特許 7606035 処理サーバ、処理方法、およびプログラム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B1)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-12-16

(45)【発行日】2024-12-24

(54)【発明の名称】処理サーバ、処理方法、およびプログラム

(51)【国際特許分類】

   G06Q 20/32 20120101AFI20241217BHJP

【ＦＩ】

G06Q20/32 300

【請求項の数】 14

(21)【出願番号】P 2024093210

(22)【出願日】2024-06-07

【審査請求日】2024-06-07

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】519110124

【氏名又は名称】ＰａｙＰａｙ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100149548

【弁理士】

【氏名又は名称】松沼 泰史

(74)【代理人】

【識別番号】100181124

【弁理士】

【氏名又は名称】沖田 壮男

(74)【代理人】

【識別番号】100194087

【弁理士】

【氏名又は名称】渡辺 伸一

(72)【発明者】

【氏名】カナヴ

(72)【発明者】

【氏名】ピユーシュ ヤダフ

(72)【発明者】

【氏名】ワドワ タルン

(72)【発明者】

【氏名】パルミート アウルワリア

(72)【発明者】

【氏名】シヴァーム

【審査官】加内 慎也

(56)【参考文献】

【文献】国際公開第２０２３／２１００３１（ＷＯ，Ａ１）

【文献】特開２０２１－１２０８４３（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２３－１０５５１２（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２３－０７９７８１（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２２－０３０３２０（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２４－０５６３８３（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｇ０６Ｑ １０／００－９９／００

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムとの協働により、前記利用者に電子決済サービスを提供する決済サーバであって、
前記電子決済サービスの利用状況を示す情報と、前記電子決済サービスとは異なる他のサービスであって前記アプリケーションプログラムを利用して利用できるまたは申し込める複数の他のサービスに応じたタスクの実行状況とに基づいて、前記利用者を所定の基準に応じたランクに分類し、
前記ランクと特典とが対応付けられた対応情報を参照して、前記利用者が属する前記ランクに応じた特典を前記利用者の端末装置に提供する、
処理サーバ。

【請求項2】

前記タスクは、前記他のサービスのそれぞれを利用するタスクまたは前記他のサービスに申し込むタスクである、
請求項１に記載の処理サーバ。

【請求項3】

複数のサービスサーバから前記サービスサーバに対応する前記タスクの実行状況を取得する、
請求項２に記載の処理サーバ。

【請求項4】

利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムとの協働により、前記利用者に電子決済サービスを提供する決済サーバであって、
前記電子決済サービスの利用状況を示す情報と、前記電子決済サービスとは異なる他のサービスであって前記アプリケーションプログラムを利用して利用できるまたは申し込める他のサービスの利用状況を示す情報とに基づいて、前記利用者を所定の基準に応じたランクに分類し、
前記ランクと特典とが対応付けられた対応情報を参照して、前記利用者が属する前記ランクに応じた特典を前記利用者の端末装置に提供し、
複数の他のサービスのそれぞれに応じたタスクを前記利用者に提供し、
前記タスクのそれぞれが利用者により実行された場合に、より好条件の特典が付与される特別ランクに前記タスクを実行した利用者を分類し、
前記タスクは、前記他のサービスのそれぞれを利用するタスクまたは前記他のサービスに申し込むタスクである、
処理サーバ。

【請求項5】

前記タスクは、
前記他のサービスである保険サービスを利用するまたは保険サービスの保険に申し込むタスク、前記他のサービスである銀行サービスを利用するタスク、または前記他のサービスである証券サービスで提供されているサービスを利用するタスクのうち一以上のサービスを含む、
請求項４に記載の処理サーバ。

【請求項6】

前記タスクが実行された場合、前記タスクが実行されたことを示す情報を前記タスクの実行に対応するサービスサーバから取得し、
前記取得した情報に基づいて、前記利用者のランクを決定する、
請求項４に記載の処理サーバ。

【請求項7】

前記特別ランクの利用者に関する情報を前記他のサービスサーバに提供し、
前記特別ランクおよび前記利用者に関する情報に応じた特典を示す情報を前記他のサービスサーバから取得し、
前記取得した前記ランクおよび前記利用者の属性に応じた特典を前記利用者の端末装置に提供し、
前記特別ランクの利用者に提供される特典は、前記特別ランクでない利用者に提供される特典よりも好条件の特典である、
請求項４に記載の処理サーバ。

【請求項8】

前記他のサービスは、銀行サービス、保険サービス、証券サービス、ショッピングサービス、またはクレジットカードサービスのうち、一以上のサービスを含む、
請求項１から７のうちいずれか１項に記載の処理サーバ。

【請求項9】

前記電子決済サービスの利用状況は、前記電子決済サービスの前記利用者の電子ウォレットへの入金の状況、前記利用者とは異なる他の利用者の前記電子ウォレットへ前記利用者が行った入金の状況、または前記電子決済サービスを利用して前記利用者が電子決済を行った利用状況のうち、一以上の利用状況である、
請求項１から７のうちいずれか１項に記載の処理サーバ。

【請求項10】

前記電子決済サービスの利用状況を示す情報から得られた前記電子決済サービスの利用の度合を示す指標と、前記他のサービスのタスクの実行状況を示す情報から得られた実行の度合を示す指標との合計の大きさに応じて、前記利用者をランクに分類し、
前記合計が大きい利用者が分類されるランクの利用者に対して、より好条件の特典を提供する、
請求項１から７のうちいずれか１項に記載の処理サーバ。

【請求項11】

コンピュータが、
利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムとの協働により、前記利用者に電子決済サービスを提供し、
前記電子決済サービスの利用状況を示す情報と、前記電子決済サービスとは異なる他のサービスであって前記アプリケーションプログラムを利用して利用できるまたは申し込める複数の他のサービスに応じたタスクの実行状況とに基づいて、前記利用者を所定の基準に応じたランクに分類し、
前記ランクと特典とが対応付けられた対応情報を参照して、前記利用者が属する前記ランクに応じた特典を前記利用者の端末装置に提供する、
処理方法。

【請求項12】

コンピュータに、
利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムとの協働により、前記利用者に電子決済サービスを提供させ、
前記電子決済サービスの利用状況を示す情報と、前記電子決済サービスとは異なる他のサービスであって前記アプリケーションプログラムを利用して利用できるまたは申し込める複数の他のサービスに応じたタスクの実行状況とに基づいて、前記利用者を所定の基準に応じたランクに分類させ、
前記ランクと特典とが対応付けられた対応情報を参照して、前記利用者が属する前記ランクに応じた特典を前記利用者の端末装置に提供させる、
プログラム。

【請求項13】

コンピュータが、
利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムとの協働により、前記利用者に電子決済サービスを提供し、
前記電子決済サービスの利用状況を示す情報と、前記電子決済サービスとは異なる他のサービスであって前記アプリケーションプログラムを利用して利用できるまたは申し込める他のサービスの利用状況を示す情報とに基づいて、前記利用者を所定の基準に応じたランクに分類し、
前記ランクと特典とが対応付けられた対応情報を参照して、前記利用者が属する前記ランクに応じた特典を前記利用者の端末装置に提供し、
複数の他のサービスのそれぞれに応じたタスクを前記利用者に提供し、
前記タスクのそれぞれが利用者により実行された場合に、より好条件の特典が付与される特別ランクに前記タスクを実行した利用者を分類し、
前記タスクは、前記他のサービスのそれぞれを利用するタスクまたは前記他のサービスに申し込むタスクである、
処理方法。

【請求項14】

コンピュータに、
利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムとの協働により、前記利用者に電子決済サービスを提供させ、
前記電子決済サービスの利用状況を示す情報と、前記電子決済サービスとは異なる他のサービスであって前記アプリケーションプログラムを利用して利用できるまたは申し込める他のサービスの利用状況を示す情報とに基づいて、前記利用者を所定の基準に応じたランクに分類させ、
前記ランクと特典とが対応付けられた対応情報を参照して、前記利用者が属する前記ランクに応じた特典を前記利用者の端末装置に提供させ、
複数の他のサービスのそれぞれに応じたタスクを前記利用者に提供させ、
前記タスクのそれぞれが利用者により実行された場合に、より好条件の特典が付与される特別ランクに前記タスクを実行した利用者を分類させ、
前記タスクは、前記他のサービスのそれぞれを利用するタスクまたは前記他のサービスに申し込むタスクである、
プログラム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、処理サーバ、処理方法、およびプログラムに関する。

【背景技術】

【0002】

従来、実店舗での購買に係る決済を処理する電子決済サービスにおける決済情報を取得する決済情報取得部と、前記決済情報に基づいて、前記決済情報に係るユーザが使用するユーザ端末装置に、前記電子決済サービスを用いた電子決済を利用可能な実店舗において所定期間中に使用可能な特典を提供する特典提供部と、を備える情報提供装置が開示されている（特許文献１参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】特開２０２３－０８８７８２号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

従来の技術では、電子決済サービスとは異なるサービスの利用については考慮されていなかった。例えば、電子決済サービスとは異なる他のサービスであってアプリケーションプログラムを利用して利用できるまたは申し込める他のサービスの利用状況を示す情報を利用して特典を利用者に提供することについては考慮されていなかった。

【0005】

本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、より利用者の利便性を向上させることができる処理サーバ、処理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。例えば、上述した他のサービスの利用状況が考慮されるため、利用者はより特典を享受することができる。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明の一態様は、利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムとの協働により、前記利用者に電子決済サービスを提供する決済サーバであって、前記電子決済サービスの利用状況を示す情報と、前記電子決済サービスとは異なる他のサービスであって前記アプリケーションプログラムを利用して利用できるまたは申し込める他のサービスの利用状況を示す情報とに基づいて、前記利用者を所定の基準に応じたランクに分類し、前記ランクと特典とが対応付けられた対応情報を参照して、前記利用者が属する前記ランクに応じた特典を前記利用者の端末装置に提供する処理サーバである。

【発明の効果】

【0007】

本発明の一態様によれば、より利用者の利便性を向上させることができる処理サーバ、処理方法、およびプログラムを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。

【図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図（その１）である。

【図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図（その２）である。

【図4】実施形態に係る決済サーバ１００の構成図である。

【図5】利用者情報１７２の内容の一例を示す図である。

【図6】加盟店／店舗情報１７６の内容の一例を示す図である。

【図7】利用者情報１７２に含まれるランク情報１７３の一例を示す図である。

【図8】タスク情報１７８の一例を示す図である。

【図9】タスクの一例について説明するための図である。

【図10】タスクの他の一例について説明するための図である。

【図11】タスクの他の一例について説明するための図である。

【図12】タスクの他の一例について説明するための図である。

【図13】タスクの他の一例について説明するための図である。

【図14】利用者がスーパーユーザになった場合に提供されるインターフェース画面の一例を示す図である。

【図15】利用者がスーパーユーザになった場合に提供されるインターフェース画面の他の一例を示す図である。

【図16】電子決済サービスの各機能構成により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図（その１）である。

【図17】電子決済サービスの各機能構成により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図（その２）である。

【発明を実施するための形態】

【0009】

以下、図面を参照し、本発明の処理サーバ、処理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。以下に登場する「サーバ」などの、利用者にサービスを提供したり内部解析を行ったりするための各種装置は、分散化された装置群によって実現されてよく、それぞれの装置を運用する事業者は異なってもよい。また装置のハードウェアの保有者（クラウドサーバの提供者）と実質的な運用を行う事業者も異なってよい。アプリケーションプログラムと決済サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗（実店舗）であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店（ブランド）に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。

【0010】

［電子決済サービス］
図１は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ１００を中心として実現される。決済サーバ１００は、例えば、一以上の利用者端末装置１０、一以上の第１店舗端末装置５０、一以上の第２店舗端末装置７０、および一以上のサービスサーバのそれぞれとネットワークＮＷを介して通信する。サービスサーバは、例えば第１サービスサーバ２００、第２サービスサーバ３００、第３サービスサーバ４００などを含む。ネットワークＮＷは、例えば、インターネット、ＬＡＮ（Local Area Network）、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。

【0011】

［利用者端末装置］
利用者端末装置１０は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置１０は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、ＣＰＵ（Central Processing Unit）等と称する。利用者端末装置１０では、ＣＰＵ等のプロセッサにより決済アプリ２０が実行されることで、決済サーバ１００と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ２０は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置１０にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。

【0012】

［第１店舗端末装置］
第１店舗端末装置５０は、例えば、店舗に設置される。第１店舗端末装置５０は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第１店舗端末装置５０は、いわゆるＰＯＳ（Point of Sale）装置を含み、ＰＯＳ装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像６０は、店舗に置かれ、ＱＲコード（登録商標）等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像６０は、店舗に置かれたディスプレイ（スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい）によって表示されてもよい。

【0013】

［第２店舗端末装置］
第２店舗端末装置７０は、加盟店の運営者によって使用される。第２店舗端末装置７０は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第２店舗端末装置７０では、加盟店向けインターフェース７２が動作する。加盟店向けインターフェース７２は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース７２は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ１００に送信する。スマートフォンである第２店舗端末装置７０は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置１０が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。

【0014】

［決済サーバ］
決済サーバ１００は、利用者端末装置１０または第１店舗端末装置５０から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第１店舗端末装置５０は、ＰＯＳ装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、ＰＯＳ装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ１００に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第１店舗端末装置５０から決済情報が送信されるものとする。

【0015】

図２および図３は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン１とパターン２の二つが存在してよい。

【0016】

図２に示すパターン１（以下、ユーザスキャンと称する）の場合、決済アプリ２０が起動した状態の利用者端末装置１０が、光学読取機能によって店舗コード画像６０をデコードする（Ｓ１）。店舗コード画像６０には、店舗ＵＲＬ（Uniform Resource Locator）の情報が含まれている。この店舗ＵＲＬは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ１００において加盟店ＩＤや店舗ＩＤ等との対応付けがなされている（後述）。決済アプリ２０は、店舗ＵＲＬとアカウントＩＤを含む第１決済情報を決済サーバ１００に送信する（Ｓ２）。決済サーバ１００は、店舗ＵＲＬに対応する加盟店ＩＤ、店舗ＩＤから、店舗情報（後述）を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し（Ｓ３）、決済アプリ２０に送信する（Ｓ４）。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置１０に入力する（Ｓ５）。そして、利用者端末装置１０は、少なくとも決済金額を含む第２決済情報を生成し、決済サーバ１００に送信する（Ｓ６）。決済サーバ１００は、受信した第２決済情報に基づいて電子決済を行う（Ｓ７）。そして、決済サーバ１００は、決済完了通知（決済完了画面を表示するための情報）を決済アプリ２０に送信し（Ｓ８）、決済アプリ２０は決済完了画面を表示する（Ｓ９）。なお、店舗コード画像６０が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像６０には、店舗ＵＲＬだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第１決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ１００に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。

【0017】

図３に示すパターン２（以下、ストアスキャンと称する）の場合、決済アプリ２０の起動時、決済アプリ２０において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング（例えば１分おき）になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ２０はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ１００に送信する（Ｓ１１）。決済サーバ１００はワンタイムコードを生成し（Ｓ１２）、決済アプリ２０に送信する（Ｓ１３）。決済アプリ２０は、ワンタイムコードに基づいて生成した、ＱＲコードやバーコード等のコード画像を表示する（Ｓ１４）。利用者は利用者端末装置１０の表示面を第１店舗端末装置５０に翳し（提示し）、第１店舗端末装置５０は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する（Ｓ１５）。そして、第１店舗端末装置５０は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ＩＤ、店舗ＩＤ等を含む決済情報を生成し、決済サーバ１００に送信する（Ｓ１６）。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ１００は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う（Ｓ１７）。そして、決済サーバ１００は、決済完了通知を決済アプリ２０に送信し（Ｓ１８）、決済アプリ２０は決済完了画面を表示する（Ｓ１９）。

【0018】

なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、図２で説明した「アカウントＩＤ」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報（例えば電話番号）であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ２０は、利用者のアカウントＩＤに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ１００は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントＩＤに対応する利用者を特定する。

【0019】

［決済サーバ］
図４は、実施形態に係る決済サーバ１００の構成図である。決済サーバ１００は、例えば、通信部１１０と、コンテンツ提供部１２０と、決済処理部１３０と、情報管理部１４０と、情報処理部１５０と、記憶部１７０とを備える。通信部１１０および記憶部１７０以外の構成要素は、例えば、ＣＰＵなどのハードウェアプロセッサがプログラム（ソフトウェア）を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、ＬＳＩ（Large Scale Integration）やＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）、ＦＰＧＡ（Field-Programmable Gate Array）、ＧＰＵ（Graphics Processing Unit）などのハードウェア（回路部；circuitryを含む）によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めＨＤＤ（Hard Disk Drive）やフラッシュメモリなどの記憶装置（非一過性の記憶媒体を備える記憶装置）に格納されていてもよいし、ＤＶＤやＣＤ－ＲＯＭなどの着脱可能な記憶媒体（非一過性の記憶媒体）に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。

【0020】

記憶部１７０は、ＨＤＤやフラッシュメモリ、ＲＡＭ（Random Access Memory）などである。記憶部１７０は、決済サーバ１００がネットワークを介してアクセス可能なＮＡＳ（Network Attached Storage）装置であってもよい。記憶部１７０には、利用者情報１７２、コンテンツ情報１７４、加盟店／店舗情報１７６、タスク情報１７８などの情報が格納される。

【0021】

通信部１１０は、ネットワークＮＷに接続するための通信インターフェースである。通信部１１０は、例えばネットワークインターフェースカードである。

【0022】

コンテンツ提供部１２０は、例えば、Ｗｅｂサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報（コンテンツ）を利用者端末装置１０に提供する。コンテンツ提供部１２０は、コンテンツ情報１７４から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置１０に提供する。利用者端末装置１０は、決済アプリ２０によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ１００に送信する。

【0023】

決済処理部１３０は、利用者端末装置１０または第１店舗端末装置５０により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部１３０は、利用者情報１７２を参照しながら決済処理を行う。

【0024】

図５は、利用者情報１７２の内容の一例を示す図である。利用者情報１７２は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報１７２は、例えば、利用者ＵＲＬ、アカウントＩＤ、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ＩＤ、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、クレジット払い設定、クレジット払い枠、クレジット払い利用額、クレジット払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報などの情報が対応付けられたものである。利用者ＵＲＬは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントＩＤは、決済サーバ１００によって利用者に発行されるものであり、利用者ＩＤは、利用者が任意に設定できる（設定しなくてもよい）ＩＤである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる（設定しなくてもよい）情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日（アカウントを作成した日）である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス（電子決済口座）のことをアカウントと称する。

【0025】

チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者（銀行）のＡＴＭ（Automatic Teller Machine）からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。クレジット払い設定は、クレジット払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。クレジット払い枠は月ごとに利用可能なクレジット払いの限度額であり、クレジット払い利用額は、当月に既に利用されたクレジット払いの金額であり、クレジット払い利用可能額は、クレジット払い枠からクレジット払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能なクレジット払いの金額である。図ではクレジット払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方がクレジット払い枠に設定されてよい。クレジット払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、クレジット払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報（口座番号、カード番号）である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳（日時、購買行動が行われた店舗の店舗ＩＤ、決済金額、決済方法など）を、決済ごとに示す情報である。

【0026】

図６は、加盟店／店舗情報１７６の内容の一例を示す図である。加盟店／店舗情報１７６は、例えば、店舗ＵＲＬに対して加盟店ＩＤと店舗ＩＤが対応付けられた第１テーブル１７６Ａと、加盟店ＩＤに対して加盟店名と売上金（前述）が対応付けられた第２テーブル１７６Ｂと、店舗ＩＤに対して店舗名が対応付けられた第３テーブル１７６Ｃとを含む。加盟店／店舗情報１７６には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。

【0027】

情報管理部１４０は、利用者端末装置１０や第２店舗端末装置７０から取得した情報に基づいて、利用者情報１７２および加盟店／店舗情報１７６を管理する。情報管理部１４０は、利用者情報１７２および加盟店／店舗情報１７６について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。

【0028】

情報処理部１５０は、利用者のランクを決定する。この処理の詳細については後述する。

【0029】

［電子決済］
決済処理部１３０は、利用者端末装置１０または第１店舗端末装置５０から決済情報が取得されると、利用者情報１７２を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部１３０は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部１３０は、例えば、利用者ＩＤに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。

【0030】

決済処理部１３０は、「設定情報」が「クレジット払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。クレジット払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による支払い方法であり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、クレジット払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なおクレジット払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。クレジット払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部１３０は、クレジット払い利用額に決済金額を加算し、クレジット払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う、或いはクレジットカード会社の運営者に当該処理を依頼する。なお暫定決済の時点で決済金額がクレジット払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ２０に返信される。

【0031】

［概要］
決済サーバ１００は、利用者端末装置１０で動作するアプリケーションプログラム（例えば決済アプリ２０）との協働により、利用者に電子決済サービスを提供する。決済サーバ１００は、電子決済サービスの利用状況を示す情報と、電子決済サービスとは異なる他のサービスであってアプリケーションプログラムを利用して利用できるまたは申し込める他のサービスの利用状況を示す情報とに基づいて、利用者を所定の基準に応じたランクに分類する。決済サーバ１００は、ランクと特典とが対応付けられた対応情報を参照して、利用者が属するランクに応じた特典を利用者端末装置１０に提供する。

【0032】

他のサービスとは、例えば、第１サービスサーバ２００や、第２サービスサーバ３００、第３サービスサーバ４００などのサービスサーバが提供するサービスである。サービスサーバは、例えば、決済アプリ２０または決済アプリ２０において作動するミニアプリと協働して利用者にサービスを提供する。他のサービスとは、例えば、任意のサービスである。他のサービスは、例えば、銀行サービスや、保険サービス、証券サービス、ショッピングサービス、クレジットカードサービスなどのうち、一以上のサービスである。

【0033】

電子決済サービスの利用状況は、例えば電子決済サービスの利用度合である。電子決済サービスの利用状況は、電子決済サービスの利用者の電子ウォレットへの入金の状況や、利用者とは異なる他の利用者の電子ウォレットへ利用者が行った入金の状況、電子決済サービスを利用して利用者が電子決済を行った利用状況のうち、一以上の利用状況である。入金の状況とは、例えば、入金額や、入金頻度、入金の回数などである。電子決済を行った利用状況とは、例えば電子決済サービスの利用度合である。電子決済を行った利用状況は、例えば、所定の期間の電子決済の額や、電子決済を行った頻度、電子決済を行った回数などである。

【0034】

[ランク情報]
決済サーバ１００は、電子決済サービスの利用状況を示す情報と、他のサービスの利用状況を示す情報とに基づいて、利用者を所定の基準に応じたランクに分類する。図７は、利用者情報１７２に含まれるランク情報１７３の一例を示す図である。ランク情報１７３は、例えば、利用者の識別情報（利用者ＩＤ）に対して、ユーザランクや、ランクポイント、達成タスクなどが対応付けられた情報である。ユーザランクは、例えば、ランクポイントに応じて決定されるランクである。ユーザランクは、例えば、電子決済サービスの利用状況または他のサービスの利用状況に応じて付与されるランクポイントにより決定されるランクである。例えば、電子決済サービスの利用度合または他のサービスの利用度合が高いほど、ランクが上昇する。達成タスクとは、後述する与えられたタスクのうち達成したタスクである。例えば、利用者が与えられたタスクを達成すると、当該タスクが達成タスクとして登録される。例えば達成タスクが多いほどランクが上昇する。例えば達成タスクに応じてランクポイントが付与され、付与されたポイントに応じてランクが上昇する。達成タスクは、決済サーバ１００が利用者に課すタスクである。決済サーバ１００は、タスク情報１７８を参照して利用者に達成タスクを提供する。

【0035】

［タスク情報］
決済サーバ１００は、利用者にタスクを提供し、タスクが利用者により実行された場合に、より好条件の特典が付与されるランクにタスクを実行した利用者を分類する。タスクは、他のサービスを利用するタスクまたは他のサービスに申し込むタスクである。決済サーバ１００は、複数の他のサービスのそれぞれに応じたタスクを利用者に提供し、タスクのそれぞれが利用者により実行された場合に、より好条件の特典が付与される特別ランクにタスクを実行した利用者を分類する。タスクは、他のサービスのそれぞれを利用するタスクまたは他のサービスに申し込むタスクである。

【0036】

図８は、タスク情報１７８の一例を示す図である。タスク情報１７８は、例えば、利用者の属性に対して、一以上のタスクが対応付けられた情報である。タスクは、例えば、他のサービスである保険サービスを利用するまたは保険サービスの保険に申し込むタスク、他のサービスである銀行サービスを利用するタスク、または他のサービスである証券サービスで提供されているサービスを利用するタスクのうち一以上のサービスを含む。

【0037】

利用者の属性とは、利用者の性別や、年齢、家族構成、電子決済サービスの利用状況、他のサービスの利用状況など種々の情報に基づいて分類された属性である。タスクは、例えば属性ごとに異なっていてもよいし、同じであってもよい。例えば、利用者は、与えられた所定のタスクを達成すると、ユーザランクが所定のランクに上昇する。所定のランク（特別ランク）に到達した利用者を「スーパーユーザ」と称する。例えばスーパーユーザの特別ランクに到達する条件は、複数の異なるサービスサーバ（第１サービスサーバ２００、第２サービスサーバ３００、第３サービスサーバ４００）に対応するタスクを達成することであってもよい。

【0038】

上述したタスク情報１７８のタスクは、サービスサーバから指示されたタスクであってもよい。例えば、サービスサーバのそれぞれは、所定期間ごとにタスクを決済サーバ１００に提供し、決済サーバ１００は、提供されたタスクをタスク情報１７８に登録してもよい。

【0039】

以下、タスクの一例について説明する。決済サーバ１００は、決済アプリ２０またはミニアプリと協働してタスクを利用者に提示する。決済サーバ１００は、サービスサーバにタスクを利用者に提示することを依頼してもよい。この場合、例えば、サービスサーバは、サービスサーバに対応するミニアプリと協働してタスクを利用者に提示する。タスクは、例えば所定期間ごとに（週ごとに）利用者に提供されてもよし、所定のタイミングで利用者に提供されてもよい。

【0040】

図９は、タスクの一例について説明するための図である。決済サーバ１００は、利用者にタスク１の情報を含むインターフェース画面を提示してタスクの達成を利用者に促す。タスク１は、利用者が他の利用者に電子決済サービスを利用して送金を行うことである。タスク１には、送金に加え、送金額の条件や送金回数の条件が含まれていてもよい。

【0041】

図１０は、タスクの他の一例について説明するための図である。決済サーバ１００は、利用者にタスク２の情報を含むインターフェース画面を提示してタスクの達成を利用者に促す。タスク２は、利用者が電子決済サービスを利用して電子決済を行うことである。タスク２には、電子決済を行うことに加え、電子決済の額の条件や電子決済の回数の条件が含まれていてもよい。電子決済とは、決済アプリ２０を利用してチャージ残高を利用した電子決済や、クレジットカードを利用した電子決済、電子決済サービスのポイントを利用した電子決済などである。

【0042】

図１１は、タスクの他の一例について説明するための図である。決済サーバ１００は、利用者にタスク３の情報を含むインターフェース画面を提示してタスクの達成を利用者に促す。タスク３は、サービスサーバが提供する保険サービスの保険を利用者が購入することである。タスク３には、保険の購入に加えて（または代えて）、保険の見積を取得することや、保険の資料を請求することなどが含まれていてもよい。保険とは、車の保険や家に関する保険、日常生活に関する保険、図１２に示すようにレジャーの保険（例えばスキー保険）など任意の保険である。利用者がインターフェース画面の所定の領域を操作すると、ミニアプリが起動したり、保険のサービスサーバが利用者端末装置１０に情報を提供したりする。

【0043】

図１３は、タスクの他の一例について説明するための図である。決済サーバ１００は、利用者にタスク４の情報を含むインターフェース画面を提示してタスクの達成を利用者に促す。タスク４は、サービスサーバが提供する銀行サービスを利用者が利用することである。タスク４には、例えば、当該銀行の口座を開設することや、口座に所定額入金すること、住宅ローンを利用することなどが含まれていてもよい。利用者がインターフェース画面の所定の領域を操作すると、ミニアプリが起動したり、銀行のサービスサーバが利用者端末装置１０に情報を提供したりする。

【0044】

上記のタスクの他、証券サービスを利用するタスクや、ショッピングサービスを利用するタスク、クレジットカードを利用する（申し込む）サービスなど種々のタスクが設定されてもよい。

【0045】

決済サーバ１００は、タスクを達成したことを示す情報を対応するサービスサーバから取得して、利用者情報１７２の利用者ＩＤに達成を示すフラグを付与する。決済サーバ１００は、設定されたタスクが達成されたことを確認した場合、当該利用者をスーパーユーザに認定する。図１４は、利用者がスーパーユーザになった場合に提供されるインターフェース画面の一例を示す図である。

【0046】

決済サーバ１００は、上記のように電子決済サービスの利用状況を示す情報から得られた電子決済サービスの利用の度合を示す指標と、他のサービスの利用状況を示す情報から得られた利用の度合を示す指標との合計の大きさに応じて、利用者をランクに分類し、合計が大きい利用者が分類されるランクの利用者に対して、より好条件の特典を提供する。図１５に示すように、決済サーバ１００は、スーパーユーザに対して、スーパーユーザ特有の特典を付与したり、オファーしたりする。例えば、決済サーバ１００は、クーポンや特典、割引券、所定の招待券などを提供したり、オファーしたりする。

【0047】

上記の処理により、例えば、利用者の利便性が向上し、タスクを介して利用者との関係性がより親密になり、更に、利用者によって各サービスがより利用されることが期待できる。例えば、銀行サービスが利用されたり、保険サービスが利用されたりする。また、利用者は、電子決済サービスを起点として、電子決済サービスに関連するサービスを利用して、よりよいサービスを受けることができる。そして、各利用者を、電子決済サービスまたは関連するサービスの利用度が高い利用者に誘導することができる。例えば、利用者は、上記のようにゲーム感覚で楽しみながらタスクを達成してスーパーユーザに到達するため、利用者にとってのエンターテインメント性および利便性がより向上する。

【0048】

［シーケンス図（その１）］
決済サーバ１００は、タスクが実行された場合、タスクが実行されたことを示す情報をタスクの実行に対応するサービスサーバから取得し、取得した情報に基づいて、利用者のランクを決定する。図１６は、電子決済サービスの各機能構成により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図（その１）である。この処理は、利用者がスーパーユーザに昇格する際の処理である。

【0049】

まず、決済サーバ１００は、タスクを特定する（Ｓ１００）。次に、決済サーバ１００は、特定したタスクを決済アプリ２０に提供する（Ｓ１０２）。これにより上述したタスクの情報を含むインターフェース画面が利用者に提供される。

【0050】

利用者が第１サービスサーバ２００と協働してタスクを実行すると（Ｓ１０４）、第１サービスサーバ２００は、タスクに応じたサービスを実行する（Ｓ１０６）。次に、第１サービスサーバ２００は、上記のサービスを決済アプリ２０に提供する（Ｓ１０８）。次に、第１サービスサーバ２００は、決済サーバ１００にタスクが実行されたことを示す情報を通知する（Ｓ１１０）。

【0051】

次に、決済サーバ１００は、通知に応じてタスクが達成されたことを示す情報を、タスクを達成した利用者に対応付けて登録する（Ｓ１１２）。次に、決済サーバ１００は、タスクの達成に応じたポイントを利用者に加算する（Ｓ１１４）。

【0052】

決済サーバ１００は、タスクが第２サービスサーバに対応するタスクである場合も、上述したＳ１００－Ｓ１１４と同様の処理（Ｓ２００－Ｓ２１４の処理）を実行する。そして、これらの処理が行われ、加算されたポイントが所定のポイントに達成した場合、決済サーバ１００は、利用者をスーパーユーザに昇格させる。

【0053】

上記のように、決済サーバ１００は、複数のサービスのタスクの実行に応じて利用者のランクを決定することにより、電子決済サービスおよび関連するサービスにおいて適切に利用者を評価することができる。

【0054】

［シーケンス図（その２）］
決済サーバ１００は、特別ランクの利用者に関する情報を他のサービスサーバに提供し、特別ランクおよび利用者に関する情報に応じた特典を示す情報を他のサービスサーバから取得する。利用者に関する情報とは、例えば利用者の属性や、利用者のサービスの利用履歴に基づく分類の結果など利用者に関する種々の情報である。決済サーバ１００は、取得したランクおよび利用者の属性に応じた特典を利用者端末装置１０に提供する。特別ランクの利用者に提供される特典は、特別ランクでない利用者に提供される特典よりも好条件の特典である。特別ランクの利用者に提供される特典は、例えば、タスクを達成したサービスとは異なるサービスの特典であってもよい。これにより他のサービスの利用が促進される。利用者の属性は、考慮されずに特典が付与されてもよい。

【0055】

図１７は、電子決済サービスの各機能構成により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図（その２）である。この処理は、利用者がスーパーユーザに昇格した後の処理である。まず、決済サーバ１００は、利用者がスーパーユーザに昇格した場合、当該利用者がスーパーユーザに昇格したことをサービスサーバ（例えば第１サービスサーバ２００）に通知する（Ｓ３００）。例えば、電子決済サービスやサービスサーバで管理されている利用者ＩＤと共に通知がされる。

【0056】

次に、第１サービスサーバ２００は、スーパーユーザに応じた特典を特定する（Ｓ３０２）。例えば、予め規定されたスーパーユーザに応じた特典が特定される。次に、第１サービスサーバ２００は、特定した特典の情報と、特典を付与する利用者の情報とを決済サーバ１００に提供する（Ｓ３０４）。

【0057】

次に、決済サーバ１００は、スーパーユーザに応じた特定された特典の情報を、付与対象の利用者に提供する（Ｓ３０６）。次に、決済アプリ２０は、上記の特典の情報を利用者端末装置１０の表示部に表示させる（Ｓ３０８）。これにより、上述した図１５に示すようなインターフェース画面が表示部に表示される。

【0058】

上記のように、決済サーバ１００は、特別ランクの利用者に対して、より好適な特典を提供することができる。例えば、利用者ごとに異なる他のサービスの特典が利用者に提供されるため、利用者の利便性が向上する。

【0059】

以上説明した実施形態によれば、決済サーバ１００は、電子決済サービスの利用状況を示す情報と、電子決済サービスとは異なる他のサービスであってアプリケーションプログラムを利用して利用できるまたは申し込める他のサービスの利用状況を示す情報とに基づいて、利用者を所定の基準に応じたランクに分類し、ランクと特典とが対応付けられた対応情報を参照して、利用者が属するランクに応じた特典を利用者端末装置１０に提供することにより、より利用者の利便性を向上させることができる。

【0060】

以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。

【符号の説明】

【0061】

１０ 利用者端末装置
２０ 決済アプリ
１００ 決済サーバ
１２０ コンテンツ提供部
１３０ 決済処理部
１４０ 情報管理部
１５０ 情報処理部
２００ 第１サービスサーバ
３００ 第２サービスサーバ
４００ 第３サービスサーバ

【要約】

【課題】より利用者の利便性を向上させること。
【解決手段】利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムとの協働により、前記利用者に電子決済サービスを提供する決済サーバであって、前記電子決済サービスの利用状況を示す情報と、前記電子決済サービスとは異なる他のサービスであって前記アプリケーションプログラムを利用して利用できるまたは申し込める他のサービスの利用状況を示す情報とに基づいて、前記利用者を所定の基準に応じたランクに分類し、前記ランクと特典とが対応付けられた対応情報を参照して、前記利用者が属する前記ランクに応じた特典を前記利用者の端末装置に提供する、処理サーバ。
【選択図】図１

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】