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特許7605978垂直軸風力タービンおよびブレードと支柱の結合方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】垂直軸風力タービンおよびブレードと支柱の結合方法
(51)【国際特許分類】
   F03D 3/06 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
F03D3/06 G
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023521856
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 SE2021051013
(87)【国際公開番号】W WO2022086394
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2024-10-07
(31)【優先権主張番号】2051212-5
(32)【優先日】2020-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517455579
【氏名又は名称】シートビルル アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ロサンデル
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-61328(JP,A)
【文献】特開2018-150863(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0150652(US,A1)
【文献】国際公開第2003/044362(WO,A1)
【文献】中国実用新案第202055997(CN,U)
【文献】国際公開第2012/032038(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/141763(WO,A2)
【文献】米国特許第4566854(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0172759(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直軸風力タービンであって、
風力タービン本体と、
ブレードと、
前記風力タービン本体に結合した第1端および締結装置を使用して前記ブレードに結合した第2端を有する支柱と、
を備え、
前記締結装置は、前記ブレードを前記支柱の前記第2端に向けて引き寄せる可撓性締結部材を備え、
前記可撓性締結部材は、前記ブレードの少なくとも一部の周囲を通る、垂直軸風力タービン。
【請求項2】
前記ブレードが、前記可撓性締結部材を収容する内部路を備える、請求項1記載の垂直軸風力タービン。
【請求項3】
前記可撓性締結部材が、少なくとも部分的には繊維材料で形成される、請求項1または2のいずれか一項に記載の垂直軸風力タービン。
【請求項4】
前記可撓性締結部材が、少なくとも1つのスリングを備える、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の垂直軸風力タービン。
【請求項5】
前記締結装置が、前記可撓性締結部材を緊張する緊張装置を備える、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の垂直軸風力タービン。
【請求項6】
前記緊張装置が、前記支柱の前記第2端から離間した位置において前記支柱に接続される、請求項5に記載の垂直軸風力タービン。
【請求項7】
前記緊張装置が、緊張アクチュエーターを備える、請求項5または6に記載の垂直軸風力タービン。
【請求項8】
前記ブレードと前記支柱の前記第2端の相対配置を決定するように構成された位置決め機構をさらに備える、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の垂直軸風力タービン。
【請求項9】
前記位置決め機構が、前記ブレードおよび前記支柱の前記第2端のいずれか一方において少なくとも1つの凹部を備え、前記ブレードおよび前記支柱の前記第2端の他方において少なくとも1つの凸部を備え、前記の少なくとも1つの凸部が、前記少なくとも1つの凹部と相互作用し、前記支柱と前記ブレードの間の相対運動を制限するよう構成される、請求項8に記載の垂直軸風力タービン。
【請求項10】
垂直軸風力タービンのブレードを支柱に結合する方法であって、
可撓性締結部材を前記ブレードの少なくとも一部の周囲に通すステップと、
前記ブレードの結合面が前記支柱の端に面するように、前記ブレードと前記支柱を配置するステップと、
前記ブレードの前記結合面が前記支柱の前記端に押し当てられるまで、前記可撓性締結部材を使用して前記ブレードを前記支柱の前記端に向けて引き寄せるステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記支柱が緊張装置を備え、かつ、
前記引き寄せるステップが、
前記可撓性締結部材を前記緊張装置に結合するステップと、
前記可撓性締結部材が所定の張力を受けるまで、前記緊張装置を動作させるステップと、
を含む、
請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直軸風力タービン(VAWT)およびVAWTのブレードを支柱に結合する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
垂直軸風力タービン(VAWT)には多くの変型が存在し、「ダリウス型」は中央回転軸に接続された湾曲ブレード群を特徴とし、一方、「H型」は分離した支柱群およびブレード群を利用する。該支柱群は、中央軸から離間したブレード群を支持する。VAWT各種は、各々利点および欠点を有し、「H型」が持つ欠点の1つは、ブレードと支柱の間に必要な結合である。この結合は、多くの場合ほぼ平角であり、空力抵抗を抑えるため、ブレードと支柱の間の荷重の伝達に利用可能な体積または面積が大きく限られている。同時に、該結合は、回転タービンの最外部分において大きな遠心力を受ける。
【0003】
いかなる支柱も必要としない水平軸風力タービン(HAWT)との競争に打ち勝つために、該ブレード-支柱間結合に関するさらなる要件として、タービン全体を組み立てるときに取り付けおよび取り外しが容易であること、および結合が高額であってはならないことがある。
【0004】
この設計上の課題に対する現在の解決策は、典型的に、この機械的問題を解決するための金属製締結具(ボルトおよびナット)の何かしらの変型を利用している。ブレード-支柱間結合が大きな疲労荷重(荷重はVAWTの回転に応じて変化する)を受けるがゆえに、生み出されるボルト留め設計は、多くの場合非常に多くのボルトを必要とする――ヘビーかつ高額な解決策である。
【0005】
従って、特にブレード-支柱間結合に改良特性を備える、改良したVAWTを提供することが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
先行技術の上述の欠点および他の欠点を考慮し、本発明の目的は、改良したブレード-支柱間結合を有する、改良したVAWTを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面によれば、垂直軸風力タービンであって、風力タービン本体と、ブレードと、支柱とを備える垂直軸風力タービンが提供される。該支柱は、風力タービン本体に結合する第1端および締結装置を備える第2端を有し、該締結装置は、ブレードを支柱の第2端に向けて引き寄せる可撓性締結部材を備える。
【0008】
可撓性締結部材がブレードを支柱の第2端に向けて「引き寄せる」(pulling)ということは、可撓性締結部材の張力がブレードと支柱の界面において接触力を生ぜしめるように可撓性締結部材が配置されることを意味すると理解される。
【0009】
本発明は、可撓性締結部材を使用するブレード-支柱間結合は、従来のボルト留め結合よりも軽量かつ疲労破壊を発生しづらい傾向を持ち得るという認識に基づく。さらに、ブレード-支柱間結合の分解が容易になり得るのであって、このことは風力タービン全体を組み立てる手順を単純化し得る。このことは、直径において50メートルを超える等、非常に大型であり得る洋上配備用の垂直軸風力タービンにとって、特に重要である。
【0010】
加えて、可撓性締結部材の使用は、ボルト留め結合よりも広い領域にブレード上の荷重を分散した締結装置の設計を可能にし得る。このことは、ブレードが複合材料で作成された垂直軸風力タービンにとって、特に有利であり得る。というのも、そのようなブレードは、軽量かつ高強度という望ましい組み合わせを提示する一方、点荷重に対しては相対的に敏感であるという場合があるからである。
【0011】
多様な実施形態において、可撓性締結部材は、少なくとも部分的には繊維材料から作成され得る。繊維材料においては、ファイバー、ワイヤー、ストランド、またはバンドが、ウィーブやブレイド、ニットといった繊維形成技法によって結合している。よって、可撓性締結部材は、ファイバーの材料および/または構成の適当な組み合わせ、ならびに繊維形成技法(群)により、所望の性質を備え得る。たとえば、係船設備または帆走設備等における繊維の使用から、繊維材料を用いて作成した締結部材を使用する機械的結合が、従来の金属的結合よりも軽量かつ疲労破壊を発生しづらく形成され得ることが知られている。
【0012】
繊維材料を用いて作成した可撓性締結部材を使用することは、多くの事例において有利であり得るのだが、実施形態において、繊維材料を用いない別の材料構成を代わりに用いて可撓性締結部材が形成されてもよいことは注意される。たとえば、金属バンドのような、いかなる繊維形成技法によっても結合していない場合がある1つまたは複数のバンドにより、可撓性締結部材が形成されることがある。
【0013】
本発明の第2の側面によれば、鉛直軸風力タービンのブレードと支柱を結合する方法は、ブレードの結合面が支柱の端と面するようにブレードと支柱を配置するステップと、ブレードの結合面が支柱の端に押し当てられるまで、可撓性締結部材を使用してブレードを支柱の端に向けて引き寄せるステップとを含む。
【0014】
技術的な要請がある場合を除き、本発明の多様な実施形態による該方法のステップ群はが何らかの特定の順番で実施されることは必ずしも必須ではない。
【0015】
次に、本発明のこれらの側面および他の側面は、本発明の実施例を示す添付図面に関して、詳細に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、洋上風力発電所に配置された、本発明の実施例による浮体式垂直軸風力タービンを図示する。
図2図2は、図1の洋上風力発電所における垂直軸風力タービンの1つの概略的側面図である。
図3A図3Aは、図2の垂直軸風力タービンにおけるブレードと支柱の間の結合の一拡大図である。
図3B図3Bは、図2の垂直軸風力タービンにおけるブレードと支柱の間の結合の他の拡大図である。
図3図4は、本発明による方法の実施形態を概略的に例示するフローチャートである。
図5A図5Aは、図4のフローチャートにおける一ステップの概略図である。
図5B図5Bは、図4のフローチャートにおける他のステップの概略図である。
図6A図6Aは、ブレードと支柱の間の結合の構成の一追加例を概略的に示す。
図6B図6Bは、ブレードと支柱の間の結合の構成の他の追加例を概略的に示す。
図6C図6Aは、ブレードと支柱の間の結合の構成のさらに他の追加例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、複数の風力タービン3を備える洋上風力発電所1を概略的に示す。該風力タービン3は、本発明の実施形態例による垂直軸風力タービン(VAWT)であって、海洋5上に浮体している。これらの浮体するVAWT3は、3つのブレード7を各々有するよう示されている。該ブレード7群は、2つの支柱11aおよび11bを使用し、風力タービン本体9に各々結合している。各請求項の範囲はこの特定の種類のVAWT3に限定されず、たとえば、地上配備されたVAWTや、有するブレードの数がより少ないまたはより多い、ならびに/またはブレード1つあたりが有する支柱の数がより少ないまたはより多いというVAWTを追加的に包含することには、注意を要する。
【0018】
図2においては、図1中のVAWT3のうち1つが概略的側面図で示されており、該図は、図1においては水中に沈んでいる部分も含めて、VAWT3全体の実施形態例を明示する。図2において見られるように、支柱11a群および11b群の各々は、風力タービン本体9に結合した第1端13aと、締結装置を使用するブレード7に結合した第2端13bとを有する(図2において、第1端群および第2端群は、図面の煩雑化を避けるため、支柱11b群のうち1つへの参照符号によってのみ示されている)。
【0019】
該締結装置は、図2中に見ることはできないが、同図中の指示の通り、図2中のVAWT3の拡大図である図3Aおよび3Bに関して記述される。
【0020】
図3Aは、部分的側面図であり、同図中では、支柱の第2端13bをブレード7に結合するために使用される上述の締結装置15の構成の例を示すべく、支柱11bが部分的に切開されている。図3A中に見られるように、該締結装置は、ブレード7を支柱11bの第2端13bに向けて引き寄せる可撓性締結部材17を備える。図3A中の締結装置15の構成の例では、可撓性締結部材17は、ブレード7の外周全体を通る繊維スリングの形態で示される。可撓性締結部材17が繊維材料で形成される実施形態において、市販されている材料で適当なものを見出すことは、当業者にとっては容易である。たとえば、UHMWPEおよびケブラー(登録商標)といった様々な種類のポリエステルが、海事分野から知られている。
【0021】
図3Aにおいて、引き寄せ力が可撓性締結部材17に作用して、可撓性締結部材17がブレード7を支柱11bの第2端に向けて引き寄せる様が、矢印19により示されている。ブレード7と第2端13bの間の接触面における接触力は、摩擦力を生ぜしめる。
【0022】
各実施形態において、締結装置15は、該接触面の構成を包含し、様々な力が接触面における接触力を減ずるように共に作用するおそれがある場合においてさえも、ブレード7と支柱の第2端13bの間の相対運動を抑止するに十分な摩擦力を与えるように、構成されることができる。それら様々な力は、ブレード7に作用する遠心力、風力、そして、特に風および/または波がVAWT3の風力タービン本体9の向きを鉛直方向から傾かせているときには、重力の一成分を含む。
【0023】
可撓性締結部材17の使用を通じ、ブレード7と支柱11bの間の相対運動を抑止するために必要な実体力は、従来のボルト留め結合と比べ、相対的に広い面積に作用させられ、ブレード7および/または支柱11b上の圧力を減少させることができる。さらに、可撓性締結部材17が、疲労に対して剛結よりも相当に強く形成され得る。
【0024】
図3A中の矢印19によって表される引き寄せ力は、緊張装置によって与えられ得る。そのような緊張装置の構成の例は、図3Bに関して以下で記述される。
【0025】
図3Bで示されるように、緊張装置21は、可撓性締結部材17を緊張するために提供される。図3Bにおいて、緊張装置21は、支柱11bの第2端13bから離間した位置23で支柱11bに接続され、緊張装置21が上述の引き寄せ力を可撓性締結部材17に与えることを可能にするよう示されている。
【0026】
図3Bの構成の例において、可撓性締結部材17を緊張するための緊張装置21は、スクリューの形をした緊張アクチュエーター22を備える。スクリューは、様々な適当なものがそれ自体で知られており、ローラーねじ、ボールねじ、リードスクリュー等を含む。しかしながら、特定の装置の要件に応じ、他の種類の緊張アクチュエーターが有益たり得ることは注意される。そのような他の種類の緊張アクチュエーターは、油圧シリンダー、ばね、ボルト等を備える。緊張装置21は、あるいはブレード7の内部またはブレード7上に配置されることがあることも、注意される。
【0027】
図4は、本発明による、ブレードをVAWTの支柱に結合する方法の実施例を概略的に示すフローチャートである。図5Aおよび5Bは、図4のフローチャートにおける異なるステップの概略図である。
【0028】
図4および5Aを参照すると、ブレード7および支柱11bは、ステップ100において、ブレード7の結合面25が支柱11bの端13bに面するように配置される。図5Aにおいて概略的に示されるように、VAWT3は、ブレード7と支柱11bの端13bの相対配置を決定するように構成された位置決め機構を備える。図5A中の構成の例において、位置決め機構は、ブレード7の内部に含まれる(図5Aにおいては参照符号により1つのみが示されている)複数の凹部27を備える領域25および支柱11bの端13bにおいて補完的な凸部31群を備える領域29として示される。該位置決め機構の提供は、ブレード7と支柱11bの相対配置の決定を容易にし得、かつ、下記図5Bに関して示されているように、可撓性締結部材17を緊張させる際に所望の相対配置を維持する補助もし得る。
【0029】
当業者に対してはただちに自明であるように、多くの異なる位置決め機構の構成があり得、それらは、ブレード7および/または支柱11bの材料、ならびにブレード7および/または支柱11bの製造に使用される方法といった様々な状況如何によって有益たり得る。代替的な構成の一例としてあり得るものは、ブレード7または支柱11bのいずれか一方に取り付けられるガイドピン、ならびに該ガイドピンに対応する穴であって、ブレード7または支柱11bの他方の内部に形成され、ガイドピンを収容するように配置されている穴である。
【0030】
図5Aにおいて、可撓性締結部材17は、ブレード7を取り巻くように示されている。組立工場およびVAWT3のサイズ等次第で、可撓性締結部材17は、ブレード7と支柱11bの相対位置を決める前に取り付けられることもあれば後に取り付けられることもある。1つの手法によると、まず、ブレード7と支柱11bが図5Aに示されているように互いに隣接するよう配置され、次に、可撓性締結部材17がブレード7の周囲で引き寄せられ、可撓性締結部材17の両端を緊張装置21に結合するということが可能である。他の手法によると、まず、可撓性締結部材17が緊張装置21に結合され、次に、ブレード7が可撓性締結部材17によって形成された輪の中に挿入され、または該輪がブレード7の縦に沿って動かされ、ブレード7と支柱11bの正しい相対位置へ至ることが可能である。
【0031】
ブレード7と支柱11bを相互に関連づけながら配置し、可撓性締結部材17をブレード7の少なくとも一部の周囲に通した後、これがどのように実行されたかによらず、次に、緊張装置21を動作させることにより、ステップ101にあるように、ブレード7を支柱11bの端に向かって引き寄せ、ブレード7の結合面25を支柱11bの端13bに押し当てることが可能である。緊張装置21は、可撓性締結部材17が所定の張力を受けるに至るまで動作させられることがある。この所定の張力は、たとえばシミュレーションを使用して決定されることがあり、またはVAWT3が稼働しているときに接触面においてブレード7と支柱11bの相対運動が皆無あるいは限定されたものであることを確実化するように選択されることもある。
【0032】
ここまで、本発明によるVAWT3の実施形態であって、可撓性締結部材17がブレード7の外周を通ることを含む実施形態が、図示および記述されてきた。しかしながら、可撓性締結部材17がブレード7を支柱11bの端13bに向けて引き寄せられるように可撓性締結部材17を配置する手法は、他に多く存在する。これらの他の手法の幾つかは、図6Aないし6Cに関して以下に記述される。
【0033】
最初に、図6Aを見ると、ブレード7は、可撓性締結部材17を収容する内部路35aおよび35bを備えるように示されている。図6Aにおける構成の例において、内部路35aおよび35bは、風力タービン本体9に面するブレード7の近位面37から、風力タービン本体9(図2参照)の外方を向く遠位面へ、ブレード7の内部を通り抜けている。
【0034】
図6Bに概略的に示される他の構成の例によれば、ブレード7は、開口部の両方がブレード7の近位面37に向いている内部路35を備えてもよい。
【0035】
さらに他の構成の例によれば、支柱11bの端部は、可撓性締結部材17のため、側面に面した開口部41aおよび41bを備えてもよい(図6C参照)。
【0036】
当業者は、本発明が上述の好ましい実施形態に限定されないことを理解できる。それどころか、添付の特許請求の範囲内で多くの修正および変更が可能である。
【0037】
各請求項において、「含む」「備える」(comprising)との用語は、他の構成要素またはステップを除外するものではなく、不定冠詞「1つの」(a、an)は、複数を除外するものではない。単一のプロセッサーまたは他のユニットが、各請求項に記載されたいくつかの項目の機能を果たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではない。各請求項におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2-3A】
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C