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特許7606018グリップテープユニットおよびグリップテープユニットの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】グリップテープユニットおよびグリップテープユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 60/14 20150101AFI20241217BHJP
   A63B 53/14 20150101ALI20241217BHJP
   A63B 102/04 20150101ALN20241217BHJP
   A63B 102/08 20150101ALN20241217BHJP
   A63B 102/22 20150101ALN20241217BHJP
   A63B 102/20 20150101ALN20241217BHJP
   A63B 102/18 20150101ALN20241217BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20241217BHJP
   A63B 102/02 20150101ALN20241217BHJP
   A63B 102/06 20150101ALN20241217BHJP
【FI】
A63B60/14
A63B53/14 B
A63B102:04
A63B102:08
A63B102:22
A63B102:20
A63B102:18
A63B102:32
A63B102:02
A63B102:06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024017219
(22)【出願日】2024-02-07
【審査請求日】2024-02-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005935
【氏名又は名称】美津濃株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】實川 由紀子
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 陽子
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-051971(JP,U)
【文献】実開平04-061572(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 60/14
A63B 53/14
A63B 102/04
A63B 102/08
A63B 102/22
A63B 102/20
A63B 102/18
A63B 102/32
A63B 102/02
A63B 102/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面の反対に位置する第2面とを有するグリップテープと、
前記第1面に貼られている第1保護フィルムと、
固定部材とを備え、
前記グリップテープは、第1端と、前記グリップテープが延在する方向において前記第1端の反対に位置する第2端とを含み、
前記第1端における前記第2面と、前記第2端における前記第2面とが互いに対面するように、前記グリップテープは2つ折りにされ、
前記固定部材は、前記第1端における前記第1面と前記第1保護フィルムを介して貼られるとともに、前記第2端における前記第2面と接続される、グリップテープユニット。
【請求項2】
前記第2面に貼られている第2保護フィルムを備え、
前記固定部材は、前記第2端における前記第2面と前記第2保護フィルムを介して貼られる、請求項1に記載のグリップテープユニット。
【請求項3】
前記グリップテープの前記第1端における幅は、前記第2端における幅よりも小さく、
前記第1端は、前記固定部材と前記第2端との間に配置されている、請求項1または請求項2に記載のグリップテープユニット。
【請求項4】
前記固定部材に接続されている保形部を備え、
前記グリップテープは、前記保形部を中心にして巻かれている、請求項1または請求項2に記載のグリップテープユニット。
【請求項5】
前記グリップテープが延在する方向における前記グリップテープの中央部にて、前記グリップテープが2つ折りされている、請求項1または請求項2に記載のグリップテープユニット。
【請求項6】
第1保護フィルムが貼られている第1面および前記第1面の反対に位置する第2面を有するグリップテープと、固定部材とを準備する工程と、
前記グリップテープの第1端における前記第2面と、前記グリップテープが延在する方向において前記第1端の反対に位置する第2端における前記第2面とが互いに対面するように、前記グリップテープを2つ折りにする工程と、
前記グリップテープの前記第1端における前記第1面と前記第1保護フィルムを介して貼られるとともに、前記第2端における前記第2面と前記固定部材が接続される工程と、
前記固定部材を中心にして前記グリップテープを巻く工程とを備える、グリップテープ
ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、グリップテープユニットおよびグリップテープユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2022-73425号公報(特許文献1)では、帯状のグリップテープが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-73425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
使用される前のグリップテープの表面には、保護フィルムが貼付されている。グリップテープは、当該保護フィルムが剥がされた後に、棒状のグリップ部に巻かれて使用されるが、グリップテープから保護フィルムをきれいに剥がせない場合があった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するために成されたものであり、この発明の目的は、保護フィルムを剥がすことが容易なグリップテープユニットおよびグリップテープユニットの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従ったグリップテープユニットは、グリップテープと、第1保護フィルムと、固定部材とを備える。グリップテープは、第1面と、第2面とを有する。第2面は、第1面の反対に位置する。第1保護フィルムは、第1面に貼られている。グリップテープは、第1端と、第2端とを含む。第2端は、グリップテープが延在する方向において第1端の反対に位置する。固定部材は、第1端における第1面と第1保護フィルムを介して接続されるとともに、第2端における第2面と接続される。
【0007】
本開示に従ったグリップテープユニットの製造方法は、第1保護フィルムが貼られている第1面および第1面の反対に位置する第2面を有するグリップテープと、固定部材とを準備する工程と、グリップテープを2つ折りにする工程と、グリップテープの第1端における第1面と第1保護フィルムを介して接続されるとともに、グリップテープが延在する方向において第1端の反対に位置する第2端における第2面と固定部材が接続される工程と、固定部材を中心にしてグリップテープを巻く工程とを備える。
【発明の効果】
【0008】
上記によれば、保護フィルムを剥がすことが容易なグリップテープユニットおよびグリップテープユニットの製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係るグリップテープユニットの概略斜視図である。
図2】実施の形態1に係るグリップテープユニットの概略拡大平面図である。
図3図2の線分III-IIIに沿った概略断面図である。
図4】実施の形態2に係るグリップテープユニットの概略斜視図である。
図5】実施の形態2に係るグリップテープユニットの概略拡大平面図である。
図6図5の線分VI-VIに沿った概略断面図である。
図7】実施の形態2に係るグリップテープユニットにおける第2保護フィルムを剥がす動作を示す概略斜視図である。
図8】実施の形態2に係るグリップテープユニットにおける第1保護フィルムを剥がす動作を示す概略斜視図である。
図9】実施の形態2に係るグリップテープユニットの製造方法のフローチャートである。
図10】実施の形態2に係るグリップテープユニットの一工程を示す概略斜視図である。
図11図10の線分XI-XIに沿った概略断面図である。
図12】実施の形態2に係るグリップテープユニットの製造方法の一工程を示す概略斜視図である。
図13図12の線分XIII-XIIIに沿った概略断面図である。
図14】実施の形態2に係るグリップテープユニットの製造方法の一工程を示す概略側面図である。
図15】実施の形態2に係るグリップテープユニットの製造方法の一工程を示す概略斜視図である。
図16】実施の形態2に係るグリップテープユニットの製造方法の一工程を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、特に言及しない限り、以下の図面において同一または対応する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
【0011】
(実施の形態1)
<グリップテープユニットの構成>
図1は、実施の形態1に係るグリップテープユニット100の概略斜視図である。図2は、実施の形態1に係るグリップテープユニット100の概略拡大平面図である。図3は、図2の線分III-IIIに沿った概略断面図である。図1から図3に示されているグリップテープ1は、中央部1cにて2つ折りにされている状態におけるグリップテープ1である。
【0012】
図1から図3に示されたグリップテープユニット100は、グリップテープ1が使用される前の状態におけるグリップテープユニットである。グリップテープ1の第1面11には第1保護フィルム2aが貼付されている。グリップテープ1は、固定部材3aおよび保形部3bに巻かれて梱包される。
【0013】
グリップテープユニット100は、グリップテープ1と、第1保護フィルム2aと、固定部材3aと、保形部3bと、両面テープ4とを主に備える。グリップテープ1を展開した場合(グリップテープ1が中央部1cにて2つ折りにされていない場合)、グリップテープ1は、第1端1aから第2端1bに延びる帯状のグリップテープ1である。グリップテープ1はラケットなどの用具のグリップ部に巻いて使用される。グリップテープ1は、たとえばグリップ部に巻かれているリプレイスメントテープの上に、更に巻き付けて使用されるオーバーグリップテープであってもよい。
【0014】
図2に示されているように、グリップテープ1が延在する方向をy方向とする。y方向に対して垂直な方向をx方向とする。x方向およびy方向に対して垂直な方向をz方向とする。
【0015】
図1に示されているように、グリップテープ1は、第1端1aと、第2端1bと、中央部1cとを含む。グリップテープ1を展開した場合、第2端1bは、当該グリップテープ1が延在する方向において第1端1aの反対に位置する。つまり、グリップテープ1を展開した場合、グリップテープ1は、x方向に沿って第1端1aから第2端1bまで延在する。
【0016】
グリップテープ1を展開した場合、中央部1cは、第1端1aと第2端1bとの間に位置する。図3に示されているように、第1端1aにおける第2面12と、第2端1bにおける第2面12とが互いに対面するように、中央部1cにてグリップテープ1が2つ折りにされている。
【0017】
図1から図3に示されているように、グリップテープ1は、第1面11と、第2面12とを有する。第1面11がグリップ部に対向するように、当該グリップテープ1をグリップ部に巻いてもよい。第2面12は、z方向において第1面11の反対に位置する。第1面11および第2面12の各々は、x方向およびy方向に延在している。つまり、第1面11および第2面12は、z方向に対して垂直な面である。グリップテープ1を2つ折りにした場合、図3に示されているように、第1端1aにおける第2面12は、第2端1bにおける第2面12に接触する。
【0018】
図3に示されているように、グリップテープ1は3層構造となっている。具体的には、グリップテープ1は、第1層d1と、第2層d2と、第3層d3とを含む。第1層d1は、第1面11を形成する。第3層d3は、第2面12を形成する。第2層d2は、z方向において第1層d1と第3層d3との間に配置されている。
【0019】
第1層d1、第2層d2、および第3層d3の各々を構成する材料は、ポリウレタン等の樹脂を含んでもよい。第1層d1、第2層d2、および第3層d3の各々は、外部からの衝撃を緩和する発泡体であってもよい。第1層d1、第2層d2、および第3層d3の各々は、伸縮性を有してもよい。第2層d2を構成する材料は、不織布を含んでもよい。
【0020】
第3層d3に含まれる樹脂の含有量は、第2層d2に含まれる樹脂の含有量より多くてもよい。第2層d2に含まれる樹脂の含有量は、第1層d1に含まれる樹脂の含有量より多くてもよい。この場合、第1面11を形成する第1層d1がグリップ部に対向するように、当該グリップテープ1をグリップ部に巻いてもよい。
【0021】
グリップテープ1は、グリップ部に複数回巻くことができる長さを有する。グリップテープ1は、たとえばグリップ部に8回以上巻かれてもよい。グリップテープ1を展開した場合、当該グリップテープ1のy方向における長さは、たとえば800mm以上であってもよく、1000mm以上であってもよく、1200mm以上であってもよい。
【0022】
グリップテープ1のx方向における幅w2は、50mm以下であってもよく、40mm以下であってもよく、30mm以下であってもよい。
【0023】
グリップテープ1の平面視において、グリップテープ1はテーパ部1dを有してよい。具体的には、図2に示されているように、第1端1aにおいてグリップテープ1の先端に向かって、x方向におけるグリップテープ1の幅が小さくなってもよい。異なる観点から言うと、x方向におけるグリップテープ1の第1端1aにおける幅w1は、x方向におけるグリップテープ1の第2端1bにおける幅w2よりも小さくてもよい。x方向におけるグリップテープ1の中央部1cにおける幅は、x方向におけるグリップテープ1の第2端1bにおける幅w2と同じであってもよい。グリップテープ1をグリップ部に巻き付ける際に、グリップテープ1のテーパ部1dをグリップ部の外周部に沿わせて、当該グリップテープ1をグリップ部に巻いてもよい。
【0024】
このようにすれば、グリップテープ1を2つ折りにした場合、図2に示されているように、グリップテープ1の平面視において、第2端1bにおける第2面12の一部が第1端1aと重ならずに露出する。つまり、グリップテープ1の平面視において、第2端1bの一部が、第1端1aに重ならない。異なる観点から言えば、グリップテープ1の第1端1aの第1面11と第2端1bの第2面12とが同じ方向に向くよう重ねて配置されている。
【0025】
図3に示されているように、第1保護フィルム2aは、第1面11に貼られている。第1面11は粘着性を有する。そのため、保形部3bに巻かれて梱包される際に、グリップテープ1が互いに固着しないように、当該グリップテープ1の表面(本実施の形態1では第1面11)に保護フィルム(第1保護フィルム2a)が貼られる。第1保護フィルム2aは、第1面11の全体を覆っている。
【0026】
図2に示されているように、第1端1aにおける第1面11上に両面テープ4が配置されてもよい。図3に示されているように、両面テープ4は、z方向において第1面11と第1保護フィルム2aとの間に配置されてもよい。なお、図2において、両面テープ4は点線で示されている。
【0027】
グリップテープ1をグリップ部に巻き付ける際、両面テープ4を用いてグリップテープ1の第1端1aをグリップ部に対して固定する。両面テープ4を用いてグリップテープ1をグリップ部に対して固定した箇所を起点にして、グリップテープ1はグリップ部に巻かれてもよい。
【0028】
ここで、本実施の形態に係るグリップテープユニット100の特徴は、図1から図3に示されるように、固定部材3aが、第1端1aにおける第1面11と第1保護フィルム2aを介して接続されるとともに、第2端1bにおける第2面12と接続されている点である。なお、図2において、固定部材3aは点線で示されている。
【0029】
図2に示されているように、固定部材3aは、第1保護フィルム2aの一部と、第2面12の一部(x方向において第1端1aから露出している部分)とを覆う。
【0030】
図3に示されているように、x方向において第1端1aから露出している第2面12に直接固定部材3aが接続されている。一方、x方向において第1端1aから第2端1bが露出していない領域においては、第1端1aは、固定部材3aと第2端1bとの間に配置されている。図3に示されているように、第1端1aにおける第1面11の一部と固定部材3aとの間に第1保護フィルム2aが配置されている。
【0031】
固定部材3aは、たとえば一方の面が粘着性を有するテープであってもよい。固定部材3aにおいて粘着性を有する面が、第1保護フィルム2aおよび第2面12に接触している。このようにして、固定部材3aは、第1面11と第2面12とを接続する。
【0032】
このようにすることで、第1端1aにて第1保護フィルム2aに貼られている固定部材3aをグリップテープ1が延在する方向に沿って移動させれば、固定部材3aの移動に伴い、第1面11に貼られている第1保護フィルム2aを第1面11から容易に剥がすことができる。
【0033】
保形部3bは、固定部材3aに接続されている。保形部3bは、y方向に延在している。図2に示されているように、固定部材3aは、保形部3bの一部を覆ってもよい。保形部3bは、固定部材3aを介して第1端1aにおける第1面11と、第2端1bにおける第2面12とに接続されている。保形部3bは、たとえば厚紙であってもよい。保形部3bは、包装容器であってもよい。保形部3bは、グリップテープ1を巻き付けることができれば任意の材料により構成されてもよい。保形部3bの形状は、板状、棒状など任意の形状とすることができる。図3に示されているように、z方向においてグリップテープ1は固定部材3aと保形部3bとの間に配置される。異なる観点から言えば、保形部3bの表面上に第2端1bおよび第1端1aが積層配置されている。第2端1bおよび第1端1aの両方に接続するように固定部材3aの一部が配置されている。固定部材3aの他の一部は保形部3bの表面に接続されている。つまり固定部材3aは第1端1aおよび第2端1bの上から保形部3bの表面上にまで延在している。固定部材3aは、第1端1aの第1保護フィルム2aに接続されるとともに、第1端1aおよび第2端1bを保形部3bに固定する。
【0034】
<作用効果>
本開示に従ったグリップテープユニット100は、グリップテープ1と、第1保護フィルム2aと、固定部材3aとを備える。グリップテープ1は、第1面11と、第2面12とを有する。第2面12は、第1面11の反対に位置する。第1保護フィルム2aは、第1面11に貼られている。グリップテープ1は、第1端1aと、第2端1bとを含む。第2端1bは、グリップテープ1が延在する方向において第1端1aの反対に位置する。固定部材3aは、第1端1aにおける第1面11と第1保護フィルム2aを介して接続されるとともに、第2端1bにおける第2面12と接続される。
【0035】
このようにすれば、固定部材3aをグリップテープ1の第1端1aから離れるように移動させることで、当該固定部材3aとともに第1面11に貼られている第1保護フィルム2aを第1面11から容易に剥がすことができる。その結果、第1保護フィルム2aをグリップテープ1から剥がす際に、グリップテープ1に皺が形成されにくい。また、短時間で第1保護フィルム2aをグリップテープ1から剥がすことができる。
【0036】
上記グリップテープユニット100によれば、グリップテープ1の第1端1aにおける幅w1は、第2端1bにおける幅w2よりも小さい。第1端1aは、固定部材3aと第2端1bとの間に配置されている。
【0037】
このようにすれば、グリップテープ1を2つ折りにした際に、第1端1aと第2端1bとを重ねても第2端1bの一部が第1端1aに覆われる事無く露出する。このため、固定部材3aは、第1端1aにおける第1面11と第2端1bにおける第2面12とを接続することができる。
【0038】
上記グリップテープユニット100によれば、グリップテープ1が延在する方向におけるグリップテープ1の中央部1cにて、グリップテープ1が2つ折りされている。
【0039】
このようにすれば、グリップテープ1を2つ折りにした際に、固定部材3aは、第1端1aにおける第1面11と第2端1bにおける第2面12とを接続することができる。
【0040】
(実施の形態2)
<グリップテープユニットの構造>
図4は、実施の形態2に係るグリップテープユニット100の概略斜視図である。図4は、図1に対応する。図5は、実施の形態2に係るグリップテープユニット100の概略拡大平面図である。図5は、図2に対応する、図6は、図5の線分VI-VIに沿った概略断面図である。図6は、図3に対応する。
【0041】
図4から図6に示されたグリップテープユニット100は、基本的には図1から図3に示されたグリップテープユニット100と同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、第2保護フィルム2bが第2面12に貼られている点で異なる。
【0042】
第2面12は粘着性を有する。そのため、グリップテープ1が保形部3bに巻かれて梱包される際に、本実施形態では、グリップテープ1が互いに接しないように当該グリップテープ1の両面(第1面11および第2面12)に保護フィルム(第1保護フィルム2aおよび第2保護フィルム2b)が貼られる。第2保護フィルム2bは、第2面12の全体を覆っている。
【0043】
図5に示されているように、第1端1aに両面テープ4が配置されてもよい。図6に示されているように、両面テープ4は、z方向において第2面12と第2保護フィルム2bとの間に配置されてもよい。なお、図5において、両面テープ4は点線で示されている。このようにすれば、第2面12を形成する第3層d3がグリップ部に対向するように、当該グリップテープ1をグリップ部に巻く場合に、両面テープ4によってグリップテープ1の第1端1aをグリップ部1に固定することができる。
【0044】
グリップテープ1を2つ折りにした場合、図6に示されているように、第1端1aにおける第2保護フィルム2bは、第2端1bにおける第2保護フィルム2bに接触する。
【0045】
図5に示されているように、固定部材3aは、第2端1bにおける第2面12と第2保護フィルム2bを介して接続される。つまり、固定部材3aは、第1端1aにおける第1保護フィルム2aと、第2端1bにおける第2保護フィルム2bとを接続する。なお、図5において、固定部材3aは点線で示されている。
【0046】
図6に示されているように、第2端1bにおける第2面12の一部(第1端1aから露出している部分)と固定部材3aとの間に第2保護フィルム2bが配置されている。
【0047】
<動作>
次に、実施の形態2に係るグリップテープユニット100における第1保護フィルム2aおよび第2保護フィルム2bを剥がす動作について説明する。図7は、実施の形態2に係るグリップテープユニット100における第2保護フィルム2bを剥がす動作を示す概略斜視図である。図8は、実施の形態2に係るグリップテープユニット100における第1保護フィルム2aを剥がす動作を示す概略斜視図である。なお、図7および図8において、固定部材3aの図示を省略している。
【0048】
まず、図7に示されているように、第2端1bにおける第2面12に貼られている第2保護フィルム2bを剥がす。具体的には、固定部材3aと共に保形部3bを第2端1bから中央部1cに向かって移動させる。このとき、固定部材3aに第2保護フィルム2bの端部(第2端1b側の端部)が接続されているので、当該第2保護フィルム2bが第2端1b側から順次剥がされていく。次に、保形部3bを中央部1cから第1端1aに向かって移動させる。保形部3bおよび固定部材3aの移動に伴い、第2面12に貼られている第2保護フィルム2bを中央部1c側から順次第2面12より剥がすことができる。第2保護フィルム2bを第2面12から剥がした後、第1端1a側に位置する固定部材3aは、第1端1aにおける第1面11に貼られている第1保護フィルム2aに接続された状態である。
【0049】
次に、図8に示されているように、第1端1a側から第1面11に貼られている第1保護フィルム2aを剥がす。具体的には、固定部材3aと共に保形部3bを第1端1aから第2端1bに向かって移動させる。このとき、固定部材3aに第1保護フィルム2aの端部(第1端1a側の端部)が接続されているので、当該第1保護フィルム2aが第1端1a側から順次剥がされていく。保形部3bおよび固定部材3aの移動に伴い、第1面11に貼られている第1保護フィルム2aを第1面11から剥がすことができる。このように、第2保護フィルム2b、第1保護フィルム2aの順に、グリップテープ1の両面に貼られている保護フィルムを容易に剥がすことができる。
【0050】
<グリップテープユニットの製造方法>
次に、実施の形態2に係るグリップテープユニット100の製造方法について説明する。図9は、実施の形態2に係るグリップテープユニット100の製造方法のフローチャートである。図9に示されるように、本実施の形態2に係るグリップテープユニット100の製造方法では、まず保護フィルムが貼られている第1面11および第1面11の反対に位置する第2面12を有するグリップテープ1と、固定部材3aとを準備する工程(S1)を実施する。
【0051】
図10は、実施の形態2に係るグリップテープユニット100の製造方法の一工程を示す概略斜視図である。図11は、図10の線分XI-XIに沿った概略断面図である。この工程(S1)では、図11に示されているように、第1面11に第1保護フィルム2aが貼られている。第2面12に第2保護フィルム2bが貼られていてもよい。
【0052】
次に、グリップテープ1を2つ折りにする工程(S2)を実施する。図12は、実施の形態2に係るグリップテープユニットの製造方法の一工程を示す概略斜視図である。図13は、図12の線分XIII-XIIIに沿った概略断面図である。この工程(S2)では、図12に示されているように、グリップテープ1が中央部1cにて2つ折りにされる。図13に示されているように第2面12が互いに対面するようにグリップテープ1が折られる。第2保護フィルム2bが互いに接触する。なお、第2保護フィルム2bが第2面12に貼られていない構成(実施の形態1に係るグリップテープユニットの構成)の場合、第2面12同士が接触する。
【0053】
次に、接続される工程(S3)を実施する。この工程では、グリップテープ1の第1端1aにおける第1面11と第1保護フィルム2aを介して固定部材3aが接続される。また、グリップテープ1が延在する方向において第1端1aの反対に位置する第2端1bにおける第2面12と固定部材3aとが接続される。図14は、実施の形態2に係るグリップテープユニット100の製造方法の一工程を示す概略側面図である。この工程(S3)では、第1端1aの第1面11側から固定部材3aを第1端1aおよび第2端1bに貼り付ける。つまり、固定部材3aを、第1保護フィルム2aを介して第1面11に接続するとともに、第2面12に接続する。固定部材3aは第2保護フィルム2bを介して第2面12に接続される。なお、第2保護フィルム2bが第2面12に貼られていない構成(実施の形態1に係るグリップテープユニットの構成)の場合、固定部材3aは第2面12に直接接続される。
【0054】
図14に示されているように、グリップテープ1が、z方向において固定部材3aおよび保形部3bに挟まれるように、固定部材3aは(第1端1aに位置する)第1保護フィルム2a、(第2端1bに位置する)第2保護フィルム2b、および保形部3bを接続する。
【0055】
次に、固定部材3aを中心にしてグリップテープ1を巻く工程(S4)を実施する。図15および図16は、実施の形態2に係るグリップテープユニット100の製造方法の一工程を示す概略斜視図である。なお、図15において、固定部材3aは点線で示されている。
【0056】
この工程(S4)では、図15に示されているように、固定部材3aおよび保形部3bを中心にしてグリップテープ1を巻く。その結果、図16に示されているように、固定部材3aの周りを中心にグリップテープ1が巻かれたグリップテープユニット100が得られる。
【0057】
固定部材3aの周りを中心に巻かれたグリップテープ1が解けないように、中央部1cにて粘着性を有するテープ5が配置されてもよい。テープ5は中央部1cと、当該中央部1cと対向するグリップテープ1に表面とを接続する。なお、図16において、保形部3bおよびテープ5は点線で示されている。保形部3bは、巻かれたグリップテープ1の形状を維持する。このようにして、グリップテープユニット100を得ることができる。なお、保形部3bを用いず固定部材3aのみを用いてグリップテープユニット100を構成してもよい。この場合、固定部材3aがある程度の形状安定性(たとえば剛性)を有する材料により構成されていてもよい。あるいは、上記の様に固定部材3aが接続されたグリップテープ1を、当該固定部材3aと接続されていない保形部3bを中心に巻回することでグリップテープユニット100を構成してもよい。
【0058】
<作用効果>
上記グリップテープユニット100は、第2保護フィルム2bを備える。第2保護フィルム2bは、第2面12に貼られている。固定部材3aは、第2端1bにおける第2面12と第2保護フィルム2bを介して接続される。
【0059】
このようにすれば、第2面12に貼られている第2保護フィルム2bを第2面12から容易に剥がすことができる。
【0060】
上記グリップテープユニット100は、保形部3bを備えている。保形部3bは、固定部材3aに接続されている。グリップテープ1は、固定部材3aを中心にして巻かれている。
【0061】
このようにすれば、固定部材3aおよび保形部3bを中心にしてグリップテープ1を巻いて梱包することができる。また、巻かれたグリップテープ1の形状を維持することができる。
【0062】
本開示に従ったグリップテープユニット100の製造方法は、第1保護フィルム2aが貼られている第1面11および第1面11の反対に位置する第2面12を有するグリップテープ1と、固定部材3aとを準備する工程(S1)と、グリップテープ1を2つ折りにする工程(S2)と、グリップテープ1の第1端1aにおける第1面11と第1保護フィルム2aを介して接続されるとともに、グリップテープ1が延在する方向において第1端1aの反対に位置する第2端1bにおける第2面12と固定部材3aが接続される工程(S3)と、固定部材3aを中心にしてグリップテープ1を巻く工程(S4)とを備える。
【0063】
このようにすれば、固定部材3aの周りを中心にグリップテープ1が巻かれたグリップテープユニット100が得られる。
【0064】
実施の形態1および2に係るグリップテープ1は、たとえば、バドミントン用ラケット、ピックルボール用ラケット、パデル用ラケット、クロケット用ラケット、ラクロス用スティック、ホッケー用スティック、野球バット、ゴルフクラブのグリップ部に使用されてもよい。実施の形態1および2に係るグリップテープ1は、使用者が把持する棒状のグリップ部に巻かれればよく、当該グリップテープ1が巻かれるグリップ部は、上記競技に使用されるラケット等のグリップ部に限定されない。
【0065】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。矛盾のない限り、今回開示された実施の形態の少なくとも2つ以上を組み合わせてもよい。本開示の基本的な範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均衡の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【0066】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
第1面と、前記第1面の反対に位置する第2面とを有するグリップテープと、
前記第1面に貼られている第1保護フィルムと、
固定部材とを備え、
前記グリップテープは、第1端と、前記グリップテープが延在する方向において前記第1端の反対に位置する第2端とを含み、
前記固定部材は、前記第1端における前記第1面と前記第1保護フィルムを介して接続されるとともに、前記第2端における前記第2面と接続される、グリップテープユニット。
(付記2)
前記第2面に貼られている第2保護フィルムを備え、
前記固定部材は、前記第2端における前記第2面と前記第2保護フィルムを介して接続される、付記1に記載のグリップテープユニット。
(付記3)
前記グリップテープの前記第1端における幅は、前記第2端における幅よりも小さく、
前記第1端は、前記固定部材と前記第2端との間に配置されている、付記1または付記2に記載のグリップテープユニット。
(付記4)
前記固定部材に接続されている保形部を備え、
前記グリップテープは、前記保形部を中心にして巻かれている、付記1から付記3のいずれか1項に記載のグリップテープユニット。
(付記5)
前記グリップテープが延在する方向における前記グリップテープの中央部にて、前記グリップテープが2つ折りされている、付記1から付記4のいずれか1項に記載のグリップテープユニット。
(付記6)
第1保護フィルムが貼られている第1面および前記第1面の反対に位置する第2面を有するグリップテープと、固定部材とを準備する工程と、
前記グリップテープを2つ折りにする工程と、
前記グリップテープの第1端における前記第1面と前記第1保護フィルムを介して接続されるとともに、前記グリップテープが延在する方向において前記第1端の反対に位置する第2端における前記第2面と前記固定部材が接続される工程と、
前記固定部材を中心にして前記グリップテープを巻く工程とを備える、グリップテープユニットの製造方法。
【符号の説明】
【0067】
1 グリップテープ、1a 第1端、1b 第2端、1c 中央部、1d テーパ部、2a 第1保護フィルム、2b 第2保護フィルム、3a 固定部材、3b 保形部、4 両面テープ、5 テープ、11 第1面、12 第2面、100 グリップテープユニット、d1 第1層、d2 第2層、d3 第3層、w1,w2 幅。
【要約】
【課題】保護フィルムを剥がすことが容易なグリップテープユニットおよびグリップテープユニットの製造方法を提供する。
【解決手段】グリップテープユニット100は、グリップテープ1と、第1保護フィルム2aと、固定部材3aとを備える。グリップテープ1は、第1面11と、第2面12とを有する。第2面12は、第1面11の反対に位置する。第1保護フィルム2aは、第1面11に貼られている。グリップテープ1は、第1端1aと、第2端1bとを含む。第2端1bは、グリップテープ1が延在する方向において第1端1aの反対に位置する。固定部材3aは、第1端1aにおける第1面11と第1保護フィルム2aを介して接続されるとともに、第2端1bにおける第2面12と接続される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16