なコンピュータ可読媒体、ソフトウェアコンポーネント112cの1つまたは複数がロードされたデータストレージ)を含むことができる。プロセッサ112aは、1つまたは複数の動作を実行するために、メモリ112bに格納された命令を実行するように構成されている。動作は、例えば、再生デバイス110aに、オーディオソース(例えば、コンピューティングデバイス106a~106c(
図1B)の1つまたは複数)、および/または再生デバイス110別の1つからオーディオデータを取得させること、および/または再生デバイス110の別の1つのオーディオデータを取得させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、動作は、再生デバイス110aを、再生デバイス110aの別の1つ、および/または別のデバイス(例えば、NMD120の1つ)にオーディオデータを送信させることをさらに含む。特定の実施形態では、再生デバイス110aが、マルチチャンネルオーディオ環境(例えば、ステレオペア、結合ゾーン)を可能にするために、再生デバイス110aに1つまたは複数の再生デバイス110の別のデバイスとペアリングさせる動作をさらに含む。
【0058】
プロセッサ112aは、再生デバイス110aがオーディオコンテンツの再生を1つまたは複数の再生デバイス110の別のものと同期させる動作を実行するようにさらに構成することができる。当業者であれば理解するであろうが、複数の再生デバイスにおけるオーディオコンテンツの同期再生中、リスナーは、好ましくは、再生デバイス110aによるオーディオコンテンツの再生と、1つまたは複数の他の再生デバイス110によるオーディオコンテンツの再生との間の時間遅延差を知覚することができないであろう。再生デバイス間のオーディオ再生同期に関する追加の詳細は、例えば、上記参照により組み込まれた米国特許第8,234,395号明細書に記載されている。
【0059】
いくつかの実施形態では、メモリ112bは、再生デバイス110aがメンバーである1つまたは複数のゾーンおよび/またはゾーングループ、再生デバイス110aにアクセス可能なオーディオソース、および/または再生デバイス110a(および/または1つ複数の再生デバイスの別のもの)が関連付けられる再生キューなど、再生デバイス110aに関連付けられたデータを格納するようにさらに構成される。格納されたデータは、定期的に更新され、再生デバイス110aの状態を記述するために使用される1つまたは複数の状態変数を含むことができる。メモリ112bはまた、MPS100の1つまたは複数の他のデバイス(例えば、再生デバイス110、NMD120、制御デバイス130)の状態に関連付けられたデータを含むことができる。いくつかの態様では、例えば、状態データは、MPS100のデバイスの少なくとも一部の間で所定の時間間隔(例えば、5秒ごと、10秒ごと、60秒ごと)で共有され、1つまたは複数のデバイスがMPS100に関連付けられた最新のデータを有するようになっている。
【0060】
ネットワークインタフェース112dは、再生デバイス110aと、データネットワーク上の1つまたは複数の他のデバイスとの間のデータ伝送を容易にするように構成されている。ネットワークインタフェース112dは、メディアコンテンツ(例えば、オーディオコンテンツ、ビデオコンテンツ、テキスト、写真)およびインターネットプロトコル(IP)ベースのソースアドレスおよび/またはIPベースのデスティネーションアドレス有するデジタルパケットデータを含む他の信号(例えば、非一時的な信号)に対応するデータを送受信するように構成されている。ネットワークインタフェース112dは、電子機器112が再生デバイス110aに向けられたデータを適切に受信して処理するように、デジタルパケットデータを解析することができる。
【0061】
図1Cの例示された実施形態では、ネットワークインタフェース112dは、1つまたは複数の無線インタフェース112e(以下、「無線インタフェース112e」と称する)を備える。無線インタフェース112e(例えば、1つまたは複数のアンテナを備える適当なインタフェース)は、適切な無線通信プロトコル(例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetoooth(登録商標)、LTE)に従って、ローカルネットワーク160(
図1B)に通信接続されている1つまたは複数の他のデバイス(例えば、他の再生デバイス110、NMD120、および/または制御デバイス130のうちの1つまたは複数)と無線通信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース112dは、任意に、適切な有線通信プロトコルに従って他のデバイスと有線接続で通信するように構成された有線インタフェース112f(例えば、イーサネット(登録商標)、USB-A、USB-C、および/またはサンダーボルトケーブルなどのネットワークケーブルを受信するように構成されたインタフェースまたはレセプタクル)を含む。特定の実施形態では、ネットワークインタフェース112dは、有線インタフェース112fを含み、無線インタフェース112eを除く。いくつかの実施形態では、電子機器112は、ネットワークインタフェース112dを完全に除外し、別の通信経路(例えば、入力/出力111)を介して、メディアコンテンツおよび/または他のデータを送受信する。
【0062】
オーディオ処理コンポーネント112gは、電子機器112によって受信されたメディアコンテンツを含むデータを処理および/またはフィルタリングして(例えば、入力/出力111および/またはネットワークインタフェース112dを介して)、出力オーディオ信号を生成するように構成されている。いくつかの実施形態では、オーディオ処理コンポーネント112gは、例えば、1つまたは複数のデジタル/アナログ変換器(DAC)、オーディオ前処理コンポーネント、オーディオエンハンスメントコンポーネント、デジタル信号プロセッサ(DSP)、および/または他の適切なオーディオ処理コンポーネント、モジュール、回路などを含む。特定の実施形態では、オーディオ処理コンポーネント112gの1つまたは複数は、プロセッサ112aの1つまたは複数のサブコンポーネントを含むことができる。いくつかの実施形態では、電子機器112は、オーディオ処理コンポーネント112gを省略する。いくつかの態様では、例えば、プロセッサ112aは、出力オーディオ信号を生成するためのオーディオ処理動作を実行するために、メモリ112bに格納された命令を実行する。
【0063】
アンプ112hは、オーディオ処理コンポーネント112gおよび/またはプロセッサ112aによって生成されたオーディオ出力信号を受信して増幅するように構成されている。アンプ112hは、1つまたは複数のトランスデューサ114を駆動するのに十分なレベルまでオーディオ信号を増幅するように構成された電子デバイスおよび/またはコンポーネントを含むことができる。いくつかの実施形態では、例えば、アンプ112hは、1つまたは複数のスイッチングまたはD級パワーアンプを含む。しかしながら、他の実施形態では、アンプは、1つまたは複数の他のタイプのパワーアンプ(例えば、リニアゲインパワーアンプ、A級アンプ、B級アンプ、AB級アンプ、C級アンプ、D級アンプ、E級アンプ、F級アンプ、G級アンプおよび/またはH級アンプ、および/または別の適切なタイプのパワーアンプ)を含む。特定の実施形態では、アンプ112hは、前述のタイプのパワーアンプのうちの2つ以上の適切な組み合わせを含む。さらに、いくつかの実施形態では、個々のアンプ112hは、個々のトランスデューサ114に対応する。しかしながら、他の実施形態では、電子機器112は、増幅されたオーディオ信号を複数のトランスデューサ114に出力するように構成された単一のアンプ112hを含む。いくつかの他の実施形態では、電子機器112は、アンプ112hを省略する。
【0064】
いくつかの実装形態では、再生デバイス110aの電源コンポーネント112iは、外部電源への物理的接続なしに再生デバイス110aに電力を供給するように構成された内部電源(例えば、1つ以上のバッテリ)を更に含むことができる。内部電源を備える場合、再生デバイス110aは、外部電源から独立して動作してもよい。いくつかのそのような実装形態では、外部電源インタフェースは、内部電源の充電を容易にするように構成されてもよい。前述したように、内部電源を備える再生デバイスは、本明細書では「ポータブル再生デバイス」と呼ばれることがある。一方、外部電源を使用して動作する再生デバイスは、本明細書では「固定再生デバイス」と呼ばれることがあるが、そのようなデバイスは実際には家庭又は他の環境の周りを移動することができる。
【0065】
ユーザインタフェース113は、制御デバイス130(
図1A)のうちの1つ以上によって促進されるユーザ対話とは無関係に、又はそれと併せてユーザ対話を促進することができる。様々な実施形態では、ユーザインタフェース113は、ユーザが入力を直接提供するために、とりわけ、タッチセンシティブスクリーン及び/又は表面上に提供される1つ以上の物理ボタンを含み、及び/又はグラフィカルインタフェースをサポートする。ユーザインタフェース113は、視覚及び/又はオーディオフィードバックをユーザに提供するために、ライト(例えば、LED)及びスピーカのうちの1つ以上を更に含むことができる。
【0066】
トランスデューサ114(例えば、1つまたは複数のスピーカおよび/またはスピーカドライバ)は、アンプ112hから増幅されたオーディオ信号を受信し、増幅されたオーディオ信号をサウンド(例えば、約20ヘルツ(Hz)と約20キロヘルツ(kHz)の間の周波数を有する可聴音波)としてレンダリングまたは出力する。いくつかの実施形態では、トランスデューサ114は、単一のトランスデューサを備えることができる。しかしながら、他の実施形態では、トランスデューサ114は、複数のオーディオトランスデューサを備える。いくつかの実施形態では、トランスデューサ114は、2つ以上のタイプのトランスデューサを備える。例えば、トランスデューサ114は、1つまたは複数の低周波トランスデューサ(例えば、サブウーファ、ウーファ)、中周波トランスデューサ(例えば、ミッドレンジトランスデューサ、ミッドウーファ)、および1つまたは複数の高周波トランスデューサ(例えば、1つまたは複数のツイータ)を含むことができる。本明細書で使用されるように、「低周波」は、概して約500Hz未満の可聴周波数を指すことができ、「中周波」は、概して約500Hzと約2kHzとの間の可聴周波数を指すことができ、「高周波」は、概して約2kHzを超える可聴周波数を指すことができる。しかしながら、特定の実施形態では、トランスデューサ114の1つまたは複数は、前述の周波数範囲に準拠しないトランスデューサを備える。例えば、トランスデューサ114の1つは、約200Hzから約5kHzの間の周波数でサウンドを出力するように構成されたミッドウーファトランスデューサを備えていてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、再生デバイス110aは、再生デバイスを外部スピーカに接続するためのスピーカインタフェースを含むことができる。他の実施形態では、再生デバイス110aは、再生デバイスを外部オーディオアンプ又はオーディオビジュアルレシーバに接続するためのオーディオインタフェースを含んでもよい。
【0068】
例示として、SONOS,Inc.は、現在、例えば「SONOS ONE」、「SONOS ONE SL」、「SONOS FIVE」、「PLAY:1」、「PLAY:3」、「PLAY:5」、「PLAYBAR」、「PLAYBASE」、「BEAM」、「ARC」、「CONNECT:AMP」、「CONNECT」、「AMP」、「PORT」、「MOVE」、及び「SUB」、並びに例えば「BOOST」及び「BRIDGE」を含むネットワークデバイスを含む特定の再生デバイスを販売用に提供している(又は提供してきた)。これに加えて又は代えて、本明細書に開示される例示的な実施形態の再生デバイスを実装するために、他の適切な再生デバイスが使用されてもよい。更に、当業者であれば分かるように、再生デバイスは、本明細書に記載の例又はSONOS製品提供物に限定されない。いくつかの実施形態では、例えば、1つ以上の再生デバイス110は、有線又は無線ヘッドフォン(例えば、耳上方ヘッドフォン、耳上ヘッドフォン、耳内イヤホン)を備える。他の実施形態では、再生デバイス110のうちの1つ以上は、パーソナル・モバイル・メディア再生デバイス用のドッキングステーションと対話するように構成されたドッキングステーション及び/又はインタフェースを備える。特定の実施形態では、再生デバイスは、テレビ、照明器具、又は屋内もしくは屋外で使用するための他の何らかのデバイスなどの別のデバイス又はコンポーネントと一体であってもよい。いくつかの実施形態では、再生デバイスは、ユーザインタフェース及び/又は1つ以上のトランスデューサを省略する。例えば、
図1Dは、ユーザインタフェース113又はトランスデューサ114を有さない入力/出力111及び電子機器112を備える再生デバイス110pのブロック図である。
【0069】
図1Eは、再生デバイス110i(例えば、サブウーファ)(
図1A)と音響的に結合した再生デバイス110a(
図1C)を含む再生デバイス110q(
図1C)を備える結合再生デバイス110qのブロック図である。図示された実施形態では、再生デバイス110aおよび110iは、別個のエンクロージャに収容された再生デバイス110の別個のものである。しかし、いくつかの実施形態では、結合再生デバイス110qは、再生デバイス110aおよび110iの両方を収容する単一のエンクロージャを備える。結合再生デバイス110qは、結合されていない再生デバイス(例えば、
図1Cの再生デバイス110a)および/またはペアリングされたまたは結合された再生デバイス(例えば、
図1Bの再生デバイス110lおよび110m)とは異なる音を処理し、再生するように構成することができる。いくつかの実施形態では、例えば、再生デバイス110aは、低周波、中周波、および高周波のオーディオコンテンツをレンダリングするように構成されたフルレンジ再生デバイスであり、再生デバイス110iは、低周波のオーディオコンテンツをレンダリングするように構成されたサブウーファである。いくつかの態様では、再生デバイス110aは、第1再生デバイスと結合したときに、特定のオーディオコンテンツの中周波成分および高周波数成分のみをレンダリングするように構成され、再生デバイス110iは、特定のオーディオコンテンツの低周波成分をレンダリングするように構成されている。いくつかの実施形態では、結合再生デバイス110qは、追加の再生デバイスおよび/または別の結合再生デバイスを含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、再生デバイス110のうちの1つ以上は、有線及び/又は無線ヘッドフォン(例えば、オーバーイヤーヘッドセット、オンイヤーヘッドセット、又はインイヤーヘッドセット)の形態をとってもよい。例えば、
図4は、再生デバイス110のうちの1つのそのような実装のための例示的なヘッドセットアセンブリ400(「ヘッドセット400」)を示す。図示のように、ヘッドセット400は、第1のイヤカップ404aを第2のイヤカップ404bに結合するヘッドバンド402を含む。イヤカップ404a及び404bのそれぞれは、再生デバイス110内の電子コンポーネントの任意の部分、例えば、1つ以上のスピーカを収容してもよい。更に、イヤカップ404a及び404bのうちの1つ以上は、オーディオ再生、音量レベル、及び他の機能を制御するためのユーザインタフェースを含むことができる。ユーザインタフェースは、物理的ボタン408、スライダ、ノブ、及び/又はタッチ制御面などの様々な制御要素のいずれかを含むことができる。
図4に示すように、ヘッドセット400は、イヤカップ404a及び404bにそれぞれ結合されたイヤクッション406a及び406bを更に含んでもよい。イヤクッション406a及び406bは、ユーザの快適性を改善し、及び/又は周囲からの音響的隔離(例えば、パッシブノイズ低減(PNR))を提供するために、ユーザの頭部とイヤカップ404a及び404bとの間にそれぞれソフトバリアを提供し得る。
【0071】
以下により詳細に説明するように、再生デバイスの電子コンポーネントは、1つ以上の通信リンクを介した無線通信を容易にするための1つ以上のネットワークインタフェースコンポーネント(
図4には図示せず)を含むことができる。例えば、再生デバイスは、第1の通信リンク401a(例えば、ブルートゥース(登録商標)リンク)を介して制御デバイス130のうちの1つと通信してもよく、及び/又は第2の通信リンク401b(例えば、Wi-Fi又はセルラーリンク)を介して1つ以上の他のコンピューティングデバイス410(例えば、ネットワークルータ及び/又はリモートサーバ)と通信してもよい。別の可能性として、再生デバイスは、制御デバイス130aとの第1の通信リンク401a及び制御デバイス130aと1つ以上の他のコンピューティングデバイス410との間の第3の通信リンク401c(例えば、Wi-Fi又はセルラーリンク)などの複数の通信リンクを介して通信してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、制御デバイス130aは、再生デバイスと1つ以上の他のコンピューティングデバイス410との間の媒介として機能することができる。
【0072】
場合によっては、ヘッドフォンデバイスは、ヒアラブルデバイスの形態をとってもよい。ヒアラブルデバイスは、メディアコンテンツの再生(例えば、PANを介してユーザデバイスからメディアコンテンツをストリーミングすること、WLAN及び/又はセルラーネットワーク接続を介してストリーミング音楽サービスプロバイダからメディアコンテンツをストリーミングすることなど)もサポートしながら、聴覚強化機能を提供するように構成されたヘッドフォンデバイス(イヤレベルデバイスを含む)を含んでもよい。場合によっては、ヒアラブルデバイスは、外部環境(例えば、全ての音、人間の声などの選択音など)から検出された少なくともいくつかの音の増幅バージョンを再生するように構成されたインイヤーヘッドフォンデバイスとして実装されてもよい。
【0073】
再生デバイス110のうちの1つ以上は、ヘッドフォンとは別個かつ別個の他のウェアラブルデバイスの形態をとってもよいことが理解されるべきである。ウェアラブルデバイスは、対象の一部(例えば、頭部、首、胴体、腕、手首、指、脚、足首など)の周りに着用されるように構成されたデバイスを含むことができる。例えば、再生デバイス110は、フレームフロント(例えば、1つ以上のレンズを保持するように構成される)と、フレームフロントに回転可能に結合された第1のテンプルと、フレームフロントに回転可能に結合された第2のテンプルとを含む一対の眼鏡の形態をとってもよい。この例では、眼鏡は、第1のテンプル及び第2のテンプルの少なくとも一方に統合され、対象の耳に向かって音を投射するように構成された1つ以上のトランスデューサを備えることができる。
【0074】
c.適切なネットワークマイクロフォンデバイス(NMD)
図1Fは、NMD120a(
図1Aおよび
図1B)のブロック図である。NMD120aは、1つまたは複数の音声処理コンポーネント124と、プロセッサ112a、メモリ112b、およびマイクロフォン115を含む再生デバイス110a(
図1C)に関して説明した複数のコンポーネントと、を含む。NMD120aは、任意に、ユーザインタフェース113および/またはトランスデューサ114などの再生デバイス110a(
図1C)にも含まれる他のコンポーネントを含む。いくつかの実施形態では、NMD120aは、メディア再生デバイス(例えば、再生デバイス110の1つまたは複数)として構成され、例えば、オーディオ処理コンポーネント112g(
図1C)、トランスデューサ114、および/または他の再生デバイスコンポーネントの1つまたは複数をさらに含む。特定の実施形態では、NMD120aは、例えば、サーモスタット、アラームパネル、火災検知器および/または煙検知器などのモノのインターネット(IoT)デバイスを備える。いくつかの実施形態では、NMD120aは、マイクロフォン115、音声処理コンポーネント124、および
図1Cに関して上述した電子機器112のコンポーネントの一部のみを含む。いくつかの態様では、例えば、NMD120aは、電子機器112の1つまたは複数の他のコンポーネントを省略しながら、プロセッサ112aおよびメモリ112b(
図1C)を含む。いくつかの実施形態では、NMD120aは、追加のコンポーネント(例えば、1つまたは複数のセンサ、カメラ、温度計、気圧計、湿度計)を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、NMDを再生デバイスに統合することができる。
図1Gは、NMD120dを備える再生デバイス110rのブロック図である。再生デバイス110rは、再生デバイス110aのコンポーネントのいずれか又は全てを備えることができ、マイクロフォン115及び音声処理コンポーネント124(
図1F)を更に含むことができる。マイクロフォン115は、再生デバイス110rの環境内の音(すなわち、音波)を検出するように構成され、音声処理コンポーネント124に提供される。より具体的には、各マイクロフォン115は、音声を検出し、検出された音声を表すデジタル又はアナログ信号に音声を変換するように構成され、これにより、以下でより詳細に説明するように、検出された音声に基づいて音声処理コンポーネントに様々な機能を実行させることができる。いくつかの実装形態では、マイクロフォン115は、マイクロフォンのアレイ(例えば、6つのマイクロフォンのアレイ)として配置されてもよい。いくつかの実装形態では、再生デバイス110rは、6つ未満のマイクロフォン又は6つを超えるマイクロフォンを含んでもよい。再生デバイス110rは、統合制御デバイス130cを有していてもよい。制御デバイス130cは、例えば、別個の制御デバイスなしでユーザ入力(例えば、タッチ入力、音声入力)を受信するように構成されたユーザインタフェースを含むことができる。しかしながら、他の実施形態では、再生デバイス110rは、別の制御デバイス(例えば、
図1Bの制御デバイス130a)からコマンドを受信する。
【0076】
動作中、音声処理コンポーネント124は、一般に、マイクロフォン115を介して受信された音声を検出及び処理し、検出された音声における潜在的な音声入力を識別し、検出された音声データを抽出して、VAS190(
図1B)などのVASが検出された音声データにおいて識別された音声入力を処理することを可能にするように構成される。音声処理コンポーネント124は、他の例示的な音声処理コンポーネントの中でも、1つ以上のアナログデジタル変換器、音響エコーキャンセラ(「AEC」)、空間プロセッサ(例えば、1つ以上のマルチチャネルウィーナフィルタ、1つ以上の他のフィルタ、及び/又は1つ以上のビームフォーマコンポーネント)、1つ以上のバッファ(例えば、1つ以上の循環バッファ)、1つ以上の起動ワードエンジン、1つ以上の音声抽出器、及び/又は、1つ以上の音声処理コンポーネント(例えば、家庭に関連付けられた特定のユーザ又はユーザの特定のセットの音声を認識するように構成されたコンポーネント)を含んでもよい。例示的な実施態様では、音声処理コンポーネント124は、1つ以上のDSP又はDSPの1つ以上のモジュールを含むか、そうでなければその形態をとることができる。この点において、特定の音声処理コンポーネント124は、特定の機能を達成するように修正又は調整され得る特定のパラメータ(例えば、利得及び/又はスペクトルパラメータ)を用いて構成され得る。いくつかの実装形態では、音声処理コンポーネント124のうちの1つ以上は、プロセッサ112aのサブコンポーネントであってもよい。
【0077】
いくつかの実装形態では、音声処理コンポーネント124は、MPS100のユーザアカウントに関連付けられ得るユーザの音声プロファイルを検出し、記憶することができる。例えば、音声プロファイルは、コマンド情報又はデータテーブルのセットに格納された変数として格納され、及び/又はそれらと比較されてもよい。音声プロファイルは、先に参照した米国特許出願公開第2017-0242653号明細書に記載されているような、ユーザの音声の周波数のトーンの態様及び/又はユーザの音声の他の固有の態様を含むことができる。
【0078】
図1Fを再び参照すると、マイクロフォン115は、環境(例えば、
図1Aの環境101)および/またはNMD120aが配置されている部屋からサウンドを取得し、捕捉し、および/または受信するように構成されている。受信したサウンドは、例えば、発声、NMD120aおよび/または別の再生デバイスによるオーディオ再生、背景音、環境音等を含むことができる。マイクロフォン115は、受信したサウンドを電気信号に変換してマイクロフォンデータを生成する。音声処理コンポーネント124は、マイクロフォンデータを受信して分析し、マイクロフォンデータに音声入力が存在するかどうかを決定する。音声入力は、例えば、ユーザ要求を含む発声に続く起動ワード(activation word)を含むことができる。当業者であれば理解できるように、起動ワードは、ユーザの音声入力を意味する単語または他の音声キューである。例えば、AMAZON(登録商標) VASに問い合わせをする際に、ユーザは「アレクサ(Alexa)」という起動ワードを話す場合がある。他の例としては、GOOGLE(登録商標) VASを呼び出すための「オーケー、グーグル(OK,Google)」や、APPLE(登録商標) VASを呼び出すための「ヘイ、シリ(Hey,Siri)」などがある。
【0079】
起動ワードを検出した後、音声処理コンポーネント124は、音声入力に付随するユーザ要求のためにマイクロフォンデータをモニタする。ユーザ要求は、例えば、サーモスタット(例えば、NEST(登録商標)サーモスタット)、照明装置(例えば、PHILIPS HUE(登録商標)照明装置)、またはメディア再生デバイス(例えば、Sonos(登録商標)再生デバイス)などのサードパーティデバイスを制御するためのコマンドを含んでもよい。例えば、ユーザは、家庭(例えば、
図1Aの環境101)内の温度を設定するために、「アレクサ(Alexa)」という起動ワードを話し、続いて「サーモスタットを68度に設定して」と話してもよい。ユーザは、家庭のリビングルーム領域の照明装置をオンにするために、同じ起動ワードを話し、続いて「リビングルームをオンにして」と話してもよい。ユーザは、同様に、起動ワードを話し、続いて特定の曲、アルバム、または音楽のプレイリストを家庭内の再生デバイスで再生するための要求を話してもよい。
【0080】
d.好適な制御デバイス
図1Hは、制御デバイス130a(
図1Aおよび1B)の一例の部分的な概略図である。本明細書で使用されるように、「制御デバイス」という用語は、「コントローラ」、「制御デバイス」または「制御システム」と互換的に使用することができる。他の特徴の中で、制御デバイス130aは、MPS100に関連するユーザ入力を受信し、それに応答して、MPS100内の1つまたは複数のデバイスに、ユーザ入力に対応する動作または操作を実行させるように構成されている。図示された実施形態では、制御デバイス130aは、メディア再生システムコントローラアプリケーションソフトウェアがインストールされているスマートフォン(例えば、iPhone(登録商標)、Androidフォン)を備える。いくつかの実施形態では、制御デバイス130aは、例えば、タブレット(例えば、iPad(登録商標))、コンピュータ(例えば、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ)、および/または他の適切なデバイス(例えば、テレビ、自動車オーディオヘッドユニット、IoTデバイス)を備える。特定の実施形態では、制御デバイス130aは、MPS100のための専用コントローラを備える。他の実施形態では、
図1Gに関して上述したように、制御デバイス130aは、MPS100内の別のデバイス(例えば、再生デバイス110、NMD120、および/またはネットワークを介して通信するように構成された他の適切なデバイスのうちの1つまたは複数)に統合される。
【0081】
制御デバイス130aは、電子機器132と、ユーザインタフェース133と、1つまたは複数のスピーカ134と、1つまたは複数のマイクロフォン135と、を含む。電子機器132は、1つまたは複数のプロセッサ132a(以下、「プロセッサ132a」と称する)と、メモリ132bと、ソフトウェアコンポーネント132cと、ネットワークインタフェース132dと、を備える。プロセッサ132aは、ユーザによるMPS100へのアクセス、制御、および構成を容易にすることに関連する機能を実行するように構成することができる。メモリ132bは、それらの機能を実行するためにプロセッサ132aによって実行可能な1つまたは複数のソフトウェアコンポーネントをロードすることができるデータストレージを含むことができる。ソフトウェアコンポーネント132cは、メディア再生システム100の制御を容易にするように構成されたアプリケーションおよび/または他の実行可能なソフトウェアを含むことができる。メモリ132bは、例えば、ソフトウェアコンポーネント132c、メディア再生システムコントローラアプリケーションソフトウェア、および/またはMPS100およびユーザに関連する他のデータを格納するように構成することができる。
【0082】
ネットワークインタフェース132dは、制御デバイス130aとMPS100内の1つまたは複数の他のデバイス、および/または1つまたは複数のリモートデバイスとの間のネットワーク通信を容易にするように構成されている。いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース132dは、1つまたは複数の適切な通信業界標準(例えば、赤外線、無線、IEEE 802.3を含む有線標準、IEEE 802.11a、802.11b、802.11g、802.12、802.11ac、802.15、4G、LTEを含む無線標準)に従って動作するように構成されている。ネットワークインタフェース132dは、例えば、再生デバイス110、NMD120、制御デバイス130の他のもの、
図1Bのコンピューティングデバイス106の1つ、1つまたは複数の他のメディア再生システムを備えるデバイスなどにデータを送信および/または受信するように構成することができる。送信および/または受信されたデータは、例えば、再生デバイスの制御コマンド、状態変数、再生ゾーンおよび/またはゾーングループの構成を含むことができる。例えば、ユーザインタフェース133で受信したユーザ入力に基づいて、ネットワークインタフェース132dは、制御デバイス130aから再生デバイス110の1つまたは複数に再生デバイス制御コマンド(例えば、音量制御、オーディオ再生制御、オーディオコンテンツ選択)を送信することができる。ネットワークインタフェース132dはまた、例えば、ゾーンへの1つまたは複数の再生デバイス110の追加/削除、ゾーングループへの1つまたは複数のゾーンの追加/削除、結合プレーヤまたは統合プレーヤの形成、結合プレーヤまたは統合プレーヤから1つまたは複数の再生デバイスを分離することなどの構成変更を送信および/または受信することができる。ゾーンおよびグループの詳細については、
図1Jから
図2に示す。
【0083】
ユーザインタフェース133は、ユーザ入力を受信するように構成されており、MPS100の制御を容易にすることができる。ユーザインタフェース133は、メディアコンテンツアート133a(例えば、アルバムアート、歌詞、ビデオ)、再生状態インジケータ133b(例えば、経過時間および/または残り時間インジケータ)、メディアコンテンツ情報領域133c、再生制御領域133d、およびゾーンインジケータ133eを含む。メディアコンテンツ情報領域133cは、現在再生中のメディアコンテンツおよび/またはキューまたはプレイリスト内のメディアコンテンツに関する関連情報(例えば、タイトル、アーティスト、アルバム、ジャンル、リリース年)の表示を含むことができる。再生制御領域133dは、選択された再生ゾーンまたはゾーングループ内の1つまたは複数の再生デバイスに、例えば、再生または一時停止、早送り、巻き戻し、次へスキップ、前へスキップ、シャッフルモードの開始/終了、リピートモードの開始/終了、クロスフェードモードの開始/終了などの再生動作を実行させるための選択可能な(例えば、タッチ入力を介して、および/またはカーソルまたは別の適切なセレクタを介して)アイコンを含むことができる。再生制御領域133dはまた、イコライゼーション設定、再生音量、および/または他の好適な再生動作を変更するための選択可能なアイコンを含んでもよい。図示された実施形態では、ユーザインタフェース133は、スマートフォン(例えば、iPhone(登録商標)、Androidフォン)のタッチスクリーンインタフェース上に提示されるディスプレイを備える。しかしながら、いくつかの実施形態では、メディア再生システムへの同等の制御アクセスを提供するために、様々なフォーマット、スタイル、およびインタラクティブなシーケンスのユーザインタフェースが、代替的に、1つまたは複数のネットワークデバイス上に実装されてもよい。
図1Iは、ユーザインタフェース133の2つの追加のユーザインタフェースディスプレイ133ff及び133gを示す。
【0084】
1つまたは複数のスピーカ134(例えば、1つまたは複数のトランスデューサ)は、制御デバイス130aのユーザにサウンドを出力するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のスピーカは、低周波、中周波、および/または高周波数を対応して出力するように構成された個々のトランスデューサを備える。いくつかの態様では、例えば、制御デバイス130aは、再生デバイス(例えば、再生デバイス110の1つ)として構成される。同様に、いくつかの実施形態では、制御デバイス130aは、1つまたは複数のマイクロフォン135を介して音声コマンドおよび他のサウンドを受信するNMD(例えば、NMD120の1つ)として構成される。
【0085】
1つまたは複数のマイクロフォン135は、例えば、1つまたは複数のコンデンサマイクロフォン、エレクトレットコンデンサマイクロフォン、ダイナミックマイクロフォン、および/または他の適切なタイプのマイクロフォンまたはトランスデューサを含むことができる。いくつかの実施形態では、2つ以上のマイクロフォン135は、オーディオソース(例えば、音声、可聴音)の位置情報を捕捉するように配置され、および/またはバックグラウンドノイズのフィルタリングを容易にするように構成されている。さらに、特定の実施形態では、制御デバイス130aは、再生デバイスおよびNMDとして動作するように構成されている。しかしながら、他の実施形態では、制御デバイス130aは、1つまたは複数のスピーカ134および/または1つまたは複数のマイクロフォン135を省略する。例えば、制御デバイス130aは、スピーカまたはマイクを省略して、電子機器132の一部およびユーザインタフェース133(例えば、タッチスクリーン)を備えるデバイス(例えば、サーモスタット、IoTデバイス、ネットワークデバイス)を備えていてもよい。
【0086】
e.適切な再生デバイス構成
図1J~
図2は、ゾーンおよびゾーングループにおける再生デバイスの例示的な構成を示す。最初に
図2を参照すると、一例では、単一の再生デバイスがゾーンに属することができる。例えば、セカンドベッドルーム101c(
図1A)の再生デバイス110gは、ゾーンCに属していてもよい。以下に説明するいくつかの実装形態では、複数の再生デバイスを「結合」して「結合ペア」を形成することができ、これらは一緒になって単一のゾーンを形成する。例えば、再生デバイス110l(例えば、左再生デバイス)は、ゾーンBを形成するように再生デバイス110m(例えば、右再生デバイス)に結合させることができる。結合された再生デバイスは、異なる再生の責任(例えば、チャネルの責任)を有してもよい。以下に説明する別の実施態様では、複数の再生デバイスをマージして単一のゾーンを形成することができる。例えば、再生デバイス110h(例えば、フロント再生デバイス)は、単一のゾーンDを形成するように再生デバイス110i(例えば、サブウーファ)および再生デバイス110jおよび110k(例えば、それぞれ左右のサラウンドスピーカ)とマージされてもよい。別の例では、再生ゾーン110gおよび110hをマージして、マージされたグループまたはゾーングループ108bを形成することができる。マージされた再生ゾーン110gおよび110hは、異なる再生責任を特に割り当てられなくてもよい。すなわち、マージされた再生ゾーン110hおよび110iは、同期してオーディオコンテンツを再生することとは別に、各々がマージされなかった場合と同様にオーディオコンテンツを再生することができる。
【0087】
MPS100内の各ゾーンは、単一のユーザインタフェース(UI)エンティティとして制御のために設けられてもよい。例えば、ゾーンAは、マスターバスルームと呼ばれる単一のエンティティとして設けられ得る。ゾーンBは、マスターベッドルームと呼ばれる単一のエンティティとして設けられ得る。ゾーンCは、セカンドベッドルームと呼ばれる単一のエンティティとして設けられ得る。
【0088】
結合された再生デバイスは、特定のオーディオチャネルに対する責任など、異なる再生責任を有することができる。例えば、
図1Jに示されるように、再生デバイス110lおよび110mは、オーディオコンテンツのステレオ効果を生成または強化するように結合されてもよい。この例では、再生デバイス110lは、左チャネルのオーディオコンポーネントを再生するように構成されてもよく、一方、再生デバイス110kは、右チャネルのオーディオコンポーネントを再生するように構成されてもよい。いくつかの実装形態では、そのようなステレオの結合は「ペアリング」と呼ばれることがある。
【0089】
さらに、結合された再生デバイスは、追加のおよび/または異なるそれぞれのスピーカドライバを有してもよい。
図1Kに示されるように、フロントと名付けられた再生デバイス110hは、サブと呼ばれる再生デバイス110iと結合されてもよい。フロントデバイス110hは、中~高周波数の範囲をレンダリングするように構成することができ、サブデバイス110iは、低周波数をレンダリングするように構成することができる。しかしながら、結合されていない場合、フロントデバイス110hは、全範囲の周波数をレンダリングするように構成することができる。別の例として、
図1Lは、左再生デバイス110jおよび右再生デバイス110kとそれぞれさらに結合されたフロントデバイス110hおよびサブデバイス110iを示す。いくつかの実装形態では、右デバイス110jおよび左デバイス110kは、ホームシアターシステムのサラウンドまたは「サテライト」チャネルを形成するように構成することができる。結合された再生デバイス110h、110i、110j、および110kは、単一のゾーンD(
図2)を形成することができる。
【0090】
マージされた再生デバイスは、再生責任を割り当てられていなくてもよく、それぞれの再生デバイスが可能なオーディオコンテンツの全範囲を各々がレンダリングすることができる。それにもかかわらず、マージされたデバイスは、単一のUIエンティティ(すなわち、上述したように、ゾーン)として表されてもよい。例えば、マスターバスルームの再生デバイス110aおよび110nは、ゾーンAの単一のUIエンティティを有する。一実施形態では、再生デバイス110aおよび110nはそれぞれ、それぞれの再生デバイス110aおよび110nが同期して可能なオーディオコンテンツの全範囲を出力することができる。
【0091】
いくつかの実施形態では、NMDは、ゾーンを形成するように別のデバイスと結合またはマージされる。例えば、NMD120bは、ともにリビングルームと呼ばれるゾーンFを形成する再生デバイス110eと結合されてもよい。他の実施形態では、スタンドアロンのネットワークマイクロフォンデバイスは、それ自体がゾーン内にあってもよい。しかしながら、他の実施形態では、スタンドアロンのネットワークマイクロフォンデバイスは、ゾーンに関連付けられていなくてもよい。ネットワークマイクロフォンデバイスと再生デバイスとを指定のデバイスまたはデフォルトデバイスとして関連付けることに関するさらなる詳細は、例えば、先に参照した米国特許出願公開第15/438,749号明細書に見出すことができる。
【0092】
個々の、結合された、および/またはマージされたデバイスのゾーンは、ゾーングループを形成するためにグループ化され得る。例えば、
図2を参照すると、ゾーンAをゾーンBとグループ化して、2つのゾーンを含むゾーングループ108aを形成することができる。同様に、ゾーンGをゾーンHとグループ化して、ゾーングループ108bを形成してもよい。別の例として、ゾーンAは、1つ以上の他のゾーンC~Iとグループ化されてもよい。ゾーンA~Iは、多数の方法でグループ化およびグループ解除することができる。例えば、ゾーンA~Iの3つ、4つ、5つ、またはそれより多く(例えば、すべて)がグループ化されてもよい。グループ化されると、個々のおよび/または結合された再生デバイスのゾーンは、先に参照された米国特許第8,234,395号明細書に記載されているように、互いに同期してオーディオを再生することができる。再生デバイスは、オーディオコンテンツを同期して再生する新たなまたは異なるグループを形成するために、動的にグループ化およびグループ化解除されてもよい。
【0093】
様々な実施態様では、環境内のゾーンは、グループ内のゾーンのデフォルト名またはゾーングループ内のゾーンの名前の組み合わせであってもよい。例えば、ゾーングループ108bには、
図2に示すように、「ダイニング+キッチン」などの名前を割り当てることができる。いくつかの実施形態では、ゾーングループが、ユーザによって選択された固有の名前を与えられてもよい。
【0094】
特定のデータは、再生ゾーン、再生デバイス、および/または、それに関連付けられたゾーングループの状態を記述するために定期的に更新されて使用される1つ以上の状態変数として再生デバイス(例えば、
図1Cのメモリ112b)のメモリに記憶されてもよい。メモリはまた、メディアシステムの他のデバイスの状態と関連付けられ、デバイスのうちの1つまたは複数がシステムと関連付けられた最新データを有するように、デバイス間で時々共有されるデータを含むことができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、メモリは、状態に関連する様々な変数型のインスタンスを記憶することができる。変数インスタンスは、タイプに対応する識別子(例えば、タグ)と共に格納され得る。例えば、特定の識別子は、ゾーンの再生デバイスを識別するための第1タイプ「a1」、ゾーン内で結合されることができる再生デバイスを識別するための第2タイプ「b1」、および、ゾーンが属することができるゾーングループを識別するための第3タイプ「c1」であってもよい。関連する例として、セカンドベッドルーム101cに関連付けられた識別子は、再生デバイス110gがゾーングループ内ではなくゾーンCの唯一の再生デバイスであることを示すことができる。デンに関連付けられた識別子は、デンが他のゾーンとグループ化されていないが、結合された再生デバイス110h~110kを含むことを示すことができる。ダイニングルームに関連付けられた識別子は、ダイニングルームがダイニング+キッチンゾーングループ108bの一部であり、デバイス110bおよび110dがグループ化されている(
図1M)ことを示すことができる。キッチンに関連付けられた識別子は、キッチンがダイニング+キッチンゾーングループ108bの一部であることによって、同じまたは類似の情報を示すことができる。他の例示的なゾーン変数および識別子を以下に説明する。
【0096】
さらに別の例では、MPS100は、
図2に示すように、エリアに関連付けられた識別子など、ゾーンおよびゾーングループの他の関連付けを表す変数または識別子を含んでもよい。エリアは、ゾーングループのクラスタおよび/またはゾーングループ内にないゾーンを含み得る。例えば、
図2は、ゾーンA~Dを含む上部エリア109aと、ゾーンE~Iを含む下部エリア109bとを示す。一態様では、エリアは、ゾーングループのクラスタ、および/または1つ以上のゾーンを共有するゾーンおよび/または別のクラスタのゾーングループを呼び出すために使用され得る。別の態様では、これは、別のゾーングループとゾーンを共有しないゾーングループとは異なる。エリアを実装するための技術のさらなる例は、例えば、2017年8月21日に出願され、「Room Association Based on Name」と題する米国特許出願公開第15/682,506号明細書、および2007年9月11日に出願され、「Controlling and manipulating groupings in a multi-zone media system」と題する米国特許第8,483,853号明細書に見出すことができる。これらの出願の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、MPS100は、エリアを実装しなくてもよく、その場合、システムは、エリアに関連付けられた変数を記憶しなくてもよい。
【0097】
図3は、ハウジング330の上部334に制御領域332の形態のユーザインタフェースを含む再生デバイス110の例示的なハウジング330を示す。制御領域332は、オーディオ再生、音量レベル、及び他の機能を制御するためのボタン336a、336b、及び336cを含む。制御領域332はまた、マイクロフォン115をオン状態又はオフ状態のいずれかに切り替えるためのボタン336dを含む。制御領域332は、再生デバイス110の環境内の音をマイクロフォン115(
図3では見えない)が受けるハウジング330の上部334に形成された開口部によって少なくとも部分的に囲まれている。マイクロフォン115は、再生デバイス110に対する1つ以上の方向からの音を検出するように、上部334又はハウジング330の他の領域に沿って及び/又は内部の様々な位置に配置されてもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、再生デバイス110は、有線及び/又は無線ヘッドフォン(例えば、オーバーイヤーヘッドセット、オンイヤーヘッドセット、又はインイヤーヘッドセット)の形態をとってもよい。例えば、
図4は、再生デバイス110のそのような実装のための例示的なヘッドセットアセンブリ400(「ヘッドセット400」)を示す。図示のように、ヘッドセット400は、第1のイヤカップ404aを第2のイヤカップ404bに結合するヘッドバンド402を含む。イヤカップ404a及び404bのそれぞれは、再生デバイス110内の電子コンポーネントの任意の部分、例えば、1つ以上のスピーカを収容してもよい。更に、イヤカップ404a及び404bのうちの1つ以上は、オーディオ再生、音量レベル、及び他の機能を制御するためのユーザインタフェースを含むことができる。ユーザインタフェースは、物理的ボタン408、スライダ、ノブ、及び/又はタッチ制御面などの様々な制御要素のいずれかを含むことができる。
図4に示すように、ヘッドセット400は、イヤカップ404a及び404bにそれぞれ結合されたイヤクッション406a及び406bを更に含んでもよい。イヤクッション406a及び406bは、ユーザの快適性を改善し、及び/又は周囲からの音響的隔離(例えば、パッシブノイズ低減(PNR))を提供するために、ユーザの頭部とイヤカップ404a及び404bとの間にそれぞれソフトバリアを提供し得る。
【0099】
III.再生デバイスのインテリジェントなセットアップのための例示的な技術
図5は、前述した例示的な再生デバイス110のいずれかなどの新たな再生デバイスの設定に関与することができるステップの高レベルの概要を提示するフローチャート500を示す。前述したように、これらのステップのそれぞれは、とりわけ、セットアップされている再生デバイスの能力、セットアップ手順を実施するために使用されているコンピューティングデバイス、ユーザのホームネットワーク環境、及び/又はユーザのメディア再生システムに既に接続されている他の再生デバイスの存在に基づいて異なり得る(例えば、1つ以上の異なるサブステップを含む)。
図5に示されるように、ステップは、一般に、(i)セットアップに利用可能な再生デバイスを検出することと、(ii)再生デバイスへの直接接続を確立することと、(iii)再生デバイスとの直接接続を認証することと、(iv)ユーザのネットワーク及びメディア再生システムに接続するために使用される再生デバイスにネットワーク構成資格情報を渡すことと、(v)再生デバイスをメディア再生システム内の場所に割り当てることと、(vi)必要に応じて再生デバイスを更新することと、(vii)再生デバイスをメディア再生システムに安全に登録することと、(viii)再生デバイスに関連する追加の機能をセットアップするための1つ以上のオプションをユーザに任意選択的に提示することとを含むことができる。
【0100】
以下の段落では、それぞれのいくつかの特定の実装形態及び例を含む、
図5に示す高レベルのステップについて順に説明する。以下の例は、一般に、ユーザのホームWi-Fiネットワーク上で動作する、MPS100などのメディア再生システムの一部として新たな再生デバイスをセットアップする、制御デバイス130(例えば、スマートフォン)などの制御デバイスを参照して提示されるが、本明細書では、多数の他のタイプのネットワーク接続デバイス及び他のタイプのネットワーキング環境も企図されることを理解されるべきである。
【0101】
a.セットアップに利用可能な再生デバイスを検出する
ブロック501において、制御デバイス130は、最初に、再生デバイス110がセットアップのために利用可能であることを、1つ以上の通信経路を介して検出してもよい。実際には、再生デバイス検出のこのステップは、再生デバイスと制御デバイス130との間の直接接続を確立するための前駆として、再生デバイス110及び制御デバイス130によって実行される様々なアクションを含むことができる。例えば、再生デバイス110は、未構成状態で電源が投入されたときに、再生デバイス110が設定に利用可能であることを告知する1つ以上のビーコンを自動的に送信するように構成されてもよい。これに関して、再生デバイスは、メディア再生システムに現在登録されていない場合、未構成であると見なされてもよい。これは、例えば、新品の再生デバイス又はその工場設定に手動でリセットされ、それによって以前の登録情報を消去する再生デバイスを含んでもよい。
【0102】
別の可能性として、再生デバイス110は、再生デバイス110上のボタン押下などのユーザからの手動入力に基づいて設定モードに入るように構成されてもよい。これは、ユーザがホームWiFiネットワークのネットワーク構成情報(例えば、SSID及び/又はパスワード)を変更するときなど、いくつかの状況において望ましい場合がある。この場合、以前に接続された再生デバイス110は、依然としてユーザのMPS100のメンバーとして登録され得るが、ユーザのホームWi-Fiネットワークに接続することができなくなる可能性がある。したがって、再生デバイス110上でのセットアップモードの手動起動が、ネットワークへのその接続を再確立するために必要とされる場合がある。
【0103】
設定のためのその可用性を通知するために再生デバイス110によって送信されるビーコンは、再生デバイス110のハードウェア及びネットワーキング能力に応じて、様々な形態をとることができる。本明細書で論じるビーコンは、所与の通信経路を介したセットアップのための再生デバイスの利用可能性の継続的な広告として、周期的に送信されるメッセージを指すことができる。1つの可能性として、再生デバイス110が有線イーサネットポートを含み、ユーザが再生デバイス110を有線接続を介してホームローカルエリアネットワーク(LAN)に接続した場合、再生デバイス110は、有線接続を介してビーコンをLANに送信することができる。別の可能性として、再生デバイス110は、Bluetooth(例えば、Bluetooth Low Energy(BLE))及び/又はWiFiなどの1つ以上の異なる無線プロトコルを介して通信できるようにする1つ以上の無線ネットワークインタフェースを含んでもよい。例えば、再生デバイス110は、再生デバイス110にBLE接続の利用可能性を通知するBLEビーコンを送信してもよい。これに加えて又は代えて、再生デバイス110は、WiFi接続機能を有する他のデバイスに対して検出可能なオープンアクセスポイント(AP)として機能するビーコンをWiFi上で送信してもよい。別の可能性として、再生デバイス110が、アクセサリをiOSデバイスに接続するために使用されるAPPLE(登録商標)Wireless Accessory Configuration(WAC)チップを含む場合、再生デバイス110は、例えばiPhone(登録商標)又はiPad(登録商標)によって検出可能であり得るWACビーコンを送信してもよい。場合によっては、再生デバイス110は、使用可能な複数の通信経路を介して、設定のための利用可能性を通知するビーコンを送信してもよい。他の多くの種類のビーコン及び通信経路も可能である。
【0104】
再生デバイス110のセットアップを容易にするために使用される制御デバイス130には、一般に、ユーザが再生デバイスへの直接接続を確立し、再生デバイス110をセットアップし、その後、最終的に再生デバイス110を制御するのを支援するためのソフトウェアがインストールされる。場合によっては、ソフトウェアは、制御デバイス130のオペレーティングシステム内にネイティブに含まれてもよい。他の例では、ユーザは、制御デバイス130に専用のメディア再生システムコントローラアプリケーションをインストールすることができる。新たに作成されたメディア再生システムの場合、コントローラアプリケーションは、ユーザアカウント(例えば、Sonosユーザアカウントなどのメディア再生システムプロバイダを有するアカウント)及びメディア再生システム識別子(例えば、家庭用識別子又は「HHID」)の作成を通じてユーザを最初に案内することができ、これらは、後のセットアッププロセスにおいて、再生デバイス110をユーザに属するものとして及びユーザのメディア再生システムに一意に登録するための基礎として使用されてもよい。加えて、メディア再生システムコントローラアプリケーションは、利用可能なWiFiネットワークのスキャンを実行するために必要とされ得るBluetoothアクセス及びロケーションサービスなどの特定の許可をアプリケーションに付与するようにユーザに促すことができる。
【0105】
制御デバイス130は、任意の広告再生デバイスからのビーコンをスキャンするために使用することができる、1つ以上の無線ネットワークインタフェースを更に含むことができる。例えば、メディア再生システムコントローラアプリケーションは、それが動作しているときはいつでも、制御デバイス130に、制御デバイス130が使用することができる各通信経路(例えば、BLE、WiFi、及び/又はWAC)を介して利用可能なデバイスを受動的に(例えば、周期的に)スキャンさせることができる。好適には、これは、ユーザによる入力をほとんど又は全く必要とせずに、設定のための再生デバイス110の発見を可能にし得る。別の可能性として、ユーザは、「製品の追加」コマンドなどのメディア再生システムコントローラアプリケーション内のオプションを手動で選択することができ、それにより、制御デバイス130に、パッシブスキャンよりも頻繁に利用可能なデバイスをポーリングするアクティブスキャンを実行させることができる。
【0106】
スキャンの結果として、制御デバイス130は、場合によっては複数の接続を介して、再生デバイス110からの1つ以上のビーコンを検出してもよい。例えば、制御デバイス130は、ユーザのLANへのWiFi接続を介して、有線イーサネット接続を介して再生デバイス110によって送信されるビーコン、並びにBLE接続を介してBLEビーコンを検出することができる。更に、ビーコン自体は、制御デバイス130が再生デバイスのネットワーキング能力を決定するために使用することができる、シリアル番号及び/又はモデル番号などの再生デバイス110に関する特定の識別情報を含むことができる。このようにして、制御デバイス130は、制御デバイス130がBLEビーコンをまだ検出していなくても、再生デバイス110がBLEをサポートするモデルであることを示すWiFiビーコンを再生デバイスのオープンAP上で検出することができる。
【0107】
前述の説明に基づいて、制御デバイス130は、再生デバイス110への直接接続を確立するための多くの可能性をサポートし、複数の接続が検出されたときに可能な接続のセットから好ましい接続タイプを選択するように構成されてもよいことが理解され得る。例えば、再生デバイス110が複数の接続を介して検出される場合、制御デバイス130は、BLE接続を介したLAN接続、及び、WAC又はオープンAP接続を介したBLE接続を優先してもよい。好ましい接続タイプは、より高い粒度でも確立され得る。例えば、WAC接続は、新しいメディア再生システムの第1の再生デバイスに対してのみ、オープンAP接続よりも好ましい場合がある。第2の再生デバイス及びその後の全ての再生デバイスについて、WACよりもオープンAP接続が好ましい場合がある。他の例もまた可能である。
【0108】
いくつかの実装形態では、制御デバイス130は、検出されたビーコンから、再生デバイス110がより好ましい接続をサポートすると決定した場合、その接続上のビーコンがまだ受信されていなくても、直接接続タイプの選択を遅延させることができる。例えば、制御デバイス130は、WiFiのみを介して再生デバイス110を発見することができる一方で、ビーコン内の識別情報は、再生デバイス110が有線LAN接続及びBLE接続の両方をサポートするモデルであることを示すことができる。したがって、制御デバイス130は、設定プロンプトのユーザへの提示を短期間(例えば、15秒、30秒、1分など)遅延させることができる。これにより、例えば、ユーザが電源投入後まで再生デバイスにイーサネットケーブルを接続しなかった場合に、再生デバイス110を有線LANを介して発見することができる。別の可能性として、短い遅延は、ユーザが制御デバイス130を移動させることを可能にすることができ、制御デバイスは、別の部屋、例えば、再生デバイス110のより近くにあってもよく、BLE範囲内にある。それにもかかわらず、より好ましい接続が遅延後に検出されない場合、制御デバイス130は、再生デバイス110がセットアップのために利用可能であるというポップアップウィンドウ又は同様の通知を表示し、ユーザに続行するように促すことができる。
【0109】
更に別の可能性として、より好ましい接続タイプを介して再生デバイス110を検出するための短い遅延の間に、制御デバイス130は、再生デバイス110に関連する追加情報を検索してもよい。例えば、制御デバイス130は、制御デバイス130がビーコンにおいて検出した識別情報(例えば、シリアル番号)に基づいて再生デバイス110のための認証情報を検索するためにクラウドベースのコンピューティングシステムと通信することができる。認証情報は、例えば、セットアッププロセスにおいて後に再生デバイス110との通信を認証するために使用され得る再生デバイス110の製造証明書のコピーであってもよい。これに関して、制御デバイス130は、最も好ましい接続タイプが利用可能であっても、ユーザへの通知の提示を一時的に遅延させて、制御デバイス130が認証情報を取り出すことを可能にすることができる。ユーザに通知を提示することと並行して認証情報を検索することを含む、他の多くの可能性も存在する。
【0110】
これに加えて又は代えて、制御デバイス130は、制御デバイス130が設定に利用可能な全ての再生デバイスを検出する可能性を高めるために、再生デバイス110の検出とユーザセットアッププロンプトの表示との間に短い遅延を実施してもよい。いくつかの実施形態では、制御デバイス130は、ユーザが複数のデバイスを設定している場合に発生する可能性がある、複数の再生デバイスが設定に利用可能であることを検出することができる。これらの状況では、複数の検出されたデバイスは、ポップアップウィンドウ又は同様のメニュー項目のカルーセルとして提示されてもよく、全体的なセットアップ体験を容易にするように最初に並べられてもよい。例えば、制御デバイス130は、サウンドバーなどのホームシアター構成又は他の結合グループ構成のための調整デバイスとして機能する可能性が比較的高い再生デバイスのためのセットアッププロンプトを優先することができる。これは、初期セットアッププロセス中にサラウンドスピーカとしてサウンドバーに結合され得る他の再生デバイスのその後のセットアップを容易にすることができる。逆に、制御デバイス130は、一般に他の再生デバイスに結合することによってのみメディア再生システムに追加されるサブウーファなどの再生デバイスのためのセットアッププロンプトの優先度を下げることができる。これにより、サブウーファの潜在的な結合パートナーであり得る他の再生デバイスを最初にセットアップすることができ、サブウーファのその後のセットアップを容易にする。
【0111】
制御デバイス130は、単独で又は前述したものと組み合わせて、他の多くの可能性の中でもとりわけ、それぞれの利用可能なデバイスごとに検出された接続タイプ(例えば、より好ましい接続タイプが可能な再生デバイスを優先する)、各再生デバイスのそれぞれのビーコンに関連付けられた無線信号強度(例えば、ビーコンが比較的強い検出信号強度を有する再生デバイスを優先させる、及び/又は、ビーコンが比較的弱い信号強度を有する再生デバイスの優先順位を下げる)、及び/又はユーザのメディア再生システムに既に接続されている再生デバイスのタイプ及び数(例えば、既にシステム内にある再生デバイスと結合された同期グループのメンバーとして互換性のある再生デバイスを優先する)などの他の要因に基づいて、複数の利用可能な再生デバイス間の提示順序を決定することができる。
【0112】
更に、セットアップのために利用可能な複数の再生デバイスの中から制御デバイス130が決定することができる任意の好ましい提示順序にかかわらず、制御デバイス130は、それにもかかわらず、ユーザがセットアップのために特定の再生デバイスを選択するために利用可能なデバイスを(例えば、ポップアップカードのカルーセルを回転させることによって)スクロールすることを可能にすることができる。別の可能性として、制御デバイス130は、ユーザが所与の再生デバイスをセットアップするためのプロンプトを消すことを可能にしてもよい。例えば、ユーザは、後で自分のデバイスをセットアップしたい場合がある。別の例として、制御デバイス130は、隣接者のシステムなどの別のメディア再生システムの範囲内にあってもよく、セットアップのために利用可能な隣接者の再生デバイスのうちの1つを検出してもよい。したがって、ユーザは、隣接者の再生デバイスをセットアップするためのプロンプトを消すことができる。ユーザが意図しない再生デバイスを設定する可能性を低減するのに役立つ追加の保護手段については、以下で説明する。
【0113】
b.直接通信経路を確立する
ブロック502において、制御デバイス130と再生デバイス110との間の直接通信経路が様々な方法で確立されてもよい。最初のステップとして、再生デバイス110がセットアップのために利用可能であることを制御デバイス130が検出した後、制御デバイス130は、再生デバイス110が検出されたことをユーザに知らせ、ユーザがセットアッププロセスを続行することを望むか否かを確認するように促す通知(例えば、ポップアップウィンドウ)を提示することができる。そのような通知の例を
図6に見ることができる。この例に示されるように、通知は、ビーコンに含まれる識別情報を使用して、モデル番号(例えば、Sonos Oneモデル再生デバイス)によって再生デバイス110を参照することができ、再生デバイス110の描写(例えば、サイズ、形状、色など)を更に提示することができる。場合によっては、通知は、再生デバイス110のシリアル番号を更に含むことができ、これは、ユーザが意図されたデバイスをセットアップしていることを確認するのを助けることができる。例えば、ユーザは、表示されたシリアル番号を再生デバイス110に印刷されたものと一致させることができる。
【0114】
その後、制御デバイス130は、再生デバイス110のセットアップを進めるための入力を検出してもよい。入力は、制御デバイス130に、検出されたビーコンに対応する通信経路を介して再生デバイス110にメッセージを送信させることができる。
【0115】
前述した無線通信モード(例えば、BLE、WAC、APを開く)のいずれの場合も、このメッセージは、再生デバイス110との直接通信経路を確立するように機能することができる。直接通信経路が確立されると、制御デバイス130は、セットアップが進行しているという表示を提示することができる。更に、制御デバイス130によって送信されるメッセージは、以下で更に説明されるように、再生デバイス110がセットアップルーチンを開始するためのコマンドを含むことができる。
【0116】
場合によっては、セットアップされている再生デバイス110は、ユーザのWiFiネットワークに接続する能力、並びにBluetoothペアリングを介して制御デバイス130に接続する能力をサポートするポータブル再生デバイス(例えば、
図1Bに示すヘッドフォンデバイス110o)であってもよい。これらの状況において、ポータブル再生デバイス110が制御デバイス130とまだペアリングされていない場合、ユーザは、最初に検出されたときに、Bluetoothを介してポータブル再生デバイス110を制御デバイス130とペアリングするオプションを促されてもよい。Bluetoothペアリングが正常に完了した後、制御デバイス130は、同様にユーザのWi-Fiネットワークを介して動作するようにポータブル再生デバイス110を設定し続けるオプションをユーザに提供してもよい。
【0117】
前述した初期メッセージは、どのタイプの通信経路が確立されているかにかかわらず、データグラムトランスポートレイヤセキュリティ(DTLS)プロトコルを使用して直接通信経路を介して制御デバイス130と再生デバイス110との間で交換されてもよい。これに関連して、最初の直接通信経路がBLE通信リンクを介して制御デバイス130と再生デバイス110との間に確立される場合、直接通信経路は、BLEペアリングも、それに関連する暗号化も含まなくてもよいことが理解され得る。むしろ、DTLSデータクラムは、おそらくWAC又はWiFi通信に関連するBLE通信の帯域幅制約の可能性があるために、データクラムのセグメント化及び再組み立てを提供するトランスポート層に関連して、BLE通信リンクを介して送信され得る。
【0118】
いくつかの実装形態では、DTLS通信の信頼性を高めるために、一方又は両方のデバイスにパケット確認応答再送信レイヤを実装することもできる。例えば、制御デバイス130又は再生デバイス100は、他のデバイスから受信した各受信データパケットについて、確認応答メッセージを他のデバイスに送信してもよい。更に、デバイスは、一般に、初期セットアップメッセージのやりとりに関与するので、制御デバイス130及び/又は再生デバイス100は、初期セットアッププロセスの一部として、計画されたメッセージを送信することになると決定した場合、1つ以上の確認応答メッセージの送信を延期し得る。したがって、1つ以上の延期された確認応答メッセージは、直接通信経路を介して送信されるメッセージの数を減らすために、計画されたメッセージと共にパッケージ化され得る。多数の他の実装及び変形も可能である。
【0119】
c.再生デバイスへの接続を認証する
ブロック503において、制御デバイス130及び再生デバイス110の一方又は両方は、これら2つのデバイス間の通信のための認証プロセスを引き受けることができる。制御デバイス130は、最終的に、ユーザのホームネットワークに接続するための機密ネットワーク構成パラメータ(例えば、SSID、パスワードなど)を再生デバイス110に渡すので、そのような情報が交換される前に、直接通信経路を介して制御デバイス130と再生デバイス110との間の安全で信頼できる接続を確立することが望ましい場合がある。特に、制御デバイス130が再生デバイス110を検証し、再生デバイス110が制御デバイス130を検証する双方向認証を提供することは、無害の誤り、並びにユーザのネットワークへのアクセスを得る又はそうでなければユーザのネットワークに影響を与える悪意のある試みの両方を含む、発生し得る様々な異なる種類のセットアップ問題を防止するのに役立ち得る。例えば、双方向認証は、ユーザが意図しない再生デバイス(例えば、近隣の再生デバイス、又は悪意のあるなりすまし再生デバイス)をセットアップするために自分の制御デバイス130を誤って使用することを防止することができる。同様に、ユーザの再生デバイス110が意図しない制御デバイスによってセットアップされることを防止することができる。
【0120】
制御デバイス130と再生デバイス110との間のセキュア認証は、様々な形態をとることができる。1つの可能性として、再生デバイス110は、PINコードを、直接通信経路の外側で、制御デバイス130が再生デバイス110に近接して配置されることを必要とする方法で、制御デバイス130に渡すことができる。次いで、2つのデバイスは、直接通信経路を介して、両者が共有PINコードを知っていることを互いに検証することができる。例えば、両方のデバイスがそのような通信をサポートする場合、PINコードは、近距離通信(NFC)を使用して渡され得る。別の例として、再生デバイス110は、人間の耳には聞こえないが制御デバイス130のマイクロフォンによって検出可能な1つ以上の高周波トーンを介してPINコードを送信するためにオーディオ変調を使用してもよい。オーディオ変調を介した情報の送信に関する更なる詳細は、参照により上記に組み込まれた米国特許第8,930,005号に見出すことができる。
【0121】
更に別の例として、再生デバイス110は、デバイスに(例えば、シリアル番号を有するデバイスの底部に)に印刷されるPINコードを含むことができ、PINコードは、ユーザが読み取った後、手動で制御デバイス130に入力することができる。なお、PINコードは、他の態様でも、方向通信路の外部において、再生デバイス110から制御デバイス130に渡されてもよい。
【0122】
セットアッププロセス中に二台のデバイスによって使用される認証のタイプは、やはり、制御デバイス130及び再生デバイス110の一方又は両方のハードウェア及びソフトウェア能力に依存し得る。場合によっては、前述したPINコード交換を使用するセキュア認証がまったく利用できない可能性がある。例えば、多くの既存の再生デバイスは、NFCをサポートしていない可能性があり、又は、セキュア認証PINコードが各再生デバイスに印刷され始める前に製造された可能性がある。更に、MPS100内のいくつかのデバイスは、オーディオ変調がオプションではないように、オーディオトランスデューサ(例えば、ネットワークデバイス、アンプのみの再生デバイス)を有していなくてもよい。同様に、いくつかの再生デバイスは、オーディオ変調に使用され得る周波数範囲でオーディオ出力を行うことができない1つ以上のトランスデューサを有することができる(例えば、サブウーファ)。更に、本明細書で説明される他の多くの再生デバイスは、再生デバイスがオーディオ変調を介してセキュア認証を物理的にサポートすることができるように1つ以上のスピーカを含むことができるが、これらの再生デバイスは、ソフトウェアの観点からそうするように構成されるように更新されていない場合がある。
【0123】
例えば、オーディオ変調を介したセキュア認証は、再生デバイス110が、とりわけ、PINコードを生成し(又は既存のPINコードを記憶し)、1つ以上の高周波トーンを介してPINコードを送信し、その後、制御デバイス130とPINコードの双方向交換及び検証を行うように構成されるように、再生デバイス110がソフトウェア(例えば、ファームウェア)を含むことを必要とし得る。したがって、本明細書で説明するセキュア認証技術の導入前のファームウェアを含む再生デバイスは、オーディオ変調をサポートしない場合がある。同様に、いくつかの再生デバイスは、セキュア認証を見越して、NFCをサポートしてもよく、又は製造プロセス中に再生デバイスに適用された印刷されたPINコードを含んでもよいが、再生デバイスは、前述したPINコードの交換及び検証をサポートするためのファームウェアをまだ含んでいなくてもよい。更に、これらのタイプの安全認証をサポートするためのファームウェア更新が全ての既存の再生デバイスにプッシュされたとしても、電源が投入された既に接続された再生デバイスのみが更新を受信する。
【0124】
このため、制御デバイス130は、所与の再生デバイスへの多数の異なるタイプの接続だけでなく、多数の異なる認証方法もサポートすることができる。加えて、再生デバイス110とは異なり、制御デバイス130は、典型的には、セットアッププロセスが始まるときに既にインターネットに接続されており(例えば、ユーザのWiFiネットワークを介して)、したがって、制御デバイス130は、一般に、メディア再生システムコントローラアプリケーションの最新バージョンで動作していると仮定されてもよい。そうでない場合、最良のセットアップ体験を提供するために、セットアップが開始する前に(例えば、アプリケーションが開かれたとき、又は、再生デバイス110が最初に検出されたとき)アプリケーションを更新するようにユーザに促され得る。
【0125】
前述したように、制御デバイス130は、セットアッププロセスを開始するためのユーザ入力に応答して、セットアップルーチンを開始するためのメッセージを再生デバイス110に送信することができる。いくつかの実装形態では、このメッセージは、再生デバイス110に可聴トーンの形態でフィードバックを提供させることができ、これにより、ユーザエクスペリエンスの可聴エンゲージメントを高めることができるとともに、設定が正しく進行しているという確信をユーザに与えることができる。別の可能性として、再生デバイス110上の1つ以上のLEDライトは、所定のパターンで更に点滅を開始してもよい。場合によっては、一体型スピーカ(例えば、アンプのみの再生デバイス)を含まない再生デバイスは、LED点滅パターンに限定されてもよい。更に別の可能性として、セットアップ中にディスプレイデバイスに接続された再生デバイス(例えば、テレビ)は、ディスプレイデバイスに1つ以上の視覚的表示をユーザに提示させてもよい。上記の例の任意の組み合わせを含む他の実装も可能であり得る。
【0126】
セットアップルーチンを開始するために再生デバイス110に送信されるメッセージは、制御デバイス130が再生デバイスのビーコンにおいて受信した識別情報に部分的に基づいてもよい。特に、識別情報は、前述したように、再生デバイスのハードウェア及びネットワーク機能を伝達することに加えて、再生デバイス110にインストールされたファームウェアバージョンの指示を含むことができる。この情報に基づいて、制御デバイス130は、どのタイプの認証が可能であるかを決定し得、好ましい認証方法を選択し得る。
【0127】
好ましい実装形態であり得る一実装形態では、制御デバイス130は、NFCをサポートすることができ、ビーコンから、再生デバイス110もNFCをサポートし、セキュアNFC認証をサポートするファームウェアバージョンを実行していると決定することができる。したがって、セットアップルーチンを開始するための制御デバイス130からのメッセージは、再生デバイス110にPINコードを生成させ、それをそのNFCタグに書き込ませることができる。更に、メッセージを送信した後、制御デバイス130は、NFCタグの位置に対応する再生デバイス110上の特定の位置に制御デバイス130をタップするようにユーザに指示する表示を提示することができる。そのような命令の例を
図7A及び
図7Bに示す。
【0128】
前述したように、セットアップルーチンを開始するためのメッセージは、再生デバイス110に、可聴トーンなどの、ユーザに対する1つ以上の種類のフィードバックを提供させることができる。このフィードバックは、認証プロセス中に継続することができ、ユーザに提供される指示(例えば、可聴トーン、点滅光など)で参照することができる。前述したように、これは、ユーザが意図されたデバイスをセットアップしていることの確認をユーザに提供することができ、一般に、セットアッププロセスにおける可聴係合のレベルを向上させることができる。
【0129】
ユーザが制御デバイス130を再生デバイス110にタップすると、PINコードは、NFCを介して制御デバイス130に渡されることができる。その後、制御デバイス130及び再生デバイス110は、他のデバイスが同じPINコードを知っていることを相互に検証する直接通信経路を介してメッセージを交換することができる。場合によっては、再生デバイス110は、交換中にその製造証明書のコピーを更に送信することができ、制御デバイス130は、再生デバイスの既知のシリアル番号に基づいて検証することができる。その後、PINコードは、直接通信経路を介した制御デバイス130と再生デバイス110との間のDTLS通信のための比較的強力な相互認証を提供する事前共有鍵として使用されてもよい。例えば、制御デバイス130は、後述するように、ユーザのWiFiネットワークに接続するためのネットワーク構成情報を提供することができる。
【0130】
いくつかの状況では、NFCスキャンに至るまでに制御デバイス130と再生デバイス110との間で交換されるメッセージ及びメッセージ確認応答のシーケンシングが剛性すぎる場合、NFCスキャンが正常に完了しないように、これらのデバイスは同期しなくなる可能性がある。例えば、制御デバイス130は、SETUP_BEGINメッセージにおいてNFCスキャンプロセスを開始するように再生デバイス110に最初に指示してもよく、これにより、両方のデバイスにタイムアウトウィンドウを開始させることができる。しかしながら、制御デバイス130がメッセージを送信するとそのウィンドウを開始し、再生デバイス110がメッセージを受信するとそのウィンドウを開始する場合、特に、メッセージが再生デバイス110に到達するために1つ以上の再送信を要する場合、再生デバイスのウィンドウは遅延され得る。或いは、制御デバイス130が、再生デバイス110がSETUP_BEGINメッセージを受信したという確認応答を受信するまで待機する場合、特に、再生デバイス110に到達するための確認応答のための1つ以上の再送信を要する場合、制御デバイスのウィンドウは、遅延され得る。
【0131】
2つのデバイス間のNFCスキャンのためのタイムアウトウィンドウがこのように位置ずれしているため、他の潜在的な問題の中でも、2つのデバイスのうちの一方が、他方のデバイスがそのタイムアウトウィンドウの終わりに達したときに成功したスキャンを登録することが可能であり、したがって、他方のデバイスはスキャンを登録しない。制御デバイス130がこのようにしてタイムアウトした場合、制御デバイスは、SETUP_CANCELメッセージ又は新たなSETUP_BEGINメッセージを送信しようと試みることができ、これらのいずれも、スキャンの登録に成功したことを報告するためにSETUP_CONTINUEメッセージを送信しようと試みる再生デバイス110によって無視されることができる(例えば、送信/再送信及び確認応答の待機)。再生デバイス110からのこのSETUP_CONTINUEメッセージは、制御デバイス130によって無視されてもよい。逆に、再生デバイス110がタイムアウトした場合、再生デバイスは、別のSETUP_BEGINメッセージを受信するのを待つことができるが、成功したスキャンを登録した制御デバイス130は、再生デバイス110からのSETUP_CONTINUEメッセージが来ないのを待つことができる。いずれのシナリオでも、両方のデバイスが動作を再開できるように回復するには数分かかる場合がある。これにより、望ましくないユーザ体験が生じる可能性がある。
【0132】
これらの潜在的な問題に対処するために、再生デバイス110と制御デバイス130との両方が、これらのメッセージが通常期待されないとき(例えば、受信機器が異なるメッセージを送信しようとしているとき)にメッセージを受け入れて肯定応答することができるように、これらのデバイス間の通信をより柔軟にすることができる。例えば、制御デバイス130は、制御デバイス130がタイムアウトして再生デバイス110にメッセージを返送しようとしている場合であっても、再生デバイス110からのSETUP_CONTINUEメッセージを常に受け入れて肯定応答するように構成されてもよい。再生デバイスのメッセージを承認することにより、再生デバイス110は、SETUP_CONTINUEメッセージを送信しようとすることを停止し、再び聴取を開始することができ、これにより、再生デバイス110は、SETUP_CANCELメッセージを登録し、プロセスの開始に戻り、新たなSETUP_BEGINメッセージがタイムアウトウィンドウを再び開始するのを待つことができる。同様に、再生デバイス110は、そのタイムアウトウィンドウの終わりに達するたびにSETUP_TIMED_OUTメッセージを送信するように構成されてもよい。これは、たとえ成功したスキャンを登録したとしても、SETUP_CONTINUEメッセージを受信しないことを制御デバイス130に通知することができる。
【0133】
正常なNFCスキャンを容易にするための他のタイプのメッセージも可能である。更に、前述した利点は、制御デバイス130及び再生デバイス110が一連のメッセージ及びメッセージ確認応答を交換する必要がある他の動作にも適用され得る。
【0134】
別の実施態様では、制御デバイス130は、自身又は再生デバイス110のいずれかがNFCをサポートしていない(例えば、ユーザは、制御アプリケーションにNFCアクセス許可を与えることを拒否した)か、又はNFCスキャン動作が失敗したが、再生デバイス110がオーディオ変調によるセキュア認証をサポートするファームウェアを実行していると決定することができる。或いは、前述したNFC認証が開始されたが何らかの理由で失敗した場合(例えば、1つ以上の失敗したNFC交換、タイムアウト期間の経過、又はユーザがNFC認証から手動でバックアウトする)、制御デバイス130は、次に好ましい認証としてオーディオ変調をデフォルトにしてもよく、セットアップを開始するためにメッセージを再送信してもよい。いずれの場合も、セットアップを開始するためのメッセージは、再生デバイス110に、PINコードを生成させ、その後、PINコードを、1つ以上の高周波トーンを介して送信させることができる。一方、制御デバイス130は、可聴トーンを再生している再生デバイスの近くに制御デバイス130を保持するようにユーザに指示する表示を提示することができる。このタイプの命令の例を
図8に示す。これらの状況では、PINコードは、人間の耳には聞こえない可能性がある高周波数範囲にわたって送信されるが、再生デバイス110は、それにもかかわらず、NFC認証に関して前述したように、視覚的及び/又は可聴フィードバックを提示してもよい。場合によっては、PINコードの交換は必要ではないが、再生デバイス110は、より高い周波数にわたって発生しているPINコードの送信をシミュレートするために、オーディオ変調を介した認証中に異なるより特徴的なトーンを再生してもよい。
【0135】
制御デバイス130が1つ以上のマイクロフォンを介してPINコードを受信すると、認証は上記のように進行することができ、それによって、制御デバイス130及び再生デバイス110は、他のデバイスが同じPINコードを知っていることを相互に検証する直接通信経路を介してメッセージを交換する。
【0136】
更に別の実装では、制御デバイス130は、NFC認証がサポートされていないこと、及び、再生デバイス110が、オーディオ変調が可能でないこと(例えば、アンプのみの再生デバイス)、及び/又は、これらの認証オプションの両方が失敗したことを決定してもよい。それにもかかわらず、再生デバイス110は、デバイス上に印刷されたPINコードを含むことができ、前述した相互PINコード交換を介してセキュア認証をサポートするファームウェアを実行することができる。したがって、制御デバイス130は、ユーザが再生デバイス110から制御アプリケーションにPINコードを手動で入力するように指示する表示を提示することができ、それにより、制御デバイス130にPINコードを提供する。このタイプの命令の例を
図9に示す。
【0137】
あるいは、このタイプの手動PINコード入力は、前述したように、NFC認証方法及びオーディオ変調認証方法の一方又は両方が失敗した状況におけるセキュア認証のフォールバックとして使用されてもよい。これに関して、デバイス上に提供される印刷されたPINコードは、このタイプの手動PIN入力のためにのみ使用されてもよく、一方、前述したNFC及びオーディオ変調認証方法は、設定を開始するためのメッセージの受信時に再生デバイス110によってランダムに生成されるPINコードを使用してもよい。
【0138】
更に別の実施態様では、制御デバイス130は、再生デバイス110が必要なハードウェアを所有していても、前述した相互PINコード交換を介したセキュア認証のタイプをサポートするファームウェアを再生デバイス110が実行していないと決定することができる。したがって、制御デバイス130は、再生デバイスのファームウェアによってサポートされる認証方法にフォールバックすることができる。例えば、設定を開始するためのメッセージは、再生デバイス110に可聴及び/又は視覚フィードバックを提示させることができる一方で、制御デバイス130は、現在トーンを再生している及び/又は点滅するLEDライトを提示している再生デバイス上のボタンを手動で押すようにユーザに指示を与える表示を提示することができ、これにより、再生デバイス110に、直接通信経路を介して制御デバイス130に応答メッセージを送信させることができる。いくつかの状況では、再生デバイスのファームウェアは、認証中に可聴又は視覚フィードバックを提供することをサポートしない場合があり、したがって、制御デバイス130は、そのようなフィードバックなしに再生デバイス110上のボタンを手動で押すようにユーザに指示を提供することができる。これらの種類の命令の例を
図10A及び
図10Bに示す。
【0139】
これらの認証方法は、前述した双方向相互認証よりも幾分安全性が低い場合があるが、正しい再生デバイスが設定のために選択されているという何らかの確認を依然として提供することができる。更に、これらのタイプの「レガシー」認証をサポートすることは、多くの古い再生デバイスの使用可能寿命を延ばすことができ、これは、セキュア認証をサポートするファームウェア更新が利用可能になった後にレガシー認証を使用して1回だけセットアップされる必要があり得る。実際、再生デバイスがユーザのWiFiネットワークへの接続を確立すると、そのファームウェアは、後述するように、セットアッププロセスにおける後続のステップとして更新されてもよい。その後、更新された再生デバイスは、そのハードウェアがサポートすることができる任意のセキュア認証方法を実行することができる(例えば、オーディオ変調)。
【0140】
d.再生デバイスをネットワークに接続する
直接通信経路が確立され、制御デバイス130と再生デバイス110との間の接続が認証されると(例えば、相互に認証される)、制御デバイス130は、ブロック504において、再生デバイス110がユーザのWiFiネットワークへの接続を確立するために使用することができる直接通信経路を介して再生デバイス110にネットワーク構成情報を渡すことができる。ネットワーク構成情報は、識別情報(例えば、SSID)及びセキュリティ情報(例えば、パスワード)の一方又は両方を含む様々な形態をとることができる。これに加えて又は代えて、再生デバイス110は、独自のメッシュネットワーキングプロトコルを使用してユーザのメディア再生システムの他の再生デバイスと通信することができてもよく、したがって、ネットワーク構成情報は、そのような通信のための暗号鍵及び指定されたチャネルなどのメッシュネットワークを介して通信するための情報を含んでもよい。別の例として、制御デバイス130は、再生デバイス110に、家庭用識別子(HHID)と称されることもあるユーザのメディア再生システムに対応する識別子を提供することができる。様々な他のタイプのネットワーク構成情報も可能である。
【0141】
前述したネットワーク構成情報のいくつかは、制御デバイス130によって記憶される情報であってもよく、再生デバイス110に直接提供されてもよい。しかしながら、他の種類のネットワーク構成情報は、制御デバイス130から再生デバイス110に容易に渡されない場合がある。例えば、いくつかのスマートフォンのオペレーティングシステム(例えば、Android)は、制御デバイス130上で動作するメディア再生システムコントローラアプリケーションがユーザのホームWiFiネットワークのSSID及びパスワード情報にアクセスする方法を提供しない場合があるが、そのような情報は制御デバイス130上に記憶されてもよい。更に、メディア再生システムコントローラアプリケーションは、そのような情報を別個に記憶しなくてもよい。したがって、制御デバイス130は、ユーザが初めて自分のホームWiFiネットワーク上に新しい再生デバイスをセットアップするときに、自分のSSIDを選択し、自分のWiFiパスワードを入力するようにユーザに促すことができる。その後、ユーザが1つ以上の追加の再生デバイスを設定した場合、制御デバイス130は、SSID及びパスワード情報を取得するために再生デバイス110又はユーザのWiFiネットワークに既に接続されている別の再生デバイスに問い合わせてもよく、これはその後、追加の再生デバイスに渡されてもよい。
【0142】
別の例として、いくつかの他のスマートフォンオペレーティングシステム(例えば、iOS)は、メディア再生システムコントローラアプリケーションによって実行されているセットアップルーチンを一時的に終了し、SSID及びパスワード情報をオペレーティングシステムのメモリから直接再生デバイス110に提供し、その後、メディア再生システムコントローラアプリケーションに戻って残りのネットワーク構成情報(例えば、HHID)を提供することができる。この機能は、前述したように、制御デバイス130と再生デバイス110との間の直接通信経路がWAC接続を使用して確立されている場合に限定されてもよい。利用可能な場合、このタイプの交換は、ユーザのホームWiFiネットワーク上にセットアップされた第1の再生デバイスにのみ適用されてもよく、制御デバイス130は、セットアップされた各後続の再生デバイスについて以前にセットアップされたデバイスからネットワーク構成情報を取得する。
【0143】
再生デバイス110が制御デバイス130からネットワーク構成情報を正常に受信すると、再生デバイス110は、肯定応答メッセージを制御デバイス130に送信することができる。この確認応答メッセージは、制御デバイス130と再生デバイス110との間の直接通信経路を中断させることができ、デバイスはそれぞれ、ユーザのWiFiネットワークを介して互いに通信するように移行することができる。再生デバイス110が新しいメディア再生システムの最初の再生デバイスである状況などのいくつかの場合において、再生デバイス110は、肯定応答メッセージを送信する前に、ネットワーク構成情報が正しいことを最初にチェックすることができる。例えば、再生デバイス110は、ユーザがそれを正しく入力したことを確認するために、提供されたパスワードを使用してユーザのWiFiネットワークへの接続を試みることができる。接続が失敗した場合、再生デバイス110は、直接通信経路を介して制御デバイス130にその旨を通知し、制御デバイス130は、ユーザにパスワードの再入力を促すプロンプトを提示してもよい。再生デバイス110は、パスワードが正しいことを確認すると、確認応答メッセージを送信し、WiFiネットワークを介して制御デバイス130と通信することに移行することができる。
【0144】
e.メディア再生システム内の位置に再生デバイスを割り当てる
再生デバイス110がユーザのWiFiネットワークに接続された後、制御デバイス130は、ユーザのメディア再生システムのメンバーとして動作するように再生デバイス110を構成することができる設定動作に進むことができる。したがって、ブロック505において、再生デバイス110は、ユーザのメディア再生システム内の位置に対応するルーム名を割り当てられてもよい。例えば、制御デバイス130は、
図11の例に示されるように、再生デバイス110のためのルーム名を選択するようにユーザに促す表示を提示してもよい。いくつかの実装形態では、制御デバイス130は、「キッチン」、「ベッドルーム」などの一般的に選択された部屋の名前のリストをユーザに提示することができる。更に、制御デバイス130は、カスタムルーム名を入力するオプションをユーザに提示することができ、ユーザがメディア再生システムをパーソナライズすることを可能にする。その後、新しい再生デバイスがユーザのメディア再生システムに追加されるたびに、ユーザのカスタム作成されたルーム名が、より一般的なルーム名のリストと共に提示されてもよい。
【0145】
いくつかのメディア再生システム構成では、再生デバイス110は、スピーカ名(例えば、「キッチンカウンタ」)及びルーム名(例えば、「キッチン」)を割り当てられてもよく、それにより、複数の非結合スピーカ(例えば、「キッチンカウンタ」及び「冷蔵庫トップ」)が同じルーム名(例えば、「キッチン」)を有してもよい。このような構成では、制御デバイス130は、セットアッププロセス中に、共通に選択されたスピーカ名のリスト及びカスタムスピーカ名を入力するオプション、並びに共通に選択されたルーム名のリスト及びカスタムスピーカ名を入力するオプションをユーザに提示することができる。スピーカ名の指定は、セットアップ処理中にルーム名の指定の前、後、又は同時に行われてもよい。
【0146】
制御デバイス130上でユーザによって選択された部屋の名前は、再生デバイス110に送信され、フラグ又は同様の状態変数としてメモリに記憶されてもよい。このルーム名は、メディア再生システムによって多くの方法で使用され得る。特に、ルーム名は、追加の設定可能性をユーザに提示するための基礎として機能することができるコンテキスト情報を提供することができる。しかしながら、そのような追加のセットアップの可能性は、全ての場合に関連するとは限らない。或いは、それらは関連性があるが、ユーザにとって直ちに重要ではない場合がある。したがって、以下により詳細に説明するように、再生デバイスの選択されたルーム名に基づく追加の設定可能性の提示は、初期設定プロセスが完了するまで予約されてもよい。
【0147】
更に、再生デバイス110がポータブル再生デバイス(例えば、ヘッドフォンデバイス)である場合、それは、ユーザのメディア再生システム内の単一の部屋と関連付けられる可能性が低い場合がある。したがって、制御デバイス130は、デバイスに位置を割り当てることをユーザに要求するプロンプトをスキップすることができる。ポータブル再生デバイスに「名前」を割り当てるための代替オプションは、ポータブル再生デバイスをメディア再生システムの特定のユーザに関連付ける識別子などの位置ベースの識別子を置き換えてもよい。他の可能性も存在する。
【0148】
f.再生デバイスを更新する
ブロック506において、再生デバイス110がメディア再生システム内の位置を割り当てられた後、再生デバイス110は、そのソフトウェア(例えば、そのファームウェア)が最新であるか否かを決定するためにチェックを実行することができる。そうでない場合、再生デバイス110は、最新のソフトウェアバージョンをダウンロードして更新を実行してもよい。場合によっては、再生デバイス110が後にその初期「工場出荷時」設定にリセットされても、ファームウェア更新などの再生デバイス110に対する特定の更新が所定の位置に留まり得る。例えば、再生デバイスが後続のユーザに与えられる前に、ネットワーク認証情報、メディアアカウント情報、及び他のメディア再生システムの詳細など、再生デバイス110から全てのユーザ固有情報を消去するために、工場出荷時のリセットが使用されることが多い。それにもかかわらず、更新されたファームウェアは持続し得る。これは、その機能に対する他の利点及び改善の中でも、再生デバイス110が更新前にサポートすることができなかった設定中に特定の種類のセキュア認証(例えば、オーディオ変調)を利用することを可能にし得る。
【0149】
g.再生デバイスを登録する
ブロック507において、利用可能な更新が実行された後、再生デバイス110は、初期設定プロセスの最終ステップとしてユーザのメディア再生システムプロバイダに登録されることができる。再生デバイス110の登録は、再生デバイスのシリアル番号をメディア再生システムプロバイダを有するユーザのアカウントにリンクすることを含む様々な形態をとることができる。更に、登録プロセスの一部として、メディア再生システムプロバイダに関連付けられたクラウドベースのコンピューティングシステムは、ユーザのアカウントID及び関連付けられたメディア再生システムID(例えば、システムのHHID)を識別するセキュア登録証明書を再生デバイス110に送信することができる。再生デバイス110は、その後に再生デバイス110との通信を検証するための基礎を提供することができるセキュア登録証明書をメモリに記憶することができる。例えば、再生デバイス110が他の再生デバイスに発行することができるコマンドなどの、ユーザのメディア再生システムにおける他の再生デバイスとの再生デバイスの通信は、再生デバイスのセキュア登録証明書を使用して検証することができる。同じことが、他の可能性の中でもとりわけ、1つ以上の制御デバイス、メディアコンテンツサービスプロバイダ、及び音声アシスタントサービスプロバイダを含む、ユーザのメディア再生システムと何らかの方法でリンクされ得る任意の数のローカル又はクラウドベースのコンピューティングデバイスについて当てはまり得る。
【0150】
登録が成功すると、再生デバイス110は、制御デバイス130にメッセージを送信することができ、制御デバイスは、次に、再生デバイス110がユーザのメディア再生システムに正常に追加され、その設定が完了したことを示すメッセージをユーザに提示することができる。
【0151】
V.追加の再生デバイス機能セットアップ
前述した再生デバイス110を設定するためのステップは、(i)再生デバイス110をユーザのWiFiネットワークに接続し、(ii)ユーザが再生デバイス110によって再生されるオーディオコンテンツの再生を開始することができるように、再生デバイス110をユーザのメディア再生システムのメンバーとして追加するための最短経路を表すことができる。これらのステップが完了した後にセットアッププロセスを終了させることにより、好適には、ユーザが所与の再生デバイスの初期セットアップを正常に完了する可能性を高め、ユーザ体験を向上させ、メディア再生システム全体の動作に対するユーザの信頼性を高めることができる。
【0152】
しかしながら、再生デバイス110は、おそらくユーザのシステム又はユーザの他の接続されたアカウント(例えば、接続された音声アシスタントプロバイダアカウント)における他の再生デバイスの存在及び能力に応じて、追加の再生デバイス機能を可能にする更なる設定プロセスをサポートしてもよい。これらの追加の特徴は、例えば、マルチチャネルオーディオコンテンツ(例えば、左右ステレオコンテンツ、5.1サラウンド音声コンテンツなど)の同期再生のための1つ以上の他の再生デバイスとの結合、その再生環境にしたがって再生デバイスのオーディオ出力を調整するオーディオ較正、再生デバイス110が音声入力をサポートするマイクロフォンを含む場合の1つ以上の音声アシスタントサービスの組み込み、及び/又は、ユーザのメディアサービスプロバイダアカウントのうちの1つ以上をユーザのメディア再生システムにリンクすることを含んでもよい。
【0153】
したがって、制御デバイス130は、追加の特徴(単数又は複数)がユーザのシステムに関連し得ることを検出したときに、この種の追加のセットアッププロセスを開始するためのプロンプトを提示することができる。場合によっては、設定のための追加の特徴の関連性に関するこのコンテキスト情報は、前述の初期設定プロセスの終了時に検出されてもよい。したがって、ユーザが再生デバイス110のセットアップが完了したという表示を無視した後、制御デバイス130は、追加の機能のセットアップを続行するオプションをユーザに提示することができる。ユーザがオプションを無視した場合、制御デバイス130は、後で追加機能のセットアップを続行したい場合に、ユーザにナビゲートする場所を指示する情報をユーザに提示することができる。例えば、制御デバイス130は、設定メニューにナビゲートするようにユーザに指示することができる。
【0154】
ユーザに提示されることができる追加の設定プロセスの一例として、制御デバイス130及び/又は再生デバイス110は、2つ以上の再生デバイスがユーザのメディア再生システム内の同じ位置(例えば、同じ部屋)に割り当てられること、及び、2つ以上の再生デバイスが結合された同期グループのメンバーとして互換性があることを決定することができる。したがって、制御デバイス130は、結合されたグループのメンバーとして2つの再生デバイスを参加させるためのセットアッププロセスを開始するようにユーザに選択可能な表示を提供することができる。例えば、互換性のある再生デバイスは、ステレオペアとしてオーディオコンテンツを再生するために結合することができる同じモデルの2つの再生デバイスを含むことができる。別の例として、互換性のある再生デバイスは、ホームシアターセットアップにおいてサラウンドスピーカ又はサブウーファとして構成することができる1つ以上の追加の再生デバイスと共に、ホームシアターシステムの一部を形成することができるサウンドバー又は同様の再生デバイスを含むことができる。制御デバイス130によって提示され得るいくつかの例示的な表示が
図12A~
図12Bに示されている。
【0155】
場合によっては、メディア再生システムは、それらが同じ部屋位置に割り当てられているか否かにかかわらず、結合グループに参加する候補である追加の再生デバイスを含むことができる。例えば、再生デバイス110及び/又はメディア再生システムの1つ以上の他の再生デバイスは、異なる再生デバイスのマイクロフォン(例えば、前述のマイクロフォン135)によって検出され得るトーン(例えば、ユーザに聞こえない高周波トーン)を発してもよい。検出されたトーン(例えば、音量、信号対雑音比)に基づいて、再生デバイスは、おそらく同じ物理的ルーム内で互いに近接していると決定されてもよい。これらの状況では、制御デバイス130は、
図12C~
図12Dの例に示されるように、結合グループに参加するためにメディア再生システムから追加の再生デバイスを選択するオプションをユーザに提示することができる。更に、制御デバイス130は、追加の再生デバイスがメディア再生システム内の新たな位置を反映するように更新されるべきであることを確認するようにユーザに更に促してもよい。このタイプの表示の例を
図12Eに示す。
【0156】
マルチチャネルチャネルオーディオコンテンツの同期再生は空間的コンポーネント(例えば、左右のチャネル)を含む可能性があり、グループ内の再生デバイスは互いに対するそれらの位置を決定することができない可能性があるため、制御デバイス130は、グループ内の再生デバイスの相対位置を指定するようにユーザに促すことができる。例えば、制御デバイス130は、ユーザがグループ内の再生デバイスに対して所与の位置に移動するための命令を提示することができる。例示的なホームシアター構成では、ユーザは、自分のテレビに面するように指示されてもよい。ステレオペアのセットアップにおいて、ユーザは、再生デバイスの正面を向くように指示されることができる。グループ内の再生デバイスのうちの一方(ランダムに選択されてもよい)は、可聴トーンを再生することができ、制御デバイス130は、制御デバイス130上に設けられた再生デバイスの選択可能な描写を介して、どの再生デバイスが可聴トーンを再生しているかを示すようにユーザに指示することができる。したがって、ユーザは、制御デバイス130上に提供される描写において再生デバイスを選択することができ、それにより、グループ内の再生デバイスの相対位置を確立することができる。これらの命令のいくつかの例を
図13A~
図13Bに示す。
【0157】
あるいは、グループ内の再生デバイスのうちの1つ以上は、デバイスの相対位置を決定することができてもよい。例えば、再生デバイスのうちの1つ以上は、他の再生デバイスのうちの1つ以上のマイクロフォン(例えば、前述のマイクロフォン135)によって検出され得るトーン(例えば、ユーザに聞こえない高周波トーン)を発してもよい。このようにして、再生デバイスの相対位置情報を決定することができ、ユーザは、そのような情報の表示を提供するように促される必要がない場合がある。
【0158】
いくつかの実装形態では、結合グループに追加するために選択された再生デバイスのうちの1つ以上は、音声アシスタントサービスをサポートすることができる。これらの状況では、特定の音声アシスタントサービスの要件に応じて、制御デバイス130は、グループ内の一方のデバイスのみがアクティブな音声アシスタントサービスを有するように、1つ以上のメンバーデバイス上で音声アシスタントサービスを非アクティブ化することによってユーザを案内してもよい。例えば、ホームシアターグループでは、サラウンド再生デバイス上の音声アシスタントサービスを停止させて、ホームシアター再生デバイス(例えば、サウンドバー)のみが音声対応デバイスとなるようにすることができる。プライマリホームシアター再生デバイスが音声機能をサポートしていない場合、又はグループが結合されたステレオペアのみである場合、制御デバイス130は、音声対応再生デバイス(例えば、左再生デバイス)のうちの一方のみがアクティブな音声アシスタントサービスを含むことになり、音声アシスタントサービスが他方の再生デバイス上でオフになることをユーザに通知することができる。これらのタイプの通知のいくつかの例は、
図14A~
図14Bに見ることができる。他の例もまた可能である。
【0159】
制御デバイス130はまた、結合グループ内の1つ以上の再生デバイスに関する問題を検出した場合にユーザに通知を提示することができ、問題を修正するオプションをユーザに提示することができる。このタイプの通知の例を
図15に示す。更に、制御デバイス130は、ユーザが設定メニューからそうするコマンドを選択すると、結合グループから一以上のデバイスを除去することによってユーザを案内することができる。これらの種類の命令のいくつかの例は、
図16A~
図16Cに見ることができる。
【0160】
同期グループ内の再生デバイスの結合に関連する様々な他のサブプロセスも可能であり(例えば、サブウーファのペアリング、複数のサブウーファ)、それらが関連すると決定されたときに制御デバイス130を介してユーザに提示されてもよい。
【0161】
コンテキストに基づいてユーザに提示され得る追加の設定プロセスの別の例は、較正プロセスである。例えば、制御デバイス130及び/又は再生デバイス110は、ユーザのメディア再生システム内の1つ以上のデバイスが、その再生環境のスペクトル特性を考慮するように再生デバイスを較正する目的でオーディオコンテンツの取り込みをサポートするNMD(例えば、前述のNMD120)であると決定してもよい。いくつかの実施形態として、制御デバイス130は、そのようなNMDであってもよい。しかしながら、再生デバイス較正は、一部のユーザが関心を持たないセットアップ及びカスタマイズのレベルの一例を表すことができる。
【0162】
したがって、そのような能力が検出されたときに、ユーザが制御デバイス130を使用して再生デバイスを較正するためのプロンプトが直ちに提示されなくてもよい。むしろ、制御デバイス130は、代わりに、較正能力に関する通知がユーザに関連し得る時間を決定してもよい。例えば、ユーザがホームシアターのプライマリデバイスで音声強調を起動した場合、又は(例えば、低音応答を増加させるために)再生デバイスのEQを調整するために手動較正メニューにナビゲートした場合、制御デバイス130は、較正能力がユーザにとって重要であり得ると決定し、そのような能力をユーザに知らせる通知(例えば、ポップアップウィンドウ)を提示することができる。ユーザが続行することを選択した場合、制御デバイス130は、較正プロセスを通してユーザを案内することができ、同様の能力を有する他のスピーカを較正するようにユーザを促すこともできる。一方、ユーザが較正プロンプトを無視した場合、制御デバイス130は、ユーザに再びプロンプトを出さなくてもよい。したがって、ユーザは、較正プロセスを実施するために、コントローラアプリケーションの設定メニュー内の較正オプションにナビゲートする必要がある。これに加えて又は代えて、制御デバイス130は、いくつかの追加のセットアップ機能が利用可能であり得ることを示す持続的であるが受動的な通知(例えば、設定メニュー内に入れ子にする)を提示することができる。
【0163】
ユーザに提示され得る追加のセットアッププロセスの別の例は、上記の例のいくつかで述べたように、所与の再生デバイス上で1つ以上の音声アシスタントサービスを有効化することを含む。しかしながら、較正と同様に、音声アシスタントサービスは、一部のユーザが利用することに興味がない機能であってもよく、したがって、制御デバイス130は、音声対応デバイスがユーザのシステムに追加されるときはいつでもそれをセットアップ可能性として提示しなくてもよい。むしろ、前述したように、制御デバイス130は、音声能力に関する通知がユーザに関連し得る時間を決定することができる。
【0164】
例えば、ユーザが、音声アシスタントサービスによって最も一般的に実行されるコマンド(例えば、音量制御コマンド、搬送制御コマンド)を発行するために、再生デバイス110上の制御デバイス130又はユーザインタフェースを頻繁に使用している場合、制御デバイス130は、音声機能がユーザに関連し得ると決定することができる。したがって、制御デバイス130は、再生デバイス110が、ユーザがまさに発したコマンドを実行するために使用され得る音声アシスタント機能をサポートしていることをユーザに知らせる通知を提示することができる。通知は、音声アシスタントサービスを今セットアップしたいかどうか、音声アシスタントサービスについてより詳しく知りたいかどうか、又はユーザが音声アシスタントサービスに興味がないことを示すかどうかをユーザに更に促すことができる。ユーザが続行することを選択した場合、制御デバイス130は、再生デバイス110、並びに音声対応であるユーザのメディア再生システム内の任意の他の再生デバイス上で、1つ以上の音声アシスタントサービスを有効化するステップを通じてユーザを案内してもよい。更に、較正機能と同様に、再生デバイスの音声機能の表示は、そうでなければ、設定メニュー内で受動的通知として提示されてもよい。様々な他の可能性も存在する。
【0165】
ユーザに提示され得る追加の設定プロセスの更に別の例は、ユーザのメディアサービスプロバイダアカウントのうちの1つ以上をユーザのメディア再生システムにリンクすることを含む。多くの場合、メディア再生システムコントローラアプリケーション及びユーザのメディア再生システムの再生デバイスは、メディア再生システムプロバイダ(例えば、Sonos Radio)によって提供される1つ以上のメディアサービスなど、初期設定の終わりに様々なメディアソースからオーディオコンテンツを再生することができる。それにもかかわらず、メディアサービスプロバイダアカウントをユーザのメディア再生システムにリンクすることは、再生デバイス較正又は音声アシスタントサービスよりも広く利用されるセットアッププロセスを表すことができる。したがって、ユーザがメディアサービスプロバイダアカウントのリンクを開始するための通知は、このプロセス中にユーザに負担をかけないように、初期再生デバイス設定の一部として提示されなくてもよいが、制御デバイス130は、この設定オプションをユーザに通知するより能動的な通知をユーザに提示することができる。例えば、メディア再生システムコントローラアプリケーションのホーム画面は、ユーザの注意を引くために持続的な通知ドット又は同様の識別子を提示することができる。同様に、ユーザが無料もしくはデフォルトのサービスから、又は制御デバイス130もしくはローカルNASデバイスに記憶されたメディアアイテムを閲覧する場合、制御デバイス130は、ユーザにそれらのメディアサービスプロバイダアカウントのうちの1つ以上をリンクするように促す通知(例えば、ポップアップウィンドウ)を提示することができる。
【0166】
制御デバイス130及び/又は再生デバイス110が、そのような機能を設定するための通知がいつユーザに関連し得るかを決定するために使用することができる様々なコンテキストキューを有する、多数の他の再生デバイス機能及びメディア再生システム機能も可能である。
【0167】
本明細書で説明される図のいくつかは、1つ以上の動作ブロックによって示されるような1つ以上の動作、機能、又は動作を含む。ブロックは所与の順序で示されているが、ブロックのいくつかはまた、並列に、及び/又は本明細書に記載された順序とは異なる順序で実行されてもよい。また、様々なブロックを更に少ない数のブロックへの組み合わせ、付加的なブロックへの分割、及び/又は、望ましい実施に基づいて除去してもよい。
【0168】
加えて、図に示されているフローチャート並びに本明細書に開示されている他のプロセス及び方法について、図は、本実施形態の1つの可能な実施態様の機能及び動作を示している。これに関して、各ブロックは、プロセス内の論理機能又はブロックを実装するために1つ以上のプロセッサによって実行可能な1つ以上の命令を含むモジュール、セグメント、又はプログラムコードの一部を表すことができる。
【0169】
プログラムコードは、例えば、ディスク又はハードドライブを含む記憶デバイスなどの任意のタイプのコンピュータ可読媒体に記憶されてもよい。コンピュータ可読媒体は、例えばレジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、及び、ランダムアクセスメモリ(RAM)のような短時間データを記憶するコンピュータ可読媒体などの非一時的なコンピュータ可読媒体を含んでもよい。また、コンピュータ可読媒体は、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、光ディスク又は磁気ディスク、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)のような二次又は永続的長期記憶装置などの非一時的媒体を含むこともできる。また、コンピュータ可読媒体は、任意の他の揮発性又は不揮発性記憶システムであってもよい。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体又は有形記憶デバイスと見なされてもよい。更に、本明細書で開示されるプロセス及び方法において、各ブロックは、プロセス内の特定の機能を果たすように配線又は配置される回路及び/又は機械に相当し得る。
【0170】
V.結論
再生デバイス、制御デバイス、再生ゾーン構成、およびメディアコンテンツソースに関する上述した説明は、以下に説明する機能および方法が実装され得る動作環境のいくつかの例を示しているに過ぎない。本明細書で明示的に記載されていないメディア再生システム、再生デバイス、およびネットワークデバイスの他の動作環境および構成もまた、機能および方法の実装に適用可能であり、好適であり得る。
【0171】
上記の説明は、数ある中で、他のコンポーネントの中で、ハードウェア上で実行されるファームウェアおよび/またはソフトウェアを含む、様々な例示的なシステム、方法、装置、および製造品を開示している。そのような例は単なる例示であり、限定的なものと考えるべきではないことが理解される。例えば、ファームウェア、ハードウェア、および/またはソフトウェアの態様またはコンポーネントのいずれかまたはすべてが、ハードウェアのみで、ソフトウェアのみで、ファームウェアのみで、またはハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの任意の組み合わせで具現化され得ることが意図されている。したがって、提供される例は、そのようなシステム、方法、装置、および/または製造品を実装するための唯一の方法ではない。
【0172】
さらに、本明細書において「実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載された特定の機能、構造、または特徴が、本発明の少なくとも1つの例示的な実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な場所で現れているこの用語は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すものではなく、また、別個の実施形態または代替的な実施形態が他の実施形態と相互に排他的であるものでもない。そのように、本明細書に記載された実施形態は、当業者であれば明示的にも暗黙的にも理解されるように、他の実施形態と組み合わせることができる。
【0173】
本明細書は、ネットワークに接続されたデータ処理デバイスの動作に直接または間接的に類似した例示的な環境、システム、手順、ステップ、論理ブロック、処理、および他の記号的表現の観点から広く提示されている。これらのプロセス記述および表現は、当業者が、他の当業者にその作業の実体を最も効果的に伝えるために典型的に使用される。多くの特定の詳細は、本開示の完全な理解を提供するために記載されている。しかしながら、本開示の特定の実施形態は、特定の具体的な詳細なしに実施することができることは、当業者に理解されるであろう。他の実施例では、実施形態の態様を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の方法、手順、コンポーネント、および回路が詳細に記載されていない。したがって、本開示の範囲は、前記の実施形態の説明よりもむしろ、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0174】
添付の特許請求の範囲のいずれかが、純粋にソフトウェアおよび/またはファームウェアの実装をカバーするために読み取られる場合、少なくとも1つの例における要素のうちの少なくとも1つは、ソフトウェアおよび/またはファームウェアを格納するメモリ、DVD、CD、ブルーレイなどのような有形の非一時的な媒体を含むことを本明細書では明示的に定義される。