(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】基地局装置、通信方法、及び通信システム
(51)【国際特許分類】
H04W 36/08 20090101AFI20241218BHJP
H04W 16/26 20090101ALI20241218BHJP
H04W 48/12 20090101ALI20241218BHJP
【FI】
H04W36/08
H04W16/26
H04W48/12
(21)【出願番号】P 2023550784
(86)(22)【出願日】2021-09-28
(86)【国際出願番号】 JP2021035627
(87)【国際公開番号】W WO2023053198
(87)【国際公開日】2023-04-06
【審査請求日】2024-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平田 昂
【審査官】本橋 史帆
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111416646(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0010151(KR,A)
【文献】特開2001-103532(JP,A)
【文献】Long JIAO et. al.,Enabling Efficient Blockage-Aware Handover in RIS-Assisted mmWave Cellular Networks,IEEE Transactions on Wireless Communications,[online],2021年09月15日,[retrieved on 2021.12.07]インターネット:<https://ieeexplore.ieee.org/abstract/document/9539048>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置と直接無線接続する通常通信、又は反射装置が反射した電波を使用して端末装置と通信する反射通信を行う基地局装置であって、
前記端末装置が前記反射通信を行っていることを検出したとき、前記反射通信を行っているときの反射通信用ハンドオーバ条件を前記端末装置に通知する通知部と、
移動元基地局装置と前記反射通信を行っていた前記端末装置がハンドオーバしてきたとき、前記端末装置が前記移動元基地局装置にハンドオーバすることを抑制する制御を行う制御部と、
を有する基地局装置。
【請求項2】
前記反射通信用ハンドオーバ条件は、前記通常通信におけるハンドオーバ条件より、ハンドオーバし易い条件である
請求項1記載の基地局装置。
【請求項3】
ハンドオーバ条件は基地局装置から送信された信号の受信レベルを含み、前記反射通信用ハンドオーバ条件の受信レベルは、前記通常通信におけるハンドオーバ条件の受信レベルより低い
請求項2記載の基地局装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記移動元基地局装置から、前記端末装置が前記移動元基地局装置と前記反射通信を行っていたことを取得する
請求項1記載の基地局装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記端末装置の前記移動元基地局装置へのハンドオーバを禁止する
請求項1記載の基地局装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記端末装置の前記移動元基地局装置への移動元ハンドオーバ条件を、前記端末装置が前記移動元基地局装置以外の基地局装置へのハンドオーバ条件より、ハンドオーバし辛い条件とする
請求項1記載の基地局装置。
【請求項7】
ハンドオーバ条件は基地局装置から送信された信号の受信レベルを含み、前記端末装置の前記移動元基地局装置への移動元ハンドオーバ条件の受信レベルは、前記端末装置が前記移動元基地局装置以外の基地局装置へのハンドオーバ条件の受信レベルより高い
請求項6記載の基地局装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記移動元ハンドオーバ条件を、前記移動元基地局装置から取得する
請求項6記載の基地局装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記移動元ハンドオーバ条件を、前記端末装置に送信する
請求項6記載の基地局装置。
【請求項10】
端末装置と直接無線接続する通常通信、又は反射装置が反射した電波を使用して端末装置と通信する反射通信を行う基地局装置における通信方法であって、
前記端末装置が前記反射通信を行っていることを検出したとき、前記反射通信を行っているときの反射通信用ハンドオーバ条件を前記端末装置に通知する通知工程と、
移動元基地局装置と前記反射通信を行っていた前記端末装置がハンドオーバしてきたとき、前記端末装置が前記移動元基地局装置にハンドオーバすることを抑制する制御を行う制御工程とを、
を有する通信方法。
【請求項11】
端末装置と、反射装置と、基地局装置とを有する通信システムであって、
前記反射装置は、前記基地局装置又は前記端末装置が送信する電波を反射した反射波を送信し、
前記端末装置は、前記反射波を使用した反射通信、又は前記基地局装置と直接無線接続する通常通信を行い、
前記基地局装置は、自装置と通信中の端末装置が、
前記反射通信を行っていることを検出したとき、前記反射通信を行っているときの反射通信用ハンドオーバ条件を前記端末装置に通知し、
前記反射通信を行っていた移動元基地局装置からハンドオーバしてきたとき、前記端末装置が前記移動元基地局装置にハンドオーバすることを抑制する
通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置、通信方法、及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線を利用した通信システムが使用されている。無線通信システムでは、例えば、基地局装置と端末装置間で電波を送受信することで、無線通信を実現する。
【0003】
基地局装置は、建物などの遮蔽物が自通信エリア内に存在する場合、自通信エリア内に位置する端末装置に、電波を送信できない場合がある。この場合、端末装置は、基地局装置の通信エリア内であっても、当該基地局装置と無線接続することができない場合がある。このような通信エリア内の電波が届かない不感地域に、電波を反射させる反射板を用いて、電波を反射させる技術がある。
【0004】
電波の反射板に関する技術としては、以下の先行技術文献に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2017/077898号
【文献】国際公開第2013/031114号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、反射板による反射波は、あくまでも不感地域の端末装置を救済するための電波である。そのため、反射波は、例えば、広範囲に安定して供給されるものではなく、また、対応できる端末装置の台数も限られる場合がある。よって、端末装置は、反射波による通信を、できるだけ短時間にとどめることが好ましい。
【0007】
そこで、一開示は、反射板による反射波を利用する通信システムにおいて、端末装置の反射波による通信時間を抑制する基地局装置、通信方法、及び通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
端末装置と直接無線接続する通常通信、又は反射装置が反射した電波を使用して端末装置と通信する反射通信を行う基地局装置であって、前記端末装置が前記反射通信を行っていることを検出したとき、前記反射通信を行っているときの反射通信用ハンドオーバ条件を前記端末装置に通知する通知部と、移動元基地局装置と前記反射通信を行っていた前記端末装置がハンドオーバしてきたとき、前記端末装置が前記移動元基地局装置にハンドオーバすることを抑制する制御を行う制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
一開示は、反射板による反射波を利用する通信システムにおいて、端末装置の反射波による通信時間を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、無線通信システム10の構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、基地局装置200の構成例を表す図である。
【
図3】
図3は、端末装置100の構成例を表す図である。
【
図4】
図4は、反射装置300の構成例を表す図である。
【
図5】
図5は、反射通信中の端末装置100のハンドオーバの例を示す図である。
【
図6】
図6は、反射通信中の端末装置100のハンドオーバ処理のシーケンスの例を示す図である。
【
図7】
図7は、反射通信中の端末装置100のハンドオーバ処理のシーケンスの例を示す図である。
【
図8】
図8は、反射通信用HO処理S1000の処理フローチャートの例を示す図である。
【
図9】
図9は、反射通信用HO要求受信処理S2000の処理フローチャートの例を示す図である。
【
図10】
図10は、ピンポン回避処理S3000の処理フローチャートの例を示す図である。
【
図11】
図11は、無線接続のシーケンスの例を示す図である。
【
図12】
図12は、無線接続確立後に反射通信を通知するシーケンスの例を示す図である。
【
図13】
図13は、RRC接続リコンフィグレーション手続きにおける、端末装置100が報告を上げる条件(イベント)の例を示す図である。
【
図14】
図14は、ハンドオーバ処理における情報要素(IE)及びグループ名の例を示す図である。
【
図15】
図15は、受信レベルごとのハンドオーバの実施の有無の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態について説明する。
図1は、無線通信システム10の構成例を示す図である。無線通信システム10は、反射装置300、端末装置100、及び基地局装置200-1,2を有する。また、無線通信システム10において、基地局装置200-1の通信エリア内には、遮蔽物400が存在する。
【0012】
基地局装置200-1,2(以降、基地局装置200と呼ぶ場合がある)は、それぞれ通信エリアを有する。基地局装置200は、通信エリア内の端末装置100-1,2と無線接続し、通信を行う。また、基地局装置200は、指向性アンテナを有し、多値変調方式の変更や指向性アンテナを用いて、電波の送信方向を制御することができる。
【0013】
端末装置100は、基地局装置200と無線接続し、他の端末装置と無線通信を行う通信装置であり、例えば、スマートフォンやタブレット端末である。
【0014】
反射装置300は、基地局装置200や端末装置100の送信する電波を反射させ、反射波を送出する装置である。反射装置300は、例えば、基地局装置200に制御に従い、受信した電波を反射させる。反射波は、例えば、基地局装置200が送信する報知情報を含む。また、反射波は、基地局装置200と端末装置100との無線通信において送受信される通信用、あるいは制御用の信号を含む。
【0015】
反射装置300は、例えば、RIS(Reconfigurable Intelligent Surface)である。RISは、Metasurfaceを用いた反射板である。Metasurfaceは、電波の波長よりも小さい構造体を、原子や分子に見立てて反射装置条に配列することで、自然界に存在しない電磁的性質(誘電率、透磁率等)を実現する素材である。RISは、Metasurfaceを用いることで、複数の電波それぞれを、所望した方向に反射させることができる。また、RISは、例えば、反射波に含まれる情報を操作することができ、所定の情報の追加、更新をすることができてもよい。
【0016】
遮蔽物400は、電波を遮断する物体である。基地局装置200は、遮蔽物400が存在することで、一部の特定のエリア(不通エリア)に位置する端末装置100と、直接的に(反射装置300を介さずに)電波の送受信を行うことができない。基地局装置200は、不通エリアに位置する端末装置100の無線通信を補完するため、反射装置300を使用し、反射波を不通エリアに送信する。
【0017】
図1において、端末装置100は、基地局装置200-1と直接無線接続できない不通エリアに位置する。端末装置100は、基地局装置200-1が送信する電波W1を反射装置300が反射する反射波W2を用いて、基地局装置200-1と無線接続する。
【0018】
無線通信システム10において、反射波による通信(以降、反射通信と呼ぶ場合がある)を行っている端末装置100は、通常(反射波以外の通常電波による通信)の通信におけるハンドオーバ(Hand Over:HO)条件よりも、ハンドオーバし易い(緩和された)HO条件が設定される。また、無線通信システム10において、反射通信を行っていたがハンドオーバした端末装置100は、通常の通信におけるハンドオーバ条件よりも、元の反射波の送信元の基地局装置200にハンドオーバし辛い(強化された)HO条件が設定される。無線通信システム10において、端末装置100は、反射通信を行っている場合はハンドオーバし易くし、反射通信からハンドオーバした場合は反射波の送信元の基地局装置200にハンドオーバし辛くする。これにより、端末装置100は、反射通信を行っている時間を抑制することができる。
【0019】
なお、
図1において、基地局装置200は2台であるが、3台以上であってもよい。また、
図1において、端末装置100は2台であるが、1台又は3台以上であってもよい。さらに、反射装置300は、基地局装置200-1、2のどちらか一方、又は両方から制御されてもよい。
【0020】
<基地局装置200の構成例>
図2は、基地局装置200の構成例を表す図である。基地局装置200は、CPU(Central Processing Unit)210、ストレージ220、メモリ230、通信回路240、無線通信回路250、及びアンテナ251を有する。
【0021】
ストレージ220は、プログラムやデータを記憶する、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置である。ストレージ220は、無線通信プログラム221、反射装置制御プログラム222、ハンドオーバプログラム223、及び反射通信用ハンドオーバプログラム224を記憶する。
【0022】
メモリ230は、ストレージ220に記憶されているプログラムをロードする領域である。また、メモリ230は、プログラムがデータを記憶する領域としても使用されてもよい。
【0023】
通信回路240は、他の基地局装置200や反射装置300と通信を行う装置である。通信回路240は、例えば、NI(Network Interface)などの有線の通信回路であってもよいし、無線接続に対応する通信回路であってもよい。
【0024】
無線通信回路250は、端末装置100と無線通信を行う、又は反射装置300を介して端末装置100と無線通信を行う装置である。無線通信回路250は、反射装置300を介して、あるいは直接的に、端末装置100と無線接続し、無線通信を実現する。無線通信回路250は、アンテナ251を有する。アンテナ251は、例えば、電波の送受信の方向を制御可能である指向性アンテナを含む。
【0025】
CPU210は、ストレージ220に記憶されているプログラムを、メモリ230にロードし、ロードしたプログラムを実行し、各部を構築し、各処理を実現するプロセッサである。
【0026】
CPU210は、無線通信プログラム221を実行することで、無線通信処理を行う。無線通信処理は、端末装置100と無線接続し、端末装置100が実行する通信を実現する処理である。
【0027】
CPU210は、反射装置制御プログラム222を実行することで、反射制御部を構築し、反射装置制御処理を行う。反射装置制御処理は、反射装置300に対して、反射制御を実行させる処理である。基地局装置200は、反射装置300に対して、反射波の反射角度、送信出力、反射波に付与する情報(例えば、反射波であることを示す情報)などを指示する。
【0028】
CPU210は、ハンドオーバプログラム223を実行することで、通常制御部を構築し、ハンドオーバ処理を行う。ハンドオーバ処理は、通常通信を行っている端末装置100のハンドオーバを実行する処理である。
【0029】
CPU210は、反射通信用ハンドオーバプログラム224を実行することで、制御部及び通知部を構築し、反射通信用ハンドオーバ処理を行う。反射通信用ハンドオーバ処理は、反射通信を行っている端末装置100のハンドオーバを実行する処理である。反射通信用ハンドオーバ処理は、反射通信を行っている端末装置100に対して、反射通信用のハンドオーバ条件(受信レベルの閾値、オフセット値など)を設定する処理を含む。また、反射通信用ハンドオーバ処理は、反射通信を行っている端末装置100から、ハンドオーバの要求(反射通信用のハンドオーバ条件を満たす基地局装置を検出したことの報告)を受信し、ハンドオーバ先の基地局装置200からハンドオーバを許可されると、端末装置100にハンドオーバ許可を送信する処理を含む。また、反射通信用ハンドオーバ処理は、端末装置100が反射通信を行っていることの検出、及び検出時に端末装置100に反射通信を行っていることの通知を含む。また、反射通信用ハンドオーバ処理は、ハンドオーバした端末装置100が反射通信を行っていたこと、もしくは元の基地局装置200へのハンドオーバを回避(抑制)することの指示を、ハンドオーバ先の基地局装置200に送信する処理を含む。
【0030】
<端末装置100の構成例>
図3は、端末装置100の構成例を表す図である。端末装置100は、CPU110、ストレージ120、メモリ130、無線通信回路150、及びアンテナ151を有する。
【0031】
ストレージ120は、プログラムやデータを記憶する、フラッシュメモリ、HDD、又はSSDなどの補助記憶装置である。ストレージ120は、端末用無線通信プログラム121、端末用ハンドオーバプログラム122、端末用反射通信用ハンドオーバプログラム123を記憶する。
【0032】
メモリ130は、ストレージ120に記憶されているプログラムをロードする領域である。また、メモリ130は、プログラムがデータを記憶する領域としても使用されてもよい。
【0033】
無線通信回路150は、基地局装置200と無線通信を行う装置である。無線通信回路150は、反射装置300を介して、あるいは直接的に、基地局装置200と無線接続し、無線通信を実現する。無線通信回路150は、アンテナ151を有する。アンテナ251は、例えば、電波の送受信の方向を制御可能である指向性アンテナを含む。
【0034】
CPU110は、ストレージ120に記憶されているプログラムを、メモリ130にロードし、ロードしたプログラムを実行し、各部を構築し、各処理を実現するプロセッサである。
【0035】
CPU110は、端末用無線通信プログラム121を実行することで、端末用無線通信処理を行う。端末用無線通信処理は、基地局装置200と無線接続し、他の端末装置100や基地局装置200との無線通信を実現する処理である。
【0036】
CPU110は、端末用ハンドオーバプログラム122を実行することで、端末用ハンドオーバ処理を行う。端末用ハンドオーバ処理は、通常通信を行っている場合、基地局装置200からハンドオーバの許可を受信し、移動先の基地局装置200にハンドオーバを実行する処理である。
【0037】
CPU110は、端末用反射通信用ハンドオーバプログラム123を実行することで、端末用反射通信用ハンドオーバ処理を行う。端末用反射通信用ハンドオーバ処理は、反射通信を行っている場合、基地局装置200からハンドオーバの許可を受信し、移動先の基地局装置200にハンドオーバを実行する処理である。端末用反射通信用ハンドオーバ処理は、反射通信を行っていることの検出、及び検出時に反射通信を行っていることの基地局装置200への通知を含む。また、端末用反射通信用ハンドオーバ処理は、反射通信用ハンドオーバ条件を満たす基地局装置200を検出したとき、反射通信用のハンドオーバを基地局装置200へ要求する処理を含む。
【0038】
<反射装置300の構成例>
図4は、反射装置300の構成例を表す図である。反射装置300は、CPU310、ストレージ320、メモリ330、通信回路340、及び反射用構造体370を有する。
【0039】
ストレージ320は、プログラムやデータを記憶する、フラッシュメモリ、HDD、又はSSDなどの補助記憶装置である。ストレージ320は、反射制御プログラム321を記憶する。
【0040】
メモリ330は、ストレージ320に記憶されているプログラムをロードする領域である。また、メモリ330は、プログラムがデータを記憶する領域としても使用されてもよい。
【0041】
通信回路340は、基地局装置200と通信を行う装置である。通信回路340は、例えば、NIなどの有線の通信回路であってもよいし、無線接続に対応する通信回路であってもよい。
【0042】
反射用構造体370は、基地局装置200や端末装置100が送信する電波を受信し、所望の角度に送出する複数の構造体の集合体である。反射用構造体370は、構造体の単位で、電波の受信、及び電波の送信(反射)が可能である。
【0043】
CPU310は、ストレージ320に記憶されているプログラムを、メモリ330にロードし、ロードしたプログラムを実行し、各部を構築し、各処理を実現するプロセッサである。
【0044】
CPU310は、反射制御プログラム321を実行することで、反射制御処理を行う。反射制御処理は、受信した電波の反射を制御する処理である。反射装置300は、反射制御処理において、基地局装置200からの指示に従い、反射制御を行う。また、反射装置300は、ある特定のエリア(例えば、基地局装置200からの電波が到達しないエリア)に対して、反射波が到達するよう、反射制御を行う。また、反射装置300は、反射波の角度、周波数、ビーム幅などを調整することができる。さらに、反射装置300は、反射波に所定の情報を載せたり、一部の情報を変更(更新)したりすることができてもよい。
【0045】
<反射通信中のハンドオーバ処理>
反射通信中の端末装置100のハンドオーバ処理について説明する。
【0046】
図5は、反射通信中の端末装置100のハンドオーバの例を示す図である。端末装置100は、反射波W2を介して、基地局装置200-1と無線通信中である。
【0047】
端末装置100は、基地局装置200-2の方向D1に移動する。端末装置100は、基地局装置200-2から送信される電波を受信(検知)できる位置まで移動する。
【0048】
ここで、端末装置100は、基地局装置200-2から送信される電波の受信レベルを測定する。端末装置100は、例えば、通常の通信におけるHO条件を満たさなくても、反射通信におけるHO条件を満たす場合、基地局装置200-2にハンドオーバを行う。
【0049】
さらに、基地局装置200-2は、端末装置100が基地局装置200-1と反射通信を行っていたことを認識し、端末装置100が基地局装置200-1にハンドオーバし辛い(しない)ように、端末装置100を制御する。
【0050】
図6は、反射通信中の端末装置100のハンドオーバ処理のシーケンスの例を示す図である。端末装置100は、基地局装置200-1と、反射装置300を介して反射通信中である(S100)。
【0051】
端末装置100は、自装置が反射通信を行っていることを検出する(S101)。反射通信の検出の詳細については、後述する。
【0052】
端末装置100は、反射通信を行っていることを検出すると(S101)、自装置が反射通信していることを示す反射通信通知を、基地局装置200-1に送信する(S102)。反射通信を行っていることの通知方法の詳細については、後述する。
【0053】
基地局装置200-1は、端末装置100から反射通信通知を受信し(S102)、端末装置100が反射通信を行っていることを検出すると(S103)、端末装置100に反射通信用HO条件通知を送信する(S104)。
【0054】
反射通信用HO条件通知は、反射通信におけるHO条件(反射通信用HO条件)が含まれる。反射通信用HO条件は、通常通信におけるHO条件(通常通信用HO条件)よりも、ハンドオーバし易い(緩和された)条件である。反射通信用HO条件は、例えば、通常通信用HO条件におけるHO先となる隣接基地局装置から送信される電波(信号)の受信レベル(通常HO受信レベル)より、低い受信レベル(反射HO受信レベル)である。HO先の基地局装置から送信される電波の受信レベルを低くすることで、反射通信中の端末装置100は、隣接基地局装置にハンドオーバし易くなる。反射通信用HO条件の通知方法の詳細については、後述する。
【0055】
図7は、反射通信中の端末装置100のハンドオーバ処理のシーケンスの例を示す図である。端末装置100及び基地局装置200-1は、端末装置100が反射通信中であることを認識している。
【0056】
端末装置100は、基地局装置200-2の方向へ移動する(S105)。そして、端末装置100は、基地局装置200-2が送信した電波を受信する(S106)。
【0057】
端末装置100は、基地局装置200-2(隣接基地局装置)から電波を受信すると(S106)、反射通信用HO処理を行う(S1000)。
【0058】
図8は、反射通信用HO処理S1000の処理フローチャートの例を示す図である。端末装置100は、隣接基地局装置からの電波を測定する(S1000-1)。端末装置100は、処理S1000-1において、例えば、電波の受信強度やノイズ(干渉度合い)などを測定する。
【0059】
端末装置100は、電波の測定結果が、反射通信用HO条件を満たさない場合(S1000-2のNo)、再度処理S1000-1を実行する。
【0060】
一方、端末装置100は、電波の測定結果が、反射通信用HO条件を満たす場合(S1000-2のYes)、反射通信用のHOを要求する反射通信用HO要求を、通信中の基地局装置200に送信する(S1000-3)。
【0061】
端末装置100は、通信中の基地局装置200からの反射通信用HO要求に対する応答を待ち受け、応答を受信する。端末装置100は、ハンドオーバが許可されない場合(S1000-4のNo)、再度処理S1000-1を実行する。
【0062】
一方、端末装置100は、ハンドオーバが許可された場合(S1000-4のYes)、HO処理を実行し(S1000-5)、処理を終了する。
【0063】
図7のシーケンスに戻り、端末装置100は、反射通信用HO処理S1000において、隣接基地局装置である基地局装置200-2の電波の測定結果が、反射通信用HO条件を満たすと判定し(S107、
図8のS1000-2のYes)、反射通信用HO要求を基地局装置200-1に送信する(S108、
図8のS1000-3)。
【0064】
基地局装置200-1は、反射通信用HO要求を受信すると(S107)、反射通信用HO要求受信処理を行う(S2000)。
【0065】
図9は、反射通信用HO要求受信処理S2000の処理フローチャートの例を示す図である。基地局装置200は、反射通信用HO要求を受信するのを待ち受ける(S2000-1のNo)。基地局装置200は、反射通信用HO要求を受信すると(S2000-1のYes)、ハンドオーバ先の基地局装置200に、端末装置100のハンドオーバを許可するか否かを問い合わせる(S2000-2)。
【0066】
基地局装置200は、ハンドオーバが許可されない場合(S2000-3のNo)、HO拒否(不許可)を端末装置100に送信(通知)し(S2000-7)、処理を終了する。
【0067】
一方、基地局装置200は、ハンドオーバが許可された場合(S2000-3のYes)、HO許可を端末装置100に送信(通知)する(S2000-4)。そして、基地局装置200は、ハンドオーバ処理を実施し(S2000-5)、ピンポン回避指示をハンドオーバ先の基地局装置200に送信し(S2000-6)、処理を終了する。
【0068】
ハンドオーバ元の基地局装置200の処理は、例えば、ハンドオーバ先の基地局装置200に、端末装置100に関する情報(例えば、セッションに関する情報、エッジに関する情報など)を送信する処理を含む。また、ハンドオーバ元の基地局装置200の処理は、例えば、端末装置100がハンドオーバに成功した後、端末装置100との無線接続を切断し、セッションを解放する処理などを含む。
【0069】
ピンポン回避指示は、端末装置100がハンドオーバ元の反射通信を行っていた基地局装置200にハンドオーバするピンポンを、回避又は抑制するように指示するメッセージである。ピンポン回避指示の詳細については、後述する。
【0070】
図7のシーケンスに戻り、基地局装置200-1は、反射通信用HO要求受信処理S2000において、ハンドオーバを基地局装置200-2から許可され(
図9のS2000-3のYes)、端末装置100にHO許可を送信し(
図9のS2000-4)、基地局装置200-2へのハンドオーバを実施する(SS109、
図9のS2000-5)。そして、基地局装置200-1は、ピンポン回避指示を基地局装置200-2に送信する(S110、
図9のS2000-6)。
【0071】
基地局装置200-2は、ピンポン回避指示を受信すると(S110)、ピンポン回避処理を実行する(S3000)。
【0072】
図10は、ピンポン回避処理S3000の処理フローチャートの例を示す図である。基地局装置200は、ピンポン回避指示の受信を待ち受ける(S3000-1のNo)。基地局装置200は、ピンポン回避指示を受信すると(S3000-1のYes)、ピンポンを回避するためのHO条件を含むピンポン回避用HO条件通知を、端末装置100に送信し(3000-2)、処理を終了する。ピンポン回避用HO条件通知の詳細については、後述する。
【0073】
図7のシーケンスに戻り、基地局装置200-1は、ピンポン回避処理S3000において、ピンポン回避用HO条件通知を端末装置100に送信する(S111、
図10のS3000-2)。
【0074】
<反射通信の検出>
端末装置100が反射通信を行っていることは、端末装置100又は基地局装置200-1のいずれか一方によって、検出されればよい。
【0075】
1つの検出方法において、端末装置100は、所定メッセージに含まれる判定ビットが認識できたか否か(エラーなく受信できたか否か)で、反射通信か否かを判定する。基地局装置200-1は、判定用ビットを多重したメッセージを所定値より弱い電力で送信する。所定値より弱い電力とは、例えば、反射装置300が反射することができない程度の電力のうち、なるべく強い電力である。すなわち、所定値より弱い電力で送信された判定用ビットは、反射装置300より基地局装置200-1側で通信を行う端末装置100においては認識可能であるが、反射通信を行う端末装置100においては認識できない情報要素である。端末装置100は、判定用ビットを認識することができない場合、反射通信を行っていると判定する。
【0076】
また、1つの検出方法において、端末装置100は、自装置の位置により反射通信か否かを判定する。端末装置100は、反射波が所定電力以上で到達する位置(基地局装置200-1からの電波は直接到達しない位置)情報を、事前にメモリ内に記憶する。そして、端末装置100は、例えば、GPS(Global Positioning System)で自装置の位置を取得し、当該取得した位置と、メモリに記憶した情報とを比較し、自装置が反射通信を行っているか否かを判定する。なお、基地局装置200-1は、反射波が所定電力以上で到達する位置情報を記憶し、端末装置100から端末装置100の位置情報を取得し、端末装置100が反射通信を行っているか否かを判定してもよい。
【0077】
また、1つの検出方法において、端末装置100は、反射波にのみ含まれる情報を取得できたか否かで、反射通信か否かを判定する。反射装置300は、例えば、基地局装置200-1から電波を受信し、受信した電波に反射波であることを示す情報を追加し、反射を生成する。
【0078】
<反射通信を行っていることの通知方法>
図6のシーケンスにおいて、端末装置100は、反射通信通知にて、自装置が反射通信を行っていることを、基地局装置200-1に通知する。反射通信通知は、新たに定義したメッセージであってもよいし、従来メッセージの一部に含まれるものであってもよい。以下、反射通信を行っていることの通知方法の例を示す。
【0079】
反射通信を行っていることの通知は、例えば、無線接続開始の一連のプロシージャの中で実施する方法がある。
図11は、無線接続のシーケンスの例を示す図である。
図11の説明において、第5世代通信におけるメッセージ名称を例として使用するが、当該実施例は、このメッセージに限定されない。以降の説明についても、同様である。
【0080】
基地局装置200-1は、System Informationにおいて、端末装置100にシステム情報を通知する(S200)。
【0081】
端末装置100は、RA(Random Access) Preamble でプリアンブル信号を、基地局装置200-1に送信する(S201)。
【0082】
基地局装置200-1は、RA Responseでプリアンブル信号に対する応答を、端末装置100に送信する(S202)。
【0083】
端末装置100は、RRC(Radio Resource Control)における接続を要求するRRC Connection Requestを、基地局装置200-1に送信する(S203)。
【0084】
基地局装置200-1は、RRCにおける接続に関する設定情報を含むRRC Connection Setupを、端末装置100に送信する(S204)。
【0085】
端末装置100は、RRC接続を行い、RRC接続の完了を示すRRC Connection Setup Completeを、基地局装置200-1に送信する。
【0086】
基地局装置200-1は、例えば、RA Responseに含まれる情報要素(例えばEstablishmentCause)で、反射通信を示す設定値(例えば、受信レベルの閾値など)を通知してもよい。端末装置100は、この設定値に従い、反射通信を検出し、基地局装置200-1に報告する。
【0087】
また、端末装置100は、基地局装置200-1に送信するメッセージ(例えば、RA Preamble、RRC Connection Request、RRC Connection Setup Complete)に、反射通信を行っている旨を示す情報要素を付加してもよい。
【0088】
また、通信システム10において、反射通信を行っている旨を示す新たなIE(Information Element)を追加してもよい。
【0089】
また、反射通信を行っていることの通知は、例えば、無線接続確立後に実施する方法がある。
【0090】
図12は、無線接続確立後に反射通信を通知するシーケンスの例を示す図である。通信システム10において、新たなRRCメッセージ(RIS Notification Message)を定義し、端末装置100及び基地局装置200-1との間で、反射通信を行っていること、及び反射通信に関する情報を送受信する(S300)。
【0091】
また、RRC Reconfigrationを使用し、端末装置100及び基地局装置200-1との間で、反射通信を行っていること、及び反射通信に関する情報を送受信する(S301)。
【0092】
基地局装置200-1は、例えば、反射通信を示す設定値を、RRCメッセージを使用して、端末装置100に通知する。端末装置100は、基地局装置200-1からの電波を測定し、反射通信を示す設定値による条件を満たす場合(例えば、設定値より低い場合)、反射通信を行っていることを検出し、Mesurement Reportに反射通信を行っている旨を示す情報を含め、基地局装置200-1に送信する(S302)。
【0093】
<反射通信用HO条件の通知方法>
図6のシーケンスにおいて、基地局装置200-1は、反射通信用HO条件通知にて、反射通信中の端末装置100におけるHO条件を、端末装置100に通知する。反射通信用HO条件通知は、新たに定義したメッセージであってもよいし、従来メッセージの一部に含まれるものであってもよい。以下、反射通信用HO条件の通知方法の例を示す。
【0094】
図13は、RRC接続リコンフィグレーション手続きにおける、端末装置100が報告を上げる条件(イベント)の例を示す図である。イベントA3は、隣接基地局装置200からの電波が、通信中の基地局装置200よりもオフセット値だけ受信レベルが良好に(強く)なったときに、報告を上げることを指示するイベントである。イベントA3は、例えば、従来イベントである。基地局装置200-1は、反射通信を行っている端末装置100に対して、イベントA3のオフセットを通常通信を行っている端末装置100のオフセットよりも小さい値とする。これにより、反射通信を行っている端末装置100は、通常通信ではハンドオーバしない隣接基地局装置からの受信レベルであっても、ハンドオーバをすることとなる。
【0095】
また、従来のイベントA3のオフセット値は変更せず、新たにイベントA7を設定してもよい。イベントA7は、反射通信を行っている端末装置用のイベントである。基地局装置200-1は、イベントA7のオフセットを通常通信を行っている端末装置100のオフセットよりも小さい値とする。端末装置100は、反射通信を行っている場合、イベントA3のオフセット値ではなく、イベントA7のオフセット値を使用することで、通常通信ではハンドオーバしない隣接基地局装置からの受信レベルであっても、ハンドオーバをすることとなる。
【0096】
端末装置100は、イベントA3又はイベントA7のオフセット値を満たす受信レベルの隣接基地局装置を検出すると、例えば、MRを基地局装置200-1に送信し、反射通信中におけるHO条件を満たす隣接基地局装置を検出したことを通知する。
【0097】
<ピンポン回避指示について>
ピンポン回避指示は、ハンドオーバ元の基地局装置200-1が、ハンドオーバ先の基地局装置200-2に、端末装置100が反射通信を行っていたことを通知するメッセージである。ピンポン回避指示は、新たに定義されたメッセージであってもよいし、従来のメッセージに含まれてもよい。ピンポン回避指示は、
図7のシーケンスのように、ハンドオーバが完了した後に送信されてもよい。
【0098】
また、ピンポン回避指示は、ハンドオーバ処理において送信されてもよい。
図14は、ハンドオーバ処理における情報要素(IE)及びグループ名の例を示す図である。基地局装置200-1は、例えば、RRC Contextにハンドオーバ先の基地局装置200-2が端末装置100に通知するRRCメッセージを設定する。当該RRCメッセージにおいて、ピンポン回避用HO条件を設定する。
【0099】
ピンポン回避用ハンドオーバ条件は、ハンドオーバ元の基地局装置200-1にハンドオーバする条件を厳しくした条件である。ピンポン回避用HO条件は、例えば、ハンドオーバ元の基地局装置200-1にハンドオーバしないように抑制するための条件であり、基地局装置200-2へは、通常のハンドオーバの受信レベルよりもが高い受信レベルとならないと、ハンドオーバしないような値(オフセット値)が設定される。また、ピンポン回避用ハンドオーバ条件は、例えば、ハンドオーバ元の基地局装置200-1にハンドオーバすることを禁止する条件であってもよい。なお、基地局装置200-1へのハンドオーバの禁止や抑制は、所定時間経過後や、所定条件を満たすことで、解除されてもよい。
【0100】
また、新規の情報要素(IE)を定義し、端末装置100が反射通信を行っていたことや、ピンポン回避用ハンドオーバ条件を通知してもよい。
【0101】
<ハンドオーバの実施の有無の例>
第1の実施の形態におけるハンドオーバ制御を行うことで、反射通信を行っている端末装置100は、ハンドオーバし易くなり、元の基地局装置200にハンドオーバ(ピンポン)し辛くなる。
【0102】
図15は、受信レベルごとのハンドオーバの実施の有無の例を示す図である。
図15において、受信レベルはRSRP(Refer- ence Signal Received Power)で示し、単位はdBmである。
【0103】
例えば、通信中基地局装置の信号の受信レベルが-90dBmで、隣接基地局装置の信号の受信レベルがー100dBmである場合について説明する。
【0104】
端末装置100は、通常通信中である場合、この受信レベルではハンドオーバを行わない。
【0105】
また、端末装置100は、反射通信を行っていた隣接基地局装置からのハンドオーバ後である場合、通常通信中と同様に、ハンドオーバを行わない。
【0106】
しかし、端末装置100は、反射通信中である場合、ハンドオーバの条件が低いため、隣接基地局装置に対してハンドオーバを行う。
【0107】
このように、反射通信中の端末装置100は、通常通信中ではハンドオーバしないような受信レベルであっても、隣接基地局装置にハンドオーバする。
【0108】
また、例えば、通信中基地局装置の信号の受信レベルが-100dBmで、隣接基地局装置の信号の受信レベルがー80dBmである場合について説明する。
【0109】
端末装置100は、通常通信中である場合、隣接基地局装置に対してハンドオーバを行う。
【0110】
また、端末装置100は、反射通信中である場合、通常通信中と同様に、隣接基地局装置に対してハンドオーバを行う。
【0111】
しかし、端末装置100は、反射通信を行っていた隣接基地局装置からのハンドオーバ後である場合、ピンポン回避処理によってハンドオーバの条件が高い、あるいは隣接基地局装置へのハンドオーバを禁止されているため、隣接基地局装置に対してハンドオーバを行わない。
【0112】
このように、反射通信を行っていた隣接基地局装置からハンドオーバした端末装置100は、通常通信中ではハンドオーバするような受信レベルであっても、隣接基地局装置にハンドオーバしない。
【0113】
[その他の実施の形態]
第1の実施の形態において示した、反射通信の検出方法、反射通信用HO条件の通知方法、ピンポン回避指示の方法は、それぞれ組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0114】
10 :無線通信システム
100 :端末装置
110 :CPU
120 :ストレージ
121 :端末用無線通信プログラム
122 :端末用ハンドオーバプログラム
123 :端末用反射通信用ハンドオーバプログラム
130 :メモリ
150 :無線通信回路
151 :アンテナ
200 :基地局装置
210 :CPU
220 :ストレージ
221 :無線通信プログラム
222 :反射装置制御プログラム
223 :ハンドオーバプログラム
224 :反射通信用ハンドオーバプログラム
230 :メモリ
240 :通信回路
250 :無線通信回路
251 :アンテナ
300 :反射装置
310 :CPU
320 :ストレージ
321 :反射制御プログラム
330 :メモリ
340 :通信回路
370 :反射用構造体
400 :遮蔽物