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特許7606145情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-17
(45)【発行日】2024-12-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/34 20120101AFI20241218BHJP
【FI】
G06Q50/34
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2024001420
(22)【出願日】2024-01-09
(62)【分割の表示】P 2020009733の分割
【原出願日】2020-01-24
(65)【公開番号】P2024026664
(43)【公開日】2024-02-28
【審査請求日】2024-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】石井 公二
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-111616(JP,A)
【文献】特開2017-176528(JP,A)
【文献】特許第6462925(JP,B1)
【文献】特開2010-113659(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0006366(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0091836(US,A1)
【文献】特開2017-111511(JP,A)
【文献】特開2015-069589(JP,A)
【文献】特開2012-022657(JP,A)
【文献】特表2017-503280(JP,A)
【文献】特開2012-238052(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと記憶部とを備え、
前記プロセッサは、
寄付管理サーバより受信したユーザから団体への寄付情報に基づいて、前記団体から前記ユーザに付与される付与価値を管理し、
前記寄付情報に基づいて、前記団体により定められた競技場での競技の結果に対する投票用という用途制限が課せられた価値を前記ユーザに付与された第1の価値として、前記ユーザの情報と関連付けて前記記憶部に記憶して管理し、
前記ユーザから、前記第1の価値に基づいて投票する競技場が、前記団体により定められた競技場である場合に、前記競技の結果に対する投票を受け付け、
前記投票が的中した場合に、前記ユーザに支払う報酬を算出し、前記ユーザに対する前記報酬として、用途制限が設定されていない第2の価値を前記記憶部に記憶して管理する、
情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサに、寄付管理サーバより受信したユーザから団体への寄付情報に基づいて、前記団体から前記ユーザに付与される付与価値を管理させ、
プロセッサに、前記寄付情報に基づいて、前記団体により定められた競技場での競技の結果に対する投票用という用途制限が課せられた価値を前記ユーザに付与された第1の価値として、前記ユーザの情報と関連付けて記憶部に記憶して管理させ、
プロセッサに、前記ユーザから、前記第1の価値に基づいて投票する競技場が、前記団体により定められた競技場である場合に、前記競技の結果に対する投票を受け付けさせ、
プロセッサに、前記投票が的中した場合に、前記ユーザに支払う報酬を算出し、前記ユーザに対する前記報酬として、前記ユーザに対して、用途制限が設定されていない第2の価値を記憶部に記憶させて管理させる、
プログラム。
【請求項3】
プロセッサが、寄付管理サーバより受信したユーザから団体への寄付情報に基づいて、前記団体から前記ユーザに付与される付与価値を管理させ、
プロセッサが、前記寄付情報に基づいて、前記団体により定められた競技場での競技の結果に対する投票用という用途制限が課せられた価値を前記ユーザに付与された第1の価値として、前記ユーザの情報と関連付けて記憶部に記憶して管理し、
プロセッサが、前記ユーザから、前記第1の価値に基づいて投票する競技場が、前記団体により定められた競技場である場合に、前記競技の結果に対する投票を受け付け、
プロセッサが、前記投票が的中した場合に、前記ユーザに支払う報酬を算出し、前記ユーザに対する前記報酬として、前記ユーザに対して、用途制限が設定されていない第2の価値を記憶部に記憶させて管理する、
方法。
【請求項4】
端末とサーバとを備え、
前記サーバは、
寄付管理サーバより受信したユーザから団体への寄付情報に基づいて、前記団体から前記ユーザに付与される付与価値を管理し、
前記寄付情報に基づいて、前記団体により定められた競技場での競技の結果に対する投票用という用途制限が課せられた価値を前記ユーザに付与された第1の価値として、前記ユーザの情報と関連付けて記憶部に記憶して管理し、
前記ユーザの端末から、前記第1の価値に基づいて投票する競技場が、前記団体により定められた競技場である場合に、前記競技の結果に対する投票を受け付け、
前記投票が的中した場合に、前記ユーザに支払う報酬を算出し、前記ユーザに対する前記報酬として、用途制限が設定されていない第2の価値を前記記憶部に記憶して管理する、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、競輪、競馬、競艇、オートレース等の公営競技(又は公営ギャンブル)の勝利投票券の発売及び的中券の払い戻しを行う公営競技における勝利投票券システムにおいて、競技終了後に、的中券の払戻金から設定された方法で寄付金を算出する及び寄付先投票券を設定された方法で集計する事で、寄付先候補毎の寄付金額を算出する情報処理を実施する専用システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-22657
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1においては、従来通り投票券の購入によって寄付が行われることに変わりはなく、特に寄付を促進することができなかった。
【0005】
本発明は、特定の団体への寄付を促進することができる情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、競技の結果に対するユーザの投票を管理する情報処理装置であって、付与価値管理部と、投票受付部を備え、前記付与価値管理部は、前記ユーザから団体への寄付情報に基づいて、前記団体から前記ユーザに付与される付与価値を管理し、前記投票受付部は、前記付与価値を利用した前記競技の結果に対する前記投票を受け付ける、情報処理装置である。
【0007】
本発明の一態様によれば、特定の団体への寄付を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る付与価値利用システム1の概要を示す図である。
図2】第1実施形態に係る投票管理サーバ10のハードウェア構成を示すブロック 図である。
図3】第1実施形態に係る寄付管理サーバ30のハードウェア構成を示すブロック 図である。
図4】第1実施形態に係るユーザ端末20のハードウェア構成を示すブロック図で ある。
図5】第1実施形態に係る投票管理サーバ10の機能構成を示すブロック図である 。
図6】第1実施形態に係る付与価値利用システム1による処理の流れを示す図であ る。
図7】第2実施形態に係る投票管理サーバ10の機能構成を示すブロック図である 。
図8】第2実施形態における付与価値の記録に関する情報に基づく付与価値の記録 の照会について説明する図である。
図9】第2実施形態に係る付与価値利用システム1による処理の流れを示す図であ る。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明のいくつかの実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
【0010】
<1.第1実施形態>
(1-1.付与価値利用システム1)
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、図1に示すような付与価値利用システム1の一部を構成する投票管理サーバ10である。付与価値利用システム1は、投票管理サーバ10、ユーザ端末20、及び寄付管理サーバ30を備える。
【0011】
投票管理サーバ10は、通信回線5を介してユーザ端末20及び寄付管理サーバ30と通信可能に構成される。投票管理サーバ10は、ユーザU1による団体G1への寄付情報を団体G1の寄付管理サーバ30と共有する。また、投票管理サーバ10は、ユーザU1によって団体G1から付与された付与価値を利用した競技の結果に対する投票を受け付ける。投票管理サーバ10は、このような寄付に応じて付与される付与価値を利用した投票を可能とすることで当該団体への寄付促進を実現する。以下、各構成について説明する。
【0012】
(1-2.付与価値利用システム1のハードウェア構成)
図2図4を参照し、付与価値利用システム1のハードウェア構成を説明する。
【0013】
(1ー2ー1.投票管理サーバ10及び寄付管理サーバ30のハードウェア構成)
図2は、本実施形態に係る投票管理サーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。投票管理サーバ10は、制御部11、記憶部12、通信部13を備える。また、投票管理サーバ10は、キーボード及びマウス等で構成されて各種操作の入力を受け付ける操作入力部14、各種画像を表示する例えば液晶ディスプレイ装置等のモニタ15を備えていてもよい。
【0014】
制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)等であり、投票管理サーバ10の全体の動作を制御する。
【0015】
記憶部12の一部は、例えば、RAM(Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成されており、制御部11による各種プログラムに基づく処理の実行時のワークエリア等として用いられる。また、記憶部12の一部は、例えば、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリ、又はHDD(Hard Disk Drive)であり、各種データ及び制御部11の処理に利用されるプログラム等を保存する。
【0016】
記憶部12に記憶されるプログラムは、例えば、投票管理サーバ10の基本的な機能を実現するためのOS(Operating System)、各種ハードウェア制御するためのドライバ、各種機能を実現するためのプログラム等であって、本実施形態に係るコンピュータプログラムを含む。
【0017】
通信部13は、例えばNIC(Network Interface Controller)であり、通信回線5に接続する機能を有する。なお、通信部13は、NICに代えて又はNICと共に、無線LAN(Local Area Network)に接続する機能、無線WAN(Wide Area Network)に接続する機能、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離の無線通信、及び赤外線通信等を可能とする機能を有してもよい。投票管理サーバ10は、通信回線5を介してユーザ端末20等の他の情報処理装置等と接続され、他の情報処理装置等との間で各種データの送受信を行うことができる。
【0018】
これら制御部11、記憶部12、通信部13、操作入力部14、及びモニタ15は、システムバス16を介して相互に電気的に接続されている。従って、制御部11は、記憶部12へのアクセス、モニタ15に対する画像の表示、ユーザによる操作入力部14に対する操作状態の把握、及び通信部13を介した各種通信網や他の情報処理装置へのアクセス等を行うことができる。
【0019】
寄付管理サーバ30は、投票管理サーバ10と同様に、制御部31、記憶部32、通信部33を備え、さらに操作入力部34、モニタ35を備えてもよい。
【0020】
(1-2-2.ユーザ端末20のハードウェア構成)
図3は、本実施形態に係るユーザ端末20のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末20は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の情報処理端末であり、制御部21、記憶部22、通信部23を備える。また、ユーザ端末20は、画像等を表示し操作を受け付け可能なタッチパネルディスプレイ等の表示部24、音を出力するスピーカ25、音が入力されるマイク26、及び被写体を撮像するカメラ27、操作ボタン28を備えていてもよい。以下、投票管理サーバ10との相違点を中心に説明する。
【0021】
操作ボタン28は、ユーザ端末20の側面に設けられ、ユーザ端末20を起動又は停止させるための電源ボタンやスピーカ25が出力する音のボリューム調整ボタン等である。
【0022】
これら制御部21、記憶部22、通信部23、表示部24、スピーカ25、マイク26、カメラ27、及び操作ボタン28は、システムバス29を介して相互に電気的に接続されている。従って、制御部21は、記憶部22へのアクセス、表示部24に対する画像の表示、ユーザによるタッチパネルディスプレイ(表示部24)や操作ボタン28に対する操作状態の把握、マイク26への音の入力、スピーカ25からの音の出力、カメラ27に対する制御、及び通信部23を介した各種通信網や他の情報処理装置へのアクセス等を行うことができる。
【0023】
(1-3.投票管理サーバ10の機能構成)
図5に示すように、投票管理サーバ10の制御部11は、付与価値管理部11aと、投票受付部11bを有する。制御部11は、支払処理部11cをさらに有してもよい。
【0024】
付与価値管理部11aは、ユーザU1から団体G1への寄付情報に基づいて、団体G1からユーザU1に付与される付与価値を管理する。投票受付部11bは、付与価値を利用したユーザU1の競技の結果に対する投票を受け付ける。支払処理部11cは、投票の内容が的中した場合にユーザU1に報酬を支払う。各機能の詳細は、後述する。
【0025】
上述した機能構成は、投票管理サーバ10に適宜インストールされるソフトウェア(いわゆるアプリを含む)によって実現してもよく、ハードウェアによって実現してもよい。ソフトウェアによって実現する場合、制御部11がソフトウェアを構成するプログラムを実行することによって各種機能を実現することができる。
【0026】
プログラムを実行することで実現される場合、当該プログラムは、投票管理サーバ10が内蔵する記憶部12に格納してもよく、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体に格納してもよい。また、外部の記憶装置に格納されたプログラムを読み出し、いわゆるクラウドコンピューティングにより実現してもよい。若しくは、ハードウェアによって実現する場合、ASIC、SOC、FPGA、又はDRPなどの種々の回路によって実現することができる。また、上述した機能構成は、一部の機能構成をソフトウェア又はハードウェアによって、ユーザ端末20等で処理されるようにしてもよい。
【0027】
(1-4.付与価値管理部11aの機能)
付与価値管理部11aは、ユーザU1から団体G1への寄付情報に基づいて、団体G1からユーザU1に付与される付与価値を管理するように構成される。
【0028】
ここでいう「団体」とは、ユーザU1からの寄付を受け付け、当該寄付に応じてユーザU1に価値を付与することが可能な団体であって、種々の団体を含む。団体G1の一例は、地方公共団体である。
【0029】
また、団体G1によってユーザU1に付与される価値である「付与価値」は、競技の結果に対する投票に利用可能な価値である。また、「付与価値」は「競技の結果に対する投票用」という用途制限を課せられた価値であってもよい。また、ここでいう「価値」とは、現金、電子マネー、仮想通貨等のコインであってもよいし、単に特定のサービス内において利用可能なポイントであってもよい。
【0030】
また、ここでいう「寄付情報」とは、ユーザU1による団体G1への寄付に関する情報であって、寄付したユーザU1の識別情報等の寄付者情報、寄付金額、寄付日等の情報を含む情報である。この寄付情報に基づき団体G1は、寄付者であるユーザU1に付与価値を付与する。
【0031】
このように、寄付に基づいて得られる付与価値が競技結果に対する投票という用途に利用可能であれば、競技結果への投票を好むユーザによる寄付を促進し、団体はより多くの寄付を得ることができる。
【0032】
また、付与価値管理部11aは、ユーザU1による付与価値を利用した競技の結果に対する投票の履歴を記録し、その残高を管理するように構成されてもよい。また、付与価値管理部11aは、団体G1への別の寄付に係る付与価値との合算や、別の団体への寄付に係る付与価値との合算等について管理するように構成されてもよい。
【0033】
団体G1又は寄付管理サーバ30等によって、付与価値に利用期限が設定されている場合には、利用期限の経過によるユーザU1が保有する合計の付与価値の変動について管理するように構成されてもよい。また、付与価値管理部11aは、付与価値が利用期限の近い順に利用されるように管理するように構成されてもよい。
【0034】
(1-5.投票受付部11bの機能)
投票受付部11bは、ユーザ端末20から、付与価値を利用したユーザU1の競技の結果に対する投票を受け付け、受け付けた投票内容を記憶部12等に記録する。なお、競技とは、種々のスポーツであって、例えば、自転車、自動車、ボート、若しくは競走馬等を用いたレース、又は野球若しくはサッカーの試合等が挙げられる。
【0035】
一態様においては、付与価値は、団体G1に応じて利用可能な競技場が定められている。このような場合、投票受付部11bは、定められた競技場における競技の結果に対して、付与価値を利用した投票を受け付ける。すなわち、投票受付部11bは、定められた競技場における競技の結果に対する投票以外には、団体G1によって付与された付与価値を利用することができない。このような構成とすることにより、団体が定める競技場での投票増加が見込める。
【0036】
例えば、付与価値管理部11aは、ユーザU1が投票しようとしている競技が行われる競技場が、団体G1によって付与された付与価値を利用可能な競技場として定められている場合に、当該付与価値を投票に利用可能な状態に設定し、投票受付部11bは、利用可能な状態の付与価値を利用した投票を受け付けるように構成されてもよい。一方で、付与価値管理部11aは、ユーザU1が投票しようとしている競技が行われる競技場が団体G1によって付与された付与価値を利用可能な競技場として定められていない場合に、当該付与価値を投票に利用不可能な状態に設定し、投票受付部11bは、不利用可能な状態の付与価値を利用した投票を受け付けないように構成されてもよい。
【0037】
団体G1が地方公共団体である場合、地方公共団体が治める地域の競技場や地方公共団体が管理する競技場を利用可能な競技場として定めることで、当該競技場での投票増加が見込め、ひいては地域振興につながる。
【0038】
また、投票受付部11bは、投票について、付与価値の少なくとも一部に、付与価値とは異なる価値の額を加えた投票額を受け付け可能であるように構成されてもよい。このような構成とすることにより、ユーザは付与価値と付与価値とは異なる価値を投票に併用できる。すなわち、投票受付部11bは、ユーザU1による付与価値と付与価値とは異なる価値との柔軟な組み合わせによる投票を受け付けることができる。投票受付部11bは、付与価値のみを利用した投票を受け付けてもよい。
【0039】
(1-6.支払処理部11cの機能)
支払処理部11cは、投票の内容が的中した場合にユーザU1に報酬を支払うように構成される。支払処理部11cは、投票の内容に対して設定された倍率を投票額に乗じて報酬を算出する。すなわち、報酬は、投票の内容が的中した場合にユーザに払い戻される額
(競輪・競馬等における、いわゆる「払戻金」の額)であって、投票額に投票内容に応じて設定された倍率(競輪・競馬等における、いわゆる確定した「オッズ」「配当率」)を乗じた額である。
【0040】
また、支払処理部11cは、報酬が付与価値とは異なる価値によって支払われるように構成されてもよい。すなわち、支払処理部11cは、ユーザU1が団体G1から付与されたポイントを利用して投票を行った場合に、報酬を現実の通貨によって支払うことができる。
【0041】
このような構成とすることで、ユーザは用途制限がついた付与価値を利用した投票が的中した場合に、付与価値とは異なる価値によって報酬を得ることができる。すなわち、報酬の支払いによってユーザが得られる付与価値とは異なる価値には、付与価値に課せられていた用途制限が課せられていなくてもよく、ユーザは報酬として得た価値を競技の結果に対する投票以外の用途にも用いることができる。なお、報酬の支払いによってユーザが得られる付与価値とは異なる価値には、別の用途制限が課せられていてもよい。
【0042】
支払処理部11cは、付与価値利用システム1によるサービス内でユーザが保有する価値として報酬を加算するように構成されてもよい。また、支払処理部11cは、ユーザU1の銀行口座等に送金する処理を行うように構成されてもよい。
【0043】
(1-7.付与価値利用システム1による処理の流れ)
図6を参照し、付与価値利用システム1による寄付情報取得から報酬の支払いまでの流れを説明する。
【0044】
まず、図6に示すように、ユーザU1による寄付が行われるとS305が実行される。S305において、寄付管理サーバ30は、寄付情報を取得する。寄付情報は、主に団体G1が管理する寄付管理サーバ30の記憶部32等に記録されるが、投票管理サーバ10等と共有されてもよい。寄付情報は、寄付の受付時に自動的に収集され投票管理サーバ10が取得するように構成されてもよい。または、団体G1の職員等によって投票管理サーバ10に記録する入力操作が行われ、投票管理サーバ10が取得するように構成されてもよい。
【0045】
そして、寄付と同時かその後相当期間内に寄付情報に基づいて、団体G1から付与価値が付与される。団体G1がユーザU1に付与した付与価値の情報は、寄付管理サーバ30の記憶部32等に記録される。
【0046】
付与価値の付与のための処理は、予め定められた条件に従い寄付管理サーバ30によって自動的に行われてもよい。また、付与価値の付与のための処理は、団体の職員等の操作により寄付管理サーバ30を介して行われてもよい。このように付与価値の付与のための処理が寄付管理サーバ30を利用して行われた場合には、付与価値の付与の情報は寄付管理サーバ30が予め定められた処理により取得されうる。また、付与価値の情報は、団体G1の職員等によって寄付管理サーバ30に記録する入力操作が行われ、寄付管理サーバ30が取得するように構成されてもよい。
【0047】
次に、S310及びS110が実行される。S110においては、付与価値管理部11aは、S310で寄付管理サーバ30が送信した団体G1からユーザU1に付与された付与価値の情報を受信し、記憶部12等に記録する。そして、付与価値管理部11aは、ユーザU1に付与された付与価値の管理を開始する。S110と後述のS120を含む処理を付与価値管理ステップ(S100)と称する。
【0048】
付与価値管理部11aは、寄付管理サーバ30から付与価値の情報を取得する際に、ユーザU1の識別情報や団体G1の識別情報等を同時に取得してもよい。付与価値管理部11aは、ユーザU1の識別情報に、団体G1の識別情報に関連付けられる競技場の識別情報と、付与価値の情報とを関連付けて記憶してもよい。
【0049】
次に、S120及びS320が実行される。S120においては、投票受付部11bは、S220でユーザ端末20から送信された付与価値を利用したユーザU1の競技の結果に対する投票を受け付け、受け付けた投票内容を記憶部12等に記録する。このとき、付与価値管理部11aは、付与価値の利用履歴を記録し、残高を管理する。
【0050】
投票を受け付けた競技の終了後、S130が実行される。S130においては、支払処理部11cは、競技の結果に基づき、投票の内容が的中した場合にユーザU1に支払うべき報酬を算出し、報酬を記憶部12等に記録する。また、S230において、支払処理部11cは、ユーザU1に支払う報酬の情報をユーザ端末20に送信し、ユーザ端末20がその情報を受信する。
【0051】
<2.第2実施形態>
(2-1.第2実施形態に係る付与価値利用システム1)
以下、本発明の第2実施形態に係る付与価値利用システム1について説明する。第2実施形態における付与価値利用システム1は、図7に示すように、登録部11dをさらに備える点で第1実施形態と異なる。以下、相違点を中心に説明する。
【0052】
第2実施形態では、登録部11dによるユーザU1のアカウント情報の登録、及び付与価値管理部11aによるアカウント情報と付与価値の関連付けが行われ、付与価値利用システム1に係るサービスのアカウント作成前に団体G1により付与価値が付与された場合でも、ユーザU1が付与価値を利用した投票を行うことができる。
【0053】
(2-2.投票管理サーバ10の機能構成)
図7に示すように、投票管理サーバ10の制御部11は、付与価値管理部11aと、投票受付部11bと、登録部11dを有する。制御部11は、支払処理部11cをさらに有してもよい。
【0054】
(2-3.登録部11dの機能)
登録部11dは、ユーザU1のアカウント情報を登録するように構成される。例えば、登録部11dは、ユーザ端末20から送信されるユーザU1によるアカウント作成の要求及びユーザU1の情報を受信する。そして、登録部11dは、付与価値利用システム1に係るサービスにおけるアカウントを作成し、ユーザU1のアカウント情報を記憶部12等に記録し、登録処理を行う。
【0055】
(2-4.付与価値管理部11aの機能)
付与価値管理部11aは、ユーザU1のアカウント情報を登録した後、団体G1からユーザU1に付与された付与価値の記録に関する情報に基づいて、ユーザU1のアカウント情報に対して付与価値を関連付けて管理するように構成される。このような構成とすることにより、投票管理サーバ10がユーザ情報を付与価値の付与後に取得した場合でも、ユーザは投票にその付与価値を利用できる。
【0056】
ここで、「付与価値の記録に関する情報」とは、投票管理サーバ10が有するサーバアカウント情報によって特定されるユーザU1と、寄付管理サーバ30が有するユーザU1についての「付与価値の記録」との関連付けの基礎となる情報である。付与価値管理部11aは、寄付管理サーバ30に対して付与価値の記録に関する情報に基づいて付与価値の記録について照会することにより、付与価値の情報を得ることができ、ユーザU1のアカウント情報に対して付与価値を関連付けることができる。
【0057】
関連付けの基礎となる情報の一例として、付与時に団体G1から発行される証明書等に記載された情報が挙げられる。寄付の証明書等に記載された情報は、付与価値の記録を特定可能な文字列、又はそのような文字列を基に作成されたバーコード或いは二次元バーコード等である。
【0058】
二次元コードを用いた例について、図8を参照しつつ説明する。ユーザ端末20は、カメラ27を用いて、寄付証明書40に印字された二次元コード42を読み取る。ユーザ端末20は、ユーザの読取りにより得られた関連付けの基礎となる情報を付与価値の記録に関する情報として投票管理サーバ10に送信する。そして、投票管理サーバ10の付与価値管理部11aは、寄付管理サーバ30に対して付与価値の記録に関する情報に基づいて付与価値の記録について照会する。
【0059】
また、関連付けの基礎となる情報の別の例として、ユーザU1を一意に特定することのできるマイナンバー等の情報が挙げられる。投票管理サーバ10と寄付管理サーバ30の両方がマイナンバー等の情報を有する場合には、付与価値管理部11aは、このような情報に基づいてユーザU1のアカウント情報に対して付与価値を関連付けることができる。
【0060】
また、寄付情報は、付与価値の記録に関する情報に基づいて付与価値の記録について照合するための情報を含んでいてよい。
【0061】
(2-5.付与価値利用システム1による処理の流れ)
図9を参照し、付与価値利用システム1による寄付情報取得から報酬の支払いまでの流れを説明する。
【0062】
図9に示すように、ユーザU1による寄付及びS305が実行され、団体G1から付与価値が付与された後、アカウント情報登録ステップS140及びS240が実行される。S140において、ユーザ端末20から送信されたアカウント作成要求(S240)に基づき、登録部11dはユーザU1のアカウント情報を登録する。
【0063】
次に、S250、S150及びS350が実行される。S150においては、S250でユーザ端末20から送信された付与価値記録に関する情報に基づいて、付与価値管理部11aは付与価値の記録について寄付管理サーバ30に照会する。そして、付与価値管理部11aは、S350で寄付管理サーバ30から送信された付与価値の記録を受信し、ユーザU1のアカウント情報に対して付与価値を関連付けて管理することを開始する。
【0064】
なお、寄付管理サーバ30は、付与価値管理部11aから照会がある前に、団体G1から付与価値が付与されたときに、ユーザ識別情報及び付与価値に関する情報を投票管理サーバ10に送信するように構成されてもよい。
【0065】
その後、S100(すなわち、S110及びS120)、S130等が実行される。
【0066】
<3.その他の実施形態>
以上、本発明における実施形態及びその変形例について説明したが、本開示の適用は上述の内容に限定されるものではない。
【0067】
例えば、上記実施形態では、各機能を主に投票管理サーバ10が備える態様について説明したが、一部の機能についてユーザ端末20或いは寄付管理サーバ30が備える、又は投票管理サーバ10とユーザ端末20と寄付管理サーバ30の何れもが備える構成とすることができる。
【0068】
また、投票管理サーバ10等の情報処理装置は、物理的に1台で構成される装置だけでなく、複数台の装置が有線又は無線で通信可能に接続され、実質的に1つの情報処理装置として機能するものを含んでもよい。
【0069】
また、上記実施形態において投票管理サーバ10に実行させるものとして記載されていた各ステップについても、ユーザ端末20又は寄付管理サーバ30に行わせることができる。
【0070】
また、付与価値管理部11aは、団体の識別情報と競技場の識別情報を関連付けて記憶していてもよい。そのような関連付けの情報は、団体により付与された付与価値が利用可能な競技場の判別に利用することができる。
【0071】
以上、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0072】
<4.実施形態の特徴>
以下、本発明の実施形態の特徴をまとめる。
【0073】
本発明の一態様に係る投票管理サーバ10は、競技の結果に対するユーザの投票を管理する情報処理装置であって、付与価値管理部11aと、投票受付部11bを備え、付与価値管理部11aは、ユーザから団体への寄付情報に基づいて、団体からユーザに付与される付与価値を管理し、投票受付部11bは、付与価値を利用した競技の結果に対する投票を受け付ける、情報処理装置。
【0074】
このような構成とすることにより、寄付に基づいて得られる付与価値が競技結果に対する投票という用途に利用可能であれば、競技結果への投票を好むユーザによる寄付を促進し、団体はより多くの寄付を得られる。
【0075】
付与価値は、団体に応じて利用可能な競技場が定められており、投票受付部11bは、競技場における競技の結果に対して、付与価値を利用した投票を受け付けるように構成されてもよい。このような構成とすることにより、団体が定める競技場での投票増加が見込める。
【0076】
投票管理サーバ10は、支払処理部11cをさらに備え、支払処理部11cは、投票の内容が的中した場合にユーザに報酬を支払い、報酬は付与価値とは異なる価値によって支払われるように構成されてもよい。このような構成とすることにより、ユーザは、用途制限がついた付与価値を利用した投票が的中した場合に、付与価値とは異なる価値によって報酬を得ることができる。
【0077】
投票受付部11bは、投票について、付与価値の少なくとも一部に、付与価値とは異なる価値の額を加えた投票額を受け付け可能であり、支払処理部11cは、投票の内容に対して設定された倍率を投票額に乗じて報酬を算出するように構成されてもよい。このような構成とすることにより、投票に付与価値と付与価値とは異なる価値を併用することができる。
【0078】
投票管理サーバ10は、登録部11dをさらに備え、登録部11dは、ユーザのアカウント情報を登録し、付与価値管理部11aは、ユーザのアカウント情報を登録した後、団体からユーザに付与された付与価値の記録に関する情報に基づいて、ユーザのアカウント情報に対して付与価値を関連付けて管理するように構成されてもよい。このような構成とすることにより、情報処理装置がユーザ情報を付与価値の付与後に取得した場合でも、ユーザは投票にその付与価値を利用できる。
【0079】
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、競技の結果に対するユーザの投票を管理させ、付与価値管理ステップと、投票受付ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、付与価値管理ステップでは、ユーザから団体への寄付情報に基づいて、団体からユーザに付与される付与価値を管理し、投票受付ステップでは、付与価値を利用した競技の結果に対する投票を受け付ける、プログラムである。
【0080】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、競技の結果に対するユーザの投票を管理する情報処理方法であって、付与価値管理ステップと、投票受付ステップを備え、付与価値管理ステップでは、コンピュータがユーザから団体への寄付情報に基づいて、団体からユーザに付与される付与価値を管理し、投票受付ステップでは、コンピュータが付与価値を利用した競技の結果に対する投票を受け付ける、情報処理方法である。
【符号の説明】
【0081】
1:付与価値利用システム,5:通信回線,10:投票管理サーバ,11:制御部,11a:付与価値管理部,11b:投票受付部,11c:支払処理部,11d:登録部,12:記憶部,13:通信部,14:操作入力部,15:モニタ,16:システムバス,200:ユーザ端末,21:制御部,22:記憶部,23:通信部,24:表示部,25:スピーカ,26:マイク,27:カメラ,28:操作ボタン,29:システムバス,30:寄付管理サーバ,31:制御部,32:記憶部,33:通信部,34:操作入力部,35:モニタ,40:寄付証明書,42:二次元コード,G1:団体,U1:ユーザ,
図1
図2
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図6
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図9