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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】スクリュー圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04C 18/52 20060101AFI20241218BHJP
   F04C 29/00 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
F04C18/52
F04C29/00 C
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023058773
(22)【出願日】2023-03-31
(65)【公開番号】P2024146067
(43)【公開日】2024-10-15
【審査請求日】2024-03-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 貴司
(72)【発明者】
【氏名】今村 誠之
(72)【発明者】
【氏名】宮村 治則
【審査官】中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-164591(JP,A)
【文献】特開平09-170554(JP,A)
【文献】特開2014-025435(JP,A)
【文献】特開2009-167846(JP,A)
【文献】実開平03-099888(JP,U)
【文献】特開2021-162021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 18/52
F04C 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリュー溝(21)を有し軸方向(X)に延びるスクリューロータ(20)と、
前記スクリュー溝(21)に噛み合うゲート(32,37)を有するゲートロータ(30,35)と、
前記スクリューロータ(20)を回転可能に保持するとともに前記スクリューロータ(20)を前記軸方向(X)に直交する径方向(R)の外側(Ra)から覆うケーシング(50)と、を備え、
前記スクリューロータ(20)と前記ゲートロータ(30,35)と前記ケーシング(50)とは、流体(W)を圧縮する圧縮室(S1,S2)を形成しており、
前記ケーシング(50)における前記径方向(R)の外側(Ra)のケース外壁部(58)には、前記流体(W)が吐出されるケース側吐出口(63,64)が形成されており、
前記ケーシング(50)における前記圧縮室(S1,S2)に臨む部分(55c,55d)には、前記ケース側吐出口(63,64)に連通する吐出ポート(65,66)が形成されており、
前記吐出ポート(65,66)は、前記軸方向(X)における第1方向側(Xa)の第1端部(65a,66a)と、前記軸方向(X)における前記第1方向側(Xa)とは反対側の第2方向側(Xb)の第2端部(65b,66b)と、を含み、
前記ケース側吐出口(63,64)は、前記軸方向(X)において、前記第1端部(65a,66a)から前記ゲート(32,37)の半径(r)だけ前記第1方向側(Xa)に離れた第1位置(Ka)と、前記第2端部(65b,66b)から前記ゲート(32,37)の前記半径(r)だけ前記第2方向側(Xb)に離れた第2位置(Kb)と、の間に位置しており、
前記ケース側吐出口(63,64)は、前記径方向(R)において、前記スクリューロータ(20)よりも前記吐出ポート(65,66)に近い側に位置し、
前記ゲートロータ(30,35)は、前記ケーシング(50)に設けられたゲートロータ室(59,61)に収容されており、
前記ケース外壁部(58)には、前記ゲートロータ室(59,61)に連通するゲート開口(60,62)が設けられており、
前記ケース側吐出口(63,64)と前記ゲート開口(60,62)とは、キャップ(91,93)で覆われており、
前記キャップ(91,93)には、前記ケース側吐出口(63,64)に連通するキャップ側吐出路(94,97)が設けられている、スクリュー圧縮機。
【請求項2】
前記ケース側吐出口(63,64)は、前記ケース外壁部(58)における前記キャップ(91,93)に対するケース側取付面(58a,58b)と面一にあり、
前記ケース側取付面(58a,58b)と前記キャップ(91,93)とは、第1シール部材(92)でシールされている、請求項に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項3】
前記キャップ側吐出路(94,97)は、前記ケース側吐出口(63,64)に差し込まれるキャップ側差込管(94c,97c)を含み、
前記ケース側吐出口(63,64)と前記キャップ側差込管(94c,97c)とは、第2シール部材(101)でシールされている、請求項に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項4】
前記ケース側吐出口(63,64)は、前記軸方向(X)において、前記吐出ポート(65,66)に重なる位置にある、請求項1又は2記載のスクリュー圧縮機。
【請求項5】
前記ケーシング(50)には、前記ケース側吐出口(63,64)と前記吐出ポート(65,66)とを接続する接続路(67,68)が設けられており、
前記接続路(67,68)は、真直ぐに延びている、請求項1又は2に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項6】
前記ケース側吐出口(63,64)には、吐出管(95,98)が接続されており、
前記吐出管(95,98)には、消音材(96)が設けられている、請求項1又は2に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項7】
前記スクリューロータ(20)を支持するベアリング(74)を保持するベアリングホルダ(73)と、
前記ベアリングホルダ(73)を前記軸方向(X)に押さえる保持部材(77)と、を備え、
前記保持部材(77)は、前記軸方向(X)を厚さ方向(t)とする板状である、請求項1又は2に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項8】
前記軸方向(X)に移動することにより前記吐出ポート(65,66)の開度(C)を調整するスライドバルブ(87,89)を備える、請求項1又は2に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項9】
前記ゲートロータ(30,35)としての第1ゲートロータ(30)及び第2ゲートロータ(35)を備え、
前記スクリューロータ(20)と前記第1ゲートロータ(30)と前記ケーシング(50)とは、前記圧縮室(S1,S2)としての第1圧縮室(S1)を形成しており、
前記スクリューロータ(20)と前記第2ゲートロータ(35)と前記ケーシング(50)とは、前記圧縮室(S1,S2)としての第2圧縮室(S2)を形成しており、
前記ケース外壁部(58)には、前記ケース側吐出口(63,64)としての第1ケース側吐出口(63)及び第2ケース側吐出口(64)が形成されており、
前記ケーシング(50)における前記第1圧縮室(S1)に臨む部分(55c)には、前記吐出ポート(65,66)としての第1吐出ポート(65)が形成されており、
前記ケーシング(50)における前記第2圧縮室(S2)に臨む部分(55d)には、前記吐出ポート(65,66)としての第2吐出ポート(66)が形成されており、
前記第1吐出ポート(65)は、前記第1ケース側吐出口(63)に連通しており、
前記第2吐出ポート(66)は、前記第2ケース側吐出口(64)に連通しており、
前記第1ケース側吐出口(63)と前記第2ケース側吐出口(64)とは、前記スクリューロータ(20)の周方向(θ)において、互いに異なる位置にある、請求項1又は2に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項10】
前記ゲートロータ(30,35)としての第1ゲートロータ(30)及び第2ゲートロータ(35)を備え、
前記スクリューロータ(20)と前記第1ゲートロータ(30)と前記ケーシング(50)とは、前記圧縮室(S1,S2)としての第1圧縮室(S1)を形成しており、
前記スクリューロータ(20)と前記第2ゲートロータ(35)と前記ケーシング(50)とは、前記圧縮室(S1,S2)としての第2圧縮室(S2)を形成しており、
前記ケース外壁部(58)には、前記ケース側吐出口(63,64)としての第1ケース側吐出口(63)及び第2ケース側吐出口(64)が形成されており、
前記ケーシング(50)における前記第1圧縮室(S1)に臨む部分(55c)には、前記吐出ポート(65,66)としての第1吐出ポート(65)が形成されており、
前記ケーシング(50)における前記第2圧縮室(S2)に臨む部分(55d)には、前記吐出ポート(65,66)としての第2吐出ポート(66)が形成されており、
前記第1吐出ポート(65)は、前記第1ケース側吐出口(63)に連通しており、
前記第2吐出ポート(66)は、前記第2ケース側吐出口(64)に連通しており、
前記第1ケース側吐出口(63)には、第1吐出管(95)が接続されており、
前記第2ケース側吐出口(64)には、第2吐出管(98)が接続されており、
前記第1吐出管(95)と前記第2吐出管(98)とは、合流部(99)にて合流しており、
前記第1吐出ポート(65)から前記第1ケース側吐出口(63)及び前記第1吐出管(95)を介して前記合流部(99)に至る前記流体(W)の脈動(U)と、前記第2吐出ポート(66)から前記第2ケース側吐出口(64)及び前記第2吐出管(98)を介して前記合流部(99)に至る前記流体(W)の前記脈動(U)とが、互いに打ち消し合うように構成されている、請求項1又は2に記載のスクリュー圧縮機。
【請求項11】
前記第1圧縮室(S1)は、第1圧力(P1)の前記流体(W)を前記第1圧力(P1)よりも高圧の中間圧力(Pm)まで圧縮しており、
前記第2圧縮室(S2)は、前記中間圧力(Pm)の前記流体(W)を前記中間圧力(Pm)よりも高圧の第2圧力(S2)まで圧縮しており、
前記流体(W)は、前記第1圧縮室(S1)、前記第1吐出ポート(65)、前記第1ケース側吐出口(63)、前記第2圧縮室(S2)、前記第2吐出ポート(66)及び前記第2ケース側吐出口(64)の順で流れる、請求項に記載のスクリュー圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スクリュー圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に示すように、スクリュー圧縮機について種々の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-025435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のスクリュー圧縮機は、スクリューロータと、ゲートロータと、ケーシングと、を備える。スクリューロータは、軸方向に延びるとともに、外周部にスクリュー溝が設けられている。ゲートロータには、ゲートが設けられている。ゲートロータのゲートは、スクリューロータのスクリュー溝に噛み合う。ケーシングは、スクリューロータを回転可能に保持するとともに、スクリューロータを外周側から覆う。
【0005】
スクリューロータとゲートロータとケーシングとは、流体を圧縮するための圧縮室を形成する。ケーシングにおける圧縮室に臨む部分には、吐出ポートが形成されている。吐出ポートは、圧縮室よりも外周側に位置する。ケーシングの軸方向一方側には、吐出カバーが取り付けられている。吐出カバーには、吐出口が設けられている。
【0006】
特許文献1に開示のスクリュー圧縮機では、吐出ポートと吐出口との間に吐出カバーが介在するので、吐出ポートと吐出口とは、必然的に軸方向に互いに離間する。このため、圧縮室で圧縮された流体は、圧縮室から吐出ポートに向かって外周側に流れた後に、軸方向に方向転換して、ケーシング内を軸方向に流れて吐出カバーに至り、吐出口を介して吐出カバー外へ吐出される。
【0007】
特許文献1に開示のスクリュー圧縮機では、吐出ポートから吐出口に至る流路の途中で、流体が径方向から軸方向に方向転換せざるを得ず、圧縮室で圧縮された流体が吐出ポート及び吐出口を介して外部へ吐出されるまでに圧力損失が生じる原因となっていた。
【0008】
本開示の目的は、スクリュー圧縮機において、流体の圧力損失を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の第1の態様は、スクリュー圧縮機(1)を対象とする。スクリュー圧縮機(1)は、スクリュー溝(21)を有し軸方向(X)に延びるスクリューロータ(20)と、前記スクリュー溝(21)に噛み合うゲート(32,37)を有するゲートロータ(30,35)と、前記スクリューロータ(20)を回転可能に保持するとともに前記スクリューロータ(20)を前記軸方向(X)に直交する径方向(R)の外側(Ra)から覆うケーシング(50)と、を備え、前記スクリューロータ(20)と前記ゲートロータ(30,35)と前記ケーシング(50)とは、流体(W)を圧縮する圧縮室(S1,S2)を形成しており、前記ケーシング(50)における前記径方向(R)の外側(Ra)のケース外壁部(58)には、前記流体(W)が吐出されるケース側吐出口(63,64)が形成されており、前記ケーシング(50)における前記圧縮室(S1,S2)に臨む部分(55c,55d)には、前記ケース側吐出口(63,64)に連通する吐出ポート(65,66)が形成されており、前記吐出ポート(65,66)は、前記軸方向(X)における第1方向側(Xa)の第1端部(65a,66a)と、前記軸方向(X)における前記第1方向側(Xa)とは反対側の第2方向側(Xb)の第2端部(65b,66b)と、を含み、前記ケース側吐出口(63,64)は、前記軸方向(X)において、前記第1端部(65a,66a)から前記ゲート(32,37)の半径(r)だけ前記第1方向側(Xa)に離れた第1位置(Ka)と、前記第2端部(65b,66b)から前記ゲート(32,37)の前記半径(r)だけ前記第2方向側(Xb)に離れた第2位置(Kb)と、の間に位置しており、前記ケース側吐出口(63,64)は、前記径方向(R)において、前記スクリューロータ(20)よりも前記吐出ポート(65,66)に近い側に位置する。
【0010】
第1の態様によれば、ケース側吐出口(63,64)は、径方向(R)の外側(Ra)のケース外壁部(58)に形成されている。ケース側吐出口(63,64)は、軸方向(X)において、第1位置(Ka)と第2位置(Kb)との間に位置している。ケース側吐出口(63,64)と吐出ポート(65,66)とは、軸方向(X)において、大きくは離間しない。ケース側吐出口(63,64)は、軸方向(X)において、吐出ポート(65,66)の近くに位置しやすい。
【0011】
吐出ポート(65,66)からケース側吐出口(63,64)に至る流路の途中で、流体(W)が径方向(R)から軸方向(X)に方向転換しにくくなる。圧縮室(S1,S2)で圧縮された流体(W)は、圧縮室(S1,S2)から吐出ポート(65,66)に向かって径方向(R)の外側(Ra)に流れた後に、軸方向(X)にほとんど方向転換することなく、ほとんど径方向(R)の外側(Ra)に流れて、ケース側吐出口(63,64)を介してケーシング(50)外へ吐出される。
【0012】
圧縮室(S1,S2)で圧縮された流体(W)が、吐出ポート(65,66)及びケース側吐出口(63,64)を介してケーシング(50)外へ吐出されるまでに、圧力損失が生じにくくなる。以上、スクリュー圧縮機(1)において、流体(W)の圧力損失を抑制することができる。
【0013】
本開示の第2の態様では、第1の態様において、前記ゲートロータ(30,35)は、前記ケーシング(50)に設けられたゲートロータ室(59,61)に収容されており、前記ケース外壁部には、前記ゲートロータ室(59,61)に連通するゲート開口(60,62)が設けられており、前記ケース側吐出口(63,64)と前記ゲート開口(60,62)とは、キャップ(91,93)で覆われており、前記キャップ(91,93)には、前記ケース側吐出口(63,64)に連通するキャップ側吐出路(94,97)が設けられている。
【0014】
ゲートロータ(30,35)が収容されるゲートロータ室(59,61)は、通常、軸方向(X)において吐出ポート(65,66)の近くに配置される。ゲート開口(60,62)を覆うキャップ(91,93)もまた、通常、軸方向(X)において吐出ポート(65,66)の近くに配置される。ケース側吐出口(63,64)がゲート開口(60,62)と伴にキャップ(91,93)で覆われるという事実は、ケース側吐出口(63,64)が軸方向(X)において吐出ポート(65,66)の近くに位置することを、意味する。また、ケース側吐出口(63,64)に連通するキャップ側吐出路(94,97)を、キャップ(91,93)に設けることによって、流体(W)を、ケーシング(50)側からキャップ(91,93)側に流すことができる。
【0015】
本開示の第3の態様では、第2の態様において、前記ケース側吐出口(63,64)は、前記ケース外壁部(58)における前記キャップ(91,93)に対するケース側取付面(58a,58b)と面一にあり、前記ケース側取付面(58a,58b)と前記キャップ(91,93)とは、第1シール部材(92)でシールされている。
【0016】
第3の態様によれば、ケース側吐出口(63,64)がケース側取付面(58a,58b)と面一なので、ケース側取付面(58a,58b)とキャップ(91,93)とを第1シール部材(92)でシールすることによって、ケース側吐出口(63,64)から吐出された流体(W)が、ケース側取付面(58a,58b)とキャップ(91,93)との隙間から漏れることを抑制できる。
【0017】
本開示の第4態様では、第2の態様において、前記キャップ側吐出路(94,97)は、前記ケース側吐出口(63,64)に差し込まれるキャップ側差込管(94c,97c)を含み、前記ケース側吐出口(63,64)と前記キャップ側差込管(94c,97c)とは、第2シール部材(101)でシールされている。
【0018】
第4の態様によれば、ケース側吐出口(63,64)から吐出された流体(W)がキャップ側吐出路(94,97)に至るまでに外部に漏れることを抑制できる。
【0019】
本開示の第5の態様では、第1~第4の態様において、前記ケース側吐出口(63,64)は、前記軸方向(X)において、前記吐出ポート(65,66)に重なる位置にある。
【0020】
第5の態様によれば、ケース側吐出口(63,64)を、軸方向(X)において吐出ポート(65,66)のさらに近くに位置付けることができる。圧縮室(S1,S2)から吐出ポート(65,66)に向かって径方向(R)の外側(Ra)に流れた流体(W)が、ケース側吐出口(63,64)に至るまでに軸方向(X)に方向転換するのを抑制する上で、有利である。
【0021】
本開示の第6の態様では、第1~第5の態様において、前記ケーシング(50)には、前記ケース側吐出口(63,64)と前記吐出ポート(65,66)とを接続する接続路(67,68)が設けられており、前記接続路(67,68)は、真直ぐに延びている。
【0022】
第6の態様によれば、接続路(67,68)が真直ぐに延びているので、接続路(67,68)を流れる流体(W)の圧力損失を抑制する上で有利になる。
【0023】
本開示の第7の態様では、第1~第6の態様において、前記ケース側吐出口(63,64)には、吐出管(95,98)が接続されており、前記吐出管(95,98)には、消音材(96)が設けられている。
【0024】
第7の態様によれば、吐出管(95,98)に消音材(96)を設けることによって、吐出管(95,98)を流れる流体(W)による騒音を抑制する上で有利になる。
【0025】
本開示の第8の態様では、第1~第7の態様において、前記スクリュー圧縮機(1)は、前記スクリューロータ(20)を支持するベアリング(74)を保持するベアリングホルダ(73)と、前記ベアリングホルダ(73)を前記軸方向(X)に押さえる保持部材(77)と、を備え、前記保持部材(77)は、前記軸方向(X)を厚さ方向(t)とする板状である。
【0026】
第8の態様によれば、保持部材(77)が軸方向(X)を厚さ方向(t)とする板状なので、スクリュー圧縮機(1)の軸方向(X)の寸法を小さくする上で有利である。
【0027】
本開示の第9の態様では、第1~第8の態様において、前記スクリュー圧縮機(1)は、前記軸方向(X)に移動することにより前記吐出ポート(S1,S2)の開度(C)を調整するスライドバルブ(87,89)を備える。
【0028】
第9の態様によれば、スライドバルブ(87,89)で吐出ポート(65,66)の開度(C)を調整することによって、圧縮室(S1,S2)の見かけの容積を簡単に調整することができる。
【0029】
本開示の第10の態様では、第1~第9の態様において、前記スクリュー圧縮機(1)は、前記ゲートロータ(30,35)としての第1ゲートロータ(30)及び第2ゲートロータ(35)を備え、前記スクリューロータ(20)と前記第1ゲートロータ(30)と前記ケーシング(50)とは、前記圧縮室(S1,S2)としての第1圧縮室(S1)を形成しており、前記スクリューロータ(20)と前記第2ゲートロータ(35)と前記ケーシング(50)とは、前記圧縮室(S1,S2)としての第2圧縮室(S2)を形成しており、前記ケース外壁部(58)には、前記ケース側吐出口(63,64)としての第1ケース側吐出口(63)及び第2ケース側吐出口(64)が形成されており、前記ケーシング(50)における前記第1圧縮室(S1)に臨む部分(55c)には、前記吐出ポート(65,66)としての第1吐出ポート(65)が形成されており、前記ケーシング(50)における前記第2圧縮室(S2)に臨む部分(55d)には、前記吐出ポート(65,66)としての第2吐出ポート(66)が形成されており、前記第1吐出ポート(65)は、前記第1ケース側吐出口(63)に連通しており、前記第2吐出ポート(66)は、前記第2ケース側吐出口(64)に連通しており、前記第1ケース側吐出口(63)と前記第2ケース側吐出口(64)とは、前記スクリューロータ(20)の周方向(θ)において、互いに異なる位置にある。
【0030】
第10の態様によれば、第1ケース側吐出口(63)と第2ケース側吐出口(64)とが周方向(θ)において互いに異なる位置にあるので、第1ケース側吐出口(63)及び第2ケース側吐出口(64)の両方を、互いに干渉させることなく、軸方向(X)における第1位置(Ka)と第2位置(Kb)との間に位置付けることができる。
【0031】
本開示の第11の態様では、第10の態様において、前記第1ケース側吐出口(63)には、第1吐出管(95)が接続されており、前記第2ケース側吐出口(64)には、第2吐出管(98)が接続されており、前記第1吐出管(95)と前記第2吐出管(98)とは、合流部(99)にて合流しており、前記第1吐出ポート(65)から前記第1ケース側吐出口(63)及び前記第1吐出管(95)を介して前記合流部(99)に至る前記流体(W)の脈動(U)と、前記第2吐出ポート(66)から前記第2ケース側吐出口(64)及び前記第2吐出管(98)を介して前記合流部(99)に至る前記流体(W)の前記脈動(U)とが、互いに打ち消し合うように構成されている。
【0032】
第11の態様によれば、流体(W)の脈動(U)による騒音や振動を抑制する上で、有利である。
【0033】
本開示の第12の態様では、第10の態様において、前記第1圧縮室(S1)は、第1圧力(P1)の前記流体(W)を前記第1圧力(P1)よりも高圧の中間圧力(Pm)まで圧縮しており、前記第2圧縮室(S2)は、前記中間圧力(Pm)の前記流体(W)を前記中間圧力(Pm)よりも高圧の第2圧力(S2)まで圧縮しており、前記流体(W)は、前記第1圧縮室(S1)、前記第1吐出ポート(65)、前記第1ケース側吐出口(63)、前記第2圧縮室(S2)、前記第2吐出ポート(66)及び前記第2ケース側吐出口(64)の順で流れる。
【0034】
第12の態様によれば、流体(W)を、第1圧縮室(S1)及び第2圧縮室(S2)によって、少なくとも2段階に圧縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、第1実施形態に係るスクリュー圧縮機を右側面図で示す。
図2図2は、スクリュー圧縮機(1)を左側面図で示す。
図3図3は、スクリュー圧縮機(1)を前面図で示す。
図4図4は、スクリュー圧縮機(1)を図3のIV線における右側面断面図で示す。
図5図5は、スクリュー圧縮機(1)を図4のV線における前面断面図で示す。
図6図6は、スクリュー圧縮機(1)を図4のVI線における前面断面図で示す。
図7図7は、第1吐出ポート(65)の近傍を図6のVII線における断面図で示す。
図8図8は、第1ケース側吐出口(63)と第1吐出ポート(65)との位置関係を第1スライドバルブ(87)を除いた状態にて断面図で示す。
図9図9は、第1ケース側吐出口(63)と第1ゲート開口(60)との位置関係を図6のIX線における矢視図で示す。
図10図10は、スクリュー圧縮機(1)を図4のX線における前面断面図で示す。
図11図11は、スクリュー圧縮機(1)を図4のXI線における前面断面図で示す。
図12図12は、回転体(A)と連通路(F)との位置関係を右側面断面図で示す。
図13図13は、第2実施形態に係る図3相当図であって、スクリュー圧縮機(1)を前面図で示す。
図14図14は、第3実施形態に係るキャップ側吐出路(94,97)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
<第1実施形態>
(スクリュー圧縮機)
第1実施形態に係るスクリュー圧縮機(1)について、説明する。スクリュー圧縮機(1)は、空気調和機などの冷凍装置に適用される。冷凍装置は、冷媒が循環する冷媒回路を備える。スクリュー圧縮機(1)は、冷媒回路の冷媒を圧縮する。冷媒回路では、冷媒が循環することで蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる
図1~5は、第1実施形態に係るスクリュー圧縮機(1)を示す。以下の説明において、図1の左側を前側、図1の右側を後側、図1の上側を上側、図1の下側を下側、図1の紙面奥側を左側、図1の紙面手前側を右側という場合がある。図1は右側面図、図2は左側面図、図3は前面図、図4図3のIV線における右側面断面図、図5図4のV線における前面断面図である。前後方向及び左右方向は、水平方向を構成する。上下方向は、鉛直方向(V)を構成する。
【0037】
スクリュー圧縮機(1)は、シャフト(10)と、スクリューロータ(20)と、第1ゲートロータ(30)と、第2ゲートロータ(35)と、モータ(40)と、ケーシング(50)と、を備える。
【0038】
スクリュー圧縮機(1)は、前側カバー(70)と、前側ベアリング(71)と、前側ベアリングホルダ(72)と、後側ベアリングホルダ(73)と、後側ベアリング(74)と、スペーサ(75)と、スナップリング(76)と、保持部材(77)と、中間ベアリング(78)と、基端側第1ゲートベアリング(79)と、先端側第1ゲートベアリング(80)と、基端側第1ゲートベアリングホルダ(81)と、先端側第1ゲートベアリングホルダ(82)と、基端側第2ゲートベアリング(83)と、先端側第2ゲートベアリング(84)と、基端側第2ゲートベアリングホルダ(85)と、先端側第2ゲートベアリングホルダ(86)と、を備える。
【0039】
スクリュー圧縮機(1)は、第1スライドバルブ(87)と、第1バルブ移動機構(88)と、第2スライドバルブ(89)と、第2バルブ移動機構(90)と、第1キャップ(91)と、第1シール部材としてのガスケット(92)と、第2キャップ(93)と、第1キャップ側吐出路(94)と、第1吐出管(95)と、消音材(96)と、第2キャップ側吐出路(97)と、第2吐出管(98)と、を備える。
【0040】
(シャフト)
図4に示すように、シャフト(10)の中心軸(O)は、水平方向のうちの前後方向に延びている。シャフト(10)の中心軸(O)の延びる方向を、軸方向(X)という。軸方向(X)は、前後方向である。スクリュー圧縮機(1)は、横置きである。軸方向(X)の前側を、軸方向(X)における第1方向側としての前側(Xa)という。軸方向(X)の後側を、軸方向(X)における第2方向側としての後側(Xb)という。軸方向(X)の後側(Xb)は、軸方向(X)の前側(Xa)とは反対側にある。
【0041】
スクリュー圧縮機(1)の径方向(R)は、軸方向(X)に直交する。径方向(R)における中心軸(O)から離れる側を、径方向(R)の外周側(外側)(Ra)という。径方向(R)における中心軸(O)に近づく側を、径方向(R)の内周側(内側)(Rb)という。径方向(R)の一部である上下方向は、鉛直方向(V)に一致する。鉛直方向(V)の上側を、上側(上方)(Va)という。鉛直方向(V)の下側を、下側(下方)(Vb)という。スクリュー圧縮機(1)の周方向(θ)は、中心軸(O)回りの方向である。
【0042】
(スクリューロータ)
スクリューロータ(20)は、シャフト(10)に結合されており、シャフト(10)と一体回転する。スクリューロータ(20)は、シャフト(10)と同様に、軸方向(X)に延びている。スクリューロータ(20)は、複数のスクリュー溝(21)と、前側回転シール部(22)と、後側回転シール部(23)と、を有する。スクリューロータ(20)は、例えば金属などで構成されている。
【0043】
複数のスクリュー溝(21)は、スクリューロータ(20)の外周部における軸方向(X)の中間部に、設けられている。複数のスクリュー溝(21)は、軸方向(X)に並んでいる。スクリュー溝(21)は、螺旋状である。
【0044】
前側回転シール部(22)は、スクリューロータ(20)の外周部における軸方向(X)の前端部に、設けられている。後側回転シール部(23)は、スクリューロータ(20)の外周部における軸方向(X)の後端部に、設けられている。前側回転シール部(22)及び後側回転シール部(23)には、スクリュー溝(21)が設けられていない。
【0045】
(第1ゲートロータ)
図5に示すように、第1ゲートロータ(30)は、スクリューロータ(20)よりも外周側(R)に配置されている。第1ゲートロータ(30)は、スクリューロータ(20)よりも左側に配置されている。
【0046】
第1ゲートロータ(30)は、第1ゲート軸(31)と、第1ゲート(32)と、を有する。第1ゲートロータ(30)は、例えば樹脂などで構成されている。第1ゲート軸(31)は、鉛直方向(V)に延びている。第1ゲート(32)は、第1ゲート軸(31)の中間部に固定されている。第1ゲート(32)は、第1ゲート軸(31)と同心の略円盤状である。第1ゲート(32)の外周には、複数の第1ゲート歯が設けられている。第1ゲートロータ(30)における第1ゲート(32)の第1ゲート歯は、スクリューロータ(20)におけるスクリュー溝(21)に噛み合う。
【0047】
第1ゲート(32)は、ゲート半径(r)を有する。ゲート半径(r)は、第1ゲート(32)の半径である。ゲート半径(r)は、第1ゲート(32)の直径の半分である。ゲート半径(r)は、第1ゲート(32)における中心から外周までの距離である。
【0048】
(第2ゲートロータ)
図5に示すように、第2ゲートロータ(35)は、スクリューロータ(20)よりも外周側(Ra)に配置されている。第2ゲートロータ(35)は、スクリューロータ(20)よりも右側且つ下側(Vb)に配置されている。
【0049】
第2ゲートロータ(35)は、第2ゲート軸(36)と、第2ゲート(37)と、を有する。第2ゲートロータ(35)は、例えば樹脂などで構成されている。第2ゲート軸(36)は、鉛直方向(V)に対して斜めに、延びている。第2ゲート軸(36)は、上側(Va)に至るに従って右側に至るように延びている。第2ゲート(37)は、第2ゲート軸(36)の中間部に固定されている。第2ゲート(37)は、第2ゲート軸(36)と同心の略円盤状である。第2ゲート(37)の外周には、複数の第2ゲート歯が設けられている。第2ゲートロータ(35)における第2ゲート(37)の第2ゲート歯は、スクリューロータ(20)におけるスクリュー溝(21)に噛み合う。
【0050】
第2ゲート(37)は、ゲート半径(r)を有する。ゲート半径(r)は、第2ゲート(37)の半径である。ゲート半径(r)は、第2ゲート(37)の直径の半分である。ゲート半径(r)は、第2ゲート(37)における中心から外周までの距離である。
【0051】
(モータ)
図4に示すように、モータ(40)は、モータロータ(41)と、モータステータ(42)と、を含む。モータロータ(41)は、シャフト(10)に結合されており、シャフト(10)と一体回転する。モータロータ(41)は、スクリューロータ(20)よりも軸方向(X)の前側(Xa)に配置されている。モータステータ(42)は、後述するケーシング(50)の内壁部に、固定具(図示せず)を介して固定されている。モータロータ(41)とモータステータ(42)とは、径方向(R)に所定の間隔を空けて互いに対向している。
【0052】
(ケーシング)
図1~4に示すように、ケーシング(50)は、略円筒状である。図4に示すように、ケーシング(50)の前端部には、前側開口部(50a)が設けられている。ケーシング(50)の後端部には、後側開口部(50b)が設けられている。ケーシング(50)は、軸方向(X)の前側(Xa)のモータ収容部(51)と、軸方向(X)の後側(Xb)の圧縮室形成部(52)とに、区画壁部(53)によって軸方向(X)に区画されている。
【0053】
図4に示すように、ケーシング(50)のモータ収容部(51)には、モータ室(54)が設けられている。モータ室(54)は、ケーシング(50)内に形成された空洞からなる。モータ室(54)には、シャフト(10)及びモータ(40)が収容されている。モータ室(54)には、モータ(40)におけるモータロータ(41)及びモータステータ(42)が収容されている。シャフト(10)の前端部及びモータ(40)の前端部は、前側開口部(50a)を介して、モータ室(54)よりも前側(Xa)に突出している。
【0054】
前側カバー(70)は、ケーシング(50)の前側開口部(50a)を覆っている。前側カバー(70)の内壁部には、内周側(Rb)に突出した内突出部(70a)が、設けられている。前側ベアリング(71)は、前側カバー(70)の内突出部(70a)に保持されている。前側ベアリング(71)は、シャフト(10)の前端部を、前側カバー(70)に対して回転可能に支持している。前側ベアリングホルダ(72)は、前側ベアリング(71)を前側カバー(70)に対して保持している。
【0055】
図4に示すように、ケーシング(50)の圧縮室形成部(52)には、円筒状の円筒壁部(55)が設けられている。円筒壁部(55)の内部における軸方向(X)の前側部分には、スクリューロータ(20)が配置されている。円筒壁部(55)の内部における軸方向(X)の後側部分には、後述する後側ベアリングホルダ(73)が配置されている。
【0056】
図5に示すように、ケーシング(50)の円筒壁部(55)の内周面は、スクリューロータ(20)のスクリュー溝(21)を、径方向(R)の外周側(Ra)から覆う。円筒壁部(55)の内径は、スクリューロータ(20)の外径よりもやや大きい。円筒壁部(55)には、第1ゲート(32)を貫通させる第1スリット(56)が設けられている。円筒壁部(55)には、第2ゲート(37)を貫通させる第2スリット(57)が設けられている。
【0057】
図4に示すように、ケーシング(50)の円筒壁部(55)の内周面におけるスクリューロータ(20)の前側回転シール部(22)に臨む部分(55a)には、前側固定シール部が設けられている(以下「前側固定シール部(55a)」という)。ケーシング(50)の円筒壁部(55)の内周面におけるスクリューロータ(20)の後側回転シール部(23)に臨む部分(55b)には、後側固定シール部が設けられている(以下「後側固定シール部(55b)」という)。
【0058】
上述したが、図4に示すように、後側ベアリングホルダ(73)は、円筒壁部(55)の内部における軸方向(X)の後側部分に配置されている。後側ベアリングホルダ(73)は、円筒壁部(55)の内周面に保持されている。後側ベアリングホルダ(73)は、略円筒状である。後側ベアリングホルダ(73)は、軸方向(X)に延びる第1部分(73a)と、第1部分(73a)の前端部から径方向(R)の内周側(Rb)に延びる第2部分(73b)と、を含む。
【0059】
後側ベアリング(74)は、2つある。2つの後側ベアリング(74)は、軸方向(X)に並んでいる。後側ベアリング(74)は、径方向(R)において、後側ベアリングホルダ(73)の第1部分(73a)とシャフト(10)の後端部との間に配置されている。後側ベアリングホルダ(73)は、後側ベアリング(74)を、保持している。具体的には、後側ベアリングホルダ(73)の第1部分(73a)の内周面は、後側ベアリング(74)の外周面を、保持している。
【0060】
後側ベアリング(74)は、シャフト(10)の後端部を、ケーシング(50)の円筒壁部(55)に対して、回転可能に支持している。後側ベアリング(74)は、シャフト(10)を介して、スクリューロータ(20)を回転可能に支持している。
【0061】
スペーサ(75)は、後側ベアリングホルダ(73)の第2部分(73b)と、前列の後側ベアリング(74)との間に、介在している。スナップリング(76)は、後列の後側ベアリング(74)の後端部に配置されいる。スナップリング(76)は、後側ベアリング(74)を軸方向(X)に位置決めしている。
【0062】
保持部材(77)は、ケーシング(50)の後側開口部(50b)を覆っている。保持部材(77)は、板状である。保持部材(77)は、軸方向(X)を厚さ方向(t)とする。保持部材(77)は、略円盤状である。保持部材(77)は、径方向(R)よりも軸方向(X)に短手である。
【0063】
保持部材(77)の前面は、後側ベアリングホルダ(73)の第1部分(73a)の後端部に接触している。保持部材(77)は、後側ベアリングホルダ(73)を、軸方向(X)の前側(Xa)に押さえている。保持部材(77)は、後側ベアリングホルダ(73)を、ケーシング(50)の円筒壁部(55)に対して保持する。
【0064】
上述したが、図4に示すように、区画壁部(53)は、ケーシング(50)を、モータ収容部(51)と圧縮室形成部(52)とに、軸方向(X)に区画している。区画壁部(53)は、径方向(R)に延びている。区画壁部(53)は、円筒壁部(55)よりも軸方向(X)の前側(Xa)に配置されている。区画壁部(53)の前面は、モータ室(54)に臨む。区画壁部(53)の後面は、スクリューロータ(20)の前端部に臨む。
【0065】
区画壁部(53)には、軸貫通穴(53a)が設けられている。軸貫通穴(53a)は、区画壁部(53)を軸方向(X)に貫通している。シャフト(10)は、軸貫通穴(53a)を軸方向(X)に貫通している。
【0066】
中間ベアリング(78)は、軸貫通穴(53a)において、区画壁部(53)に配置されている。中間ベアリング(78)は、シャフト(10)を、ケーシング(50)の区画壁部(53)に対して回転可能に支持している。
【0067】
前側ベアリング(71)と後側ベアリング(74)と中間ベアリング(78)とは、シャフト(10)を、ケーシング(50)に対して回転可能に支持する。ケーシング(50)は、シャフト(10)を回転可能に保持する。ケーシング(50)は、スクリューロータ(20)を回転可能に保持する。ケーシング(50)は、モータロータ(41)を回転可能に保持する。
【0068】
(ケース外壁部)
図3~5に示すように、ケーシング(50)における径方向(R)の外周側(Ra)には、ケース外壁部(58)がある。ケース外壁部(58)は、ケーシング(50)における径方向(R)の外周側(Ra)に配置された壁部をある。
【0069】
(ゲートロータ室)
図5に示すように、ケーシング(50)には、第1ゲートロータ室(59)が設けられている。第1ゲートロータ室(59)は、ケーシング(50)における円筒壁部(55)よりも径方向(R)の外周側(Ra)に形成されている。第1ゲートロータ室(59)は、ケーシング(50)における円筒壁部(55)よりも左側に形成されている。第1ゲートロータ室(59)と第1圧縮室(S1)とは、第1スリット(56)を介して、互いに連通している。
【0070】
第1ゲートロータ(30)は、第1ゲートロータ室(59)に収容されている。第1ゲートロータ室(59)には、基端側第1ゲートベアリング(79)と、先端側第1ゲートベアリング(80)と、基端側第1ゲートベアリングホルダ(81)と、先端側第1ゲートベアリングホルダ(82)と、がさらに収容されている。
【0071】
基端側第1ゲートベアリング(79)は、1つある。基端側第1ゲートベアリング(79)は、第1ゲートロータ(30)における第1ゲート軸(31)の基端部(上端部)を、回転可能に支持している。先端側第1ゲートベアリング(80)は、2つある。先端側第1ゲートベアリング(80)は、第1ゲートロータ(30)における第1ゲート軸(31)の先端部(下端部)を、回転可能に支持している。
【0072】
基端側第1ゲートベアリングホルダ(81)は、第1ゲートロータ(30)よりも上側(Va)に配置されている。基端側第1ゲートベアリングホルダ(81)は、基端側第1ゲートベアリング(79)を、ケーシング(50)に対して保持している。基端側第1ゲートベアリングホルダ(81)は、ケーシング(50)の第1ゲートロータ室(59)に対して、上側(Va)から着脱可能である。
【0073】
先端側第1ゲートベアリングホルダ(82)は、第1ゲートロータ(30)よりも下側(Vb)に配置されている。先端側第1ゲートベアリングホルダ(82)は、先端側第1ゲートベアリング(80)を保持している。先端側第1ゲートベアリングホルダ(82)は、ケーシング(50)の第1ゲートロータ室(59)に対して、下側(Vb)から着脱可能である。
【0074】
ケーシング(50)における左側のケース外壁部(58)には、第1ゲート開口(60)が設けられている。第1ゲート開口(60)は、第1ゲートロータ室(59)に連通している。
【0075】
図5に示すように、ケーシング(50)には、第2ゲートロータ室(61)が設けられている。第2ゲートロータ室(61)は、ケーシング(50)における円筒壁部(55)よりも径方向(R)の外周側(Ra)に形成されている。第2ゲートロータ室(61)は、ケーシング(50)における円筒壁部(55)よりも右側且つ下側(Vb)に形成されている。第2ゲートロータ室(61)と第2圧縮室(S2)とは、第2スリット(57)を介して、互いに連通している。
【0076】
第2ゲートロータ(35)は、第2ゲートロータ室(61)に収容されている。第2ゲートロータ室(61)には、基端側第2ゲートベアリング(83)と、先端側第2ゲートベアリング(84)と、基端側第2ゲートベアリングホルダ(85)と、先端側第2ゲートベアリングホルダ(86)と、がさらに収容されている。
【0077】
基端側第2ゲートベアリング(83)は、1つある。基端側第2ゲートベアリング(83)は、第2ゲートロータ(35)における第2ゲート軸(36)の基端部(下側且つ左側の端部)を、回転可能に支持している。先端側第2ゲートベアリング(84)は、3つある。先端側第2ゲートベアリング(84)は、第2ゲートロータ(35)における第2ゲート軸(36)の先端部(上側且つ右側の端部)を、回転可能に支持している。
【0078】
基端側第2ゲートベアリングホルダ(85)は、第2ゲートロータ(35)よりも下側(Vb)且つ左側に配置されている。基端側第2ゲートベアリングホルダ(85)は、基端側第2ゲートベアリング(83)を保持している。基端側第2ゲートベアリングホルダ(85)は、ケーシング(50)の第2ゲートロータ室(61)に対して、下側(Vb)且つ左側から着脱可能である。
【0079】
先端側第2ゲートベアリングホルダ(86)は、第2ゲートロータ(35)よりも上側(Va)且つ右側に配置されている。先端側第2ゲートベアリングホルダ(86)は、先端側第2ゲートベアリング(84)を保持している。先端側第2ゲートベアリングホルダ(86)は、ケーシング(50)の第2ゲートロータ室(61)に対して、上側(Va)且つ右側から着脱可能である。
【0080】
ケーシング(50)における下側(Vb)且つ右側のケース外壁部(58)には、第2ゲート開口(62)が設けられている。第2ゲート開口(62)は、第2ゲートロータ室(61)に連通している。
【0081】
(圧縮室)
図5に示すように、スクリューロータ(20)のスクリュー溝(21)と、第1ゲートロータ(30)の第1ゲート(32)と、ケーシング(50)の円筒壁部(55)とは、第1圧縮室(S1)を形成する。第1圧縮室(S1)は、作動流体(W)を圧縮する。スクリューロータ(20)のスクリュー溝(21)と、第2ゲートロータ(35)の第2ゲート(37)と、ケーシング(50)の円筒壁部(55)とは、第2圧縮室(S2)を形成する。第2圧縮室(S2)は、作動流体(W)を圧縮する。作動流体(W)は、例えば、冷媒ガスである。
【0082】
第1圧縮室(S1)は、スクリューロータ(20)(シャフト(10))の中心軸(O)よりも、鉛直方向(V)の上側(Va)に位置する。具体的には、第1圧縮室(S1)を中心軸(O)回りの周方向(θ)における第1範囲(S1a)で表した場合に、第1圧縮室(S1)(第1範囲(S1a))における全体のうちの過半部分は、中心軸(O)よりも、鉛直方向(V)の上側(Va)に位置する(図6参照)。
【0083】
第2圧縮室(S2)は、スクリューロータ(20)(シャフト(10))の中心軸(O)よりも、鉛直方向(V)の下側(Vb)に位置する。具体的には、第2圧縮室(S2)を中心軸(O)回りの周方向(θ)における第2範囲(S2a)で表した場合に、第2圧縮室(S2)(第2範囲(S2a))における全体のうちの過半部分は、中心軸(O)よりも、鉛直方向(V)の下側(Vb)に位置する(図6参照)。
【0084】
(ケース側吐出口)
図6は、スクリュー圧縮機(1)を図4のVI線における前面断面図で示す。ケーシング(50)における左側のケース外壁部(58)には、第1ケース側吐出口(63)が設けられている。第1ケース側吐出口(63)からは、作動流体(W)がケーシング(50)の外部に吐出される。ケーシング(50)における下側(Vb)且つ右側のケース外壁部(58)には、第2ケース側吐出口(64)が設けられている。第2ケース側吐出口(64)からは、作動流体(W)がケーシング(50)の外部に吐出される。
【0085】
(吐出ポート)
図6に示すように、ケーシング(50)の円筒壁部(55)における第1圧縮室(S1)に臨む部分(55c)には、第1吐出ポート(65)が形成されている。第1吐出ポート(65)は、スクリューロータ(20)に対して、上側(Va)且つ左側に配置されている。第1吐出ポート(65)は、円筒壁部(55)の内周面に形成されている。第1吐出ポート(65)は、軸方向(X)に見て、略半円状に形成されている。第1吐出ポート(65)は、第1圧縮室(S1)に連通している。
【0086】
ケーシング(50)の円筒壁部(55)における第2圧縮室(S2)に臨む部分(55d)には、第2吐出ポート(66)が形成されている。第2吐出ポート(66)は、スクリューロータ(20)に対して、下側(Vb)且つ右側に配置されている。第2吐出ポート(66)は、円筒壁部(55)の内周面に形成されている。第2吐出ポート(66)は、軸方向(X)に見て、略半円状に形成されている。第2吐出ポート(66)は、第2圧縮室(S2)に連通している。
【0087】
図6に示すように、第1ケース側吐出口(63)と第2ケース側吐出口(64)とは、スクリューロータ(20)の周方向(θ)(中心軸(O)回りの方向)において、互いに異なる位置にある。
【0088】
(接続路)
図6に示すように、ケーシング(50)には、第1接続路(67)が設けられている。第1接続路(67)は、ケーシング(50)の壁部に穴を空けることで、形成されている。第1接続路(67)は、ケーシング(50)における第1ゲートロータ室(59)を、左右方向に横切っている。第1接続路(67)は、第1ケース側吐出口(63)と第1吐出ポート(65)とを接続している。第1吐出ポート(65)は、第1接続路(67)を介して、第1ケース側吐出口(63)に連通している。第1接続路(67)は、真直ぐに延びている。
【0089】
ケーシング(50)には、第2接続路(68)が設けられている。第2接続路(67)は、ケーシング(50)の壁部に穴を空けることで、形成されている。第2接続路(68)は、ケーシング(50)における第2ゲートロータ室(61)を、上下方向及び左右方向に対して斜めに横切っている。第2接続路(68)は、第2ケース側吐出口(64)と第2吐出ポート(66)とを接続している。第2吐出ポート(66)は、第2接続路(68)を介して、第2ケース側吐出口(64)に連通している。第2接続路(68)は、真直ぐに延びている。
【0090】
(スライドバルブ)
図7は、第1吐出ポート(65)の近傍を図6のVII線における断面図で示す。上述したように、第1吐出ポート(65)は、ケーシング(50)の円筒壁部(55)における第1圧縮室(S1)に臨む部分(55c)に、形成されている。第1吐出ポート(65)では、第1スライドバルブ(87)が、軸方向(X)に移動する。
【0091】
第1スライドバルブ(87)が軸方向(X)に移動すると、第1圧縮室(S1)に対する第1スライドバルブ(87)の位置が変化する。第1スライドバルブ(87)は、軸方向(X)に移動することによって、第1吐出ポート(65)の開度(C)を調整する。第1スライドバルブ(87)が前端位置(Ja)に位置付けられると、第1圧縮室(S1)と第1吐出ポート(65)との間が第1スライドバルブ(87)によって塞がれるので、第1吐出ポート(65)の開度(C)が小さくなる。第1スライドバルブ(87)が後端位置(Jb)(二点鎖線参照)に位置付けられると、第1圧縮室(S1)と第1吐出ポート(65)との間が開放されるので、第1吐出ポート(65)の開度(C)が大きくなる。
【0092】
第1バルブ移動機構(88)は、第1スライドバルブ(87)を、軸方向(X)に移動させる。第1バルブ移動機構(88)は、シリンダ・ピストン機構で構成されている。第1バルブ移動機構(88)は、シリンダ(88a)と、ピストン(88b)と、ロッド(88c)と、を有する。ピストン(88b)は、シリンダ(88a)内に配置されている。ロッド(88c)は、ピストン(88b)の前面から軸方向(X)の前側(X)に延びており、第1スライドバルブ(87)の後端部に接続されている。
【0093】
シリンダ(88a)内におけるピストン(88b)よりも軸方向(X)の後側(Xb)には、圧力制御室(88d)が形成されている。圧力制御室(88d)に高圧が導入されると、ピストン(88b)及びロッド(88c)と伴に、第1スライドバルブ(87)が軸方向(X)の前側(Xa)に移動する。図示しないが、第1バルブ移動機構(88)は、スプリングによって、第1スライドバルブ(87)を軸方向(X)の後側(Xb)に付勢している。
【0094】
詳細な説明を省略するが、第2吐出ポート(66)では、第2スライドバルブ(89)(図6参照)が、軸方向(X)に移動する。第2スライドバルブ(89)は、軸方向(X)に移動することによって、第2吐出ポート(66)の開度(C)を調整する。第2バルブ移動機構(90)(図1,2参照)は、第2スライドバルブ(89)を、軸方向(X)に移動させる。第2スライドバルブ(89)及び第2バルブ移動機構(90)詳細構造は、第1スライドバルブ(87)及び第1バルブ移動機構(88)と、同様である。
【0095】
(ケース側吐出口と吐出ポートとの位置関係)
図8は、第1ケース側吐出口(63)と第1吐出ポート(65)との位置関係を、第1スライドバルブ(87)を除いた状態にて、断面図で示す。
【0096】
図8に示すように、第1吐出ポート(65)は、第1端部としての前端部(65a)と、第2端部としての後端部(65b)と、を含む。前端部(65a)は、第1吐出ポート(65)における軸方向(X)の前側(Xa)の端部である。後端部(65b)は、第1吐出ポート(65)における軸方向(X)の後側(Xb)の端部である。
【0097】
第1吐出ポート(65)の前端部(65a)から第1ゲート(32)のゲート半径(r)だけ軸方向(X)の前側(Xa)に離れた位置を、第1位置としての前位置(Ka)とする。第1吐出ポート(65)の後端部(65b)から第1ゲート(32)のゲート半径(r)だけ軸方向(X)の後側(Xb)に離れた位置を、第2位置としての後位置(Kb)とする。
【0098】
第1ケース側吐出口(63)は、軸方向(X)において、前位置(Ka)と後位置(Kb)との間に位置している。第1ケース側吐出口(63)は、軸方向(X)において、第1吐出ポート(65)と重なる位置にある。
【0099】
第1ケース側吐出口(63)の軸方向(X)における開口幅(B)のうちの少なくとも一部は、軸方向(X)において、前位置(Ka)と後位置(Kb)との間に位置している。
【0100】
図6に示すように、第1ケース側吐出口(63)は、径方向(R)において、スクリューロータ(20)よりも第1吐出ポート(65)に近い側に、位置する。第1ケース側吐出口(63)と第1吐出ポート(65)との径方向(R)における距離は、第1ケース側吐出口(63)とスクリューロータ(20)との径方向(R)における距離よりも、短い。
【0101】
第2ケース側吐出口(64)と第2吐出ポート(66)との位置関係についても、第1ケース側吐出口(63)と第1吐出ポート(65)との位置関係と、ほとんど同様である。第2ケース側吐出口(64)と第2吐出ポート(66)との位置関係を、厳密には少し異なるが簡単のために、図8において、括弧書きの符号にて図示した。なお、第2ケース側吐出口(64)と第2吐出ポート(66)との位置関係の説明において、第1ケース側吐出口(63)と第1吐出ポート(65)との位置関係と同様の事項については、詳細な説明を省略する場合がある。
【0102】
図8に示すように、第2吐出ポート(66)は、第1端部としての前端部(66a)と、第2端部としての後端部(66b)と、を含む。前端部(66a)は、第2吐出ポート(66)における軸方向(X)の前側(Xa)の端部である。後端部(66b)は、第2吐出ポート(66)における軸方向(X)の後側(Xb)の端部である。
【0103】
第2吐出ポート(66)の前端部(66a)から第2ゲート(37)のゲート半径(r)だけ軸方向(X)の前側(Xa)に離れた位置を、第1位置としての前位置(Ka)とする。第2吐出ポート(66)の後端部(66b)から第2ゲート(37)のゲート半径(r)だけ軸方向(X)の後側(Xb)に離れた位置を、第2位置としての後位置(Kb)とする。
【0104】
第2ケース側吐出口(64)は、軸方向(X)において、前位置(Ka)と後位置(Kb)との間に位置している。第2ケース側吐出口(64)は、軸方向(X)において、第2吐出ポート(66)と重なる位置にある。
【0105】
図6に示すように、第2ケース側吐出口(64)は、径方向(R)において、スクリューロータ(20)よりも第2吐出ポート(66)に近い側に、位置する。
【0106】
(ケース側吐出口とゲート開口との位置関係)
図9は、第1ケース側吐出口(63)と第1ゲート開口(60)との位置関係を、図6におけるIX線における断面図で示す。
【0107】
図6,9に示すように、第1ゲート開口(60)を介して、第1ゲートロータ(30)における第1ゲート軸(31)及び第1ゲート(32)が見える。第1ケース側吐出口(63)は、第1ゲート開口(60)の内側に配置されている。
【0108】
第1ケース側吐出口(63)と第1ゲート開口(60)とは、共通の第1キャップ(91)で覆われている。第1キャップ(91)は、サイドキャップとも呼ばれる。第1キャップ(91)は、略円盤状である。ケース外壁部(58)における第1ゲート開口(60)の周縁部には、第1ケース側取付面(58a)が設けられている。第1ケース側取付面(58a)には、第1キャップ(91)が装着される。第1ケース側吐出口(63)は、ケース外壁部(58)における第1キャップ(91)に対する第1ケース側取付面(58a)と、面一にある。
【0109】
第1ケース側吐出口(63)と第1ケース側取付面(58a)とが面一とは、第1ケース側吐出口(63)の外周端部と第1ケース側取付面(58a)との段差がほとんど無いことをいう。両者の段差は、1mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましく、0.1mm以下であることがさらに好ましい。
【0110】
図6に示すように、第1ケース側取付面(58a)と第1キャップ(91)との間には、ガスケット(92)が配置されている。ガスケット(92)は、シートガスケットや渦巻ガスケットである。なお、ガスケット(92)として、Oリングを採用してもよい。第1ケース側取付面(58a)と第1キャップ(91)とは、ガスケット(92)でシールされている。
【0111】
第2ケース側吐出口(64)と第2ゲート開口(62)との位置関係についても、第1ケース側吐出口(63)と第1ゲート開口(60)との位置関係と、ほとんど同様である。第2ケース側吐出口(64)と第2ゲート開口(62)との位置関係を、厳密には少し異なるが簡単のために、図9において、括弧書きの符号にて図示した。なお、第2ケース側吐出口(64)と第2ゲート開口(62)との位置関係の説明において、第1ケース側吐出口(63)と第1ゲート開口(60)との位置関係と同様の事項については、詳細な説明を省略する場合がある。
【0112】
第2ケース側吐出口(64)と第2ゲート開口(62)とは、共通の第2キャップ(93)で覆われている。第2ケース側吐出口(64)は、ケース外壁部(58)における第2キャップ(93)に対する第2ケース側取付面(58b)と、面一にある。第2ケース側取付面(58b)と第2キャップ(93)とは、ガスケット(92)でシールされている。
【0113】
(キャップ)
図6に示すように、第1キャップ(91)には、第1キャップ側吐出路(94)が設けられている。第1キャップ側吐出路(94)は、穴部(94a)と、管部(94b)と、を含む。第1キャップ側吐出路(94)の穴部(94a)は、第1キャップ(91)を径方向(R)に貫通している。第1キャップ側吐出路(94)の穴部(94a)は、第1ケース側吐出口(63)に接続されている。第1キャップ側吐出路(94)は、第1ケース側吐出口(63)に連通している。第1キャップ側吐出路(94)の管部(94b)は、第1キャップ(91)よりも径方向(R)の外周側(Ra)に位置しており、径方向(R)に延びている。第1キャップ(91)と第1キャップ側吐出路(94)とは、一体形成されている。
【0114】
第1キャップ側吐出路(94)の端部には、第1吐出管(95)の一端部が接続されている。換言すると、第1ケース側吐出口(63)には、第1キャップ側吐出路(94)を介して、第1吐出管(95)が接続されている。第1吐出管(95)は、第1キャップ側吐出路(94)に連通している。換言すると、第1吐出管(95)は、第1キャップ側吐出路(94)を介して、第1ケース側吐出口(63)に連通している。第1吐出管(95)他端部は、後述する第2吸入口(69c)に接続されている。
【0115】
第1吐出管(95)には、消音材(96)が設けられている。詳細には、第1吐出管(95)の管外周部には、消音材(96)が巻かれている。消音材(96)は、例えば、スポンジやポリウレタンなどで構成されている。
【0116】
図6に示すように、第2キャップ(93)には、第2キャップ側吐出路(97)が設けられている。第2キャップ側吐出路(97)は、穴部(97a)と、管部(97b)と、を含む。第2キャップ側吐出路(97)の穴部(97a)は、第2キャップ(93)を径方向(R)に貫通している。第2キャップ側吐出路(97)の穴部(97a)は、第2ケース側吐出口(64)に接続されている。第2キャップ側吐出路(97)は、第2ケース側吐出口(64)に連通している。第2キャップ側吐出路(97)の管部(97b)は、第2キャップ(93)よりも径方向(R)の外周側(Ra)に位置しており、径方向(R)に延びている。第2キャップ(93)と第2キャップ側吐出路(97)とは、一体形成されている。
【0117】
第2キャップ側吐出路(97)の端部には、第2吐出管(98)の一端部が接続されている。換言すると、第2ケース側吐出口(64)には、第2キャップ側吐出路(97)を介して、第2吐出管(98)が接続されている。第2吐出管(98)は、第2キャップ側吐出路(97)に連通している。換言すると、第2吐出管(98)は、第2キャップ側吐出路(97)を介して、第2ケース側吐出口(64)に連通している。第2吐出管(98)の他端部は、例えば、冷媒回路における凝縮器に接続されている。第2吐出管(98)には、消音材(96)が設けられている。詳細には、第2吐出管(98)の管外周部には、消音材(96)が巻かれている。
【0118】
(吸入口)
図4に示すように、ケーシング(50)の圧縮室形成部(52)におけるケース外壁部(58)の上側部分には、第1吸入口(69a)が設けられている。第1吸入口(69a)は、円筒壁部(55)に設けられた第1吸入路(69b)を介して、第1圧縮室(S1)に連通している。
【0119】
図4に示すように、ケーシング(50)のモータ収容部(51)におけるケース外壁部(58)には、第2吸入口(69c)が設けられている。第2吸入口(69c)は、第2吸入路(69d)を介して、モータ室(54)に連通している。
【0120】
(二段圧縮)
スクリュー圧縮機(1)は、二段スクリュー圧縮機である。第1圧縮室(S1)は、第1圧力(P1)の作動流体(W)を、第1圧力(P1)よりも高圧の中間圧力(Pm)まで圧縮する。第2圧縮室(S2)は、中間圧力(Pm)の作動流体(W)を、中間圧力(Pm)よりも高圧の第2圧力(P2)まで圧縮する。第1圧縮室(S1)は、低段圧縮室ともいう。第2圧縮室(S2)は、高段圧縮室ともいう。第1圧力(P1)は、低圧ともいう。第2圧力(P2)は、高圧ともいう。
【0121】
作動流体(W)は、第1吸入口(69a)、第1吸入路(69b)、第1圧縮室(S1)、第1吐出ポート(65)、第1接続路(67)、第1ケース側吐出口(63)、第1キャップ側吐出路(94)、第1吐出管(95)、第2吸入口(69c)、第2吸入路(69d)、中間室(Sm)としてのモータ室(54)、第2圧縮室(S2)、第2吐出ポート(66)、第2接続路(68)、第2ケース側吐出口(64)、第2キャップ側吐出路(97)及び第2吐出管(98)の順で流れる。
【0122】
(シール部)
図10は、スクリュー圧縮機(1)を図4のX線における前面断面図で示す。図4,10に示すように、ケーシング(50)の円筒壁部(55)の内周面における前側固定シール部(55a)と、スクリューロータ(20)の前側回転シール部(22)とは、径方向(R)に互いに微小な隙間を空けて、互いに摺動している。図10に示すように、前側固定シール部(55a)は、鉛直方向(V)における中心軸(O)よりも上側(Va)に、配置されている。前側固定シール部(55a)と前側回転シール部(22)とは、鉛直方向(V)における中心軸(O)よりも上側(Va)において、互いに摺動する。
【0123】
図4に示すように、前側固定シール部(55a)と前側回転シール部(22)とは、モータ室(54)(中間室(Sm))と第1圧縮室(S1)とをシールする。モータ室(54)は、前側固定シール部(55a)と前側回転シール部(22)とでシールされることによって、第1圧縮室(S1)に連通しない。
【0124】
上述したように、作動流体(W)は、モータ室(54)から第1圧縮室(S1)へではなく、モータ室(54)から第2圧縮室(S2)へ流れなければならない。前側固定シール部(55a)と前側回転シール部(22)とは、モータ室(54)から第1圧縮室(S1)への作動流体(W)の流れを抑制する。
【0125】
(連通路)
図11は、スクリュー圧縮機(1)を図4のXI線における前面断面図で示す。図4,11に示すように、ケーシング(50)の区画壁部(53)には、連通穴(53b)が形成されている。連通穴(53b)は、区画壁部(53)を軸方向(X)に貫通している。
【0126】
連通穴(53b)は、連通路(F)を構成する。換言すると、連通路(F)は、連通穴(53b)を含む。連通路(F)は、鉛直方向(V)における中心軸(O)よりも下側(Vb)に、配置されている。
【0127】
連通路(F)は、モータ室(54)と第2圧縮室(S2)とを連通(接続)している。モータ室(54)は、連通路(F)を介して、第2圧縮室(S2)に連通する。
【0128】
連通路(F)は、傾斜部(Fa)を含む。傾斜部(Fa)は、軸方向(X)の前側(Xa)におけるモータ室(54)側から、軸方向(X)の後側(Xb)における第2圧縮室(S2)側に向かって、上り勾配である。
【0129】
(回転体と連通路との位置関係)
図12は、回転体(A)と連通路(F)との位置関係を、断面図で示す。回転体(A)は、シャフト(10)と、スクリューロータ(20)と、モータロータ(41)と、を含む。回転体(A)の最外径(DA)は、スクリューロータ(20)の最外径(D20)とモータロータ(41)の最外径(D41)との大きい方である。本例では、モータロータ(41)の最外径(D41)がスクリューロータ(20)の最外径(D20)よりも大きいので、回転体(A)の最外径(DA)は、モータロータ(41)の最外径(D41)となる。
【0130】
連通路(F)の下端(Fb)は、回転体(A)の最外径(DA)よりも、鉛直方向(V)における下側(Vb)に、位置する。
【0131】
(油溜り)
図12に示すように、ケーシング(50)における鉛直方向(V)の下側(Vb)の内底面(50c)には、油溜り(G)が形成されている。油溜り(G)には、油(g)が溜められている。油(g)は、作動流体(W)中にミストとして含まれており、油分離器(スクリュー圧縮機(1)外に配置、図示省略)で分離されて、油溜り(G)に溜められる。作動流体(W)の流量が十分に確保されているとき、油溜り(G)における油(g)の油面(G0)の鉛直方向(V)における高さは、連通路(F)の下端(Fb)にほぼ一致する。
【0132】
(作用効果)
本実施形態によれば、ケース側吐出口(63,64)は、径方向(R)の外周側(Ra)のケース外壁部(58)に形成されている。ケース側吐出口(63,64)は、軸方向(X)において、第1位置(Ka)と第2位置(Kb)との間に位置している。ケース側吐出口(63,64)と吐出ポート(65,66)とは、軸方向(X)において、大きくは離間しない。ケース側吐出口(63,64)は、軸方向(X)において、吐出ポート(65,66)の近くに位置しやすい。
【0133】
吐出ポート(65,66)からケース側吐出口(63,64)に至る流路の途中で、流体(W)が径方向(R)から軸方向(X)に方向転換しにくくなる。圧縮室(S1,S2)で圧縮された流体(W)は、圧縮室(S1,S2)から吐出ポート(65,66)に向かって径方向(R)の外周側(Ra)に流れた後に、軸方向(X)にほとんど方向転換することなく、ほとんど径方向(R)の外周側(Ra)に流れて、ケース側吐出口(63,64)を介してケーシング(50)外へ吐出される。
【0134】
圧縮室(S1,S2)で圧縮された流体(W)が、吐出ポート(65,66)及びケース側吐出口(63,64)を介してケーシング(50)外へ吐出されるまでに、圧力損失が生じにくくなる。以上、スクリュー圧縮機(1)において、流体(W)の圧力損失を抑制することができる。
【0135】
ゲートロータ(30,35)が収容されるゲートロータ室(59,61)は、通常、軸方向(X)において吐出ポート(65,66)の近くに配置される。ゲート開口(60,62)を覆うキャップ(91,93)もまた、通常、軸方向(X)において吐出ポート(65,66)の近くに配置される。ケース側吐出口(63,64)がゲート開口(60,62)と伴にキャップ(91,93)で覆われるという事実は、ケース側吐出口(63,64)が軸方向(X)において吐出ポート(65,66)の近くに位置することを、意味する。
【0136】
ケース側吐出口(63,64)に連通するキャップ側吐出路(94,97)を、キャップ(91,93)に設けることによって、流体(W)を、ケーシング(50)側からキャップ(91,93)側に流すことができる。
【0137】
ケース側吐出口(63,64)がケース側取付面(58a,58b)と面一なので、ケース側取付面(58a,58b)とキャップ(91,93)とを第1シール部材(92)でシールすることによって、ケース側吐出口(63,64)から吐出された流体(W)が、ケース側取付面(58a,58b)とキャップ(91,93)との隙間から漏れることを抑制できる。
【0138】
ケース側吐出口(63,64)が軸方向(X)において吐出ポート(65,66)に重なる位置にあるので、ケース側吐出口(63,64)を、軸方向(X)において、吐出ポート(65,66)のさらに近くに位置付けることができる。圧縮室(S1,S2)から吐出ポート(65,66)に向かって径方向(R)の外周側(Ra)に流れた流体(W)が、ケース側吐出口(63,64)に至るまでに軸方向(X)に方向転換するのを抑制する上で、有利である。
【0139】
接続路(67,68)が真直ぐに延びているので、接続路(67,68)を流れる流体(W)の圧力損失を抑制する上で有利になる。
【0140】
吐出管(95,98)に消音材(96)を設けることによって、吐出管(95,98)を流れる流体(W)による騒音を抑制する上で、有利になる。
【0141】
後側ベアリングホルダ(73)を軸方向(X)に押さえる保持部材(77)が、軸方向(X)を厚さ方向(t)とする板状なので、スクリュー圧縮機(1)の軸方向(X)の寸法を小さくする上で、有利である。
【0142】
スライドバルブ(87,89)で吐出ポート(S1,S2)の開度(C)を調整することによって、圧縮室(S1,S2)の見かけの容積を簡単に調整することができる。
【0143】
第1ケース側吐出口(63)と第2ケース側吐出口(64)とが周方向(θ)において互いに異なる位置にあるので、第1ケース側吐出口(63)及び第2ケース側吐出口(64)の両方を、互いに干渉させることなく、軸方向(X)における第1位置(Ka)と第2位置(Kb)との間に位置付けることができる。
【0144】
第1圧縮室(S1)と第2圧縮室(S2)とが、軸方向(X)ではなく径方向(R)に互いに離間しているので、スクリュー圧縮機(1)の軸方向(X)の寸法を抑制する上で有利である。上記構成に加えて、ケース側吐出口(63,64)と吐出ポート(65,66)とが軸方向(X)にほとんど離間しなので、スクリュー圧縮機(1)の軸方向(X)の寸法を抑制する上でより有利である。
【0145】
ケース側吐出口(63,64)を2つ以上設ける場合、これが1つの場合に比較して、上記構成を採用するコストメリットが大きい。
【0146】
スクリュー圧縮機(1)が二段スクリュー圧縮機なので、流体(W)を、第1圧縮室(S1)及び第2圧縮室(S2)によって2段階に圧縮することができる。
【0147】
<第2実施形態>
第2実施形態に係るスクリュー圧縮機(1)について、説明する。以下の第2実施形態の説明において、上記実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する場合がある。図13は、第2実施形態に係る図3相当図であって、スクリュー圧縮機(1)を前面図で示す。
【0148】
本実施形態では、スクリュー圧縮機(1)は、二段圧縮機ではない。第1吐出管(95)と第2吐出管(98)とは、合流部(99)にて合流している。合流部(99)に、合流管(100)の一端部が接続されている。第1吐出管(95)及び第2吐出管(98)は、合流部(99)において、合流管(100)に連通している。合流管(100)の他端部は、例えば、冷媒回路における凝縮器に接続されている。
【0149】
第1吐出ポート(65)から第1接続路(67)、第1ケース側吐出口(63)、第1キャップ側吐出路(94)及び第1吐出管(95)を介して合流部(99)に至る流体(W)の脈動(U)と、第2吐出ポート(66)から第2接続路(68)、第2ケース側吐出口(64)、第2キャップ側吐出路(97)及び第2吐出管(98)を介して合流部(99)に至る流体(W)の脈動(U)とは、互いに打ち消し合う。
【0150】
各流体(W)の各脈動(U)を互いに打ち消し合わせるために、各流体(W)の各脈動(U)を互いに逆位相にする。
【0151】
各流体(W)の各脈動(U)を互いに打ち消し合わせる(互いに逆位相にする)ために、吐出ポート(65,66)の開度(C)、接続路(67,68)の長さ・径、ケース側吐出口(63,64)の径、キャップ側吐出路(94,97)の長さ・径、及び吐出管(95,98)の長さ・径などが、調整される。
【0152】
第1吐出管(95)には、消音材(96)が設けられている。第2吐出管(98)には、消音材(96)が設けられている。合流管(100)には、消音材(96)が設けられている。
【0153】
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0154】
本実施形態によれば、流体(W)の脈動(U)による騒音や振動を抑制する上で、有利である。
【0155】
<第3実施形態>
第3実施形態に係るスクリュー圧縮機(1)について、説明する。以下の第3実施形態の説明において、上記実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する場合がある。図14は、第3実施形態に係るキャップ側吐出路(94,97)を示す。
【0156】
キャップ側吐出路(94,97)は、穴部(94a,97a)と、管部(94b,97b)と、キャップ側差込管(94c,97c)と、を含む。キャップ側吐出路(94,97)のキャップ側差込管(94c,97c)は、キャップ(91,93)よりも径方向(R)の内周側(Rb)に位置しており、径方向(R)に延びている。
【0157】
キャップ側差込管(94c,97c)は、ケース側吐出口(63,64)の内径に差し込まれる。キャップ側差込管(94c,97c)の管外周部には、第2シール部材としてのOリング(101)が設けられている。ケース側吐出口(63,64)とキャップ側差込管(94c,97c)とは、Oリング(101)でシールされている。
【0158】
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0159】
本実施形態によれば、ケース側吐出口(63,64)から吐出された流体(W)がキャップ側吐出路(94,97)に至るまでに外部に漏れることを抑制できる。
【0160】
<その他の実施形態>
ケース側吐出口(63,64)は、軸方向(X)において吐出ポート(65,66)と重なる位置になくてもよく、前位置(Ka)と後位置(Kb)との間の範囲で、吐出ポート(65,66)に対して軸方向(X)にずれてもよい。
【0161】
キャップ(91,93)とキャップ側吐出路(94,97)とは、一体形成されるのではなく、互いに別部材で構成されてもよい。
【0162】
ケース側吐出口(63,64)は、ゲート開口(60,62)とは異なる位置に、配置されてもよい。ケース側吐出口(63,64)は、キャップ(91,93)で覆われなくてもよい。
【0163】
接続路(67,68)は、真直ぐに延びなくてもよく、途中で軸方向(X)や径方向(R)や周方向(θ)に曲がってもよい。
【0164】
板状の保持部材(77)の代わりに、カバーを採用してもよい。
【0165】
第1ケース側吐出口(63)と第2ケース側吐出口(64)とは、軸方向における前位置(Ka)と後位置(Kb)との間の範囲に収まるのであれば、周方向(θ)における互いに同じ位置にあってもよい。
【0166】
上記実施形態では、圧縮室として第1圧縮室(S1)及び第2圧縮室(S2)の2つが設けられていたが、これに限定されない。圧縮室は、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0167】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。以上の実施形態、変形例、その他の実施形態に係る要素を適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
【符号の説明】
【0168】
O 中心軸
X 軸方向
Xa 前側(第1方向側)
Xb 後側(第2方向側)
R 径方向
Ra 外周側(外側)
Rb 内周側(内側)
V 鉛直方向
Va 上側(上方)
Vb 下側(下方)
θ 周方向
r ゲート半径
t 厚さ方向
W 作動流体(流体)
S1 第1圧縮室
S2 第2圧縮室
Sm 中間室
P1 第1圧力
P2 第2圧力
Pm 中間圧力
C 開度
Ka 前位置(第1位置)
Kb 後位置(第2位置)
F 連通路
Fa 傾斜部
Fb 下端
A 回転体
DA 最外径
D20 最外径
D41 最外径
G 油溜り
G0 油面
g 油
U 脈動
1 スクリュー圧縮機
10 シャフト
20 スクリューロータ
21 スクリュー溝
22 前側回転シール部
23 後側回転シール部
30 第1ゲートロータ
32 第1ゲート
35 第2ゲートロータ
37 第2ゲート
40 モータ
41 モータロータ
42 モータステータ
50 ケーシング
53 区画壁部(壁部)
53b 連通穴
54 モータ室
55 円筒壁部
55a 前側固定シール部(部分)
55b 後側固定シール部(部分)
55c 部分
55d 部分
56 第1スリット
57 第2スリット
58 ケース外壁部
58a 第1ケース側取付面
58b 第2ケース側取付面
59 第1ゲートロータ室
60 第1ゲート開口
61 第2ゲートロータ室
62 第2ゲート開口
63 第1ケース側吐出口
64 第2ケース側吐出口
65 第1吐出ポート
65a 前端部(第1端部)
65b 後端部(第2端部)
66 第2吐出ポート
66a 前端部(第1端部)
66b 後端部(第2端部)
67 第1接続路
68 第2接続路
69a 第1吸入口
69c 第2吸入口
73 後側ベアリングホルダ(ベアリングホルダ)
74 後側ベアリング(ベアリング)
77 保持部材
87 第1スライドバルブ
89 第2スライドバルブ
91 第1キャップ
92 ガスケット(第1シール部材)
93 第2キャップ
94 第1キャップ側吐出路
94c キャップ側差込管
95 第1吐出管
96 消音材
97 第2キャップ側吐出路
97c キャップ側差込管
98 第2吐出管
99 合流部
100 合流管
101 Oリング(第2シール部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14