(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】蓋ユニットおよび容器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/08 20060101AFI20241218BHJP
B65D 51/24 20060101ALI20241218BHJP
A47J 41/00 20060101ALI20241218BHJP
A47J 41/02 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
B65D47/08 220
B65D51/24 300
A47J41/00 304B
A47J41/02 104B
(21)【出願番号】P 2021052023
(22)【出願日】2021-03-25
【審査請求日】2023-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】水流 猛志
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-520110(JP,A)
【文献】特開2013-154898(JP,A)
【文献】実開昭59-121364(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/08
B65D 51/24
A47J 41/00
A47J 41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口した容器本体に着脱可能に取り付けられる蓋ユニットであって、
蓋本体と、
前記蓋本体にヒンジ部を介して回動自在に取り付けられる蓋と、
を備え、
前記蓋には、前記ヒンジ部近傍に指を引っ掛けることができる取っ手部が形成されており、
前記蓋本体は、係止部を備え、
前記蓋は、
前記蓋の内部に移動可能に設置されており、前記係止部と係止することで前記蓋が閉じた状態を維持するロック状態を実現させるロックレバーと、
前記ロックレバーを移動させるためのスライダーと、
前記スライダーを移動させるためのロック解除レバーと、
を備え、
前記取っ手部は、
前記蓋の外装部の胴部の上部付近および下部付近から略円弧形状で外方へ延びるように形成されており、
前記ロック解除レバーは、前記取っ手部の外方へ突出した部分と対向する位置に設置されている、
蓋ユニット。
【請求項2】
前記係止部は、前記蓋
本体の中心軸を基準としたとき、前記ヒンジ部が設置されている位置と反対側の前記蓋
本体の周縁部付近に設置されている、
請求項1に記載の蓋ユニット。
【請求項3】
前記蓋には、再ロック防止機構用開口部が形成されており、
前記スライダーは、
前記係止部と前記ロック解除レバーとの間に配置されており、かつ、前記係止部と前記ロックレバーとのロック状態が解除された状態となったときに、前記スライダーの一部が前記再ロック防止機構用開口部から突出することができる位置に設置されている、
請求項1または2のいずれかに記載の蓋ユニット。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の蓋ユニットと、
前記蓋ユニットを着脱可能に装着する容器本体と、
を備える容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップユニット(蓋体)および容器についての技術に関する。
【背景技術】
【0002】
過去に、「上部が開口した容器本体の口頸部に着脱自在に取り付けられるキャップユニットであって、
前記容器本体の上部開口部を閉塞すると共に、上部に通液口が設けられたキャップ本体と、
前記キャップ本体にヒンジ部を介して回動自在に取り付けられた状態で、前記通液口を開閉する蓋体と、
前記キャップ本体の前記ヒンジ部とは反対側に位置して、前記蓋体を前記キャップ本体に対して固定する蓋ロック機構とを備え、
前記ヒンジ部の下方に指掛け部が設けられていることを特徴とするキャップユニット。(例えば、特開2018-008715号公報参照。)」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術のように、ヒンジ軸を軸中心として蓋体(キャップ本体)を開閉するボトル(容器)では、開閉可能な蓋体(キャップ本体)に、指を引っ掛けてボトル(容器)を持ち運びができるようにする取っ手部を設けるようなことはしない。この理由は、取っ手部を開閉可能な蓋体(キャップ本体)に設けると、取っ手部を持ち上げることで、蓋体をロックしている部分に力がかかり、その力によって、蓋体が開く(ユーザーが意図しないときに蓋体が開く)ことがあり、好ましくないからである。
【0005】
このような理由から、従来のヒンジ軸を軸中心として蓋体を開閉するボトル(容器)を持ち上げて運ぶ場合、ユーザーは、ボトル(容器)本体を持ち上げて移動させる必要がある。つまり、従来のボトルでは、ボトルを持ち上げて運ぶときに、ボトル本体を把持する必要があるため、片手が運搬のために塞がり、その結果、片手でボトルを運搬しつつ蓋体を開ける操作を行うことは困難である。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、片手でボトル(容器)を運搬しつつ蓋(蓋体)を開ける操作を容易かつ確実に行うことができる蓋ユニットおよび容器を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、
上部が開口した容器本体に着脱可能に取り付けられる蓋ユニットであって、
蓋本体と、
前記蓋本体にヒンジ部を介して回動自在に取り付けられる蓋と、
を備え、
前記蓋には、前記ヒンジ部近傍に指を引っ掛けることができる取っ手部が形成されている、
蓋ユニットである。
【0008】
この蓋ユニットでは、蓋が取っ手部を一体として有しているので、蓋と取っ手部とを別々の部品として、両者を接続する構成に比べて、取っ手部分の強度が向上するとともに、部品点数を削減することができる。
【0009】
また、この蓋ユニットでは、取っ手部がヒンジ部近傍に形成されているので、ヒンジ部に負荷をかけて、その他の部分を軽減させることができる。したがって、この蓋ユニットを用いた容器を、片手(取っ手部に引っ掛けた指)で安全に運搬しつつ、蓋体を開ける操作を取っ手部に引っ掛けた指で蓋を、ヒンジ部を介して回動させることで、容易かつ確実に行うことができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明であって、
前記蓋本体は、係止部を備え、
前記蓋は、
前記係止部と係止することで前記蓋が閉じた状態を維持するロック状態を実現させるロックレバーと、
前記ロックレバーを移動させるためのスライダーと、
前記スライダーを移動させるためのロック解除レバーと、
を備え、
前記ロック解除レバーは、前記取っ手部と対向する位置に設置されている。
【0011】
これにより、この蓋ユニットでは、この蓋ユニットを装着した容器を運搬するときには、取っ手部に指を引っ掛けて容器を移動させることができるとともに、蓋ユニットの蓋を開けるときは、取っ手部に引っ掛けた指を使って、ロック解除レバーを押下することで、蓋を開ける操作を簡単に行うことができる。
【0012】
第3の発明は、第2の発明であって、
前記係止部は、前記ヒンジ部から所定の距離以上離れた位置に設置されている、
これにより、この蓋ユニットでは、ヒンジ部近傍にある取っ手部に大きな負荷がかかった場合であっても、係止部にはあまり負荷がかからないようにできる。その結果、この蓋ユニットでは、ヒンジ部近傍にある取っ手部に大きな負荷がかかった場合であっても、係止部とロックレバーとの係止状態が解消され、ユーザーが意図しないときに、蓋が開くことを適切に防止できる。
【0013】
なお、「所定の距離」とは、例えば、蓋ユニットの蓋が円筒形状である場合、当該円筒形状の半径よりも長い距離である。
【0014】
第4の発明は、第2または第3の発明であって、
前記蓋には、再ロック防止機構用開口部が形成されており、
前記スライダーは、
前記係止部と前記ロック解除レバーとの間に配置されており、かつ、前記係止部と前記ロックレバーとのロック状態が解除された状態となったときに、前記スライダーの一部が前記再ロック防止機構用開口部から突出することができる位置に設置されている。
【0015】
これにより、この蓋ユニットでは、ロック状態が解除された状態(ロック解除状態)となったとき、前記スライダーの一部が前記再ロック防止機構用開口部から突出し、蓋に対して、開く操作を行うときと反対の回動が生じたときであっても、再度、ロックレバーが係止部と係止した状態となること防止でき、その結果、ユーザーが意図しないロック(再ロック)がかかることを適切に防止できる。
【0016】
第5の発明は、第1から第4のいずれかの発明である蓋ユニットと、
前記蓋ユニットを着脱可能に装着する容器本体と、
を備える容器である。
【0017】
これにより、第1から第4のいずれかの発明と同様の効果を奏する容器を実現することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、片手でボトル(容器)を運搬しつつ蓋体を開ける操作を容易かつ確実に行うことができる蓋ユニットおよび容器を実現することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1実施形態に係る容器100の外観を示す図(斜視図)。
【
図2】第1実施形態に係る容器100の上面図と側面図。
【
図3】第1実施形態に係る容器100の分解斜視図。
【
図4】第1実施形態に係る容器100の縦断面図(
図1のA-A線による断面図)。
【
図5】第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2の断面図(
図1のA-A線による断面図)。
【
図6】第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2を開いた状態における断面図。
【
図7】第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2を開いた状態における斜視図。
【
図8】第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2部分を拡大して示した斜視図。
【
図9】第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2の蓋22の斜視図。
【
図10】第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2部分を拡大して示した斜視図であって、外装部22a、取っ手部22bを除外して示した斜視図。
【
図11】第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2部分の上面図であって、外装部22a、取っ手部22bを除外して示した上面図。
【
図12】第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2の蓋22のロックレバー22LL、および、ストロー装着ユニット23の上面図。
【
図13】第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2の蓋22のスライダー22S、および、ロックレバー22LLの斜視図。
【
図14】第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2の蓋22のロックレバー22LLの第1ツメ部22LL4_aおよび蓋本体21の第1係止部231aの部分の断面斜視図。
【
図15】第1実施形態に係る容器100のストロー装着ユニット23の斜視図。
【
図16】第1実施形態に係る容器100のストローユニット3の側面図。
【
図17】蓋ユニット2を開く操作を説明するための図。
【
図18】蓋ユニット2を開く操作を説明するための図。
【
図19】蓋ユニット2を開く操作を説明するための図。
【
図20】蓋ユニット2を閉める操作を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
第1実施形態について、図面を参照しながら、以下、説明する。
【0021】
図1は、第1実施形態に係る容器100の外観を示す図(斜視図)である。
【0022】
図2は、第1実施形態に係る容器100の上面図と側面図である。
【0023】
図3は、第1実施形態に係る容器100の分解斜視図である。
【0024】
図4は、第1実施形態に係る容器100の縦断面図(
図1のA-A線による断面図)である。
【0025】
図5は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2の断面図(
図1のA-A線による断面図)である。
【0026】
図6は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2を開いた状態における断面図である。
【0027】
図7は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2を開いた状態における斜視図である。
【0028】
図8は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2部分を拡大して示した斜視図である。
【0029】
図9は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2の蓋22の斜視図である。
【0030】
図10は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2部分を拡大して示した斜視図であって、外装部22a、取っ手部22bを除外して示した斜視図である。
【0031】
図11は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2部分の上面図(上方から見た平面図)であって、外装部22a、取っ手部22bを除外して示した上面図である。
【0032】
図12は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2の蓋22のロックレバー22LL、および、ストロー装着ユニット23の上面図(上方から見た平面図)である。
【0033】
図13は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2の蓋22のスライダー22S、および、ロックレバー22LLの斜視図である。
【0034】
図14は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2の蓋22のロックレバー22LLの第1ツメ部22LL4_aおよび蓋本体21の第1係止部231aの部分の断面斜視図である。
【0035】
図15は、第1実施形態に係る容器100のストロー装着ユニット23の斜視図である。
【0036】
図16は、第1実施形態に係る容器100のストローユニット3の側面図である。
【0037】
また、
図1~
図18に示すように、x軸、y軸、z軸を設定するものとする。また、x軸正方向を前(あるいは、前方、前方向)といい、x軸負方向を後(あるいは、後方、後方向)という。また、z軸正方向を上(あるいは、上方、上方向)といい、z軸負方向を下(あるいは、下方、下方向)という。また、y軸正方向を手前(あるいは、手前方向)といい、y軸負方向を奥(あるいは、奥方向)という。
【0038】
<1.1:容器の構成>
容器100は、
図1~
図4に示すように、容器本体1と、容器本体1に着脱自在に取り付けられる蓋ユニット2と、蓋ユニット2に着脱可能に取り付けられるストローユニット3とを備えている。容器100は、例えば、飲料水を入れて運搬することが可能であるとともに、ユーザーが蓋ユニット2の蓋部分を開けて、容器100内部の飲料水を飲むことを可能とする容器である。
【0039】
(1.1.1:容器本体)
容器本体1は、有底筒状の形状(例えば、
図1~
図4に示すように、縦長円筒形状)を有しており、正立させた状態において、上方に開口部を有している。容器本体1は、例えば、ステンレス鋼などの金属板を真空二重構造に形成した真空断熱構造とすることが好ましい。容器本体1は、蓋ユニット2により、その開口部が気密に塞がれることにより、容器本体1の内部の空間の密閉状態とすることができる。
【0040】
(1.1.2:蓋ユニット)
蓋ユニット2は、蓋本体21と、蓋22と、ストロー装着ユニット23と、第1シール部材24と、第2シール部材25とを備える。
【0041】
蓋本体21は、例えば、
図1~
図7に示すように、容器本体1に着脱可能な部材であって、略円筒形の形状を有している。蓋本体21は、ストロー装着ユニット23を収容する部材であり、ストロー装着ユニット23を収容した状態で、容器本体1に着脱可能に取り付けられる。また、蓋本体21は、蓋22を回動自在に取り付けるためのヒンジ部21hを有しており、ヒンジ部21hを介して、蓋22と接続される。なお、ヒンジ部21hは、取っ手部22bに指を掛けて容器100を持ち上げるときに、大きな負荷がかかるので、強度の高い材質(例えば、金属)により構成されることが好ましい。
【0042】
蓋22は、例えば、
図1~
図10に示すように、外装部22aと、取っ手部22bと、ベース部22cと、内装部22dと、ヒンジ部22hとを有しており、蓋22の内側(内装部22dの内側)に、ストローユニット3を収容する部材である。また、蓋22は、ロック解除レバー22RLと、スライダー22Sと、ロックレバー22LLとを備える。また、蓋22は、蓋22の後端側に設けられたヒンジ部22hを介して蓋本体21に回動自在に取り付けられる。
【0043】
外装部22aは、ベース部22cと内装部22dを収容するために内側が中空な構造を有している。そして、外装部22aは、例えば、
図1、
図2、
図8に示すように、平面視において略円形状の底部22a1と、底部から上方に縮径しながら延びる胴部と、胴部の上端において縮径された略円形状の上部22a3とを有している。そして、平面視において、外装部22aの上部の中心の位置は、外装部22aの底部の中心の位置に対して、前方(x軸正方向)となるように、外装部22aの底部、胴部および上部は、形成されている。また、外装部22aの上部22a3の略中心部分に、
図8に示すように、第2シール部材25を装着するための開口部22a_holeが形成されている。また、
図9に示すように、外装部22aの胴部22a2の後方側(x軸負方向側)には、ロック解除レバー22RLを収容するための開口部22a2_holeが形成されている。
【0044】
取っ手部22bは、例えば、
図1~
図5、
図8、
図9に示すように、リング形状(側方(y軸方向)から見たときにリング形状)を有しており、外装部22aから後端部から後方へ延びるように形成されている。具体的には、取っ手部22bの一端は、外装部22aの胴部22a2の上部付近に接続されており、他端は、外装部22aの胴部22a2の下部付近に接続されている。そして、取っ手部22bは、
図4、
図5に示すように、断面視において、外装部22aの胴部22a2の上部付近および下部付近から略円弧形状(略円弧の一部の形状)で外方へ延びるように形成されている。また、取っ手部22bは、ヒンジ部22hと接続されている。これにより、取っ手部22bは、ヒンジ部22hを介して、ヒンジ部22hおよびヒンジ部21hの回転軸である軸ax_r_hを回転中心として、回動することができる。また、取っ手部22bは、
図4、
図5、
図8に示すように、ロック解除レバー22RLと対向する位置に設けられている。これにより、例えば、ユーザーが取っ手部22bに指を引っ掛けて容器100を持ち上げた後、取っ手部22b内の指でロック解除レバー22RLを押下して、蓋ユニット2をロック解除状態にする操作を容易に行うことができる。さらに、蓋ユニット2をロック解除状態にした後、取っ手部22b内の指を、取っ手部22bのリンク状の内壁部に沿って動かすことで、蓋ユニット2の蓋22を、ヒンジ部22hおよびヒンジ部21hの回転軸ax_r_hを中心として、容易に回動させることができる。すなわち、このような操作をすることで、取っ手部22bを引っ掛けた指のみを用いて、簡単に、蓋22を開くことができる(開いた状態にすることができる)。
【0045】
また、取っ手部22bの指掛け部(指を引っ掛ける部分(取っ手部22bのロック解除レバー22RLと対向する部分))がヒンジ部22h(ヒンジ軸)の上方近傍となるように、取っ手部22bが構成される。取っ手部22bをこのように構成することで、取っ手部22bに指を引っ掛けて容器100を持ち上げるときに、強度の高いヒンジ部22h(例えば、金属製のヒンジ部22h)に大きな負荷がかかるようにすることができ、その他の部分にかかる負荷(特に、ロックレバー22LLと第1係止部231aおよび第2係止部231bとが係止しロック状態を維持させる部分にかかる負荷)を軽減させることができる。
【0046】
ベース部22cは、外装部22aの内部に設置され、その底部は、平面視で略円形であり、その半径は、外装部22aの底部22a1の内径と略同一である。そして、ベース部22cは、外装部22aの底部22a1において接続(固定)されており、これにより、ベース部22cは、外装部22aとともに、ヒンジ部22hおよびヒンジ部21hの回転軸ax_r_hを中心として、回動される。
【0047】
また、ベース部22cには、
図7に示すように、スライダー22Sの下端部を突出させるための2つの開口部22c_hole_aおよび22c_hole_aが形成されている。
【0048】
また、ベース部22cは、
図5に示すように、ロック解除レバー22RLの回転軸を設定するためのヒンジ部22chを有しており、ロックレバー22LLがヒンジ部22chに、回転軸が軸ax_22RLとなるように、回動自在に接続される。つまり、ベース部22cには、ロック解除レバー22RLが軸ax_22RLを回転軸として回動自在に設置されている。
【0049】
また、ベース部22cには、
図5、
図10に示すように、スライダー22Sが上下(z軸方向)(
図10の矢印Dir22Sの方向)にスライド可能となるように設置されている。また、ベース部22cには、ロックレバー22LLが前後(x軸方向)(
図10の矢印Dir22LLの方向)にスライド可能となるように設置されている。
【0050】
また、ベース部22cには、
図11に示すように、ロックレバー22LLを前方(x軸正方向)に付勢するための弾性部材(例えば、バネ)の一端を固定するための弾性体固定部22c_st_a、および、22c_st_bが設置されている。
【0051】
内装部22dは、外装部22aの内壁に沿うような形状で形成されており、その内側にストロー装着ユニット23に装着された上ストロー32を収容する空間を確保する部材である。また、内装部22dは、
図10に示すように、上部に、第2シール部材25を収容するための開口部22d_holeを有している。また、内装部22dは、
図10に示すように、スライダー22Sが上下にスライド可能(移動可能)な状態で、スライダー22Sを保持するスライダー保持部22dsを有している。
【0052】
ヒンジ部22hは、ベース部22cから後方へ延設されている。そして、ヒンジ部22hは、
図10に示すように、蓋本体21のヒンジ部21hと、蓋22が蓋本体21に対して回動自在(軸ax_r_hを回転軸として回動自在)となるように、接続される。なお、ヒンジ部22hは、取っ手部22bに指を掛けて容器100を持ち上げるときに、大きな負荷がかかるので、強度の高い材質(例えば、金属)により構成されることが好ましい。
【0053】
ロック解除レバー22RLは、蓋22が蓋本体21に対してロックされた状態から解除し、蓋22による開閉ができる状態とするためのレバー(ロック解除レバー)である。ロック解除レバー22RLは、例えば、
図5、
図10に示すように、ベース部22cのヒンジ部22chを介して、軸ax_22RLを回転軸として回動自在となるように、ベース部22cに接続されている。また、ロック解除レバー22RLの端部は、スライダー22Sの上面と当接しており、ユーザーがロック解除レバー22RLを押下することで、スライダー22Sの上面に下方向の力を加え、それによって、スライダーを下方向にスライドさせる機能を有している。
【0054】
スライダー22Sは、例えば、
図5、
図13に示すように、スライド部23S1と、スライド部23S1から延設されている第1脚部22S2_aと、スライド部23S1から第1脚部22S2_aとは反対方向に延設されている第2脚部22S2_bとを有している。スライダー22Sは、
図5、
図13に示すように、上端部が略平面であり、上端部がロック解除レバー22RLの端部と当接している。そして、ユーザーがロック解除レバー22RLを押下したとき、ロック解除レバー22RLの端部からの力がスライダー22Sの上面に加わり、それによって、スライダー22Sが下方向にスライドする。
【0055】
スライド部23S1は、
図5、
図13に示すように、後方側が斜面となるように形成されており、当該斜面がロックレバー22LLと当接するように配置される。
【0056】
第1脚部22S2_aは、
図13に示すように、スライド部23S1から延設されており、その下端部が、スライダー22Sが下方向に移動(スライド)したときに、ベース部22cの開口部22c_hole_a(
図7を参照)から下方向(外方)へ突出する形状を有している。
【0057】
第2脚部22S2_bは、
図13に示すように、スライド部23S1から延設されており、その下端部が、スライダー22Sが下方向に移動(スライド)したときに、ベース部22cの開口部22c_hole_b(
図7を参照)から下方向(外方)へ突出する形状を有している。
【0058】
なお、ロック解除レバー22RLの端部からの力がスライダー22Sの上面に加わり、それによって、スライダー22Sが下方向にスライドしたときに、第1脚部22S2_aおよび第2脚部22S2_bが、ベース部22cの開口部22c_hole_a、22c_hole_b(
図7を参照)から突出することで、再ロック防止機能が実現される(詳細については後述)。
【0059】
ロックレバー22LLは、例えば、
図5、
図10~
図13に示すように、スライダー当接部22LL1と、第1延設部22LL2_aと、第2延設部22LL2_bと、第1弾性部材係合部22LL3_aと、第2弾性部材係合部22LL3_bと、第1ツメ部22LL4_aと、第2ツメ部22LL4_bとを有する。
【0060】
スライダー当接部22LL1は、スライダー22Sのスライド部23S1の後ろ側の斜面と当接するような斜面を構成するように形成されている。つまり、スライダー当接部22LL1は、断面視において、略直角三角形の形状を有している(
図5、
図13を参照)。このため、スライダー22Sのスライド部23S1が下方向に移動(スライド)した場合、スライド部23S1の斜面から、スライダー当接部22LL1の斜面に力が加わり、それによって、スライダー当接部22LL1が後方向(x軸負方向)へ移動する。
【0061】
第1延設部22LL2_aは、
図11、
図12に示すように、平面視において、内装部22dの外壁部を囲むように延設された形状を有しており、スライダー当接部22LL1と、第1弾性部材係合部22LL3_aと、第1ツメ部22LL4_aとに接続されている。なお、第1延設部22LL2_aは、
図13に示すように、スライダー当接部22LL1と接続されている端部とは逆側の端部の下面において、第1ツメ部22LL4_aと接続されている。
【0062】
第2延設部22LL2_bは、
図11、
図12に示すように、平面視において、内装部22dの外壁部を囲むように延設された形状を有しており、スライダー当接部22LL1と、第2弾性部材係合部22LL3_bと、第2ツメ部22LL4_bとに接続されている。なお、第2延設部22LL2_bは、
図13に示すように、スライダー当接部22LL1と接続されている端部とは逆側の端部の下面において、第2ツメ部22LL4_bと接続されている。
【0063】
第1弾性部材係合部22LL3_aは、
図11に示すように、ベース部22cの弾性体固定部22c_st_aと対向する位置に設置される。そして、第1弾性部材係合部22LL3_aは、第1弾性部材係合部22LL3_aと弾性体固定部22c_st_aとの間に設置される弾性部材(例えば、バネ)によって、前方(x軸正方向)に付勢される。
【0064】
第2弾性部材係合部22LL3_bは、
図11に示すように、ベース部22cの弾性体固定部22c_st_bと対向する位置に設置される。そして、第2弾性部材係合部22LL3_bは、第2弾性部材係合部22LL3_bと弾性体固定部22c_st_bとの間に設置される弾性部材(例えば、バネ)によって、前方(x軸正方向)に付勢される。
【0065】
第1ツメ部22LL4_aは、
図12、
図13に示すように、第1延設部22LL2_aの端部の下面に接続され、前方(x軸正方向)に延びるように形成されている。第1ツメ部22LL4_aは、蓋22が閉じている状態において、第1弾性部材係合部22LL3_aと弾性体固定部22c_st_aとの間に設置される弾性部材(例えば、バネ)によって、第1弾性部材係合部22LL3_aおよび第1延設部22LL2_aとともに、前方(x軸正方向)に付勢されており、かつ、第1ツメ部22LL4_aの先端がストロー装着ユニット23の第1係止部231aと係止している(
図14を参照)。これにより、蓋22が蓋本体21と密着した状態となり、蓋22が閉じた状態を維持できる。
【0066】
第2ツメ部22LL4_bは、
図12、
図13に示すように、第2延設部22LL2_bの端部の下面に接続され、前方(x軸正方向)に延びるように形成されている。第2ツメ部22LL4_bは、蓋22が閉じている状態において、第2弾性部材係合部22LL3_bと弾性体固定部22c_st_bとの間に設置される弾性部材(例えば、バネ)によって、第2弾性部材係合部22LL3_bおよび第2延設部22LL2_bとともに、前方(x軸正方向)に付勢されており、かつ、第2ツメ部22LL4_bの先端がストロー装着ユニット23の第2係止部231bと係止している。これにより、蓋22が蓋本体21と密着した状態となり、蓋22が閉じた状態を維持できる。
【0067】
ストロー装着ユニット23は、ストローユニット3を装着するための部材である。また、ストロー装着ユニット23は、蓋本体21に装着される部材であり、
図15に示すように、上面に、第1係止部231aと、第2係止部231bとが設置されている。なお、第1係止部231aと、第2係止部231bとは、蓋22のヒンジ部22hから離れた位置に設置されている。
図7に示すように、第1係止部231aと、第2係止部231bとは、蓋22のヒンジ部22hが設置されている位置と反対側の周縁部付近に設置されており、第1係止部231a(または、第2係止部231b)とヒンジ部22hとの距離は、蓋本体21の内径よりも長い距離となっている。これにより、蓋22が閉じている状態において、ヒンジ部21hの近傍に設置されている取っ手部22bを上方に持ち上げたときに、第1係止部231aおよび第2係止部231bにかかる力が小さいので、ロックレバー22LLと、第1係止部231aおよび第2係止部231bとの係合状態が解除され、ユーザーが意図しないときに、蓋22が開くことを適切に防止できる。
【0068】
また、ストロー装着ユニット23には、
図15に示すように、ストローユニット3の下シール部材33を装着(配置)するための開口部23_hole1と、ストローユニット3の上シール部材34を装着(配置)するとともに空気孔を確保するための開口部23_hole2とが設けられている。
【0069】
第1シール部材24は、容器本体1の上部の開口部を密閉するための部材である。第1シール部材24は、ストロー装着ユニット23の下部に装着され、さらに、第1シール部材24が装着されたストロー装着ユニット23が蓋本体21に装着された状態において、容器本体1の上部の開口部を密閉する。
【0070】
第2シール部材25は、ストローユニット3の上ストロー32の上端を密閉するための部材である。第2シール部材25は、
図5に示すように、蓋22の外装部22aの開口部22a_holeおよび内装部22dの開口部22d_holeに配置され、蓋22を閉じた状態において、上ストロー32の上端を密閉する。これにより、蓋22を閉じた状態において、容器本体1に収容されている飲料水等が、ストローユニット3を介して、外部に漏れることを防止することができる。
【0071】
(1.1.3:ストローユニット)
ストローユニット3は、容器本体1に収容されている飲料水等を吸い上げるための部材であり、下ストロー31と、上ストロー32と、ストロージョイント部3_JTと、下シール部材33と、上シール部材34と、を備える。
【0072】
下ストロー31は、
図3、
図16に示すように、略円筒状の部材であり、その上端部がストロージョイント部3_JTに装着(接続)される。
【0073】
上ストロー32は、
図3、
図16に示すように、略円筒状の部材であり、その下端部がストロージョイント部3_JTに装着(接続)される。
【0074】
ストロージョイント部3_JTは、下ストロー31および上ストローを接続するための部材であり、その内壁部が略円筒状に形成されている。さらに、ストロージョイント部3_JTは、下部において、下シール部材33が装着され、上部において、上シール部材34が装着される。
【0075】
下シール部材33は、ストローユニット3が蓋本体21に装着された状態において、容器本体1の上部の開口部(下ストローが配置される付近の開口領域)を密閉するための部材である。下シール部材33は、
図16に示すように、ストロージョイント部3_JTの下部に装着される。
【0076】
上シール部材34は、ストローユニット3が蓋本体21に装着された状態において、上ストローの外側の周縁部付近を密閉するための部材である。さらに、上シール部材34は、
図16の右図に示すように、空気孔シール部34aを有している。空気孔シール部34aは、略円筒形状を有しており、蓋22が開いている状態では、容器本体1の内部と貫通しており、外部から容器本体1の内部へ空気が入る経路(
図6の矢印Dir1の経路)を確保する(
図6を参照)。蓋22が閉じている状態では、空気孔シール部34aの上部が蓋22のベース部22cの下面と密着した状態となり、これにより、空気孔を密閉する。
【0077】
なお、ストローユニット3は、ストロー部分をストロー装着ユニット23の開口部23_hole1に装着するとともに、上シール部材34の空気孔シール部34aをストロー装着ユニット23の開口部23_hole2に装着することで、ストロー装着ユニット23に装着される。
【0078】
<1.2:蓋ユニット2の開閉操作>
以上のように構成された蓋ユニット2の開閉操作について、以下、説明する。
【0079】
図17は、蓋ユニット2を開く操作を説明するための図である。具体的には、
図17は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2部分を拡大して示した斜視図であって、外装部22a、取っ手部22bを除外して示した斜視図に、蓋ユニット2を開く操作を行ったときに加えられる力を明示した図である。
【0080】
図18は、蓋ユニット2を開く操作を説明するための図である。具体的には、
図18は、第1実施形態に係る容器100の蓋ユニット2部分を拡大して示した斜視図であって、ロック解除レバー22RL、スライダー22S、ロックレバー22LL等を抽出して示した図に、蓋ユニット2を開く操作を行ったときに加えられる力を明示した図である。
【0081】
図19は、蓋ユニット2を開く操作を説明するための図である。具体的には、
図19は、
図14の断面斜視図を側方から見た図を模式的に示した図であって、ロックレバー22LL、第1係止部231a、弾性部材sprg_a、弾性体固定部22c_st_a、ストロー装着ユニット23、蓋22のベース部22c、および、ヒンジ部22hの回転軸ax_r_hを抽出して模式的に示した図である。
【0082】
図20は、蓋ユニット2を閉める操作を説明するための図である。具体的には、
図20は、
図14の断面斜視図を側方から見た図を模式的に示した図であって、ロックレバー22LL、第1係止部231a、弾性部材sprg_a、弾性体固定部22c_st_a、ストロー装着ユニット23、蓋22のベース部22c、および、ヒンジ部22hの回転軸ax_r_hを抽出して模式的に示した図である。
【0083】
(1.2.1:蓋ユニット2を開く操作)
まず、蓋ユニット2を開く操作(蓋22を開く操作)について説明する。
【0084】
ユーザーが容器100を蓋22が閉じた状態で取っ手部22bに指を掛けて持ち上げ、その後、ロックレバー22LLを押下し、蓋22を開く操作を行う場合について、説明する。
【0085】
蓋22が閉じた状態において、
図10、
図11に示すように、ロックレバー22LLが弾性部材sprg_a、sprg_b(
図11を参照)により前方(x軸正方向)に付勢されている。これにより、ロックレバー22LLの第1ツメ部22LL4_aがストロー装着ユニット23の第1係止部231aと係止しており、かつ、ロックレバー22LLの第2ツメ部22LL4_bがストロー装着ユニット23の第2係止部231bと係止しており、蓋22が閉じた状態に維持される。このとき、第1ツメ部22LL4_aと第1係止部231aとの係止状態、および、第2ツメ部22LL4_bと第2係止部231bとの係止状態とが解消されると、蓋22のロック状態が解除され、蓋22が開くことになる。しかしながら、第1ツメ部22LL4_aと第1係止部231aとが係止している位置、および、第2ツメ部22LL4_bと第2係止部231bとが係止している位置が、ヒンジ部22hから離れた位置であるので(
図12、
図14を参照)、ヒンジ部22hの上方にある取っ手部22b(
図5を参照)を上方に指で持ち上げたとしても、係止位置に加わる力は小さく、その結果、蓋22のロック状態(蓋22を閉じた状態)を確実に(安全に)維持することができる。つまり、ユーザーが意図せず、蓋22のロック状態が解除され、蓋22が不用意に開いてしまうことを適切に防止できる。つまり、ユーザーは、容器100を蓋22が閉じた状態で取っ手部22bに指を掛けて持ち上げて、安全に(途中で意図せず蓋22が開くことなく)、容器100を運搬することができる。
【0086】
そして、ユーザーが容器100の蓋22を開きたいときに、ユーザーは、ロック解除レバー22RLを押下する。つまり、ユーザーは、
図8の(1)で示した矢印の方向に力を加えて、ロック解除レバー22RLを押下する。
【0087】
図8の(1)、
図17の(1)で示した矢印の方向に力が加えられると、ロック解除レバー22RLが、軸ax_22RLを回転軸として、下方向に回転し、スライダー22Sの上面と当接しているロック解除レバー22RLの端部から、スライダー22Sの上面に下方向の力を加えられる(
図17、
図18の(2)で示した矢印の方向に力が加えられる)。それによって、スライダー22Sが下方向にスライドする。
【0088】
スライダー22Sは、
図17に示すように、スライダー保持部22dsにより上下方向にのみ移動するように規制されており、かつ、スライダー22Sのスライド部23S1の後方側が斜面となるように形成されているので、スライダー22Sが下方向に移動(スライド)することで、スライダー22Sが内装部22dを押す力(
図17の(3A)で示した矢印の力)が発生するとともに、スライダー22Sがスライダー22Sのスライド部23S1の後方側の斜面を介して、ロックレバー22LLのスライダー当接部22LL1を下方向に押すことで、ロックレバー22LLを後ろ方向(x軸負方向)に移動させる力(
図17、
図18、
図19の(3B)で示した矢印の力)が発生する。
【0089】
ロックレバー22LLを後ろ方向(x軸負方向)に移動させる力(
図17、
図18、
図19の(3B)で示した矢印の力)が発生すると、ロックレバー22LLが後方向(x軸負方向)に移動し、
図19の状態2で示した状態になると、ロックレバー22LLの第1ツメ部22LL4_aと第1係止部231aとの係止、および、ロックレバー22LLの第2ツメ部22LL4_bと第2係止部231bとの係止が解かれる(係止状態が解除される)。このようにロックレバーの係止状態が解除されると、蓋22(蓋22のベース部22c、ロックレバー22LL等)は、ヒンジ部22hの回転軸x_r_hを回転中心として、
図19の中図においてrot1で示した方向に回転する。つまり、蓋22を蹴り上げる動作が実現される(
図17の(4)で示した矢印の方向に蓋22が回動する)。
【0090】
すると、
図19の状態2から状態3の状態へと移行する。つまり、蓋22(蓋22のベース部22c、ロックレバー22LL等)がヒンジ部22hの回転軸x_r_hを回転中心として、
図19の中図においてrot1で示した方向に回転するとともに、弾性部材sprg_a(および弾性部材sprg_b)の弾性力(
図19においてF1で示した方向の力(反発力))により、ロックレバー22LLが前方に押し出され、
図19の状態3の状態となり、蓋22は、ロック解除状態となる。また、この状態において、
図19の状態3に示すように、スライダー22Sの第1脚部22S2_a(および第2脚部22S2_b)の一部が、ベース部22cの開口部22c_hole_a(および22c_hole_b)(
図7を参照)から突出した状態となる。これにより、再ロック防止状態となる。つまり、スライダー22Sの第1脚部22S2_a(および第2脚部22S2_b)の一部が、ベース部22cの開口部22c_hole_a(および22c_hole_b)(
図7を参照)から突出した状態となるので、ユーザーが蓋22を閉じるためには、
図19の下方向に蓋22を一定以上の力(ロックレバー22LLを係止状態に戻し、かつ、スライダー22Sを上方向に移動させ、突出部分がない状態にできる力)で押し込む必要がある。そのため、ユーザーが意図せず、再度、蓋22がロック状態となることを適切に防止できる。
【0091】
そして、状態3では、蓋22がロック解除状態となっているため、ユーザーが取っ手部22bに引っ掛けている指を、取っ手部22bの内周(円弧)に沿うように移動させる(力を加える)ことで、蓋22がヒンジ部22hの回転軸ax_r_hを回動中心として、回転し、蓋22を開くことができる。つまり、このような操作を行うことで、
図7に示すように、蓋22を開いた状態とすることができる。
【0092】
(1.2.2:蓋ユニット2を閉じる操作)
次に、蓋ユニット2を閉じる操作(蓋22を閉じる操作)について説明する。蓋ユニット2を閉じる操作(蓋22を閉じる操作)は、蓋ユニット2を開く操作(蓋22を開く操作)の逆の操作となる。
【0093】
蓋22が開いた状態から、ユーザーが、取っ手部22bに指を引っ掛け、取っ手部22bの内周(円弧)に沿うように移動させる(力を加える)ことで、蓋22をヒンジ部22hの回転軸ax_r_hを回動中心として、回転させ、
図20の状態4の状態にする。
【0094】
そして、
図20の状態4の状態で、ユーザーは、蓋22に対して、
図20の上図にrot2で示した方向に力を加える。これにより、蓋22が、回転軸ax_r_hを回転中心として、さらに下方向に回転するとともに、第1係止部231aの上面に押圧されて、ロックレバー22LLが後ろ方向に移動し、弾性部材sprg_aが縮んだ状態となる。そして、蓋22のベース部22cの下面が、ストロー装着ユニット23の上面と略平行となる位置まで蓋22が回転し、
図20の状態5の状態となる。
【0095】
そして、状態5の状態において、ロックレバー22LLには、縮んだ状態である弾性部材sprg_aからの弾性力(反発力)により、前方向の力(
図20にF2で示した方向の力)が加えられる。これにより、ロックレバー22LLは、前方向へ移動し、ロックレバー22LLの第1ツメ部22LL4_aが、第1係止部231aと係止した状態(
図20の状態6)となる。つまり、ロックレバー22LLがロック状態となり、蓋22がロックされた状態となる。このように操作することで、蓋ユニット2を閉じる(蓋22を閉じる)ことができる。
【0096】
≪まとめ≫
容器100では、蓋ユニット2の蓋22が取っ手部22bを一体として有しているので(蓋22において、取っ手部22bを一体成形できるので)、蓋と取っ手部とを別々の部品として、両者を接続する構成に比べて、取っ手部分の強度が向上するとともに、部品点数を削減することができる。
【0097】
また、容器100では、蓋ユニット2において、取っ手部22bの指掛け部(指を引っ掛ける部分(取っ手部22bのロック解除レバー22RLと対向する部分))がヒンジ部22h(ヒンジ軸)の上方近傍となるように構成されているので、強度の高いヒンジ部22h(例えば、金属製のヒンジ部22h)に負荷をかけて、その他の部分(特に、ロックレバー22LLと第1係止部231aおよび第2係止部231bとが係止しロック状態を維持させる部分)にかかる負荷を軽減させることができる。
【0098】
また、容器100では、蓋ユニット2において、第1係止部231aと、第2係止部231bとは、蓋22のヒンジ部22hから離れた位置に設置されている。これにより、蓋22が閉じている状態において、ヒンジ部21hの近傍に設置されている取っ手部22bを上方に持ち上げたときに、第1係止部231aおよび第2係止部231bにかかる力が小さいので、ロックレバー22LLと、第1係止部231aおよび第2係止部231bとの係合状態が解除され、ユーザーが意図しないときに、蓋22が開くことを適切に防止できる(ユーザーが意図しないロック解除を適切に防止できる)。
【0099】
また、容器100では、蓋ユニット2において、取っ手部22bに引っ掛けた指を使って、ロック解除レバーを押下することで、蓋22を開けることができる。つまり、取っ手部22bに引っ掛けた指を使って(片手の指だけを使って)、容器100を持ち上げて運搬し、さらに、蓋22を開ける操作を連続して簡単に行うことができる。すなわち、容器100では、蓋ユニット2において、取っ手部22bに引っ掛けた指を使って、ロック解除レバーを押下することで、スライダー22Sが下方向に移動し、ロックレバー22LLが後方に移動し、ロックレバー22LLと第1係止部231aおよび第2係止部231bとの係止が解除された(ロック解除された)状態とすることができる。さらに、ロック解除後、ユーザーが取っ手部22bに引っ掛けている指を、取っ手部22bの内周(円弧)に沿うように移動させる(力を加える)ことで、蓋22がヒンジ部22hの回転軸ax_r_hを回動中心として、回転し、蓋22を開くことができる。
【0100】
つまり、容器100では、蓋ユニット2において、取っ手部22bに引っ掛けた指を使って、ロック解除および蓋22を開ける操作を一連の動作として行うことができる。
【0101】
また、容器100では、蓋ユニット2において、蓋22を開ける操作は、ロック解除後にロックレバー22LLで蓋22を蹴り上げる動作により実現されるので、取っ手部22bに引っ掛けた指でロック解除レバー22RLを押下することで、簡単に、蓋22を開く操作を行うことができる。
【0102】
さらに、容器100では、蓋ユニット2において、ロック解除されたとき、スライダー22Sが下方向にスライドし、第1脚部22S2_aおよび第2脚部22S2_bが、ベース部22cの開口部22c_hole_a、22c_hole_bから突出し、蓋22が意図せず再ロックされることを適切に防止できる。
【0103】
以上のように、容器100では、片手(取っ手部22bに引っ掛けた指)で容器100を運搬しつつ蓋を開ける操作を容易かつ確実に行うことができる。
【0104】
[他の実施形態]
上記実施形態の容器100では、ストローユニット3を備える構成について説明したが、これに限定されることなく、例えば、ストローユニット3の代わりに、容器本体1に収容されている飲料水等を飲む飲み口が蓋ユニット2に形成されている機構を有するものであってもよい。
【0105】
上記実施形態において、「同じ」は、概ね同じであることを含む概念である。
【0106】
また、上記実施形態において、構成部材のうち、上記実施形態に必要な主要部材のみを簡略化して示している部分がある。したがって、上記実施形態において明示されなかった任意の構成部材を備えうる。また、上記実施形態および図面において、各部材の寸法は、実際の寸法および寸法比率等を忠実に(厳密に)表したものではない部分がある。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で寸法や寸法比率等の変更は可能である。
【0107】
なお、本発明の具体的な構成は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
【符号の説明】
【0108】
100 容器
1 容器本体
2 蓋ユニット
21 蓋本体21
22 蓋
22RL ロック解除レバー
22S スライダー
22RL ロック解除レバー
23 ストロー装着ユニット
231a 第1係止部
232b 第2係止部