(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】アップリンク信号送信方法、装置、デバイス及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 56/00 20090101AFI20241217BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20241217BHJP
H04W 84/06 20090101ALI20241217BHJP
【FI】
H04W56/00 130
H04W72/0446
H04W84/06
(21)【出願番号】P 2023550587
(86)(22)【出願日】2021-02-23
(86)【国際出願番号】 CN2021077524
(87)【国際公開番号】W WO2022178688
(87)【国際公開日】2022-09-01
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】ヂュ,ヤージュン
【審査官】吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/121497(WO,A1)
【文献】特開2020-191677(JP,A)
【文献】国際公開第2020/029919(WO,A1)
【文献】Qualcomm Incorporated,UL Time and Frequency Synchronization for NTN[online],3GPP TSG RAN WG1 #104-e R1-2101465,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_104-e/Docs/R1-2101465.zip>,2021年01月19日,2-3ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アップリンク信号送信方法であって、端末デバイスに適用され、
時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割するステップ
であって、各時間帯の長さは前記時間長以下であるステップと、
各前記時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを取得し、各前記時間帯の前記開ループアップリンクタイミングアドバンスと前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各前記時間帯のタイミングアドバンスを生成するステップと、
各前記時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整するステップと、を含む、
ことを特徴とするアップリンク信号送信方法。
【請求項2】
前記アップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割するステップは、
ネットワーク側から送信された開ループアップリンクタイミングアドバンスの第1の有効時間長、及び/又は閉ループアップリンクタイミングアドバンスの第2の有効時間長を受信するステップと、
前記第1の有効時間長及び/又は前記第2の有効時間長に基づいて
前記時間長を決定し、前
記時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のアップリンク信号送信方法。
【請求項3】
前記第1の有効時間長及び/又は前記第2の有効時間長に基づいて
前記時間長を決定することは、
両者の最小時間長を
前記時間長とすることを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のアップリンク信号送信方法。
【請求項4】
前記各前記時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを取得することは、
前記端末デバイスの測位情報、衛星位置情報、及び衛星速度情報のうちの1つまたは複数に基づいて各前記時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを計算することを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のアップリンク信号送信方法。
【請求項5】
前記衛星位置情報、及び前記衛星速度情報は、ネットワーク側から受信されるか、またはネットワーク側から受信されたエフェメリスから取得される、
ことを特徴とする請求項4に記載のアップリンク信号送信方法。
【請求項6】
前記各前記時間帯の前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスを取得することは、
前記ネットワーク側から送信された少なくとも1つの閉ループアップリンクタイミングアドバンスを受信することと、
各前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスの受信時間と前記第2の有効時間長とに基づいて、各時間帯に適合する前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスを決定することと、
一部の時間帯に適合する閉ループアップリンクタイミングアドバンスが存在しない場合、前記一部の時間帯に対応する閉ループアップリンクタイミングアドバンスを固定値に設定すると決定することと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のアップリンク信号送信方法。
【請求項7】
前記固定値はゼロに設定される、
ことを特徴とする請求項6に記載のアップリンク信号送信方法。
【請求項8】
前記各前記時間帯の前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスを取得することは、
ネットワーク側から送信された閉ループアップリンクタイミングアドバンスの調整増分、及び前記調整増分の調整ステップサイズを受信することと、
前回の閉ループアップリンクタイミングアドバンスの取得時間と、現在の、アップリンク信号を送信しようとする時間帯の開始時間とに基づいて、経過時間長を計算することと、
前記前回の閉ループアップリンクタイミングアドバンス、前記経過時間長、前記調整増分、及び前記調整ステップサイズのうちの1つまたは複数に基づいて、前記現在の、アップリンク信号を送信しようとする時間帯の閉ループアップリンクタイミングアドバンスを計算することと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のアップリンク信号送信方法。
【請求項9】
前記各前記時間帯の前記開ループアップリンクタイミングアドバンスと前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各前記時間帯のタイミングアドバンスを生成するステップは、
各前記時間帯の前記開ループアップリンクタイミングアドバンスと前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを加算して、各前記時間帯のタイミングアドバンスを取得するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のアップリンク信号送信方法。
【請求項10】
ネットワーク側から送信されたセルレベルまたはビームレベルのアップリンクタイミングアドバンスを受信するステップをさらに含み、
各前記時間帯の前記開ループアップリンクタイミングアドバンスと前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各前記時間帯のタイミングアドバンスを生成するステップは、
前記セルレベルまたはビームレベルのアップリンクタイミングアドバンスと、各前記時間帯の前記開ループアップリンクタイミングアドバンスと前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを加算して、各前記時間帯のタイミングアドバンスを取得するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のアップリンク信号送信方法。
【請求項11】
アップリンク信号送信方法であって、ネットワーク側に適用され、
端末デバイスがアップリンク信号を送信する
複数の時間帯のうちの各時間帯に適合する閉ループアップリンクタイミングアドバンスを取得するように、前記端末デバイスのアップリンク信号の到着時間に基づいて少なくとも1つの閉ループアップリンクタイミングアドバンスを計算して前記端末デバイスに送信するステップ
であって、前記アップリンク信号の送信時間は時間長に基づいて前記複数の時間帯に分割され、各時間帯の長さは前記時間長以下であるステップと、
前記端末デバイスが衛星情報に基づいて各前記時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを計算し、前記開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各前記時間帯のタイミングアドバンスを生成し、各前記時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整するように、前記端末デバイスに前記衛星情報を送信するステップと、を含む、
ことを特徴とするアップリンク信号送信方法。
【請求項12】
前記端末デバイスが開ループアップリンクタイミングアドバンスの第1の有効時間長及び/又は閉ループアップリンクタイミングアドバンスの第2の有効時間長に基づいて前記アップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割するように、前記端末デバイスに前記第1の有効時間長、及び/又は前記第2の有効時間長を送信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項11に記載のアップリンク信号送信方法。
【請求項13】
前記端末デバイスに前記衛星情報を送信するステップは、
前記端末デバイスにエフェメリス、及び/又は、衛星位置情報、及び/又は、衛星速度情報を送信するステップを含む、
ことを特徴とする請求項11に記載のアップリンク信号送信方法。
【請求項14】
前記端末デバイスが閉ループアップリンクタイミングアドバンスの調整増分と前記調整増分の調整ステップサイズとに基づいて、現在の、アップリンク信号を送信しようとする時間帯の閉ループアップリンクタイミングアドバンスを計算するように、前記端末デバイスに前記調整増分、及び前記調整ステップサイズを送信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項11に記載のアップリンク信号送信方法。
【請求項15】
アップリンク信号送信装置であって、端末デバイスに適用され、
時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割するための分割モジュール
であって、各時間帯の長さは前記時間長以下である分割モジュールと、
各前記時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを取得し、各前記時間帯の前記開ループアップリンクタイミングアドバンスと前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各前記時間帯のタイミングアドバンスを生成するための生成モジュールと、
各前記時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整するための調整モジュールと、を含む、
ことを特徴とするアップリンク信号送信装置。
【請求項16】
アップリンク信号送信装置であって、ネットワーク側に適用され、
端末デバイスがアップリンク信号を送信する
複数の時間帯のうちの各時間帯に適合する閉ループアップリンクタイミングアドバンスを取得するように、前記端末デバイスのアップリンク信号の到着時間に基づいて少なくとも1つの閉ループアップリンクタイミングアドバンスを計算して前記端末デバイスに送信するための第1の送信モジュール
であって、前記アップリンク信号の送信時間は時間長に基づいて前記複数の時間帯に分割され、各時間帯の長さは前記時間長以下である第1の送信モジュールと、
前記端末デバイスが衛星情報に基づいて各前記時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを計算し、前記開ループアップリンクタイミングアドバンスと前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各前記時間帯のタイミングアドバンスを生成し、各前記時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整するように、前記端末デバイスに前記衛星情報を送信するための第2の送信モジュールと、を含む、
ことを特徴とするアップリンク信号送信装置。
【請求項17】
通信デバイスであって、
プロセッサ、トランシーバ、メモリ、及び前記メモリに記憶されたコンピュータプログラムを含み、前記プロセッサは、請求項1~10のいずれかに記載のアップリンク信号送信方法を実現するように、前記コンピュータプログラムを実行する、
ことを特徴とする通信デバイス。
【請求項18】
通信デバイスであって、
プロセッサ、トランシーバ、メモリ、及び前記メモリに記憶されたコンピュータプログラムを含み、前記プロセッサは、請求項11~14のいずれかに記載のアップリンク信号送信方法を実現するように、前記コンピュータプログラムを実行する、
ことを特徴とする通信デバイス。
【請求項19】
コンピュータプログラムが記憶されているプロセッサ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは前記プロセッサに請求項1~10のいずれかに記載のアップリンク信号送信方法、または、請求項11~14のいずれかに記載のアップリンク信号送信方法を実行させる、
ことを特徴とするプロセッサ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動通信技術の分野に関し、特にアップリンク信号送信方法、装置、デバイス及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、無線通信技術の研究において、衛星通信は将来の無線通信技術の発展の重要な側面と考えられている。衛星通信とは、地上の無線通信デバイスが衛星を中継ノードとして利用して行う通信のことを指す。衛星通信システムは、衛星部分と地上部分から構成されている。衛星通信の特徴は、通信範囲が広く、衛星から送信された電波がカバーする範囲内であれば、任意の2点間からでも通信でき、陸上災害の影響を受けにくい(信頼性が高い)ことである。衛星通信は地上セルラー通信システムの重要な補完とすることができ、衛星通信は、拡張カバーエリアが広いなどの利点がある。将来の無線通信システムにおいて、衛星通信システムと地上セルラー通信システムは徐々に深い融合を実現し、万物のスマート接続を真に実現する。
【0003】
関連技術では、モノのインターネットの業界ニーズを満たすために、狭帯域モノのインターネット(Narrow Band Internet of Things、NB-IoT)、またはLTE進化型モノのインターネット技術(Enhanced Machine Type Communication,eMTC)に基づいて、上記の業界の応用を満たすため、NB-IoT/eMTCはより広いカバーを提供するために衛星接続を必要とする。
【0004】
しかしながら、非地上ネットワークの伝播遅延は数msから数百msまで比較的大きい。衛星(特にLEO衛星)の急速な動きにより、伝播遅延が急速に変化する。現在のNB-IoT/eMTCアップリンク同期メカニズムは、送信時間長(duration)の伝播遅延の急速な変化を追跡し補償することができず、アップリンクマルチユーザ、マルチキャリア間の干渉を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の第1の態様の実施例は、端末デバイスに適用されるアップリンク信号送信方法を提案し、前記方法は、第3の時間長(duration)に基づいてアップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割するステップと、各前記時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを取得し、各前記時間帯の前記開ループアップリンクタイミングアドバンスと前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各前記時間帯のタイミングアドバンスを生成するステップと、各前記時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整するステップと、を含む。
【0006】
選択的に、前記アップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割するステップは、ネットワーク側から送信された開ループアップリンクタイミングアドバンスの第1の有効時間長、及び/又は閉ループアップリンクタイミングアドバンスの第2の有効時間長を受信するステップと、前記第1の有効時間長及び/又は前記第2の有効時間長に基づいて第3の時間長を決定し、前記第3の時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割するステップであって、ここで、各前記時間帯の時間長が前記第3の時間長以下であるステップと、を含む。
【0007】
選択的に、前記第1の有効時間長及び/又は前記第2の有効時間長に基づいて第3の時間長を決定することは、両者の最小時間長を第3の時間長とすることを含む。
【0008】
選択的に、各前記時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを取得することは、前記端末デバイスの測位情報と、前記衛星位置情報と、衛星速度情報とのうちの1つまたは複数に基づいて各前記時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを計算することを含む。
【0009】
選択的に、前記衛星位置情報、及び前記衛星速度情報は、ネットワーク側から受信されるか、またはネットワーク側から受信されたエフェメリス(ephemeris)から取得される。選択的に、各前記時間帯の前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスを取得することは、前記ネットワーク側から送信された少なくとも1つの閉ループアップリンクタイミングアドバンスを受信することと、各前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスの受信時間と前記第2の有効時間長とに基づいて、各時間帯に適合する前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスを決定することと、一部の時間帯に適合する閉ループアップリンクタイミングアドバンスが存在しない場合、前記一部の時間帯に対応する閉ループアップリンクタイミングアドバンスを固定値に設定することと、を含む。
【0010】
選択的に、前記固定値はゼロに設定される。
【0011】
選択的に、各前記時間帯の前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスを取得することは、前記ネットワーク側から送信された閉ループアップリンクタイミングアドバンスの調整増分(increment)、及び前記調整増分の調整ステップサイズを受信することと、前回の閉ループアップリンクタイミングアドバンスの取得時間と、現在の、アップリンク信号を送信しようとする時間帯の開始時間とに基づいて、経過時間長を計算することと、前記前回の閉ループアップリンクタイミングアドバンス、前記経過時間長、前記調整増分、及び前記調整ステップサイズのうちの1つまたは複数に基づいて、前記現在の、アップリンク信号を送信しようとする時間帯の閉ループアップリンクタイミングアドバンスを計算することと、を含む。
【0012】
選択的に、各前記時間帯の前記開ループアップリンクタイミングアドバンスと前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各前記時間帯のタイミングアドバンスを生成するステップは、各前記時間帯の前記開ループアップリンクタイミングアドバンスと前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを加算して、各前記時間帯のタイミングアドバンスを取得するステップを含む。
【0013】
選択的に、前記方法は、前記ネットワーク側から送信されたセルレベルまたはビームレベルのアップリンクタイミングアドバンスを受信するステップをさらに含み、各前記時間帯の前記開ループアップリンクタイミングアドバンスと前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各前記時間帯のタイミングアドバンスを生成するステップは、前記セルレベルまたはビームレベルのアップリンクタイミングアドバンスと、各前記時間帯の前記開ループアップリンクタイミングアドバンス及び前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを加算して、各前記時間帯のタイミングアドバンスを取得するステップを含む。
【0014】
本発明の第2の態様の実施例は、ネットワーク側に適用されるアップリンク信号送信方法を提案し、前記方法は、端末デバイスがアップリンク信号を送信する各時間帯に適合する閉ループアップリンクタイミングアドバンスを取得するように、前記端末デバイスのアップリンク信号の到着時間に基づいて少なくとも1つの閉ループアップリンクタイミングアドバンスを計算して前記端末デバイスに送信するステップと、前記端末デバイスが衛星情報に基づいて各前記時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを計算し、前記開ループアップリンクタイミングアドバンスと前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各前記時間帯のタイミングアドバンスを生成し、各前記時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整するように、前記端末デバイスに前記衛星情報を送信するステップと、を含む。
【0015】
選択的に、前記端末デバイスが開ループアップリンクタイミングアドバンスの第1の有効時間長及び/又は閉ループアップリンクタイミングアドバンスの第2の有効時間長に基づいて第3の時間長を決定し、前記第3の時間長に基づいて前記アップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割するように、前記端末デバイスに前記第1の有効時間長及び/又は前記第2の有効時間長を送信するステップであって、ここで、各前記時間帯の時間長が前記第3の時間長以下であるステップをさらに含む。選択的に、前記端末デバイスに衛星情報を送信するステップは、前記端末デバイスにエフェメリス、及び/又は、衛星位置情報、及び/又は、衛星速度情報を送信するステップを含む。
【0016】
選択的に、前記端末デバイスが閉ループアップリンクタイミングアドバンスの調整増分と前記調整増分の調整ステップサイズとに基づいて、現在の、アップリンク信号を送信しようとする時間帯の閉ループアップリンクタイミングアドバンスを計算するように、前記端末デバイスに前記調整増分、及び前記調整ステップサイズを送信するステップをさらに含む。
【0017】
本発明の第3の態様の実施例は、端末デバイスに適用されるアップリンク信号送信装置を提案し、前記装置は、第3の時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割するための分割モジュールと、各前記時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを取得し、各前記時間帯の前記開ループアップリンクタイミングアドバンスと前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各前記時間帯のタイミングアドバンスを生成するための生成モジュールと、各前記時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整するための調整モジュールと、を含む。
【0018】
本発明の第4の態様の実施例は、ネットワーク側に適用されるアップリンク信号送信装置を提案し、前記装置は、端末デバイスがアップリンク信号を送信する各時間帯に適合する閉ループアップリンクタイミングアドバンスを取得するように、前記端末デバイスのアップリンク信号の到着時間に基づいて少なくとも1つの閉ループアップリンクタイミングアドバンスを計算して前記端末デバイスに送信するための第1の送信モジュールと、前記端末デバイスが衛星情報に基づいて各前記時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを計算し、前記開ループアップリンクタイミングアドバンスと前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各前記時間帯のタイミングアドバンスを生成し、各前記時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整するように、前記端末デバイスに前記衛星情報を送信するための第2の送信モジュールと、を含む。
【0019】
本発明の第5の態様の実施例は、通信デバイスを提案し、プロセッサ、トランシーバ、メモリ、及び前記メモリに記憶されたコンピュータプログラムを含み、前記プロセッサは、第1の態様の実施例によって提案されるアップリンク信号送信方法を実現するように前記コンピュータプログラムを実行する。
【0020】
本発明の第6の態様の実施例は、通信デバイスを提案し、プロセッサ、トランシーバ、メモリ、及び前記メモリに記憶されたコンピュータプログラムを含み、前記プロセッサは、第2の態様の実施例によって提案されるアップリンク信号送信方法を実現するように前記コンピュータプログラムを実行する。
【0021】
本発明の第7の態様の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されているプロセッサ読み取り可能な記憶媒体を提案し、前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサに第1の態様または第2の態様の実施例によって提案されるアップリンク信号送信方法を実行させる。
【0022】
本発明によって提案されるアップリンク信号送信方法、装置、デバイス及び記憶媒体は、少なくとも以下の技術的効果を有する。
端末デバイス側は第3の時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割し、さらに、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを取得し、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各時間帯のタイミングアドバンスを生成し、最後に、各時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整する。これにより、送信時間内の伝播遅延の急速な変化を追跡し補償し、アップリンクマルチユーザ、マルチキャリア間の干渉を解決することができる。
【0023】
本発明の付加的な特徴及び利点は、以下の説明において部分的に示され、一部が以下の説明により明らかになり、又は本発明の実践により理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の上記及び/又は付加的な様態及び利点は、以下図面と合わせて、実施例に対する説明によって明らかになり且つ理解しやすくなる。
【
図1】本発明の一実施例に係るアップリンク信号送信方法の概略グローチャートである。
【
図2】本発明の別の実施例に係るアップリンク信号送信方法の概略グローチャートである。
【
図3】本発明のもう1つの実施例に係るアップリンク信号送信方法の概略グローチャートである。
【
図4】本発明のもう1つの実施例に係るアップリンク信号送信方法の概略グローチャートである。
【
図5】本発明の具体的な一実施例に係るアップリンク信号送信方法の概略グローチャートである。
【
図6】本発明のもう1つの実施例に係るアップリンク信号送信方法の概略グローチャートである。
【
図7】本発明によって提案されるアップリンク信号送信装置の概略構成図である。
【
図8】本発明によって提案される別のアップリンク信号送信装置の概略構成図である。
【
図9】本発明の一実施例に係る通信デバイスのブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施例について詳細に説明し、前記実施例の例は添付図面に示され、ここで、最初から最後まで同じまたは類似の符号は同じまたは類似の部品、または同じまたは同様の類似を有する部品を示す。以下、添付図面を参照して説明する実施例は例示的なものであり、本発明を説明するためのものであり、本発明に対する制限としては理解してはいけない。
【0026】
関連技術では、カバー能力を向上させるために、NB-IoT/eMTCは繰り返し送信のメカニズムを導入している。NB-IoT/eMTCがアップリンク繰り返し送信メカニズムを使用する場合、繰り返し送信の初期時間のみにタイミングアドバンスの調整を行う。しかしながら、星の急速な動き(特にLEO衛星)により、伝播遅延に急速な変化が発生する。現在のNB-IoT/eMTCアップリンク同期メカニズムは、送信時間長の伝播遅延の急速な変化を追跡し補償することができず、アップリンクマルチユーザ、マルチキャリア間の干渉を引き起こす。
【0027】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は、送信時間長の伝播遅延の急速な変化を追跡し補償し、アップリンク信号送信時間を調整する方法を提案する。
【0028】
説明の全体性のために、以下の実施例は、端末デバイスとネットワーク側にそれぞれ絞って説明するが、以下、まず、端末デバイス側に絞って説明するが、ここで、本発明の実施例の端末デバイスは、携帯電話、携帯型ウェアラブルデバイス、ノートパソコン等であってもよく、ネットワーク側は、基地局等であってもよい。
【0029】
端末側に絞った説明は以下のとおりである。
【0030】
図1は本発明の実施例によって提供されるアップリンク信号送信方法のフローチャートであり、ここで、アップリンク信号送信方法は以下のステップ101~103を含む。
【0031】
ステップ101では、第3の時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割し、ここで、各時間帯の時間長が第3の時間長以下である。
【0032】
実際の実行中に、第3の時間長は、開ループアップリンクタイミングアドバンスの第1の有効時間長、及び/又は閉ループアップリンクタイミングアドバンスの第2の有効時間長に関連する。本実施例では、ネットワーク側から送信された開ループアップリンクタイミングアドバンスの第1の有効時間長、及び/又は閉ループアップリンクタイミングアドバンスの第2の有効時間長を受信する。
【0033】
ここで、開ループアップリンクタイミングアドバンスは、端末デバイスとネットワーク側との距離に対応する電磁波往復遅延と理解することができ、この開ループアップリンクタイミングアドバンスがネットワーク側から送信される。
【0034】
第1の有効時間長は、開ループアップリンクタイミングアドバンスがアップリンク信号を制御する有効制御時間長と理解することができ、例えば、第1の有効時間長が2ミリ秒である場合、開ループアップリンクタイミングアドバンスがアップリンク信号を制御する有効制御時間長が2ミリ秒であることを示す。
【0035】
閉ループアップリンクタイミングアドバンスは、アップリンク信号のネットワーク側への到着時間から計算されると理解することができ、この閉ループアップリンクタイミングアドバンスがネットワーク側から送信される。
【0036】
第2の有効時間長は閉ループアップリンクタイミングアドバンスがアップリンク信号を制御する有効制御時間長と理解することができ、例えば、第2の有効時間長が2ミリ秒である場合、閉ループアップリンクタイミングアドバンスがアップリンク信号を制御する有効制御時間長が2ミリ秒であることを示す。
【0037】
いくつかの可能な実施例では、ネットワーク側から送信された開ループアップリンクタイミングアドバンスの第1の有効時間長を受信することにより、開ループアップリンクタイミングアドバンスの第1の有効時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間をさらに制御することができる。本実施例では、端末デバイスとネットワーク側との距離に基づいてアップリンク信号の送信時間を制御する。
【0038】
いくつかの別の可能な実施例では、ネットワーク側から送信された閉ループアップリンクタイミングアドバンスの第2の有効時間長を受信することにより、閉ループアップリンクタイミングアドバンスの第2の有効時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間をさらに制御することができる。本実施例では、端末デバイスから送信されたアップリンク信号のネットワーク側への到着時間に基づいて、アップリンク信号の送信時間を制御する。
【0039】
いくつかの別の可能な実施例では、ネットワーク側から送信された開ループアップリンクタイミングアドバンスの第1の有効時間長とネットワーク側から送信された閉ループアップリンクタイミングアドバンスの第2の有効時間長とを受信し、開ループアップリンクタイミングアドバンスの第1の有効時間長と閉ループアップリンクタイミングアドバンスの第2の有効時間長とに基づいて、アップリンク信号の送信時間を制御することができる。すなわち、本実施例では、端末デバイスとネットワーク側との距離、及び端末デバイスから送信されたアップリンク信号のネットワーク側への到着時間に基づいて、アップリンク信号の送信時間を制御する。
【0040】
これによって、いくつかの可能な実施例では、第1の有効時間長に基づいて第3の時間長を直接決定してもよく、例えば、ネットワーク側から送信された開ループアップリンクタイミングアドバンスの第1の有効時間長のみが受信された場合、直接第1の有効時間長を第3の時間長とする。
【0041】
いくつかの別の可能な実施例では、第2の有効時間長に基づいて第3の時間長を直接決定してもよく、例えば、ネットワーク側から送信された閉ループアップリンクタイミングアドバンスの第2の有効時間長のみが受信された場合、直接第2の有効時間長を第3の時間長とする。
【0042】
いくつかの別の可能な実施例では、第1の有効時間長と第2の有効時間長とに基づいて第3の時間長を決定し、例えば、ネットワーク側から送信された開ループアップリンクタイミングアドバンスの第1の有効時間長とネットワーク側から送信された閉ループアップリンクタイミングアドバンスの第2の有効時間長とが受信された場合、第1の有効時間長と第2の有効時間長とに基づいて第3の時間長を決定する。
【0043】
なお、異なる応用シナリオでは、本実施例の第1の有効時間長と第2の有効時間長とに基づいて第3の時間長を決定する方式は異なり、以下のように例示する。
【0044】
例1:
この例では、第1の有効時間長と第2の有効時間長との両者の最小時間長を第3の時間長とし、例えば、第1の有効時間長が2ミリ秒であり、第2の有効時間長が3ミリ秒である場合、2ミリ秒を第3の時間長とする。
【0045】
例2:
この例では、第1の有効時間長と第2の有効時間長との両者の最小時間長を決定し、最小時間長の予め設定されたパーセンテージを第3の時間長とし、ここで、予め設定されたパーセンテージが1より小さく、例えば80パーセントなどである。
【0046】
さらに、実際の実行中に、アップリンク信号の送信時間が長く、この時間内に伝播遅延も変化する可能性があるため、さらに遅延を追跡するために、本発明の一実施例では、送信時間に対する制御粒度を細分化し、第3の時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割し、ここで、関連するアップリンクアドバンスがアップリンク信号の送信時間を効果的に制御できることを保証するために、各時間帯の時間長が第3の時間長以下である。例えば、アップリンク信号の送信時間が10ミリ秒である場合、送信時間分を[0,2)、[2,4)、[4,6)、[6,8)、[8,10]という5つの時間帯に分割することができ、もちろん、いくつかの可能な実施例では、異なる時間帯の長さは異なってもよい。
【0047】
なお、異なる応用シナリオでは、第3の時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割する方式は異なり、以下のように例示する。
【0048】
例1:
この例では、第3の時間長に基づいて送信時間に対して時間帯の分割を行い、例えば、送信時間の初期時点から、第3の時間長ごとに1つの時間帯に分割し、ここで、送信時間の最後の残りの時間長が第3の時間長未満である場合、最後の残りの時間長を1つの時間帯とする。
【0049】
例2:
この例では、アップリンク信号の送信時間の合計時間長を取得し、ランダムアルゴリズムに基づいて合計時間長を1つまたは複数の時間帯に分割し、ここで、各時間帯の長さは完全に同じでなくてもよく、各時間帯の長さは第3の時間長以下である。例えば、合計時間長が10であり、第3の時間長が3である場合、合計時間長を時間長それぞれ:2、1、3、3、1という5つの時間帯に分割し、または、3、3、3、1という4つの時間帯などに分割することができ、ここで、異なる時間帯の合計時間長における順序は任意に組み合わせてもよく、ここでは制限されない。
【0050】
ステップ102では、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを取得し、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各時間帯のタイミングアドバンスを生成する。
【0051】
本実施例では、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを取得し、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各時間帯のタイミングアドバンスを生成することにより、時間帯に基づくタイミングアドバンスの決定を実現し、決定されたタイミングアドバンスは、ネットワーク側と端末デバイスの電磁波の往復遅延とアップリンク信号の到着時間を考慮し、送信時間内の伝播遅延の急速な変化を十分に追跡し補償する。
【0052】
ステップ103では、各時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整する。
【0053】
本実施例では、各時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整し、例えば、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を対応するタイミングアドバンスで繰り上げ、送信時間内の伝播遅延の急速な変化を追跡し補償し、アップリンクマルチユーザ、マルチキャリア間の干渉を解決する。
【0054】
以上のように、本発明の実施例のアップリンク信号送信方法は、第3の時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割し、さらに、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを取得し、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各時間帯のタイミングアドバンスを生成し、最後に、各時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整する。これにより、送信時間内の伝播遅延の急速な変化を追跡し補償し、アップリンクマルチユーザ、マルチキャリア間の干渉を解決することができる。
【0055】
アップリンクマルチユーザ、マルチキャリア間の干渉の技術的課題を解決するために、本発明のアップリンク信号の送信方法では、端末デバイスは、ネットワーク側から送信された開ループアップリンクタイミングアドバンスの第1の有効時間長、及び/又は閉ループアップリンクタイミングアドバンスの第2の有効時間長を受信し、第1の有効時間長及び/又は第2の有効時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割し、さらに、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを取得し、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各時間帯のタイミングアドバンスを生成することにより、各時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整する。
【0056】
なお、異なる応用シナリオでは、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各時間帯のタイミングアドバンスを生成する方式は異なり、以下のように例示する。
【0057】
例1:
この例では、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを加算して、各時間帯のタイミングアドバンスを取得し、例えば、時間帯1の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスがそれぞれ2ミリ秒と3ミリ秒である場合、2ミリ秒と3ミリ秒を加算して得られた5ミリ秒を時間帯1のタイミングアドバンスとする。これにより、タイミングアドバンスはネットワーク側と端末デバイス側の電磁波の往復遅延とアップリンク信号がネットワーク側に到着する時間とを両立し、送信時間内の伝播遅延の急速な変化を効果的に追跡し補償する。
【0058】
例2:
この例では、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを比較して両者の最大値を決定し、さらに、最大値の2倍を各時間帯のタイミングアドバンスとし、これにより、各時間帯のアップリンク信号が遅延せずに到着できることをさらに保証する。
【0059】
以上のように、本発明の実施例のアップリンク信号送信方法は、異なる応用シナリオでは、異なる方式で各前記時間帯の前記開ループアップリンクタイミングアドバンスと前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各前記時間帯のタイミングアドバンスを生成し、タイミングアドバンスの決定の柔軟性を向上させる。
【0060】
アップリンク信号の送信時間が複数の時間帯に分割された後、各時間帯に対してアップリンク信号の送信時間の制御を行う場合、本実施例では、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各時間帯のタイミングアドバンスを生成し、ここで、シナリオのニーズに基づいて異なる方式で開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを決定することができる。
【0061】
次の例では、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを決定する方法を説明する。
【0062】
本実施例では、端末デバイスの測位情報、衛星位置情報、及び衛星速度情報のうちの1つまたは複数に基づいて各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを計算する。
【0063】
いくつかの可能な実施例では、
図2に示すように、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを取得するステップは、以下のステップ201~203を含む。
【0064】
ステップ201では、各時間帯に対応する端末デバイスの測位情報を取得する。
【0065】
本実施例では、端末デバイスの測位情報は端末デバイスのGPS測位などに基づいて取得することができる。
【0066】
ステップ202では、各時間帯に対応する衛星位置情報及び/又は衛星速度情報を取得する。
【0067】
本発明の一実施例では、各時間帯に対応する衛星位置情報を取得し、この衛星位置情報は衛星の座標位置などを含むことができる。
【0068】
本実施例では、衛星の座標位置はネットワーク側によって報告されてもよく、ネットワーク側から送信されたエフェメリスを受信して、エフェメリスに基づいて各時間帯に対応する衛星位置情報を取得してもよい。
【0069】
本発明の一実施例では、各時間帯に対応する衛星速度情報を取得し、この衛星速度はネットワーク側によって報告されてもよく、本実施例では、ネットワーク側から送信されたエフェメリスを受信して、エフェメリスに基づいて各時間帯に対応する衛星速度情報を取得してもよい。
【0070】
本発明の一実施例では、各時間帯に対応する衛星位置情報と衛星速度情報とを取得し、本実施例では、ネットワーク側から送信されたエフェメリスを受信し、前記エフェメリスに基づいて各前記時間帯に対応する衛星位置情報と衛星速度情報とを取得してもよく、または、ネットワーク側から送信された衛星位置情報と衛星速度情報とを受信してもよい。
【0071】
ステップ203、端末デバイスの測位情報、衛星位置情報及び/又は衛星速度情報に基づいて、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを計算する。
【0072】
本発明の一実施例では、端末デバイスの測位情報、及び衛星位置情報に基づいて各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを計算し、例えば、端末デバイスの測位情報と衛星位置情報とに基づいて両者の時間の距離を計算し、距離と電磁波の伝播速度とに基づいて電磁波の往復遅延を計算し、往復遅延に基づいて各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを決定する。
【0073】
本発明の一実施例では、端末デバイスの測位情報、及び衛星速度情報に基づいて各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを計算し、例えば、衛星速度情報に基づいて各時間帯での衛星の位置情報を決定し、端末デバイスの測位情報と衛星の位置情報とに基づいて両者の時間の距離を計算し、距離と電磁波の伝播速度とに基づいて電磁波の往復遅延を計算し、往復遅延に基づいて各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを決定する。
【0074】
本発明の一実施例では、端末デバイスの測位情報、衛星位置情報、及び衛星速度情報に基づいて、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを計算し、例えば、本実施例では、衛星位置情報、及び衛星速度情報に基づいて各時間帯での衛星の位置情報を計算し、端末デバイスの測位情報と衛星の位置情報とに基づいて両者の時間の距離を計算し、距離と電磁波の伝播速度とに基づいて電磁波の往復遅延を計算し、往復遅延に基づいて各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを決定する。
【0075】
次の例では、各時間帯の閉ループアップリンクタイミングアドバンスを計算する方法を説明する。
【0076】
例1:
この例では、
図3に示すように、各時間帯の閉ループアップリンクタイミングアドバンスを取得するステップは、以下のステップ301~303を含む。
【0077】
ステップ301では、ネットワーク側から送信された少なくとも1つの閉ループアップリンクタイミングアドバンスを受信する。
【0078】
本実施例では、ネットワーク側から送信された少なくとも1つの閉ループアップリンクタイミングアドバンスを受信する。
【0079】
ステップ302では、各閉ループアップリンクタイミングアドバンスの受信時間と第2の有効時間長とに基づいて、各時間帯に適合する閉ループアップリンクタイミングアドバンスを決定する。
【0080】
ネットワーク側が閉ループアップリンクタイミングアドバンスを送信し続けるため、各時間帯でどの閉ループアップリンクタイミングアドバンスが使用できるかを決定するために、端末デバイス側が受信した各閉ループアップリンクタイミングアドバンスの受信時間及び対応する第2の有効時間長を取得し、各時間帯に適合する閉ループアップリンクタイミングアドバンスを決定して、第2の受信時間後の第2の有効時間長内で対応する時間帯をカバーすることを確保する。
【0081】
例えば、閉ループアップリンクタイミングアドバンスの受信時間が2ミリ秒目であり、第2の有効時間長が3ミリ秒である場合、時間帯が2ミリ秒目から5ミリ秒目までの時間帯、または、時間帯が3ミリ秒目から5ミリ秒目までの時間帯などに適用することができる。
【0082】
ステップ303では、一部の時間帯に適合する閉ループアップリンクタイミングアドバンスが存在しない場合、一部の時間帯に対応する閉ループアップリンクタイミングアドバンスを固定値に設定すると決定する。
【0083】
いくつかの可能な実施例では、一部の時間帯に適合する閉ループアップリンクタイミングアドバンスが存在しない場合、一部の時間帯に対応する閉ループアップリンクタイミングアドバンスを固定値に設定すると決定し、ここで、この固定値は実験データに基づいて標定することができ、いくつかの可能な実施例では、この固定値はゼロである。
【0084】
例2:
この例では、
図4に示すように、各時間帯の前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスを取得するステップは、以下のステップ401~403を含む。
【0085】
ステップ401では、ネットワーク側から送信された閉ループアップリンクタイミングアドバンスの調整増分、及び調整増分の調整ステップサイズを受信する。
【0086】
ステップ402では、前回の閉ループアップリンクタイミングアドバンスの取得時間と、現在の、アップリンク信号を送信しようとする時間帯の開始時間とに基づいて、経過時間長を計算する。
【0087】
本実施例では、ネットワーク側から送信された閉ループアップリンクタイミングアドバンスの調整増分、及び調整増分の調整ステップサイズを受信し、前回の閉ループアップリンクタイミングアドバンスの取得時間と、現在の、アップリンク信号を送信しようとする時間帯の開始時間とに基づいて、経過時間長を計算し、例えば、前回の閉ループアップリンクタイミングアドバンスの取得時間から、現在の、アップリンク信号を送信しようとする時間帯の開始時間までの時間差を経過時間長とする。
【0088】
ステップ403では、前回の閉ループアップリンクタイミングアドバンス、経過時間長、調整増分、及び調整ステップサイズのうちの1つまたは複数に基づいて、現在の、アップリンク信号を送信しようとする時間帯の閉ループアップリンクタイミングアドバンスを計算する。
【0089】
本実施例では、前回の閉ループアップリンクタイミングアドバンス、経過時間長、調整増分、及び調整ステップサイズのうちの1つまたは複数に基づいて、現在の
、アップリンク信号を送信しようとする時間帯の閉ループアップリンクタイミングアドバンスを計算し、ここで、異なる応用シナリオでは、上記計算方式は異なってもよく、例えば、前回の閉ループアップリンクタイミングアドバンス、経過時間長、調整増分、及び調整ステップサイズに基づいて、現在の
、アップリンク信号を送信しようとする時間帯の閉ループアップリンクタイミングアドバンスを計算する場合、計算方式は以下の式(1)であってもよく、ここで、式(1)では、△TA
2は閉ループアップリンクタイミングアドバンスの調整増分であり、K
2は調整ステップサイズであり、TA
2
lastは前回の閉ループアップリンクタイミングアドバンスであり、TA
2は現在の
、アップリンク信号を送信しようとする時間帯の閉ループアップリンクタイミングアドバンスである:
【数1】
【0090】
以上のように、本発明の実施例のアップリンク信号送信方法は、アップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割し、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと前記閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各前記時間帯のタイミングアドバンスを生成し、送信時間内の伝播遅延の急速な変化を正確に追跡し補償することをさらに確保し、アップリンク信号の送信リアルタイム性を保証する。
【0091】
上記の実施例に基づいて、アップリンク信号の送信中に、なお、アップリンク信号の送信の遅延は、端末デバイスとネットワークとの電磁波の往復遅延とアップリンク信号の到着時間に関係するほか、セルレベルまたはビームレベルのアップリンクタイミングアドバンスにも関係する。
【0092】
従って、本発明の一実施例では、セルレベルまたはビームレベルのアップリンクタイミングアドバンスに基づいて、アップリンク信号の送信時間を直接調整する。
【0093】
本実施例では、ネットワーク側から送信されたセルレベルまたはビームレベルのアップリンクタイミングアドバンスを受信し、このセルレベルまたはビームレベルのアップリンクタイミングアドバンスに基づいて、各時間帯のタイミングアドバンスを取得することにより、タイミングアドバンスに基づいて各時間帯のアップリンク信号の送信を制御し、ここで、このセルレベルまたはビームレベルのアップリンクタイミングアドバンスに基づいて、各時間帯のタイミングアドバンスを取得する方式は異なるシナリオによって異なり、例えば、いくつかの可能な実施例では、セルレベルまたはビームレベルのアップリンクタイミングアドバンスと各時間帯のタイミングアドバンスとの対応関係を予め構築し、この対応関係に基づいて対応する時間帯のタイミングアドバンスを決定することができる。
【0094】
本発明の別の実施例では、端末デバイス及びネットワークとの電磁波の往復遅延と、アップリンク信号の到着時間と、セルレベルまたはビームレベルのアップリンクタイミングアドバンスとを組み合わせて、アップリンク信号の送信時間を調整する。
【0095】
具体的には、
図5に示すように、このアップリンク信号の送信方法は、以下のステップ501~502をさらに含む。
【0096】
ステップ501では、ネットワーク側から送信されたセルレベルまたはビームレベルのアップリンクタイミングアドバンスを受信する。
【0097】
ステップ502では、セルレベルまたはビームレベルのアップリンクタイミングアドバンスと、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを加算して、各時間帯のタイミングアドバンスを取得する。
【0098】
本実施例では、ネットワーク側から送信されたセルレベルまたはビームレベルのアップリンクタイミングアドバンスを受信し、さらに、セルレベルまたはビームレベルのアップリンクタイミングアドバンスと、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを加算して、各時間帯のタイミングアドバンスを取得し、これにより、端末デバイスとネットワークの電磁波の往復遅延、アップリンク信号の到着時間、及びセルレベルまたはビームレベルのアップリンクタイミングアドバンスを組み合わせて各時間帯のタイミングアドバンスを決定する。
【0099】
例えば、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスがそれぞれTA1+TA2であり、対応するセルレベルまたはビームレベルのアップリンクタイミングアドバンスがc_TAである場合、各時間帯のタイミングアドバンスはTA1+TA2+c_TAである。
【0100】
以上のように、本発明の実施例のアップリンク信号の送信方法は、端末デバイスとネットワークの電磁波の往復遅延、アップリンク信号の到着時間、及びセルレベルまたはビームレベルのアップリンクタイミングアドバンスを組み合わせて各時間帯のタイミングアドバンスを決定し、送信時間内の伝播遅延の急速な変化を正確に追跡し補償することをさらに確保し、アップリンクマルチユーザ、マルチキャリア間の干渉を回避する。
【0101】
次に、本発明の実施例のアップリンク信号送信方法をネットワーク側に絞って説明する。
【0102】
ネットワーク側に絞ったアップリンク信号送信方法の説明は以下のとおりである。
【0103】
図6は本発明の一実施例に係るアップリンク信号送信方法のフローチャートであり、
図6に示すように、この方法は以下のステップ601~602を含む。
【0104】
ステップ601では、端末デバイスがアップリンク信号を送信する各時間帯に適合する閉ループアップリンクタイミングアドバンスを取得するように、端末デバイスのアップリンク信号の到着時間に基づいて少なくとも1つの閉ループアップリンクタイミングアドバンスを計算して端末デバイスに送信する。
【0105】
本実施例では、端末デバイスのアップリンク信号の到着時間に基づいて閉ループアップリンクタイミングアドバンスを計算して端末デバイスに送信する。
【0106】
いくつかの可能な実施例では、ネットワーク側は端末デバイスに閉ループアップリンクタイミングアドバンスの調整増分、及び調整増分の調整ステップサイズを送信し、端末デバイスは前回の閉ループアップリンクタイミングアドバンスの取得時間と、現在の、アップリンク信号を送信しようとする時間帯の開始時間とに基づいて、経過時間長を計算し、端末デバイスは前回の閉ループアップリンクタイミングアドバンス、経過時間長、調整増分、及び調整ステップサイズに基づいて、現在の、アップリンク信号を送信しようとする時間帯の閉ループアップリンクタイミングアドバンスを計算する。
【0107】
いくつかの可能な実施例では、ネットワーク側は、端末デバイスが第1の有効時間長及び/又は第2の有効時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割するように、端末デバイスに開ループアップリンクタイミングアドバンスの第1の有効時間長、及び/又は閉ループアップリンクタイミングアドバンスの第2の有効時間長を送信する。
【0108】
なお、アップリンク信号の各時間帯は第3の時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間を分割して得られてもよい。
【0109】
いくつかの可能な実施例では、ネットワーク側は、端末デバイスが第1の有効時間長及び/又は第2の有効時間長に基づいて第3の時間長を決定し、第3の時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割するように、端末デバイスに開ループアップリンクタイミングアドバンスの第1の有効時間長、及び/又は閉ループアップリンクタイミングアドバンスの第2の有効時間長を送信し、ここで、各時間帯の時間長が第3の時間長以下である。
【0110】
ここで、開ループアップリンクタイミングアドバンスは、端末デバイスとネットワーク側との距離に対応する電磁波往復遅延と理解することができ、この開ループアップリンクタイミングアドバンスがネットワーク側から送信される。
【0111】
第1の有効時間長は、開ループアップリンクタイミングアドバンスがアップリンク信号を制御する有効制御時間長と理解することができ、例えば、第1の有効時間長が2ミリ秒である場合、開ループアップリンクタイミングアドバンスがアップリンク信号を制御する有効制御時間長が2ミリ秒であることを示す。
【0112】
閉ループアップリンクタイミングアドバンスは、アップリンク信号のネットワーク側への到着時間から計算されると理解することができ、この閉ループアップリンクタイミングアドバンスがネットワーク側から送信される。
【0113】
第2の有効時間長は閉ループアップリンクタイミングアドバンスがアップリンク信号を制御する有効制御時間長と理解することができ、例えば、第2の有効時間長が2ミリ秒である場合、閉ループアップリンクタイミングアドバンスがアップリンク信号を制御する有効制御時間長が2ミリ秒であることを示す。
【0114】
本発明の一実施例では、ネットワーク側は端末デバイスに開ループアップリンクタイミングアドバンスの第1の有効時間長を送信する。
【0115】
本発明の一実施例では、ネットワーク側は端末デバイスに閉ループアップリンクタイミングアドバンスの第2の有効時間長を送信する。
【0116】
本発明の一実施例では、ネットワーク側は端末デバイスに開ループアップリンクタイミングアドバンスの第1の有効時間長と、閉ループアップリンクタイミングアドバンスの第2の有効時間長とを送信する。
【0117】
本実施例では、端末デバイスは第1の有効時間長及び/又は第2の有効時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割する。
【0118】
いくつかの可能な実施例では、端末デバイスは第1の有効時間長及び/又は第2の有効時間長に基づいて第3の時間長を決定し、第3の時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割し、ここで、各時間帯の時間長が第3の時間長以下である。
【0119】
いくつかの可能な実施例では、第1の有効時間長に基づいて第3の時間長を直接決定してもよく、例えば、ネットワーク側から送信された開ループアップリンクタイミングアドバンスの第1の有効時間長のみが受信された場合、直接第1の有効時間長を第3の時間長とする。
【0120】
いくつかの別の可能な実施例では、第2の有効時間長に基づいて第3の時間長を直接決定してもよく、例えば、ネットワーク側から送信された閉ループアップリンクタイミングアドバンスの第2の有効時間長のみが受信された場合、直接第2の有効時間長を第3の時間長とする。
【0121】
いくつかの別の可能な実施例では、第1の有効時間長と第2の有効時間長とに基づいて第3の時間長を決定し、例えば、ネットワーク側から送信された開ループアップリンクタイミングアドバンスの第1の有効時間長とネットワーク側から送信された閉ループアップリンクタイミングアドバンスの第2の有効時間長とが受信された場合、第1の有効時間長と第2の有効時間長とに基づいて第3の時間長を決定する。
【0122】
なお、異なる応用シナリオでは、本実施例の第1の有効時間長と第2の有効時間長とに基づいて第3の時間長を決定する方式は異なり、以下のように例示する。
【0123】
例1:
この例では、第1の有効時間長と第2の有効時間長との両者の最小時間長を第3の時間長とし、例えば、第1の有効時間長が2ミリ秒であり、第2の有効時間長が3ミリ秒である場合、2ミリ秒を第3の時間長とする。
【0124】
例2:
この例では、第1の有効時間長と第2の有効時間長との両者の最小時間長を決定し、最小時間長の予め設定されたパーセンテージを第3の時間長とし、ここで、予め設定されたパーセンテージが1より小さく、例えば80パーセントなどである。
【0125】
さらに、実際の実行中に、アップリンク信号の送信時間が長く、この時間内に伝播遅延も変化する可能性があるため、さらに遅延を追跡するために、本発明の一実施例では、送信時間に対する制御粒度を細分化し、第3の時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割し、ここで、関連するアップリンクアドバンスがアップリンク信号の送信時間を効果的に制御できることを保証するために、各時間帯の時間長が第3の時間長以下である。例えば、アップリンク信号の送信時間が10ミリ秒である場合、送信時間分を[0,2)、[2,4)、[4,6)、[6,8)、[8,10]という5つの時間帯に分割することができ、もちろん、いくつかの可能な実施例では、異なる時間帯の長さは異なってもよい。
【0126】
なお、異なる応用シナリオでは、第3の時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割する方式は異なり、以下のように例示する。
【0127】
例1:
この例では、第3の時間長に基づいて送信時間に対して時間帯の分割を行い、例えば、送信時間の初期時点から、第3の時間長ごとに1つの時間帯に分割し、ここで、送信時間の最後の残りの時間長が第3の時間長未満である場合、最後の残りの時間長を1つの時間帯とする。
【0128】
例2:
この例では、アップリンク信号の送信時間の合計時間長を取得し、ランダムアルゴリズムに基づいて合計時間長を1つまたは複数の時間帯に分割し、ここで、各時間帯の長さは完全に同じでなくてもよく、各時間帯の長さは第3の時間長以下である。例えば、合計時間長が10であり、第3の時間長が3である場合、合計時間長を時間長それぞれ:2、1、3、3、1という5つの時間帯に分割し、または、3、3、3、1という4つの時間帯などに分割することができ、ここで、異なる時間帯の合計時間長の順序は任意に組み合わせてもよく、ここでは制限されない。ステップ602では、端末デバイスが衛星情報に基づいて各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを計算し、開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各時間帯のタイミングアドバンスを生成し、各時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整するように、端末デバイスに衛星情報を送信する。
【0129】
ここで、いくつかの可能な実施例では、衛星情報は、端末デバイスに送信されたエフェメリス、衛星位置情報、及び衛星速度情報のうちの1つまたは複数を含む。
【0130】
本実施例では、端末デバイスが衛星情報に基づいて各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを計算し、開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて、各時間帯のタイミングアドバンスを生成し、各時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整するように、端末デバイスに衛星情報を送信する。
【0131】
本発明の一実施例では、衛星情報は、衛星位置情報を含み、端末デバイスが端末デバイスの測位情報、及び衛星位置情報に基づいて各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを計算し、例えば、端末デバイスの測位情報と衛星位置情報とに基づいて両者の時間の距離を計算し、距離と電磁波の伝播速度とに基づいて電磁波の往復遅延を計算し、往復遅延に基づいて各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを決定する。
【0132】
本発明の一実施例では、衛星情報は衛星速度情報を含み、端末デバイスが端末デバイスの測位情報、及び衛星速度情報に基づいて各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを計算し、例えば、衛星速度情報に基づいて各時間帯での衛星の位置情報を決定し、端末デバイスの測位情報と衛星の位置情報とに基づいて両者の時間の距離を計算し、距離と電磁波の伝播速度とに基づいて電磁波の往復遅延を計算し、往復遅延に基づいて各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを決定する。
【0133】
本発明の一実施例では、衛星情報は衛星位置情報、及び衛星速度情報を含み、端末デバイスが端末デバイスの測位情報、衛星位置情報、及び衛星速度情報に基づいて、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを計算し、例えば、本実施例では、衛星位置情報、及び衛星速度情報に基づいて各時間帯での衛星の位置情報を計算し、端末デバイスの測位情報と衛星の位置情報とに基づいて両者の時間の距離を計算し、距離と電磁波の伝播速度とに基づいて電磁波の往復遅延を計算し、往復遅延に基づいて各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを決定する。
【0134】
本実施例では、端末デバイスは各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを取得し、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各時間帯のタイミングアドバンスを生成することにより、時間帯に基づくタイミングアドバンスの決定を実現し、決定されたタイミングアドバンスは、ネットワーク側と端末デバイス時間の電磁波の往復遅延及びアップリンク信号の到着時間を考慮し、送信時間内の伝播遅延の急速な変化を十分に追跡し補償する。
【0135】
さらに、端末デバイスは、各時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整し、例えば、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を対応するタイミングアドバンスで繰り上げ、送信時間内の伝播遅延の急速な変化を追跡し補償し、アップリンクマルチユーザ、マルチキャリア間の干渉を解決する。
【0136】
以上のように、本発明の実施例のアップリンク信号送信方法は、端末デバイスがアップリンク信号を送信する各時間帯に適合する閉ループアップリンクタイミングアドバンスを取得するように、ネットワーク側が端末デバイスのアップリンク信号の到着時間に基づいて少なくとも1つの閉ループアップリンクタイミングアドバンスを計算して端末デバイスに送信し、さらに、端末デバイスが衛星情報に基づいて各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンス、及び各時間帯に適合する閉ループアップリンクタイミングアドバンスを計算し、開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各時間帯のタイミングアドバンスを生成し、各時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整するように、端末デバイスに衛星情報を送信する。これにより、端末デバイスを制御して送信時間内の伝播遅延の急速な変化を追跡し補償させて、アップリンクマルチユーザ、マルチキャリア間の干渉を解決することができる。
【0137】
上記のいくつかの実施例によって提供されるアップリンク信号送信方法に対応して、本発明はアップリンク信号送信装置をさらに提供し、本発明の実施例によって提供されるアップリンク信号送信装置は上記のいくつかの実施例によって提供されるアップリンク信号送信方法に対応するため、アップリンク信号送信方法の実施形態は本実施例によって提供されるアップリンク信号送信装置にも適用され、本実施例では詳細な説明を省略する。
【0138】
図7は本発明によって提案されるアップリンク信号送信装置の概略構成図である。
【0139】
この装置は端末デバイスに適用され、
図7に示すように、このアップリンク信号送信装置は、分割モジュール701、生成モジュール702及び調整モジュール703を含み、ここで、
分割モジュール701は、第3の時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割し、
生成モジュール703は、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを取得し、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各時間帯のタイミングアドバンスを生成し、
調整モジュール704は、各時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整する。
【0140】
以上のように、本発明の実施例のアップリンク信号送信装置は、端末デバイス側が第3の時間長に基づいてアップリンク信号の送信時間を複数の時間帯に分割し、さらに、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとを取得し、各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて各時間帯のタイミングアドバンスを生成し、最後に、各時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整する。これにより、送信時間内の伝播遅延の急速な変化を追跡し補償し、アップリンクマルチユーザ、マルチキャリア間の干渉を解決することができる。
【0141】
上記のいくつかの実施例によって提供されるアップリンク信号送信方法に対応して、本発明はアップリンク信号送信装置をさらに提供し、本発明の実施例によって提供されるアップリンク信号送信装置は上記のいくつかの実施例によって提供されるアップリンク信号送信方法に対応するため、アップリンク信号送信方法の実施形態は本実施例によって提供されるアップリンク信号送信装置にも適用され、本実施例では詳細な説明を省略する。
【0142】
図8は、本発明によって提案されるアップリンク信号送信装置の概略構成図である。
【0143】
この装置はネットワーク側に適用され、
図8に示すように、このアップリンク信号送信装置は、第1の送信モジュール801、及び第2の送信モジュール802を含み、ここで、
第1の送信モジュール801は、端末デバイスがアップリンク信号を送信する各時間帯に適合する閉ループアップリンクタイミングアドバンスを取得するように、前記端末デバイスアップリンク信号の到着時間に基づいて少なくとも1つの閉ループアップリンクタイミングアドバンスを計算して前記端末デバイスに送信し、
第3の送信モジュール802は、端末デバイスが衛星情報に基づいて各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを計算し、開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて、各時間帯のタイミングアドバンスを生成し、各時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整するように、端末デバイスに衛星情報を送信する。
【0144】
以上のように、本発明の実施例のアップリンク信号送信装置では、ネットワーク側は、端末デバイスがアップリンク信号を送信する各時間帯に適合する閉ループアップリンクタイミングアドバンスを取得するように、端末デバイスアップリンク信号の到着時間に基づいて少なくとも1つの閉ループアップリンクタイミングアドバンスを計算して端末デバイスに送信し、さらに、端末デバイスが衛星情報に基づいて各時間帯の開ループアップリンクタイミングアドバンスを計算し、開ループアップリンクタイミングアドバンスと閉ループアップリンクタイミングアドバンスとに基づいて、各時間帯のタイミングアドバンスを生成し、各時間帯のタイミングアドバンスに基づいて、対応する時間帯のアップリンク信号の送信時間を調整するように、端末デバイスに衛星情報を送信する。これにより、端末デバイスを制御して送信時間内の伝播遅延の急速な変化を追跡し補償させて、アップリンクマルチユーザ、マルチキャリア間の干渉を解決することができる。
【0145】
本発明の実施例によれば、本開示は、通信デバイス及び読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0146】
図9に示すように、本発明の実施例のアップリンク信号送信の通信デバイスのブロック図である。通信デバイスは、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームコンピュータ、および他の適切なコンピュータなどの様々な形態のデジタルコンピュータを表すことを目的とする。通信デバイスは、パーソナルデジタル処理、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、および他の同様のコンピューティング装置などの様々な形態の移動装置を表すこともできる。本明細書で示される部品、それらの接続と関係、およびそれらの機能は、単なる例であり、本明細書の説明および/または求められる本発明の実現を制限することを意図したものではない。
【0147】
図9示すように、当該通信デバイスは、1つ又は複数のプロセッサ901と、メモリ902と、高速インターフェース及び低速インターフェースを含む各コンポーネントを接続するためのインターフェースと、を含む。各コンポーネントは、異なるバスで相互に接続され、共通のマザーボードに取り付けられてもよいし、又は必要に応じて他の方式で取り付けられてもよい。プロセッサは、外部の入力/出力装置(インターフェースに結合されたディスプレイデバイスなど)にGUIの図形情報をディスプレイするためにメモリに記憶されている命令を含む、通信デバイス内に実行される命令を処理することができる。他の実施形態では、必要であれば、複数のプロセッサ及び/又は複数のバスを、複数のメモリと複数のメモリとともに使用することができる。同様に、複数の通信デバイスを接続することができ、各電子デバイスは、部分的な必要な操作(例えば、サーバアレイ、ブレードサーバ、又はマルチプロセッサシステムとする)を提供する。
図9では、1つのプロセッサ901を例とする。
【0148】
メモリ902は、本発明によって提供される非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。ここで、前記メモリには、少なくとも1つのプロセッサが本発明によって提供されるアップリンク信号送信方法を実行できるように、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行される命令が記憶されている。本発明の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータに本発明によって提供されるアップリンク信号送信方法を実行させるためのコンピュータ命令を記憶する。
【0149】
メモリ902は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、非一時的なソフトウェアプログラム、非一時的なコンピュータ実行可能なプログラム及びモジュール、例えば本発明の実施例のアップリンク信号送信方法に対応するプログラム命令/モジュールを記憶することができる。プロセッサ901は、メモリ902に記憶されている非一時的なソフトウェアプログラム、命令及びモジュールを実行することにより、サーバの様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、すなわち上記の方法の実施例のアップリンク信号送信方法を実現する。
【0150】
メモリ902は、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を含むことができ、ここで、プログラム記憶領域は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションを記憶することができ、データ記憶領域は、測位通信デバイスの使用による作成されたデータなどを記憶することができる。また、メモリ902は、高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、少なくとも1つの磁気ディスクストレージデバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の非一時的なソリッドステートストレージデバイスなどの非一時的なメモリをさらに含むことができる。選択的に、メモリ902は、ネットワークを介して測位通信デバイスに接続できる、プロセッサ901に対して遠隔的に設定されたメモリを選択的に含むことができる。上記ネットワークの例は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動通信ネットワーク及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0151】
アップリンク信号送信方法を実行する通信デバイスは、入力装置903と出力装置904とをさらに含むことができる。プロセッサ901、メモリ902、入力装置903、及び出力装置904は、バスまたは他の方式で接続することができ、
図9では、バスを介して接続することを例に挙げる。
【0152】
入力装置903は、入力された数字又は文字情報を受信することができ、及び測位通信デバイスのユーザ設定及び機能制御に関するキー信号入力を生成することができ、例えば、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、ポインティングレバー、1つ又は複数のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティックなどの入力装置である。出力装置904は、ディスプレイデバイス、補助照明デバイス(例えば、LED)、及び触覚フィードバックデバイス(例えば、振動モータ)などを含むことができる。当該ディスプレイデバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、及びプラズマディスプレイを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイスは、タッチスクリーンであってもよい。
【0153】
本明細書で説明されるシステムと技術の様々な実施形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、特定用途向けASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせで実現することができる。これらの様々な実施形態は、1つ又は複数のコンピュータプログラムで実施されることを含むことができ、当該1つ又は複数のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムで実行および/または解釈されることができ、当該プログラマブルプロセッサは、特定用途向け又は汎用プログラマブルプロセッサであってもよく、ストレージシステム、少なくとも1つの入力装置、および少なくとも1つの出力装置からデータおよび命令を受信し、データおよび命令を当該ストレージシステム、当該少なくとも1つの入力装置、および当該少なくとも1つの出力装置に伝送することができる。
【0154】
これらのコンピューティングプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサの機械命令を含み、高度のプロセス及び/又は対象指向プログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械言語でこれらのコンピューティングプログラムを実施することができる。本明細書で使用されるように、「機械読み取り可能な媒体」及び「コンピュータ読み取り可能な媒体」という用語は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意のコンピュータプログラム製品、デバイス、及び/又は装置(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))を指し、機械読み取り可能な信号である機械命令を受信する機械読み取り可能な媒体を含む。「機械読み取り可能な信号」という用語は、機械命令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意の信号を指す。
【0155】
ユーザとのインタラクションを提供するために、コンピュータ上でここで説明されるシステム及び技術を実施することができ、当該コンピュータは、ユーザに情報を表示するためのディスプレイ装置(例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、キーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)とを有し、ユーザは、当該キーボード及び当該ポインティングデバイスによって入力をコンピュータに提供することができる。他の種類の装置も、ユーザとのインタラクションを提供することができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形式のセンシングフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であってもよく、任意の形式(音響入力、音声入力、または、触覚入力を含む)でユーザからの入力を受信することができる。
【0156】
ここで説明されるシステムおよび技術は、バックエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、データサーバとする)、又はミドルウェアコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバ)、又はフロントエンドコンポーネントを含むコンピューティングシステム(例えば、グラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータ、ユーザは、当該グラフィカルユーザインタフェース又は当該ウェブブラウザによってここで説明されるシステムおよび技術の実施形態とインタラクションできる)、又はこのようなバックエンドコンポーネントと、ミドルウェアコンポーネントと、フロントエンドコンポーネントのいずれかの組み合わせを含むコンピューティングシステムで実行することができる。任意の形態又は媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によってシステムのコンポーネントを相互に接続することができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)と、ワイドエリアネットワーク(WAN)と、インターネットと、を含む。
【0157】
コンピュータシステムは、クライアントとサーバを含むことができる。クライアントとサーバは、一般に、互いに離れており、通常に通信ネットワークを介してインタラクションする。対応するコンピュータ上で実行され、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによってクライアントとサーバとの関係が生成される。
【0158】
本発明の実施例は、送信時間長の伝播遅延の変化を追跡し補償し、アップリンク信号の送信時間を調整し、アップリンクマルチユーザ、マルチキャリア間の干渉を回避する。
【0159】
なお、上記に示される様々な形式のフローを使用して、ステップを並べ替え、追加、又は削除することができると理解されたい。例えば、本出願に記載の各ステップは、並列に実行されてもよいし、順次実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよいが、本開示で開示されている技術案が所望の結果を実現することができれば、本明細書では限定されない。
【0160】
上記具体的な実施形態は、本発明の保護範囲を制限するものではない。当業者は、設計要件と他の要因に応じて、様々な修正、組み合わせ、サブコンビネーション、及び代替を行うことができると理解されたい。任意の本発明の精神と原則内で行われる修正、同等の置換、及び改善などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。