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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】ロータリー容積移送式ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04C 2/18 20060101AFI20241217BHJP
【FI】
F04C2/18 311B
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023543186
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 EP2022051070
(87)【国際公開番号】W WO2022157167
(87)【国際公開日】2022-07-28
【審査請求日】2023-08-23
(31)【優先権主張番号】21152412.9
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509005513
【氏名又は名称】アルファ-ラヴァル・コーポレート・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】サイモン・カーギル
【審査官】中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102012104736(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0152474(US,A1)
【文献】特開平04-219484(JP,A)
【文献】特開2016-084749(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 2/18
F04C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体製品をポンプ送りするためのロータリー容積移送式ポンプ(1)であって、前方側部および後方側部を有しており、
一定の噛み合い条件にあるギア(6、7)を有する第1および第2の平行で軸線方向に延在する駆動シャフト(4、5)に回転支持を提供し、前記第1および第2の駆動シャフト(4、5)が反対方向に回転するように配置されるようになっている、トランスミッションハウジング(2)と、
前記トランスミッションハウジング(2)の前方側部(13)に接続されており、静止した内部ポンピングキャビティを共同で画定する軸線方向後方壁部(20)、軸線方向前方壁部(22)、および円周方向側壁部(21)を有している、ロータケーシング(15)と
を含み、
前記ロータケーシング(15)は、前記第1の駆動シャフト(4)に駆動式に接続されている第1のロータ(23)と、前記第2の駆動シャフト(5)に駆動式に接続されている第2のロータ(24)とを収容しており、
前記第1および第2のロータ(23、24)は、反対方向に回転するように、および、流体製品に対してポジティブポンピング効果を提供するために相互作用するように構成されており、前記流体製品は、ロータケーシング入口部(30)を介して前記内部ポンピングキャビティに進入し、ロータケーシング出口部(31)を介して前記内部ポンピングキャビティを退出し、
前記ロータケーシング(15)は、第1および第2のシーリング構成体(40a、40b、41a、41b)をさらに含み、前記第1および第2のシーリング構成体(40a、40b、41a、41b)は、前記静止した内部ポンピングキャビティから前記ロータケーシング(15)の前記後方側部に向けてそれぞれ前記第1および第2の駆動シャフト(4、5)に沿って流体製品が漏出することを防止するように構成されており、
前記ロータリー容積移送式ポンプ(1)は、加熱デバイス(51、52)をさらに含み、前記加熱デバイス(51、52)は、前記ロータケーシング(15)の前記軸線方向後方壁部(20)に取り外し可能に締結されており、前記ロータケーシング(15)、前記第1および第2のシーリング構成体(40a、40b、41a、41b)、ならびに/または、前記ロータケーシング(15)の中の流体製品を加熱するように構成されており、
前記加熱デバイス(51、52)は、内部流体加熱チャンバー(55)、流体入口部(56)、および流体出口部(57)を有する加熱ケーシングであり、前記内部流体加熱チャンバー(55)は、前記流体入口部(56)および前記流体出口部(57)に流体接続されている、ロータリー容積移送式ポンプ(1)。
【請求項2】
前記加熱デバイス(51、52)は、前記ロータケーシング(15)の前記軸線方向後方壁部(20)から取り外し可能である、請求項1に記載のロータリー容積移送式ポンプ(1)。
【請求項3】
前記加熱デバイスは、解放式の締結具(50)によって、前記ロータケーシング(15)の前記軸線方向後方壁部(20)に取り外し可能に締結されている、請求項1または2に記載のロータリー容積移送式ポンプ(1)。
【請求項4】
前記内部流体加熱チャンバー(55)は、前記加熱ケーシング(51、52)によって部分的に画定されており、また、前記ロータケーシング(15)の前記軸線方向後方壁部(20)によって部分的に画定されている、請求項に記載のロータリー容積移送式ポンプ(1)。
【請求項5】
前記加熱ケーシング(51、52)は、前記加熱ケーシング(51、52)の表面(65)の中に形成された細長いチャネル(67)を有しており、前記細長いチャネル(67)は、前記ロータケーシング(15)の前記軸線方向後方壁部(20)の方に面しており、前記細長いチャネル(67)の細長い内部表面(53、54、58)および前記軸線方向後方壁部(20)の表面(27)は、前記内部流体加熱チャンバー(55)を共同で画定している、請求項1から4のいずれか一項に記載のロータリー容積移送式ポンプ(1)。
【請求項6】
前記細長いチャネル(67)は、前記流体入口部(56)から前記流体出口部(57)へ湾曲した経路を辿り、前記湾曲した経路は、前記第1および/または第2の駆動シャフト(4、5)の円筒形状の外側表面の周りに湾曲している、請求項に記載のロータリー容積移送式ポンプ(1)。
【請求項7】
前記加熱ケーシング(51、52)は、シール(64)を有しており、前記シール(64)は、前記加熱ケーシング(51、52)と前記ロータケーシング(15)との間の接触領域における加熱流体の漏出を防止するために、前記加熱ケーシング(51、52)の平坦な表面(65)に配置されており、前記細長いチャネル(67)の周りに延在している、請求項またはに記載のロータリー容積移送式ポンプ(1)。
【請求項8】
前記加熱デバイス(51、52)は、前記ロータケーシング(15)の前記軸線方向後方壁部(20)の対応する平坦な表面(27)に押し付けられる平坦な表面(65)を有している、請求項1からのいずれか一項に記載のロータリー容積移送式ポンプ(1)。
【請求項9】
前記加熱デバイス(51、52)は、ねじ山付き締結具(50)によって前記ロータケーシング(15)の前記軸線方向後方壁部(20)に押し付けられており、前記ねじ山付き締結具(50)は、前記ロータケーシング(15)の前記軸線方向後方壁部(20)の中に位置付けされているねじ山付き孔部の中に係合している、請求項1からのいずれか一項に記載のロータリー容積移送式ポンプ(1)。
【請求項10】
前記加熱デバイス(51、52)は、湾曲した表面(74)を有しており、前記湾曲した表面(74)は、前記第1および/または第2の駆動シャフト(4、5)の円筒形状の外側表面の少なくとも一部分の周りに曲がっており、前記少なくとも一部分に従っている、請求項1からのいずれか一項に記載のロータリー容積移送式ポンプ(1)。
【請求項11】
前記第1および第2の駆動シャフト(4、5)と平行な軸線方向(10)と、第1の横方向(11)とを有しており、前記第1の横方向(11)は、前記軸線方向(10)に対して垂直に、前記第1および第2の駆動シャフト(4、5)の回転中心を通って延在しており、前記ロータリー容積移送式ポンプ(1)は、前記第1の横方向(11)において前記第1の駆動シャフト(4)の外側に配置されている第1の加熱デバイス(51)を含み、前記ロータリー容積移送式ポンプ(1)は、前記第1の横方向(11)において前記第2の駆動シャフト(5)の外側に配置されている第2の加熱デバイス(52)を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のロータリー容積移送式ポンプ(1)。
【請求項12】
前記加熱デバイス(51、52)は、外部ポンプ寸法に影響を与えない、請求項1から11のいずれか一項に記載のロータリー容積移送式ポンプ(1)。
【請求項13】
前記ロータケーシング(15)の前記軸線方向後方壁部(20)は、凹部(80)を有しており、前記凹部(80)は、平坦な表面(81)および半径方向表面(82)によって画定されており、前記平坦な表面(81)は、前記ロータリー容積移送式ポンプ(1)の軸線方向(10)に対して垂直になっており、前記ロータリー容積移送式ポンプ(1)の前記後方側部の方を向いており、前記半径方向表面(82)は、前記軸線方向(10)に対して垂直の方向(11、12)に面しており、前記加熱デバイス(51、52)は、前記凹部(80)の前記平坦な表面(81)に押し付けられる平坦な表面(65)と、前記凹部(80)の前記半径方向表面(82)に面する半径方向表面(83)とを有している、請求項1から12のいずれか一項に記載のロータリー容積移送式ポンプ(1)。
【請求項14】
前記ロータケーシング(15)は、第1の円筒形状のロータケースハブ(36)および第2の円筒形状のロータケースハブ(37)を有しており、それぞれが、前記ロータケーシング(15)の前記軸線方向後方壁部(20)から延在しており、前記静止した内部ポンピングキャビティは、前記軸線方向後方壁部(20)、前記円周方向側壁部(21)、前記軸線方向前方壁部(22)、ならびに、前記第1および第2の円筒形状のロータケースハブ(36、37)によって画定されており、前記第1の円筒形状のロータケースハブ(36)は、その内部に前記第1の駆動シャフト(4)を受け入れており、前記第2の円筒形状のロータケースハブ(37)は、その内部に前記第2の駆動シャフト(5)を受け入れており、前記第1のシーリング構成体(40a、40b)は、前記第1の駆動シャフト(4)の外部表面および前記第1の円筒形状のロータケースハブ(36)の内部表面によって画定される環状スペースの中に少なくとも部分的に位置付けされており、前記第2のシーリング構成体(41a、41b)は、前記第2の駆動シャフト(5)の外部表面および前記第2の円筒形状のロータケースハブ(37)の内部表面によって画定される環状スペースの中に少なくとも部分的に位置付けされている、請求項1から13のいずれか一項に記載のロータリー容積移送式ポンプ(1)。
【請求項15】
第1の1回転当たりの変位体積を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の第1のロータリー容積移送式ポンプ(1)と、
前記第1の1回転当たりの変位体積よりも大きい第2の1回転当たりの変位体積を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の第2のロータリー容積移送式ポンプ(1)と
を含み、
前記第1および第2のロータリー容積移送式ポンプ(1)の両方は、前記ロータケーシング(15)の前記軸線方向後方壁部(20)に締結されている同一の加熱デバイス(51、52)を有するように構成されている、1セットのロータリー容積移送式ポンプ。
【請求項16】
前方側部および後方側部を有するロータリー容積移送式ポンプ(1)のロータケーシング(15)ならびに/または前記ロータケーシング(15)の中の流体製品を加熱するための方法であって、前記ロータリー容積移送式ポンプ(1)は、トランスミッションハウジング(2)および前記ロータケーシング(15)を含み、前記トランスミッションハウジング(2)は、一定の噛み合い条件にあるギア(6、7)を有する第1および第2の平行で軸線方向に延在する駆動シャフト(4、5)に回転支持を与え、前記第1および第2の駆動シャフト(4、5)が反対方向に回転するように配置されるようになっており、前記ロータケーシング(15)は、前記トランスミッションハウジング(2)の前方側部に接続されており、静止した内部ポンピングキャビティを共同で画定する軸線方向後方壁部(20)、軸線方向前方壁部(22)、および円周方向側壁部(21)を有しており、前記ロータケーシング(15)は、前記第1の駆動シャフト(4)に駆動式に接続されている第1のロータ(23)と、前記第2の駆動シャフト(5)に駆動式に接続されている第2のロータ(24)とを収容しており、前記第1および第2のロータ(23、24)は、反対方向に回転するように、および、流体製品に対してポジティブポンピング効果を提供するために相互作用するように構成されており、前記流体製品は、ロータケーシング入口部(30)を介して前記内部ポンピングキャビティに進入し、ロータケーシング出口部(31)を介して前記内部ポンピングキャビティを退出し、前記ロータケーシング(15)は、第1および第2のシーリング構成体(40a、40b、41a、41b)をさらに含み、前記第1および第2のシーリング構成体(40a、40b、41a、41b)は、前記静止した内部ポンピングキャビティから前記ロータケーシング(15)の前記後方側部に向けてそれぞれ前記第1および第2のシャフト(4、5)に沿って流体製品が漏出することを防止するように構成されており、前記方法は、
前記ロータケーシング(15)の前記軸線方向後方壁部(20)に加熱デバイス(51、52)を取り外し可能に締結するステップと、
前記ロータケーシング(15)、前記第1および第2のシーリング構成体(40a、40b、41a、41b)、ならびに/または、前記ロータケーシング(15)の中の流体製品を加熱するための前記加熱デバイス(51、52)を活性化させるステップと
を含み、
前記加熱デバイス(51、52)は、内部流体加熱チャンバー(55)、流体入口部(56)、および流体出口部(57)を有する加熱ケーシングであり、前記内部流体加熱チャンバー(55)は、前記流体入口部(56)および前記流体出口部(57)に流体接続されている、方法。
【請求項17】
前記加熱デバイス(51、52)は、前記ロータケーシング(15)の前記軸線方向後方壁部(20)に取り付け可能であり、前記ロータケーシング(15)の前記軸線方向後方壁部(20)から取り外し可能であり、前記ロータケーシング(15)の前記軸線方向後方壁部(20)に再取り付け可能である、請求項1に記載のロータリー容積移送式ポンプ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロータリー容積移送式ポンプに関する。本開示は、さらに、1セットのロータリー容積移送式ポンプ、ならびに、ロータリー容積移送式ポンプのロータケーシングおよび/またはロータケーシングの中の流体製品を加熱するための方法に関する。
【0002】
本開示によるロータリー容積移送式ポンプは、主に円周方向のピストンポンプの観点から説明されることとなるが、本開示によるポンプは、この特定のタイプのポンプに制限されず、代替的に、ロータリーローブポンプまたはギアポンプなどの観点から実装されることも可能である。
【背景技術】
【0003】
ロータリー容積移送式ポンプは、典型的に、なかでも、食品、飲料、および衛生用途のための比較的高い粘度の流体製品を輸送するために使用されている。これらの高い粘度の流体製品のうちのいくつかは、摂氏約20度の温度において固相になっている可能性があり、したがって、室温においてポンプにより輸送可能となるように加熱することを必要とする可能性がある。ポンプ自体は、流体製品粘度を特定のレベル未満に維持するために、および、流体製品結晶化または凝固のリスクを低減させるために、または、ポンプの動作を可能にするためにポンプ流体の中の固化された流体製品を固相から流体相にシフトさせるために、流体製品加熱構成体を装備していることが可能である。
【0004】
しかし、この分野における活動にもかかわらず、たとえば、コンパクト性、コスト効率、およびフレキシビリティーの観点から、さらに改善されたポンプ設計に対する要求が存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、コンパクト性、コスト効率、およびフレキシビリティーの観点から、改善された性能を有する、ロータリー容積移送式ポンプ、ならびに、ロータリー容積移送式ポンプのロータケーシングおよび/またはロータケーシングの中の流体製品を加熱するための方法を提供することである。この目的は、独立請求項の特徴によって少なくとも部分的に実現される。従属請求項は、前記ポンプおよび方法のさらなる発展例を含む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様によれば、流体製品をポンプ送りするためのロータリー容積移送式ポンプが提供され、ポンプは、前方側部および後方側部を有している。ポンプは、一定の噛み合い条件にあるギアを有する第1および第2の平行で軸線方向に延在する駆動シャフトに回転支持を提供し、第1および第2の駆動シャフトが反対方向に回転するように配置されるようになっている、トランスミッションハウジングを含む。ポンプは、トランスミッションハウジングの前方側部に接続されており、静止した内部ポンピングキャビティを共同で画定する軸線方向後方壁部、軸線方向前方壁部、および円周方向側壁部を有している、ロータケーシングをさらに含む。ロータケーシングは、第1の駆動シャフトに駆動式に接続されている第1のロータと、第2の駆動シャフトに駆動式に接続されている第2のロータとを収容している。第1および第2のロータは、反対方向に回転するように、および、流体製品に対してポジティブポンピング効果(positive pumping effect)を提供するために相互作用するように構成されており、流体製品は、ロータケーシング入口部を介してポンピングキャビティに進入し、ロータケーシング出口部を介してポンピングキャビティを退出する。ロータケーシングは、第1および第2のシーリング構成体をさらに含み、第1および第2のシーリング構成体は、静止したポンピングキャビティからロータケーシングの後方側部に向けてそれぞれ第1および第2の駆動シャフトに沿って流体製品が漏出することを防止するように構成されている。ポンプは、加熱デバイスをさらに含み、加熱デバイスは、ロータケーシングの軸線方向後方壁部に取り外し可能に締結されており、ロータケーシング、第1および第2のシーリング構成体、ならびに/または、ロータケーシングの中の任意の流体製品を加熱するように構成されている。
【0007】
本開示の第2の態様によれば、前方側部および後方側部を有するロータリー容積移送式ポンプのロータケーシングならびに/またはロータケーシングの中の流体製品を加熱するための方法が提供される。ロータリー容積移送式ポンプは、トランスミッションハウジングおよびロータケーシングを含み、トランスミッションハウジングは、一定の噛み合い条件にあるギアを有する第1および第2の平行で軸線方向に延在する駆動シャフトに回転支持を与え、第1および第2の駆動シャフトが反対方向に回転するように配置されるようになっており、ロータケーシングは、トランスミッションハウジングの前方側部に接続されており、静止した内部ポンピングキャビティを共同で画定する軸線方向後方壁部、軸線方向前方壁部、および円周方向側壁部を有しており、ロータケーシングは、第1の駆動シャフトに駆動式に接続されている第1のロータと、第2の駆動シャフトに駆動式に接続されている第2のロータとを収容しており、第1および第2のロータは、反対方向に回転するように、および、流体製品に対してポジティブポンピング効果を提供するために相互作用するように構成されており、流体製品は、ロータケーシング入口部を介してポンピングキャビティに進入し、ロータケーシング出口部を介してポンピングキャビティを退出し、ロータケーシングは、第1および第2のシーリング構成体をさらに含み、第1および第2のシーリング構成体は、静止したポンピングキャビティからロータケーシングの後方側部に向けてそれぞれ第1および第2のシャフトに沿って流体製品が漏出することを防止するように構成されている。本方法は、ロータケーシングの軸線方向後方壁部に加熱デバイスを取り外し可能に締結するステップと、ロータケーシング、第1および第2のシーリング構成体、ならびに/または、ロータケーシングの中の任意の流体製品を加熱するための加熱デバイスを活性化させるステップとを含む。
【0008】
代替的に、本開示の第2の態様によれば、前方側部および後方側部を有するロータリー容積移送式ポンプのロータケーシングならびに/またはロータケーシングの中の流体製品を加熱するための方法が提供される。本方法は、トランスミッションハウジングおよびロータケーシングを有するロータリー容積移送式ポンプを提供するステップを含み、トランスミッションハウジングは、一定の噛み合い条件にあるギアを有する第1および第2の平行で軸線方向に延在する駆動シャフトに回転支持を与え、第1および第2の駆動シャフトが反対方向に回転するように配置されるようになっており、ロータケーシングは、トランスミッションハウジングの前方側部に接続されており、静止した内部ポンピングキャビティを共同で画定する軸線方向後方壁部、軸線方向前方壁部、および円周方向側壁部を有しており、ロータケーシングは、第1の駆動シャフトに駆動式に接続されている第1のロータと、第2の駆動シャフトに駆動式に接続されている第2のロータとを収容しており、第1および第2のロータは、反対方向に回転するように、および、流体製品に対してポジティブポンピング効果を提供するために相互作用するように構成されており、流体製品は、ロータケーシング入口部を介してポンピングキャビティに進入し、ロータケーシング出口部を介してポンピングキャビティを退出し、ロータケーシングは、第1および第2のシーリング構成体をさらに含み、第1および第2のシーリング構成体は、静止したポンピングキャビティからロータケーシングの後方側部に向けてそれぞれ第1および第2の駆動シャフトに沿って流体製品が漏出することを防止するように構成されている。本方法は、ロータケーシングの軸線方向後方壁部に加熱デバイスを取り外し可能に締結するステップと、ロータケーシング、第1および第2のシーリング構成体、ならびに/または、ロータケーシングの中の任意の流体製品を加熱するための加熱デバイスを活性化させるステップとをさらに含む。
【0009】
ロータケーシングおよび/またはロータケーシングの中の流体製品を加熱するための先行技術の解決策は、たとえば、ロータリーケーシングの前方表面および/もしくは円周方向表面への加熱ジャケットの取り付け、または、内部加熱流体チャネルを備えた専用の前方カバーおよび/もしくはロータリーケーシングの使用を含んでいた。しかし、これらの先行技術の解決策は、専用の前方カバーまたはロータリーケーシングの開発の要件に起因して、ポンプ据え付けの合計の外側サイズの増加、または、コストの増加を結果として生じた。そのうえ、ロータリーケーシングの前方カバーまたは円周方向壁部に(すなわち、ロータリーケーシングの第1および第2のシーリング構成体から比較的遠くに)加熱源を設置することは、第1および第2のシーリング構成体の近くの領域におけるロータケーシングが比較的ゆっくりと加熱されるということを意味しており、ポンプの動作のためにロータの回転を開始するときに、前記シールの付近における依然として固化された製品に起因して、第1および第2のシーリング構成体に対する損傷のリスクが増大していた。
【0010】
先行技術の解決策のこれらの問題および不利益は、ロータケーシングの軸線方向後方壁部に加熱デバイスを取り付けることによって、大部分が克服されるかまたは少なくとも低減される。とりわけ、ロータケーシングの後方壁部に取り付けられることが可能である(または、取り付けなくてもよい)別個のパーツとして加熱デバイスを製造させることによって、ロータリーケーシングのより少ない個々のバリエーションが開発および管理されなければならないということを意味しており、それによって、改善された製品コスト効率を提供する。
【0011】
加熱デバイスがロータケーシングの軸線方向後方壁部に取り外し可能に締結されているので、加熱デバイスは、オプションとして提供されることが可能である。加熱デバイスが取り外し可能に締結されているので、加熱デバイスは、既存のポンプの上に装着されることが可能である。用途および媒体が加熱を必要とする場合には、加熱デバイスは、新しいポンプとともに送達されることが可能である。用途および媒体が加熱を必要とするように変更された場合には、加熱デバイスは、改造部品として既存のポンプの上に供給および装着されることが可能である。ポンプに加熱デバイスを提供するために、特別なロータケーシングは必要とされない。また、加熱が必要とされるか否かにかかわらず、すべてのポンプに加熱デバイスを提供することも必要ない。ポンプが加熱デバイスを提供されるべきか否かにかかわらず、1つのタイプのロータケーシングのみが必要とされる。
【0012】
そのうえ、ロータケーシングの軸線方向後方壁部への(すなわち、ロータリーケーシングとトランスミッションケーシングとの間のスペースの中への)加熱デバイスの取り付けにおいて、ポンプの外側寸法は、加熱デバイスによって大きくは影響を受けない可能性がある。換言すれば、水平方向および垂直方向におけるポンプの外側寸法は、加熱デバイスが据え付けられた状態であるかどうかにかかわらず、ほとんどまたは完全に同じままである可能性がある。それによって、既存の据え付けは、ポンピング機器の追加的な修正を必要とすることなく、容易におよびコスト効率的に加熱デバイスで補完されることが可能であり、それによって、たとえば、加熱を必要とする流体製品にシフトするときに、流体製品または流体製品動作条件の容易な変更を可能にする。
【0013】
加えて、ロータリーケーシングの後方壁部における加熱デバイスの設置によって、加熱デバイスは、ロータリーケーシングの第1および第2のシーリング構成体の比較的近くに配置されている。結果的に、ロータケーシング(とりわけ、第1および第2のシーリング構成体に近い領域)ならびに第1および第2のシーリング構成体は、ポンプの動作のためにロータの回転を開始するときに、前記シールの付近の製品が実際に流体形態になっているという可能性を高めるために、比較的速く加熱されることが可能である。換言すれば、ロータリーケーシングの後方壁部における加熱デバイスの近さは、ポンプの動作のためにロータの回転を開始するときに、前記シールの付近の依然として固化された製品に起因する第1および第2のシーリング構成体に対する損傷のリスクが低減され得るということを意味している。
【0014】
結果的に、第1および第2のシーリング構成体に近い領域におけるロータケーシングならびに/またはロータケーシングの中の任意の流体製品を加熱するために、ロータケーシングの軸線方向後方壁部に加熱デバイスを取り外し可能に取り付けることは、コンパクト性、コスト効率、およびフレキシビリティーの観点から、改善された性能を提供する。
【0015】
従属請求項の特徴のうちの1つまたはいくつかを実装することによって、さらなる利点が実現される。
【0016】
加熱デバイスは、取り外し可能に締結されることが可能であり、加熱デバイスが取り付け可能であり、取り外し可能であり、および再取り付け可能であるようになっている。より正確には、加熱デバイスは、ロータケーシングの軸線方向後方壁部に取り付け可能であり、ロータケーシングの軸線方向後方壁部から取り外し可能であり、ロータケーシングの軸線方向後方壁部に再取り付け可能であり得る。加熱デバイスは、ロータケーシングの軸線方向後方壁部に除去可能に締結されることが可能である。加熱デバイスは、ロータケーシングの軸線方向後方壁部に再取り付け可能に締結されることが可能である。したがって、加熱デバイスは、ロータケーシングの軸線方向後方壁部に除去可能におよび再取り付け可能に締結されることが可能である。
【0017】
加熱デバイスは、取り外し可能に締結されることが可能であり、加熱デバイスが解放可能であるようになっている。より正確には、加熱デバイスは、ロータケーシングの軸線方向後方壁部から解放可能であり得る。
【0018】
加熱デバイスは、締結具によって取り外し可能に締結されることが可能である。加熱デバイスは、解放式の締結具(すなわち、加熱デバイスを解放する締結具、または、より正確には、加熱デバイスを解放することができる締結具)によって、取り外し可能に締結されることが可能である。締結具は、除去可能であり得る。締結具は、ねじ山付き締結具であることが可能である。代替的に、締結具は、クランピング部材(たとえば、ブラケットなど)であることが可能である。
【0019】
加熱デバイスは、別個のパーツであることが可能である。加熱デバイスは、ロータケーシングの軸線方向後方壁部に取り外し可能に締結されている別個のパーツであることが可能である。加熱デバイスは、ロータケーシングから別個になっていることが可能である。加熱デバイスは、ロータケーシングから別個になっている別個のパーツであることが可能である。加熱デバイスは、ロータケーシングに対して別個のパーツであることが可能である。加熱デバイスは、ロータケーシングから分離可能であり得る。加熱デバイスは、ロータケーシングから分離可能な別個のパーツであることが可能である。
【0020】
いくつかの例示的な実施形態において、加熱デバイスは、内部流体加熱チャンバー、流体入口部、および流体出口部を有する加熱ケーシングであり、内部流体加熱チャンバーは、流体入口部および流体出口部に流体接続されている。それによって、熱伝達流体は、ロータケーシングを加熱および/または冷却するために使用されることが可能である。
【0021】
いくつかの例示的な実施形態において、内部流体加熱チャンバーは、加熱ケーシングによって部分的に画定されており、また、ロータケーシングの後方壁部によって部分的に画定されている。これは、改善された加熱および/または冷却効率のために、熱伝達流体とロータケーシングとの直接的な接触を可能にする。
【0022】
いくつかの例示的な実施形態において、加熱ケーシングは、加熱ケーシングの表面の中に形成された細長いチャネルを有しており、細長いチャネルは、ロータケーシングの軸線方向後方壁部の方に面しており、細長いチャネルの細長い内部表面および後方壁部の表面は、内部流体加熱チャンバーを共同で画定している。これは、改善された加熱および/または冷却効率のために、熱伝達流体とロータケーシングとの直接的な接触を可能にし、細長いチャネルは、熱伝達流体のための比較的大きな接触面積を保証する。
【0023】
いくつかの例示的な実施形態において、細長いチャネルは、加熱ケーシングの平坦な外部表面の中に形成されており、チャネルを取り囲む平坦な外部表面は、ロータケーシングの後方壁部の対応する平坦な表面と接触しており、それに押し付けられている。それによって、細長いチャネルのシーリングは、平面的な接触表面に起因して簡単化されている。
【0024】
いくつかの例示的な実施形態において、細長いチャネルは、加熱ケーシングの平坦な外部表面の中に機械加工されており、または、細長いチャネルは、加熱ケーシングの鋳造に関連して、加熱ケーシングの平坦な外部表面の中に形成されている。これは、加熱ケーシングのコスト効率的な製造を可能にする。
【0025】
いくつかの例示的な実施形態において、細長いチャネルは、ポンプの軸線方向に対して垂直の方向において、加熱ケーシングの合計長さの少なくとも50%(具体的には、少なくとも75%)にわたって延在している。それによって、加熱ケーシングの比較的大きな表面部分が、熱伝達流体とロータケーシングとの間の直接的な接触を提供するために使用されることが可能である。
【0026】
いくつかの例示的な実施形態において、細長いチャネルは、約5~30cmの長さを有しており、細長いチャネルのメインパーツは、5~30mmの深さ、および、約5~30mmの幅を有している。これは、加熱チャネルが小さくなり過ぎないことを保証している。その理由は、これが熱伝達効率を低減させることとなるからである。
【0027】
いくつかの例示的な実施形態において、細長いチャネルは、流体入口部から流体出口部へ湾曲した経路を辿り、湾曲した経路は、第1および/または第2の駆動シャフトの円筒形状の外側表面の周りに湾曲している。これは、シーリング構成体を支持するロータケーシングのより大きな領域の比較的近くに、加熱デバイスが位置付けされることを可能にする。
【0028】
いくつかの例示的な実施形態において、加熱ケーシングは、シールを有しており、シールは、加熱ケーシングとロータケーシングとの間の接触領域における加熱流体の漏出を防止するために、加熱ケーシングの平坦な表面に配置されており、細長いチャネルの周りに延在している。平坦な表面におけるシールの提供は、改善された漏出防止性、より複雑でないシールの使用、および、任意の関連のシーリング溝部のよりコスト効率的な製造を可能にする。
【0029】
いくつかの例示的な実施形態において、シールは、Oリングシールであり、Oリングシールは、加熱ケーシングの平坦な表面の中に提供されている円周方向のシーリング溝部の中に配置されている。それによって、シールのためのコストおよびシーリング溝部の製造の両方の観点から、コスト効率的な設計が提供される。
【0030】
いくつかの例示的な実施形態において、加熱デバイスは、ロータケーシングの後方壁部の対応する平坦な表面に押し付けられる平坦な表面を有している。平坦な表面は、コスト効率的な製造、および、効率的な熱伝達のための比較的大きな接触表面を可能にする。
【0031】
いくつかの例示的な実施形態において、加熱デバイスは、ねじ山付き締結具によってロータケーシングの後方壁部に押し付けられており、ねじ山付き締結具は、ロータケーシングの後方壁部の中に位置付けされているねじ山付き孔部の中に係合している。この設計は、ロータケーシングへの加熱デバイスの容易な取り付けおよび取り外しを可能にするコスト効率的な解決策を提供する。
【0032】
いくつかの例示的な実施形態において、加熱デバイスは、湾曲した表面を有しており、湾曲した表面は、第1および/または第2の駆動シャフトの円筒形状の外側表面の少なくとも一部分の周りに曲がっており、その少なくとも一部分に従っている。これは、シーリング構成体を支持するロータケーシングのより大きな領域の比較的近くに、加熱デバイスが位置付けされることを可能にする。
【0033】
いくつかの例示的な実施形態において、ポンプの軸線方向に見たときの、加熱デバイスとロータケーシングの軸線方向後方壁部との間の接触表面は、第1または第2の駆動シャフトの周囲部の少なくとも1/3にわたって延在している。これは、シーリング構成体を支持するロータケーシングのより大きな領域の比較的近くに、加熱デバイスが位置付けされることを可能にする。
【0034】
いくつかの例示的な実施形態において、ポンプは、第1および第2の駆動シャフトと平行な軸線方向と、第1の横方向とを有しており、第1の横方向は、軸線方向に対して垂直に、第1および第2の駆動シャフトの回転中心を通って延在しており、ポンプは、第1の横方向において第1の駆動シャフトの外側に配置されている第1の加熱デバイスを含み、ポンプは、第1の横方向において第2の駆動シャフトの外側に配置されている第2の加熱デバイスを含む。第1および第2の駆動シャフトの外側のエリアは、多くの場合に、軸受支持および/またはロータケーシング流体製品入口部/出口部のために使用されることが少なく、それによって、加熱デバイスのためのより多くのスペースを提供する。
【0035】
いくつかの例示的な実施形態において、第1の加熱デバイスは、第1の駆動シャフトを実質的にまたは完全に取り囲んでおり、第2の加熱デバイスは、第2の駆動シャフトを実質的にまたは完全に取り囲んでいる。これは、シーリング構成体を支持するロータケーシングのより大きな領域の比較的近くに、第1および第2の加熱デバイスが位置付けされることを可能にする。
【0036】
いくつかの例示的な実施形態において、ポンプは、ロータケーシングの軸線方向後方壁部に取り外し可能に締結されている単一の加熱デバイスを含み、前記単一の加熱デバイスは、第1および第2の駆動シャフトの両方を取り囲んでいる。単一の加熱デバイスは、一般的に、よりコスト効率的な設計を可能にする。その理由は、単に単一のコンポーネントの製造、ハンドリング、および装着が必要とされるに過ぎないからである。
【0037】
いくつかの例示的な実施形態において、加熱デバイスは、外部ポンプ寸法に影響を与えない。これは、ポンプのよりフレキシブルな使用の観点から有利である。その理由は、加熱および/または冷却特徴が、ポンプ据え付けの追加的な修正を必要とすることなく、後の段階でポンプに追加されることが可能であるからである。
【0038】
いくつかの例示的な実施形態において、トランスミッションハウジングは、第1および第2の軸線方向に突出する取り付け部分を含み、第1および第2の軸線方向に突出する取り付け部分は、ロータケーシングに面しており、駆動シャフトの両側に位置付けされており、ロータケーシングは、第1および第2の軸線方向に突出する取り付け部分を介して、トランスミッションハウジングの前方側部に接続されており、中間スペースが、トランスミッションハウジングとロータケーシングとの間に提供されるようになっており、加熱デバイスは、前記中間スペースの中に配置されている。これは、加熱デバイスの目視検査のために、ならびに/または、加熱デバイスへの熱伝達流体供給および戻り配管の接続のために、中間スペースへの良好なアクセスを可能にする。
【0039】
いくつかの例示的な実施形態において、ロータケーシングの後方壁部は、凹部を有しており、凹部は、平坦な表面および半径方向表面によって画定されており、平坦な表面は、ポンプの軸線方向に対して垂直になっており、ポンプの後方側部の方を向いており、半径方向表面は、前記軸線方向に対して垂直の方向に面しており、加熱デバイスは、凹部の平坦な表面に押し付けられる平坦な表面と、凹部の半径方向表面に面する半径方向表面とを有している。凹部は、より突出の少ない加熱デバイスを可能にするだけでなく、軸線方向および半径方向の両方におけるロータリーケーシングの加熱に起因して、改善された加熱効率も可能にする。
【0040】
本明細書におけるポンプの軸線方向は、第1および第2の駆動シャフトと平行な方向を指す。
【0041】
前記軸線方向に対して垂直の方向は、たとえば、第1の横方向もしくは第2の横方向、または、前記軸線方向に対して垂直の任意の他の方向を含み、第1の横方向は、軸線方向に対して垂直に、第1および第2の駆動シャフトの回転中心を通って延在しており、第2の横方向は、軸線方向および第1の横方向の両方に対して垂直になっている。
【0042】
いくつかの例示的な実施形態において、ロータケーシングは、第1の円筒形状のロータケースハブおよび第2の円筒形状のロータケースハブを有しており、それぞれが、ロータケーシングの軸線方向後方壁部から延在しており、静止した内部ポンピングキャビティは、軸線方向後方壁部、円周方向側壁部、前方壁部、ならびに、第1および第2の円筒形状のロータケースハブによって画定されており、第1の円筒形状のロータケースハブは、その内部に第1の駆動シャフトを受け入れており、第2の円筒形状のロータケースハブは、その内部に第2の駆動シャフトを受け入れており、第1のシーリング構成体は、第1の駆動シャフトの外部表面および第1のハブの内部表面によって画定される環状スペースの中に少なくとも部分的に位置付けされており、第2のシーリング構成体は、第2の駆動シャフトの外部表面および第2のハブの内部表面によって画定される環状スペースの中に少なくとも部分的に位置付けされている。第1および第2のハブは、第1および第2のシーリング構成体の領域を加熱するための良好な熱伝導体としての役割を果たすことが可能であり、ロータケーシングの後方壁部において、第1および第2のハブの比較的近くに加熱デバイスを位置決めすることによって、シーリング構成体のエリアの効率的な加熱が達成されることが可能である。
【0043】
また、本開示は、1セットのロータリー容積移送式ポンプに関する。そのセットは、第1の1回転当たりの変位体積を有する、上記に説明されているような第1のロータリー容積移送式ポンプと、第1の1回転当たりの変位体積よりも大きい第2の1回転当たりの変位体積を有する、上記に説明されているような第2のロータリー容積移送式ポンプとを含む。第1および第2のロータリー容積移送式ポンプの両方は、ロータケーシングの軸線方向後方壁部に締結されている同一の加熱デバイスを有するように構成されている。これは、よりコスト効率的な解決策を提供する。その理由は、より少ない個々のコンポーネントが設計され、ハンドリングされ、管理されればよいからである。
【0044】
いくつかの例示的な実施形態において、本方法は、加熱を終了させるために加熱デバイスを非活性化させるステップと、ロータケーシングの軸線方向後方壁部から加熱デバイスを取り外すステップとを含む。
【0045】
いくつかの例示的な実施形態において、ロータケーシングの軸線方向後方壁部に加熱デバイスを取り外し可能に締結するステップは、ロータケーシングの軸線方向後方壁部に加熱デバイスを取り付けることを含む。したがって、いくつかの例示的な実施形態において、本方法は、加熱デバイスを活性化させる前に、ロータケーシングの軸線方向後方壁部に加熱デバイスを取り付けるステップを含む。いくつかの例示的な実施形態において、本方法は、加熱を終了させるために加熱デバイスを非活性化させるステップと、ロータケーシングの軸線方向後方壁部から加熱デバイスを取り外すステップとを含む。いくつかの例示的な実施形態において、本方法は、ロータケーシングの軸線方向後方壁部に加熱デバイスを再取り付けするステップと、加熱を再活性化させるステップとを含む。
【0046】
本方法のいくつかの例示的な実施形態において、加熱デバイスは、締結具(たとえば、解放式の締結具など)によって、ロータケーシングの軸線方向後方壁部に取り外し可能に締結されている。
【0047】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の特許請求の範囲および以下の説明を検討するときに明らかになることとなる。本開示の異なる特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、上記および下記に明示的に説明されているもの以外の実施形態を生成させるために組み合わせられることが可能であるということを当業者は認識する。
【0048】
本開示によるポンプは、添付の図面を参照して、以下に詳細に説明されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】ポンプの例示的な実施形態の側面図を概略的に示す図である。
図2】ポンプの例示的な実施形態の正面図を概略的に示す図である。
図3】ポンプの例示的な実施形態によるロータケーシング後方部分の斜視図を概略的に示す図である。
図4】ポンプのロータの例示的な実施形態の斜視図を概略的に示す図である。
図5】ポンプの例示的な実施形態によるポンピング動作の原理を概略的に示す図である。
図6】ポンプの例示的な実施形態の側面図を概略的に示す図である。
図7】ポンプの例示的な実施形態の側面図の断面を概略的に示す図である。
図8】ポンプの例示的な実施形態によるロータケーシングの斜視図を概略的に示す図である。
図9】ポンプの例示的な実施形態によるロータケーシングの側面図を概略的に示す図である。
図10】ポンプの例示的な実施形態によるトランスミッションハウジングの斜視図を概略的に示す図である。
図11】ポンプの例示的な実施形態による加熱デバイスの側面図を概略的に示す図である。
図12A】切断線A-Aに沿った加熱デバイスの断面を概略的に示す図である。
図12B】切断線B-Bに沿った加熱デバイスの断面を概略的に示す図である。
図13】ポンプの加熱デバイスのいくつかの代替的な設計を概略的に示す図である。
図14】ポンプの加熱デバイスのいくつかの代替的な設計を概略的に示す図である。
図15】ポンプの加熱デバイスのいくつかの代替的な設計を概略的に示す図である。
図16】ポンプのロータケーシングのいくつかの代替的な設計を概略的に示す図である。
図17】ポンプのロータケーシングのいくつかの代替的な設計を概略的に示す図である。
図18】ポンプのロータケーシングのいくつかの代替的な設計を概略的に示す図である。
図19】ポンプのロータの2つの代替的な設計を概略的に示す図である。
図20】ポンプのロータの2つの代替的な設計を概略的に示す図である。
図21】別の実施形態によるロータケーシングの断面を概略的に示す図である。
図22】ロータリー容積移送式ポンプのロータケーシングおよび/またはロータケーシングの中の流体製品を加熱するための方法の基本的なステップを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本開示のさまざまな態様が、本開示を図示するために、および、本開示を限定しないように、添付の図面とともに以下に説明されることとなり、ここで、同様の指定は、同様の要素を示しており、説明されている態様の変形例は、具体的に示されている実施形態に制限されず、本開示の他の変形例にも適用可能である。
【0051】
図1は、本開示による流体製品をポンプ送りするためのロータリー容積移送式ポンプ1の第1の例示的な実施形態の側面図を概略的に示している。ポンプ1は、トランスミッションハウジング2を有しており、トランスミッションハウジング2は、第1および第2の平行な駆動シャフト4、5に対する回転支持体3を含み、第1および第2の平行な駆動シャフト4、5は、ポンプ1の軸線方向10に延在している。回転支持体3は、たとえば、1セットの環状の転がり軸受の形態で提供されることが可能であり、1セットの環状の転がり軸受のそれぞれは、第1および第2の駆動シャフト4、5のうちの1つを取り囲み、トランスミッションハウジング2に締結されている。
【0052】
第1の軸線方向に延在する駆動シャフト4は、第1のギア6を担持しており、第2の軸線方向に延在する駆動シャフト5は、第2のギア7を担持している。第1および第2のギア6、7(すなわち、ギアホイール)は、一定の噛み合い条件で配置されており、それは、それらが互いに一定のギア係合の状態にあることを意味している。そのうえ、第1および第2のギア6、7は互いに直接的な係合をしているので、それらは、反対方向に回転する。
【0053】
トランスミッションハウジング2は、軸線方向10に第1の長さを有しており、軸線方向10に対して垂直の第1の横方向11に第2の長さを有しており、軸線方向10および第1の横方向11の両方に対して垂直の第2の横方向12に第3の長さを有している。トランスミッションハウジングは、軸線方向10において見られるように、前方側部13および後方側部14をさらに有している。
【0054】
第1および第2の駆動シャフト4、5のうちの1つ(たとえば、第1の駆動シャフト4など)の端部部分9は、ポンプ1に動力を与えるための回転トルク源(たとえば、モーターなど)との回転接続のために、トランスミッションハウジング2の後方側部において、トランスミッションハウジング2の壁部を通って外へ延在することが可能である。
【0055】
トランスミッションハウジング2は、金属(たとえば、ステンレス鋼、鋳鉄、スチール、またはアルミニウム合金など)から作製されることが可能であり、第1および第2の駆動シャフト4、5は、スチールから作製されることが可能である。
【0056】
トランスミッションハウジング2は、たとえば、ねじ山付きボルトまたは他のタイプの締結具によって、外部支持表面へのトランスミッションハウジング2の取り付けを可能にするための支持構造体8を追加的に含むことが可能である。トランスミッションハウジングは、ワンピースで作製されるか、または、複数のサブパーツから構成されることが可能である。
【0057】
図1に図示されているポンプの例示的な実施形態では、ポンプ1は、ロータケーシング15をさらに含み、ロータケーシング15は、トランスミッションハウジング2の前方側部13においてトランスミッションハウジング2に接続されている。ロータケーシング15(それは、たとえば、ステンレス鋼から作製されている)は、適切に締結する構成体を介して、トランスミッションハウジング2の前方側部13に除去可能に締結されることが可能である。たとえば、ロータケーシング15は、複数のねじ山付きボルトまたはナット16または同様のねじ山付き部材によって、トランスミッションハウジング2の前方側部13に対してクランプされることが可能である。
【0058】
トランスミッションハウジング2およびロータケーシング15を含む、組み立てられたポンプ1は、前方側部17および後方側部18を有しており、図1のポンプ1の正面図が、図2に概略的に示されており、ロータケーシング15の中に位置付けされている第1および第2のロータ23、24が、点線で図示されている。
【0059】
図2において見ることができるように、ロータケーシング15をクランプするために使用される複数のねじ山付きボルトまたはナット16は、ロータケーシング15全体を通って延在することが可能であり、ポンプ1の前方側部17から見えるようにすることが可能である。
【0060】
図1および図2の例示的な実施形態では、ロータケーシング15は、軸線方向後方壁部20、円周方向側壁部21、および、軸線方向前方壁部22を含み、それらは、閉鎖された静止した内部ポンピングキャビティを共同で画定している。
【0061】
ロータケーシング15は、内部ポンピングキャビティの中に位置付けされている第1および第2のロータ23、24を収容しているので、ロータケーシング15は、内部ポンピングキャビティへのアクセスを可能にするように開放可能である。図1および図2の例示的な実施形態では、このアクセスは、ロータケーシング15を2つのパーツで作製することによって可能にされ、2つのパーツは、ロータケーシング15の軸線方向後方壁部20および円周方向側壁部21を含むロータケーシング後方部分25と、ロータケーシング15の軸線方向前方壁部22として作用する別個の前方カバー26とであり、除去可能な前方カバー26は、適切な取り付け構成体によってロータケーシング後方部分25に除去可能に締結されている。
【0062】
本開示によるロータケーシング後方部分25の例示的な実施形態の概略3D図が、ロータケーシング後方部分25の前方側部から部分的に見られるように、図3に提供されている。
【0063】
除去可能な前方カバー26は、トランスミッションハウジング2の前方側部13に対してロータケーシング15をクランプするために使用される同じ複数のねじ山付きボルトまたはナット16によって、ロータケーシング後方部分25に対してクランプされることが可能である。代替的に、別個の取り付け構成体が、前方カバー26をロータケーシング後方部分25に取り付けるために提供されることが可能である。
【0064】
図1図3の例示的な実施形態では、ロータケーシング15は、流体製品が内部ポンピングキャビティに進入する(たとえば、内部ポンピングキャビティの中へ吸い込まれる)ことを可能にするための流体製品入口開口部30と、流体製品が内部ポンピングキャビティから退出する(たとえば、内部ポンピングキャビティから外へポンプ送りされる)ことを可能にするための流体製品出口開口部31とをさらに含む。
【0065】
上記に述べられているように、ロータケーシング15は、そのうえ、ポンプのポンピング機能性を発生させるように構成されている第1および第2のロータを収容している。第1のロータ23は、第1の駆動シャフト4の前方端部に回転可能に締結されており、第2のロータ24は、第2の駆動シャフト5の前方端部に回転可能に締結されている。結果的に、第1および第2のロータ23、24は、図5において矢印によって図示されているように、相互に反対方向に回転するように構成されている。
【0066】
第1および第2のロータ23、24(それらは、実質的に同一の設計を有することが可能である)の例示的な実施形態が、図1および図2に概略的に図示されており、第1および第2のロータ23、24のうちの1つの例示的な実施形態の3D図が、後方側部から部分的に見られるように、図4に提供されている。
【0067】
第1および第2のロータ23、24のそれぞれは、少なくとも1つの(好ましくは、複数の)ロータウィング32およびロータ駆動要素33を有しており、ロータ駆動要素33は、関連の駆動シャフト4、5のロータシートの上に相対回転不能に(torque proof)装着されるように構成されている。
【0068】
それぞれのロータ23、24のロータ駆動要素33は、実質的にディスク形状またはスリーブ形状になっていることが可能であり、関連の駆動シャフト4、5の上に装着するための中央孔部または凹部44を含む。孔部または凹部44は、スプライン45を有する円筒形状の装着表面48によって画定されるか、または、関連の駆動シャフト4、5のロータシートの上へのロータの相対回転不能な装着を可能にするための非円形の装着表面によって画定されることが可能である。
【0069】
図5を参照すると、ポンプ1のこの例示的な実施形態では、ポンプ2の動作の間に、第1および第2のロータ23、24は、同じ回転速度で反対方向に回転するように構成されている。第1および第2のロータ23、24は、同じロータの近隣のロータウィングおよび内部ポンピングキャビティの壁部20、21、22によって制限されたスペース35の中に、ポンピング体積を画定するように構成されている。そのうえ、第1および第2のロータ23、24の回転の間に、流体製品は、流体製品入口開口部30から、それぞれのロータ23、24の外側に沿って、流体製品出口開口部31へ搬送されるように構成されている(図5において矢印によって図示されている)。
【0070】
とりわけ、ロータウィング(ピストン)32がポンピングキャビティの周囲部の周りで回転するときに、それらは、第1および第2のロータ23、24の噛み合いが外れるときに、製品入口開口部30において部分的な真空を連続的に発生させ、流体製品がポンプ1に進入することを引き起こす。流体製品は、その後に、ロータウィング32によってポンピングキャビティの周りに輸送される。ポンプ1によって発生するフローの方向は、第1および第2のロータ23、24の回転方向を単にシフトさせることによって反転可能である。
【0071】
ロータウィング32の具体的な形態および数は、かなり変化することが可能であり、図2図4、および図5に図示されている具体的なロータツインウィング設計は、単に、ロータウィングの1つの例示的な実施形態に過ぎず、したがって、ポンプは、本開示による他のタイプのロータウィング設計を有するロータ23、24を有することが可能である。
【0072】
図3を参照すると、ロータケーシング15は、後方壁部20から延在する第1の円筒形状のロータケースハブ36と、後方壁部20から延在する第2の円筒形状のロータケースハブ37とを含むことが可能である。第1および第2のハブ36、37は、本質的に中空の円筒形状のスリーブであり、それは、その両方の軸線方向側部に向けて開口している。そのうえ、それぞれの円筒形状のハブ36、37の軸線方向は、ポンプ1の軸線方向10と整合されている。
【0073】
第1のロータケースハブ36は、第1の駆動シャフト4を受け入れるように構成されており、第2のロータケースハブ37は、第2の駆動シャフト5を受け入れるように構成されている。換言すれば、組み立てられた状態において、第1のロータケースハブ36は、第1の駆動シャフト4と整合されており、第2のロータケースハブ37は、第2の駆動シャフト5と整合されている。したがって、第1および第2のハブ36、37は、第1の横方向11において互いに変位されている。
【0074】
トランスミッションハウジング2とロータケーシング15との組み立ての前に、第1および第2の駆動シャフト4、5の前方端部は、トランスミッションハウジングの前方表面13を越えて前方に突出している。その後に、トランスミッションハウジング2とロータケーシング15とを組み立てると、第1および第2の駆動シャフト4、5の前記前方端部は、後方側部から第1および第2のハブの中へそれぞれ挿入され、ロータケーシング15の後方側部は、トランスミッションハウジング2の前方表面13と接触する。この状態において、第1および第2の駆動シャフト4、5の前方端部は、第1および第2のハブ36、37の完全な軸線方向長さを通って延在している。
【0075】
図6は、ポンプ1の例示的な実施形態のより詳細な側面図を示しており、図7は、組み立てられた状態にある同じポンプ1の断面側面図を示している。
【0076】
図1図6、および図7に概略的に図示されているように、トランスミッションハウジング2は、第1および第2の軸線方向に突出する取り付け部分60、61を含むことが可能であり、第1および第2の軸線方向に突出する取り付け部分60、61は、ロータケーシング15に面しており、駆動シャフト4、5の両側に位置付けされている。次いで、ロータケーシング15は、前記第1および第2の軸線方向に突出する取り付け部分60、61を介して、トランスミッションハウジング2の前方側部13に接続されることが可能であり、中間スペース42が、トランスミッションハウジング2とロータケーシング15との間に達成されるようになっている。
【0077】
図6および図7を参照すると、ロータケーシング15は、ロータケーシング後方部分25と、前方カバー26と、トランスミッションハウジング2の前方表面13に対してロータケーシング15をクランプするためのねじ山付き締結具16とを含む。第1および第2のロータ23、24は、それぞれ、第1および第2の駆動シャフト4、5の上に相対回転不能に装着されている。具体的には、第1および第2のロータ23、24のそれぞれは、ねじ山付き締結具38によって、関連の駆動シャフト4、5のロータシートに固定されており、ねじ山付き締結具38は、関連の駆動シャフト4、5の端部領域において、相手方のねじ山付きセクションと係合されている。
【0078】
そのうえ、第1のロータケースハブ36は、第1のシーリング構成体40a、40bを提供されており、第2のロータケースハブ37は、第2のシーリング構成体41a、41bを提供されている。第1および第2のシーリング構成体40a、40b、41a、41bの両方は、静止したポンピングキャビティの中に位置付けされている流体製品が第1および第2のシャフト4、5に沿ってロータケーシングの後方側部に向けて漏出することを防止するために配置されている。
【0079】
第1および第2のシーリング構成体40a、40b、41a、41bのそれぞれは、たとえば、二重の環状のシーリングアッセンブリのうちの単一のものを含むことが可能である。
【0080】
図7の例示的な実施形態では、第1および第2のシーリング構成体40a、40b、41a、41bのそれぞれは、二重の環状のシーリングアッセンブリを含む。これは、前方の環状のシーリングアッセンブリ40a、41aおよび後方の環状のシーリングアッセンブリ40b、41bを含み、後方のシーリングアッセンブリ40b、41bは、軸線方向10において、前方のシーリングアッセンブリ40a、41aから間隔を離して配置されている。
【0081】
第1および第2の環状のシーリングアッセンブリ40a、40b、41a、41bのそれぞれは、たとえば、2つのメインシーリングパーツ(ロータケースハブに関連付けられる第1の環状のシーリングパーツ、および、ロータに関連付けられる第2の環状のシーリングパーツ)を有する機械的な面シールアッセンブリの形態で実装されることが可能であり、第1および第2のシーリングパーツは、相対的な回転を可能にしながら、軸線方向において互いに対してシーリング接触した状態で保持されている。代替的に、他のタイプのシールが使用されることも可能である。
【0082】
上記に示されているように、ポンプ1は、流体製品の温度が特定の閾値未満に降下するときに固化および/または結晶化し始める可能性のある流体製品をポンプ送りするために使用されることが可能である。これは、たとえば、ポンプが停止している間に起こる可能性があり、次いで、ポンプがその後に再び始動されるときに、ポンプに対する損傷を引き起こす可能性がある。とりわけ、第1および第2の環状のシーリング構成体40a、40b、41a、41bは、それらの比較的デリケートな設計および狭い公差範囲に起因して損傷を受けるリスクがあるが、他のパーツ(たとえば、第1および第2の円筒形状のロータケースハブ36、37または第1および第2のロータ23、24など)も損傷を受ける可能性がある。
【0083】
結果的に、ロータ23、24の回転を開始する前に任意の固化されたおよび/または結晶化された流体製品が流体状態にシフトすることが可能であるように、ポンピング動作を開始する前にポンプ1の中の任意の固化されたおよび/または結晶化された流体製品を加熱することが望ましい。
【0084】
図1図6、および図7を参照すると、ポンプは、ロータケーシング15の軸線方向後方壁部20に取り外し可能に締結されている第1および第2の加熱デバイス51、52を含む。第1および第2の加熱デバイス51、52は、トランスミッションハウジング2とロータケーシング15との間の中間スペース42の中に配置されており、第1および第2のシーリング構成体40a、40b、41a、41bならびに/またはロータケーシングの中の任意の流体製品の近くの領域において、ロータケーシング15を加熱するように構成されている。
【0085】
換言すれば、本開示によるロータリー容積移送式ポンプ1は、トランスミッションハウジング2を含み、トランスミッションハウジング2は、第1および第2の駆動シャフト4、5が反対方向に回転するように配置されるように、一定の噛み合い条件にあるギア6、7を有する第1および第2の平行なおよび軸線方向に延在する駆動シャフト4、5に回転支持を提供する。ポンプは、ロータケーシング15をさらに含み、ロータケーシング15は、トランスミッションハウジング2の前方側部13に接続されており、静止した内部ポンピングキャビティを共同で画定する軸線方向後方壁部20、軸線方向前方壁部22、および円周方向側壁部21を有している。ロータケーシング15は、第1の駆動シャフト4に駆動式に接続されている第1のロータ23と、第2の駆動シャフト5に駆動式に接続されている第2のロータ24とを収容しており、第1および第2のロータ23、24は、反対方向に回転するように、および、流体製品に対してポジティブポンピング効果を提供するために相互作用するように構成されており、流体製品は、ロータケーシング入口部30を介してポンピングキャビティに進入し、ロータケーシング出口部31を介してポンピングキャビティを退出する。ロータケーシング15は、第1および第2のシーリング構成体40a、40b、41a、41bをさらに含み、第1および第2のシーリング構成体40a、40b、41a、41bは、静止したポンピングキャビティからロータケーシングの後方側部に向けてそれぞれ第1および第2のシャフトに沿って流体製品が漏出することを防止するように構成されている。ポンプは、加熱デバイス51、52をさらに含み、加熱デバイス51、52は、ロータケーシング15の軸線方向後方壁部20に取り外し可能に締結されており、第1および第2のシーリング構成体40a、40b、41a、41bおよび/またはロータケーシング15の中の任意の流体製品の近くの領域において、ロータケーシング15を加熱するように構成されている。
【0086】
上記における「近い」という用語は、ロータケーシング15の軸線方向後方壁部20における加熱デバイス51、52の位置決めおよび取り付けが、ロータケーシングの金属材料の中の熱伝導性の経路長さを考慮したときに、たとえば、前方カバー26におけるまたは円周方向側壁部21における加熱デバイスの位置決めよりも、第1および第2のシーリング構成体40a、40b、41a、41bを保持するロータケーシング15の領域に著しく近いということを意味している。
【0087】
換言すれば、おそらく前方カバー26に位置決めされている加熱デバイスが、ロータケーシングの後方壁部20に位置決めされている加熱デバイスよりも、第1および第2のシーリング構成体40a、40b、41a、41bを保持するロータケーシング15の領域の物理的に近くに位置付けされることが可能である場合であっても、ロータケーシング15の金属材料の中の熱伝導性の長さは、一般的に、加熱デバイスが後方壁部20に配置されている場合には著しく短くなる。その理由は、第1および第2のシーリング構成体40a、40b、41a、41bを保持するロータケーシング15の領域が、一般的に、ロータケーシングの後方壁部20と一体的に形成されており、前方壁部22または円周方向側壁部21とは一体的に形成されていないからである。
【0088】
これらの理由のために、ロータケーシング15の軸線方向後方壁部20における加熱デバイスの場所は、第1および第2のシーリング構成体40a、40b、41a、41bに近い領域において、ロータケーシング15を加熱するのにとりわけ適切であるとみなされることが可能である。
【0089】
加熱デバイス51、52は、ロータケーシング15の軸線方向後方壁部20に熱を伝達する。加熱デバイス51、52は、たとえば、循環するもしくは循環しない熱伝達流体のための熱交換器、ヒートポンプの凝縮器、または、電気的な加熱デバイスなどの形態で実装されることが可能である。
【0090】
たとえば、加熱デバイス51、52は、電力を熱に変換する電気的な加熱デバイスであることが可能である。電気的な加熱デバイスは、電流を伝導するときに熱を発生させる電気的なワイヤーおよびコイルを含むことが可能である。代替的に、電気的な加熱デバイスは、薄い可撓性のポリマーベースの基板の上に印刷された導電性インクを有する正温度係数(PTC)ヒーターであることが可能である。電気的な加熱デバイスは、典型的に、Bolt-On External Heaterの形態で実装されており、Bolt-On External Heaterは、ロータケーシング15の軸線方向後方壁部20に締結されており、直接的な接触によってロータケーシングブロックを加熱することによって機能する。さらに代替的に、電気的な加熱デバイスは、電気的な赤外線加熱デバイスの形態で実装されることが可能であり、電気的な赤外線加熱デバイスは、ロータケーシング15の軸線方向後方壁部20に取り付けられており、電気的な要素(たとえば、コイル状の電気抵抗ワイヤーなど)によって発生する赤外線放射によって後方壁部20を加熱する。
【0091】
加熱デバイスがヒートポンプの凝縮器の形態で実装されるときには、ヒートポンプの凝縮器からの熱は、ロータケーシング15の軸線方向後方壁部20に搬送される。この熱は、直接的な接触によって凝縮器からロータケーシングブロックに伝達されることが可能である。
【0092】
加熱デバイスが、循環するまたは循環しない熱伝達流体のための熱交換器の形態で実装されるときには、加熱デバイスは、熱伝達流体の内部フローを有するように構成されており、加熱デバイスは、熱伝達流体からロータケーシング15の後方壁部20への熱の伝達を可能にする。そのうえ、加熱デバイスは、流体熱交換器として実装されるときに、ポンプ1の流体製品の冷却のために使用されることも可能である。
【0093】
加熱デバイスは、流路の中の熱伝達流体を循環させるためのポンプと、熱伝達流体を加熱するための熱源と、熱伝達流体からロータケーシング15の後方壁部20へ熱を伝達するための加熱デバイスとを備えた閉鎖された流路を含む加熱システムの一部であることが可能である。
【0094】
図1図6、および図7の例示的な実施形態に図示されている第1および第2の加熱デバイス51、52のそれぞれは、内部流体加熱チャンバー55を含み、内部流体加熱チャンバー55は、ロータケーシング15の軸線方向後方壁部20に向けて開口している。したがって、第1および第2の加熱デバイス51、52のそれぞれを通って流れる熱伝達流体は、内部流体加熱チャンバー55の内側表面およびロータケーシング15の後方壁部20の両方と直接的に接触している。
【0095】
図1図6、および図7の例示的な実施形態によるポンプ1、ロータケーシング15、ならびに、第1および第2の加熱デバイス51、52は、図8図12Bを参照してさらに下記に説明されている。
【0096】
図8は、第1および第2の加熱デバイス51、52がねじ山付き締結具50によってロータケーシング15の後方壁部20に締結された状態の、ロータケーシング15の斜視背面図を示している。とりわけ、それぞれの加熱デバイス51、52は、ねじ山付き締結具50によって、ロータケーシング15の後方壁部20に押し付けられており、ねじ山付き締結具50は、ロータケーシング15の後方壁部20の中に位置付けされているねじ山付き孔部の中に係合している。
【0097】
ねじ山付き締結具50は、たとえば、図11に示されているように、加熱デバイス51、52の中に提供されている専用の取り付け孔部73を通って延在することが可能である。代替的に、加熱デバイス51、52は、クランピング部材(たとえば、ブラケットなど)によって、ロータケーシングの後方壁部20に対してクランプされることが可能である。
【0098】
図6図8図11、および図13図15において、加熱デバイスは、流体的に切り離された状態(すなわち、加熱デバイスの流体入口部および流体出口部が、熱伝達流体の供給および戻りのために構成されている配管構成体に接続されていない状態)で図示されている。
【0099】
図9は、中間スペース42の領域におけるポンプ1の断面の背面図を示している。ポンプの1つの例示的な実施形態による、ロータケーシング15の軸線方向後方壁部20に対する第1および第2の加熱デバイス51、52のレイアウト、サイズ、および延在、ならびに、第1および第2の駆動シャフト4、5に対する第1および第2の加熱デバイス51、52の相対的な場所が、明確に示されている。
【0100】
とりわけ、図9は、ポンプ1の軸線方向10に見たときの、加熱デバイス51、52とロータケーシング15の軸線方向後方壁部20との間の接触表面が、第1または第2の駆動シャフト4、5の周囲部の少なくとも1/3にわたって(すなわち、少なくとも約120°にわたって)延在しているということを示している。より詳細には、角度49が、図9に図示されており、その角度は、ポンプ1の軸線方向10に見たときの、加熱デバイス51、52とロータケーシング15の軸線方向後方壁部20との間の接触表面のレベルを示している。図9では、角度は、約160°であるが、約120~360°の間で変化することが可能である。360°は、ポンプ1の軸線方向10に見たときの、加熱デバイス51、52とロータケーシング15の軸線方向後方壁部20との間の接触表面が、第1または第2の駆動シャフト4、5を完全に取り囲むということを意味している。大きな接触表面は、一般的に、加熱デバイス51、52の加熱容量の増加を結果として生じさせる。
【0101】
図8および図9は、ポンプ1は、第1および第2の駆動シャフト4、5と平行な軸線方向10と、第1の横方向11とを有しており、第1の横方向11は、軸線方向10に対して垂直に、第1および第2の駆動シャフト4、5の回転中心を通って延在しており、ポンプ1は、第1の横方向11において第1の駆動シャフト4の外側に配置されている第1の加熱デバイス51を含み、ポンプ1は、第1の横方向11において第2の駆動シャフト5の外側に配置されている第2の加熱デバイス52をさらに含むということをさらに示している。換言すれば、第1および第2の加熱デバイス51、52は、第1および第2の駆動シャフト4、5の反対の外側に配置されている。結果として、第1および第2の駆動シャフト4、5は、第1の横方向11に沿って第1および第2の加熱デバイス51、52によって囲まれている。第1および第2の加熱デバイス51、52のためのこの位置は、有益である。その理由は、それが、第1および第2の加熱デバイス51、52を受け入れるための十分な自由スペースを依然として有しながら、第1および第2のシーリング構成体の近くに位置付けされているからである。
【0102】
図10は、トランスミッションハウジング2ならびに第1および第2の加熱デバイス51、52を含む、部分的に分解された状態にあるポンプ1の斜視正面図を示している。結果的に、ロータケーシング15の軸線方向後方壁部20に向けて開口している内部流体加熱チャンバー55が、図10において見ることができ、同様に、トランスミッションハウジング2から前方に突出する第1および第2の駆動シャフト4、5も見ることができる。
【0103】
そのうえ、また、トランスミッションハウジング2の第1および第2の軸線方向に突出する取り付け部分60、61が、図10に明確に図示されている。第1および第2の軸線方向に突出する取り付け部分60、61は、ポンプ1の前方側部に向けて軸線方向10に突出している。ロータケーシングが、軸線方向に突出する取り付け部分60、61に装着されているときには、中間スペース42が、ロータケーシング15の後方壁部20とトランスミッションハウジング2の前方壁部19との間に形成される。加熱デバイス51、52は、前記中間スペース42の中に配置されている。
【0104】
たとえば、図6図10を参照すると、本開示によるポンプのさらなる有利な態様は、加熱デバイス51、52が外部ポンプ寸法に影響を与えないということである。換言すれば、外部ポンプ寸法は、ロータケーシング15に締結されている加熱デバイス51、52の有無にかかわらず、同じままである。これは、ポンプ1の軸線方向10に対して垂直の方向において、加熱ケーシング51、52の合計長さ70が、同じ方向におよび加熱ケーシング51、52の締結された状態において比較したときに、トランスミッションハウジング2および/またはロータケーシング15の合計長さよりも小さいという事実から結果として生じる。
【0105】
これは、ポンプ1のよりフレキシブルな使用を可能にする。その理由は、ロータリーケーシング25の加熱および/または冷却が、近隣の機器(たとえば、パイプなど)と干渉するリスクなしに、所望の場合には、その後の状態で、すでに据え付けられたポンプに追加される特徴であり得るからである。そのうえ、中間スペース42の中の加熱デバイス51、52の場所は、加熱デバイス51、52のより保護された場所を提供し、それによって、加熱デバイス51、52に対する損傷および/または熱伝達流体の漏出のリスクを低減させる。
【0106】
実際に、本開示によるポンプのさらなる有利な態様は、1つの加熱デバイス51、52(または、1セットの加熱デバイス51、52)が、さまざまな異なるポンプ1の上に据え付けるのに適切にされることが可能であるということである。換言すれば、トランスミッションハウジング2とロータケーシング15との間の中間スペース42の中への第1および第2の加熱デバイス51、52の位置決めのおかげで、加熱デバイス51、52の特定のサイズ、形状、および形態は、複数の異なるタイプのロータケーシング15にフィットするように比較的容易に作製されることが可能である。その理由は、加熱デバイス51、52とロータケーシング15との間のインターフェースが、典型的に、単に平坦な接触表面であるからである。
【0107】
結果的に、本開示の1つの態様によれば、第1の1回転当たりの変位体積を有する本明細書で説明されているような、第1のロータリー容積移送式ポンプと、第1の1回転当たりの変位体積よりも大きい第2の1回転当たりの変位体積を有する、本明細書で説明されているような第2のロータリー容積移送式ポンプとを含む、1セットのロータリー容積移送式ポンプが提供され、第1および第2のロータリー容積移送式ポンプの両方は、ロータケーシング15の軸線方向後方壁部20に締結されている同一の加熱デバイス51、52を有するように構成されている。
【0108】
具体的には、第1および第2のロータリー容積移送式ポンプの両方は、たとえば、加熱デバイス51、52の同一のサイズ、寸法、取り付け孔部、シーリング構成体などの観点から、ロータケーシング15の軸線方向後方壁部20に締結されている同一の加熱デバイス51、52を有するように構成されている。それによって、加熱/冷却を伴うポンプを供給するためのオプションを依然として可能にしながら、より少ない個々のパーツが必要とされる。
【0109】
図11は、内部流体加熱チャンバー55と、内部流体加熱チャンバー55の開口部を取り囲む連続的なシーリング溝部63とを含む、加熱デバイス51の正面図を概略的に示している。
【0110】
図12Aは、ロータケーシング15の後方壁部20の一部分を含む、図11における切断線A-Aに沿った加熱デバイス51の断面を示している。図12Aは、底部壁部58、第1および第2の側壁部53、54によって画定されている内部流体加熱チャンバー55を示している。また、図12Aは、シーリング溝部63と、シーリング溝部63の中に配置されているシーリングリングまたはシーリングビード64とを示している。
【0111】
図12Bは、ロータケーシング15の後方壁部20の一部分を含む、図11における切断線B-Bに沿った断面を示している。図12Bは、流体入口部56を示しており、流体入口部56は、内部流体加熱チャンバー55と流体接続しており、熱伝達流体供給パイプと接続されるように配置されている。
【0112】
また、図12Aおよび図12Bは、ロータケーシング15の軸線方向後方壁部20の対応する平坦な接触表面27に当接する加熱デバイス51、52の平坦な接触表面65と、トランスミッションハウジング2に面する加熱デバイスの後方表面66とを示している。具体的には、加熱デバイス51、52は、ロータケーシング15の後方壁部20の対応する平坦な表面27に押し付けられる平坦な表面65を有している。
【0113】
とりわけ図6図12Bを参照すると、加熱デバイス51、52は、上記に示されているように、内部流体加熱チャンバー55、流体入口部56、および流体出口部57を有する加熱ケーシングに対応することが可能であり、内部流体加熱チャンバー55は、流体入口部56および流体出口部57に流体接続されることが可能である。加熱ケーシングは、典型的に、内部流体加熱チャンバー55を提供するために、中空になっており、または、開放したもしくは閉鎖されたチャネル67を含む。加熱ケーシングは、たとえば、ステンレス鋼、スチール、アルミニウム、または、他のタイプの金属材料、または、さらにはポリマー材料から作製されることが可能である。
【0114】
そのうえ、図7図10図11、および図12Aを参照して説明されているように、内部流体加熱チャンバー55は、加熱ケーシング51、52によって部分的に画定され、ロータケーシング15の後方壁部20によって部分的に画定されることが可能である。
【0115】
このシナリオは、たとえば、加熱ケーシングが開放チャネル67(すなわち、特定の位置において、開放しており、前記位置における熱伝達流体のフロー方向に対して垂直の方向にアクセス可能なチャネル)を有するときに起こり、開放チャネルは、ロータケーシング15の後方壁部20への加熱ケーシングの取り付けのときに、ロータケーシング15の後方壁部20によって閉鎖される。
【0116】
換言すれば、内部流体加熱チャンバー55は、加熱ケーシング51、52によって部分的に、および、ロータケーシング15の後方壁部20によって部分的に限定され、制限され、または囲まれているとみなされることが可能である。結果として、内部流体加熱チャンバー55は、チャネル67の内部底部壁部58、チャネル67の第1および第2の内部側壁部53、54、ならびに、ロータケーシング15の後方壁部20によって共同で画定されることが可能である。それによって、熱伝達流体は、効率的な熱伝達容量のために、ロータケーシングの後方壁部20の表面27と直接的に接触していることが可能である。
【0117】
図7図10図11、および図12Aを再び参照すると、加熱ケーシング51、52は、したがって、加熱ケーシング51、52の接触表面65の中に形成された細長いチャネル67を有することが可能であり、細長いチャネル67は、ロータケーシング15の軸線方向後方壁部20の方に面しており、細長いチャネル67の細長い内部表面53、54、58および後方壁部20の表面27は、内部流体加熱チャンバー55を共同で画定している。
【0118】
本明細書における「細長い」という用語は、チャネル67の一部分の、前記部分における熱伝達流体のフロー方向における長さが、前記部分におけるフロー方向に対して垂直の方向におけるチャネル67の内部幅よりも著しく大きいということを意味している。
【0119】
細長いチャネル67は、加熱ケーシング51、52の平坦な外部表面65の中に形成されることが可能であり、チャネル67を取り囲む平坦な外部表面65は、ロータケーシング15の後方壁部20の対応する平坦な表面27と接触しており、それに対して押し付けられている。
【0120】
そのうえ、細長いチャネル67は、たとえば、ロータケーシング15に面する加熱ケーシング51、52の平坦な外部表面65の中に機械加工されることが可能である。代替的に、細長いチャネル67は、加熱ケーシング51、52の鋳造に関連して、加熱ケーシング51、52の平坦な外部表面65の中に形成されることが可能である。
【0121】
チャネル67は、流体入口部56から流体出口部57へ湾曲した経路を辿ることが可能であり、湾曲した経路は、第1および/または第2の駆動シャフト4、5の円筒形状の外側表面の周りに湾曲している。たとえば、細長いチャネル67の湾曲した経路は、湾曲の特定の長さ68にわたって、第1または第2の駆動シャフト4、5の中心と同軸の円形の円弧の形状を有することが可能である。とりわけ、細長いチャネル67は、少なくとも25°(具体的には、少なくとも45°)の円弧角度69にわたって、円形の円弧の形状を有する湾曲を有することが可能である。
【0122】
そのうえ、加熱デバイス51、52は、湾曲した外部表面74を有することが可能であり、湾曲した外部表面74は、第1および/または第2の駆動シャフト4、5の円筒形状の外側表面の少なくとも一部分の周りに曲がっており、それに従っている。たとえば、湾曲した外部表面は、湾曲の特定の長さ76にわたって、第1または第2の駆動シャフト4、5の中心と同軸の円形の円弧の形状を有することが可能である。とりわけ、湾曲した外部表面74は、少なくとも45°(具体的には、少なくとも75°)の円弧角度75にわたって、円形の円弧の形状を有する湾曲を有することが可能である。
【0123】
細長いチャネル67は、ポンプ1の軸線方向10に対して垂直の方向において、加熱ケーシング51、52の合計長さ70の少なくとも50%(具体的には、少なくとも75%)の長さ69を有することが可能である。これは、熱伝達流体が、比較的大きな表面積にわたって、ロータケーシングの後方壁部20と直接的に接触していることが可能であり、それによって、良好な加熱効率を提供するということを保証する。
【0124】
細長いチャネルは、約5~30cmの長さを有することが可能であり、細長いチャネルのメインパーツは、少なくとも5mmの(具体的には、5~30mmの範囲にある)深さ71、および、少なくとも5mmの(具体的には、約5~30mmの範囲にある)幅72を有している。とりわけ、細長いチャネルは、ポンプ1の軸線方向10に対して垂直の方向において、約5~30cmの長さを有することが可能であり、細長いチャネルのメインパーツは、軸線方向10に少なくとも5mmの(具体的には、5~30mmの範囲にある)深さ71、および、局所的なフロー方向に対して垂直の方向に少なくとも5mmの(具体的には、約5~30mmの範囲にある)幅72を有している。
【0125】
そのうえ、上記に述べられているように、加熱ケーシングは、シール64を有することが可能であり、シール64は、加熱ケーシング51、52とロータケーシング15との間の接触領域における加熱流体の漏出を防止するために、加熱ケーシング51、52の平坦な表面65に配置されており、チャネル67の周りに延在している。シールは、たとえば、Oリングシールであることが可能であり、Oリングシールは、加熱ケーシング51、52の平坦な表面65の中に提供されている円周方向のシーリング溝部の中に配置されている。
【0126】
ポンプ1のさらなる例示的な実施形態が、図13を参照して説明されており、単一の加熱デバイス51が、第1および第2の駆動シャフト4、5の両方、ならびに、第1および第2の駆動シャフト4、5の間に位置付けされている後方壁部20の領域を完全に取り囲んでいる。単一の加熱デバイス51は、内部流体加熱チャンバー55を有しており、内部流体加熱チャンバー55は、流体入口部56および流体出口部57に流体接続されており、第1および第2の側壁部53、54によって画定されている。内部流体加熱チャンバー55は、第1および第2の駆動シャフト4、5の両方、ならびに、第1および第2の駆動シャフト4、5の間に位置付けされている領域の周りに延在することが可能である。換言すれば、流体入口部56に供給される熱伝達流体は、図13においてフロー矢印77によって示されているように、流体出口部57に向かう途中で、第1の駆動シャフト4の周り、第2の駆動シャフトの周り、または、第1および第2の駆動シャフト4、5の間の中央領域のいずれかを通る流路を辿ることが可能である。加熱ケーシングのこの例示的な実施形態は、増加した接触サイズに起因して、さらに増加した加熱容量を提供することが可能である。
【0127】
ポンプ1のさらなる例示的な実施形態が、図14を参照して説明されており、単一の加熱デバイス51が、第1および第2の駆動シャフト4、5を完全に取り囲んでいる。単一の加熱デバイス51は、内部流体加熱チャンバー55を有しており、内部流体加熱チャンバー55は、流体入口部56および流体出口部57に流体接続されており、第1および第2の側壁部53、54によって画定されている。内部流体加熱チャンバー55は、第1および第2の駆動シャフト4、5の両方の周りに延在することが可能であるが、第1および第2の駆動シャフト4、5の間に位置付けされている領域をカバーしていない。換言すれば、流体入口部56に供給される熱伝達流体は、図14においてフロー矢印77によって示されているように、流体出口部57に向かう途中で、第1の駆動シャフト4の周りまたは第2の駆動シャフト5の周りのいずれかの流路を辿ることが可能である。加熱ケーシングのこの例示的な実施形態は、増加した接触サイズに起因して、さらに増加した加熱容量を提供することが可能である。
【0128】
さらに、ポンプ1のさらなる例示的な実施形態が、図15を参照して説明されており、3つの加熱デバイス51、52、59が提供されている。第1および第2の加熱デバイス51、52は、図8図10を参照して説明されているものと同様の方式で、第1および第2の駆動シャフト4、5の外側にそれぞれ配置されており、したがって、個々の内部流体加熱チャンバー55、流体入口部56、および流体出口部57を提供されている。しかし、図15の例示的な実施形態は、第3の加熱デバイス59が第1および第2の駆動シャフト4、5の間の中央領域の中に提供されているという点で異なっている。また、第3の加熱デバイス59は、個々の内部流体加熱チャンバー55、流体入口部56、および流体出口部57を提供されている。第1から第3の加熱デバイス51、52、59のそれぞれは、個々の締結デバイスを備えた完全に個々のパーツであることが可能であり、それによって、単一の加熱デバイス51、52、59の独立した除去を可能にする。加熱ケーシングのこの例示的な実施形態は、いくつかのポンプが、すべての加熱デバイス51、52、59を据え付けさせることが可能であり、いくつかのポンプが、加熱デバイス51、52、59のうちのいくつかのみを据え付けさせることが可能であるので、改善されたモジュラー設計を提供することが可能である。
【0129】
図16図18は、とりわけロータケーシング設計を参照して、ポンプ1のいくつかのさらなる例示的な実施形態を概略的に示している。第1および第2の駆動シャフト4、5、第1および第2のハブ36、37、第1および第2のロータ23、24、第1および第2のシーリング構成体40a、40b、41a、41b、第1および第2の加熱デバイス51、52の一般的な設計および機能性、ならびに、ロータケーシング15の全体的な設計のほとんどの態様は、図1図12Bを参照して上記に説明されているものと実質的に同じである。
【0130】
図16図18は、たとえば、トランスミッションハウジング2とロータケーシング15との間の中間スペース42の中での第1および第2の加熱デバイス51、52の位置決め、ならびに、第1および第2のシーリング構成体40a、40b、41a、41bに対する第1および第2の加熱デバイス51、52の近さを明確に示している。
【0131】
図17は、ポンプ1の例示的な実施形態を示しており、そこでは、ロータケーシング15の軸線方向後方壁部20は、凹部80を有しており、凹部80は、平坦な表面81および半径方向表面82によって画定されており、平坦な表面81は、ポンプ1の軸線方向10に対して垂直になっており、ポンプ1の後方側部の方を向いており、半径方向表面82は、前記軸線方向10に対して垂直の方向11に面しており、加熱デバイス51、52は、凹部80の平坦な表面81に押し付けられる平坦な表面65と、凹部の半径方向表面82に面する半径方向表面83とを有している。凹部80は、たとえば、第1および第2の加熱デバイス51、52の場所における後方壁部20の厚さを低減させることによって提供されることが可能であり、第1および第2の加熱デバイス51、52を第1および第2のシーリング構成体40a、40b、41a、41bに対してさらにより近くに位置決めすることを可能にする。そのうえ、半径方向表面83が凹部の半径方向表面82に面するおかげで、第1および第2の加熱デバイス51、52は、軸線方向10だけでなく半径方向11にも後方壁部20を加熱することが可能であり、それによって、加熱効率をさらに強化することに貢献する。
【0132】
図18は、例示的な実施形態を示しており、そこでは、第1および第2の加熱デバイス51、52のそれぞれは、閉鎖された内部流体加熱チャンバー55を含む。したがって、熱伝達流体は、ロータケーシング15の後方壁部20との直接的な接触を有しておらず、その代わりに、熱は、ロータケーシング15の後方壁部20に到達する前に、加熱ケーシング51、52の側壁部84を通って伝導しなければならない。加熱ケーシング51、52の側壁部84は、好ましくは、平坦な接触表面65を有することが可能であり、平坦な接触表面65は、ロータケーシング15の軸線方向後方壁部20の対応する平坦な接触表面27に当接している。閉鎖された内部流体加熱チャンバー55は、内部流体加熱チャンバー55が後方壁部20に向けて開口しているときに起こり得る熱伝達流体の漏出のリスクを排除する。
【0133】
また、図18は、どのように第1および第2の加熱デバイス51、52がねじ山付き締結具50によってロータケーシング15の後方壁部20に締結されることが可能であるかということを示しており、ねじ山付き締結具50は、第1および第2の加熱デバイス51、52を通って延在しており、ロータケーシング15の後方壁部20の中に位置付けされているねじ山付き孔部の中に係合している。
【0134】
また、図7および図16図18は、ロータケーシング15が、第1の円筒形状のロータケースハブ36および第2の円筒形状のロータケースハブ37を有することが可能であり、それぞれが、ロータケーシング15の軸線方向後方壁部20から前方壁部22に向けて延在しており、静止した内部ポンピングキャビティが、軸線方向後方壁部20、円周方向側壁部21、前方壁部22、ならびに、第1および第2の円筒形状のロータケースハブ36、37によって画定されているということを示している。第1の円筒形状のロータケースハブ36は、その内部に第1の駆動シャフト4を受け入れており、第2の円筒形状のロータケースハブ37は、その内部に第2の駆動シャフト5を受け入れている。第1のシーリング構成体40a、40bは、第1の駆動シャフト4の外部表面および第1のハブ36の内部表面によって画定される環状スペースの中に少なくとも部分的に位置付けされており、第2のシーリング構成体41a、41bは、第2の駆動シャフト5の外部表面および第2のハブ37の内部表面によって画定される環状スペースの中に少なくとも部分的に位置付けされている。
【0135】
本開示によるロータリー容積移送式ポンプは、主に、円周方向のピストンポンプの形態の実装形態を参照して、図2図4図5図7、および図16図18において上記に説明されてきた。しかし、本開示によるロータリー容積移送式ポンプは、代替的に、図19に概略的に図示されているように、流体製品に対するポジティブポンピング効果を提供するために相互作用するように構成された第1および第2の反対側に回転するロータ23、24を有するロータリーローブポンプの形態で実装されることが可能であり、または、図20に概略的に図示されているように、流体製品に対するポジティブポンピング効果を提供するために相互作用するように構成された第1および第2の反対側に回転するロータ23、24を有するギアポンプの形態で実装されることが可能である。
【0136】
図21は、第1および第2の円筒形状のロータケースハブ36、37を備えないロータリーローブポンプ1の断面を概略的に示している。そのようなシナリオでは、第1および第2のシーリング構成体40a、41aは、後方壁部20と第1および第2の駆動シャフト4、5との間にそれぞれ位置付けされることが可能であり、それによって、第1および第2のシーリング構成体40a、41aを保持するロータケーシング15の領域に対して、第1および第2の加熱デバイス51、52のさらにより近い配置を提供する。
【0137】
また、本開示は、前方側部および後方側部を有するロータリー容積移送式ポンプ1のロータケーシング15ならびに/またはロータケーシング15の中の流体製品を加熱するための方法に関する。本方法の主なステップが、図22を参照して下記に説明されることとなる。本方法は、トランスミッションハウジング2およびロータケーシング15を有するロータリー容積移送式ポンプ1を提供する任意選択の第1のステップS1を含むことが可能であり、トランスミッションハウジング2は、一定の噛み合い条件にあるギア6、7を有する第1および第2の平行で軸線方向に延在する駆動シャフト4、5に回転支持を与え、第1および第2の駆動シャフト4、5が反対方向に回転するように配置されるようになっており、ロータケーシング15は、トランスミッションハウジング2の前方側部13に接続されており、静止した内部ポンピングキャビティを共同で画定する軸線方向後方壁部20、軸線方向前方壁部22、および円周方向側壁部21を有しており、ロータケーシング15は、第1の駆動シャフト4に駆動式に接続されている第1のロータ23と、第2の駆動シャフト5に駆動式に接続されている第2のロータ24とを収容しており、第1および第2のロータ23、24は、反対方向に回転するように、および、流体製品に対してポジティブポンピング効果を提供するために相互作用するように構成されており、流体製品は、ロータケーシング入口部30を介してポンピングキャビティに進入し、ロータケーシング出口部31を介してポンピングキャビティを退出し、ロータケーシングは、第1および第2のシーリング構成体40a、40b、41a、41bをさらに含み、第1および第2のシーリング構成体40a、40b、41a、41bは、静止したポンピングキャビティからロータケーシング15の後方側部に向けてそれぞれ第1および第2の駆動シャフト4、5に沿って流体製品が漏出することを防止するように構成されている。第1のステップS1がない場合、ロータリー容積移送式ポンプ(1)は、トランスミッションハウジング(2)およびロータケーシング(15)を含み、トランスミッションハウジング(2)は、一定の噛み合い条件にあるギア(6、7)を有する第1および第2の平行で軸線方向に延在する駆動シャフト(4、5)に回転支持を与え、第1および第2の駆動シャフト(4、5)が反対方向に回転するように配置されるようになっており、ロータケーシング(15)は、トランスミッションハウジング(2)の前方側部に接続されており、静止した内部ポンピングキャビティを共同で画定する軸線方向後方壁部(20)、軸線方向前方壁部(22)、および円周方向側壁部(21)を有しており、ロータケーシング(15)は、第1の駆動シャフト(4)に駆動式に接続されている第1のロータ(23)と、第2の駆動シャフト(5)に駆動式に接続されている第2のロータ(24)とを収容しており、第1および第2のロータ(23、24)は、反対方向に回転するように、および、流体製品に対してポジティブポンピング効果を提供するために相互作用するように構成されており、流体製品は、ロータケーシング入口部(30)を介してポンピングキャビティに進入し、ロータケーシング出口部(31)を介してポンピングキャビティを退出し、ロータケーシング(15)は、第1および第2のシーリング構成体(40a、40b、41a、41b)をさらに含み、第1および第2のシーリング構成体(40a、40b、41a、41b)は、静止したポンピングキャビティからロータケーシング(15)の後方側部に向けてそれぞれ第1および第2のシャフト(4、5)に沿って流体製品が漏出することを防止するように構成されている。
【0138】
本方法は、ロータケーシング15の軸線方向後方壁部20に加熱デバイス51、52を取り外し可能に締結する第2のステップS2を含む。
【0139】
最後に、本方法は、第1および第2のシーリング構成体40a、40b、41a、41bの近くの領域におけるロータケーシング15、ならびに/または、ロータケーシング15の中の任意の流体製品を加熱するための加熱デバイス51、52を活性化させる第3のステップS3を含む。
【0140】
本明細書における「活性化させる」という用語は、たとえば、電気的な加熱デバイス51、52に給電すること、または、加熱デバイス51、52を通して温かい加熱流体のフローを提供することを意味している。
【0141】
上記の説明は、本質的に単に例示的なものに過ぎず、本開示、その適用、または用途を限定することを意図していないということが認識されることとなる。特定の例が、本明細書に説明されており、図面に図示されているが、特許請求の範囲に定義されているような本開示の範囲から逸脱することなく、さまざまな変更が行われることが可能であり、均等物が、その要素に置き換えられることが可能であるということが当業者によって理解されることとなる。そのうえ、本開示の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本開示の教示に適合させるように、修正が行われることが可能である。
【0142】
したがって、本開示は、本開示の教示を実施するために現在企図されている最良の形態として、図面によって図示されて本明細書に説明されている特定の例に限定されるものではなく、本開示の範囲は、先述の説明および添付の特許請求の範囲の中に入る任意の実施形態を含むこととなるということが意図されている。特許請求の範囲において記載されている参照記号は、特許請求の範囲によって保護される事項の範囲を限定するものとして理解されるべきではなく、それらの唯一の機能は、特許請求の範囲をより容易に理解できるようにすることである。
【符号の説明】
【0143】
1 ロータリー容積移送式ポンプ
2 トランスミッションハウジング
3 回転支持体
4 第1の平行な駆動シャフト、第1の軸線方向に延在する駆動シャフト
5 第2の平行な駆動シャフト、第2の軸線方向に延在する駆動シャフト
6 第1のギア
7 第2のギア
8 支持構造体
9 端部部分
10 軸線方向
11 第1の横方向
12 第2の横方向
13 前方側部、前方表面
14 後方側部
15 ロータケーシング
16 ねじ山付きボルトまたはナット
17 前方側部
18 後方側部
19 前方壁部
20 軸線方向後方壁部
21 円周方向側壁部
22 軸線方向前方壁部
23 第1のロータ
24 第2のロータ
25 ロータケーシング後方部分、ロータリーケーシング
26 前方カバー
27 平坦な接触表面
30 流体製品入口開口部、ロータケーシング入口部
31 流体製品出口開口部、ロータケーシング出口部
32 ロータウィング
33 ロータ駆動要素
35 スペース
36 第1の円筒形状のロータケースハブ
37 第2の円筒形状のロータケースハブ
38 ねじ山付き締結具
40a 第1のシーリング構成体、環状のシーリングアッセンブリ
40b 第1のシーリング構成体、環状のシーリングアッセンブリ
41a 第2のシーリング構成体、環状のシーリングアッセンブリ
41b 第2のシーリング構成体、環状のシーリングアッセンブリ
42 中間スペース
44 中央孔部または凹部
45 スプライン
48 装着表面
49 角度
50 ねじ山付き締結具
51 第1の加熱デバイス、加熱ケーシング
52 第2の加熱デバイス、加熱ケーシング
53 第1の側壁部、第1の内部側壁部、内部表面
54 第2の側壁部、第2の内部側壁部、内部表面
55 内部流体加熱チャンバー
56 流体入口部
57 流体出口部
58 底部壁部、内部底部壁部、内部表面
59 第3の加熱デバイス
60 第1の軸線方向に突出する取り付け部分
61 第2の軸線方向に突出する取り付け部分
63 シーリング溝部
64 シーリングビード、シール
65 加熱デバイスの平坦な接触表面、加熱ケーシングの平坦な外部表面
66 加熱デバイスの後方表面
67 チャネル、開放チャネル
68 湾曲の特定の長さ
69 円弧角度、長さ
70 加熱ケーシングの合計長さ
71 深さ
72 幅
73 取り付け孔部
74 湾曲した外部表面
76 湾曲の特定の長さ
77 フロー矢印
80 凹部
81 平坦な表面
82 半径方向表面
83 半径方向表面
84 加熱ケーシングの側壁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22