(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-16
(45)【発行日】2024-12-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 1/3231 20190101AFI20241217BHJP
G06F 1/3287 20190101ALI20241217BHJP
【FI】
G06F1/3231
G06F1/3287
(21)【出願番号】P 2024028787
(22)【出願日】2024-02-28
【審査請求日】2024-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】西尾 匡史
(72)【発明者】
【氏名】和田 祐司
(72)【発明者】
【氏名】莫 立恒
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-011537(JP,A)
【文献】特開2018-011303(JP,A)
【文献】特開2018-099816(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26- 1/3296
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の検出範囲内に存在する物体を検知するためのセンサと、
システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、
前記プログラムに基づく前記システムの処理および前記センサを用いた処理を実行するプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記センサを用いて前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことを第1の時間に亘って検出した場合に、前記検出範囲内に人物が存在しないことを検出するとともに、前記第1の時間が経過する前に人物が存在しないことを示す第1情報を設定する人物検出処理と、
前記人物検出処理により前記第1情報が設定されたことに応じて、前記システムの処理により第2の時間の計測を開始する計時処理と、
前記人物検出処理により前記第1の時間に亘って前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことが検出され、且つ前記計時処理により前記第2の時間の計測が終了したことを条件として、前記システムの処理による機能の少なくとも一部を停止させる機能停止処理と、
を行
い、
前記人物検出処理において、前記第1の時間が経過する前に前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在することを検出した場合、前記第1情報から人物が存在することを示す第2情報へ設定を変更する、
情報処理装置。
【請求項2】
所定の検出範囲内に存在する物体を検知するためのセンサと、
システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、
前記プログラムに基づく前記システムの処理および前記センサを用いた処理を実行するプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記センサを用いて前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことを第1の時間に亘って検出した場合に、前記検出範囲内に人物が存在しないことを検出するとともに、前記第1の時間が経過する前に人物が存在しないことを示す第1情報を設定する人物検出処理と、
前記人物検出処理により前記第1情報が設定されたことに応じて、前記システムの処理により第2の時間の計測を開始する計時処理と、
前記人物検出処理により前記第1の時間に亘って前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことが検出され、且つ前記計時処理により前記第2の時間の計測が終了したことを条件として、前記システムの処理による機能の少なくとも一部を停止させる機能停止処理と、
を行
い、
前記人物検出処理において、前記第1の時間が経過する前に前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在することを検出した場合、前記計時処理により計測した前記第2の時間をリセットする、
情報処理装置。
【請求項3】
所定の検出範囲内に存在する物体を検知するためのセンサと、
システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、
前記プログラムに基づく前記システムの処理および前記センサを用いた処理を実行するプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記センサを用いて前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことを第1の時間に亘って検出した場合に、前記検出範囲内に人物が存在しないことを検出するとともに、前記第1の時間が経過する前に人物が存在しないことを示す第1情報を設定する人物検出処理と、
前記人物検出処理により前記第1情報が設定されたことに応じて、前記システムの処理により第2の時間の計測を開始する計時処理と、
前記人物検出処理により前記第1の時間に亘って前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことが検出され、且つ前記計時処理により前記第2の時間の計測が終了したことを条件として、前記システムの処理による機能の少なくとも一部を停止させる機能停止処理と、
を行
い、
前記プロセッサが前記人物検出処理により前記第1の時間が経過する前に設定する前記第1情報は、前記第2の時間の計測を開始させるための仮の設定であり、
前記人物検出処理により前記第1の時間に亘って前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことが検出された場合に、前記第1情報が示す人物が存在しないことの検出が確定される、
情報処理装置。
【請求項4】
所定の検出範囲内に存在する物体を検知するためのセンサと、
システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、
前記プログラムに基づく前記システムの処理および前記センサを用いた処理を実行するプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記センサを用いて前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことを第1の時間に亘って検出した場合に、前記検出範囲内に人物が存在しないことを検出するとともに、前記第1の時間が経過する前に人物が存在しないことを示す第1情報を設定する人物検出処理と、
前記人物検出処理により前記第1情報が設定されたことに応じて、前記システムの処理により第2の時間の計測を開始する計時処理と、
前記人物検出処理により前記第1の時間に亘って前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことが検出され、且つ前記計時処理により前記第2の時間の計測が終了したことを条件として、前記システムの処理による機能の少なくとも一部を停止させる機能停止処理と、
を行
い、
前記第1の時間は前記人物検出処理において定まる時間であり、
前記第2の時間は前記システムにおいてユーザが設定可能である、
情報処理装置。
【請求項5】
所定の検出範囲内に存在する物体を検知するためのセンサと、システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、前記プログラムに基づく前記システムの処理および前記センサを用いた処理を実行するプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記センサを用いて前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことを第1の時間に亘って検出した場合に、前記検出範囲内に人物が存在しないことを検出するとともに、前記第1の時間が経過する前に人物が存在しないことを示す第1情報を設定する人物検出ステップと、
前記人物検出ステップにより前記第1情報が設定されたことに応じて、前記システムの処理により第2の時間の計測を開始する計時ステップと、
前記人物検出ステップにより前記第1の時間に亘って前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことが検出され、且つ前記計時ステップにより前記第2の時間の計測が終了したことを条件として、前記システムの処理による機能の少なくとも一部を停止させる機能停止ステップと、
を含
み、
前記人物検出ステップにおいて、前記第1の時間が経過する前に前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在することを検出した場合、前記第1情報から人物が存在することを示す第2情報へ設定を変更する、
制御方法。
【請求項6】
所定の検出範囲内に存在する物体を検知するためのセンサと、システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、前記プログラムに基づく前記システムの処理および前記センサを用いた処理を実行するプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記センサを用いて前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことを第1の時間に亘って検出した場合に、前記検出範囲内に人物が存在しないことを検出するとともに、前記第1の時間が経過する前に人物が存在しないことを示す第1情報を設定する人物検出ステップと、
前記人物検出ステップにより前記第1情報が設定されたことに応じて、前記システムの処理により第2の時間の計測を開始する計時ステップと、
前記人物検出ステップにより前記第1の時間に亘って前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことが検出され、且つ前記計時ステップにより前記第2の時間の計測が終了したことを条件として、前記システムの処理による機能の少なくとも一部を停止させる機能停止ステップと、
を含
み、
前記人物検出ステップにおいて、前記第1の時間が経過する前に前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在することを検出した場合、前記計時ステップにより計測した前記第2の時間をリセットする、
制御方法。
【請求項7】
所定の検出範囲内に存在する物体を検知するためのセンサと、システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、前記プログラムに基づく前記システムの処理および前記センサを用いた処理を実行するプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記センサを用いて前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことを第1の時間に亘って検出した場合に、前記検出範囲内に人物が存在しないことを検出するとともに、前記第1の時間が経過する前に人物が存在しないことを示す第1情報を設定する人物検出ステップと、
前記人物検出ステップにより前記第1情報が設定されたことに応じて、前記システムの処理により第2の時間の計測を開始する計時ステップと、
前記人物検出ステップにより前記第1の時間に亘って前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことが検出され、且つ前記計時ステップにより前記第2の時間の計測が終了したことを条件として、前記システムの処理による機能の少なくとも一部を停止させる機能停止ステップと、
を含
み、
前記プロセッサが前記人物検出ステップにより前記第1の時間が経過する前に設定する前記第1情報は、前記第2の時間の計測を開始させるための仮の設定であり、
前記人物検出ステップにより前記第1の時間に亘って前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことが検出された場合に、前記第1情報が示す人物が存在しないことの検出が確定される、
制御方法。
【請求項8】
所定の検出範囲内に存在する物体を検知するためのセンサと、システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、前記プログラムに基づく前記システムの処理および前記センサを用いた処理を実行するプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法であって、
前記プロセッサが、
前記センサを用いて前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことを第1の時間に亘って検出した場合に、前記検出範囲内に人物が存在しないことを検出するとともに、前記第1の時間が経過する前に人物が存在しないことを示す第1情報を設定する人物検出ステップと、
前記人物検出ステップにより前記第1情報が設定されたことに応じて、前記システムの処理により第2の時間の計測を開始する計時ステップと、
前記人物検出ステップにより前記第1の時間に亘って前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことが検出され、且つ前記計時ステップにより前記第2の時間の計測が終了したことを条件として、前記システムの処理による機能の少なくとも一部を停止させる機能停止ステップと、
を含
み、
前記第1の時間は前記人物検出ステップにおいて定まる時間であり、
前記第2の時間は前記システムにおいてユーザが設定可能である、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人物が近づくと使用可能な動作状態に遷移し、人物が離れると一部の機能を除いて停止した待機状態に遷移する機器がある。例えば、特許文献1には、赤外線センサを用いて赤外線の強弱を検知することにより、人物が近づいてきたか否か、或いは人物が離れたか否かを検出して機器の動作状態を制御する技術が開示されている。また、近年、コンピュータビジョンなどの発展により、画像から顔を検出する際の検出精度が高くなってきている。そのため、赤外線センサによる人物の検出に代えて、顔検出が利用され始めている。
【0003】
赤外線センサによる人物の検出の場合には、単なる物体を人物として検出してしまわないように、動きの無いものは検出対象から除外する方法が取られることがある。一方、顔検出が利用して人物の検出を行う場合も、ポスターなどの顔を検出してしまうこともあるため、同様に動きの無いものは検出対象から除外する方法が取られることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように検出対象の動きの有無を人物の検出条件に加えると、人物ではない物体を人物として誤検出してしまう可能性を低減することができるが、その反面、少なからず検出に時間を要する。人物以外の動いている物体の有無、顔の画像が含まれるポスターが壁に貼ってあるか否かといったように検出対象の環境によって検出に要する時間は変化するが、おおよそ0~120秒ぐらい、典型的には40秒程度の時間を検出に要する場合もあった。
【0006】
ところで、近年、Windows(登録商標)などのシステムの設定で、人物の不在が検出されてから表示部をスクリーンオフするまでの時間が設定可能なものがあり、スクリーンオフするまでの設定時間が表示される。しかしながら、システム側の制御では、人物の不在が検出されてから設定時間の計時が開始されるため、人物の不在の検出に時間を要すると、実際に人物が離れてからスクリーンオフするまでの時間と設定時間とに大きな差が生じる場合があった。
【0007】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、人物が離れてからシステム側の制御を行うまでの時間とシステム側で設定されている当該制御の設定時間との差を低減させることができる情報処理装置、及び制御方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1態様に係る情報処理装置は、所定の検出範囲内に存在する物体を検知するためのセンサと、システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、前記プログラムに基づく前記システムの処理および前記センサを用いた処理を実行するプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記センサを用いて前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことを第1の時間に亘って検出した場合に、前記検出範囲内に人物が存在しないことを検出するとともに、前記第1の時間が経過する前に人物が存在しないことを示す第1情報を設定する人物検出処理と、前記人物検出処理により前記第1情報が設定されたことに応じて、前記システムの処理により第2の時間の計測を開始する計時処理と、前記人物検出処理により前記第1の時間に亘って前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことが検出され、且つ前記計時処理により前記第2の時間の計測が終了したことを条件として、前記システムの処理による機能の少なくとも一部を停止させる機能停止処理と、を行う。
【0009】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記人物検出処理において、前記第1の時間が経過する前に前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在することを検出した場合、前記第1情報から人物が存在することを示す第2情報へ設定を変更してもよい。
【0010】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記人物検出処理において、前記第1の時間が経過する前に前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在することを検出した場合、前記計時処理により計測した前記第2の時間をリセットしてもよい。
【0011】
上記情報処理装置において、前記プロセッサは、前記システムの処理による機能の少なくとも一部を停止させる場合、表示部をオフに制御してもよい。
【0012】
上記情報処理装置において、前記プロセッサが前記人物検出処理により前記第1の時間が経過する前に設定する前記第1情報は、前記第2の時間の計測を開始させるための仮の設定であり、前記人物検出処理により前記第1の時間に亘って前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことが検出された場合に、前記第1情報が示す人物が存在しないことの検出が確定されてもよい。
【0013】
上記情報処理装置において、前記第1の時間は前記人物検出処理において定まる時間であり、前記第2の時間は前記システムにおいてユーザが設定可能であってもよい。
【0014】
また、本発明の第2態様に係る、所定の検出範囲内に存在する物体を検知するためのセンサと、システムのプログラムを一時的に記憶するメモリと、前記プログラムに基づく前記システムの処理および前記センサを用いた処理を実行するプロセッサと、を備える情報処理装置における制御方法は、前記プロセッサが、前記センサを用いて前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことを第1の時間に亘って検出した場合に、前記検出範囲内に人物が存在しないことを検出するとともに、前記第1の時間が経過する前に人物が存在しないことを示す第1情報を設定する人物検出ステップと、前記人物検出ステップにより前記第1情報が設定されたことに応じて、前記システムの処理により第2の時間の計測を開始する計時ステップと、前記人物検出ステップにより前記第1の時間に亘って前記検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことが検出され、且つ前記計時ステップにより前記第2の時間の計測が終了したことを条件として、前記システムの処理による機能の少なくとも一部を停止させる機能停止ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明の上記態様によれば、人物が離れてからシステム側の制御を行うまでの時間とシステム側で設定されている当該制御の設定時間との差を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態に係る情報処理装置のHPD処理の概要を説明する図。
【
図2】実施形態に係る情報処理装置の外観の構成例を示す斜視図。
【
図3】実施形態に係る情報処理装置の人物の検出範囲の一例を示す図。
【
図4】実施形態に係る人物の離脱検出時のスクリーンオフ処理の一例を示す図。
【
図5】実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図。
【
図6】実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す概略ブロック図。
【
図7】実施形態に係る人物の離脱検出時の処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
[概要]
まず、第1の実施形態に係る情報処理装置1の概要について説明する。本実施形態に係る情報処理装置1は、例えば、ノートブック型のPC(Personal Computer;パーソナルコンピュータ)である。なお、情報処理装置1は、デスクトップ型PC、タブレット端末装置、スマートフォンなど、いずれの形態の情報処理装置であってもよい。
【0018】
情報処理装置1は、システムの動作状態として少なくとも通常動作状態(パワーオン状態)と待機状態との間を遷移可能である。通常動作状態とは、特に制限なく処理の実行が可能な動作状態であり、例えば、ACPI(Advanced Configuration and Power Interface)で規定されているS0状態に相当する。待機状態とは、システムの処理による機能の少なくとも一部が制限されている状態である。例えば、待機状態は、少なくとも表示部がオフ(スクリーンオフ)になる状態である。スクリーンオフとは、表示が停止して表示画面がオフになること(非表示になること)を指し、画面の輝度としては最小(ゼロ)となる。なお、スクリーンオフする前の通常動作状態での表示部の画面の輝度ことを、以下では「標準輝度」と称する。
【0019】
なお、待機状態は、スタンバイ状態、スリープ状態等であってもよく、Windows(登録商標)におけるモダンスタンバイや、ACPIで規定されているS3状態(スリープ状態)等に相当する状態であってもよい。
【0020】
以下では、システムの動作状態が待機状態から通常動作状態へ遷移することを起動と呼ぶことがある。待機状態では、一般的に通常動作状態よりも動作の活性度が低いため、情報処理装置1のシステムを起動させることは、情報処理装置1におけるシステムの動作を活性化させることになる。
【0021】
図1は、本実施形態に係る情報処理装置1のHPD処理の概要を説明する図である。情報処理装置1は、情報処理装置1の近傍に存在する人物(即ちユーザ)を検出する。この人物の存在を検出する人物検出処理のことを、HPD(Human Presence Detection)処理と称する。情報処理装置1は、HPD処理により人物の存在の有無を検出し、検出結果に基づいて情報処理装置1のシステムの動作状態を制御する。例えば、情報処理装置1は、
図1(A)に示すように、情報処理装置1の前(正面)に人物が存在しない状態(Absence)から存在する状態(Presence)への変化、即ち情報処理装置1へ人物が接近したこと(Approach)を検出した場合、ユーザが接近したと判定し、自動でシステムを起動して通常動作状態へ遷移させる。また、情報処理装置1は、
図1(B)に示すように、情報処理装置1の前に人物が存在している状態(Presence)では、ユーザが存在すると判定し、通常動作状態を継続させる。そして、情報処理装置1は、
図1(C)に示すように、情報処理装置1の前(正面)に人物が存在している状態(Presence)から存在しない状態(Absence)への変化、即ち情報処理装置1から人物が離脱したこと(Leave)を検出した場合には、ユーザが離脱したと判定し、スクリーンオフしてシステムを待機状態へ遷移させる。
【0022】
[情報処理装置の外観構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
情報処理装置1は、第1筐体10、第2筐体20、及びヒンジ機構15を備える。第1筐体10と第2筐体20は、ヒンジ機構15を用いて結合されている。第1筐体10は、第2筐体20に対して、ヒンジ機構15がなす回転軸の周りに相対的に回動可能である。第1筐体10と第2筐体20との回動による開き角を「θ」として図示している。
【0023】
第1筐体10は、Aカバー、ディスプレイ筐体とも呼ばれる。第2筐体20は、Cカバー、システム筐体とも呼ばれる。以下の説明では、第1筐体10と第2筐体20の側面のうち、ヒンジ機構15が備わる面を、それぞれ側面10c、20cと呼ぶ。第1筐体10と第2筐体20の側面のうち、側面10c、20cとは反対側の面を、それぞれ側面10a、20aと呼ぶ。図示において、側面20aから側面20cに向かう方向を「後」と呼び、側面20cから側面20aに向かう方向を「前」と呼ぶ。後方に対して右方、左方を、それぞれ「右」、「左」と呼ぶ。第1筐体10、第2筐体20の左側面をそれぞれ側面10b、20bと呼び、右側面をそれぞれ側面10d、20dと呼ぶ。また、第1筐体10と第2筐体20とが重なり合って完全に閉じた状態(開き角θ=0°の状態)を「閉状態」と呼ぶ。閉状態において第1筐体10と第2筐体20との互いに対面する側の面を、それぞれの「内面」と呼び、内面に対して反対側の面を「外面」と呼ぶ。また、閉状態に対して第1筐体10と第2筐体20とが開いた状態のことを「開状態」と呼ぶ。
【0024】
図2に示す情報処理装置1の外観は開状態の例を示している。開状態は、第1筐体10の側面10aと第2筐体20の側面20aとが離れた状態である。開状態では、第1筐体10と第2筐体20とのそれぞれの内面が表れる。開状態はユーザが情報処理装置1を使用する際の状態の一つであり、典型的には開き角θ=100~130°程度の状態で使用されることが多い。なお、開状態となる開き角θの範囲は、ヒンジ機構15よって回動可能な角度の範囲等に応じて任意に定めることができる。
【0025】
第1筐体10の内面には、表示部110が設けられている。表示部110は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどを含んで構成されている。また、第1筐体10の内面のうち表示部110の周縁の領域に、撮像部120が設けられている。例えば、撮像部120は、表示部110の周縁の領域のうち側面20a側に配置されている。なお、撮像部120が配置される位置は一例であって、第1筐体10の内面に対面する方向(前方)を向くことが可能であれば他の場所であってもよい。
【0026】
撮像部120は、開状態において、第1筐体10の内面に対面する方向(前方)の所定の撮像範囲を撮像する。所定の撮像範囲とは、撮像部120が有する撮像素子と撮像素子の撮像面の前方に設けられた光学レンズとによって定まる画角の範囲である。例えば、撮像部120は、情報処理装置1の前方(正面側)に存在する人物を含む画像を撮像することができる。
【0027】
また、第2筐体20の側面20bには、電源ボタン140が設けられている。電源ボタン140は、電源のオまたはオフ、待機状態から通常動作状態へ遷移、通常動作状態から待機状態への遷移などをユーザが指示するための操作子である。また、第2筐体20の内面には、ユーザの操作入力を受け付ける入力デバイスとして、キーボード151及びタッチパッド153が設けられている。なお、入力デバイスとして、キーボード151及びタッチパッド153に代えて、または加えて、タッチセンサが設けられてもよいし、マウスや外付けのキーボードが接続されてもよい。タッチセンサが設けられた構成の場合、表示部110の表示面に対応する領域が操作を受け付けるタッチパネルとして構成されてもよい。また、入力デバイスには、音声が入力されるマイクが含まれてもよい。
【0028】
なお、第1筐体10と第2筐体20とが閉じた閉状態では、第1筐体10の内面に設けられている表示部110、及び撮像部120と、第2筐体20の内面に設けられているキーボード151及びタッチパッド153は、互いに他方の筐体面で覆われ、機能を発揮できない状態となる。
【0029】
情報処理装置1は、前方(正面側)の所定の範囲における人物の存在を検出する。
図3は、本実施形態に係る情報処理装置1の人物の検出範囲の一例を示す図である。図示する例において、情報処理装置1の前方の検出範囲FoV(Field of View:検出視野角)が、人物の検出可能な範囲である。例えば、情報処理装置1は、前方(正面側)を撮像した撮像画像から顔が撮像されている顔領域を検出することにより、情報処理装置1の前(正面)に人物(ユーザ)が存在するか否かを判定する。検出範囲FoVは、情報処理装置1が撮像する撮像画角に相当する。情報処理装置1は、撮像画像から顔領域が検出された場合、ユーザが存在すると判定する。一方、情報処理装置1は、撮像画像から顔領域が検出されなかった場合、ユーザが存在しないと判定する。
【0030】
ここで、情報処理装置1が撮像画像から顔領域を検出する際に、ポスターなどの顔を検出してしまわないように、検出された顔領域に動きがあるか否かを判定し、動きのない物体は人物の検出対象から除外する。なお、情報処理装置1を使用する人物(ユーザ)の通常の揺れや動きをはるかに超える大きさまたは速さの動きがある場合も、人物の検出対象から除外する。このように、情報処理装置1は、撮像画像から顔領域を検出するだけでなく検出された顔領域(顔)に所定の動きがあるか否かも判定することによって、検出範囲FoVに人物が存在するか否かを検出する。即ち、情報処理装置1は、検出範囲FoVに所定の動きのある物体(例えば、顔)が存在するか否かによって、検出範囲FoVに人物が存在するか否かを検出する。
【0031】
動きの有無を判定して人物の在不在を検出するには、状況に応じて時間を要する。例えば、顔の画像が含まれるポスターが検出範囲FoV内に撮像される場合、検出に時間がかかる傾向にある。例えば、情報処理装置1は、人物の離脱(Leave)を検出するのに40秒程度の時間を要した場合、実際に人物が離れてから、HPD処理により人物が離脱(Leave)したことを検出するまでに40秒程度の時間を要することになる。
【0032】
一方、Windows(登録商標)などのOS(Operating System)側の設定で、人物が存在しないことが検出されてから表示部110をスクリーンオフするまでの時間が設定可能なものがあり、スクリーンオフするまでの設定時間が表示される。OS側での設定時間の計時は人物が存在しないことが検出されてから開始される。例えば、この設定時間が30秒に設定されている場合、人物の離脱(Leave)が検出されてから(人物が存在しないことが検出されてから)設定時間の計時が開始されてしまうと、実際に人物が離れてからスクリーンオフするまでに70秒程度の時間がかかることとなる。その場合、設定時間(30秒)との差が大きくユーザに違和感を与えることや、不具合を想起させてしまうことも考えられるため好ましくない。
【0033】
そこで、本実施形態に係る情報処理装置1は、人物の離脱(Leave)を検出するのに時間(例えば、40秒程度)を要する場合も、その時間が経過する前に、検出中に人物が離脱(Leave)したものとして、人物が存在しないことをOS側に通知する。これにより、OS側の設定時間の掲示の開始を早め、実際に人物が離れてからスクリーンオフするまでの時間を短縮することができ、設定時間(30秒)との差を低減させることができる。
【0034】
図4は、本実施形態に係る人物の離脱(Leave)検出時のスクリーンオフ処理の一例を示す図である。この図は、横軸を時間(t)とし、人物の離脱(Leave)検出時のシステムの動作、ユーザの状態、HPD処理、およびシステム処理(OS側の処理)を時系列に示している。
【0035】
時刻t0では、ユーザは、情報処理装置1の前方(検出範囲FoV)に存在する状態である。情報処理装置1は、通常動作状態で表示部110の画面の輝度は標準輝度である。情報処理装置1は、HPD処理により検出範囲FoV内に人物が存在することを検出しており、HPD処理の検出結果として「Presence=True」に設定する。
【0036】
時刻t1でユーザが離脱(Leave)すると、情報処理装置1は、HPD処理により検出範囲FoV内に所定の動きがある物体を検出しない状態(No motion)となり、その状態が継続する時間を計測するタイマ(以下、「モーション検出タイマ」と称する)による計時を進める。モーション検出タイマは、所定の動きがある物体を検出する度にリセットする。
【0037】
情報処理装置1は、HPD処理により検出範囲FoV内に所定の動きがある物体を検出しない状態のままモーション検出タイマによる計時が終了すると(時刻t3)、人物が離脱したこと(Leave)を検出する。即ち、情報処理装置1は、モーション検出タイマにより計測する検出時間(例えば、40秒)に亘って検出範囲FoV内に所定の動きのある物体が存在しないことを検出した場合、検出範囲FoV内に人物が存在しないことを検出する。
【0038】
また、情報処理装置1は、時刻t3で人物が離脱したこと(Leave)を検出する前の時刻t2に、HPD処理の検出結果を人物が存在しないことを示す「Presence=False」に設定する。時刻t2は、例えば、モーション検出タイマが時刻t1に計時を開始してから10秒後に設定されている。つまり、情報処理装置1は、10秒間に亘って検出範囲FoV内に所定の動きのある物体が存在しないことを検出した場合、人物が離脱したこと(Leave)を確認する前に、「Presence=False」に設定する。
【0039】
情報処理装置1は、HPD処理により「Presence=False」が設定されたことに応じて、システム処理(OS側の処理)により、スクリーンオフするまでの設定時間の計測を開始する。スクリーンオフするまでの設定時間(スクリーンオフ設定時間)を計測するタイマのことを、「スクリーンオフタイマ」と称する。スクリーンオフタイマは、「Presence=True」が設定されている場合には計時を行わずにリセットされており、「Presence=False」が設定されたことに応じて計時を開始する。
【0040】
そして、情報処理装置1は、人物が離脱したこと(Leave)を確認した時刻t3の後、且つスクリーンオフタイマの計測が終了したことを条件として、時刻t4でシステムの処理によりスクリーンオフして待機状態へ遷移する。このように、情報処理装置1は、所定の動きがある物体を検出しない状態(No motion)となった場合、時刻t3で人物が離脱したこと(Leave)を検出(確認)する前の時刻t2からスクリーンオフタイマの計時を開始するため、時刻t3からスクリーンオフタイマの計時を開始する場合よりも、スクリーンオフ設定時間との差を低減することができる。例えば、スクリーンオフ設定時間が30秒に設定されている場合、時刻t3からスクリーンオフタイマの計時を開始すると、実際に人物が離れてからスクリーンオフするまでの時間が70秒となる。これに対し、情報処理装置1は、実際に人物が離れてからスクリーンオフするまでの時間が40秒となるため、スクリーンオフ設定時間との差を低減することができ、好ましい。
【0041】
また、時刻t2で「Presence=False」に設定した後、時刻t3までの間に、HPD処理により検出範囲FoV内に所定の動きがある物体を検出した場合には、「Presence=True」に設定を変更し、モーション検出タイマをリセットする。これにより、情報処理装置1は、人物が離脱したこと(Leave)を検出(確認)する前に「Presence=False」に設定しても、人物が離脱していなければ(人物が存在していることが検出されれば)、「Presence=True」に設定を戻すため、人物が離脱していないのに誤ってスクリーンオフしてしまうことがない。
【0042】
なお、時刻t1から時刻t2までの時間は、所定の動きがある物体を検出しない状態(No motion)を検出する最小の時間として設定されており、一例として10秒で説明したが、10秒に限られるものではない。時刻t1から時刻t2までの時間は、時刻t1から時刻t3までの時間よりも短い時間であればよい。ただし、時刻t1から時刻t2までの時間が短いほど、実際に人物が離れてからスクリーンオフするまでの時間と、スクリーンオフ設定時間との差を低減する効果が高い。時刻t1から時刻t2までの時間を短くしても、時刻t2から時刻t3までの間に所定の動きがある物体を検出した場合には、「Presence=True」に設定を戻すため問題がない。
【0043】
また、時刻t1から時刻t3までの時間(検出時間)は、スクリーンオフ設定時間と同一の時間に設定、或いはスクリーンオフ設定時間より短い時間に設定されることが好ましい。そのように設定されることで、人物が離脱したこと(Leave)を検出(確認)する前に、スクリーンオフタイマの計時が終了してしまうことが無い。
【0044】
[情報処理装置のハードウェア構成]
図5は、本実施形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図である。この
図5において、
図2の各部に対応する構成には同一の符号を付している。情報処理装置1は、表示部110、撮像部120、電源ボタン140、入力デバイス150、通信部160、記憶部170、EC(Embedded Controller)200、メイン処理部300、顔検出部320、及び電源部400を含んで構成される。
【0045】
表示部110は、メイン処理部300により実行されるシステム処理及びシステム処理上で動作するアプリケーションプログラムの処理等に基づいて生成された表示データ(画像)を表示する。
【0046】
撮像部120は、第1筐体10の内面に対面する方向(前方)の所定の撮像範囲(画角)内の物体の像を撮像し、撮像した画像をメイン処理部300及び顔検出部320へ出力する。例えば、撮像部120は、可視光を用いて撮像する可視光カメラ(RGBカメラ)である。なお、撮像部120は、赤外線を用いて撮像する赤外線カメラ(IRカメラ)をさらに備えてもよい。
【0047】
電源ボタン140は、ユーザの操作に応じて操作信号をEC200へ出力する。入力デバイス150は、ユーザの入力を受け付ける入力部であり、例えばキーボード151及びタッチパッド153を含んで構成されている。入力デバイス150は、キーボード151及びタッチパッド153に対する操作を受け付けることに応じて、操作内容を示す操作信号をEC200へ出力する。
【0048】
通信部160は、無線または有線による通信ネットワークを介して他の機器と通信可能に接続し、各種のデータの送信および受信を行う。例えば、通信部160は、イーサネット(登録商標)等の有線LANインターフェースやWi-Fi(登録商標)等の無線LANインターフェース等を含んで構成されている。
【0049】
記憶部170は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、RAM、ROMなどの記憶媒体を含んで構成される。記憶部170は、OS、デバイスドライバ、アプリケーションなどの各種のプログラム、その他、プログラムの動作により取得した各種のデータを記憶する。
【0050】
電源部400は、情報処理装置1の各部の動作状態に応じて各部へ電力を供給する。電源部400は、DC(Direct Current)/DCコンバータを備える。DC/DCコンバータは、AC(Alternate Current)/DCアダプタもしくはバッテリー(電池パック)から供給される直流電力の電圧を、各部で要求される電圧に変換する。DC/DCコンバータで電圧が変換された電力が各電源系統を介して各部へ供給される。例えば、電源部400は、EC200から入力される制御信号に基づいて各電源系統を介して各部に電力を供給する。
【0051】
EC200は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびI/O(Input/Output)ロジック回路などを含んで構成されたマイクロコンピュータである。EC200のCPUは、自部のROMに予め記憶した制御プログラム(ファームウェア)を読み出し、読み出した制御プログラムを実行して、その機能を発揮する。EC200は、メイン処理部300とは独立に動作し、メイン処理部300の動作を制御し、その動作状態を管理する。また、EC200は、電源ボタン140、入力デバイス150、及び電源部400等と接続されている。
【0052】
例えば、EC200は、電源部400と通信を行うことにより、バッテリーの状態(残容量など)の情報を電源部400から取得するとともに、情報処理装置1の各部の動作状態に応じた電力の供給を制御するための制御信号などを電源部400へ出力する。また、EC200は、電源ボタン140や入力デバイス150から操作信号を取得し、取得した操作信号のうちメイン処理部300の処理に関連する操作信号についてはメイン処理部300へ出力する。
【0053】
メイン処理部300は、CPU(Central Processing Unit)301、GPU(Graphic Processing Unit)302、チップセット303、及びシステムメモリ304を含んで構成され、OS(Operating System)に基づくシステム処理によって、OS上で各種のアプリケーションプログラムの処理が実行可能である。
【0054】
CPU301は、BIOSのプログラムに基づく処理、OSのプログラムに基づく処理、OS上で動作するアプリケーションプログラムに基づく処理などを実行する。CPU301は、チップセット303からの制御に基づいてシステムの動作状態を制御する。例えば、CPU301は、システムの動作状態を待機状態から通常動作状態に遷移させる起動処理を実行する。また、CPU301は、システムの動作状態を通常動作状態から表示部110をスリープオフして待機状態へ遷移させる処理を実行する。
【0055】
GPU302は、表示部110に接続されている。GPU302は、CPU301の制御に基づいて画像処理を実行して表示データを生成する。GPU302は、生成した表示データを表示部110に出力する。
【0056】
チップセット303は、メモリコントローラとしての機能及びI/Oコントローラとしての機能などを有する。例えば、チップセット303は、CPU301及びGPU302によるシステムメモリ304、記憶部170などからのデータの読出し、書込みを制御する。また、チップセット303は、通信部160、表示部110およびEC200からのデータの入出力を制御する。また、チップセット303は、センサハブとしての機能を有する。例えば、チップセット303は、顔検出部320から取得する顔検出処理による検出結果などを取得する。例えば、チップセット303は、顔検出部320から取得する情報に基づいて、人物(ユーザ)を検出するHPD処理などを実行する。
【0057】
システムメモリ304は、CPU301で実行されるプログラムの読み込み領域ならびに処理データを書き込む作業領域などとして用いられる。また、システムメモリ304は、撮像部120で撮像された撮像画像の画像データを一時的に記憶する。
【0058】
なお、CPU301、GPU302、及びチップセット303は、一体化された一つのプロセッサとして構成されてもよいし、一部またはそれぞれが個々のプロセッサとして構成されてもよい。例えば、通常動作状態では、CPU301、GPU302、及びチップセット303のいずれも動作している状態となるが、待機状態では、チップセット303の少なくとも一部のみが動作している状態となる。待機状態では、少なくとも起動時のHPD処理に必要な機能が動作している。
【0059】
顔検出部320は、撮像部120により撮像された撮像画像の画像データを処理するプロセッサを含んで構成されている。顔検出部320は、撮像部120により撮像された撮像画像の画像データを取得し、取得した画像データをメモリに一時的に保存する。画像データを保存するメモリは、システムメモリ304であってもよいし、顔検出部320に含まれる上記プロセッサと接続されたメモリであってもよい。
【0060】
例えば、顔検出部320は、撮像部120から取得した撮像画像の画像データを処理することにより、撮像画像から顔領域の検出を行う顔検出処理、および顔検出処理による検出結果に基づく処理などを行う。
【0061】
[情報処理装置の機能構成]
次に、情報処理装置1におけるHPD処理に関する機能構成について詳しく説明する。
【0062】
図6は、本実施形態に係る情報処理装置1の機能構成の一例を示す概略ブロック図である。情報処理装置1は、システム処理部310と、HPD処理部321とを備えている。
【0063】
HPD処理部321は、顔検出部320による処理、または顔検出部320およびチップセット303による処理によりHPD処理(人物検出処理)を実行する機能構成である。例えば、HPD処理部321は、人物検出部322と、モーション検出タイマ333と、検出結果出力部334とを備えている。
【0064】
人物検出部322は、撮像部120から取得した撮像画像から検出された顔領域に基づいて、検出範囲FoV内に人物が存在するか否かを検出する。例えば、人物検出部322は、撮像部120を用いて検出範囲FoV内に所定の動きのある物体(ここでは、顔領域)が存在するか否かを検出する。人物検出部322は、所定の動きのある顔領域が存在した場合には、検出範囲FoV内に人物が存在することを検出する。人物検出部322は、検出範囲FoV内に人物が存在することを検出すると、検出結果として「Presence=True」に設定する。
【0065】
一方、人物検出部322は、所定の動きのある顔領域が存在しないことを所定の検出時間(例えば、
図4の時刻t1から時刻t3の時間)に亘って検出した場合に、検出範囲FoV内に人物が存在しないことを検出する。このとき、人物検出部322は、モーション検出タイマ333を用いて所定の検出時間を計測する。
【0066】
ここで、人物検出部322は、検出範囲FoV内に顔領域が存在しないことを検出する際に、所定の検出時間(例えば、
図4の時刻t1から時刻t3の時間)が経過する前(例えば、
図4の時刻t2)に「Presence=False」に設定する。この人物検出部322により所定の検出時間が経過する前に設定する「Presence=False」は、スクリーンオフ設定時間の計測を開始させるための仮の設定である。そして、人物検出部322により所定の検出時間(例えば、
図4の時刻t1から時刻t3の時間)に亘って検出範囲FoV内に所定の動きのある顔領域が存在しないことが検出された場合(例えば、
図4の時刻t3)に、「Presence=False」が示す人物が存在しないことの検出が確定される。
【0067】
なお、人物検出部322は、「Presence=False」に設定した後、この所定の検出時間(例えば、
図4の時刻t1から時刻t3の時間)が経過する前に検出範囲FoV内に所定の動きのある顔領域が存在することを検出した場合、「Presence=False」から「Presence=True」へ設定を変更する。この所定の検出時間は、HPD処理において定まる時間である。
【0068】
また、人物検出部322は、「Presence=False」に設定した後、この所定の検出時間(例えば、
図4の時刻t1から時刻t3の時間)が経過する前に検出範囲FoV内に所定の動きのある顔領域が存在することを検出した場合、モーション検出タイマ333により計測した時間をリセットする。
【0069】
モーション検出タイマ333は、
図4を参照して説明したように、上記の所定の検出時間(例えば、
図4の時刻t1から時刻t3の時間)を計測するタイマである。
【0070】
検出結果出力部334は、人物検出部322の検出結果として設定された「Presence=True」または「Presence=False」をシステム処理部310へ出力する。
【0071】
システム処理部310は、CPU301がOSのシステムの処理を実行することにより実現される機能構成である。例えば、システム処理部310は、OSの処理による機能構成として、検出結果取得部311と、スクリーンオフ時間設定部312と、スクリーンオフタイマ313と、動作制御部314とを備えている。
【0072】
検出結果取得部311とは、HPD処理部321から出力された「Presence=True」または「Presence=False」を取得する。
【0073】
スクリーンオフ時間設定部312は、ユーザの操作などに基づいてスクリーンオフ設定時間を設定する。例えば、スクリーンオフ設定時間は、OSのシステム設定の中でユーザが設定可能である。
【0074】
スクリーンオフタイマ313は、検出結果取得部311が「Presence=False」を取得すると、スクリーンオフ時間設定部312により設定されたスクリーンオフ設定時間(例えば、
図4の時刻t2から時刻t4の時間)の計測を開始する。即ち、スクリーンオフタイマ313は、人物検出部322により「Presence=False」が設定されたことに応じて、システムの処理によりスクリーンオフ設定時間の計測を開始する。
【0075】
動作制御部314は、HPD処理による検出結果に基づいて、システムの処理(動作状態など)を制御する。例えば、動作制御部314は、所定の検出時間(例えば、
図4の時刻t1から時刻t3の時間)に亘って人物検出部322により検出範囲FoV内に所定の動きのある顔領域が存在しないことが検出され、且つスクリーンオフタイマ313によりスクリーンオフ設定時間(例えば、
図4の時刻t2から時刻t4の時間)の計測が終了したことを条件として、システムの処理による機能の少なくとも一部を停止させる。一例として、動作制御部314は、システムの処理による機能の少なくとも一部を停止させる場合、表示部110をスクリーンオフに制御して待機状態へ遷移させる。
【0076】
[人物の離脱検出時の処理の動作]
次に、
図7を参照して、情報処理装置1がHPD制御処理により人物の離脱を検出したときの処理の動作について説明する。
【0077】
図7は、本実施形態に係る人物の離脱検出時の処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、情報処理装置1は、通常動作状態で「Presence=True」に設定されているものとする。
【0078】
(ステップS101)HPD処理部321は、モーション検出タイマ333をリセットし、検出時間の計時を開始する。そして、ステップS103の処理へ進む。
【0079】
(ステップS103)HPD処理部321は、検出範囲FoV内に所定の動きのある物体(ここでは、顔領域)が存在するか否かを検出する。そして、HPD処理部321は、モーション検出タイマ333が計測した10秒間の検出で、検出範囲FoV内に所定の動きのある物体(ここでは、顔領域)を検出したか否かを判定する。HPD処理部321は、所定の動きのある物体(ここでは、顔領域)を検出したと判定した場合(YES)、ステップS101の処理へ戻る。一方、HPD処理部321は、所定の動きのある物体(ここでは、顔領域)を検出しないと判定した場合(NO)、ステップS105の処理へ進む。
【0080】
(ステップS105)HPD処理部321は、スクリーンオフタイマ313の計時を開始させるために、「Presence=False」に設定(仮の設定)してシステム処理部310へ出力する。そして、ステップS107の処理へ進む。
【0081】
(ステップS107)システム処理部310は、HPD処理部321から出力された「Presence=False」を取得すると、スクリーンオフタイマ313をリセットし、スクリーンオフ設定時間の計時を開始する。そして、ステップS109の処理へ進む。
【0082】
(ステップS109)HPD処理部321は、ステップS103の処理に引き続き、モーション検出タイマ333が計測した30秒間の検出で、検出範囲FoV内に所定の動きのある物体(ここでは、顔領域)を検出したか否かを判定する。HPD処理部321は、所定の動きのある物体(ここでは、顔領域)を検出したと判定した場合(YES)、ステップS111の処理へ進み、「Presence=True」に設定を変更した後にステップS101の処理へ戻る。一方、HPD処理部321は、所定の動きのある物体(ここでは、顔領域)を検出しないと判定した場合(NO)、人物が存在しないことの検出(「Presence=False」)を確定し、ステップS113の処理へ進む。
【0083】
(ステップS113)システム処理部310は、スクリーンオフタイマ313によるスクリーンオフ設定時間の計時を終了すると、ステップS115の処理へ進む。
【0084】
(ステップS113)システム処理部310は、表示部110をスクリーンオフして、待機状態へ遷移させる。
【0085】
[実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る情報処理装置1は、所定の検出範囲FoV内に存在する物体(例えば、顔)を検知するための撮像部120(センサの一例)と、システム(例えば、OS)のプログラムを一時的に記憶するシステムメモリ304(メモリの一例)と、上記プログラムに基づくシステムの処理および撮像部120を用いた処理を実行するプロセッサ(例えば、CPU301、チップセット303、顔検出部320など)とを備えている。情報処理装置1は、撮像部120を用いて検出範囲FoV内に所定の動きのある物体(例えば、顔)が存在しないことを所定の検出時間(第1の時間の一例)に亘って検出した場合に、検出範囲FoV内に人物が存在しないことを検出するとともに、所定の検出時間が経過する前に人物が存在しないことを示す「Presence=False」(第1情報の一例)を設定するHPD処理(人物検出処理)を行う。また、情報処理装置1は、HPD処理により「Presence=False」が設定されたことに応じて、システムの処理によりスクリーンオフ設定時間(第2の時間の一例)の計測を開始する計時処理を行う。そして、情報処理装置1は、HPD処理により所定の検出時間に亘って検出範囲FoV内に所定の動きのある物体(例えば、顔)が存在しないことが検出され、且つ計時処理によりスクリーンオフ設定時間の計測が終了したことを条件として、システムの処理による機能の少なくとも一部を停止(例えば、スクリーンオフ)させる機能停止処理を行う。
【0086】
これにより、情報処理装置1は、検出範囲FoV内に人物が存在しないことを検出する際に、検出に要する時間が経過する前にスクリーンオフ設定時間の計時を開始させるため、人物が離れてからシステム側の制御を行うまでの時間とシステム(OS)側で設定されている当該制御の設定時間との差を低減させることができる。
【0087】
また、情報処理装置1は、上記HPD処理において、所定の検出時間が経過する前に検出範囲FoV内に所定の動きのある物体(例えば、顔)が存在することを検出した場合、「Presence=False」から人物が存在することを示す「Presence=True」(第2情報の一例)へ設定を変更する。
【0088】
これにより、情報処理装置1は、検出範囲FoV内に人物が存在しないことを検出する際に、検出に要する時間が経過する前に人物が存在することが検出された場合には、人物が存在することを正しく検出することができる。
【0089】
また、情報処理装置1は、上記HPD処理において、所定の検出時間が経過する前に検出範囲FoV内に所定の動きのある物体(例えば、顔)が存在することを検出した場合、上記計時処理により計測したスクリーンオフ設定時間をリセットする。
【0090】
これにより、情報処理装置1は、検出範囲FoV内に人物が存在しないことを検出する際に、検出に要する時間が経過する前に人物が存在することが検出された場合には、表示部110をスクリーンオフしてしまわないように、正しく制御することができる。
【0091】
また、情報処理装置1は、システムの処理による機能の少なくとも一部を停止させる場合、表示部110をスクリーンオフ(オフ)に制御する。
【0092】
これにより、情報処理装置1は、人物が離れたときには表示部110をスクリーンオフして消費電力を低減することができる。また、情報処理装置1は、人物が離れたときには表示部110に表示されている内容が他人から見えなくなるため、セキュリティを向上させることができる。
【0093】
ここで、情報処理装置1が上記HPD処理により所定の検出時間が経過する前に設定する「Presence=False」は、スクリーンオフ設定時間の計測を開始させるための仮の設定である。また、HPD処理により所定の検出時間に亘って検出範囲FoV内に所定の動きのある物体(例えば、顔)が存在しないことが検出された場合に、「Presence=False」が示す人物が存在しないことの検出が確定される。
【0094】
これにより、情報処理装置1は、検出範囲FoV内に人物が存在しないことを検出する際に、検出に要する時間が経過する前に仮に「Presence=False」に設定することにより、検出が確定するのを待たずにスクリーンオフ設定時間の計時を開始させることができる。よって、情報処理装置1は、人物が離れてからシステム側の制御を行うまでの時間とシステム(OS)側で設定されている当該制御の設定時間との差を低減させることができる。
【0095】
所定の検出時間は上記HPD処理において定まる時間であり、スクリーンオフ設定時間はシステムにおいてユーザが設定可能である。
【0096】
これにより、情報処理装置1は、HPD処理における検出時間と、システム(OS)側でユーザが設定したスクリーンオフ設定時間との齟齬によるユーザへの影響を抑制することができる。
【0097】
また、本実施形態に係る、所定の検出範囲FoV内に存在する物体(例えば、顔)を検知するための撮像部120(センサの一例)と、システム(例えば、OS)のプログラムを一時的に記憶するシステムメモリ304(メモリの一例)と、上記プログラムに基づくシステムの処理および撮像部120を用いた処理を実行するプロセッサ(例えば、CPU301、チップセット303、顔検出部320など)とを備える情報処理装置1における制御方法は、プロセッサが、撮像部120を用いて検出範囲FoV内に所定の動きのある物体(例えば、顔)が存在しないことを所定の検出時間(第1の時間の一例)に亘って検出した場合に、検出範囲FoV内に人物が存在しないことを検出するとともに、所定の検出時間が経過する前に人物が存在しないことを示す「Presence=False」(第1情報の一例)を設定する人物検出ステップと、人物検出ステップにより「Presence=False」が設定されたことに応じて、システムの処理によりスクリーンオフ設定時間(第2の時間の一例)の計測を開始する計時ステップと、人物検出ステップにより所定の検出時間に亘って検出範囲FoV内に所定の動きのある物体(例えば、顔)が存在しないことが検出され、且つ計時ステップによりスクリーンオフ設定時間の計測が終了したことを条件として、システムの処理による機能の少なくとも一部を停止(例えば、スクリーンオフ)させる機能停止ステップと、を含む。
【0098】
これにより、情報処理装置1における制御方法は、検出範囲FoV内に人物が存在しないことを検出する際に、検出に要する時間が経過する前にスクリーンオフ設定時間の計時を開始させるため、人物が離れてからシステム側の制御を行うまでの時間とシステム(OS)側で設定されている当該制御の設定時間との差を低減させることができる。
【0099】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述の実施形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。
【0100】
また、上記実施形態では、情報処理装置1に撮像部120が内蔵されている構成例を説明したが、これに限られるものではない。例えば、撮像部120は、情報処理装置1に内蔵されていなくてもよく、情報処理装置1の外部アクセサリとして情報処理装置1(例えば、側面10a、10b、10c等のいずれか)に取り付け可能に構成され、無線または有線で情報処理装置1と通信接続されるものであってもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、情報処理装置1は、撮像画像の中から顔が撮像されている顔領域を検出することにより人物の存在を検出したが、物体までの距離を測定する測距センサを用いて人物の存在を検出してもよい。例えば、測距センサは、第1筐体10の内面側に設けられ、第1筐体10の内面に対面する方向(前方)の検出範囲内に存在する物体を検出する。測距センサを用いる場合も上記実施形態と同様に、所定の検出時間に亘って所定の動きがある物体を人物として検出することができる。一例として、測距センサは、所定のサンプリング周期(例えば、1Hz)で前方へ赤外線を発光し、発光した赤外線の反射光を受光することにより、発光から受光までの時間差を距離に換算するToF(Time of Flight)方式のセンサであってもよい。
【0102】
なお、測距センサは、発光ダイオードが発光する赤外線を用いたセンサであってもよいし、発光ダイオードが発光する赤外線よりも波長帯域が狭い光線を発光する赤外線レーザを用いたセンサであってもよい。また、測距センサは、赤外線を用いた測距センサに限定されるものでなく、物体との距離を検出するセンサであれば、超音波センサまたはUWB(Ultra Wide Band)レーダを用いたセンサ等の他の方式を用いたセンサを用いてもよい。また、測距センサは、情報処理装置1に内蔵されていなくてもよく、情報処理装置1の外部アクセサリとして情報処理装置1(例えば、側面10a、10b、10c等のいずれか)に取り付け可能に構成され、無線または有線で情報処理装置1と通信接続されるものであってもよい。また、撮像部120と測距センサとが一体に構成されてもよい。
【0103】
また、CPU301(第1プロセッサの一例)とチップセット303(第2プロセッサの一例)とは個別のプロセッサとして構成されてもよいし、1つのプロセッサとして一体化して構成されてもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、顔検出部320がメイン処理部300とは別に備えられている例を示したが、顔検出部320の一部または全部は、メイン処理部300と一体化されて構成されてもよい。また、顔検出部320の一部または全部は、メイン処理部300が備えるいずれかのプロセッサ(CPU301またはチップセット303)に備えられてもよいし、メイン処理部300が備えるいずれかのプロセッサ(CPU301またはチップセット303)と一体化されて構成されてもよい。また、顔検出部320の一部または全部は、EC200に備えられてもよい。
【0105】
また、上述した待機状態には、ハイバネーション状態やパワーオフ状態等が含まれてもよい。ハイバネーション状態は、例えば、ACPIで規定されているS4状態に相当する。パワーオフ状態は、例えば、ACPIで規定されているS5状態(シャットダウンした状態)相当する。なお、待機状態のうちスタンバイ状態、スリープ状態、ハイバネーション状態、パワーオフ状態などは、通常動作状態よりも電力の消費量が低い状態(電力の消費を抑えた状態)である。
【0106】
なお、上述した情報処理装置1は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した情報処理装置1が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した情報処理装置1が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0107】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に情報処理装置1が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0108】
また、上述した実施形態における情報処理装置1が備える各機能の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0109】
また、上記実施形態の情報処理装置1は、PC、タブレット端末装置、スマートフォンなどに限られるものではなく、ゲーム装置や、マルチメディア端末等であってもよい。
【符号の説明】
【0110】
1 情報処理装置、10 第1筐体、20 第2筐体、15 ヒンジ機構、110 表示部、120 撮像部、140 電源ボタン、150 入力デバイス、151 キーボード、153 タッチパッド、160 通信部、170 記憶部、200 EC、300 メイン処理部、301 CPU、302 GPU、303 チップセット、304 システムメモリ、310 システム処理部、311 検出結果取得部、312 スクリーンオフ時間設定部、313 スクリーンオフタイマ、314 動作制御部、321 HPD処理部、322 人物検出部、333 モーション検出タイマ、334 検出結果出力部、400 電源部
【要約】
【課題】人物が離れてからシステム側の制御を行うまでの時間とシステム側で設定されている当該制御の設定時間との差を低減させること。
【解決手段】情報処理装置は、所定の検出範囲内に存在する物体を検知するためのセンサを備え、センサを用いて所定の検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことを第1の時間に亘って検出した場合に、所定の検出範囲内に人物が存在しないことを検出するとともに、第1の時間が経過する前に人物が存在しないことを示す第1情報を設定し、第1情報が設定されたことに応じて、システムの処理により第2の時間の計測を開始し、第1の時間に亘って所定の検出範囲内に所定の動きのある物体が存在しないことが検出され、且つ第2の時間の計測が終了したことを条件として、システムの処理による機能の少なくとも一部を停止させる機能停止処理と、を行う。
【選択図】
図4